(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】空間再利用方法、装置、デバイス、および媒体
(51)【国際特許分類】
H04W 52/24 20090101AFI20231208BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20231208BHJP
H04W 72/0453 20230101ALI20231208BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20231208BHJP
【FI】
H04W52/24
H04W16/28
H04W72/0453
H04W84/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524946
(86)(22)【出願日】2022-02-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2022078013
(87)【国際公開番号】W WO2022206239
(87)【国際公開日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】202110358332.7
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】于 健
(72)【発明者】
【氏名】李 云波
(72)【発明者】
【氏名】淦 明
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK02
(57)【要約】
空間再利用方法、装置、デバイス、および媒体が提供される。この方法では、第1の空間再利用デバイスが、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信する。第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む。第1の空間再利用デバイスは、帯域幅の粒度での空間再利用パラメータSRPの値および帯域幅の粒度でのPSRR PPDUの受信電力レベルRPLに基づいて、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定する。第2の周波数帯域は、帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む。第2の周波数帯域および第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳する。帯域幅の粒度におけるPSRR PPDUのRPLは、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンド、または第1の周波数帯域もしくは第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドのうちの1つ以上に基づいて決定される。これにより、空間再利用デバイスの受信への干渉を低減し、システム効率を向上させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の空間再利用デバイスによって、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信するステップであって、前記第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む、ステップと、
前記帯域幅の粒度における空間再利用パラメータSRPの値、および前記帯域幅の粒度における前記PSRR PPDUの受信電力レベルRPLに基づいて、前記第1の空間再利用デバイスによって、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定するステップと
を含み、
前記第2の周波数帯域は、前記帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記第2の周波数帯域および前記第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳し、
前記帯域幅の前記粒度における前記PSRR PPDUの前記RPLは、
前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンド、または
前記第1の周波数帯域もしくは前記第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドのうちの1つ以上に基づいて決定される、空間再利用方法。
【請求項2】
前記基準送信電力は、前記第2の周波数帯域全体について決定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、
前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または
前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記基準送信電力は、
前記第2の周波数帯域における前記非パンクチャサブバンドの帯域幅、または
前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の空間再利用デバイスによって、
前記受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報、
前記PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報、または
前記第2の空間再利用デバイスが位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の周波数帯域の前記非パンクチャサブバンドを決定するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の空間再利用デバイスは、前記PSRT PPDUをパンクチャすると決定し、前記方法は、
前記第1の空間再利用デバイスによって、所定のオフセットに基づいて前記基準送信電力を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記帯域幅の前記粒度における前記SRPの前記値は、所定のオフセットに基づいて、パンクチャされたPSRR PPDUのために前記第2の空間再利用デバイスよって調整される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の周波数帯域は複数のサブバンドを含み、前記帯域幅の前記粒度における前記SRPの前記値は、前記複数のサブバンドに対する前記SRPの複数の値のうちの最小値である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定する前記ステップは、
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記第1の周波数帯域の1つのサブバンドのための前記SRPの値および前記サブバンドの前記PSRR PPDUの前記RPLに基づいて、前記サブバンドで前記PSRT PPDUを送信するための前記基準送信電力を決定するステップであって、前記第1の周波数帯域の前記サブバンドは前記第2の周波数帯域に含まれる、ステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドで前記PSRT PPDUを送信することを許可しないと決定するステップ、または
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力が所定の最大送信電力よりも小さいと決定するステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の前記重畳サブバンドにおける1つ以上の非パンクチャサブバンドについて決定された1つ以上の基準送信電力に基づいて、前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定する前記ステップは、
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドでの前記基準送信電力を、前記複数の非パンクチャサブバンドについて決定された前記複数の基準送信電力における最小基準送信電力として、または前記複数の基準送信電力の平均電力として決定するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、前記パンクチャサブバンドのための前記SRPの値に基づいて前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するステップ
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
物理層プロトコルデータユニットPPDUを送信するために使用され、同じ帯域幅を有する複数のサブバンドを含む第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、第2の空間再利用デバイスによって、
所定のオフセットに基づいて空間再利用パラメータSRPの値を調整する動作、および
前記パンクチャ予定サブバンドでの前記PPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第1の値に設定する動作、または
前記パンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じて前記SRPの対応する値を決定するステップと、
前記第2の空間再利用デバイスによって、前記第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドでパンクチャされたPPDUを送信するステップであって、前記PPDUで搬送されるトリガフレームは、前記SRPの前記決定された値を含む、ステップと
を含む、空間再利用方法。
【請求項16】
第1の空間再利用デバイスによって、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信するように構成された受信モジュールであって、前記第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む、受信モジュールと、
前記帯域幅の粒度における空間再利用パラメータSRPの値、および前記帯域幅の粒度における前記PSRR PPDUの受信電力レベルRPLに基づいて、前記第1の空間再利用デバイスによって、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定するように構成された第1の決定モジュールと
を備え、
前記第2の周波数帯域は、前記帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記第2の周波数帯域および前記第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳し、
前記帯域幅の前記粒度における前記PSRR PPDUの前記RPLは、
前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンド、または
前記第1の周波数帯域もしくは前記第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドのうちの1つ以上に基づいて決定される、通信装置。
【請求項17】
前記基準送信電力は、前記第2の周波数帯域全体について決定される、請求項16に記載の通信装置。
【請求項18】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される、請求項17に記載の通信装置。
【請求項19】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、
前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または
前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される、請求項17に記載の通信装置。
【請求項20】
前記基準送信電力は、
前記第2の周波数帯域における前記非パンクチャサブバンドの帯域幅、または
前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される、請求項17に記載の通信装置。
【請求項21】
前記第1の空間再利用デバイスによって、
前記受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報、
前記PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報、または
前記第2の空間再利用デバイスが位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の周波数帯域の前記非パンクチャサブバンドを決定するように構成された第2の決定モジュール
をさらに備える、請求項16に記載の通信装置。
【請求項22】
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記PSRT PPDUをパンクチャすると決定するように構成された第3の決定モジュールと、
前記第1の空間再利用デバイスによって、所定のオフセットに基づいて前記基準送信電力を調整するように構成された調整モジュールと
をさらに備える、請求項16に記載の通信装置。
【請求項23】
前記帯域幅の前記粒度における前記SRPの前記値は、所定のオフセットに基づいて、パンクチャされたPSRR PPDUのために前記第2の空間再利用デバイスよって調整される、請求項16に記載の通信装置。
【請求項24】
前記第1の周波数帯域は複数のサブバンドを含み、前記帯域幅の前記粒度における前記SRPの前記値は、前記複数のサブバンドに対する前記SRPの複数の値のうちの最小値である、請求項16に記載の通信装置。
【請求項25】
前記第1の決定モジュールは、
前記第1の周波数帯域の1つのサブバンドのための前記SRPの値および前記サブバンドの前記PSRR PPDUの前記RPLに基づいて、前記第1の空間再利用デバイスによって、前記サブバンドで前記PSRT PPDUを送信するための前記基準送信電力を決定するように構成され、前記第1の周波数帯域の前記サブバンドは前記第2の周波数帯域に含まれる、請求項16に記載の通信装置。
【請求項26】
前記第1の決定モジュールは、
前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドで前記PSRT PPDUを送信することを許可しないと決定するか、または
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力が所定の最大送信電力よりも小さいと決定するように構成されている、請求項25に記載の通信装置。
【請求項27】
前記第1の決定モジュールは、
前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、前記第1の空間再利用デバイスによって、前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の前記重畳サブバンドにおける1つ以上の非パンクチャサブバンドについて決定された1つ以上の基準送信電力に基づいて、前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成されている、請求項25に記載の通信装置。
【請求項28】
前記第1の決定モジュールは、
前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドでの前記基準送信電力を、前記複数の非パンクチャサブバンドについて決定された前記複数の基準送信電力における最小基準送信電力として、または前記複数の基準送信電力の平均電力として決定するように構成されている、請求項27に記載の通信装置。
【請求項29】
前記第1の決定モジュールは、
前記第2の周波数帯域と前記第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、前記第1の空間再利用デバイスによって、前記パンクチャサブバンドのための前記SRPの値に基づいて前記パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成されている、請求項25に記載の通信装置。
【請求項30】
物理層プロトコルデータユニットPPDUを送信するために使用され、同じ帯域幅を有する複数のサブバンドを含む第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、
所定のオフセットに基づいて空間再利用パラメータSRPの値を調整する動作、
前記パンクチャ予定サブバンドでの前記PPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第1の値に設定する動作、または
前記パンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じて前記SRPの対応する値を決定するように構成された第4の決定モジュールと、
前記第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドでパンクチャされたPPDUを送信するように構成された送信モジュールであって、前記PPDUで搬送されるトリガフレームは、前記SRPの前記決定された値を含む、送信モジュールと
を備える、通信装置。
【請求項31】
プロセッサであって、前記プロセッサはメモリに結合され、前記メモリは命令を記憶し、前記命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項1から14または請求項15に記載の方法が行われる、プロセッサ
を備える、通信デバイス。
【請求項32】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを記憶し、前記プログラムの少なくとも一部がデバイス内のプロセッサによって実行されると、前記デバイスは、請求項1から14または請求項15に記載の方法を行うことを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線ローカルエリアネットワークの分野に関し、より具体的には、空間再利用方法、装置、および媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
