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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】エアロゾル生成材料
(51)【国際特許分類】
   A24B 13/02 20060101AFI20231208BHJP
   A24B 15/10 20060101ALI20231208BHJP
   A24F 40/30 20200101ALI20231208BHJP
【FI】
A24B13/02
A24B15/10
A24F40/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530612
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-07-11
(86)【国際出願番号】 GB2021053267
(87)【国際公開番号】W WO2022123276
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】2019625.9
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】バレステロス ゴメス, パブロ ハビエル
(72)【発明者】
【氏名】リコ ヴィネルシアーノ, ブランディカ
(72)【発明者】
【氏名】ヨダナ プトラ, バユ
(72)【発明者】
【氏名】ノヴァン ヒダヤット, モハマド
(72)【発明者】
【氏名】カルティカ デウィ, タンティ
【テーマコード(参考)】
4B043
4B162
【Fターム(参考)】
4B043BA07
4B043BA15
4B043BA29
4B043BA51
4B043BB21
4B043BB25
4B043BC02
4B043BC04
4B162AA03
4B162AA07
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB13
4B162AB17
4B162AB22
4B162AC17
4B162AC22
(57)【要約】
本発明は、刻みタバコ材料及び刻み植物材料を含むエアロゾル生成材料であって、刻み植物材料が、少なくとも約0.25mmの平均粒子サイズを有する、エアロゾル生成材料に関する。本発明はさらに、エアロゾル生成材料を備える非燃焼型エアロゾル供給システム及び消耗品、並びにエアロゾル生成材料を調製するための方法に関する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
刻みタバコ材料及び刻み植物材料を含むエアロゾル生成材料であって、前記刻み植物材料が、少なくとも約0.25mmの平均粒子サイズを有する、エアロゾル生成材料。
【請求項2】
前記刻み植物材料が、約0.3mm~約0.5mmの平均粒子サイズを有する、請求項1に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項3】
前記刻み植物材料が、クローブを含む、請求項1又は2に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項4】
前記刻みタバコ材料が、再生タバコを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項5】
前記エアロゾル生成材料の重量を基準として約25重量%~約40重量%の刻み植物材料を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項6】
前記エアロゾル生成材料の密度が、約0.25~約0.45g/cm、任意選択で約0.3~約0.4g/cmである、請求項1~5のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項7】
前記刻みタバコ材料が、20~25CPI(1インチ当たりのカット数)、又は1cm当たり約7.9~約9.8カットの刻みサイズを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項8】
約8~約9%の含水量を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項9】
前記刻み植物材料が、エアロゾル生成材料内で固定されていない、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項10】
前記刻み植物材料が、タバコ材料中に組み込まれていない、請求項9に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項11】
前記刻みタバコ材料と刻み植物材料とを結合するための結合剤を含まない、請求項9に記載のエアロゾル生成材料。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料を備える、非燃焼型エアロゾル供給システム。
【請求項13】
構成物質を揮発させるために加熱されるエアロゾル生成材料を備え、フィルター又はフィルター要素を任意選択で含む、エアロゾル生成材料加熱システムである、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
構成物質を揮発させるために加熱されるエアロゾル生成材料、及び蒸気を形成するために加熱される液体を備え、フィルター又はフィルター要素を任意選択で含む、ハイブリッドシステムである、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記エアロゾル生成材料が、前記蒸気により加熱される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記液体が、ニコチン非含有液体である、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記液体を加熱して蒸気を形成するための手段を含むが、前記エアロゾル生成材料を加熱するための別個の手段を含まない、請求項15又は16に記載のシステム。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料を備える、消耗品。
【請求項19】
前記エアロゾル生成材料を備えるカートリッジ又はポッドを含む、請求項18に記載の消耗品。
【請求項20】
前記エアロゾル生成材料を備えるロッド又はスティックを含む、請求項18に記載の消耗品。
【請求項21】
請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル生成材料を調製する方法であって、刻みタバコ材料及び刻み植物材料を合わせるステップを含む、方法。
【請求項22】
前記刻みタバコ材料及び刻み植物材料が、単純なブレンドにより合わされる、請求項21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ材料と植物材料の粒子とを含むエアロゾル生成材料に関する。
