(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】移動可能な上流カバーおよび下流カバーを有するエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/40 20200101AFI20231208BHJP
A24F 40/85 20200101ALI20231208BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20231208BHJP
【FI】
A24F40/40
A24F40/85
A24F40/20
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023534298
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-06
(86)【国際出願番号】 EP2021083884
(87)【国際公開番号】W WO2022122524
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】イム ジュン ウェイ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB17
4B162AC04
4B162AC12
4B162AD20
4B162AD27
4B162AF01
(57)【要約】
本発明は、物品を受容するための空洞であって、物品を受容するための下流開口部および少なくとも一つの上流開口部を備える、空洞と、下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーと、少なくとも一つの上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーと、カバー移動要素であって、下流カバーが開くことまたは物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが開き、かつ下流カバーが閉じることまたは空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが閉じること、上流カバーが開くことまたは物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが開き、かつ上流カバーが閉じることまたは空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが閉じること、のうちの一つ以上のために構成されたカバー移動要素と、を備える、エアロゾル発生装置に関する。こうしたエアロゾル発生装置は、上流カバーおよび下流カバーの両方が別個の動作工程で開かれる必要なしに、容易に動作させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
物品を受容するための空洞であって、前記物品を受容するための下流開口部および少なくとも一つの上流開口部を備える、空洞と、
前記下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーと、
前記少なくとも一つの上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーと、
カバー移動要素であって、
前記下流カバーが開くことまたは前記物品が前記空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して前記上流カバーが開き、かつ
前記下流カバーが閉じることまたは前記空洞から前記物品が除去されることのうちの一方または両方に際して前記上流カバーが閉じること、
前記上流カバーが開くことまたは前記物品が前記空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して前記下流カバーが開き、かつ
前記上流カバーが閉じることまたは前記空洞から前記物品が除去されることのうちの一方または両方に際して前記下流カバーが閉じること、のうちの一つ以上のために構成されたカバー移動要素と、を備える、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記エアロゾル発生装置が、前記少なくとも一つの上流開口部を含む上流端面を備え、前記上流カバーが前記上流端面の上を摺動可能であるように構成されている、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記カバー移動要素が、前記上流カバーと前記下流カバーとの間に機械的リンク機構を備える、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記機械的リンク機構が、前記上流カバーおよび前記下流カバーの両方に接続されたスライダを含み、前記スライダが前記装置に摺動可能に取り付けられていて、好ましくは、前記スライダが前記上流カバーおよび前記下流カバーを同時に移動させるように構成されている、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記機械的リンク機構が、前記エアロゾル発生装置に回転可能に取り付けられたシャフトを備え、前記シャフトは前記上流カバーおよび前記下流カバーの両方に回転可能に接続されていて、好ましくは、前記シャフトがギアホイールを含み、前記上流カバーおよび前記下流カバーがギアラックを介して前記シャフトの前記ギアホイールに回転可能に接続されている、請求項3に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記上流カバーを移動させるように構成された駆動機構を含み、好ましくは、前記駆動機構が電気モーターを備え、より好ましくは、前記エアロゾル発生装置が、前記電気モーターに接続されたシャフトを備え、前記シャフトが、前記上流カバーを移動させるように構成されている、請求項1または2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記駆動機構を制御するための制御回路をさらに備え、より好ましくは、前記下流カバーが、前記制御回路に電気的に接続するための電気的カバー接続を含む、請求項6に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記空洞内の物品の存在を検出するための検出器を備え、前記検出器が前記カバー移動要素を制御するように構成されている、請求項1、2、6または7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記検出器が、少なくとも部分的に前記空洞内に位置するトグルスイッチを備え、好ましくは、前記トグルスイッチが、前記物品が前記空洞内に挿入されることに際してトリガーされるように構成されている、請求項8に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記カバー移動要素が、前記上流開口部を自動的に開閉するように構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記少なくとも一つの上流開口部が空気吸込み口を形成し、好ましくは、複数の空気吸込み口が前記エアロゾル発生装置内に存在する、請求項1から10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品、および、
クリーニング物品、のうちの一方または両方と、
を含む、エアロゾル発生システム。
【請求項13】
請求項12に記載のエアロゾル発生システムを動作させる方法であって、前記方法が、
前記下流開口部から前記下流カバーを移動することと、
前記物品を前記空洞に挿入することと、を含み、
前記カバー移動要素が、
前記下流カバーを移動させることまたは
前記物品が前記空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、前記上流カバーを、前記少なくとも一つの上流開口部から移動する、方法。
【請求項14】
請求項13に記載の動作方法であって、
前記物品を前記空洞から除去することと、
前記下流開口部の上に前記下流カバーを移動することと、を含み、
前記カバー移動要素が、
前記下流カバーを移動させること、および
前記空洞から前記物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、前記上流カバーを、前記少なくとも一つの上流開口部の上に移動する、方法。
【請求項15】
請求項12に記載のエアロゾル発生システムを動作させる方法であって、
