(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電極組立体の製造装置および製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532837
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 KR2022010006
(87)【国際公開番号】W WO2023282719
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090590
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090591
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨーン、セ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】クォン、チュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ベオムス
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハクソー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、ヒェオン ウー
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ナム
(72)【発明者】
【氏名】パク、ドン ヒュク
【テーマコード(参考)】
5H028
【Fターム(参考)】
5H028AA05
5H028BB04
5H028BB05
5H028BB15
5H028BB19
5H028CC08
5H028CC15
5H028HH05
5H028HH08
5H028HH09
(57)【要約】
本発明は、スタックテーブル、分離膜供給部、第1電極供給部、第2電極供給部およびサイドシーリング部を含む電極組立体の製造装置に関する。スタックテーブルには、第1電極、第2電極、および第1電極と第2電極との間の分離膜が積層されている。分離膜供給部は、スタックテーブルに分離膜を供給するように構成される。前記第1電極供給部は、前記スタックテーブル上のセパレータの端面上に前記第1電極を積層するように構成される。前記第2電極供給部は、前記第1電極上の分離膜の他の端面上に第2電極を積層する。サイドシーリング部は、スタックの少なくとも一側面を加熱する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間の分離膜の端面を含む積層物を製造するための電極組立体の製造装置であって、
前記積層物を支持するスタックテーブル、
前記分離膜の一部を前記スタックテーブルに供給する分離膜供給部、
前記スタックテーブルに支持された前記分離膜上に前記第1電極を積層する第1電極供給部、
前記スタックテーブルによって支持された前記分離膜上に前記第2電極を積層するように構成された第2電極供給部、および
前記積層物の少なくとも一つの側面を加熱して前記分離膜の端面から分離された部分または前記積層物の側面を覆う別途の分離膜のいずれかを前記積層物の側面に接合させるサイドシーリング部
を含む電極組立体の製造装置。
【請求項2】
前記サイドシーリング部は、一対の加熱バーを含み、前記一対の加熱バーは、互いに向かい合う方向に移動され、前記積層物の側面を加圧する、請求項1に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項3】
前記積層物の積層方向と平行な方向に前記積層物を加圧するプレス部をさらに含む、請求項1に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項4】
前記プレス部は、前記積層物を圧縮しながら前記積層物を加熱する、請求項3に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項5】
前記サイドシーリング部は、前記プレス部の加圧方向と垂直な方向に前記積層物を加圧する、請求項3に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項6】
前記プレス部は、一対の加圧ブロックを含み、
前記一対の加圧ブロックは、前記積層物を加圧するために互いに向かい合う方向に移動される、請求項3に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項7】
前記一対の加圧ブロックは、それぞれ加圧面を含み、
前記加圧面は、前記積層物と対面する面と接触し、前記加圧面が前記積層物を圧縮する際、前記積層物と向かい合う面は平面で設けられる、請求項6に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項8】
前記プレス部は、一対の加圧ブロックを加熱するプレスヒータを含む、請求項6に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項9】
前記プレス部の一対のプレスブロックの各々は、平面を画定するプレス面を含み、前記加圧ブロックの加圧面は、積層物の幅および長さよりも長く設けられる、請求項6に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項10】
前記第1電極供給部は、前記スタックテーブルに前記第1電極が積層される前に、前記第1電極を安着させる第1電極安着テーブルおよび前記第1電極を仮固定し、前記第1電極安着テーブルに仮固定された状態で、前記第1電極を前記スタックテーブル上の工程中に前記スタックテーブルに移送させる第1移送ヘッドを含み、
前記第2電極供給部は、前記スタックテーブルに前記第2電極が積層される前に、前記第2電極を安着させる第2電極安着テーブルおよび前記第2電極を仮固定し、前記第2電極安着テーブルに仮固定された状態で、前記第2電極を前記スタックテーブル上の工程中に前記スタックテーブルに移送させる第2移送ヘッドを含む、請求項1に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項11】
前記第1移送ヘッドおよび前記第2移送ヘッドは、それぞれ前記第1電極および第2電極を仮固定するための真空装置を含む、請求項10に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項12】
前記スタックテーブルを回転させる回転部をさらに含み、
前記第1電極供給部は、前記回転部の一側に設けられ、前記第2電極供給部は、前記回転部の一側と反対の他側に設けられ、
前記回転部は、前記第1電極が積層されるとき、前記スタックテーブルを第1移送ヘッドと向かい合うように、前記スタックテーブルを前記第1移送ヘッドの側に回転させ、前記第2電極が積層されるとき、前記第2移送ヘッドと対向するように、前記スタックテーブルを前記第2移送ヘッドの側に回転させる、請求項10に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項13】
前記回転部は、前記スタックテーブルを前記第1電極供給部の方向と前記第2電極供給部の方向に交互に回転させる、請求項12に記載の電極組立体の製造装置。
【請求項14】
積層物を製造する電極組立体の製造方法であって、
第1電極、分離膜および第2電極を供給および積層して前記第1電極および第2電極の間に分離膜が配置された状態で、前記第1電極および第2電極の前記積層物を製造する段階、および
前記積層物の少なくとも一側面を加熱して前記第1電極と前記第2電極を前記分離膜と接合させる段階
を含む電極組立体の製造方法。
【請求項15】
前記第1電極と前記第2電極を前記分離膜と接合させる段階は、100℃~200℃の温度で10秒以下の時間で前記積層物の少なくとも1つの側面を加圧する、請求項14に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項16】
前記積層物が積層された方向に前記積層物を加熱および加圧する段階をさらに含む、請求項14に記載の電極組立体の製造方法。
【請求項17】
前記第1電極と前記第2電極を前記分離膜と接合させる段階は、前記積層物の少なくとも1つの側面を0.1~1.5MPaの圧力で圧縮する、請求項14に記載の電極組立体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090590号、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090591号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は、電極組立体の製造装置および製造方法に関する。具体的には、本発明は、電極組立体に含まれた分離膜のサイズを減少させ、電極組立体の電極密度を高めた電極組立体の製造装置および製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、一次電池とは異なり、再充電が可能であり、また小型および大容量化の可能性のため、近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれて、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、ポーチ型電池に分類される。二次電池において電池ケースの内部に取り付けられる電極組立体は、電極および分離膜の積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。
