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特表2023-552403ステップ式リソグラフィ装置、その作業方法及びパターンアライメント装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】ステップ式リソグラフィ装置、その作業方法及びパターンアライメント装置
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/20 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534009
(86)(22)【出願日】2021-11-30
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2021134287
(87)【国際公開番号】W WO2022116959
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】202011412793.X
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522480687
【氏名又は名称】百及納米科技(上海)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】周 向前
(72)【発明者】
【氏名】尹 志尭
(72)【発明者】
【氏名】ランジェロー アイボ
(72)【発明者】
【氏名】杜 川
【テーマコード(参考)】
2H197
【Fターム(参考)】
2H197CA09
2H197CD36
2H197DC05
2H197EA22
2H197EB08
2H197EB17
2H197HA03
2H197HA10
(57)【要約】
ステップ式リソグラフィ装置、その作業方法及びフォトエッチングパターンアライメント装置であって、ウエハ(110)にいくつかの三次元マーク(1201、1221)を設置し、これをウエハ(110)の表面の位置決め座標として予め設定し、針先センシングヘッド(91、92、93、93…9n、101、111)センシング技術を利用して三次元マーク(1201、1221)を測定してウエハ(110)表面のサブナノ精度の座標を取得し、次いでウエハテーブル(100)を移動し、ウエハテーブル(100)の移動後の三次元マーク(1201、1221)の新しい座標を測定し、ウエハテーブル(100)の移動前の同じ三次元ナノ座標と比較してウエハ領域(120)位置座標誤差値を得る。閉ループ制御原理を用いて、露光ビーム発生装置(300)とウエハ領域(120)との相対位置を移動させることによって座標誤差を補償し、相対座標位置の正確な再アライメントを実現する。このようなフォトエッチングパターンアライメント装置は、マスクプレートを使用する深紫外および極端紫外光学リソグラフィ装置に適用することができ、電子線/光子ビーム直接書き込みリソグラフィ装置のサブナノメートルオーダーのウエハ領域または書き込みフィールドの横方向および縦方向のアライメント・スプライス適用シーンに適用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置の本体内に位置するフォトエッチングパターンアライメント装置であって、
処理すべきウエハを載置するためのウエハテーブルであって、前記ウエハがいくつかのウエハ領域とウエハ領域の周囲のフィールド外領域とを含み、前記ウエハ表面に感光層が設置され、前記感光層に三次元マークが設けられ、前記三次元マークが前記感光層の上面と同一の水平面に位置しない領域を有するウエハテーブルと、
前記感光層の上方に位置する針先センシングヘッドを含み、走査領域内を移動して走査し、当該走査領域内の三次元マークの座標を特定するためのナノ針先センシング装置と、
ウエハ領域の露光に必要な露光ビームを供給し、前記感光層に投影露光領域を形成するための露光ビーム発生装置と、
前記投影露光領域と露光すべきウエハ領域とが位置合わせるように、前記針先センシングヘッドにより測定された三次元マーク座標に基づいて、前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するための変位駆動装置と、
を備えることを特徴とするフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項2】
コンピュータ制御システムをさらに含み、前記コンピュータ制御システムはナノ針先センシング装置によって測定された三次元マーク座標を受信し、当該三次元マークの基準座標と比較して、2つの座標の差値を得るためのものであり、前記コンピュータ制御システムは当該差値を前記変位駆動装置に伝達し、前記差値を補償するように、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルを相互に移動させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項3】
前記基準座標は、前記三次元マークが予め設定された位置座標であり、前記三次元マークが当該予め設定された位置にあるときに、露光すべきウエハ領域と前記投影露光領域とが位置合わせ、前記基準座標は、前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されていることを特徴とする請求項2に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項4】
前記基準座標は、前記ナノ針先センシング装置が前記三次元マークを当該ウエハ領域の露光前に測定した座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために理論上ウエハが移動すべき距離とを合わせた後の前記走査領域内で対応する座標であり、理論上ウエハが横方向及び縦方向に移動すべき距離は、前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されていることを特徴とする請求項2に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項5】
前記感光層における三次元マークは、感光層の下方に設置された底層アライメントマークが対応して感光層に形成された三次元マーク及び/又は感光層の表面に露光ビームを露光した後に形成された照射誘起感光層改質(IIRC)により形成された三次元立体図案を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項6】
前記底層アライメントマークが感光層に対応して形成された三次元マークが、前記ウエハ領域内、または隣接するウエハ領域間のフィールド外領域内に位置することを特徴とする請求項5に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項7】
前記底層アライメントマークは、ウエハの一回目の露光前にウエハ基板の表面に制作されたマーク及び/又は後続の露光工程において前記感光層の下方に設置されたマークを含むことを特徴とする請求項5又は6に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項8】
前記三次元マークの高さが前記感光層の表面粗さよりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項9】
前記三次元マークの座標は、ウエハの横方向位置座標、縦方向位置座標及び周方向位置座標を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項10】
前記感光層に2つ以上の三次元マークが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項11】
前記三次元マークは、一定のパターン特徴を有し、前記パターン特徴は、前記感光層の上面とは異なる水平面内に位置する少なくとも1つの点状特徴を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項12】
前記パターン特徴は、前記点状特徴に接続された稜線特徴をさらに含み、前記稜線特徴と前記感光層の上面とが同一平面内に完全に位置しないことを特徴とする請求項11に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項13】
前記三次元マークは、前記感光層の上面に突出する又は窪む立体構造であることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項14】
前記立体構造は、テーパ構造、多角形プリズム構造、ピラミッド構造のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項13に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項15】
各ウエハ領域は少なくとも1つの三次元マークに対応し、前記三次元マークは、前記ウエハ領域内または当該ウエハ領域の周囲のフィールド外領域内に位置し、前記三次元マークの基準座標は、コンピュータ制御システム内に予め記憶されていることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項16】
対応する三次元マークが一部のウエハ領域に設けられておらず、当該ウエハ領域は、針先センシングヘッドにより測定された、一つ前の露光が完了したウエハ領域内の立体図案の三次元マークに基づいて、前記投影露光領域とのアライメントを実現することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項17】
対応する三次元マークが設置されていないウエハ領域と、対応する三次元マークが設置されているウエハ領域とが間隔をおいて設置されていることを特徴とする請求項16に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項18】
前記露光ビーム発生装置に位置決めマーク発生装置が設けられ、前記位置決めマーク発生装置は、ウエハ領域が露光されたと同時にウエハ領域の周囲に立体位置決めマークを形成し、当該立体位置決めマークに基づいて針先センシングヘッドが露光すべきウエハ領域の位置を位置決めしてキャリブレーションすることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項19】
前記三次元マークの高さが50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項20】
前記針先センシングヘッドは、駆動型原子力針先センシングヘッド、レーザ反射型原子力針先センシングヘッド、トンネル電子プローブセンシングヘッド、又はナノメートルオーダー表面仕事関数測定センシングヘッドのうちの1つ又は複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項21】
前記針先センシングヘッドは、大気または真空環境下でウエハ表面構造を測定するか、または針先センシングヘッドを液浸環境下で液体中に浸漬してウエハ表面構造を測定することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項22】
液浸式リソグラフィについて、前記三次元マークが液浸環境における三次元マークであるか、又はウエハ領域及び露光ビーム以外に液浸がない環境における隣接するウエハ領域に対応する三次元マークであることを特徴とする請求項21に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項23】
前記針先センシングヘッドが測定する三次元マークの表面構造データは、前記三次元マークの表面構造と前記針先センシングヘッドの針先構造との数学的畳み込みであり、前記針先センシングヘッドは、三次元マークを測定する前に、前記針先構造の測定及びキャリブレーションを行うことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項24】
前記ナノ針先センシング装置は、一端が固定され、一端に前記針先センシングヘッドが設置されたマイクロカンチレバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項25】
前記ナノ針先センシング装置は、前記マイクロカンチレバーによって前記露光ビーム発生装置の片側または両側に固定された1つ以上の針先センシングヘッドを含むことを特徴とする請求項24に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項26】
前記露光ビーム発生装置は、前記ウエハの上方に設置された投影対物レンズ群を含み、前記投影対物レンズ群の片側または両側に、マイクロカンチレバーによって前記1つ以上の針先センシングヘッドが固定されていることを特徴とする請求項25に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項27】
前記ウエハテーブルが移動部分と固定部分とを含み、前記針先センシングヘッドが前記マイクロカンチレバーによって前記固定部分に連結されていることを特徴とする請求項24に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項28】
前記ナノ針先センシング装置は、2つ以上の針先センシングヘッドを含み、1つ以上の前記針先センシングヘッドは、前記ウエハテーブルの固定部分に固定され、1つ以上の前記針先センシングヘッドは、前記露光ビーム発生装置の側辺に固定され、複数の前記針先センシングヘッド間の相対距離は固定されていることを特徴とする請求項27に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項29】
前記ナノ針先センシング装置は、2つ以上の針先センシングヘッドを含み、複数の前記針先センシングヘッドは、1つの連結部材によって前記露光ビーム発生装置の片側または両側に固定され、複数の前記針先センシングヘッド間の距離は相対的に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項30】
前記ナノ針先センシング装置は、ウエハテーブルの固定部分に連結部材によって固定された、および/または露光ビーム発生装置に連結部材によって固定された3つ以上の針先センシングヘッドを含み、前記針先センシングヘッドは、ウエハが露光ビームに垂直であるか否かを特定するように、異なる直線に位置することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項31】
各前記針先センシングヘッドがその位置に対応するウエハ表面又は感光層表面から露光ビーム発生装置までの距離を測定し、測定した距離が同じか否かに基づいてウエハが露光ビームと垂直であるか否かを判断し、コンピュータ制御システムにより前記ウエハテーブルを駆動して前記ウエハが露光ビームと垂直になるように調整することを特徴とする請求項30に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項32】
前記ナノ針先センシング装置は、連結部材によって固定された複数の針先センシングヘッドを含み、前記複数の針先センシングヘッドは、前記ウエハ領域の分布に従って横方向に一列に設置され、1つの横方向の針先センシングヘッドアレイを形成することを特徴とする請求項26から29のいずれか一項に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項33】
前記横方向の針先センシングヘッドアレイの一端に、縦方向に分布された少なくとも1つの針先センシングヘッドが設置され、1つのL字形の針先センシングヘッドアレイを形成することを特徴とする請求項32に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項34】
前記横方向の針先センシングヘッドアレイの両端に、縦方向に分布された針先センシングヘッドがそれぞれ設置され、1つのU字状の針先センシングヘッドアレイを形成することを特徴とする請求項32に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項35】
