(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】金属的外観を有する成形品
(51)【国際特許分類】
C08L 101/00 20060101AFI20231208BHJP
B65D 1/00 20060101ALI20231208BHJP
C08K 3/013 20180101ALI20231208BHJP
C08K 3/34 20060101ALI20231208BHJP
C08K 3/40 20060101ALI20231208BHJP
C08K 7/14 20060101ALI20231208BHJP
C08K 3/08 20060101ALI20231208BHJP
C08K 3/22 20060101ALI20231208BHJP
C08K 9/04 20060101ALI20231208BHJP
B29C 49/22 20060101ALI20231208BHJP
B29C 49/04 20060101ALI20231208BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20231208BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
C08L101/00
B65D1/00 110
C08K3/013
C08K3/34
C08K3/40
C08K7/14
C08K3/08
C08K3/22
C08K9/04
B29C49/22
B29C49/04
B32B27/18 Z
B32B27/20 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533799
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2021091246
(87)【国際公開番号】W WO2022226953
(87)【国際公開日】2022-11-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ファンギュ チェン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンロン パン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チョン
(72)【発明者】
【氏名】ルイジー ペイ
(72)【発明者】
【氏名】ズーフイ シュー
(72)【発明者】
【氏名】ピン ワン
【テーマコード(参考)】
3E033
4F100
4F208
4J002
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
本発明は、十分に金属的な外観及び十分な程度の輝度を有する成形品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの層を備える少なくとも1つの部分を有する成形品であって、前記少なくとも1つの層が、
a)前記層の50重量%~99.98重量%の熱可塑性材料、
b)前記層の0.01重量%~40重量%の金属フレーク、及び
c)前記層の0.01重量%~40重量%の固体粒子、を含み、
前記固体粒子が、0.4~0.8の正反射率及び40%~95%の光透過率によって特徴付けられており、前記固体粒子の前記金属フレークに対する重量比が、0.1~50の範囲である、成形品。
【請求項2】
前記固体粒子の前記金属フレークに対する前記重量比が、0.5~40、好ましくは1~30、より好ましくは2~15の範囲である、請求項1に記載の成形品。
【請求項3】
前記固体粒子が、0.5~0.7の正反射率及び50%~90%の光透過率によって特徴付けられており、前記固体粒子が、好ましくは、雲母、ガラス繊維、SiO2、Al2O3、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み、前記固体粒子が、好ましくは固体フレーク、より好ましくは雲母フレークであり、前記雲母フレークが、好ましくは、KAl2[AlSi3O10][OH]2、KMg3[AlSi3O10][F,OH]2、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み、前記雲母フレークが、好ましくは、TiO2、Fe2O3、ZrO2、Al2O3、及び/又はCr2O3のコーティングを更に備える、請求項1又は2に記載の成形品。
【請求項4】
前記少なくとも1つの層が、0.1重量%~25重量%、好ましくは0.2重量%~15重量%、より好ましくは0.5重量%~10重量%の雲母フレークを含み、好ましくは、前記雲母フレークが、
・1μm~100μm、好ましくは2μm~50μm、より好ましくは3μm~40μm、最も好ましくは5μm~30μmの平均最大直径、及び/又は
・0.01μm~20μm、好ましくは0.05μm~10μm、より好ましくは0.1μm~5μm、最も好ましくは0.5μm~2μmの平均厚さ、及び/又は
・2~1,000、好ましくは3~200、より好ましくは4~100、最も好ましくは5~50のアスペクト比によって特徴付けられている、請求項1~3のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項5】
前記金属フレークが、金属及び/又はその酸化物を含み、前記金属が、アルミニウム、銅、亜鉛、銀、金、パラジウム、クロム並びにそれらの任意の組み合わせ及び/又は合金からなる群から選択され、好ましくは、前記金属フレークが、アルミニウム及び/又はその酸化物を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項6】
前記金属フレークが、有機コーティングを更に備え、前記有機コーティングが、シリコーン、ポリエチレン(PE)ワックス、ポリプロピレン(PP)ワックス、スチレン無水マレイン酸コポリマー、テルペン樹脂、ステアレート、鉱油、シロキサン又はそれらの任意の組み合わせを含み、前記有機コーティングが、好ましくは、シリコーン、PEワックス、PPワックス、シロキサン又はそれらの任意の組み合わせを含む、請求項5に記載の成形品。
【請求項7】
前記少なくとも1つの層が、0.02重量%~15重量%、好ましくは0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.2重量%~2重量%、最も好ましくは0.5重量%~1重量%の金属フレークを含み、好ましくは、前記金属フレークが、
・1μm~100μm、好ましくは3μm~50μm、より好ましくは5μm~30μm、最も好ましくは7μm~25μmの平均最大直径、及び/又は
・0.01μm~10μm、好ましくは0.05μm~1μm、より好ましくは0.10μm~0.50μm、最も好ましくは0.15μm~0.35μmの平均厚さ、及び/又は
・2~1,000、好ましくは5~500、より好ましくは10~200、最も好ましくは30~100のアスペクト比によって特徴付けられている、請求項1~6のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項8】