【0005】
電極組立体は、活物質が塗布されたシート型の陽極と陰極との間に分離膜を介在して巻き取ったゼリーロール(Jelly-roll)型、多数の陽極と陰極を分離膜が介在された状態で順次積層した積層物型、および積層物型の単位セルを、長い長さの分離フィルムで巻き取った積層物アンドフォールディング型に代替分類することができる。
【0006】
従来、積層物アンドフォールディング型電極組立体を製造する工程は、電極と分離膜を積層した積層物を加熱および加圧して電極と分離膜とを接着して電極組立体を製造した。このとき、電極組立体は、分離膜が折れて電極が外部に露出するという問題が発生していた。
【0007】
このような従来の電極組立体の問題点を解決するために、電極と分離膜を加熱して積層することにより、各層を積層しながら加圧して積層と同時に接着し、分離膜が電極と分離膜が積層された積層物の最外郭を包み込んで電極組立体を製造した。
【0008】
しかし、前記電極組立体は、積層物の最外郭を取り包んだ分離膜のため、電極組立体の側面に位置した分離膜と、電極組立体の側面に位置した分離膜と対面する位置の電極との間に空間が形成され、電極組立体の側面の分離膜にしわが含まれ、したがって、電極組立体のエネルギー密度が減少するという問題が発生した。
【0009】
したがって、分離膜の側部と電極組立体の側部との間に形成される空間に対する対策が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の電極組立体に対して広さが減少した電極組立体を製造するように構成されることのできる電極組立体の製造装置およびその製造方法を提供する。特に、第1電極、第2電極および第1電極と第2電極との間の分離膜が積層された積層物を加熱および加圧して電極組立体の幅を減少させることにより、従来の電極組立体に比べて電極組立体を収縮させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一実施態様は、第1電極、第2電極、および前記第1電極と前記第2電極との間の分離膜の端面を含む積層物を製造するための電極組立体の製造装置であって、積層物を支持するスタックテーブル;前記分離膜の一部を前記スタックテーブルに供給する分離膜供給部;前記スタックテーブルに支持された前記分離膜上に前記第1電極を積層する第1電極供給部;前記スタックテーブルによって支持された前記分離膜上に前記第2電極を積層するように構成された第2電極供給部および前記積層物の少なくとも1つの側面を加熱して、前記分離膜の端面から分離された部分または前記積層物の側面を覆う別途の分離膜のいずれかを積層物の側面に接合させるサイドシーリング部を含む、電極組立体の製造装置を提供する。
【0012】
本発明の一実施態様において、前記サイドシーリング部は一対の加熱バーを含み、前記一対の加熱バーは、互いに向かい合う方向に移動され、前記積層物の側面を押圧する、電極組立体の製造装置を提供する。
【0013】
本発明の一実施態様において、プレス部をさらに含む電極組立体の製造装置を提供する。本発明の一実施態様において、前記プレス部は、前記積層物を圧縮しながら前記積層物を加熱する、電極組立体の製造装置を提供する。本発明の一実施態様において、前記プレス部は、積層物を圧縮し、同時に加熱する電極組立体の製造装置を提供する。本発明の一実施態様において、前記プレス部は、前記積層物を圧縮する前に加熱してもよく、他の実施態様において、前記プレス部は、前記積層物の圧縮前および圧縮中に積層物を加熱する、電極組立体の製造装置を提供する。
【0014】
本発明の一実施態様において、前記サイドシーリング部は、前記プレス部の加圧方向と垂直な方向に前記積層物を加圧する、電極組立体の製造装置を提供する。
【0015】
本発明の一実施態様において、前記プレス部は、一対の加圧ブロックを含んでもよい。前記一対の加圧ブロックは互いに向かい合ってもよい。前記一対の加圧ブロックは、互いに向かい合う積層物の上面および下面を圧縮するために相互に向かって移動する、電極組立体の製造装置を提供する。
【0016】
本発明の一実施態様において、前記一対の加圧ブロックは、それぞれ加圧面を含み、前記加圧面は、前記積層物と対面する面と接触し、前記加圧面が前記積層物を圧縮するとき、前記積層物と向かい合う面は、平面で設けられる、電極組立体の製造装置を提供する。
【0017】
本発明の一実施態様において、前記プレス部は、一対の加圧ブロックを加熱するプレスヒータを含む、電極組立体の製造装置を提供する。
【0018】
本発明の一実施態様において、前記プレス部の一対の加圧ブロックがそれぞれ平面の加圧面を含み、前記加圧ブロックの加圧面は、積層物の幅および長さよりも長く設けられる、電極組立体の製造装置を提供する。
【0019】
本発明の一実施態様において、前記第1電極供給部は、前記スタックテーブルに前記第1電極が積層される前に、前記第1電極を安着させる第1電極安着テーブルおよび前記第1電極を仮固定し、前記第1電極安着テーブルに仮固定された状態で前記第1電極を前記スタックテーブル上の工程中に前記スタックテーブルに移送されるようにする第1移送ヘッドを含み、前記第1移送ヘッドは、前記第1電極を前記第1移送ヘッドに固定するために前記第1電極を吸引するように構成された第1吸引ヘッドを含む、電極組立体の製造装置を提供する。
【0020】
本発明の一実施態様において、前記第2電極供給部は、前記スタックテーブルに前記第2電極が積層される前に、前記第2電極を安着させる第2電極安着テーブルおよび前記第2電極を仮固定し、前記第2電極安着テーブルに仮固定された状態で、前記第2電極を前記スタックテーブル上の工程中に前記スタックテーブルに移送されるようにする第2移送ヘッドを含み、前記第2移送ヘッドは、前記第2電極を前記第2移送ヘッドに固定するために前記第2電極を吸引するように構成された第2吸引ヘッドを含む、電極組立体の製造装置を提供する。
【0021】
本発明の一実施態様において、前記第1移送ヘッドおよび前記第2移送ヘッドは、それぞれ前記第1電極および第2電極を仮固定するための真空装置を含む、電極組立体の製造装置を提供する。
【0022】
本発明の一実施態様において、前記スタックテーブルを回転させる回転部をさらに含み、前記第1電極供給部は、前記回転部の一側に設けられ、前記第2電極供給部は、前記回転部の一側とは反対側の他側に設けられ、前記回転部は、前記第1電極が積層されるとき、前記スタックテーブルを前記第1移送ヘッドと向かい合うように、前記スタックテーブルを前記第1側に回転させ、前記第2電極が積層されるとき、前記第2移送ヘッドと対向するように前記スタックテーブルを第2側に回転させる、電極組立体の製造装置を提供する。
【0023】
本発明の一実施態様において、前記回転部は、前記スタックテーブルを前記第1電極供給部の方向と前記第2電極供給部の方向に交互に回転させる、電極組立体の製造装置を提供する。
【0024】
本発明の他の実施態様は、積層物を製造する電極組立体の製造方法であって、第1電極、分離膜および第2電極を供給および積層して前記第1電極および第2電極の間に分離膜が配置された状態で、前記第1電極および第2電極の前記積層物を製造する段階、および前記積層物の少なくとも一側面を加熱して前記第1電極と前記第2電極を前記分離膜と接合させる段階を含む、電極組立体の製造方法を提供する。
【0025】
本発明の他の実施態様において、前記第1電極と前記第2電極を前記分離膜と接合させる段階は、100℃~200℃の温度で10秒以下の時間、前記積層物の少なくとも1つの側面を加圧する、電極組立体の製造方法を提供する。
【0026】
本発明の他の実施態様は、前記積層物が積層された方向に前記積層物を加圧する段階をさらに含む、電極組立体の製造方法を提供する。本発明の他の実施態様において、前記積層物を加熱する段階をさらに含む、電極組立体の製造方法を提供する。本発明の他の実施態様において、前記積層物が圧縮される前、同時または積層物が圧縮される前および同時に加熱される、電極組立体の製造方法を提供する。本発明の他の実施態様において、プレス部は、前記積層物を圧縮すると同時に加熱する、電極組立体の製造方法を提供する。本発明の他の実施態様において、前記プレス部は、前記積層物を圧縮する前に加熱することができ、また他の実施態様において、前記プレス部が前記積層物の圧縮前および圧縮中に積層物を加熱する、電極組立体の製造方法を提供する。
【0027】
本発明の他の実施態様において、前記第1電極と前記第2電極を前記分離膜と接合させる段階は、前記積層物の少なくとも1つの側面を0.1~1.5MPaの圧力で圧縮する、電極組立体の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0028】
