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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】エアロゾル送出デバイス用のケース
(51)【国際特許分類】
   A24F 15/01 20200101AFI20231208BHJP
   A24F 40/95 20200101ALI20231208BHJP
【FI】
A24F15/01
A24F40/95
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524610
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 GB2021053258
(87)【国際公開番号】W WO2022129875
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】2019673.9
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ライ, サム
(72)【発明者】
【氏名】ヴィントラ, トミ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA02
4B162AA22
4B162AB11
4B162AC02
4B162AC04
4B162AC12
4B162AC33
4B162AC37
4B162AC44
4B162AD20
4B162AD32
(57)【要約】
開放位置及び閉鎖位置を有する蓋と、蓋が開放位置又は閉鎖位置のどちらにあるかを示す信号を発するように構成されたマグネットとホールセンサとの対と、蓋が開いているか又は閉じているかを示す、ホールセンサからの信号を受け取るように構成された制御部とを備えるエアロゾル送出デバイス用のケース(及びそのケースを使用する方法)が説明される。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放位置及び閉鎖位置を有する蓋と、
前記蓋が前記開放位置又は前記閉鎖位置のどちらにあるかを示す信号を発するように構成されたマグネットとホールセンサとの対と、
前記蓋が開いているか又は閉じているかを示す、前記ホールセンサからの信号を受け取るように構成された制御部と
を備えるエアロゾル送出デバイス用のケース。
【請求項2】
前記マグネットが、前記ケースの前記蓋の内部に設けられている、請求項1に記載のケース。
【請求項3】
前記ホールセンサが、前記ケースの本体の内部に設けられている、請求項1又は2に記載のケース。
【請求項4】
バッテリー状態指示計を更に備え、前記制御部が、前記蓋が閉鎖位置から開放位置へ変化するのを検出すると、前記バッテリー状態指示計を作動させるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のケース。
【請求項5】
前記バッテリー状態指示計が、1つ又は複数の発光ダイオードを備える、請求項4に記載のケース。
【請求項6】
前記バッテリー状態指示計が、前記ケース内に装着されたエアロゾル送出デバイスのバッテリーの状態を示すように構成されている、請求項4又は5に記載のケース。
【請求項7】
前記エアロゾル送出デバイスが、非燃焼式エアロゾル供給デバイスである、請求項1~6のいずれか一項に記載のケース。
【請求項8】
前記エアロゾル送出デバイスを更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のケース。
【請求項9】
前記エアロゾル送出デバイスが、エアロゾル化可能材料を備える取り外し可能な物品を受け入れるように構成されている、請求項8に記載のケース。
【請求項10】
前記エアロゾル化可能材料が、基板上に存在する、請求項9に記載のケース。
【請求項11】
前記エアロゾル送出デバイスが、タバコ加熱システムを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のケース。
【請求項12】
エアロゾル送出デバイス用のケースの蓋が開放位置又は閉鎖位置のどちらにあるかを示す、ホールセンサからの信号を受け取るステップを含む方法であって、前記信号が、前記ホールセンサに対するマグネットの位置に依存する、方法。
【請求項13】
前記マグネットが、前記ケースの前記蓋の内部に設けられている、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ホールセンサが、前記ケースの本体の内部に設けられている、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記蓋が、閉鎖位置から開放位置に変わったとき、前記ケースのバッテリー状態指示計を作動させるステップを更に含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記バッテリー状態指示計が、1つ又は複数の発光ダイオードを備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記バッテリー状態指示計が、前記ケース内に装着されたエアロゾル送出デバイスのバッテリーの状態を示すように構成されている、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記エアロゾル送出デバイスを前記ケース内に受け入れるステップを更に含む、請求項12~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項1~11のいずれか一項に記載のケースと、エアロゾル送出デバイスと、前記エアロゾル送出デバイスに使用するための物品とを備える部品一式。
