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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】紡糸及び/又は撚糸機械
(51)【国際特許分類】
   D01H 13/04 20060101AFI20231207BHJP
   D01H 1/42 20060101ALI20231207BHJP
   D01H 7/18 20060101ALI20231207BHJP
【FI】
D01H13/04 Z
D01H1/42 Z
D01H7/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023539311
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-06-27
(86)【国際出願番号】 ES2021070807
(87)【国際公開番号】W WO2022101534
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】U202032423
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515147977
【氏名又は名称】トゥイストパーフェクト,ソシエダッド リミターダ
(71)【出願人】
【識別番号】519228533
【氏名又は名称】カスムコーニ,ソシエダッド リミターダ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ガラン ロンゲラス アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ガラン ロンゲラス ホルディ
(72)【発明者】
【氏名】ラトレ ラエス ホセ アントニオ
【テーマコード(参考)】
4L056
【Fターム(参考)】
4L056AA02
4L056AA32
4L056BD01
4L056BD48
4L056BD54
4L056BD92
4L056CA06
4L056CA11
4L056CA52
4L056CA57
4L056EA04
4L056EC65
(57)【要約】
複数のバルーンで動作する紡糸及び/又は撚糸機械は、給糸手段(1)と、紡糸軸(V)を有する糸用の糸ピッキング手段(4)と、前記給糸手段(1)と糸用の前記糸ピッキング手段(4)との間に位置する糸ガイド(8)と、バルーン直径生成手段(DB)と、糸用の前記糸ピッキング手段(4)に接続された駆動手段と、を備え、前記糸ガイド(8)の内径は、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径より大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍より小さい。好ましくは、前記糸ガイド(8)の内径は、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の0.01~0.9倍である。紡糸及び/又は撚糸機械は、いくつかの糸ガイド(8、8’、8”)を備え、それらのうちの少なくとも1つは、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径より大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍より小さい前記糸ガイド(8)の内径を有する。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバルーンで動作する紡糸及び/又は撚糸機械であって、
・給糸手段(1)と、
・紡糸軸(V)を有する糸用の糸ピッキング手段(4)と、
・前記給糸手段(1)と糸用の前記糸ピッキング手段(4)との間に位置する糸ガイド(8)と、
・バルーン直径生成手段(DB)と、
・糸用の前記糸ピッキング手段(4)に接続された駆動手段と、
を備え、
前記糸ガイド(8)の内径は、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍よりも小さいことを特徴とする、紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項2】
前記糸ガイド(8)の内径は、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の0.01~0.9倍であることを特徴とする、請求項1に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項3】
前記糸ガイド(8)の内径は、3mm以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項4】
いくつかの糸ガイド(8、8’、8”)を備え、それらのうちの少なくとも1つは、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍よりも小さい前記糸ガイド(8)の内径を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項5】
紡糸及び/又は撚糸プロセス中に前記糸ガイド(8)の内径変更手段を備え、それにより、前記糸ガイドの内径は、紡糸プロセスの任意の瞬間に、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍よりも小さいことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項6】
・糸の応力及び/又はトラベラの位置及び/又は前記バルーンの形状を知るための手段と、
・糸の応力、及び/又は前記紡糸及び/又は撚糸機械の他のパラメータに基づいて、前記糸ガイド(8)の前記内径変更手段によって、前記糸ガイド(8)の内径をリアルタイムで変更するプログラム可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする、請求項5に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項7】
前記糸ピッキング手段(4)のチューブ(2)の長さの内側に位置し、前記チューブ(2)よりも大きく、前記直径(DB)の1.1倍よりも小さい直径を有するトラベラ安定化要素(9)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項8】
前記機械は、リングを有する機械であり、
・糸(3)用の前記糸ピッキング手段の前記紡糸軸(V)と整列していない糸出口点(Y1)を有する給糸手段(1)と、
・垂直に移動可能であり、前記軸(V)と同心であるトラベラリングアセンブリ(5)を備えるバルーン生成手段(DB)と、
・紡糸サイクル中に前記紡糸軸(V)と整列しない経路(T)で前記給糸手段(1)の前記糸出口点(Y1)に対する前記糸ガイド(8)の相対位置を移動させるための手段であって、紡糸角度(β)が常に垂直に対して60°未満であり、少なくとも2つのバルーンを形成する(LB)に沿う糸の前記経路が糸(3)用の前記糸ピッキング手段に衝突せず、紡糸プロセスが安定するようになっている、手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項9】
前記糸ガイド(8)の前記経路(T)は、直線状であることを特徴とする、請求項8に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項10】
