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特表2023-552536粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シート
(51)【国際特許分類】
   C09J 175/14 20060101AFI20231211BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20231211BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20231211BHJP
【FI】
C09J175/14
C09J4/02
C09J7/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533326
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 KR2021017987
(87)【国際公開番号】W WO2022124685
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0170788
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514217912
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132,Yakchon-ro,Iksan-si Jeollabuk-do 570-977,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジョン,キョンムン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヘリム
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ファン,インオ
【テーマコード(参考)】
4J004
4J040
【Fターム(参考)】
4J004AA01
4J004AA14
4J004AB01
4J004AB07
4J004FA08
4J040EF111
4J040EF181
4J040EF211
4J040EF281
4J040FA131
4J040FA291
4J040JB08
4J040JB09
4J040KA13
4J040NA17
(57)【要約】
本発明は、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマー、希釈モノマー、及び光開始剤を含む粘着剤組成物を提供する。本発明に係る粘着剤組成物は、様々な基材に対して高い密着力を示し、且つ硬化後の粘着剤層の-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')が低くて折り畳み性に優れている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマー、希釈モノマー、及び光開始剤を含む、粘着剤組成物。
【請求項2】
硬化後-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')が3~30kPaである、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記ラジカル重合性官能基は、(メタ)アクリロイルオキシ基又はビニル基である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記ウレタンオリゴマーは、ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物の反応物である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項5】
前記ポリエステルポリオールは、下記化学式3で表される化合物である、請求項4に記載の粘着剤組成物。
【化1】

前記式中、
Rは、2価の有機残基であり、
nは、1~100の整数であり、
mは、0~100の整数である。
【請求項6】
前記ヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物は、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを含む、請求項4に記載の粘着剤組成物。
【請求項7】
前記希釈モノマーは、C-C30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項8】
前記極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、全希釈モノマー100重量%に対し、3~30重量%の量で含まれる、請求項7に記載の粘着剤組成物。
【請求項9】
前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーとの混合比は、重量基準で1:9~5:5である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項10】
前記光開始剤は、前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーの合計量100重量部に対し、0.01~3重量部の量で含有される、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の粘着剤組成物を用いて形成された粘着シート。
【請求項12】
折り畳み式ディスプレイ用である、請求項11に記載の粘着シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シートに係り、より詳しくは、様々な基材に対して高い密着力を示し且つ折り畳み性に優れた粘着剤組成物及びそれを用いた粘着シートに関する。
【背景技術】
【0002】
粘着剤の中でも高透明性を有する光学用透明粘着剤(optically clear adhesive、OCA)は、画像表示装置において部品を積層する層間接着に用いられている。このような光学用透明接着剤は、高い透過率と低いヘイズが求められ、様々な基材との密着性や、耐熱及び耐湿熱耐久性といった物性を満たす必要がある。
【0003】
