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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-15
(54)【発明の名称】特定病原体を含まない飼料組成物
(51)【国際特許分類】
   A23K 10/20 20160101AFI20231208BHJP
   A23K 50/30 20160101ALI20231208BHJP
   A23K 50/70 20160101ALI20231208BHJP
   A23K 50/75 20160101ALI20231208BHJP
   A01K 67/033 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
A23K10/20
A23K50/30
A23K50/70
A23K50/75
A01K67/033 503
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023557488
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2021083859
(87)【国際公開番号】W WO2022117691
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】20211217.3
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(31)【優先権主張番号】21158669.8
(32)【優先日】2021-02-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523210412
【氏名又は名称】コルビオタ・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アルヌルフ・トレッシャー
(72)【発明者】
【氏名】シモン・チャンプ
(72)【発明者】
【氏名】ヨーク・リースマイヤー
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005DA05
2B005DA21
2B005EA01
2B005EA03
2B150AA03
2B150AA05
2B150AB02
2B150DD01
(57)【要約】
本請求発明は、少なくとも1つの生きた虫(worm)を含む飼料組成物に向けられたものであり、この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料組成物であって、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
前記虫が、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または欧州薬局方(Ph.Eur.)9,Ausgabe、Grundwerk 2017,9.0/5.02.02.00によるSPFフリーである、飼料組成物。
【請求項2】
前記組成物が、3.5cm~8cmの範囲の平均長と、2cmの最小長および12cmの最大長とを有する少なくとも2つの生きた虫を含む、請求項1に記載の飼料組成物。
【請求項3】
前記組成物中の前記少なくとも1つの生きた虫が、前記組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは45~55wt.%の範囲、特に50wt.%の量で存在する、請求項1~2のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項4】
前記組成物がミミズ堆肥をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項5】
前記ミミズ堆肥が、前記組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは45~55wt.%の範囲、特に50wt.%の量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
飼料組成物であって、
a.前記組成物の合計乾燥重量に基づいて0.05wt.%~2.0wt.%の範囲の量のミミズ堆肥と、
b.前記組成物の合計乾燥重量に基づいて0.02’wt.%~1.0’wt.%の範囲の量の虫とを含む、飼料組成物。
【請求項7】
非治療的使用のための動物に給餌するためのプロセスであって、
請求項1~6に記載の組成物を、1日当たり2mg~50mgの生きた虫/前記動物の体重gの範囲の量で前記動物に給餌することを含む、プロセス。
【請求項8】
前記動物がヒヨコ、子ブタ、子ヒツジ、子ウシ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、好ましくはヒヨコである、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ヒヨコ、前記アヒルのヒナ、および前記ガチョウのヒナに、1日当たり動物の体重g当たり200mg~300mg、好ましくは200~250mgの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記子ブタに、1日当たり動物の体重kg当たり1~6g、好ましくは2~5gの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記子ヒツジに、1日当たり動物の体重kg当たり1~6g、好ましくは2~5gの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項12】
前記子ウシに、1日当たり動物の体重kg当たり1~10g、好ましくは2~8gの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項13】
前記動物が1~500日の範囲の年齢を有し、より好ましくは前記ヒヨコ、アヒルのヒナ、ガチョウのヒナが1~10日の範囲の年齢を有し、最も好ましくは前記ヒヨコ、アヒルのヒナ、ガチョウのヒナが1~7日の範囲の年齢を有する、請求項7~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記動物に1日1回前記組成物が給餌される、請求項7~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
ミミズ堆肥を生産する方法であって、
a.病原体を含まない育種ストック由来の虫を飼育するステップと、
b.前記虫に病原体を含まない飼料を給餌するステップと、
c.病原体を含まない環境中で前記虫を保持/飼育するステップと、
d.前記ミミズ堆肥を収集するステップとを含み、
「病原体を含まない」とは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないことである、方法。
【請求項16】
請求項15によって得られる、病原体を含まないミミズ堆肥。
【請求項17】
液体ミミズ堆肥抽出物を調製するためのプロセスであって、
a.請求項16によって得られるミミズ堆肥に水を加えて混合物を得るステップと、
b.ステップa.で得られた前記混合物を1分~1時間の期間にわたって撹拌するステップと、
c.濾過して濾過物を収集するステップとを含む、プロセス。
【請求項18】
前記水が塩素を含まず、かつ5~20℃、好ましくは11~12℃の範囲の温度を有する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
請求項17~18のいずれか一項によって得られる液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項20】
動物に複合微生物叢を移すプロセスであって、
前記動物、好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物を噴霧するか、
または飲用水を介して前記動物に送達することを含む、プロセス。
【請求項21】
請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物が前記動物に噴霧される前に、1.0:0.5~1.0:2.0の比率で水で希釈される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記動物に噴霧される液体の量が動物当たり0.1mL~5mLである、請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
標準PCR検査を介して糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する若い動物を得るための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項24】
増加した体重を有する動物を得るための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項25】
標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を飼育するための、請求項16に記載の特定病原体を含まないミミズ堆肥。
【請求項26】
標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を得るための、請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項27】
病原体を含まない動物を得るための前記液体ミミズ堆肥抽出物であって、
前記病原体は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項28】
動物の足(足底皮膚炎)の病変の数または強度を低減させるための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物、または請求項16に記載の特定病原体を含まないミミズ堆肥、または請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項29】
動物の足の病変の数または強度を低減させるための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物、または請求項16に記載の特定病原体を含まないミミズ堆肥、または請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本請求発明は、少なくとも1つの生きた虫(worm)を含む飼料組成物に向けられたものであり、この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【背景技術】
【0002】
完全タンパク質は、ヒトの食餌のためのすべての必須アミノ酸を適切な割合で含有する食品タンパク質源である。完全タンパク質の中でも、肉、卵、および牛乳は最高品質のタンパク質源に入るとみなされている。これらの中でも肉、特に畜牛および家禽産業由来の肉は、最も重要な完全タンパク質源の1つとみなされている。家禽産業において、ブロイラー鶏は肉の供給源として、したがって完全タンパク質として最も頼られる動物である。
【0003】
現代のブロイラー生産において、ニワトリは人工孵卵器内で孵化し、高い衛生基準を伴う環境条件下で飼育される。これらの高い衛生基準のために、微生物への適切な露出、特に有益な効果を有する微生物への露出が欠如している。加えて、母子相互作用の欠如によって、母からの、または母を通じた初期腸内フローラの獲得が損なわれる。
【0004】
ミミズ(Earthworms)は、ニワトリを含む鳥類に対する天然の飼料源に属する。ミミズは植物材料の細胞壁の構成要素を消化するために微生物に依存しており、その腸内に比較的高い微生物活性を有するため、生きたまま給餌されたときにはニワトリに対する「天然の」微生物叢接種とみなされてもよい。しかし、これは有害な微生物叢の接種をもたらすこともある。
【0005】
家禽生産において直面する問題の1つは、特に若い動物の間で高死亡率をもたらす微生物感染率が高いことである。よって、この産業では若い動物に抗生物質を与えることが強いられ、それが次にヒトにおける抗生物質耐性の増加を間接的にもたらす。よって、若い動物への抗生物質の給餌を回避しつつも、それらを微生物感染から保護することが望ましい。
【0006】
したがって、本請求発明の主な目的は、動物に有益な微生物叢を提供し得る飼料組成物を提供することに加えて、微生物感染からの保護の改善を提供することである。
【0007】
本請求発明の別の目的は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない飼料組成物を提供することである。
【0008】
本請求発明のさらに別の目的は、特定病原体を含まない(SPF)動物、特に非特許文献1によるニワトリを維持できる飼料組成物を提供することである。
