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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】コンパクト型携帯水素酸素発生装置
(51)【国際特許分類】
   C25B 9/00 20210101AFI20231208BHJP
   C25B 1/044 20210101ALI20231208BHJP
   C25B 15/023 20210101ALI20231208BHJP
   C25B 9/015 20210101ALI20231208BHJP
   C25B 9/60 20210101ALI20231208BHJP
【FI】
C25B9/00 A
C25B1/044
C25B15/023
C25B9/015
C25B9/60
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536024
(86)(22)【出願日】2021-03-24
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 CN2021082624
(87)【国際公開番号】W WO2022126898
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011484914.1
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202023028737.4
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼ 徳会
(72)【発明者】
【氏名】劉 艶廷
(72)【発明者】
【氏名】薄 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】舒 運茂
【テーマコード(参考)】
4K021
【Fターム(参考)】
4K021AA01
4K021BA02
4K021CA01
4K021CA15
4K021DA15
4K021EA06
(57)【要約】
本発明は、ケースと、ケースの上端に係合され、排気する先端蓋と、前記ケースの下端に係合される底蓋とを備えたコンパクト型携帯水素酸素発生装置を開示し、前記ケース内には、電力を供給するための電池モジュールと、水素と酸素の混合気を生成するための電解槽モジュールと、水分をろ過するための水ろ過槽と、ガスをさらにろ過するための多段ろ過板とが下から上の順に設けられ、最上層のろ過板と前記先端蓋内に設置された排気口との間には難燃性コアが設けられ、前記多段ろ過板はガスろ過指標に基づいて設置される。本発明は、水を反応原料とし、安価な無機塩を電解質とし、常圧の水素と酸素の混合気を直接に生成することができ、必要時に生成でき、安全性が高い。本発明は、小型、軽量、低エネルギー消費、低コスト、安全、無騒音などの特徴があり、構成が簡単で、実用性と携帯性に優れる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、ケースの上端に係合され、排気するための先端蓋と、前記ケースの下端に係合される底蓋とを備えたコンパクト型携帯水素酸素発生装置であって、
前記ケース内には、電力を供給するための電池モジュールと、水素と酸素の混合気を生成するための電解槽モジュールと、水分をろ過するための水ろ過槽と、ガスをさらにろ過するための多段ろ過板とが下から上の順に設けられ、最上層のろ過板と前記先端蓋内に設置された排気口との間に難燃性コアが設けられ、ガスろ過指標に基づいて、前記多段ろ過板を設置する、
ことを特徴とする、コンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項2】
前記電解槽モジュールと前記水ろ過槽との間には、センサに接続された高水位指示標識と低水位フロートとを含む水位監視モジュールがさらに設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項3】
前記多段ろ過板は、少なくとも2段が設置される、
ことを特徴とする、請求項1記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項4】
前記水ろ過槽と前記先端蓋とが係合して締結され、両方の隙間により前記多段ろ過板を収容するための収容室が構成され、前記水ろ過槽の中央部には中空の凸台が設けられ、前記多段ろ過板の中央部には中心対称圧痕が設けられ、前記凸台の中央部は前記多段ろ過板とその隣接側の1段目ろ過板の中心対称圧痕に当接され、かつその中央部と周囲が密封される、
ことを特徴とする、請求項1又は3に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項5】
隣接する2つのろ過板の構造形式は同じ又は異なる、
ことを特徴とする、請求項4に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項6】
前記多段ろ過板は、中央部に前記水ろ過槽の凸台に対応して中心対称圧痕を有する円盤状構造であり、前記円盤状構造の本体には水素と酸素の混合気が通過するための通孔が少なくとも一つ設けられ、前記円盤状構造の本体の下端には複数の補助ストッパ板が選択的に設けられる、