802.11a/b/g、802.11n、802.11ac、802.11ax、および現在議論されている802.11beを含む無線ローカルエリアネットワーク(Wireless Local Area Network、WLAN)規格が、多くの世代にわたって開発されてきた。802.11n規格は高スループット(High Throughput、HT)と呼ばれ、802.11ac規格は超高スループット(Very High Throughput、VHT)と呼ばれ、802.11ax規格は高効率(High Efficient、HE)と呼ばれ、802.11be規格は極高スループット(Extremely High Throughput、EHT)と呼ばれる。
【0003】
802.11ax WLANデバイス、例えばアクセスポイントおよびステーションは、半二重伝送のみをサポートする。言い換えると、同じスペクトル帯域幅またはチャネル上で、1つのデバイスのみが情報を送信することができ、他のデバイスは、信号を受信することしかできず、信号を送信することはできない。これにより、現在の送信デバイスへの干渉を回避する。しかしながら、WLANデバイスの密度が高まるにつれて、基本サービスセット(basic service set、BSS)は他のBSSと重畳することがより一般的になっている。言い換えると、重畳基本サービスセット(Overlapping BSS、OBSS)がより一般的になる。従来の方法が使用される場合、伝送効率は非常に低い。この場合、802.11axは空間再利用(Spatial Reuse)方法を提案する。送信電力の適応的調整を通じて、重畳基本サービスセット内のデバイスは、同時に送信を行うことができる。これは、伝送効率を向上させる。しかしながら、802.11ax空間再利用方法は、デバイス間の干渉が大きく、システム効率が低いという欠点を有する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、空間再利用ソリューションを提供する。
【0005】
本開示の第1の態様は、空間再利用方法を提供する。この方法では、第1の空間再利用デバイスが、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信する。第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む。第1の空間再利用デバイスは、帯域幅の粒度での空間再利用パラメータ(SRP)の値および帯域幅の粒度でのPSRR PPDUの受信電力レベル(RPL)に基づいて、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定する。第2の周波数帯域は、帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、第2の周波数帯域および第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳する。帯域幅の粒度におけるPSRR PPDUのRPLは、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンド、または第1の周波数帯域もしくは第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドのうちの1つ以上に基づいて決定される。
【0006】
いくつかの実装形態では、基準送信電力は、第2の周波数帯域全体について決定される。
【0007】
いくつかの実装形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される。
【0008】
いくつかの実装形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0009】
いくつかの実装形態では、基準送信電力は、第2の周波数帯域における非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0010】
いくつかの実装形態では、第1の空間再利用デバイスは、受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報;PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報;または第2の空間再利用デバイスが位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報のうちの少なくとも1つに基づいて第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定することができる。
【0011】
いくつかの実装形態では、第1の空間再利用デバイスは、PSRT PPDUをパンクチャすると決定する。第1の空間再利用デバイスは、所定のオフセットに基づいて基準送信電力を調整する。
【0012】
いくつかの実装形態では、帯域幅の粒度におけるSRPの値は、所定のオフセットに基づいて、パンクチャされたPSRR PPDUのために第2の空間再利用デバイスによって調整される。
【0013】
いくつかの実装形態では、第1の周波数帯域は、複数のサブバンドを含む。帯域幅の粒度におけるSRPの値は、複数のサブバンドに対するSRPの複数の値のうちの最小値である。
【0014】
いくつかの実装形態では、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定することは、第1の空間再利用デバイスが、第1の周波数帯域の1つのサブバンドのためのSRPの値およびサブバンドのPSRR PPDUのRPLに基づいて、サブバンドでPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定することであって、第1の周波数帯域のサブバンドは第2の周波数帯域に含まれる、ことを含む。
【0015】
いくつかの実装形態では、第1の空間再利用デバイスは、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、パンクチャサブバンドでPSRT PPDUを送信することを許可しないと決定するか、または第1の空間再利用デバイスは、パンクチャサブバンドでの基準送信電力が所定の最大送信電力よりも小さいと決定する。
【0016】
いくつかの実装形態では、第1の空間再利用デバイスは、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおける1つ以上の非パンクチャサブバンドについて決定された1つ以上の基準送信電力に基づいて、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定する。
【0017】
いくつかの実装形態では、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定することは、第1の空間再利用デバイスが、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を、複数の非パンクチャサブバンドについて決定された複数の基準送信電力における最小基準送信電力として、または複数の基準送信電力の平均電力として決定することを含む。
【0018】
いくつかの実装形態では、第1の空間再利用デバイスは、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、パンクチャサブバンドのためのSRPの値に基づいてパンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定する。
【0019】
本開示の第2の態様は、空間再利用方法を提供する。この方法では、第2の空間再利用デバイスは、物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を送信するために使用され、同じ帯域幅を有する複数のサブバンドを含む第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、所定のオフセットに基づいて空間再利用パラメータSRPの値を調整する動作、およびパンクチャ予定サブバンドでのPPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第1の値に設定する動作、またはパンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じてSRPの対応する値を決定する。次いで、第2の空間再利用デバイスは、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドでパンクチャされたPPDUを送信し、PPDUで搬送されるトリガフレームは、SRPの決定された値を含む。
【0020】
本開示の第3の態様は、通信装置を提供する。装置は、受信モジュールおよび第1の決定モジュールを含む。受信モジュールは、第1の空間再利用デバイスによって、第1の周波数帯域で第2の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信するように構成され、第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む。第1の決定モジュールは、帯域幅の粒度における空間再利用パラメータSRPの値、および帯域幅の粒度におけるPSRR PPDUの受信電力レベルRPLに基づいて、第1の空間再利用デバイスによって、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定するように構成される。帯域幅の粒度におけるPSRR PPDUのRPLは、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンド、または第1の周波数帯域もしくは第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドのうちの1つ以上に基づいて決定される。
【0021】
いくつかの実装形態では、基準送信電力は、第2の周波数帯域全体について決定される。
【0022】
いくつかの実装形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される。
【0023】
いくつかの実装形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0024】
いくつかの実装形態では、基準送信電力は、第2の周波数帯域における非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0025】
いくつかの実装形態では、装置は、第2の決定モジュールをさらに含む。第2の決定モジュールは、以下のうちの少なくとも1つに基づいて、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定するように構成される:受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報;PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報;または第2の空間再利用デバイスが位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報。
【0026】
いくつかの実装形態では、装置は、第1の空間再利用デバイスによって、PSRT PPDUをパンクチャすると決定するように構成された、第3の決定モジュールをさらに含む。装置は、第1の空間再利用デバイスによって、所定のオフセットに基づいて基準送信電力を調整するように構成された、調整モジュールをさらに含む。
【0027】
いくつかの実装形態では、帯域幅の粒度におけるSRPの値は、所定のオフセットに基づいて、パンクチャされたPSRR PPDUのために第2の空間再利用デバイスによって調整される。
【0028】
いくつかの実装形態では、第1の周波数帯域は、複数のサブバンドを含む。帯域幅の粒度におけるSRPの値は、複数のサブバンドに対するSRPの複数の値のうちの最小値である。
【0029】
いくつかの実装形態では、第1の決定モジュールは、第1の周波数帯域の1つのサブバンドのためのSRPの値およびサブバンドのPSRR PPDUのRPLに基づいて、第1の空間再利用デバイスによって、サブバンドでPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定するように構成され、第1の周波数帯域のサブバンドは第2の周波数帯域に含まれる。
【0030】
いくつかの実装形態では、第1の決定モジュールは、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイスによって、パンクチャサブバンドでPSRT PPDUを送信することを許可しないと決定するか、または第1の空間再利用デバイスによって、パンクチャサブバンドでの基準送信電力が所定の最大送信電力よりも小さいと決定するように構成される。
【0031】
いくつかの実装形態では、第1の決定モジュールは、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイスによって、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおける1つ以上の非パンクチャサブバンドについて決定された1つ以上の基準送信電力に基づいて、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成される。
【0032】
いくつかの実装形態では、第1の決定モジュールは、第1の空間再利用デバイスによって、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を、複数の非パンクチャサブバンドについて決定された複数の基準送信電力における最小基準送信電力として、または複数の基準送信電力の平均電力として決定するように構成される。
【0033】
いくつかの実装形態では、第1の決定モジュールは、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイスによって、パンクチャサブバンドのためのSRPの値に基づいてパンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成される。
【0034】
本開示の第4の態様は、通信装置を提供する。通信装置は、第4の決定モジュールおよび送信モジュールを含む。第4の決定モジュールは、物理層プロトコルデータユニットPPDUを送信するために使用され、同じ帯域幅を有する複数のサブバンドを含む第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、所定のオフセットに基づいて空間再利用パラメータSRPの値を調整する動作、およびパンクチャ予定サブバンドでのPPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第1の値に設定する動作、またはパンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じてSRPの対応する値を決定するように構成される。送信モジュールは、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドでパンクチャされたPPDUを送信するように構成され、PPDUで搬送されるトリガフレームは、SRPの決定された値を含む。
【0035】
本開示の第5の態様は、通信デバイスを提供する。通信デバイスは、プロセッサを含む。プロセッサはメモリに結合される。メモリは、命令を記憶する。命令がプロセッサによって実行されると、本開示の第1の態様または第2の態様による方法が行われる。
【0036】
本開示の第6の態様は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶される。プログラムの少なくとも一部がデバイス内のプロセッサによって実行されると、デバイスは、本開示の第1の態様または第2の態様による方法を行う。
【0037】
概要の部分に記載された内容は、本開示の鍵となる、または重要な特徴を限定することを意図するものではなく、本開示の範囲を限定することを意図するものでもないことを理解されたい。以下の説明は、本開示の他の特徴の理解を容易にする。
【0038】
本開示の実施形態の上記および他の特徴、利点、および態様は、添付の図面を参照し、以下の詳細な説明を参照して、より明確になる。添付の図面では、同じまたは同様の参照番号は、同じまたは同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】1つのBSSと別のBSSとを部分的に重畳させることによって形成されたOBSSの概略図である。
【
図2】802.11ax規格のトリガフレームに基づくアップリンクスケジューリング送信におけるフレームフォーマットの概略図である。
【
図3】
図2に示されるトリガフレームのフレームフォーマットの概略図である。
【
図4】802.11axのトリガフレーム内の共通情報フィールドおよびユーザ情報フィールドのフレームフォーマットの概略図である。
【
図5】802.11axの空間再利用送信の概略フローチャートである。
【
図6】本開示の実施形態が実施され得る例示的な環境を示す図である。
【
図7A】本開示のいくつかの実施形態による空間再利用送信プロセスの概略図である。
【
図7B】本開示のいくつかの他の実施形態による空間再利用送信プロセスの概略図である。
【
図7C】本開示のいくつかの他の実施形態による空間再利用送信プロセスの概略図である。
【
図7D】本開示のいくつかの実施形態によるトリガフレームに含まれる共通情報フィールドおよびユーザ情報フィールドのいくつかのサブフィールドのフレームフォーマットの概略図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による空間再利用方法のフローチャートである。
【
図9】本開示の一実施形態による、6GHz帯域における80/160/320MHzの帯域幅のチャネル分割の概略図である。
【
図10】本開示のいくつかの他の実施形態による空間再利用方法のフローチャートである。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による装置の概略図である。
