(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-14
(54)【発明の名称】列車が本線運行から退出する条件における地下鉄の走行調整方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
B61L 27/12 20220101AFI20231207BHJP
【FI】
B61L27/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023541604
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2021102084
(87)【国際公開番号】W WO2022147973
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202110018469.8
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521091158
【氏名又は名称】北京交通大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002273
【氏名又は名称】弁理士法人インターブレイン
(72)【発明者】
【氏名】宿 帥
(72)【発明者】
【氏名】蘇 博芸
(72)【発明者】
【氏名】王 志凱
【テーマコード(参考)】
5H161
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161JJ29
5H161JJ32
(57)【要約】
【要約】
本発明は列車が本線運転から退出する条件下の地下鉄運転調整方法及びシステムに関し、列車に故障が発生した場合の地下鉄システム基礎パラメータ、本線の運営から退出する列車の情報及び線路上の正常運行列車の情報を取得し、列車が本線運転から退出する後続列車番号及びその現在のダイヤを決定し、本線運転から退出するの予定に基づいて、現在の列車のダイヤを調整し、さらに初歩調整後の列車のダイヤを獲得し、キャンセル計画列車の列車番号及びキャンセルされていない計画列車の実行のローリングストックを決定し、キャンセル計画列車の計画列車のダイヤに基づいて初歩調整後の列車のダイヤを調整する。本発明は列車が本線運転から退出する情報に基づいて走行の自動調整を実現し、ダイヤとローリングストック回転計画を合理的に変更し、列車の本線運転の退出が乗客に与える影響を低減し、地下鉄システムの自動化程度を高めて精細化管理に適応することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法であって、
地下鉄路線トポロジ構造情報および、ダイヤとローリングストック回転計画を含む計画運行図を含む列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、故障列車の列車番号、列車故障発生時刻、本線の運営から退出する予定時刻、故障発生位置を含む本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の列車番号、故障発生時の列車速度及び故障発生時の位置を含む線路上の正常運行列車の情報とを取得することと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の、線路上で運行中の故障列車番号の追跡列車の列車番号及び、後続の未発車の計画列車を含む後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定することと、
前記本線の運営から退出する列車の本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得し、初歩調整後のダイヤを決定することと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定することと、
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得することと、
前記キャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、前記初歩調整後のダイヤを調整し、調整後の最終ダイヤを獲得することと、
前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成することとを含むことを特徴とする列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項2】
前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定する後、さらに、
前記本線の運営から退出する列車の故障発生位置に基づいて、式
【数25】
[ここで、j'は本線の運営から退出する列車に最寄りの列車留置場所であり、S
faultは本本線の運営から退出する列車の故障発生位置であり、S
j
lineは第j本の列車留置線の位置であり、η
jは第j本の列車留置線の占有標識である。]
を利用して、前記本線の運営から退出する列車に最寄りの列車留置場所を決定し、
前記本線の運営から退出する列車を前記最寄りの列車留置場所に預けることを含むことを特徴とする請求項1に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項3】
前記本線の運営から退出する列車の本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得することは、具体的には:
車載ATO運転レベルパターン曲線に基づいて、式
【数26】
[ここで、r
k,nは後続列車番号kの後続駅(n-1)と後続駅nの間の区間での運行時間であり、δ
l
k,nは後続列車番号kが後続駅(n-1)と後続駅nの区間で等級lを選択するかどうかの標識であり、もし後続列車番号kがこの区間内で等級lで運行するならば、δ
l
k,n=1であり、そうでなければ、δ
l
k,n=0であり、r
k,n
lは後続列車番号kが後続駅(n-1)と後続駅nの間の区間で等級lで運行するために必要な時間である。]
を利用して、後続列車番号集合中の後続列車番号ごとに故障発生時の位置以降の隣接する2つの後続駅間の区間運転時間を決定し、
式
【数27】
[ここで、d
k,nは後続列車番号kの後続駅nでの停車時間であり、P
k,n
waitは後続列車番号kが後続駅nに到着した際のホームで待つ乗客数であり、C
k,n
remainは後続列車番号kが後続駅nに到着した場合の残りの乗客容量であり、λは乗客の列車に入る速度である]
を利用して、後続列車番号集合における後続列車番号ごとの故障発生時の位置より後の後続駅ごとの停車時間を決定し、
前記本線の運営から退出する列車の本線運営から退出の予定時刻、後続列車番号ごとの後続駅間の区間での運転時間、後続列車番号ごとの後続駅ごとの停車時間、後続列車番号ごとの故障発生時の列車速度に基づいて、列車最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差最小化を目標として、後続列車番号集合中の後続列車番号ごとの現在のダイヤを調整し、後続列車番号集合中の後続列車ごとの調整ダイヤを獲得することを含むことを特徴とする請求項1に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項4】
前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定することは、具体的には、
前記地下鉄システムの基礎パラメータの地下鉄路線トポロジ情報中のすべての列車留置線路内の予備ローリングストック集合を取得し、
前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻に基づいて、式
【数28】
[ここで、T
m
earliestは予備ローリングストックmの最も早い本線に進入の時刻であり、T
faultは本線の運営から退出する列車の列車故障時刻であり、j
mは予備ローリングストックmが位置する列車留置線路であり、t
jm
onlineは予備ローリングストックmが列車留置線路j
mから本線に入る時間である。]
を利用して、前記予備ローリングストック集合中の予備ローリングストックごとに最も早く本線に入る時刻を予備ローリングストックの最も早い本線に入る時刻として決定することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項5】
前記後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得することは、具体的に、
後続列車番号集合における後続列車番号ごとの調整ダイヤと前記計画運行図を比較し、前記計画運行図において始発駅で発車を遅延する必要がある計画列車番号及び発車を遅延する計画列車番号の遅延時間を取得し、