ことを特徴とする、請求項5に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項7】
前記多段ろ過板は、複数の通気孔を有するスクリーン式円盤複合構造であり、前記スクリーン式円盤複合構造の最上層の円盤には複数の通気孔が設けられ、そのほかの円盤にはメイン通気孔を少なくとも1つ設けられ、複数の円盤を交互に配置してろ過構造を形成する、
ことを特徴とする、請求項5に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項8】
前記電解槽モジュールには、反応に用いられる電極が少なくとも1つ設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項9】
前記水ろ過槽及び前記先端蓋と前記ケースとの間にはシールリングがさらに設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項10】
前記底蓋の下端には滑り止め用マットが設けられる、
ことを特徴とする、請求項1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【請求項11】
前記電極が2つ以上である場合、隣接する電極の間は絶縁リングで隔てられる、
ことを特徴とする、請求項8に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素と酸素の製造の技術分野に関し、具体的には、コンパクト型携帯水素酸素発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学的な原理から言えば、水を電気分解することで水素と酸素を得ることができ、製造された水素と酸素が電子、機械、化学工業の分野で広く使用されることが知られている。同時に、水を電気分解することにより、人体の吸入に適した水素と酸素の混合気(H/O:66.6%/33.3%)を直接生成することもできるため、そのように生成された水素と酸素が水素治療の分野で広く使用されている。
【0003】
しかしながら、従来の水素酸素発生装置は、大型で、重量が重く、価格が高いので、特定の医療機関での使用にしか適していない。家庭での需要や外出時の携帯需要の増加に伴って、水素酸素発生装置の小型化と軽量化は、現在、至急解決すべき問題となっている。
【0004】
従って、携帯の需要を踏まえて、低コストで、安全性と信頼性を有する、迅速な普及を目的とする携帯型水素酸素発生装置の開発は、急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、コンパクト型携帯水素酸素発生装置を提供する。本発明は、主にケース内に、電力を供給するための電池モジュールと、水素と酸素を発生するための電解槽モジュールと、水分をろ過するための水ろ過槽と、ガスをろ過するための多段ろ過板とを順に設置することで、ケースの内部空間を十分に利用して、水素と酸素の混合気を効率的に製造し、これにより、低エネルギー消費、低コスト、コンパクト、携帯便利、安全、無騒音などの特徴が実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術手段は、以下のとおりである。
【0007】
本発明の一態様は、ケースと、ケースの上端に係合され、排気するための先端蓋と、前記ケースの下端に係合される底蓋とを備えるコンパクト型携帯水素酸素発生装置であって、前記ケース内には、電力を供給するための電池モジュールと、水素と酸素の混合気を発生するための電解槽モジュールと、水分をろ過するための水ろ過槽と、ガスをさらにろ過するための多段ろ過板とを下から上の順に設置し、最上層のろ過板と前記先端蓋内に設置された排気口との間に難燃性コアが設けられ、前記多段ろ過板はガスろ過指標に基づいて、必要に応じて設置される。
【0008】
さらに、前記電解槽モジュールと前記水ろ過槽との間には、水位監視モジュールをさらに設置し、前記水位監視モジュールはセンサに接続された高水位指示標識と低水位フロートを含む。
【0009】
さらに、前記多段ろ過板は少なくとも2段が設置される。
【0010】
さらに、前記水ろ過槽と前記先端蓋とが係合して締結され、両方の隙間により前記多段ろ過板を収容する収容室が形成され、前記水ろ過槽の中央部には中空の凸台が設けられ、前記多段ろ過板の中央部には中心対称圧痕が設けられ、前記凸台は中央部が前記多段ろ過板とその隣接側の1段目ろ過板の中心対称圧痕に当接され、かつその中央部と周囲が密封される。
【0011】
さらに、隣接する2つのろ過板の構成方式は同じ又は異なる。
【0012】
さらに、前記多段ろ過板は、中央部に前記水ろ過槽の凸台に対応する中心対称圧痕を有する円盤状構造であり、該円盤状構造本体には水素と酸素の混合気が通過するための通孔を少なくとも1つ設けられ、該円盤状構造本体の下端には複数の補助ストッパ板が選択的に設けられる。
【0013】
さらに、前記多段ろ過板は、複数の通気孔を有するクリーン式円盤複合構造で、最上層の円盤に複数の通気孔を有し、そのほかの円盤にメイン通気孔を少なくとも1つ設け、複数の円盤を交互に配置してろ過構造を形成するように構成される。
【0014】
さらに、前記電解槽モジュールには、反応に用いられる電極が少なくとも1つ設けられている。前記電極が2つ以上の場合、隣接する電極の間は絶縁リングで隔てられる。