近年、従来の柔軟性のないガラス基板の代わりにプラスチックやUTG(ultra thin glass)などのように柔軟性のある材料を用いて紙のように曲がっても表示性能をそのまま維持できるフレキシブル(flexible)表示装置又は折り畳み式(foldable)表示装置が次世代表示装置として急浮上する中、これらの表示装置への適用に適合するように密着性に優れ且つ耐屈曲性に優れた光学用透明粘着剤についての開発が求められている。また、多様な環境での製品の品質確保のために、低温のような極限の環境でも折り畳み性に優れた光学用透明粘着剤についての開発が求められている。
【0004】
韓国登録特許第10-2084113号には、アルキル基含有アクリレート及びヒドロキシ基含有アクリレートを含む単量体混合物;及び開始剤を含む粘着剤組成物が開示されている。
【0005】
しかしながら、前記粘着剤組成物は、折り畳み式ディスプレイ装置への適用の際に優れた折り畳み性、特に低温での折り畳み性を確保することが難しいという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一つの目的は、様々な基材に対して高い密着力を示し且つ折り畳み性に優れた粘着剤組成物を提供することである。
【0007】
本発明の他の目的は、前記粘着剤組成物を用いて形成した粘着シートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一方で、本発明は、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマー、希釈モノマー、及び光開始剤を含む粘着剤組成物を提供する。
【0009】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、硬化後-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が3~30kPaであってよい。
【0010】
本発明の一実施形態において、前記ラジカル重合性官能基は、(メタ)アクリロイルオキシ基又はビニル基であってよい。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記ウレタンオリゴマーは、ポリエステルポリオール、ポリイソシアネート、及びヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物の反応物であってよい。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記ポリエステルポリオールは、下記化学式3で表される化合物であってよい。
【0013】
【化1】
【0014】
前記式中、
Rは、2価の有機残基であり、
nは、1~100の整数であり、
mは、0~100の整数である。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記ヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物は、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを含んでよい。
【0016】
本発明の一実施形態において、前記希釈モノマーは、C-C30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含んでよい。
【0017】
本発明の一実施形態において、前記極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、全希釈モノマー100重量%に対し、3~30重量%の量で含まれてよい。
【0018】
本発明の一実施形態において、前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーとの混合比は、重量基準で1:9~5:5であってよい。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記光開始剤は、前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーの合計量100重量部に対し、0.01~3重量部の量で含有されてよい。
【0020】
他の一方で、本発明は、前記粘着剤組成物を用いて形成された粘着シートを提供する。
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、折り畳み式ディスプレイ用であってよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る粘着剤組成物は、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマーを含むことで様々な基材に対して高い密着力を示し、且つ硬化後の粘着剤層の-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G’)が3~30kPa程度と低いため低温での折り畳み性に優れている。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0023】
本発明の一実施形態は、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマー、希釈モノマー、及び光開始剤を含む粘着剤組成物に関する。
【0024】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマーを含むことにより、低温での貯蔵弾性率が低いため折り畳み性に優れ、且つ様々な基材への密着力に優れている。
【0025】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、硬化後-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')が3~30kPa、好ましくは、3~20kPaであってよい。前記硬化後-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')が3kPa未満であると、耐久性の確保が難しいことがあり、また30kPaを超えると、低温折り畳み性の確保が難しいことがある。
【0026】
前記貯蔵弾性率(G')は、弾性によって損失なく貯蔵されるエネルギーのことを意味し、前記-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')は、-20℃及び1Hzで測定した貯蔵弾性率(G')を示す。