本発明に係る電極組立体の製造装置およびその製造方法によれば、第1電極、分離膜および第2電極が交互に積層された積層物をヒーティング加圧して電極組立体を収縮および電極組立体の広さを減少させて電極組立体の電極密度およびエネルギー密度を増加させることができる。一実施態様において、電極組立体の積層された構成要素の幅は、電極組立体を収縮するときに減少されることができる。一実施態様において、積層物の幅は、第1および第2電極と第1および第2電極の間の分離膜を含んでもよい積層物を加熱することによって減少されることができる。
【0029】
前述のいずれかによる一実施態様において、電極組立体は、ポーチ内部空間、例えばポーチ型電池に使用するため、または円筒形電池に使用するための缶の内部空間に対応する寸法で製造されてもよい。このように、ポーチまたは缶のサイズは、電極組立体の製造能力を懸念することなく、所望のように容易に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施態様による電極組立体を示す段面図である。
【
図2】
図1の電極組立体の積層物を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施態様による電極組立体の製造装置を示す平面図である。
【
図4】
図3の電極組立体の製造装置を示す正面図である。
【
図5】本発明の一実施態様による
図3の電極組立体の製造装置のサイドシーリング部内の電極組立体の段面図である。
【
図6】本発明の一実施態様による電極組立体の製造工程の工程フロー図である。
【
図7】光学顕微鏡で撮影した
図1による電極組立体のA-A'線に沿って大略的に位置した電極組立体を拡大した段面写真である。
【
図8】本発明においてさらに記載されたように、比較例1および2の断面を切断した後、光学顕微鏡で撮影した電極組立体を拡大した断面写真である。
【符号の説明】
【0031】
S ・・・積層物
1 ・・・第1電極
2 ・・・第2電極
4 ・・・第1分離膜
4a ・・・積層部
4b ・・・フォールディング部
5 ・・・第2分離膜
100 ・・・電極組立体の製造装置
10 ・・・スタックテーブル
20 ・・・分離膜供給部
21 ・・・分離膜ロール
22 ・・・分離膜ヒーティング部
30 ・・・第1電極供給部
31 ・・・第1電極安着テーブル
32 ・・・第1移送ヘッド
33 ・・・第1電極ロール
34 ・・・第1カッター
35 ・・・第1コンベヤー
36 ・・・第1電極供給ヘッド
37 ・・・第1移動部
40 ・・・第2電極供給部
41 ・・・第2電極安着テーブル
42 ・・・第2移送ヘッド
43 ・・・第2電極ロール
44 ・・・第2カッター
45 ・・・第2コンベヤー
46 ・・・第2電極供給ヘッド
47 ・・・第2移動部
50 ・・・プレス部
50a、50b ・・・一対の加圧ブロック
60 ・・・サイドシーリング部
60a・・・加熱ブロック
60b ・・・加熱ブロック
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明に対する詳細な説明は、当業界の通常の知識を有する者に本発明を完全に説明するためのものである。本明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、またはある構造と形状を「特徴」とする場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外したり、他の構造と形状を排除するのではなく、他の構成要素、構造および形状を含んでもよいことを意味する。
【0033】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施態様を有することができるため、特定の実施態様を提示し、詳細な説明に詳細に説明しようとする。しかし、これは実施態様による発明の内容を限定することを意図するものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変換、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0034】
以下では、図面を参照して本発明を詳細に説明する。しかしながら、図面は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲が図面によって限定されるものではない。
【0035】
図1および
図2を参照すると、電極組立体は、積層物Sおよび積層物Sを取り囲む第2分離膜5を含んでもよい。
【0036】
図示したように、積層物Sにおいて、第1電極1および第2電極2は、第1分離膜4の積層部4aの間に交互に配置されてもよい。さらに、図示されたように、第1分離膜4は、積層部4aを形成するためにジグザグ状に折り畳まれてもよい。
【0037】
図3~
図5を参照すると、電極組立体の製造装置100は、スタックテーブル10、分離膜供給部20、第1電極供給部30、第2電極供給部40およびサイドシーリング部60を含む。
【0038】
スタックテーブル10は、第1電極1、第1分離膜4の積層部、および第2電極2の順に積層された1つの支持面を有してもよい。第1電極1、第2電極2および第1および第2電極の間に位置する第1分離膜4の積層部が積層された積層物Sは、第1電極1、積層部4aおよび第2電極2の第1組み合わせ上に取り付けられてもよい。第1分離膜4は、ジグザグ状に折り畳まれて積層部4aおよび各積層部4aの対向する側面にフォールディング部4bを形成することができる。このような方式で、第1分離膜4の積層部4aは、積層物S内の第1電極1のそれぞれの電極と第2電極2のそれぞれの電極との間に配置されてもよい。
【0039】
スタックテーブル10は、第1電極1がスタックテーブル10によって支持される第1分離膜4の各積層部4aと、先に積層された電極および分離膜の積層部4a上に積層されるように供給されるそれぞれの第1電極1に向かって一方向に回転可能であり、スタックテーブル10によって支持される第1分離膜4の積層部4aと先に積層された電極および分離膜の積層部4aのそれぞれに第2電極2が積層されるように供給されるそれぞれの第2電極2に向かって一方向とは反対の他の方向に回転することができる。したがって、電極組立体の製造装置100は、スタックテーブル10を回転させる回転部(図示せず)をさらに含んでもよい。このような回転部に関する詳細な内容は、本明細書に参照により組み込まれた韓国公開特許公報第10-2020-0023853号を参照する。
【0040】
電極組立体の製造装置100において、第1電極供給部30はスタックテーブル10の一側に位置し、第2電極供給部40はスタックテーブル10の他側に位置してもよい。図示の電極組立体の製造装置100の構成において、回転部は、第1電極供給部30の方向および第2電極供給部40の方向にスタックテーブル10を交互に回転させることができる。
【0041】
例えば、分離膜供給部20は、スタックテーブル10の上部、すなわち積層物Sの積層方向に沿って位置してもよい。このような構成において、第1電極供給部30はスタックテーブル10の左側に位置し、第2電極供給部40は積層物Sの積層方向を基準にスタックテーブル10の右側に位置することができる。
【0042】
図示の電極組立体の製造装置100の構成において、回転部は、第1電極1を積層する際にスタックテーブル10が第1移送ヘッド32または第1電極1を一時的に保持するための他の第1取付装置に向かうようにスタックテーブル10を回転させることができる。回転部は、第2電極2を積層する際に、第2電極2を一時的に保持するための第2取付装置または第2移送ヘッド42とスタックテーブル10が向かい合うようにスタックテーブル10を回転させることができる。
【0043】
電極組立体の製造装置100を用いるに当たって、第1分離膜4の積層部4aおよびフォールディング部4bは、分離膜供給部20によって供給され、スタックテーブル10上に配置され、一部配列として置かれてもよい。回転部は、スタックテーブル10を左側に回転させると、第1分離膜4上に第1電極供給部30から供給された第1電極1が供給されることができる。また、回転部はスタックテーブル10を右側に回転させてもよく、このとき第1分離膜4が供給されると同時に、このような回転が起こることができる。このような回転部の回転構成において、第1分離膜4は、積層物Sの第1電極1の下面、右側面および上面を覆う左側ポケット形態の第1ポケットを形成することができる。ここで、積層物Sの第1電極1は、第1電極1の上面が第1分離膜4の一部により覆われるようにスタックテーブル10上に配置されてもよい。この場合、第2電極2は、第2電極供給部40から第1電極1の上面を覆う第1分離膜4の部分に供給されることができる。
【0044】
上記のような過程を繰り返すと、第1分離膜4は、分離膜供給部20からスタックテーブル10上に左側ポケットと、左側ポケットと対向する位置に右側ポケットの形態で置かれてもよい。この構成において、第1分離膜4の各部分がスタックテーブル10の上に位置するように配置されるとき、左側および右側ポケットは、交互にそれぞれの左側および右側の開口を形成し、ここで、このような左側および右側の開口は、第1電極供給部30および第2電極供給部40によってそれぞれ供給される第1電極1および第2電極2を収容するように構成されてもよい。また、第1分離膜4が折り畳まれるとき、折り曲げられた部分の形態であり得る第1分離膜4のフォールディング部4bは、左右開口に対面する位置に提供されてもよい(