【請求項20】
前記エアロゾル送出デバイスが、非燃焼式エアロゾル供給デバイスである、請求項19に記載の部品一式。
【請求項21】
前記物品が、エアロゾル生成材料を備える取り外し可能な物品である、請求項19又は20に記載の部品一式。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ケース(例えば携帯用ケース)、特にエアロゾル送出デバイス用のケースに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
シガレット、シガーなどの喫煙品は、使用中、タバコの煙を生成するためにタバコを燃やす。燃焼させずに化合物を分離する製品を創出することによって、それら喫煙品に対する代替品を実現する試みが行われてきた。例えば、タバコ加熱デバイスが、タバコなどのエアロゾル供給基質を加熱して、基質を燃やさずに加熱することによってエアロゾルを形成する。エアロゾル送出デバイスは、不使用時にデバイスを保持するために、携帯用ケースなどのケースと共に用いることができる。この分野では、更に発展させる必要性が残っている。
【発明の概要】
【0003】
(概要)
第1の態様について、本明細書は、開放位置及び閉鎖位置を有する蓋と、蓋が開放位置又は閉鎖位置のどちらにあるかを示す信号を発するように構成されたマグネットとホールセンサとの対と、蓋が開いているか又は閉じているかを示す、ホールセンサからの信号を受け取るように構成された制御部とを備えるエアロゾル送出デバイス(そのエアロゾル送出デバイスは、例えば、タバコ加熱システムを備え得る)用のケースを説明する。エアロゾル送出デバイスは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスであり得る。
【0004】
マグネットは、ケースの蓋の内部に設けることができる。ホールセンサは、ケースの本体の内部に設けることができる。
【0005】
ケースは、バッテリー状態指示計を更に備え得、制御部は、蓋が閉鎖位置から開放位置へ変化するのを検出すると、バッテリー状態指示計を作動させるように構成されている。バッテリー状態指示計は、例えば、1つ又は複数の発光ダイオードを備え得る。バッテリー状態指示計は、例えば、ケース内に装着されたエアロゾル送出デバイスのバッテリーの状態を示すように構成することができる。
【0006】
ケースは、エアロゾル送出デバイスを更に備え得る。エアロゾル送出デバイスは、エアロゾル化可能材料(そのエアロゾル化可能材料は、基板上に存在し得る)を備える取り外し可能な物品を受け入れるように構成することができる。
【0007】
エアロゾル送出デバイスは、タバコ加熱システムを備え得る。
【0008】
第2の態様について、本明細書は、エアロゾル送出デバイス用のケースの蓋が開放位置又は閉鎖位置のどちらにあるかを示す、ホールセンサからの信号を受け取るステップを含む方法であって、その信号が、ホールセンサに対するマグネットの位置に依存する、方法を説明する。
【0009】
マグネットは、ケースの蓋の内部に設けることができる。ホールセンサは、ケースの本体の内部に設けることができる。
【0010】
方法は、蓋が、閉鎖位置から開放位置に変わったとき、ケースのバッテリー状態指示計を作動させるステップを更に含み得る。バッテリー状態指示計は、1つ又は複数の発光ダイオードを備え得る。バッテリー状態指示計は、ケース内に装着されたエアロゾル送出デバイスのバッテリーの状態を示すように構成され得る。
【0011】
方法は、エアロゾル送出デバイスをケース内に受け入れるステップを更に含み得る。
【0012】
第3の態様について、本明細書は、第1の態様に関し上記で述べたケースと、エアロゾル送出デバイスと、エアロゾル送出デバイスに使用するための物品とを備える部品一式を説明する。エアロゾル送出デバイスは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスであり得る。物品は、エアロゾル生成材料を備える取り外し可能な物品であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
次いで、例示的実施形態が、以下の概略図を参照して、単に例として説明される。
図1】例示的実施形態による、エアロゾル送出デバイス用のケースを示す図である。
図2】例示的実施形態による、非燃焼式エアロゾル送出デバイスの構成図である。
図3】例示的実施形態によるアルゴリズムを示す流れ図である。
