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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】バッテリー診断システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/367 20190101AFI20231208BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20231208BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G01R31/367
H01M10/48 P
H01M10/48 301
H02J7/00 Q
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533763
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2022012882
(87)【国際公開番号】W WO2023033480
(87)【国際公開日】2023-03-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0115865
(32)【優先日】2021-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ヨウン-フワン
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216BB01
2G216CB11
5G503BA03
5G503BA04
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA09
5G503GD06
5H030AA01
5H030AS20
5H030FF22
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システムは、バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得し、前記バッテリー情報に基づいて前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成するBMSと、前記BMSから前記バッテリー情報及び前記第1診断結果を受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成し、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果の複数の診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するサーバーと、を含んでいてもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得し、前記バッテリー情報に基づいて前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成するBMSと、
前記BMSから前記バッテリー情報及び前記第1診断結果を受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成し、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果の複数の診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するサーバーと、
を含む、バッテリー診断システム。
【請求項2】
前記診断結果は、
前記バッテリーに対する危険度の順に第1レベル、第2レベル及び第3レベルに分類され、
前記サーバーは、
予め設定されたバッテリー状態決定規則に基づいて、前記複数の診断結果に対する比較結果に応じて前記現在の状態を決定する、請求項1に記載のバッテリー診断システム。
【請求項3】
前記サーバーは、
前記複数の診断結果が同一であるか否かを判断し、判断結果と前記バッテリー状態決定規則に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定する、請求項2に記載のバッテリー診断システム。
【請求項4】
前記サーバーは、
前記複数の診断結果が同一である場合、前記複数の診断結果のうち、いずれか一つに対応するように前記バッテリーの前記現在の状態を決定する、請求項2または3に記載のバッテリー診断システム。
【請求項5】
前記サーバーは、
前記第1診断結果と前記第2診断結果とが異なり、前記第2診断結果と前記第3診断結果とが同一である場合、所定の時間にわたり前記BMSから第1診断結果を再受信し、再受信された第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定する、請求項2または3に記載のバッテリー診断システム。
【請求項6】
前記サーバーは、
前記再受信された第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果のうち前記危険度が最も高いレベルを、前記バッテリーの前記現在の状態として決定する、請求項5に記載のバッテリー診断システム。
【請求項7】
前記サーバーは、
前記第1診断結果と前記第2診断結果とが同一であり、前記第2診断結果と前記第3診断結果とが異なる場合、前記複数の診断結果のうち前記危険度が最も高いレベルを、前記バッテリーの前記現在の状態として決定する、請求項2または3に記載のバッテリー診断システム。
【請求項8】
前記サーバーは、
前記第1診断結果と前記第3診断結果とが同一であり、前記第3診断結果と前記第2診断結果とが異なる場合、及び前記複数の診断結果が全て異なる場合、前記BMSから受信して累積記憶されたバッテリー情報に基づいて前記状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルを用いて、前記バッテリーに対する前記第2診断結果及び前記第3診断結果を再生成し、前記第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を診断する、請求項2または3に記載のバッテリー診断システム。
【請求項9】
前記サーバーは、
前記第1診断結果と前記再生成された第2診断結果とが同一であり、前記再生成された第3診断結果と前記再生成された第2診断結果とが異なる場合、前記バッテリーの前記現在の状態を決定せず、前記状態推定モデルの異常発生に対する通知を出力する、請求項8に記載のバッテリー診断システム。
【請求項10】
前記サーバーは、
前記第1診断結果、前記再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果が全て異なる場合、前記状態推定モデルを再学習させる、請求項8に記載のバッテリー診断システム。