【背景】
【0002】
燃焼型又は非燃焼型エアロゾル供給システムにおける使用のためのエアロゾル生成材料は、様々な異なる活性物質及び/又は香料を含み得、使用者は、所望の使用者体験を提供するようにエアロゾル生成材料を選択する。
【0003】
従来の燃焼型紙巻タバコにクローブ材料を含めることは当技術分野において知られており、一般にクレテックとして知られている。工場で製造されたクレテック紙巻タバコは、生成されたエアロゾルの官能特性に影響を与え得るいくつかの特徴を有する。それには、風味を増幅してバランスを整えることができる甘味が付与された先端部が含まれ、ケーシング及び香料は、独特の甘味及びスパイシーな香味を加える。タバコは寸断された「Rajangan」タバコを含み、これがまたこれらの製品に特徴的な風味を与える。クレテック紙巻タバコには様々な種類のタバコが含まれ得、例えば、「ダークRajangan」タバコは、より軽い風味で知られている「ブライトRajangan」タバコと比較して複雑な風味を有する。これらの紙巻タバコに見られる刻みクローブは、スパイシーな、芳香性の、麻痺させるような、及びパリパリとした香味に寄与する。これらの喫煙品は、さらなる香料成分を含み得る。
【概要】
【0004】
本明細書に記載の本発明の第1の態様によれば、刻みタバコ材料及び刻み植物材料を含むエアロゾル生成材料であって、刻み植物材料は、少なくとも約0.25mmの平均粒子サイズを有する、エアロゾル生成材料が提供される。
【0005】
一部の実施形態において、刻み植物材料は、約0.3mm~約0.5mmの平均粒子サイズを有する。
【0006】
一部の実施形態において、刻み植物材料は、クローブを含む。
【0007】
一部の実施形態において、刻みタバコ材料は、再生タバコを含む。
【0008】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料の重量を基準として約25重量%~約40重量%の刻み植物材料を含む。
【0009】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料の密度は、約0.25~約0.45g/cm、任意選択で約0.3~約0.4g/cmである。
【0010】
一部の実施形態において、刻みタバコ材料は、20~25CPI(1インチ当たりのカット数)、又は1cm当たり約7.9~約9.8カットの刻みサイズを有する。
【0011】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、約8~約9%の含水量を有する。
【0012】
一部の実施形態において、刻み植物材料は、エアロゾル生成材料内で固定されていない。
【0013】
一部の実施形態において、刻み植物材料は、タバコ材料中に組み込まれていない。
【0014】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、刻みタバコ材料と刻み植物材料とを結合するための結合剤を含まない。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、第1の実施形態によるエアロゾル生成材料を備える非燃焼型エアロゾル供給システムが提供される。
【0016】
一部の実施形態において、システムは、構成物質を揮発させるために加熱されるエアロゾル生成材料を備え、フィルター又はフィルター要素を任意選択で含む、エアロゾル生成材料加熱システムである。
【0017】
一部の実施形態において、システムは、構成物質を揮発させるために加熱されるエアロゾル生成材料、及び蒸気を形成するために加熱される液体を備え、フィルター又はフィルター要素を任意選択で含む、ハイブリッドシステムである。
【0018】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、蒸気により加熱される。
【0019】
一部の実施形態において、液体は、ニコチン非含有液体である。
【0020】
一部の実施形態において、システムは、液体を加熱して蒸気を形成するための手段を含むが、エアロゾル生成材料を加熱するための別個の手段を含まない。
【0021】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル生成材料を備える消耗品が提供される。
【0022】
一部の実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料を備えるカートリッジ又はポッドを含む。
【0023】
一部の実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料を備えるロッド又はスティックを含む。
【0024】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様によるエアロゾル生成材料を調製する方法であって、刻みタバコ材料及び刻み植物材料を合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0025】
一部の実施形態において、消耗品は、刻みタバコ材料及び刻み植物材料を含み、それらは単純なブレンドにより合わされる。
【0026】
ここで、例示のみを目的として、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態によるプロセスの主要なステップを示すフローチャートである。
図2】エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるための製品の概略断面図である。
図3】エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためのハイブリッドシステムの概略図である。
【詳細な説明】
【0028】
本明細書に記載のエアロゾル生成材料は、最終使用者により吸引される特徴的な香味及び質を有するエアロゾルを生成するために使用されるものである。本発明の目的の1つは、植物材料を含めた結果特徴的である非燃焼型エアロゾル供給システムの使用体験を、最終使用者に提供することである。植物材料の影響は、エアロゾル生成材料に含まれる形態、及び生成されたエアロゾルにどのように影響するかによって左右される。
【0029】
植物材料がクローブである実施形態において、エアロゾル生成材料は、燃焼型クレテック紙巻タバコの消費体験とより密接に整合した非燃焼型エアロゾル供給システムによって生成されるエアロゾルを提供する。
【0030】
本発明は、刻みタバコ材料及び刻み植物材料を含むエアロゾル生成材料に関する。エアロゾル生成材料は、非燃焼型エアロゾル供給システムにおいて、例えば消耗品に組み込むことにより使用され得る。刻み植物材料は、少なくとも約250μm、任意選択で最大約500μm、又は約280μm~約450μmの平均粒子サイズを有する。