前記糸ガイド(8)の前記経路(T)は、直線状でないことを特徴とする、請求項8に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項11】
前記糸ガイド(8)の前記経路(T)は、前記糸ガイド(8)を糸(3)用の前記糸ピッキング手段の前記紡糸軸(V)上に移動させる第一のセグメントと、前記糸ガイド(8)を糸(3)用の前記糸ピッキング手段の前記紡糸軸(V)から離れるように移動させる第二のセグメントとを有することを特徴とする、請求項8に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項12】
前記糸ガイド(8)の向きは、水平ではないことを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項13】
水平位置に対する前記糸ガイド(8)の向きを変更するための手段を備えることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項14】
・前記給糸手段(1)の前記糸出口点(Y1)に対する前記トラベラリングアセンブリ(5)の位置を知るための手段及び/又は糸の応力を知るための手段と、
・糸の応力及び/又は前記トラベラリングアセンブリ(5)の位置に基づいて、前記トラベラリングアセンブリ(5)の位置に対する前記糸ガイド(8)の位置を変更するプログラム可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発明の名称の欄に記載されているように、紡糸及び/又は撚糸機械に関し、その機械は、その意図された機能において、以下に詳述され、現状技術に改善をもたらす利点及び特徴を提供する。
【0002】
本発明の目的は、紡糸及び/又は撚糸機械に関し、この機械は、糸ガイドの内径が標準糸ガイドの直径よりも大きい糸ガイドを備えることで、給糸手段の糸出口点と糸ガイドとの間に、糸の応力をより一定に、安定に、バランスよくする振動が発生し、それに伴って、糸ガイドとバルーン直径生成手段との間のバルーンの形状及び数がより一定になるようになっている。
【0003】
さらに、本発明は、紡糸サイクル中に紡糸軸と一致しない経路で給糸手段の糸出口点に対する糸ガイドの相対位置を移動する手段を使うことを提案することで、糸によって形成されるバルーンの全高に沿った糸の経路が、糸ピッキング手段と衝突せず、応力がより一定になるように、それに応じて、糸ガイドと、リング及びトラベラであるバルーン生成手段との間のバルーンの形状と数ができるだけ一定になる。
【0004】
また、本発明は、糸の応力をできるだけ一定にし、それに応じて、糸ガイドと、リング及びトラベラとの間のバルーンの形状と数もできるだけ一定、安定、かつバランスよくする他の技術的特徴も備えている。
【0005】
本発明の適用分野は、バルーン紡糸及び撚糸機械の製造、とりわけ、リング紡糸機械、リング撚糸機械、ケーブル撚糸機械、2×1又はTFO二重撚糸機械、ミルの製造に特化した産業の分野に含まれる。
【背景技術】
【0006】
周知のように、複数のバルーンを用いる紡糸及び撚糸プロセスでは、機械のタイプにかかわらず、糸の応力及びバルーンの形状は、可能な限り一定かつ安定していることが望ましい。
【0007】
複数バルーン技術を用いて糸を処理する紡糸及び撚糸機械は、基本的に、
・糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸と整列した、又は整列していない糸出口点を有する給糸手段と、
・紡糸軸を有する糸ピッキング手段と、
・給糸手段と糸又はスピンドルのための糸ピッキング手段との間に位置する糸ガイドと、
・例えば、トラベラリングアセンブリからなるバルーン生成手段であって、リングを有する機械の場合、垂直に移動可能であり、糸ピッキング手段の紡糸軸と同心である、バルーン生成手段と、
・糸ピッキング手段に接続された駆動手段と、
を備え、
こうして、糸ピッキング手段が駆動手段の結果としてその紡糸軸を中心に紡糸するとき、糸は、給糸手段からトラベラリングアセンブリへと進み、糸は、複数バルーン構成及び螺旋経路を有する糸ガイドを通過すると、糸ピッキング手段へと導かれる。
【0008】
紡糸又は撚糸プロセスの間、糸の応力は変化し、バルーンの形状を変化させ、最終的に、リングを有する機械の場合、リングに対するトラベラの位置を変化させる。糸の応力の変化を引き起こす理由は、様々である。糸の応力の変化は、バルーンの形状を変化させる。
【0009】
複数のバルーンで動作する紡糸及び/又は撚糸機械の場合、応力が変化すると、生成されるバルーンの数の変化を引き起こす場合がある。例えば、バルーンの数は、2つから3つに、又は3つから4つに変化し、逆もまた同様で、すなわち、3つから2つに、又は4つから3つに変化する。
【0010】
リングを有する機械では、生成されたバルーンの形状又は数のこの変化は、トラベラをリング内で制御されない様式でしばらく動かし、トラベラとリングとの間にいくつかの接触点が生じ、トラベラの早期摩耗及び糸の破断を引き起こす。
【0011】
この状況になる理由の1つは、リングの正面図におけるリングの左接線端で測定される、リングの基部との糸の角度が、リングの基部に対して90°超から90°未満になること、又は水平になることである。この変化は、しばらくして初期位置に戻るまで、又はバルーンの数を変化させて再び平衡に達するまで、ある時間の間、応力を不安定に変化させる。多かれ少なかれ1つのバルーンとのこの新しい平衡状態は、トラベラの位置を再び90°超にし、トラベラとリングとの接触点を正しいものとし、トラベラ耐久性を可能な限り最大限に最適化し、部品の消費、機械の停止時間(効率の低下)、トラベラを交換する労働コストにつながる糸の破断、及び/又はトラベラの早すぎる変化を防止する。
【0012】
バルーンの不安定性又はある数のバルーンから別の数のバルーンへの状態の変化は、その数にかかわらず、通常、特定の紡糸条件、例えば、トラベラ及びリングアセンブリに対する、又は糸出口点に対する糸ガイドの高さ、トラベラの重量、バルーン生成直径、糸ガイドの直径、糸のタイプ、材料、紡糸システム(コーミング、カーディング等)、撚り、機械のモデル、トラベラ及びリングの摩耗状態、チューブの高さ、リングの直径、リングの高さ、チューブの直径等で生じる。
【0013】
したがって、最適なトラベラ耐久性を得るために、トラベラが、リングの基部との糸の角度を変更せずに、安定した経路及び位置を維持することを確実にすることが望ましい。動かないようにするためには、バルーンの不安定性、又はトラベラの位置の安定性に影響を及ぼす状態変化若しくはあるバルーンから別のバルーンへの移行を防止する必要がある。
【0014】
紡糸及び/又は撚糸プロセス中に糸の応力を変化させると、その結果、とりわけ、トラベラがリング内で制御されない様式でしばらくの間移動し、トラベラとリングとの間にいくつかの接触点が生じ、トラベラの早期摩耗及び糸の破断を引き起こす。
【0015】
例として、平均して、トラベラは、短繊維を紡糸するとき、通常、約4~8日間、続く。この期間の後、トラベラは、新しいものに変更しなければならない。リング内のトラベラの位置も、トラベラの摩擦及び摩耗領域、特にトラベラリングとトラベラヨークとの間の摩擦領域も、広く研究されている。
【0016】
トラベラを予め交換しないと、糸の破断が発生し始めるため、オペレータは糸の接合に注意を払う必要があり、その位置でしばらく生産が行われないので機械効率が低下し、また紡糸及び撚糸の通常強度の80%程度の弱い領域又は点を有するので、紡糸品質が低下する。
【0017】