前記隣接する2つの針先センシングヘッド間の距離が、1つのウエハ領域の横幅以上であることを特徴とする請求項32に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項36】
前記変位駆動装置は、ウエハ領域切換駆動装置と、ナノ変位駆動装置とを含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項37】
前記ウエハ領域切替駆動装置は、露光すべきウエハ領域を前記投影露光領域の下方に駆動して順次露光するように、前記ウエハテーブルの移動部分に接続されていることを特徴とする請求項36に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項38】
前記ウエハテーブルの移動部分は、精密移動装置をさらに含み、前記ナノ変位駆動装置は、前記精密移動装置であることを特徴とする請求項37に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項39】
前着ナノ変位駆動装置は、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルの横方向および/または縦方向および/または周方向の移動を制御するように、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルの精密移動装置に接続されることを特徴とする請求項36に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項40】
前記ナノ変位駆動装置が前記露光ビーム発生装置および/または前記精密移動装置を駆動して移動させる動作原理は、圧電原理、ボイスコイル駆動原理、または電磁駆動原理のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項36に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項41】
前記露光ビーム発生装置が発する露光ビームは、光ビーム、電子ビーム、イオンビーム又は原子ビームの少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項42】
前記露光ビーム発生装置は、光源、光ゲート、ビーム偏向シート/ミラー、マスクプレート、及び投影対物レンズ群を含むビーム発生装置であり、前記ナノ変位駆動装置は、前記ビーム発生装置の投影露光領域位置を調整するように、前記ビーム偏向シート/ミラー、前記マスクプレート及び前記投影対物レンズ群の少なくとも1つに接続されていることを特徴とする請求項36に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つの針先センシングヘッドは、前記投影対物レンズ群の少なくとも1つの側に固定されていることを特徴とする請求項42に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項44】
前記露光ビームは、平行ビームまたはガウス型ビームであることを特徴とする請求項41に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項45】
前記ビームの整形・集束システムが光学レンズで構成されていてもよく、光学ミラーで構成されていてもよいことを特徴とする請求項42に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項46】
前記ウエハは、完全ウエハ、部分ウエハ、又はリソグラフィ露光処理を必要とする非ウエハ物質を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項47】
ウエハ内の複数のウエハ領域に繰り返し露光を実現するためのステップ式リソグラフィ装置であって、請求項1から46のいずれか一項に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置が前記リソグラフィ装置内に設置されていることを特徴とするステップ式リソグラフィ装置。
【請求項48】
ステップ式リソグラフィ装置の動作方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つの底層アライメントマークをウエハに設置し、前記処理すべきウエハに感光層を塗布し、前記底層アライメントマークが前記感光層に対応して三次元マークを形成する準備ステップと、
準備ステップで三次元マークが設けられたウエハを、請求項47に記載のリソグラフィ装置内に設置し、前記リソグラフィ装置内にウエハに近接して一つの投影対物レンズ群が設置され、前記投影対物レンズ群がウエハに投影露光領域に対応し、前記投影対物レンズ群の下方に露光すべき第1のウエハ領域が設置されるように前記ウエハテーブルを駆動し、前記針先センシングヘッドで感光層を一定の走査領域内で走査して第1の三次元マークの位置座標を得、前記第1の三次元マークの位置座標と当該第1の三次元マークの基準座標とを比較して二つの位置座標の差値を得、前記変位駆動装置は、前記投影露光領域と前記第1のウエハ領域とが位置合わせるように、2つの位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するアライメントステップと、
前記ビーム発生装置が、露光ビームを発生させて前記ウエハの第1のウエハ領域に照射して、前記第1のウエハ領域の露光を実現する露光ステップと、を含むステップ式リソグラフィ装置の動作方法。
【請求項49】
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に置き、前記針先センシングヘッドは、前記第1の三次元マークの移動後の位置座標を走査し、当該第1の三次元マークの移動後の基準座標と比較して2つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置は、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現することを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の三次元マークの移動後の基準座標は、第1のウエハ領域を露光する際の前記第1の三次元マークの位置座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために、ウエハが理論的に横方向及び縦方向に移動すべき距離とを合わせた後の前記走査領域内で対応する座標であることを特徴とする請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記投影対物レンズ群の両側にそれぞれ少なくとも1つの前記針先センシングヘッドが設置されているか、又は前記投影対物レンズ群の片側に1つの針先センシングヘッドが設置されており、且つ前記針先センシングヘッドの走査幅が、露光すべきウエハ領域の幅よりも大きいことを特徴とする請求項49又は50に記載の方法。
【請求項52】
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に配置し、前記針先センシングヘッドが第2の三次元マークの位置座標を走査して当該第2の三次元マークの基準座標と比較して二つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置が、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整して、前記第2のウエハ領域の露光を実現し、前記第2の三次元マークの基準座標が前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されていることを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の三次元マークが前記第1のウエハ領域に近接して設置され、および/または前記第2の三次元マークが前記第2のウエハ領域に近接して設置されることを特徴とする請求項52に記載の方法。
【請求項54】
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に配置し、前記針先センシングヘッドが、前記第1のウエハ領域の露光後に感光層に形成された立体図案のパターン及び座標を走査し、当該立体図案の予め設定されているパターン及び座標と比較して2つの立体図案の位置の差値を得、前記変位駆動装置が、前記位置座標の差値に基づいて、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現することを特徴とする請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記ナノ針先センシング装置は、前記投影対物レンズ群の片側または両側に固定され、前記投影対物レンズ群との間の位置が相対的に固定されることを特徴とする請求項48から54のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リソグラフィ技術の分野に関し、特にフォトエッチングパターンの被彫アライメント及び位置決め技術の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロエレクトロニクスと光エレクトロニクスの発展は集積回路チップ、集積光学チップの高速発展を引き起こした。これらの産業は現代のコンピュータ、ディスプレイ、さらには情報産業全体のコアデバイスとチップの基礎となっている。現在、現代のチップ工業の技術ノードはすでに5ナノメートル以下に達している。
【0003】
チップのようなマイクロナノデバイスの製造にはフォトリソグラフィ技術が欠かせない。リソグラフィ技術には、一般的な光学リソグラフィ技術、深紫外/極端紫外光学リソグラフィ技術、電子ビームリソグラフィ技術、イオンビームリソグラフィ技術などが含まれる。これらの重要なフォトリソグラフィ技術を利用して、例えば集積回路チップや光電集積チップなどの微細なフォトエッチングパターンと豊富多彩で何でもそろっているマイクロナノデバイス構造とを製造することができる。
【0004】
深紫外光光学式リソグラフィ装置や極端紫外光光学式リソグラフィ装置を含む従来の光学リソグラフィシステムは、工業用チップ製造やMEMS製造などの分野で広く使用されている。ウエハが大型化してきたため、現在は12インチ径のウエハが普及しており、さらなる大型化に向けて進んでいる。どのシステムも一度にウエハ全体を露光することはできない。ウエハにおける一つ一つのウエハ領域(DIE)を順次露光するのが一般的である。1つのウエハ領域の露光が完了した後、ウエハテーブルの移動により、ウエハを隣接する次のウエハ領域に移動させて被彫アライメントを行い、その後、露光を行う。ここで、アライメントとは、今回露光されるパターンがウエハ領域における既存のパターンと垂直にアライメント(すなわち、被彫アライメント)されてから、今回のリソグラフィ露光が行われていなければならないことを意味する。そのアライメントの精度、すなわち、被彫の精度は少なくともウエハ領域における回路パターンの最小寸法の数倍に劣らない。当該寸法は現在、5-10ナノメートル前後である。マスクプレートの製作に用いるマルチビーム電子線リソグラフィ装置は、例えばオーストリアのハイテク企業IMS社のMBMW-101シリーズは、5ナノメートルのノードマスクプレートの製作に用いることができ、その被彫アライメントの精度は5ナノメートル以下である。オランダの極端紫外光光学リソグラフィ装置ASML社のリソグラフィ装置シリーズTWINSCAN3400Bと4300Cは、5ナノメートル技術ノードに使用され、その被彫精度はそれぞれ2.5ナノメートルと1.5ナノメートルである。次の段階ではチップ構造のサイズが3ナノメートルのオーダーに入る。したがって、ウエハ領域に対して露光するリソグラフィ装置の被彫アライメント位置決め精度は1ナノメートルまたは1ナノメートル以下である必要がある。このように高く要求されるウエハ領域の被彫精度に対して、現在のところ関連する位置決め技術がないので、新技術を発明しなければならない。
【0005】
ウエハテーブルの極めて高い位置決め精度の要求を実現できないのは、大きな欠点である露光前にウエハに感光層が塗布されているというリソグラフィプロセスの特徴のためである。リソグラフィ技術では、露光によりフォトエッチングパターンが感光層に転写され、その後、エッチングプロセスにより感光層におけるフォトエッチングパターンがウエハに転写される。なお、ウエハにおける感光層は、ウエハの上面を覆うものであり、この上面は「光に弱い」ため、露光前に電子ビームや光子ビームを照射(露光)して表面観察することができず、さらに感光層を貫通して感光層下のウエハの形状を得ることができない。したがって、これから露光されるパターンは感光層の下のウエハ領域のパターンと被彫アライメントを形成することができず、すなわち、リソグラフィ装置は「盲人操作」することしかできず、ウエハテーブルを移動してからビームを「盲人操作」して露光することができる。これによって、ウエハ露光の位置決めが不正確であり、かつ、被彫の誤差が大きくなる。
【発明の概要】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、フォトエッチングパターンアライメント装置を提供し、前記装置は、リソグラフィ装置の本体内に位置し、
処理すべきウエハを載置するためのウエハテーブルであって、前記ウエハがいくつかののウエハ領域とウエハ領域の周囲のフィールド外領域とを含み、前記ウエハ表面に感光層が設置され、前記感光層に三次元マークが設けられ、前記三次元マークが前記感光層の上面と同一の水平面に位置しない領域を有するウエハテーブルと、
前記感光層の上方に位置する針先センシングヘッドを含み、走査領域内を移動して走査し、当該走査領域内の三次元マークの座標を特定するためのナノ針先センシング装置と、
ウエハ領域の露光に必要な露光ビームを供給し、前記感光層に投影露光領域を形成するための露光ビーム発生装置と、
前記投影露光領域と露光すべきウエハ領域とが位置合わせるように、前記針先センシングヘッドにより測定された三次元マーク座標に基づいて、前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するための変位駆動装置と、を備える。
【0007】
好ましくは、前記装置は、コンピュータ制御システムをさらに含み、前記コンピュータ制御システムはナノ針先センシング装置によって測定された三次元マーク座標を受信し、当該三次元マークの基準座標と比較して、2つの座標の差値を得るためのものであり、前記コンピュータ制御システムは当該差値を前記変位駆動装置に伝達し、前記差値を補償するように、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルを相互に移動させるように制御するためのものである。
【0008】
好ましくは、前記基準座標は、前記三次元マークが予め設定された位置座標であり、前記三次元マークが予め設定された位置にあるときに、露光すべきウエハ領域と前記投影露光領域とが位置合わせ、前記基準座標は、前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されている。
【0009】
好ましくは、前記基準座標は、前記ナノ針先センシング装置が前記三次元マークを当該ウエハ領域の露光前に測定した座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために理論上ウエハが移動すべき距離とを合わせた後の前記走査領域内で対応する座標であり、理論上ウエハが横方向及び縦方向に移動すべき距離は、前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されている。
【0010】
好ましくは、前記感光層における三次元マークは、感光層の下方に設置された底層アライメントマークが感光層に対応して形成された三次元マーク及び/又は感光層の表面に露光ビームを露光した後に形成された照射誘起感光層改質(IIRC)により形成された三次元立体図案を含む。
【0011】
好ましくは、前記底層アライメントマークが感光層に対応して形成された三次元マークが、前記ウエハ領域内、または隣接するウエハ領域間のフィールド外領域内に位置する。
【0012】