前記少なくとも1つの層が、70重量%~99.9重量%、好ましくは90重量%~99.8重量%、より好ましくは95重量%~99.6重量%の熱可塑性材料を含み、好ましくは、前記熱可塑性材料が、ポリプロピレン(PP)、塩素化ポリプロピレン(CPP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、塩素化ポリエチレン(CPE)、エチレンプロピレンコポリマー、ポリメチルペンテン(PMP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリ二塩化ビニル(PVDC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール変性PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸とのコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリLグルタミン酸(PGA)、セルロース系プラスチック、ポリラクチド(PLA)、ポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリカプロラクトン(PCL)、熱可塑性澱粉(TPS)、ポリビニルアルコール(PVA)、キトサン、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びそれらのコポリマー、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)及びそれらの組み合わせからなる群から選択される金属イオンを含むエチレンメタクリル酸コポリマー、熱可塑性エラストマー(TPE)、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレンイソプレンスチレンコポリマー(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンコポリマー(SEPS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリブタジエン(TPB)、熱可塑性ポリイソプレン(TPI)、熱可塑性ポリ塩化ビニル(TPVC)、熱可塑性塩素化ポリエチレン(TCPE)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)、熱可塑性フッ化物(TPF)、熱可塑性シリコーン加硫物(TPSiV)、並びにそれらの任意の組み合わせからなる群から選択され、好ましくは、前記熱可塑性材料が、PP、PE、HDPE、LDPE、LLDPE、PS、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項9】
前記成形品が、ピンク色を有し、かつ外層を備え、前記外層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
b)着色剤、
c)前記外層の0.01重量%~0.03重量%のアルミニウムフレークであって、前記アルミニウムフレークが10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)前記外層の0.5重量%~2重量%の雲母フレークであって、前記雲母フレークがTiO2のコーティングを有するKAl2[AlSi3O10][OH]2を含む、雲母フレーク、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項10】
前記成形品が、オレンジ色を有し、かつ外層を備え、前記外層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
b)着色剤、
c)前記外層の0.01重量%~0.03重量%のアルミニウムフレークであって、前記アルミニウムフレークが10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)前記外層の0.5重量%~2重量%の雲母フレーク、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項11】
前記成形品が、青色を有し、かつ外層を備え、前記外層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
b)着色剤、
c)前記層の0.3重量%~0.5重量%のアルミニウムフレークであって、前記アルミニウムフレークが10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)前記層の0.1重量%~0.3重量%の雲母フレークであって、前記雲母フレークがTiO2のコーティングを有するKAl2[AlSi3O10][OH]2を含む、雲母フレーク、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項12】
前記成形品が、銀色を有し、かつ単一層からなり、前記単一層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
c)前記層の0.2重量%~0.4重量%のアルミニウムフレークであって、前記アルミニウムフレークが10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)前記層の0.5重量%~0.7重量%の雲母フレークであって、前記雲母フレークがTiO2のコーティングを有するKAl2[AlSi3O10][OH]2を含む、雲母フレーク、を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項13】
前記成形品が、押出ブロー成形品、射出成形品、射出ブロー成形品、及び射出延伸ブロー成形品からなる群から選択され、前記成形品が、好ましくは押出ブロー成形品である、請求項1~12のいずれか一項に記載の成形品。
【請求項14】
成形品を製造するためのプロセスであって、
d)溶融熱可塑性材料、金属フレーク、及び固体粒子を混合して、ブレンドを形成する工程であって、前記ブレンドが、50重量%~99.98重量%の前記溶融熱可塑性材料、0.01重量%~40重量%の前記金属フレーク、及び0.01重量%~40重量%の前記固体粒子を含み、前記固体粒子が、0.4~0.8の正反射率及び40%~90%の光透過率によって特徴付けられており、前記固体粒子の前記金属フレークに対する重量比が、0.1~50の範囲である、工程、
e)前記ブレンドを、単独で、若しくは1つ以上の他のブレンドと共に押出又は注入して、パリソン又はプリフォームを形成する工程、及び
f)前記パリソン又はプリフォームを金型内でブローして、成形品を形成する工程、を含み、
前記成形品が、前記ブレンドによって形成される少なくとも1つの層を備える少なくとも1つの部分を有する、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、十分に金属的な外観及び十分な程度の輝度の両方を有する成形品、並びにそれを製造するためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性材料で作製された物品は、ヘアケア製品(例えば、シャンプー)、美容製品(例えば、化粧品)、布地ケア製品(例えば、液体洗剤)、食品及び家庭用品の包装などの消費財に広く使用されてきた。金属的外観(又は「金属的効果」とも呼ばれる)は、消費者によって高品質の外観として認識されている。成形プラスチック製品は、ますます人気が高まっている。金属的外観を達成するために、従来の製造プロセスは、真空メタライゼーション、スパッタリング、スプレー、又は塗装などの成形後の装飾プロセスを使用して、成形プラスチック製品上に金属的コーティングを形成することである。しかし、それらの成形後の装飾プロセスは、環境汚染、安全上の問題、一貫性のない品質、リサイクル性の欠如、耐久性の低下など、一連の問題を引き起こす可能性がある。特に、それらの成形後の装飾プロセスで処理された製品の不良率は高い。また、一部の化学薬品の存在下で、又はヒンジ付きの製品のヒンジの回転により、コーティング材料が剥がれる可能性がある。更に、耐擦傷性は輸送及び取り扱いに十分ではない可能性がある。そのようなプロセスは非常に高価であるため、コストはもう1つの欠点である。
【0003】
最近、金属的外観を提供するための代替技術が開発されてきた。特に、金属粒子は、成形前に熱可塑性材料に顔料又はマスターバッチとして加えられ得、その結果、金属粒子が、熱可塑性材料によって形成された成形品全体に分布して、金属的効果をもたらす。一方、成形品中に存在する金属粒子が少なすぎる場合、物品は、プレミアム感を消費者に伝えるのに十分に「金属的」であるように見えない。他方、成形品は、より多くの金属粒子が添加されることによって改善された金属的外観を有し得るが、物品は、消費者にとって魅力的でないより暗い色調を呈し始める場合がある。この引張点は、押出ブロー成形(extrusion blow molded、EMB)品において特に明らかであり、これは、一般に、射出延伸ブロー成形(injection stretch blow molded、ISBM)品と比較して、表面による光の拡散及び吸収のために更に暗く見える傾向がある、より滑らかでない表面を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、審美的に心地よく、消費者に魅力的である、十分に金属的な外観及び十分な程度の輝度の両方によって特徴付けられる、成形品、特に押出ブロー成形(EBM)品を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、本発明者らは、金属フレークを、反射性及び透光性の両方を有する固体粒子(例えば、雲母、ガラス繊維、SiO2、Al2O3など)と共に特定の重量比で熱可塑性材料に添加すると、成形品が予想外に改善された程度の輝度及び十分に金属的な外観を示すことを見出した。