予め設定された発車の最大遅延時間よりも大きい発車の遅延時間に対応の発車を遅延する計画列車番号をキャンセルし、第1のキャンセル計画列車番号集合を獲得し、
後続列車番号集合中の後続列車番号ごとの計画折り返し列車番号と前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号をキャンセル待ちの計画列車番号集合とし、
列車留置線でのアイドル状態ローリングストック集合を取得し、最小折り返し時間を満たすことを前提として、留置線のイドル状態ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックがあるかどうかを判断し、第1の判断結果を獲得し、
前記第1の判断結果が「はい」であれば、前記計画運行図のローリングストック回転計画を調整し、前記キャンセル待ち計画列車集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックによってe番目のキャンセル待ち計画列車を実行し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、
前記第1の判断結果が「いいえ」を示すれば、前記予備ローリングストックの最も早い本線に進入の時刻に基づいて、前記予備ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合中のe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能な予備ローリングストックがあるかどうかを判断し、第2の判断結果を獲得し、
前記第2の判断結果が「はい」であれば、前記計画運行図のローリングストック回転計画を調整し、前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能な予備ローリングストックによって、e番目のキャンセル待ち計画列車番号を実行し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、
前記第1の判断結果が「いいえ」であれば、e番目のキャンセル待ち計画列車番号をキャンセルし、
キャンセル待ち計画列車番号eの数値を更新し、ステップ「列車留置線でのアイドル状態ローリングストック集合を取得し、最小折り返し時間を満たすことを前提として、留置線のイドル状態ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックがあるかどうかを判断し、第1の判断結果を獲得し」に戻り、前記キャンセル待ち列車番号集合のすべてのキャンセル待ち列車番号集合をトラバーサルするまで、第2のキャンセル待ち列車番号集合を獲得し、
前記第1のキャンセル計画列車番号集合と前記第2のキャンセル待ち列車番号集合は、キャンセル計画列車番号集合を構成することを含むことを特徴とする請求項4に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項6】
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得する後、
前記初歩調整後のダイヤにおける前記キャンセル計画列車番号集合のf番目のキャンセル計画列車番号の1つ前の列車番号と1つ後の列車番号を取得し、
f番目の計画キャンセル計画列車番号と1つ前の列車番号の第1の計画運行時隔、およびf番目のキャンセル計画列車番号と1つ後の列車番号の第2の計画運行時隔を決定し、
前記第1の計画運行時隔に基づいて、式
【数29】
を利用して、1つ前の列車番号の着発時間を遅延させ、
前記第2の計画運行時隔に基づいて、式
【数30】
を利用して、1つ後の列車番号の着発時間を繰り上げることをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
[ここで、a
k-front,nとa
k-back,nは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの調整後の到着時刻であり、a
k-front,n
planとa
k-back,n
planは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの計画到着時刻であり、d
k-front,nとd
k-back,nは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの調整後の発車時刻であり、d
k-front,n
planとd
k-back,n
planは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの計画到着時刻であり、h
plan
frontは1つ前の列車番号k
frontとキャンセル列車番号fの第1の計画運行時隔であり、
【数31】
、D
f=2はキャンセル列車番号fが上り運行であることを示し、d
f,1
planはキャンセル列車番号fの駅1での発車時刻であり、d
k-front,1
planは1つ前の列車番号k
frontの駅1での発車時刻であり、D
f=1はキャンセル列車番号fが下り運行であることを示し、d
f,N
planはキャンセル列車番号fの駅Nでの発車時刻であり、d
k-front,N
planは1つ前の列車番号k
frontの駅Nでの発車時刻であり、駅1から駅Nまでの運転方向を上り、駅Nから駅1までの運転方向を下りに定義し、h
plan
backはキャンセル列車番号fと1つ後の列車番号k
backの第2計画運行時隔であり、
【数32】
、d
k-back,1
planは1つ後の列車番号k
backの駅1での発車時刻であり、d
k-back,N
planは1つ後の列車番号k
backの駅Nでの発車時刻である。]
【請求項7】
前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成する後に、
列車が故障した後の混雑時間帯において、ローリングストック資源が制限され、本線の運営から退出する列車を修復できないと、計画調整運転図情報の中のオフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)を取得し、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行ことを再決定することをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項8】
前記オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行を再決定することは、具体的に、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、式
【数33】
を利用して、商値整数部分M
intを獲得し、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、式
【数34】
を利用して、商値小数部M
decを獲得し、
初期化列車番号インデックスはk'=1、整数型カウントはi=0、および倍精度型カウントはsum=0であり、
倍精度型カウントをsum+=M
decにし、倍精度型カウントsumが1より大きいか否かを判断し、第3の判断結果を得、
前記第3の判断結果が「はい」であれば、現在の列車番号インデックスがk',k'+1,...,k'+M
intの列車番号は本線で運行列車の折り返しによって実行されると確定し、前の列車番号インデックスがk'+M
int+1の列車番号は予備ローリングストックの本線への進入によって実行され、且つk'+=M
int+2,sum-=1にし、
前記第3の判断結果が「いいえ」を示すと、現在の列車番号インデックスがk',k'+1,...,k'+M
int-1の列車番号は本線での運転列車の折り返しによって実行され、現在の列車インデックスがk'+M
intの列車番号は予備ローリングストックの線路への進入によって実行され、且つk'+=M
int+2にし、
前記整数型カウントiが商値整数部M
int以下であるか否かを判断し、第4の判断結果を得、
前記第4の判定結果が「はい」を示すと、整数カウントiを1増加させ、ステップ「倍精度型カウントをsum+=M
decにし、倍精度型カウントsumが1より大きいか否かを判断し、第3の判断結果を得」に戻り、
前記第4の判断結果が「いいえ」であると、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画を実行することを含むことを特徴とする請求項7に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【請求項9】
列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整システムであって、
