IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ モレックス インコーポレイテドの特許一覧

特表2023-552461パイプ及び容器の腐食及び浸食監視のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】パイプ及び容器の腐食及び浸食監視のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 29/44 20060101AFI20231208BHJP
   G01N 29/04 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G01N29/44
G01N29/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534629
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-07
(86)【国際出願番号】 US2020063683
(87)【国際公開番号】W WO2022125059
(87)【国際公開日】2022-06-16
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】サーシャ シーケ
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ルトルフ キャロル
【テーマコード(参考)】
2G047
【Fターム(参考)】
2G047AA05
2G047AB01
2G047BC02
2G047BC03
2G047BC07
2G047BC11
2G047BC18
2G047CA01
2G047GA13
2G047GF07
2G047GF11
2G047GF26
2G047GG27
2G047GG33
2G047GG46
(57)【要約】
【解決手段】本開示は、パイプ及び容器の腐食及び浸食監視の分野に関する。より具体的には、本開示は、パイプ及び容器の腐食及び浸食監視のためのシステム及び方法に関し、システム/方法は、縦波を使用する超音波厚さ監視を、1つ以上の導波を使用する超音波エリア監視と組み合わせ、それによって、代表的な厚さ測定値は、エリア監視特徴によって補完され、代表的な厚さ測定場所間の局所的腐食/浸食を検出する。別の実施形態では、分析ソリューションを含む最適化された資産健全性監視のためのシステム及び方法が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管システムに設置されたプローブアセンブリの中からダウンセレクトするための方法であって、前記プローブアセンブリは、パイプ壁厚監視のために構成され、前記方法は、
モデルを訓練する前に、該モデルについてグループ化感度(grouping_sensitivity)ハイパーパラメータ、閾値測定(threshold_measurements)ハイパーパラメータ、及びグループサイズ(group_size)ハイパーパラメータを設定することと、
プロセッサ上で実行される前記モデルによって、ある期間にわたって前記配管システムに設置された前記プローブアセンブリから収集された履歴パイプ壁厚測定値に少なくとも基づいて、前記プローブアセンブリの第1のセットをグループ化することと、
プローブアセンブリの各セットに一意のグループIDを割り当てることと、
前記モデルを訓練した後に、該モデルによって、該モデルのための複数の最適化関数の中から最適化関数を選択することと、
前記モデルによって、前記配管システムのパイプ壁厚監視のための各グループIDに対応する単一プローブアセンブリを識別することと、
前記配管システムに関連付けられた厚さ監視コントローラによって、検査のために各グループIDから前記単一プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値を送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記プローブアセンブリは、少なくとも、抵抗温度検出器と、厚さ監視超音波トランスデューサと、前記配管システム内の局所的腐食を検出するように構成されたエリア監視超音波トランスデューサとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記単一プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値が、全体的な腐食であり、局所的腐食ではないことを検証することと、
前記配管システムに関連付けられた全てのパイプ壁厚測定値の確率プロットを生成することと、
プロットされたパイプ壁厚測定値を公称厚さによってグループ化することと、
全体的な腐食を確認するために公称厚さによってグループ化されたパイプ壁厚測定値の確率プロットにおいて非線形関係の識別に失敗することと、を更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
検査中に、前記配管システムのリスクプロファイルを損なうことなく測定された検査サンプルの数を低減するために、各グループIDからの前記単一プローブアセンブリを除く、各グループID内の全ての残りのプローブアセンブリを無視することによってダウンセレクトすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プローブアセンブリの第1のセットのグループ化は、システムに提供された検査情報と、前記配管システムに設置された前記プローブアセンブリからある期間にわたって収集された履歴パイプ壁厚測定値と、に更に少なくとも基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の最適化関数は、グループ内のTML中央値(median_TML_within_group)ID、グループ内の最小平均TML(minimum_average_TML_within_group)ID、及び平均からの最小変動(minimum_variation_from_mean)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の最適化関数は、TML位置(TML_position)を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記配管システムはタンクを備え、前記プローブアセンブリのうちの第1のプローブアセンブリは、前記タンクの壁厚を測定するように構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記パイプ壁厚監視は、特定のプローブアセンブリにおけるパイプ壁の厚さを測定することを含み、前記パイプ壁は、パイプ、タンク、容器、及びパイプラインのうちの1つ以上に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記パイプ壁厚監視は、前記プローブアセンブリによって、元の壁厚、経時的な壁厚損失、較正誤差、及び測定位置の再現性誤差を分析することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
プロセッサに通信可能に結合されたコンピュータメモリに、前記配管システムに設置された前記プローブアセンブリから長期間にわたって収集された履歴パイプ壁厚測定値を記憶することと、
前記プロセッサによって、前記コンピュータメモリに記憶された少なくとも前記履歴パイプ壁厚測定値を用いてモデルを訓練することと、を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記モデルは人工ニューラルネットワークを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ある距離にわたって材料を輸送する複数の構成要素に対する局所的腐食を検出するためのシステムであって、該システムは、
前記構成要素のうちの1つ以上に取り付けられた複数のプローブアセンブリであって、該複数のプローブアセンブリの各々は一意の識別子に対応する、複数のプローブアセンブリと、
該プローブアセンブリによって実行された測定からある期間にわたって収集された履歴壁厚測定値を記憶するように構成されたデータストアと、
該データストア内の履歴壁厚測定値で、少なくともグループ化感度ハイパーパラメータを含むハイパーパラメータを用いて訓練されるモデルと、
プロセッサと、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリと、を備える監視装置であって、前記コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記モデルに基づいて、前記プローブアセンブリの第1のセットをグループ化するステップと、
プローブアセンブリの各セットに一意のグループIDを割り当てるステップと、
前記モデルに基づいて、複数の最適化関数の中から最適化関数を選択するステップと、
前記モデル及び選択された最適化関数に基づいて、前記構成要素の壁厚監視のために各グループIDについてプローブアセンブリを識別するステップであって、各グループIDは、識別されたプローブアセンブリに対応する一意の識別子に対応する、ステップと、
任意のグループIDに対応する前記一意の識別子のリストを出力するステップと、を含むステップを実行させる、監視装置と、
を備える、システム。
【請求項14】
前記複数のプローブアセンブリは、少なくとも、厚さ監視超音波トランスデューサと、前記構成要素に対する局所的腐食を検出するように構成されたエリア監視超音波トランスデューサとを備え、各グループIDから識別されるプローブアセンブリは、複数のプローブアセンブリのうちの2つ以上のプローブアセンブリを備え、前記監視装置のメモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶し、該コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
前記構成要素に関連付けられた厚さ監視コントローラによって、検査のために各グループIDから前記プローブアセンブリの壁厚測定値を送信するステップと、
検査中に、各グループIDからの2つ以上のプローブアセンブリを除いて、各グループID内の全ての残りのプローブアセンブリを無視するステップと、
各グループIDからの2つ以上のプローブアセンブリの壁厚測定値が全体的な腐食の識別に失敗することを検証するステップと、を含むステップを実行させる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
第1のグループIDからのプローブアセンブリの壁厚測定値は、前記プローブアセンブリにおけるパイプ構成要素の壁の厚さを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項16】
第1のグループIDからのプローブアセンブリの壁厚測定値は、前記プローブアセンブリにおけるタンク構成要素の壁の厚さを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハイパーパラメータは、グループ化感度(grouping_sensitivity)ハイパーパラメータ、閾値測定(threshold_measurements)ハイパーパラメータ、及びグループサイズ(group_size)ハイパーパラメータを備え、前記複数の最適化関数は、グループ内のTML中央値(median_TML_within_group)ID、グループ内の最小平均TML(minimum_average_TML_within_group)ID、平均からの最小変動(minimum_variation_from_mean)、及びTML位置(TML_position)を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項18】
コンピュータ実行可能命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、
前記プロセッサに通信可能に結合されたコンピュータメモリに、配管システムに設置されたプローブアセンブリからある期間にわたって収集された履歴パイプ壁厚測定値を記憶するステップと、
モデルのためのハイパーパラメータを設定するステップと、
前記プロセッサによって、前記コンピュータメモリに記憶された少なくとも履歴パイプ壁厚測定値を用いてモデルを訓練するステップと、
前記プロセッサ上で実行される前記モデルによって、前記プローブアセンブリの第1のセットをグループ化するステップと、
プローブアセンブリの各セットに一意のグループIDを割り当てるステップと、
前記モデルに基づいて、複数の最適化関数の中から最適化関数を選択するステップと、
前記モデル及び選択された最適化関数に基づいて、前記配管システムのパイプ壁厚監視のための各グループIDに対応するプローブアセンブリを識別するステップと、
前記配管システムに関連付けられた厚さ監視コントローラによって、検査のために各グループIDから前記プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値を送信するステップと、を含むステップを実行することによって、配管システムに設置されたプローブアセンブリの中からダウンセレクトさせる、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記ハイパーパラメータは、グループ化感度(grouping_sensitivity)ハイパーパラメータ、閾値測定(threshold_measurements)ハイパーパラメータ、及びグループサイズ(group_size)ハイパーパラメータのうちの少なくとも1つを備え、前記複数の最適化関数は、グループ内のTML中央値(median_TML_within_group)ID、