【
図12】本開示のいくつかの他の実施形態による装置の概略図である。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態を実施するためのデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下では、添付の図面を参照して本開示の実施形態を詳細に記載する。本開示のいくつかの実施形態が添付の図面に示されているが、本開示は、様々な形態で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではないことを理解されたい。逆に、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全に理解されるように提供される。本開示の添付の図面および実施形態は、単に例として使用されるに過ぎず、本開示の保護範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。
【0041】
本明細書で使用される用語「含む」およびその変形は、開包含、すなわち、「含むがこれに限定されない」を示す。用語「基づく」は、「少なくとも部分的に基づく」を意味する。用語「一実施形態」は、「少なくとも1つの実施形態」を表し、用語「別の実施形態」は、「少なくとも1つの別の実施形態」を表す。他の用語の関連する定義は、以下の説明で提供される。
【0042】
本明細書では、様々な要素を説明するために、用語「第1」、「第2」などが使用され得るが、要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことを理解されたい。これらの用語は、1つの要素を他から区別するためにのみ使用される。本明細書で使用される際に、用語「および/または」は、1つ以上の列挙された用語のありとあらゆる組合せを含む。
【0043】
本明細書で使用される用語「アクセスポイント」または「AP」は、ユーザ端末が必要なサービスにアクセスすることを可能にすることができる任意の適切なデバイスを指す。APの例は、ルータを含む。本明細書で使用される用語「ステーション」または「STA」はアクセスポイント(Access Point、AP)を通じて必要なサービスにアクセスすることができるユーザ端末を指す。ステーション(Station、STA)の例は、パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、および携帯電話を含む。
【0044】
APおよびSTAなどのWLANデバイスは、無認可スペクトルで動作し、チャネルを競合することによって、物理層プロトコルデータユニット(PHY Protocol Data Unit、PPDU)または他のパケットまたはデータパケットを送信する機会を得る。上述のように、WLANデバイスの密度が増加するにつれて、基本サービスセット(Basic Service Set、BSS)が他のBSSの基本サービスエリアに入り、重畳基本サービスセット(Overlapping BSS、OBSS)が形成されることがより一般的になっている。この場合、802.11axは空間再利用(Spatial Reuse)方法を提案する。送信電力の適応的調整を通じて、重畳基本サービスセット内のデバイスは、同時に送信を行うことができる。
【0045】
図1は、1つのBSSと別のBSSとを部分的に重畳させることによって形成されたOBSSの概略図である。
【0046】
まず、重畳基本サービスセット(Overlapping BSS、OBSS)が説明される。ステーションに関連付けられていない基本サービスセット(BSS)およびステーションに関連付けられたBSSが同じ周波数帯域(チャネルとも呼ばれる)で動作し、関連付けられていないBSSが(部分的にまたは完全に)関連付けられたBSSの基本サービスエリア内にある場合、関連付けられていないBSSは、ステーションの重畳基本サービスセット(OBSS)と呼ばれる。基本サービスエリアは、基本サービスセットのメンバを含むエリアであり、他のBSSのメンバを含んでもよい。
【0047】
図1に示される例では、BSS105(BSS1として表記)およびBSS110(BSS2として表記)は、部分的に重畳し、互いに対するOBSSである。
図1では、AP115(AP1として表記)、STA120(STA1として表記)、およびSTA125(STA3として表記)はBSS105に属し、AP130(AP2として表記)およびSTA135(STA2として表記)はBSS110に属する。
【0048】
BSS1の基本サービスエリアおよびBSS2の基本サービスエリアは、
図1に示されるように、部分的に重畳するので、BSS1内に位置するAP1およびSTA1がデータ送信を行うとき、BSS2内に位置するAP2は、AP1およびSTA1によって送信された情報を受信することができる。加えて、AP2はSTA3によって送信された情報をさらに受信することができる。この場合、AP2はAP1によって転送された空間再利用パラメータに基づいて、OBSSの同時送信を実施するために、AP2がSTA2にPPDUを送信する電力を適応的に調整することができる。同様に、BSS2内に位置するAP2およびSTA2がデータ送信を行うとき、BSS1内に位置するAP1は、AP2によって送信された情報を受信することができる。この場合、AP1もまた、AP2によって転送された空間再利用パラメータに基づいて、OBSSの同時送信を実施するために、AP1がSTA1および/またはSTA3にPPDUを送信する電力を適応的に調整することができる。
【0049】
AP1またはAP2は、トリガフレームに基づくアップリンクスケジューリング送信プロセスにおいてトリガフレームを使用して、空間再利用パラメータを送信することができる。
図2から
図4に示されるように、以下では、トリガフレームに基づくアップリンクスケジューリング送信プロセスを説明する。
【0050】
図2は、802.11ax規格のトリガフレームに基づくアップリンクスケジューリング送信における例示的なフレームフォーマットの概略図である。
【0051】
図2に示されるように、トリガフレームに基づくアップリンクスケジューリング送信では、AP1は、まずトリガフレーム205を送信することができ、トリガフレーム205は、リソーススケジューリングと、アップリンクPPDUを送信するために1つ以上のSTAによって使用される他のパラメータとを含む。トリガフレーム205の例示的なフォーマットが
図3に示されている。
図3に示されるように、トリガフレーム205は、共通情報(common info)フィールド305およびユーザ情報リスト(user info list)フィールド310を含む。共通情報フィールド305は、すべてのSTAが読み取る必要がある共通情報を含む。ユーザ情報リストフィールド310は、対応するSTAが読み取る必要がある1つ以上のユーザ情報(user info)フィールド315を含む。
【0052】
図4は、トリガフレーム205内の共通情報フィールド305およびユーザ情報フィールド315のフレームフォーマットの概略図である。
【0053】
図4に示されるように、共通情報フィールド305は、アップリンク空間再利用(UL Spatial Reuse)サブフィールド405を含む。ユーザ情報フィールド315では、アソシエーション識別子12(association identification 12、AID 12)サブフィールド410は、STAのアソシエーション識別子を示し、リソースユニット割当(RU Allocation)サブフィールド415は、STA(AID 12によって示されるSTA)に割り当てられた特定のリソースユニット(Resource Unit、RU)の位置を示す。
【0054】
トリガフレーム205を受信した後、STA1またはSTA3またはその両方は、トリガフレーム205から、STA1および/またはSTA3のAIDと一致するユーザ情報フィールド315を解析し、次いで、
図2に示されるように、リソースユニット割当サブフィールド415によって示され、ユーザ情報フィールド315にあるRU上で、高効率トリガベースデータパケット、例えば高効率トリガベース物理層プロトコルデータユニット(High Efficient Trigger Based Physical layer Protocol Data Unit、HE TB PPDU)210を送信する。STA1および/またはSTA3は、受信したトリガフレーム205内のUL Spatial Reuseフィールド405を、HE TB PPDU210内の高効率信号フィールドA(High Efficient Signal Field A、HE-SIG-A)フィールド220にさらにコピーすることができる。
【0055】
HE TB PPDU210を受信した後、AP1は、AP1がHE TB PPDU210を受信したことを確認応答するために、確認応答フレーム215をSTA1および/またはSTA3に返信する。
【0056】
図2に示されるHE TB PPDU210に含まれ得るフィールドの意味および機能については、以下の表1を参照されたい。
【0057】
【0058】
AP1によって送信されたトリガフレーム205は、AP1に関連付けられたSTA1またはSTA3によって受信されることができ、OBSS内のAP2によって受信されてもよい。トリガフレーム205内のアップリンク空間再利用サブフィールド405の情報に基づいて、AP2およびAP1は、OBSSにおいて空間再利用送信を行い得る。
図5に示されるように、以下では、AP1およびAP2の空間再利用送信の例示的なプロセスを説明する。
【0059】
図5は、802.11axの例示的な空間再利用送信プロセス500の概略フローチャートである。
【0060】
まず、AP1(すなわち、AP115)は、トリガフレーム205を含むパラメータ化空間再利用受信(Parameterized Spatial Reuse Reception、PSRR)PPDU505をSTA1に送信する。
図6に示されるように、トリガフレーム205内の共通情報フィールド305は、アップリンク空間再利用パラメータ(Uplink Spatial Reuse Parameter、UL SRP)を搬送するアップリンク空間再利用(UL Spatial Reuse)フィールド405を含む。UL SRPの値は、AP1の送信電力とAP1が受け入れることができる最大干渉電力との和である。AP115の動作周波数帯域が異なる帯域幅(bandwidth)を有するとき、UL SRP1からUL SRP4の値は、以下のように設定される。
・帯域幅が20 MHzであるとき、UL SRP1=UL SRP2=UL SRP3=UL SRP4は、20MHz帯域幅でのUL SRPの値が等しいことを示す。
・帯域幅が40MHzであるとき、UL SRP1=UL SRP3は、サブチャネル(subchannel)またはサブブロック(subblock)とも呼ばれ得る第1の20MHzサブバンド(subband)を示し、UL SRP2=UL SRP4は、第2の20MHzサブバンドを示す。チャネル割当に起因する混乱を回避するために、帯域幅が2.4GHzであるとき、UL SRP1=UL SRP2である。
・帯域幅が80MHzであるとき、4つのUL SRPは、4つの20MHzサブバンドをそれぞれ示す。
・帯域幅が160MHzであるとき、4つのUL SRPは、4つの40MHzサブバンドの各々における任意の20MHzサブバンドを各々示し、40MHzサブバンドにおける2つの20MHzサブバンドの値は同じである。
【0061】
帯域幅は、
図4に示されるトリガフレーム205内の共通情報フィールド305のアップリンク帯域幅(Uplink Bandwidth、UL BW)フィールド420によって示される。
【0062】
UL SRPの値は、AP1によって決定され、AP1の送信電力とAP1が受け入れることができる最大干渉電力との和である。
【0063】
STA1は、
図2に示されるように、受信したトリガフレーム205内のUL Spatial Reuseフィールド405を送信予定のHE TB PPDU210のHE-SIG-Aフィールド220にコピーする。加えて、AP2もまた、AP1によって送信されたトリガフレーム205を受信する。HE TB PPDU210を受信(STA1が本当にHE TB PPDU210を送信したと決定)した後、AP2は、PSRR PPDU505の受信電力レベル(Received Power Level、RPL)に基づいて、4つのUL SRP1から4の値、および/またはHE TB PPDUにおける4つのSRP1から4の値を計算し、この電力で、AP2はパラメータ化空間再利用送信(Parameterized Spatial Reuse Transmission、PSRT)PPDUを送信する。送信電力は、以下の式を満たす必要がある。
AP2がPSRT PPDUを送信する送信電力≦SRP-RPL、式(A)
【0064】
次いで、HE TB PPDU210が送信されたことを検出した後、AP2は、上記の式(A)に従って計算された電力に基づいて、PSRT PPDU510を送信する。
【0065】
上記の式では、
RPLは、PSRR PPDUの周波数帯域における電力を示し、
AP2がPSRT PPDUを送信する送信電力は20MHzに正規化され、
SRP:HE TB PPDUの帯域幅が160MHzである場合、帯域幅は20MHzに正規化される。HE TB PPDUの帯域幅が160MHzに等しい場合、帯域幅は40MHzに正規化される。
【0066】
本発明者は、研究を通じて、上記の802.11ax空間再利用送信方法が、送信電力正規化を特に考慮せず、PSRT PPDUとPSRR PPDUとの帯域幅不一致も考慮しないことを見出した。加えて、この方法は、PSRT PPDUおよび/またはPSRR PPDUのパンクチャされたプリアンブルの存在下での電力正規化を考慮しない。その結果、APによって計算された送信電力は不正確であり、AP間の干渉がさらに引き起こされ、システムスループットが低下する。
【0067】
したがって、本開示の一実施形態は、改善された空間再利用メカニズムを提供する。このメカニズムによれば、2つのデバイス(別々に第1の空間再利用デバイスおよび第2の空間再利用デバイスと呼ばれる)の空間再利用送信プロセスにおいて、第1の空間再利用デバイスの動作周波数帯域でのPSRT PPDUの送信電力を決定するとき、第1の空間再利用デバイスは、SRPの値およびPSRR PPDUの受信電力レベル(RPL)をサブバンドの帯域幅に正規化する。具体的には、第2の空間再利用デバイスの動作周波数帯域(同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む第1の周波数帯域と呼ばれる)で第2の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUを受信した後、第1の空間再利用デバイスは、帯域幅の粒度でのSRPの値および帯域幅の粒度でのPSRR PPDUの受信電力レベル(RPL)に基づいて、第1の空間再利用デバイスの動作周波数帯域(帯域幅を有する1つ以上のサブバンドも含む第2の周波数帯域と呼ばれる)でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定する。
【0068】
加えて、第1の空間再利用デバイスは、第1の周波数帯域または第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンド、および/または第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイスによって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドに基づいて、帯域幅の粒度でのPSRR PPDUのRPLを決定する。このようにして、PSRT PPDUの送信電力を計算するとき、第1の空間再利用デバイスは、PSRT PPDUおよびPSRR PPDUの帯域幅一致および/またはパンクチャリングを考慮することができる。
【0069】
このようにして、PSRT PPDUの送信電力を計算するとき、第1の空間再利用デバイスは、PSRT PPDUおよびPSRR PPDUの帯域幅正規化、ならびに帯域幅一致および/またはパンクチャリングを考慮することができる。この空間再利用メカニズムは、PSRT PPDUの送信電力を計算する精度を向上させ、空間再利用デバイスの受信に対する干渉を低減し、システム効率を向上させる。
【0070】
図6は、本開示の実施形態が実施され得る例示的な環境600を示す。
【0071】
図6に示されるように、環境600は、第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604の2つの空間再利用デバイスを含む。この例では、第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604の両方がアクセスポイント(AP)として実装される。環境600は、STA606、STA608、およびSTA610をさらに含む。STA606およびSTA608は第1の空間再利用デバイス602と通信することができ、STA610は第2の空間再利用デバイス604と通信することができる。第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604は、無線方式でSTA606、STA608、およびSTA610と通信することができる。通信は、任意の適切な通信技術、および対応する通信規格に準拠し得る。
図6に示されるように、第1の空間再利用デバイス602、STA606、およびSTA608は1つのBSS612に属し、第2の空間再利用デバイス604およびSTA610は別のBSS614に属する。2つのBSS612および614はOBSSである。いくつかの実施形態では、BSS612では、1つのSTAのみが第1の空間再利用デバイス602と通信することができる。BSS614では、複数のSTAが第2の空間再利用デバイス604と通信することができる。
【0072】
