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特表2023-552542フレックス回路にフィーチャーを冷間形成するための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】フレックス回路にフィーチャーを冷間形成するための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20231211BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20231211BHJP
   H01L 23/14 20060101ALI20231211BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K1/03 610N
H01L23/14 M
H01L23/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533863
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 EP2021085165
(87)【国際公開番号】W WO2022128775
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/124,913
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】マキー フランシス クスティ
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB54
5E338BB75
5E338CD01
5E338EE32
5E338EE60
(57)【要約】
フレックス回路において1つ以上のフィーチャーを冷間成形するためのシステム及び方法である。フレックス回路は、基板に接続される電子回路を含む。基板が平面状態にあるとき、冷間成形処理で曲げられる(又は他の方法で増強される)と考えられる1つ以上の領域が、例えば銅のような追加の金属の層で追加的及び選択的にめっきされ、これらの1つ以上の領域のみが形状に正確に冷間成形されることが可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に接続される電子回路、及び
前記基板が平面状態にあるとき、前記基板上の1つ以上の領域に選択的にめっきされる材料
を有し、前記基板が前記平面状態から非平面状態に移行されるとき、前記材料で選択的にめっきされた前記1つ以上の領域は、前記基板における1つ以上のフィーチャーに冷間成形されるフレックス回路。
【請求項2】
前記基板は、ポリアミド層、接着層及び金属層から構成される、請求項1に記載のフレックス回路。
【請求項3】
前記材料は、追加の銅の層である、請求項1乃至2の何れか一項に記載のフレックス回路。
【請求項4】
前記1つ以上のフィーチャーは、前記基板に形成される曲げ、コイニング又は形状である、請求項1乃至3の何れか一項に記載のフレックス回路。
【請求項5】
フレックス回路が平面状態にあるとき、前記フレックス回路の1つ以上の領域に材料を選択的にめっきするステップ、及び
前記フレックス回路が平面状態から非平面状態に移行されるように、前記フレックス回路における前記材料で選択的にめっきされた1つ以上の領域に1つ以上のフィーチャーを冷間成形するステップ
を有する、前記フレックス回路を冷間成形する方法。
【請求項6】
クランプ機構に取り付けられた冷間ダイセットをマシンに設けるステップ、
平面状態の前記フレックス回路を前記マシン上に配置するステップ、及び
平面状態の前記フレックス回路に前記冷間ダイセットを押し付け、平面状態の前記フレックス回路を非平面状態に冷間成形するステップ
をさらに有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記冷間ダイセットは、1つ以上のダイを有し、各々のダイは、非平面状態の前記フレックス回路の前記1つ以上のフィーチャーに一致する1つ以上の相補的なフィーチャーを持つ、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
平面状態の前記フレックス回路に前記冷間ダイセットを押し付けるステップは、
前記1つ以上のダイの前記1つ以上の相補的なフィーチャーを用いて、非平面状態の前記フレックス回路に前記1つ以上のフィーチャーを冷間成形するステップ
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記1つ以上のフィーチャーは、非平面状態の前記フレックス回路に冷間成形される曲げ、コイニング又は形状である、請求項5乃至8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記フレックス回路は、基板に接続される電子回路を含む、請求項5乃至9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記基板は、ポリアミド層、接着層及び金属層から構成される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記材料は、金属である、請求項5乃至11の何れか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記材料は、銅である、請求項5乃至12の何れか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記フレックス回路は、電池収納部のフレックス回路である、請求項5乃至13の何れか一項に記載の方法。
【請求項15】
平面状態の前記フレックス回路に前記冷間ダイセットを押し付け、平面状態の前記フレックス回路を非平面状態に冷間成形するステップは、30秒以下で完了する、請求項6乃至8の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、フレキシブルエレクトロニクスに関する。より具体的には、本開示は、フレックス回路にフィーチャー(features)を冷間成形するための方法及びシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
フレックス回路に柔軟な曲げ(bent)を形成するための最新の一般的な方法は、加熱したダイを使用して、前記曲げを形成する。加熱したダイは、内部及び外部の接着剤、絶縁材料、はんだ接合並びにフレックス回路の設計に使用される他の構成要素を損傷する可能性がある。熱間ダイ(hot die)は、400°Fの高い温度に達することがある。そのような高温は、作業者が火傷をし、相当な冷却期間を必要とし、フレックス回路を作成するための取り扱い上の問題及びコストの両方を増大させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
熱間ダイに関する他の問題は、熱間ダイが材料を焼き鈍し、フレックス回路を複雑な形状の部品に接合するために使用される高粘着性アクリルコンタクト接着剤を損傷する可能性があることを含む。これらの問題は、様々な装置における特定の用途のためのフレックス回路を設計するために必要とされる柔軟性を制限する。
【0004】
