(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】二重壁引出し側板を手動でかつ/または機械で製造するための方法
(51)【国際特許分類】
A47B 88/90 20170101AFI20231211BHJP
【FI】
A47B88/90
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533795
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-06
(86)【国際出願番号】 AT2021060443
(87)【国際公開番号】W WO2022115890
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス フォイアーシュタイン
【テーマコード(参考)】
3B160
【Fターム(参考)】
3B160AA01
3B160AB12
3B160DA11
3B160DA25
3B160DA26
3B160DA42
(57)【要約】
引出し(14)のための、内壁(2)と外壁(3)とから成る二重壁引出し側板(1)を機械でかつ/または手動で製造するための方法であって、特に記載の順序の時系列で実施される方法ステップ、すなわち、少なくとも1つのスペーサ部品(4)を内壁(2)および/または外壁(3)に配置するステップ、両壁(2,3)を、互いに実質的に平行に配置するステップ、両壁(2,3)を、壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、かつ/または長手方向に対して横方向に、互いに相対的にスライドさせるステップ、両壁(2,3)を、一連のスライド運動の間に互いに結合させるステップ、を有している、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出し(14)のための、内壁(2)と外壁(3)とから成る二重壁引出し側板(1)を機械でかつ/または手動で製造するための方法であって、特に記載の順序の時系列で実施される以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのスペーサ部品(4)を前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に配置するステップ、
-前記両壁(2,3)を、互いに実質的に平行に配置するステップ、
-前記両壁(2,3)を、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、かつ/または前記長手方向に対して横方向に、互いに相対的にスライドさせるステップ、
-前記両壁(2,3)を、一連のスライド運動の間に互いに結合させるステップ、
を有していることを特徴とする、方法。
【請求項2】
好ましくは前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されていて、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を、弾性的に圧縮するステップ、
-前記両壁(2,3)を、互いに実質的に平行に配置することにより、前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を圧縮するステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1記載の方法。
【請求項3】
以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)に接着するステップ
を有している、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、実質的に直方体状に形成されており、好適には、少なくとも1つの縁部(42)が、特に好適には、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、面取りされていて、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つの直方体状のスペーサ部品(4)を、少なくとも1つの側面(43)で、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)に接着するステップ
を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、少なくとも1つのスリット(41)を有していて、好ましくは前記少なくとも1つのスリット(41)の開口部はV字型に拡大していて、かつ/または前記壁(2,3)の長手方向に対して実質的に平行な方向に配置されていて、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を、前記外壁(3)と前記内壁(2)との間の端面(9)で、前記端面(9)に位置する長手方向ウェブ(91)を、前記少なくとも1つのスリット(41)内に導入することにより取り付けるステップ
を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)を有しており、前記少なくとも1つのガイド装置(5)は、
-少なくとも1つのガイド溝(51)と、
-少なくとも1つのガイドウェブ(52)と
を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-好ましくは前記壁(2,3)の前記長手方向に対して横方向に前記両壁(2,3)を互いに相対的にスライドさせることにより、かつ/または好ましくは前記少なくとも1つのガイド溝(51)が、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を取り囲むように、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に配置するステップ、
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)および/または前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、金属薄板部品の、実質的に半円形の少なくとも1つの湾曲部(53,54)を有しており、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)の半径は、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)の半径よりも大きく、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記ガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)を、前記ガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)内に配置するステップ、
-前記ガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)を、前記ガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)内でスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記外壁(3)および/または前記内壁(2)は、金属薄板から製造されており、
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、前記外壁(3)と同じ金属薄板部品から、好ましくは前記外壁(3)の端部部分から製作されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されていて、好ましくは前記外壁(3)と前記内壁(2)との間の端面(9)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されており、前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記端面(9)の領域に配置されている、
請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記二重壁引出し側板(1)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)に保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で、少なくとも1つの第1の保持装置(71)内に押し込むステップであって、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第1の保持装置(71)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第1の端部領域に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのガイド溝(51)に定置に結合されているステップ、
-少なくとも1つの第2の保持装置(72)を取り付けるステップであって、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第2の保持装置(72)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第2の端部領域に配置されていて、かつ/または別個の構成部分として、特に保持クリップ(73)として形成されているステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つの掛止装置(6)を有しており、前記少なくとも1つの掛止装置(6)は、