したがって、トラベラは、紡糸プロセス全体にわたって安定した位置にあることが特に重要である。
【0018】
リングを有する機械の場合、生成されるバルーンの数及び振動の変化を防止し、したがって、トラベラとリングとの間の相対位置の変化を防止する解決策を見出すことは興味深い。
【0019】
さらに、リングを有する機械では、糸ピッキング手段は、固定構造に対するスピンドル紡糸を含む。スピンドル上に糸を正確にピッキングするか又は折り畳むために、トラベラリングアセンブリは、紡糸サイクルを完了するまで、ある距離の上下垂直運動において、スピンドルに対して移動可能である。紡糸サイクル中、糸ガイドは、また、トラベラリングアセンブリの位置に関連する移動によって移動可能であり、それらの間に、LB(複数バルーン領域の高さ)として定義される距離が作り出される。紡糸サイクル中、この距離LBは、一定であっても、一定でなくてもよく、紡糸サイクル中に変化し得る糸の応力及び/又はバルーンの量に依存する。
【0020】
トラベラは、糸を糸ピッキング手段のスピンドルに適切に方向付けることに加えて、その質量(ミリグラム)を通して、紡糸及び/又は撚糸プロセス中の糸の応力と、複数のバルーンの幾何学形状を調節することを可能にする要素である。
【0021】
複数のバルーンを用いる異なる特定のリング紡糸及び撚糸技術がある。
【0022】
一方で、特許文献1は、複数のバルーンで糸を処理するリングを有する紡糸及び撚糸機械を説明しており、供給システムの後に位置する糸ガイドは、スピンドルの紡糸軸に対して常に同心であり、前記軸と整列した垂直経路内で移動可能である。
【0023】
機械の寸法により、複数バルーン領域が有意な高さを有することが可能になると、前記システムは、供給システムから糸ガイドまでの糸出口角度β又は紡糸角度によって、垂直線に対して60°未満であることが可能になり、破断のない適切かつ安定した紡糸三角形を生成することが可能になるので、完全に有効である。
【0024】
紡糸三角形は、当該分野で周知であり、糸への変換のために撚られる瞬間、直ちに、給糸手段の出口点から出る繊維束の三角形として定義されている。適切な紡糸三角形は、同様に適切なスピニング角度βと関連付けられ、この角度は、垂直線に対して、決して60°を超えることはない。
【0025】
紡糸三角形は、リング撚糸において重要な要素ではない。
【0026】
糸の応力の変化を低減するためのバルーン紡糸の現行技術で既知の選択肢は、糸ガイドの位置を移動させることであるが、常にピッキング手段のスピンドルの紡糸軸上におけるものである。
【0027】
糸ガイドでは、以下の動きが知られている:
i:糸ガイドは、ボビンレール又はトラベラリングアセンブリの同じ移動で移動する。したがって、糸ガイドとトラベラリングアセンブリとの間の距離は一定である。
ii:糸ガイドは、ボビンレール又はトラベラリングアセンブリの移動と同期して移動する。例えば、糸ガイドの位置は、トラベラリングアセンブリと給糸手段の糸出口点との間の距離の中間点にある。
iii:糸ガイドは、動かない。糸ガイドは、固定され、ボビンレール又はトラベラリングアセンブリの移動とは無関係である。糸ガイドは、ピッキング手段のスピンドルの紡糸軸の任意の点に位置する。
iv:糸ガイドは、ボビンレール又はトラベラリングアセンブリの移動とは全く無関係に移動する。
【0028】
時として、特にリング紡糸中に、給糸手段の糸出口点が糸ガイドに近接して配置されると、紡糸角度が非常に大きくなり(垂直に対して60°を超え)、糸ガイドが糸ピッキング手段の紡糸軸に対して垂直かつ同心円状に上昇するときに、糸の破断を引き起こす。
【0029】
糸の応力を一定に保つ目的で糸ガイドの移動を可能にすると同時に、破断を防ぐのに適したパラメータ内に紡糸角度を保つ解決策を見出すことは興味深い。
【0030】
他の場合では、給糸手段の糸出口点が糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸と整列していないとき、給糸手段とトラベラリングアセンブリとの間の糸の経路は、糸ピッキング手段のスピンドル等の糸ピッキング手段と衝突し得る。
【0031】
したがって、給糸手段の糸出口点が糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸と整列していないときに、糸ガイドとトラベラリングアセンブリとの間の距離又は面積について、糸の経路が糸ピッキング手段と衝突することを防止する解決策を見出すことも興味深い。
【0032】
さらに、現在の技術水準への言及として、少なくとも出願人は、本明細書で特許請求されるものによって提示されるものと同様又は類似の技術的特徴を提示する任意の他の紡糸機械又は発明の存在を認識していないことに留意されたい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】国際公開第2018/122625号
【発明の概要】
【0034】
本発明によって提案される紡糸及び/又は撚糸機械は、糸手段の糸出口点が糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸と整列していないときに、糸ガイドとバルーン生成手段との間の領域に沿った糸の経路が糸ピッキング手段と衝突するのを防止する方法の問題に対する理想的な解決策として構成される。
【0035】
本発明の第二の目的は、供給システムの糸出口とリングとの間の高さ又は距離によって制限される機械における紡糸又は撚糸プロセス全体を通して、適切な紡糸角度をどのように維持することができるかに関し、同時に、複数バルーン技術を用いて、糸の応力を可能な限り一定に保ち、したがって糸の破断を防止する目的で、糸を処理することに関する。
【0036】
これを可能にする本発明の特徴的な詳細は、本明細書に付随する最後の特許請求の範囲に記載されている。
【0037】
具体的には、複数のバルーンを有する紡糸及び/又は撚糸機械は、全ての標準的な機械のように、
・糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸と整列した、又は整列していない糸出口点を有する給糸手段と、
・紡糸軸を有する糸用の糸ピッキング手段と、
・給糸手段と糸又はスピンドルのための糸ピッキング手段との間に位置する糸ガイドと、
・例えば、リングを有する機械の場合、垂直に移動可能でありかつピッキング手段の紡糸軸と同心であるトラベラリングアセンブリからなるバルーン生成手段と、
・糸用の糸ピッキング手段に接続された駆動手段と、
を備える。
【0038】
本発明の機械対象物は、標準的な糸ガイドの内径よりも大きく、バルーン生成直径の1.1倍よりも小さい糸ガイドの内径を有する糸ガイドを備える。
【0039】
バルーン紡糸及び/又は撚糸機械では、糸ガイドは、糸をバルーン生成手段の紡糸軸、すなわち、リング又はバルーン生成直径の中心にセンタリングする主な機能を有する要素である。この要素が重要なのは、糸の紡糸及び撚糸でも、ドラフティングユニット又は給糸ローラからの糸の出口でも、概して、バルーン生成手段の紡糸軸から分離され、紡糸パッケージ抽出要素のための空間を残し、及び/又は紡糸三角形の概念を維持するためである。
【0040】
1つのバルーンを有する糸ガイドの内径は、通常、0になる傾向があり、バルーン紡糸プロセスにおける振動を防止するために単に糸を通過させるだけの内径寸法としては、2~4mmが従来のものである。
【0041】