BSS614内に位置する第2の空間再利用デバイス604がSTA610とのデータ送信を行い得るとき、BSS612内に位置する第1の空間再利用デバイス602は、第2の空間再利用デバイス604によって送信された情報を受信し得る。逆に、第2の空間再利用デバイス604はまた、第1の空間再利用デバイス602によって送信された情報を受信してもよい。第1の空間再利用デバイス602は、第2の空間再利用デバイス604によって転送された空間再利用パラメータに基づいて、第1の空間再利用デバイス602がSTA608にPPDUを送信する電力を適応的に調整することができる。同様に、第2の空間再利用デバイス604もまた、第1の空間再利用デバイス602によって転送された空間再利用パラメータに基づいて、第2の空間再利用デバイス604がSTA610にPPDUを送信する電力を適応的に調整することができる。
【0073】
第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604はアクセスポイント(AP)として実装され、これは限定ではなく単なる例であることを理解されたい。本開示の第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604は、例におけるAPに限定されず、通信サーバ、ルータ、スイッチ、ブリッジ、コンピュータ、および携帯電話などのAPおよびSTAを含むがこれらに限定されない、特定の実装形態およびシナリオに応じて空間再利用送信に適した様々な他のデバイスであってもよい。加えて、
図6は、第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604と通信するデバイスがSTAである例のみを示している。本開示はこれに限定されず、特定の実装形態およびシナリオに依存する。デバイスは、通信サーバ、ルータ、スイッチ、ブリッジ、コンピュータ、および携帯電話などのAPおよびSTAを含むがこれらに限定されない別の通信デバイスであってもよい。
【0074】
環境600は、例示のみを目的として、2つの空間再利用デバイスと、これらと通信する3つのデバイス、すなわちSTA606、STA608、およびSTA610とを示すことも理解されたい。しかしながら、本開示の実施形態は、他の数の空間再利用デバイスに適用されてもよく、これらの空間再利用デバイスは、適切な数の他のデバイスと通信することができる。
【0075】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2の空間再利用デバイス604との空間再利用送信を行うと決定した後、第1の空間再利用デバイス602は、動作周波数帯域におけるサブバンドの帯域幅に正規化されたSRPの値、および第2の空間再利用デバイス604からのPSRR PPDUのRPLに基づいて、PSRT PPDUを送信するための送信電力を決定する。
【0076】
以下では、
図7A、
図7B、および
図7Cを参照して、第1の空間再利用デバイス602と第2の空間再利用デバイス604との間の例示的な空間再利用送信プロセスを説明する。
図7A、
図7B、および
図7Cに示される例では、第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604の両方が、AP2およびAP1として別々に表記されるAPとして実装されている。
【0077】
図7Aは、本開示のいくつかの実施形態による空間再利用送信プロセス700Aの概略図である。
【0078】
図7Aに示されるように、802.11beに従って、AP1(第2の空間再利用デバイス604の一例として)は、トリガフレームを搬送するPSRR PPDU701をSTA1に送信する。いくつかの実施形態では、PSRR PPDU701はいずれのPPDU(例えば、管理フレームを搬送するPSRR PPDU)であってもよく、次いでAP2は、PSRR PPDUのみを使用してRPLを取得する。SRPの値は、SRPを搬送し、STA1によって送信された任意のPPDU(例えば、HE/EHT TB PPDU)を使用して取得される。さらなる説明は、
図7Cを参照して以下に提供される。
【0079】
プロセス700とプロセス500との主な違いは、トリガフレーム205を搬送するPSRR PPDU701が、STA1のHE TB PPDUおよび/またはEHT TB PPDUの2つのタイプのPPDUをスケジューリングし得ることにある。AP2(第1の空間再利用デバイス602の一例として)は、HE TB PPDUおよび/またはEHT TB PPDUに基づいて空間再利用を行うことができる。いくつかの実施形態では、AP2は、HE TB PPDUおよび/またはEHT TB PPDUを受信しない(またはこれらに基づかない)が、トリガフレームを搬送するPSRR PPDUを使用して空間再利用を直接行うことができる。さらなる説明は、
図7Bを参照して以下に提供される。
【0080】
図7Aに示されるように、共通情報フィールドがアップリンク空間再利用(UL Spatial Reuse)フィールドを含む、および/または特別なユーザフィールドがEHTアップリンク空間再利用フィールドを含むトリガフレームを受信した後、STA1は、HE TB PPDU702および/またはEHT TB PPDU703を送信する。AP2がPSRT PPDUを送信する後続のプロセスは、802.11axの空間再利用送信プロセス500と同様である。ここでは詳細は再度説明されない。
【0081】
トリガフレームを使用してSPRを示す一例が、
図7Dを参照して以下で説明される。
【0082】
図7Dは、本開示のいくつかの実施形態によるトリガフレームに含まれる共通情報フィールドおよびユーザ情報フィールドのいくつかのサブフィールドのフレームフォーマットの概略図である。
【0083】
図7Dに示されるように、トリガフレーム内の共通情報フィールド705は、その長さがすべて4ビットである4つのアップリンクパラメータ化空間再利用(Uplink Parameterized Spatial Reuse、UL PSR)フィールド710を含む。
図7Dに示されるフレームフォーマットでは、ユーザ情報リストフィールド715は、特別なユーザ情報フィールド、すなわちアソシエーション識別子12(AID 12)フィールド720をさらに含む。フィールド720は、所定の値(2007)を示し、フィールドが共通情報フィールドの拡張部であり、EHT TB PPDUのために使用されてEHT UL SRP1およびEHT UL SRP2として別々に表記される2つの4ビットUL SRPフィールド725および730を含むことを示す。
【0084】
異なる帯域幅では、EHT UL SRP1およびEHT UL SRP2の値は以下のように設定され得る。
【0085】
帯域幅が20MHzであるとき、EHT UL SRP1=EHT UL SRP2である。
【0086】
帯域幅が40MHzであるとき、EHT UL SRP1は第1の20MHzサブバンドを示し、EHT UL SRP2は第2の20MHzサブバンドを示す。チャネル割当に起因する混乱を回避するために、帯域幅が2.4GHzであるとき、EHT UL SRP1=EHT UL SRP2である。
【0087】
帯域幅が80MHzであるとき、2つのEHT UL SRPは、2つの40MHzサブバンドの各々における任意の20MHzサブバンドを各々示し、40MHzサブバンドにおける2つの20MHzサブバンドの値は同じである。
【0088】
帯域幅が160MHzであるとき、2つのEHT UL SRPは、2つの80MHzサブバンドの各々における任意の20MHzサブバンドを各々示し、80MHzサブバンドにおける4つの20MHzサブバンドの値は同じである。
【0089】
帯域幅が320MHzであるとき、2つのEHT UL SRPは、2つの160MHzサブバンドの各々における任意の20MHzサブバンドを各々示し、160MHzサブバンドにおける8つの20MHzサブバンドの値は同じである。
【0090】
SRPの上記の設定方法は、本開示のいくつかの実施形態の設定方法に過ぎず、本開示はこれに限定されず、他の方法で設定されてもよい。
【0091】
図7Bは、本開示のいくつかの他の実施形態による空間再利用送信プロセス700Bの概略図である。
【0092】
図7Bおよび
図7Aに示される送信プロセスの同じまたは同様の部分の詳細は、ここでは再度説明されない。以下では、2つのプロセスの違いを主に説明する。上述のように、
図7Aに示されるプロセス700Aでは、STA1は、HE TB PPDU702および/またはEHT TB PPDU703を受信した後に空間再利用送信を行い始める。しかしながら、
図7Bに示されるプロセス700Bでは、トリガフレームを搬送するPSRR PPDU701を受信した後に、AP2が空間再利用送信を行い始める。言い換えると、
図7Bの時点735の後に、AP2は空間再利用送信を行うと決定する。これは、HE TB PPDU702またはEHT TB PPDU703またはその両方が送信されるか否かとは無関係である。言い換えると、
図7Bに示される実施形態では、AP2は、PSRR PPDUを使用するだけで空間再利用送信を完了する。いくつかの実施形態では、STA1は、例えば、STA1のチャネルがビジーであるか、またはSTA1がトリガフレームを正しく受信しないとき、HE/EHT TB PPDUを送信しなくてもよい。
【0093】
図7Cは、本開示のいくつかの他の実施形態による空間再利用送信プロセス700Cの概略図である。
【0094】
図7Cおよび
図7Bと
図7Aの両方に示される送信プロセスの同じまたは同様の部分の詳細は、ここでは再度説明されない。プロセス700Cでは、AP2は、AP1からトリガフレームを受信することなく空間再利用送信を行うと決定することができる。
図7Cに示されるように、AP1は、ビーコンフレームを搬送するPSRR PPDU740を送信する。AP2は、ビーコンフレームを取得するときにRPLを取得することができる。次いで、AP2は、HE TB PPDU745および/またはEHT PPDU750を受信した後に空間再利用送信を行うことができる。
【0095】
図8は、本開示のいくつかの実施形態による空間再利用方法800のフローチャートである。方法800は、第1の空間再利用デバイス602または第2の空間再利用デバイス604によって行われ得る。説明を容易にするために、以下では、
図9を参照して、第1の空間再利用デバイス602の観点から方法800を説明する。
【0096】
方法800のボックス810では、第1の空間再利用デバイス602が、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信する。
【0097】
第1の周波数帯域は、第2の空間再利用デバイス604の動作周波数帯域である。第1の周波数帯域の帯域幅は、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、320MHzなどを含むことができる。第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンド(サブチャネルまたはサブブロックとも呼ばれる)を含む。サブバンドの帯域幅もまた、20MHz、40MHz、80MHz、160MHz、320MHzなどを含むことができる。例えば、第1の周波数帯域が320MHzであり、サブバンドの帯域幅が20MHzである場合、第1の周波数帯域は16個のサブバンドを含む。同様に、第1の周波数帯域が320MHzであり、サブバンドの帯域幅が40MHzである場合、第1の周波数帯域は8つのサブバンドを含む。
【0098】
異なるシナリオでは、第1の空間再利用デバイス602が、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信する。以下では、
図9を参照して説明を提供する。
【0099】
図9は、本開示の一実施形態による、6GHz帯域における80/160/320MHzの帯域幅のチャネル分割の概略図である。
【0100】
図9に示されるように、チャネルを効果的に使用するために、そのチャネル中心周波数が31/95/159である320MHzチャネルおよびそのチャネル中心周波数が63/127/191である320MHzチャネルを含む、2つの320MHzチャネル905および910が802.11beで設計され、320-1および320-2として表記される。
図9では、UNIIは、無認可国家情報インフラストラクチャ無線帯域(Unlicensed National Information Infrastructure(U-NII)radio band)を表す。
【0101】
一実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、APとして実装され、チャネル320-2で動作する。第1の空間再利用デバイス602がチャネル320-1で第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUを受信する場合、第1の空間再利用デバイス602によって受信される電力は、PSRR PPDUの全帯域幅(BW)のほぼ半分である。
【0102】
別の例として、一実施形態では、第1の空間再利用デバイス602はステーション(STA)として実装され、STAは、80MHzの能力しか持たないか、または80MHzモードで動作する。第1の空間再利用デバイス602は、その帯域幅が160MHzであり、第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUを受信すると、第1の空間再利用デバイス602は、PSRR PPDUの1つの80MHzのみを受信することができ、同様に、PSRR PPDUの全BWのほぼ半分の電力を受信することができる。
【0103】
第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604が異なるチャネル中心周波数を有するチャネルで動作する場合、1つの空間再利用デバイスは、他の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部のみを受信できることがわかる。結果として、帯域幅不一致が発生する。本開示のいくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602がPSRR PPDUの送信電力を決定するときに、この問題が考慮される。詳細は以下で説明される。
【0104】
いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUは、トリガフレーム(例えば、
図2に示されるトリガフレーム205)を含むことができる。例えば、第1の空間再利用デバイス602は、トリガフレームを含み、第2の空間再利用デバイス604によってSTA610に送信され得るPSRR PPDUを受信することができる。トリガフレームは、
図2に示されるフォーマット以外のフォーマットを有してもよい。
【0105】
図8のボックス820に示されるように、第1の空間再利用デバイス602は、サブバンド帯域幅の粒度でのSRPの値、および帯域幅の粒度でのPSRR PPDUのRPLに基づいて、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定する。第2の周波数帯域は、第1の空間再利用デバイス602の動作周波数帯域であり、1つ以上のサブバンドも含む。第2の周波数帯域のサブバンドの帯域幅は、第1の周波数帯域のサブバンドの帯域幅と同じであり、第2の周波数帯域および第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳する。このようにして、第1の空間再利用デバイス602は、第2の空間再利用デバイス604からPSRR PPDUを受信することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、受信PSRR PPDUから、サブバンドごとに第2の空間再利用デバイス604によって指定され、PSRR PPDUで搬送されるトリガフレームに含まれるSRPを取得し、SRPに基づいてサブバンド帯域幅の粒度でのSRPの値を計算することができる。いくつかの実施形態では、PSRR PPDUの所与の受信機(例えば、STA610)は、送信されたHE TB PPDU内のHE-SIG-Aフィールドに、第2の空間再利用デバイス604から受信したPSRR PPDUのトリガフレーム内のUL SRPフィールドをコピーすることができ、および/または受信したトリガフレーム内のEHT UL SRPフィールドを送信されたEHT TB PPDU内のU-SIGフィールドにコピーすることができる。これに対応して、HE TB PPDUおよび/またはEHT TB PPDUを受信した後、第1の空間再利用デバイス602は、サブバンドごとのSRPを取得することができる。次いで、第1の空間再利用デバイス602は、トリガフレーム内のUL SRP値およびEHT UL SRP値、HE TB PPDU内のSRP値、およびU-SIGフィールド内のEHT SRP値のうちの1つ以上に基づいて、第1の空間再利用デバイス602がPSRT PPDUを送信する送信電力を計算することができる。
【0107】
いくつかの実施形態では、上述のように、SRPの値は、PSRR PPDUのトリガフレーム内にあってもよく、またはPSRR PPDUの所与の受信機(例えば、STA610)によって送信されたHE/EHT TB PPDU内にあってもよい。この例では、第1の空間再利用デバイス602が第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUを受信し、プリアンブルを使用してRPLを取得するがデータフィールド内のトリガフレームは取得しない場合、第1の空間再利用デバイス602は、STA(例えば、STA610)からのHE/EHT TB PPDUを使用してBWおよびPSRを取得することができる。
【0108】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUは、トリガフレームの代わりに管理フレーム(ビーコンフレームなど)を代替的に搬送してもよい。この場合、第1の空間再利用デバイス602は、PSRR PPDUに基づいてRPLを決定し、他のデバイス(例えば、第2の空間再利用デバイス604と通信するSTA)によって送信されたHE/EHT PPDUからSRPの値を取得することができる。例えば、HE/EHT TB PPDUに加えて、HE/EHT PPDUは、HEマルチユーザ(Multiple User、MU)PPDU、EHT MU PPDU、HEシングルユーザ(Single User、SU)PPDU、およびHE拡張範囲(Extended Range、ER)SU PPDUのうちの1つ以上をさらに含むことができる。PSRR PPDUおよびHE/EHT PPDUは、時系列で互いに隣接していなくてもよい。HE/EHT PPDUにおけるSRPの値は、第2の空間再利用デバイス604から受信され得る。代替的または追加的に、SRPの値は、他のデバイスによって設定されたSRP値であってもよい。UL SRPおよびEHT UL SRPは両方ともサブバンド(例えば、20MHzの帯域幅)上の値を表す。上述のように、既存の再利用方法では、SRPの値、RPL、およびPSRT PPDUの送信電力は、同じ帯域幅に正規化されず、したがって、計算された送信電力は十分に正確ではない。したがって、計算の精度のために、本開示の実施形態では、RPLもまたサブバンド帯域幅、例えば20MHzに正規化される。