図2参照)。電極組立体の製造装置100の配列に対する、ミラー配置であってもよいいくつかの代替の配列において、第1分離膜4は、第2電極2の下部表面、左側表面、および上部表面を覆う右側ポケット形態の第1ポケットを形成することができる。このようなミラー配列において、第2電極2は、スタックテーブル10上に配置された積層物Sの最初の電極であり得る。
【0045】
スタックテーブル10は、スタックテーブル10の形状を決定するテーブル本体(図示せず)およびテーブルヒータ(図示せず)をさらに含んでもよく、テーブルヒータは、例えば、スタックテーブル10本体の上、下または内部に埋め込まれた抵抗コイルであってもよい。テーブルヒータは、テーブル本体を加熱してスタックテーブル10に安着した積層物Sを加熱することができる。
テーブルヒータは、電極組立体の製造装置100のプレス部50によって積層物Sが加熱および圧縮される前に積層物Sを加熱することができる。このようなテーブルヒータによる積層物Sの予熱は、積層物Sの中心に熱が伝導する時間を短縮し、プレス部50による十分な加圧に要する加圧時間を減少させることができる。
【0046】
第1電極1は陽極であり、第2電極2は陰極で構成されてもよいが、本発明による電極組立体の製造装置100はこれに限定されず、例えば、第1電極1は陰極で構成され、第2電極2は陽極で構成されてもよい。
【0047】
一実施態様において、陽極は、例えば、陽極活物質、導電性物質および結合剤を含む陽極コーティング混合物で陽極集電体をコーティングした後、コーティング混合物を乾燥することによって製造されることができる。必要に応じて混合物に充填剤を添加してもよい。このような材料は、関連分野で使用される任意の適切な材料、特に特定の応用分野に一般に使用される材料であってもよい。
【0048】
具体的には、前記陽極活物質は、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li1+xMn2-xO4(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、LiFe3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-xMxO2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01~0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-xMxO2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である)またはLi2Mn3MO8(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4;ジスルフィド化合物;Fe2(MoO4)3などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0049】
陽極集電体に使用できる材料は特に限定されない。陽極集電体は、好ましくは、電池に使用されるときに化学的変化を引き起こすことなく、比較的高い導電度を有する。例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてもよい。好ましくは、陽極集電体はアルミニウムであり得る。好ましくは、集電体のコーティング混合物と接する表面に微細な凹凸を含むことにより、集電体と陽極コーティング混合物との間の接着力を高めることができる。また、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など様々な形態が可能である。陽極集電体は一般に3μm~500μmの厚さを有することができる。
【0050】
前記陽極コーティング混合物に含まれた導電材は、一般に陽極活物質を含む混合物の全重量の1~50重量%で含まれてもよい。例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されてもよい。
【0051】
陽極コーティング混合物のバインダーは、活物質と導電性物質との間の結合およびコーティング混合物の集電体に結合することを補助する成分である。このようなバインダーは、一般に、陽極活物質を含む混合物の全重量の1~50重量%の量で含まれてもよい。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。
【0052】
陽極コーティング混合物に任意に添加される充填剤は、陽極の膨張を抑制する成分として使用されてもよい。このような充填材は特に限定されず、電池に使用されるときに化学的変化を引き起こさない繊維状物質を含んでもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオリフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0053】
一実施態様において、陰極は、陰極集電体上に陰極活物質を塗布、乾燥および圧着して製造されてもよく、必要に応じて前記のような導電材、バインダー、充填剤などが選択的にさらに含まれてもよい。この場合も、当該分野で通常使用される物質が使用されてもよい。具体的には、前記陰極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LixFe2O3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe'yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4、およびBi2O5などの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いてもよい。
【0054】
陰極集電体に使用できる材料は特に限定されない。陰極集電体は、電池に使用されるときに化学的変化を起こさず、比較的に高い導電度を有するものが好ましい。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられ得る。
【0055】
また、陽極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して陰極活物質の結合力を強化させることもできる。フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されてもよい。さらに、前記陰極集電体は一般に3μm~500μmの厚さであってもよい。
【0056】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、有/無機複合多孔性のSRS(Safety-Reinforcing Separators)分離膜であってもよい。前記SRS分離膜は、ポリオレフィン系分離膜基材上に無機物粒子とバインダー高分子とを含むコーティング層成分が塗布された構造であってもよい。
【0057】
このようなSRS分離膜は、無機物粒子の耐熱性により高温熱収縮が発生しないため、針状導体によって電極組立体が貫通しても、安全分離膜の延伸率を維持することができる。
【0058】
このようなSRS分離膜は、分離膜基材自体に含まれた気孔構造とともに、コーティング層成分である無機物粒子間の空き空間(interstitial volume)によって形成された均一な気孔構造を有してもよい。前記気孔は、電極組立体に加わる外部の衝撃をかなり緩和することができるだけでなく、気孔を通じてリチウムイオンの円滑な移動が行われ、多量の電解液が充填されて高い含浸率を示すことができるため、電池の性能向上を一緒に図ることができる。
【0059】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、隣接した陽極および陰極と対応する縁を越えて両側から外側に延びる(以下「余剰部」)ように分離膜の幅寸法(分離膜が広げられた長手方向の寸法に直角)で寸法を決まってもよい。また、前記分離膜余剰部の両側部の一面または両面に分離膜の収縮防止のため、分離膜の厚さより厚いコーティング層が形成されている構造で構成されている。分離膜の外側に延びた余剰部の厚いコーティング層に関する詳細は、全内容がここに参照として組み込まれる韓国公開特許公報第10-2016-0054219号を参照する。本発明の一実施態様において、分離膜余剰部は、それぞれ分離膜の幅を基準にして5%~12%の大きさであってもよい。さらに、本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、一側の分離膜剰余部の幅を基準にして50%~90%の大きさで分離膜の両面にコーティングされてもよい。さらに、前記両面のコーティング層の幅は、互いに同じでも異なるサイズでもよい。
【0060】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、無機物粒子およびバインダー高分子を含んでもよい。
【0061】
本発明の一実施態様において、前記ポリオレフィン系分離膜成分の例としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンまたはそれらの誘導体などがある。
