IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイティーシー インターサーキット エレクトロニック ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2023-552453プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法、そのような方法で充填されたプリント回路基板、およびそのようなプリント回路基板を備えた車両
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法、そのような方法で充填されたプリント回路基板、およびそのようなプリント回路基板を備えた車両
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/42 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
H05K3/42 610A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534317
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 EP2021081130
(87)【国際公開番号】W WO2022122281
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020133220.3
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520281099
【氏名又は名称】アイティーシー インターサーキット エレクトロニック ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】ハイン, ヘベルトゥス
【テーマコード(参考)】
5E317
【Fターム(参考)】
5E317AA24
5E317BB12
5E317BB14
5E317CC33
5E317CD11
5E317CD12
5E317CD15
5E317CD27
5E317GG07
5E317GG11
5E317GG20
(57)【要約】
プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法、そのような方法で充填されたプリント回路基板、およびそのようなプリント回路基板を備えた車両に関する。プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法が、導電性金属粉末と電解質を含むペーストをプリント回路基板の少なくとも1つの穴に導入すること(S1)と、電気めっき中に前記電解質から前記少なくとも1つの穴に元素金属が堆積するよう、前記プリント回路基板の電気めっき(S2)をすることと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性金属粉末と電解質を含むペーストをプリント回路基板の少なくとも1つの穴に導入すること(S1)と、
電気めっき中に前記電解質から前記少なくとも1つの穴に元素金属が析出するよう、前記プリント回路基板を電気めっきすること(S2)と、を備える、プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法。
【請求項2】
前記ペーストを導入する(S1)前に、前記少なくとも1つの穴の内周壁をプレ電気めっき(S3)してスリーブ状の金属層(3)を形成し、前記ペーストを、前記スリーブ状の金属層(3)で区切られた空間に導入する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記電気めっきにさらされる前記プリント回路基板は、前記プリント回路基板の底面及び/または前記プリント回路基板の上面に、電気めっき中に前記プリント回路基板の底面及び/または前記プリント回路基板の上面に設けられた銅層(1)に金属が析出するのを防止する保護層(4)を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記金属粉末が、銅粒子、銀粒子及び/または銀めっき銅粒子を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記金属粉末の平均粒子径が、10μm以上、例えば10μmから70μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ペーストが、前記金属粉末を90wt%以上、例えば90wt%~99wt%含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記電解質が、溶媒と該溶媒に溶解した陽イオンを含み、前記陽イオンは前記金属粉末の金属に対応する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記電解質が、前記溶媒、例えば水溶液に溶解した、CuCN、CuSO、Cu