【0009】
本請求発明の別の目的は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFであるミミズ堆肥を生産するための方法を提供することである。
【0010】
本請求発明の別の目的は、動物に有益な微生物叢を移すための方法を提供することであり、これによって糞便中の有益な微生物叢のカウントが増加する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】欧州薬局方(Ph.Eur.)9,Ausgabe、Grundwerk 2017,9.0/5.02.02.00
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
驚くべきことに、若い動物に
少なくとも1つの生きた虫を含む飼料組成物を給餌することであって、
その虫がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない、飼料組成物を給餌することによって、その動物における有益な微生物叢が提供され/増加し、加えて微生物感染からの保護の改善が提供されることが見出された。
【0013】
したがって、本請求発明の第1の態様は、
少なくとも1つの生きた虫を含む飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0014】
本請求発明の第2の態様は、
a.組成物の合計湿重量に基づいて10wt.%~90wt.%の範囲の量のミミズ堆肥と、
b.組成物の合計湿重量に基づいて10wt.%~90wt.%の範囲の量の虫とを含む飼料組成物に向けられ、
このミミズ堆肥は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0015】
本請求発明の第3の態様は、非治療的使用のための動物に給餌するためのプロセスに向けられ、このプロセスは、
1日当たり2mg~50mgの生きた虫/動物の体重gの範囲の量の組成物を動物に給餌することを含み、この組成物は少なくとも1つの生きた虫を含み、この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0016】
本請求発明の第4の態様は、ミミズ堆肥を生産する方法に向けられ、この方法は、
a.病原体を含まない育種ストック/親由来の虫を飼育するステップと、
b.虫に病原体を含まない飼料を給餌するステップと、
c.病原体を含まない環境中で虫を保持/飼育するステップと、
d.ミミズ堆肥を収集するステップとを含み、
ここで「病原体を含まない」ことは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーであることである。
【0017】
本請求発明の第5の態様は、病原体を含まないミミズ堆肥に向けられ、ここで「病原体を含まない」ことは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーであることである。
【0018】
本請求発明の第6の態様は、液体ミミズ堆肥抽出物を調製するためのプロセスに向けられ、このプロセスは、
a.第5の態様によるミミズ堆肥に水を加えて混合物を得るステップと、
b.ステップa.で得られた混合物を撹拌するステップと、
c.濾過して濾過物を収集するステップとを含み、
このミミズ堆肥抽出物は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0019】
本請求発明の第7の態様は、液体ミミズ堆肥抽出物に向けられ、この液体ミミズ堆肥抽出物は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0020】
本請求発明の第8の態様は、動物に複合微生物叢を移すプロセスに向けられ、このプロセスは、
動物、好ましくはヒヨコ(chicklets)、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに液体ミミズ堆肥抽出物を噴霧するか、
またはそれを飲用水を介して動物に送達することを含み、
この液体ミミズ堆肥抽出物は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFである。
【0021】
本請求発明の第9の態様は、複合微生物叢を有する若い動物(単数または複数)を得るための、第1および第2の態様による本発明の飼料組成物に向けられる。
【0022】
本請求発明の第10の態様は、増加した体重を有する動物(単数または複数)を得るための、第1および第2の態様による飼料組成物に向けられる。
【0023】
本請求発明の第11の態様は、複合微生物叢を有する動物を飼育するための、第5の態様による特定病原体を含まないミミズ堆肥に向けられる。
【0024】
本請求発明の第12の態様は、複合微生物叢を有する動物を得るための、第7の態様による液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。
【0025】
本請求発明の第13の態様は、病原体を含まない動物を得るための、第7の態様による液体ミミズ堆肥抽出物に向けられ、
この病原体は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択され、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0026】
本請求発明の第14の態様は、動物の足の病変の数または強度を低減させるための、第1および第2の態様による飼料組成物、または第5の態様による特定病原体を含まないミミズ堆肥、または第7の態様による液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】肥育期の2~6日目にわたって虫-ミミズ堆肥混合物を給餌された家禽の糞便中のアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクテリウム・シュードロングム(Bifidobacterium pseudolongum)腸内在住菌(gut inhabitants)が増加したことを示す図である。
【数1】
図2】実験食餌を給餌後に背に粘着性の糞便が付着した鳥の頻度を示す図である。
図3】EW給餌あり(CON+EW_None)およびEW給餌なし(CON+_None)によるブートソック(boot-sock)サンプル間の組成の相違を示す図である。示される分類は、2つの条件間で有意に差があったものである(p値<0.1、ウィルコクソン(Wilcoxon)検定)。左のパネルはEW給餌グループにおいて低く表現された分類を示し、一方で右のパネルは給餌によって促進されたものを示す。
【数2】
図4】虫を給餌されたニワトリと、虫なしで給餌されたニワトリとの運動を示す図である。運動は並べ替えられて人工知能(AI:artificial intelligence)を用いて評価され、虫を給餌されたニワトリは最後のミミズ給餌の数週間後でも運動が改善されていることが示される。
図5】虫の異なる部分、土壌、およびプール(虫+土壌)の微生物叢を示す図である。
図6】対照に対する、虫を給餌されたニワトリの全体的な後味を示す図である。
図7図7である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本請求発明の本組成物および製剤を説明する前に、こうした組成物および製剤は当然変動することがあるため、本発明は記載される特定の組成物および製剤に限定されないことが理解されるべきである。加えて、本請求発明の範囲は添付の請求項のみによって限定されることとなるため、本明細書で使用される用語は限定的になることは意図されないことが理解されるべきである。
【0029】
以後、あるグループが少なくとも特定の数の実施形態を含むことが定義されるとき、これは好ましくはこれらの実施形態のみからなるグループも包含することを意味する。さらに、記載および請求項における「第1の」、「第2の」、「第3の」、または「a」、「b」、「c」などの用語は、類似の構成要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも一連の順序または時系列の順序を記載するものではない。そのように使用される用語は適切な状況において交換可能であり、本明細書に記載される本請求発明の実施形態は本明細書に記載または例示される順序とは異なる順序で動作できることが理解されるべきである。「第1の」、「第2の」、「第3の」、または「(A)」、「(B)」、および「(C)」、または「(a)」、「(b)」、「(c)」、「(d)」、「i」、「ii」などの用語が、方法または使用またはアッセイのステップに関係する場合は、それらのステップの間に時間または時間間隔の一貫性は存在せず、すなわち、本明細書の上記または下記に示される出願において別様に示されていない限り、これらのステップは同時に実行されてもよいし、こうしたステップの間に数秒、数分、数時間、数日、数週間、数ヵ月、または数年もの時間間隔が存在してもよい。
【0030】
さらに、本明細書全体にわたって定義される範囲は終端値も含み、すなわち1~10の範囲は、その範囲に1および10の両方が含まれることを意味する。疑問を回避するために、出願人は適用法に従う任意の均等物を得る資格を有するものとする。
【0031】
以下の節において、本請求発明の異なる態様がより詳細に定義される。反対のことが明確に示されない限り、定義された各態様は、任意の他の単数または複数の態様と組み合わされてもよい。特に、好ましいかまたは有利なものとして示された任意の特徴は、好ましいかまたは有利なものとして示された任意の他の単数または複数の特徴と組み合わされてもよい。
【0032】
この明細書全体にわたる「一実施形態(one embodiment)」または「ある実施形態(an embodiment)」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特性、構造、または特徴が、本請求発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。よって、この明細書全体にわたるさまざまな場所における「一実施形態において」または「ある実施形態において」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を示すものではない。
【0033】
さらに、1つ以上の実施形態において、特定の特性、構造、または特徴は、この開示から当業者に明らかとなるとおりに任意の好適な方式で組み合わされてもよい。さらに、本明細書に記載されるいくつかの実施形態はいくつかの特徴を含むが、他の実施形態に含まれる他の特徴を含まないが、当業者に理解されるであろうとおり、異なる実施形態の特徴の組み合わせは本請求発明の範囲内にあることを意味し、それは異なる実施形態を形成する。たとえば、添付の請求項において、請求される実施形態のいずれかが任意の組み合わせで使用され得る。
【0034】
本請求発明において、「湿重量」は組成物の全重量に基づいて5~95wt.%の範囲の水分含量を含む組成物として定義され、好ましくは「湿重量」は組成物の全重量に基づいて10~95wt.%の範囲の水分含量を含む組成物として定義され、より好ましくは「湿重量」は組成物の全重量に基づいて15~95wt.%の範囲の水分含量を含む組成物として定義され、さらにより好ましくは「湿重量」は組成物の全重量に基づいて20~95wt.%の範囲の水分含量を含む組成物として定義され、最も好ましくは「湿重量」は組成物の全重量に基づいて20~90wt.%の範囲の水分含量を含む組成物として定義され、特に「湿重量」は組成物の全重量に基づいて25~90wt.%の範囲の水分含量を含む組成物として定義される。
【0035】
本請求発明において、「病原体を含まない虫餌(worm food)」は、その餌がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないこととして定義され、より好ましくは「病原体を含まない虫餌」は、その餌がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFであることとして定義される。
【0036】
本請求発明において、「病原体を含まないミミズ堆肥」は、そのミミズ堆肥がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないこととして定義され、より好ましくは「病原体を含まないミミズ堆肥」は、そのミミズ堆肥がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFであることとして定義される。
【0037】
本請求発明において、「有益な微生物叢」は、動物にとって有用な微生物として定義される。それは動物(単数または複数)の腸における微生物の共存を意味する。
【0038】
第1の実施形態において、本請求発明は、