【請求項11】
前記サーバーは、
決定された前記バッテリーの前記現在の状態に対応するように前記バッテリーに対する診断措置を決定し、決定された診断措置を前記BMSに送信し、
前記BMSは、
前記サーバーから受信した診断措置によって前記バッテリーを制御する、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー診断システム。
【請求項12】
前記サーバーは、
前記複数の診断結果に基づいて、火災発生レベルを前記バッテリーの現在の状態として決定し、決定された火災発生レベルに対応する診断措置として、前記バッテリーの電流制限、前記バッテリーに対する冷却動作、及び前記バッテリーに対する火災鎮圧のうち、いずれか一つを決定する、請求項11に記載のバッテリー診断システム。
【請求項13】
BMSが、バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得するバッテリー情報取得ステップと、
前記BMSが、前記バッテリー情報に基づいて前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成する第1診断結果生成ステップと、
サーバーが、前記BMSから前記バッテリー情報及び前記第1診断結果を受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成する第2及び第3診断結果生成ステップと、
前記サーバーが、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果の複数の診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するバッテリーの現在状態決定ステップと、
を含む、バッテリー診断方法。
【請求項14】
通信部と、
バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報と、前記バッテリー情報に基づいて生成された前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果とを、前記通信部を介してBMSから受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成し、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するプロセッサーと、
を含む、サーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年08月31日付け出願の韓国特許出願番号第10-2021-0115865号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、全て本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリー診断システム及び方法に関し、さらに詳しくは、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)とサーバーにおける診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定するバッテリー診断システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ノートパソコン、ビデオカメラ、携帯電話などのような携帯用電子製品の需要が急激に伸び、電気自動車、エネルギー貯蔵用蓄電池、ロボット、衛星などの開発が本格化するにつれて、繰り返して充放電可能な高性能バッテリーに対する研究が活発に行われている。
【0004】
現在、商用化されているバッテリーとしてはニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムバッテリーなどが挙げられるが、そのうちリチウムバッテリーは、ニッケル系列のバッテリーに比べてメモリー効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いという利点で脚光を浴びている。
【0005】
このようなバッテリーの状態を診断するための代表的なバッテリー情報は、温度、電圧及び電流であり、このようなバッテリー情報に基づいてバッテリーの状態を診断することができる。バッテリーの状態を診断することにより、バッテリーの異常有無を判断したりバッテリーの寿命を推定したりすることができるため、バッテリーの状態を定期的に診断することが好ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、BMSとサーバーにおける複数の診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定し、決定された現在の状態に基づいてバッテリーを適切に制御することができるバッテリー診断システム及び方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的及び利点は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示される手段及びその組み合わせによって実現できることが容易に分かるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るバッテリー診断システムは、
バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得し、前記バッテリー情報に基づいて前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成するBMSと、前記BMSから前記バッテリー情報及び前記第1診断結果を受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成し、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果の複数の診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するサーバーと、を含んでいてもよい。
【0009】
前記診断結果は、前記バッテリーに対する危険度の順に第1レベル、第2レベル及び第3レベルに分類されるように構成されてもよい。
【0010】
前記サーバーは、予め設定されたバッテリー状態決定規則に基づいて、前記複数の診断結果に対する比較結果に応じて前記現在の状態を決定するように構成されてもよい。
【0011】
前記サーバーは、前記複数の診断結果が同一であるか否かを判断し、判断結果と前記バッテリー状態決定規則に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するように構成されてもよい。