グループ内の最小平均TML(minimum_average_TML_within_group)ID、平均からの最小変動(minimum_variation_from_mean)、及びTML位置(TML_position)を含む、請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
コンピュータ実行可能命令を更に記憶し、該コンピュータ実行可能命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記システムに、
検査中に、各グループIDから識別されるプローブアセンブリを除いて、各グループID内の全ての残りのプローブアセンブリを無視するステップを含むステップを実行させる、請求項18に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2020年2月28日に出願された代理人整理番号MX-2020-PAT-0029-US-PROの「SYSTEM AND METHOD FOR CORROSION AND EROSION MONITORING OF PIPES AND VESSELS」という名称の米国仮特許出願第62/982,751号に関連する。上記の出願の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、パイプ及び容器の腐食及び浸食監視の分野に関する。具体的には、本開示は、機械的構成要素、ハードウェア、ソフトウェア、分析、及び/又はそれらの組み合わせを含む腐食及び/又は浸食監視システムに関する。一実施形態では、機械的構成要素及びハードウェアは、1つ以上の超音波トランスデューサ、ベースユニット、ゲートウェイ、及び/又はそれらの組み合わせを備えてもよい。システムは、遠隔監視のためのソフトウェアプラットフォームを更に備えてもよい。システムは、いくつかの実施形態では、遠隔監視及び/又は診断のためのフロントエンドサービス及びバックエンドサービスのための分析ツールを更に備えてもよい。より具体的には、いくつかの実施形態では、本開示は、パイプ及び容器の腐食及び浸食監視のためのシステム及び方法に関し得、システム/方法は、縦波を使用する超音波厚さ監視を、1つ以上の導波を使用する超音波エリア監視と組み合わせ、それによって、代表的な厚さ測定値は、エリア監視特徴によって補完され、代表的な厚さ測定場所間の局所的腐食/浸食を検出する。別の実施形態では、分析ソリューションを含む最適化された資産健全性監視のためのシステム及び方法が開示される。
【背景技術】
【0003】
石油、ガス及び発電産業で使用されるようなパイプ及び圧力容器を含む構造資産の状態及び完全性を超音波で監視するために超音波トランスデューサを使用することは周知である。現在、超音波トランスデューサを組み込む/使用する腐食及び浸食監視システム及び技法は、ある場所における厚さ監視及びエリア監視(導波検査としても知られる)を含むことが知られている。しかしながら、これらの2つのシステム及び技術は、典型的には互いに分離している。更に、配管システムの内部腐食は、超音波(UT)試験に加えて、放射線(RT)厚さ試験を使用して監視されることもあり、システムの寿命にわたって所定の間隔で選択された構成要素の壁厚を測定する。
【0004】
厚さ監視超音波トランスデューサ及びそれを利用するシステムは、典型的には、超音波トランスデューサが提供されるスポットにおけるパイプ/容器壁の厚さを測定し、言い換えれば、それは、超音波トランスデューサが提供される正確なスポットを囲む位置におけるパイプ/容器壁の厚さに関するいかなる情報も提供しない。したがって、腐食/浸食が、超音波トランスデューサが提供される場所以外の場所で発生している場合、厚さ監視が超音波トランスデューサマッピングを伴わない限り、腐食/浸食は検出されない可能性が高い。当然ながら、超音波トランスデューサマッピングは検査コストを増加させる。しかしながら、これらの超音波トランスデューサ及びシステムは、パイプ/容器に永久的に設置されることが有益である。
【0005】
逆に、エリア監視超音波トランスデューサ及びそれを利用するシステムは、典型的には、パイプ/容器壁のより大きなエリアにわたってパイプ/容器壁の厚さを測定し、測定されるエリアは、典型的には、厚さ監視超音波トランスデューサがパイプ/容器上に提供される場所を越えている。そのようなエリア監視超音波トランスデューサ及びそれを利用するシステムは、典型的には、測定されるエリアにわたるパイプ/容器壁の厚さマップを作成する。理論的には、そのような生成された厚さマップは有益であるが、現在、そのような導波検査は、そのセグメントが10~20個の異なる導波モードを生成する一般的なハードウェアとして非常に複雑であり、多数の波モード及び複雑な分析が検査結果の信頼性に悪影響を与える。更に、導波検査は、典型的には、パイプ及び容器に恒久的に設置されない。加えて、高度に局所化された腐食は、API574(API574,Inspection practices for piping system components,4th edition,2016)に記載されているような一時的に設置された導波システムでは確実に検出することができない。
【0006】
加えて、既存の恒久的に設置された腐食監視システムは、配管システムを使用して流体を輸送する製油所及び石油化学プラントなどの産業施設におけるセンサの配置を決定するために適切なデータを使用することができない。配管システムは、流体を1つ以上のタンク及び/又は化学処理ユニットに輸送してもよい。いくつかの配管システムは、所定の温度及び/又は圧力で専用の流体を取り扱う。これらの配管システムは、高温高圧で腐食性の高い流体を移送することがある。
【0007】
更に、多くの産業施設は、健康及び安全上の懸念に直面している。それらは、可燃性及び/又は有毒であり得る流体を輸送し得る。したがって、配管システムの故障は、大気への漏れ及び/又はプラント人員への曝露を引き起こす可能性がある。更に、いくつかの設備は、数年にわたってスケジュールされた停止なしで動作する。したがって、配管システム及びその構成要素の信頼性が重要である。
【0008】
健康及び安全上の懸念に加えて、配管システムの故障による計画外の停止は、ビジネス上の結果の観点から問題である。配管故障に関連する潜在的な安全性、健康、環境、及びビジネスリスクを考慮して、配管システムの状態が監視されて、それらの残存寿命を正確に予測し、安全な修理又は交換日を決定する。
【0009】
前述の結果として、特定の個人は、パイプ及び容器の腐食及び浸食監視のためのシステム及び方法における改良を理解するであろう。
【発明の概要】
【0010】
様々な例示的な実施形態の以下の説明では、添付の図面を参照するが、添付の図面は、本明細書の一部を形成し、例示として、本開示の態様が実施され得る様々な実施形態が示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的及び機能的修正を行うことができることを理解されたい。要素間の様々な接続が以下の説明で論じられることに留意されたい。これらの接続は一般的であり、別途指定されない限り、直接的であっても間接的、有線又は無線であってもよく、本明細書はこの点で限定的であることを意図するものではないことに留意されたい。
【0011】
1つ以上のコンピュータのシステムは、動作中にシステムにアクションを実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの組み合わせをシステムにインストールすることによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つ以上のコンピュータプログラムは、データ処理装置によって実行されると、装置にアクションを実行させる命令を含むことによって、特定の動作又はアクションを実行するように構成することができる。1つの一般的な態様は、配管システムに設置されたプローブアセンブリの中からダウンセレクトするための方法を含む。方法はまた、モデルを訓練する前に、モデルについてグループ化感度(grouping_sensitivity)ハイパーパラメータ、閾値測定(threshold_measurements)ハイパーパラメータ、及びグループサイズ(group_size)ハイパーパラメータを設定することを含む。方法はまた、プロセッサ上で実行されるモデルによって、ある期間にわたって配管システム上に設置されたプローブアセンブリから収集された履歴パイプ壁厚測定値に少なくとも基づいて、プローブアセンブリの第1のセットをグループ化することを含む。この方法はまた、プローブアセンブリの各セットに一意のグループIDを割り当てることを含む。本方法はまた、モデルを訓練した後にモデルによって、モデルのための複数の最適化関数の中から最適化関数を選択することを含む。本方法はまた、モデルによって、配管システムのパイプ壁厚監視のための各グループIDに対応する単一プローブアセンブリを識別することを含む。方法はまた、配管システムに関連付けられた厚さ監視コントローラによって、検査のために各グループIDから単一プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値を送信することを含む。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が方法のアクションを実行するように構成される。
【0012】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上及び他の特徴を含んでいてもよい。本方法は、検査中に、各グループIDからの単一プローブアセンブリを除いて、各グループID内の全ての残りのプローブアセンブリを無視するための1つ以上のステップを含み得る。プローブアセンブリの第1のセットのグループ化は、システムに提供された検査情報と、配管システム上に設置されたプローブアセンブリからある期間にわたって収集された履歴パイプ壁厚測定値と、に更に少なくとも基づく。配管システムはタンクを含むことができ、プローブアセンブリのうちの第1のプローブアセンブリは、タンクの壁厚を測定するように構成される。本方法はまた、プロセッサに通信可能に結合されたコンピュータメモリに、配管システムに設置されたプローブアセンブリから長期間にわたって収集された履歴パイプ壁厚測定値を記憶するステップと、プロセッサによって、少なくともコンピュータメモリに記憶された履歴パイプ壁厚測定値を用いてモデルを訓練するステップとを含んでもよい。モデルは、人工ニューラルネットワークを含み得る。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0013】
1つの一般的な態様は、ある距離にわたって材料を輸送する複数の構成要素に対する全体的な腐食(例えば、局所的腐食の欠如)を検出するためのシステムを含む。システムはまた、構成要素のうちの1つ以上に取り付けられた複数のプローブアセンブリを含むことができ、プローブアセンブリは、構成要素に対する腐食(例えば、全体的な腐食及び/又は局所的腐食)を検出するように構成された少なくとも厚さ監視超音波トランスデューサ及びエリア監視超音波トランスデューサを含むことができる。システムはまた、プローブアセンブリによって実行された測定からある期間にわたって収集された履歴壁厚測定値を記憶するように構成されたデータストアを含んでもよい。システムはまた、データストア内の履歴壁厚測定値で、ハイパーパラメータを用いて訓練されたモデルを含んでもよく、ハイパーパラメータは、grouping_sensitivityハイパーパラメータ、threshold_measurementsハイパーパラメータ、及びgroup_sizeハイパーパラメータを含んでもよい。システムはまた、監視装置を含んでもよく、監視装置は、プロセッサと、コンピュータ実行可能命令を記憶するメモリ、を備えてもよく、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、モデルに基づいて、プローブアセンブリの第1のセットをグループ化するステップと、プローブアセンブリの各セットに一意のグループIDを割り当てるステップと、モデルに基づいて、複数の最適化関数の中から最適化関数を選択するステップと、モデル及び選択された最適化関数に基づいて、構成要素の壁厚監視のために各グループIDに対応するプローブアセンブリを識別するステップと、構成要素に関連付けられた厚さ監視コントローラによって、検査のために各グループIDからプローブアセンブリの壁厚測定値を送信するステップと、を含んでもよいステップを実行させる。別の実施形態では、システムは、検査のために壁厚測定値を送信する代わりに、任意のグループIDに対応する一意の識別子のリストを出力することができる。検査者は、本明細書で開示される様々な実施形態で説明されるように、システムの出力を受信し、それに応じて反応することができる。この態様の他の実施形態は、対応するコンピュータシステム、装置、及び1つ以上のコンピュータ記憶デバイスに記録されたコンピュータプログラムを含み、各々が方法のアクションを実行するように構成される。