前記空洞から前記物品を除去することを含み、前記カバー移動要素が、前記少なくとも一つの上流開口部の上に前記上流カバーを移動させ、かつ前記空洞から前記物品が除去されることに際して、前記カバー移動要素が、前記下流開口部の上に前記下流カバーを移動させる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーおよび下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーを備えるエアロゾル発生装置に関する。本発明は、エアロゾル発生装置を備えるエアロゾル発生システムにさらに関する。本発明はさらに、エアロゾル発生システムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生物品中のエアロゾル形成基体(たばこなど)を加熱するが燃焼しないエアロゾル発生装置が知られている。こうした装置は、ユーザーによる吸入のためのエアロゾルを発生させるためにエアロゾル形成基体を十分に高温に加熱する。これらのエアロゾル発生装置は通常、エアロゾル発生物品を受容するための空洞を含む。エアロゾル発生物品は通常、エアロゾル発生装置の下流開口部を介して空洞の中に挿入される。エアロゾル発生装置はまた、装置を通した気流経路を提供するための空気吸込み口を含む。これらの装置は典型的に、携帯型の手持ち式の装置であり、コンパクトであることが要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
エアロゾル形成物品からの残留物または破片は、経時的にエアロゾル発生装置の空洞の中に堆積する。この残留物または破片は、偶発的にエアロゾル発生装置から出て、それによって、意図せずに、例えば、エアロゾル発生装置が搬送されるポケットなど、装置の外側を汚染する場合がある。開口部を覆うためのドアを含む、エアロゾル発生装置が知られている。ユーザーはこれらのドアを開閉する必要があり、エアロゾル発生装置の動作のために必要とされる時間が増加する。装置のクリーニングはまた、ユーザーが、下流開口部および上流開口部の両方をカバーするドアを手動で開けることも必要であり、これは手間がかかる。
【0004】
すべてのドアを手動で開く必要なしに、簡単に操作できるエアロゾル発生装置を提供することが望ましい。装置の空洞の中に堆積した破片または残留物が、意図せずに装置を出ることのないエアロゾル発生装置を提供することがさらに望ましいことになる。より少ない動作工程数で容易にクリーニングできるエアロゾル発生装置を提供することがさらに望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】スライダが開いた状態(
図1A)および閉じた状態(
図1B)での、スライダを有するエアロゾル発生装置の一実施形態の簡略化された斜視図を示す。
【
図2】クリーニング物品を受容している、開いた下流カバーおよび開いた上流カバーを有するエアロゾル発生装置を示す。
【
図3】スライダとエアロゾル発生装置との間の相互接続を詳細に示す、カバー移動要素としてのスライダを有するエアロゾル発生装置の断面図を示す。
【
図4】回転可能なシャフトを有するエアロゾル発生装置の別の実施形態の簡略化された斜視図を示す。
【
図5A】開いた状態および閉じた状態の駆動機構を有するエアロゾル発生装置の別の実施形態の概略斜視図を示す。
【
図5B】開いた状態および閉じた状態の駆動機構を有するエアロゾル発生装置の別の実施形態の概略斜視図を示す。
【
図6】エアロゾル発生装置の空洞内の物品の存在を検出するためのトグルスイッチを有するエアロゾル発生装置のさらなる実施形態の断面図を示す。
【
図7】下流カバーを機械的に開閉する際に、電気モーターを使用して上流カバーを開閉する方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、物品を受容するための空洞を備えることができ、空洞が、物品を受容するための下流開口部および少なくとも一つの上流開口部を備える、エアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、
下流カバーが開くこと、または物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが開き、かつ
下流カバーが閉じること、または空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが閉じること、
上流カバーが開くこと、または物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが開き、かつ
上流カバーが閉じること、または空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが閉じること、のうちの一つ以上のために構成されうるカバー移動要素を備えてもよい。
【0007】
別の実施形態によれば、物品を受容するための空洞を備え、空洞が、物品を受容するための下流開口部および少なくとも一つの上流開口部を備える、エアロゾル発生装置が提供される。エアロゾル発生装置は、下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーを備える。エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーを備える。エアロゾル発生装置は、
下流カバーが開くこと、または物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが開き、かつ
下流カバーが閉じること、または空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが閉じること、
上流カバーが開くこと、または物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが開き、かつ
上流カバーが閉じること、または空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが閉じること、のうちの一つ以上のために構成されうるカバー移動要素を備えてもよい。
【0008】
カバー移動要素は、一方のカバーが開くことに際して、他方のカバーが開くことを促進しうる。物品が空洞内に挿入されることまたは空洞から物品が除去されることも、カバー移動要素をトリガしてもよい。次に、カバー移動要素は、上流カバーまたは下流カバーのいずれかを、ユーザーが他方のカバーを開くのと同時に、開閉してもよい。カバー移動要素は、ユーザーが一方のカバーを手動で開くときに、他方のカバーを同時に開くことを促進してもよい。したがって、下流カバーおよび上流カバーの両方を手動で動作する必要性はない場合がある。これにより、エアロゾル発生装置の動作が大幅に容易になりうる。カバー移動要素は、さらに、両方のカバーの同時の開閉を促進しうる。これにより、空洞内に堆積された破片が、意図せずに装置を出るリスクが減少しうる。
【0009】
カバー移動要素はまた、エアロゾル発生装置を容易にクリーニングすることができるように、下流カバーおよび上流カバーの両方を開くことを容易にしてもよい。
【0010】
カバー移動要素は、下流カバーおよび上流カバーのうちの一方または両方を開閉するように構成されてもよい。カバー移動要素は、下流カバーの一方または両方を閉じることだけをするように構成されてもよく、または下流カバーのうちの一方または両方を開くことだけをするように構成されてもよい。
【0011】
本明細書で使用される「上流」および「下流」という用語は、エアロゾル発生装置の使用中に空気が気流経路に沿ってエアロゾル発生装置を通って流れる方向に対する、エアロゾル発生装置の構成要素の、または構成要素の部分の相対的な位置を説明するために使用される。本発明によるエアロゾル発生装置は、使用時にエアロゾルが通って装置を出る近位端を備える。エアロゾル発生装置の近位端はまた、口側端または下流端と呼ばれてもよい。口側端は遠位端の下流である。口側端はマウスピースを備えてもよい。エアロゾル発生装置の遠位端は、上流端と呼ばれることもある。エアロゾル発生装置の構成要素または構成要素の部分は、エアロゾル発生装置を通る気流経路に対するこれらの相対的な位置に基づいて、互いの上流または下流にあるものとして記述されてもよい。
【0012】
カバー移動要素は、上流開口部および下流開口部のうちの一方または両方を自動的に開くまたは閉じるように構成されてもよい。
【0013】
エアロゾル発生装置は、少なくとも一つの上流開口部を備える上流端面を備えてもよい。上流カバーは、上流端面の上を摺動可能であるように構成されてもよい。
【0014】
摺動可能な上流カバーは、ユーザーが上流カバーを簡単に操作することを可能にしうる。
【0015】
エアロゾル発生装置は、下流開口部を備える下流端面を備えてもよい。エアロゾル発生装置の下流カバーは、下流端面の上を摺動可能であるように構成されてもよい。