[BF、Cu(SONH、Cu[P]、AgCN、K[Ag(CN)]、またはこれらの成分の少なくとも2つの混合物を含み、及び/または、前記陽イオンは、前記溶媒、例えば水溶液に溶解した塩に由来する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記電解質が、前記電気めっきの電気めっき槽の電解質の陽イオン濃度よりも高い陽イオン濃度を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記ペーストが、前記電解質を10wt%以下、例えば1wt%~10wt%含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ペーストは、例えば粘度安定剤などの添加物を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ペーストが、エポキシ樹脂を含まない、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂を含まない、例えばいかなる樹脂バインダーをも含まない、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の方法により製造されたプリント回路基板。
【請求項14】
請求項13に記載のプリント回路基板を備える車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法、そのような方法で充填されたプリント回路基板、およびそのようなプリント回路基板を備えた車両に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
近年、自動車業界では、内燃機関を搭載した一般的な自動車から電動自動車への傾向が見られる。後者は低電圧駆動の車両である。そのため、大電流にも耐えられるプリント回路基板のニーズが高まっている。
【0003】
このような状況では、一般的にも、プリント回路基板(PCB)上の特定のコンポーネントの放熱がますます重要になっている。
【0004】
通常、たとえば大電流が流れる分野でのアプリケーションでは、いわゆる厚い銅PCB(例えば、最大400μmの厚さの銅層をPCBに適用できる)が使用される。例えば、2つのPCB表面(PCBの上面とPCBの底面など)及び/または内側の導電層の1つなど、異なる層間を接触させるために、PCBに穴(めっきスルーホールなど)を形成できる。次に、これらに導電性材料を充填でき、導電性材料には、例えば熱伝導性もあり得る。
【0005】
一般に、PCBの穴を埋める様々な方法(従って様々な充填材)が知られている。
【0006】
例えば、PCBの穴を埋める方法の1つは、電気めっき(galvanisches Metallisieren)によって導電性材料で穴を完全に埋めることである。このプロセスは、例えば、小さな穴(直径の小さい穴など)に使用できる。しかしながら、穴のサイズが大きくなるにつれて処理時間が長くなることは別として、PCBの厚さと穴の直径の比率が好ましくないPCBの純粋なめっき処理では問題が生じ得る。問題の1つとして、例えば、穴が端面/軸端面(例えば、穴の開口部)めっきで(galvanisch)閉じている一方で、その間のスペースに金属がめっき充填されていない、または充填されていても十分でない場合がある。この場合、スルーホールめっきに欠陥が生じ得る。
【0007】
例えば、金属充填材を節約、及び/または、純粋にめっき充填時間を短縮するために(例えば、金属めっきによって穴を完全に埋めるには非常に長い時間がかかる場合がある)、現在では樹脂ベースの充填剤を使用できる。
【0008】
プリント回路基板に形成された穴を埋めるのに対応する方法には、例えば、次のステップが含まれる。
・最初に、プリント回路基板、特に穴の内周面をプレ電気めっきして、スリーブ状の金属層を形成する。
・次に、準備した穴にエポキシ樹脂系などの樹脂系充填材を入れ、それにより穴を埋めたり、密閉したりする。この充填材は、例えば、導電性粒子、例えば導電性金属粒子を含み得る。例えば、穴に充填材を入れるには、DE102019120873B3で開示されているような充填アセンブリを使用できる。
【0009】
また、充填後に樹脂系充填材を硬化させることも知られている。これは、例えば、充填材を加熱することで実現でき、特にエポキシ樹脂系の充填材の場合にできる。この時点で、充填材(金属粒子を含む)を追加で焼結する必要もあり得る。
【0010】
最後に、PCBは再び電気めっきされ、挿入された樹脂プラグの表面をコーティングし、例えば、いわゆるソルダーパッドを形成する。
【0011】
しかしながら、このような樹脂系充填材は、例えば非常に小さな金属粒子を含む場合、及び/または複雑な金属粒子システムを含む場合など、非常に高価である。また、樹脂の使用などにより、抵抗が比較的大きく、熱伝導率が低く、剥離強度が低い場合がある。
【0012】