【0014】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上及び他の特徴を含んでいてもよい。システムは、各グループIDから識別されるプローブアセンブリが、複数のプローブアセンブリのうちの2つ以上のプローブアセンブリを含んでもよく、監視装置のメモリは、コンピュータ実行可能命令を記憶し、コンピュータ実行可能命令は、プロセッサによって実行されると、システムに、検査中に、各グループIDからの2つ以上のプローブアセンブリを除いて、各グループID内の全ての残りのプローブアセンブリを無視するステップと、各グループIDからの2つ以上のプローブアセンブリの壁厚測定値が全体的な腐食であり、局所的腐食ではないことを検証するステップと、を含んでもよいステップを実行させる。第1のグループIDからのプローブアセンブリの壁厚測定値は、プローブアセンブリにおけるパイプ構成要素の壁の厚さを含んでもよい。第1のグループIDからのプローブアセンブリの壁厚測定値は、プローブアセンブリにおけるタンク構成要素の壁の厚さを含んでもよい。本方法は、(i)配管システムに関連付けられた全てのパイプ壁厚測定値の確率プロットを生成し、(ii)プロットされたパイプ壁厚測定値を公称厚さによってグループ化し、(iii)全体的な腐食(例えば、局所的腐食の欠如)を確認するために公称厚さによってグループ化されたパイプ壁厚測定値の確率プロットにおいて非線形関係を識別することによって、単一プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値が全体的な腐食(例えば、局所的腐食の欠如)であることを検証することを含んでもよい。パイプ壁厚監視は、プローブアセンブリによって、元の壁厚、経時的な壁厚損失、較正誤差、及び測定位置の再現性誤差を分析するためのステップを含んでもよい。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【0015】
実装形態は、以下の特徴のうちの1つ以上及び他の特徴を含んでいてもよい。本方法は、配管システムに関連付けられた全てのパイプ壁厚測定値の確率プロットを生成し、プロットされたパイプ壁厚測定値を公称厚さによってグループ化し、全体的な腐食(例えば、局所的腐食の欠如)を確認するために公称厚さによってグループ化されたパイプ壁厚測定値の確率プロットにおいて非線形関係を識別することによって、単一プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値が全体的な腐食(例えば、局所的腐食の欠如)であることを検証するためのステップを更に含んでもよい。パイプ壁厚監視は、プローブアセンブリによって、元の壁厚、経時的な壁厚損失、較正誤差、及び測定位置の再現性誤差を分析するためのステップを含んでもよい。説明される技法の実装形態は、ハードウェア、方法若しくはプロセス、又はコンピュータアクセス可能な媒体上のコンピュータソフトウェアを含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本開示は、例として示され、添付図面に限定されるものではなく、ここにおいて、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【0017】
図1】腐食/浸食監視のためのシステムの図である。
図2図1のシステムの厚さ監視コントローラ及び圧電アセンブリの図である。
図3図2の厚さ監視コントローラの図である。
図4図2の圧電アセンブリの一部を形成するスイッチアセンブリの図である。
図5図2の圧電アセンブリの図である。
図6】腐食/浸食監視のための方法の図である。
図7】腐食/浸食監視のための方法の図である。
図8】腐食/浸食監視のための方法の図である。
図9】信号変調を表示するための図である。
図10】信号変調を表示するための図である。
図11】信号変調を表示するための図である。
図12】信号変調を表示するための図である。
図13A図13A及び図13B(まとめて「図13」と呼ぶ)は、本明細書に開示される特徴の1つ以上の態様による、設置されたMUTセンサを有する1つの例示的な配管の図である。
図13B図13A及び図13B(まとめて「図13」と呼ぶ)は、本明細書に開示される特徴の1つ以上の態様による、設置されたMUTセンサを有する1つの例示的な配管の図である。
図14】本開示の種々の態様による、産業施設の例示的なネットワークアーキテクチャである。
図15】本開示の一実施形態におけるプローブアセンブリグループ化の説明図である。
図16A図16A図16B、及び図16C(まとめて「図16」と呼ぶ)は、局所的腐食とは対照的に全体的な腐食を検証するための測定値の確率プロットを示すグラフである。
図16B図16A図16B、及び図16C(まとめて「図16」と呼ぶ)は、本明細書に開示される種々の態様による、TMLに対するリスクのレベルを図示するグラフである。
図16C図16A図16B、及び図16C(まとめて「図16」と呼ぶ)は、本明細書に開示される種々の態様による、ダウンセレクト後のTMLに対するリスクのレベルを描写する曲線におけるシフトを図示する。
図17】ナフテン系酸腐食を有する管の累積厚さ分布を示すグラフプロットである。
図18A】本開示の一実施形態における日付ごとのTML測定値を示す腐食センサ分析グラフである。
図18B図8Aと同様であるが、より高いグループ化感度設定を有する、日付ごとのTML測定値を示す別の腐食センサ分析グラフである。
図18C図8Aと同様であるが、更に高いグループ化感度設定を伴う、日付別のTML測定を図示する、更に別の腐食センサ分析グラフである。
図19A】本開示の1つ以上の態様によるグラフである。
図19B】本開示の1つ以上の態様によるグラフである。
図20A】本開示の1つ以上の態様によるグラフである。
図20B】本開示の1つ以上の態様によるグラフである。
図21】本明細書に開示されるシステム、方法、及びアルゴリズムと協働して動作するように構成される例示的人工ニューラルネットワークを示す。
図22】本明細書に開示されるいくつかの実施形態に従って実行される方法の例示的ステップを示す、フローチャートである。
図23】本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、図1に示されるような例示的な腐食/浸食監視システムに対応する簡略化されたパイプ及び計装図(PID)の図である。
【0018】
様々な例示的な実施形態の以下の説明では、添付の図面を参照するが、添付の図面は、本明細書の一部を形成し、例示として、本開示の態様が実施され得る様々な実施形態が示されている。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的及び機能的修正を行うことができることを理解されたい。要素間の様々な接続が以下の説明で論じられることに留意されたい。これらの接続は一般的であり、別途指定されない限り、直接的であっても間接的、有線又は無線であってもよく、本明細書はこの点で限定的であることを意図するものではないことに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、異なる形式の実施形態を許可する場合があるが、図面にて示されている。また、本開示が本開示の原理の例示であると見なされるべきであり、本明細書にて図示及び説明されるものに本開示を制限することを意図するものではないという理解を伴う特定の実施形態は、本明細書で詳細に説明されることだろう。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にする目的で別様に示されなかった追加の変形形態を形成するために組み合わされてもよい。いくつかの実施形態では、図面(複数可)において例として示される1つ以上の要素は、本開示の範囲内の代替的な要素で排除及び/又は置換され得ることが更に理解されるであろう。
【0020】
本開示の態様は、産業施設におけるパイプ、容器、及び他の構成要素の腐食及び/又は浸食の監視及び検出に関する。監視システムは、パイプ及び構成要素に取り付けられた複数のセンサによって収集された履歴測定値の遠隔監視及び分析のためのソフトウェアプラットフォームを備えてもよい。監視システムは、局所的腐食及び/又は全体的な腐食の監視、診断、及び/又は予測のための分析ツールを含むことができる。本明細書に開示される分析システムを使用することによって、厚さ監視位置(TML)は、とりわけ、リスクを損なうことなく測定位置の数を減らすように、すなわち、ダウンセレクトするように最適化され得る。本開示で説明されるように、ダウンセレクトを通じて、検査中にサンプリングされる必要があるプローブアセンブリの数を戦略的に低減することによって、検査の時間/コストの量が低減されると同時に、産業施設のリスクプロファイルが維持される(又は更に低減される)。
【0021】
パイプ/容器の腐食及び浸食を監視するためのシステム100が、図1及び図2に示されている。システム100は、データ分析及び視覚化プラットフォーム110と、任意選択のゲートウェイ120と、厚さ監視コントローラ130と、標準化目的で使用される厚さ監視超音波トランスデューサ140と、少なくとも1つのプローブアセンブリ150とを含む。各プローブアセンブリ150は、スイッチアセンブリ160と、少なくとも1つの厚さ監視超音波トランスデューサ170と、少なくとも1つのエリア監視超音波トランスデューサ180とを含む。
【0022】
データ分析及び視覚化プラットフォーム110は、データ分析部112及び視覚化部114を含む。1データ分析部112は、典型的には、ゲートウェイ120又は厚さ監視コントローラ130の一方又は両方から典型的には無線で信号を受信するように構成されたクラウドベースの電源付きソフトウェアである。これらの信号は、データ分析部112によって分析されて、視覚化部114上に表示するための映像に変換される。視覚化部114は、システム100によって識別された腐食/浸食に関する情報を理解する際にプラットフォーム110を監視する個人を支援するタイプのものである、任意の好適なデバイス、例えば、コンピュータモニタ、タブレット、電話等であり得る。個人はまた、更なる入力をソフトウェアに提供することによって、視覚化部114上の画像/情報を変更することが可能であり得る。
【0023】
ゲートウェイ120は、厚さ監視コントローラ130から典型的には無線で信号を受信し、そのような信号を典型的には無線でプラットフォーム110に送信するために設けられてもよい。例えば、それ自体のデータプランを有する施設において各厚さ監視コントローラ130を有する代わりに、ゲートウェイ120を使用してセルラー接続を確立することがより経済的であり得る。そのような場合、厚さ監視コントローラ130は、ゲートウェイ120と通信するために、例えばXBeeプロトコルを使用する。別の例では、厚さ監視コントローラ130の位置に良好なセルラー接続がない場合、ゲートウェイ120をより高い位置に設置してセルラー接続を確立することができ、厚さ監視コントローラ130は、例えばXBeeプロトコルを使用してゲートウェイ120にデータを送信する。
【0024】
図3に最もよく示されるように、厚さ監視コントローラ130は、モデム131、マイクロプロセッサ132、パルサ133、アナログ-デジタル変換器(ADC)134、調整可能利得増幅器135、送信チャネル136、及び受信チャネル137を含む。モデム131は、プラットフォーム110及びゲートウェイ120の一方又は両方と通信するように構成される。モデム131は、限定はしないが、XBee915MHz及びLTE-M/NBを含む、任意の適切な通信オプションを使用することができる。モデム131は、マイクロプロセッサ132と通信するように構成される。マイクロプロセッサ132は、所望の機能を提供する任意のタイプのマイクロプロセッサであってもよい。このようなマイクロプロセッサ132の1つは、NXPセミコンダクターズによって製造販売されているLPC4370である。マイクロプロセッサ132は、パルサ133及びADC134の両方と通信するように構成される。パルサ133は、高電圧パルサコンデンサであることが好ましい。ADC134は、16ビット、2msps(百万サンプル/秒)であることが好ましいが、必要に応じて他のADCタイプを提供することもできる。ADC 134は、調整可能利得増幅器135(一般に可変利得増幅器としても知られることがある)と通信するように構成される。調整可能利得増幅器135は、26~54dBのデシベル範囲及び10kHz~300kHzの周波数範囲を有することが好ましいが、他の範囲も適宜提供することができる。パルサ133は、送信チャネル136に信号を送信するために送信チャネル136と通信するように構成される。調整可能利得増幅器135は、受信チャネル137から信号を受信するために受信チャネル137と通信するように構成される。厚さ監視コントローラ130は、所望の数の振幅走査(「A走査」)(又は波形表示)に対応するように構成されることが好ましい。図示の実施形態では、コントローラ130は、16回のA走査(厚さ測定超音波トランスデューサ140から1回、3つの異なるプローブアセンブリ150から各々5回)に対応するように構成されている。当然ながら、プローブアセンブリ150の数が変化し、及び/又は超音波トランスデューサ170/180の数が各プローブアセンブリ150に含まれる場合(以下で更に詳細に説明するように)、コントローラ130は、必要に応じて16回より多い又は少ないA走査に対応するように構成され得ることを理解されたい。
【0025】