さらに、糸ガイドは、通常、スピンドルにできるだけ近接して位置決めされ、すなわち、糸ガイドとバルーン直径生成手段との間の距離を短くする試みが行われ、その結果、バルーンの直径はできるだけ小さくなり、したがって、より多くの紡糸ステーションを同じ機械に配置することができる。バルーン紡糸及び/又は撚糸プロセスにおける前記距離が長くなる場合、バルーンの直径は、糸の求心力により、糸を破断する限界及び/又は紡錘セパレータに接触する限界まで増加する。
【0042】
当業者は、糸ガイドの直径を変更する場合、糸の毛質に影響が出ること、すなわち、糸の内径が大きいほど、バルーン紡糸プロセスにおいて糸ガイドの前に生じる振動の結果として、毛質が増加することに起因して糸品質が低下することを知っている。
【0043】
さらに、バルーン紡糸及び/又は撚糸機械では、バルーン制御リングと呼ばれる要素が一般に使用され、その主な機能は、紡糸を高速で行うときに、バルーンの直径が大きくなりすぎるのを防止することである。バルーン紡糸を高速で行うときに、糸の求心力によりバルーンの直径が大きくなり、紡糸ステーションセパレータと衝突すると、糸が破断することがある。この悪影響を防ぎ、糸が紡糸ステーションセパレータと衝突しないように、バルーンの直径を制御するために、制御リングが配置される。制御リングの直径は、糸ピッキング手段のスピンドルが制御リング内で移動できるようにするために、通常、バルーン生成手段の直径よりも大きい。制御リングは、通常、リング又はバルーン生成直径の少なくとも1.1倍の内径を有する。
【0044】
この特許では、糸ガイドの内径のサイズ、すなわち、糸ガイドの穴の直径が、バランスのとれた自由に得られるバルーンの形状、及び複数バルーン紡糸及び/又は撚糸を実行するときの糸の応力に実質的な影響を及ぼすことを発見した。
【0045】
糸ガイドの内径が標準的な糸ガイドの直径よりも大きいと、糸の応力の変化を吸収し、糸の応力をより一定にするチェーン又は偽バルーン(falsos balones)の形態で、給糸手段の出口点と糸ガイドとの間の領域に振動を発生させることができ、したがって、糸ガイドとバルーン直径生成手段又はトラベラリングアセンブリとの間の領域におけるバルーンの形状及び数は、より一定で安定になり、それによって、糸の早期破断の原因となるトラベラの制御されない移動を防止及び低減できる。
【0046】
それにもかかわらず、糸ガイドの内径の具体的な測定は、とりわけ、機械の形状(リングの直径、巻き取りチューブの直径、チューブの高さ、チューブの上部と出口点との間の距離、糸ガイドとバルーン直径生成手段との間の距離、給糸手段の糸出口点と糸ガイドとの間の距離、糸出口点とバルーン直径生成手段との間の総距離、紡糸角度、移行および破壊角度等)及び処理される糸の種類に依存する。
【0047】
好ましくは、糸ガイドの内径は、バルーン直径生成手段の直径の0.01~0.9倍である。
【0048】
好ましくは、糸ガイドの内径は、リング紡糸において、少なくとも6~30mmである。
【0049】
好ましくは、紡糸及び/又は撚糸機械は、紡糸プロセスの任意の瞬間に、糸ガイドの内径が標準的な糸ガイドの直径よりも大きく、バルーン生成直径の1.1倍より小さいことを可能にするように、糸ガイドの内径変更手段を備える。
【0050】
糸ガイドの内径を変化させることにより、給糸手段と糸ガイドとの間の領域で発生する振動を制御することができ、したがって、糸ガイドとバルーン直径生成手段との間の領域における糸の応力を制御することもできる。
【0051】
したがって、一例として、リング径40mmの機械を用いて複数のバルーンで20Neの綿糸を製造するには、最適値は、3つのバルーンで糸ガイド径12mmに相当する40mmの0.3倍となる
【0052】
好ましい実施形態では、いくつかの糸ガイドを、給糸手段の糸出口点とバルーン直径生成手段との間に含まれる領域全体に編成することができ、前記糸ガイドは、異なる直径を有することができ、異なる位置に配置することができる。この実施形態によって、複数バルーン領域において生成される振動をより良好に制御することが可能になる。
【0053】
糸ガイドの内径は、同じであっても異なっていてもよく、時間の関数として変化させることもできる。糸ガイドの位置は、時間の関数として変更することもできる。
【0054】
好ましい実施形態では、紡糸及び/又は撚糸機械械がリングを有する機械である場合、その機械は、新規かつ発明的な様式で、バルーン生成領域に沿った糸の経路が糸ピッキング手段と衝突せず、応力がより一定になるように、紡糸サイクル中にピッキング手段の紡糸軸と整列しない経路で、給糸手段の糸出口点に対する糸ガイドの相対位置を移動させるための手段を備え、したがって、糸ガイドとトラベラリングアセンブリとの間のバルーンの形状及び数は、より一定になる。
【0055】
紡糸サイクルの開始時に、高さ移動可能なトラベラリングアセンブリが糸用の糸ピッキング手段の下方領域に位置するとき、糸ガイドは、一般に、糸用の糸ピッキング手段の軸の中心に位置する。
【0056】
サイクルが進行するにつれて、すなわち、トラベラリングアセンブリが垂直に上昇するにつれて、糸ガイドも、糸ガイドとトラベラリングアセンブリとの間の距離を維持するために、糸ピッキング手段の紡糸軸と整列しない経路とともに上昇して、糸の応力の有意な変化を引き起こさないようになり、したがって、複数のバルーンの形状は、安定に保たれる。
【0057】
紡糸サイクルの終わりに、トラベラリングアセンブリが糸ピッキング手段の最終点又は上部にあるとき、糸ガイドは、糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸からできるだけ離れて、給糸手段の糸出口点により近いその経路の上部点に位置する。
【0058】
糸ピッキング手段の紡糸軸に対して糸ガイドが整列していないので、複数バルーン構造は糸ピッキング手段の紡糸軸と整列しない。それにもかかわらず、給糸手段の糸出口点に対する糸ガイド及びトラベラリングアセンブリの相対位置の結果として、バルーン生成領域に沿った糸の経路が糸ピッキング手段と衝突しないことが保証される。
【0059】
同時に、糸ガイドが整列していないことで、好ましくは、全紡糸サイクルの間、垂直線に対して60°未満の紡糸角度を維持することができ、その後、プロセスを安定化することもできるが、これは、糸ガイドが常に糸ピッキング手段の紡糸軸と整列して垂直に動く場合、不可能なことである。
【0060】
紡糸角度は、紡糸サイクルの任意の所与の時間において、糸出口点の直線と糸ガイドの経路の上部点と垂直線とによって形成される角度として定義される。
【0061】
下部点から上部点に進むための糸ガイドの経路は、線形であってもなくてもよく、すなわち、線形と湾曲の移動を組み合わせた経路とすることができる。
【0062】
好ましい実施形態では、糸ガイドの向きは、水平ではない。
【0063】
別の好ましい実施形態では、水平位置に対する糸ガイドの向きは、変更することができる。
【0064】
好ましい実施形態では、機械は、糸の応力及び/又はトラベラリングアセンブリの位置に基づいて、トラベラリングアセンブリの位置に対する糸ガイドの位置を変更し、それによって、糸の応力、したがって、バルーンの数を可能な限り一定に保つためのプログラム可能な制御手段を備える。この実施形態では、機械は、糸の応力を知るための手段及び/又はトラベラリングアセンブリの位置を知るための手段を備えてもよい。
【0065】
上述した機械の結果として、紡糸サイクル中に糸ガイドの相対位置を給糸手段の糸出口点に対して糸ピッキング手段の紡糸軸と整合しない経路で移動させるステップを含む、紡糸及び/又は撚糸方法を実施することが可能になり、こうして、バルーン生成領域に沿った糸の経路が糸ピッキング手段に衝突せず、応力がより一定になるので、糸ガイドとバルーン直径生成との間のバルーンの形状及び数は、より一定になる。