【0012】
前記サーバーは、前記複数の診断結果が同一である場合、前記複数の診断結果のうち、いずれか一つに対応するように前記バッテリーの前記現在の状態を決定するように構成されてもよい。
【0013】
前記サーバーは、前記第1診断結果と前記第2診断結果とが異なり、前記第2診断結果と前記第3診断結果とが同一である場合、所定の時間にわたり前記BMSから第1診断結果を再受信し、再受信された第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するように構成されてもよい。
【0014】
前記サーバーは、前記再受信された第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果のうち前記危険度が最も高いレベルを、前記バッテリーの前記現在の状態として決定するように構成されてもよい。
【0015】
前記サーバーは、前記第1診断結果と前記第2診断結果とが同一であり、前記第2診断結果と前記第3診断結果とが異なる場合、前記複数の診断結果のうち前記危険度が最も高いレベルを、前記バッテリーの前記現在の状態として決定するように構成されてもよい。
【0016】
前記サーバーは、前記第1診断結果と前記第3診断結果とが同一であり、前記第3診断結果と前記第2診断結果とが異なる場合、及び前記複数の診断結果が全て異なる場合、前記BMSから受信して累積記憶(保存)されたバッテリー情報に基づいて前記状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルを用いて、前記バッテリーに対する前記第2診断結果及び前記第3診断結果を再生成し、前記第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を診断するように構成されてもよい。
【0017】
前記サーバーは、前記第1診断結果と前記再生成された第2診断結果とが同一であり、前記再生成された第3診断結果と前記再生成された第2診断結果とが異なる場合、前記バッテリーの前記現在の状態を決定せず、前記状態推定モデルの異常発生に対する通知を出力するように構成されてもよい。
【0018】
前記サーバーは、前記第1診断結果、前記再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果が全て異なる場合、前記状態推定モデルを再学習させるように構成されてもよい。
【0019】
前記サーバーは、決定された前記バッテリーの前記現在の状態に対応するように前記バッテリーに対する診断措置を決定し、決定された診断措置を前記BMSに送信するように構成されてもよい。
【0020】
前記BMSは、前記サーバーから受信した診断措置によって前記バッテリーを制御するように構成されてもよい。
【0021】
前記サーバーは、前記複数の診断結果に基づいて、火災発生レベルを前記バッテリーの現在の状態として決定し、決定された火災発生レベルに対応する診断措置として、前記バッテリーの電流制限、前記バッテリーに対する冷却動作、及び前記バッテリーに対する火災鎮圧のうち、いずれか一つを決定するように構成されてもよい。
【0022】
本発明の他の態様に係るバッテリー診断方法は、BMSが、バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得するバッテリー情報取得ステップと、前記BMSが、前記バッテリー情報に基づいて前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成する第1診断結果生成ステップと、サーバーが、前記BMSから前記バッテリー情報及び前記第1診断結果を受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成する第2及び第3診断結果生成ステップと、前記サーバーが、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果の複数の診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するバッテリーの現在状態決定ステップと、を含んでいてもよい。
【0023】
本発明のさらに他の態様に係るサーバーは、通信部と;バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報と、前記バッテリー情報に基づいて生成された前記バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果とを、前記通信部を介してBMSから受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、前記バッテリー情報から、前記バッテリーの前記現在の状態に対応する第2診断結果及び前記バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成し、前記第1診断結果、前記第2診断結果及び前記第3診断結果に基づいて前記バッテリーの前記現在の状態を決定するプロセッサーと;を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一態様によれば、BMS及びサーバーで生成されたバッテリーに対する診断結果に基づいて、バッテリーの現在の状態を高い精度及び信頼性で決定することができるという利点がある。
【0025】
本発明の効果は、上記の効果に限らず、言及されていない他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者にとって明確に理解できるものであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
本明細書に添付される以下の図面は、後述する発明の詳細な説明とともに本発明の技術思想をさらに理解させる役割を果たすものであるため、本発明はそのような図面に記載された事項のみに限定されて解釈されてはいけない。
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システムを概略的に示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システムの動作構成を概略的に示す図である。
図3】本発明の様々な実施形態に係る診断結果に対応する決定規則を概略的に説明するための図である。
図4】本発明の様々な決定規則を概略的に説明するための図である。
図5】本発明の一実施形態に係るBMSが設けられ得るバッテリーパックの例示的な構成を示す図である。