【0027】
前記-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')は、例えば、硬化後25μmの厚さの粘着剤層が形成されたサンプルに対して粘弾性測定装置(MCR-301、Anton Paar社製)を使用して周波数1Hzにて-20℃で測定した値である。
【0028】
本発明の一実施形態において、前記ウレタンオリゴマーは、分子内にウレタン結合を有し、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するものである。
【0029】
前記ラジカル重合性官能基は、(メタ)アクリロイルオキシ基又はビニル基であってよく、特に(メタ)アクリロイルオキシ基であってよい。
【0030】
例えば、前記ウレタンオリゴマーは、下記化学式1で表される構造を有するものであってよい。
【0031】
【化2】
【0032】
前記式中、
Aは、ポリエステルであり、
Lは、ウレタン結合を含む連結基であり、
は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はC-C10のアルコキシ基であり、
は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。
【0033】
本明細書において用いられるC-C10のアルコキシ基は、炭素数1~10個からなる直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基を意味し、メトキシ、エトキシ、n-プロパンオキシ、ブトキシなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
好ましくは、前記ウレタンオリゴマーは、下記化学式2で表される構造を有してよい。
【0035】
【化3】
【0036】
前記式中、
Aは、ポリエステルであり、
は、存在しないか、C-C10のアルキレン基であり、
は、C-C10のアルキレン基、C-C10のシクロアルキレン基又はアリーレン基であり、
は、C-C10のアルキレン基又はC-C10のシクロアルキレン基であり、
は、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基又はC-C10のアルコキシ基であり、
は、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基である。
【0037】
本明細書において用いられるC-C10のアルキレン基は、炭素数1~10個からなる直鎖状若しくは分岐状の炭化水素を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレンなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
本明細書において用いられるC-C10のシクロアルキレン基は、炭素数3~10個からなる単環式又は縮合環式の炭化水素を意味し、例えば、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
本明細書において用いられるアリーレン基は、芳香族基とヘテロ芳香族基及びそれらの部分的に還元された誘導体をいずれも含む。前記芳香族基は、5員~15員の単環式又は縮合環式であり、ヘテロ芳香族基は、酸素、硫黄又は窒素を一つ以上含む芳香族基を意味する。代表的なアリーレン基の例としては、トリレン、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0040】
前記C-C10のシクロアルキレン基及びアリーレン基は、一つ以上の水素がC-Cのアルキル基、C-Cのアルコキシ基及びハロゲンなどで置換されてよい。
【0041】
前記ウレタンオリゴマーは、当該技術分野で公知の方法にて製造されてよい。
【0042】
例えば、前記ウレタンオリゴマーは、ポリエステルポリオール、ジイソシアネート、及びヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物を反応させて製造されてよい。前記ヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物の他、C-C10のアルコール化合物をさらに用いてよい。
【0043】
前記ポリエステルポリオールは、商業的に入手したものであるか、当該技術分野で公知の方法にて製造したものを用いてよい。
【0044】
前記ポリエステルポリオールとしては、低分子ポリオールとε-カプロラクトンを開環重合させて得られるポリカプロラクトンポリオールが挙げられる。
【0045】
前記ポリエステルポリオールは、下記化学式3で表される化合物であってよい。
【0046】
【化4】
【0047】
前記式中、
Rは、2価の有機残基であり、
nは、1~100の整数であり、
mは、0~100の整数である。
【0048】
本発明の一実施形態において、Rは、C-C20のアルキレン基であってよい。
【0049】
本明細書において用いられるC-C20のアルキレン基は、炭素数1~20個からなる直鎖状若しくは分岐状の2価の炭化水素を意味し、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレンなどが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の一実施形態において、Rは、例えば、エチレン基又はブチレン基であってよい。
【0051】
前記ポリエステルポリオールの数平均分子量は、200~100,000であってよい。前記ポリエステルポリオールの数平均分子量が200未満であると、低温弾性率が上昇して低温折り畳み性の確保が難しいことがあり、また100,000を超えると、粘度が高すぎて工程上ウレタンオリゴマー合成が難しいことがある。
【0052】
前記ジイソシアネート化合物としては、脂肪族ジイソシアネート化合物及び/又は芳香族ジイソシアネート化合物を用いてよい。
【0053】