-少なくとも1つの掛止溝(61)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止溝(61)は、前記外壁(3)の折り返された端部部分によって形成されている掛止溝(61)、および
-少なくとも1つの掛止ウェブ(62)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記内壁(2)に定置に結合されている掛止ウェブ(62)、
を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-好ましくは前記壁(2,3)の前記長手方向に対して横方向に前記両壁(2,3)を互いに相対的にスライドさせることにより、かつ好ましくは前記少なくとも1つの掛止溝(61)が、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)に背後から係合するように、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を、前記少なくとも1つの掛止溝(61)内に配置するステップ、
-前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を、前記少なくとも1つの掛止溝(61)内で、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記少なくとも1つの掛止溝(61)と前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)との間の遊びを補償するための少なくとも1つの遊び補償装置(8)を有しており、前記遊び補償装置(8)は、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を拡大していて、好適にはこの場合、前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)は、少なくとも1つの突起(81)として形成されており、特に好適には、前記少なくとも1つの突起(81)は、ばね弾性的に形成されていて、かつ/または傾斜路状の側縁(82)を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)によって、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を、前記少なくとも1つの掛止溝(61)内で挟み込むステップ、
-前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)を、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)が前記少なくとも1つの掛止溝(61)内に配置される際に圧縮するステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)と少なくとも1つの掛止装置(6)とを有しており、前記ガイド装置(5)と前記掛止装置(6)とは、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)の、対向して位置する2つの長辺の領域に配置されており、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記両壁(2,3)を、前記長手方向に対して横方向に行われる一連の前記スライド運動において、対向して位置する前記2つの長辺で互いに結合するステップ
を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
請求項1から12までのいずれか1項記載の方法により製造される、引出し(14)のための、内壁(2)と外壁(3)とを有する二重壁引出し側板(1)であって、前記両壁(2,3)の間に、少なくとも1つのスペーサ部品(4)が配置可能であって、好ましくは、前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に結合可能である、二重壁引出し側板(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、
-少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されていて、かつ/または
-実質的に直方体状に形成されており、好適には、少なくとも1つの縁部(42)が、特に好適には、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、面取りされていて、かつ/または
-少なくとも1つのスリット(41)を有していて、好ましくは前記少なくとも1つのスリット(41)の開口部はV字型に拡大していて、かつ/または前記壁(2,3)の長手方向に対して実質的に平行な方向に配置されている、
請求項13記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項15】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)を有しており、前記少なくとも1つのガイド装置(5)は、
-少なくとも1つのガイド溝(51)と、
-少なくとも1つのガイドウェブ(52)と
を有しており、好ましくはこの場合、
-前記少なくとも1つのガイド溝(51)および/または前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、金属薄板部品の、実質的に半円形の少なくとも1つの湾曲部(53,54)を有しており、好適にはこの場合、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)の半径は、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)の半径よりも大きく、かつ/または
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、前記外壁(3)と同じ金属薄板部品から、好ましくは前記外壁(3)の端部部分から製作されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されていて、好ましくは前記外壁(3)と前記内壁(2)との間の端面(9)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されており、前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記端面(9)の領域に配置されている、
請求項13または14記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項16】
前記二重壁引出し側板(1)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)に保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を有しており、好ましくはこの場合、
-少なくとも1つの第1の保持装置(71)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第1の端部領域に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのガイド溝(51)に定置に結合されており、かつ/または
-少なくとも1つの第2の保持装置(72)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第2の端部領域に配置されていて、かつ/または別個の構成部分として、特に保持クリップ(73)として形成されている、
請求項15記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項17】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つの掛止装置(6)を有しており、前記少なくとも1つの掛止装置(6)は、
-少なくとも1つの掛止溝(61)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止溝(61)は、前記外壁(3)の折り返された端部部分によって形成されている掛止溝(61)、および
-少なくとも1つの掛止ウェブ(62)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記内壁(2)に定置に結合されている掛止ウェブ(62)、
を有しており、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記少なくとも1つの掛止溝(61)と前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)との間の遊びを補償するための少なくとも1つの遊び補償装置(8)を有しており、前記遊び補償装置(8)は、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を拡大していて、好適にはこの場合、前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)は、少なくとも1つの突起(81)として形成されており、特に好適には、前記少なくとも1つの突起(81)は、ばね弾性的に形成されていて、かつ/または傾斜路状の側縁(82)を有している、請求項13から16までのいずれか1項記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項18】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)と少なくとも1つの掛止装置(6)とを有しており、前記ガイド装置(5)と前記掛止装置(6)とは、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)の対向する2つの長辺の領域に配置されている、請求項13から17までのいずれか1項記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項19】