厚さ監視超音波トランスデューサ140は、厚さ監視コントローラ130の送信チャネル136から信号を受信するように構成され、厚さ監視コントローラ130の受信チャネル137に信号を送信するように更に構成される。上述のように、厚さ監視超音波トランスデューサ140は、標準化の目的で使用され、したがって、一群の超音波トランスデューサ(この例では、少なくとも1つの厚さ監視超音波トランスデューサ170及び少なくとも1つのエリア監視超音波トランスデューサ180)が利用されるときに測定システムを較正するように機能する。標準化厚さ監視超音波トランスデューサ140は、システム100が常に同じ方法で動作し、適切に機能することを保証するように機能し、これは工業規格によって要求される。図示の実施形態では、標準化厚さ監視超音波トランスデューサ140は、単一のA走査を実行するように構成されている。実際には、厚さ監視超音波トランスデューサ140は、典型的には、標準化トランスデューサとして機能するように標準化ブロック又は厚さが較正された金属片上に配置される。
【0026】
図1に示すように、システム100は、3つの異なる/別個のプローブアセンブリ150A、150B、150C(各々プローブアセンブリ150とも呼ばれる)を含む。システム100に応じて、システム100に設けられるプローブアセンブリ150の数は、必要に応じて、3つ未満(例えば、1つ又は2つ)であってもよいし、3つより多く(例えば、4つ、5つなど)であってもよい。システム100に提供されるプローブアセンブリ150の数に応じて、当業者によって理解されるように、システム100に対して軽微な変更/修正を行う必要があり得る。
【0027】
上述したように、各プローブアセンブリ150は、スイッチアセンブリ160を含む。図4に最もよく示されるように、スイッチアセンブリ160は、電源161、送信スイッチ162、マイクロコントローラ163、メモリ164、受信スイッチ165、増幅器166、及び任意選択の抵抗温度検出器(RTD)インタフェース167を含む。電源161は、厚さ監視コントローラ130の送信チャネル136と通信する。送信スイッチ162は、厚さ監視コントローラ130の送信チャネル136と通信する。送信スイッチ162は、5つの「スイッチ」チャネル162a、162b、162c、162d、162eを有することが好ましく、各々の目的及び機能については、本明細書で説明する。マイクロコントローラ163は、厚さ監視コントローラ130の送信チャネル136、送信スイッチ162、メモリ164、及び受信スイッチ165と通信している。マイクロコントローラ163は、所望の機能を提供する任意のタイプのマイクロコントローラであってもよい。このようなマイクロコントローラ163の1つは、Microchip Technologyによって製造販売されているPIC18である。メモリ164は、不揮発性メモリであることが好ましい。受信スイッチ165は、4つの「スイッチ」チャネル165a、165b、165c、165dを有することが好ましく、各々の目的及び機能について以下に説明する。増幅器166は、厚さ監視コントローラ130の受信チャネル137及び受信スイッチ165と通信している。増幅器166は、好ましくは、26~48dBの増幅及び10kHz~300kHzの周波数範囲を有するが、他のレベル/範囲もまた、適切に提供され得る。増幅器166はまた、好ましくは2段増幅器であり、単一段オプションに対して26dB増幅が提供され、2段オプションに対して48dB増幅が提供され、これは、増幅基板上の構成要素をポピュレート又はデポピュレートすることによって選択可能であり得る。任意選択のRTDインタフェース167は、少なくとも1つの厚さ監視超音波トランスデューサ170がRTD171(後述)を組み込む場合に提供される。図示された実施形態は、各スイッチアセンブリ160は、コントローラ130によって、5つのA走査(厚さ監視超音波トランスデューサ170から1つ、及び4つのエリア監視超音波トランスデューサ180のそれぞれから1つ)を収集するように命令される。
【0028】
上述したように、各プローブアセンブリ150は、少なくとも1つの厚さ監視超音波トランスデューサ170を含む。図1に示されるように、各プローブアセンブリ150は、1つの厚さ監視超音波トランスデューサ170を含む。システム100及びプローブアセンブリ150に応じて、各プローブアセンブリ150内に提供される厚さ監視超音波トランスデューサ170の数は、必要に応じて、2つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ等)であり得る。当業者によって理解されるように、各プローブアセンブリ150に提供される厚さ監視超音波トランスデューサ170の数に応じて、プローブアセンブリ150及び/又はシステム100に対して軽微な変更/修正が行われる必要があり得る。各厚さ監視超音波トランスデューサ170は、厚さ測定が行われている場所又はその付近でパイプ/容器の温度を測定するために、任意選択で、それに関連付けられたRTD171を有することができる。各厚さ監視超音波トランスデューサ170は、送信スイッチ162の第5の「スイッチ」チャネル162eと通信し、厚さ監視超音波トランスデューサ170がRTD171を含む場合、RTDインタフェース167とも通信する。
【0029】
厚さ監視超音波トランスデューサ170(及び140)は、高周波超音波(例えば、5MHz)を生成することによって動作する。これらの超音波は、一般に縦波(LW)と呼ばれ、したがって、厚さ監視超音波トランスデューサ170は、LWトランスデューサと呼ばれることもある。図示の実施形態では、各厚さ監視超音波トランスデューサ170は、単一のA走査を実行するように構成されている。厚さ監視超音波トランスデューサ140とは異なり、厚さ監視超音波トランスデューサ170は、標準化ブロック又は厚さが較正された金属片上に配置されるのではなく、むしろパイプ/容器上に配置されて、それが設置される場所でパイプ/容器の厚さを測定する。
【0030】
上述したように、各プローブアセンブリ150は、少なくとも1つのエリア監視超音波トランスデューサ180を含む。図1図2図3図4、及び図5に示されるように、各プローブアセンブリ150は、4つのエリア監視超音波トランスデューサ180A、180B、180C、180D(それぞれエリア監視超音波トランスデューサ180とも呼ばれる)を含む。システム100及びプローブアセンブリ150に応じて、各プローブアセンブリ150内に提供されるエリア監視超音波トランスデューサ180の数は、必要に応じて、4つ未満(例えば、1つ、2つ、又は3つ)又は4つより多く(例えば、5つ、6つ等)てもよい。当業者によって理解されるように、各プローブアセンブリ150に提供されるエリア監視超音波トランスデューサ180の数に応じて、プローブアセンブリ150及び/又はシステム100に対して軽微な変更/修正が行われる必要があり得る。第1のエリア監視超音波トランスデューサ180Aは、送信スイッチ162の第1の「スイッチ」チャネル162a及び受信スイッチ165の第1の「スイッチ」チャネル165aと通信する。第2のエリア監視超音波トランスデューサ180Bは、送信スイッチ162の第2の「スイッチ」チャネル162b及び受信スイッチ165の第2の「スイッチ」チャネル165bと通信する。第3のエリア監視超音波トランスデューサ180Cは、送信スイッチ162の第3の「スイッチ」チャネル162c及び受信スイッチ165の第3の「スイッチ」チャネル165cと通信する。第4のエリア監視超音波トランスデューサ180Dは、送信スイッチ162の第4の「スイッチ」チャネル162d及び受信スイッチ165の第4の「スイッチ」チャネル165dと通信する。
【0031】
一実施形態では、プローブアセンブリ150は、厚さトランスデューサ170と、スイッチ/プリアンプアセンブリ160に個々に配線されたエリアトランスデューサ180のセットとを備えることができる。異なる実施形態では、厚さトランスデューサ170及びエリアトランスデューサ180は、単一の多心ケーブルを介してスイッチ/プリアンプアセンブリ160に配線された単一のより大きなプローブに組み合わせることができる。別の実施形態では、より大きなプローブのセット(厚さ+2エリア、エリア+エリアなど)であってもよい。
【0032】
エリア監視超音波トランスデューサ180は、低周波超音波(例えば、50kHz~500kHz)を生成することによって動作する。これらの超音波は、一般に、導波(GW)と呼ばれ、したがって、エリア監視超音波トランスデューサ180は、GWトランスデューサと呼ばれることもある。GWトランスデューサからの1つのそのようなタイプの導波、すなわちせん断水平ゼロ波(プレートではSH0、又は配管ではT(0,1)と呼ばれる)は、それらの非分散的挙動のために興味深い。図示の実施形態では、各エリア監視超音波トランスデューサ180は、単一のA走査を実行するように構成される。
【0033】
GWトランスデューサ180は、圧電パッチトランスデューサの形態であることが好ましいが、代替的に、例えば、面せん断圧電素子などの他の形態であってもよい。好ましい実施形態では、図1及び図5に最もよく示されているように、GWトランスデューサ180A、180B、180C、180Dは、LWトランスデューサ170の周りに長方形の構成で配置され、GWトランスデューサ180Aは、LWトランスデューサ170の上及び左に配置され、GWトランスデューサ180Bは、LWトランスデューサ170の下及び左に配置され、GWトランスデューサ180Cは、LWトランスデューサ170の下及び右に配置され、GWトランスデューサ180Dは、LWトランスデューサ170の上及び右に配置される。パイプ/容器に適用される場合、GWトランスデューサ180AからGWトランスデューサ180Bへの直線は、GWトランスデューサ180CからGWトランスデューサ180Dへの直線と平行であり、GWトランスデューサ180AからGWトランスデューサ180Dへの直線は、GWトランスデューサ180BからGWトランスデューサ180Cへの直線と平行である。更に、パイプ/容器に適用されるとき、GWトランスデューサ180AからGWトランスデューサ180Cへの直線は、LWトランスデューサ170と交差し、GWトランスデューサ180BからGWトランスデューサ180Dへの直線は、LWトランスデューサ170と交差し、「X字形」構成が提供される。
【0034】
システム100は、パイプ/容器と関連付けられるとき、パイプ/容器の腐食/浸食を測定するために利用されてもよい。一実施形態では、パイプ/容器の腐食/浸食を測定する1つの方法200が以下に説明され、図6図7、及び図8に示される。
【0035】
方法200は、検査されるパイプ/容器の実際の長手方向速度及び温度を手動で測定するステップ205を含む。
【0036】
方法200は、実際の導波速度及び検査されるパイプ/容器の温度を手動で測定するステップ210を含む。
【0037】
方法200は、標準化厚さ監視超音波トランスデューサ140及びRTD171を用いて厚さ標準化測定を実行するステップ215を含む(厚さ監視超音波トランスデューサ140と同様に、標準化厚さ監視超音波トランスデューサ170も任意選択的にRTD171を組み込むことができることを理解されたい)。
【0038】
方法200は、プローブアセンブリ150Aを使用して測定を実行するステップ220を含む。ステップ220は、厚さ監視超音波トランスデューサ170及びRTD171を用いて厚さ測定を実行するサブステップ220aを含む。ステップ220は、第1の周波数でエリア監視超音波トランスデューサ180A、180B、180C、180Dを用いてエリア厚さ監視を実行するサブステップ220bを含む。サブステップ220bは、軸方向走査を実行するサブステップ220b1を含み、それによってエリア監視超音波トランスデューサ180Aが励起され、エリア監視超音波トランスデューサ180Bを用いてデータが記録される。サブステップ220b1で行われる測定は、構成設定及び平均A走査で指定される回数だけ繰り返される。サブステップ220bは、軸方向走査を実行するサブステップ220b2を含み、それによってエリア監視超音波トランスデューサ180Cが励起され、エリア監視超音波トランスデューサ180Dを用いてデータが記録される。サブステップ220b2で行われる測定は、構成設定及び平均A走査で指定される回数だけ繰り返される。サブステップ220bは、周方向走査を実行するサブステップ220b3を含み、それによってエリア監視超音波トランスデューサ180Aが励起され、エリア監視超音波トランスデューサ180Dでデータが記録される。サブステップ220b3で行われる測定は、構成設定及び平均A走査で指定される回数だけ繰り返される。サブステップ220bは、周方向走査を実行するサブステップ220b4を含み、それによってエリア監視超音波トランスデューサ180Cが励起され、データがエリア監視超音波トランスデューサ180Cで記録される。サブステップ220b4で行われる測定は、構成設定及び平均A走査で指定される回数だけ繰り返される。したがって、チャネル162a、162c(GWトランスデューサ180A、180Cに関連付けられている)は、導波送信チャネルとして機能し、チャネル162b、162d(GWトランスデューサ180B、180Dに関連付けられている)は、導波受信チャネルとして機能する。受信経路は更に、増幅器166を介して、厚さ監視コントローラ130の受信チャネル137に進む。
【0039】
ステップ220は、第2の周波数でサブステップ220bを繰り返すサブステップ220cを含み、第2の周波数は第1の周波数と異なる。
【0040】
ステップ220は、第3の周波数でサブステップ220bを繰り返すサブステップ220dを含み、第3の周波数は、第1の周波数及び第2の周波数の両方とは異なる。
【0041】
方法200は、プローブアセンブリ150Bを使用して測定を行うためにステップ220を繰り返すことを含むステップ225を含む。
【0042】
方法200は、プローブアセンブリ150Cを使用して測定を行うためにステップ220を繰り返すことを含むステップ230を含む。