少なくとも1つの生きた虫を含む飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【0039】
別の好ましい実施形態において、本請求発明は、
少なくとも1つの生きた虫を含む、若いニワトリ用の飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFである。
【0040】
生きた虫のサンプルがサルモネラ(salmonella)種を含まないとみなされるのは、生きた虫の100gのサンプルのうちの25グラムをDIN EN ISO 6579-1、2017-07に従って分析して、分析サンプルからサルモネラ(salmonella)種が検出されないときである。
【0041】
生きた虫のサンプルがカンピロバクター(campylobacter)種を含まないとみなされるのは、生きた虫の100gのサンプルのうちの25グラムをDIN ISO 21528-2、2017-09に従って分析して、そのサンプルから検出されるカンピロバクター(campylobacter)種の総量が1000000KbE/g以下のときである。
【0042】
生きた虫のサンプルがヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)を含まないとみなされるのは、生きた虫の100gのサンプルのうちの25グラムをPCR 18Sによって分析して、分析サンプルからヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)が検出されないときである。サンプル調製および分析は当業者に公知である。
【0043】
本請求発明によると、特定病原体を含まない(SPF:Specific Pathogen Free)とは、指定された病原性微生物に感染していない動物種を開発および維持する科学である。指定(specified)病原体は、家禽の感染によって広く認知される疾患状態を生じ得る任意の微生物である。指定病原体を含まないことは、1つ以上の特定病原体の存在についての承認されたサーベイランス検査において陰性の結果を戻す家禽のみに適用され得る。検査は、群のSPF状態を進行させ続けるために規則的な定められた間隔で繰り返される必要がある。ほとんどのSPF群は、たとえワイヤ床を有するアイソレータ内の数SPF世代後であっても、たとえばサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、ストレプトコッカス(streptococcus)、大腸菌型(coliforms)、バクテリオイデス(bacterioides)、クロストリジウム(clostridia)種などの限られた常在腸内微生物フローラを有するだろう。SPF群は、囲い、建物、またはアイソレータという共通の環境を共有する鳥のグループを含む。その動物/虫は疾患を引き起こす特定病原体を含まないことを意味する。
【0044】
別の好ましい実施形態において、SPFニワトリは、非特許文献1による特定病原体を含まないニワトリを意味する。
【0045】
別の好ましい実施形態において、虫はミミズである。
【0046】
別の好ましい実施形態において、ミミズ種はデンドロベナ・ベネタ(dendrobena veneta)、ドバミミズ(lumbricus terrestris)、シマミミズ(eisenia fetida)、ユードリルス・ユージニア(eudrilus eugeniae)、ハラメノウミミズ(perionyx excavatus)、およびアイゼニア・アンドレイ(eisenia andreii)からなる群より選択され、より好ましくは、ミミズ種はデンドロベナ・ベネタ(dendrobena veneta)、アイゼニア・アンドレイ(eisenia andrei)、およびシマミミズ(eisenia fetida)からなる群より選択され、最も好ましくは、ミミズ種はデンドロベナ・ベネタ(dendrobena veneta)である。
【0047】
サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない虫から卵を収集することによって生産される。最初に卵が収集され、母虫の特定病原体の存在が分析される。母虫が特定病原体を含まないことが確認されてから、卵は孵化され、病原体を含まない環境中で飼育される。
【0048】
SPF虫は、SPF虫から卵を収集することによって生産される。最初に卵が収集され、母虫の特定病原体の存在が分析される。母虫が特定病原体を含まないことが確認されてから、卵は孵化され、病原体を含まない環境中で飼育される。
【0049】
別の好ましい実施形態において、少なくとも2つの生きた虫は3.5cm~8cmの範囲の平均長と、2cmの最小長および12cmの最大長とを有し、より好ましくは、少なくとも2つの生きた虫は4cm~7cmの範囲の平均長と、3cmの最小長および11cmの最大長とを有し、さらにより好ましくは、少なくとも2つの生きた虫は4cm~7cmの範囲の平均長と、3cmの最小長および10cmの最大長とを有し、最も好ましくは、少なくとも2つの生きた虫は5cm~7cmの範囲の平均長と、4cmの最小長および10cmの最大長とを有し、特に少なくとも2つの生きた虫は5cm~7cmの範囲の平均長と、4cmの最小長および9cmの最大長とを有する。
【0050】
別の好ましい実施形態において、組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは40~55wt.%、より好ましくは45~55wt.%の範囲、および特に50wt.%の量で存在する。
【0051】
別の好ましい実施形態において、飼料組成物は少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫はサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、飼料組成物はさらに、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を同様に含まないミミズ堆肥を含む。
【0052】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるによる(according to according to)SPFであり、飼料組成物はさらに、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を同様に含まないミミズ堆肥を含む。
【0053】
ミミズ堆肥および生きた虫(単数または複数)は、同じ病原体を含まないことが好ましい。
【0054】
ミミズ堆肥のサンプルがサルモネラ(salmonella)種を含まないとみなされるのは、ミミズ堆肥の100gのサンプルのうちの25グラムをDIN EN ISO 6579-1、2017-07に従って分析して、分析サンプルからサルモネラ(salmonella)種が検出されないときである。
【0055】
ミミズ堆肥のサンプルがカンピロバクター(campylobacter)種を含まないとみなされるのは、ミミズ堆肥の100gのサンプルのうちの25グラムをDIN ISO 21528-2、2017-09に従って分析して、そのサンプルから検出されるカンピロバクター(campylobacter)種の総量が1000000KbE/g以下のときである。
【0056】
ミミズ堆肥のサンプルがヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)を含まないとみなされるのは、ミミズ堆肥の100gのサンプルのうちの25グラムをPCR 18Sによって分析して、分析サンプルからヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)が検出されないときである。サンプル調製および分析は当業者に公知である。
【0057】
ミミズ堆肥は、分解野菜または食品廃棄物、敷料、およびバーミキャストの混合物を作製するための、さまざまな種の虫、特にミミズを用いた分解プロセスの産物である。バーミキャストは、虫、特にミミズによる有機物質の分解の最終産物である。
【0058】
このプロセスはミミズ堆肥化と呼ばれ、この目的のために虫を飼育することはミミズ養殖と呼ばれる。
【0059】
別の好ましい実施形態において、飼料組成物中のミミズ堆肥は、組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは40~55wt.%、より好ましくは45~55wt.%の範囲、および特に50wt.%の量で存在する。
【0060】
別の好ましい実施形態において、本請求発明は、
少なくとも1つの生きた虫を含む飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
ミミズ堆肥を含み、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は40wt.%~60wt.%の範囲の量で存在する。
【0061】
別の好ましい実施形態において、本請求発明は、
少なくとも1つの生きた虫を含む飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
ミミズ堆肥を含み、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて5wt.%~40wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は60wt.%~95wt.%の範囲の量で存在する。
【0062】
別のより好ましい実施形態において、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
ミミズ堆肥を含み、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて5wt.%~35wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は65wt.%~95wt.%の範囲の量で存在する。
【0063】
さらにより好ましい実施形態において、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
ミミズ堆肥を含み、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて5wt.%~30wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は70wt.%~95wt.%の範囲の量で存在する。
【0064】
さらにより好ましい実施形態において、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
ミミズ堆肥を含み、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて5wt.%~25wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は75wt.%~95wt.%の範囲の量で存在する。
【0065】
特に好ましい実施形態において、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
ミミズ堆肥を含み、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて5wt.%~20wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は80wt.%~95wt.%の範囲の量で存在する。
【0066】
別の好ましい実施形態において、飼料組成物は虫餌をさらに含む。
【0067】
別の好ましい実施形態において、飼料組成物は、虫餌を組成物の合計湿重量に基づいて1wt.%~50wt.%の範囲の量でさらに含む。
【0068】
別の好ましい実施形態において、本請求発明は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌とを含む飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計湿重量に基づいて30wt.%~60wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は30wt.%~60wt.%の範囲の量で存在し、虫餌は1wt.%~40wt.%の範囲の量で存在する。
【0069】
別の好ましい実施形態において、本請求発明は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌とを含む飼料組成物に向けられ、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて1wt.%~40wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は30wt.%~80wt.%の範囲の量で存在し、虫餌は1wt.%~69wt.%の範囲の量で存在する。