請求項13から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの二重壁引出し側板(1)を有している引出し(14)であって、好ましくは、前記引出し(14)は、1つの引出し底面(15)、1つの背壁(16)、および/または1つの前板(17)を有している、引出し(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引出しのための、内壁と外壁とから成る二重壁引出し側板を機械でかつ/または手動で製造するための方法に関する。さらに本発明は、請求項13記載の二重壁引出し側板および請求項19記載の引出しに関する。
【0002】
二重壁引出し側板は、既に従来技術により公知である。二重壁引出し側板は、通常、機械による方法で製造される。この場合、二重壁引出し側板の外壁と内壁とが、相応の位置にもたらされ、適切な結合技術、例えば、溶接、接着、リベット結合、ねじ固定、またはクリンチ固定によって互いに結合される。
【0003】
上記の結合技術の欠点は、これらの結合技術が、二重壁引出し側板の手動による製造のためには適していないことにある。さらに、機械による製造方法の場合には、結合技術を実現することができる追加的な結合装置、例えば、溶接装置、接着装置、リベット結合装置、ねじ固定装置、および/またはクリンチ固定装置が必要となる。
【0004】
外壁と内壁との互いの結合は、例えば国際公開第2013/090951号に開示されているような機械的な保持装置によって実現することもできる。これにより二重壁引出し側板を、追加的な装置なしに手動でかつ/または機械で組み付けることができる。
【0005】
このような従来技術の欠点は、機械的な保持装置が、典型的には遊びを有していて、これにより二重壁引出し側板の使用時にがたつきが生じるおそれがあるということにある。
【0006】
本発明の課題は、従来技術の上述した欠点を少なくとも部分的に回避することである。
【0007】
二重壁引出し側板を機械でかつ/または手動で製造するための改善された方法、改善された二重壁引出し側板、および改善された引出しが提供されることが望ましい。二重壁引出し側板は、追加的な結合装置なしに手動でかつ/または機械で製造可能であることが望ましい。さらに、例えば外壁と内壁との間のがたつきが回避されることが望ましい。
【0008】
引出しのための、内壁と外壁とから成る二重壁引出し側板を機械でかつ/または手動で製造するための本発明による方法では、特に記載の順序の時系列で実施される以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのスペーサ部品を内壁および/または外壁に配置するステップ、
-両壁を、互いに実質的に平行に配置するステップ、
-両壁を、壁の長手方向に対して平行な方向に、かつ/または長手方向に対して横方向に、互いに相対的にスライドさせるステップ、
-両壁を、一連のスライド運動の間に互いに結合させるステップ、
が設けられている。
【0009】
これは、二重壁引出し側板を製造するための簡単な方法であり、この方法は、手動で実施することができ、この方法が機械で実施される場合は、さらなる結合装置は必要ない。スペーサ部品によって、結合される壁のがたつきは回避される。
【0010】
一実施例では、好ましくは、少なくとも1つのスペーサ部品が、少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されていることが想定されている。
【0011】
以下の付加的な方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのスペーサ部品を、弾性的に圧縮するステップ、
-両壁を、互いに実質的に平行に配置することにより、少なくとも1つのスペーサ部品を圧縮するステップ、
のうちの少なくとも1つが設けられている。
【0012】
少なくとも1つのスペーサ部品は、幾分、過剰寸法を有していて、すなわち、外壁と内壁との間の間隔よりも大きい。
【0013】
壁の配置状態における少なくとも1つのスペーサ部品の弾性的な圧縮により、少なくとも1つのスペーサ部品の弾性的な反力が、遊びを含む結合部に一方向で予荷重をかけるので、内壁における外壁のがたつきは回避される。
【0014】
一実施例は、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのスペーサ部品を、外壁および/または内壁に接着するステップ
を有している。
【0015】
これにより、少なくとも1つのスペーサ部品は、外壁および/または内壁に、このスペーサ部品のために設けられた個所で位置固定される。例えば、これにより、スペーサ部品が滑り落ちるおそれがないので、手動による製造を簡単にすることができる。
【0016】
少なくとも1つのスペーサ部品は、実質的に直方体状に形成されており、好適には、少なくとも1つの縁部が、特に好適には、壁の長手方向に対して平行な方向に、面取りされていることが想定されていてよい。
【0017】
この場合、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つの直方体状のスペーサ部品を、少なくとも1つの側面で、外壁および/または内壁に接着するステップ
が設けられている。
【0018】
直方体状のスペーサ部品の側面は、接着のために大きく安定的な支持面をなす。
【0019】
一実施例では、少なくとも1つのスペーサ部品は、少なくとも1つのスリットを有していて、好ましくは少なくとも1つのスリットの開口部はV字型に拡大していて、かつ/または壁の長手方向に対して実質的に平行な方向に配置されている。
【0020】
以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのスペーサ部品を、外壁と内壁との間の端面で、端面に位置する長手方向ウェブを、少なくとも1つのスリット内に導入することにより取り付けるステップ
が設けられている。
【0021】
これにより、少なくとも1つのスペーサ部品は、接着されることなく、外壁を内壁に取り付ける前に、一時的に位置固定され得る。少なくとも1つのスリットの開口部がV字型に拡大していることにより、端面に位置する長手方向ウェブの導入が容易になる。
【0022】
二重壁引出し側板が、少なくとも1つのガイド装置を有しており、少なくとも1つのガイド装置は、
-少なくとも1つのガイド溝と、
-少なくとも1つのガイドウェブと
を有していることが想定されていてよい。
【0023】
さらに、以下の方法ステップ、すなわち、
-好ましくは壁の長手方向に対して横方向に両壁を互いに相対的にスライドさせることにより、かつ/または好ましくは少なくとも1つのガイド溝が、少なくとも1つのガイドウェブを取り囲むように、少なくとも1つのガイドウェブを、少なくとも1つのガイド溝内に配置するステップ、
-少なくとも1つのガイドウェブを、少なくとも1つのガイド溝内で、壁の長手方向に対して平行な方向にスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つが設けられていてよい。
【0024】
これにより、壁の長手方向に対して平行な方向への両壁のガイドされたスライドが実現される。
【0025】
一実施例では、少なくとも1つのガイド溝および/または少なくとも1つのガイドウェブは、金属薄板部品の、実質的に半円形の少なくとも1つの湾曲部を有しており、好ましくはこの場合、少なくとも1つのガイド溝の少なくとも1つの湾曲部の半径は、少なくとも1つのガイドウェブの少なくとも1つの湾曲部の半径よりも大きいことが想定されている。
【0026】
また、以下の方法ステップ、すなわち、
-ガイドウェブの少なくとも1つの湾曲部を、ガイド溝の少なくとも1つの湾曲部内に配置するステップ、
-ガイドウェブの少なくとも1つの湾曲部を、ガイド溝の少なくとも1つの湾曲部内でスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つが設けられている。
【0027】
ガイドウェブとガイド溝とは、これにより簡単かつ安価に、1つの薄板部品から製作され得る。これにより簡単に、溝と、溝に適合する対応形状とを形成することもできる。
【0028】
外壁および/または内壁が、金属薄板から製造されており、この場合、
-少なくとも1つのガイドウェブは、外壁と同じ金属薄板部品から、好ましくは外壁の端部部分から製作されていて、かつ/または
-少なくとも1つのガイド溝は、内壁と同じ金属薄板部品から製作されていて、好ましくは外壁と内壁との間の端面は、内壁と同じ金属薄板部品から製作されており、少なくとも1つのガイド溝は、端面の領域に配置されている
ことが想定されていてよい。
【0029】
これにより、ガイドウェブおよびガイド溝の製造はさらに簡単かつ安価に行われる。
【0030】