【0016】
これはまた、ユーザーによる下流カバーの操作を容易にしうる。
【0017】
あるいは、下流カバーまたは上流カバーのうちの一方または両方は、ヒンジの周りに旋回可能であるように構成されてもよい。下流カバーまたは上流カバーのうちの一方または両方は、ヒンジによってエアロゾル発生装置に接続されてもよい。下流カバーおよび上流カバーのうちの一方または両方は、摺動可能であるように構成されうることが好ましい。摺動可能な下流カバーおよび上流カバーのうちの一方または両方は、ヒンジの周りに旋回可能なカバーよりも操作が容易でありうる。
【0018】
エアロゾル発生装置において、上流カバーおよび下流カバーのうちの一方または両方は、ユーザーによって手動で開かれるように構成されてもよい。カバー移動要素は、上流カバーが開くことに際して、または下流カバーが開くことに際して起動されてもよい。
【0019】
したがって、下流カバーまたは上流カバーのいずれかを開くことによって、カバー移動要素は、ユーザーによって容易に起動されうる。
【0020】
エアロゾル発生装置のカバー移動要素は、上流カバーと下流カバーとの間に機械的リンク機構を備えてもよい。
【0021】
これにより、上流カバーと下流カバーとの間に容易な接続が提供されうる。またこれにより、上流カバーと下流カバーの両方の間に機械的結合が提供されうる。機械的リンク機構は、一方のカバーが、他方のカバーが開くことに際して、カバー移動要素によって自動的に開くことを促進してもよい。特に、機械的リンク機構は、下流カバーを開く時に上流カバーを自動的に開き、上流カバーを開く時に下流カバーを自動的に開くことを可能にしてもよい。
【0022】
機械的リンク機構は、上流カバーおよび下流カバーの両方に接続されているスライダを備えてもよい。
【0023】
こうしたスライダは、ユーザーが一方のカバーを開く時、他方のカバーが自動的に開かれうることを確実にしうる。特に、ユーザーが上流カバーを手動で開くことは、下流カバーを自動的に開くことをもたらしてもよく、逆もまた同様である。
【0024】
スライダは、装置に摺動可能に取り付けられてもよい。スライダは、上流カバーおよび下流カバーを同時に移動させるように構成されてもよい。エアロゾル発生装置は、中央長軸方向軸、および中央長軸方向軸と直角を成す横断中央軸を備えてもよい。スライダは、エアロゾル発生装置の横断中央軸に沿って移動されるように構成されてもよい。スライダは、エアロゾル発生装置内のレール上に取り付けられてもよい。レールは、上流カバーが上流開口部を覆い、下流カバーが下流開口部を覆う第一の位置と、上流開口部および下流開口部が開いていてアクセス可能である第二の位置との間で、スライダが移動することを可能にするように構成されてもよい。スライダの第二の位置では、上流カバーは上流開口部から後退してもよく、下流カバーは下流開口部から後退してもよい。
【0025】
上流カバーは、上流レール上のエアロゾル発生装置に摺動可能に取り付けられてもよい。上流カバーは、上流カバーが上流レールに摺動可能に取り付けられる上流突出部を含んでもよい。下流カバーは、下流レール上のエアロゾル発生装置に摺動可能に取り付けられてもよい。下流カバーは、下流カバーが下流レールに摺動可能に取り付けられる下流突出部を含んでもよい。スライダは、上流カバーおよび下流カバーの両方を直接接続してもよい。スライダは、エアロゾル発生装置内に摺動可能に取り付けられてもよい。スライダは、エアロゾル発生装置の中央横断軸に沿ってエアロゾル発生装置内で摺動可能であるように構成されてもよく、中央横断軸は、エアロゾル発生装置の中央長軸方向軸に対して直角を成す。
【0026】
こうした構成は、上流カバーと下流カバーの両方の間に機械的リンク機構を提供するために構築しやすい場合がある。
【0027】
スライダは、プレートとして形成されてもよい。プレートは、エアロゾル発生装置の中央長軸方向軸に沿って延びてもよい。加えて、プレートはまた、エアロゾル発生装置の中央横断軸に沿って延びてもよい。
【0028】
プレートは、エアロゾル発生装置内の限られた空間のみを占めてもよい。
【0029】
スライダは、エアロゾル発生装置内に位置する中空空間内に収容されてもよい。中空空間は、上流カバーが上流開口部を覆い、下流カバーが下流開口部を覆う第一の位置と、両方のカバーがそれぞれの開口部から後退している第二の位置との間をスライダが移動することを可能にしうる。
【0030】
エアロゾル発生装置の機械的リンク機構は、エアロゾル発生装置内に回転可能に取り付けられたシャフトを含んでもよく、シャフトは、上流カバーおよび下流カバーの両方に回転可能に接続される。
【0031】
こうしたシャフトは、シャフトを取り付けるためにエアロゾル発生装置内に大きな中空空間を提供する必要なしに、上流カバーと下流カバー両方の間の機械的リンク機構を可能にしうる。
【0032】
シャフトは、ギアホイールと上流カバーとを備えてもよく、下流カバーは、ギアラックを介してシャフトのギアホイールに回転可能に接続されてもよい。
【0033】
ギアラックおよびギアホイールは、一方の上流カバーと下流カバーとの間に、特定の単純な回転可能な接続を、および他方に回転可能なシャフトを提供しうる。
【0034】
エアロゾル発生装置は、上流カバーを移動させるように構成された駆動機構を備えてもよい。駆動機構は、電気モーターを備えてもよい。エアロゾル発生装置は、電気モーターに接続されたシャフトを備えてもよく、シャフトは、上流カバーを移動させるように構成されている。
【0035】
こうした駆動機構は、上流カバーまたは下流カバーのいずれかが、駆動機構によって自動的に開かれうることを確実にしうる。
【0036】
エアロゾル発生装置は、駆動機構を制御するための制御回路を備えてもよい。
【0037】
ユーザーは、表示装置を介して制御回路用の命令を入力してもよい。制御回路は、ユーザーが下流カバーまたは上流カバーのいずれかを手動で開くことに際して、起動するように構成されてもよい。
【0038】
エアロゾル発生装置の下流カバーは、制御回路に電気的に接続するための電気的カバー接続を含んでもよい。電気的カバー接続は、下流開口部に対する下流カバーの位置を示しうる。特に、下流カバーが下流開口部を覆う場合、電気的カバー接続は制御回路に接続されてもよい。下流カバーを手動で開くことに際して、電気的カバー接続は制御回路から離れて移動し、それによって制御回路から電気的カバー接続を断つ。こうした位置は、下流カバーが開かれていたことを制御回路に示しうる。
【0039】
エアロゾル発生装置は、空洞内の物品の存在を検出するための検出器を備えてもよい。検出器は、カバー移動要素を制御するように構成されてもよい。検出器は、物品が空洞内で検出された時に、カバー移動要素を起動しうる。
【0040】
こうした検出器は、空洞内で物品が検出されない場合、下流カバーまたは上流カバーのいずれかが、カバー移動要素によって自動的に開かれないことを確実にしうる。こうした検出器は、下流カバーまたは上流カバーのうちの一つが偶発的に開かれた場合、他方のカバーが開かれないことを確実にしうる。
【0041】
検出器は、少なくとも部分的に空洞内に位置するトグルスイッチを備えてもよい。トグルスイッチは、物品が空洞内に挿入されることに際して、トリガされるように構成されてもよい。トグルスイッチは、制御回路に電気的に接触するための電気スイッチ接続を含んでもよい。電気スイッチ接続は、空洞に受容された物品がトグルスイッチをトリガした場合、制御回路に電気的に接触しうる。
【0042】
下流カバーが閉位置にある時、上流カバーは、少なくとも一つの上流開口部を覆いうる。これにより、空洞内に堆積した破片が偶発的にエアロゾル発生装置から出ないように、上流カバーおよび下流カバーの両方が閉じていることを確実にしうる。同様に、上流カバーおよび下流カバーの両方が閉じている場合、外部からの混入物は装置に進入することができない。
【0043】
エアロゾル発生装置の空洞によって受容される物品は、エアロゾル発生物品およびクリーニング物品のうちの一方または両方でありうる。
【0044】
クリーニング物品はクリーニングヘッドを備えてもよい。クリーニング物品は、例えば、ブラシを含んでもよい。クリーニング物品は、剛毛が突出する中央長軸方向スティックを備えてもよい。長軸方向スティックは、金属、プラスチック、または木材のうちの一つ以上を含んでもよい。剛毛は、エアロゾル発生装置の空洞をクリーニングするように構成されてもよい。空洞は側壁を備えてもよく、また剛毛は、空洞の側壁をクリーニングするために構成されてもよい。クリーニング物品のクリーニングヘッドは、空洞の中に位置するあらゆる残留物を吸収するために構成された吸収材料を含んでもよい。クリーニングヘッドは、吸収材料として綿を含んでもよい。