【0031】
これらの寸法の粒子は、より細かい植物粒子(例えば時折「ダスト」と呼ばれるもの)により提供されるものとは異なる感覚特性を生成されたエアロゾルに提供することが判明している。例えば、植物材料がクローブである場合、エアロゾルの感覚特性は、クローブ及びクレテック紙巻タバコ特有の特徴的な風味により近い。
【0032】
このより大きな粒子サイズを有する刻み植物材料の含有はまた、エアロゾル生成材料に高い割合の植物材料を組み込むことがより容易であることを意味する。例えば、一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、約35重量%もの多くの植物材料を含む。植物粒子が非常に細かい場合、植物材料が失われること、又は刻みタバコ材料と相対的に移動し、したがって材料が均一若しくは均質に混合されないことを防止するために、粒子がエアロゾル生成材料内で固定されることが必要となり得る。
【0033】
そのような高い割合の細かい植物粒子の存在はまた、非燃焼型エアロゾル供給システム又は消耗品内のエアロゾル生成材料の密度を増加させ、空気流、エアロゾル若しくは蒸気がそれを通過すること、又はエアロゾル生成材料の全てが熱に均一に曝露されてエアロゾルを生成することをより困難にし得る。概して、粒子サイズが小さい程、表面積が大きく、したがって香味の送達がより大きい。しかしながら、より小さい粒子サイズは、加工上の困難をもたらし得、粒子をエアロゾル生成材料及び/又は消耗品若しくは非燃焼型エアロゾル供給システム内に維持することがより困難となり得る。
【0034】
本発明は、刻み植物性材料を刻みタバコ材料と合わせることによる、エアロゾル生成材料によって生成されるエアロゾルの改善された香味等の利点を享受する。刻み植物性材料のサイズは、本明細書において詳述されるいくつかの利点を有する。
【0035】
エアロゾル生成材料は、例えば加熱、照射又は任意の他の様式で活性化された場合にエアロゾルを生成することができる材料である。エアロゾル生成材料は、例えば、1種又は複数種の活性物質及び/又は香料、1種又は複数種のエアロゾル形成材料、並びに任意選択で1種又は複数種の他の機能性材料を含み得る。
【0036】
エアロゾル形成材料は、エアロゾルを形成し得る1種又は複数種の構成物質を含み得る。一部の実施形態において、エアロゾル形成材料は、グリセリン、グリセロール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、エリスリトール、メソ-エリスリトール、バニリン酸エチル、ラウリン酸エチル、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン、ジアセチン混合物、安息香酸ベンジル、ベンジルフェニルアセテート、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、及びプロピレンカーボネートのうちの1つ又は複数を含み得る。
【0037】
1種又は複数種の他の機能性材料は、pH調整剤、着色剤、保存剤、結合剤、充填剤、安定剤、及び/又は酸化防止剤のうちの1つ又は複数を含み得る。
【0038】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、刻みタバコ材料及び刻み植物材料の単純な混合物又はブレンドである。
【0039】
植物材料
本明細書において使用される場合、刻み植物材料は、クローブ又は植物から得られる他の材料であってもよい。
【0040】
本明細書において言及される場合、刻み植物材料は、これらに限定されないが、葉、樹皮、繊維、茎、根、種子、花、果実、花粉、さや、殻等を含む植物から得られる任意の材料から得られてもよい。材料は、粒子、顆粒、ペレット、小片、ストリップ、シート等の形態であってもよい。植物又は植物性物質の例は、タバコ、ユーカリ、スターアニス、麻(hemp)、ココア、アサ(cannabis)、ウイキョウ、レモングラス、ペパーミント、スペアミント、ルイボス、カモミール、フラックス、ショウガ、イチョウ、ヘーゼル、ハイビスカス、ローレル、カンゾウ、抹茶、マテ、オレンジ皮、パパイヤ、バラ、セージ、茶、例えば緑茶又は紅茶、タイム、クローブ、シナモン、コーヒー、アニシード(アニス)、バジル、ゲッケイジュ、カルダモン、コリアンダー、クミン、ナツメグ、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、ラベンダー、レモン皮、ミント、ビャクシン、ニワトコの花、バニラ、ウィンターグリーン、シソ、ウコン、ターメリック、ビャクダン、シラントロ、ベルガモット、オレンジの花、テンニンカ、カシス、カノコソウ、ピーマン、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、ゼラニウム、クワ、チョウセンニンジン、テアニン、テアクリン、マカ、アシュワガンダ、ダミアナ、ガラナ、クロロフィル、バオバブ又はそれらの任意の組合せである。ミントは、以下のミント品種から選択され得る:メンタ・アルベンティス(Mentha Arventis)、メンタc.v.(Mentha c.v.)、メンタ・ニリアカ(Mentha niliaca)、メンタ・ピペリタ(Mentha piperita)、メンタ・ピペリタ・シトラータc.v.(Mentha piperita citrata c.v.)、メンタ・ピペリタc.v(Mentha piperita c.v)、メンタ・スピカータ・クリスパ(Mentha spicata crispa)、メンタ・カルディフォリア(Mentha cardifolia)、メンタ・ロンギフォリア(Mentha longifolia)、メンタ・スアベオレンス・バリエガータ(Mentha suaveolens variegata)、メンタ・プレギウム(Mentha pulegium)、メンタ・スピカータc.v.(Mentha spicata c.v.)及びメンタ・スアベオレンス(Mentha suaveolens)。
【0041】
一部の実施形態において、刻み植物材料は、クローブである。刻み植物材料としてのクローブの使用は、最終使用者に特徴的な香味及び感覚体験を提供する。クローブは、中でも、香り、スパイス感、麻痺感、パリパリ感、及び喉を鎮静する特徴を含む感覚作用を有することが知られている。それによって、吸引された媒体の官能特性が改善され、これはまた、非燃焼型エアロゾル供給システムの寸法を変えることなく達成され得る。
【0042】
燃焼型紙巻タバコにおけるクローブの使用にはまた、いくつかの地域において歴史的に先例があり、「クレテック」紙巻タバコとして知られている。本発明は、非燃焼型エアロゾル生成デバイスによりクレテック紙巻タバコの体験を使用者に提供する。したがって、クローブの使用は、従来のタバコの香味の非燃焼型エアロゾル生成デバイスに付加価値を与える。一部の実施形態において、生成されたエアロゾルは、クレテック紙巻タバコを思わせる香味を有し、これは、ある特定の地域、例えばインドネシアではこの香味が消費者に特に人気であるため有利である。クローブは、いくつかの精油、例えばオイゲノールを含み、これはクローブ特有の風味のいくつかを提供することが知られており、伝統的な東洋医学において鎮痛効果を有すると考えられている。