【0006】
本発明は少なくとも1つの層を備える少なくとも1つの部分を有する成形品であって、少なくとも1つの層が、a)当該層の50重量%~99.98重量%の熱可塑性材料、b)当該層の0.01重量%~40重量%の金属フレーク、及びc)当該層の0.01重量%~40重量%の固体粒子を含み、当該固体粒子が、0.4~0.8の正反射率及び40%~95%の光透過率によって特徴付けられており、当該固体粒子の当該金属フレークに対する重量比が、0.1~50の範囲である、成形品に関する。
【0007】
本発明はまた、成形品を製造するためのプロセスであって、
a)溶融熱可塑性材料、金属フレーク、及び固体粒子を混合して、ブレンドを形成する工程であって、ブレンドが、50重量%~99.98重量%の当該溶融熱可塑性材料、0.01重量%~40重量%の当該金属フレーク、及び0.01重量%~40重量%の当該固体粒子を含み、当該固体粒子が、0.4~0.8の正反射率及び40%~95%の光透過率によって特徴付けられており、当該固体粒子の当該金属フレークに対する重量比が、0.1~50の範囲である、工程、
b)当該ブレンドを、単独で、若しくは1つ以上の他のブレンドと共に押出又は注入して、パリソン又はプリフォームを形成する工程、及び
c)当該パリソン又はプリフォームを金型内でブローして、成形品を形成する工程、を含み、
当該成形品が、当該ブレンドによって形成される少なくとも1つの層を備える少なくとも1つの部分を有する、プロセスに関する。
【0008】
本発明のこれらの特徴及びその他の特徴は、以下の詳細な説明を添付の特許請求の範囲と併せて検討することで当業者には明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】光反射モード下での本発明によって使用される、金属フレーク及び雲母フレークの顕微鏡図である。
【
図1B】光透過モード下での本発明によって使用される、金属フレーク及び雲母フレークの顕微鏡図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
定義
別途記載のない限り、全ての百分率は組成物の重量を基準にした重量パーセントである。特に記載されない限り、全ての比率は重量比である。全ての数値範囲は、より狭い範囲を含む。区切られた上下の範囲制限は、明示的に区切られていない更なる範囲を作る上で互換性がある。有効桁数は、指示されている量を限定するものでもなく、測定の精度を限定するものでもない。全ての測定は、約25℃かつ周囲条件で行われるものとして理解され、その場合、「周囲条件」とは、約1気圧及び約50%の相対湿度での条件を意味する。
【0011】
本明細書で使用するとき、「物品」は、例えば、ボトル、チューブ、トトル、ハンドル、パイプなどの個々の成形品を指す。好ましくは、物品は容器であり、その非限定的な例には、ボトル、トトル、ジャー、カップ、キャップなどが含まれる。用語「容器」は、容器の閉じ部又はディスペンサーなどの容器の要素を網羅するのに使用される。そのような容器に収容される組成物は、洗剤(例えば、洗濯洗剤、布地柔軟剤、食器洗い、スキンケア、ヘアケア)、飲料、粉末、紙(例えば、ティッシュ、ワイプ)、美容用組成物(例えば、化粧品、ローション)、医薬、口腔ケア(例えば、歯磨き粉、うがい薬)などを含むがそれらに限定されない、様々な組成物のいずれかであり得る。容器は、その中に収容される組成物を保管する、輸送する、又は分注するために使用され得る。容器内に収容可能な容積の非限定的例としては、10ml、100ml、500ml、又は1000ml~1500ml、2000ml、又は4000mlである。
【0012】
本明細書で使用される「層」は、物品を形成する材料のマクロスケール層を意味する。典型的に、マクロスケール層の厚さは、約0.01mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、又は0.5mm~約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、5mm、10mm、20mm又は30mmである。「一層の重量で」という用語は、全物品の重量ではなく、存在する層の重量での成分の割合を指す(当然のことながら、全物品が単一層で作製されている場合を除く)。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「フレーク(単数又は複数)」は、少なくとも2、好ましくは少なくとも5、より好ましくは少なくとも10、最も好ましくは少なくとも20のアスペクト比を有する粒子を指す。
【0014】
本明細書で使用される場合、用語「アスペクト比」は、物体の平均厚さに対する平均最大直径の比を指す。
【0015】
本明細書で使用するとき、「a」及び「an」などの冠詞は、特許請求の範囲において使用されるときは、特許請求されている又は記載されるもののうちの1つ以上を意味するものと理解される。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「含む(comprise、comprises、comprising)」、「包含する(include、includes、including)」、「含有する(contain、contains、containing)」は、非限定的であり、即ち、最終結果に影響を及ぼすことのない他の工程及び他の成分を加えることができることを意図している。上記用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が包含される。
【0017】
物品
驚くべきことに、本発明の発明者らは、本開示による成形品が、金属フレーク、並びに正反射率及び光透過率を有する固体粒子(即ち、固体フレークが反射性及び透光性の両方を有する)を、特定の重量比で熱可塑性材料に共に添加すると、十分に金属的な外観及び改善された程度の輝度の両方を有することができることを見出した。
【0018】
特に、本発明の一態様によれば、少なくとも1つの層を備える少なくとも1つの部分を有する成形品であって、少なくとも1つの層が、a)当該層の約50重量%~約99.98重量%の熱可塑性材料、b)当該層の0.01重量%~40重量%の金属フレーク、及びc)当該層の0.01重量%~40重量%の固体粒子を含み、当該固体フレークが、0.4~0.8の正反射率及び40%~95%の光透過率によって特徴付けられており、当該固体粒子の当該金属フレークに対する重量比が、0.1~50の範囲である、成形品が提供される。
【0019】
いかなる理論にも束縛されるものではないが、このような反射性かつ透光性固体粒子は、金属フレークによって反射された光をより良好に方向付け/誘導して、物品の金属的外観(フロップインデックスによって測定される)を著しく犠牲にすることなく、改善された程度の輝度(L45及び/又はL110値、好ましくはL110値によって測定される)を提供することができると考えられる。このような固体粒子の金属フレークに対する重量比は、金属的外観と輝度との間の所望のバランスを達成するために重要である。例えば、重量比が0.1未満である場合、成形品中にあまりにも多くの金属フレークが存在し、これは、金属性が高いが暗い外観をもたらし得る。しかし、重量比が50を超えると、成形品中に存在する金属フレークが少なすぎて、高い程度の輝度であるが、(金属的ではなく)ペースト状の外見をもたらす。
【0020】
好ましくは、当該少なくとも1つの層に含まれる、当該固体粒子の当該金属フレークの重量比は、0.5~40、好ましくは1~30、より好ましくは2~15の範囲である。例えば、当該少なくとも1つの層は、0.1重量%~25重量%、好ましくは0.2重量%~15重量%、より好ましくは0.5重量%~10重量%の当該固体粒子を含み得る。当該少なくとも1つの層は、0.02重量%~15重量%、好ましくは0.1重量%~10重量%、より好ましくは0.2重量%~2重量%、最も好ましくは0.5重量%~1重量%の当該金属フレークを含み得る。