【0109】
この場合、いくつかの実施形態では、PSRT PPDUの送信電力は、以下の式1に従って決定され得る。
【数1】
【0110】
ここで、TxPowerPSRTは、第1の空間再利用デバイス602がPSRT PPDUを送信する総送信電力を示し、第2の周波数帯域でのPSRT PPDUの基準送信電力の一例である。この例では、PSRT PPDUの基準送信電力は、第2の周波数帯域全体について決定される。第2の周波数帯域全体でのPSRT PPDUの基準送信電力は、動作周波数帯域全体を20MHzに正規化することによって決定される。加えて、BWPSRTは、PSRT PPDUの帯域幅(すなわち、第2の周波数帯域の帯域幅)を示し、PSRkth,20MHzは、PSRR PPDUの帯域幅範囲内のk番目の20MHzに対応するUL SRP、例えば、トリガフレーム内の1つ以上のUL SRPフィールド、HE PPDUのHE-SIG-Aフィールド内の1つ以上のSRPフィールド、トリガフレーム内の1つ以上のEHT UL SRPフィールド、および/またはEHT PPDUのU-SIGフィールド内の1つ以上のEHT SRPフィールドのうちの1つ以上によって示されるPSR値を示す。RPLPSRRは、PSRR PPDUの帯域幅範囲内の第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの層電力を示し、BWPSRRは、PSRR PPDUの帯域幅(すなわち、第1の周波数帯域の帯域幅)を示す。
【0111】
上記の式から、TxPower
PSRTは
【数2】
を通じて20MHzに正規化され、RPL
PSRRは
【数3】
を通じて20MHzに正規化されることがわかる。
【0112】
いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604が動作する第1の周波数帯域は複数のサブバンドを含むことができ、第2の空間再利用デバイス604は、これらのサブバンドについてSRPの複数の値を指定する。例えば、上述のように、第2の空間再利用デバイス604は、トリガフレーム内の1つ以上のUL SRPフィールド、HE PPDUのHE-SIG-Aフィールド内の1つ以上のSRPフィールド、トリガフレーム内の1つ以上のEHT UL SRPフィールド、および/またはEHT PPDUのU-SIGフィールド内の1つ以上のEHT SRPフィールドを使用して、SRPのこれらの値を示すことができる。この場合、帯域幅の粒度におけるSRPの値は、SRPの複数の値のうちの最小値であってもよい。例えば、各PSRkth,20MHzについて、PSRR PPDUのBW範囲(すなわち、第1の周波数帯域)内の最小のPSRkth,20MHzが計算に使用され得る。任意選択的に、異なるkについて、異なるTxPowerPSRTを計算するためにSRPの異なる対応する値が使用されてもよく、ここでk=1...,BWPSRR/20MHzである。
【0113】
前述の実施形態では、TxPowerPSRTおよびRPLPSRRは、不等式のいくつかの変数が20MHzでの値を各々示すように、式(1)を使用して正規化される。このようにして、送信電力計算の精度が向上し得る。
【0114】
上述のように、
図9に示されるように、チャネルを効果的に使用するために、そのチャネル中心周波数が31/95/159であるチャネル320-1およびそのチャネル中心周波数が63/127/191であるチャネル320-2を含む、2つの320MHzチャネル905および910が802.11beで設計される。第1の空間再利用デバイス602がチャネル320-2で動作し、チャネル320-1で第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUを受信するとき、第1の空間再利用デバイス602によって受信される電力は、PSRR PPDUの全BWのほぼ半分である。別の例として、第1の空間再利用デバイス602がステーション(STA)として実装され、STAが80MHzの能力しか持たないか、または80MHzモードで動作する場合、第1の空間再利用デバイス602が160MHz PSRR PPDUを受信するとき、第1の空間再利用デバイス602は、PSRR PPDUの1つの80MHzのみを受信することができ、同様に、PSRR PPDUの全BWのほぼ半分の電力を受信することができる。第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604が異なるチャネル中心周波数を有するチャネルで動作する場合、1つの空間再利用デバイスは、他の空間再利用デバイスによって送信されたPSRR PPDUの一部のみを受信できることがわかる。これは帯域幅不一致をもたらす。
【0115】
第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの周波数範囲の幅が、第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUの全帯域幅ではなく、PSRR PPDUの帯域幅の一部である場合、受信したRPLPSRRはより小さい。式2によれば、計算されたTxPowerPSRTは、実際に許容される値よりも大きい。これに対応して、いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、PSRT PPDUの送信電力の計算中に帯域幅不一致が考慮されるように、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドに基づいてPSRR PPDUのRPLを決定することができる。これは、送信電力の計算精度をさらに向上させる。
【0116】
以下では、第1の空間再利用デバイス602が、帯域幅不一致が考慮されるとき、第2の帯域幅でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力をどのように決定するかの具体例を説明する。
【0117】
いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、以下の式に従ってPSRT PPDUの送信電力を決定することができる。
【数4】
【0118】
ここで、BWPSRR,Rxは第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの周波数範囲を示し、RPLPSRR,Rxは周波数範囲内の第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの電力を示す。式1と式3を比較することにより、式3では、式1のパラメータRPLPSRRがパラメータRPLPSRR,Rxに置き換えられ、式1のパラメータBWPSRRはパラメータBWPSRR,Rxに置き換えられることがわかる。
【0119】
式3では、いつものPSRR PPDUの全帯域幅の他に、第1の空間再利用デバイス602によって受信されるPSRR PPDUの周波数範囲が、正規化パラメータとして使用される。これに対応して、PSRR PPDUの周波数範囲内の第1の空間再利用デバイス602によって受信されるPSRR PPDUの総電力の他に、周波数範囲内の第1の空間再利用デバイス602によって受信されるPSRR PPDUの電力が計算に使用される。これにより、帯域幅不一致によって生じる問題を解決し、送信電力の計算精度をさらに向上させる。
【0120】
いくつかの実施形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される。具体例が以下で説明される。
【0121】
この例では、BW
PSRR,RxおよびRPL
PSRR,Rxに加えて、BW
PSRR,RxおよびRPL
PSRR,Rxも使用され得る。以下の式3aに示されるように、BW
<PSRR,PSRT>は、PSRT PPDUによって占有された周波数帯域(すなわち、第2の周波数帯域)とPSRR PPDUによって占有された周波数帯域(すなわち、第1の周波数帯域)との間の重畳領域の周波数範囲のサイズを示し、RPL
<PSRR,PSRT>は、PSRR PPDUの、重畳領域で受信される電力を示す。
【数5】
【0122】
一実施形態では、第1の周波数帯域は複数のサブバンドを含み、これらのサブバンドにはSRPの複数の値がある。式3aに従って計算が行われると、各PSRkth,20MHzについて、第1の周波数帯域と第2の周波数帯域との間の重畳領域において最小のPSRkth,20MHzが選択され得る。任意選択的に、異なるkについて、異なるTxPowerPSRTを計算するためにSRPの異なる対応する値が使用されてもよく、ここでk=1...,BW<PSRR,PSRT>/20MHzである。
【0123】
式は、第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRT PPDUおよびPSRR PPDUが異なるBW範囲を有する場合を考慮している。例えば、重畳領域は160MHzであり、送信されたPSRT PPDUは160MHz範囲内の80MHzである。この場合、BW<PSRR,PSRT>は80MHzに等しく、RPL<PSRR,PSRT>はPSRR PPDUの、80MHzで受信される電力である。このようにして、TxPowerPSRTは正確に計算され得る。
【0124】
PSRT PPDUのBWがPSRT PPDUの帯域幅とPSRR PPDUの帯域幅との間の重畳領域の周波数範囲よりも大きいとき、PSRT PPDUの帯域幅とPSRR PPDUの帯域幅との間の重畳領域の周波数範囲は、第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの周波数範囲である。この場合、式3は式3aに等しい。
【0125】
いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602および/または第2の空間再利用デバイス604は、PPDUを送信するときにプリアンブルパンクチャリングを行ってもよい。プリアンブルパンクチャリングは、プリアンブルおよびデータがPPDUの帯域幅範囲内の20MHzサブバンドで送信されないか、またはエネルギーが送信されないことを示す。しかしながら、上記の式は、正規化パラメータとしてPPDUの全帯域幅を常に使用し、プリアンブルパンクチャリングを考慮しない。例えば、式1は、以下の式と同等であり得る。
【数6】
【0126】
プリアンブルパンクチャリングの場合、PSRR PPDUおよび/またはPSRT PPDUの全帯域幅は、電力送信を伴う等価帯域幅よりも大きく、これはTxPower
PSRTの不正確な増加を引き起こす可能性がある。プリアンブルのパンクチャ部分は、PPDUの全帯域幅の最大50%を占有し得ると想定される。電力送信を伴う等価帯域幅の他にPPDUの全帯域幅が使用される場合、不等式の右辺は、実際の状況よりも最大で3+3=6 dB大きい。計算されたTxPower
PSRTは、実際に許容される値よりも最大で6 dB大きい。PPDUのBWは、等価帯域幅の2倍であり、すなわち
【数7】
である。
【0127】
これに対応して、一実施形態では、第1の空間再利用デバイス602または第2の空間再利用デバイス604またはその両方は、PSRR PPDUおよび/またはPSRT PPDUに対してプリアンブルパンクチャリングを行う。送信電力の計算精度をさらに向上させるために、サブバンド帯域幅の粒度でのPSRR PPDUのRPLは、第1の周波数帯域または第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドに基づいて決定され得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、PSRT PPDUの送信電力は、第1の周波数帯域および第2の周波数帯域の重畳およびパンクチャリングの両方を考慮して計算され得る。例えば、サブバンド帯域幅の粒度におけるRPLは、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0129】
任意選択的または追加的に、いくつかの実施形態では、PSRT PPDUの基準送信電力は、第2の周波数帯域における非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、第1の空間再利用デバイス602によって受信されたPSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定され得る。
【0130】
以下では、PSRT PPDUの送信電力は、第1の周波数帯域および第2の周波数帯域の重畳およびパンクチャリングの両方を考慮してPSRT PPDUの基準送信電力を決定する具体例を説明する。
【0131】
いくつかの実施形態では、式3は、以下のようにさらに改善され得る。
【数8】
【0132】
ここで、BWPSRT,non-puncはパンクチャ部分以外の等価帯域幅を示し、BWPSRR,Rx,non-puncは受信PSRR PPDUの周波数範囲内のパンクチャ部分以外の等価帯域幅を示す。パンクチャ部分で送信されるエネルギーはないので、RPLPSRR,RxはRPLPSRR,Rx,non-puncに等しい。
【0133】
上述のいくつかの実施形態と同様に、受信PSRR PPDUの周波数範囲もまた、PSRT PPDUおよびPSRR PPDUによって占有された周波数帯域の重畳領域に置き換えられてもよい。BW
<PSRR,PSRT>,non-puncは、PSRT PPDUの帯域幅とPSRR PPDUの帯域幅との間の重畳領域内のパンクチャ部分以外の等価帯域幅である。パンクチャリングが考慮された後、式3aは、以下のように表され得る。
【数9】
【0134】
同様に、RPL<PSRR,PSRT>とRPL<PSRR,PSRT>,non-puncとは同じである。
【0135】
PSRT PPDUは第1の空間再利用デバイス602によって送信されることになるので、第1の空間再利用デバイス602は、PSRT PPDUのパンクチャリング状態または推定パンクチャリング状態を知る。PSRR PPDUのパンクチャリング状態について、いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報;PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報;または第2の空間再利用デバイス604が位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報のうちの少なくとも1つに基づいて第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、シグナリング指示を使用して、PSRR PPDUのパンクチャリング状態を明確に知ることができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、受信PSRR PPDUのプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報に基づいて、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定することができる。例えば、PSRR PPDUは、OFDMA送信のためのEHTマルチユーザ(Multiple User、MU)PPDUである。PSRR PPDUのパンクチャリング情報は、EHT-SIGフィールドのリソースユニット割当サブフィールド(RU allocation subfield)内に位置する。パンクチャされた20MHzに対応するリソースユニット割当サブフィールドは、26を示す。言い換えると、パンクチャされた242トーンリソースユニット(punctured 242-tone RU)では、1つの20MHzが1つの242-tone RUに対応する。例えば、PSRR PPDUは、非OFDMA送信のためのEHT MU PPDUである。PSRR PPDUのパンクチャリング情報は、U-SIGフィールドのパンクチャチャネル情報サブフィールド内に位置する。
【0137】
EHT MU PPDUに加えて、PSRR PPDUは、HE MU PPDU、HE SU PPDU、またはHE ERSU PPDU、および非高スループット複製PPDUを含む、HE PPDUとしてさらに実装されてもよい。
【0138】
さらに別の例として、PSRR PPDUはHE MU PPDUである。PSRR PPDUのパンクチャリング情報は、帯域幅(BW)サブフィールド内に位置する。帯域幅サブフィールドが0、1、2、または3を示すとき、パンクチャリングはなく、PPDU BWは計算に直接使用され得る。帯域幅サブフィールドが4または5を示すとき、全帯域幅は80MHzであり、1つの20MHzサブバンドがパンクチャされる(PPDU BWは80MHzであり、等価帯域幅は60MHzである)。帯域幅サブフィールドが6を示すとき、全帯域幅は160MHzであり、プライマリ80MHzチャネルの1つの20MHzサブバンドがパンクチャされ、セカンダリ80MHzチャネルのゼロから2つの20MHzサブバンドがパンクチャされる。しかしながら、具体的な数は不明である。この場合、BWPSRT,non-puncまたはBW<PSRR,PSRT>,non-puncがプライマリ80MHzチャネルである場合、第1の空間再利用デバイス602はパンクチャリング状態を明確に知ることができる。あるいは、帯域幅サブフィールドが7を示すとき、全帯域幅は160MHzであり、少なくとも1つの20MHzサブバンドがパンクチャされ、プライマリ80MHzチャネルのゼロ、1つ、または2つの20MHzサブバンドがパンクチャされ、セカンダリ80MHzチャネルのゼロ、1つ、または2つの20MHzサブバンドがパンクチャされる。