【0070】
より好ましくは、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて1wt.%~30wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は30wt.%~70wt.%の範囲の量で存在し、虫餌は10wt.%~69wt.%の範囲の量で存在する。
【0071】
さらにより好ましくは、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて1wt.%~25wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は30wt.%~70wt.%の範囲の量で存在し、虫餌は10wt.%~50wt.%の範囲の量で存在する。
【0072】
さらにより好ましくは、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて3wt.%~20wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は40wt.%~70wt.%の範囲の量で存在し、虫餌は10wt.%~50wt.%の範囲の量で存在する。
【0073】
特に、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて3wt.%~15wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は40wt.%~60wt.%の範囲の量で存在し、虫餌は20wt.%~40wt.%の範囲の量で存在する。
【0074】
別の好ましい実施形態において、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
動物用の少なくとも1つの標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【0075】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
動物用の少なくとも1つの標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0076】
標準飼料という用語は、特定の動物に対して通常給餌される飼料を示す。当業者は自身の知識に基づいて、特定の動物に対するそれぞれの標準飼料(単数または複数)を容易に選択および取得できる。好ましくは、標準飼料はトウモロコシおよび/または大豆を含む。より好ましくは、標準飼料はトウモロコシ、大豆、またはトウモロコシおよび大豆の混合物である。本請求発明において、「標準飼料は病原体を含まない」とは、その標準飼料がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないこととして定義され、より好ましくは「病原体を含まない標準飼料」は、その標準飼料がサルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFであることとして定義される。
【0077】
別の好ましい実施形態において、飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
動物用の標準飼料とを含み、動物は若いヒヨコ、子ブタ、子ヒツジ、子ウシ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【0078】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0079】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【0080】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0081】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて0.05wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、動物用の標準飼料は99wt.%~99.95wt.%の範囲の量で存在する。
【0082】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーであり、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて0.05wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、動物用の標準飼料は99wt.%~99.95wt.%の範囲の量で存在する。
【0083】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて0.02wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は0.05wt.%~2.0wt.%の範囲の量で存在し、動物用の標準飼料は97wt.%~99.93wt.%の範囲の量で存在する。
【0084】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーであり、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて0.02wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は0.05wt.%~2.0wt.%の範囲の量で存在し、動物用の標準飼料は97wt.%~99.93wt.%の範囲の量で存在する。
【0085】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、この飼料組成物はさらに、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて0.02wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は0.05wt.%~2.0wt.%の範囲の量で存在し、組成物中の虫餌は0.02wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、動物用の標準飼料は96wt.%~99.91wt.%の範囲の量で存在する。
【0086】
別の好ましい実施形態において、若いニワトリ用の飼料組成物は、
少なくとも1つの生きた虫と、
ミミズ堆肥と、
虫餌と、
若いニワトリ用の標準飼料とを含み、
この虫は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーであり、
組成物中の少なくとも1つの生きた虫は、組成物の合計乾燥重量に基づいて0.02wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、ミミズ堆肥は0.05wt.%~2.0wt.%の範囲の量で存在し、組成物中の虫餌は0.02wt.%~1.0wt.%の範囲の量で存在し、動物用の標準飼料は96wt.%~99.91wt.%の範囲の量で存在する。
【0087】
別の好ましい実施形態において、本明細書全体にわたる虫餌は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない。
【0088】
本請求発明の状況内で、虫餌はピート、麦わら、干し草、粉砕した穀類、および石灰石から選択されるが、それに限定されない。
【0089】
虫餌のサンプルがサルモネラ(salmonella)種を含まないとみなされるのは、虫餌の100gのサンプルのうちの25グラムをDIN EN ISO 6579-1、2017-07に従って分析して、分析サンプルからサルモネラ(salmonella)種が検出されないときである。
【0090】
虫餌のサンプルがカンピロバクター(campylobacter)種を含まないとみなされるのは、虫餌の100gのサンプルのうちの25グラムをDIN ISO 10272-1:2017-09に従って分析して、そのサンプルから検出されるカンピロバクター(campylobacter)種の総量が0CFU/gのときである。
【0091】
虫餌のサンプルがヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)を含まないとみなされるのは、虫餌の100gのサンプルのうちの25グラムをPCR 18Sによって分析して、分析サンプルからヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)が検出されないときである。サンプル調製および分析は当業者に公知である。
【0092】
別の実施形態において、本請求発明は動物に給餌するプロセスに向けられ、このプロセスは、上述の組成物のいずれかを1日当たり1mg~50mgの生きた虫/動物の体重gの範囲の量で動物に給餌することを含む。
【0093】
別の好ましい実施形態において、動物はヒヨコ、子ブタ、子ヒツジ、子ウシ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、より好ましくは、動物はヒヨコ、子ブタ、子ヒツジ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、さらにより好ましくは、動物はヒヨコ、子ブタ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、最も好ましくは、動物はヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、特に動物はヒヨコである。
【0094】
別の好ましい実施形態において、1日当たりの動物体重g当たりの飼料組成物は、ヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに2mg~10mgが与えられ/給餌され、より好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに2mg~8mgが与えられ/給餌され、最も好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに4mg~8mgが与えられ/給餌され、特に好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに5mg~7mgが与えられ/給餌される。
【0095】
別の好ましい実施形態において、1日当たりのヒヨコまたはアヒルのヒナまたはガチョウのヒナ当たりの飼料組成物は、ヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに200mg~300mgが与えられ/給餌され、より好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに200mg~280mgが与えられ/給餌され、最も好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに220mg~280mgが与えられ/給餌され、特に好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに220mg~260mgが与えられ/給餌される。
【0096】
別の好ましい実施形態において、子ブタには1日当たり子ブタ体重kg当たり1~10g、好ましくは2~8g、より好ましくは3~8g、最も好ましくは4~8g、および特に5~7gの飼料組成物が与えられる。
【0097】
別の好ましい実施形態において、子ヒツジには1日当たり子ヒツジ体重kg当たり1~10g、好ましくは2~8g、より好ましくは3~8g、最も好ましくは4~8g、および特に5~7gの飼料組成物が与えられる。
【0098】
別の好ましい実施形態において、子ウシには1日当たり子ウシ体重kg当たり1~10g、好ましくは2~8g、より好ましくは3~8g、最も好ましくは4~8g、および特に5~7gの飼料組成物が与えられる。
【0099】
別の好ましい実施形態において、動物または若いものは若い動物(単数または複数)とも呼ばれ、それは1~10日の範囲の年齢を有し、より好ましくは動物は1~9日の範囲の年齢を有し、最も好ましくは動物は1~8日の範囲の年齢を有し、特に動物は1~7日の範囲の年齢を有する。
【0100】
別の好ましい実施形態において、動物には1日1回組成物が与えられ/給餌される。
【0101】
別の実施形態において、本請求発明はミミズ堆肥を生産する方法に向けられ、この方法は、
a.病原体を含まない育種ストック由来の虫を飼育するステップと、
b.虫に病原体を含まない飼料を給餌するステップと、
c.病原体を含まない環境中で虫を保持/飼育するステップと、
d.ミミズ堆肥を収集するステップとを含み、
「病原体を含まない」とは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないことである。