【0021】
当該少なくとも1つの層は、70重量%~99.9重量%、好ましくは90重量%~99.8重量%、より好ましくは95重量%~99.6重量%の当該熱可塑性材料を含み得る。
【0022】
用語「物品」は、成形プロセスによって形成されたアイテム、包装、又は容器を指す。そのような包装又は容器は、洗剤(例えば、洗濯ケア、食器洗い、スキンケア、ヘアケア)、飲料、粉末、紙(例えば、ティッシュ、ワイプ)、美容用組成物(例えば、化粧品、ローション)、医薬又は口腔ケア用製品(例えば、歯磨き粉、うがい薬)などを含むがそれらに限定されない、異なる組成物を収容するのに適し得る。組成物は、液体、半液体、固体、半固体、ゲル、エマルジョン、エアロゾル、フォーム、ガス状、又はそれらの組み合わせであり得る。物品は、チューブ、ハンドル、パイプなど、その中に含まれる組成物を保管、輸送、又は分注するために使用され得る。他の成形品には、例えば、ボトル、キャップ、ポンプ、ボックス、ジャー及びカップを挙げることができる。物品は、更に加工され得る中間形態、例えば、パリソン又はプリフォームから形成され得る。特に、物品は、EBM用のパリソン(即ち、パリソンが、押出成形プロセスによって成形され、次いで冷却され、ブロー成形プロセスに通される)又はISBM用のプリフォーム(即ち、プリフォームが、射出成形プロセスによって成形され、次いで冷却され、延伸ブロー成形プロセスに通される)から形成され得る。
【0023】
本開示による物品は、少なくとも1つの層、例えば、1層、2層、又は3層を含み得る。いくつかの実施形態では、層は積層されなくてもよい。上記の少なくとも1つの層は、成形品が2つ以上の層を備える場合、好ましくは外層であるか、又は透明な外層によって覆われた中間層である。
【0024】
物品の個々の層の厚さは、約0.1mm~約50mm、好ましくは約0.3mm~約30mm、より好ましくは約0.5mm~約20mm、最も好ましくは約0.6mm~約10mm、例えば、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1.0mm、3.0mm、5.0mm、7.0mm、9.0mm、又はそれらの間の任意の範囲であり得る。
【0025】
本開示による物品は、必ずしもではないが、好ましくは5~30、好ましくは6~25、より好ましくは7~20、より好ましくは8~15、最も好ましくは10~14のフロップインデックスによって特徴付けられる、十分に金属的な外観を有する。本開示の物品はまた、必ずしもではないが、好ましくは30~70、好ましくは35~65、より好ましくは40~60のL110値によって特徴付けられる、(金属フレークのみを含有するが固体フレークを含有しない同様の物品と比較して)改善された輝度を有する。消費者の知覚に満足のいくフロップインデックス及びL110値は、物品の色に依存して広く変化し得るので、これらのパラメータは、一方の物品の他方の物品に対する優位性を実証する際に、それらの絶対値よりもむしろそれらの比較値についてより多く考慮されるべきである。
【0026】
本開示による物品は、押出ブロー成形(EBM)品、射出成形(injection molded、IM)品、射出ブロー成形(injection blow molded、IBM)品、又は射出延伸ブロー成形(ISBM)品であり得る。好ましくは、物品は、暗い外観の課題が特に深刻であるEBM品である。しかし、改善された輝度の同様の技術的利点は、IM品、IBM品、又はISBM品においても観察することができる。
【0027】
熱可塑性材料
本発明の実施に適した熱可塑性樹脂は、塩素化ポリプロピレン(CPP)を含むポリプロピレン(PP)、高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、塩素化ポリエチレン(CPE)などを含むポリエチレン(PE)、ポリメチルペンテン(PMP)、環状オレフィンコポリマー(COC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)、ポリ二塩化ビニル(PVDC)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルスチレン(AS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリアクリロニトリル(PAN)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール変性PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸とのコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリLグルタミン酸(PGA)、セルロース系プラスチック、ポリラクチド(PLA)、ポリブチレンアジペートコテレフタレート(PBAT)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンサクシネートアジペート(PBSA)、ポリカプロラクトン(PCL)、熱可塑性澱粉(TPS)、ポリビニルアルコール(PVA)、キトサン、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びそれらのコポリマー、亜鉛(Zn)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)又は他の金属イオンとのエチレンメタクリル酸コポリマー、スチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(SBS)、スチレンイソプレンスチレンコポリマー(SIS)、スチレンエチレンブチレンスチレンブロックコポリマー(SEBS)、スチレンエチレンプロピレンスチレンコポリマー(SEPS)、熱可塑性オレフィン(TPO)、熱可塑性加硫物(TPV)、熱可塑性ポリブタジエン(TPB)、熱可塑性ポリイソプレン(TPI)、熱可塑性ポリ塩化ビニル(TPVC)、熱可塑性塩素化ポリエチレン(TCPE)、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)、熱可塑性ポリアミドエラストマー(TPAE)、熱可塑性フッ化物(TPF)、熱可塑性シリコーン加硫物(TPSiV)、それらのコポリマーを含むがそれらに限定されない熱可塑性エラストマー(TPE)、又はそれらの任意の組み合わせを含む当該熱可塑性材料からなる群から選択され得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、本発明による物品は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレンカーボネート(PPC)、ポリLグルタミン酸(PGA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、グリコール変性PCTコポリマー(PCTG)、シクロヘキサンジメタノールとテレフタル酸とのコポリエステル(PCTA)、ポリブチレンテレフタレート(PBCT)、アクリロニトリルスチレン(AS)、スチレンブタジエンコポリマー(SBC)、又はポリオレフィン、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLPDE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、プロピレン(PP)及びそれらの組み合わせのうちの1つを含み得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、本発明による物品は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、又はそれらの任意の組み合わせ、好ましくは、PP、PE(例えば、HDPE、LDPE、LLDPE)、PS又はそれらの任意の組み合わせ、より好ましくは、PP、PE又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0030】
本発明の成形品を製造するために使用される上述の熱可塑性材料は、未使用材料であり得るか、又はそれらは、リサイクル材料若しくは未使用材料とリサイクル材料の両方の組み合わせ/ブレンドであり得る。