二重壁引出し側板は、少なくとも1つのガイド溝を少なくとも1つのガイドウェブに保持するための少なくとも1つの保持装置を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのガイドウェブを、少なくとも1つのガイド溝内で、少なくとも1つの第1の保持装置内に押し込むステップであって、好ましくはこの場合、少なくとも1つの第1の保持装置は、少なくとも1つのガイド溝の第1の端部領域に配置されていて、かつ/または少なくとも1つのガイド溝に定置に結合されているステップ、
-少なくとも1つの第2の保持装置を取り付けるステップであって、好ましくはこの場合、少なくとも1つの第2の保持装置は、少なくとも1つのガイド溝の第2の端部領域に配置されていて、かつ/または別個の構成部分として、特に保持クリップとして形成されているステップ、
のうちの少なくとも1つが設けられていることが想定されていてよい。
【0031】
保持装置によって、外壁が内壁に保持される。これにより、二重壁引出し側板を、追加的な装置なしに手動でまたは機械で製造することができる。
【0032】
一実施例では、二重壁引出し側板が、少なくとも1つの掛止装置を有しており、少なくとも1つの掛止装置は、
-少なくとも1つの掛止溝であって、好ましくは、少なくとも1つの掛止溝は、外壁の折り返された端部部分によって形成されている掛止溝、および
-少なくとも1つの掛止ウェブであって、好ましくは、少なくとも1つの掛止ウェブは、内壁に定置に結合されている掛止ウェブ、
を有していることが想定されていてよい。これにより、外壁を内壁内に掛止することができる。
【0033】
さらに、以下の方法ステップ、すなわち、
-好ましくは壁の長手方向に対して横方向に両壁を互いに相対的にスライドさせることにより、かつ好ましくは少なくとも1つの掛止溝が、少なくとも1つの掛止ウェブに背後から係合するように、少なくとも1つの掛止ウェブを、少なくとも1つの掛止溝内に配置するステップ、
-少なくとも1つの掛止ウェブを、少なくとも1つの掛止溝内で、壁の長手方向に対して平行な方向にスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つが設けられている。
【0034】
これにより、ガイド装置および掛止装置において、外壁が内壁に沿ってスライドさせられる。
【0035】
一実施例では、少なくとも1つの掛止ウェブは、少なくとも1つの掛止溝と少なくとも1つの掛止ウェブとの間の遊びを補償するための少なくとも1つの遊び補償装置を有しており、遊び補償装置は、少なくとも1つの掛止ウェブを拡大していて、好適にはこの場合、少なくとも1つの遊び補償装置は、少なくとも1つの突起として形成されており、特に好適には、少なくとも1つの突起は、ばね弾性的に形成されていて、かつ/または傾斜路状の側縁を有している。
【0036】
以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つの遊び補償装置によって、少なくとも1つの掛止ウェブを、少なくとも1つの掛止溝内で挟み込むステップ、
-少なくとも1つの遊び補償装置を、少なくとも1つの掛止ウェブが少なくとも1つの掛止溝内に配置される際に、圧縮するステップ、
が設けられている。
【0037】
これにより、掛止装置における遊びが補償され、内壁における外壁のがたつきが回避される。
【0038】
二重壁引出し側板が、少なくとも1つのガイド装置と少なくとも1つの掛止装置とを有しており、ガイド装置と掛止装置とは、外壁および/または内壁の、対向して位置する2つの長辺の領域に配置されていることが想定されていてよい。以下の方法ステップ、すなわち、
-両壁を、長手方向に対して横方向に行われる一連のスライド運動において、対向して位置する2つの長辺で互いに結合するステップ
が想定されている。
【0039】
外壁は、内壁の、対向して位置する2つの長辺でガイドされ、次いで結合される。これにより、外壁は内壁に安定的に結合されている。
【0040】
本発明による、引出しのための、内壁と外壁とを有する二重壁引出し側板は、これまでに記載した方法によって製造可能である。本発明によれば、両壁の間に少なくとも1つのスペーサ部品が配置可能であって、好ましくは、少なくとも1つのスペーサ部品は、内壁および外壁に結合可能であることが想定されている。
【0041】
少なくとも1つのスペーサ部品の配置により、内壁における外壁のがたつきが回避される。
【0042】
本発明による引出しは、少なくとも1つの上述した二重壁引出し側板を有しており、好ましくは引出しは、引出し底面、背壁、および/または前板を有している。
【0043】
本発明のさらなる詳細および利点を、図面の説明に基づき図面を参照しながら以下により詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】2つの二重壁引出し側板を備えた引出しを示す図である。
【
図2a】外壁およびスペーサ部品を有していない二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図2b】
図2aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図2c】
図2aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図2d】
図2aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図3a】準備されたスペーサ部品を備えた二重壁引出し側板を外壁なしで示す斜視図である。
【
図3b】
図3aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図3c】
図3aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図3d】
図3aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図4a】内壁に配置されたスペーサ部品を備えた二重壁引出し側板を外壁なしで示す斜視図である。
【
図4b】
図4aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図4c】
図4aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図4d】
図4aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図5a】準備された外壁を備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図5b】
図5aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図5c】
図5aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図5d】
図5aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図6a】互いに平行に配置された外壁および内壁を備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図6b】
図6aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図6c】
図6aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図6d】
図6aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図7a】降ろされた外壁を備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図7b】
図7aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図7c】
図7aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図7d】
図7aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図8a】両壁を長手方向に対して横方向に互いに相対的にスライドさせた後の二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図8b】
図8aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図8c】
図8aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図8d】
図8aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図9a】両壁を長手方向に対して平行な方向に互いに相対的にスライドさせた後の二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図9b】
図9aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図9c】
図9aの二重壁引出し側板の掛止装置の断面詳細図である。
【
図9d】
図9aの二重壁引出し側板の全体的な断面図である。
【
図10a】準備された保持クリップを備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図10b】
図10aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図11a】取り付けられた保持クリップを備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図11b】