【0045】
少なくとも一つの上流開口部は、エアロゾル発生装置の空気吸込み口を形成してもよい。空気吸込み口は、周囲空気がエアロゾル発生装置、特に空洞に入ることを可能にしうる。複数の空気吸込み口が、エアロゾル発生装置に存在してもよく、空気吸込み口の少なくとも一部またはすべてが、それが閉じている時に、エアロゾル発生装置の上流カバーによって覆われうることが好ましい。
【0046】
少なくとも一つの上流開口部はまた、物品を受容するように構成されてもよい。少なくとも一つの上流開口部は、単一の上流開口部であってもよい。上流開口部は、下流開口部と類似したまたは等しい外周および直径を有してもよい。特に、上流開口部は、下流開口部の外周および直径から、20パーセント以下、好ましくは10パーセント以下、最も好ましくは5パーセント以下の異なる外周および直径を有してもよい。上流開口部に受容される物品は、上述のクリーニング物品であってもよい。したがって、上流開口部から下流開口部に向かってクリーニング物品を空洞に挿入することによって、エアロゾル発生装置の空洞をクリーニングすることが可能でありうる。その後、クリーニング物品は、上流開口部を通してクリーニング物品を引くことによって空洞から除去されうる。別の方法として、または追加的に、エアロゾル発生物品の空洞は、クリーニング物品を下流開口部を通して空洞に挿入し、空洞の上流開口部を通してクリーニング物品を誘導することによって、クリーニングされてもよい。これにより、クリーニング手順が大幅に容易になりうる。
【0047】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は、エアロゾル形成基体を含む基体部分を含んでもよい。例えば、エアロゾル発生物品は、ユーザーの口を通ってユーザーの肺の中に直接吸入可能なエアロゾルを発生する喫煙物品であってもよい。エアロゾル発生物品は、使い捨てであってもよい。
【0048】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる一つ以上の揮発性化合物を放出する能力を有する基体に関する。こうした揮発性化合物は、エアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は好都合なことに、エアロゾル発生物品または喫煙物品の一部であってもよい。
【0049】
エアロゾル形成基体は固体エアロゾル形成基体であってもよい。エアロゾル形成基体は固体成分と液体成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、高密度で安定したエアロゾルの形成を容易にするエアロゾル形成体を含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例は、グリセリンおよびプロピレングリコールである。
【0050】
基体部分のエアロゾル形成基体は、形成されたエアロゾル形成基体のプラグを備えてもよい。プラグは、エアロゾル形成基体を含有する、プレスまたは成形された基体部分であってもよく、またはエアロゾル形成基体の周りに巻かれている紙などのラッパーを含む、予め包装された基体部分であってもよい。エアロゾル形成基体はまた、ゲルを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、揮発性エアロゾル形成体およびエアロゾルの一部を形成することができる一つ以上の活性剤のうちの一方または両方と一緒に、不揮発性担体材料を含んでもよい。不揮発性担体材料の例は、紙または綿であってもよい。エアロゾル形成基体は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体である。揮発性化合物はエアロゾル形成基体を加熱することによって放出されてもよい。エアロゾル形成基体は植物由来材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化したたばこを含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、均質化した植物由来材料を含んでもよい。
【0051】
エアロゾル形成基体は、少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にし、かつシステムの動作温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物である。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。エアロゾル形成体は、多価アルコールまたはその混合物(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)であってもよい。エアロゾル形成体はプロピレングリコールであってもよい。エアロゾル形成体は、グリセリンとプロピレングリコールの両方を含んでもよい。
【0052】
エアロゾル発生物品は、中空管状物品部分を備えてもよい。中空管状物品部分は、管状の空のコア構造を有してもよい。中空管状物品部分は、例えば中空アセテート管(HAT)、微細中空アセテート管(FHAT)、または中央の厚紙管の周りに巻かれたトウのプラグ、または厚紙から形成された管であってもよく、それらのすべての構造はフィルター要素の製造から知られている。中空管状物品部分は、エアロゾル発生物品の基体部分の下流に位置してもよい。中空管状物品部分は、エアロゾル発生物品の基体部分から発生したエアロゾルを冷却するように機能する場合がある。
【0053】
望ましい場合、または必要とされる場合、例えばエアロゾル発生物品の十分に高い引き出し抵抗を達成するために、追加のフィルター部分がエアロゾル発生物品に含まれてもよい。好ましくは、こうした追加のフィルター部分は、基体部分の下流に含まれてもよい。中空管状物品部分もエアロゾル発生物品に含まれている場合、フィルター部分は中空管状物品部分の下流に位置してもよい。こうした追加のフィルター部分は、例えばセルロースアセテートなどの濾過材料を含むことが好ましい。
【0054】
加えて、マウスピースは、エアロゾル発生物品の下流端またはエアロゾル発生装置の下流端に存在してもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置の空洞は、エアロゾル発生物品が中に挿入される開放端を有してもよい。開放端は近位端であってもよい。開放端は空洞の下流に配設されてもよい。空洞は細長い延長を有してもよい。空洞は長軸方向中心軸を有してもよい。長軸方向は、長軸方向中心軸に沿って開放端と閉鎖端の間に延びる方向であってもよい。空洞の長軸方向中心軸は、エアロゾル発生装置の長軸方向軸に平行であってもよい。
【0056】
空洞は加熱チャンバーとして構成されてもよい。空洞は円筒形状を有してもよい。空洞は中空円筒形状を有してもよい。空洞は、空洞の中に受容されるエアロゾル発生物品の形状に対応する形状を有してもよい。空洞は円形断面を有してもよい。空洞は楕円形または長方形の断面を有してもよい。空洞は、エアロゾル発生物品の外径に対応する内径を有してもよい。
【0057】
気流チャネルは、空洞を通って延びてもよい。周囲空気は、気流チャネルを通して、エアロゾル発生装置の中に、および空洞の中に、およびユーザーに向かって引き出されてもよい。空洞の下流で、マウスピースが配設されてもよく、またはユーザーがエアロゾル発生物品を直接吸ってもよい。気流チャネルはマウスピースを通って延びてもよい。
【0058】
本発明に関して本明細書で使用される場合、装置、物品、システム、基体に関する、または別の方法での「喫煙」という用語は、エアロゾル形成基体が完全にまたは少なくとも部分的に燃焼される従来の喫煙を指すものではない。本発明のエアロゾル発生装置は、エアロゾル形成基体の燃焼温度を下回る温度であるが、エアロゾル形成基体の一つ以上の揮発性化合物が放出されて吸入可能なエアロゾルを形成する温度を上回る温度にエアロゾル形成基体を加熱するように配設される。
【0059】
エアロゾル発生装置は、発熱体をさらに備えてもよい。発熱体は、エアロゾルを生成するために、空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品を加熱するように機能してもよい。発熱体は、誘導発熱体と抵抗発熱体のうちの一方または両方を備えてもよい。誘導発熱体は、空洞の少なくとも一部分の周りに配置された、かつ電源に接続されたインダクタコイルを備えてもよい。電源は、インダクタコイルに交流電流を提供するように構成されてもよく、これによって使用時にインダクタコイルは、渦電流を作り出すことによってサセプタを加熱するために、交番磁場を発生してもよい。サセプタは、エアロゾル発生装置と、エアロゾル発生装置の空洞の中に受容されたエアロゾル発生物品とのうちの一方または両方の一部とすることができる。好ましくは、サセプタは、エアロゾル発生物品の一部またはエアロゾル発生装置の一部であってもよい。