【0031】
固体粒子
本発明で使用される固体粒子は、反射性及び透光性の両方を有し、(1)0.4~0.8、好ましくは0.5~0.7、例えば0.5、0.55、0.6、0.65、又はこれらの間の任意の範囲の正反射率、及び(2)40%~95%、好ましくは50%~90%、例えば55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、又はこれらの間の任意の範囲の光透過率によって特徴付けられる。本発明に使用される固体粒子は、得られる成形品が、十分に金属的な外観及び改善された程度の輝度を有することを確実にするために、上記の正反射率及び光透過率を有することが重要である。対照的に、金属フレークは、高反射性であるが、透光性ではない。
図1A及び1Bによって示されるように、本開示の実施例で使用される白雲母フレークは、光反射モード下で反射性(金属フレークほど反射性ではないが)であり、光透過モード下で透光性である。
【0032】
固体粒子は、雲母、ガラス繊維、SiO2、Al2O3、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含み得る。
【0033】
当該固体粒子は、任意の形状、例えば、球形、立方体、長方形、楕円形、管状、平坦などを有し得る。好ましくは、当該固体粒子は、アスペクト比が少なくとも2、好ましくは2~1,000、より好ましくは3~200、更により好ましくは4~100、最も好ましくは5~50、例えば、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、又はそれらの間の任意の範囲であるフレークである。
【0034】
好ましくは、当該固体粒子は、雲母フレークである。より好ましくは、当該雲母フレークは、KAl2[AlSi3O10][OH]2、KMg3[AlSi3O10][F,OH]2、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む。雲母フレークは、高屈折率又は低屈折率のいずれかを有する金属酸化物から形成された1つ以上の表面コーティング層を有し得る。そのようなコーティング層は、TiO2、Fe2O3、ZrO2、Al2O3、Cr2O3、及びそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される材料を含み得る。コーティングプロセスは、所望のコーティングの光学的厚さを制御する湿式化学手順による。コーティングされる場合、雲母フレークの光透過率値を40%未満に低減させるためにコーティング層が厚すぎないことを確実にすることが重要である。
【0035】
本発明での使用に適した雲母フレークの一例は、KAl2[AlSi3O10][OH]2のベース材料及びTiO2コーティングを備える、白雲母である。本発明での使用に適した雲母フレークの別の例は、コーティングなしでKMg3[AlSi3O10][F,OH]2のベース材料を含む、金雲母である。金色又は銀色の他のコーティングされた/コーティングされてない雲母フレークも使用することができる。
【0036】
雲母フレークは、1μm~100μm、好ましくは2μm~50μm、より好ましくは3μm~40μm、最も好ましくは5μm~30μm、例えば、6μm、8μm、10μm、15μm、18μm、20μm、22μm、24μm、28μm、又はそれらの間の任意の範囲の平均最大直径によって特徴付けられ得る。雲母フレークはまた、0.01μm~20μm、好ましくは0.05μm~10μm、より好ましくは0.1μm~5μm、最も好ましくは0.5μm~2μm、例えば、0.6μm、0.8μm、1μm、1.2μm、1.4μm、1.6μm、1.8μm、又はそれらの間の任意の範囲の平均厚さによって特徴付けられ得る。雲母フレークは、2~1,000、好ましくは3~200、より好ましくは4~100、最も好ましくは5~50、例えば、6、8、10、15、20、25、30、35、40、45、又はそれらの間の任意の範囲のアスペクト比によって更に特徴付けられ得る。
【0037】
金属フレーク
本発明の金属フレークは、金属及び/又はその酸化物、好ましくはアルミニウム及び/又はその酸化物、銀及び/又はその酸化物、銅及び/又はその酸化物、金及び/又はその酸化物、パラジウム及び/又はその酸化物、クロム及び/又はその酸化物、若しくはそれらの任意の組み合わせ、より好ましくは、アルミニウム及び/又はその酸化物を含み得る。更に、金属フレークは、コア及び上記コアの外側の有機コーティングを含み得、上記コアは、金属及び/又はその酸化物を含み得、上記有機コーティングは、シリコーン、PEワックス、PPワックス、スチレン無水マレイン酸コポリマー、テルペン樹脂、ステアレート、鉱油、シロキサン又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。好ましくは、コーティングは、PEワックス、PPワックス、シロキサン又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、金属フレークは、黄、金、赤、緑、青などを含む様々な着色顔料、並びに真珠光沢を含むいくつかの特殊効果マスターバッチ、又は他の添加剤と組み合わせることができる。
【0039】
本発明の金属フレークは、好ましくは、1μm~100μm、好ましくは3μm~50μm、より好ましくは5μm~30μm、最も好ましくは7μm~20μm、例えば、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、12μm、14μm、16μm、18μm、若しくはそれらの間の任意の範囲の平均最大直径によって特徴付けられる。金属フレークはまた、0.01μm~10μm、好ましくは0.05μm~1μm、より好ましくは0.10μm~0.50μm、最も好ましくは0.15μm~0.35μm、例えば、0.10μm、0.12μm、0.14μm、0.16μm、0.18μm、0.20μm、0.22μm、0.24μm、0.26μm、0.28μm、若しくはそれらの間の任意の範囲の平均厚さによって特徴付けられ得る。金属フレークは、3~1,000、好ましくは5~500、より好ましくは10~200、最も好ましくは30~100、例えば、10、15、18、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、80、90、又はそれらの間の任意の範囲のアスペクト比によって更に特徴付けられ得る。
【0040】
添加剤
物品は、物品又は物品の層の約0.1重量%、0.3重量%、0.5重量%又は1重量%~約5重量%、10重量%、15重量%又は20重量%の添加剤を含む。構造的完全性を確保し、リサイクルを容易かつ効率的にするために、物品に存在する添加剤の量は少量である。
【0041】
多種多様な添加剤が本明細書での使用に適している。一実施形態では、添加剤は、内部潤滑剤及び/又は過酸化物であり得る。特に、層は、上記層の0.1重量%~5重量%の内部潤滑剤、好ましくはエチレンビス(ステアラマイド)及び/又は過酸化物を更に含む。理論に縛られることは望まないが、内部潤滑剤及び/又は過酸化物の添加は、樹脂の粘度を低下させることによって3層構造を形成するのに役立つ。
【0042】
他の実施形態では、周囲温度下での物理的状態(即ち、液体又は固体又は気体)、臭気特性、商業的入手性、コストなどを含むがそれらに限定されない他の特性のために、いくつかの添加剤が好ましい場合がある。
【0043】
好ましくは、添加剤は、アルコール、油、シロキサン流体、水、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0044】
一実施形態では、添加剤は、好ましくはジオール、トリオール、及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるアルコールである。より好ましくは、添加剤は、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセロール、ブタンジオール、ブタントリオール、ポリ(プロピレングリコール)、それらの誘導体、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。最も好ましくは、添加剤はグリセロールである。
【0045】