図11aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図12a】取り付けられた保持クリップを備えた二重壁引出し側板を、外壁なしで示す斜視図である。
【
図12b】
図12aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図13a】取り付けられた保持クリップを備えた二重壁引出し側板を、図示された外壁と共に示す斜視図である。
【
図13b】
図13aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図14】二重壁引出し側板を示す代替的な斜視図である。
【
図15a】長手方向に対して平行にスライドされた外壁を有する
図14と同様の図である。
【
図19a】スリットを備えた代替的に形成されたスペーサ部品を備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図19b】
図19aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図20a】内壁に配置された、代替的に形成されたスペーサ部品を備えた二重壁引出し側板を示す斜視図である。
【
図20b】
図20aの二重壁引出し側板のガイド装置の断面詳細図である。
【
図21a】外壁のスライド運動を示す平面図である。
【
図21b】外壁のスライド運動を示す平面図である。
【
図21c】外壁のスライド運動を示す平面図である。
【
図22】二重壁引出し側板を機械でかつ/または手動で製造するための方法を示す図である。
【0045】
図1は、引出し14を示していて、この引出しは、2つの二重壁引出し側板1、1つの引出し底面15、1つの背壁16、および1つの前板17を有している。以下で、二重壁引出し側板1について詳しく説明する。
【0046】
図2a~
図2dから
図11a~
図11dまでは、二重壁引出し側板を手動でかつ/または機械で製造するための方法の1つの実施例の10の方法ステップを示している。
【0047】
図2aは、この方法の出発状態を示している。内壁2が、背壁16を取り付けるための背壁側付加部13と、引出し底面15を取り付けるための容器レール11とに堅固に結合されている。さらに、前板17を取り付けるための、ここには図示されていない前側付加部12が設けられている(図示については、
図19aおよび
図20a参照)。上記部品の結合は、ねじ固定、溶接、またはクリンチ固定のような公知の結合形式により実現されてよい。
【0048】
図2dは、
図2aの断面図を示している。円および符号Aで示された領域は、
図2bに拡大されて示されている。円および符号Bで示された領域は、
図2cに拡大されて示されている。
【0049】
図2bにより、ガイド装置5の一部が明らかである。特に、金属薄板部品の、実質的に半円形の少なくとも1つの湾曲部53によって形成されたガイド溝51が明らかになっている。
【0050】
本実施例では、内壁2は金属薄板から製作されている。二重壁引出し側板1の端面9は、内壁2と同じ金属薄板部品から成形される。ガイド溝51は、端面9の領域に配置されていて、同様に同じ金属薄板部品から成形されている。上述した全ての構成部分は、同じ金属薄板部品から成形されているので、著しいコスト削減が達成される。
【0051】
ガイド装置5の端部には、まだ取り付けられていない外壁3を保持するための保持装置7が位置している。
【0052】
図2cにより、掛止装置6の一部が明らかである。特に、掛止ウェブ62が明らかとなっている。掛止ウェブ62は、曲げられた金属薄板部品の端部部分から成っていて、この端部部分は容器レール11に取り付けられている。掛止ウェブ62には、突起81の形態の遊び補償装置8が配置されている。
【0053】
ガイド装置5と掛止装置6とは、内壁2(および/または外壁3)の、対向して位置する2つの長辺の領域に配置されている。
【0054】
ガイド装置5と掛止装置6のその他の部分は、以下のいくつかの図面に示されているように、外壁3に形成されている。
【0055】
図3a~
図3dは、
図2a~
図2dに加えて付加的に6つのスペーサ部品4を示していて、これらのスペーサ部品はまだ配置されていない。6つのスペーサ部品は、実質的に直方体状に形成されている。
【0056】
図4a~
図4dでは、スペーサ部品4が内壁2に配置される。特に、3つのスペーサ部品は、ガイド装置5の領域に配置されていて、3つのスペーサ部品は、掛止装置6の領域に配置されている。
【0057】
スペーサ部品4は、内壁2に接着されることが想定されていてよい。これにより、これらのスペーサ部品は、外壁3のその後の取付けのために位置固定されている。直方体状のスペーサ部品4では、接着は、直方体の側壁43で行われる。
【0058】
図5a~
図5dでは、外壁3が準備される。外壁3は、好ましくは金属薄板から製作されている。
【0059】
図6a~
図6dでは、外壁3が、内壁2に対して平行に配置される。
【0060】
図6bでは、ガイド溝51に加えて、ガイド装置5の第2の部分、すなわち外壁3に位置するガイドウェブ52が明らかとなっている。
【0061】
ガイドウェブ52は、金属薄板部品の、実質的に半円形の湾曲部54を有しており、好ましくはこの場合、少なくとも1つのガイド溝51の少なくとも1つの湾曲部53の半径は、少なくとも1つのガイドウェブ52の少なくとも1つの湾曲部54の半径よりも大きい。これにより、ガイドウェブの湾曲部54は、ガイド溝51の湾曲部53内に嵌まり込む。しかしながら
図6bでは、これらの湾曲部はまだ互いに内外に配置されてはいない。
【0062】
ガイドウェブ52の外側形状は、ガイド溝51の内側形状に実質的に相当する。
【0063】
少なくとも1つのガイドウェブ52は、外壁3と同じ金属薄板部品から、好ましくは外壁3の端部部分から製作されている。これにより、材料コストおよび製造コストが節約される。
【0064】
図6cでは、掛止ウェブ62に加えて、ガイド装置6の第2の部分、すなわち外壁3に位置する掛止溝61が明らかとなっている。掛止溝61は、外壁3の折り返された端部部分によって形成されている。
【0065】
図7a~
図7dでは、外壁3が、内壁2に平行に近づけられる。これにより、外壁3と内壁2との間の間隔は、組付け位置における値となる。
【0066】
また、
図7a~
図7dでは、外壁3は、掛止ウェブ62が掛止溝61内に(完全にではなく)導入されるように(
図7c参照)、壁2,3の長手方向に対して横方向に僅かにスライドされる。
【0067】
両壁2,3の接近により、スペーサ部品4は弾性的に圧縮される。このために、スペーサ部品4は、少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されていてよい。スペーサ部品4の弾性により、外壁3と内壁2とは、互いに離れるように押される。これにより、組付け状態では、ガイド装置5において場合によっては存在する遊びが、一方向への予荷重によって補償される。背壁側付加部13における外壁3のがたつきも阻止される。
【0068】
図8a~
図8dでは、外壁3は、内壁2に対して相対的に、壁2,3の長手方向に対して横方向にスライドされる。
【0069】
ガイドウェブ52は、ガイド溝51内に配置され、これにより、少なくとも1つのガイド溝51が、少なくとも1つのガイドウェブ52を取り囲む。
【0070】
ガイドウェブ52の少なくとも1つの湾曲部54は、ガイド溝51の少なくとも1つの湾曲部53内に配置される。この場合、ガイド溝51もしくはガイドウェブ52の湾曲部53,54を互いに当て付けることができる。
【0071】
掛止ウェブ62は、掛止溝61内に配置され、これにより、少なくとも1つの掛止溝61が、少なくとも1つの掛止ウェブ62に背後から係合する。掛止装置6の側では、これにより、外壁3が持ち上がりに抗して固定されている。
【0072】
両壁2,3は、ガイド装置5が掛止装置6に対向して位置しているので、長手方向に対して横方向に行われる一連のスライド運動において、対向して位置する2つの長辺で互いに結合される。
【0073】
図9a~
図9dでは、両壁2,3は、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に互いに相対的にスライドさせられる。
【0074】
この場合、ガイドウェブ52が、少なくとも1つのガイド溝51内で、壁2,3の長手方向に対して平行な方向にスライドさせられる。より詳しくは、ガイドウェブ52の少なくとも1つの湾曲部54が、ガイド溝51の少なくとも1つの湾曲部53内でスライドさせられる。
【0075】
掛止ウェブ62は、少なくとも1つの掛止溝61内で、壁2,3の長手方向に対して平行な方向にスライドさせられる。
【0076】
二重壁引出し側板は、少なくとも1つのガイド溝51を少なくとも1つのガイドウェブ52に保持するための少なくとも1つの保持装置7を有している。壁2,3の長手方向に対して平行な方向での一連のスライドにおいて、少なくとも1つのガイドウェブ52が、少なくとも1つのガイド溝51内で少なくとも1つの第1の保持装置71へと押し込まれる。第1の保持装置71は、ガイド装置5の第1の端部領域に位置している。このことは
図9a~
図9dでは明らかではないが、下記の
図12aおよび特に
図12eに示されている。
【0077】
図10a~
図10dおよび
図11a~
図11dは、第2の保持装置72としての保持クリップ73の取付けを示している。この場合、
図10a~
図10dは、準備された保持クリップ73を、
図11a~
図11dは、二重壁引出し側板1に配置された保持クリップ73を示している。
【0078】