【0043】
したがって、方法200は、縦波を使用する超音波厚さ監視を、導波を使用する超音波エリア監視と組み合わせ、好ましい実施形態では、ただ1つの特殊非分散せん断波モード(SH0又はT(0,1))と組み合わせる。方法200は、厚さマップを作成しようとするのではなく、代表的な厚さ測定値を取得し、厚さマップは、代表的な厚さ測定場所の間の局所的腐食/浸食を検出するためにエリア監視特徴によって補完される。システム100は、2つの異なる種類の超音波トランスデューサ、例えば、LWトランスデューサ170及びGWトランスデューサ180から、2つの別個の異なる励起信号、例えば、厚さ監視用の高周波超音波(5MHz)及びエリア監視用の低周波超音波(50~500kHz)を送達するために単一の回路を使用する新しい電子機器を利用する。各励起信号は、別々に生成され処理される必要がある。より具体的には、コントローラ130のパルサ133は、所定の固定電圧レベル、すなわち高電圧、低電圧、及びゼロ電圧のみを送出することができるデジタルスイッチである。高電圧レベル及び低電圧レベルは、通常、5V~90V及び-5V~-90Vの範囲内で調整可能であるが、異なる電圧レベルも許容される。マイクロプロセッサ132は、固定電圧レベルの1つ、例えば、指定された期間の高電圧、を送信チャネル136に出力するようにパルサ133に信号を送る。LWトランスデューサ170を励起するために使用されるパルスの例:プロセッサ130は、パルサ133に、0V、次いで100nsの期間の高電圧、次いで100nsの期間の低電圧、次いで0Vを出力するように命令する。説明されたシーケンスは、LWトランスデューサ170を励起するのに適した5MHz周波数のバイポーラ方形波を生成する。GWトランスデューサ180については、異なる周波数及び信号振幅が必要とされる。
【0044】
図9図10図11、及び図12に最もよく示されているように、GWトランスデューサ180を励起するのに必要な波形は、図12に330として示されているハニング窓信号(例えば半サイクル余弦)に重畳された例えば5サイクル正弦波のようなかなり複雑な形状を有することができ、これにより無信号状態から信号状態へのより滑らかな遷移が可能になる。GWトランスデューサ180を生成するために、図9図10図11、及び図12の波形300として示されるパルサ133のデジタル出力の適切な波形の組み合わせ、送信チャネル136の直列抵抗及びGWトランスデューサ180のインピーダンスが使用される。GW波を生成するために使用される周波数範囲(50~500kHz)におけるGWトランスデューサ180のインピーダンスは、通常、大部分がキャパシタンスから構成される。送信チャネル136のこのキャパシタンス及び上述の直列抵抗は、ローパスフィルタを形成する。パルサ133は、マイクロプロセッサ132からの命令の下で、高周波(通常、数十MHzの範囲)デジタル波形300を生成し、送信チャネル136及びGWトランスデューサ180のキャパシタンスを通過すると、(図10に示すように)パルサ133から最初に出力されたものとは異なる波形310が得られる。パルサ133からの様々な高周波デジタル波形は、送信チャネル136の直列抵抗及びトランスデューサ180のキャパシタンスを通過すると、アナログ波形の範囲、例えば、図11の320として示されるハニング窓のない正弦波、又は図12の330として示されるハニング窓のある正弦波、チャープ(パルスの持続時間中の周波数変化)、ランプアップ、シーソーなどを生成することができる。当然ながら、説明及び図示された波形以外の波形も生成することができる。
【0045】
一実施形態では、チャープ信号を使用して、単一チャネルから複数の周波数を同時に励起することができる。適切なソフトウェアフィルタリングは、単一のA走査からの個々の周波数応答を復号することができる。
【0046】
システム100及び方法200を使用することによって、パイプ/容器上の欠陥で反射されたエコーの飛行時間及び振幅を評価することができる。より具体的には、GWトランスデューサ180Cから励起信号を送信し、GWトランスデューサ180B、180Dによって受信することによって、反射エコーは、損傷により近いGWトランスデューサ180B、180D、例えば、損傷がGWトランスデューサ180B、180Dの両方の左側にある場合にはGWトランスデューサ180B、又は損傷がGWトランスデューサ180B、180Dの両方の右側にある場合にはGWトランスデューサ180D(GWトランスデューサ180B、180Dは図1及び図5に示すように配置される)における時間トレースにおいてより早くなる。ピット又は腐食/浸食パッチとしての欠陥は、通常、経時的にサイズが増大する。したがって、欠陥で反射されたエコーの振幅は経時的に増加する。したがって、永久的に設置されたシステムは、飛行時間の次に振幅の変化を監視することを可能にする。例えばベースライン減算及びデジタルフィルタリングの後にA走査の変化を監視することは、分析の複雑さを低減し、検査結果の信頼性を高める。ベースライン減算の次に、追加のデジタル信号処理ツール又は機械学習アルゴリズムが、特徴抽出又はパターン認識のために使用されることができ、これは更に、信頼レベルを増加させ、時間的により早期に変化を検出するのに役立つ。
【0047】
図23は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態による、図1に示されるような例示的な腐食/浸食監視システムに対応する簡略化されたパイプ及び計装図(PID)を示す。簡略化されたPID2300は、19から84の番号が付けられた円として示される多数のプローブアセンブリを含む。例えば、3つの異なる/別個のプローブアセンブリ150A、150B、150Cが示されている。当然ながら、PID2300内のプローブアセンブリの数は、必要に応じて任意の数とすることができる。一例では、人間のオペレータ/検査者は、本明細書で説明するように、TMLのダウンセレクトされたリストに検査を集中させることができる。これらのダウンセレクトされたTMLは、資産全体の全体的な腐食挙動を捕捉するためのより効率的な候補測定位置を表し得る一方で、依然として局所的腐食を検査することが可能である。例えば、局所的腐食を検出する確率が最も高いプローブアセンブリのみが人間のオペレータ/検査員によって検査されるように、TMLの数をダウンセレクトすることによって、かなりの量の時間/エネルギー及びコストを節約することができる。プローブアセンブリ19~84の全てをチェックするのではなく、又はプローブアセンブリ19~84の全てよりも少ないものをランダムにチェックするのでもなく、ダウンセレクトされたTMLは、どのTMLを測定するかのより最適な識別である。いくつかの例では、検査員は、ハンドヘルド又は他の手動デバイスを使用して、簡略化されたPID2300上の番号付けされた位置で壁厚を測定することができる。他の例では、検査員が各厚さ測定場所で壁厚を測定することを可能にするために、ある種のリグ又はハーネスが、簡略化されたPID2300上の番号付けされた位置に事前設置されてもよい。更に別の例では、検査器は、ダウンセレクトされたTMLにおいて特定の時間間隔で測定を行う自動機械であってもよい。自動測定システムであっても、TMLをダウンセレクトすることは、簡略化されたPID2300上の各番号付けされた位置において測定デバイスによって生成される測定データによって消費される処理能力及びネットワーク帯域幅の量を低減するので有利である。例えば、いくつかの大規模な産業施設は、何千ものプローブアセンブリを有する場合があり、その結果、膨大な量のデータが生成される可能性がある。加えて、何らかの局所的腐食が確認されて修復されると、人間のオペレータは、新しい壁厚の値を反映するように任意のモデルを更新することができるように、その程度を示すことができる。加えて、いくつかの例では、局所的腐食が誤って識別された場合、デジタル分析プラットフォームで実行されている機械学習又はニューラルネットワークへの監視された人間の入力は、それに応じてそのアラート及びモデルを改良することができる。
【0048】
図13Aは、本明細書で開示される特徴の1つ以上の態様による、センサ1301がパイプ上に設置された例示的な配管を示す。パイプは、矢印によって示される方向に液体の流れを有し得る。検査中に、1つの手法は、図13Aに示されるセンサ1~6の各々及び全てを検査し、そこから測定値を取得することであり得る。別の例では、センサのランダムな選択が検査及び測定されてもよい。本明細書に開示されるシステム及び方法のうちのいくつかによれば、別の例では、各センサ1~6に示される複数の厚さ監視位置(TML)は、知的に考慮されてもよく、TMLのより小さい/より狭いセットが、検査のためにダウンセレクトされてもよい。更に、本明細書で開示するシステム及び方法のうちのいくつかによれば、TMLは、TMLをダウンセレクトするプロセスにおいて1つ以上の基準に基づいてグループ化され得る。ダウンセレクト基準は、1つの簡略化された例では、そのエリアにおける全体的な腐食のみを履歴的に測定したセンサ(例えば、センサ1及び3)を識別し、除外することができる。したがって、ダウンセレクトすることによって、システム100は、クラスタ化を使用することを回避するが、その代わりに、グループ化を使用して、機械構成要素の健全性の評価に不要であるとしていくつかのセンサをダウンセレクトする。したがって、時間及びリソースが節約される。対照的に、いくつかの従来のシステムは、より多くのTMLを追加し、それらのTMLを検査することによってリスクを低減しようと試みた。しかしながら、本開示の様々な態様で説明されるリスクベース検査(RBI)手法は、優れたプロセス及びシステムを提供する。RBI手法はまた、配管システム内で輸送される流体のタイプ、パイプ/構成要素の内側及び外側の温度、配管構成要素のエルボ/構成、並びに他の基準等の他の基準を考慮に入れるモデルを使用してもよい。例えば、エルボにおける測定値は、グループ内のダウンセレクトの一部として選択される可能性が高くなるように重み付けされてもよく、なぜなら、履歴的に、配管内のエルボ付近の場所は、より多くの乱流及び摩擦を有する場所であり、したがって、より高い腐食及び酸性度の可能性があるからである。
【0049】
図13Bを参照すると、プローブアセンブリ1302は、構成要素の厚さの正確なスポット測定値を捕捉するテザーデバイスを備えてもよい。別の実施形態では、プローブアセンブリは、正確なスポット測定及びエリア監視を捕捉するテザーデバイスを備えてもよい。例えば、図13Bのデバイス又は同等のデバイスは、パイプ構成要素の厚さのエリア監視を捕捉するために使用されてもよい。更に別の実施形態では、プローブアセンブリは、厚さ監視を必要とする配管構成要素と必ずしも直接接触することなく、正確なスポット測定値を取り込む無線装置を備えることができる。プローブアセンブリは、配管システム内の全体的な腐食を検証する(例えば、局所的腐食が検出されないことを確認する)ように構成された厚さ監視超音波トランスデューサ、エリア監視超音波トランスデューサ、及び/又はそれらの組み合わせのうちの1つ以上を備えることができる。
【0050】
図13Bは、センサが設置された例示的な配管の図である。センサ1302は、パイプ上のその設置点又はその近傍における配管の厚さを測定するように構成される、種々のタイプのセンサのうちのいずれかであってもよい。センサ1302は、典型的には、恒久的な場所に設置され、長期間(例えば、配管のその回路の寿命、5年超、3年超、又は他の期間)にわたってパイプに取り付けられたままである。図13Bに示されるセンサ1302は、配管の外側に設置され、ワイヤで繋がれているが、本開示の1つ以上の態様によるいくつかの例では、センサは、繋がれておらず、1つ以上のワイヤレス受信機/トランシーバデバイスにデータをワイヤレスに通信することができる。加えて、図13Bに表示されたセンサは、パイプの長手方向に沿った直線パターンで示されているが、本開示は、いくつかの異なるパターンのいずれかで設置されたセンサを想定する。例えば、設置されたセンサの密度は、重力の方向及び配管内で輸送されている物質のタイプに基づいてもよい。例えば、一例において、パイプの底部がセンサ1302が設置されるパイプの部分である場合に、図13Bの配管がパイプの長さに沿って左から右へ液体を輸送していると仮定する。そのような例では、配管上に設置されたセンサは、気候条件(例えば、雨、雹、太陽)がパイプの部分をより大きな劣化の可能性に曝し得る一方で、配管内の内部条件(例えば、より多くの液体がパイプの上部よりもパイプの底部に接触する)がパイプの内側部分をより大きな劣化の可能性に曝し得ることを考慮して、配管の周囲に分散されてもよい。
【0051】
図14は、本開示の様々な態様による、センサ、通信構成要素、及び他の構成要素を有する産業施設の例示的なネットワークアーキテクチャである。データ分析プラットフォーム112は、ローカルエリアネットワーク1408などのネットワークを介して、1つ以上のネットワーク化された構成要素に通信可能に結合され得る。例えば、データ分析プラットフォーム112は、本明細書に含まれる例示的なグラフのうちの1つ以上を生成するために視覚化プラットフォーム114に出力してもよい。監視システムは、パイプ及び構成要素に取り付けられた複数のセンサによって収集された履歴測定値を遠隔で監視及び分析するためのソフトウェアプラットフォーム112を備えることができる。監視システムは、(例えば、システムがエリアに対する全体的な腐食を確認することができなかったために)局所的腐食の候補であるエリアを監視、診断、及び/又は予測するための分析ツールを含むことができる。本明細書に開示される分析システムを使用することによって、TMLは、とりわけ、リスクを損なうことなく測定場所の数を低減するように、すなわち、ダウンセレクトするように最適化され得る。