好ましくは、前記底層アライメントマークは、ウエハの一回目の露光前にウエハ基板の表面に制作されたマーク及び/又は後続の露光工程において前記感光層の下方に設置されたマークを含む。
【0013】
好ましくは、前記三次元マークの高さが前記感光層の表面粗さよりも大きい。
【0014】
好ましくは、前記三次元マークの座標は、ウエハの横方向位置座標、縦方向位置座標及び周方向位置座標を含む。三次元マークの周方向位置座標とは、三次元マークの円周方向における座標であり、即ち三次元マークのパターンの円周方向における角度座標である。
【0015】
好ましくは、前記感光層に2つ以上の三次元マークが設けられている。
【0016】
好ましくは、前記三次元マークは、一定のパターン特徴を有し、前記パターン特徴は、前記感光層の上面とは異なる水平面内に位置する少なくとも1つの点状特徴を含む。
【0017】
好ましくは、前記パターン特徴は、前記点状特徴に接続された稜線特徴をさらに含み、前記稜線特徴と前記感光層の上面とが同一平面内に完全に位置しない。
【0018】
好ましくは、前記三次元マークは、前記感光層の上面に突出する又は窪む立体構造である。
【0019】
好ましくは、前記立体構造は、テーパ構造、多角形プリズム構造、ピラミッド構造のうちの少なくとも1つである。
【0020】
好ましくは、各ウエハ領域は少なくとも1つの三次元マークに対応し、前記三次元マークは、前記ウエハ領域内または当該ウエハ領域の周囲のフィールド外領域内に位置し、前記三次元マークの基準座標は、コンピュータ制御システム内に予め記憶されている。
【0021】
好ましくは、対応する三次元マークが一部のウエハ領域に設けられておらず、当該ウエハ領域は、針先センシングヘッドにより測定された、一つ前の露光が完了したウエハ領域内の立体図案の三次元マークに基づいて、前記投影露光領域とのアライメントを実現する。
【0022】
好ましくは、対応する三次元マークが設置されていないウエハ領域と、対応する三次元マークが設置されているウエハ領域とが間隔をおいて設置されている。
【0023】
好ましくは、前記露光ビーム発生装置に位置決めマーク発生装置が設けられ、前記位置決めマーク発生装置は、ウエハ領域が露光されたと同時にウエハ領域の周囲に立体位置決めマークを形成し、当該立体位置決めマークに基づいて針先センシングヘッドが露光すべきウエハ領域の位置を位置決めしてキャリブレーションする。
【0024】
好ましくは、前記三次元マークの高さが50μm以下である。
【0025】
好ましくは、前記針先センシングヘッドは、駆動型原子力針先センシングヘッド、レーザ反射型原子力針先センシングヘッド、トンネル電子プローブセンシングヘッド、又はナノメートルオーダー表面仕事関数測定センシングヘッドのうちの1つ又は複数の組み合わせである。
【0026】
好ましくは、前記針先センシングヘッドは、大気または真空環境下でウエハ表面構造を測定するか、または針先センシングヘッドを液浸環境下で液体中に浸漬してウエハ表面構造を測定する。
【0027】
好ましくは、液浸式リソグラフィについて、前記三次元マークが液浸環境における三次元マークであるか、又はウエハ領域及び露光ビーム以外に液浸がない環境における隣接するウエハ領域に対応する三次元マークである。
【0028】
好ましくは、前記針先センシングヘッドが測定する三次元マークの表面構造データは、前記三次元マークの表面構造と前記針先センシングヘッドの針先構造との数学的畳み込みであり、前記針先センシングヘッドは、三次元マークを測定する前に、前記針先構造の測定及びキャリブレーションを行う。
【0029】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、一端が固定され、一端に前記針先センシングヘッドが設置されたマイクロカンチレバーをさらに含む。
【0030】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、前記マイクロカンチレバーによって前記露光ビーム発生装置の片側または両側に固定された1つ以上の針先センシングヘッドを含む。
【0031】
好ましくは、前記露光ビーム発生装置は、前記ウエハの上方に設置された投影対物レンズ群を含み、前記投影対物レンズ群の片側または両側に、マイクロカンチレバーによって前記1つ以上の針先センシングヘッドが固定されている。
【0032】
好ましくは、前記ウエハテーブルが移動部分と固定部分とを含み、前記針先センシングヘッドが前記マイクロカンチレバーによって前記固定部分に連結されている。
【0033】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、2つ以上の針先センシングヘッドを含み、1つ以上の前記針先センシングヘッドは、前記ウエハテーブルの固定部分に固定され、1つ以上の前記針先センシングヘッドは、前記露光ビーム発生装置の側辺に固定される。
【0034】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、2つ以上の針先センシングヘッドを含み、いくつかの前記針先センシングヘッドは、1つの連結部材によって前記露光ビーム発生装置の片側または両側に固定され、いくつかの前記針先センシングヘッド間の相対距離は固定されている。
【0035】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、ウエハテーブルの固定部分に連結部材によって固定された、および/または、露光ビーム発生装置に連結部材によって固定された3つ以上の針先センシングヘッドを含み、前記針先センシングヘッドは、ウエハが露光ビームに垂直であるか否かを特定するように、異なる直線に位置する。
【0036】
好ましくは、各前記針先センシングヘッドがその位置に対応するウエハ表面又は感光層表面から露光ビーム発生装置までの距離を測定し、測定した距離が同じか否かに基づいてウエハが露光ビームと垂直であるか否かを判断し、コンピュータ制御システムにより前記ウエハテーブルを駆動して前記ウエハが露光ビームと垂直になるように調整する。
【0037】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、連結部材によって固定された複数の針先センシングヘッドを含み、前記複数の針先センシングヘッドは、前記ウエハ領域の分布に従って横方向に一列に設置され、1つの横方向の針先センシングヘッドアレイを形成する。
【0038】
好ましくは、前記横方向の針先センシングヘッドアレイの一端に、縦方向に分布された少なくとも1つの針先センシングヘッドが設置され、1つのL字形の針先センシングヘッドアレイを形成する。
【0039】
好ましくは、前記横方向の針先センシングヘッドアレイの両端に、縦方向に分布された針先センシングヘッドがそれぞれ設置され、1つのU字状の針先センシングヘッドアレイを形成する。
【0040】
好ましくは、前記隣接する2つの針先センシングヘッド間の距離が、1つのウエハ領域の横幅以上である。
【0041】
好ましくは、前記変位駆動装置は、ウエハ領域切換駆動装置と、ナノ変位駆動装置とを含む。
【0042】
好ましくは、前記ウエハ領域切替駆動装置は、露光すべきウエハ領域を前記投影露光領域の下方に駆動して順次露光するように、前記ウエハテーブルの移動部分に接続されている。
【0043】
好ましくは、前記ウエハテーブルの移動部分は、精密移動装置をさらに含み、前記ナノ変位駆動装置は、前記精密移動装置である。
【0044】
好ましくは、前着ナノ変位駆動装置は、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルの横方向および/または縦方向および/または周方向における移動を制御するように、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルの精密移動装置に接続される。
【0045】
好ましくは、前記ナノ変位駆動装置が前記露光ビーム発生装置および/または前記精密移動装置を駆動して移動させる動作原理は、圧電原理、ボイスコイル駆動原理、または電磁駆動原理のうちの少なくとも1つである。
【0046】
好ましくは、前記露光ビーム発生装置が発する露光ビームは、光ビーム、電子ビーム、イオンビーム又は原子ビームの少なくとも1つである。
【0047】
好ましくは、前記露光ビーム発生装置は、光源、光ゲート、ビーム偏向シート/ミラー、マスクプレート、及び投影対物レンズ群を含むビーム発生装置であり、前記ナノ変位駆動装置は、前記ビーム発生装置の投影露光領域位置を調整するように、前記ビーム偏向シート/ミラー、前記マスクプレート及び前記投影対物レンズ群の少なくとも1つに接続されている。
【0048】
好ましくは、前記少なくとも1つの針先センシングヘッドは、前記投影対物レンズ群の少なくとも1つの側に固定されている。
【0049】
好ましくは、前記ビームは、平行ビームまたはガウス型ビームである。
【0050】
好ましくは、前記ビームの整形・集束システムが光学レンズで構成されていてもよく、光学ミラーで構成されていてもよい。
【0051】
好ましくは、前記ウエハは、完全ウエハ、部分ウエハ、又はリソグラフィ露光処理を必要とする非ウエハ物質を含む。
【0052】
さらに、本発明は、ウエハ内の複数のウエハ領域に繰り返し露光を実現するためのステップ式リソグラフィ装置であって、上記のフォトエッチングパターンアライメント装置が前記リソグラフィ装置内に設置されているステップ式リソグラフィ装置を開示した。
【0053】
さらに、本発明は、ステップ式リソグラフィ装置の動作方法を開示し、前記方法は、
少なくとも1つの底層アライメントマークをウエハに設置し、前記処理すべきウエハに感光層を塗布し、前記底層アライメントマークが前記感光層に対応して三次元マークを形成する準備ステップと、
準備ステップで三次元マークが設けられたウエハを、上記のリソグラフィ装置内に設置し、前記リソグラフィ装置内にウエハに近接して一つの投影対物レンズ群を設置し、前記投影対物レンズ群がウエハに一つの投影露光領域に対応し、前記投影対物レンズ群の下方に露光すべき第1のウエハ領域が設置されるように前記ウエハテーブルを駆動し、前記針先センシングヘッドで感光層を一定の走査領域内で走査して第1の三次元マークの位置座標を得、前記第1の三次元マークの位置座標と当該第1の三次元マークの基準座標とを比較して二つの位置座標の差値を得、前記変位駆動装置は、前記投影露光領域と前記第1のウエハ領域とが位置合わせるように、2つの位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するアライメントステップと、
前記ビーム発生装置が、露光ビームを発生させて前記ウエハの第1のウエハ領域に照射して、前記第1のウエハ領域の露光を実現する露光ステップと、を含む。
【0054】
好ましくは、第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に置き、前記針先センシングヘッドは、前記第1の三次元マークの移動後の位置座標を走査し、当該第1の三次元マークの移動後の基準座標と比較して2つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置は、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現する。
【0055】
好ましくは、前記第1の三次元マークの移動後の基準座標は、第1のウエハ領域を露光する際の前記第1の三次元マークの位置座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために、ウエハが理論的に横方向及び縦方向に移動すべき距離とを合わせた後に前記走査領域内で対応する座標である。
【0056】
好ましくは、前記投影対物レンズ群の両側にそれぞれ少なくとも1つの前記針先センシングヘッドが設置されているか、又は前記投影対物レンズ群の片側に1つの針先センシングヘッドが設置されており、且つ前記針先センシングヘッドの走査幅が、1つの露光すべきウエハ領域の幅よりも大きい。
【0057】
好ましくは、第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に配置し、前記針先センシングヘッドが第2の三次元マークの位置座標を走査して当該第2の三次元マークの基準座標と比較して二つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置が、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整して、前記第2のウエハ領域の露光を実現し、前記第2の三次元マークの基準座標が前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されている。
【0058】
好ましくは、前記第1の三次元マークが前記第1のウエハ領域に近接して設置され、および/または、前記第2の三次元マークが前記第2のウエハ領域に近接して設置される。
【0059】
好ましくは、第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に配置し、前記針先センシングヘッドが、前記第1のウエハ領域の露光後に感光層に形成された立体図案のパターン及び座標を走査し、当該立体図案の予め設定されているパターン及び座標と比較して2つの立体図案の位置の差値を得、前記変位駆動装置が、前記位置座標の差値に基づいて、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現する。
【0060】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、前記投影対物レンズ群の片側または両側に固定され、前記投影対物レンズ群との間の位置が相対的に固定される。
【0061】
本発明のフォトエッチングパターンアライメント装置が対応可能なリソグラフィ技術は、深紫外および極端紫外リソグラフィ装置などであり、例えば紫外ステップ式リピート露光リソグラフィ装置(Stepper)である。光ビームはマスクプレートによって露光パターンを形成し、感光層が塗布されたウエハに照射されることを特徴とする。1つのウエハ領域をアライメントして露光する毎に、ウエハテーブルの移動により他のウエハ領域をアンアライメントして露光し、最後にウエハにおけるウエハ領域を全て露光する。もちろん、本発明は、同様に電子ビーム/光子ビーム直接書込みのリソグラフィ装置にも適用可能である。
【0062】
本発明は、ウエハ表面に三次元マークを設置し、ウエハに対する1回の測定で、これら三次元マークと各ウエハ領域との座標関係を固定することによって、後でこれら三次元マークを測定すればウエハ領域の正確な座標位置を位置決めすることができる。ウエハは比較的長い時間にわたって正確な温度制御により、熱膨張と冷収縮等による変形が発生しないと仮定して、これらの座標間の位置決めは、シングルナノメートルオーダーに容易に精度良く行うことができる。
【0063】
これらの三次元マークおよびウエハ領域の位置を一回目に測定することは、即ちウエハテーブルに対するウエハの相対的な偏差を測定し、特にウエハテーブルが移動するときにウエハテーブルの移動とウエハにおけるウエハ領域のアレイとの平行度を調整するようにウエハテーブルを回転させる必要があるかどうかを測定することである。
【0064】
電子ビームが走査型電子顕微鏡でウエハ表面のパターンを観察・測定できることと異なり、光子ビームリソグラフィ装置(深紫外リソグラフィ装置や極端紫外リソグラフィ装置)では、露光される光子波長ではウエハのパターンをナノメートルオーダーの分解能で測定することができないため、光子ビームはシングルナノ以下の寸法精度でのアライメントに関与することができない。一方、本発明の技術方案を利用することにより、光子ビームリソグラフィ装置の位置決め正確度をナノメートルオーダーおよびサブナノメートルオーダーにすることができる。
【0065】
三次元マークが露光しようとするウエハ領域に近いほど、ウエハ領域に用いるアライメント精度が高くなる。三次元マークはウエハ領域間またはウエハ領域内部に設定されており、これはステップ式リピート露光リソグラフィ装置ではこのタイプに属する。仮に、ウエハ領域内部に設置される三次元マークを数ナノメートルから数百ナノメートルまで小さくすることができれば、その占有面積が小さくても実用的であるので、ウエハ領域内に三次元マークを作成してもウエハ領域の歩留まりの問題に影響を及ぼすことはない。