第2の保持装置72は、少なくとも1つのガイド溝(51)の第2の端部領域に配置されており、第2の端部領域は第1の端部領域に対向して位置している。
【0079】
第1の保持装置71とは異なり、第2の保持装置72は、別個の構成部品として、特に保持クリップ73として形成されている。
【0080】
少なくとも1つの保持装置7の取付けにより、外壁3はガイド装置5の長辺で保持される。これにより対向して位置する側における掛止装置6と共に、外壁3は、持ち上がりに抗して位置固定されている。
【0081】
少なくとも1つの保持装置7は、ガイド溝51とガイドウェブ52とを、各保持装置7に形成された隙間内に押し込むことができる。保持クリップ73として形成された第2の保持装置72における隙間は、2つの脚によって形成されていてよい。
【0082】
少なくとも1つの保持装置7では、ガイド溝51もしくはガイドウェブ52に定置に結合されているレール74が、ガイドウェブ52をガイド溝51に、もしくはガイド溝51をガイドウェブ52に保持することができる。
【0083】
例えば、ガイド溝51およびガイドウェブ52における湾曲部53,54により、保持装置によってガイドウェブ52がガイド溝51内で保持される。
【0084】
図12a~
図12eは、配置されている保持クリップ73と共に二重壁引出し側板1を示しているが、外壁3は示されていない。
図2a~
図2dから
図11a~
図11dまでに図示したものに加えて、ここでは、ガイド装置5の第1の端部における第1の保持装置71の斜視図の詳細を示す別の図が
図12eによって示されている。
【0085】
図12eにより、第1の保持装置71が、レール74として形成されていることがよくわかる。ガイド溝51とレール74とは、狭い入口を形成しており、この入口内に、(外壁3の一部であるので図示されていない)ガイドウェブ52が、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に外壁3を動かすことにより挿入される。ガイド溝51およびガイドウェブ52の湾曲部53,54によって、両構成要素は互いに当て付けられて保持される。
【0086】
図12bからはさらに、保持クリップ73として形成されている第2の保持装置72が明らかとなっている。この保持クリップは、上記の図について説明したように、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に外壁3が動かされた後に、取り付けられる。保持クリップ73は、少なくとも2つの脚を有しており、これらの脚の間に、ガイド溝51と(外壁3の一部であるので図示されていない)ガイドウェブ52とが挟まれる。
【0087】
図12a~
図12eの構造は、保持クリップ73は、この場合、外壁3の前に取り付けられたので、方法ステップで設けられるものではないことに注意されたい。
図12a~
図12eに外壁3を図示しないことにより、保持装置7がより良好に見えるようになっている。
【0088】
【0089】
図14は、完全に組み付けられた状態の二重壁引出し側板1の代替的な斜視図を示している。
【0090】
図15a、
図15bは、
図14と同じ斜視図を示しており、この場合、外壁3は、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に、最終組付け状態となるようにはまだ押し込まれていない。
【0091】
これにより、この場合、レール74として形成されている第1の保持装置71が見えている。詳細図は、
図15bに示されている。
【0092】
図16a、
図16bは、壁2,3の長手方向に対して平行な方向にまだスライドされていない外壁3を備えた二重壁引出し側板1を示している。
【0093】
これにより、この図では、掛止装置6の掛止溝61と掛止ウェブ62との間の遊びを補償するための遊び補償装置8が見えている。遊び補償装置は、
図16bで細部Cにより拡大されて示されている。
【0094】
掛止溝61と掛止ウェブ62との間の遊びは、掛止ウェブ62における拡大部により補償される。この場合、遊び補償装置8は、突起81として形成されている。
【0095】
好適には、突起81はばね弾性的に形成されていて、かつ/または傾斜路状の側縁82を有している。
【0096】
遊び補償装置8を介して、少なくとも1つの掛止ウェブ62が少なくとも1つの掛止溝61内に挟み込まれ、遊び補償装置8は、掛止ウェブ62を掛止溝61内に配置する際に圧縮され得る。
【0097】
図17a、
図17bは、
図16a、
図16bと同様の二重壁引出し側板1の図を示しているが、外壁3は示されていない。これにより、全てのスペーサ部品4が見えている。
【0098】
図18は、二重壁引出し側板1の分解図を示している。この図では、突起81として形成されている3つの遊び補償装置8が設けられていることが明らかとなっている。また、6つのスペーサ部品4と保持クリップ73も見えている。
【0099】
図19a~
図19cは、代替的に構成されたスペーサ部品4を備えた二重壁引出し側板1を示している。この場合、
図19aは斜視図を、
図19cは、
図19aの断面図を、
図19bは、ガイド装置5の領域の断面図の細部を示している。
【0100】
図19aでは、3つのスペーサ部品4が準備されている。3つのスペーサ部品は、実質的に直方体状に形成されていて、4つの縁部42が面取りされている。スペーサ部品4は、4つの面取り縁部42が、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に延在するように配置されている。
【0101】
スペーサ部品4は、4つのスリット41を有している。スリット41の開口部はV字型に拡大していて、かつ/または実質的に壁2,3の長手方向に対して平行な方向に配置されている。
【0102】
図19aでは、前板17を取り付けるための前側付加部12も見えている。
【0103】
図20a~
図20cは、既に内壁2に配置されたスペーサ部品4を示している。スペーサ部品4は、外壁3と内壁2との間の端面9で、この端面9に位置する長手方向ウェブ91を、少なくとも1つのスリット41内に導入することにより取り付けられる。この取付け形式により、外壁3および/または内壁2におけるスペーサ部品4の接着は不要となる。
【0104】
図21a~
図21cは、外壁3の平面図で、外壁3のスライド運動を示している。これは、二重壁引出し側板1を手動でかつ/または機械で製造するための本発明による方法の1つの実施例の一部である。
【0105】
第1のステップでは、少なくとも1つのスペーサ部品4を内壁2および/または外壁3に配置し、この場合、このステップは、
図21a~
図21cには示されていない。
【0106】
第2のステップでは、両壁2,3を、互いに実質的に平行に配置する(
図21a)。
【0107】
第3のステップでは、両壁2,3を、壁2,3の長手方向に対して横方向に互いに相対的にスライドさせる(
図21b)。その間、両壁2,3は、掛止装置6を介して結合される。
【0108】
第4のステップでは、両壁2,3を、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に互いに相対的にスライドさせる(
図21c)。その間、両壁2,3は、第1の保持装置71を介してガイド装置5の一方の端部領域で結合される。
【0109】
図22は、本発明による方法の1つの実施例のブロック図を示している。
【0110】
引出し14のための、内壁2と外壁3とから成る二重壁引出し側板1を機械でかつ/または手動で製造するための方法は、特に記載の順序の時系列で実施される以下の方法ステップを有していてよい。
【0111】
第1の方法ステップ18で、少なくとも1つのスペーサ部品4を内壁2および/または外壁3に配置する。第1の方法ステップ18後の二重壁引出し側板1の組付け状態は、例えば
図4a~
図4dに示されている。
【0112】
第2の方法ステップ19で、両壁2,3を、互いに実質的に平行に配置する。第2の方法ステップ19後の二重壁引出し側板1の組付け状態は、例えば
図6a~
図6dに示されている。
【0113】
第3の方法ステップ20で、両壁2,3を、壁2,3の長手方向に対して横方向に互いに相対的にスライドさせる。第3の方法ステップ20後の二重壁引出し側板1の組付け状態は、例えば
図8a~
図8dに示されている。
【0114】
第4の方法ステップ21で、両壁2,3を、壁2,3の長手方向に対して平行な方向に互いに相対的にスライドさせる。第4の方法ステップ21後の二重壁引出し側板1の組付け状態は、例えば
図9a~
図9dに示されている。
【0115】
第5の方法ステップ22で、両壁2,3を、一連のスライド運動において結合させる。結合は、保持装置7を介して行うことができ、これについては例えば
図12a~
図12eを参照されたい。結合は、掛止装置6を介しても行うことができ、これについては、例えば
図8cを参照されたい。
【符号の説明】
【0116】
1 二重壁引出し側板
2 内壁
3 外壁
4 スペーサ部品
41 スリット
42 面取り縁部
43 側面
5 ガイド装置
51 ガイド溝
52 ガイドウェブ
53 ガイド溝の湾曲部
54 ガイド溝の湾曲部
6 掛止装置
61 掛止溝
62 掛止ウェブ
7 保持装置
71 第1の保持装置
72 第2の保持装置
73 保持クリップ
74 レール
8 遊び補償装置
81 突起
82 傾斜路状の側縁
9 端面
91 端面の長手方向ウェブ
10 走行キャリッジ結合部
11 容器レール
12 前側付加部
13 背壁側付加部
14 引出し
15 引出し底面
16 背壁
17 前板
18 第1の方法ステップ
19 第2の方法ステップ
20 第3の方法ステップ
21 第4の方法ステップ
22 第5の方法ステップ