【0043】
クローブ材料は、全クローブから、又は全クローブの一部、クローブの柄、マザークローブ、膨張クローブ及び/又は使用済みクローブ、並びに当技術分野において知られている他のクローブ誘導体又はこれらの混合物から得られてもよい。
【0044】
一部の実施形態において、植物材料は、粒子となるまで刻まれる。例えば、植物材料は、任意の好適なプロセスを使用して刻まれ得る。
【0045】
一部の実施形態において、刻み植物(例えばクローブ)粒子の調製は、以下のステップを含む:
1)含水量を10%~約30%に増加させるために、水、水蒸気及び温度により植物材料を調整するステップ。
2)例えば回転式ナイフを有する機械を使用して、植物材料を刻むステップ。植物材料が機械に供給される速度、及び回転刻みのスピードが、刻み長さを制御する。
3)刻み植物材料の粒子サイズは、ライン外の試験(篩い分け)により決定され得る。
【0046】
一部の実施形態において、植物粒子サイズは、約0.2~0.5mm、0.25~0.4mm、又は0.3~0.5mm、又は約0.25~約0.45mmの範囲であってもよい。
【0047】
一部の実施形態において、植物材料は、60~90CPI(1インチ当たりのカット数)又は1cm当たり23.6~35.4カットのサイズに刻まれ、約0.42~約0.28mmの平均サイズを有する粒子が得られる。
【0048】
粒子サイズは、様々な手法で、例えばレーザー回折、顕微鏡法、又は優先的には篩い分けにより測定され得る。一般的な慣例は、刻み材料に「メッシュ値」を与えることであり、これは、所与の粒子集団の粒子の95%超が所与のメッシュ値のスクリーンを通過する能力を反映している。それに関連して、メッシュ値は、スクリーンのインチ毎のメッシュ穴の数を反映している。この方法は、複数の粒子を測定して平均分布を測定する必要なしに、所望のサイズの粒子を選択する。さらに、これは、平均測定を困難にする規則的な球形状を有さない粒子のサイズを測定するために使用され得る。
【0049】
刻み植物材料粒子のサイズは重要であり、ブレンドのいくつかの特徴、例えばブレンド成分の改善された混合及び香味の放出/送達に影響する。粒子サイズは、好適な感覚作用を送達するように選択され、クローブは、特徴的な風味を提供するように選択される。いかなる特定の理論にも束縛されることを望まないが、植物材料を寸断して刻み植物材料粒子を形成することにより、揮発性の香味及び香り成分を含む香味構成物質の放出が高められると推測される。タバコ粒子の表面積の増加はまた、本明細書に記載のように、揮発を補助すると考えられる。
【0050】
粒子サイズは、粒子の表面積対体積比を変えるため、重要である。理論に束縛されることを望まないが、より低い表面積対体積比を有するより大きい粒子は、空気に対する曝露がより低く、これにより、生成されるエアロゾルの特徴的な香味に寄与する揮発性化合物の蒸発が低減されることが提案されている。より大きい粒子は取扱いがより容易であり、より長期間保存でき、最終使用者による意図的な加熱の前に揮発性化合物が放出されることがより少ない。
【0051】
刻み植物材料のより小さい粒子サイズは、より低い粒子サイズ分布及び充填値に関連する。これによって、材料は、エアロゾル生成材料全体にわたり均一に広がるのがより容易となる。これは、エアロゾル生成材料の使用にわたって最終使用者に一貫した風味を提供する。
【0052】
一方で、刻み植物材料のより大きい粒子サイズは、異なる感覚体験に関連し得、加熱後に揮発性物質が妨害されるほど密に詰め込まれることなく逃げるために、粒子は十分大きくなければならない。
【0053】
より大きい粒子は取扱いが容易であり、実質的に乾燥状態を保ち、セル構造が実質的に破壊されることがない。それほど高性能ではない機械を使用することができ、これは製造するのにより経済的となり得る。粉砕をより必要としないため、これはよりエネルギー集約的ではなく、製造プロセスにおいてエネルギー及び時間を節約する。
【0054】
所望のサイズの植物材料粒子は、植物材料の粉砕、細断、刻み又は破砕により形成され得る。そのような植物粒子を生成するのに好適な機械は、例えば、シュレッダー、カッター、又はミル、例えばハンマーミル、ローラーミル若しくは他の種類の市販のミリング機械を含む。植物粒子のサイズは、クローブを含む本明細書に記載の特性を有する様々な異なる種類の植物材料から容易に調製され得、容易に放出される揮発性化合物の源を提供する粒子を提供するように選択される。
【0055】
一部の実施形態によれば、植物材料は、以下のラインに沿って調製される。まず、含水量を例えば約32%~約36%の範囲内に調節する(増加させる)ために植物材料を調整する。これは、植物材料を約60~約70℃の温度、並びに水及び水蒸気に曝露しながら行うことができる。次いで、調整ステップの間に適用される水が植物材料に十分吸収されることを確実にするために、植物材料を例えば2時間膨化ステップに供することができる。膨化の後、植物材料は、所望の粒子サイズに刻まれる準備が整い得る。その後、含水量を例えば約11%~約12%の範囲内に調節する(低減する)ために、刻み植物材料を乾燥ステップに供することができる。これは、植物材料を約45~約55℃の温度に曝露しながら行うことができる。
【0056】
タバコ
刻みタバコ材料を形成するために使用されるタバコ材料は、任意の種類のタバコ、並びにタバコ葉身、柄、茎、葉脈、くず及び小片、又はそれらの2つ以上の混合物を含むタバコ植物の任意の部分であり得る。好適なタバコ材料は以下の種類:ダークタバコ、ライトタバコ、Rajanganタバコ、バージニア若しくは黄色種タバコ、バーレータバコ、オリエンタルタバコ、又はタバコ材料のブレンドを含み、任意選択で本明細書に列挙されるものを含む。これらのタバコ品種のいくつか、例えばRajanganタバコは、当業者に知られているように異なって加工されてもよい。
【0057】
タバコは、ドライアイス膨張タバコ(DIET)のように膨張されてもよく、又は任意の他の手段により加工されてもよい。一部の実施形態において、タバコ材料は、再生タバコ材料であってもよい。タバコは、事前に加工されていても、又は未加工であってもよく、例えば、ソリッドステム(SS);細断乾燥ステム(SDS);水蒸気処理ステム(STS);又はそれらの任意の組合せであってもよい。タバコ材料は、発酵されてもよく、乾燥されてもよく、未乾燥であってもよく、焼かれていてもよく、又は別様に前処理されていてもよい。
【0058】
一部の実施形態において、タバコ材料は、刻みラグタバコを形成するように加工され刻まれた再生タバコの形態である。
【0059】