前記脂肪族ジイソシアネート化合物としては、メチルジイソシアネート、1,2-エタンジイルジイソシアネート、1,3-プロパンジイルジイソシアネート、1,4-ブタンジイルジイソシアネート、1,6-ヘキサンジイルジイソシアネート、3-メチル-オクタン-1,8-ジイルジイソシアネート、1,2-シクロプロパンジイルジイソシアネート、1,3-シクロブタンジイルジイソシアネート、1,3-シクロペンタンジイルジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイルジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン4,4'-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキセン1,4-ジイソシアネート、4-メチル-シクロヘキサン-1,3-ジイルジイソシアネートなどが挙げられる。
【0054】
前記芳香族ジイソシアネート化合物としては、1,2-フェニレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、3-クロロ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、4-クロロ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、5-クロロ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、2-クロロ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、4-クロロ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、5-クロロ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、2-クロロ-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-クロロ-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,2-ベンゼンジイソシアネート、4-メチル-1,2-ベンゼンジイソシアネート、5-メチル-1,2-ベンゼンジイソシアネート、2-メチル-1,3-ベンゼンジイソシアネート、4-メチル-1,3-ベンゼンジイソシアネート、5-メチル-1,3-ベンゼンジイソシアネート、2-メチル-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-メトキシ-1、2-ベンゼンジイソシアネート、4-メトキシ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、5-メトキシ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、2-メトキシ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、4-メトキシ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、5-メトキシ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、2-メトキシ-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-メトキシ-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3,4-ジメチル-1,2-ベンゼンジイソシアネート、4,5-ジメチル-1,3-ベンゼンジイソシアネート、2,3-ジメチル-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-クロロ-4-メチル-1,2-ベンゼンジイソシアネート、3-メチル-4-クロロ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、3-メチル-5-クロロ-1,2-ベンゼンジイソシアネート、2-クロロ-4-メチル-1,3-ベンゼンジイソシアネート、4-クロロ-5-メトキシ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、5-クロロ-2-フルオロ-1,3-ベンゼンジイソシアネート、2-クロロ-3-ブロモ-1,4-ベンゼンジイソシアネート、3-クロロ-5-イソプロポキシ-1,4-ベンゼンジイソシアネート、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,2-ジフェニルプロパン-4,4'-ジイソシアネート、4,4'-ジフェニルジイソシアネート、アゾベンゼン-4,4'-ジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、1,4-ナフチレンジイソシアネート、1,5-ナフチレンジイソシアネート、m-又はp-テトラメチルキシレンジイソシアネート、2,3-ジイソシアネートピリジン、2,4-ジイソシアネートピリジン、2,5-ジイソシアネートピリジン、2,6-ジイソシアネートピリジン、2,5-ジイソシアネート-3-メチルピリジン、2,5-ジイソシアネート-4-メチルピリジン、2,5-ジイソシアネート-6-メチルピリジンなどが挙げられる。
【0055】
前記ヒドロキシ基を有するラジカル重合性化合物としては、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物を用いてよい。前記ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート化合物としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-n-プロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-ブチル(メタ)アクリレート、5-ヒドロキシ-n-ペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-n-ペンチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ-n-ペンチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシ-n-ペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシシクロプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシシクロペンチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0056】