図4】例示的実施形態によるシステムの構成図である。
図5】例示的実施形態によるアルゴリズムを示す流れ図である。
図6】例示的実施形態による表示部の構成図である。
図7】例示的実施形態による表示部の構成図である。
図8】例示的実施形態による表示部の構成図である。
図9】例示的実施形態によるアルゴリズムを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(詳細な説明)
本明細書で使用するとき、用語「エアロゾル送出デバイス」は、ある物質を使用者に送出するシステムを包含するように意図され、
電子タバコ、タバコ加熱製品、及びエアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを発生させるハイブリッドシステムなど、エアロゾル化可能材料を燃焼せずにエアロゾル化可能材料から化合物を分離する非燃焼式エアロゾル供給システムと、
エアロゾル化可能材料を含む物品であって、それら非燃焼式エアロゾル供給システムの1つに使用されるように構成された物品と
を含む。
【0015】
本開示によれば、「燃焼式」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システムのエアロゾル化可能組成材料(又はエアロゾル供給システムの構成要素)を、使用者への送出を容易にするために、燃焼又は焼くシステムである。
【0016】
本開示によれば、「非燃焼式」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システムのエアロゾル化可能組成材料(又はエアロゾル供給システムの構成要素)を、使用者への送出を容易にするために燃焼又は焼くことのないシステムである。
【0017】
本明細書に示された実施形態では、送出システムは、エネルギー付き非燃焼式エアロゾル供給システムのような非燃焼式エアロゾル供給システムである。
【0018】
一実施形態では、非燃焼性エアロゾル供給システムは、ベイピングデバイス又は電子ニコチン送出システム(END)としても知られている電子タバコであるが、エアロゾル化可能材料内のニコチンの存在が要件ではないことに留意されたい。
【0019】
一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られているタバコ加熱システムである。
【0020】
一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給システムは、エアロゾル化可能材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するハイブリッドシステムであり、それらエアロゾル化材料のうちの1つ又は複数を加熱することができる。エアロゾル化可能材料のそれぞれは、例えば、固体、液体又はゲルの形態でもよく、ニコチンを含有していてもいなくてもよい。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルのエアロゾル化可能材料、及び固体エアロゾル化可能材料を備える。固体エアロゾル化可能材料は、例えば、タバコ又は非タバコ製品を含み得る。
【0021】
通常、非燃焼式エアロゾル供給システムは、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと、非燃焼式エアロゾル供給システムと共に使用する物品とを備え得る。但し、エアロゾル生成構成要素にエネルギーを与える手段をそれら自体が備える物品は、それら自体が非燃焼式エアロゾル供給システムを形成することができることを理解されたい。
【0022】
一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスは、エネルギー源及び制御部を備え得る。エネルギー源は、電力源でも発熱エネルギー源でもよい。一実施形態では、発熱エネルギー源は、カーボン基質を含み、そのカーボン基質は、発熱エネルギー源に近接するエアロゾル化可能材料又は熱伝達物質へ熱の形態のエネルギーを届けるように活性化することができる。一実施形態では、発熱エネルギー源などのエネルギー源は、非燃焼式エアロゾル供給体を形成するように物品内に設けることができる。
【0023】
一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、エアロゾル化可能材料、エアロゾル生成構成要素、エアロゾル生成領域、マウスピース、及び/又はエアロゾル化可能材料を受け入れる領域を備え得る。
【0024】
一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、1つ又は複数の揮発性物質をエアロゾル化可能材料から分離してエアロゾルを形成するために、エアロゾル化可能材料と相互作用することが可能なヒータである。一実施形態では、エアロゾル生成構成要素は、加熱することなくエアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能である。例えば、エアロゾル生成構成要素は、エアロゾル化可能材料に熱を加えることなしに、例えば、振動、機械的、加圧、又は静電気的手段のうちの1つ又は複数によって、エアロゾル化可能材料からエアロゾルを生成することが可能であり得る。