地下鉄路線トポロジ構造情報および、ダイヤとローリングストック回転計画を含む計画運行図を含む列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、故障列車の列車番号、列車故障発生時刻、本線の運営から退出する予定時刻、故障発生位置を含む本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の列車番号、故障発生時の列車速度及び故障発生時の位置を含む線路上の正常運行列車の情報とを取得するための情報取得モジュールと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の、線路上で運行中の故障列車番号の追跡列車の列車番号及び、後続の未発車の計画列車を含む後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定するための後続列車と現在列車のダイヤ決定モジュールと、
前記本線の運営から退出する列車本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得し、初歩調整後のダイヤを決定するための後続列車のダイヤ取得モジュールと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定するための予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻決定モジュールと、
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得するための調整後のローリングストック運転計画取得モジュールと、
前記キャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、前記初歩調整後のダイヤを調整し、調整後の最終ダイヤを獲得するための計画調整運行図情報取得モジュールと、
前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成するための調整運転図生成モジュールとを含むことを特徴とする列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整システム。
【請求項10】
前記システムは、さらに、
列車が故障した後の混雑時間帯において、ローリングストック資源が制限され、本線の運営から退出する列車を修復できないと、計画調整運転図情報の中のオフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)を取得するための混雑時間帯で使用可能なローリングストック数取得モードと、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行を再決定する混雑時間帯の使用可能な車底数取得モードピーク時の車底回転計画決定モードとをさらに含むことを特徴とする請求項9に記載の列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は列車運行制御とスケジューリング指揮技術分野に関し、特に列車が本線運行から退出する条件下の地下鉄走行調整方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、都市地下鉄はその大きな輸送力、高定刻率、低エネルギー消費のために都市公共交通システムの柱となっている。インフラが制限され、乗客数が増え、列車間の発車時隔が短くなっているため、地下鉄システムは高負荷運転に直面している。この場合、地下鉄システムに障害や応急条件が発生すると、列車の遅延が急速に伝播し、路線サービス能力の低下や大面積の乗客の滞留をもたらし、ホームにも潜在的な安全上の危険性が現れる。
【0003】
地下鉄は複雑で巨大な技術システムであり、牽引パワーサプライ、信号、環境制御、車両など多くのサブシステムを含む安全走行という中心を中心に秩序正しく連動するように、多くの専門的な協力が求められている。これは、サブシステムの1つが故障し、一定の範囲内で列車の運行に影響を与えることを意味する。多くの故障処理種別の中で、列車が車両故障のために運営条件を満たさない場合が頻繁に発生している。中国都市軌道交通協会の統計によると、2019年に列車が本線から退出したトラブルは計8953件である。列車が本線の運営から退出すると、線路上の運行ローリングストックの数が不足し、スケジューラはシステム中の予備のローリングストック資源を統一的に考慮し、路線位相構造に基づいて、できるだけ早くダイヤとローリングストック回転計画を調整する必要があり、これはスケジューラの応変と処置能力に高い要求を提出したため、列車が本線の運営から退出する条件の下でスマート走行組織を行い、合理的な走行調整戦略の制定は現在の地下鉄システムの重点研究方向の一つとなっている。
【0004】
現在、地下鉄システムにおける列車の本線の運営から退出する条件下での列車運行調整技術は依然として人工的な処理を主とし、スケジューラは列車故障情報を収集した後、仕事の経験に基づいて各列車に対して止め停止、予備線路への進行などのスケジューリング命令を下し、しかも全過程はスケジューリング電話を通じてコミュニケーションを行い、この処理過程の自動化と知能化を実現していない。一方、線路資源が制限され、線路上運行のローリングストック資源が不足している場合、列車運行調整に考慮すべき要素は複雑であり、予備ローリングストック両のローリングストック数と線路上時間、列車折り返し時間などを含み、人手処理を主とする方式でスケジューラに処置中に迅速に意思決定を要求するため、結果の合理性を保証することができず、また異なるスケジューラの処理結果には個人差があり、乗客の大量滞留、運行図の実現率不足などが発生しやすい。最後に、電話でコミュニケーションする情報伝達方式は非効率で、命令の正確性を確保することができず、運転手が命令を受け入れ、実行する際にエラーが発生すると、より大きな障害の影響を与えることになる。
【0005】
以上のように、既存の列車が本線運営から退出する条件における運行調整方法には以下のような欠陥がある:
1、列車が本線から退出する運営条件下の運行調整方法は依然として人工的な処理を主とし、この処理過程の自動化と知能化を実現していない;
2、列車が本線運行から退出した場合、地下鉄の運行調整には各種の影響要素を全面的に統一的に計画する必要があり、スケジューラが処理過程で迅速に決定を下すことを要求し、結果の合理性を保証できない;
3、電話による情報伝達方式は非効率で、命令の正確性を確保できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、列車が本線の運営から退出した情報に基づいて走行の自動調整を実現し、ダイヤとローリングストック回転計画を合理的に変更し、列車の本線運営からの退出が乗客に与える影響を低減し、地下鉄システムの自動化程度を高めて精細化管理に適応することができる列車が本線の運営から退出した条件における地下鉄走行調整方法及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の態様を提供する。
【0008】
列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法であって、
地下鉄路線トポロジ構造情報および、ダイヤとローリングストック回転計画を含む計画運行図を含む列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、故障列車の列車番号、列車故障発生時刻、本線の運営から退出する予定時刻、故障発生位置を含む本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の列車番号、故障発生時の列車速度及び故障発生時の位置を含む線路上の正常運行列車の情報とを取得することと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の、線路上で運行中の故障列車番号の追跡列車の列車番号及び、後続の未発車の計画列車を含む後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定することと、
前記本線の運営から退出する列車本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得し、初歩調整後のダイヤを決定することと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定することと、
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得することと、