一部の実施形態において、タバコ材料は、タバコ粒子の形態である。
【0060】
一部の実施形態において、タバコ材料は、エアロゾル生成材料への含有用にその特性を改善するために、処理ステップに供されてもよい。例示的なステップを、図1のフローチャートに示す。
【0061】
一部の実施形態において、タバコ材料は、調整されている。例えば、これは、出発タバコ材料の含水量を20~22%に調節することを含み得る。一部の実施形態において、タバコ材料に、例えば1.8~18重量%の比率でケーシングが添加されてもよい。
【0062】
タバコ材料はまた、一部の実施形態において、膨化ステップに供されてもよい。
【0063】
任意のそのような前処理ステップの後に、タバコ材料は刻まれる。一部の実施形態において、刻みサイズは、刻みタバコ材料及び刻み植物材料が本明細書で議論されるような所望の特性を有するブレンドを生成する粒子サイズを有することを確実にするように選択される。一部の実施形態において、タバコ材料は、20~25CPI(1インチ当たりのカット数)又は1cm当たり約7.9~約9.8カットのサイズに刻まれ、1~1.5mmの平均幅を有するストリップが得られる。
【0064】
一部の実施形態において、刻みタバコは、乾燥される。例えば、タバコの乾燥は、含水量を約7~8%に低減し得る。
【0065】
一部の実施形態において、1種又は複数種の香料がタバコ材料に添加されてもよい。これは、タバコ加工の任意の段階で行われ得る。一部の実施形態において、香料は、タバコ材料が刻まれた後、及び任意のさらなる乾燥ステップの後に添加される。
【0066】
一部の実施形態において、香料は、約1重量%~約3重量%、又は約1~2重量%の量でタバコ材料に添加される。
【0067】
本明細書において使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、現地の規制が許容する限り、成人消費者用の製品において所望の風味、香り、又は他の体性感覚を生成するために使用され得る材料を指す。それらは、天然に存在する香味材料、植物性物質、植物性物質の抽出物、合成により得られた材料、又はそれらの組合せ(例えば、タバコ、アサ、カンゾウ、アジサイ、オイゲノール、ホオノキ葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、カエデ、抹茶、メンソール、ハッカ、アニシード(アニス)、シナモン、ターメリック、インドのスパイス、アジアのスパイス、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、レッドベリー、クランベリー、モモ、リンゴ、オレンジ、マンゴー、クレメンタイン、レモン、ライム、熱帯果実、パパイヤ、ルバーブ、ブドウ、ドリアン、ドラゴンフルーツ、キュウリ、ブルーベリー、クワ、柑橘系果実、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、ジン、テキーラ、ラム、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、アロエベラ、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、カート、ナスワ、キンマ、シシャ、マツ、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、オレンジの花、サクラの花、カッシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ワサビ、ピーマン、ショウガ、コリアンダー、コーヒー、麻、ハッカ属の任意の種からのミント油、ユーカリ、スターアニス、ココア、レモングラス、ルイボス、フラックス、イチョウ、ヘーゼル、ハイビスカス、ローレル、マテ、オレンジ皮、バラ、茶、例えば緑茶若しくは紅茶、タイム、ビャクシン、ニワトコの花、バジル、ゲッケイジュ、クミン、オレガノ、パプリカ、ローズマリー、サフラン、レモン皮、ミント、シソ、ウコン、シラントロ、テンニンカ、カシス、カノコソウ、ピメント、メース、ダミアン、マジョラム、オリーブ、レモンバーム、レモンバジル、チャイブ、カルヴィ、バーベナ、タラゴン、リモネン、チモール、カンフェン)、香味強化剤、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容体部位活性剤若しくは刺激剤、糖及び/若しくは代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール若しくはマンニトール)、並びに他の添加剤、例えばチャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤を含み得る。それらは、模造成分、合成若しくは天然成分、又はそれらのブレンドであってもよい。それらは、任意の好適な形態、例えば油等の液体、粉末等の固体、又は気体であってもよい。
【0068】
一部の実施形態において、香料は、メンソール、スペアミント及び/又はペパーミントを含む。一部の実施形態において、香料は、キュウリ、ブルーベリー、柑橘系果実及び/又はレッドベリーの香料成分を含む。一部の実施形態において、香料は、オイゲノールを含む。一部の実施形態において、香料は、タバコから抽出された香料成分を含む。一部の実施形態において、香料は、アサから抽出された香料成分を含む。
【0069】
一部の実施形態において、香料は、香り又は味覚神経に加えて、又はそれらの代わりに、通常第5脳神経(三叉神経)の刺激により化学的に誘導及び認識される体性感覚を達成するように意図される感覚物質(sensate)を含んでもよく、これらは、発熱、冷却、ピリピリ感、麻痺作用を提供する薬剤を含み得る。好適な発熱作用剤は、これに限定されないが、バニリルエチルエーテルであってもよく、好適な冷却剤は、これに限定されないが、ユーカリプトール(eucolyptol)、WS-3であってもよい。
【0070】
一部の実施形態において、クレテック製品を思わせる香り及び風味を有するエアロゾル生成材料により生成されるエアロゾルを提供する香料が含まれる。一部の実施形態において、香料は、クレテック製品に関連したある特定の香り付け又は感覚作用を強調するために添加され得る。本発明の一部の実施形態において、この香料は、オイゲノールである。
【0071】
一部の実施形態において、香料は、甘味並びに果実及び/又はトロピカルな香り付けをさらに包含するために含まれる。
【0072】
植物材料及びタバコ材料の混合物
エアロゾル生成材料は、1種又は複数種の刻み植物材料及び1種又は複数種の刻みタバコ材料の単純な混合によって調製され得る。混合は、刻み材料をブレンドすること、例えば、刻みタバコ材料を混合又はブレンドするために使用される従来の混合又はブレンド技術を使用することを含み得る。代替として、刻み植物材料は、刻みタバコの上に添加されてもよい。
【0073】