【0025】
一実施形態では、エアロゾル化可能材料は、活性材、エアロゾル形成材、及び任意選択で1つ又は複数の機能性材料を含み得る。活性材は、ニコチン(任意選択でタバコ又はタバコ派生物に含有される)或いは1つ又は複数の他の非嗅覚性生理学的活性材を含み得る。非嗅覚性生理学的活性材は、嗅覚的知覚とは別の生理学的反応を達成するために、エアロゾル化可能材料に含まれる物質である。本明細書で使用される活性物質は、生理的反応を達成又は高揚するようになされた材料である生理的活性材料であり得る。活性物質は、例えば、機能性食品、向知性薬、及び向精神薬から選択してもよい。活性物質は、天然由来でも合成由来でもよい。活性物質は、例えば、ニコチン、カフェイン、タウリン、テイン、B6若しくはB12又はCなどのビタミン、メラトニン、カンナビノイド、或いはそれらの組成物、派生物、又は配合物を含み得る。活性物質は、タバコ、大麻、又は別の植物性薬品の、1つ又は複数の組成物、派生物又は抽出物を含み得る。一部の実施形態では、活性物質は、ニコチンを含む。一部の実施形態では、活性物質は、カフェイン、メラトニン、又はビタミンB12を含む。
【0026】
エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及び炭酸プロピレンのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0027】
1つ又は複数の機能性材料は、香料、キャリヤ、pH調節剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0028】
一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、エアロゾル化可能材料、又はエアロゾル化可能材料を受け入れる領域を備え得る。一実施形態では、非燃焼式エアロゾル供給デバイスと共に使用する物品は、マウスピースを備え得る。エアロゾル化可能材料を受け入れる領域は、エアロゾル化可能材料を貯蔵する貯蔵領域であり得る。例えば、貯蔵領域はリザーバであり得る。一実施形態では、エアロゾル化可能材料を受け入れる領域は、エアロゾル生成領域とは別々でも、一体でもよい。
【0029】
本明細書ではエアロゾル生成材料とも呼ばれることがあるエアロゾル化可能材料は、例えば加熱し、照射し、又は他の何らかの方法で活性化されたとき、エアロゾルを生成することが可能になる材料である。エアロゾル化可能材料は、例えば、ニコチン及び/又は香味料を含有してもしなくてもよい固体、液体、又はゲルの形態であり得る。一部の実施形態では、エアロゾル化可能材料は、「モノリシック固体」(即ち非繊維質)と或いは呼ばれることがある「非晶質固体」を含み得る。一部の実施形態では、非晶質固体は乾燥ゲルでもよい。非晶質固体は、その内部に液体などの何らかの流体を保持することができる固体物質である。
【0030】
エアロゾル化可能材料は、基板上に存在させることができる。基板は、例えば、紙、カード、ボール紙、厚紙、再構成されたエアロゾル化可能材料、プラスチック材、セラミック材、複合材、ガラス、金属、又は合金でもよく、又はそれらを含み得る。
【0031】
消耗品は、エアロゾル生成材料を備え、又はエアロゾル生成材料から構成される物品であり、そのエアロゾル生成材料の一部又は全部が、使用者による使用中に消費されるようになされている。消耗品は、エアロゾル生成材料貯蔵領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、ハウジング、巻紙、マウスピース、フィルター、及び/又はエアロゾル修正剤など、1つ又は複数の他の構成要素を備え得る。消耗品は、又、使用中にエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させるために熱を放出するヒータなど、エアロゾル生成部も備え得る。ヒータは、例えば、燃焼性材料、通電によって加熱可能な材料、又はサセプタを備え得る。
【0032】
図1は、全体として参照番号10によって示された、例示的実施形態によるエアロゾル送出デバイス用のケースを示す。ケース10は、蓋12及び本体14を備える。本体14は、エアロゾル送出デバイス(図1に示さず)を保管する保管領域16を備える。エアロゾル送出デバイスは、非燃焼式エアロゾル生成デバイスであり得るが、これは全ての例示的実施形態に必須ではない。
【0033】
ケース10は、保管領域16に保管されたエアロゾル送出デバイスのバッテリーを充電するために使用することができるポート18を備える。
【0034】
図2は、例示的実施形態による、全体として参照番号20によって示された、非燃焼式エアロゾル送出デバイスの構成図である。エアロゾル送出デバイス20は、上記のケース10の領域16内に保管することができる。デバイス20は、第1の部分21a及び第2の部分21bを備えるモジュール式デバイスである。一部の実施形態では、第1の部分21aと第2の部分21bとは分離して(例えば、互いに取り外して)ケース10内に保管することができる。エアロゾル送出デバイス20は、タバコ加熱システムを備え得る。