【0066】
好ましくは、紡糸及び/又は撚糸の方法は、以下のステップ:
・直線経路又は非直線経路で糸ガイドを移動させるステップ、
・糸用の糸ピッキング手段の紡糸軸上に糸ガイドを移動させる第一のセグメントと、糸ピッキング手段の紡糸軸から離れるように糸ガイドを移動させる第二のセグメントとを有する経路で糸ガイドを移動させるステップ、
・水平に対する糸ガイドの向きを、その経路のある点で変更するステップ、
プログラム可能な制御手段の結果として、糸の応力及び/又はトラベラリングアセンブリの位置に基づいて、トラベラリングアセンブリの位置に対する糸ガイドの位置を自動的に変更し、それによって、糸の応力を可能な限り一定に保ち、したがって、バルーンの数を可能な限り一定に保つステップ、
のうちの1つ又は全部を含んでもよい。
【0067】
上述の方法を実施するために、標準的な紡糸及び/又は撚糸機械を変更することも可能である。
【0068】
標準的な紡糸及び/又は撚糸機械について、上述の方法を実施するために、以下のステップ:
・元の糸ガイドを除去するステップ、
・バルーンリミッタを除去するステップ、
・紡糸サイクル中に糸ピッキング手段の紡糸軸と整列しない経路で給糸手段の糸出口点に対する糸ガイドの相対位置を移動させることを可能にする糸ガイドを移動させるためのシステムを組み込むステップであって、バルーン生成領域に沿った糸の経路が糸ピッキング手段と衝突せず、応力がより一定になるようになることで、糸ガイドとバルーン直径生成手段との間のバルーンの形状及び数がより一定になる、ステップ、
が実施される。
【0069】
任意選択で、以下のステップ:
・水平に対する糸ガイドの向きを変更するための手段を設置するステップ、
・糸の応力を知るための手段及び/又はトラベラリングアセンブリの位置を知るための手段を設置するステップ、
・糸の応力及び/又はトラベラリングアセンブリの位置に基づいて、トラベラリングアセンブリの位置に対する糸ガイドの位置を変更するためのプログラム可能な制御手段を設置し、それによって、糸の応力、したがって、バルーンの数を可能な限り一定に保つステップ、
の全部又は一部を実施することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
本明細書で提供する説明を完全にするために、また本発明の特徴をより容易に理解できるようにすることを目的として、この説明は、その不可欠な部分を構成する図面を伴い、図面は、限定するものではなく、例示的なものである。
【0071】
図1A】紡糸及び/又は撚糸機械の描写の概略図を示し、糸ガイドは、その直線経路の下部点に位置し、ピッキング手段の紡糸軸と整列せず、トラベラリングアセンブリが最小初期位置に位置する。
図1B図1Aに示す紡糸及び/又は撚糸機械の描写の概略図を示し、この場合、糸ガイドは、その直線経路の上部点に位置し、紡糸軸と整列せず、リングは、最大最終位置にある。
図2A】ここでも、紡糸及び/又は撚糸機械を表す概略図を示し、ここでは、糸ガイドは、その直線経路の下部点に位置し、ピッキング手段の紡糸軸と整列せず、リングは、最小初期位置に位置し、この場合、糸ガイドは、さらに水平に対して数度の傾斜角を有する。
図2B図2Bに示す紡糸及び/又は撚糸機械を表す概略図を示し、この場合、糸ガイドは、その直線経路の上部点に位置し、ピッキング手段の紡糸軸と整列せず、リングは、最大最終位置にある状態で示され、糸ガイドは、水平に対して数度の傾斜角を有する。
図3A】同様に、紡糸及び/又は撚糸機械を表す概略図を示し、この場合、糸ガイドは、その非直線経路の下部点に位置し、糸ピッキング手段の紡糸軸と整列せず、リングは、最小初期位置にある。
図3B図3Bに示す紡糸及び/又は撚糸機械を表す概略図を示し、この場合、糸ガイドは、その非直線経路の上部点に位置し、糸ピッキング手段の紡糸軸と整列せず、リングは、最大最終位置にある。
図4】従来技術に従って、2つ以上のバルーンを有する紡糸及び/又は撚糸機械の別の例の別の概略図の立面図を示し、この機械が備える主要な部品及び要素、ならびにそれらの相対的な配置が見られる。
図5図4に示すものと同様の概略図を示し、この場合、1つの糸ガイドにおいて、糸ガイドの内径は、標準的な糸ガイドの直径よりも大きく、給糸手段と糸ガイドとの間に振動を引き起こすバルーン生成直径の1.1倍より小さい。
図6図4及び図5に示すのと同様の概略図を示し、この場合、複数の糸ガイドを有する例において、糸ガイドの内径は、標準的な糸ガイドの直径よりも大きく、給糸手段と糸ガイドとの間に異なる振動領域を生じさせるバルーン生成直径の1.1倍より小さい。
図7図6に示すのと同様の概略図を示し、この場合、トラベラ安定化要素が糸ピッキング手段のスピンドルの内側に配置されている。
【0072】
領域(LB)内で、図に示すバルーン(B)の数は、2つに限定されない。
【発明を実施するための形態】
【0073】
上述した図を考慮すると、本発明の異なる実施形態は、紡糸及び/又は撚糸機械の概略図で、以下の符号の説明に従って採用される符号付けに従って、観察できる。
1 給糸手段(Medios de alimentacion de hilo)
2 チューブ(Tubo)
3 繊維構造(Estructura de fibra)
4 スピンドル又は糸ピッキング手段(Huso o medio de recogida de hilo)
5 トラベラリングアセンブリ(Conjunto anillo-cursor)
6 リングフレーム(Banco de anillos)
8 糸ガイド(Guiahilos)
8’中間糸ガイド(guiahilos intermedio)
8”上部糸ガイド(guiahilos superior)
9 トラベラ安定化要素(Elemento estabilizador del cursor)
10 トラベラ(Cursor)
12 糸(Hilo)
Y1 給糸手段の糸出口点(Punto de salida del hilo de los medios de alimentacion)
V スピンドル又は糸ピッキング手段及びバルーン直径生成手段の紡糸軸(Eje de giro del huso o medios de recogida de hilo y de los medios generadores del diametro de balon)
V” 軸Vに対して偏心した糸ガイドの軸(eje descentrado del guiahilos respecto del eje V)
T 下部点(X)と上部点(Y)との間の糸ガイドの経路(Trayectoria del guiahilos entre los puntos inferior (X) y superior (Y))
X 糸ガイドの経路の下部点(Punto inferior de la trayectoria del guiahilos)
Y 糸ガイドの経路の上部点(Punto superior de la trayectoria del guiahilos)
Z トラベラリングアセンブリの最小初期位置の点(Punto de posicion minima inicial del conjunto anillo-cursor)
W トラベラリングアセンブリの最大最終位置の点(Punto de posicion maxima final del conjunto anillo-cursor)
B バルーン(Balones)
B’ 糸又は補助バルーンの振動(Vibraciones del hilo o falsos balones)
DB バルーン直径生成手段(Diametro generador de balon)