一部の実施形態において、刻み植物材料は、刻みタバコ材料と混合又はブレンドされる際にさらさらした固体の形態である。
【0074】
一部の実施形態において、タバコ及び刻み植物材料、例えばクローブが混合される際に結合剤が使用されない。
【0075】
混合は、例えば回転シリンダミキサー内で行われてもよく、適切なプロセスパラメータの選択には、シリンダ長さ、シリンダの傾き、及び滞留時間が含まれる。一般に、滞留時間が長い程、材料はより混合される。
【0076】
一部の実施形態において、刻みタバコ材料及び刻み植物性材料の粒子は、異なるサイズである。一部の実施形態において、刻みタバコ材料及び刻み植物性材料の粒子は、同じサイズである。サイズの選択は、いくつかの因子、例えば生成されるエアロゾルの風味及び口当たり、エアロゾル生成材料の充填密度、及び当業者に知られている他の因子に依存する。
【0077】
エアロゾル生成材料に含まれる刻み植物材料の量、及び刻みタバコ材料に対する植物材料の比率は、異なる実施形態において変動し得る。例えば、一部の実施形態において、より高い割合のクローブ材料によってより強いクローブの香味が提供され得る。これは、他の植物材料及び香味にも適用される。一方で、エアロゾル生成材料中のタバコの割合を増加させると、生成されるエアロゾル中のタバコの香味及び/又はニコチン含量が増加し得る。成分の割合はまた、エアロゾルの口当たり及びテクスチャに影響し得る。
【0078】
エアロゾル生成材料に含める植物材料の量の選択は、感覚上の考慮点に基づく。目的は、植物材料の香味及び香りを付与すること、並びにタバコの香味及び香りの送達との適切なバランスを伴ってそれを行うことである。また、香味の送達がエアロゾル生成材料の使用期間全体にわたり持続すべきであることも考慮点となり得る。
【0079】
植物材料がクローブである実施形態を含む一部の実施形態において、エアロゾル生成材料の少なくとも15重量%が植物材料である。上限として、エアロゾル生成材料の約35重量%が植物材料であってもよい。
【0080】
成分の割合の変動はまた、エアロゾル生成材料の密度、及び所与の寸法の容器又は消耗品に充填され得る量を変化させ得る。考慮すべき追加的な因子は、成分材料の価格である。ブレンドは、コスト効率の良い生成物を提供するように配合され得る。より高い割合のクローブの含有は、クローブ材料とタバコ材料との混合に役立ち得る。
【0081】
一部の実施形態において、刻みタバコ材料及び刻み植物材料のブレンドは、少なくとも約5重量又は体積%の刻み植物材料を含み、約25~約40重量又は体積%の刻み植物材料を含み得る。一部の実施形態において、タバコ材料成分に対するクローブ成分の重量及び/又は体積は、約25%である。一部の実施形態において、刻みタバコ材料及び刻み植物材料のブレンドは、5、10、15、20、25、30、35、40又は45重量又は体積%を含む。
【0082】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、希釈剤をさらに含む。希釈剤は、固体又は液体形態であってもよい。一部の実施形態において、希釈剤は、不活性又は実質的に不活性である。
【0083】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、少なくとも1種のエアロゾル形成剤をさらに含み、これは、例えば、ポリオールエアロゾル生成剤又は非ポリオールエアロゾル生成剤、好ましくは非ポリオールエアロゾル生成剤であってもよい。これは、室温で固体又は液体であってもよいが、好ましくは室温で液体である。好適なポリオールは、ソルビトール、グリセロール、及びプロピレングリコール又はトリエチレングリコール等のグリコールを含む。好適な非ポリオールは、一価アルコール、高沸点炭化水素、酸、例えば乳酸、及びエステル、例えばジアセチン、トリアセチン、クエン酸トリエチル又はミリスチン酸イソプロピルを含む。等しい、又は異なる割合のエアロゾル形成剤の組合せが使用されてもよい。グリセロール及びプロピレングリコールが、特に好ましくなり得る。
【0084】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、1つ又は複数の追加の成分を含み、これらのいくつかは、刻み植物材料及び/又は刻みタバコ材料を固定し得る。エアロゾル生成材料又はタバコ材料は、1種又は複数種の結合添加剤を含んでもよい。結合添加剤は、タバコ材料の粒子同士の、及びエアロゾル生成材料中の他の成分へのタバコ材料の粒子の接着を補助する。好適な結合添加剤は、例えば、熱可逆的ゲル化剤、例えばゼラチン、デンプン、ポリサッカリド、ペクチン、アルギネート、木材パルプ、セルロース、及びセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースを含む。結合添加剤の含有は、エアロゾル生成材料の取扱い及び加工がより容易であるという利点を有し得る。
【0085】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、結合剤、可塑剤又はゲル化剤を含まない。これは、材料費を削減し、製造を単純化する。さらに、結合剤の含有は、クローブ等のいくつかの植物材料の場合、温度処理又は水/水蒸気処理による植物材料の改質を必要とし、これは、所望の感覚作用を生成する油の一部を除去し得る。
【0086】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料は、保存剤をさらに含む。好適な保存剤は、当業者に容易に知られ、例えば、吸引可能なエアロゾルを生成する生成物における使用に安全なものを含む。使用され得る保存剤の例には、プロピレングリコール、カルバクロール、チモール、L-メンソール、1,8-シネオール、フェノキシエタノール、PhytoCide、ソルビン酸及びその塩、ヒドロキシメチルグリシン酸ナトリウム、エチルヘキシルグリセリン、パラベン、及びビタミンE又はビタミンC等のビタミンが含まれる。
【0087】
本発明の別の態様によれば、エアロゾル生成材料を含む非燃焼型エアロゾル供給システムが提供される。エアロゾル供給システムに含まれるエアロゾル生成材料は、本明細書に記載のエアロゾル生成材料を含み得るか、本質的にそれからなり得るか、又はそれからなり得る。
【0088】
本明細書において使用される場合、エアロゾル供給システムは、タバコ加熱製品等のエアロゾル生成材料を燃焼させることなくエアロゾル生成材料から化合物を放出する非燃焼型エアロゾル供給システム、及びエアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムを含む。
【0089】
本開示によれば、「非燃焼型」エアロゾル供給システムは、エアロゾル供給システムの構成エアロゾル生成材料(又はその成分)が少なくとも1種の物質の使用者への送達を促進するために燃焼又は焼却されないものである。一部の実施形態において、送達システムは、駆動式非燃焼型エアロゾル供給システム等の非燃焼型エアロゾル供給システムである。