【0015】
さらに、前記水ろ過槽及び前記先端蓋と前記ケースとの間には、シールリングがさらに設けられる。
【0016】
さらに、前記底蓋の下端には滑り止め用マットが設けられる。
【発明の効果】
【0017】
従来技術と比べると、本発明は、以下のメリットがある。
【0018】
本発明は、水を反応原料とし、安価の無機塩を電解質とし、常圧の水素と酸素の混合気を直接に生成することができ、必要時に生成でき、安全性が高い。本発明は、小型、軽量、低エネルギー消費、低コスト、安全、無騒音などの特徴があり、構成が簡単で、実用性が強く、携帯性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明の実施例または従来技術における技術手段をより明確に説明するために、以下、実施例または先行技術に関連した図面について簡単に紹介するが、以下の図面は本発明の一部の実施例であり、当業者であれば、創造的労働を行わずにこれらの図面に基づいて他の図面を得ることができることはいうまでもない。
【0020】
図1】実施例1に係る本発明のコンパクト型携帯水素酸素発生装置の構成を示す分解組立図である。
図2】実施例1に係る本発明のコンパクト型携帯水素酸素発生装置の後面構成を示す分解組立図である。
図3】実施例2に係る本発明のコンパクト型携帯水素酸素発生装置の構成を示す分解組立図である。
図4】実施例3に係る本発明のコンパクト型携帯水素酸素発生装置の構成を示す分解組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
相互に衝突しない限り、本発明における実施例及び実施例における特徴を互いに組み合わせてもよい。以下、図面を参照しながら、実施例に関連した本発明を詳細に説明する。
【0022】
本発明に係る実施例の目的、技術手段及びメリットをより明らかにするために、以下、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術手段を明らか且つ完全に説明し、説明される実施例が全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例に過ぎないことはいうまでもない。以下の少なくとも1つの例示的実施例に対する説明は実際に説明するためのものに過ぎず、本発明及びその応用や使用が限定されるものではない。当業者が本発明における実施例に基づいて創造的労動を行うことなく得た他の実施例は、全て本発明が保護する範囲に含まれるものとする。
【0023】
ここで使用されている用語はただ具体的な実施形態を説明するためのものであり、本発明による例示的な実施形態の制限になることを意図しない。コンテキストによりはっきり指摘されていない限り、ここで使用されている単数形は複数形も含むとのことを理解すべきである。なお、本明細書において用語である「含み」又は/及び「備え」を使用すると、それは特徴、ステップ、操作、部品、構成部品及び/又はそれらの組合せがあることを意味するということを理解すべきである。
【0024】
別に具体的に説明しない限り、これらの実施例に記載の部材とステップの相対的配置、数式及び数値は本発明の範囲を限定するものではない。また、説明の便宜上、図面に示す各部分の寸法は実際の比例関係に基づいて描かれたものではないことを理解すべきである。当業者に知られている技術、方法及びデバイスについての詳細な説明を省略する場合があるが、適切な場合に、前記技術、方法及びデバイスを許可となる明細書の一部と見なすべきである。本明細書に記載して説明する全ての示例において、全ての具体的な値は限定するものではなく、例示的なものと解釈すべきである。従って、例示的実施例以外の例は異なる値を有してもよい。類似する符号と文字は下記の図面において類似項目を示すため、ある項目が1つの図面で定義されると、その以降の図面でそれについて更に説明する必要がないことに注意されたい。
【0025】
本発明の説明において、「前、後、上、下、左、右」、「横方向、縱方向、垂直、水平」及び「頂、底」等の方位詞で示す方位又は位置関係は一般に図面に基づいて示す方位又は位置関係であり、その目的はただ本発明を容易に説明、及び説明を簡単化するためであり、反対に説明しない限り、これらの方位詞は示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し又は特定の方位で構成され操作されることを明示、暗示しないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならず、方位詞の「内、外」は各部材自身の輪郭に対する内外を指すことを理解されたい。
【0026】
説明の便宜上、本明細書では、例えば図に示すデバイス又は特徴と他のデバイス又は特徴との空間位置関係を説明するために、例えば、「…の上」、「…の上方」、「…の表面」、「上の」等の空間相対技術用語を用いてもよい。空間相対技術用語は、図に記載の方位以外、デバイスの使用又は操作での異なる方位を含むことを意図することを理解すべきである。例えば、図面におけるデバイスを反対に配置した場合に、「他のデバイス又は構造の上方」又は「他のデバイス又は構造の上」と記述したデバイスは、「他のデバイス又は構造の下方」又は「他のデバイス又は構造の下」と位置決めされる。従って、例示的技術用語の「…の上方」は「…の上方」及び「…の下方」という2種の方位を含むことが可能である。このデバイスを他の異なる方式で位置決めすることもでき(90度回転させ又は他の方位に位置させる)、そしてここで使用される空間相対記載を対応的に解釈する。