図6】本発明の他の実施形態に係るバッテリー診断方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は、通常的や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0029】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想の全てを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0030】
また、本発明を説明するにあたり、関連する公知の構成または機能についての具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0031】
第1、第2などの序数を含む用語は、様々な構成要素のうち、いずれか一つをその他の要素と区別するために使われたものであり、これら用語によって構成要素が限定されることはない。
【0032】
明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に断りのない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0033】
さらに、明細書の全体において、ある部分が他の部分と「接続(連結)」されているというとき、これは「直接的に接続(連結)」されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「間接的に接続(連結)」されている場合も含む。
【0034】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システムを概略的に示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システムの動作構成を概略的に示す図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システム100は、BMS(Battery management system)110及びサーバー120を含んでいてもよい。
【0037】
BMS110は、バッテリーの情報(例えば、温度、電圧及び電流)に基づいて、バッテリーに対する制御を行うことができるバッテリー管理システムを意味する。BMS110は、バッテリー関連分野で一般的に使用される構成であるため、BMS110自体についての具体的な説明は省略する。
【0038】
BMS110は、バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得するように構成されてもよい。
【0039】
ここで、バッテリーは、負極端子と正極端子を備え、物理的に分離可能な一つの独立したセルを意味する。例えば、リチウムイオン電池またはリチウムポリマー電池をバッテリーと見なすことができる。また、バッテリーは、複数のセルが直列及び/または並列に接続されたバッテリーモジュールを意味することもできる。以下、説明の便宜上、バッテリーは、一つの独立したセルを意味するものとして説明する。
【0040】
そして、BMS110は、バッテリー情報に基づいてバッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成するように構成されてもよい。
【0041】
具体的に、BMS110は、バッテリー情報に基づいて所定の危険度に応じてバッテリーに対する第1診断結果を生成し得る。例えば、診断結果は、バッテリーに対する危険度の順に第1レベル、第2レベル及び第3レベルに分類されるように構成されてもよい。ここで、危険度の第1レベルが最も低く、第3レベルが最も高く設定されてもよい。
【0042】
好ましくは、BMS110は、バッテリー情報からバッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を出力できる診断アルゴリズムを備え得る。また、BMS110は、診断アルゴリズムにバッテリー情報を入力することで、バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成し得る。
【0043】
診断アルゴリズムは、BMS110の記憶(保存)容量及び性能に対応するように備えられてもよい。例えば、診断アルゴリズムには、マシンラーニング(機械学習)に基づく学習モデル及び/またはバッテリー情報とバッテリーの現在の状態との間の対応関係を示すようにマッピングされた関係式などが含まれ得る。
【0044】
サーバー120は、BMS110からバッテリー情報及び第1診断結果を受信するように構成されてもよい。
【0045】
具体的には、サーバー120とBMS110とが通信可能に接続されてもよい。BMS110は、取得したバッテリー情報及び生成した第1診断結果をサーバー120に送信し、サーバー120は、バッテリー情報及び第1診断結果を受信することができる。このために、サーバー120は通信部を含んでもよい。例えば、通信部は、ワイファイ(登録商標)(Wi-Fi(登録商標))、WFD(Wi-Fi Direct(登録商標))、UWB(Ultra wideband)または移動通信などの無線通信方式を通じてBMS110と通信することができる。また、通信部は、有線LAN(Local area network)などの有線通信方式を通じてBMS110と通信することもできる。
【0046】
サーバー120は、予め学習された状態推定モデルに基づいて、バッテリー情報からバッテリーの現在の状態に対応する第2診断結果及びバッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を生成するように構成されてもよい。
【0047】
ここで、状態推定モデルは、バッテリー情報からバッテリーの現在の状態と将来の状態に対応する診断結果を推定して出力するマシンラーニング基盤の学習モデルであってもよい。例えば、サーバー120に備えられた状態推定モデルは、XGB(eXtreme Gradient Boosting)モデルであってよい。このために、サーバー120は、状態推定モデルを記憶するためのメモリーを含んでよい。
【0048】
具体的には、サーバー120は、BMS110から以前に受信したバッテリー情報を累積記憶し、累積記憶されたバッテリー情報を用いて状態推定モデルを学習させることができる。また、サーバー120は、外部から学習用バッテリー情報をさらに受信したり、他のBMSからバッテリー情報を受信したりして、受信した全てのバッテリー情報を考慮して状態推定モデルを学習させることができる。すなわち、サーバー120は、BMS110から以前に受信したバッテリー情報、外部から受信した学習用バッテリー情報、及び他のBMSから受信したバッテリー情報のうち、少なくとも一つを用いて、入力されたバッテリー情報からバッテリーの現在の状態と将来の状態に対応する診断結果を出力するように、状態推定モデルを学習させることができる。
【0049】