【0060】
本明細書に記述されるように、誘導加熱が利用されうる。誘導加熱のために、誘導コイルおよびサセプタが提供されている。概して、サセプタは、交番磁場によって貫通された時に熱を発生する能力を有する材料である。交番磁場に位置する時。サセプタが導電性である場合、典型的に渦電流が交番磁場によって誘発される。サセプタが磁性である場合、典型的に、加熱に寄与する別の効果は一般的に、ヒステリシス損失と呼ばれる。ヒステリシス損失は、主にサセプタ内の磁区ブロックの移動により生じる。これは、これらの磁気的な向きが、交番する磁気誘導場と整列するためである。ヒステリシス損失に寄与する別の効果は、磁区がサセプタ内で拡大または縮小する時である。一般的に、サセプタ内でナノスケール以下で起こるこれらのすべての変化は、サセプタ内で熱を生成するため、「ヒステリシス損失」と呼ばれる。よって、サセプタが磁性と導電性の両方である場合、ヒステリシス損失と渦電流の発生の両方はサセプタの加熱に寄与することになる。サセプタが磁性であるが導電性ではない場合、ヒステリシス損失は、交番磁場によって貫通された時にサセプタを加熱することになる唯一の手段になる。本発明によると、サセプタは導電性、または磁性、または導電性と磁性の両方であってもよい。一つまたは幾つかの誘導コイルによって発生された交番磁場は、サセプタを加熱し、これはその後、エアロゾルが形成されるように、熱をエアロゾル形成基体に伝達する。熱伝達は主に、熱の伝導によってもよい。こうした熱伝達は、サセプタがエアロゾル形成基体と密接な熱的接触状態にある場合に、最も良好である。
【0061】
エアロゾル発生装置は電気回路を備えてもよい。電気回路はマイクロプロセッサを備えてもよく、これはプログラマブルマイクロプロセッサであってもよい。マイクロプロセッサはコントローラの一部であってもよい。電気回路はさらなる電子構成要素を備えてもよい。電気回路は、発熱体への、具体的に誘導コイルへの電力の供給を調節するように構成されてもよい。電力はエアロゾル発生装置の起動に続いて発熱体に連続的に供給されてもよく、または断続的(例えば毎回の吸煙ごと)に供給されてもよい。電力は、電流パルスの形態で発熱体に供給されてもよい。電気回路は発熱体の電気抵抗をモニターするように構成されてもよく、また好ましくは発熱体の電気抵抗に応じて、発熱体への電力の供給を制御するように構成されてもよい。
【0062】
エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置の主本体内に電源(典型的には電池)を備えてもよい。一つの実施形態では、電源はリチウムイオン電池である。別の方法として、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、チタン酸リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、また一回以上の使用体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有してもよい。例えば、電源は約6分間、または6分の倍数の時間にわたってエアロゾルを連続的に発生するのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電源は所定の吸煙回数、または発熱体の不連続的な起動を提供するのに十分な容量を有してもよい。
【0063】
一つの好ましい実施形態では、本発明は、カバー移動要素が、下流カバーが開くことおよび物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが開くように構成されている、エアロゾル発生装置を提供する。本発明のエアロゾル発生装置のこうした好ましい実施形態は、ユーザーが、下流カバーを開くことまたは物品を空洞内に挿入することのうちの一方または両方を行う時、上流カバーを自動的に開くことを可能にしうる。少なくとも一つの上流開口部は、少なくとも一つの空気吸込み口であってもよい。下流カバーおよび上流カバーの両方がそれらのそれぞれの開口部を覆う時、空洞内に堆積された破片は、偶発的にエアロゾル発生装置から出ることができない。上流カバーは、エアロゾル発生物品を空洞に挿入することによって、エアロゾル発生装置を動作させるため、またはクリーニング物品を挿入することによって装置をクリーニングすることによって、ユーザーが下流カバーを開ける時、カバー移動要素によってのみ開かれる。
【0064】
別の好ましい実施形態では、本発明は、カバー移動要素が、下流カバーが開くことに際して、上流カバーを開くように構成されている、エアロゾル発生装置を提供する。この場合、カバー移動要素は、本明細書に記載のように、上流カバーと下流カバーとの間に機械的リンク機構を備えてもよい。また、カバー移動要素が、駆動機構を制御するための制御回路を含む駆動機構を備えることも可能でありうる。制御回路は、例えば、本明細書に記載の制御回路に電気的に接続するための電気的カバー接続を介して、下流カバーが開くことを感知しうる。
【0065】
本発明の別の好ましい実施形態では、エアロゾル発生装置のカバー移動要素は、下流カバーが開くことおよび物品が空洞内に挿入されることの両方に際して、上流カバーが開くように構成されている。この場合、カバー移動要素は、上流カバーを自動的に開くために、下流カバーが開くことおよび物品が空洞内に挿入されることの両方のフィードバックを必要とする。カバー移動要素は、駆動機構、および駆動機構を制御するための制御回路を備えうることが好ましい。制御回路は、下流カバーが開くことおよび物品が空洞内に挿入されることの両方に関するフィードバックを受信するように構成されうる。これは、カバー移動要素を制御するように構成されうる検出器要素を必要とする場合があり、検出器要素は、下流カバーが開くことを感知し、かつ空洞内の物品の存在を検出するように構成されている。この場合、電気的カバー接続は、下流カバーが開くことを感知するように構成されている下流カバー上に存在してもよい。加えて、空洞内の物品の存在を検出するための検出器が、好ましくはエアロゾル発生装置の空洞内に存在してもよい。こうした検出器は、本明細書ですでに記載されたトグルスイッチであってもよい。
【0066】
本発明の別の実施形態では、エアロゾル発生装置のカバー移動要素は、上流カバーが開くことまたは物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーを開くように構成されてもよい。この場合、上流カバーが開くことおよび物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方は、エアロゾル発生装置のカバー移動要素による下流カバーが開くことをトリガしうる。これは、エアロゾル発生装置の空洞を掃除するために、クリーニング物品が空洞に挿入された場合、有利でありうる。上流カバーおよび下流カバーの両方が開かれるとき、エアロゾル発生装置の空洞は、クリーニングのために完全にアクセス可能でありうる。エアロゾル発生装置のカバー移動要素は、上流カバーが開くことに際して下流カバーを開くように構成されうることが好ましい。この場合、ユーザーは、上流カバーを手動で開き、それによって下流カバーが自動的に開かれてもよい。この場合、カバー移動要素は、上流カバーと下流カバーとの間に機械的リンク機構を備えうることが好ましい。こうした機械的リンク機構によって、ユーザーは上流カバーを開くことができ、同時に両方のカバー間の機械的リンク機構のために下流カバーが自動的に開くことが可能になりうる。
【0067】
本発明の別の実施形態では、エアロゾル発生装置のカバー移動要素は、空洞から物品が除去されることに際して、上流カバーおよび下流カバーの両方を閉じるように構成されてもよい。こうしたカバー移動要素は、エアロゾル発生装置の空洞のクリーニング後、クリーニング物品が空洞から除去され、上流カバーおよび下流カバーの両方が、エアロゾル発生装置のカバー移動要素によって自動的に閉じられる場合、有利でありうる。これにより、物品が空洞から除去された後に、ユーザーが偶発的に指を空洞内に差し込む可能性を回避しうる。この場合、カバー移動要素は、駆動機構でありうることが好ましく、エアロゾル発生装置はさらに、駆動機構を制御するための制御回路を備えうる。空洞内の物品の存在を検出するように構成されたセンサが存在してもよく、これは、好ましくは制御回路を介して、カバー移動要素を制御するように構成されている。
【0068】
本発明はまた、本明細書に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品およびクリーニング物品の一方または両方とを備えるエアロゾル発生システムを提供しうる。