前記キャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、前記初歩調整後のダイヤを調整し、調整後の最終ダイヤを獲得することと、
前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成することとを含むことを特徴とする列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法。
【0009】
オプションとしては、前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定する後、さらに、
前記本線の運営から退出する列車の故障発生位置に基づいて、式
【数1】
[ここで、j'は本線の運営から退出する列車に最寄りの列車留置場所であり、S
faultは本本線の運営から退出する列車の故障発生位置であり、S
j
lineは第j本の列車留置線の位置であり、η
jは第j本の列車留置線の占有標識である。]
を利用して、前記本線の運営から退出する列車に最寄りの列車留置場所を決定し、
前記本線の運営から退出する列車を前記最寄りの列車留置場所に預けることを含む。
【0010】
オプションとしては、前記本線の運営から退出する列車の本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得することは、具体的には:
車載ATO運転レベルパターン曲線に基づいて、式
【数2】
[ここで、r
k,nは後続列車番号kの後続駅(n-1)と後続駅nの間の区間での運行時間であり、δ
l
k,nは後続列車番号kが後続駅(n-1)と後続駅nの区間で等級lを選択するかどうかの標識であり、もし後続列車番号kがこの区間内で等級lで運行するならば、δ
l
k,n=1であり、そうでなければ、δ
l
k,n=0であり、r
l
k,nは後続列車番号kが後続駅(n-1)と後続駅nの間の区間で等級lで運行するために必要な時間である。]
を利用して、後続列車番号集合中の後続列車番号ごとに故障発生時の位置以降の隣接する2つの後続駅間の区間運転時間を決定し、
式
【数3】
[ここで、d
k,nは後続列車番号kの後続駅nでの停車時間であり、
P
k,n
waitは後続列車番号kが後続駅nに到着した際のホームで待つ乗客数であり、C
k,n
remainは後続列車番号kが後続駅nに到着した場合の残りの乗客容量であり、λは乗客の列車に入る速度である]
を利用して、後続列車番号集合における後続列車番号ごとの故障発生時の位置より後の後続駅ごとの停車時間を決定し、
前記本線の運営から退出する列車の本線運営から退出の予定時刻、後続列車番号ごとの後続駅間の区間での運転時間、後続列車番号ごとの後続駅ごとの停車時間、後続列車番号ごとの故障発生時の列車速度に基づいて、列車最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差最小化を目標として、後続列車番号集合中の後続列車番号ごとの現在のダイヤを調整し、後続列車番号集合中の後続列車ごとの調整ダイヤを獲得することを含む。
【0011】
オプションとしては、前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定することは、具体的には、
前記地下鉄システムの基礎パラメータの地下鉄路線トポロジ情報中のすべての列車留置線路内の予備ローリングストック集合を取得し、
前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻に基づいて、式
【数4】
[ここで、T
m
earliestは予備ローリングストックmの最も早い本線に進入の時刻であり、T
faultは本線の運営から退出する列車の列車故障時刻であり、j
mは予備ローリングストックmが位置する列車留置線路であり、t
jm
onlineは予備ローリングストックmが列車留置線路j
mから本線に入る時間である。]
を利用して、前記予備ローリングストック集合中の予備ローリングストックごとに最も早く本線に入る時刻を予備ローリングストックの最も早い本線に入る時刻として決定することをさらに含む。
【0012】
オプションとしては、前記後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得することは、具体的に、
後続列車番号集合における後続列車番号ごとの調整ダイヤと前記計画運行図を比較し、前記計画運行図において始発駅で発車を遅延する必要がある計画列車番号及び発車を遅延する計画列車番号の遅延時間を取得し、
予め設定された発車の最大遅延時間よりも大きい発車の遅延時間に対応の発車を遅延する計画列車番号をキャンセルし、第1のキャンセル計画列車番号集合を獲得し、
後続列車番号集合中の後続列車番号ごとの計画折り返し列車番号と前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号をキャンセル待ちの計画列車番号集合とし、
列車留置線でのアイドル状態ローリングストック集合を取得し、最小折り返し時間を満たすことを前提として、留置線のアイドル状態ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なアイドル状態ローリングストックがあるかどうかを判断し、第1の判断結果を獲得し、
前記第1の判断結果が「はい」であれば、前記計画運行図のローリングストック回転計画を調整し、前記キャンセル待ち計画列車集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なアイドル状態ローリングストックによってe番目のキャンセル待ち計画列車を実行し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、
前記第1の判断結果が「いいえ」を示すれば、前記予備ローリングストックの最も早い本線に進入の時刻に基づいて、前記予備ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合中のe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能な予備ローリングストックがあるかどうかを判断し、第2の判断結果を獲得し、
前記第2の判断結果が「はい」であれば、前記計画運行図のローリングストック回転計画を調整し、前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能な予備ローリングストックによって、e番目のキャンセル待ち計画列車番号を実行し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、
前記第1の判断結果が「いいえ」であれば、e番目のキャンセル待ち計画列車番号をキャンセルし、
キャンセル待ち計画列車番号eの数値を更新し、ステップ「列車留置線でのアイドル状態ローリングストック集合を取得し、最小折り返し時間を満たすことを前提として、留置線のイドル状態ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックがあるかどうかを判断し、第1の判断結果を獲得し」に戻り、前記キャンセル待ち列車番号集合のすべてのキャンセル待ち列車番号集合をトラバーサルするまで、第2のキャンセル待ち列車番号集合を獲得し、
前記第1のキャンセル計画列車番号集合と前記第2のキャンセル待ち列車番号集合は、キャンセル計画列車番号集合を構成する。
【0013】
オプションとしては、後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得する後、
前記初歩調整後のダイヤにおける前記キャンセル計画列車番号集合のf番目のキャンセル計画列車番号の1つ前の列車番号と1つ後の列車番号を取得し、
f番目の計画キャンセル計画列車番号と1つ前の列車番号の第1の計画運行時隔、およびf番目のキャンセル計画列車番号と1つ後の列車番号の第2の計画運行時隔を決定し、
前記第1の計画運行時隔に基づいて、式
【数5】
を利用して、1つ前の列車番号の着発時間を遅延させ、
前記第2の計画運行時隔に基づいて、式
【数6】
を利用して、1つ後の列車番号の着発時間を繰り上げることをさらに含む。
[ここで、a
k-front,nとa
k-back,nは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの調整後の到着時刻であり、a
k-front,n
planとa
k-back,n
planは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの計画到着時刻であり、d
k-front,nとd
k-back,nは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの調整後の発車時刻であり、d
k-front,n
planとd
k-back,n