【0027】
なお、「第1」、「第2」等の用語を用いて部品を限定する目的は、ただ対応する部品を区別しやすくすることにあり、別途に説明しない限り上記用語は特別な意味がないため、本発明の保護範囲を限定するものと理解してはならないことを説明すべきである。
【0028】
(実施例1)
図1図2に示すように、本発明は、コンパクト型携帯水素酸素発生装置を提供し、ケース1と、ケース1の上端に係合され、排気するための先端蓋2と、前記ケース1の下端に係合される底蓋15とを含む。
【0029】
前記ケース1内には、電力を供給するための電池モジュールと、水素と酸素の混合気を生成するための電解槽モジュールと、水分をろ過するための水ろ過槽4と、ガスをさらにろ過するための多段ろ過板とが下から上の順に設けられ、図に示すように、多段ろ過板は2段である。1段目ろ過板5は水ろ過槽4に隣接し、2段目ろ過板6と前記先端蓋2内に設置された排気口3との間に難燃性コア7が設けられている。
【0030】
前記電解槽モジュールと前記水ろ過槽4との間には水位監視モジュールがさらに設けられ、前記水位監視モジュールはセンサに接続した高水位指示標識8と低水位フロート9とを含み、水位監視モジュールは電極10に設置され、電解液の添加量と使用量を監視する。
【0031】
前記水ろ過槽4と前記先端蓋2とは、ねじ込みにより締結され、両方の隙間により前記多段ろ過板を収容するための収容室が構成され、具体的には、前記水ろ過槽4は、内部に水を貯留し、その中央部に中空の凸台を設け、1段目ろ過板5は、中央部に前記水ろ過槽4の凸台に対応して中心対称圧痕を有する円盤状構造であり、その中央部が圧痕構造のみで中空の開口部を有さず、円盤の周囲に少し突出した外縁を設け、その円盤状の本体には(中間位置ではなく)水素と酸素の混合気が通過するための通孔をすくなくとも1つ設け、その円盤状の本体の下端には複数の補助ストッパ板を選択的に設ける。図2の後面図から補助ストッパ板が見える。
【0032】
前記凸台の中央部は前記1段目ろ過板5の中心対称圧痕に当接し、かつその中央部及び周囲が密封されて、反応により生成されたガスが水ろ過槽4の中を通過してから、サイドのガス通路を経て複数の層にてろ過されることを保証する。
【0033】
2段目ろ過板6の構造は前記1段目ろ過板5と同じ又は異なる。前記2段目ろ過板6は、複数の通気孔を有するスクリーン式円盤複合構造であり、その最上層の円盤に複数の通気孔のスクリーンを有し、そのほかの円盤にメイン通気孔を少なくとも1つ設け、複数の円盤を交互に設置してろ過構造を形成するように構成される。図に示す2段目ろ過板6は、2つの部分が嵌合された複合構造であり、水蒸気を含む水素と酸素の混合気は、幾重層のろ過板を通過して凝縮されることで、排気口から排出されるガスをさらに乾燥させる。
【0034】
本実施形態において、前記電解槽モジュールには、反応のための電極10が1つ設けられており、スクリュー11により電解槽モジュールと電池モジュールとの間のバリアを挿通して底蓋15上の固定孔と締結されている。
【0035】
(実施例2)
図3に示すように、本実施例では、2つの電極を設置している点で、実施例1とは異なっており、反応速度を増加させるために、電極10と補強電極12との組み合わせで実行して、2つの電極の間は絶縁リング13により隔てられる。
【0036】
また、本実施例の図面から、水ろ過槽4には、水を貯留するための大きな収容室と、これに接続された通気管が設けられているのがはっきりと見え、即ち、反応ガスが流れる経路が長くなり、ろ過をより十分にすることが可能となる。同様に、2段目ろ過板6は、1段目ろ過板5とずらした側孔構造により構成される。
【0037】
(実施例3)
図4に示すように、本実施例では、1段目ろ過板5は板状のフィルタプレートで、その一側に通気部を設置している点で、実施例1と異なっており、2段目ろ過板6の構成は、実施例1と大体同じであり、本実施例では、3段目ろ過板16をさらに設置し、水素と酸素の混合気が幾重にも凝結して水蒸気を取り除く。前記水ろ過槽4及び前記先端蓋2と前記ケース1との間にはシールリング17がさらに設けられ、先端蓋2が水ろ過槽4に締結されると、シールリング17がシールの効果を発揮する。
【0038】
使用の時、排気口3から水と電解液を注入し、その後、電解槽内の水位が適切かどうかを水位監視モジュールにより監視する。電源接点22は電池14と接触し、電源ボタン19により回路基板をオンにして装置全体を制御し、電極10が電解液モジュール内で反応してガスの製造を開始し、電極10はスクリュー11によりスペーサ20とねじを順次に挿通することで底蓋15に固定され、テーブル面等に直立するように前記底蓋15の下端に滑り止め用マット18が設けられている。
【0039】
電源ボタン19を入れて、水素酸素発生装置を起動してガスの製造を開始し、電解槽モジュールで反応して生成された水蒸気を混じった水素と酸素の混合気が水ろ過槽4に入って、ガス通路を介して多段ろ過板に入り、水蒸気は、多段ろ過板により形成された、曲がりくねっているガス通路を通過することで、ろ過板で凝結されて電解槽に戻り、比較的乾燥した水素と酸素の混合気が最後に難燃性コア7を通過して排気口3から導出され、使用者の吸入のために使用される。