後者は、例えば、PCBを車両に使用する場合などに特に重要になり得る。例えば、大きくて重い電子部品を使用する高電流アプリケーションの分野で使用でき、例えばPCBの穴埋め面にソルダーパッドを取り付けることができる高密度相互接続(例えば、高密度相互接続回路(HDI回路))の場合、穴の充填に対するソルダーパッドの密着性(例えば、ソルダーパッドの剥離強度)が特に重要である。特に車両では、一定の振動荷重などにより、ソルダーパッドの接着に大きなストレスがかかり得る。このため、例えば車両の穴埋め面のソルダーパッドの剥離強度が高いことが非常に重要となり得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
プリント回路基板の穴を埋めるための改良された方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0014】
代替的にまたは追加的に、プリント回路基板の穴を埋めるための代替的な方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0015】
代替的にまたは追加的に、プリント回路基板の穴を埋めるための低コストの方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0016】
代替的にまたは追加的に、プリント回路基板の穴を迅速に埋めるための方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0017】
代替的にまたは追加的に、低い電気抵抗で充填可能な、プリント回路基板の穴を埋めるための方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0018】
代替的にまたは追加的に、高い熱伝導率で充填可能な、プリント回路基板の穴を埋めるための方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0019】
代替的にまたは追加的に、プリント回路基板の穴を効果的に及び/または効率的に埋めるための方法提供することが本発明の目的と考えられる。
【0020】
代替的にまたは追加的に、プリント回路基板の穴を確実に埋めるための方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0021】
代替的にまたは追加的に、安定した充填が可能な、プリント回路基板の穴を埋めるための方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0022】
代替的にまたは追加的に、例えば形状や寸法の異なる穴に関して、プリント回路基板の穴を埋めるための普遍的に適用可能な方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0023】
代替的にまたは追加的に、ソルダーパッドに比べて高い剥離強度で充填可能な、プリント回路基板の穴を埋めるための方法を提供することが本発明の目的と考えられる。
【0024】
更に、対応するプリント回路基板を提供すること、およびそのようなプリント回路基板を備えた車両を提供することも本発明の目的と考えられる。
【0025】
この目的のために、本発明は、請求項1に記載のプリント回路基板、請求項13に記載のプリント回路基板、及び請求項14に記載の車両に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法を提供する。本発明による更なる実施形態は、従属請求項2から12の対象となる。
【0026】
様々な実施形態によれば、本発明は、冒頭で述べた2つの充填プロセス(「純電気めっき」と「樹脂ペースト」)の利点を組み合わせたハイブリッドプロセスに関するものである。これにより、ペーストを介して金属粉末の形の導電性材料を穴に導入することができ、電気めっきプロセスに必要な時間を短縮でき、この電気めっきプロセスでは、ペーストとともに導入された電解質(および場合によっては電気めっき槽から充填物に入る別の電解質)とそこから堆積した金属が導電性材料を相互に、また穴壁に結合させる。
【0027】
本発明の1つの態様によれば、プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法には、例えば、導電性金属粉末と電解質を含むペーストをプリント回路基板の少なくとも1つの穴に導入すること、および、電気めっき中に電解質から少なくとも1つの穴に元素金属が堆積するよう、プリント回路基板の電気めっきすることを含み得る。
【0028】