【0066】
本発明では、三次元ナノメートルオーダーの構造を感知することができる測定技術を採用しており、例えば、針先センシングヘッドセンシング技術を用いてサブナノメートルオーダーの三次元モフォロジー測定技術(サブナノメートルオーダーの原子力三次元モフォロジー測定技術)を実現することにより、ナノメートルオーダーの三次元マークーを針先センシングヘッドセンシング技術により測定してナノメートルオーダーの座標として機能させることができる。感光層やウエハ表面の三次元マークをアライメントマークとして用いることができ、例えば三次元マークのピーク位置や窪み位置を測定することにより、正確なアライメント座標を特定することができる。ウエハ表面の凹凸構造は、その上を覆う感光層表面が追従して凹凸構造を形成することが一般的であり、すなわち、位置決めが垂直に貫通することができ、よって、感光層を覆う表面はその凹凸構造と位置により測定されることができる。本発明が採用する針先センシングヘッドセンシング技術は、光学的測定をサブナノメートルオーダーの測定に到達させることができる。
【0067】
本発明は、上述した三次元マークを使用してウエハを位置決めすることに加えて、照射誘起感光層改質の特徴に従って、ウエハ領域の露光の位置決めを行うこともでき、照射誘起感光層改質(IIRC:Irradiation Induced Resist Change)は光子ビーム、電子ビーム、または他の粒子ビームによって照射露光された位置において、感光層の化学的および/または物理的特性が変化することを指す。化学的変化は、光子線・電子線による感光層の表面化学反応を含み、照射された感光層部分が不溶化状態から現像時に溶解(ポジ型接着剤)へと変化したり、溶解状態が露光反応によって溶解不能(ネガ型接着剤)へと変化したりする。光子線・電子線露光によって感光層表面の微小な幾何学的寸法の変化を含めた感光層の物理的変化を引き起こし、例えばサブナノメートルオーダーまたはナノメートルオーダーで膨張または萎縮して凹凸構造を形成する。光子ビーム/電子ビームの露光により露光パターン情報が感光層に転写されると、感光層における凹凸構造の変化も生じる。この変形は、針先センシングヘッド(高感度センシングヘッド)がサブナノメートルオーダーで検出することで感知することができる。
【発明の効果】
【0068】
本発明の利点は、以下の点にある。
1.リソグラフィ装置のために、サブナノメートルオーダーの精度でウエハ領域のパターンの実際の位置を測定することができる全く新しい技術を提供する。
【0069】
2.ウエハ領域/書込フィールド座標位置に対する露光光子ビーム/電子ビームの座標位置の間のナノメートルオーダーの移動を補正する複数の方法及び装置を提供する。
【0070】
3.ウエハ領域の超高被彫アライメント精度の(極端)紫外光学リソグラフィ装置を提供する。
【0071】
4.リソグラフィ装置において閉ループ制御原理によってウエハ領域/書き込みフィールドの組み合わせ横方向および縦方向アライメント・スプライス誤差を補正してから露光する方法および装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0072】
本発明の技術的解決手段をより明確に説明するために、本発明の技術的解決手段の説明に必要な図面を簡単に説明し、以下の説明に記載された図面は本発明の一部の実施例にすぎず、当業者にとって創造的な労力を払うことなく、これらの図面に示された発明の構想から得られた他の実施形態はすべて本発明の保護の範囲に属することは自明である。
図1】本発明のフォトエッチングパターンのアライメント装置の模式図を示す。
図2】具体的な実施形態のリソグラフィ装置の構造の模式図である。
図3】ウエハにおける三次元マークの位置を示す模式図である。
図4A】表面に突起がある三次元マークの模式図である。
図4B】表面に窪みがある三次元マークの模式図である。
図4C】表面に凹凸がある三次元マークの模式図である。
図4D】1種類の三次元マークの立体構造の模式図である。
図5A】照射誘起による感光層膨張構造の模式図である。
図5B】照射誘起による感光層収縮構造の模式図である。
図6】本発明の別の実施例のリソグラフィ装置の構造を示す模式図である。
図7】本発明の別の実施例のリソグラフィ装置の構造を示す模式図である。
図8】本発明の一実施例にかかる複数の針先センシングヘッドとウエハ領域との対応関係を示す模式図である。
図9】本発明の別の実施例にかかる針先センシングヘッドとウエハ領域との対応関係を示す模式図である。
図10】本発明の別の実施例にかかる針先センシングヘッドとウエハ領域との対応関係を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
以下、添付図面を参照して、本発明の発想及び技術方案を詳細に説明する。
ステップ式リピート露光リソグラフィ装置の領域では、1つのウエハ領域の露光が完了した後、ウエハテーブルの移動により、ウエハを次のウエハ領域に移動させて被彫アライメントを行い、その後に露光する。現在のリソグラフィ装置のアライメントは、主にウエハテーブルの正確な位置決めによって、ウエハにおけるウエハ領域とビーム投影露光領域とのアライメントを実現する。このアライメントは、ウエハテーブルの移動に起因する位置決め誤差をモータらす。また、ビームシフトによるアライメント誤差を適時に補正することができない。位置決め過程は、位置決め前の座標測定がなく、位置決め後の座標測定もないオープンループ制御状態になる。アライメント誤差のリアルタイム測定やアライメント誤差を利用したフィードバック情報はない。この誤差は一般的に数ナノメートルから数十ナノメートルである。
【0074】
レーザウエハテーブルの精度は、レーザ干渉の光波長の高次処理により数ナノメートルの精度を得ることができる。ウエハテーブルの駆動装置は、圧電駆動モードであっても、ボイスコイル駆動モードなどのモードであってもよい。その移動位置決め精度はサブナノメートル級、さらにはピコメートル級まで可能だ。問題は、レーザ干渉測定された位置が光路の距離であり、必ず実際のウエハテーブルが本当に移動する必要のある距離ではない。ウエハテーブルまたはビームの周囲にわずかな温度変化がある限り、空気濃度と気圧の変化は光路差と実際の距離との不一致を引き起こすことにより、レーザで測定された距離はウエハテーブルが移動する必要のある実際の距離ではない。また、レーザウエハテーブルの複数回の移動は、移動ごとの誤差を蓄積し、誤差を増幅する。本発明者らは、シングルナノおよびサブナノの精度を測定するには、最も正確なレーザ干渉補正機構を用いても非常に困難であり、補正が成功したとしても偶然であることを明らかにした。
【0075】
また、研究により、ある深紫外と極端紫外光学リソグラフィ装置は、そのウエハと露光ビームとの間にレーザ干渉位置決め機構があり、即ちウエハの一辺が発生露光ビームとつながっているリソグラフィ装置部分を形成し、この一辺はレーザ干渉により相互位置決めを形成することを発見した。これは一種の閉ループ制御システムである。ウエハ領域には、ウエハ領域の中間領域にグレーティング構造が設けられている。レーザ光は、露光ビームが結合されたリソグラフィ装置の部品からウエハ領域間の中間領域のグレーティング構造に照射された後、露光ビームが結合されたリソグラフィ装置の側に戻されて、照射されたレーザ光と干渉を形成し、または、露光ビームの一辺のグレーティングと二重グレーティング干渉を形成する。干渉縞の移動は、対応するウエハ領域と露光ビームとの間の相対移動である。この方法で実現される位置決め精度は、20ナノメートルから数ナノメートルオーダーまで可能である。しかし、1ナノメートル、さらにはサブナノメートルオーダーの位置決めに入ると、その干渉縞のドリフトとジッタは実際の位置決めの確定に大きく影響する。
【0076】
そのために、本発明はウエハの位置決めを正確に行うことができ、位置決めの結果に基づいて露光すべきウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現することができる技術方案を開示した。この技術方案はウエハ領域の位置決め誤差を発見し、位置決め誤差の問題を解決、解消することによって、サブナノメートルオーダーのアライメントと被彫を実現することができる。
【0077】
本発明の実施例は、光学リソグラフィ装置のサブナノメートルオーダーの被彫アライメントの装置及び方法、並びにリソグラフィシステムへの適用シーンを提供する。本発明は、ウエハテーブルを、リソグラフィ装置のウエハにおけるウエハ領域と投影露光領域との被彫アライメントの粗い位置決めとして使用する。なお、細かな被彫アライメント位置決めは、位置決め誤差を測定した後、誤差の補償を施した後に行う。本発明では、この微細な誤差補償は、サブナノメートルオーダーの変位駆動装置を用いて実現することができ、本発明は、物品を駆動するサブナノメートルオーダーの変位及びアライメント方法を解決して、ウエハにおけるウエハ領域と投影露光領域のサブナノメートルオーダーの被彫アライメント精度を達成する大きな改善に達成する。前記ウエハは、いくつかのウエハ領域120と、ウエハ領域の周囲のフィールド外領域122とを含み、ウエハには少なくとも1つの底層アライメントマークが設置され、前記ウエハ表面には感光層130が設置され、前記底層アライメントマークは感光層に対応する三次元マークを形成し、前記三次元マークは前記感光層の上面と同一水平面に位置しない領域を有する。本発明の前記三次元マークは、ウエハに予め設けられた底層アライメントマークが感光層に形成された三次元マークを含み、照射誘起により感光層が改質される特性に応じて感光層に形成された立体図案の三次元マークも含む。
【0078】
図1は、本発明のフォトエッチングパターンアライメント装置の模式図であり、前記アライメント装置はリソグラフィ装置の本体内に設置され、前記リソグラフィ装置の本体内に、処理すべきウエハ110を載置するための一つのウエハテーブル100が備えられ、本発明に係るリソグラフィ装置は、ウエハテーブルを段階的に移動させることによってウエハの異なるウエハ領域を順次露光する目的を達成するステップ式リソグラフィ装置である。ウエハテーブルの上方には、前記感光層の上方に位置し、ある走査領域内を移動して走査し、その領域内の三次元マーク及び/又はウエハ領域に形成された立体図案の三次元マークの座標を特定する少なくとも1つの針先センシングヘッド91を含む一つのナノ針先センシング装置90が設置されている。
【0079】
ウエハに投影露光領域を形成するウエハ領域の露光に必要な露光ビームを供給するための露光ビーム発生装置300をウエハの上方に設置し、さらに、本発明のアライメント装置は、前記投影露光領域と露光すべきウエハ領域とが位置合わせるように、前記ナノ針先センシング装置によって測定された三次元マーク座標に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するための変位駆動装置400をさらに備える。
【0080】
図1に示すフォトエッチングパターンアライメント装置は、ナノ針先センシング装置によって測定された三次元マーク座標を受け取り、当該三次元マーク座標を基準座標と比較して、2つの座標の横方向、縦方向、または周方向における変位の差を得るためのコンピュータ制御システム200をさらに含み、2つの座標の周方向における変位の差は、三次元マークの円周方向における変位の差を指す。前記コンピュータ制御システムは、当該変位差を前記変位駆動装置400に伝達するために使用され、前記変位駆動装置400は、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルを同じウエハ領域の前後2回の露光の誤差を低減するように対応して移動させる。
【0081】
本発明の前記基準座標は、各三次元マークがコンピュータ制御システム内に予め記憶されている一定の走査領域内の座標であるか、又は、前記ナノ針先センシング装置が前記三次元マークを当該ウエハ領域の露光前に測定した座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために理論的に横方向及び縦方向に移動しようとする距離とを合わせた後の前記走査領域内における対応する座標であり、理論的に横方向及び縦方向に移動しようとする距離を前記コンピュータ制御システム内に予め記憶しており、前記三次元マークは照射誘起感光層変性(IIRC)による感光層表面立体図案であれば、前記三次元マークの基準座標は露光されたウエハ領域の立体図案がコンピュータ制御システム内に予め記憶される走査領域内のパターンや座標などのパラメータである。
【0082】
本発明に係る露光ビーム発生装置によって発生された露光ビームは、光ビーム、電子ビーム、イオンビームまたは原子ビームの少なくとも1つであり、本発明は主に光学リソグラフィ装置を例として紹介する。
【0083】
図2は具体的な実施形態のリソグラフィ装置の構造の模式図であり、具体的にはサブナノメートルオーダーのステップ式リピート露光光学リソグラフィ装置の原理図を示す。その光学リソグラフィ装置のシステムは、主に次の部分から構成されている。
【0084】
ビーム発生装置は、光源10と、光ゲート20と、ビーム整形システム30と、ビーム偏向シート又はミラー40と、整形レンズ群50と、マスクプレート作業台60と、投影対物レンズ群70とを含む。リソグラフィ装置のコンピュータ制御システム200は、光ゲート20を制御し、光源の露光時間を決定することができる。
【0085】
ウエハテーブル100は、処理すべきウエハ110を載置するためのものであり、ウエハは、いくつかのウエハ領域120を含み、ウエハにいくつかの三次元マーク(以下に詳細を説明する)が設置されている。ウエハテーブル100は、移動部分と固定部分とを備え、移動部分は、ウエハ領域切換駆動装置105と、精密移動装置106とを含み、ウエハ領域切換駆動装置の固定部分104はウエハ領域切換駆動装置105の下方に位置し、異なるウエハ領域を順次ビーム発生装置の下方に露光するように、ウエハ領域切換駆動装置105を載置しウエハをステップ式で移動させて駆動するためのものである。コンピュータ制御システム200は、ウエハステージの正確な移動を制御するウエハ領域切換駆動装置105に接続され、全てのウエハ領域の露光を実現するように、ウエハをステップ式で移動させて駆動するためのものである。ウエハ領域切換駆動装置は、変位範囲が大きく、ウエハ領域切換駆動装置は通常のミクロンオーダー以上の移動距離であり、現在、一部が精密なウエハ領域切換駆動装置の移動が10nmから2.5nmまでの位置決め精度に制御されることができる。精密移動装置106が固定装置107の上方に位置し、固定装置107がウエハ領域切換駆動装置105の上方に設置し、精密移動装置106はウエハの横方向、縦方向、または周方向における位置をサブナノメートルオーダーで微調整することができ、精密移動装置を設置することにより、ウエハテーブルの移動精度に対するウエハ位置決めの依存性を低減することによって、移動位置決め精度の低いウエハテーブルの使用を許可する。例えば、一台の1nmの位置決め精度が要求されるウエハテーブルを一台の1000nmの位置決め精度のウエハテーブルに置き換えることができ、ウエハテーブルのコストを大幅に削減することができる。
【0086】
ナノ針先センシング装置90は、針先センシングヘッド91,92と、針先センシングヘッドを連結するマイクロカンチレバー91a,92aとを含み、針先センシングヘッドは、前記ウエハの感光層の上方にあり、ある走査領域内を走査して、その領域内の三次元マークの座標を特定し、得られた信号をコンピュータ制御システム200内に伝送して基準座標と照合するためのものである。ナノ針先センシング装置は、ウエハに近いが、露光ビームの位置決めに影響を及ぼさない部材に固定することができ、本実施例では、針先センシングヘッド91,92は投影対物レンズ群70のレンズ側辺に固定されている。針先センシングヘッドは光子ビームと共に移動し、もちろん針先センシングヘッドも光子ビームと共にドリフトする。このような利点は、針先センシングヘッドのマイクロカンチレバーを非常に短くすることができ、針先センシングヘッド表面の三次元測定の分解能を向上させることができる。
【0087】