【0035】
デバイス20の第1の部分21aは、制御回路22及びバッテリー23を備える。デバイス20の第2の部分21bは、ヒータ24及び液体リザーバ25(それらは、合せてエアロゾル生成部を形成することができる)を備える。
【0036】
第1の部分21aは、第1のコネクタ26a(USBコネクタなど)を備える。第1のコネクタ26aは、例えば制御回路22の制御の下に、バッテリー23を充電する電源(例えば、ケース10のポート18を経由するケース10のバッテリー又は外部電源)への接続を行うことを可能にすることができる。
【0037】
第1の部分21aは、又、第2の部分21bの第1のコネクタ27に取外し可能に接続することができる第2のコネクタ26bを備える。
【0038】
デバイス20の使用時には、矢印28によって示されるように、空気が、ヒータ24の空気入口に吸い込まれる。ヒータは、空気を加熱するために使用される(例えば、回路23の制御下で)。加熱された空気は、液体リザーバ25に導かれ、そのリザーバで、エアロゾルが生成される。エアロゾルは、矢印29で示されるように、空気出口でデバイスから出る(例えば、デバイス20の使用者の口に入って行く)。
【0039】
液体リザーバ25は、エアロゾル生成材料を備える取り外し可能な物品によって実現してもよい。エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成基板及びエアロゾル形成材料を含み得る。
【0040】
デバイス20は、単に例として説明されていることに留意されたい。多くの代替デバイスを、例示的実施形態によるケース10内に保管することができる。
【0041】
図3は、全体として参照番号30によって示された、例示的実施形態によるアルゴリズムを示す流れ図である。
【0042】
アルゴリズム30は、ケース10の蓋12が開かれたか否かに関する判断が行われる処理32から始まる。否の場合、アルゴリズム30は、行動を取らない処理34に移行する。その場合、アルゴリズム30は、終了してもよく、処理32に戻ってもよい。
【0043】
処理32において蓋が開かれたと判断されると、次いでアルゴリズム30は、蓋の開放に応じて行動を取る処理36に移行する。例示的行動は更に以下で論じられる。
【0044】
無論、図3に示されるアルゴリズム30は、極めて概略的であり、広く様々な方法で実行することができる。例えば、アルゴリズム30は、閉鎖状態から開放状態への蓋の変化の検出が処理36(行動を取る)をトリガする割込みルーチンとして実行してもよい。
【0045】
図4は、全体として参照番号40によって示された、例示的実施形態によるシステムの構成図である。
【0046】
システム40は、マグネット42、ホールセンサ44、制御部45、表示部47、及びエネルギー源48を備える。全ての例示的実施形態に必須ではないが、マグネット42は、ケース10の蓋12の内部に設けることができ(図4の点線箱12’によって示される)、ホールセンサ44、制御部45、表示部47、及びエネルギー源48は、ケース10の本体14の内部に設けることができる(図4の点線箱14’によって示される)。無論、代替構成(本体14内のマグネット及び蓋内のホールセンサによる)が、可能である。
【0047】
エネルギー源48(バッテリーなど)は、ケース10の本体内部の様々な要素(ホールセンサ44、制御部45、及び表示部47など)にエネルギーを供給することができる。一部の例示的実施形態では、ケース10の保管領域16内に装着されたエアロゾル送出デバイス20バッテリー23が、エネルギー源48に加えて、又はその代わりに、ケースの本体内部の要素にエネルギーを供給するために使用され得る。実際に、一部の例示的実施形態では、エネルギー源48は省略され得る。
【0048】
マグネット42は、永久磁石でもよい。従って、マグネットは、エネルギー源を必要としないこともある。これは、マグネット42が、ケース10の蓋の内部に設けられている場合には、蓋にエネルギーを供給する必要を避けることができるので、有利であり得る。
【0049】
以下に詳細に論じられるように、制御部45は、表示部47を制御するように構成される。
【0050】
マグネット42とホールセンサ44とは、蓋が開放位置又は閉鎖位置のどちらにあるかを示す信号を発するように構成されたマグネットとホールセンサとの対を形成することができ、以て上記のアルゴリズム30の処理32を実行する。
【0051】
図5は、例示的実施形態によるアルゴリズムを示す流れ図である。
【0052】
アルゴリズム50は、上記で論じられたようにケース10の蓋12が開かれたか否かに関する判断が行われる処理32から始まる。その判断は、マグネット-ホールセンサ対42及び44の出力に基づいて、制御部45によって行うことができる。否の場合、アルゴリズム50は、行動を取らない処理34に移行する。その場合、アルゴリズム30は、終了してもよく、処理32に戻ってもよい。
【0053】