プリント回路基板は、例えば、単層プリント回路基板であってもよいし、多層プリント回路基板であってもよく、内部に1つまたは複数の導電層/トラックを含み得る。少なくとも1つの穴は、例えば、止まり穴及び/または貫通穴であってよい。少なくとも1つの穴は、例えば、ドリル加工された穴及び/またはレーザー加工された穴であってよい。プリント回路基板は、例えば、その底面及び/または上面に金属層、例えば銅層を有していてもよい。ペーストの挿入は、例えば、ITC Intercircuit Electronic GmbHの充填機(プラギングマシンとも呼ばれる)、例えば、DE102019120873B3に記載されている充填機を使用して、手動及び/または機械的に行ってよい。ペーストは、導電性金属粉末と電解質からなり、例えば実質的にこれら2つの成分からなるものであってもよい。ペーストに含まれる任意の追加成分としては、例えば、以下に説明する粘度安定剤が挙げられる。導電性金属粉末と電解質との混合比率を選択して、ペーストの粘度を適宜調整してもよい。特に、機械加工の場合は、ペーストを用意して、例えば充填機に挿入できるカートリッジに入れて保管してもよい。プリント回路基板の電気めっきは、例えば、充填工程に続く別の工程で実行できる。例えば、プリント回路基板の電気めっきは、電気めっき槽で行うことができる。電気めっき槽の電解質は、例えば、ペーストと同じ化学元素/金属の陽イオンを含み得る。例えば、電気めっき槽の電解質は、ペーストと同じ化学元素または同じ化合物の陰イオンをも含み得る。例えば、めっき槽の電解質は、ペーストに含まれる電解質と化学的に同じでもよい。つまり、溶媒、陽イオン、陰イオンを同じものから選択できる。一般に、ペースト中の電解質の陽イオン濃度は、例えば、金属めっき処理の前/開始時、及び/またはPCBを電気めっき槽に導入した時点など、電気めっき槽の陽イオン濃度よりも高くなり(高く設定され)得る。これにより、例えば、PCBの別の部分、例えばPCBの表面への金属の堆積よりも、穴内に金属が堆積するほうが好ましいことがある。陽イオン濃度は、例えば、溶媒1リットルあたりのモル(陽イオン数、例えば銅イオン数)で表すことができる電気めっき処理は、導入された金属粒子間の均一かつ迅速な結合を促進するために、例えば、いわゆる「パルス逆めっき」プロセス(逆パルス電流による電気めっき法とも呼ばれる)及び/または超音波電気めっき槽で行うこともできる。電気めっきでは、(ペーストの)電解質から少なくとも1つの穴に金属が堆積する。更に、例えば、(槽の)(外部の)電解質からの金属が穴に堆積し得る。一般に、堆積は、例えば、穴の円周壁から放射状に内向きの方向に行われ得る。例えば、電気めっき中、穴の上/下の領域、及び/または、穴の周囲の上面領域など、PCBの他の部分、つまり穴の外側にも電気めっきが行われ得る。溶着した金属により、導電性金属粉末同士や穴壁との接着性が良好になる。
【0029】
上記のプロセスでは、特に粒度の細かい金属粉末及び/または複雑な金属粒子システムを使用する必要はない。同時に、この方法の所要時間は、純粋に電気めっきプロセスと比較して大幅に短縮できる。電気伝導率、熱伝導率、剥離強度などの材料特性(例えば、ソルダーパッドと比較して)は、純粋電気めっきプロセスから理想的に得られる特性に匹敵する(ただし、そのプロセスで穴が均一に拡大できる場合に限る)。本発明の溶液は、例えば大きな穴や小さな穴など、汎用的に使用できる。また、固化して(固い)、めっきで結合された充填物を穴に安定して取り付けることもできる。電気めっき工程で1つまたは2つ(上部と下部)の可能なソルダーパッドをそれぞれ形成し、対応する固体充填物に安定して接着することができる。言い換えると、ソルダーパッドを充填物の上に直接、相互電気めっきすることができ、これにより、充填物とソルダーパッドが互いに良好に接着するため(たとえば、樹脂ペーストの場合よりも良好に)、比較的高い剥離強度値が得られる。本発明によるペーストは、例えば室温で、すなわち冷却を必要とせずに、良好に保存することもできる。
【0030】
一実施形態によれば、当該方法では、例えば、ペーストを導入する前に(例えば、別の先行工程において)、少なくとも1つの穴の内周壁を電気めっきしてスリーブ状の金属層を形成し、その際、ペーストをスリーブ状の金属層で区切られた空間に導入することができる。言い換えれば、穴やその周辺壁がプレメタライズされていてもよい。これにより、その後のめっき処理中に、最初から電流がそれぞれの穴に十分に、そして広い範囲にわたって届くようになり、均一で良好な成長が可能になる。電流密度は、スリーブから穴の中心に向かってゆっくりと増加する場合があり、つまり、穴の充填物を最初に電気めっきによってスリーブに接着してから、徐々に内側に向かって増加する。この方法で結合された層はより導電性が高くなり、粉末混合物から対応する特性を持つ固体金属への変換が促進される。例えば、スリーブ状の金属層がPCB表面の導電性部分に接着されていてもよく、その部分は不構造で閉じた銅層として形成されていてもよい。例えば、プレメタライゼーション中に、スリーブがPCB表面の導電部分から穴の方へと伸びる、及び/または穴の中に入り得る。例えば、スリーブはペースト中の陽イオンと同じ金属の金属スリーブであってもよく、例えばペースト中の銅カチオンの場合は銅スリーブであってよい。スリーブのプレメタライゼーションは、例えば、対応するプレメタライゼーション電気めっき槽で行ってもよい。プレメタライゼーション電気めっき槽の電解質は、例えば、ペーストと同じ化学元素/金属の陽イオンを含み得る。例えば、プレメタライゼーション電気めっき槽の電解質は、ペーストと同じ化学元素/化合物の陰イオンをも含み得る。例えば、プレメタライゼーション電気めっき槽の電解質は、ペーストに含まれる電解質と化学的に同じでもよい。つまり、溶媒、陽イオン、陰イオンを同じものから選択できる。