図2に示すリソグラフィ装置の構造の模式図では、ビーム投影対物レンズ群70の辺に固定された針先センシングヘッド91,92は、ビーム投影対物レンズ群の両辺、すなわち各辺に1つまたは1列にそれぞれ設置され、測定するようにウエハ領域の投影露光領域の両辺の領域をカバーすることができる状況になる。すなわち、針先センシングヘッドの各々または各列は、投影露光領域のウエハ領域の両辺に対応しており、ウエハ領域の両辺のウエハ領域間のフィールド外三次元マークを測定することができる。針先センシングヘッドの各々又は各列は、ビーム投影対物レンズ群の上面に固定されており、それらの相互間の距離は固定されている。したがって、互いの座標も固定されている。針先センシングヘッドをウエハ領域の両辺に設置する利点は、各針先センシングヘッドの走査範囲を大幅に縮小し、すなわち、ウエハ領域の一方の領域間中間領域からウエハ領域の他方の領域間中間領域までウエハ領域全体にわたって走査することなく、各ウエハ領域の中間領域のみを走査すればよいことである。これにより、針先センシングヘッドの走査の直線性及び位置決め精度を大幅に向上させる。
【0088】
変位駆動装置400は、ウエハ領域をステップ式に切り換えるように駆動するウエハ領域切換駆動装置105と、ナノ変位駆動装置420とを備える。ナノ変位駆動装置420は、コンピュータ制御システム200に接続され、ナノ針先センシング装置90によって測定された底層アライメントマークの座標に基づいて、ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルの位置微調整を制御して、露光すべきウエハ領域をビーム発生システムによって放出された露光ビームに被彫アライメントし、露光を完了する。本実施例では、ナノ変位駆動装置420は、ミラー40、整形レンズ群50、マスクプレート60、投影対物レンズ群70、またはウエハテーブル100の少なくとも1つを選択的に駆動して移動させることができ、投影露光領域と露光すべきウエハ領域との微調整されたアライメントを実現する。
【0089】
本実施例では、マスクプレート作業台60にナノ変位駆動装置61を取り付けてマスクプレートを横方向に移動させるか、投影対物レンズ群70の周囲に、透鏡のレンズを駆動して横方向に移動させることができるナノ変位駆動装置71を設置するか、又は光子ビーム/電子ビームまたは偏向装置40を横方向に移動させるナノ変位駆動装置41を設置する。前記ナノ変位駆動装置のいずれかを任意に選択することにより、投影露光領域の位置微調整を実現することができ、好ましくは、前記部品に一つ以上のナノ変位駆動装置を設けてもよい。
【0090】
ウエハに三次元マークを設置することによって、ウエハにおける三次元マークを用いてウエハの露光すべきウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するためには、ウエハに適切な三次元マークを設置する必要がある。以下に詳細に説明する。
【0091】
図3は、予め設置された三次元マークのウエハにおける位置をに示す模式図である。ウエハ110は、露光により立体図案が形成されたウエハ領域120と、ウエハ領域の周囲に設けられたフィールド外領域122とを含む。三次元マークは、ウエハ領域内に設置されてもよく、この三次元マークはフィールド内三次元マーク1201と呼ばれ、フィールド外領域内に設置されてもよいし、この三次元マークはフィールド外三次元マーク1221と呼ばれ、フィールド外三次元マークは隣接するウエハ領域間の中間地帯に設置されてもよいし、ウエハエッジ領域内に設置されてもよい。フィールド外三次元マークの利点は、これらのマークに多少の破壊的な処理が施されても、ウエハ領域の歩留まりに影響を及ぼさない。これらのマークは、光子ビーム/電子ビーム露光によりアライメント座標マークとして使用することができ、光子ビーム/電子ビーム露光によりこれを繰り返し「観察」することができ、すなわち露光することができる。
【0092】
フィールド内三次元マーク1201は、ウエハ領域内に1回目の加工工程の前に予め設置されたナノメートルオーダーの三次元マークを含み、ウエハに感光層を塗布して光ビーム露光後にウエハ領域表面の感光層に生成された立体図案の三次元マークであってもよい。フィールド内三次元マーク1201は、数nm~数百nmと小さくすることができ、占有面積が小さいので、ウエハ領域内にマークを製作してもウエハ領域の歩留まりの問題に影響を及ぼさない。
【0093】
ウエハの一回の測定により、これらの三次元マークと各ウエハ領域との座標関係を固定することができ、今後はこれらの三次元マークを測定するだけでウエハ領域の正確な座標位置を位置決めすることができる。ウエハは比較的長い時間にわたって正確な温度制御により、熱膨張と冷収縮等による変形が発生しないと仮定して、これらの座標間の位置決めは、シングルナノメートルオーダーやサブナノメートルオーダーに容易に精度良く行うことができる。
【0094】
これらの三次元マークおよびウエハ領域の位置を一回目に測定することは、即ちウエハテーブルに対するウエハの相対的な偏差、特にウエハテーブルが移動するときにウエハテーブルとウエハにおけるウエハ領域のアレイとの平行度を調整するようにウエハテーブルを回転させる必要があるかどうかを測定することである。コンピュータ制御システム200は、ウエハ領域のフィールド外三次元マークおよびフィールド内三次元マークによってリソグラフィ装置の各部品を制御し、予め設定された制御方法によってウエハ領域のサブナノメートルオーダーの縦方向の被彫アライメントおよび露光を実現する。
【0095】
三次元マークが露光しようとするウエハ領域に近いほど、ウエハ領域に用いるアライメント精度が高くなる。ウエハ領域間の三次元マーク1221は、ウエハ領域間に設定される。このような三次元マークの設置は、ステップ式リピート露光リソグラフィ装置に適している。しかし、非マスクプレートタイプの直接書き込みの光子ビーム/電子ビームリソグラフィ装置について、実際には露光の書き込みフィールド間にスペースを空けることが許されない場合が多い。グレーティングやフレネルレンズなどがその例である。
【0096】
本発明は、三次元ナノメートルオーダーの構造を感知できる計測技術を利用して、針先センシングヘッドセンシング技術を用いるとサブナノメートルオーダーの三次元トポグラフィ計測技術(サブナノメートルオーダーの原子力の三次元トポグラフィ計測技術)を実現でき、本発明は、針先センシングヘッドセンシング技術による計測で座標位置決めを実現する三次元マークをウエハに設置する。感光層やウエハ表面の三次元マークをアライメントマークとして用いることができ、例えば三次元マークのピーク位置や窪み位置を測定することにより、正確なアライメント座標を特定することができる。ウエハ表面の凹凸構造は、その上を覆う感光層表面が追従して凹凸構造を形成することが一般的であり、すなわち、位置決めが垂直に貫通することができ、よって、感光層を覆う表面はその凹凸構造により測定されることができる。
【0097】
本発明に記載のウエハは、いくつかのウエハ領域を含み、前記ウエハ領域内部または前記ウエハ領域の周囲に少なくとも1つの底層アライメントマークが設置され、前記ウエハ表面に感光層が設置され、前記底層アライメントマークは前記感光層に対応する三次元マークを形成し、前記三次元マークは前記感光層の上面と同一水平面にない領域を有する。
【0098】
図4A図4Bおよび図4Cは、それぞれウエハに三次元マークを設置する具体的な実施形態を示している。
【0099】
図4Aは、凸状の三次元マークの模式図を示しており、最初に、このような予め設置されたナノメートルオーダーの底層アライメントマークである1つ以上の底層アライメントマーク突起45a(HAMW)が、堆積法などの方法によってウエハに設置された後、ウエハの上方に感光層が設置され、感光層は一定の流動性を有しており、且つ材質が軟らかいので、当該底層アライメントマーク突起45a(HAMW)は感光層の上面に1つの対応する突起構造46a(HAMR)を形成し、この突起構造が本発明の前記三次元マークである。感光層の厚さが10nmから100nmの間であれば、ウエハ底層のアライメントマーク45a(HAMW)の上の感光層表層も追従して三次元マークとなる。したがって、この三次元マークの高さは、対応して数ナノメートルから数十ナノメートルであり、一般に100nm未満とすることができ、感光層表面における三次元マークとしての位置を正確に与えることができる。この位置は、垂直方向において、垂直下方のウエハ底層のアライメントマークの位置と完全に等価である。この方法では、ウエハパターンの横方向座標を正確に特定することができ、重要なのは、この横座標をウエハ領域(書き込みフィールド)内に設置することができるである。これらの三次元マークは、アライメントの精度を決定できるように設定されて、アライメントがウエハテーブルの移動の精度に依存しない。これにより、移動位置決め精度の低い1台のウエハテーブルを使用することを許可する。例えば、一台の1nmの位置決め精度が要求されるウエハテーブルを一台の1000nmの位置決め精度のウエハテーブルに置き換えることができ、ウエハテーブルのコストを大幅に削減することができる。
【0100】
本発明に記載の三次元マークは感光層とは少なくとも一部の領域が異なる水平面に位置し、例えば、本実施例において、当該三次元マーク46aは、前記感光層から突出する尖った突起を有し、この三次元マークが設けられたウエハを本発明のリソグラフィ装置内に置くと、ナノ針先センシング装置の針先センシングヘッドがある走査領域内を走査し、針先センシングヘッドの先端原子とウエハ表面原子との間には非常に弱い反発力が存在するため、針先センシングヘッドとウエハ表面原子との間に作用力に応じた等位面を有するマイクロカンチレバーがウエハ表面に垂直な方向に波打つように移動する。光検出法またはトンネル電流検出法を用いて、走査の各点に対応するマイクロカンチレバーの位置変化を測定することができ、ウエハ表面のモフォロジーの情報を得ることができる。本発明では、三次元マークは尖った突起を有し、尖った突起から針先センシングヘッドまでの距離と感光層の上面から針先センシングヘッドまでの距離とが異なることによって、針先センシングヘッドの走査時における三次元マークの位置決めを実現する。三次元マークの座標を正確に識別するために、本発明で設置された三次元マークの高さは前記感光層の表面粗さより大きく、任意の高さは50μm以下であることが好ましい。
【0101】
図4Bは、ウエハ表面の三次元マークが凹部の構造の模式図を示しており、図4Aに示す三次元突起構造を実現するためには、ウエハに材料を追加する必要がある。これに対して、エッチングによって逆の三次元「突出」構造45b、すなわち凹み構造を形成することは、ウエハに追加材料を堆積することなく、既存のウエハの材料を「掘り起こす」ことができ、三次元凸構造を作製するよりも容易であるという利点がある。以上の説明によれば、感光層には凹みの三次元マーク46bが形成されていることに対応しており、針先センシングヘッド原子力顕微鏡では三次元構造体全体を測定できるため、三次元構造のピットはその先端に数ナノメートルサイズであっても、構造体のすべての三次元モフォロジー情報をシングルナノメートルオーダーのレベルまで位置決めを向上させることができる。
【0102】
図4Cは、エッチング技術によりエッチングされたウエハ表面のナノメートルオーダーの凹凸型三次元マーク構造の模式図である。この利点は、ウエハに堆積する他の材料を追加することなく、ナノメートルオーダーの三次元マークとして三次元凸構造を得ることができることであり、本実施例では、ウエハにおける底層アライメントマーク45cは1つ以上の点状の構造を有し、対応する感光層における三次元マーク46cも1つ以上の点状の構造を有することによって、針先センシングヘッドのより正確な位置決めを実現することができる。
【0103】
一つの三次元マークを実現し、即ちウエハ座標を正確に位置決めするために、本明細書に記載された三次元マークは、好ましくは、あるパターン特徴を有し、前記パターン特徴は、少なくとも1つの点状特徴44に加えて、前記点状特徴に接続された稜線特徴43を含み、前記点状特徴および稜線特徴は、前記感光層の上面と同一平面内に完全に位置しない。図4Dは、感光層とは異なる水平面内に位置するいくつかの稜線特徴43を追加することによって、三次元マークの検出可能面積を増大させ、三次元マークの位置決め精度を向上させる立体的なプリズム構造の模式図を示す。
【0104】
上記の実施例は、一つのマイクロコーン、一つのマイクロピラミッド、または一つのマイクロ針先センシングヘッドなどのような、突出または凹みのナノ三次元構造をウエハ表面に予め設置する。その直径のオーダーは数ナノメートルから数十ナノメートルで、通常は100ナノメートル未満である。これらのマイクロ構造は、プラズマエッチング技術または電子ビーム誘起堆積技術(EBID)によって実現することができる。
【0105】
本発明は、ウエハに複数の三次元マークを設けることができ、一つの好ましい方式は、少なくとも一つの三次元マークがウエハ領域毎に対応して設置され、当該三次元マークはウエハ領域内部に設置されたフィールド内三次元マークであってもよいし、ウエハ領域周囲に設置されたフィールド外三次元マークであってもよいし、当該ウエハ領域の周囲は横方向に隣接する2つのウエハ領域または縦方向に隣接する2つのウエハ領域の間にあるフィールド外領域、又はウエハのエッジとウエハ領域と対応するフィールド外領域などを含み、好ましは、各ウエハ領域に対応する三次元マーク座標とそのウエハ領域との相対位置が固定されている。上述した図4A~4Dに示す三次元マークは、ウエハに絶対位置を設置する三次元マークであるが、これに加えて、感光層の特性により、露光後の特定の感光層形状に応じて、針先センシングヘッドセンシング技術を用いてウエハを位置決めすることも可能である。相対的なマークの位置決めによるウエハ領域の被彫精度を向上させる。
【0106】
上記の底層アライメントマークは、ウエハの一回目の露光前にウエハ表面に製作されたマークと、次の露光工程で前記感光層の下方に設置されたマークとを含むが、パターン転写過程に発生する可能性のある三次元マークの損失により、三次元マークの点状の特徴や稜線状の特徴が弱まることを考慮し、ある工程を行った後に底層アライメントマークを再製作することにより、次の感光層表面の三次元マークの位置決めの正確度を向上させることができる。
【0107】
図5Aは、照射誘導感光層改質(IIRC:Irradiation Induced Resist Change)パターンの模式図を示し、照射誘導感光層改質は光子ビーム、または電子ビーム、または他の粒子ビームの照射によって露光された位置において、感光層の化学的および/または物理的特性が変化することを指す。化学的変化は、光子線・電子線による感光層の表面化学反応を含み、照射された感光層部分が不溶化状態から現像時に溶解(ポジ型接着剤)へと変化したり、溶解状態が露光反応によって溶解不能(ネガ型接着剤)へと変化したりする。光子線・電子線露光によって感光層表面の微小な幾何学的寸法の変化を含めた感光層の物理的変化を引き起こし、光子線・電子線露光によって感光層に露光パターン情報を転写する際に、感光層における凹凸構造変化が生じる。例えば、露光領域がサブナノメートルオーダーまたはナノメートルオーダーで拡張され、非露光領域48aに対して突出領域47aが形成され、図5Aを参照し、あるいは、露光領域が縮小して窪み構造を形成し、図5Bを参照して窪み領域47bと未露光領域48bを形成し、針先センシングヘッドセンシング技術により、突出領域47aと窪み領域47bを測定することにより、あるウエハ領域の位置決めを実現することができる。この変形は、針先センシングヘッド(高感度センシングヘッド)がサブナノメートルオーダーで検出することで感知することができる。
【0108】
図5A及び図5Bに示すIIRCマークを用いた位置決めの正確度を確保するために、3つ以上の三次元マークのように、いくつかの三次元マークをウエハのエッジに設置し、この三次元マークを用いてウエハ全体の位置を特定することができる。その後、針先センシングヘッドによってウエハの絶対位置が測定され、位置決めされる。ここでは、複数の針先センシングヘッドの組み合わせを使用することができ、例えば、ウエハのエッジに位置するこれらの絶対的な三次元マークの座標をウエハの中央に伝達するように、1つの直線状の複数の針先センシングヘッドのアレイを使用することができる。直線状の針先センシングヘッドアレイは、針先センシングヘッドがウエハを誤差なく測定できる範囲を大幅に拡大する。一次元の直線性針先センシングヘッドアレイにおける針先センシングヘッド間の相互距離は固定されている。針先センシングヘッドの移動は、ラインアレイの両端の圧電変位またはボイスコイル駆動システムによって、ラインアレイを一括に移動させる。したがって、針先センシングヘッド間の相対座標位置は変化しない。