【0139】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUが非高スループット複製(non-HT duplicate)PPDUであるとき、PSRR PPDUは、帯域幅およびパンクチャリング情報を搬送することができる。具体的には、情報は、サービスフィールド内に位置してもよい。これに対応して、第1の空間再利用デバイス602は、PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報に基づいて、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定することができる。
【0140】
いくつかの他の実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、第2の空間再利用デバイス604が位置するBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報に基づいて、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定することができる。例えば、20MHzサブバンドがパンクチャされる静的パンクチャリング情報は、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームなどの管理フレームで搬送され得る。
【0141】
前述の場合、第1の空間再利用デバイス602は、シグナリング指示を使用して、PSRR PPDUのパンクチャリング状態を明確に知ることができる。
【0142】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUのパンクチャリング状態は、第1の空間再利用デバイス602のブラインド検出を通じて代替的に決定され得る。例えば、第1の空間再利用デバイス602は、各20MHzにPSRR PPDUの非HTプリアンブルが存在するか否かを検出することができる。
【0143】
いくつかの実施形態では、プリアンブルパンクチャリング問題について、第1の空間再利用デバイス602は、所定のオフセットに基づいて基準送信電力を調整する。これは、第1の空間再利用デバイス602の処理を簡略化し、計算効率をさらに向上させる。いくつかの実施形態では、所定のオフセットは3dBに設定され得る。上述のように、許容されるパンクチャリングの最大割合が50%であるとき、PSRT PPDUのパンクチャリングおよびPSRR PPDUのパンクチャリングは、最大3dBの不正確な増加を別々に引き起こす。したがって、TxPowerPSRTの計算中、3dBまたは6dBのオフセットが直接減じられる。これにより、PSRT PPDUおよび/またはPSRR PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる不正確な増加を回避することができる。
【0144】
いくつかの実施形態では、PSRT PPDUの基準送信電力(例えば、TxPowerPSRT)を計算するとき、第1の空間再利用デバイス602は、オフセットに基づいて、PSRR PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる送信電力計算偏差を調整することができる。例えば、第1の空間再利用デバイス602は、式1/2/3/3aに従って計算されたTxPowerPSRTからオフセット、例えば3dBをさらに減じることができる。確かに、第1の空間再利用デバイス602は、PSRR PPDUのパンクチャリング状態を知っている場合には等価帯域幅に基づいて調整を行い、PSRR PPDUのパンクチャリング状態を知らない場合にはオフセットに基づいて調整を行うことができる。いくつかの実施形態では、PSRR PPDUがパンクチャされないことを知っている場合、第1の空間再利用デバイス602は調整を行わなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、調整を常に行ってもよい。
【0145】
いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604は、PSRR PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる送信電力計算偏差を補償するために、UL SRP/EHT UL SRP値を設定するときにオフセットに基づいて調整を行うことができる。例えば、プリアンブルパンクチャリングがPSRR PPDUのために使用される場合、オフセット、例えば3dBが、最初に設定されたPSR値からさらに減じられる。PSRR PPDUがパンクチャされない場合、第2の空間再利用デバイス604はオフセットをさらに減じなくてもよい。このようにして、第1の空間再利用デバイス602が従来のデバイスである場合、後方互換性が実現され得る。加えて、第1の空間再利用デバイス602の動作が簡略化されてもよく、第1の空間再利用デバイス602はオフセットの調整を考慮する必要がない。確かに、簡略化のために、いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604は、オフセット、例えば3dBを常に減じてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、第2の空間再利用デバイス604が調整を行わないことを規格が規定するか、または第2の空間再利用デバイス604が802.11axに基づく従来のデバイスである場合、上記の調整を行うことができる。そうでなければ、第2の空間再利用デバイス604は、PSRR PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる送信電力計算偏差を補償するために、調整を行う。
【0147】
PSRT PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる送信電力計算偏差について、いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604は、SRPの値を設定するときにオフセットを調整することができる。例えば、オフセット、例えば3dBは、PSRT PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる送信電力計算偏差、例えば3dBを調整するために、最初に設定されたPSR値からさらに減じられる。
【0148】
いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、TxPowerPSRTの計算中に、オフセットを代替的に調整することができる。第1の空間再利用デバイス602はPSRT PPDUのパンクチャリング状態を知っているので、第1の空間再利用デバイス602は、パンクチャリング状態に基づいて(式4または4aの左辺の解を使用して)、問題を直接解決し得ることに留意されたい。しかしながら、計算プロセスを簡略化するために、計算されたTxPowerPSRT(式1/2/3/3a)から3dBが直接減じられてもよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、PSRT PPDUのパンクチャリングの影響およびPSRR PPDUのパンクチャリングの影響が同時に考慮される場合、第1の空間再利用デバイス602および第2の空間再利用デバイス604は、対応するオフセット調整を別々に行うことができる。例えば、第1の空間再利用デバイス602は、TxPowerPSRTの計算中に3dBのオフセットを減じることができ、第2の空間再利用デバイス604は、SRPの値を設定するときに3dBのオフセットを減じることができる。いくつかの実施形態では、1つのデバイスによって6dBが代替的に減じられてもよい。
【0150】
第2の周波数帯域のPSRT PPDUの基準送信電力が計算されるとき、動作周波数帯域全体が第2の周波数帯域全体の基準送信電力のためのサブバンド帯域幅(例えば、20MHz)に正規化されるという上記の説明に加えて、いくつかの実施形態では、PSRT PPDUの基準送信電力は、サブバンドごとに代替的に決定されてもよい。例えば、第1の空間再利用デバイス602は、第1の周波数帯域のサブバンド(このサブバンドもまた第2の周波数帯域に含まれる)のために第2の空間再利用デバイス604によって指定されたSRPの値、およびサブバンドのPSRR PPDUのRPLに基づいて、サブバンドでPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定することができる。
【0151】
具体例が以下で説明される。
【0152】
具体的には、この例では、各20MHzサブバンド帯域幅についてPSRT PPDUの送信電力を計算するための方法が提供される。以下の式が使用される。
TxPowerPSRT,kth,20MHz≦PSRkth,20MHz-RPLPSRR,kth,20MHz (式6)
【0153】
ここで、kの範囲はBW<PSRR,PSRT>,non-puncである。言い換えると、PSRR PPDUにプリアンブルパンクチャリングが存在する場合、PSRT PPDUの送信電力は、式6に従って第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドについて決定され得る。この例では、PSRR PPDUを受信するとき、第1の空間再利用デバイス602は、各20MHzで電力を検出する必要があり、20MHzの粒度でTxPowerPSRT,kth,20MHzを計算する必要がある。
【0154】
帯域幅不一致の場合、例えば、
図9に示される320MHzチャネル320-1および320-2に起因して160MHzでPSRR PPDUが受信されない場合、またはPSRR PPDUの帯域幅がPSRT PPDUの帯域幅よりも小さい場合、またはPSRR PPDUにプリアンブルパンクチャリングが存在する場合、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドまたはサブチャネル上のTxPower
PSRT,jth,20MHzは以下の規則を使用することができ、jは、PSRR PPDUが受信されない20MHzのチャネルインデックスを示し、BW
<PSRR,PSRT>,puncに位置することができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドまたはサブチャネル(すなわち、パンクチャサブバンド)でのPSRベースの空間再利用の電力制限はなくてもよい。この実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、パンクチャサブバンドでの基準送信電力が所定の最大送信電力よりも小さいと決定することができる。最大送信電力は、システム、規格仕様、または規制において事前定義されてもよい。PSRR PPDUはサブバンドで送信されないので、PSRR PPDUによってトリガされたHE/EHT TB PPDUもまた20MHzサブバンドで送信されない。したがって、対応する20MHzサブバンド上のPSRT PPDUは、第2の空間再利用デバイス604によるHE/EHT TB PPDUの受信に対して干渉を引き起こさない。しかしながら、規格または規制による送信電力に対する制限は、依然として存在する。したがって、PSRベースの空間再利用のための電力は、依然として規制によって制限されている。
【0156】
いくつかの実施形態では、PSRベースの空間再利用は、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドでは許可されない。これに対応して、第1の空間再利用デバイス602は、パンクチャサブバンドでPSRT PPDUを送信することを許可しないと決定し得る。これは、PSRT PPDUもまた、PSRR PPDUのためにパンクチャされた20MHzサブバンド上でパンクチャされる必要があることと同等である。第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUは、これらの20MHzサブバンドでの送信が他のユーザ、既存ユーザ(許可されたユーザとして理解され得るincumbent user)、またはレーダ信号のために行われているので、パンクチャされる。セキュリティのため、PSRベースの空間再利用は行われない。
【0157】
いくつかの他の実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、複数の非パンクチャサブバンドのために決定された複数の基準送信電力の平均電力として、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定する。例えば、式6による計算を通じて得られた最小のTxPowerPSRT,kth,20MHz、またはBW<PSRR,PSRT>,non-puncに位置するTxPowerPSRT,kth,20MHzの平均値が、送信に使用され得る。この方法は、送信電力が制限されず、空間再利用が許可されない、上記2つの方法の間のトレードオフと見なされ得る。PSRR PPDUが受信される非パンクチャ20MHzサブバンド上のSRPは、(パンクチャリングまたは帯域幅不一致に起因して)PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドのTxPowerPSRT,jth,20MHzを決定するために使用される。
【0158】
例えば、式6に基づいて、BW
<PSRR,PSRT>,non-puncにおけるすべての20MHzのパラメータを合計するために、さらなる演繹が行われ得る。
【数10】
【0159】
ここで、
【数11】
は、すべての可能なkに対して総和が行われることを示し、∈は、すべての可能なkがBW
<PSRR,PSRT>,non-puncによって表される集合に属することを示す。
【0160】
式7は、式8または式8aと同等である。
【数12】
【数13】
【0161】
第1の空間再利用デバイス602がPSRT PPDUを送信するとき、1つの方法は、式8/8aが満たされることであり、各20MHzは式6を満たす必要がない。
【0162】
BW
<PSRR,PSRT>,non-puncにN個の非パンクチャ20MHzチャネルがある場合、BW
<PSRR,PSRT>,non-puncにおけるTxPower
PSRT,kth,20MHzの平均値は、
【数14】
【0163】
上記のいくつかの実施形態では、各20MHzについてTxPowerPSRT,kth,20MHzを計算する方法が提供された。このようにして、PSRT PPDUの送信電力を計算する粒度は、サブバンド帯域幅に直接正規化され得る。これにより、計算精度を向上させる。
【0164】
上記のいくつかの実施形態では、どのようにして送信電力を正確に計算するかが説明された。しかしながら、本開示の実施形態はこれに限定されない。計算プロセスは、代替的に、UL SRPフィールドを使用して回避されてもよい。これにより、演算を簡略化し、計算公立を向上させる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の空間再利用デバイス602は、パンクチャサブバンド上のSRPの値に基づいて、パンクチャサブバンドでのPSRT PPDUの基準送信電力を決定することができる。
【0165】
図11を参照して、以下では、第1の空間再利用デバイス602または他の空間再利用デバイスが、どのようにしてパンクチャサブバンドでの空間再利用送信を行うかを示すように、PSRR PPDUにプリアンブルパンクチャリングが存在するときに第2の空間再利用デバイス604がどのようにしてUL SRPフィールドを設定するかを説明する。
【0166】
図10は、本開示のいくつかの他の実施形態による空間再利用方法1000のフローチャートである。方法1000は、第2の空間再利用デバイス604によって行われ得る。
【0167】
方法1000のボックス1010では、第2の空間再利用デバイス604は、物理層プロトコルデータユニット(PPDU)(例えば、PSRR PPDU)を送信するための第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、所定のオフセットに基づいて空間再利用パラメータ(SRP)の値を調整する動作、およびパンクチャ予定サブバンドでのPPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第1の値に設定する動作、またはパンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じてSRPの対応する値を決定する。
【0168】
上述のように、いくつかの実施形態では、SRPの値は、PSRR PPDUのパンクチャリングによって引き起こされる送信電力計算偏差を補償するために、第1の空間再利用デバイス602がPSRT PPDUの送信電力を相応に調整し得るように、所定のオフセットに基づいて調整される。
【0169】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドまたはサブチャネルで第1の空間再利用デバイス602がPSRベースの空間再利用を行わないと第2の空間再利用デバイス604が予想する場合、20MHzサブチャネルに対応するUL SRPフィールドおよび/またはEHT UL SRPフィールドのUL SRP値は特定の値、例えば(以下の表1に示されるように)0または15に設定され得る。
【0170】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUにプリアンブルパンクチャリングが存在する場合、実装を簡略化するために、すべてのUL SRPフィールドおよび/またはEHT UL SRPフィールドのUL SRP値は特定の値、例えば0または15に設定され得る。例えば、すべてのUL SRPフィールドおよび/またはEHT UL SRPフィールドのUL SRP値が0または5に設定されたとき、他の空間再利用デバイス(例えば、第1の空間再利用デバイス602)は、PPDUのためにパンクチャリングが行われる必要があるサブバンドでの送信を禁止するように指示され得る。
【0171】
このようにして、第1の空間再利用デバイス602は、PSRR PPDUのプリアンブルパンクチャリングのための電力補正を行う必要がなく、したがって、上記の実施形態における電力計算/調整方法は使用される必要がない。
【0172】
以下の表1は、UL SRP値の例示的な設定を示す。
【0173】
【0174】
いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604が、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドで第1の空間再利用デバイス602によって行われるPSRベースの空間再利用を制限しない場合、UL SRP値は、0または15以外の値に設定されてもよく、例えば14のPSR値に設定されてもよい。表1に示されるように、これは許容される最大PSR値を示す。
【0175】
ボックス1020では、第2の空間再利用デバイス604は、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドでパンクチャされたPPDUを送信し、PPDUで搬送されるトリガフレームは、SRPの決定された値を含む。
【0176】
本開示の一実施形態は、上記の方法またはプロセスを実施するための対応する装置をさらに提供する。
【0177】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による装置の概略図である。
【0178】
図11に示されるように、装置1100は、受信モジュール1105および第1の決定モジュール1110を含む。受信モジュール1105は、第1の空間再利用デバイス602によって、第1の周波数帯域で第2の空間再利用デバイス604によって送信されたPSRR PPDUの一部または全部を受信するように構成され、第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む。第1の決定モジュール1110は、帯域幅の粒度における空間再利用パラメータ(SRP)の値、および帯域幅の粒度におけるPSRR PPDUの受信電力レベル(RPL)に基づいて、第1の空間再利用デバイスに602よって、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定するように構成される。帯域幅の粒度におけるPSRR PPDUのRPLは、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンド、または第1の周波数帯域もしくは第2の周波数帯域の非パンクチャサブバンドのうちの1つ以上に基づいて決定される。
【0179】
いくつかの実施形態では、基準送信電力は、第2の周波数帯域全体について決定される。
【0180】
いくつかの実施形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される。
【0181】
いくつかの実施形態では、帯域幅の粒度におけるRPLは、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0182】
いくつかの実施形態では、基準送信電力は、第2の周波数帯域における非パンクチャサブバンドの帯域幅、または第2の周波数帯域と、第1の周波数帯域にあり、受信PSRR PPDUの一部または全部によって占有された1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される。
【0183】
いくつかの実施形態では、装置1100は、第2の決定モジュールをさらに含む。第2の決定モジュールは、以下のうちの少なくとも1つに基づいて、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドを決定するように構成される:受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報;PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報;または第2の空間再利用デバイス604が位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報。
【0184】
いくつかの実施形態では、装置1100は、第1の空間再利用デバイス602によって、PSRT PPDUをパンクチャすると決定するように構成された、第3の決定モジュールをさらに含む。装置1100は、第1の空間再利用デバイス602によって、所定のオフセットに基づいて基準送信電力を調整するように構成された、調整モジュールをさらに含む。
【0185】
いくつかの実施形態では、帯域幅の粒度におけるSRPの値は、所定のオフセットに基づいて、パンクチャされたPSRR PPDUのために第2の空間再利用デバイス604によって調整される。
【0186】
いくつかの実施形態では、第1の周波数帯域は、複数のサブバンドを含む。帯域幅の粒度におけるSRPの値は、複数のサブバンドに対するSRPの複数の値のうちの最小値である。
【0187】
いくつかの実施形態では、第1の決定モジュール1110は、第1の周波数帯域の1つのサブバンドのためのSRPの値およびサブバンドのPSRR PPDUのRPLに基づいて、第1の空間再利用デバイス602によって、サブバンドでPSRT PPDUを送信するための基準送信電力を決定するように構成される。第1の周波数帯域のサブバンドは、第2の周波数帯域に含まれる。
【0188】
いくつかの実施形態では、第1の決定モジュール1110は、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイス602によって、パンクチャサブバンドでPSRT PPDUを送信することを許可しないと決定するか、または第1の空間再利用デバイス602によって、パンクチャサブバンドでの基準送信電力が所定の最大送信電力よりも小さいと決定するように構成される。
【0189】
いくつかの実施形態では、第1の決定モジュール1110は、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイス602によって、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおける1つ以上の非パンクチャサブバンドについて決定された1つ以上の基準送信電力に基づいて、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成される。
【0190】
いくつかの実施形態では、第1の決定モジュール1110は、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイス602によって、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおける1つ以上の非パンクチャサブバンドについて決定された1つ以上の基準送信電力に基づいて、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成される。
【0191】
いくつかの実施形態では、第1の決定モジュール1110は、第1の空間再利用デバイス602によって、パンクチャサブバンドでの基準送信電力を、複数の非パンクチャサブバンドについて決定された複数の基準送信電力における最小基準送信電力として、または複数の基準送信電力の平均電力として決定するように構成される。
【0192】
いくつかの実施形態では、第1の決定モジュール1110は、第2の周波数帯域と第1の周波数帯域との間の重畳サブバンドにおけるパンクチャサブバンドについて、第1の空間再利用デバイス602によって、パンクチャサブバンドのためのSRPの値に基づいてパンクチャサブバンドでの基準送信電力を決定するように構成される。
【0193】
図12は、本開示のいくつかの他の実施形態による装置の概略図である。
【0194】
図12に示されるように、装置1200は、第4の決定モジュール1205および送信モジュール1210を含む。第4の決定モジュール1205は、物理層プロトコルデータユニット(PPDU)を送信するために使用され、同じ帯域幅を有する複数のサブバンドを含む第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、所定のオフセットに基づいて空間再利用パラメータSRPの値を調整する動作、およびパンクチャ予定サブバンドでのPPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第1の値に設定する動作、またはパンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、SRPの値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じてSRPの対応する値を決定するように構成される。送信モジュール1210は、第1の周波数帯域の非パンクチャサブバンドでパンクチャされたPPDUを送信するように構成され、PPDUで搬送されるトリガフレームは、SRPの決定された値を含む。
【0195】
図6から
図10を参照して上述された空間再利用方法は、装置1100および1200にも適用可能であり、同じ効果を有することを理解されたい。ここでは詳細は再度説明されない。現在知られており、将来開発される任意の適切な空間再利用技術が、ここで使用され得る。本開示の範囲は、この態様に限定されない。
【0196】
装置1100および1200に含まれるモジュールは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組合せを含む、様々な方法で実装され得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のモジュールは、ソフトウェアおよび/またはファームウェア、例えば、記憶媒体に記憶された機械実行可能命令を使用して実装され得る。機械実行可能命令に加えて、またはその代わりに、装置1100および1200内のモジュールの一部または全部は、少なくとも部分的に、1つ以上のハードウェア論理構成要素を使用して実装されてもよい。限定ではなく例として、利用可能な例示的なハードウェア論理構成要素は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップ(SOC)、および複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)を含む。
【0197】
図13は、本開示のいくつかの実施形態を実施するためのデバイス1300のブロック図である。デバイス1300は、
図8および
図10の方法手順を実施するように構成され得る。
【0198】
図13に示されるように、デバイス1300はプロセッサ1310を含む。プロセッサ1310は、デバイス1300の動作および機能を制御する。例えば、いくつかの例示的な実施形態では、プロセッサ1310は、プロセッサ1310に結合されたメモリ1320に記憶された命令1330を使用して、様々な動作を行うことができる。メモリ1320は、ローカル技術環境に適用可能ないずれの適切なタイプであってもよく、半導体ベースの記憶デバイス、磁気記憶デバイスおよびシステム、ならびに光記憶デバイスおよびシステムを含むがこれらに限定されない任意の適切なデータ記憶技術を使用して実装され得る。
図13には1つのメモリユニットのみが示されているが、デバイス1300には、複数の物理的に異なるメモリユニットがあってもよい。
【0199】
プロセッサ1310は、ローカル技術環境に適したいずれの適切なタイプであってもよく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、およびコントローラベースのマルチコアコントローラアーキテクチャのうちの1つ以上を含むことができるが、これらに限定されない。デバイス1300はまた、複数のプロセッサ1310を含むこともできる。プロセッサ1310は通信ユニット1340に結合されている。通信ユニット1340は、無線信号を使用して、または光ファイバ、ケーブル、および/または他の構成要素を通じて、情報を受信および送信することができる。
【0200】
図6から
図12を参照して上述されたすべての特徴は、デバイス1300に適用可能である。ここでは詳細は再度説明されない。
【0201】
本開示のこの実施形態では、帯域幅不一致およびプリアンブルパンクチャリングに起因してPSRT PPDUの計算された送信電力が過度に大きいときの空間再利用デバイスの受信に生じる干渉が解決され、補正される。これにより、空間再利用デバイスの受信への干渉を低減し、システム効率を向上させる。
【0202】
概して、本開示の様々な例示的な実施形態は、ハードウェアまたは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはこれらの任意の組合せにおいて実装され得る。いくつかの態様はハードウェアで実装され得るが、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実装されてもよい。本開示の例示的な実施形態の態様がブロック図、フローチャートとして例示または説明されるかまたは特定の他の図を使用して表されるとき、本明細書に記載されるブロック、装置、システム、技術、または方法は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路またはロジック、汎用ハードウェアまたはコントローラ、または他のコンピューティングデバイス、またはこれらのいくつかの組合せにおいて非限定的な例として実装され得ることを理解されたい。
【0203】
例えば、本開示の例示的な実施形態は、機械実行可能またはコンピュータ実行可能命令の文脈で説明され得る。機械実行可能命令は、例えば、ターゲットの現実または仮想プロセッサに含まれるデバイスにおいて実行されるプログラムモジュールである。一般に、プログラムモジュールは、ルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、構成要素、データ構造などを含み、特定のタスクを実行するかまたは特定の抽象データ構造を実装する。様々な例示的な実施形態では、プログラムモジュールの機能は、記載されたプログラムモジュール間で組み合わされてもよく、または分割されてもよい。プログラムモジュールのための機械実行可能命令は、ローカルで、または分散デバイス内で実行され得る。分散デバイスでは、プログラムモジュールは、ローカルおよび遠隔記憶媒体の両方に位置し得る。
【0204】
本開示に開示される方法を実施するために使用されるコンピュータプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語で書かれてもよい。コンピュータプログラムコードは、プログラムコードがコンピュータまたは別のプログラマブルデータ処理装置によって実行されると、フローチャートおよび/またはブロック図で指定された機能/動作が実装されるように、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されてもよい。プログラムコードは、完全にコンピュータ上で、部分的にコンピュータ上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にコンピュータ上および部分的に遠隔コンピュータ上で、または完全に遠隔コンピュータもしくはサーバ上で実行されてもよい。
【0205】
本開示の文脈では、機械可読媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、またはデバイスのためのプログラムを含むかまたは記憶する、もしくはこれらに関連するプログラムを有する、任意の有形媒体であり得る。機械可読媒体は、機械可読信号媒体または機械可読記憶媒体であってもよい。機械可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、もしくは半導体のシステム、装置、もしくはデバイス、またはそれらの任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。機械可読記憶媒体のより詳細な例は、1つ以上のワイヤとの電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、光記憶デバイス、磁気記憶デバイス、またはこれらの任意の適切な組合せを含む。
【0206】
加えて、動作は特定の順序で示されているが、これは、このような動作が示される特定の順序で完了すること、または所望の結果を得るために例示されたすべての動作を行うことを必要とすると理解されるべきではない。場合によっては、マルチタスク処理または並列処理が有利であり得る。同様に、上記の説明は、いくつかの特定の実装形態の詳細を含むが、これは、任意の発明または特許請求の範囲を限定するものではなく、むしろ特定の発明に特有であり得る特定の例示的な実施形態の説明として解釈されるべきである。別々の例示的な実施形態の文脈で本明細書に記載されたいくつかの特徴は、代替的に、単一の例示的な実施形態に統合されてもよい。逆に、単一の例示的な実施形態の文脈で記載された様々な特徴は、代替的に、複数の例示的な実施形態で別々に、または任意の適切なサブコンビネーションで実装されてもよい。
【0207】
本主題は、構造的特徴および/または方法論的動作に特有の言語で記載されてきたが、添付の特許請求の範囲で定義される本主題は、上述の特定の特徴または動作に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴または動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
【符号の説明】
【0208】
105 基本サービスセット(BSS)
110 BSS
115 アクセスポイント(AP)
120 ステーション(STA)
125 STA
130 AP
135 STA
205 トリガフレーム
210 高効率トリガベース物理層プロトコルデータユニット(HE TB PPDU)
215 確認応答フレーム
220 高効率信号フィールドA(HE-SIG-A)フィールド
305 共通情報フィールド
310 ユーザ情報リストフィールド
315 ユーザ情報フィールド
405 アップリンク空間再利用サブフィールド
410 アソシエーション識別子12(AID12)サブフィールド
415 リソースユニット割当サブフィールド
420 アップリンク帯域幅(UL BW)フィールド
505 パラメータ化空間再利用受信(PSRR)PPDU
510 PSRT PPDU
602 第1の空間再利用デバイス
604 第2の空間再利用デバイス
606 STA
608 STA
610 STA
612 BSS
614 BSS
701 PSRT PPDU
702 HE TB PPDU
703 EHT TB PPDU
705 共通情報フィールド
710 アップリンクパラメータ化空間再利用(UL PSR)フィールド
715 ユーザ情報リストフィールド