planは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの計画到着時刻であり、h
plan
frontは1つ前の列車番号k
frontとキャンセル列車番号fの第1の計画運行時隔であり、
【数7】
、D
f=2はキャンセル列車番号fが上り運行であることを示し、d
f,1
planはキャンセル列車番号fの駅1での発車時刻であり、d
k-front,1
planは1つ前の列車番号の駅1での発車時刻であり、D
f=1はキャンセル列車番号fが下り運行であることを示し、d
f,N
planはキャンセル列車番号fの駅Nでの発車時刻であり、d
k-front,N
planは1つ前の列車番号k
frontの駅Nでの発車時刻であり、駅1から駅Nまでの運転方向を上り、駅Nから駅1までの運転方向を下りに定義し、h
plan
backはキャンセル列車番号fと1つ後の列車番号k
backの第2計画運行時隔であり、
【数8】
、d
k-back,1
planは1つ後の列車番号k
backの駅1での発車時刻であり、d
k-back,N
planは1つ後の列車番号k
backの駅Nでの発車時刻である。]
【0014】
オプションとしては、前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成する後に、
列車が故障した後の混雑時間帯において、ローリングストック資源が制限され、本線の運営から退出する列車を修復できないと、計画調整運転図情報の中のオフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(Mpeak-1)を取得し、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(Mpeak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行ことを再決定することをさらに含む。
【0015】
オプションとしては、前記オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行を再決定することは、具体的に、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、式
【数9】
を利用して、商値整数部分M
intを獲得し、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、式
【数10】
を利用して、商値小数部M
decを獲得し、
初期化列車番号インデックスはk'=1、整数型カウントはi=0、および倍精度型カウントはsum=0であり、
倍精度型カウントをsum+=M
decにし、倍精度型カウントsumが1より大きいか否かを判断し、第3の判断結果を得、
前記第3の判断結果が「はい」であれば、現在の列車番号インデックスがk',k' +1,...,k'+M
intの列車番号は本線で運行列車の折り返しによって実行されると確定し、前の列車番号インデックスがk'+M
int+1の列車番号は予備ローリングストックの本線への進入によって実行され、且つk'+=M
int+2,sum-=1にし、
前記第3の判断結果が「いいえ」を示すと、現在の列車番号インデックスがk',k'+1,...,k'+M
int-1の列車番号は本線での運転列車の折り返しによって実行され、現在の列車インデックスがk'+M
intの列車番号は予備ローリングストック線によって実行され、且つk'+=M
int+2にし、
前記整数型カウントiが商値整数部M
int以下であるか否かを判断し、第4の判断結果を得、
前記第4の判定結果が「はい」を示すと、整数型カウントiを1増加させ、ステップ「倍精度型カウントをsum+=M
decにし、倍精度型カウントsumが1より大きいか否かを判断し、第3の判断結果を得」に戻り、
前記第4の判断結果が「いいえ」であると、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画を実行することを含む。
【0016】
地下鉄路線トポロジ構造情報および、ダイヤとローリングストック回転計画を含む計画運行図を含む列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、故障列車の列車番号、列車故障発生時刻、本線の運営から退出する予定時刻、故障発生位置を含む本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の列車番号、故障発生時の列車速度及び故障発生時の位置を含む線路上の正常運行列車の情報とを取得するための情報取得モジュールと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の、線路上で運行中の故障列車番号の追跡列車の列車番号及び、後続の未発車の計画列車を含む後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定するための後続列車と現在列車のダイヤ決定モジュールと、
前記本線の運営から退出する列車本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得し、初歩調整後のダイヤを決定するための後続列車のダイヤ取得モジュールと、
前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定するための予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻決定モジュールと、
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得するための調整後のローリングストック運転計画取得モジュールと、
前記キャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、前記初歩調整後のダイヤを調整し、調整後の最終ダイヤを獲得するための計画調整運行図情報取得モジュールと、
前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成するための調整運転図生成モジュールとを含む列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整システムである。
【0017】
オプションとしては、前記システムは、さらに、
列車が故障した後の混雑時間帯において、ローリングストック資源が制限され、本線の運営から退出する列車を修復できないと、計画調整運転図情報の中のオフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(Mpeak-1)を取得するための混雑時間帯で使用可能なローリングストック数取得モードと、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(Mpeak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行を再決定する混雑時間帯の使用可能な車底数取得モードピーク時の車底回転計画決定モードとをさらに含む。
【発明の効果】
【0018】
本発明が提供する具体的な実施形態によれば、本発明は以下の技術的効果を開示する。
【0019】
本発明は列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法及びシステムを提供し、列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の情報とを取得し、まず、故障列車の後続列車集合及び後続列車集合中の後続列車毎の現在ダイヤを確定し、本線の運営から退出する列車本線運営から退出する予定時刻に基づいて、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、その後、本線の運営から退出する列車のダイヤと後続列車番号ごとの調整ダイヤに基づいて、初期調整後のダイヤを取得し、キャンセル計画列車集合を獲得し、計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、最後にャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、前記初歩調整後のダイヤを調整し、調整運転図を生成する。本発明は列車が本線の運営から退出した情報に基づいて列車走行の自動調整を実現し、ダイヤとローリングストック回転計画を合理的に変更し、列車の本線の運営からの退出が乗客に与える影響を低減し、地下鉄システムの自動化程度を高めて精細化管理に適応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明の実施例または先行技術における技術的態様をより明確に説明するために、以下では実施例において使用する必要がある図面を簡単に説明する。明らかに、以下の説明における図面は本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労働性を払わずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【