【0031】
追加的にまたは代替的に、本方法の実施形態によれば、例えば、電気めっきにさらされたPCBに、PCBの底面及び/またはPCB上面に保護層(例えば、ドライフィルム)を設けて、PCBの底面及び/またはPCB上面に付された銅層上で電気めっき中に金属が堆積するのを防ぐこともできる。言い換えれば、例えばPCBの底面及び/またはPCB上面を適切にマスキングすることで、制御されていない/定義されていない/望ましくない金属の電解エピタキシャル成長を回避できる。
【0032】
追加的にまたは代替的に、ある実施形態によれば、金属粉末は、例えば銅粒子、銀粒子及び/またはこれらを含む銀めっき銅粒子を有してよい。これにより、リーズナブルなコストで優れた特性を実現できる。例えば、純度が99wt%以上(総粒子質量に基づく)の純銅粒子及び/または銀粒子、または、(99wt%以上の)純銅コアを備えた銀めっき銅粒子を使用できる。例えば、銅粒子だけ、または銀粒子だけなど、1種類の粒子のみ使用できる。
【0033】
追加的にまたは代替的に、実施例によれば、金属粉末の平均粒子径は、例えば10μm以上、例えば10μmから70μm、例えば20μmから70μm、例えば20μmから60μm、例えば30μmmから60μm、例えば30μmから50μmなどである。平均粒子径は、例えば、数値平均等価球径(または、例えば、粒子の平均円周径)であってもよく、例えば、金属粉末のすべての粒子(或いは、例えばランダムに選択された100個の粒子)を分析することによって決定されてもよい。この目的のために、例えばソフトウェアでサポートされている光学画像で、分析対象の粒子ごとに等価球径(または粒子の円周直径など)を決定し、等価円形領域の直径(または円周など)をそれぞれの粒子の粒子径と仮定して、平均粒子径として、すべての粒子の数値平均値(直径の合計を分析された粒子数で割った値、例:100)を続けて形成する。
【0034】
粒子は特定の形状に限定されず、例えば、樹枝状粒子であってもよく、(実質的に)球状の粒子であってもよい。
【0035】
追加的にまたは代替的に、実施例によれば、ペーストは、例えば、(ペーストの総質量に基づいて)金属粉末の90wt%以上、例えば90wt%~99wt%を含んでもよい。これにより、例えば、上記の効果(とりわけ期間の短縮など)を特に適切な方法で実現でき、ペーストの粘度/加工性を良好に調整することができる。
【0036】
追加的にまたは代替的に、ある実施形態によれば、ペースト電解質は、例えば、溶媒と溶媒に溶解した陽イオン(例えば、銅カチオン及び/または銀カチオン)を含み得るが、陽イオンは金属粉末の金属に対応する。例えば、銅カチオンだけ、または銀カチオンだけなど、1種類のカチオンのみ使用できる。例えば、金属粉末が銅粉末の場合、電解質に銅カチオンが含まれ得る。追加的にまたは代替的に、金属粉末が銀粉末の場合、電解質に銀カチオンが含まれ得る。追加的にまたは代替的に、金属粉末が銀被覆銅粉末の場合、電解質に銀カチオンが含まれ得る。例えば、溶媒は陽イオンで完全にまたは実質的に(例えば、以下も参照)に飽和している(例えば、室温で、例えば摂氏25度及び/または、環境圧力、例えば、101325Pa)、または、電解質が飽和溶液であってよい。
【0037】
追加的にまたは代替的に、実施例によれば、ペースト電解質は、CuCN、CuSO、Cu[BF、Cu(SONH、Cu[P]、AgCN、K[Ag(CN)]、または適切な溶媒、例えば水溶液に溶解した少なくとも2つの成分の混合物を含み得、及び/または、陽イオンは、溶媒、例えば水溶液に溶解した塩に由来し得る。溶媒は、例えば、蒸留水などの水であってもよいし、水を含んでもよい。溶媒は更に、例えば酸、例えばHSO、例えばHPO、例えばHNO、又は塩基、例えばKOH、例えばNaOHを含み得る。
【0038】
追加的にまたは代替的に、実施例によれば、ペースト電解質は、例えば、電気めっきに用いられる電気めっき槽中の電解質の陽イオン濃度より高い陽イオン濃度(例えば、少なくとも5%高い、例えば少なくとも10%高い、例えば少なくとも15%高い、例えば少なくとも20%高い、例えば少なくとも25%高い、例えば少なくとも30%高い、例えば少なくとも40%高い、例えば少なくとも50%高い)を含み得る。例えば、ペースト電解質の1リットルの溶液中の金属カチオンのモル量は、電気めっき槽電解質の1リットルの溶液中の金属カチオンのモル量よりも多くなり得る。金属カチオンのそれぞれの陽イオン濃度またはモル量は、例えば、金属めっきの開始前の、 または、開始時すぐのある時点tに関連し得る。それぞれの陽イオン濃度は、例えば、同じ周囲温度及び/または環境圧力でのものと考えることができる。例えば、ペースト中の電解質の陽イオン濃度が電気めっき槽の電解質よりも高い場合、PCB表面に固体/元素金属が堆積するよりも、少なくとも1つの穴の電解質から固体/元素金属の(ターゲットを絞った/制御された)堆積が有利になる場合がある。
【0039】