DB’ トラベラ安定化要素の直径(9)(Diametro del elemento estabilizador del cursor (9))
LB 糸ガイドと糸ピッキング手段又はバルーン直径生成手段との間の下部バルーン生成領域(zona inferior de generacion de balones, entre el guiahilos y los medios de recogida de hilo o los medios de generacion del diametro del balon)
LC 給糸手段の糸出口点と糸ガイドとの間の上部領域(Zona superior entre el punto de salida del hilo de los medios de alimentacion y el guiahilos)
LA トラベラ安定化要素とトラベラリングアセンブリとの間のリング近傍領域(Zona cercana al anillo entre el elemento estabilizador del cursor y el conjunto anillo-cursor)
LT 給糸手段の糸出口点とピッキング手段との間の下部領域と上部領域との合計面積(Zona de suma total la zona inferior y la superior, entre el punto de salida del hilo de los medios de alimentacion y los medios de recogida)
α 糸ガイドの水平に対する傾斜角(Angulo inclinacion guiahilos respecto de la horizontal)
β 垂直に対する点(Y1)と点(Y)との間の回転角(Angulo de hilado entre los puntos (Y1) y (Y) respecto la vertical)
【0074】
リングを有する紡糸及び/又は撚糸機械を示す図4に見られるように、繊維構造(3)又は粗糸は、延伸装置に供給され、延伸装置を通過する際に延伸される。この実施形態では、給糸手段(1)は、延伸装置と見なされる。繊維構造(3)又は粗糸は、出口点(Y1)を通って給糸手段(1)から出て、糸ガイド(8)によって、通常はリングフレーム(6)に組み込まれた移動式トラベラリングアセンブリ(5)(バルーン生成手段(DB))に向かって案内される。糸ガイド(8)とトラベラリングアセンブリ(5)との間に、繊維構造(3)又は粗糸は、少なくとも2つのバルーン(B)を生成し、繊維構造を撚り合わせ、糸(12)を生成する。最後に、トラベラリングアセンブリ(5)を通過した後、糸(12)は、通常垂直軸(V)の周りで紡糸する紡糸スピンドル(4)に連結されるチューブ(2)等の糸ピッキング手段に巻かれる。
【0075】
本発明の目的は、また、バルーンで機能する他の紡糸及び/又は撚糸機械にも適用可能で、とりわけ、ケーブル撚糸機械、2×1又はTFO二重撚糸機械、及びミルにも適用可能である。バルーンで機能する全ての紡糸及び/又は撚糸機械は、バルーン生成手段(DB)及び糸ガイド(8)を備える。
【0076】
本発明の目的は、標準的な糸ガイドの代わりに、標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、かつ生成直径(DB)の1.1倍よりも小さい糸ガイド(8)の内径を有する糸ガイドを、複数のバルーンで機能する紡糸及び/又は撚糸機械において使用することである。
【0077】
標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、バルーン生成直径(DB)の1.1倍よりも小さい糸ガイド(8)の内径を有する糸ガイドを使用すると、異なる機能を有する2つの領域を作り出すことが可能になる。
【0078】
第一の領域又は上部領域(LC)は、糸用の給糸手段(1)の糸出口点(Y1)と糸ガイド(8)との間に位置する領域で、ここで、連続的な崩壊によって、回転中の応力の差を吸収する振動又は偽バルーン(B’)が生成され、第二の領域のバルーン(B)をより安定にすることができる。
【0079】
第二の領域又は下部領域(LB)は、糸ガイド(8)とバルーン直径生成手段(DB)との間に位置する領域で、ここで、複数の安定バルーン(B)が生成される。
【0080】
糸ガイド(8)の内径の選択は、紡糸パッケージ形成中にシステムに生じる応力及び安定性に依存する。
【0081】
好ましい実施形態では、糸ガイド(8)の内径は、バルーン直径生成手段(DB)の直径の0.01~0.9倍である。
【0082】
別の好ましい実施形態では、糸ガイド(8)の内径は、6mm以上30mm以下である。
【0083】
図6に示す任意選択の実施形態では、偽バルーン(B’)を有する単一の領域の代わりに、偽バルーン(B’)を有するいくつかの領域が、いくつかの糸ガイド(下側糸ガイド(8)、中間糸ガイド(8’)、及び上部糸ガイド(8”)と呼ばれる)を配置することによって存在し、糸ガイド(8)の内径は、標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、バルーン生成直径(DB)の1.1倍より小さいと、各糸ガイド(8、8’、8”)において、同じ目的で、可変であっても可変でなくても、システムをより正確に調節することができる。
【0084】
好ましい実施形態では、紡糸及び/又は撚糸機械は、紡糸及び/又は撚糸プロセス中に糸ガイド(8)の内径変更手段を備え、これによって、紡糸プロセスの任意の瞬間に、糸ガイドの内径が標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、バルーン直径生成手段(DB)の1.1倍より小さいことが可能になる。
【0085】
好ましい実施形態では、図7の例に示すように、紡糸及び/又は撚糸機械は、糸ピッキング手段のチューブ(2)の長さの内側に位置するトラベラ安定化要素(9)を備える。そのためには、トラベラ安定化要素(9)の内径は、ピッキング手段のチューブ(2)の直径よりも大きく、バルーン直径生成手段(DB)よりも小さく、好ましくは(DB)の直径よりも小さいことが必要である。トラベラ安定化要素(9)は、(DB)の直径より1.1倍より小さいため、糸ガイドと見なすことができる。
【0086】
トラベラ安定化要素(9)がバルーン直径生成手段(DB)の近くに位置すると、トラベラ安定化要素(9)とトラベラ(10)との間のリング(LA)の近くに領域が生成される。
【0087】
トラベラ安定化要素(9)は、上述したように、トラベラリングアセンブリ(5)に対して同じ移動能力を有する。
【0088】
トラベラ安定化要素(9)の内径は、紡糸プロセス中に変化することができる。
【0089】
この実施形態では、複数の安定バルーンが生成される領域(LB)は、トラベラ安定化要素(9)と糸ガイド(8)との間に位置する領域である。
【0090】
この場合、紡糸中の応力の差を吸収する偽バルーン(B’)がリング近傍領域(LA)に作り出され、トラベラ安定化要素(9)と上部糸ガイド(8)との間の上部領域(LB)のバルーン(B)をより安定化させることができる。
【0091】
図7に示す)この実施形態の別の利点は、バルーン生成直径(DB)が小さくなり、そこから、複数のバルーン領域(LB)が生成されることである。言い換えれば、この実施形態では、バルーン生成直径は、トラベラ安定化要素(9)の直径(DB’)である。バルーン生成直径が小さくなることで、より小さい長さを有する領域(LB)を伴う複数のバルーンを生成することが可能になる。
【0092】