【0069】
本発明はまた、エアロゾル発生システムを動作させる方法を提供し、方法は、
下流開口部から下流カバーを移動することと、
物品を空洞に挿入することを含み、カバー移動要素は、
下流カバーを移動させること、または
物品が空洞内に挿入されること、のうちの一方または両方に際して、少なくとも一つの上流開口部から、上流カバーを移動させる。
【0070】
この動作方法は、エアロゾル発生システムの容易な動作を可能にし、上流開口部から下流開口部へと装置の空洞を通る気流経路を提供しうる。下流カバーおよび上流カバーの両方のカバーが開かれてもよく、ユーザーは、手動で下流カバーのみを開く必要があり、必要な場合、エアロゾル発生装置の上流カバーが自動的に開くことを起動するために、空洞に物品を挿入する。物品はエアロゾル発生物品であってもよい。この場合、エアロゾル発生システムを動作させる方法は、ユーザーによって吸入されるエアロゾルを発生させるために、エアロゾル発生システムを使用する方法であってもよい。エアロゾル発生物品はロッド状であってもよい。空洞は、管状形状を有してもよい。少なくとも一つの上流開口部は、エアロゾル発生装置の空洞に周囲空気を提供するための空気吸込み口であってもよい。空気吸込み口は、エアロゾル発生物品の直径よりも小さいサイズを有してもよい。空気吸込み口は、空洞の上流端基部に提供されてもよい。空洞の上流端基部は、空洞の上流端を覆うカバーであってもよい。この場合、エアロゾル発生物品は、空洞の基部によって空洞内に確実に保持されうる。別の方法として、少なくとも一つの上流開口部は、エアロゾル発生物品の直径と同等であるか、または同一のサイズを有してもよい。エアロゾル発生物品は、管状形状の空洞の直径よりもわずかに大きい直径を有してもよい。これにより、エアロゾル発生物品が、空洞の開放された上流開口部をすり抜けるリスクなしに、エアロゾル発生装置の空洞内に確実に受容されることが可能になりうる。特に、管状空洞の側壁の直径よりもわずかに大きな直径を有するエアロゾル発生物品は、上流開口部をすり抜けるリスクなしに、空洞内に確実に固定されうる。別の方法として、空洞に挿入された物品は、クリーニング物品であってもよい。この場合、エアロゾル発生システムを動作させる方法は、クリーニング物品を使用してエアロゾル発生システムをクリーニングする方法であってもよい。
【0071】
本発明はまた、エアロゾル発生システムを動作させる方法を提供してもよく、方法は、
上流開口部から上流カバーを移動することと、
物品を上流開口部から空洞に挿入することとを含み、カバー移動要素は、
上流カバーを移動させること、または
物品が空洞内に挿入されること、のうちの一方または両方に際して、少なくとも一つの上流開口部から、上流カバーを移動させる。
【0072】
エアロゾル発生システムを動作させるこの方法は、クリーニング物品が使用される時、下流カバーが自動的に開くことによって、エアロゾル発生装置の空洞の容易なクリーニングを可能にしうる。上流カバーおよび下流カバーの両方が開きうるため、クリーニング用品は、クリーニングのために空洞に容易に挿入されうる。
【0073】
エアロゾル発生システムを動作させるこの方法は、エアロゾル発生物品が使用される場合、エアロゾル発生システムを使用する方法を提供しうる。物品は、上流開口部を通して空洞に挿入されてもよい。空洞へのエアロゾル発生物品の挿入、または上流カバーが開くことのいずれか、またはエアロゾル発生物品の挿入および上流カバーが開くことの両方は、カバー移動要素が下流開口部から下流カバーを移動させることにつながりうる。
【0074】
本発明はまた、エアロゾル発生システムを動作させる方法を提供し、方法は、
空洞から物品を除去することを含み、カバー移動要素は、少なくとも一つの上流開口部の上に上流カバーを移動させ、また空洞から物品が除去されることに際して、カバー移動要素は、下流開口部の上に下流カバーを移動させる。
【0075】
この方法は、物品、好ましくはクリーニング物品がエアロゾル発生装置の空洞から除去された際に、上流カバーおよび下流カバーの両方を自動的に閉じることを容易にしうる。これにより、クリーニング物品が空洞から除去された後に、ユーザーが偶発的に指を空洞内に差し込む可能性を防止しうる。
【0076】
以下に、非限定的な実施例の非網羅的なリストが提供される。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記述される別の実施例、実施形態、または態様のうちの任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0077】
実施例A:エアロゾル発生装置であって、
物品を受容するための空洞であって、物品を受容するための下流開口部および少なくとも一つの上流開口部を備える、空洞と、
下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーと、
少なくとも一つの上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーと、
カバー移動要素であって、
下流カバーが開くことまたは物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが開き、かつ
下流カバーが閉じることまたは空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、上流カバーが閉じること、
上流カバーが開くことまたは物品が空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが開き、かつ
上流カバーが閉じることまたは空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、下流カバーが閉じること、のうちの一つ以上のために構成されたカバー移動要素と、を備える、エアロゾル発生装置。
【0078】
実施例B:エアロゾル発生装置が、少なくとも一つの上流開口部を含む上流端面を備え、上流カバーが上流端面の上を摺動可能であるように構成されている、前述の実施例Aに記載のエアロゾル発生装置。
【0079】
実施例C:エアロゾル発生装置が、下流開口部を含む下流端面を備え、下流カバーが下流端面の上に摺動可能であるように構成されている、実施例Aおよび実施例Bのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0080】
実施例D:上流カバーおよび下流カバーの一方または両方が、ユーザーによって手動で開かれるように構成されていて、好ましくは、上流カバーが開くことまたは下流カバーが開くことに際して、カバー移動要素が起動される、実施例A~実施例Cのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0081】
実施例E:カバー移動要素が、上流カバーと下流カバーとの間に機械的リンク機構を備える、実施例A~実施例Dのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0082】
実施例F:機械的リンク機構が、上流カバーおよび下流カバーの両方に接続されたスライダを含み、スライダが装置に摺動可能に取り付けられていて、好ましくは、スライダが上流カバーおよび下流カバーを同時に移動させるように構成されている、先行する実施例Eに記載のエアロゾル発生装置。
【0083】
実施例G:機械的リンク機構が、エアロゾル発生装置に回転可能に取り付けられたシャフトを備え、シャフトが上流カバーおよび下流カバーの両方に回転可能に接続されていて、好ましくは、シャフトがギアホイールを含み、上流カバーおよび下流カバーがギアラックを介してシャフトのギアホイールに回転可能に接続されている、実施例Eに記載のエアロゾル発生装置。
【0084】
実施例H:上流カバーを移動させるように構成された駆動機構を含み、好ましくは、駆動機構は電気モーターを備え、より好ましくは、エアロゾル発生装置が、電気モーターに接続されたシャフトを備え、シャフトが、上流カバーを移動させるように構成されている、実施例AまたはBのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0085】
実施例I:駆動機構を制御するための制御回路をさらに備え、より好ましくは、下流カバーが、制御回路に電気的に接続するための電気的カバー接続を含む、先行する実施例Hに記載のエアロゾル発生装置。
【0086】
実施例J:空洞内の物品の存在を検出するための検出器を備え、検出器がカバー移動要素を制御するように構成されている、実施例A、BまたはHのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0087】