【0052】
別の例では、データ分析プラットフォーム112は、遠隔アラートデバイス1410において生成されるアラートをトリガしてもよい。遠隔アラートデバイス1410は、1つ以上の構成要素の即時検査をもたらし得るか、又は特定の配管構成要素が施設のその後の検査のために優先されることをもたらし得る。
【0053】
測定値及び他のデータがシステム1400によって収集されると、データは、データ分析プラットフォーム112に通信可能に結合され、アクセス可能であるデータストア1406に記憶され得る。いくつかの例では、データはコンピュータメモリ1404に記憶され得るが、必要とされるコンピュータメモリの量は多くなり得る。代わりに、いくつかの例では、機械学習人工ニューラルネットワークなどのモデル1412が、プロセッサ1402による実行のためにコンピュータメモリ1404に記憶され得る一方で、履歴データ及び他のデータがデータストア1406に記憶され得る。いくつかの例では、データストアは、プラットフォーム112に移動されてもよいが、例示の目的で、ローカルエリアネットワーク1408を介してプラットフォーム112と通信するように示されている。
【0054】
図15は、本開示の一実施形態における複数のセンサ(例えば、プローブアセンブリ)グループ化の説明図である。各プローブアセンブリには、図15に示すように、一意のTML識別子(TML ID)を割り当てることができる。TML IDは、各TML(すなわち、プローブアセンブリ)を一意に識別する、任意の一意の文字、記号、又は他の識別子であってもよい。図15において、選択されたTMLのID番号の周りの太線の長方形のボックスは、プローブアセンブリのグループ化を示す。1502において、2007年3月7日に、システムは、1つ以上の規則に基づいて、プローブアセンブリ4、5、6、及び7を1つのグループにグループ化した。1504において、2008年3月7日に、コンピュータメモリ1404に記憶されたデータのグラフィカル表現は、システム1400が1つ以上のTMLを含む/除外するようにグループ化を調整したことを示す。1504において、モデルは、TML ID番号4に対応するプローブアセンブリが、もはや、1504における太線の長方形ボックスに対応するグループIDの一部であるべきではないことを推奨し得る。結果として、そのグループIDに対してダウンセレクトされた1つ以上のプローブアセンブリも変化し得る。最後に、1506において、2009年3月7日に、グラフィカル描写は、システム1400が更にグループ化を調整して、今度はプローブアセンブリ5及び6を第1のグループIDにグループ化し、プローブアセンブリ7及び8を異なる/別個の第2のグループIDにグループ化したことを示す。その結果、ダウンセレクト及びリスクプロファイルは、図16において以下に説明するように、システム100全体に対して変化する。
【0055】
一例では、TMLのグループIDへのグループ化は、いくつかの異なる方法のうちの1つで行われ得る。例えば、設備における構成要素の各回路の初期グループ化は、測定データレベルに基づいてもよい。プローブアセンブリによって測定が行われた日付ごとに、プローブアセンブリが以下の条件のいずれかを満たす場合、新しいグループがトリガされ得る:(i)プローブアセンブリが回路の第1のTMLである場合、(ii)測定値と先行するTMLの測定値との間の(絶対)差が、その日の全ての測定値の約0.5~約3.0標準偏差より大きい場合、このパラメータの値は、より保守的なグループ化のために減少されてもよく、又はより積極的なグループ化のために増加されてもよい、(iii)TMLの公称壁厚測定値が先行するTMLの公称壁厚測定値と比較して異なる場合、又は、TMLが(全ての日付にわたって)履歴的に1つの測定値のみを有する場合。別の例では、TMLのグループ化は、多段階プロセスで行われてもよい。第1のステップでは、特定の日付(又は任意の他の所定の期間、例えば、1時間窓内、同じ週内、又はその他)に接続された構成要素(例えば、回路)のグループで得られた全ての測定値を比較して、特定の日付に測定されたペア(又はタプル)の数を決定することができる。一例では、その調査年(又は他の期間)内の総測定値の所定の割合(例えば、70%、80%、60%、75%、又は他の割合)未満を有する任意のTMLペアが削除される。次に、全てのTMLの最小測定値が識別され得、より早い(例えば、第1の)ステップにおいてそのTMLとペアリングされた全てのTMLが、同じグループIDに割り当てられる。TMLをグループ化するための規則の他の例は、本明細書に開示される全体を検討した後に当業者に明らかになるであろう。
【0056】
TMLをグループ化するための追加の他の例示的な規則が、本開示において想定される。例えば、いくつかの規則では、グループ化は、TMLペアリングパーセンテージに基づいて再割り当てされ得る。少なくとも2つの測定日を有する構成要素の回路に対して、少なくとも所定の閾値パーセンテージの回数で一緒にグループ化されるTML対は、同じグループに保持され得るが、この閾値を満たさないTMLは、1つ以上の規則を使用して別個のグループに個々に割り当てられ得る。更に別の例では、十分なTMLを有さない測定日がドロップされ得る。構成要素の回路ごとに、システム1400は、いくつかの例では、任意の日付についてTMLの最大数の少なくとも所定の閾値パーセンテージを有する測定日付のみを考慮することができる。この閾値を満たさない日付に出現するTMLは、別個のグループに個々に割り当てられ得る。
【0057】
いくつかの例では、システム1400は、履歴データの欠如に基づいて、一見無効な測定値を破棄(例えば、ドロップ)し、本明細書で説明される規則のうちの1つ以上に基づいてTMLを再グループ化することに進んでもよい。使用される閾値は、データセットの多様性及び品質に基づいて調整することができるハイパーパラメータである。この調整は、データの確認及び検証時にプロセスの最後に行われてもよい。一例では、閾値パーセンテージは75%に設定されてもよいが、いくつかのTMLでは、以前の測定が過去何年も行われていない可能性がある。いくつかの実施形態では、ハイパーグリッドが生成され、システム1400のパラメータ及び/又はハイパーパラメータを調整するために使用され得る。いくつかの例では、閾値設定は、システム1400が各TML IDについて収集したTML測定値の数に強く相関し得る。したがって、閾値は、どれだけのデータがシステム1400に利用可能にされるかに基づいて上又は下に調整され得る。
【0058】
図16及び図17は、システム1400によって収集及び/又は分析された様々なデータのグラフプロットを示す。図16Aは、パーセンテージがY軸上にあり、測定値がX軸上にある測定値(正常は95%である)の確率プロットグラフを示す。システム1400は、図16Aのグラフの上部付近に示されるように、テールが垂直に延びていないことをプロットが示す場合を除いて、全体的な腐食が検出されたと仮定することをデフォルトとする。データ分析プラットフォーム112は、1つ以上のステップを実行することによって、プローブアセンブリのパイプ壁厚測定値が全体的な腐食であり、局所的腐食ではないことを検証することができる。例えば、いくつかの実施形態では、検証は、配管システムに関連付けられた全てのパイプ壁厚測定値の確率プロットを生成し、次いで、プロットされたパイプ壁厚測定値を公称厚さによってグループ化し、腐食が全体的な腐食ではない可能性が高いことを確認するために、公称厚さによってグループ化されたパイプ壁厚測定値の確率プロットにおける非線形関係を識別することによって行われてもよい。一方、グラフが線形関係を示す場合、グラフ内のそれらのデータ点に対応するTMLは、全体的な腐食を示している。この手法は、正規確率プロットを構築するために標準偏差を使用した可能性があるシステムに対する進歩である。更に、検証ステップは、システム1400が全体的な腐食を正確に検出し、それに応じて設備内の構成要素上に設置された適切なプローブアセンブリをダウンセレクトするように動作しているという更なる保証を追加する。全体的な腐食は広がっており、典型的には検査中の主要な対象ではないので、システム1400は、全体的な腐食について(例えば、デバイス1410から)アラートを生成すべきではない。むしろ、全体的な腐食は、設備内の構成要素のバルク交換のスケジューリング及び計画において考慮される。
【0059】
図16B及び図16Cを参照すると、これらのグラフは、全体的な腐食を誤って識別するリスクと厚さ測定場所(TML)の量との間の関係を示す。リスクの量は、測定場所の数にかかわらず、リスクの閾値最小量1602に漸近するが、図16Bは、プローブアセンブリ(すなわち、TML)の量に対して図示されるリスクのレベルが、より多くのTMLが追加されるにつれて減少することを示す。一方、本明細書に開示されるシステム及び方法の効果は、図16Cに示されており、図16Cは、ダウンセレクト後のTMLの量に対して図示されたリスクのレベルを示す曲線のシフトを示す。図16B及び図16Cは、図22のフローチャートに示される方法ステップに関連して以下により詳細に説明される。一方、図17は、当技術分野で知られている既存のシステムにおけるナフテン系酸腐食を有する管の累積厚さ分布を示すグラフである。
【0060】
図18Aは、特定の回路ID(又は資産ID)に対する日付ごとのTML測定値を示す腐食センサ分析グラフである。X軸はTML識別子に対応する。実際の目的のために、配管システム上に設置されたプローブアセンブリには、配管システムによって形成された回路に沿って、順次又は他の順序で識別子を割り当てることができる。各TMLは、パイプ上の上流又は下流の位置を示すIDを有し得る。位置データに基づくTMLの他のデータ洗浄及び/又はスクラビングは、分析のために測定データを調和/標準化するために実行されてもよい。各TMLは、パイプが最初に設置されたときから公称厚さを割り当てられてもよい。1つ以上の公的に利用可能なデータベース(例えば、Meridianデータベース)は、公称厚さ測定値及び仕様を含むデータを提供してもよい。一方、図18Aの右側の凡例が示すように、測定は、少なくとも数年(すなわち、長期間)にわたる履歴データが記憶及び分析され得るように、ある期間にわたって行われ得る。この例では、ほぼ25年の壁厚測定値データが記憶され、分析され、図18Aにプロットされている。図18Aのグラフプロット1802は、2015年8月3日に取られた測定値に対応する。一方、グラフ内の他のプロットは、ほぼ25年(例えば、長期間)遡る対応する日に各TMLについて取られた厚さ測定値に対応する。
【0061】
データ分析プラットフォーム112は、図18Aにプロットされたグラフに対応するモデル1412のための1つ以上のハイパーパラメータを設定してもよい。ハイパーパラメータは、典型的には、訓練/学習プロセスがモデル上で開始する前に設定される。対照的に、他のパラメータの値は、モデルの訓練を通じて導出される。図18Aでは、grouping_sensitivityハイパーパラメータを調整するためのグラフィカルユーザインタフェースが上部に表示される。ビジュアルプラットフォーム114は、ハイパーパラメータが調整され得るグラフィカルツール/スライダを含み得る。図18Aでは、grouping_sensitivityハイパーパラメータは、「標準」設定に設定されて示されている。一方、モデル1412の別の図を示す図18Bでは、grouping_sensitivityハイパーパラメータが「中」設定に設定されて示されている。その結果、グループの数は、図18Aの97個のグループの代わりに、図18Bでは61個だけである。更に、図18Bにプロットされたグラフ1812は、ハイパーパラメータ設定及びTML選択方法の変更により、図18Aのグラフ1802とはわずかに異なる。更に、grouping_sensitivityハイパーパラメータが図18Cにおいて「高」に設定された場合、図18Cにおいてプロットされたグラフ1822は、図18A及び図18Bとは更に異なる。グループの数は約75個であるが、TMLの総数は155個で一定のままである。
【0062】
grouping_sensitivityハイパーパラメータは、TMLグループ化の感度又は積極性を指し、初期グループ化段階において適用され得る。いくつかの例では、測定値と先行するTMLの測定値との間の(絶対)差が、その日の全ての測定値の1標準偏差(SD)よりも大きいとき、TMLを新しいグループに割り当てることができる。この閾値は、より保守的な又は積極的なグループ化のために調整され得る。1SD未満の閾値は、測定値の変化に対してより敏感であるグループ化をもたらし、より保守的なグループ化をもたらす。一方、1SDより大きい閾値は、グループ化が測定値の変化に対する感度を低下させ、より積極的なグループ化(例えば、より高いグループ化比)につながる。一例では、図18Cに示されるように、5つの異なるグループ化感度(grouping_sensitivity)が、以下のように、最も保守的から最も積極的に感度を減少させて実装されてもよい:高(0.5SD)、標準(1SD)、中(1.5SD)、低(2SD)、及び極低(3SD)。別の例では、前述の5つのグループ化よりも多い又は少ないグループを使用して、より粒度の細かい又は粗い感度を提供することができる。grouping_sensitivityハイパーパラメータが、ハイパーパラメータの場合と同様に、初期グループ化ステップにおいて適用されるので、全ての後続グループ化ステップは、初期グループ化結果に基づいて再実行され得、すなわち、グループ化サイクル全体が、5つのグループ化感度レベルの各々について1回ずつ、5回繰り返される。