【0090】
一部の実施形態において、非燃焼型エアロゾル供給システムは、蒸気吸引デバイス又は電子ニコチン送達システム(END)としても知られる電子タバコであるが、エアロゾル生成材料中のニコチンの存在は必須ではないことに留意されたい。
【0091】
一部の実施形態において、非燃焼型エアロゾル供給システムは、非燃焼加熱式システムとしても知られるエアロゾル生成材料加熱システムである。そのようなシステムの例は、タバコ加熱システムである。
【0092】
一部の実施形態において、非燃焼型エアロゾル供給システムは、エアロゾル生成材料の組合せを使用してエアロゾルを生成するためのハイブリッドシステムであり、エアロゾル生成材料の1つ又は複数が加熱され得る。エアロゾル生成材料のそれぞれは、例えば、固体、液体又はゲルの形態であってもよく、ニコチンを含まなくてもよい。一部の実施形態において、ハイブリッドシステムは、液体又はゲルエアロゾル生成材料及び固体エアロゾル生成材料を備える。固体エアロゾル生成材料は、例えば、タバコ又は非タバコ生成物を含み得る。
【0093】
典型的には、非燃焼型エアロゾル供給システムは、非燃焼型エアロゾル供給デバイス、及び非燃焼型エアロゾル供給デバイスとの使用のための消耗品を備えてもよい。
【0094】
一部の実施形態において、本開示は、エアロゾル生成材料を含み、非燃焼型エアロゾル供給デバイスと使用されるように構成された消耗品に関連する。これらの消耗品は、本開示全体にわたって、物品と呼ばれる場合がある。
【0095】
一部の実施形態において、非燃焼型エアロゾル供給システム、例えばその非燃焼型エアロゾル供給デバイスは、動力源及びコントローラを備えてもよい。動力源は、例えば、電源又は発熱性動力源であってもよい。一部の実施形態において、発熱性動力源は、熱の形態の動力をエアロゾル生成材料に、又は発熱性動力源に近接した熱伝達材料に分配するように活性化され得る炭素基板を備える。
【0096】
一部の実施形態において、非燃焼型エアロゾル供給システムは、消耗品を受容するための領域、エアロゾル生成剤、エアロゾル生成領域、筐体、口金、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0097】
一部の実施形態において、非燃焼型エアロゾル供給デバイスとの使用のための消耗品は、エアロゾル生成材料、エアロゾル生成材料保存領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成剤、エアロゾル生成領域、筐体、ラッパー、フィルター、口金、及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。
【0098】
一部の実施形態によれば、エアロゾル生成材料は、材料の燃焼ではなく加熱によってエアロゾル生成材料の成分を揮発させるためにエアロゾル供給システム内に含まれる(すなわち、タバコ加熱製品又はいわゆる非燃焼加熱式製品)。これらの製品のいくつかにおいて、エアロゾルを生成するためにエアロゾル生成材料が加熱される。
【0099】
図2は、エアロゾル生成材料を加熱するためのタバコ加熱製品の一例の断面図を示す。装置11は、使用中、加熱及び揮発されるエアロゾル生成材料を含む加熱チャンバ14を有する。この実施形態において、エアロゾル生成材料は、単体のニコチン送達組成物13の形態である。しかしながら、エアロゾル生成材料は、加熱チャンバ内に保持される、又はカートリッジ内に提供されるエアロゾル生成材料の複数の粒子であってもよい。
【0100】
図2の装置11は、電子機器/動力チャンバ16をさらに有し、これは、例えば電気制御回路及び/又は動力源(図示せず)を含み得る。電気制御回路は、コントローラ、例えば加熱要素(図示せず)によるエアロゾル生成材料の加熱を制御するように構成及び配設されたマイクロプロセッサ構成体を含み得る。電気制御回路は、使用中、例えば、使用者による装置11に対する引き込みの開始時に生じる気流の圧力変化又は速度変化等に感受性である一服作動センサからの信号を受信し得る。次いで、電気制御回路は、エアロゾル生成材料の加熱を「オンデマンド」でもたらすように動作し得る。一服作動センサの様々な構成体が利用可能であり、例えば、サーミスタ、電気機械デバイス、機械デバイス、光学デバイス、光学機械デバイス、及びマイクロ電気機械システム(MEMS)に基づくセンサを含む。代替として、装置は、使用者が一服を開始するための手動操作可能なスイッチを有してもよい。
【0101】
加熱チャンバ14は、筐体12内に収納される。例えば、筐体12が熱くならないように、又は少なくとも使用中に触れることができないほど過度に熱くならないように筐体12を加熱チャンバ14から断熱するのを補助するために、加熱チャンバ14と筐体12との間に支持体及び/又は断熱手段(図示せず)が位置してもよい。
【0102】
筐体12は、空気が装置内に引き込まれる入口15を含む。筐体12はまた、装置11の口金18に出口17を含む。入口15を通して装置11内に空気が引き込まれ、エアロゾル生成材料13により放出される活性物質及び他の揮発性構成物質を取り込みながら装置を通って移動し、装置11により生成された得られるエアロゾルは、出口19を通って装置11を出て使用者により吸引される。
【0103】
一部の実施形態によれば、エアロゾル生成材料は、エアロゾル生成材料を加熱してエアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためのいわゆるハイブリッドシステムに含まれる。これらの製品のいくつかにおいて、エアロゾル生成材料は、ニコチン含有液体又はニコチン非含有液体等の液体の加熱に加えて、エアロゾルを生成するために加熱されるが、これはエアロゾル又は蒸気を形成するために熱源によって加熱される。いくつかのハイブリッドシステムにおいて、液体から形成されたエアロゾル又は蒸気は、エアロゾル生成材料の上に、又はそれを通して引き込まれ、(1種又は複数種の)活性物質及び他の揮発成分を取り込む。他の実施形態において、液体から形成されたエアロゾル又は蒸気は、エアロゾル生成材料の上に、又はそれを通して引き込まれない。
【0104】
図3は、エアロゾル生成材料及び液体を加熱するためのハイブリッド製品の一例の断面図を示す。装置21は、使用中、加熱及び揮発されるエアロゾル生成材料23を含むチャンバ24を収納する筐体22を有する。エアロゾル生成材料は、チャンバ内に保持され得るか、又はカートリッジ内に提供され得る。筐体22はまた、加熱されて蒸気を形成する液体26を含む液体リザーバ25を収納する。
【0105】
装置21は、電子機器/動力チャンバ27をさらに有し、これは、例えば電気制御回路及び/又は動力源(図示せず)を含み得る。電気制御回路は、1つ又は複数の加熱要素(図示せず)によるエアロゾル生成材料及び液体26の加熱を制御するように構成及び配設されたコントローラ、例えばマイクロプロセッサ構成体を含み得る。電気制御回路は、エアロゾル生成材料の加熱を「オンデマンド」でもたらすように装置21が一服作動されることを可能にし得る。代替として、装置22は、使用者が一服を開始するための手動操作可能なスイッチを有してもよい。