処理32において蓋が開かれたと判断された場合、次いで、アルゴリズム50は、バッテリーレベルが表示される処理52に移行し、以て上記のアルゴリズム30の処理36を実行する。バッテリーレベルは、上記のエネルギー源48及び/又はデバイス20のバッテリー23の充電状態であり得る。
【0054】
図6は、バッテリー状態指示計60の構成図である。バッテリー状態指示計60は、表示部47の一例であり、バッテリーレベルを表示するために使用することができ、以て上記の処理52を実行する。
【0055】
バッテリー状態指示計60は、複数の状態指示計要素61~68を備える。状態指示計要素61~68は、例えば、発光ダイオード(LED)でもよい。
【0056】
ケース10の蓋12が開かれると、指示計要素61~68は、選択的に点灯して、バッテリー状態(例えば、該当バッテリーの充電レベル)の指標を示すことができる。このようにして、バッテリー充電状態の通知を、ケースが開かれた時に使用者に知らせることができるが、他の時点で知らせる必要はない(以てバッテリーの使用量を減らす)。例示的指示計60では、指示計要素61~65は点灯されており、指示計要素66~68は点灯されていない。
【0057】
図7は、バッテリー状態指示計70の構成図である。バッテリー状態指示計70は、表示部47の一例であり、エネルギー源48及びデバイス20のバッテリー23(存在すれば)両方のバッテリーレベルを表示するために使用することができ、以て上記の処理52を実行する。バッテリー状態指示計70は、第1の複数の状態指示計要素61~68及び第2の複数の指示計要素71~78を備える。第1及び第2の状態指示計要素は、例えば、発光ダイオード(LED)でもよい。
【0058】
ケース10の蓋12が開かれると、第1の指示計要素61~68を選択的に点灯させて、エネルギー源48の充填レベルの指標を示すことができ、第2の指示計要素71~78を選択的に点灯させて、バッテリー23の充電レベルの指標を示すことができる。
【0059】
上記のバッテリー状態指示計60及び70は、2つの例示的実施形態であるが、多数の変形形態が可能である。例として、図8は、表示部47として使用することができ、バッテリーレベルを表示するのに使用することができるバッテリー状態指示計80の構成図である。バッテリー状態指示計80は、バッテリー状態を示すために様々な色で点灯することができる単一のLEDを備える。例えば、バッテリーレベルが十分な場合(例えば第1の閾値より上)、指示計80のLEDは緑に点灯することができ、バッテリーレベルが不十分な場合(例えば第2の閾値の下)、指示計80は赤に点灯することができ、バッテリーレベルが十分でも不十分でもない場合(例えば、第1と第2の閾値との間)、指示計80は琥珀色に点灯することができる。無論、一方はエネルギー源48の状態を示し、他方はバッテリー23の状態を示す2つのLEDを設けることもできる。
【0060】
上記の例示的実施形態では、ケース10の蓋が開いたことを検出すると行動が取られる。これは、全ての例示的実施形態に必須ではない。
【0061】
例として、図9は、全体として参照番号90によって示された、例示的実施形態によるアルゴリズムを示す流れ図である。アルゴリズム90は、上記のアルゴリズム30と多くの類似点を有する。
【0062】
アルゴリズム90は、ケース10の蓋12が閉じられたか否かに関する判断が行われる処理92から始まる。否の場合、アルゴリズム90は、行動を取らない処理94に移行する。その場合、アルゴリズム90は、終了してもよく、処理92に戻ってもよい。
【0063】
処理92において蓋が閉じられたと判断された場合、次いで、アルゴリズム90は、蓋の開放に応じて行動を取る(上記のバッテリーレベルの表示を行うなど)処理96に移行する。
【0064】
上記のアルゴリズム30と同様に、その場合、図9に示されたアルゴリズム90は、極めて概略的であり、広く様々な方法で実行することができる。
【0065】
本明細書で説明された様々な実施形態は、特許請求の範囲に記載の特徴を理解すること及び教示することを補助するためにのみ示されている。これら実施形態は、単に実施形態の代表的な例として示され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書で説明された利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義された本発明を限定するもの、又は特許請求の範囲との同等事項を限定するものと考えるべきでなく、他の実施形態を使用してもよく、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えることができることを理解されたい。本発明の様々な実施形態は、適宜、開示された要素、構成要素、特徴、部品、ステップ、手段などの、本明細書に具体的に説明された組合せ以外の適切な組合せを含み、それら組合せから構成し、又はそれら組合せから本質的に構成することができる。更に、本開示は、現在特許請求されていないが、将来特許請求されることがある他の発明を含み得る。
図1
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図7
図8
図9
【国際調査報告】