また、状態推定モデルは、バッテリーの現在の状態に対応する第2診断結果を出力することができるだけでなく、バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果を推定して出力することもできる。すなわち、状態推定モデルは、バッテリーの現在の状態を推定できるだけでなく、バッテリーの将来の状態を予測するように構成されてもよい。ここで、第2診断結果及び第3診断結果は、第1診断結果と同様に、バッテリー情報に基づいて所定の危険度に応じて決定され得る。例えば、第2診断結果及び第3診断結果は、危険度に応じて第1レベル、第2レベルまたは第3レベルとして決定され得る。
【0050】
一方、同一の入力(バッテリー情報)に対して互いに異なる結果(現在の状態に対応する第1診断結果及び将来の状態に対応する第2診断結果)を出力する方式は、学習された内容によって考慮されるパラメータの種類やパラメータに対する加重値を異ならせて設定することで導出できる内容であるため、一つの状態推定モデルが互いに異なる結果(第2診断結果及び第3診断結果)を出力できる具体的な内容については省略することに留意されたい。もちろん、実施形態によれば、サーバー120は、入力されたバッテリー情報に基づいて、バッテリーの現在の状態に対応する診断結果を出力する第1状態推定モデル、及び入力されたバッテリー情報に基づいて、バッテリーの将来の状態に対応する診断結果を出力する第2状態推定モデルを、それぞれ記憶することもできる。
【0051】
サーバー120は、第1診断結果、第2診断結果及び第3診断結果の複数の診断結果に基づいて、バッテリーの現在の状態を決定するように構成されてよい。
【0052】
具体的に、サーバー120は、BMS110によって生成された第1診断結果と、直接生成した第2診断結果及び第3診断結果とを全て考慮してバッテリーの現在の状態を決定し得る。
【0053】
一般に、サーバー120は、BMS110に比べて大容量の情報を処理し得る。したがって、BMS110は、リアルタイムのバッテリー情報に基づいてバッテリーの状態を迅速に決定し、サーバー120は、累積されたバッテリー情報に基づいてバッテリーの状態を正確に決定することができる。また、一般的な場合、サーバー120によって決定されたバッテリーの状態は、BMS110によって決定されたバッテリーの状態よりも正確であると見なされるため、サーバー120は、BMS110に対して補完的で補充的な性格を有していることが分かる。
【0054】
ただし、データの欠落や学習過程でのエラーなどの理由で、サーバー120が決定したバッテリーの状態がBMS110が決定したバッテリーの状態よりも常に正確であるとは判断できないため、サーバー120は、直接生成した第2診断結果及び第3診断結果だけでなく、BMS110によって生成された第1診断結果を考慮してバッテリーの現在の状態を決定することができる。
【0055】
また、サーバー120は、バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果及び第2診断結果だけでなく、バッテリー情報から予測されるバッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果をさらに考慮してバッテリーの現在の状態を決定するため、バッテリーの現在の状態をより保守的に決定することにより、バッテリーの状態についての誤診断の可能性を効果的に低減することができる。
【0056】
したがって、本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システム100は、BMS110及びサーバー120で生成されたバッテリーに対する診断結果に基づいて、バッテリーの現在の状態を高い精度及び信頼性で決定できるという利点がある。
【0057】
一方、サーバー120は、決定されたバッテリーの現在の状態に対応するようにバッテリーに対する診断措置を決定するように構成されてよい。
【0058】
ここで、診断措置は、バッテリーの現在の状態、すなわち、バッテリーに対する危険度に対応するように予め設定されたバッテリー制御措置であり得る。例えば、診断措置には、電流遮断措置、冷却措置及び火災鎮圧措置のうち、少なくとも一つが含まれてもよい。
【0059】
サーバー120は、決定された診断措置をBMS110に送信するように構成されてもよい。
【0060】
また、BMS110は、サーバー120から受信した診断措置によってバッテリーを制御するように構成されてもよい。
【0061】
具体的な実施形態として、バッテリー診断システム100がバッテリーの火災レベルを決定し、決定された火災レベルに対する診断を行う実施形態について説明する。
【0062】
サーバー120は、複数の診断結果に基づいて火災発生レベルを決定し得る。すなわち、サーバー120は、BMS110から受信した第1診断結果、直接生成した第2診断結果及び第3診断結果に基づいてバッテリーの火災発生レベルを決定し得る。
【0063】
例えば、火災発生レベルは、正常状態に対応する第1レベル、バッテリーの温度及び/または圧力が第1水準まで高くなった第2レベル、バッテリーの温度及び/または圧力が第2水準まで高くなって火災が発生する可能性が高い第3レベル、及びバッテリーに火災が発生した第4レベルを含んでいてもよい。
【0064】
サーバー120は、バッテリー状態維持、バッテリーの電流制限、バッテリーに対する冷却動作、及びバッテリーに対する火災鎮圧のうち、いずれか一つを、決定された火災発生レベルに対応する診断措置として決定するように構成される。
【0065】
例えば、決定された火災発生レベルが第1レベルである場合、バッテリーが正常状態であるため、サーバー120は、診断措置としてバッテリー状態維持を決定してもよい。この場合、バッテリーに対する別途の制御が行われない可能性がある。
【0066】
他の例として、決定された火災発生レベルが第2レベルである場合、サーバー120は、診断措置としてバッテリーの電流制限を決定してもよい。この場合、バッテリーの温度及び/または圧力が第1水準に高くなったが、火災が発生する可能性は低いため、バッテリーに流れ込む電流または電池から放出される電流の量が制限され得る。
【0067】
さらに他の例として、決定された火災発生レベルが第3レベルである場合、サーバー120は、診断措置としてバッテリーに対する冷却動作を決定してもよい。この場合、バッテリーの温度及び/または圧力が第2水準に高くなってバッテリーに火災が発生する可能性が高くなったため、バッテリーの温度を下げるためにバッテリーに対して冷却措置が行われ得る。
【0068】
さらに他の例として、決定された火災発生レベルが第4レベルである場合、サーバー120は、診断措置としてバッテリーに対する火災鎮圧を決定してもよい。この場合、バッテリーに火災が発生しているため、火災鎮圧のための措置が行われ得る。ここで、火災鎮圧は、二酸化炭素や消火器用粉末などをバッテリーに向かって噴射する措置であり得る。