別の実施形態では、添加剤は、植物油、動物油、石油由来の油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される油である。例えば、添加剤は、獣脂、ラード、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される動物油であり得る。好ましくは、添加剤は、ゴマ油、大豆油、落花生油、オリーブ油、ヒマシ油、綿実油、パーム油、キャノーラ油、サフラワー油、ヒマワリ油、コーン油、トール油、米糠油、それらの誘導体及びそれらの組み合わせから選択される植物油である。
【0046】
更なる実施形態では、添加剤はシロキサン流体であり、直鎖又は分枝状ポリマー又はコポリマーであり得る。例えば、シロキサン流体は、ヒドロキシル、ビニル、アミン、フェニル、エチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される1つ以上のペンダント基又は末端基を有するジオルガノシロキサンであり得る。他の適切なシロキサン流体は、ポリジメチルシロキサンホモポリマー、本質的にジメチルシロキサン単位及びメチルフェニルシロキサン単位からなるコポリマー、本質的にジフェニルシロキサン単位及びメチルフェニルシロキサン単位からなるコポリマーを含む。そのようなシロキサン流体ポリマー及びコポリマーの2つ以上の混合物を使用してもよい。
【0047】
一実施形態では、添加剤は、シロキサン流体、好ましくはポリジメチルシロキサンである。
【0048】
いくつかのその他の実施形態では、本発明品は、着色料(例えば、顔料、染料、又はそれらの組み合わせ)、二酸化チタン、真珠光沢剤、充填剤、硬化剤、静電防止剤、UV安定剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、触媒安定剤、核剤、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0049】
異なる色を有する好ましい物品
本発明の成形品は、異なる色を有し得、そのような着色成形品の成分及び好ましい組成物は、わずかに延期し得る。
【0050】
例えば、当該成形品が、ピンク色を有する場合、それは、内層、中間層、及び外層を有する多層品であり得る。好ましくは、それは、外層(又は透明な外層によって覆われた中間層)を備え、外層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
b)着色剤、
c)当該外層の0.01重量%~0.03重量%のアルミニウムフレークであって、当該アルミニウムフレークが、10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)当該外層の0.5重量%~2重量%の雲母フレークであって、当該雲母フレークが、TiO2のコーティングを有するKAl2[AlSi3O10][OH]2を含む、雲母フレーク、を含む。
【0051】
成形品が、オレンジ色を有する場合、それは、内層、中間層、及び外層を有する多層品であり得る。好ましくは、それは、外層(又は透明な外層によって覆われた中間層)を備え、外層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
b)着色剤、
c)当該外層の0.01重量%~0.03重量%のアルミニウムフレークであって、当該アルミニウムフレークが、10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)当該外層の0.5重量%~2重量%の雲母フレーク、を含む。
【0052】
成形品が、青色を有する場合、それは、内層、中間層、及び外層を有する多層品であり得る。好ましくは、それは、外層(又は透明な外層によって覆われた中間層)を備え、外層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
b)着色剤、
c)当該層の0.3重量%~0.5重量%のアルミニウムフレークであって、当該アルミニウムフレークが、10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)当該層の0.1重量%~0.3重量%の雲母フレークであって、当該雲母フレークが、TiO2のコーティングを有するKAl2[AlSi3O10][OH]2を含む、雲母フレーク、を含む。
【0053】
成形品が、銀色を有する場合、それは、単一層からなり得、単一層が、
a)PE、好ましくはHDPE、
c)当該層の0.2重量%~0.4重量%のアルミニウムフレークであって、当該アルミニウムフレークが、10μm~35μmの平均最大直径を有する、アルミニウムフレーク、及び
d)当該層の0.5重量%~0.7重量%の雲母フレークであって、当該雲母フレークが、TiO2のコーティングを有するKAl2[AlSi3O10][OH]2を含む、雲母フレーク、を含む。
【0054】
製造プロセス
本発明の一態様は、押出ブロー成形(EBM)、射出成形(IM)、射出ブロー成形(IBM)、又は射出延伸ブロー成形(ISBM)のいずれかによって物品を製造するためのプロセスを対象とする。好ましくは、本発明品を製造するためのプロセスは、EBM法である。
【0055】
好ましくは、上記の金属フレーク及び固体フレークは、最初にキャリア(例えば、熱可塑性材料)と組み合わされて、マスターバッチを形成する。より好ましくは、マスターバッチは、周囲温度下で熱可塑性材料と添加剤とを混合すること、熱可塑性材料、金属フレーク、及び固体フレークの混合物を押出機(例えば、二軸スクリュー押出機)中で押出して、ペレットを形成すること、並びに次いで、ペレットを水浴中で冷却して、ブレンド、即ちマスターバッチを形成することによって形成される。熱可塑性材料、金属フレーク、及び固体フレークを混合する工程は、好ましくは、金属及び固体フレークと熱可塑性材料との間の化学結合を最小化するために、周囲温度下で操作される。次いで、マスターバッチをほとんど同じ熱可塑性材料と更に混合して、ブロー成形ブレンドを形成する。マスターバッチは、特定の補助成分(例えば、着色剤)を含み得る。例えば、マスターバッチは、典型的には、容器に色を提供するために使用されるカラーマスターバッチである。
【0056】
あるいは、金属フレーク及び固体フレークは、熱可塑性材料に直接、即ちマスターバッチを形成することなく添加される。金属フレーク及び固体フレークと熱可塑性材料との組み合わせは、好ましくは均一に混合されて、ブロー成形ブレンドを形成する。
【0057】
次に、ブロー成形ブレンドをブローすることは、EBM、IM、IBM、又はISBMのような任意のブロー成形プロセスによって行うことができる。EBMプロセスでは、上記のブロー成形ブレンドを溶融し、パリソンに押出し、続いてブロー成形プロセスを行う。ISBM又はIBMプロセスでは、上記のブロー成形ブレンドを溶融し、プリフォームに射出し、続いてブロー成形プロセス又は延伸ブロー成形プロセスを行う。EBM法が好ましい。多層の実施において、多層を備える容器は、ブロー成形のタイプに応じて多層パリソン又はプリフォームから作製される。
【0058】
好ましいEBMプロセスにおいて、押出温度は、好ましくは、HDPEについては160℃~210℃(例えば、210℃、190℃、180℃、170℃、160℃、又はそれらの間の任意の値)、PPについては150℃~180℃(例えば、180℃、170℃、160℃、155℃、150℃)の範囲であり、押出速度は、HDPEについては約20~40rpm、PPについては約40~60rpmである。ブロー成形ダイ温度は、好ましくは、HDPEについては200℃~220℃、PPについては170℃~190℃の範囲である。金型温度は室温付近である。
【0059】
試験方法
試験1:正反射率
サンプル固体粒子の正反射率は、0.01gの試料粒子を秤量し、それを100mLのエタノール中に分散させることによって測定される。シリンジを用いて分散液を抽出し、75×25mmのガラススライド上に0.04mlのそのような分散液を投与する。そのような分散液を有するガラススライドを、エタノールを蒸発させるために約5分間周囲空気中に放置する。
【0060】