【0109】
ウエハ領域自体の露光によって生成された立体図案の三次元マークを用いて、次のウエハ領域の露光のアライメントを行うことができるほか、前記露光ビーム発生装置には、ウエハ領域の露光と同時にウエハ領域の周囲に立体的な一つの位置決めマークを形成するアライメントマーク発生手段(図示せず)が設けられ、この立体的な位置決めマークに基づいて針先センシングヘッドが露光すべきウエハ領域の位置決めキャリブレーションを行うことができる。例えば、光学リソグラフィ装置のシステムにおいて、マスクプレートの通常パターンの周囲に1つ以上の位置決めマーク発生装置を設置することができ、1枚の露光すべきウエハ領域を露光する際に、一つの立体位置決めマークをウエハ領域のエッジに同時に露光することにより、針先センシングヘッドの走査領域を減少させ、位置決めの効率を向上させることができ、該立体位置決めマークは、好ましくは、2枚のウエハ領域の間に位置する。次のウエハ領域の露光を行う際に、コンピュータ制御システム200は、針先センシングヘッドが走査した前のウエハ領域に対応する立体位置決めマークの座標に基づいて、ナノ変位駆動装置を用いて、露光すべきウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを行う。
【0110】
図6は、本発明の別の実施例のリソグラフィ装置の構造の模式図を示し、当該実施例では、移動部分および固定部分を含むウエハテーブル100にナノ針先センシング装置が設置され、前記マイクロカンチレバー93a,94aによって前記針先センシングヘッド93,94が前記固定部分にそれぞれ接続された。
【0111】
本実施例のアライメント方法は、まず、ウエハ領域間に設置された三次元マークを測定すること、および/または、露光前のウエハ領域内のウエハ領域のパターン構造および座標位置を測定することである。その後、露光し、ウエハ領域切替駆動装置105は、ウエハテーブル110を駆動して横方向に移動させ、次のウエハ領域を露光するために、投影露光領域を空けるとともに、移動により書き込みフィールド移動誤差を生じさせる。針先センシングヘッドにより、ウエハテーブルの移動後にモータらされたウエハ領域外及び/又はウエハ領域内表面における三次元マークの新しい座標値を測定することにより、即ちもとの三次元マークの座標値と対比して、ウエハ領域移動誤差XY座標(及びXY平面角度)に当然の移動量を与えることができる。この量は、再位置決めとしてウエハテーブルに与えることができ、また、数ナノメートル移動するようにマスクプレートや投影対物レンズ群などの光子ビームに影響を与える物体に与えることができる。本実施例では、針先センシングヘッドセンシング技術がウエハテーブルに設置されているので、ウエハエッジ領域の三次元マークを容易に測定することができ、ウエハエッジ領域の三次元マーク間の距離が大きいので、複数の三次元マークだけでウエハ全体の正確な位置を特定することができる。
【0112】
この方法と装置の問題点は、ウエハテーブルのサイズが大きく、一般的に200ミリメートル以上になることである。これにより、針先センシングヘッドと針先センシングヘッドを固定するベースとを接続するマイクロカンチレバーが長くなる。長いマイクロカンチレバーは、針先センシングヘッド表面の三次元測定の分解能を低下させる可能性があるので、本実施例を改良することができる。
【0113】
図7は、本発明の別の実施例のリソグラフィ装置の構造を示す模式図であり、当該実施例において、図2および図6の固定位置の特徴を組み込んだナノ針先センシング装置を有する。一組の針先センシングヘッド93,94はウエハテーブルに固定され、他方の組の針先センシングヘッド91,92は投影対物レンズ群の両側のような光子ビームの一方の側に固定されている。このような利点は、露光されるウエハ領域に対応するフィールド外三次元マークの座標を正確に測定することができると同時に、ウエハ全体の正確な位置を複数の三次元マークのみで特定することができることである。
【0114】
図8は、本発明の一実施例の複数の針先センシングヘッドとウエハ領域の対応関係の模式図であり、複数の針先センシングヘッドによって各ウエハ領域の座標位置が測定されて特定される。本実施例では、前記複数の針先センシングヘッド91、92、・・・9nは、連結部材140によって固定的に連結され、前記ウエハ領域の分布に従って横方向に一列に設置され、横方向の針先センシングヘッドアレイを形成する。前述したように、準備ステップでは、処理すべきウエハに少なくとも1つの底層アライメントマークが設置され、且つ前記底層アライメントマークは前記感光層に対応して三次元マークを形成する;ウエハを露光する際には、準備ステップで三次元マークが設けられたウエハを前述のリソグラフィ装置内に設置し、前記リソグラフィ装置内にはウエハに近接して投影対物レンズ群70を設置し、前記投影対物レンズ群はウエハに投影露光領域に対応し、前記ウエハテーブルを駆動するウエハ領域切替駆動装置105は、露光すべき第1のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に設置する。針先センシングヘッド91~9nの少なくとも1つを用いて感光層を一定の走査領域内で走査し、第1の三次元マーク、例えば三次元マーク1221の位置座標を得、前記第1の三次元マークの位置座標と当該第1の三次元マークの基準座標とを比較して二つの位置座標の差値を得る;前記変位駆動装置は、2つの位置座標の差値に基づいて、前記投影露光領域と前記第1のウエハ領域とが位置合わせるように前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記ビーム発生装置は、露光ビームを発生させて前記ウエハの第1のウエハ領域に照射して、前記第1のウエハ領域の露光を実現する。前記コンピュータ制御システムには、当該第1の三次元マークの基準座標が予め記憶されており、前記三次元マークが基準座標に位置するときに、前記第1のウエハ領域と投影露光領域とが位置合わせる。
【0115】
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域が前記投影対物レンズ群の下方に設置され、このとき、複数種類のアライメントマークがあり前記第1のウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現することができる。1つの方式は、前記針先センシングヘッドが、前記第1の三次元マークの移動後の位置座標を走査し、当該第1の三次元マークの移動後の基準座標と比較して、2つの位置座標の偏差を求めることであり、前記第1の三次元マークの移動後の基準座標は、第1のウエハ領域の露光時における前記第1の三次元マークの位置座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために、ウエハが理論的に横方向及び縦方向に移動すべき距離とを合わせた後の前記走査領域内で対応する座標である。ウエハが理論的に横方向及び縦方向に移動すべき距離は、露光によって生じるウエハ領域の大きさ及び隣接する2つのウエハ領域間の距離等のパラメータに基づいて予め特定され、コンピュータシステム内に記憶される。前段のウエハ領域の露光時に正確な位置決めを実現した三次元マークを一歩または数歩移動させた後の位置決めは、移動したウエハ領域の数に応じてその基準座標を正確に特定することができる。この同一の三次元マークを用いてアライメントを行う際には、針先センシングヘッドの数と走査領域の範囲を考慮する必要があり、同一の三次元マークをトラッキング走査する必要があるので、好ましくは、ウエハ領域の露光前の三次元マークとウエハ移動後の同一の三次元マークをそれぞれ両側で座標測定する2つの針先センシングヘッドを設置し、別の好ましい方式は走査範囲の広い針先センシングヘッドを選択して同一の三次元マークのトラッキング走査を実現することである。
【0116】
別の種類のアライメント方式は、第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に設置し、前記針先センシングヘッドが第2の三次元マークの位置座標を走査して当該第2の三次元マークの基準座標と比較して二つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置が、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整して、前記第2のウエハ領域の露光を実現し、前記第2の三次元マークの基準座標が前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されている。アライメントの精度を保つために、好ましくは、前記第1の三次元マークを前記第1のウエハ領域に近接して設置し、前記第2の三次元マークを前記第2のウエハ領域に近接して設置する。
【0117】
第3種類のアライメント方法は、第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に設置し、前記針先センシングヘッドが、前記第1のウエハ領域の露光後に感光層に形成された立体図案のパターン及び座標を走査し、その立体図案がコンピュータ制御システム内に予め記憶されている基準パターン及び座標と比較して2つの立体図案の位置の差値を求め、前記変位駆動装置が、前記位置座標の差値に基づいて、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現する。
【0118】
上記3種類のアライメント方式は、底層アライメントマークによる三次元マークがウエハ領域の近傍に設置されているか否かに応じて1種類を選択してもよく、アライメントの精度を向上させるように2種類以上のアライメント方法を選択してもよい。あるウエハ領域をアライメントする際に、一つ以上の三次元マーク座標を同時に走査し、対応する基準座標との差値照合を行うことによって、位置合わせの精度を向上させることができる。
【0119】
第3のウエハ領域及び後続のウエハ領域は、投影対物レンズ群の下方に順次露光され、上記のアライメント方法に従って露光を実現する。
【0120】
好ましくは、前記ナノ針先センシング装置は、前記投影対物レンズ群の片側または両側に固定され、前記投影対物レンズ群との間の位置が相対的に固定される。この同一の三次元マークを用いてアライメントを行う際には、針先センシングヘッドの数と走査領域の範囲を考慮する必要があり、同一の三次元マークをトラッキングして走査する必要があるので、好ましくは、ウエハ領域の露光前の三次元マークとウエハ移動後の同一の三次元マークをそれぞれ両側で座標測定する2つの針先センシングヘッドを設置し、別の好ましい方式は走査範囲の広い針先センシングヘッドを選択して同一の三次元マークのトラッキング走査を実現することである。2つ以上の針先センシングヘッドが設けられている場合、隣接する2つの針先センシングヘッド間の距離は、1つのウエハ領域の横幅と2つのウエハ領域間のフィールド外領域の幅との和に等しく、好ましくは、隣接する2つの針先センシングヘッド間の距離は、前記2つの距離の和の倍数である。このように設計することにより、ウエハ領域が順次露光される際に、三次元マークの正確な位置決めを実現するように、針先センシングヘッドがより狭い範囲で走査されることができる。複数の針先センシングヘッドの相互間の位置は、横方向の針先センシングヘッドアレイにおける他のウエハ領域の位置へのウエハにおけるある三次元マーク座標位置決めの伝達を実現するように、接続部によって相対的に固定される。このとき、いずれかの針先センシングヘッドで測定されたウエハ座標の正確な位置決めを、他の針先センシングヘッドで測定された座標位置決めに誤差なく伝送することができる。
【0121】
針先センシングヘッド間のピッチは、1つの針先センシングヘッドがウエハエッジまたはウエハエッジ近傍の三次元マーク座標位置を測定し、別の針先センシングヘッドがウエハ領域間の中間領域の三次元マークを測定し、及びさらに別の針先センシングヘッドが別のウエハ領域のウエハ領域間の中間領域を測定し、これに基づいて類推するように、ウエハ領域にウエハ領域間の距離を加えた寸法よりも大きいかまたは等しいことができる。
【0122】
具体的には、第1の針先センシングヘッドはウエハエッジの三次元マークの位置を測定し、横方向の針先センシングヘッドアレイはこの位置を絶対値で第2の針先センシングヘッドに伝達し、ウエハに三次元マークを設置しなくても第2の針先センシングヘッドの位置の絶対座標を特定する役割を果たす。第1の針先センシングヘッドの座標は、第Nの針先センシングヘッドによってウエハのさらに中に、最後の針先センシングヘッドまで座標を伝達することもできる。一方、最後の針先センシングヘッドは、一般的にウエハの他端エジに測定された三次元マークを伝達することができる。針先センシングヘッドが移動できないウエハ領域は、横方向書き込みフィールドスプライスの方法により、複数のウエハ領域の露光座標位置決めを伝達することができ、伝達数が限られているため、過大な位置決め座標誤差の蓄積が回避され、ウエハにおける全てのウエハ領域が正確に被彫位置決めて露光されるシーンに位置合わせることができる。
【0123】
針先センシングヘッドアレイを利用して、ウエハエッジにおけるナノメートルオーダー三次元マーク、或いはウエハ中間のナノメートルオーダー三次元マーク座標とビームの相対位置の位置決めを実現し、ウエハのビームに対する位置決めを保証するために、少なくとも3つの三次元マークを使用する必要がある。3つの三次元マークのウエハにおける分布が開いているほど、ウエハの位置決めを正確に行うことができる。図9は多針先センシングヘッドのL型針先センシングヘッドアレイである。このアレイは、ウエハのエッジにおける非常に離れた三次元マークをウエハの正確な座標として、位置決めすることができる。
【0124】
図9は、本発明の一実施例の複数の針先センシングヘッドとウエハ領域との対応関係の模式図を示しており、本実施例では、複数の針先センシングヘッドは、連結部材150によって、L型アレイとして連結されており、図8に示す実施例の開示された横方向の針先センシングヘッドアレイのうえで、エッジ領域の他の列の三次元マークを測定することができる少なくとも1つの針先センシングヘッド101を追加し、当該L型アレイは非常に離れたウエハエッジの三次元マークをウエハの正確な座標として位置決めすることができる。
【0125】
針先センシングヘッドアレイは、ウエハエッジ両端のナノメートルオーダー三次元マークとビームの相対位置の位置決めを実現することが最も正確な位置決め方法の一つである。図10は、本発明の一種類の実施例の複数の針先センシングヘッドとウエハ領域の対応関係の模式図を示しており、本実施例では、複数の針先センシングヘッドは、連結部材160によってU字型アレイとして接続されており、図8に示す実施例の開示された横方向の針先センシングヘッドのアレイのうえで両端にエッジ領域の他の列の三次元マークを測定することができる少なくとも1つの針先センシングヘッド111をそれぞれ追加した。これにより、ウエハの両端縁に設けられた各3つ以上の間隔をあけて設置されたナノメートルオーダーの三次元マークにより、露光ビームに対するウエハの正確な座標位置を特定することができる。このアレイは、ウエハの両端における非常に離れた三次元マークをウエハの正確な座標として、位置決めすることができる。U字型の両アームは同じ長さでなくてもよい。その針先センシングヘッド直線性アレイは、ビーム投影対物レンズ群に固定されてもよく、ウエハテーブルに固定されてもよい。
【0126】
前記針先センシングヘッドは、大気または真空環境下でウエハ表面構造を測定してもよく、液浸環境下で針先センシングヘッドを液体中に浸漬してウエハ表面構造を測定してもよい。液浸式リソグラフィの場合、針先センシングヘッドによって測定される三次元マークは、液浸環境での三次元マークであってもよく、ウエハ領域及び露光ビーム以外に液浸がない環境における隣接するウエハ領域に対応する三次元マークであってもよい。
【0127】
前記針先センシングヘッドによって検出される三次元マークの表面構造データは、前記三次元マーク表面構造と前記針先センシングヘッドの針先構造との数学的な畳み込みであるため、針先センシングヘッドの形状が、その検出される三次元マークの表面構造データに影響を与える可能性があるため、前記針先センシングヘッドは、三次元マークを測定する前に、前記針先構造を測定してキャリブレーションすることによって、測定の正確度を高める必要がある。