前記C-C10のアルコール化合物としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、ブタノールなどが挙げられる。
【0057】
前記ウレタンオリゴマーは、ゲル透過クロマトグラフィー(Gel permeation chromatography、GPC)によって測定された重量平均分子量(ポリスチレン換算)が1000~20万、好ましくは10,000~100,000であってよい。前記ウレタンオリゴマーの重量平均分子量が前記範囲を外れる場合、工程性の確保が困難であったり、信頼性が低下したりすることがある。
【0058】
本発明の一実施形態において、前記希釈モノマーは、前記ウレタンオリゴマーに対する分散媒として作用し、光開始剤の作用で重合され得る成分である。また、前記希釈モノマーは、粘着剤組成物を希釈して粘度を調節することで塗工を容易にすることができる。
【0059】
前記希釈モノマーは、(メタ)アクリルモノマーを含んでよい。
【0060】
ここで、(メタ)アクリルは、アクリル及び/又はメタクリルを意味する。
【0061】
好ましくは、前記希釈モノマーは、C-C30のアルキル基を有する(メタ)アクリレート及び極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーを含んでよい。
【0062】
前記C-C30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートは、ガラス転移温度(Tg)が低くて粘着剤組成物の硬化後の貯蔵弾性率を下げることができ、折り畳み性を向上させることができる。
【0063】
前記C-C30のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートなどを用いてよく、これらのうち2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどが好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いてよい。
【0064】
前記極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、下部基材の極性基と水素結合やイオン結合を形成することができ、粘着剤組成物の密着力を向上させることができる。
【0065】
前記極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレート及び窒素原子を有する(メタ)アクリルアミドのうちの1つ以上であってよい。
【0066】
前記ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、アルキレン基の炭素数が2~4であるヒドロキシアルキレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのうち4-ヒドロキシブチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどが好ましい。
【0067】
前記窒素原子を有する(メタ)アクリルアミドとしては、(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ジエチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0068】
前記極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーは、全希釈モノマー100重量%に対し、3~30重量%の量で含まれてよい。前記極性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーの含有量が3重量%未満であると、密着力が低下することがあり、また30重量%を超えると、低温弾性率が上昇することがある。
【0069】
本発明の一実施形態において、前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーとの混合比は、重量基準で1:9~5:5、好ましくは2:8~6:4であってよい。前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーとの混合比においてウレタンオリゴマーの量が前記範囲より少ないと、シート製作工程上、厚み偏差が大きくなることがあり、また前記範囲より多いと、密着力が低下して信頼性が低下することがある。
【0070】
前記希釈モノマーは、前記モノマーに加え、他の重合性モノマーをさらに含んでよい。
【0071】
前記他の重合性モノマーの具体的な例としては、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのうちイソボルニル(メタ)アクリレートが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いてよい。
【0072】
前記他の重合性モノマーは、全希釈モノマー100重量%に対し、10重量%以下の量で含まれてよい。前記他の重合性モノマーの含量が10重量%を超えると、低温弾性率が上昇することがある。
【0073】
本発明の一実施形態において、前記光開始剤は、活性エネルギー線を吸収してラジカルを生成する開始剤のことを意味する。
【0074】
前記光開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルホリノ-プロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル-2-(ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p-フェニルベンゾフェノン、4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(EAB-F)、ジクロロベンゾフェノン、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、2-アミノアントラキノン、2-メチルチオキサントン、2-エチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2,4-ジエチルチオキサントン(DETX)、4-イソプロピルチオキサントン(ITX)、