【手続補正書】
【提出日】2023-07-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明によればさらに、少なくとも1つのスペーサ部品が、少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されていることが想定されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明によればさらに、以下の方法ステップ、すなわち、
-少なくとも1つのスペーサ部品を、弾性的に圧縮するステップ
が設けられている。
好適には、両壁を、互いに実質的に平行に配置することにより、少なくとも1つのスペーサ部品を圧縮するステップが設けられている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
引出し(14)のための、内壁(2)と外壁(3)とから成る二重壁引出し側板(1)を機械でかつ/または手動で製造するための方法であって、
少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されている少なくとも1つのスペーサ部品(4)が設けられていて、特に記載の順序の時系列で実施される以下の方法ステップ、すなわち、
-
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に配置するステップ、
-前記両壁(2,3)を、互いに実質的に平行に配置するステップ、
-前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を、弾性的に圧縮するステップ、
-前記両壁(2,3)を、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、かつ/または前記長手方向に対して横方向に、互いに相対的にスライドさせるステップ、
-前記両壁(2,3)を、一連のスライド運動の間に互いに結合させるステップ、
を有していることを特徴とする、方法。
【請求項2】
以下の方法ステップ、すなわち、
-前記両壁(2,3)を、互いに実質的に平行に配置することにより、前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を圧縮するステップ、
を有している、請求項1記載の方法。
【請求項3】
以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)に接着するステップ
を有している、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、実質的に直方体状に形成されており、好適には、少なくとも1つの縁部(42)が、特に好適には、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、面取りされていて、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つの直方体状のスペーサ部品(4)を、少なくとも1つの側面(43)で、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)に接着するステップ
を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、少なくとも1つのスリット(41)を有していて、好ましくは前記少なくとも1つのスリット(41)の開口部はV字型に拡大していて、かつ/または前記壁(2,3)の長手方向に対して実質的に平行な方向に配置されていて、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)を、前記外壁(3)と前記内壁(2)との間の端面(9)で、前記端面(9)に位置する長手方向ウェブ(91)を、前記少なくとも1つのスリット(41)内に導入することにより取り付けるステップ
を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)を有しており、前記少なくとも1つのガイド装置(5)は、
-少なくとも1つのガイド溝(51)と、
-少なくとも1つのガイドウェブ(52)と
を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-好ましくは前記壁(2,3)の前記長手方向に対して横方向に前記両壁(2,3)を互いに相対的にスライドさせることにより、かつ/または好ましくは前記少なくとも1つのガイド溝(51)が、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を取り囲むように、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内に配置するステップ、
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1つのガイド溝(51)および/または前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、金属薄板部品の、実質的に半円形の少なくとも1つの湾曲部(53,54)を有しており、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)の半径は、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)の半径よりも大きく、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記ガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)を、前記ガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)内に配置するステップ、
-前記ガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)を、前記ガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)内でスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項6記載の方法。
【請求項8】
前記外壁(3)および/または前記内壁(2)は、金属薄板から製造されており、
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、前記外壁(3)と同じ金属薄板部品から、好ましくは前記外壁(3)の端部部分から製作されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されていて、好ましくは前記外壁(3)と前記内壁(2)との間の端面(9)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されており、前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記端面(9)の領域に配置されている、
請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
前記二重壁引出し側板(1)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)に保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)を、前記少なくとも1つのガイド溝(51)内で、少なくとも1つの第1の保持装置(71)内に押し込むステップであって、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第1の保持装置(71)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第1の端部領域に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのガイド溝(51)に定置に結合されているステップ、
-少なくとも1つの第2の保持装置(72)を取り付けるステップであって、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの第2の保持装置(72)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第2の端部領域に配置されていて、かつ/または別個の構成部分として、特に保持クリップ(73)として形成されているステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項6から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つの掛止装置(6)を有しており、前記少なくとも1つの掛止装置(6)は、
-少なくとも1つの掛止溝(61)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止溝(61)は、前記外壁(3)の折り返された端部部分によって形成されている掛止溝(61)、および
-少なくとも1つの掛止ウェブ(62)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記内壁(2)に定置に結合されている掛止ウェブ(62)、