【0063】
特に、図18A図18B、及び図18C(集合的に「図18」と称される)は、データ点のグループ化及びプロットを最適化するために測定に適用され得る複数のTML選択方法を列挙する。図18は、3つの最適化関数、すなわち、median_TML_within_group(グループ内のTML中央値)ID、minimum_average_TML_within_group(グループ内の最小平均TML)ID、及びminimum_variation_from_mean(平均からの最小変動)を列挙しているが、本開示の1つ以上の態様によれば、他の最適化関数が使用され得る。例えば、TML_position最適化関数を使用することができ、1つのTMLが選択される場合、グループの中心にあるTMLが選択される。2つのTMLが選択される場合、グループは2つのサブグループに分割され、各サブグループの中心にあるTMLが選択され、以下同様である。TML選択方法の他の例は、本明細書において想定される。例えば、最適化関数は、minimum_average_TML_within_groupID最適化関数であり得る。各グループからどのTMLを選ぶかを決定するためのminimum_average_TML_within_groupID方法では、この方法は、各グループ内で(日付にわたって)最も低い平均測定値を有するTMLを選択する。例えば、minimum_average_TML_within_groupID最適化関数を使用する1つの例示的なシステムでは、システムは、各TMLの平均測定値を(日付全体にわたって)計算し、平均測定値によって(例えば昇順に)各グループ内のTMLをランク付けし、各グループから選択されるTMLの数(n)に基づいて、最初のn個のTMLを選択することができる。同様に、median_TML_within_groupID最適化関数は、minimum_average_TML_within_groupID最適化関数と同様であるが、最小平均の代わりに中央値に基づく。
【0064】
別の例では、最適化関数は、minimum_variation_from_mean最適化関数であり得る。各グループからどのTMLを選択するかを決定するためのminimum_variation_from_mean_methodでは、この方法は、グループの平均測定値から最小平均変動を有するTMLを選択する。例えば、minimum_variation_from_mean最適化関数を使用する1つの例示的なシステムでは、システムは、日付ごとに平均グループ測定値を計算することができる。次いで、各TMLについて、各日付について、平均からの絶対差を計算し、各TMLについて、平均変動(例えば、平均からの絶対差)を計算する。次に、minimum_variation_from_mean最適化関数は、(例えば、昇順の)平均変動によって各グループ内のTMLをランク付けし、各グループから選択されるTMLの数(n)に基づいて、最初のn個のTMLを選択する。
【0065】
グループ化を終了した後、システム1400は、TML候補選択方法及びグループ当たりのプローブアセンブリの所望の数を決定する。グループごとの候補の数は、別のハイパーパラメータであり得る。デフォルトでは、システム1400は、各TMLグループについて1%又は1つのうちの大きい方を使用することができる。2つ以上のTML候補が選択される場合、TMLグループは、TML順序を維持しながら、等しい大きさのサブグループに分割され得る。次いで、システム1400は、本明細書で説明される1つ以上のシナリオに基づいてTML候補選択方法を適用することができる。
【0066】
図19Aは、構成要素の測定されたTC厚さをミリメートル単位で経時的に示すグラフ1902である。代替として、グラフは、温度較正(摂氏)、温度係数(例えば、1%)、腐食速度ST(ミリメートル/年)、腐食速度LT(ミリメートル/年)、構成要素の残存寿命(年)、残存半減期(年)、及び実際の厚さ(ミリメートル)の値を示してもよい。
【0067】
加えて、図19Bは、厚さ値(ミリメートル又は他の単位)に対するFSH(パーセンテージ)値を示す修正されたグラフである。グラフはまた、ゲートA1904及びゲートB1906の厚さ範囲を示す。あるいは、グラフは、FSHの代わりとしてmV値を図示してもよい。更に、いくつかの例では、グラフは、修正される代わりにHFとして表示されてもよい。
【0068】
図20Aは、経時的な構成要素のミリメートル単位の測定されたTC厚さを示す、酸バッテリ設備のグラフ2002である。代替として、グラフは、温度較正(摂氏)、温度係数(例えば、1%)、腐食速度ST(ミリメートル/年)、腐食速度LT(ミリメートル/年)、構成要素の残存寿命(年)、残存半減期(年)、及び実際の厚さ(ミリメートル)の値を示してもよい。加えて、図20Bは、厚さ値(ミリメートル又は他の単位)に対するFSH(パーセンテージ)値を示す、酸バッテリ設備の修正されたグラフである。グラフはまた、ゲートA2004及びゲートB2006の厚さ範囲を示す。あるいは、グラフは、FSHの代わりとしてmV値を図示してもよい。更に、いくつかの例では、グラフは、修正される代わりにHFとして表示されてもよい。
【0069】
図21は、機械学習アルゴリズムが実行され得る人工ニューラルネットワーク2100の簡略化された例を示す。図21は、人工ニューラルネットワークを用いた非線形処理の一例を示す図であり、他の形態の非線形処理が、本明細書で説明される特徴に従って機械学習アルゴリズムを実装するために使用されてもよい。
【0070】
図21において、入力ノードの各々は、処理ノードの第1のセットに接続される。入力ノードに供給される外部ソース2102は、本明細書に開示される方法のステップを通した結果からのメトリックであり得る。処理ノードの第1のセットの各々は、処理ノードの第2のセットの各々に接続される。処理ノードの第2のセットの各々は、出力ノードの各々に接続される。2セットの処理ノードのみが示されているが、任意の数の処理ノードを実装することができる。同様に、セット当たり4つの入力ノード、5つの処理ノード、及び2つの出力ノードのみが図21に示されているが、セット当たり任意の数のノードが実装されてもよい。図21のデータフローは左から右に描かれており、データは入力ノードに入力されてもよく、1つ以上の処理ノードを通って流れてもよく、出力ノードによって出力されてもよい。入力ノードへの入力は、外部ソース2102から発生し得る。出力2104は、フィードバックシステム2106及び/又はデータストアに送信され得る。フィードバックシステム2106は、同じ又は異なる入力データを用いた連続的な処理反復のために、入力ノードに出力を送信することができる。
【0071】
フィードバックシステム2106を使用する1つの例示的な方法では、システムは、機械学習を使用して出力を決定することができる。出力は、漏れエリア境界、マルチセンサ検出イベント、信頼値、及び/又は分類出力を含んでもよい。システムは、xgブースト決定木、自動エンコーダ、パーセプトロン、決定木、サポートベクトルマシン、回帰、及び/又はニューラルネットワークを含む適切な機械学習モデルを使用することができる。ニューラルネットワークは、フィードフォワードネットワーク、放射基底ネットワーク、リカレントニューラルネットワーク、長期/短期メモリ、ゲートリカレントユニット、自動エンコーダ、変分自動エンコーダ、畳み込みネットワーク、残差ネットワーク、Kohonenネットワーク、及び/又は他のタイプを含む、適切なタイプのニューラルネットワークであり得る。一例では、機械学習システムにおける出力データは、多次元配列、より高い次元を有するデータへの2次元テーブル(行列など)の拡張として表され得る。
【0072】
ニューラルネットワークは、入力層と、いくつかの中間層と、出力層とを含み得る。各層は、それ自体の重みを有し得る。入力層は、本明細書で説明される1つ以上の特徴ベクトルを入力として受信するように構成され得る。中間層は、畳み込み層、プーリング層、密な(完全に接続された)層、及び/又は他のタイプであり得る。入力層は、入力を中間層に渡すことができる。一例では、各中間層は、前の層からの出力を処理し、次いで出力を次の中間層に渡すことができる。出力層は、分類又は実値を出力するように構成され得る。一例では、ニューラルネットワーク内の層は、シグモイド関数、Tanh関数、ReLu関数、及び/又は他の関数などの活性化関数を使用し得る。また、ニューラルネットワークは、損失関数を含んでもよい。損失関数は、いくつかの例では、見逃された肯定の数を測定し得る。あるいは、偽陽性の数を測定してもよい。損失関数は、出力値と目標値とを比較するときの誤差を決定するために使用され得る。例えば、ニューラルネットワークを訓練するとき、出力層の出力は、予測として使用され得、誤差を決定するために訓練インスタンスの目標値と比較され得る。誤差は、ニューラルネットワークの各層における重みを更新するために使用され得る。
【0073】
一例では、ニューラルネットワークは、誤差に基づいて層のうちの1つ以上における重みを更新するための技法を含み得る。ニューラルネットワークは、重みを更新するために勾配降下を使用し得る。代替的に、ニューラルネットワークは、各層における重みを更新するためにオプティマイザを使用し得る。例えば、オプティマイザは、各層における重みを更新するために、様々な技法又は技法の組み合わせを使用することができる。適切な場合、ニューラルネットワークは、過剰適合正則化(L1又はL2等)、ドロップアウト、及び/又は他の技法を防止するための機構を含んでもよい。ニューラルネットワークはまた、過剰適合を防止するために使用される訓練データの量を増加させ得る。
【0074】
一例では、図21は、コンピューティングデバイスによって実装される離散計算、コンピュータプログラム、及び/又は数学関数などの様々なタイプの処理を実行することができるノードを示す。例えば、入力ノードは、1つ以上のデータサーバ等の異なるデータソースの論理入力を備えてもよい。処理ノードは、データセンタ内の複数のサーバ上で実行する並列プロセスを含むことができる。また、出力ノードは、入力ノードと同じ又は異なるデータサーバなどの結果データストアに最終的に記憶される論理出力であってもよい。特に、ノードは別個である必要はない。例えば、任意の2つのセット内の2つのノードは、全く同じ処理を実行することができる。同じノードは、同じ又は異なるセットに対して繰り返され得る。
【0075】
ノードの各々は、1つ以上の他のノードに接続され得る。接続は、ノードの出力を別のノードの入力に接続することができる。接続は、重み付け値と相関され得る。例えば、1つの接続は、別の接続よりも重要又は有意であるとして重み付けされ得、それによって、入力が人工ニューラルネットワークを横断するにつれて、更なる処理の程度に影響を及ぼす。そのような接続は、人工ニューラルネットワーク2100が学習し、及び/又は動的に再構成され得るように修正され得る。ノードは、図21において連続するノードのみへの接続を有するように示されているが、接続は、任意のノード間で形成されてもよい。例えば、1つの処理ノードは、前の処理ノードに出力を送信するように構成されてもよい。
【0076】
入力ノードにおいて受信された入力は、処理ノードの第1のセット及び処理ノードの第2のセットなどの処理ノードを通して処理され得る。処理は、出力ノードにおける出力をもたらし得る。処理ノードの第1のセット及び処理ノードの第2のセットからの接続によって示されるように、処理は、複数のステップ又はシーケンスを含み得る。例えば、処理ノードの第1のセットは、粗いデータフィルタであってもよく、処理ノードの第2のセットは、より詳細なデータフィルタであってもよい。
【0077】
人工ニューラルネットワーク2100は、意思決定を達成するように構成され得る。説明のための簡略化された例として、人工ニューラルネットワーク2100は、写真中の顔を検出するように構成され得る。入力ノードには、写真のデジタルコピーが提供されてもよい。処理ノードの第1のセットは各々、赤色の大きな連続したセクションなどの非顔コンテンツを除去するための特定のステップを実行するように構成され得る。処理ノードの第2のセットは各々、顔の形状及び肌の色調など、顔の粗い近似を探すように構成され得る。複数の後続のセットは、この処理を更に洗練することができ、各々が、更なるより具体的なタスクを探し、各ノードが、そのタスクを推進する際に必ずしも動作する必要のない何らかの形の処理を実行する。次いで、人工ニューラルネットワーク2100は、顔上のロケーションを予測し得る。予測は正確であっても不正確であってもよい。
【0078】
フィードバックシステム2106は、人工ニューラルネットワーク2100が正しい決定を行ったか否かを判定するように構成され得る。フィードバックは、正しい回答のインジケーション及び/又は正しくない回答のインジケーション及び/又は正確さの程度(例えば、パーセンテージ)を含み得る。例えば、上記で提供された顔認識の例では、フィードバックシステム2106は、顔が正しく識別されたかどうかを判定し、そうである場合、顔の何パーセントが正しく識別されたかを判定するように構成され得る。フィードバックシステムは、正しい決定を行ったかどうかを示すことによって、フィードバックシステムが人工ニューラルネットワーク2100を訓練し得るように、正しい回答をすでに知っていてもよい。フィードバックシステムは、管理者が人工ニューラルネットワーク2100に正しい決定を行ったかどうかを伝えるなど、人間の入力を含むことができる。フィードバックシステムは、入力ノードを介して人工ニューラルネットワーク2100にフィードバック(例えば、前の出力が正しいか正しくないかのインジケーション)を与え得るか、又はそのような情報を1つ以上のノードに送信し得る。フィードバックシステムは、追加的に又は代替的に、出力が記憶されるようにストレージに結合されてもよい。フィードバックシステムは、正解を全く有していなくてもよいが、代わりに更なる処理にフィードバックが基づいてもよく、例えば、フィードバックシステムは、人工ニューラルネットワーク2100がその結果を手動でプログラムされたシステムの結果と比較することを可能にするように、顔を識別するようにプログラムされたシステムを備えてもよい。