【0106】
筐体22はまた、空気が装置内に引き込まれる入口28を含む。筐体22はまた、装置21の口金30に出口29を含む。入口28を通して装置21内に空気が引き込まれ、液体リザーバ25内の液体26を加熱することにより形成される蒸気、並びにエアロゾル生成材料23により放出される(1種又は複数種の)活性物質及び揮発性成分を取り込みながら装置を通って移動し、装置21により生成された得られるエアロゾルは、出口29を通って装置21を出て使用者により吸引される。
【0107】
図3に概略的に示されるハイブリッドデバイス21は、単にそのような装置の1つの可能な構成を表している。液体リザーバ25及びエアロゾル生成材料チャンバ24の相対位置は、装置を通って流れる空気の経路と同様に変更され得る。
【0108】
一実施形態において、液体リザーバは、揮発されるエアロゾル生成材料の上流に位置する。代替として、液体リザーバは、揮発されるエアロゾル生成材料の下流に位置してもよい。さらなる構成体において、装置内の2つのエアロゾル源は、例えば並べて配置されてもよい。
【0109】
一部の実施形態において、液体リザーバ内の液体を加熱することにより生成される蒸気は、1種又は複数種のエアロゾル生成材料を含む、又はそれからなるエアロゾル生成材料の上を、又はそれを通って流れる。一部の実施形態において、蒸気の高い温度は、活性物質及び揮発性成分を放出させる。代替として、又は追加的に、エアロゾル生成材料は、加熱手段により別個に加熱されてもよい。
【0110】
一部の実施形態において、エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるために、液体を加熱することにより形成される蒸気がエアロゾル生成材料を加熱する、ハイブリッドデバイスが提供される。一部の実施形態において、液体は、ニコチン非含有液体である。他の実施形態において、液体は、ニコチンを含む。エアロゾル生成材料の少なくとも1つの成分を揮発させるためにエアロゾル生成材料が蒸気により加熱される場合、ある特定の実施形態において、デバイスは、エアロゾル生成材料を加熱するための別個の手段を含まない。
【0111】
他の実施形態において、液体リザーバ内の液体を加熱することにより生成される蒸気は、エアロゾル生成材料の上を、又はそれを通って流れない。むしろ、この蒸気及びエアロゾル生成材料を加熱することにより生成されるエアロゾルは、それらの両方が形成された後に単に混合される。
【0112】
本明細書に記載のタバコ加熱製品及びハイブリッド製品は、一部の実施形態において、エアロゾル生成材料を含む容器又はカートリッジの形態でエアロゾル生成材料を含んでもよい。これらの容器又はカートリッジは、取り外し可能であってもよい。それらは、図2及び3を参照して、並びに議論された代替の実施形態において上述された、エアロゾル生成材料を保持するチャンバ及び装置内のエアロゾル生成材料の両方を置き換えることができる。
【0113】
消耗品
本発明の第3の態様によれば、刻み植物材料及び刻みタバコ材料を合わせることを含む、エアロゾル生成材料を備える非燃焼型エアロゾル供給システム用の消耗品が提供される。
【0114】
消耗品は、エアロゾル生成材料を備えるか、又はそれからなる物品であり、その一部又は全てが使用者により使用されている間に消費されることが意図される。消耗品は、1つ又は複数の他の構成要素、例えばエアロゾル生成材料保存領域、エアロゾル生成材料移送構成要素、エアロゾル生成領域、筐体、ラッパー、口金、フィルター及び/又はエアロゾル改質剤を備えてもよい。消耗品はまた、エアロゾル生成剤、例えば、使用中熱を放出してエアロゾル生成材料にエアロゾルを生成させる加熱剤を備えてもよい。加熱剤は、例えば、燃焼性材料、電気伝導により加熱可能な材料、又はサセプタを含み得る。消耗品はまた、他の非タバコ生成物を含んでもよく、これは、生成物によって、ニコチンを含有してもよいか、又は含有しなくてもよい。消耗品はまた、1種又は複数種の保湿剤、例えばグリセリン又はプロピレングリコールを含有してもよい。
【0115】
一部の実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料を含むカートリッジ又はポッドである。他の実施形態において、消耗品は、エアロゾル生成材料を含むロッド又はスティックの形態であってもよい。例えば、ロッド又はスティックは、ラッパーで取り囲まれてもよい。ロッド又はスティックは、エアロゾル生成材料を含む1つ又は複数のセクションに加えて、1つ又は複数の追加のセクションを備えてもよい。そのようなセクションは、濾過セクション、冷却セクション、又はエアロゾルを生成する、若しくは例えば香味を加えることによりエアロゾルを改質する他の材料を有するセクションを含み得る。
【0116】
エアロゾル生成材料を調製するための方法
本発明の第4の態様によれば、本明細書に記載のエアロゾル生成材料を調製する方法が提供される。
【0117】
一般化された例において、エアロゾル生成材料の調製は、以下のステップを含み得る。
タバコ材料の選択;調整及びケーシング;膨化、刻み;乾燥;及び加香のステップのうちの1つ又は複数を含む方法を使用して、刻みタバコ材料が調製され得る。
植物材料の選択;調整;膨化、刻み;及び乾燥のステップのうちの1つ又は複数を含む方法により、刻み植物材料が調製され得る。
【0118】
刻みタバコ材料及び刻み植物材料は、次いで合わされてエアロゾル生成材料を形成する。組合せは、混合又はブレンドされてもよい。任意選択で、エアロゾル生成材料は、消耗品、又は非燃焼型エアロゾル供給システムに組み込まれる。
【0119】
本明細書に記載の様々な実施形態は、特許請求される特徴の理解及び教示を補助することのみを目的として提示されている。これらの実施形態は、実施形態の代表的なサンプルとしてのみ提供され、網羅的及び/又は排他的ではない。本明細書に記載の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲に対する制限、又は特許請求の範囲の均等物に対する制限と見なされるものではないこと、並びに、特許請求される本発明の範囲から逸脱せずに他の実施形態が利用されてもよいこと、及び修正がなされてもよいことが理解されるべきである。本発明の様々な実施形態は、本明細書に具体的に記載されるもの以外に、開示される要素、成分、特徴、部分、ステップ、手段等の適切な組合せを好適に含み得るか、本質的にそれからなり得るか、又はそれからなり得る。さらに、本開示は、ここでは特許請求されていないが将来特許請求され得る他の発明を含み得る。本明細書に記載の送達システムは、非燃焼型エアロゾル供給システムとして実装され得る。
図1
図2
図3
【国際調査報告】