本発明の一実施態様において、前記コーティング層の厚さは、前記第1電極または第2電極の厚さより小さくてもよい。具体的な例では、前記コーティング層の厚さは、第1電極または第2電極の厚さの30%~99%の大きさであってもよい。
【0062】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、湿式コーティングまたは乾式コーティングによって形成されてもよい。
【0063】
本発明の一実施態様において、前記基材とコーティング層は、ポリオレフィン系分離膜基材表面の気孔とコーティング層が相互に絡み合う形態(anchoring)で存在し、分離膜基材と活性層とが物理的に強固に結合することができる。前記分離膜の基材と活性層の厚さ比は9:1~1:9であってもよい。好ましくは、厚さ比は5:5であり得る。
【0064】
本発明の一実施態様において、前記無機物粒子は、当業界で一般的に使用される無機物粒子が使用されてもよい。前記無機物粒子は、互いに相互作用してミネラル粒子の間に空き空間の形態の微気孔を形成すると同時に、コーティング層の物理的形態を構造的に維持するのに役立てることができる。また、前記無機物粒子は、一般に200℃以上の高温になっても物理特性が変わらない特性を有するため、形成された有/無機複合多孔性フィルムが優れた耐熱性を有することになる。
【0065】
また、無機物粒子に用いることのできる物質は特に限定されないが、好ましくは、電気化学的に安定した物質である。すなわち、本発明で使用できる無機物粒子は、適用される電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準で0~5V)で酸化および/または還元反応が起こらないものであれば、特に限定されない。特に、イオン伝達能力のある無機物粒子を用いる場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能を向上させることができる。したがって、可能なイオン伝導度の高い無機物粒子を使用することが望ましい。また、前記無機物粒子が高い密度を有する場合、コーティングの時に無機物粒子の分散が難しく、電池製造の時に電池の重量を増加させるという問題がある。したがって、可能な限り密度の低い無機物粒子を使用することが好ましい。また、誘電率が高い無機物の場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度増加に寄与し、電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
【0066】
前述の理由から、前記無機物粒子は、圧電性(piezoelectricity)を有する無機物粒子およびリチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子からなる群から選択された少なくとも1種であってもよい。
【0067】
前記圧電性(piezoelectricity)無機物粒子は、常圧では不導体であり、一定圧力が印加された場合、内部構造の変化により電気が通る物性を有する物質を意味する。また、誘電率定数が100以上の高誘電率特性を示す物質である。圧電性を有する無機物粒子はまた、一定圧力を印加して引張または圧縮される場合、電荷が発生して、一面は陽に、反対側は陰にそれぞれ帯電することにより、両面の間に電位差が発生する機能を有する物質(例えば、分離膜)である。
【0068】
前記のような特徴を有する無機物粒子をコーティング層成分として用いる場合、針状導体のような外部衝撃により両電極の内部短絡が発生する場合、分離膜にコーティングされた無機物粒子により陽極と陰極とが直接接触できないことがあり得る。また、無機物粒子の圧電性により粒子内の電位差が発生し、これにより両電極間の電子移動(すなわち、微細な電流の流れ)を引き起こし、緩やかな電池の電圧減少およびこれによる安全性向上を図ることができる。
【0069】
前記圧電性を有する無機物粒子の例としては、BaTiO3、Pb(Zr,Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)およびhafnia(HfO2)からなる群から選択される1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0070】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、リチウム元素を含有するが、リチウムを貯蔵する代わりにリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を意味する。リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によりリチウムイオンを移動および移動させることができる。その結果、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能向上を図ることができる。
【0071】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の例としては、リチウムホスフェート(Li3PO4)、リチウムチタニウムホスフェート(LixTiy(PO4)3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタニウムホスフェート(LixAlyTiz(PO4)3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、(LiAlTiP)xOy系glass(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LixLayTiO3,0<x<2,0<y<3)、リチウムゲルマニウムチオホスフェート(LixGeyPzSw、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、リチウムナイトライト(LixNy、0<x<4、0<y<2)、SiS2(LixSiySz、0<x<3、0<y<2、0<z<4)系glassおよびP2S5(LixPySz、0<x<3、0<y<3、0<z<7)系glassからなる群から選択される1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0072】
前記分離膜のコーティング層を構成する無機物粒子およびバインダー高分子の組成比は、特に制限されないが、10:90~99:1重量%の範囲内で調節可能であり、80:20~99:1重量%の範囲が好ましい。前記組成比が10:90重量%比未満である場合、高分子の含量が過度に多くなり、無機物粒子の間に形成された空き空間の減少による気孔サイズおよび気孔度が減少し、最終電池の性能の低下が引き起こされることがある。一方、99:1重量%比を超えると、高分子含量が少なすぎるため、無機物間の接着力が弱まり、最終の有/無機複合多孔性分離膜の機械的物性が低下することがある。
【0073】
本発明の一実施態様において、前記バインダー高分子は、当業界で一般的に使用されるバインダー高分子が使用されてもよい。
【0074】
上記有/無機複合多孔性分離膜のうちコーティング層は、前述の無機物粒子およびバインダー高分子の他に、通常知られている他の添加剤をさらに含んでもよい。
【0075】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は活性層とも言える。
【0076】
再び
図1および
図2を参照すると、第1分離膜4は、第1電極1と第2電極2との間にそれぞれ位置する複数の積層部4aと隣接した積層部4aの側面との間に連結されて延びるフォールディング部4bを含んでもよい。本明細書において積層部4aの側面は、積層物Sの積層方向と垂直な方向の一側を意味する。したがって、積層部4aの側面は、積層物Sの側面に対応する位置である。
【0077】
積層物Sにおいてフォールディング部4bは、積層体の各層の側面に交互に位置されてもよい。隣接した積層部4aおよび隣接した積層部4aに取り付けられたフォールディング部4bは、第1分離膜4に開口が形成されてもよい。ここで、フォールディング部4bと対向する積層物Sの側面は、第1分離膜4の開口に収容された第1および第2電極によって定義されることができる。このように、積層物Sには、積層物の各層に対して一対の対向側面に第1分離膜4によって定義された開口およびフォールディング部4bが交互に設けられてもよい。
【0078】
第1電極1および第2電極2は、フォールディング部4bの内部または上部に配置されなくてもよい。
【0079】
図1に示すように、第2分離膜5は、積層物Sの上面、下面、および少なくとも一対の対向する側面に位置されてもよい。すなわち、
図1にさらに示すように、第2分離膜5の端部は、第1分離膜4の端部に連結され、積層物Sに少なくとも1回巻かれてもよい。
【0080】
したがって、積層物Sの一対の対向する側面に位置する第2分離膜5の内部分離膜の表面は、フォールディング部4bと向かい合ってもよい。また、積層物Sの少なくとも一対の両側面に位置する第2分離膜5は、少なくとも1つ以上のフォールディング部4bと接してもよい。
【0081】