【0069】
サーバー120は、バッテリーに対する火災発生レベルに対応する診断措置をBMS110に送信し、BMS110は、受信した診断措置に対応するようにバッテリーを制御することで、バッテリーの現在の状態に対応する適切な制御措置を行うことができる。
【0070】
したがって、本発明の一実施形態に係るバッテリー診断システム100は、複数の診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定し、このような現在の状態に対応する切な診断措置を行うことにより、バッテリーを常に安全な状態に維持することができる。また、バッテリー診断システム100は、バッテリーに火災が発生した場合でも、直ちに火災鎮圧を行うことができるため、火災によるさらに大きな事故を未然に防ぐことができる。
【0071】
一方、上述したサーバー120の様々な動作は、サーバー120のプロセッサーによって実行されてよい。ここで、プロセッサーは、例えば、中央処理装置(CPU:Central processing unit)、マイクロコントローラユニット(MCU:Micro controller unit)、デジタル信号プロセッサー(DSP:Digital signal processor)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field programmable gate array)などであってもよい。
【0072】
以下、サーバー120が第1~第3診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定する実施形態について詳細に説明する。
【0073】
サーバー120は、予め設定されたバッテリー状態決定規則に基づいて、複数の診断結果に対する比較結果に応じて現在の状態を決定するように構成されてよい。
【0074】
具体的には、サーバー120は、複数の診断結果が同一であるか否かを判断し、判断結果とバッテリー状態決定規則とに基づいてバッテリーの現在の状態を決定するように構成されてよい。
【0075】
図3は、本発明の様々な実施形態による診断結果に対応する決定規則を概略的に説明するための図である。図4は、本発明の様々な決定規則を概略的に説明するための図である。
【0076】
まず、図3の実施形態のうち、第1実施形態について説明する。
【0077】
サーバー120は、複数の診断結果が同一である場合、複数の診断結果のうち、いずれか一つに対応するようにバッテリーの現在の状態を決定するように構成されてよい。
【0078】
例えば、図3の実施形態のうち、第1実施形態を参照すると、第1~第3診断結果が全てAと同一であり得る。この場合、サーバー120は、第1決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定してもよい。そして、サーバー120は、Aをバッテリーの現在の状態として決定してもよい。すなわち、図4を参照すると、第1決定規則は、第1診断結果、第2診断結果及び第3診断結果のうち、いずれか一つをバッテリーの現在の状態として決定するため、サーバー120は、複数の診断結果が全て同一である場合、いずれか一つの診断結果に対応するようにバッテリーの現在の状態を決定することができる。
【0079】
次に、図3の実施形態のうち、第2実施形態について説明する。
【0080】
サーバー120は、第1診断結果と第2診断結果とが異なり、第2診断結果と第3診断結果とが同一である場合、所定の時間にわたりBMS110から第1診断結果を再受信し、再受信された第1診断結果、第2診断結果及び第3診断結果に基づいて、バッテリーの現在の状態を決定するように構成されてもよい。
【0081】
その後、サーバー120は、再受信された第1診断結果、第2診断結果及び第3診断結果のうち危険度が最も高いレベルを、バッテリーの現在の状態として決定するように構成されてよい。
【0082】
例えば、図3の実施形態のうち、第2実施形態を参照すると、第1診断結果はAであり、第2診断結果及び第3診断結果はBであり得る。この場合、サーバー120は、第2決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定してもよい。サーバー120は、BMS110から第1診断結果を再受信し、再受信された第1診断結果、予め生成された第2診断結果及び第3診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を再び決定してもよい。
【0083】
次に、図3の実施形態のうち、第3実施形態について説明する。
【0084】
サーバー120は、第1診断結果と第2診断結果とが同一であり、第2診断結果と第3診断結果とが異なる場合、複数の診断結果のうち危険度が最も高いレベルをバッテリーの現在の状態として決定するように構成されてよい。
【0085】
例えば、図3の実施形態のうち、第3実施形態を参照すると、第1診断結果及び第2診断結果はAであり、第3診断結果はBであり得る。この場合、サーバー120は、第3決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定してもよい。サーバー120は、AとBのうち危険度がより高い診断結果をバッテリーの現在の状態として決定してもよい。
【0086】
次に、図3の実施形態のうち、第4実施形態について説明する。
【0087】
サーバー120は、第1診断結果と第3診断結果とが同一であり、第3診断結果と第2診断結果とが異なる場合、累積記憶されたバッテリー情報に基づいて状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルを用いてバッテリーに対する第2診断結果及び第3診断結果を再生成し、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を診断するように構成されてよい。
【0088】
例えば、図3の実施形態のうち、第4実施形態を参照すると、第1診断結果及び第3診断結果はAであり、第2診断結果はBであり得る。この場合、サーバー120は、第4~第6決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定してもよい。サーバー120は、状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルを用いて第2診断結果及び第3診断結果を再生成し得る。そして、サーバー120は、BMS110から受信した第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に応じてバッテリーの現在の状態を再診断することができる。