25×25mmの面積及び0.37μmの粗さを有するアルミニウム箔を、鏡面反射率計算のためのベンチマークサンプルとして使用する。アルミニウム箔を、画像取得のために光学顕微鏡(例えば、Olympus BX51)に移す。画像取得設定は、トップライトモード、接眼レンズX10、対物レンズX50、露光時間:1/150秒、コントラストレベル:正常、鮮明度:正常を含む。
【0061】
取得された画像は、1360×1024ピクセルの解像度で8ビットのTiffフォーマットで記憶される。アルミニウム箔について取得された画像は、適切な露出及びコントラストを有するべきであり、平均グレーレベルは、約210~240である。Al正反射グレーレベルは、画像上の10μm×10μmの矩形領域の平均グレーレベルをとることによって測定される。平均Al正反射グレーレベルは、5つの複製領域の平均をとることによって計算される。
【0062】
乾燥した分散体を有するガラススライドを、アルミニウム箔に使用したものと同じ画像取得設定に従って光学顕微鏡に移す。サンプル固体粒子の正反射グレーレベルは、粒子面積の少なくとも2/3をカバーする粒子内のある面積の平均グレーレベルをとることによって測定される。
【0063】
粒子の正反射率(SRR)は、
SRR=粒子の正反射率グレーレベル/平均Al正反射率グレーレベルのように計算される。
【0064】
サンプル固体粒子の最終正反射率は、5つの粒子の平均正反射率比をとることによって計算される。
【0065】
試験2:光透過率測定
サンプル固体粒子の光透過率は、0.01gのそのようなサンプル固体粒子を秤量し、次いでそれを100mLのエタノール中に分散させることによって測定される。シリンジを用いて分散液を抽出し、75×25mmのガラススライド上に0.04mlのそのような分散液を投与する。そのような分散液を有するガラススライドを、エタノールを蒸発させるために約5分間周囲空気中に放置する。
【0066】
次いで、スライドガラスを、画像取得のために光学顕微鏡(例えば、Olympus BX53)に移す。画像取得設定は、バックライトモード、接眼レンズX10、対物レンズX40、露光時間:160μs、コントラストレベル:3、ビン:1、ゲイン:0.5を含む。
【0067】
取得された画像は、77.5nm/ピクセルの解像度で8ビットのTiffフォーマットで記憶される。取得された画像は、適切な露出及びコントラストを有するべきであり、背景(粒子のない領域)は、約210~240のグレーレベルを有する。背景グレーレベルは、画像上の背景領域における10μm×10μmの矩形領域の平均グレーレベルをとることによって測定される。平均背景グレーレベルは、5つの複製背景グレーレベルの平均をとることによって計算される。
【0068】
サンプル固体粒子の透過グレーレベルは、粒子面積の少なくとも2/3をカバーする粒子内のある面積の平均グレーレベルをとることによって測定される。
【0069】
サンプル固体粒子の光透過率は、
光透過率=粒子の透過グレーレベル/平均背景グレーレベルのように計算される。
【0070】
サンプル固体粒子の最終光透過率は、5つの粒子の平均光透過率をとることによって計算される。
【0071】
試験3:L15/L45/L110及びフロップインデックス測定
L15、L45、L110、及びフロップインデックス(FI)値は、ASTM E2539に従って測定することができる。適切な測定装置には、エックスライト社のマルチアングル光度計MA98が挙げられる。
【0072】
L*
15°又はL15は、反射方向から法線に対して15°である角度で測定された光度を表し、L*
110°又はL110は、反射方向から法線に対して110°である角度で測定された光度である。L*
45°又はL45は、法線で測定された光度である。L45及びL110の両方を使用して、拡散反射方向における白色度又は輝度を評価することができる。本開示において、L110は、主に、成形品の輝度を評価するために使用される。
【0073】
フロップインデックス即ち「FI」は、色の光度の変化の特性であり、金属的外観のための非常に重要な尺度である。特に、FIは異なる散乱角での明度の変化を示す。以下の式で数学的に計算され得る。
【0074】
【数1】
入射光は表面に対して45°であり、鏡の反射方向は、表面に垂直な法線の反対側で対称になる。フロップインデックスは、様々な観測角度でのLの変化を示し、FIが高いほど、より明暗のコントラスト、故により明白な効果を意味する。
【実施例】
【0075】
本明細書に記載の実施例は、本発明を例示することを意味するが、本発明の範囲を制限又は他の方法で規定するために使用するものではない。
【0076】
実施例1:雲母フレークを添加した成形品の改善された輝度(L110)
以下の表1に示すように、本発明品1及び比較品Aを含む2つの成形品は、従来のEBMプロセスによって調製される。
【0077】
【0078】
本発明品1は、83%のPP-RP5052樹脂(Lyondellbasell,Polymirae Co.,Ltd.Yeosu,Koreaから入手)、及びアルミニウムフレークShinemax Advanced Materials Co.Ltd.Shenzhen,Chinaから入手)と雲母フレーク(Shanghai Jinzhu Color Co.,Ltd.Shanghai,Chinaから入手)の両方を含有する17%のマスターバッチを用いて調製されて、完成品中に最終的に0.6重量%の金属フレーク及び3重量%の雲母フレーク(5X)を得た。比較品Aは、98%のPP樹脂、及びアルミニウムフレークのみを含有する2%のマスターバッチを用いて調製されて、完成品中に最終的に0.6重量%の金属フレークを得た。本発明品1及び比較品Aの両方は、単一層物品である。本発明品1及び比較品Aの最終組成物、並びにそれらのそれぞれの金属的外観及び輝度を示すそれらのそれぞれのFI及びL110値(試験3に記載の方法に従って測定)を、以下の表2に示す。
【0079】
【0080】
上記の結果は、驚くべきことにかつ予想外に、本発明による金属フレーク及び雲母フレークの両方を含有する成形品(例えば、本発明品1)が、金属フレークのみを含有する成形品(例えば、比較品A)のものに匹敵する十分に金属的な外観を維持するが、5X雲母フレークの添加により著しく改善された輝度を示すことを示す。
【0081】
実施例2:HDPE EBM品の金属的外観(FI)及び輝度(L11)に対する雲母/金属含有量及び重量比の影響
本発明品2~13(アルミニウムフレークと雲母フレークの両方を含有する)及び比較品B~F(雲母のみ又はアルミニウムフレークのみを含有する)を含む19個の成形HDPE品を、以下の表3に示すように、従来のEBMプロセスによって調製する。
【0082】
【0083】
これらの成形品は全て、83%のHDPE5502樹脂(Chevron Phillips Chemical Company LP,USから入手)、並びに様々な量のアルミニウムF-09フレーク(Shinemax Advanced Materials Co.Ltd.Shenzhen,Chinaから入手)、及び/又は雲母フレーク(Shanghai Jinzhu Color Co.,Ltd.Shanghai,Chinaから入手)を含有する17%のマスターバッチを用いて調製された単一層ボトルである。アルミニウムフレーク及び雲母フレークの最終重量パーセント、完成品中のそれらのそれぞれの重量比、並びにそれらのそれぞれの金属的外観及び輝度を示すそれらのそれぞれのFI及びL110値(試験3に記載の方法に従って測定)を、以下の表4に示す。
【0084】
【0085】
上記の結果は、驚くべきことにかつ予期せぬことに、本発明による金属フレークと雲母フレークの両方を含有する本発明の成形品(例えば、本発明品2~13)が、金属フレークのみを含有する同様の成形品(例えば、比較品C~H)のものに匹敵する(場合によっては、それよりも更に良好な)十分に金属的な外観を維持するが、本発明の成形品は全て、雲母フレークの添加により著しく改善された輝度を示すことを示す。しかし、金属フレークの完全な除去は、白すぎる/ペースト状すぎる、低度に金属的な外観を有する成形品(例えば、比較品B)をもたらす。雲母/金属の重量比がある範囲内(例えば、1~20又は2~10)である場合、金属的な外観と輝度との間のバランスは特に最適であると思われる。
【0086】
実施例3:PP EBM品の金属的外観(FI)及び輝度(L11)に対する雲母/金属含有量及び重量比の影響