実施例K:検出器が、少なくとも部分的に空洞内に位置するトグルスイッチを備え、好ましくは、トグルスイッチが、物品が空洞内に挿入されることに際してトリガされるように構成されている、先行する実施例Jに記載のエアロゾル発生装置。
【0088】
実施例L:カバー移動要素が、上流開口部を自動的に開閉するように構成されている、実施例A~Kのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0089】
実施例M:少なくとも一つの上流開口部が空気吸込み口を形成し、好ましくは、複数の空気吸込み口がエアロゾル発生装置内に存在する、実施例A~Lのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0090】
実施例N:下流カバーが閉位置にある時、上流カバーが、少なくとも一つの上流開口部を覆う、実施例A~Mのいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【0091】
実施例O:実施例A~Nのいずれかに記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品、および、
クリーニング物品、のうちの一方または両方と、を含む、エアロゾル発生システム。
【0092】
実施例P:実施例Oに記載のエアロゾル発生システムを動作させる方法であって、
下流開口部から下流カバーを移動することと、
物品を空洞に挿入することと、を含み、
カバー移動要素が、
下流カバーを移動させること、または
物品が空洞内に挿入されること、のうちの一方または両方に際して、少なくとも一つの上流開口部から、上流カバーを移動させる、方法。
【0093】
実施例Q:先行する実施例Oに記載の動作方法であって、
物品を空洞から除去することと、
下流開口部の上に下流カバーを移動することと、を含み、
カバー移動要素が、
下流カバーを移動させること、および
空洞から物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、少なくとも一つの上流開口部から、上流カバーを移動させる、方法。
【0094】
実施例R:実施例Oに記載のエアロゾル発生システムを動作させる方法であって、
空洞から物品を除去することを含み、カバー移動要素が、少なくとも一つの上流開口部の上に上流カバーを移動させ、また空洞から物品が除去されることに際して、カバー移動要素が、下流開口部の上に下流カバーを移動させる、方法。
【0095】
一実施形態に関して説明される特徴は、本発明の他の実施形態にも等しく適用されてもよい。
【0096】
例証としてのみであるが、添付図面を参照しながら本発明をさらに記述する。
【0097】
以下において、同じ要素は、すべての図を通して、同じ参照符号で記されている。
【0098】
図1Aは、物品を受容するための空洞12を含むエアロゾル発生装置10を示す。空洞12は、上流開口部12Aおよび下流開口部12Bを含み、両方ともアクセス可能である。空洞12は、エアロゾル発生物品を受容することができ、これは次に、ユーザーが吸入するエアロゾルを発生するために、発熱体(
図1Aおよび
図1Bに示されていない発熱体)を介して加熱されることができる。空洞12はまた、ブラシなどのクリーニング物品を受容することによってクリーニングされてもよい。移動可能な上流カバー18および移動可能な下流カバー16は、エアロゾル発生装置に含まれ、これらは両方ともスライダ20によって機械的に接続され、
図1Aではそれぞれの開口部から後退している。したがって、エアロゾル発生装置は、スライダの形態の非常に単純な機械的カバー移動要素を含む。ユーザーが移動可能な下流カバーを手動で開くと、スライダによって、移動可能な上流カバーが自動的に開かれる。同様に、ユーザーが移動可能な上流カバーを手動で開くと、下流カバーが自動的に開かれる。
図1Bは、閉状態の
図1Aのエアロゾル発生装置を示す。矢印22Bによって示される方向に下流カバーを、または矢印22Aによって示される方向に上流カバーを移動させることによって、両方のカバーがそれぞれの開口部の上に自動的に移動され、それによって装置の上流開口部および下流開口部の両方を閉じる。
【0099】
図2は、
図1Aのエアロゾル発生装置を示し、クリーニング物品24、例えば、クリーニングヘッド24Aを含むブラシが、空洞12を通って矢印26の方向に誘導される。上流カバー18および下流カバー16の両方がそれらのそれぞれの開口部12Aおよび12Bから後退しているとき、空洞12の上流開口部12Aおよび下流開口部12Bは、クリーニングのために容易にアクセスできる。
【0100】
図3は、エアロゾル発生装置10のハウジング10Aと、本発明のエアロゾル発生装置の別の実施形態のスライダ20との間の接続の詳細を示す。スライダは、エアロゾル発生装置のハウジング10A内に摺動可能に取り付けられてもよい。特に、上流カバー18は、レールを介してハウジング10Aに取り付けられている突出部18Aおよび18Bを含む。同様に、下流カバー16は、これもエアロゾル発生装置のハウジング10A内のレールを介して取り付けられている突出部16Aおよび16Bを含む。スライダは、
図1Aに示すように、エアロゾル発生装置の中央長軸方向軸11に直角を成す、装置の横断中央軸13に沿ってスライダを移動することを可能にする、ハウジング10Aの中空空間10B内に取り付けられている。上流カバーおよび下流カバーの突出部によって、下流カバーおよび上流カバーを同時に開閉するために、装置のハウジング10A内でスライダを移動させることが可能になる。
【0101】
図4は、カバー移動要素が回転可能なシャフト28を含む、エアロゾル発生装置の別の実施形態の斜視図を示す。回転可能なシャフト28は、エアロゾル発生装置10内に回転可能に取り付けられ、二つのギアホイール、上流ギアホイール28Aおよび下流ギアホイール28Bを介して上流カバー18および下流カバー16に機械的に接続されている。両方のギアホイールは、それぞれの移動可能な上流および下流のカバーに接続されたギアラックと係合する。特に、上流ギアホイール28Aは、移動可能な上流カバー18の上流ギアラック18Cと係合する。同様に、下流ギアホイール28Bは、移動可能な下流カバー16の下流ギアラック16Cと係合する。下流カバー16を手動で開くことによって、上流カバー18は、矢印30によって示される回転可能なシャフト28の回転のために自動的に開く。矢印22Aおよび22Bは、移動可能な上流カバー18および移動可能な下流カバー16の移動の方向を示す。これにより、エアロゾル発生装置のハウジング内に大きな中空空間を提供する必要性なしに、上流カバーと下流カバーとの間の容易な機械的リンク機構が可能となる。回転可能なシャフトを備えるカバー移動要素を使用して、両方のカバーを同時に閉じることもできる。
【0102】
図5Aおよび5Bは、カバー移動要素が、駆動機構の一例として電気モーター32を含む、エアロゾル発生装置の別の実施形態の概略斜視図を示す。
図5Aは、空洞12の上流開口部12Aおよび下流開口部12Bの両方にアクセスできる、開いた状態にある装置を示す。下流カバー16は、ユーザーによって手動で開かれており、これは移動可能な下流カバー16に含まれる電気的カバー接続16Dと電気的接続34Aとの間の電気的接続を断つ結果となる。これらの電気的接続34Aは、電気的カバー接続16Dと制御回路34との間の電気的接続を確立する。制御回路34は、上流ギアホイール28Aを介して移動可能な上流カバー18に機械的に接続されている回転可能なシャフト28を回転させることによって、上流カバー18を開くように構成されている電気モーター32を制御する。ギアホイール28Aは、移動可能な上流カバー18のギアラック18Cと係合し、シャフト28を回転させることによって、移動可能な上流カバー18が上流開口部から離れて移動することを可能にする。電気的カバー接続16Dと電気的接続34Aとの間の電気的接続を断つと、電気モーター32による上流カバー18を開くことがトリガされる。
【0103】
同様に、ユーザーが矢印22Bによって示されるように、移動可能な下流カバー16を手動で閉じた場合、移動可能な下流カバーの電気的カバー接続16Dと電気的接続34Aとの間の電気的接続が再確立される。これは、制御回路34を介して電気モーター32をトリガして、矢印22Aによって示されるように、上流カバー18を同時に閉じる。したがって、エアロゾル発生装置10のカバー移動要素は、ユーザーが装置の下流カバーおよび上流カバーの両方を手動で動作する必要性なしに、エアロゾル発生装置の容易な取り扱いを可能にする。当業者であれば、移動可能な下流カバーが下流開口部から後退する時に、電気的カバー接続16Dと電気的接続34Aとの間に電気的接続を確立することによって、移動可能な下流カバー16の位置を示すことも可能であることを理解するであろう。結果として、電気的カバー接続16Dと電気的接続34Aとの間の電気的接続は、次いで、移動可能な下流カバーを下流開口部の上に閉じる際に断たれる。