【0128】
上記の状況は主に、投影露光領域とのアライメントを実現するように、ウエハの横方向、縦方向又は周方向の位置調整を行うことを含むが、場合によっては、ウエハと露光ビームとの直角度が偏差する可能性があり、例えば、本来水平に設置されるべきウエハにある角度の傾きが生じる。これを検出するために、3つ以上の針先センシングヘッドを設置し、且つ3つ以上の針先センシングヘッドを異なる直線に設置し、3つ以上の針先センシングヘッドが各走査領域内の三次元マークをそれぞれ測定すると、認識された三次元マークの高度差から、その三次元マークが位置するウエハ領域が傾くことで、それと針先センシングヘッドとの距離が変化したか否かを判断することができる。そして、測定された高度差に基づいて、コンピュータ制御システムによって前記ウエハテーブルを駆動し、前記ウエハが露光ビームに対して垂直になるように調整する。
【0129】
本発明の前記アライメント装置を利用して実現されるサブナノメートルオーダーの高精度リソグラフィウエハ領域の被彫アライメント方法は、以下の前準備ステップを含む。
【0130】
(準備ステップ1)
ビーム位置決めの準備。針先センシングヘッドは露光ビーム発生装置の投影対物レンズ群側辺位置に固定されているので、針先センシングヘッドと露光ビームとの相対位置は固定されている。このように、針先センシングヘッドの座標系は、露光ビーム投影露光領域が固定平行移動された座標系である。まず、感光層が塗布されたウエハ(テスト構造を有する1枚のウエハであってもよい)のアライメントを行う。十分に微細な構造のマスクプレートをキャリブレーション用マスクプレートとして使用する。光ビームは、マスクプレートを通して露光され、マスクプレートパターンはウエハ表面の感光層に転写されて、感光層にウエハ領域パターン領域を形成し、照射誘起感光層変性(IIRC)により感光層表面立体図案が生成される。この立体図案とは、ウエハ表面におけるビームの投影座標位置である。針先センシングヘッドを用いてウエハ領域外の三次元マークとウエハ領域内のIIRC立体図案の三次元マークを測定することにより、ビーム投影露光領域の位置と針先センシングヘッドの座標が相対的に固定された座標位置を特定する。
【0131】
針先センシングヘッドは、投影対物レンズ群(すなわち、ビーム投影パターン)の座標に連動する。針先センシングヘッドを使用してウエハ領域の位置決めを測定する際に、露光ビームの目のようにウエハ領域の正確な位置を捜す。
【0132】
(準備ステップ2)
ウエハを準備し、ウエハに感光層を塗布する前または後に、各ウエハ領域の三次元マーク座標位置を針先センシングヘッドで測定し、各フィールド外三次元マーク座標相互の位置を特定する。
【0133】
(準備ステップ3)
1回目のウエハにおける各ウエハ領域の露光の投影露光領域座標位置を見つけ出す。
【0134】
<方法1>
ウエハがフォトリソグラフィ露光を経ない前に、ウエハにはいかなるパターンもないので、今回の投影露光領域と前回の露光でウエハに残されたパターンのアライメント問題はない。第1のウエハ領域パターン領域をビーム投影露光によって簡単に形成した後、ウエハにおける全てのパターンの露光が完了するまで、ウエハテーブルを次のウエハ領域露光パターンに移動させてもよい。針先センシングヘッドで、各ウエハ領域のフィールド外三次元マーク座標と、ウエハ領域の投影露光領域の感光層変化(IIRC)を測定して得られたフィールド内立体図案の三次元マーク座標を測定することにより、ウエハ領域フィールド外三次元マーク座標をウエハ領域の投影露光領域の位置座標と関連付けることができる。後でウエハ領域外の三次元マーク座標を測定すれば投影露光領域の位置を確定できる。
【0135】
<方法2>
ウエハの1回目の露光後、感光層における露光パターンをウエハに転写した後、例えばプラズマエッチング方法により実現し、ウエハ領域外の三次元マークの座標とウエハ領域立体図案の三次元マーク座標位置を直接測定し記録し、将来的にウエハ領域外の三次元マーク座標を測定すればウエハ領域投影露光領域位置を推定できるようにする。測定は、針先センシングヘッドによって、またはリソグラフィ装置以外の他の測定器によって行うことができる。
【0136】
準備ステップ1、準備ステップ2及び準備ステップ3は1回限りである。開始時に、一度ウエハを測定した後、フィールド外三次元マークを使用してウエハ領域の座標位置を特定することができる。
【0137】
ウエハ領域の座標参照点。上記準備工程により、ウエハ領域座標と各ウエハ領域のフィールド外三次元マーク座標との対応付けが行われる。フィールド外三次元マーク座標を特定することにより、ウエハ領域位置座標を特定することができる。
【0138】
(準備ステップ4)
測定されたウエハにおける各ウエハ領域の配列アレイが、ウエハを載置するウエハテーブルと角度的に偏差している場合、そのウエハとウエハテーブルの水平2次元移動方向である周方向の角度誤差をキャリブレーションする必要がある。上記の準備工程が完了した後、ウエハ領域の被彫アライメントステップに入る。
【0139】
(アライメントステップ1)
第1のウエハ領域のアライメント工程を開始する。感光層120が塗布されたウエハ110をウエハテーブル100に載置し、ビーム投影対物レンズ群70に固定された針先センシングヘッドによりウエハ領域フィールド外三次元マークを測定し、準備ステップ3で得られたフィールド外三次元マーク座標とウエハ領域パターン領域とが固定されている座標関係を利用して、ビームがウエハ領域パターン領域の位置に正対するか否かを判定することができる。これにより、ビーム投影露光領域とウエハ領域パターン領域の位置との座標偏差、すなわち(ΔX1,ΔY1)を得ることができる。
【0140】
(アライメントステップ2)
マスクプレートに固定されたナノ変位駆動装置61により、アライメントステップ1で得られた座標(ΔX1,ΔY1)をマスクプレートに誤差量に応じた相対補償移動させる。投影露光領域をウエハ領域のパターン領域の位置とアライメントする。
【0141】
(アライメントステップ3)
投影露光領域内にある第1のウエハ領域に露光を行う。
【0142】
(アライメントステップ4)
針先センシングヘッドを使って、すでに露光されたウエハ領域のフィールド外三次元マーク座標とフィールド内のIIRC立体図案の三次元マークの位置を測定する;これは、ウエハ領域座標位置とビーム投影露光領域位置とを再測定したことに等しく、ウエハ領域位置とビーム投影露光領域位置とを瞬時にキャリブレーションすることができる。このように、リソグラフィ装置内の一部の部品が時間とともに微小なドリフトを持っていても、本ステップによりそれを矯正することができる。
【0143】
(アライメントステップ5)
第2のウエハ領域の露光前準備を行う。移動ウエハテーブル100は、ウエハ110を横方向に移動させて、露光された直後の第1のウエハ領域を投影露光領域の外に移動させて立体図案を有するウエハ領域とし、投影露光領域に後続するウエハの第2のウエハ領域を進入させるための空間を空ける。ウエハテーブルの移動は、ウエハ領域の位置決め誤差をもたらすことがある。
【0144】
(アライメントステップ6)
針先センシングヘッドを起動して、第2のウエハ領域に対応するフィールド外三次元マーク座標を測定して認識し、投影露光領域から移動した上記第1のウエハ領域に関連するフィールド外三次元マーク座標および/またはフィールド内IIRCの立体図案の三次元マーク座標と比較して、第2のウエハ領域が移動する必要がある偏差(ΔX2,ΔY2)を導出する。
【0145】
(アライメントステップ7)
マスクプレートに固定されたナノ変位駆動装置61により、アライメントステップ6で得られた座標(ΔX1,ΔY1)に基づいてマスクプレートに誤差量に応じた対向補償移動させる。これにより、ビーム投影露光領域は、ウエハ領域の感光層の下のグラフィック領域の位置とアライメントされる。
【0146】
(アライメントステップ8)
投影露光領域内にある第2のウエハ領域に露光を行う。
【0147】
(アライメントステップ9)
針先センシングヘッドを使って、すでに露光されたウエハ領域のフィールド外三次元マーク座標または/およびフィールド内のIIRC立体図案の三次元マークの位置を測定する
【0148】
(アライメントステップ10)
第3のウエハ領域の露光前準備を行う。ウエハテーブル100は、ウエハ110を横方向に移動させて、露光された直後の第2のウエハ領域を投影露光領域の外に移動させて立体図案を有するウエハ領域とし、投影露光領域に後続のウエハの第3のウエハ領域が入るための空間を空ける。ウエハテーブルの移動は、ウエハ領域の位置決め誤差をもたらす。
【0149】
(アライメントステップ11)
針先センシングヘッドを起動して、第3のウエハ領域に関連するフィールド外三次元マーク座標を測定して認識し、投影露光領域から離れた上記第2のウエハ領域のフィールド内IIRCの立体図案の三次元マークを測定し、投影露光領域から離れた上記第1のウエハ領域に関連するフィールド外三次元マーク座標および/またはフィールド内IIRCの立体図案の三次元マーク座標と比較して、第2のウエハ領域の移動を必要とする偏差(ΔX3,ΔY3)を導出する。
【0150】
(アライメントステップ12)
マスクプレートに固定されたナノ変位駆動装置61により、アライメントステップ11で得られた座標(ΔX3,ΔY3)に基づいてマスクプレートを駆動して誤差量に応じた対向補償移動させる。ビーム投影露光領域がウエハ領域のパターン位置にアライメントされるようにする。
【0151】
(アライメントステップ13)
ウエハ全体の全ウエハ領域の露光、移動、被彫動作を繰り返して完了する。
【0152】
本実施形態で説明したアライメント用の三次元マークは、露光待ちのウエハ領域と隣接するウエハ領域との中間領域のフィールド外三次元マークだけでなく、1つ前の露光したウエハ領域の表面(感光層が塗布されている)のIIRC立体図案の三次元マークを、次のウエハ領域の露光の座標参照系として選択使用してもよい。IIRCを用いることにより、ウエハ領域間に三次元マークを設置する必要がないので、ウエハ領域間の三次元マークの設置を大幅に削減することができる。しかし、IIRC立体図案の三次元マークを一つ前の露光されたウエハ領域の座標系とすることで、針先センシングヘッドが露光された各ウエハ領域を測定することによって生じる誤差が蓄積される。したがって、一般的に、対応する三次元マークが設けられたウエハ領域と対応するフィールド外三次元マークが設けられていないウエハ領域とを間隔をあけて設置し、投影露光領域のアライメント位置決めの参照点として複数のIIRCパターンを用いることにより、複数のウエハ領域間のフィールド外三次元マークを省くとともに、蓄積された総誤差が許容範囲内であることを保証する。
【0153】
本発明の図8図10に示す実施例では、複数の針先センシングヘッドを有する線形アレイは、ウエハ領域外の三次元マークとウエハ領域内のIIRC三次元マークとを組み合わせることにより、フィールド外三次元マークの設置数をより少なくすることができる。具体的には、横方向の針先センシングヘッドアレイは、第1の針先センシングヘッドと針先センシングヘッド直線性アレイに固定された他の針先センシングヘッドとの移動誤差を第1の針先センシングヘッドの位置に結び付け、中間の複数のウエハ領域を跨ぎ、隣接するウエハ領域間の中間地帯の三次元マークを用いてウエハ領域の位置決めを確認しないため、誤差の蓄積が生じる可能性がある。
【0154】
別の実施例では、ナノメートルオーダーの三次元マークをウエハのエッジにのみ設置してもよく、次いで、複数の針先センシングヘッドの線形アレイを用いて、ウエハ内の座標位置を、線形センシングヘッドのアレイによって、ウエハのエッジの特定されたウエハ領域の三次元マーク座標位置に直接接続することにより、中間の複数のウエハ領域の前後露光が一つ前のウエハ領域の露光を参照することによる誤差の蓄積を削除することができる。
【0155】
上述したように、本発明は、ステップ式露光時のウエハの被彫精度を向上させるために、主に以下の技術方案によって実現される。
【0156】
サブナノ精度でウエハ領域/書き込みフィールドの実座標位置を測定する技術。
【0157】
針先センシングヘッド原子力顕微鏡技術が含まれる針先センシングヘッドセンシング技術を採用する。原子力顕微鏡技術は針先センシングヘッドセンシング技術の1つである。ウエハのサブナノメートルオーダーの精度の表面三次元モフォロジー、表面仕事関数のナノメートルオーダー分布などを測定できるようにする。
【0158】
物体のサブナノメートルオーダーの変位駆動技術。
【0159】
第1種類の技術は、サブナノメートルオーダーステップ幅で移動させる圧電セラミック技術である。圧電原理を利用してサブナノメートルオーダーの移動を発生させることができる。しかし、一般的な圧電移動は非線形であり、ヒステリシスループを持つ。
【0160】
第1種類の技術は電磁駆動技術である。ボイスコイルモータ(VoiceCoilMotor)は、特別な形態の直接駆動モータである。構造が簡単で小型、高速、高加速、高速応答などの特性を持つ。その位置決め精度は1/30ナノメートルオーダーに達する。その動作原理は、通電コイル(導体)を磁場内に置くと力が発生し、その力の大きさがコイルにかかる電流に比例することである。この原理に基づいて製造されたボイスコイルモータの運動形態は、直線または円弧としてもよい。本発明に当該両種類の技術を使用してもよい。
【0161】
物体のサブナノ変位駆動プラス位置決め技術。
【0162】
上記の測定・駆動技術があればサブナノメートルオーダーの位置決めを実現することができる。この位置決めとは、ウエハテーブルの移動や光子ビーム/電子ビームの移動による相対座標の偏差をなくすように、ウエハのウエハ領域/書き込みフィールドを光子ビーム/電子ビームに対してナノメートルオーダーの位置決め変位を調整することである。これにより、サブナノメートルオーダーのウエハ領域/書込フィールドの横方向スプライスおよび縦方向被彫アライメントを実現するための光子ビーム/電子ビーム位置に対して偏差したウエハ領域/書込フィールド位置誤差の複数の補正方法および装置を提供することができる。物体の変位駆動および位置決めの実施例:
【0163】
光子ビーム/電子ビームリソグラフィ装置において、サブナノメートルオーダーで位置決めされたウエハテーブルを使用してもよいし、或いは既存のウエハテーブルにピコメートルオーダーのより正確な小型のウエハテーブルを新たに設置して正確な位置決めを行ってもよく、すなわち、既存のウエハテーブルよりも移動ステップ幅が小さい。(小型のウエハテーブルは移動速度を遅くしてもよい)。
【0164】
マスクプレートを用いた光子ビーム/電子ビームリソグラフィ装置において、マスクプレート作業台を駆動してナノメートルオーダーで移動する駆動装置を設けてもよく、光子ビーム/電子ビーム投影対物レンズ群を駆動してナノメートルオーダーで移動して設けてもよく、ウエハ領域/書込フィールドのアライメント誤差の補正を実現することができる。
【0165】
光子ビーム/電子ビーム直接書き込みのリソグラフィ装置では、レンズを数ナノメートルおよび数十ナノメートル移動させるように光子ビーム/電子ビーム投影対物レンズ群を変位駆動して設置することで、書き込みフィールド/ウエハ領域に対するアライメント位置決め誤差の補正を実現することができる。
【0166】
光子ビーム/電子ビームを直接書き込むか、またはマスクプレートを使用するリソグラフィ装置において、光子ビーム/電子ビーム自体を駆動するか、または、光子ビームと電子ビームの変位および座標補正を実現する偏向装置を設けてもよい。
【0167】
リソグラフィ装置において、閉ループ制御式の測定及びウエハ領域のアライメントを行った後、露光する装置及び方法を提供する。
【0168】
本発明に開示されたリソグラフィ装置のアライメントシステムは、ウエハ領域の被彫アライメントの測定-移動-再測定の閉ループ制御特性を有し、その超高精度リソグラフィシステムのウエハ領域を具体的に被彫アライメントする方法は、次の各方法である。
【0169】
<方法1>