この実施形態の別の利点は、バルーン生成直径(DB)が小さくなり、そこから、複数バルーン領域(LB)が生成されることである。言い換えれば、この実施形態では、バルーン生成直径は、トラベラ安定化要素(9)の直径である。バルーン生成直径が小さくなることで、より小さい長さを有する領域(LB)を伴う複数のバルーンを生成することが可能になる。
【0093】
好ましい実施形態では、図1A、1B、2A、2B、3A、及び3Bに示すように、繊維構造(3)又は粗糸は、延伸装置に供給され、延伸装置を通過する際に延伸される。この実施形態では、給糸手段(1)は、延伸装置と見なされる。繊維構造(3)又は粗糸は、出口点(Y1)を通って給糸手段(1)から出て、糸ガイド(8)によって、通常はリングフレーム(6)に組み込まれた移動式トラベラリングアセンブリ(5)に向かって案内される。糸ガイド(8)とトラベラリングアセンブリ(5)との間に、繊維構造(3)又は粗糸は、少なくとも2つのバルーン(B)を生成し、繊維構造を撚り合わせ、糸(12)を生成する。最後に、トラベラリングアセンブリ(5)を通過した後、糸(12)は、通常垂直軸(V)の周りで紡糸する紡糸スピンドル(4)に連結されるチューブ(2)等の糸ピッキング手段に巻かれる。
【0094】
好ましい実施形態では、リングを有する紡糸及び/又は撚糸機械では、糸ガイド(8)は、ピッキング手段の軸(V)と一致しない下部点(X)と上部点(Y)との間の経路(T)に従う。
【0095】
糸ガイド(8)と糸ピッキング手段との間の複数バルーン生成領域(LB)に沿った糸の経路が糸(3)用のピッキング手段と衝突することを防ぎ、また紡糸角度(β)、すなわちピッキング手段の垂直又は紡糸軸(V)に対する糸出口点(Y1)の角度が過度に大きくなるのを防ぐため、給糸手段(1)の前記糸出口点(Y1)が糸ピッキング手段の紡糸軸(V)と整列していないとき、糸ガイド(8)の経路(T)は、決してスピンドル(4)又は糸ピッキング手段の紡糸軸(V)と完全に整列しない。
【0096】
具体的には、図1A及び図1Bは、それぞれ、紡糸サイクルの開始時(それぞれ点Z及びX)及び紡糸サイクルの終了時(それぞれ点W及びY)における、トラベラリングアセンブリ(5)及び糸ガイド(8)の2つの位置を示し、この場合、糸ガイド(8)の経路(T)は、スピンドル(4)又はピッキング手段の紡糸軸(V)に対して傾斜した直線である。
【0097】
具体的には、図2A及び図2Bは、それぞれ、紡糸サイクルの開始時(それぞれ点Z及びX)及び紡糸サイクルの終了時(それぞれ点W及びY)における、トラベラリングアセンブリ(5)及び糸ガイド(8)の2つの位置を示し、この場合、糸ガイド(8)の経路(T)は、スピンドル(4)の紡糸軸(V)に対して傾斜した直線である。図1A及び図1Bに示す機械との違いは、図2A及び図2Bに示す機械が、水平位置に対してある角度(α)で傾斜した糸ガイド(8)を備えることで、出口点(Y1)に近い上部点(Y)の位置において、その向きを改善できることである。
【0098】
さらに、具体的には、図3A及び図3Bは、それぞれ、紡糸サイクルの開始時(それぞれ点Z及びX)及び紡糸サイクルの終了時(それぞれ点W及びY)における、トラベラリングアセンブリ(5)及び糸ガイド(8)の2つの位置を示し、この場合、糸ガイド(8)の経路(T)は、直線状ではない。糸ガイド(8)の経路(T)は、水平位置に対してある角度(α)の傾斜を有し、これにより、糸ガイド(8)がその上部点(Y)で傾斜して、その向きを改善できる。
【0099】
図3A及び図3Bによる好ましい実施形態では、糸ガイド(8)の経路(T)の最初の部分は、真っ直ぐであり、軸(V)を中心とし、湾曲経路の最終部分(T)によって、糸ガイド(8)が軸(V)に対して偏心し始める前に、糸が糸ピッキングチューブ(2)に接触するのを防ぐのに充分な方法で、糸ガイド(8)を垂直に上昇させることができる。
【0100】
図に示す経路(T)は、糸ガイド(8)上に描かれなければならず、糸ガイドを備えるアクチュエータの反対側の端部には描かれてはならない。この時点では、図が分かりにくくならないように、経路を描くことが決められている。したがって、紡糸プロセスで角度(α)が変化する場合、経路(T)は、図示されたものと一致しないことがある。
【0101】
任意選択で、糸ガイド(8)の向きは、水平ではない。
【0102】
任意選択で、紡糸及び/又は撚糸機械は、水平位置に対する糸ガイド(8)の向きを変更するための手段を備える。
【0103】
好ましくは、一実施形態では、糸ガイド(8)が下部点(X)から上部点(Y)まで経路(T)に沿って移動するとき、前記糸ガイド(8)は、-45°~+45°の範囲内の角度(α)で水平線に対して傾斜している。
【0104】
非線形移動経路を得る方法については、機械の部品を前記経路に従って移動させるデバイスは、現状技術において周知であるので、本出願では特定しない。
【0105】
この糸の応力、トラベラの位置又はバルーンの形状は、紡糸及び/又は撚糸プロセス中に、以下の3つの方法:
a)給糸手段(1)の糸出口点(Y1)を変更すること、
b)糸ガイド(8)の直径を変更すること、
c)方法a)及びb)の組み合わせを使用すること、で変更することができる。
【0106】
一方の変数、他方の変数、又は同時に2つの変数すべてを変更することによって、システム内の糸の応力は、それを増加又は減少させることによって変化し、バルーン間の状態の変化又は遷移を排除させる。
【0107】
この技術を用いて、バルーン状態変化遷移時間は、バルーン変化が供給される高応力によって直ちに生じるように、システムの応力を変化させることによって、最小限にすることができる。
【0108】
したがって、上述のように、トラベラを通過する糸は、常にリングの基部に対して90°より大きい角度を有することになり、トラベラは安定した位置で動作し、共通接触領域においてリングに擦れる。
【0109】
これにより、トラベラの早期摩耗及び糸の破断が減少する。
【0110】
バルーンを変更及び調整するこの新しい方法は、以下の3つの方法:
・リアルタイムで、
・先行試験によって、
・特定の紡糸について以前に得られたパラメータを設定することによって、
実行することできる。
【0111】
リアルタイムで変更する方法は、デジタル信号、アナログ信号、機械的信号、又はPLC、空気圧、液圧、機械的、電気的、電子的、磁気的等の任意のタイプの機構を用いて処理され、任意のタイプの信号を提供する任意のシステム又は光学的手段、電気的手段、電子的手段、機械的手段、ロードセル等を使用して、その目的のためのセンサによって得られる糸応力パラメータ及び/又はトラベラの位置、及びバルーンの形状を捕捉すること、リアルタイムで給糸手段(1)の糸出口点(Y1)に対する糸ガイド(8)の位置を変化すること、及び/又は変更された応力がバルーンの形状を一定に保つように糸ガイド(8)の内径を変更することからなる。
【0112】
給糸手段(1)の糸出口点(Y1)に対する糸ガイド(8)の位置を変更する方法の1つは、ギアモータ、PLCスクリーン、及び信号を動きに変換する特定のソフトウェアによって行われる。
【0113】
このようにして、干渉の発生又はバルーンの状態の変化が検出されると、応力がリアルタイムで変化するので、トラベラが早期摩耗を防止できる。
【0114】
このシステムは、トラベラの早期摩耗を引き起こす長時間の干渉によってトラベラが影響を受けることなく、非常に迅速な方法で、バルーン状態シフトを実行するためにも使用できる。
【0115】