追加的にまたは代替的に、実施例によれば、ペーストは、(ペーストの総質量に基づいて)電解質の10wt%以下、例えば1wt%~10wt%を含んでもよい。これにより、例えば、上記の効果(金属化性/還元性カチオンを適切に供給することによる)を特に適切な方法で実現でき、ペーストの粘度/加工性を良好に調整することができる。例えば、電解質は、例えば溶液中に存在する最大可溶性陽イオンモル量の80%以上(例えば、室温で、例えば摂氏25度、及び/または環境圧力、例えば101325Pa)、例えば85%以上、例えば90%以上、例えば95%以上、例えば99%以上とすることにより、溶解陽イオンに実質的に飽和させることができる。
【0040】
追加的にまたは代替的に、ある実施形態によれば、ペーストは、例えば粘度安定剤などの1つまたは複数の添加物をさらに含んでいてもよい。
【0041】
追加的にまたは代替的に、実施例によれば、ペーストは、エポキシ樹脂を含まない、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂を含まないもの、例えばいかなる樹脂バインダーをも含まないものであってもよい。この文脈において、含まないとは、例えば(ペーストの質量に基づく)1質量%未満の質量分率(エポキシ樹脂の質量分率、または該当する場合は樹脂の合計)、例えば0.5質量%以下、例えば0.1質量%以下を意味すると理解でき、及び/または、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂などのエポキシ樹脂の活性添加、例えば任意の樹脂バインダーを、ペーストの製造で不要とすることができる。
【0042】
本発明の別の態様によれば、上記の方法で製造されたプリント回路基板、または上記の方法で穴を少なくとも1つ埋めたプリント回路基板が提供される。このようなプリント回路基板は、技術の多くの分野で使用することができ、本発明は特定の用途やアプリケーションに限定されないことが理解される。
【0043】
例えば、本発明の更に別の態様によれば、このような回路基板は、例えば電気駆動車両などの車両(例えば、陸上、空中、水上車両、例えば自動車または航空機)に使用され得る。
【0044】
本発明の更なる態様によれば、このようなプリント回路基板を備えた車両(例えば、陸上、空中、水上車両、例えば自動車または航空機)が更に提供され、それは、例えば、電動車両であり得る。
【0045】
本発明の更に別の態様によれば、上記の方法に関連して記載されたように形成されたペーストがさらに提供され得る。
【0046】
本発明の更に別の態様によれば、このようなペーストが入り、例えば充填機への挿入に適応したカートリッジが更に提供され得る。
【0047】
本発明の更に別の態様によれば、このようなペースト及び/またはカートリッジを使用して、プリント回路基板の1つまたは複数の穴を埋めることができる。
【0048】
本発明の例示的ではあるが非限定的な実施形態については、以下で更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1図1は、プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法を説明したフローチャートを示す。
図2図2は、プリント回路基板の断面図の写真で、その穴には、本発明による固化または電気めっき変換/結合された、予めペースト状の充填物が充填されている。
図3図3(a)と図3(b)はそれぞれ、任意の保護層を塗布したプリント回路基板の断面図の写真である。
図4図4は、多層プリント回路基板の断面図の写真であり、複数の穴が形成されており、それぞれがプリント回路基板の厚み方向に複数の/全ての層にまたがって延びている。
図5図5は、電子部品と電気的に接続されたソルダーパッドにはんだを載せたプリント回路基板の断面図の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下の説明では、その一部を構成する添付の図を参考に、発明を実施できる具体的な実施形態を例示して示す。
【0051】
本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態を用いて、構造的または論理的な変更を加えることができると理解される。本明細書に記載する実施形態の特徴は、特に明記されていない限り、互いに組み合わせることができると理解される。したがって、以下の説明は限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の保護範囲は添付の請求項によって定義される。
【0052】
図1は、プリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法を説明したフローチャートを示す。ここで図1を参照し、本発明の一実施形態によるプリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法を説明する。
【0053】
まず、例えば、導電性金属粉末と電解質を含むペーストをプリント回路基板の少なくとも1つの穴に導入してよい(ステップ S1)。