フィールド外三次元マーク1221を、ウエハ領域間またはウエハエッジの三次元突出(凹む)マークの座標位置などのウエハ領域アライメントの参照点、即ちウエハ領域パターンの位置を針先センシングヘッドにより検出する(ウエハにおける各ウエハ領域パターンとウエハにおける三次元突出(凹む)マークとの座標位置およびその相対座標位置は、事前に確定され、ウエハテーブルの移動およびビームシフトによって変化しない)とする。その後、ウエハテーブル100を移動させて露光済みのウエハ領域を投影露光領域から移動させ、ウエハ領域の中間またはウエハエッジの三次元突出(凹む)マークの新たな座標を測定し続け、先に投影露光領域の一つ前に露光済みのウエハ領域の座標と比較して生成された座標差とによって、次の露光すべきウエハ領域の座標偏差差値を求める。この座標差により、露光ビーム発生装置を駆動して例えばマスクプレートでナノメートルオーダーの水平移動を補償してもよく、光子ビーム/電子ビーム投影対物レンズ群を駆動してナノメートルオーダーの水平移動を設置してもよく、光子ビーム/電子ビーム自体または偏向ミラーを駆動してナノメートルオーダーの水平移動を設置してもよく、ウエハテーブルを駆動するまたはウエハテーブルに取り付けられたより小さなステップ幅の圧電ウエハテーブルを設置してもよく、これによって、ウエハ領域/書込フィールドのアライメント誤差の補正を実現することができる。
【0170】
<方法2>
第1のウエハ領域の露光後の照射誘起感光層改質(IIRC)によって形成された立体図案は、図5Aと5Bのように次のウエハ領域のアライメントの位置座標とする。この方法では、露光すべきウエハ領域に対応する三次元マークを設置しなくてもよく、すなわち、ウエハ領域内またはウエハ領域の周囲に三次元マークを設置しなくてもよく、針先センシングヘッドがある走査領域内を走査する場合、一つ前の露光済みウエハ領域に形成された立体図案の三次元マークに基づいて、ウエハ領域の境界を特定し、さらに、次の露光すべきウエハ領域がナノメートルオーダーの変位微調整および調整を行う必要があるか否かの偏差を特定する。
【0171】
<方法3>
本方法は上記方法1と方法2を組み合わせて設定する。方法1の最適な実施形態は、各ウエハ領域に対応して三次元マークを設置することであることを考慮すると、1つのウエハに多数のウエハ領域があるため、ウエハに相当数の底層アライメントマークを予め作成しておく必要がある。一方、方法2では、一つ前のウエハ領域の露光立体図案の三次元マークを用いて位置決めを行うと累積誤差の問題が発生する可能性があるので、本方法では、方法1と方法2を組み合わせて、対応する三次元マークが設置されたウエハ領域と三次元マークが設置されていないウエハ領域を間隔をあけて設置し、すなわち、ウエハ領域の対応する三次元マークを絶対参照点として、第1のウエハ領域の露光被彫アライメントを実現し、その後、ウエハ領域の露光の照射誘導感光層改質(IIRC)を横方向のウエハ領域のアライメント座標として、次のウエハ領域のアライメントと露光にアライメントを伝達し、複数のウエハ領域の露光を伝達した後、再びウエハ領域の対応する三次元マークを絶対被彫アライメントマークとして取得し、次のロットのウエハ領域の絶対露光アライメントを再開する。これにより、全てのウエハ領域の被彫精度を確保しつつ、ウエハにおける底層アライメントマークの設置量を大幅に削減することができる。
【0172】
本発明は、深紫外および極端紫外光学リソグラフィ装置に適用可能であり、露光前に感光層が塗布されたウエハに直接光子ビームを向けてアライメント測定を行うことができず、ウエハテーブルの移動によってのみウエハ領域を位置決めすることができるという技術的難題を解決する。本発明に開示された技術方案は、累積的な誤差を生じない。これにより、ウエハテーブルがその都度原点に戻り、原点を絶対参照点として指定の位置に再移動することが回避され、作業速度を大幅に向上させることができる。また、本発明はウエハテーブルが正確に位置決めされていても、光子ビームの投影対物レンズ群およびマスクプレートのドリフト(熱膨張と冷収縮などの種々の要因による)により、光子ビームにドリフトが生じ、最終的な光子ビームとウエハとのアライメントが複雑になるという技術的問題を解決する。
【0173】
以上の方法はすべてウエハと露光ビームの間の相対位置の閉ループ制御原理に基づいてウエハ領域の被彫アライメントを行う。このアライメント機構は、正確なウエハテーブルよりも高精度である。ウエハテーブルが一時的に正確に位置決めされても、ウエハにおけるビームのドリフトはウエハテーブルで補償することが困難であり、ウエハとビームとの間にアライメントされたレーザ干渉計で補償することが困難であるからである。
【0174】
以上、本発明の内容については、上述した好適な実施例により詳細に説明したが、上述した説明は、本発明を限定するものとみなされるべきではないことが認識されるべきである。このような内容を当業者が読めば、本発明の様々な修正および代替は自明であろう。したがって、本発明の保護範囲は、添付の請求の範囲によって限定されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-08-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置の本体内に位置するフォトエッチングパターンアライメント装置であって、
処理すべきウエハを載置するためのウエハテーブルであって、前記ウエハがいくつかのウエハ領域とウエハ領域の周囲のフィールド外領域とを含み、前記ウエハ表面に感光層が設置され、前記感光層に三次元マークが設けられ、前記三次元マークが前記感光層の上面と同一の水平面に位置しない領域を有するウエハテーブルと、
前記感光層の上方に位置する針先センシングヘッドを含み、走査領域内を移動して走査し、当該走査領域内の三次元マークの座標を特定するためのナノ針先センシング装置と、
ウエハ領域の露光に必要な露光ビームを供給し、前記感光層に投影露光領域を形成するための露光ビーム発生装置と、
前記投影露光領域と露光すべきウエハ領域とが位置合わせるように、前記針先センシングヘッドにより測定された三次元マーク座標に基づいて、前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するための変位駆動装置と、
を備えることを特徴とするフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項2】
コンピュータ制御システムをさらに含み、前記コンピュータ制御システムはナノ針先センシング装置によって測定された三次元マーク座標を受信し、当該三次元マークの基準座標と比較して、2つの座標の差値を得るためのものであり、前記コンピュータ制御システムは当該差値を前記変位駆動装置に伝達し、前記差値を補償するように、前記露光ビーム発生装置および/または前記ウエハテーブルを相互に移動させるように制御することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項3】
前記基準座標は、前記三次元マークが予め設定された位置座標であり、前記三次元マークが当該予め設定された位置にあるときに、露光すべきウエハ領域と前記投影露光領域とが位置合わせ、前記基準座標は、前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されていること
または、
前記基準座標は、前記ナノ針先センシング装置が前記三次元マークを当該ウエハ領域の露光前に測定した座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために理論上ウエハが移動すべき距離とを合わせた後の前記走査領域内で対応する座標であり、理論上ウエハが横方向及び縦方向に移動すべき距離は、前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されていることを特徴とする請求項2に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項4】
前記感光層における三次元マークは、感光層の下方に設置された底層アライメントマークが対応して感光層に形成された三次元マーク及び/又は感光層の表面に露光ビームを露光した後に形成された照射誘起感光層改質(IIRC)により形成された三次元立体図案を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項5】
前記三次元マークの高さが前記感光層の表面粗さよりも大きいこと、または、前記三次元マークは、前記感光層の上面に突出する又は窪む立体構造であることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項6】
前記三次元マークの座標は、ウエハの横方向位置座標、縦方向位置座標及び周方向位置座標を含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項7】
各ウエハ領域は少なくとも1つの三次元マークに対応し、前記三次元マークは、前記ウエハ領域内または当該ウエハ領域の周囲のフィールド外領域内に位置し、前記三次元マークの基準座標は、コンピュータ制御システム内に予め記憶されていることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項8】
対応する三次元マークが一部のウエハ領域に設けられておらず、当該ウエハ領域は、針先センシングヘッドにより測定された、一つ前の露光が完了したウエハ領域内の立体図案の三次元マークに基づいて、前記投影露光領域とのアライメントを実現することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項9】
前記露光ビーム発生装置に位置決めマーク発生装置が設けられ、前記位置決めマーク発生装置は、ウエハ領域が露光されたと同時にウエハ領域の周囲に立体位置決めマークを形成し、当該立体位置決めマークに基づいて針先センシングヘッドが露光すべきウエハ領域の位置を位置決めしてキャリブレーションすることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項10】
前記針先センシングヘッドは、駆動型原子力針先センシングヘッド、レーザ反射型原子力針先センシングヘッド、トンネル電子プローブセンシングヘッド、又はナノメートルオーダー表面仕事関数測定センシングヘッドのうちの1つ又は複数の組み合わせであることを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項11】
前記針先センシングヘッドが測定する三次元マークの表面構造データは、前記三次元マークの表面構造と前記針先センシングヘッドの針先構造との数学的畳み込みであり、前記針先センシングヘッドは、三次元マークを測定する前に、前記針先構造の測定及びキャリブレーションを行うことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項12】
前記ナノ針先センシング装置は、一端が固定され、一端に前記針先センシングヘッドが設置されたマイクロカンチレバーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項13】
前記ナノ針先センシング装置は、前記マイクロカンチレバーによって前記露光ビーム発生装置の片側または両側に固定された1つ以上の針先センシングヘッドを含むことを特徴とする請求項12に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項14】
前記露光ビーム発生装置は、前記ウエハの上方に設置された投影対物レンズ群を含み、前記投影対物レンズ群の片側または両側に、マイクロカンチレバーによって前記1つ以上の針先センシングヘッドが固定されており、そのうちの1つ以上の前記針先センシングヘッドは、前記ウエハテーブルの固定部分に固定され、1つ以上の前記針先センシングヘッドは、前記露光ビーム発生装置の側辺に固定され、複数の前記針先センシングヘッド間の相対距離は固定されていることを特徴とする請求項25に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項15】
前記ナノ針先センシング装置は、ウエハテーブルの固定部分に連結部材によって固定された、および/または露光ビーム発生装置に連結部材によって固定された3つ以上の針先センシングヘッドを含み、前記針先センシングヘッドは、ウエハが露光ビームに垂直であるか否かを特定するように、異なる直線に位置することを特徴とする請求項1に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置。
【請求項16】
ウエハ内の複数のウエハ領域に繰り返し露光を実現するためのステップ式リソグラフィ装置であって、請求項1から15のいずれか一項に記載のフォトエッチングパターンアライメント装置が前記リソグラフィ装置内に設置されていることを特徴とするステップ式リソグラフィ装置。
【請求項17】
ステップ式リソグラフィ装置の動作方法であって、
前記方法は、
少なくとも1つの底層アライメントマークをウエハに設置し、前記処理すべきウエハに感光層を塗布し、前記底層アライメントマークが前記感光層に対応して三次元マークを形成する準備ステップと、
準備ステップで三次元マークが設けられたウエハを、請求項16に記載のリソグラフィ装置内に設置し、前記リソグラフィ装置内にウエハに近接して一つの投影対物レンズ群が設置され、前記投影対物レンズ群がウエハに投影露光領域に対応し、前記投影対物レンズ群の下方に露光すべき第1のウエハ領域が設置されるように前記ウエハテーブルを駆動し、前記針先センシングヘッドで感光層を一定の走査領域内で走査して第1の三次元マークの位置座標を得、前記第1の三次元マークの位置座標と当該第1の三次元マークの基準座標とを比較して二つの位置座標の差値を得、前記変位駆動装置は、前記投影露光領域と前記第1のウエハ領域とが位置合わせるように、2つの位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整するアライメントステップと、
前記ビーム発生装置が、露光ビームを発生させて前記ウエハの第1のウエハ領域に照射して、前記第1のウエハ領域の露光を実現する露光ステップと、を含むステップ式リソグラフィ装置の動作方法。
【請求項18】
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に置き、前記針先センシングヘッドは、前記第1の三次元マークの移動後の位置座標を走査し、当該第1の三次元マークの移動後の基準座標と比較して2つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置は、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の三次元マークの移動後の基準座標は、第1のウエハ領域を露光する際の前記第1の三次元マークの位置座標と、次の露光が必要なウエハ領域と投影露光領域とのアライメントを実現するために、ウエハが理論的に横方向及び縦方向に移動すべき距離とを合わせた後の前記走査領域内で対応する座標であることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に配置し、前記針先センシングヘッドが第2の三次元マークの位置座標を走査して当該第2の三次元マークの基準座標と比較して二つの位置座標の偏差を求め、前記変位駆動装置が、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記位置座標の差値に基づいて前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整して、前記第2のウエハ領域の露光を実現し、前記第2の三次元マークの基準座標が前記コンピュータ制御システム内に予め記憶されていること
または、
第1のウエハ領域の露光が完了した後、前記第2のウエハ領域を前記投影対物レンズ群の下方に配置し、前記針先センシングヘッドが、前記第1のウエハ領域の露光後に感光層に形成された立体図案のパターン及び座標を走査し、当該立体図案の予め設定されているパターン及び座標と比較して2つの立体図案の位置の差値を得、前記変位駆動装置が、前記位置座標の差値に基づいて、前記投影露光領域と前記第2のウエハ領域とが位置合わせるように、前記露光ビーム発生装置と前記ウエハテーブルとの相対位置を調整し、前記第2のウエハ領域の露光を実現することを特徴とする請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】