図1】
図1は本発明が提供する列車が本線運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法のフローチャートである。
【
図2】
図2は本発明が提供する列車が本線運営から退出する条件における地下鉄の走行運転調整方法の簡単なフローチャートである。
【
図3】
図3は本発明が提供する初歩調整後のダイヤの取得及び地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入時刻の決定の原理図である。
【
図4】
図4は本発明が提供する調整後のローリングストック回転計画を得るための原理図である。
【
図5】
図5は、本発明が提供するオフピークアワーズから混雑時間帯への過渡戦略を再構築するための原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的例を明確に、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本発明の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。本発明における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく取得した他のすべての実施例は、本発明の保護の範囲に属する。
【0022】
本発明の目的は、列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整方法及びシステムを提供し、列車が本線の運営から退出する情報に基づいて走行の自動調整を実現し、ダイヤとローリングストック回転計画を合理的に変更し、列車の本線の運営の退出が乗客に与える影響を低減し、地下鉄システムの自動化程度を高めて精細化管理に適応することができる。
【0023】
本発明の上記目的、特徴及び利点をより明確にわかりやすくするために、以下に添付図面及び具体的な実施形態を組み合わせて本発明をさらに詳細に説明する。
【0024】
図1~2に示すように、地下鉄路線トポロジ構造情報および、ダイヤとローリングストック回転計画を含む計画運行図を含む列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、故障列車の列車番号、列車故障発生時刻、本線の運営から退出する予定時刻、故障発生位置を含む本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の列車番号、故障発生時の列車速度及び故障発生時の位置を含む線路上の正常運行列車の情報とを取得するS101と、
前記地下鉄システムの基礎パラメータ、前記本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と前記計画運行図に基づいて、前記故障列車の列車番号の、線路上で運行中の故障列車番号の追跡列車の列車番号及び、後続の未発車の計画列車を含む後続列車の列車番号集合と、前記後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定するS102と、
前記本線の運営から退出する列車本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得し、初歩調整後のダイヤを決定するS103と、
前記地下鉄システムの基礎パラメータと前記本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定するS104と、
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、前記予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と前記計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、前記計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、前記計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得するS105と、
前記キャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、前記初歩調整後のダイヤを調整し、調整後の最終ダイヤを獲得するS106と、
前記調整後のローリングストック運転計画と前記調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成するS107とを含む列車が本線から退出する運転条件における地下鉄の運転調整方法を提供する。
【0025】
具体的な手順は次のとおりである。
ステップS101において、蓄積された地下鉄システムにおける基礎パラメータは、路線トポロジ構造及び運営データを含む。路線トポロジ構造は駅位置及び支線タイプ、車両セグメントと駅の留置線数及び位置であり、運営データは計画運行図、最小運転時隔、予備ローリングストック位置及び数量、予備ローリングストックの線路への進入時間及び最短折り返し時間を含む。列車が本線運営から退出する情報は、列車が故障した時の列車番号、故障発生時刻、位置及び本線運営から退出する時刻を含み、線路上の運行列車情報は、すべての正常運行列車の列車番号、速度及び位置を含む。パラメータのアルファベット表記は次のようである。
【0026】
A.1、地下鉄システムの実際の路線状況に基づいて、路線トポロジー構造情報の配置:駅の数Nと位置S
1
sta,..., S
n
sta, S
N
sta、車両セグメントと駅の留置線の数J
、位置S
1
line,..., S
j
line, S
J
lineと占有標識η
j(駅の留置線内にすでに車があるかどうかを示す)、駅1から駅Nまでの運行方向を上りに定義し、駅Nから駅1までの運行方向を下りに定義し、駅nの支線タイプζ
n
sta、すなわち
【数11】
である。
【0027】
A.2、運営状況に応じて、計画運営パラメータの配置:計画運行図情報は計画列車集合K、列車番号kの駅nでの発車時刻d
k,N
planと到着時刻a
k,N
plan及び運行方向D
kを含む。
【数12】
最小運行追跡時隔h
min、列車が駅(n-1)とnの区間内で等級lで運行するために必要な時間r
k,n
l、最短折り返し時間t
turn、予備ローリングストックが留置線j
から本線まで運行する時間t
j
onlineである。
【0028】
A.3、本線の運営からの退出及び線路上で正常運転列車情報の取得:本線の運営から退出する列車の列車番号k*、当該列車の故障時刻Tfault、位置Sfault、本本線の運営から退出する予定時刻Tdrop、列車故障発生時の線路上でのすべての正常運転列車の速度及び位置。
【0029】
ステップS102では、列車に障害が発生した場合、すなわち時点Tfaultで、ステップAにおける線路上での運行列車情報及び計画運行図情報に基づいて、本線の運営から退出する列車の列車番号k*及びその後続列車番号の集合Kfollowを含む影響を受ける列車の集合である。
【0030】
ステップS102の後には、
本線の運営から退出する故障発生位置に基づいて、式
【数13】
を利用して、本線の運営から退出する列車から最も近い車両留置場所を確定し、
本線から退出する列車を最寄りの駅に預け、
ここで、j'は本線の運営から退出する列車から最も近い列車留置場所であり、S
faultは本線の運営から退出する列車の故障発生位置であり、S
j
lineは第j本の列車留置線の位置であり、η
jは第j本の列車留置線の占有標識である。
【0031】
本線の運営から退出する列車が現在位置から列車留置場所まで運行されるルーティングをその新しい運行ルーティングとし、本線の運営から退出する列車の現在の列車時刻表を調整し、本線の運営から退出する列車は後続駅に停車せず、このルーティングで経た駅では停車を実行せず、すなわち到着時刻は発車時刻に等しい。
【0032】
ステップS103において、正常の運転列車の現在のダイヤを調整するとは、最小運転時隔を保証する条件の下で、後続駅の着発時刻を調整し、列車が本線運転から退出する影響の拡大を防止することである。具体的には、
車載ATOの運転レベルパターン曲線に基づいて、式
【数14】
[ここで、r
k,nは後続列車番号kの後続駅(n-1)と後続駅nの間の区間での運行時間であり、δ
k,n
lは後続列車番号kが後続駅(n-1)と後続駅nの区間で等級lを選択するかどうかの標識であり、もし後続列車番号kがこの区間内で等級lで運行するならば、δ