【0104】
図6は、別のエアロゾル発生装置の概略断面図を示す。このエアロゾル発生装置は、エアロゾル発生装置10の空洞12内の物品の存在を検出するための検出器を含む。検出器は、電気的検出器接続36Aを含むトグルスイッチ36である。トグルスイッチ36は、付勢部材、特にばね38を介してエアロゾル発生装置10に回転可能に取り付けられる。ユーザーは、下流カバー16を手動で開き、それによって、電気的接続34Aと電気的カバー接続16Dとの間の電気的接続を断つ。エアロゾル発生物品14またはクリーニング物品を装置の空洞12に挿入するとき、トグルスイッチ36は、ばね38を介して、エアロゾル発生装置の陥凹部37に物品によって押し込まれる。これにより、電気的検出器接続36Aと電気的接続34Bとの間の電気的接続が確立される。電気的接続34Aと電気的カバー接続16Dとの間の電気的接続の切断、および電気的検出器接続36Aと電気的接続34Bとの間の電気的接続の確立は、制御回路34によって制御される電気モーター(
図6には図示されないモーター)をトリガして、上流カバー(
図6には図示されない上流カバー)を開く。
【0105】
図7は、二極単投リレー42に接続された電気モーター32の電気回路の概略回路図を示す。電気モーターは、
図6に示すトグルスイッチを有するエアロゾル発生装置に含まれうる。電気モーター32は電池40によって給電される。移動可能な下流カバーの電気的カバー接続および電気的接続34Bとの電気的接続を確立するための電気的接続34Aから来る信号に応じて、二極単投リレー42を起動し、トグルスイッチの電気的検出器接続への接続を提供することができる、制御回路の一実施形態としてのマイクロ制御ユニット34が存在する。一方で、電気的検出器接続36Aと電気的接続34Bとの間の電気的接続が存在せず(空洞に物品が挿入されていないことを示す)、同時に電気的接続34Aと電気的カバー接続16Dとの間の電気的接続が存在する(下流カバーを手動で閉じることを示す)場合は、二極単投リレーを介した制御回路34が、モーターをトリガして、第一の方向に回転することによって上流カバーを閉じる。もう一方で、電気的検出器接続36Aと電気的接続34Bとの間の電気的接続が検出され(空洞に物品が挿入されたことを示す)、同時に電気的接続34Aと電気的カバー接続16Dとの間の電気的接続が検出されない(下流カバーを手動で開くことを示す)場合は、二極単投リレーを介した制御回路34が、モーターをトリガして、第一の方向とは反対の第二の方向に回転することによって上流カバーを開く。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生装置であって、
物品を受容するための空洞であって、前記物品を受容するための下流開口部および少なくとも一つの上流開口部を備える、空洞と、
前記下流開口部を覆うための移動可能な下流カバーと、
前記少なくとも一つの上流開口部を覆うための移動可能な上流カバーと、
カバー移動要素であって、
前記下流カバーが開くことまたは前記物品が前記空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して前記上流カバーが開き、かつ
前記下流カバーが閉じることまたは前記空洞から前記物品が除去されることのうちの一方または両方に際して前記上流カバーが閉じること、
前記上流カバーが開くことまたは前記物品が前記空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して前記下流カバーが開き、かつ
前記上流カバーが閉じることまたは前記空洞から前記物品が除去されることのうちの一方または両方に際して前記下流カバーが閉じること、のうちの一つ以上のために構成されたカバー移動要素と、を備え
、
前記少なくとも一つの上流開口部を含む上流端面を備え、前記上流カバーが前記上流端面の上を摺動可能であるように構成されている、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記カバー移動要素が、前記上流カバーと前記下流カバーとの間に機械的リンク機構を備える、請求項
1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記機械的リンク機構が、前記上流カバーおよび前記下流カバーの両方に接続されたスライダを含み、前記スライダが前記装置に摺動可能に取り付けられていて、好ましくは、前記スライダが前記上流カバーおよび前記下流カバーを同時に移動させるように構成されている、請求項
2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記機械的リンク機構が、前記エアロゾル発生装置に回転可能に取り付けられたシャフトを備え、前記シャフトは前記上流カバーおよび前記下流カバーの両方に回転可能に接続されていて、好ましくは、前記シャフトがギアホイールを含み、前記上流カバーおよび前記下流カバーがギアラックを介して前記シャフトの前記ギアホイールに回転可能に接続されている、請求項
2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記上流カバーを移動させるように構成された駆動機構を含み、好ましくは、前記駆動機構が電気モーターを備え、より好ましくは、前記エアロゾル発生装置が、前記電気モーターに接続されたシャフトを備え、前記シャフトが、前記上流カバーを移動させるように構成されている、請求項
1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記駆動機構を制御するための制御回路をさらに備え、より好ましくは、前記下流カバーが、前記制御回路に電気的に接続するための電気的カバー接続を含む、請求項
5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記空洞内の物品の存在を検出するための検出器を備え、前記検出器が前記カバー移動要素を制御するように構成されている、請求項1、
5または
6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記検出器が、少なくとも部分的に前記空洞内に位置するトグルスイッチを備え、好ましくは、前記トグルスイッチが、前記物品が前記空洞内に挿入されることに際してトリガーされるように構成されている、請求項
7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記カバー移動要素が、前記上流開口部を自動的に開閉するように構成されている、請求項1から
8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの上流開口部が空気吸込み口を形成し、好ましくは、複数の空気吸込み口が前記エアロゾル発生装置内に存在する、請求項1から
9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
請求項1から
10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、
エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品、および、
クリーニング物品、のうちの一方または両方と、を含む、エアロゾル発生システム。
【請求項12】
請求項
11に記載のエアロゾル発生システムを動作させる方法であって、前記方法が、
前記下流開口部から前記下流カバーを移動することと、
前記物品を前記空洞に挿入することと、を含み、
前記カバー移動要素が、
前記下流カバーを移動させることまたは
前記物品が前記空洞内に挿入されることのうちの一方または両方に際して、前記上流カバーを、前記少なくとも一つの上流開口部から移動する、方法。
【請求項13】
請求項
12に記載の動作方法であって、
前記物品を前記空洞から除去することと、
前記下流開口部の上に前記下流カバーを移動することと、を含み、
前記カバー移動要素が、
前記下流カバーを移動させること、および
前記空洞から前記物品が除去されることのうちの一方または両方に際して、前記上流カバーを、前記少なくとも一つの上流開口部の上に移動する、方法。
【請求項14】
請求項
11に記載のエアロゾル発生システムを動作させる方法であって、
前記空洞から前記物品を除去することを含み、前記カバー移動要素が、前記少なくとも一つの上流開口部の上に前記上流カバーを移動させ、かつ前記空洞から前記物品が除去されることに際して、前記カバー移動要素が、前記下流開口部の上に前記下流カバーを移動させる、方法。
【国際調査報告】