【0054】
プリント回路基板は、例えば、2つの導電性外層(例えば、銅層)を備えた標準的な単層プリント回路基板、または多層プリント回路基板であってよい。図4は、多層プリント回路基板の断面図の写真であり、いくつかの穴(この場合、スルーホール)が形成されており、それぞれがプリント回路基板の厚み方向にいくつかの/全ての層にまたがって延びている。
【0055】
ペースト中の導電性金属粉末は、例えば銅粒子を含み得る(別の実施形態では、銀粒子または銀めっき銅粒子を用いてもよい)。銅金属粉末の平均粒径は、例えば10μm以上であってもよく、例えば30μmから50μmの範囲であってもよい。ペーストは、例えば金属粉末を90wt%以上、例えば90wt%~99wt%含んでもよい。
【0056】
例えば、電解質は適切な溶媒と、その溶媒に溶解した陽イオン(この場合は銅カチオン)を含んでもよい。例えば、電解質には、溶媒に溶解したCuCnまたはCuSOが含まれ得る。また、電解質は、例えば水溶液であってもよい。陽イオンは、例えば、溶媒に溶解した塩に由来するものであってもよい。ペーストは、例えば電解質を10wt%以下、例えば1wt%~10wt%含んでもよい。ペーストは、例えば添加剤を更に含み得る。添加剤は、例えば、粘度安定剤であってもよい。
【0057】
ペーストは、エポキシ樹脂を含まない、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂およびポリアミドイミド樹脂を含まないもの、例えばいかなる樹脂バインダーをも含まないものであってもよい。
【0058】
更に、図1を参照すると、ペーストをプリント回路基板の少なくとも1つの穴に導入(S1)した後、例えばプリント回路基板のAV電気めっきを行うことができる(S2)。これにより、例えば電気めっき(S2)の際、少なくとも1つの穴に電解質から元素金属が堆積することがある。
【0059】
これにより、例えば、堆積した元素金属は金属粉末の粒子と結合し、まとまってプリント回路基板の少なくとも一つの穴に、凝集性(例えば一体型)のある固い熱伝導性及び導電性の金属充填物2を形成することができる。この点に関して、図2は、一例として、本発明の一実施形態による固化/電気めっき結合された金属充填物2を示す。
【0060】
このペースト電解質は、例えば、穴内のメタライゼーションを特異的に促進するために、(例えばPCBを浸漬して)電気めっきを行う電気めっき槽またはその電解質の陽イオン濃度よりも高い陽イオン濃度を含んでよい。
【0061】
本発明の例示的な態様によれば、例えばペーストを導入する(S1)前に、少なくとも1つの穴の内周壁を電気めっきによりプレメタライズしてスリーブ状の金属層3を形成することができる(S3)。その後、このペーストを、例えばスリーブ状の金属層3で区切られた空間に導入してもよい(S1)。そのようなスリーブ状の金属層3の例を図2に示す。従って、スリーブ状の金属層3は、例えばペースト状金属粉末およびペーストカチオンと同じ金属を電解溶着した金属スリーブであってもよい。
【0062】
スリーブ状の金属層3が形成されると、例えば、電気めっき中に(S2)、少なくとも1つの穴の内周壁にあるスリーブ状の金属層3から少なくとも1つの穴の中心に向かって、電流密度がR方向(図2を参照)の穴の軸方向範囲にわたって制御/定義された方法で増加し得る。例えば、充填物を最初にスリーブ状の金属層3に接続してよい。この方法で製造された充填物は、例えば、導電性などの特性が特に優れている場合がある。しかしながら、本発明による方法、または充填物の金属化/固化は、プレ電気めっき(S3)なしで行うこともできる。
【0063】
本発明の別の例示的な態様によれば、電気めっき処理を施したプリント回路基板は、例えばPCB底面及び/またはPCB上面に保護層4を備えてもよい(S4)。この点で、図3(a)と図3(b)はそれぞれ、任意の保護層4を塗布したプリント回路基板の断面図の写真である。保護層4は、例えば、PCB底面及び/またはPCB上面に塗布された銅層1(例えば厚い銅層)への電気めっき中の金属の堆積を防止することができる(S4)。例えば、従来使用されていたドライフィルムを保護層4として用いることができる。
【0064】
図1に示すように、保護層の塗布(S4)は、例えばペーストをプリント回路基板に導入する(S1)前に行うことができる。或いは、保護層の塗布(S4)は、例えばペーストをプリント回路基板に導入(S1)した後に実行できる。示したステップS3とS4の順序を、両方とも実行した場合、逆にすることもできる。
【0065】
本発明によるプリント回路基板に形成された少なくとも1つの穴を埋める方法によって作られたプリント回路基板は、例えば車両に使用され得る。車両は、例えば、陸上車両、航空機、または船舶であり得る。
【0066】