【0040】
最後に以下のことを説明すべきである。以上の各実施例は本発明の技術的手段を説明するためのものにすぎず、それを限定するものではない。上述した各実施例を参照しながら本発明を詳細に説明したが、上述した各実施例に記載の技術的手段を修正するか、またはその技術的特徴の一部または全部に同等な取り替えを実施することも可能であり、それらの修正や取り替えによって、対応する技術的手段の本質が本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しないことは当業者に理解されよう。
【0041】
(付記)
(付記1)
ケースと、ケースの上端に係合され、排気するための先端蓋と、前記ケースの下端に係合される底蓋とを備えたコンパクト型携帯水素酸素発生装置であって、
前記ケース内には、電力を供給するための電池モジュールと、水素と酸素の混合気を生成するための電解槽モジュールと、水分をろ過するための水ろ過槽と、ガスをさらにろ過するための多段ろ過板とが下から上の順に設けられ、最上層のろ過板と前記先端蓋内に設置された排気口との間に難燃性コアが設けられ、ガスろ過指標に基づいて、前記多段ろ過板を設置する、
ことを特徴とする、コンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0042】
(付記2)
前記電解槽モジュールと前記水ろ過槽との間には、センサに接続された高水位指示標識と低水位フロートとを含む水位監視モジュールがさらに設けられる、
ことを特徴とする、付記1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0043】
(付記3)
前記多段ろ過板は、少なくとも2段が設置される、
ことを特徴とする、付記1記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0044】
(付記4)
前記水ろ過槽と前記先端蓋とが係合して締結され、両方の隙間により前記多段ろ過板を収容するための収容室が構成され、前記水ろ過槽の中央部には中空の凸台が設けられ、前記多段ろ過板の中央部には中心対称圧痕が設けられ、前記凸台の中央部は前記多段ろ過板とその隣接側の1段目ろ過板の中心対称圧痕に当接され、かつその中央部と周囲が密封される、
ことを特徴とする、付記1又は3に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0045】
(付記5)
隣接する2つのろ過板の構造形式は同じ又は異なる、
ことを特徴とする、付記4に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0046】
(付記6)
前記多段ろ過板は、中央部に前記水ろ過槽の凸台に対応して中心対称圧痕を有する円盤状構造であり、前記円盤状構造の本体には水素と酸素の混合気が通過するための通孔が少なくとも一つ設けられ、前記円盤状構造の本体の下端には複数の補助ストッパ板が選択的に設けられる、
ことを特徴とする、付記5に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0047】
(付記7)
前記多段ろ過板は、複数の通気孔を有するスクリーン式円盤複合構造であり、前記スクリーン式円盤複合構造の最上層の円盤には複数の通気孔が設けられ、そのほかの円盤にはメイン通気孔を少なくとも1つ設けられ、複数の円盤を交互に配置してろ過構造を形成する、
ことを特徴とする、付記5に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0048】
(付記8)
前記電解槽モジュールには、反応に用いられる電極が少なくとも1つ設けられる、
ことを特徴とする、付記1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0049】
(付記9)
前記水ろ過槽及び前記先端蓋と前記ケースとの間にはシールリングがさらに設けられる、
ことを特徴とする、付記1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0050】
(付記10)
前記底蓋の下端には滑り止め用マットが設けられる、
ことを特徴とする、付記1に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【0051】
(付記11)
前記電極が2つ以上である場合、隣接する電極の間は絶縁リングで隔てられる、
ことを特徴とする、付記8に記載のコンパクト型携帯水素酸素発生装置。
【符号の説明】
【0052】
1 ケース
2 先端蓋
3 排気口
4 水ろ過槽
5 1段目ろ過板
6 2段目ろ過板
7 難燃性コア
8 高水位指示標識
9 低水位フロート
10 電極
11 スクリュー
12 補強電極
13 絶縁リング
14 電池
15 底蓋
16 3段目ろ過板
17 シールリング
18 滑り止め用マット
19 電源ボタン
20 スペーサ
21 ねじ
22 電源接点
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】