電極組立体10は、第2分離膜5が積層物の最外郭に巻き取られるとき、積層物Sの側面を加熱または加熱圧縮して製造されてもよい。例えば、電極組立体10は、第2分離膜5を巻き付けたときに積層物Sの両側面を一対の加圧ブロック60a、60bを含むサイドシーリング部60(
図3および関連説明を参照)により加熱または加熱圧着して製造されてもよい。積層物Sの両面に位置するフォールディング部4bと、フォールディング部4bと向かい合う第2分離膜5の内部分離膜の表面との間に形成される空間は、側部と内部分離膜表面のうち1つ以上を熱融着して凝縮されてもよい。このようなフォールディング部4bと第2分離膜5との熱融着は、積層物Sの最外郭に第2分離膜5を巻き取った状態でサイドシーリング部60で積層物Sの対向する側面を加熱圧縮することで形成されてもよい。
【0082】
電極組立体10は、積層物Sの最外郭に第2分離膜5が巻き取られた積層物Sの上面、下面および両側面の一部または全部を加熱圧着して製造されてもよい。例えば、電極組立体10は、積層物Sの上面と下面をプレス部50(
図3および本明細書の関連する説明をさらに参照)にて加熱圧縮し、別途に、または同時にサイドシーリング部60を用いて積層物Sの両側面を加熱圧縮して電極組立体10を製造することができる。
【0083】
プレス部50は、一対の加圧ブロック50a、50bを含んでもよい。第1電極1、第1分離膜4および第2電極2の間の空間は、積層物Sの上下面を第2分離膜5の内部分離膜面に熱融着して凝縮されてもよい。このように、第2分離膜5との上下面熱融着結合は、第2分離膜5が積層物Sの最外郭の領域に巻かれた状態で一対の加圧ブロック50a、50bで積層物Sを加熱圧縮することで形成されることができる。ここで、前記積層物Sの上下面は、積層方向の上側および下側に位置する積層物Sの外面を意味する。
【0084】
したがって、電極組立体10の一実施態様において、第1電極1と第1分離膜4、第1分離膜4と第2電極2が接合されてもよい。また、積層物Sの上下面が加熱圧縮されることにより、フォールディング部4bが圧縮されて隣接するフォールディング部4bを互いに熱融着されてもよい。すなわち、2つ以上のフォールディング部4bを互いに接合されることがある。この点で、
図1に示された概略的な表現とは異なり、フォールディング部4bは、
図5および
図6の例から見られるように、電極1、2の端部を通って相対的にかなりの距離だけ外側に延長されることができる。このように、フォールディング部4bは、サイドシーリング部60とプレス部50の加熱圧縮のいずれか一つまたは任意の組み合わせを介して、互いに偏向して接合されてもよい。
【0085】
一実施態様において、第1分離膜4の2つ以上接合されたフォールディング部4bと積層物Sのフォールディング部4bと対向するように位置された第2分離膜5の分離膜の内面が互いに接合されてもよい。
【0086】
一実施態様において、フォールディング部4bは、フォールディング部4bのうち隣接したフォールディング部4bが互いに接合されていない状態で、第2分離膜5の分離膜の内面に接合されてもよい。このとき、フォールディング部4bは、積層物Sの積層方向と平行な方向に曲がらず、折り畳まれた状態で第2分離膜5に接合されてもよく、フォールディング部4bが積層物Sの積層方向と平行な任意の方向に1回以上折り曲げられてもよい。
【0087】
それぞれのフォールディング部4bの長さは、各フォールディング部4bが取り付けられる積層部4aの全長の100%を基準にして0.1%~1%の範囲であってもよい。このとき、フォールディング部4bの長さは、フォールディング部4bが曲がっていない状態を意味してもよい。
【0088】
フォールディング部4bの長さがフォールディング部4bが取り付けられる積層部4aの全長の1%を超える場合、電極組立体10の電極密度およびエネルギー密度が低減することがあり得る。ここで、積層部4aの全長とは、フォールディング部4bからフォールディング部4bの反対側の開口までの長さを意味する。
【0089】
また、第2分離膜5の分離膜の内面に接合されるフォールディング部4bの数は、フォールディング部4bの総数の30%以上であってもよい。好ましくは、フォールディング部4bの個数は40%以上、より好ましくは50%以上であってもよい。
【0090】
隣接する複数のフォールディング部4bが互いに接合された状態で、あるフォールディング部4bが第2分離膜5の分離膜の内面に接合されてもよい。第1分離膜4のフォールディング部4bと隣接するフォールディング部4bが接合されるとき、あるフォールディング部4bに接合される第2分離膜5の面積は、積層物Sの対向する一対の側面に位置する第2分離膜5の全面積の30%以上であってもよい。好ましくは、第2分離膜の前記面積は40%以上であり、より好ましくは50%以上であり得る。
【0091】
接合されるフォールディング部4bの個数と、フォールディング部4bと第2分離膜5との接合面積が上述した30%未満である電極組立体10において、積層物Sの側面は十分に固定されていないフォールディング部4bを有することがあり得る。この場合、電極組立体10をポーチや缶に入れることが容易ではない場合がある。また、フォールディング部4bの接合個数および第2分離膜5の面積が上述した30%を満たす電極組立体10において、フォールディング部4bがポーチの封止した部分から突出することがあり、電極組立体10は、ポーチと共に封止されるという好ましくない状況が発生し得る。
【0092】
さらに、ポーチや缶の大きさと電極の大きさの差が大きくなるため、ポーチや缶の大きさを最小化するのに限界がある。
【0093】
一実施態様において、隣接したフォールディング部4bが互いに接着されるとき、フォールディング部4bの総数の50%以上が互いに接着されてもよい。一実施態様において、第1電極1および第2電極2の幅は、積層物Sの幅よりも小さく提供されてもよい。言い換えれば、電極組立体10は、フォールディング部4bとそのようなフォールディング部4bの層に隣接した層において、第1電極1および第2電極2の端部が互いに重畳したり、下に置かれないように位置されてもよい。このとき、第1電極1または第2電極2は、隣接フォールディング部4bの間に位置しないため、隣接フォールディング部4bが接着され得る。
【0094】
例えば、電極組立体10に10個のフォールディング部4bが含まれ、全フォールディング部4bの数の50%が互いに接着する場合、電極組立体10は、2つが互いに接着したフォールディング部4b、3つが互いに接着したフォールディング部4b、および隣接したフォールディング部4bと接着されていないフォールディング部4bの5つを含まれ得る。
【0095】
図3および
図4を参照すると、電極組立体の製造装置100の例示のように、分離膜供給部20は、第1分離膜4をスタックテーブル10に供給するように構成されてもよい。このような分離膜供給部20に関する詳細については、大韓民国公開特許公報第10-2020-0023853号を参照する。例えば、
図4に示すように、分離膜供給部20は、スタックテーブル10の上部に位置されてもよい。また、分離膜供給部20は、第1分離膜4が巻き取れる分離膜ロール21を含んでもよい。分離膜ロール21に巻かれた第1分離膜4は、重力によって徐々に巻き戻されスタックテーブル10に供給されることができる。
【0096】
分離膜供給部20には、第1分離膜4が通過する通路が形成される。分離膜供給部20は、通過する第1分離膜4を加熱するために、分離膜加熱部(図示せず)を含んでもよい。このような分離膜加熱部に関する詳細については、大韓民国公開特許公報第10-2020-0023853号を参照する。
【0097】
分離膜加熱部は、一対の本体(図示せず)と本体を加熱する分離膜ヒータ(図示せず)とを含んでもよい。一対の本体は、第1分離膜4が通過できるように、所定の間隔離間されて第1分離膜4の両側に位置されてもよい。第1分離膜4は、例えば、第1分離膜4が非接触方式で加熱されるように、非接触で分離膜加熱部を通過することができる。一実施態様において、分離膜加熱部の一対の本体は、例えば、長方形のブロック状に形成されてもよい。
【0098】
電極組立体の製造装置100の例示のように、第1電極供給部30は、第1電極1をスタックテーブル10に供給し、第1電極1をスタックテーブル10に積層するように構成されてもよい。第1電極供給部30は、スタックテーブル10に積層される前に、第1電極1が安着する第1電極安着テーブル31を含んでもよい。また、第1電極供給部30は、第1電極ロール33、第1カッター34、第1コンベヤー35、および第1電極供給ヘッド36を含んでもよい。第1電極供給部30は、第1電極1のいずれかを第1電極安着テーブル31に供給しながら、第1電極1が形成された第1電極シートを第1電極ロール33に巻いて徐々に巻き出す。第1カッター34は、第1電極ロール33から供給される第1電極シートから第1電極1を既に設定された長さに切断することができる。第1カッター34は、第1電極1の端部から第1電極タブ1aが突出するように第1電極シートを切断することができる。
【0099】
第1カッター34によって切断された第1電極1は、第1コンベヤー35に供給されてもよく、図示のようにベルト状であってもよい第1コンベヤ35は、第1電極1を第1電極安着テーブル31に移動させることができる。第1電極供給ヘッド36(例えば、真空フィッティング、吸引カップ、またはこれと類似なフィッティングまたは磁気付着物などの他の仮取り付け形式を介して)は、第1コンベヤー35に配置された第1電極1をピックアップして第1電極安着テーブル31上に位置させることができる。