本発明品14~19(アルミニウムフレークと雲母フレークの両方を含有する)及び比較品I(アルミニウムフレークのみを含有する)を含む7つの成形PP品を、前述の表1に示すように、従来のEBMプロセスによって調製する。
【0087】
これらの成形品は全て、8%~98%のPP-RP5052樹脂(Lyondellbasell,Polymirae Co.,Ltd.Yeosu,Koreaから入手)、並びに様々な量のアルミニウムF-09フレーク(Shinemax Advanced Materials Co.Ltd.Shenzhen,Chinaから入手)及び/又は雲母フレーク(Shanghai Jinzhu Color Co.,Ltd.,Shanghai,Chinaから入手)を用いて調製された単一層ボトルである。アルミニウムフレーク及び雲母フレークの最終重量パーセント、完成品中のそれらのそれぞれの重量比、並びにそれらのそれぞれの金属的外観及び輝度を示すそれらのそれぞれのFI及びL110値(試験6に記載の方法に従って測定)を、以下の表5に示す。
【0088】
【0089】
上記の結果は、驚くべきことにかつ予期せぬことに、本発明による金属フレークと雲母フレークの両方を含有する本発明の成形品(例えば、本発明品14~19)が、金属フレークのみを含有する同様の成形品(例えば、比較品I)のものに匹敵する(場合によっては、それよりも更に良好な)十分に金属的な外観を維持するが、本発明の成形品は全て、雲母フレークの添加により著しく改善された輝度を示すことを示す。雲母/金属重量比がある特定の範囲内(例えば、2.5~10)である場合、金属的外観と輝度との間のバランスは特に最適であると思われる。
【0090】
実施例4:雲母フレークを添加した着色物品の改善された輝度(L110)
本発明品20~21(金属フレークと雲母フレークの両方を含有する)及び比較品J~K(金属フレークのみを含有する)を含む、異なる色の4つの成形HDPE品を、先の表3に示されるように、従来のEBMプロセスによって調製する。
【0091】
これらの成形品は全て、96%~99%のHDPE5502樹脂(Chevron Phillips Chemical Company LP,USから入手)、並びに様々な量のアルミニウムF-09フレーク(Shinemax Advanced Materials Co.Ltd.,Shenzhen,Chinaから入手)、AVL Metal Powders nv,Belgium,Europeから入手される銅/亜鉛合金フレーク(Bronze Powder5000)及び/又は雲母フレーク(Shanghai Jinzhu Color Co.,Ltd.,Shanghai,Chinaから入手)を用いて調製された単一層ボトルである。本発明品20及び比較品Jは両方とも、3%の紺青顔料を含有する紺青色である。本発明品21及び比較品Kは両方とも、その中に含有される銅フレークに起因して銅色調を有する。アルミニウムフレーク、銅フレーク、及び雲母フレークの最終重量パーセント、完成品中のそれらのそれぞれの重量比、並びにそれらのそれぞれの金属的外観及び輝度を示すそれらのそれぞれのFI及びL110値(試験6に記載の方法に従って測定)を、以下の表6に示す。
【0092】
【0093】
上記の結果は、暗色にもかかわらず、本発明による金属フレークと雲母フレークの両方を含有する本発明の成形品(例えば、本発明品20~21)は、金属フレークのみを含有する同様の成形品(例えば、比較品J~K)よりも改善された輝度を依然として示し、一方で、比較品J~Kのものに匹敵する(実際にはそれよりも良好な)高度に金属的な外観を維持することを示す。
【0094】
実施例5:TiO2フレークを添加した成形品の低減された金属的外観(FI)
2つの成形品L及びMは、前述の表3に示されるように、従来のEBMプロセスによって調製される。
【0095】
これらの成形品は全て、97~98%のHDPE5502樹脂(Chevron Phillips Chemical Company LP,USから入手)、並びに様々な量のアルミニウムF-09フレーク(Shinemax Advanced Materials Co.Ltd.,Shenzhen,Chinaから入手)及び/又はTiO2フレーク(Shanghai Jinzhu Color Co.,Ltd.,Shanghai,Chinaから入手)を用いて調製された単一層ボトルである。アルミニウムフレーク及びTiO2フレークの最終重量パーセント、完成品中のそれらのそれぞれの重量比、並びにそれらのそれぞれの金属的外観及び輝度を示すそれらのそれぞれのFI及びL110値(試験3に記載の方法に従って測定)を、以下の表7に示す。
【0096】
【0097】
上記の結果は、金属フレークを含有する成形品にTiO2フレーク(雲母フレークではなく)を添加すると、輝度は増加するが、金属的外観が著しく低下することを示している。TiO2フレークは、反射性(0.2未満の光反射率を有する)でも透光性(即ち、わずか20%以下の光透過率を有する)でもなく、したがって、本発明を実施するために使用することができない。
【0098】
実施例6:異なる積層構造を有する例示的な成形品
以下は、本発明による異なる積層構造の様々な例示的な成形品である。簡単にするために、金属/雲母フレークの関連する含有量及び成形品中のそれらのそれぞれの位置のみを本明細書で提供する:
【0099】
【0100】
実施例7:雲母フレークを添加した射出成形品の改善された輝度(L110)
以下の表9に示すように、本発明品14及び比較品Nを含む2つの射出成形品は、従来のIMプロセスによって調製される。
【0101】
【0102】
本発明品14は、83%のPP-344RK樹脂(North Huajin Chemical industries group Cooperation,Panjin,Chinaから入手)、及びアルミニウムフレーク(Shinemax Advanced Materials Co.Ltd.Shenzhenから入手)と雲母フレーク(Shanghai Jinzhu Color Co.,Ltd.Shanghai,Chinaから入手)の両方を含有する17%のマスターバッチを用いて調製されて、完成品中に最終的に0.6重量%の金属フレーク及び3重量%の雲母フレーク(5X)を得た。比較品Nは、98%のPP-344RK樹脂、及びアルミニウムフレークのみを含有する2%のマスターバッチを用いて調製されて、完成品中に最終的に2重量%の金属フレークを得た。本発明品14及び比較品Nの両方は、単一層物品である。本発明品14及び比較品Nの最終組成物、並びにそれらのそれぞれの金属的外観及び輝度を示すそれらのそれぞれのFI及びL110値(試験3に記載の方法に従って測定)を、以下の表10に示す。
【0103】
【0104】
上記の結果は、金属フレークのみを含有するIM品(例えば、比較品N)と比較して、本発明による金属フレークと雲母フレークの両方を含有するIM品(例えば、本発明品14)においても同様の利益(即ち、高度に金属的な外観及び改善された輝度)が観察されることを示す。
【0105】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0106】
相互参照される又は関連するあらゆる特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本明細書に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求されるいかなる発明に対する先行技術であるとはみなされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのようないかなる発明も教示、示唆又は開示するとはみなされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文書内の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0107】
本発明の特定の実施形態を例解及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく様々な他の変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にある全てのそのような変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図される。
【国際調査報告】