【0089】
最後に、図3の実施形態のうち、第5実施形態について説明する。
【0090】
サーバー120は、複数の診断結果が全て異なる場合、累積記憶されたバッテリー情報に基づいて状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルを用いてバッテリーに対する第2診断結果及び第3診断結果を再生成し、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を診断するように構成されてよい。
【0091】
例えば、図3の実施形態のうち、第5実施形態を参照すると、第1診断結果はAであり、第2診断結果はBであり、第3診断結果はCであり得る。この場合、サーバー120は、第4~第6決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定してもよい。サーバー120は、状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルを用いて第2診断結果及び第3診断結果を再生成し得る。そして、サーバー120は、BMS110から受信した第1診断結果、再生成された第2診断結果及び第3診断結果に応じてバッテリーの現在の状態を再診断することができる。
【0092】
すなわち、図3の実施形態のうち、第4実施形態及び第5実施形態において、サーバー120は、第4~第6決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定することができる。
【0093】
まず、サーバー120は、第4決定規則に従って、累積記憶されたバッテリー情報に基づいて状態推定モデルを再学習させ、再学習された状態推定モデルに基づいて第2診断結果及び第3診断結果を再生成する。そして、サーバー120は、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に対して第1~第3決定規則を適用してバッテリーの現在の状態を決定することができる。例えば、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果が図3の第1~第3実施形態に対応すると、サーバー120は、第1~第3決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定することができる。
【0094】
もし、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果が図3の第4実施形態に対応する場合、サーバー120は、第5決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定せず、通知を出力することができる。すなわち、第1診断結果と再生成された第3診断結果とが同一であり、再生成された第2診断結果と再生成された第3診断結果とが異なる場合、サーバー120は、第5決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定せず、状態推定モデルの異常発生に対する通知を出力するように構成されてよい。
【0095】
もし、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果が図3の第5実施形態に対応する場合、サーバー120は、第6決定規則に従ってバッテリーの現在の状態を決定してもよい。すなわち、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果が全て異なる場合、サーバー120は、第6決定規則に従って状態推定モデルを再学習させることができる。また、サーバー120は、再学習された状態推定モデルに基づいて、第2診断結果及び第3診断結果を再生成することができる。サーバー120は、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定してもよい。ここで、サーバー120は、図3の第1~第5実施形態のうち、第1診断結果、再生成された第2診断結果及び再生成された第3診断結果に対応する実施形態を決定し、決定された実施形態によってバッテリーの現在の状態を決定することができる。
【0096】
本発明に係るBMS110は、バッテリーパックに備えられてもよい。すなわち、本発明に係るバッテリーパックは、上述したBMS110及び一つ以上のバッテリーセルを含んでいてもよい。また、バッテリーパックは、電装品(リレー、ヒューズなど)及びケースなどをさらに含んでいてもよい。
【0097】
図5は、本発明の一実施形態に係るBMS110が備えられるバッテリーパックの例示的な構成を示す図である。
【0098】
バッテリーBの正極端子は、バッテリーパック10の正極端子P+と接続され、バッテリーBの負極端子は、バッテリーパック10の負極端子P-と接続されてもよい。
【0099】
測定部111は、第1センシングラインSL1、第2センシングラインSL2、第3センシングラインSL3、及び第4センシングラインSL4と接続されてもよい。
【0100】
具体的に、測定部111は、第1センシングラインSL1を介してバッテリーBの正極端子に接続され、第2センシングラインSL2を介してバッテリーBの負極端子に接続されてもよい。測定部111は、第1センシングラインSL1と第2センシングラインSL2のそれぞれで測定された電圧に基づいて、バッテリーBの電圧を測定することができる。
【0101】
また、測定部111は、第3センシングラインSL3を介して電流測定ユニットAと接続されてもよい。例えば、電流測定ユニットAは、バッテリーBの充電電流及び放電電流を測定できる電流計またはシャント抵抗器であってもよい。測定部111は、第3センシングラインSL3を介してバッテリーBの充電電流を測定して充電量を算出することができる。また、測定部111は、第3センシングラインSL3を介してバッテリーBの放電電流を測定して放電量を算出することができる。
【0102】
また、測定部111は、第4センシングラインSL4を介してバッテリーBの温度を測定することができる。
【0103】
測定部111が測定したバッテリーBの電圧、電流及び温度は、制御部112及び記憶部113に送信され得る。
【0104】
制御部112は、測定部111から受信したバッテリー情報に基づいてバッテリーBの現在の状態に対応する第1診断結果を生成することができる。そして、制御部112は、生成した第1診断結果をサーバー120に送信することができる。また、制御部112は、サーバー120から、バッテリーBに対応する診断措置を受信し、受信した診断措置に対応するようにバッテリーBの電流量を制限したり、バッテリーBに対する冷却または火災鎮圧を行ったりすることができる。
【0105】