【0102】
別の好ましい実施形態において、病原体を含まない育種ストックは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない親ストックとして定義される。
【0103】
別の好ましい実施形態において、病原体を含まない虫用の飼料は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない飼料として定義される。
【0104】
別の好ましい実施形態において、病原体を含まない環境は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まない、虫が飼育される環境として定義される。
【0105】
別の実施形態において、本請求発明は病原体を含まないミミズ堆肥に向けられ、ここで「病原体を含まない」ことは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないことである。
【0106】
サルモネラ(salmonella)種は、DIN EN ISO 6579-1;2017-07に従って定められる。
【0107】
カンピロバクター(campylobacter)種は、DIN EN ISO 10272-1、9月;2017に従って定められる。
【0108】
ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)は、リアルタイム(Real time)PCR 18Sに従って定められる。
【0109】
別の好ましい実施形態において、病原体を含まないミミズ堆肥は虫餌をさらに含む。
【0110】
別の好ましい実施形態において、ミミズ堆肥は、虫餌をミミズ堆肥の合計湿重量に基づいて1wt.%~50wt.%の範囲の量で含む。
【0111】
別の実施形態において、本請求発明は、液体ミミズ堆肥抽出物を調製するためのプロセスに向けられ、このプロセスは、
a.ミミズ堆肥に水を加えて混合物を得るステップと、
b.ステップa.で得られた混合物をある期間にわたって撹拌するステップと、
c.濾過して濾過物を収集するステップとを含む。
【0112】
別の好ましい実施形態において、プロセスのステップa.において、ミミズ堆肥は好ましくは袋の中に提供される。
【0113】
別の好ましい実施形態において、ステップa.における水対ミミズ堆肥の希釈の比率は3:1~200:1の範囲であり、より好ましくはステップa.における水対ミミズ堆肥の希釈の比率は3:1~100:1の範囲であり、さらにより好ましくはステップa.における水対ミミズ堆肥の希釈の比率は3:1~50:1の範囲であり、最も好ましくはステップa.における水対ミミズ堆肥の希釈の比率は3:1~25:1の範囲であり、特にステップa.における水対ミミズ堆肥の希釈の比率は3:1~10:1の範囲であり、ここで各場合は重量比である。
【0114】
別の好ましい実施形態において、ステップc.における濾過は40μm~3000μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて行われ、より好ましくはステップc.における濾過は40μm~1000μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて行われ、さらにより好ましくはステップc.における濾過は80μm~5000μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて行われ、最も好ましくはステップc.における濾過は100μm~300μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて行われ、特にステップc.における濾過は100μm~1500μmのメッシュサイズを有するふるいを用いて行われる。
【0115】
別の好ましい実施形態において、袋は好ましくは綿でできている。
【0116】
別の好ましい実施形態において、ミミズ堆肥は透水性の袋に充填される。
【0117】
別の好ましい実施形態において、袋に含まれるミミズ堆肥は2分から1時間の期間にわたって撹拌され、好ましくは袋に含まれるミミズ堆肥は2分~45分の期間にわたって撹拌され、より好ましくは袋に含まれるミミズ堆肥は5分~30分の期間にわたって撹拌され、さらにより好ましくは袋に含まれるミミズ堆肥は5分~15分の期間にわたって撹拌され、特にミミズ堆肥を含む袋は5分~10分の期間にわたって撹拌される。
【0118】
別の好ましい実施形態において、ステップc.は、ミミズ堆肥混合物を濾過してミミズ堆肥抽出物を含む濾過物を得るステップを含む。
【0119】
別の好ましい実施形態において、ステップc.は、ミミズ堆肥抽出物を得るために袋を取り除くことを含む。
【0120】
別の好ましい実施形態において、ステップa)における水は塩素を含まず、かつ5~20℃、より好ましくは5~15℃、最も好ましくは8~15℃、特に好ましくは10~12℃の範囲の温度を有する。水中の塩素含有量は、ISO 7393-2:2017に従って定められる。
【0121】
別の実施形態において、本請求発明は、上記で定義されたプロセスによって得られる液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。
【0122】
別の実施形態において、本請求発明は、少なくとも1つの動物に複合微生物叢を移すプロセスに向けられ、このプロセスは、液体ミミズ堆肥抽出物を少なくとも1つの動物に噴霧することを含む。
【0123】
別の好ましい実施形態において、動物はヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択される。
【0124】
別の実施形態において、本請求発明は、飲用水を介して動物に複合微生物叢を移すプロセスに向けられる。
【0125】
別の好ましい実施形態において、動物はヒヨコ、アヒルのヒナ、子ブタ、子ヒツジ、子ウシ、およびガチョウのヒナからなる群より選択される。
【0126】
別の好ましい実施形態において、液体ミミズ堆肥抽出物は、少なくとも1つの動物に噴霧される前に1.0:0.5~1.0:2.0の比率で水で希釈され、より好ましくは、液体ミミズ堆肥抽出物は、動物に噴霧される前に1.0:0.8~1.0:1.5の比率で水で希釈され、最も好ましくは、液体ミミズ堆肥抽出物は、少なくとも1つの動物に噴霧される前に1.0:1.0の比率で水で希釈される。
【0127】
別の好ましい実施形態において、少なくとも1つの動物に噴霧される液体の量は、動物当たり0.1~5mlであり、好ましくは少なくとも1つの動物に噴霧される液体の量は、動物当たり0.1~3mlであり、さらにより好ましくは少なくとも1つの動物に噴霧される液体の量は、動物当たり0.1~2mlであり、最も好ましくは少なくとも1つの動物に噴霧される液体の量は、動物当たり0.1~1.0mlであり、特に少なくとも1つの動物に噴霧される液体の量は、動物当たり0.2~0.4mlである。
【0128】
別の実施形態において、本請求発明は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられた複合微生物叢を有する若い動物を得るための、上述の飼料組成物に向けられる。この分析方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0129】
本請求発明の状況内で、イルムナ(ilumna)配列決定の前のDNA抽出は、PLoS ONE 13(8):e0202858.https://doi.org/10.1371/journal.pone.0202858に記載される方法に従って行われる。
【0130】
別の実施形態において、本請求発明は、増加した体重を有する動物を得るための、上述の飼料組成物に向けられる。
【0131】
別の実施形態において、本請求発明は、標準PCR検査を介して特徴付けられた複合微生物叢を有する動物を飼育するための、上述の特定病原体を含まないミミズ堆肥に向けられる。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0132】
別の実施形態において、本請求発明は、標準PCR検査を介して特徴付けられた複合微生物叢を有する動物を得るための、上述の液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0133】
別の実施形態において、本請求発明は、標準PCR検査を介して糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を得るための、上述の液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0134】
別の実施形態において、本請求発明は、標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を飼育するための、特定病原体を含まないミミズ堆肥に向けられる。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0135】
別の実施形態において、本請求発明は、標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を得るための液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0136】
別の好ましい実施形態において、「より高い」という用語は、各々の場合に本発明の組成物を給餌されていない動物と比較して、アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの細菌のうちの任意の1つ、または任意の2つ、またはそれらすべてのカウントが、少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは40%、さらにより好ましくは80%、最も好ましくは100%、特に100%増加することを意味する。このカウントを測定するために、糞便からサンプルを収集した。
【0137】
別の実施形態において、本請求発明は、病原体を含まない動物を得るための、上述の液体ミミズ堆肥抽出物に向けられ、
この病原体は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択され、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーである。
【0138】
別の実施形態において、本請求発明は、動物の足の病変の数または強度を低減させるための、上述の飼料組成物、または上述の特定病原体を含まないミミズ堆肥、または上述の液体ミミズ堆肥抽出物に向けられる。
【0139】
以下に本開示をさらに例示するための実施形態のリストが提供されており、本開示を以下に挙げられた特定の実施形態に限定することは意図されていない。
【0140】
1.飼料組成物であって、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
この虫が、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または非特許文献1によるSPFフリーであるもの。
【0141】
2.実施形態1による飼料組成物であって、組成物が、3.5cm~8cmの範囲の平均長と、2cmの最小長および12cmの最大長とを有する少なくとも2つの生きた虫を含むもの。
【0142】
3.実施形態1~2のいずれか1つによる飼料組成物であって、組成物中の少なくとも1つの生きた虫が、組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは45~55wt.%の範囲、特に50wt.%の量で存在するもの。
【0143】
4.実施形態1~3のいずれか1つによる飼料組成物であって、組成物がミミズ堆肥をさらに含むもの。
【0144】
5.実施形態4による組成物であって、ミミズ堆肥が、組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは45~55wt.%の範囲、特に50wt.%の量で存在するもの。
【0145】
6.飼料組成物であって、
a.組成物の合計乾燥重量に基づいて0.05wt.%~2.0wt.%の範囲の量のミミズ堆肥と、
b.組成物の合計乾燥重量に基づいて0.02’wt.%~1.0’wt.%の範囲の量の虫とを含むもの。
【0146】
7.非治療的使用のための動物に給餌するためのプロセスであって、
実施形態1~6による組成物を、1日当たり2mg~50mgの生きた虫/動物の体重gの範囲の量で動物に給餌することを含むもの。
【0147】
8.実施形態7によるプロセスであって、動物がヒヨコ、子ブタ、子ヒツジ、子ウシ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、好ましくはヒヨコであるもの。