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p-ジメチルアミノ安息香酸エステル、オリゴ[2-ヒドロキシ-2-メチル-1[4-(1-メチルビニル)フェニル]プロパン]、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニル-ホスフィンオキシド、2-(3,4-メチレンジオキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-1,3,5-トリアジン、2,2'-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミザゾール(HABI-101)、2,2'-ビス(2-メトキシフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾール(HABI-107)、2,2',4-トリス(2-クロロフェニル)-5-(3,4-ジメトキシフェニル)-4',5'-ジフェニルビイミダゾール(TCDM)などが挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いてよい。
【0075】
前記光開始剤は、前記ウレタンオリゴマーと希釈モノマーの合計量100重量部に対し、0.01~3重量部の量で含有されてよい。0.01重量部未満であると、光硬化が十分に行われず、最終的に得られた粘着シートの機械的物性や密着力を具現することが難しく、また3重量部を超えると、残存の開始剤により変色などが起こり、耐久性が低下することがある。
【0076】
本発明の一実施形態に係る粘着剤組成物は、前記のような成分の他、用途に応じて求められる粘着力、凝集力、粘性、弾性率、ガラス転移温度、帯電防止性などを調節するために、可塑剤、シランカップリング剤、粘着性付与樹脂、酸化防止剤、腐食防止剤、レベリング剤、表面潤滑剤、染料、顔料、消泡剤、充填剤、光安定剤、帯電防止剤などの添加剤をさらに含んでよい。
【0077】
本発明の一実施形態は、前記粘着剤組成物を用いて形成された粘着シートに関するものである。
【0078】
前記粘着シートは、基材フィルム上に本発明に係る粘着剤組成物から粘着剤層が形成されたものであるか、2枚の基材フィルム間に本発明に係る粘着剤組成物から形成された粘着剤層が介在されたものであってよい。
【0079】
前記基材フィルムとしては、ポリオレフィン系フィルム、ポリエステル系フィルム、アクリル系フィルム、スチレン系フィルム、アミド系フィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどが挙げられ、これらは、シリコーン系、フッ素系、シリカ粉末などにより適宜離型処理されたものであってもよい。
【0080】
前記基材フィルムの厚さは30~80μmであることが好ましい。30μm未満であると、基材フィルムが突き刺し不良などに弱く、また80μmを超えると、取扱性が悪くなることがある。
【0081】
粘着剤層は、1枚の基材フィルム上に粘着剤組成物を塗工する方法で形成してよい。塗工方法は、当該分野で公知の方法であれば特に限定されず、例えば、バーコーター、エアナイフ、グラビア、リバースロール、キスロール、スプレー、ブレード、ダイコーター、キャスティング、スピンコーティングなどの方法を用いてよい。具体的には、1枚の基材フィルム上に粘着剤組成物を塗布し、約100~2000mJ/cm、好ましくは200~1500mJ/cmの紫外線照射量で照射し光硬化させて形成してよい。
【0082】
前記粘着剤層の厚さは10~2,000μm、好ましくは25~1,500μmであってよい。前記粘着剤層の厚さが10μm未満であると、外部から発生する衝撃を緩衝し難くなることがあり、また2,000μmを超えると、透過が低下して光学性能が劣ることがある。
【0083】
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、貼合の前に粘着剤層を表面処理して密着性を向上させることもできる。
【0084】
表面処理方法は特に限定されず、例えば、コロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射、電子ビーム照射又はアンカー剤(anchoring agent)塗布などの方法で粘着剤層の表面を活性化させることができる。
【0085】
本発明の一実施形態に係る粘着シートは、通常のフラットパネルディスプレイ及びフレキシブルディスプレイだけでなく、折り畳み式ディスプレイにも適用可能である。特に、本発明の一実施形態に係る粘着シートは、低温での貯蔵弾性率が3~30kPaの範囲に制御され、折り畳み性が優れているため、折り畳み式ディスプレイ装置において部品を積層する層間接着に効果的に適用され得る。具体的には、前記粘着シートは、アンテナ、表示パネル、偏光子、タッチセンサ、カバーウィンドウ、ベゼル、高分子フィルム、FPCBなどの様々なディスプレイ素材の貼合に適用され得る。
【0086】
以下、実施例、比較例及び実験例により本発明をより具体的に説明する。なお、これらの実施例、比較例及び実験例は、単に本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲がこれらに局限されないことは当業者にとって自明である。
【0087】
製造例1:ウレタンオリゴマーの製造
数平均分子量1230のポリカプロラクトンジオール[ダイセル化学工業(株)製、商品名:Placcel212]81重量部に500ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(DBTDL)とイソホロンジイソシアネート10重量部を80℃で反応させて得られるイソシアネートポリマーに2-ヒドロキシエチルアクリレート9重量部を反応させて、重量平均分子量60,000のウレタンオリゴマーを製造した。
【0088】
製造例2:ウレタンオリゴマーの製造
数平均分子量2000のポリカプロラクトンジオール[ダイセル化学工業(株)製、商品名:Placcel220]81重量部に500ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(DBTDL)とイソホロンジイソシアネート10重量部を80℃で反応させて得られるイソシアネートポリマーに2-ヒドロキシエチルアクリレート9重量部を反応させて、重量平均分子量80,000のウレタンオリゴマーを製造した。
【0089】
製造例3:ウレタンオリゴマーの製造