図5は、電子部品7と電気的に接続されたソルダーパッド5にはんだ6を載せた本発明によるプリント回路基板の断面図の写真である。ソルダーパッド5は、例えば、穴の上方に配置され、電気めっきによって(再)密閉された領域を含む、PCB表面上の銅層1のパターン化された部分であってよい。このような配置は、例えば、大型で重い電子部品7を使用する高電流アプリケーションの分野で使用される、高密度相互接続回路 (例えば、HDI回路、例えば「高密度相互接続」回路)に非常に適している場合がある。特に車両では、一定の振動荷重などにより、ソルダーパッド5の接着(例:剥離強度)に大きなストレスがかかり得る。このため、例えば、穴の充填物での、または車両の穴埋め面のソルダーパッド5の剥離強度が高いことが非常に重要となり得る。
【0067】
[試験例]
本発明に従って、初期試験を実行した。
【0068】
最初に、約95wt%の銅粉末(メーカーデータ:電解生産、デンドリティック99.70%銅粉末、酸素:最大0.3%(製造中)、かさ密度: 1.8g/cm、38μm、400メッシュ、粒度分布 ISO4497>106μm:0%、粒度分布 ISO4497>63μm:最大5.0%、粒度分布 ISO4497>45μm 最大10.0%、Werth metal)と約5wt%の酸性CuSO電解質溶液(MARAWE GmbH & Co.のGlanzkupferelektrolyt sauer、KG、品番01-10-01000)をビーカーに混ぜた。電解質を最後まで一滴ずつ徐々に加え、銅粒子が電解質溶液で十分に濡れてペーストが形成されるまで、混合物を銅スパチュラで長時間攪拌した。次に、ドクターブレードを使用して、ペーストをプリント回路基板の貫通穴に導入した。
【0069】
次に、PCBを電気分解に供した。このため、PCBを電気めっき槽に入れた。電気めっき槽の電解質は、銅粒子と混合してペーストを作るのに使用したのと同じ電解質溶液であった。更に、プリント回路基板の厚い銅層1を陰極として接続した。同じく電気めっき槽に入っていた銅板が陽極として機能した。
【0070】
これらの手順/この実験設定は、以下に説明するさまざまな実験で繰り返された。
【0071】
次に、さまざまな実験にさまざまな電圧を適用した。最初の実験では3Vで一連の実験を開始し、最後の実験では電圧を1Vに下げた。現在の実験設定では、1Vの電圧で最良の結果が見られた。しかしながら、PCBの厚さ、穴の直径、その他の影響要因に応じて電圧を調整する必要があることが予想される。
【0072】
更に、電気分解の時間は実験によって異なった。特に、30分から60分までのさまざまな電気分解時間を調査した。現在の実験設定では、30分の電気分解時間から固体銅の充填がすでに観察できることがわかった。製造された回路基板は削り取ることができ、顕微鏡で見ると、銅が均等に充填された穴が見られた。
【0073】
更に、プレ電気めっきされた穴(穴の内周にスリーブ状の金属層3がある穴)や金属を含まない穴(穴の内周にスリーブ状の金属層3がないなど)にペーストを導入する試験も行った。どちらの場合も、スルー接続が成功していることが確認された。しかしながら、穴をプレ電気めっきした試験では、より均一な充填物が穴に形成されていることがわかった。
【0074】
これまでに行われた試験は、PCB表面に保護層4としてドライフィルムを塗布せずに行われた。しかしながら、例えば基板の上部及び/または底面に電解金属が成長するのを防ぐため、及び/または銅層に銀が堆積するのを防ぐために銀ペーストを使用する場合(電気めっきされた銀めっきなど)、ドライフィルムを使用することも考えられる。
【0075】
これまでに行われた実験でも、電気めっき槽内の電解質の陽イオン濃度と等しいペースト電解質カチオン濃度で実施した。電解質を電気めっき槽で希釈することにより、電気めっき槽内の電解質の陽イオン濃度をペースト電解質カチオン濃度よりも低い値に容易に調整できる。代替的にまたは追加的に、ペーストの電解質に適切な金属塩を添加する(たとえば、金属粉末と混合する前に)ことで、ペースト電解質カチオン濃度を上げることができ、及び/または、別の高濃度の電解質を使用することもできる。
【0076】
ガルバノリシスは、例えば、電気めっき用の逆パルス電流法及び/または電気めっき超音波槽を用いて行うこともできる。これにより、導入された銅粒子同士が均一かつ迅速に結合することが期待される。
【0077】
初期の測定結果から、この方法で製造されたプリント回路基板の穴埋めは、電気伝導率と熱伝導率の点で従来のペーストフィリング(特に樹脂ベースのペースト、特にエポキシベースのペースト)よりも優れていることが示されている。更に、本発明により製造された充填物は、樹脂接合(エポキシ結合など)の金属ペーストに比べて高い剥離強度を有することが期待され、本発明によるペーストは保存が容易である。
【0078】
更に、測定された特性は、PCBの穴の純電気めっき金属充填物の特性と同等である。しかしながら、後者は普遍的に適用できるわけではなく(例えば、PCBのすべてのタイプの穴に)、純粋に電気めっきで穴を埋めるには非常に長い時間がかかることがある(例えば、本発明による方法では60分未満であるのに対し、数日かかる場合がある)。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4
図5
【国際調査報告】