事前の試験によって、給糸手段(1)の糸出口点(Y1)に対する糸ガイド(8)の位置、及び/又は糸ガイド(8)の内径がどうあるべきかは、トラベラリングアセンブリ(5)の位置に基づいて決定することができる。この学習は、プログラム可能な制御手段(図示せず)においてプログラムすることができ、紡糸サイクル中に、給糸手段(1)の糸出口点(Y1)に対する糸ガイド(8)の位置を、必要に応じて一定に保つこと、増加すること、又は減少すること、及び/又は給糸手段(1)の糸出口点(Y1)に対するトラベラリングアセンブリ(5)の位置に基づいて、糸ガイド(8)の内径を変更することができる。
【0116】
他のシステムの中でもとりわけ、これらの調整は、ソフトウェア及びPLCを通して操作される電気機械運動によって、各位置におけるパラメータを提供する応力センサ又は光学センサ等によって行うことができる。
【0117】
このシステムによって、バルーンの応力及び形状に影響を及ぼす各変数(例えば、力価、ねじり、材料(100%綿、PES、PA、混合物等)、紡糸プロセス(コーミング、カーディング等)、リングの直径、チューブの高さ、機械のモデル、機械のブランド、コンパクトシステム、及び多数の変数)について、糸ガイドの距離及び/又は内径を調整することが可能になる。
【0118】
紡糸の正確なパラメータが既知である場合、特定のトラベラリング直径に従って、下部領域(LB)及び上部領域(LC)の両方を確立及び設定することができ、糸ガイド(8)の内径を事前に確立することができる。
【0119】
本発明の性質及びそれを実施する方法を充分に説明してきたが、当業者であれば、それから導き出される本発明の範囲及び利点を理解するために、その説明を拡張する必要はないと考えられる。
図1-A】
図1-B】
図2-A】
図2-B】
図3-A】
図3-B】
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-07-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバルーンで動作する紡糸及び/又は撚糸機械であって、
・給糸手段(1)と、
・紡糸軸(V)を有する糸用の糸ピッキング手段(4)と、
・前記給糸手段(1)と糸用の前記糸ピッキング手段(4)との間に位置する糸ガイド(8)と、
トラベラリングアセンブリ(5)のようなバルーン直径生成手段(DB)と、
・糸用の前記糸ピッキング手段(4)に接続された駆動手段と、
を備え、
前記糸ガイド(8)の内径は、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍よりも小さいことを特徴とする、紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項2】
前記糸ガイド(8)の内径は、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の0.01~0.9倍であることを特徴とする、請求項1に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項3】
前記糸ガイド(8)の内径は、3mm以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項4】
いくつかの糸ガイド(8、8’、8”)を備え、それらのうちの少なくとも1つは、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍よりも小さい前記糸ガイド(8)の内径を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項5】
紡糸及び/又は撚糸プロセス中に前記糸ガイド(8)の内径変更手段を備え、それにより、前記糸ガイドの内径は、紡糸プロセスの任意の瞬間に、各種類の糸に標準的な糸ガイド(8)の直径よりも大きく、前記バルーン直径生成手段(DB)の直径の1.1倍よりも小さいことを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項6】
・糸の応力及び/又はトラベラの位置及び/又は前記バルーンの形状を知るための手段と、
・糸の応力、及び/又は前記紡糸及び/又は撚糸機械の他のパラメータに基づいて、前記糸ガイド(8)の前記内径変更手段によって、前記糸ガイド(8)の内径をリアルタイムで変更するプログラム可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする、請求項5に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項7】
前記糸ピッキング手段(4)のチューブ(2)の長さの内側に位置し、前記チューブ(2)よりも大きく、前記直径(DB)の1.1倍よりも小さい直径を有するトラベラ安定化要素(9)を備えることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項8】
前記機械は、リングを有する機械であり、
・糸(3)用の前記糸ピッキング手段の前記紡糸軸(V)と整列していない糸出口点(Y1)を有する給糸手段(1)と、
・垂直に移動可能であり、前記軸(V)と同心であるトラベラリングアセンブリ(5)を備えるバルーン生成手段(DB)と、
・紡糸サイクル中に前記紡糸軸(V)と整列しない経路(T)で前記給糸手段(1)の前記糸出口点(Y1)に対する前記糸ガイド(8)の相対位置を移動させるための手段であって、紡糸角度(β)が常に垂直に対して60°未満であり、少なくとも2つのバルーンを形成する(LB)に沿う糸の前記経路が糸(3)用の前記糸ピッキング手段に衝突せず、紡糸プロセスが安定するようになっている、手段と、
を備えることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項9】
前記糸ガイド(8)の前記経路(T)は、直線状であることを特徴とする、請求項8に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項10】
前記糸ガイド(8)の前記経路(T)は、直線状でないことを特徴とする、請求項8に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項11】
前記糸ガイド(8)の前記経路(T)は、前記糸ガイド(8)を糸(3)用の前記糸ピッキング手段の前記紡糸軸(V)上に移動させる第一のセグメントと、前記糸ガイド(8)を糸(3)用の前記糸ピッキング手段の前記紡糸軸(V)から離れるように移動させる第二のセグメントとを有することを特徴とする、請求項8に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項12】
前記糸ガイド(8)の向きは、水平ではないことを特徴とする、請求項8~11のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項13】
水平位置に対する前記糸ガイド(8)の向きを変更するための手段を備えることを特徴とする、請求項8~12のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【請求項14】
・前記給糸手段(1)の前記糸出口点(Y1)に対する前記トラベラリングアセンブリ(5)の位置を知るための手段及び/又は糸の応力を知るための手段と、
・糸の応力及び/又は前記トラベラリングアセンブリ(5)の位置に基づいて、前記トラベラリングアセンブリ(5)の位置に対する前記糸ガイド(8)の位置を変更するプログラム可能な制御手段と、
を備えることを特徴とする、請求項8~13のいずれか一項に記載の紡糸及び/又は撚糸機械。
【国際調査報告】