【0148】
9.実施形態8によるプロセスであって、ヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに、1日当たり動物の体重g当たり200mg~300mg、好ましくは200~250mgの飼料組成物が与えられるもの。
【0149】
10.実施形態8によるプロセスであって、子ブタに、1日当たり動物の体重kg当たり1~6g、好ましくは2~5gの飼料組成物が与えられるもの。
【0150】
11.実施形態8によるプロセスであって、子ヒツジに、1日当たり動物の体重kg当たり1~6g、好ましくは2~5gの飼料組成物が与えられるもの。
【0151】
12.実施形態8によるプロセスであって、子ウシに、1日当たり動物の体重kg当たり1~10g、好ましくは2~8gの飼料組成物が与えられるもの。
【0152】
13.実施形態7~13のいずれか1つによるプロセスであって、動物が1~500日の範囲の年齢を有し、より好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、ガチョウのヒナが1~10日の範囲の年齢を有し、最も好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、ガチョウのヒナが1~7日の範囲の年齢を有するもの。
【0153】
14.実施形態7~13のいずれか1つによるプロセスであって、動物に1日1回組成物が給餌されるもの。
【0154】
15.ミミズ堆肥を生産する方法であって、
a.病原体を含まない育種ストック由来の虫を飼育するステップと、
b.虫に病原体を含まない飼料を給餌するステップと、
c.病原体を含まない環境中で虫を保持/飼育するステップと、
d.ミミズ堆肥を収集するステップとを含み、
「病原体を含まない」とは、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないことであるもの。
【0155】
16.実施形態15によって得られる、病原体を含まないミミズ堆肥。
【0156】
17.液体ミミズ堆肥抽出物を調製するためのプロセスであって、
a.実施形態16によって得られるミミズ堆肥に水を加えて混合物を得るステップと、
b.ステップa.で得られた混合物を1分~1時間の期間にわたって撹拌するステップと、
c.濾過して濾過物を収集するステップとを含むもの。
【0157】
18.実施形態17によるプロセスであって、水が塩素を含まず、かつ5~20℃、好ましくは11~12℃の範囲の温度を有するもの。
【0158】
19.実施形態17~18のいずれか1つによって得られる液体ミミズ堆肥抽出物。
【0159】
20.動物に複合微生物叢を移すプロセスであって、
動物、好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに実施形態19による液体ミミズ堆肥抽出物を噴霧するか、
または飲用水を介して動物に送達することを含むもの。
【0160】
21.実施形態20によるプロセスであって、実施形態19による液体ミミズ堆肥抽出物が動物に噴霧される前に、任意選択で1.0:0.5~1.0:2.0の比率で水で希釈されるもの。
【0161】
22.実施形態20によるプロセスであって、動物に噴霧される液体の量が動物当たり0.1mL~5mLであるもの。
【0162】
23.標準PCR検査を介して糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する若い動物を得るための、実施形態1~6のいずれか1つによる飼料組成物。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0163】
24.増加した体重を有する動物を得るための、実施形態1~6のいずれか1つによる飼料組成物。
【0164】
25.標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を飼育するための、実施形態16による特定病原体を含まないミミズ堆肥。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0165】
26.標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を得るための、実施形態19による液体ミミズ堆肥抽出物。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。
【0166】
27.病原体を含まない動物を得るための、実施形態19による液体ミミズ堆肥抽出物であって、
病原体は、サルモネラ(salmonella)種、カンピロバクター(campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される。
【0167】
28.動物の足(足底皮膚炎)の病変の数または強度を低減させるための、実施形態1~6のいずれか1つによる飼料組成物、または実施形態16による特定病原体を含まないミミズ堆肥、または実施形態19による液体ミミズ堆肥抽出物。
【0168】
29.動物の足の病変の数または強度を低減させるための、実施形態1~6のいずれか1つによる飼料組成物、または実施形態16による特定病原体を含まないミミズ堆肥、または実施形態19による液体ミミズ堆肥抽出物。
【0169】
本請求発明について、その特定の実施形態によって説明したが、当業者には特定の修正および均等物が明らかとなり、それらは本請求発明の範囲に含まれることが意図される。
【実施例
【0170】
動物および実験設計
オスのブロイラー鳥(Cobb-500)を給餌試験に用いて、各々240の鳥による2つの同一の実行(R:runs)を行った(N=480)。鳥は商業用の孵化場(コブ・ジャーマニー・アビメクス社(Cobb Germany Avimex GmbH)、ブリューテライ・ビーゼンエナ(Brueterei Wiesenena)、ビーデマール(Wiedemar)、ドイツ(Germany))より購入した。ヒヨコは孵化場での孵化後に、感染性気管支炎およびニューカッスル病に対するワクチン接種を受けた。実行ごとに、誕生の第1日(d:day)から開始して、鳥にはトウモロコシ-大豆ミールベースの対照食餌(CON+、n=120)か、またはCON+に1%(乾燥物質(dry matter)、DM)のミミズを補充したもの(CON+EW;n=60)もしくはミミズ堆肥を補充したもの(CON+VC;n=60)のいずれかを、8d(期間(Period)1;P1)にわたって給餌した。d8に、各グループの半分の鳥を消化管内容物および腸管サイズ測定のためにサンプリングした。CON+食餌の残り半分の鳥(グループ当たりn=30)には、さらに8d(P2)にわたって同じ食餌を続けさせるか、またはCON+のトウモロコシの約50%をコムギ、オオムギ、およびライムギに置き換えてより高い非デンプン多糖類(NSP:non-starch polysaccharides)を有する負荷試験食とした別の食餌(すなわち、負の対照食餌、CON-)を与えた。P1においてEWおよびVCを消費する鳥には、P2においてCON-食餌(すなわち、それぞれCON-EWおよびCON-VC)を給餌した。d16に、残りの鳥を屠殺した。d8に飼料を変更したため、それぞれのグループの鳥は両方の食餌を消費した(すなわち、P2の食餌は最初にd8の正午頃に提供された。d8の朝は、すべての鳥にP1で提供されるそれぞれの食餌が与えられた)。時間に関する実験設計および給餌グループを、以下の表1および2にまとめている。
【0171】
【表1】
【0172】
【表2】
【0173】
予定表に関して異なる部屋の囲いに提供された実験食餌に対する鳥の割り当て。各実行において、各食餌に対する鳥を異なる部屋および囲いに割り当てた。すなわち、上に提示された割り当ては1つの実行のみを反映するものである。各囲いの鳥の数は、P1でn=10、P2でn=5であった。
【0174】
部屋に提供された気候条件(光、相対湿度)は、商業的に飼育されるブロイラーに対する推奨に従った。気候条件を自動システムで制御することによって、部屋内および部屋間の囲いの間の均一な温度、光、および通気条件を確実にした。寝床の材料として木くずを用い、各囲いの地面に等しい量(すなわち、1600g/囲い)を置いた。d8およびd16に寝床の水分含量を決定した。
【0175】
実験食餌の栄養およびエネルギー含有量
食餌の組成および算出された概算栄養含有量が表3に与えられている。4つの食餌すべてが、類似のエネルギー(約12.4MJ/kg)およびタンパク質(220g CP/kg)含有量を有した。飼料は会社リサーチ・ダイエット・サービシズ(Research Diet Services)BV、ウェイク・バイ・ドゥールステーデ(Wijk bij Duurstede)、オランダ(The Netherlands)により製造された。食餌にはNSP分解酵素を加えなかった。食餌はFBNにおいて、クーラ(Kuhla)ら、2010に記載されるとおりに、蛍光検出器を備えたHPLC(シリーズ1200;アジレント・テクノロジー(Agilent Technologies)、バルトブロン(Waldbronn)、ドイツ)によって、酸加水分解後にそのアミノ酸(AA:amino acid)組成が分析された。Biochrom 20;ファルマシアLKBバイオクロム社(Pharmacia LKB Biochrom Ltd.)、ケンブリッジ(Cambridge)、英国(U.K.)を用いた液体イオン交換クロマトグラフィーによって、食餌中のAA含有量を定量的に決定した。酸加水分解物は、ヘニッグ(Hennig)ら(2004)に従って調製された。分析された食餌のAA組成と、ミミズのAA組成とが表4に与えられている。
【0176】
【表3-1】
【表3-2】
【0177】
【表4】
【0178】
測定
鳥は到着日にすべて一緒に重量測定して、平均初期体重を定めた。囲いベースの飼料摂取と、個々の体重の発達とを、それぞれ1日および1週間の間隔で測定した。各期間の終わりに、囲いベースの平均体重(BW:body weight)、1日当たりの体重増加(ADG)、飼料摂取(FI:feed intake)、DM摂取(DMI:DM intake)、および飼料転換率(feed conversion ratio)(FCR、すなわち、飼料:増加の比率)を算出した。P2の最後の6日間に、すべての鳥について、排泄腔に付着した粘着性の糞便(SF:sticky faeces)の存在を毎日評価し、これは糞便の粘度に対する食餌NSPの影響を示すものである。基礎測定のためのd1におけるサンプリング(すなわち、消化管内容物および血漿のためのサンプリング)のために、第1の実験実行において合計10の追加の鳥(n=240+10)の剖検も行った。死亡率を毎日記録した。
【0179】
8日目および16日目(すなわち、それぞれP1およびP2の終わり)に、ランダムに選択した動物(グループ当たりn=15の鳥の回腸および盲腸由来の組織および消化管内容物をサンプリングした。結腸サンプル(ほとんどの場合>200mg)を収集した。消化管内容物のサンプリングを行った鳥について、小腸および盲腸の全重量も測定した。小腸については、空腸および回腸の重量のみを共に記録したが、十二指腸は屠殺の際の時間的理由によって膵臓の正確な分離ができなかったために除外した。小腸のメッケル憩室に付着した残存卵黄嚢は、取り除かずに空腸および回腸と共に重量測定した。盲腸を回腸および結腸との接合点から切断し、盲腸対の全重量を集合的に定めた。回腸および盲腸由来の組織サンプルも収集し、RNAまたはホルマリン中で保存した。すべての鳥から屠殺血液を収集し、血漿を分離して、後に使用するために-20℃にて保存した。
【0180】
グループ3に給餌されるミミズの調製。前日の飼料消費に基づいて、次の日に与える虫の量を決定した。この目的のために、グループ3の1日当たりのDM摂取(6つの囲いの平均)を算出した(I)。前日のDM摂取の1%としてミミズを与えた。
【0181】
虫はDMに基づいて、前日のDMIの1%として与えられた。前日のDMI=(飼料摂取×0.9)+(新鮮な虫摂取×0.15)。係数(0.9および0.15)は、それぞれ飼料および虫のDMに対する概算補正因子である。
【0182】
実験に用いたミミズは欧州の大ミミズ(European nightcrawler)、すなわちデンドロバエナ・ベネタ(Dendrobaena veneta)(アイゼニア・ホルテンシス(Eisenia hortensis)と呼ばれることもある)に属する。よって、鳥に提供される(新鮮な物体として与えられる)虫の量は、それぞれ前日の合計DMIの約6.7%に相当する。グループ3の6つの囲いのすべてに同量のミミズを与えた。(ミミズを飼育する会社、すなわち「マーチン・ラングホフ(Martin Langhoff)SUPERWURM e.K.」から提供された)飼育土壌材料から生きたミミズを分離し、重量測定し、ハサミを用いていくつかに切断し、飼料プレート(直径約30cm)上で鳥に提供した。小さいサイズの虫を研究に用いた。研究に用いたミミズ全体の平均重量は、虫当たり157mgであった(SD=47;n=36測定、13~37の虫のランダムに選択されたバッチに対するもの)。グループ3の鳥が虫を消費するために費やした概算時間(n=6の囲い)を評価した。この目的のために、虫を提供するときに時間を記録した。その後、虫を提供した囲いを頻繁に観察し(プレートに残された虫の量に依存して約2~10分おき)、次いですべての虫を消費するための概算時間を決定した。