k,n
l =1であり、そうでなければ、δ
k,n
l=0であり、r
k,n
lは後続列車番号kが後続駅(n-1)と後続駅nの間の区間で等級lで運行するために必要な時間である。]を利用して、後続列車番号集合中の後続列車番号ごとに故障発生時の位置以降の隣接する2つの後続駅間の区間運転時間を確定し、
式
【数15】
[ここで、d
k,nは後続列車番号kの後続駅nでの停車時間であり、P
k,n
waitは後続列車番号kが後続駅nに到着した際のホームで待つ乗客数であり、C
k,n
remainは後続列車番号kが後続駅nに到着した場合の残りの乗客容量であり、λは乗客の列車に入る速度である]を利用し、後続列車番号集合における後続列車番号ごとの故障発生時の位置より後の後続駅ごとの停車時間を決定し、
本線の運営から退出する列車の本線の運営から退出する予定時刻、後続列車ごとの後続駅間の区間運転時間、後続列車ごとの後続駅ごとの停車時間、後続列車ごとの故障発生時の列車速度に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車ごとの現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車ごとの調整ダイヤを獲得することを含む。
【0033】
ステップS104の原理を
図3に示す。
ステップS104は、具体的に、
地下鉄路線トポロジ情報中のすべての列車留置線路内の予備ローリングストック集合を取得し、
前記本線の運営から退出する列車の列車故障時刻に基づいて、式
【数16】
[ここで、T
m
earliestは予備ローリングストックmの最も早い本線に進入の時刻であり、T
faultは本線の運営から退出する列車の列車故障時刻であり、j
mは予備ローリングストックmが位置する列車留置線路であり、t
jm
onlineは予備ローリングストックmが列車留置線路j
mから本線に入る時間である。]を利用して、予備ローリングストック集合中の予備ローリングストックごとに最も早く本線に入る時刻を予備ローリングストックの最も早い本線に入る時刻として決定することをさらに含む。
ステップS105において、線路上での運転列車の調整ダイヤと予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻に基づいて、キャンセル可能な計画列車番号を取得し、キャンセル列車番号数を最小化するためにローリングストック回転計画を調整し、キャンセル可能な計画列車は主に調整列車番号の計画折り返し列車、始発駅で発車を遅延する必要がある計画列車番号及び、、および本線の運営から退出する列車の後続実行する列車の3種類を含む。
図4に示すように、具体的には、
後続列車番号集合における後続列車番号ごとの調整ダイヤと前記計画運行図を比較し、前記計画運行図において始発駅で発車を遅延する必要がある計画列車番号及び発車を遅延する計画列車番号の遅延時間を取得し、
予め設定された発車の最大遅延時間よりも大きい発車の遅延時間に対応の発車を遅延する計画列車番号をキャンセルし、第1のキャンセル計画列車番号集合を獲得し、上り列車の始発駅は駅1、下り列車の始発駅は駅Nであり、判断結果はγで表示され、以下の式により遅発時間が事前設定の最大遅発時間より大きいかどうかを計算する。
【0034】
【数17】
、[ここで、d
max
lateは、予め設定された最大遅発時間を示し、もしγ=1であれば、その列車番号が発車可能であれば、その列車はキャンセルされる。]
【0035】
後続列車集合Kfollow中の後続列車ごとの計画折り返し列車番号と本線の運営から退出する列車は、列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車をキャンセル待ちの計画列車集合に構成し、
列車留置線でのアイドル状態ローリングストック集合を取得し、最小折り返し時間を満たすことを前提として、留置線のイドル状態ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックがあるかどうかを判断し、第1の判断結果を獲得し、
前記第1の判断結果が「はい」であれば、前記計画運行図のローリングストック回転計画を調整し、前記キャンセル待ち計画列車集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックによってe番目のキャンセル待ち計画列車を実行し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、
前記第1の判断結果が「いいえ」を示すれば、前記予備ローリングストックの最も早い本線に進入の時刻に基づいて、前記予備ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合中のe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能な予備ローリングストックがあるかどうかを判断し、第2の判断結果を獲得し、
前記第2の判断結果が「はい」であれば、前記計画運行図のローリングストック回転計画を調整し、前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能な予備ローリングストックによって、e番目のキャンセル待ち計画列車番号を実行し、調整後のローリングストック回転計画を獲得し、
前記第1の判断結果が「いいえ」であれば、e番目のキャンセル待ち計画列車番号をキャンセルし、
キャンセル待ち計画列車番号eの数値を更新し、ステップ「列車留置線でのアイドル状態ローリングストック集合を取得し、最小折り返し時間を満たすことを前提として、留置線のイドル状態ローリングストック集合の中に前記キャンセル待ち計画列車番号集合の中でe番目のキャンセル待ち計画列車番号の計画ダイヤに従って実行可能なイドル状態ローリングストックがあるかどうかを判断し、第1の判断結果を獲得し」に戻り、前記キャンセル待ち列車番号集合のすべてのキャンセル待ち列車番号集合をトラバーサルするまで、第2のキャンセル待ち列車番号集合を獲得し、
前記第1のキャンセル計画列車番号集合と前記第2のキャンセル待ち列車番号集合は、キャンセル計画列車番号集合Kcancelを構成することを含む。
【0036】
ステップS105の後、キャンセルされた計画列車番号に基づいて、隣接列車番号の着発時刻を適切に調整し、走行時隔が大きすぎることを回避し、ホームで乗客が大量に滞留してしまうことを回避し、各列車番号間の追跡時隔が均一であることを保証し、
f番目の計画キャンセル計画列車番号と1つ前の列車番号の第1の計画運行時隔、およびf番目のキャンセル計画列車番号と1つ後の列車番号の第2の計画運行時隔を決定し、
前記第1の計画運行時隔に基づいて、式
【数18】
を利用して、1つ前の列車番号の着発時間を遅延させ、
前記第2の計画運行時隔に基づいて、式
【数19】
を利用して、1つ後の列車番号の着発時間を繰り上げることをさらに含む。
[ここで、a
k-front,nとa
k-back,nは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの調整後の到着時刻であり、a
k-front,n
planとa
k-back,n
planは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの計画到着時刻であり、d
k-front,nとd
k-back,nは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの調整後の発車時刻であり、d
k-front,n
planとd
k-back,n
planは1つ前の列車番号k
frontと1つ後の列車番号k
backの駅nでの計画到着時刻であり、h
plan
frontは1つ前の列車番号k
frontとキャンセル列車番号fの第1の計画運行時隔であり、
【数20】
、D
f=2はキャンセル列車番号fが上り運行であることを示し、d
f,1
planはキャンセル列車番号fの駅1での発車時刻であり、d
k-front,1
planは1つ前の列車番号k
frontの駅1での発車時刻であり、D
f=1はキャンセル列車番号fが下り運行であることを示し、d
f,N
planはキャンセル列車番号fの駅Nでの発車時刻であり、d
k-front,N
planは1つ前の列車番号k
frontの駅Nでの発車時刻であり、駅1から駅Nまでの運転方向を上り、駅から駅1までの運転方向を下りに定義し、h
plan
backはキャンセル列車番号fと1つ後の列車番号k
backの第2計画運行時隔であり、
【数21】
、d
k-back,1
planは1つ後の列車番号k
backの駅1での発車時刻であり、d
k-back,N
planは1つ後の列車番号k
backの駅Nでの発車時刻である。]
【0037】