を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-好ましくは前記壁(2,3)の前記長手方向に対して横方向に前記両壁(2,3)を互いに相対的にスライドさせることにより、かつ好ましくは前記少なくとも1つの掛止溝(61)が、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)に背後から係合するように、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を、前記少なくとも1つの掛止溝(61)内に配置するステップ、
-前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を、前記少なくとも1つの掛止溝(61)内で、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向にスライドさせるステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記少なくとも1つの掛止溝(61)と前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)との間の遊びを補償するための少なくとも1つの遊び補償装置(8)を有しており、前記遊び補償装置(8)は、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を拡大していて、好適にはこの場合、前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)は、少なくとも1つの突起(81)として形成されており、特に好適には、前記少なくとも1つの突起(81)は、ばね弾性的に形成されていて、かつ/または傾斜路状の側縁(82)を有しており、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)によって、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を、前記少なくとも1つの掛止溝(61)内で挟み込むステップ、
-前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)を、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)が前記少なくとも1つの掛止溝(61)内に配置される際に圧縮するステップ、
のうちの少なくとも1つを有している、請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)と少なくとも1つの掛止装置(6)とを有しており、前記ガイド装置(5)と前記掛止装置(6)とは、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)の、対向して位置する2つの長辺の領域に配置されており、以下の方法ステップ、すなわち、
-前記両壁(2,3)を、前記長手方向に対して横方向に行われる一連の前記スライド運動において、対向して位置する前記2つの長辺で互いに結合するステップ
を有している、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
引出し(14)のための、内壁(2)と外壁(3)とを有する二重壁引出し側板(1)であって、前記両壁(2,3)の間に、少なくとも1つのスペーサ部品(4)が配置可能であ
る二重壁引出し側板(1)において、
前記二重壁引出し側板(1)は、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法により製造されており、前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は、少なくとも部分的に、弾性的に圧縮可能な材料から製造されていて、好ましくは、前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)は前記内壁(2)および/または前記外壁(3)に結合可能である
ことを特徴とする、二重壁引出し側板(1)。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスペーサ部品(4)
は、
-実質的に直方体状に形成されており、好適には、少なくとも1つの縁部(42)が、特に好適には、前記壁(2,3)の長手方向に対して平行な方向に、面取りされていて、かつ/または
-少なくとも1つのスリット(41)を有していて、好ましくは前記少なくとも1つのスリット(41)の開口部はV字型に拡大していて、かつ/または前記壁(2,3)の長手方向に対して実質的に平行な方向に配置されている、
請求項13記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項15】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)を有しており、前記少なくとも1つのガイド装置(5)は、
-少なくとも1つのガイド溝(51)と、
-少なくとも1つのガイドウェブ(52)と
を有しており、好ましくはこの場合、
-前記少なくとも1つのガイド溝(51)および/または前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、金属薄板部品の、実質的に半円形の少なくとも1つの湾曲部(53,54)を有しており、好適にはこの場合、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の前記少なくとも1つの湾曲部(53)の半径は、前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)の前記少なくとも1つの湾曲部(54)の半径よりも大きく、かつ/または
-前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)は、前記外壁(3)と同じ金属薄板部品から、好ましくは前記外壁(3)の端部部分から製作されていて、かつ/または
-前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されていて、好ましくは前記外壁(3)と前記内壁(2)との間の端面(9)は、前記内壁(2)と同じ金属薄板部品から製作されており、前記少なくとも1つのガイド溝(51)は、前記端面(9)の領域に配置されている、
請求項13または14記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項16】
前記二重壁引出し側板(1)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)を前記少なくとも1つのガイドウェブ(52)に保持するための少なくとも1つの保持装置(7)を有しており、好ましくはこの場合、
-少なくとも1つの第1の保持装置(71)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第1の端部領域に配置されていて、かつ/または前記少なくとも1つのガイド溝(51)に定置に結合されており、かつ/または
-少なくとも1つの第2の保持装置(72)は、前記少なくとも1つのガイド溝(51)の第2の端部領域に配置されていて、かつ/または別個の構成部分として、特に保持クリップ(73)として形成されている、
請求項15記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項17】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つの掛止装置(6)を有しており、前記少なくとも1つの掛止装置(6)は、
-少なくとも1つの掛止溝(61)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止溝(61)は、前記外壁(3)の折り返された端部部分によって形成されている掛止溝(61)、および
-少なくとも1つの掛止ウェブ(62)であって、好ましくは、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記内壁(2)に定置に結合されている掛止ウェブ(62)、
を有しており、好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)は、前記少なくとも1つの掛止溝(61)と前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)との間の遊びを補償するための少なくとも1つの遊び補償装置(8)を有しており、前記遊び補償装置(8)は、前記少なくとも1つの掛止ウェブ(62)を拡大していて、好適にはこの場合、前記少なくとも1つの遊び補償装置(8)は、少なくとも1つの突起(81)として形成されており、特に好適には、前記少なくとも1つの突起(81)は、ばね弾性的に形成されていて、かつ/または傾斜路状の側縁(82)を有している、請求項13から16までのいずれか1項記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項18】
前記二重壁引出し側板(1)は、少なくとも1つのガイド装置(5)と少なくとも1つの掛止装置(6)とを有しており、前記ガイド装置(5)と前記掛止装置(6)とは、前記外壁(3)および/または前記内壁(2)の対向する2つの長辺の領域に配置されている、請求項13から17までのいずれか1項記載の二重壁引出し側板(1)。
【請求項19】
請求項13から18までのいずれか1項記載の少なくとも1つの二重壁引出し側板(1)を有している引出し(14)であって、好ましくは、前記引出し(14)は、1つの引出し底面(15)、1つの背壁(16)、および/または1つの前板(17)を有している、引出し(14)。
【国際調査報告】