【0100】
図示のように、第1電極供給部30は、第1移送ヘッド32および第1移送ヘッド32が延在して振動可能な第1移動部37を含んでもよい。第1移送ヘッド32(例えば、真空フィッティング、吸引カップまたはこれと類似なフィッティング、または磁気取り付けなどの他の仮の形態の取り付けを介して)は、第1電極座席テーブル31に安着した第1電極1をピックアップすることができる。一実施態様において、第1移送ヘッド32は、第1電極1を第1移送ヘッド32の底面に取り付けるために、真空吸込口を介して第1電極1を吸込するように構成される、移送ヘッドの底の表面に真空吸込部(図示せず)を含んでもよい。第1移送ヘッド32に形成された流路は、真空吸込口と真空吸込装置(図示せず)とを連結することができる。
【0101】
第1移動部37は、第1電極安着テーブル31に安着した第1電極1をピックアップし、第1サクションヘッド32が解除され得る、例えば、第1電極1を移送ヘッドに対して保持するために、第1電極1に加わる真空吸込または他の力を減少または除去することによって、スタックテーブル10の上に載せられる位置に第1サクションヘッド32を移動するように構成することができる。このような方式で、第1移送ヘッド32は、第1電極1を第1電極安着テーブル31から他の電極1、2を介してスタックテーブル10上に置かれるか、その上に載せられる第1分離膜4のセクションに移送することができる。
【0102】
第2電極供給部40は、第1電極供給部30のミラー構成を有してもよいし、必須で有してもよい。このように、第2電極供給部40は、第2電極2をスタックテーブル10に安着した積層物Sの一部に供給し、スタックテーブル10上の積層物Sのこのような部分に第2電極2を積層することができる。
【0103】
第2電極供給部40は、第2電極2が積層テーブル10上の積層物Sの部分に移動されて積層される前に安着する第2電極安着テーブル41を含んでもよい。
【0104】
第2電極供給部40は、第2電極2が形成された第2電極シートが巻き取られる第2電極ロール43、第2電極シートを一定間隔で切断して第2電極2を形成する第2カッター44を含んでもよい。第2電極ロール43から第2電極シートを巻き出しながら一定サイズ、第2カッター44によって切断された第2電極2を移動させる第2コンベヤー45、第2コンベヤ45と第2電極2を第2電極安着テーブル41に安着させる。
【0105】
第2カッター44は、第1カッター34と同様に、形成された第2電極2が第2電極2の端部から突出した第2電極タブ2aを含むように第2電極シート切断することができる。
【0106】
また、第2電極供給部40は、第2電極安着テーブル41に安着した第2電極2をピックアップする第2移送ヘッド42と、例えば、第2電極2を第2移送ヘッド42に対して保持するために第2電極2に加わる真空吸込または他の力を減少または除去することによって、第2移送ヘッド42が解除され得るスタックテーブル10の上部に移動するように構成された第2移動部47を含んでもよい。このとき、第2移送ヘッド42は、第2電極2をスタックテーブル10上の積層物Sの一部に積層することができる。第2移送ヘッド42は、第2移送ヘッド42の底面において第2電極2が第2移送ヘッド42に一時的に付着されるように、第1移送ヘッド32と同じ方式で形成されてもよい。
【0107】
サイドシーリング部60は、積層物Sの最外郭を第1分離膜4で取り囲みながら積層物Sの少なくとも一つの側面を加熱することができる。すなわち、サイドシーリング部60は、積層物Sの少なくとも一つの側面に熱を加えて第1分離膜4の一面に塗布され、電極1、2に向かうコーティング層成分に接着力を付与したり増加させたりすることができる。
【0108】
サイドシーリング部60の加圧方向は、ここでさらに説明されるプレス部50の加圧方向に垂直であってもよい。
【0109】
一実施態様において、サイドシーリング部60は、一対の加熱バー60a、60bを含んでもよい。一対の加熱バー60a、60bは、互いに向かい合ったり、遠くなるように移動され、積層物Sを側面から積層物の中心に向かう方向に加熱および圧縮することができる。すなわち、サイドシーリング部60は、積層物Sの側面で積層物Sを加熱圧縮することができる。
【0110】
積層物Sの側面は、積層物Sの折り畳まれた部分Pを含む面である。好ましくは、積層物の側面は、電極タブ1aが位置する電極1、2の同じ側面に位置しない。
【0111】
積層物Sは、1つ以上の第1電極1、第1分離膜4、および第2電極2が順に積層され、最外郭を第1分離膜4で包む構造で提供されてもよい。サイドシーリング部60は、積層物Sの最外郭を囲む第1分離膜4(以下、最外郭分離膜)の最外郭部分を加熱圧縮して積層物Sの側面および積層物Sに含まれた折り畳み部Pを加熱圧縮することができる。したがって、サイドシーリング部60は、積層物Sの側面を加熱および圧縮して積層物Sに含まれた複数の折り畳み部Pを接着させ、最外郭の第1分離膜4と最外郭の第1分離膜4と対面する第1分離膜4フォールディング部、第1電極1および第2電極2を接着することができる。
【0112】
電極組立体の製造装置100は、加圧部50をさらに含んでもよい。加圧部50は、積層物Sの圧縮のために加熱される。加圧部50を押して第1電極1、第1分離膜4および第2電極2を接合することができる。
【0113】
加圧部50は、積層物Sの上面と下面に隣接して位置され得る一対の加圧ブロック50a、50bを含んでもよい。一対の加圧ブロック50a、50bは、向かい合う方向に移動して積層物Sの上面と下面を圧縮した後、このような圧縮に応じて互いに離れるように移動することができる。
【0114】
第1分離膜4が積層物Sの外面を包み込むように構成される場合、最外郭の第1分離膜4の内面部と第1および第2電極1,2の側面部および第1分離膜4の内面部と対向する最外郭の第1分離膜4の間の空間が接着されることができる。このような構成において、最外郭の第1分離膜4は、積層物Sの上面、下面および積層物Sを取り囲む最外郭の第1分離膜4の上面および下面の間に対向する2つの側面を含んでもよい。
【0115】
これにより、第1電極1、第1分離膜4および第2電極2を積層して電極組立体10を形成する場合、プレス部50により第1、2電極1、2および第1分離膜4の位置が離脱し、積層の形態が解れることを抑制することができる。
プレス部50は、一対の加圧ブロック50a、50bが積層物を圧縮しながら積層物Sを加熱できるように、一対の加圧ブロック50a、50bを加熱するプレスヒータ(図示せず)をさらに含んでもよい。このように、プレス部50により積層物Sを圧縮する際に、第1電極1と、第1電極1に隣接した第1分離膜4の区間、および第2電極と、第2電極2に隣接した第1分離膜4の区間の間の熱融着をより良好に行われることができる。
【0116】
図4に示すように、一対の加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、加圧面の長さおよび幅は、積層物Sの長さおよび幅よりも長く形成され、平坦な加圧面で形成されてもよい。
【0117】
そして、一対の加圧ブロック50a、50bは、直方体状の矩形ブロックで設けられてもよい。
【0118】
一実施態様において、電極組立体の製造装置100は、第3移送ヘッド(図示せず)に取り付けられ、回転または他の方法で移動するように構成された第3移動部(図示せず)をさらに含んでもよい。第3移動部および第3移送ヘッドは、それぞれ第1および第2移動部37、47および、第1および第2移送ヘッド32、42と同一であるか、類似であってもよい。
【0119】
一実施態様において、第3移送ヘッドは、スタックテーブル10に安着した積層物Sを吸込することができる。第3移送ヘッドは、底面に真空吸込部を備え、真空吸込口を介して積層物Sを吸込することにより、第3移送ヘッドの下面に一時的に取り付けることができる。第3移送ヘッドは、真空吸込口と真空吸込装置を連結する通路が形成されてもよい。
【0120】
第3移動部は、スタックテーブル10に安着された積層物Sをサイドシーリング部60に移動するように、第3移送ヘッドをサイドシーリング部60へ、例えば変換および回転の一つまたは両方を通して移動させることができる。
【0121】
一実施態様において、第3移送ヘッドは、積層物がプレス部50に安着するとき、上述の方式で積層物Sに一時的に取り付けられてもよい。一実施態様において、第3移動部は、プレス部50に安着した積層物Sがサイドシーリング部60へ移動可能であるように、第3移送ヘッドをサイドシーリング部60に移動するように構成されてもよい。
【0122】
図6を参照すると、電極組立体の製造方法は、積層物を製造する段階(S10)とサイドシーリング段階(S20)を含んでもよい。
【0123】
積層物を製造する段階(S10)では、第1電極(例えば、第1電極1)、分離膜(例えば、第1分離膜4)、第2電極(例えば、第1電極2)をスタックテーブル(例えばスタックテーブル10)のインプロセス積層物に供給して積層物を製造することができる。
【0124】