ステップS107の後、ローリングストック資源が制限され、本線の運営から退出する列車を長期間に修復できないと、過渡及びピーク運転戦略を新たに策定する。ローリングストック資源が制限されているとは、予備ローリングストックがなくて本線から退出する列車に代わることができないことであり、本線から退出する列車が長時間修復できないとは、オフピークアワーズから混雑時間帯までの過渡期に当該列車が正常に線路上の運転できないことを意味する。
【0038】
E.1、まず計画運行図に基づいてオフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormal、混雑時間帯に必要なローリングストック数Mpeak及び全回転時間Tを取得する。
【0039】
E.2、オフピークアワーズは計画運行図と一致に保持する。
【0040】
E.3、ローリングストック資源が制限されており、故障した列車は正常に線路上での運転できないため、混雑時間帯にローリングストック(M
peak-1)がある場合、この時間帯の追跡時隔h
peakは次のように再計算する。
【数22】
【0041】
混雑時間帯追跡時隔が変化した場合、
図5に示すように、ピークからピークへの過渡戦略を再作成する。
【0042】
E.4、計画列車を実行する方式は、線路上で運行列車の折り返し、予備ローリングストックの本線に進入する方式の2種類があり、オフピークアワーズから混雑時間帯までの過渡時間帯は列車番号を実行する方式を均一に配列する必要があり、具体的な実現フローは、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、式
【数23】
を利用して、商値整数部分M
intを獲得し、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数M
normalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(M
peak-1)に基づいて、式
【数24】
を利用して、商値小数部M
decを獲得し、
初期化列車番号インデックスはk'=1、整数型カウントはi=0、および倍精度型カウントはsum=0であり、
倍精度型カウントをsum+=M
decにし、倍精度型カウントsumが1より大きいか否かを判断し、第3の判断結果を得、
前記第3の判断結果が「はい」であれば、現在の列車番号インデックスがk',k'+1,...,k'+M
intの列車番号は本線で運行列車の折り返しによって実行されると確定し、前の列車番号インデックスがk'+M
int+1の列車番号は予備ローリングストックの本線への進入によって実行され、且つk'+=M
int+2,sum-=1にし、
前記第3の判断結果が「いいえ」を示すと、現在の列車番号インデックスがk',k'+1,...,k'+M
int-1の列車番号は本線での運転列車の折り返しによって実行され、現在の列車インデックスがk'+M
intの列車番号は予備ローリングストックの線路への進入によって実行され、且つk'+=M
int+2にし、
前記整数型カウントiが商値整数部M
int以下であるか否かを判断し、第4の判断結果を得、
前記第4の判定結果が「はい」を示すと、整数型カウントiを1増加させ、ステップ「倍精度型カウントをsum+=M
decにし、倍精度型カウントsumが1より大きいか否かを判断し、第3の判断結果を得」に戻り、
前記第4の判断結果が「いいえ」であると、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画を実行することを含む。
【0043】
本発明の利点:(1)列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整のインテリジェント化を実現し、スケジューラの作業強度を低下させ、(2)地下鉄システムの利用可能なローリングストックと路線資源を統一的に考慮し、多種の運行調整手段を利用して自動的に意思決定を行い、結果の合理性を保証し、(3)電話による命令の伝達方式に代わって自動方法を使用し、情報伝達の効率と正確性を向上させる。
【0044】
本発明は、さらに列車が本線の運営から退出する条件における地下鉄の走行調整システムを提供し、システムは、
地下鉄路線トポロジ構造情報および、ダイヤとローリングストック回転計画を含む計画運行図を含む列車が故障した時の地下鉄システムの基礎パラメータと、故障列車の列車番号、列車故障発生時刻、本線の運営から退出する予定時刻、故障発生位置を含む本線の運営から退出する列車の情報と、線路上の正常運行列車の列車番号、故障発生時の列車速度及び故障発生時の位置を含む線路上の正常運行列車の情報とを取得するための情報取得モジュールと、
地下鉄システムの基礎パラメータ、本線の運営から退出する列車の故障列車の列車番号と計画運行図に基づいて、故障列車の列車番号の、線路上で運行中の故障列車番号の追跡列車の列車番号及び、後続の未発車の計画列車を含む後続列車の列車番号集合と、後続列車番号集合の中の後続列車番号ごとの現在のダイヤとを決定するための後続列車と現在列車のダイヤ決定モジュールと、
本線の運営から退出する列車本線運営から退出する予定時刻に基づいて、列車の最小運転時隔を制約条件とし、計画運転図との偏差の最小化を目標として、後続列車集合中の後続列車番号毎の現在のダイヤを調整し、後続列車集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤを獲得し、初歩調整後のダイヤを決定するための後続列車のダイヤ取得モジュールと、
地下鉄システムの基礎パラメータと本線の運営から退出する列車が故障した時刻に基づいて、地下鉄システムにおける予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻を決定するための予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻決定モジュールと、
後続列車番号集合中の後続列車番号毎の調整ダイヤ、予備ローリングストックの最も早い線路に進入の時刻、本線の運営から退出する列車の列車故障時刻以降に実行する必要があるすべての計画列車番号と計画運行図のローリングストック回転計画に基づいて、計画運行図中の計画ダイヤに従って実行できない計画列車番号をキャンセルし、キャンセル計画列車集合を獲得し、計画運転図中のキャンセルされていない計画列車番号のローリングストックを実行することを決定し、調整後のローリングストック回転計画を獲得するための調整後のローリングストック運転計画取得モジュールと、
キャンセル計画列車番号集合中の計画列車番号毎の計画ダイヤに基づいて、初歩調整後のダイヤを調整し、調整後の最終ダイヤを獲得するための計画調整運行図情報取得モジュールと、
調整後のローリングストック運転計画と調整後の最終ダイヤにより、調整運転図を生成するための調整運転図生成モジュールとを含む。
【0045】
前記システムは、さらに、
列車が故障した後の混雑時間帯において、ローリングストック資源が制限され、本線の運営から退出する列車を修復できないと、計画調整運転図情報の中のオフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormalと混雑時間帯の使用可能なローリングストック数(Mpeak-1)を取得するための混雑時間帯で使用可能なローリングストック数取得モードと、
オフピークアワーズに必要なローリングストック数Mnormalと混雑時間帯に使用可能なローリングストック数(Mpeak-1)に基づいて、本線運行列車の折り返しと予備ローリングストックの本線に進入する方式で、混雑時間帯の計画列車番号のローリングストック回転計画の実行を再決定する混雑時間帯の使用可能な車底数取得モードピーク時の車底回転計画決定モードとをさらに含む。
【0046】
本明細書における各実施例は、各実施例が他の実施例と異なる点を重点的に示しており、各実施形態の間の同じ類似部分は互いに参照すればよい。実施形態に開示されたシステムについては、実施形態に開示された方法に対応するため、説明は比較的簡単であり、関連する点は方法の部分的な説明を参照すればよい。
【0047】
本明細書では、本発明の原理及び実施形態について具体的な例を用いて説明したが、以上の実施例の説明は本発明の方法及びその核心思想の理解を支援するために用いられるだけであり、同時に、当業者には、本発明の思想に基づいて、具体的な実施形態及び応用範囲において変更点がある。以上のように、本明細書の内容は本発明に対する制限と理解すべきではない。
【0048】
本願は、2021年01月07日に中国特許局に提出され、出願番号202110018469.8、発明名「列車が本線運行から退出する条件における地下鉄の走行調整方法及びシステム」の中国特許出願の優先権を提出することを要求し、そのすべての内容は引用によって本願に結合されている。
【国際調査報告】