【0079】
人工ニューラルネットワーク2100は、より良好な入力を学習及び提供するように動的に修正され得る。例えば、以前の入力及び出力並びにフィードバックシステム2106からのフィードバックに基づいて、人工ニューラルネットワーク2100は、それ自体を修正し得る。例えば、ノードにおける処理が変化してもよく、及び/又は接続が異なるように重み付けされてもよい。先に提供された例に続いて、顔予測は、アルゴリズムに提供される写真が、全ての顔を赤く見せるように着色されたために、不正確であった可能性がある。したがって、赤色の大きな隣接セクションを含む写真のセクションを除外したノードは、信頼できないと考えることができ、そのノードへの接続は、著しく小さく重み付けされ得る。加えて、又は代替として、ノードは、写真を別様に処理するように再構成され得る。修正は、人工ニューラルネットワーク2100による予測及び/又は推測であり得、したがって、人工ニューラルネットワーク2100は、仮説をテストするためにそのノード及び接続を変更し得る。
【0080】
人工ニューラルネットワーク2100は、設定された数の処理ノード又は処理ノードのセットの数を有する必要はないが、その複雑さを増加又は減少させ得る。例えば、人工ニューラルネットワーク2100は、1つ以上の処理ノードが不要であるか、又は再利用されるべきであると決定し、それに基づいて処理ノードを破棄又は再構成することができる。別の例として、人工ニューラルネットワーク2100は、入力の全部又は一部の更なる処理が必要とされると決定し、それに基づいて追加の処理ノード及び/又は処理ノードのセットを追加し得る。
【0081】
フィードバックシステム2106によって提供されるフィードバックは、単なる強化(例えば、出力が正確であるか不正確であるかのインジケーションを提供すること、機械学習アルゴリズムにポイント数を与えることなど)であってもよく、又は特定のもの(例えば、正確な出力を提供すること)であってもよい。例えば、機械学習アルゴリズムは、写真内の顔を検出するように要求され得る。出力に基づいて、フィードバックシステムは、スコア(例えば、75%の精度、推測が正確であったというインジケーションなど)又は特定の応答(例えば、顔がどこに位置していたかを具体的に識別する)を示すことができる。一例では、人間のオペレータ/検査者は、TMLのダウンセレクトされたリストに検査を集中させることができる。いずれかの局所的腐食が確認及び修理された場合、人間のオペレータは、モデル1412が新しい壁厚値を反映するように更新され得るように、その量を示すことができる。加えて、いくつかの例では、局所的腐食が、システム1400において誤って識別される場合があり、デジタル分析プラットフォーム112において実行される機械学習又はニューラルネットワークへの監視された人間の入力が、それに応じてそのアラート及びモデルを改良することができる。
【0082】
人工ニューラルネットワーク2100は、他の形態の機械学習によってサポート又は置換され得る。例えば、人工ニューラルネットワーク2100のノードのうちの1つ以上は、決定木、連想規則セット、論理プログラミング、回帰モデル、クラスタ分析機構、ベイジアンネットワーク、命題式、生成モデル、及び/又は他のアルゴリズム若しくは意思決定の形態を実装し得る。人工ニューラルネットワーク2100は、ディープラーニングを実現し得る。
【0083】
図22は、本明細書で開示されるいくつかの実施形態に従って実行される方法2200の例示的なステップを示すフローチャートである。方法2200は、非一時的コンピュータ可読媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令がプロセッサによって実行されるときに、システム1400によって実行され得る。方法2200は、とりわけ、産業施設の配管システムに設置されたプローブアセンブリの中からダウンセレクトすることができる。結果として、最適化された資産健全性監視のためのシステム及び方法は、代表的な測定位置がダウンセレクトを通じて識別され、残りのプローブアセンブリは、産業施設内の配管システム及び他の構成要素の定期検査の間に無視され得るので、改善される。
【0084】
図22に関して、ステップ2202において、システムは、プロセッサ1402に通信可能に結合されたコンピュータメモリ1406に、産業施設内の配管システム上に設置されたプローブアセンブリ150Aからある期間にわたって収集された履歴パイプ壁厚測定値を記憶している。ステップ2204において、データ分析プラットフォーム112は、grouping_sensitivityハイパーパラメータ、threshold_measurementsハイパーパラメータ、group_sizeハイパーパラメータ、及び/又はそれらの組み合わせなどであるがこれらに限定されない1つ以上のハイパーパラメータを設定することができる。ハイパーパラメータが設定されると、ステップ2206において、システム1400は、少なくとも、コンピュータメモリ1406に記憶された履歴パイプ壁厚測定値及びコンピュータメモリ1404に記憶されたハイパーパラメータ値を用いて、モデルの訓練を開始してもよい。
【0085】
ステップ2208において、コンピュータメモリ1404に記憶されたモデルは、配管システムに設置された多数のプローブアセンブリの中からプローブアセンブリの第1のセットをグループ化することができる。図15などに関して本開示で説明するように、モデルにおいてグループ化を行うことができるいくつかの方法が提供される。プローブアセンブリをグループ化した後、データ分析プラットフォーム112は、一意のグループ識別子(グループID)をプローブアセンブリの各セットに割り当てることができる。一意のグループIDは、システム1400がプローブアセンブリのグループを一意に参照するために使用することができる、任意の識別子であり得る。
【0086】
ステップ2210において、データ分析プラットフォーム112は、少なくとも訓練されたモデルに基づいて、システム1400の動作のための最適化関数を選択する。限定はしないが、median_TML_within_groupID最適化関数、minimum_average_TML_within_groupID最適化関数、minimum_variation_from_mean最適化関数、及び/又はTML_position(TML位置)最適化関数を含む、多数の例示的な最適化関数が本開示で説明される。特定の最適化関数を選択する決定により、後続の識別及び測定ステップが実行される。例えば、ステップ2212A、2212B、2212C、及び2212D(まとめて「ステップ2212」)において、システム1400は、コンピュータメモリ1404に記憶されたモデル及び選択された最適化関数に基づいて、配管システムのパイプ壁厚監視のための各グループIDに対応するプローブアセンブリを識別する。いくつかの例では、システム1400は、測定されているエリアを表すグループID全体について単一プローブアセンブリを識別することができる。他の例では、複数のプローブアセンブリが、グループIDを表すものとして識別され得る。グループからダウンセレクトされるように割り当てられたTMLの数は、1つ以上の規則に基づき得る。これは、グループの最大標準偏差の値に基づいており、一例では、いずれかのグループが0.25以下の最大標準偏差を有する場合、1つのTMLがグループから選択され、最大SDが0.25だけ増加する場合、選択されるTMLの数が1だけ増加する(すなわち、0.25~0.5である場合、2つのプローブアセンブリがグループから選択され得るなど)。加えて、0.25ステップ値は、TML選択の感度を調整するために修正することができる。0.25値を減少させることは、より多くのTMLが各グループにおいて選択されることにつながり(すなわち、保守的な手法)、0.25値を増加させることは、より少ないTMLが各グループにおいて選択されることにつながる(すなわち、積極的な手法)。
【0087】
ステップ2214において、検査中に、システム1400は、各グループIDから識別されたプローブアセンブリを除いて、各グループID内の全ての残りのプローブアセンブリを無視することができる。システムは、各グループIDに対して識別されたプローブアセンブリの各々の壁厚を測定することができるが、グループID内の他のプローブアセンブリを除外する。したがって、システムは、配管システムに設置された複数のプローブアセンブリの中からダウンセレクトする。検査中に使用するプローブアセンブリの数をダウンセレクトすることの少なくとも1つの利点は、結果として生じる時間の節約である。例えば、各プローブアセンブリを以前に検査したかもしれない人間の検査員は、危険な局所的腐食を見逃すリスクを実質的に増加させることなく、減少した数のプローブアセンブリで測定値を検査することができる。一例では、ステップ2214において、システム1400は、人間の検査員が壁厚測定値を手動で検査すべきプローブアセンブリを列挙した人間が読取り可能なレポートを出力することができる。出力は、例えば、局所的腐食の最も高いリスクに基づいて、人間の検査員の既知の開始位置からの地理的利便性に基づいて、又は他の順序など、様々な方法のいずれかで順序付けられ得る。
【0088】
例えば、図16B及び図16Cに示されるように、リスクの量が、取られた測定場所の数に対してグラフ化されるとき、リスクの量は、測定場所の数が増加するにも関わらず、閾値最小リスク量1602に漸近する。重要なことに、測定値の量が減少すると、リスクのデルタ変化は、グラフ1604によって示されるように増加率で増加し、別の言い方をすれば、サンプリングされるプローブアセンブリの数を減少させることは、リスクを危険な量まで増加させ得る。しかしながら、本明細書に開示されるシステム1400及び方法2200は、グラフを初期リスクグラフ1606からより好ましいリスクグラフ1608にシフトする。したがって、配管壁に対する全体的な腐食/劣化である可能性が統計的に最も高いものを識別することによって、検査中に能動的にチェックされることが必要とされるプローブアセンブリの数をダウンセレクトすることは、リスクプロファイルを同時に維持(又は更に低減)しながら、検査時間/コストの低減をもたらす。
【0089】
最後に、図22のステップ2216において、厚さ監視コントローラ130は、検査のために各グループIDからプローブアセンブリのパイプ壁厚測定値を受信及び送信することができる。厚さ監視コントローラ130は、測定データ(及び任意の他のデータ)を、履歴記録及び分析のためにデータストア1406に、並びに分析及び視覚化の生成のためにデータ分析プラットフォーム112に送信することができる。例えば、壁厚測定値は、配管システム内のパイプの特定のセグメントが、危険な局所的腐食のレベルまで上昇し、特定の期間内に交換されなければならないような、全体的な腐食以外の劣化を被っていることを示し得る。別の例では、パイプ壁厚測定は、施設におけるパイプ、タンク、容器、及び/又はパイプラインのうちの1つ以上で行われてもよい。
【0090】
特定の実施形態が、図面に関して示され、説明されているが、当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な改変を考案し得ることが想定される。したがって、本開示及び添付の特許請求の範囲は、図面に例示され、図面に関して論じられた特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、本開示及び添付図面の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるであろう。更に、前述の説明及び関連する図面は、要素及び/又は機能の特定の例示的組み合わせの文脈における例示的な実施形態を説明しているが、要素及び/又は機能の異なる組み合わせは、本発明の範囲及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、代替的な実施形態によって提供されてもよいことを理解されたい。更に、前述の説明は、いくつかのステップの性能を列挙する方法を説明する。特段の記載がない限り、方法内の1つ以上のステップは必要とされない場合があり、1つ以上のステップは、記載されたものとは異なる順序で実行されてもよく、1つ以上のステップは、実質的に同時に形成されてもよい。様々な態様は他の実施形態が可能であり、様々な異なる方法によって実行又は実施することが可能である。本明細書で使用される表現及び用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものと見なされるべきではないことを理解されたい。むしろ、本明細書で使用される語句及び用語は、それらの最も広い解釈及び意味を与えられるべきである。「含む(including )」及び「含む(comprising)」及びその変形の使用は、その後に列挙された品目及びその均等物、並びに追加の品目及びその均等物を包含することを意味する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図20A
図20B
図21
図22
図23
【国際調査報告】