積層物を製造する段階(S10)の段階(S11)において、分離膜の一部がスタックテーブルに供給される。一実施態様において、分離膜の部分は、クランプまたはクランプセットまたは他のクランピングメカニズムなどのような保持メカニズムによってスタックテーブルに取り付けられるが、これに限定されない。段階(S12)において、スタックテーブルは、第1電極供給部、例えば第1電極供給部30に向かう方向に回転してもよい。段階(S13)において、第1電極は供給された後、スタックテーブルに取り付けられるか、そうでなければスタックテーブルに積層された分離膜部分上に積層されてもよい。段階(S14)において、スタックテーブルは、第2電極供給部、例えば第2電極供給部40の方向に回転して、分離膜の追加部分が第1電極上に折り畳まれて重畳されてもよい。段階(S15)において、第2電極は、供給された後、分離膜の追加部分に積層され得る。段階(S16)において、段階(S12)、(S13)、(S14)、(S15)を繰り返して、1つ以上の第1電極、分離膜の部分および1つ以上の第2電極を順次追加することができる。前記段階(S12)を繰り返すに際して、分離膜の他の部分は、スタックテーブルの回転を介して第2電極上に折り畳まれて重ね合わされ、次の第1電極が供給され、供給された第1電極は、分離膜の追加部分上に積層されることができる。スタックテーブルの交替回転を介して、分離膜は第1電極と第2電極との間にジグザグ状に積層されてもよい。
【0125】
尚、積層物を製造する段階(S10)の段階(S17)において、積層物の最外郭は、分離膜を一方向に回転させることにより、分離膜によって取り囲まれることができる。ここで、積層物の最外郭は、積層物の上面、下面および両側対向側面を含む。それぞれの側面は、積層物の積層方向に平行な平面に延びてもよい。前記各側面は、電極タブ、例えば電極タブ1aが位置する全ての面を除外してもよい。積層物の上面および下面は、それぞれ積層物の側面のうち一つまたは両方に垂直な面を含む。
【0126】
サイドシーリング段階(S20)は、前記積層物の少なくとも一側面を加熱することができる。このような動作で、積層物の反対側の側面の一つまたは両方を加熱および圧縮して積層物を圧縮することができる。前記段階において、前記一対の加熱バー、例えば、加熱バー60a、60bは、前記加熱バーが100℃~200℃の側面シーリング温度にある状態で、前記積層物の側面に沿って10秒以下の時間で分離膜を加圧することができる。
【0127】
サイドシーリング温度が100℃未満であると、分離膜に塗布されたバインダーに十分な接着力が発揮されないことがあり、サイドシーリング温度が200℃を超えるか、または加圧時間が10秒を超える場合には、一対の加熱バーを加熱するために供給されるエネルギーに比べて、接着効果の増加はわずかであり得る。
【0128】
そして、サイドシーリング段階(S20)の際に、前記積層物の少なくとも一側面は、0.1MPa~1.5MPaの範囲の圧力で圧縮されてもよい。好ましくは、前記1つ以上の側面は、0.1MPa~1MPaの範囲の圧力で加圧されてもよく、より好ましくは0.1MPa~0.5MPaの範囲の圧力で加圧されてもよい。
【0129】
すなわち、サイドシーリング段階(S20)において、積層物の両側面を同時に加熱しながら、積層物の両側面を側面に垂直な方向に、そして積層物の中心面に向かって圧縮することができる。
【0130】
カバーリングされた積層物の側面を圧縮する圧力が前記圧力範囲を満たす場合、最外郭の分離膜とフォールディングされた部分との接触および結合により第1電極と第2電極の損傷を防止するか、少なくとも抑制することができる。
電極組立体の製造方法は、積層物を加熱して加圧する段階(S30)をさらに含んでもよい。前記の段階では、一対の加熱加圧ブロック、例えば一対の加圧ブロック50a、50bは、積層物の側面に、一般的に平行な積層物に向かって下方および選択的にに上方に積層物を圧縮することができる。前記一対の加圧ブロックから伝導される熱により、バインダーとバインダーが塗布された分離膜との間の接着力が向上され、分離膜と第1および第2電極が加圧によってさらに結合されることができる。
【0131】
図7を参照すると、各フォールディング部4bは、積層物Sの積層方向に平行な方向に1回以上折り曲げられてもよい。このように、第2分離膜5が積層物Sに巻き取られた電極組立体10において、第1電極1の端部と第2分離膜5の第1電極1の端部に向かう第2分離膜5の内部分離膜の表面の間の距離および第2電極2の端部と第2分離膜5の内部分離膜の表面のうち第2電極2の端部に向かう部分の間の距離が減少し、電極組立体10の全幅が減少することができる。
【0132】
第1電極1または第2電極2と、前記電極組立体10の第1電極1または第2電極2の端部に隣接した第2分離膜5の内側分離膜の表面の部分との間の距離は、フォールディング部4bの全長100%を基準にして、50%~95%減少されることができる。フォールディング部4bの全長は、フォールディング部4bが非屈折状態のときに、第1電極1または第2電極2の端部から第2分離膜5と接触するフォールディング部4bの端部までの距離である。
フォールディング部4bの全長に比べてフォールディング部4bの長さが50%~95%減少することによって、第1電極1および第2電極2が含まれないフォールディング部4bの一部が減少して電極組立体10の電極密度およびエネルギー密度を高めることができる。
【0133】
電極組立体10のフォールディング部4bと、フォールディング部4bと接着される第2分離膜5の湿式接着力は、40gf/25mm~70gf/25mmの範囲であってもよい。
【0134】
上記では、本発明の好ましい実施態様を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を種々変更および変更できることが理解できる。
【0135】
実験例
電極組立体に含まれた積層物の第2分離膜の役割をする分離膜の側面端部と最外郭部の内側分離膜表面との接着率および接着面積による電池特性を測定するために、以下のような実験を行った。
【0136】
実施例
【0137】
分離膜をジグザグ状に折り畳み、折り畳まれた分離膜の端面の間に陽極と陰極を交互に配置し、積層物の最外郭を分離膜で取り囲んで電極組立体を作製した。このような電極組立体は、加熱されたプレス部を用いて積層物の上面および下面を圧縮して積層物全体を接着し、加熱されたサイドシーリング部で積層物の両側対向側面を圧縮してサイドシーリングした。
【0138】
実施例1
実施例1は、サイドシーリング部を用いて0.15MPaの圧力で積層物を圧縮し、分離膜のフォールディング部がフォールディング部に対向する積層物の側面に位置する分離膜の内側分離膜表面の全面積の30%の面積に接合された電極組立体を含む。
【0139】
実施例2
実施例2は、サイドシーリング部を用いて0.25MPaの圧力で積層物を圧縮し、分離膜の側面部が側面部に対面する積層物の側面に位置する分離膜の内側分離膜表面の全面積の80%の面積に接合された電極組立体を含む。
【0140】
比較例1
比較例1は、サイドシーリング部を用いて積層物を0.05MPaの圧力で圧縮した電極組立体を含む。
【0141】
比較例2
比較例2は、サイドシーリング部を用いて0.10MPaの圧力で積層物を圧縮し、分離膜の側面部が側面部に対面する積層物の側面に位置する分離膜の内側分離膜表面の全面積の20%の面積に接合された電極組立体を含む。
【0142】
比較例3
比較例3は、サイドシーリング部を用いて0.30MPaの圧力で積層物を圧縮し、分離膜の側面部が側面部に対面する積層物の側面に位置する分離膜の内側分離膜表面の全面積の90%の面積に接合された電極組立体を含む。
【0143】
【0144】
【0145】
前記表2は、電極組立体の陰極への損傷測定の結果、フォールディング部とフォールディング部に位置する分離膜の部分との間の接着の度合い、および電極組立体の側面に位置する分離膜の最外郭部の浮き(リフティング)程度を示したものである。
【0146】
このとき、分離膜のフォールディング部と第2分離膜の役割をする分離膜の最外郭部との間の接着の程度により、サイドシーリングの程度が目視で観察された。第2または側面分離膜の浮きの度合いは、第2分離膜が電極組立体の上面または下面に押されることを意味し、電極組立体の上面および下面に位置する分離膜の一部が電極に密着しないことを意味する。
【0147】
表2を参照すると、比較例1は、サイドシーリング部によって印加される圧力が低いため、電極組立体を圧縮できず、陰極への損傷やサイドシーリングの程度、または第2分離膜の浮きの程度を測定することができなかった。
【0148】
比較例2の場合、サイドシーリング部が電極組立体の側面を圧迫するが、電極組立体の側面に位置する第2分離膜が低圧によりフォールディング部に移動しないため、フォールディング部と第2分離膜との接着力が劣ることがわかる。
【0149】
比較例3では、サイドシーリング部によって電極組立体の側面に加わる圧力が大きかったことがわかる。このように、電極組立体の側面に位置した第2分離膜は、陰極上に載せられ、陰極は、電極組立体の上面または下面に位置している分離膜を押した。電極組立体の上面または下面に位置する分離膜がフォールディングされたことを目視で確認することができる。
【国際調査報告】