【0183】
統計分析
SAS(V9.4)のGLM手順を用いた分散の分析によって、データを分析した。各期間のデータを別々に分析した。成長(例、囲い中の平均鳥体重、囲い中の鳥の平均ADG)、飼料摂取、および寝床水分のパラメータに対する実験単位は囲いであった。同様に、SFを有する動物のパーセンテージおよび虫の消費に費やした時間は、囲いのデータに基づいて算出された。腸管サイズ測定については、鳥個別の測定が使用された(すなわち、レプリケートは鳥であった)。すべての囲いベースのデータについて、2つの実行全体にわたるレプリケートの合計数はN=48であった。期間1におけるCON+食餌(n=12)を除いて、各実行における両方の期間1および2のそれぞれにおける食餌当たりの囲いの数はn=6であった。
【0184】
囲いベースの変数に対する統計モデルは、食餌、実行、食餌×実行の固定効果と、部屋および残余ランダム誤差のブロック効果とを含んだ。鳥個別のデータに対して、統計モデルは囲いのブロック効果を付加的に含んだ。虫の消費に費やした時間に対して、統計モデルは日および部屋の効果のみを含んだ。完全なデータは第2の実行からしか入手できなかったため、このモデルには実行の効果は含めなかった。同様に、表2に示されるとおり、2つの部屋において1つの囲いにしか虫が与えられなかったため、このモデルには日×部屋の相互作用は含めなかった。
【0185】
テューキー(Tukey)検定を用いて、最小2乗平均(LSMEANs:Least square means)を分離した。グループの差はP<0.05にて有意とみなされ、P<0.10にて異なる傾向があるとみなされた。データはLSEMANSおよびそのSEとして提示される。簡潔な提示のために、LSMEANSの最も慎重なSE(すなわち最大のもの)のみが提示される。第2の期間におけるすべてのグループに対するレプリケートの数nは同じ(n=6)であったため、この期間に対するLSMEANSのSEは同一であった。
【0186】
死亡率
すべてのグループ、期間、および実験の実行にわたる全体的な死亡率は約1.1%であった。2つの実行にわたる食餌および期間当たりの全体的な平均死亡率を、表5にまとめている。
【0187】
【表5】
【0188】
表5から、本発明の飼料組成物またはミミズ堆肥飼料組成物によって死亡率が低減したことが明らかである。
【0189】
鳥の成長、飼料摂取、および飼料転換効率
処理効果の結果として、P1において異なる食餌を消費する鳥のADG、WG、およびBWに有意差がもたらされた(P<0.05;表4)。CON+食餌と比較して、CON+VCは飼料摂取の増加(P<0.05;表5)を通じてP1におけるADG、WG、およびBWを改善し(P<0.05)、FCRには影響しなかった(P>0.05)。CON+EWはP1における成長および飼料摂取に関してCON+と差がなかった(P>0.05)が、CON+VCはP1においてCON+EWよりも高い成長および飼料摂取をもたらす傾向があった(P<0.10)。グループ3による虫摂取の寄与を除外すると、DMIはCON+またはCON+EWよりもCON+VCにおいて高い傾向があった(P=0.099)。しかし、飼料および虫摂取による全体的なDMIは、P1における3つの食餌の間で有意な差がなかった(P=0.121、表5)。
【0190】
P2において、CON-はCON+と比べて成長またはDMIに影響しなかった(P>0.05)が、CON-の鳥はCON+食餌の鳥よりも約6%多い量の飼料を消費した。同じ期間(P2)において、CON-VC給餌鳥は、数値的に(P=0.106)より大量の飼料(約+7%)を消費し、より高いADGを有する傾向があり(P=0.084)、かつCON+を給餌された鳥よりもなおも重かった(P<0.05)(表4および5)。CON-EWの鳥は、成長、飼料転換効率、および飼料摂取パラメータに関してCON-またはCON-VC食餌のものと差がなかった(P>0.05)。
【0191】
【表6】
【0192】
【表7-1】
【表7-2】
【0193】
小腸(SI:Small intestine)および盲腸の重量
ミミズの消費は、P1における空腸(jejunum)+回腸(ileum)+残存卵黄嚢(residual egg yolk sac)(すなわちJI-ResEYS)のBWに対する比率の割合を増加させる傾向があり(P=0.081)、JI-ResEYSの重量には何ら有意な影響がなかった(P=0.491)(表6)。CON+と比較して、P1におけるCON+VCによる盲腸の重量は増加する傾向があり(P=0.054)、次いでその傾向はP2において消えた(P>0.05)。これとは対照的に、P1におけるミミズを消費する鳥(すなわちCON+EW)の盲腸の重量はCON+給餌鳥と差がなく、一方でP2においてEWはCON-食餌との組み合わせで盲腸の重量を増加させた(P=0.031)。CON-は、P2において単独で給餌されたとき(すなわちCON-)またはミミズ堆肥を補充されたとき(すなわちCON-VC)にはJI-ResEYSまたは盲腸の重量に対して何ら有意な効果を誘導しなかった(P<0.05)。
【0194】
【表8-1】
【表8-2】
【0195】
寝床の水分および粘着性の糞便
寝床における水分含量および水分の蓄積を評価するパラメータは、いずれの期間においても実験食餌の間で差がなかった(P>0.05;表7)。寝床に蓄積した水分の割合は数値的にはCON+(6.2%-)において最低であり、CON-VC(8.0%)において最高であったが、差はP2の終わりまで有意ではなかった(P>0.05)。
【0196】
すべての食餌にわたるSFの全体的な平均頻度は、P1において無視できるもの(2.6%)であった(なお、SFはR2のすべての日に評価されたのに対し、R1では最後の6日間しか評価されなかったため、この点から提示される結果は両方の実行の最後の6日間を示す、すなわち図2を参照)。P2の終わりに、CON+の鳥の10%がSFを有した(図2)。CON+と比較して、CON-食餌(P<0.05)はSFの蔓延を増加させ(40.5%)、VCはこの影響を悪化させた(57.9%)のに対し、CON-EW(18.9%)はCON+と差がなかった(P>0.05)。CON-給餌と比較して、CON-EWはSFの蔓延を減少させる傾向があった(P=0.072)。SFの頻度に対する有意な実行の影響は観察されず(P=0.071)、SFの蔓延に対する処理および実行の影響の有意な相互作用はなかった(P=0.730;図2)。
【0197】
【表9】
【0198】
複合微生物叢を若いニワトリに若年期に移すことは、ニワトリの病原体に対する回復力をより高めるための手段である。ミミズ(デンドロベナ・ベネタ(Dendrobena veneta))を使用することによって、a)こうした複合微生物叢およびb)若いニワトリにとって魅力的な飼料が提供される。微生物叢の変化を確認するために、糞便サンプルを収集して標準PCR検査を介して特徴付けた。複合微生物叢は、16S細菌コミュニティ分析を介して特徴付けられる。この方法は、ニワトリの消化管内容物または糞便からのDNAの単離に続く、16S rRNA遺伝子増幅およびNGS配列決定を含む。図1は、肥育期の2~6日目にわたる虫-ミミズ堆肥混合物の給餌によって、小屋(stable)1の糞便中のいくつかの重要な(アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクテリウム・シュードロングム(Bifidobacterium pseudolongum))腸内在住菌が増加したことを示す。
【0199】
複合微生物叢を若いニワトリに移すことは、若年期にニワトリの病原体に対する回復力をより高めるための手段である。特定病原体を含まない虫は、a)こうした複合微生物叢およびb)若いニワトリにとって魅力的な飼料を提供できる。
【0200】
この試験において、SPF虫およびミミズ堆肥混合物の効果を評価した。ニワトリの動物福祉状態を評価するために、ドイツの食肉処理場においてパラメータが定期的にスクリーニングされる。これは、高速の処理ラインにおいても目的の結果を与えるカメラによって行われる。この方法は家畜衛生局(State Veterinary Service)に承認されている。2つの商業用ブロイラー鶏舎を各々ROSS308系統の16000の鳥によって開始した。小屋は完全に同等だった:同じ構造、同じ給餌および飲用水システム、同じ気候、同じ寝床、同じ飼料、同じ鳥の原産地(孵化場)。
【0201】
小屋2には、次の量(g量)のミミズ(デンドロベナ・ベネタ(Dendrobena Veneta))およびミミズ堆肥(1/1重量)の混合物を与えた。
1日目:鳥当たり2gの混合物
2~3日目:鳥当たり0gの混合物
4日目~18日目:鳥当たり0.4gの混合物
32日後に両方の小屋から7000の鳥をランダムに選択して屠殺し、食肉処理場内でカメラによってそれらの足底皮膚炎(PD:pododermatits)のレベルに従って分類した。4クラスの足底皮膚炎(PD)すべてが評価され、表6に示される。
【0202】
【表10】
【0203】
上の表から、SPFミミズおよびミミズ堆肥の混合物を給餌されたニワトリは、ニワトリの足底皮膚炎の発生を顕著に低減させたことが明らかである。
【0204】
この実験においては、2つの商業用ブロイラー鶏舎を各々ROSS308系統の16,000の鳥によって開始した。小屋は完全に同等だった:同じ構造、同じ給餌および飲用水システム、同じ気候、同じ寝床、同じ飼料、同じ鳥の原産地(孵化場)。小屋1には、次の量および日程にてミミズ(デンドロベナ・ベネタ(Dendrobena Veneta))およびミミズ堆肥(1/1重量)の混合物を与えた。
【0205】
【表11】
【0206】
40日目に鳥を屠殺し、各小屋からランダムに選択した鳥から10の脛骨を調製した。表8に示されるさまざまな特性について、脛骨を検査した。
【0207】
【表12】
【0208】
表8はさまざまな尺度を示し、そのうちの係数および灰分パーセンテージは、虫を給餌された鳥の脛骨の改善の傾向に向けられており、他方と比べてより活発な挙動によるより良好な骨強度を示すものである。
【0209】
別の実験において、若いニワトリに対する複合微生物叢を若いニワトリに移した。これは、若年期に若いニワトリの病原体に対する回復力をより高めることを意味する。小屋2にミミズ(デンドロベナ・ベネタ(Dendrobena veneta))を給餌することによって、a)こうした複合微生物叢およびb)若いニワトリにとって魅力的な飼料を提供する。2つの商業用ブロイラー鶏舎を各々ROSS308系統の16,000の鳥によって開始した。小屋は完全に同等だった:同じ構造、同じ給餌および飲用水システム、同じ気候、同じ寝床、同じ飼料、同じ鳥の原産地(孵化場)。小屋2(表9)には、次の量および日程にてミミズ(デンドロベナ・ベネタ(Dendrobena Veneta))およびミミズ堆肥(1/1重量)の混合物を与えた。
【0210】
【表13】
【0211】
対照の小屋のニワトリは不特定の感染症に罹患し、肥育19日目から抗生物質で処置されたのに対し、虫を給餌された小屋(小屋2)は感染症の兆候を示さず、処置を受けなかった。
【0212】
【表14】
【0213】
表10より、肥育期の3週間目に虫を与えられたニワトリは感染症に罹患しなかったことが明らかである。このことは、小屋および食肉処理場における損失の低減によって表される。
【0214】
小屋1における10,000の鳥および対照の小屋2における8,000の鳥によって開始した。ニワトリの系統はホバード(Hobbard)低成長品種であった。小屋は完全に同等だった:同じ構造、同じ給餌および飲用水システム、同じ気候、同じ寝床、同じ飼料、同じ鳥の原産地(孵化場)。小屋1には、次の量(虫のg量)のミミズ(デンドロベナ・ベネタ(Dendrobena Veneta))およびミミズ堆肥(1/1重量)の混合物を与えた。
【0215】
【表15】
【0216】
20日後に、ブートソックスによって小屋を通る同一の通路を歩くことによって、サンプルを取った。このソックスを、囲いの床のメタゲノミクスのイルミナ(Ilumina)配列決定のために送った。図2は、肥育期の2~6日目にわたる虫-ミミズ堆肥混合物の給餌によって、小屋1の糞便中のいくつかの重要な(アッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクテリウム・シュードロングム(Bifidobacterium pseudolongum))腸内在住菌が増加したことを示す。同時に、虫-ミミズ堆肥混合物の給餌によって、たとえばブラウティア(Blautia)、クロストリジウム・ピリフォルミス(Clostridium piliformis)、およびシトロバクター(Citrobacter)などの望ましくない細菌が有意に低減する。