720 アソシエーション識別子12(AID 12)フィールド
725 UL SRPフィールド
730 UL SRPフィールド
740 PSRR PPDU
745 HE TB PPDU
750 極高スループット(EHT)PPDU
800 空間再利用方法
905 320MHzチャネル
910 320MHzチャネル
1000 空間再利用方法
1100 装置
1105 受信モジュール
1110 第1の決定モジュール
1200 装置
1205 第4の決定モジュール
1210 送信モジュール
1300 デバイス
1310 プロセッサ
1320 メモリ
1330 命令
1340 通信ユニット
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
まず、AP1(すなわち、AP115)は、トリガフレーム205を含むパラメータ化空間再利用受信(Parameterized Spatial Reuse Reception、PSRR)PPDU505をSTA1に送信する。図4に示されるように、トリガフレーム205内の共通情報フィールド305は、アップリンク空間再利用パラメータ(Uplink Spatial Reuse Parameter、UL SRP)を搬送するアップリンク空間再利用(UL Spatial Reuse)フィールド405を含む。UL SRPの値は、AP1の送信電力とAP1が受け入れることができる最大干渉電力との和である。AP115の動作周波数帯域が異なる帯域幅(bandwidth)を有するとき、UL SRP1からUL SRP4の値は、以下のように設定される。
・帯域幅が20 MHzであるとき、UL SRP1=UL SRP2=UL SRP3=UL SRP4は、20MHz帯域幅でのUL SRPの値が等しいことを示す。
・帯域幅が40MHzであるとき、UL SRP1=UL SRP3は、サブチャネル(subchannel)またはサブブロック(subblock)とも呼ばれ得る第1の20MHzサブバンド(subband)を示し、UL SRP2=UL SRP4は、第2の20MHzサブバンドを示す。チャネル割当に起因する混乱を回避するために、帯域幅が2.4GHzであるとき、UL SRP1=UL SRP2である。
・帯域幅が80MHzであるとき、4つのUL SRPは、4つの20MHzサブバンドをそれぞれ示す。
・帯域幅が160MHzであるとき、4つのUL SRPは、4つの40MHzサブバンドの各々における任意の20MHzサブバンドを各々示し、40MHzサブバンドにおける2つの20MHzサブバンドの値は同じである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0081
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0081】
トリガフレームを使用して
SRPを示す一例が、
図7Dを参照して以下で説明される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
以下では、第1の空間再利用デバイス602が、帯域幅不一致が考慮されるとき、第2の周波数帯域でPSRT PPDUを送信するための基準送信電力をどのように決定するかの具体例を説明する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0169
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0169】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドまたはサブチャネルで第1の空間再利用デバイス602がPSRベースの空間再利用を行わないと第2の空間再利用デバイス604が予想する場合、20MHzサブチャネルに対応するUL SRPフィールドおよび/またはEHT UL SRPフィールドのUL SRP値は特定の値、例えば(以下の表2に示されるように)0または15に設定され得る。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0170
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0170】
いくつかの実施形態では、PSRR PPDUにプリアンブルパンクチャリングが存在する場合、実装を簡略化するために、すべてのUL SRPフィールドおよび/またはEHT UL SRPフィールドのUL SRP値は特定の値、例えば0または15に設定され得る。例えば、すべてのUL SRPフィールドおよび/またはEHT UL SRPフィールドのUL SRP値が0または15に設定されたとき、他の空間再利用デバイス(例えば、第1の空間再利用デバイス602)は、PPDUのためにパンクチャリングが行われる必要があるサブバンドでの送信を禁止するように指示され得る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0172
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0172】
以下の表2は、UL SRP値の例示的な設定を示す。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0173
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0173】
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0174
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0174】
いくつかの実施形態では、第2の空間再利用デバイス604が、PSRR PPDUが受信されない20MHzサブバンドで第1の空間再利用デバイス602によって行われるPSRベースの空間再利用を制限しない場合、UL SRP値は、0または15以外の値に設定されてもよく、例えば14のPSR値に設定されてもよい。表2に示されるように、これは許容される最大PSR値を示す。
【手続補正9】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の空間再利用デバイスによって、第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイスによって送信された
パラメータ化空間再利用受信、PSRR
、物理層プロトコルデータユニット、PPDU
、の一部または全部を受信するステップであって、前記第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む、ステップと、
前記帯域幅の粒度における空間再利用パラメータ
、SRP
、の値、および前記帯域幅の粒度における前記PSRR PPDUの受信電力レベル
、RPL
、に基づいて、前記第1の空間再利用デバイスによって、第2の周波数帯域で
パラメータ化空間再利用送信、PSRT
、PPDUを送信するための基準送信電力を決定するステップと
を含み、
前記第2の周波数帯域は、前記帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記第2の周波数帯域および前記第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳
する、空間再利用方法。
【請求項2】
第1の空間再利用デバイスから通信装置によって、第2の周波数帯域でパラメータ化空間再利用送信、PSRT、物理層プロトコルデータユニット、PPDUを受信するステップであって、前記第2の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記PSRT PPDUの基準送信電力は、前記帯域幅の粒度における空間再利用パラメータSRPの値、および前記帯域幅の粒度におけるパラメータ化空間再利用受信PSRR PPDUの受信電力レベルRPLに基づいて決定され、前記PSRR PDDUは、前記第1の空間再利用デバイスによって第1の周波数帯域で受信され、前記第1の周波数帯域は、前記帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記第2の周波数帯域および前記第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳する、ステップ
を含む、空間再利用方法。
【請求項3】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、
前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または
前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記基準送信電力は、前記第2の周波数帯域における前記非パンクチャサブバンドの帯域
幅に基づいて
さらに決定される、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記基準送信電力は、前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記第1の空間再利用デバイスによって受信された前記PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅に基づいてさらに決定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の空間再利用デバイスによって、
前記受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報、
前記PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報、または
前記第2の空間再利用デバイスが位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の周波数帯域の前記非パンクチャサブバンドを決定するステップ
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の空間再利用デバイスは、前記PSRT PPDUをパンクチャすると決定し、前記方法は、
前記第1の空間再利用デバイスによって
、オフセットに基づいて前記基準送信電力を調整するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の周波数帯域は複数のサブバンドを含み、前記帯域幅の前記粒度における前記SRPの前記値は、前記複数のサブバンドに対する前記SRPの複数の値のうちの最小値である、請求項1
または2に記載の方法。
【請求項10】
第2の空間再利用デバイスによって第1の周波数帯域で、パラメータ化空間再利用受信、PSRR、物理層プロトコルデータユニット、PPDU、の一部または全部を送信するステップであって、前記第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記PSRR PPDUで搬送されるトリガフレームは、前記帯域幅の粒度での空間再利用パラメータ、SRP、の値を含む、ステップ
を含む、空間再利用方法。
【請求項11】
第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、
前記第2の空間再利用デバイスによって、
所定のオフセットに基づいて前記空間再利用パラメータSRPの前記値を調整する動作、および
前記パンクチャ予定サブバンドでの前記PPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第1の値に設定する動作、または
前記パンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じて前記SRPを決定するステッ
プ
を
さらに含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
第1の周波数帯域上で第2の空間再利用デバイスによって送信された
パラメータ化空間再利用受信、PSRR
、物理層プロトコルデータユニット、PPDUの一部または全部を受信するように構成された受信モジュールであって、前記第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含む、受信モジュールと、
前記帯域幅の粒度における空間再利用パラメータ
、SRP
、の値、および前記帯域幅の粒度における前記PSRR PPDUの受信電力レベル
、RPL
、に基づいて
、第2の周波数帯域で
パラメータ化空間再利用送信、PSRT
、PPDUを送信するための基準送信電力を決定するように構成された第1の決定モジュールと
を備え、
前記第2の周波数帯域は、前記帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記第2の周波数帯域および前記第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳
する、通信装置。
【請求項13】
第1の空間再利用デバイスから、第2の周波数帯域でパラメータ化空間再利用送信、PSRT、物理層プロトコルデータユニット、PPDUを受信するように構成された受信モジュールであって、前記第2の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記PSRT PPDUの基準送信電力は、前記帯域幅の粒度における空間再利用パラメータ、SRP、の値、および前記帯域幅の粒度におけるパラメータ化空間再利用受信PSRR PPDUの受信電力レベル、RPL、に基づいて決定され、前記PSRR PDDUは、前記第1の空間再利用デバイスによって第1の周波数帯域で受信され、前記第1の周波数帯域は、前記帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記第2の周波数帯域および前記第1の周波数帯域は少なくとも部分的に重畳する、受信モジュール
を備える、通信装置。
【請求項14】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドに基づいて決定される、請求項
12または13に記載の通信装置。
【請求項15】
前記帯域幅の前記粒度における前記RPLは、
前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅、または
前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅のうちの1つに基づいて決定される、請求項
12または13に記載の通信装置。
【請求項16】
前記基準送信電力は、前記第2の周波数帯域における前記非パンクチャサブバンドの帯域幅
に基づいて
さらに決定される、請求項
12または13に記載の通信装置。
【請求項17】
前記基準送信電力は、前記第2の周波数帯域と、前記第1の周波数帯域にあり、前記受信PSRR PPDUの前記一部または全部によって占有された前記1つ以上のサブバンドとの間の重畳サブバンドにおける非パンクチャサブバンドの帯域幅に基づいてさらに決定される、請求項12または13に記載の通信装置。
【請求項18】
前記受信PSRR PPDU内のプリアンブルに含まれるパンクチャリング指示情報、
前記PSRR PPDUに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記PSRR PPDUは非高スループット複製PPDUである、パンクチャリング指示情報、または
前記第2の空間再利用デバイスが位置する基本サービスセットBSSの管理フレームに含まれるパンクチャリング指示情報であって、前記管理フレームは、ビーコンフレーム、アソシエーション応答フレーム、プローブ応答フレーム、近隣報告フレーム、または縮小近隣報告フレームのうちの少なくとも1つを含む、パンクチャリング指示情報のうちの少なくとも1つに基づいて前記第1の周波数帯域の前記非パンクチャサブバンドを決定するように構成された第2の決定モジュール
をさらに備える、請求項1
2に記載の通信装置。
【請求項19】
前記PSRT PPDUをパンクチャすると決定するように構成された第3の決定モジュールと
、
オフセットに基づいて前記基準送信電力を調整するように構成された調整モジュールと
をさらに備える、請求項1
2に記載の通信装置。
【請求項20】
前記第1の周波数帯域は複数のサブバンドを含み、前記帯域幅の前記粒度における前記SRPの前記値は、前記複数のサブバンドに対する前記SRPの複数の値のうちの最小値である、請求項1
2または13に記載の通信装置。
【請求項21】
第1の周波数帯域で、パラメータ化空間再利用受信、PSRR、物理層プロトコルデータユニット、PPDU、の一部または全部を送信するように構成された伝送モジュールであって、前記第1の周波数帯域は、同じ帯域幅を有する1つ以上のサブバンドを含み、前記PSRR PPDUで搬送されるトリガフレームは、前記帯域幅の粒度での空間再利用パラメータ、SRP、の値を含む、伝送モジュール
を備える、通信装置。
【請求項22】
第1の周波数帯域におけるパンクチャ予定サブバンドについて、
所定のオフセットに基づいて前記空間再利用パラメータSRPの前記値を調整する動作、および
前記パンクチャ予定サブバンドでの前記PPDUの送信が禁止されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第1の値に設定する動作、または
前記パンクチャ予定サブバンドでの送信が許可されていることを他の空間再利用デバイスに示すために、前記SRPの前記値を第2の値に設定する動作のうちの1つを通じて前記SRPを決定するように構成された決定モジュール
をさらに備える、請求項21に記載の通信装置。
【請求項23】
プロセッサであって、前記プロセッサはメモリに結合され、前記メモリは命令を記憶し、前記命令が前記プロセッサによって実行されると、請求項1から1
1のうちいずれか一項に記載の方法が行われる、プロセッサ
を備える、通信デバイス。
【請求項24】
コンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータ可読記憶媒体はプログラムを記憶し、前記プログラムの少なくとも一部がデバイス内のプロセッサによって実行されると、前記デバイスは、請求項1から1
1のうちいずれか一項に記載の方法を行うことを可能にされる、コンピュータ可読記憶媒体。
【国際調査報告】