一方、BMS110に備えられた制御部は、本発明で行われる様々な制御ロジックを実行するために、当業界に公知のプロセッサー、 特定用途向け集積回路(ASIC:application-specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路、レジスタ、通信モデム、データ処理装置などを選択的に含んでいてもよい。また、前記制御ロジックがソフトウェアで実現されるとき、前記制御部は、プログラムモジュールの集合で実現されてもよい。このとき、プログラムモジュールはメモリーに記憶され、制御部によって実行され得る。前記メモリーは、制御部の内部にあってもよく外部にあってもよく、様々な周知の手段によって制御部と接続されていてもよい。
【0106】
また、BMS110は、記憶部をさらに含み得る。記憶部は、BMS110の各構成要素が動作及び機能を行うために必要なデータやプログラム、または動作及び機能が行われる過程で生成されるデータなどを記憶することができる。記憶部は、データを記録、消去、更新及び読み出しが可能な公知の情報記憶手段であれば特に限定されない。一例として、情報記憶手段には、RAM、フラッシュメモリー(登録商標)、ROM、EEPROM、レジスタなどが含まれてもよい。また、記憶部は、制御部によって実行可能なプロセスが定義されたプログラムコードを記憶してもよい。
【0107】
図6は、本発明の他の実施形態によるバッテリー診断方法を概略的に示す図である。
【0108】
好ましくは、バッテリー診断方法の各ステップは、バッテリー診断システム100によって行われ得る。以下、説明の便宜上、前述した内容と重複する内容は省略するか、または簡略に説明する。
【0109】
図6を参照すると、バッテリー診断方法は、バッテリー情報取得ステップ、第1診断結果生成ステップ、第2及び第3診断結果生成ステップ、及びバッテリーの現在状態決定ステップを含んでいてもよい。
【0110】
バッテリー情報取得ステップは、バッテリーの温度、電流及び電圧のうち、少なくとも一つを含むバッテリー情報を取得するステップであり、BMS 110によって行われ得る。
【0111】
第1診断結果生成ステップは、バッテリー情報に基づいてバッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成するステップであり、BMS110によって行われ得る。
【0112】
例えば、BMS110は、備えられた診断アルゴリズムにバッテリー情報を入力することで、バッテリーの現在の状態に対応する第1診断結果を生成することができる。
【0113】
第2及び第3診断結果生成ステップは、BMS110からバッテリー情報及び第1診断結果を受信し、予め学習された状態推定モデルに基づいて、バッテリー情報から、バッテリーの現在の状態に対応する第2診断結果と、バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果とを生成するステップであり、サーバー120によって行われ得る。
【0114】
例えば、サーバー120は、予め学習された状態推定モデルにバッテリー情報を入力することにより、バッテリーの現在の状態に対応する第2診断結果と、バッテリーの将来の状態に対応する第3診断結果とを生成することができる。
【0115】
バッテリーの現在状態決定ステップは、第1診断結果、第2診断結果及び第3診断結果の複数の診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定するステップであり、サーバー120によって行われ得る。
【0116】
例えば、図3及び図4を参照すると、サーバー120は、第1診断結果、第2診断結果及び第3診断結果に対応する決定規則に基づいてバッテリーの現在の状態を決定する。
【0117】
また、図6を参照すると、バッテリー診断方法は、診断措置決定ステップ(S500)及びバッテリー制御ステップ(S600)をさらに含んでいてもよい。
【0118】
診断措置決定ステップ(S500)は、決定されたバッテリーの現在の状態に対応するようにバッテリーに対する診断措置を決定するステップであり、サーバー120によって行われ得る。
【0119】
例えば、バッテリーに対する危険度に応じて複数の診断措置を設定でき、サーバー120は、バッテリーの現在の状態に対応する診断措置を決定することができる。診断措置には、電流遮断措置、冷却措置及び火災鎮圧措置のうち、少なくとも一つが含まれてもよい。
【0120】
バッテリー制御ステップ(S600)は、診断措置決定ステップ(S500)で決定された診断措置によってバッテリーを制御するステップであり、BMS110によって行われ得る。
【0121】
まず、BMS110は、決定された診断措置をサーバー120から受信することができる。そして、BMS110は、サーバー120により決定された診断措置によってバッテリーを制御することができる。
【0122】
例えば、BMS110は、バッテリーの現在の状態によって、バッテリーの状態を維持するか、またはバッテリーの電流を遮断することができる。また、BMS110は、バッテリーの現在の状態によって、冷却措置または火災鎮圧を実行することができる。
【0123】
本発明の一実施形態によれば、複数の診断結果に基づいてバッテリーの現在の状態を決定し、このような現在の状態に対応する適切な診断措置を行うことにより、バッテリーを常に安全な状態に維持することができる。また、バッテリーに火災が発生した場合でも、即時火災鎮圧が行われるため、火災によるさらに大きな事故の発生を未然に防ぐことができる。
【0124】
以上説明した本発明の実施形態は、システム及び方法によってのみ実現されるものではなく、本発明の実施形態の構成に対応する機能を実現するプログラムまたはそのプログラムが記録された記録媒体を介して実現されてもよい。このような実現は、上述した実施形態の記載から本発明が属する技術分野の専門家であれば容易に実現できるものである。
【0125】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【0126】
また、以上で説明した本発明は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の置換、変形及び変更が可能であるため、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるのではなく、様々な変形のため各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わせられて構成され得る。
【符号の説明】
【0127】
10 バッテリーパック
100 バッテリー診断システム
110 BMS
111 測定部
112 制御部
113 記憶部
120 サーバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】