【0217】
冷水ミミズ堆肥抽出物の調製
20gのミミズ堆肥を量り取り、80mLの蒸留水に加えて攪拌した。清潔なチーズクロスを用いてミミズ堆肥を濾過除去し、溶液を収集した。濾過物に合計2gのハッチ(Hatch)ゲルを加えた。こうして得られた溶液をニワトリ当たり0.25mLの体積で噴霧した。噴霧後、ニワトリの木箱を十分明るい環境に15分間置いて、羽づくろいを促進した。
【0218】
D0、D14、D28、D35、およびD42に体重(BW)を個別に測定して記録する。体重は以下の公式を用いて算出される。
D0、D14、D28、D35、およびD42について、グループ当たりの平均体重(BW)を算出する。研究を完了した鳥に対して、次の公式を用いて鳥レベルのDWGを算出する。
【0219】
【数3】
【0220】
囲いレベルのDWGは、以下の公式を用いて算出される。
【0221】
【数4】
【0222】
鳥日の合計数は、各個別の鳥が研究に参加した期間の合計である。たとえば、4の鳥が8日の研究期間を完了し、1の鳥が割り当ての1日後に死亡したとき、鳥日の合計数は4*8+1*1=33に等しい。
【0223】
囲い当たりの合計飼料重量が測定される。D0、D14、D28、およびD35に、鳥に与えられた飼料(feed)が測定され(FEED IN)、FOR-TEST-012(飼料重量)に記録される。任意の他の日に囲いの飼料がなくなって追加の飼料を提供する必要があったときは、追加した飼料も重量測定して「FEED IN」として記録する。D14、D28、D35、およびD42に、残った飼料の重量が測定され(FEED OUT)、FOR-TEST-012(飼料重量)に記される。1日当たりの飼料摂取は、以下の公式を用いて囲いごとに算出される。
【0224】
【数5】
【0225】
飼料転換率(FCR)は、以下の公式を用いて上述の研究期間の各々に対して囲いレベルで算出される。
【0226】
【数6】
【0227】
【表16】
【0228】
プロセスの終わりの鶏肉の品質に対するミミズ給餌の影響を評価した。評価のアプローチは、10人のパネリストおよび6日の期間にわたる2回の測定を含んだ。この方法は記述的分析(QDAタイプ)を含み、強度が10点非構造ラインスケール、評価精度0.1によって評価された。2回のトレーニングセッションおよび1回の測定セッションがあり、セッションごとの産物の順序は分からないようにした。結果の統計分析は、分散の単変量解析(Univariate Analysis of Variance)および事後LSD(Post Hoc LSD);有意水準p≦0.05に基づいた。記述的分析(QDAタイプ)は、パネルによって展開された、特定的に検討されて一般的に理解された属性のリストを用いることによって、すべての感覚次元を包含する各産物の完全なプロファイルを伝えるものである。各属性の強度を評価するために10cmのラインスケールが用いられる。トレーニングのために好適な参照が用いられ、それはここでは産物セットのサンプルである。パネルは属性による特定の強度に較正されず、図7に示されるとおりのランキング(BはAよりも高い)が用いられる。産物当たり2回の評価が行われた。ニワトリの系統はロス(Ross)308であり、小屋1にはミミズを給餌し、小屋2にはミミズを給餌しなかった。大腿部を評価に用いた。表13に示されるとおり、全体として28の属性が適用可能であり、28の属性が産物を区別するものである。
【0229】
【表17】
【0230】
比較すると、図6から(form)、ミミズを給餌されたニワトリの肉の品質の方がより高い全体的強度および全体的後味を有したことが明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-06-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飼料組成物であって、
少なくとも1つの生きた虫を含み、
前記虫が、サルモネラ(almonella)種、カンピロバクター(ampylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(istomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まず、かつ/または欧州薬局方(Ph.Eur.)9,Ausgabe、Grundwerk 2017,9.0/5.02.02.00によるSPFフリーである、飼料組成物。
【請求項2】
前記組成物が、3.5cm~8cmの範囲の平均長と、2cmの最小長および12cmの最大長とを有する少なくとも2つの生きた虫を含む、請求項1に記載の飼料組成物。
【請求項3】
前記組成物中の前記少なくとも1つの生きた虫が、前記組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは45~55wt.%の範囲、特に50wt.%の量で存在する、請求項1~2のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項4】
前記組成物がミミズ堆肥をさらに含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項5】
前記ミミズ堆肥が、前記組成物の合計湿重量に基づいて40wt.%~60wt.%、好ましくは45~55wt.%の範囲、特に50wt.%の量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
飼料組成物であって、
サルモネラ(Salmonella)種、カンピロバクター(Campylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(Histomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないミミズ堆肥をさらに含む、請求項1に記載の飼料組成物。
【請求項7】
非治療的使用のための動物に給餌するためのプロセスであって、
請求項1~6に記載の組成物を、1日当たり2mg~50mgの生きた虫/前記動物の体重gの範囲の量で前記動物に給餌することを含む、プロセス。
【請求項8】
前記動物がヒヨコ、子ブタ、子ヒツジ、子ウシ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナからなる群より選択され、好ましくはヒヨコである、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記ヒヨコ、前記アヒルのヒナ、および前記ガチョウのヒナに、1日当たり動物の体重g当たり200mg~300mg、好ましくは200~250mgの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項10】
前記子ブタに、1日当たり動物の体重kg当たり1~6g、好ましくは2~5gの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項11】
前記子ヒツジに、1日当たり動物の体重kg当たり1~6g、好ましくは2~5gの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項12】
前記子ウシに、1日当たり動物の体重kg当たり1~10g、好ましくは2~8gの飼料組成物が与えられる、請求項8に記載のプロセス。
【請求項13】
前記動物が1~500日の範囲の年齢を有し、より好ましくは前記ヒヨコ、アヒルのヒナ、ガチョウのヒナが1~10日の範囲の年齢を有し、最も好ましくは前記ヒヨコ、アヒルのヒナ、ガチョウのヒナが1~7日の範囲の年齢を有する、請求項7~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記動物に1日1回前記組成物が給餌される、請求項7~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
ミミズ堆肥を生産する方法であって、
a.病原体を含まない育種ストック由来の虫を飼育するステップと、
b.前記虫に病原体を含まない飼料を給餌するステップと、
c.病原体を含まない環境中で前記虫を保持/飼育するステップと、
d.前記ミミズ堆肥を収集するステップとを含み、
「病原体を含まない」とは、サルモネラ(almonella)種、カンピロバクター(ampylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(istomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される病原体を含まないことである、方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法によって得られる、病原体を含まないミミズ堆肥。
【請求項17】
液体ミミズ堆肥抽出物を調製するためのプロセスであって、
a.請求項15に記載の方法によって得られるミミズ堆肥に水を加えて混合物を得るステップと、
b.ステップa.で得られた前記混合物を1分~1時間の期間にわたって撹拌するステップと、
c.濾過して濾過物を収集するステップとを含む、プロセス。
【請求項18】
前記水が塩素を含まず、かつ5~20℃、好ましくは11~12℃の範囲の温度を有する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
請求項17~18のいずれか一項に記載の方法によって得られる液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項20】
動物に複合微生物叢を移すプロセスであって、
前記動物、好ましくはヒヨコ、アヒルのヒナ、およびガチョウのヒナに請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物を噴霧するか、
または飲用水を介して前記動物に送達することを含む、プロセス。
【請求項21】
請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物が前記動物に噴霧される前に、1.0:0.5~1.0:2.0の比率で水で希釈される、請求項20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記動物に噴霧される液体の量が動物当たり0.1mL~5mLである、請求項20に記載のプロセス。
【請求項23】
標準PCR検査を介して糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する若い動物を得るための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項24】
増加した体重を有する動物を得るための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物。
【請求項25】
標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を飼育するための、請求項16に記載の特定病原体を含まないミミズ堆肥。
【請求項26】
標準PCR検査を介して特徴付けられた、糞便中にアッカーマンシア・ムシニフィラ(Akkermansia muciniphilia)、ラクトバチルス・コレオホミニス(Lactobacillus coleohominis)、およびビフィドバクター・シュードロンゴ(Bifidobacter pseudolongo)などの腸細菌のより高いカウントを有する動物を得るための、請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項27】
病原体を含まない動物を得るための前記液体ミミズ堆肥抽出物であって、
前記病原体は、サルモネラ(almonella)種、カンピロバクター(ampylobacter)種、ヒストモナス・メレアグリディス(istomonas meleagridis)、および前述のうちの2つ以上の任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項28】
動物の足(足底皮膚炎)の病変の数または強度を低減させるための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物、または請求項16に記載の特定病原体を含まないミミズ堆肥、または請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【請求項29】
動物の足の病変の数または強度を低減させるための、請求項1~6のいずれか一項に記載の飼料組成物、または請求項16に記載の特定病原体を含まないミミズ堆肥、または請求項19に記載の液体ミミズ堆肥抽出物。
【国際調査報告】