数平均分子量1230のポリカプロラクトンジオール[ダイセル化学工業(株)製、商品名:Placcel212]81重量部に500ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(DBTDL)と1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート10重量部を80℃で反応させて得られるイソシアネートポリマーに2-ヒドロキシエチルアクリレート9重量部を反応させて、重量平均分子量70,000のウレタンオリゴマーを製造した。
【0090】
製造例4:ウレタンオリゴマーの製造
数平均分子量1000のポリプロピレングリコール(Hannong Chemicals Inc製、PPG1000)81重量部に500ppmのジラウリン酸ジブチルスズ触媒(DBTDL)とイソホロンジイソシアネート10重量部を80℃で反応させて得られるイソシアネートポリマーに2-ヒドロキシエチルアクリレート9重量部を反応させて、重量平均分子量60,000のウレタンオリゴマーを製造した。
【0091】
実施例1~5及び比較例1~2:粘着剤組成物及び粘着シートの製造
下記表1の組成で混合して粘着剤組成物を製造した(重量部)。
【0092】
【表1】
【0093】
前記で製造された実施例1~5及び比較例1~2の粘着剤組成物を、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ:75μm)上にバーコーターを用いてコートした。次いで、UVランプを用いて紫外線を10分間2.0J/cmの光量で照射して硬化させることにより、前記粘着剤組成物の硬化後の厚さが50μmになるように粘着シートを製造した。
【0094】
実験例1:
実施例及び比較例で製造された粘着シートの物性を下記の方法で測定し、その結果を下記の表2に表した。
【0095】
(1)密着力
実施例及び比較例で製造された粘着シートの様々な基材に対する密着力を測定した。
【0096】
粘着シートの一方の面の離型フィルムを剥離し、粘着剤面にコロナ処理を施した後、38μmのPETフィルムと貼合してから、幅25mm、長さ100mmになるように切り出して試片を製造した。次いで、残りの他方の面の離型フィルムを剥離し、JIS Z 0237の規定に従い2kgのローラを用いて粘着シートをアルカリガラスに貼り付けた。粘着シートが貼り付けられたアルカリガラスをオートクレーブ(50℃、5気圧)で約20分間圧着処理し、恒温恒湿条件(23℃、相対湿度50%)で1時間保管した後、テクスチャ・アナライザー(Texture Analyzer、英国のステーブルマイクロシステム社製)を用いて、前記粘着シートをアルカリガラスから300mm/minの剥離速度及び180度の剥離角度で剥離して常温密着力を測定した。
【0097】
また、PET(polyethylene terephthalate)密着力は、被着材としてのアルカリガラスの上に両面テープを用いてPETフィルムを貼り付けたものを用いることを除いては、同一の方法で密着力を測定した。
【0098】
(2)貯蔵弾性率(G')
実施例及び比較例で製造された粘着シートに対し、-20℃での貯蔵弾性率を粘弾性測定装置(MCR-301、Anton Paar社製)を用いて測定した。より詳しくは、粘着シートを長さ30mm×幅30mmのサイズに切り出し、該切り出した粘着シートの一方の面に貼り付けられていた離型フィルムを除去してから、ガラス基板に貼合し、その後、測定チップ(tip)と接着した状態で、-30~100℃の温度領域で周波数1.0Hz、歪み2%、昇温速度5℃/minの条件下で測定し、このとき、-20℃の測定値を読み取った。
【0099】
(3)折り畳み性
実施例及び比較例で製造された粘着シートを50μmのPETフィルムに貼合してから20mm×100mmのサイズに切り出して試片として用いた。折り畳み性の評価のための屈曲性評価装置(COVOTECH社製、CFT-720C)に試片を固定させ、曲率半径2mmに折り畳まれる(folding)ようにし、1分当りに25回の折り畳みを行い、1回の折り畳み後に0.2秒維持の条件で、-20℃の条件下、折り畳み性の評価を行った。折り畳み性の評価の適用時に1回の折り畳みを1サイクルとし、折り畳みの部位で縞模様などが生じたり、粘着シートの破断、浮き、剥離などが生じる最初のサイクル数を評価して、折り畳みの部位で縞模様などが生じたり、粘着シートの破断、浮き、剥離などが生じるとNG、生じないとOKと判定した。
【0100】
(4)高温信頼性
偏光板とPETフィルムとをこれらの間に実施例及び比較例で製造された粘着シートを介在させて貼り合わせた後、高温高湿(85℃、85%相対湿度)状態で10日間保管した後、目視にて観察して気泡や剥離の発生の有無を確認した。
【0101】
<評価基準>
OK:気泡及び剥離無し
NG:気泡及び/又は剥離有り
【0102】
【表2】
【0103】
前記表2から分かるように、本発明に係るポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマー、希釈モノマー、及び光開始剤を含む実施例1~5の粘着剤組成物は、様々な基材に対する密着力に優れ、且つ硬化後の粘着剤層の-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')が3~30kPaのレベルと低くて折り畳み性に優れていることが確認できる。
【0104】
これに対し、ポリエステル骨格を有し、少なくとも一方の末端にラジカル重合性官能基を有するウレタンオリゴマーの代わりにポリエーテル骨格を有するウレタンオリゴマーを用いた比較例1~2の粘着剤組成物は、硬化後の粘着剤層の-20℃及び1Hzでの貯蔵弾性率(G')が30kPaを超えて折り畳み性が不良である結果を示した。
【0105】
以上、本発明の特定の部分を詳細に記述したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとってかかる具体的な記述は単に好ましい具現例であるに過ぎず、それにより本発明の範囲が制限されるものではないことは明らかである。本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、前記内容を基に本発明の範囲内で様々な応用及び変形を行うことが可能であろう。
【0106】
したがって、本発明の実質的な範囲は特許請求の範囲とその等価物によって定義されるといえる。
【国際調査報告】