従って、当技術分野において、フレックス回路に柔軟な曲げを形成するための方法及びシステムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、フレックス回路に1つ以上のフィーチャーを冷間成形するための本発明の方法及びシステムを対象とする。より具体的には、出願人は、金属薄板と同様の特性を備えるフレックス回路を提供するために、フレックス回路を例えば銅のような材料で選択的にめっきすることが有益であることを認識及び理解した。加えて、出願人は、金属薄板を製造する方法全てがフレックス回路に利用できるように、金属薄板と同様の特性を備えるフレックス回路を持つことが有益であることを認識及び理解した。金属薄板を製造する例示的な方法は、複合型のダイセットを用いた冷間成形を含み、これは、フレックス回路の構成要素の取り扱い上の問題、及びその構成要素への損傷を減らし、フレックス回路の幾何学的形状のカスタマイズを増大させるという目標を達成する。
【0006】
一般に、実施例1において、冷間成形されるフレックス回路が提供される。このフレックス回路は、基板に接続される電子回路を含む。前記基板が平面状態にあるとき、この基板上の1つ以上の領域に材料が選択的にめっきされる。前記基板が平面状態から非平面状態に移行されるとき、材料で選択的にめっきされた前記1つ以上の領域は、前記基板における1つ以上のフィーチャーに冷間成形される。
【0007】
実施形態において、実施例1は、実施例2と組み合わせることができ、ここで前記基板は、ポリアミド層、接着剤層及び金属層から構成される。
【0008】
実施形態において、実施例1又は2は、実施例3と組み合わせることができ、ここで前記材料は、追加の銅の層である。
【0009】
実施形態において、実施例1、2又は3は、実施例4と組み合わせることができ、ここで1つ以上のフィーチャーは、前記基板に形成される曲げ、コイニング(coining)又は形状である。
【0010】
一般に、実施例5において、フレックス回路を冷間成形する方法が提供される。この方法は、フレックス回路が平面状態にあるとき、材料をこのフレックス回路の1つ以上の領域上に選択的にめっきするステップ、及び前記フレックス回路が平面状態から非平面状態に移行されるように、前記フレックス回路において、前記材料で選択的にめっきされた前記1つ以上の領域に1つ以上の特性を冷間成形するステップを含む。
【0011】
実施形態において、実施例5は、実施例6と組み合わせることができ、ここで前記方法は、クランプ機構に取り付けられる冷間ダイセットをマシンに設けるステップ、平面状態のフレックス回路をマシン上に配置するステップ、及び平面状態のフレックス回路に前記冷間ダイセットを押し付けて、平面状態のフレックス回路を非平面状態に冷間成形するステップも含む。
【0012】
実施形態において、実施例6は、実施例7と組み合わせることができ、ここで冷間ダイセットは、1つ以上のダイを含み、それらダイの各々は、非平面状態のフレックス回路の1つ以上のフィーチャーに一致する1つ以上の相補的なフィーチャーを持つ。
【0013】
実施形態において、実施例7は、実施例8と組み合わせることができ、ここで平面状態のフレックス回路に前記冷間ダイセットを押し付けるステップは、前記1つ以上のダイの1つ以上の相補的なフィーチャーを用いて、非平面状態のフレックス回路における1つ以上のフィーチャーを冷間成形するステップを含む。
【0014】
実施形態において、実施例5、6、7又は8は、実施例9と組み合わせることができ、ここで前記1つ以上のフィーチャーは、非平面状態のフレックス回路に冷間成形される曲げ、コイニング又は形状である。
【0015】
実施形態において、実施例5、6、7、8又は9は、実施例10と組み合わされてもよく、ここで前記フレックス回路は、基板に接続される電子回路を含む。
【0016】
実施形態において、実施例10は、実施例11と組み合わせることができ、ここで前記基板は、ポリアミド層、接着剤層及び金属層から構成される。
【0017】
実施形態において、実施例5、6、7、8、9、10又は11は、実施例12と組み合わせることができ、ここで前記材料は、金属である。
【0018】
実施形態において、実施例5、6、7、8、9、10、11又は12は、実施例13と組み合わせることができ、ここで前記材料は、銅である。
【0019】
実施形態において、実施例5、6、7、8、9、10、11、12又は13は、実施例14と組み合わせることができ、ここで前記フレックス回路は、電池収納部(battery door)のフレックス回路である。
【0020】
実施形態において、実施例6、7又は8は、実施例15と組み合わせることができ、ここで平面状態のフレックス回路に前記冷間ダイセットを押し付け、前記平面状態のフレックス回路を非平面状態に冷間成形するステップは、30秒以下で完了することを含む。
【0021】
以下により詳細に論じられる上述した概念及び追加の概念の全ての組合せ(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)は、本明細書で開示される発明の主題の一部であると考えられることを理解されたい。特に、本開示の終わりにある請求される主題は、本明細書に開示される発明の主題の一部であると考えられる。様々な実施形態のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、これらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図において、同様の参照符号は一般に、別々の図を通して同一の部分を指している。また、これら図は必ずしも一定の縮尺ではなく、それよりむしろ、様々な実施形態の原理を例示することに重点が置かれている。
図1図1は、本開示の態様による、平面状態の例示的なフレックス回路である。
図2図2は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の立側面図である。
図3図3は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の斜視図である。
図4図4は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の別の斜視図である。
図5図5は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の側面図である。
図6図6は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の正面図である。
図7図7は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の底面図である。
図8図8は、本開示の態様による、非平面状態の例示的なフレックス回路の上面斜視図である。
図9図9は、本開示の態様による、フレックス回路における1つ以上のフィーチャーを冷間成形するための例示的なマシンの斜視図である。
図10図10は、本開示の態様による、例示的な複雑な成形を行うダイセットの分解組立図である。
図11図11は、本開示の態様による、例示的な電池収納部に実装される例示的なフレックス回路の斜視図である。
図12図12は、本開示の態様による、例示的な電池収納部に実装される例示的なフレックス回路の別の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本開示は、フレックス回路に1つ以上のフィーチャーを冷間成形するためのシステム及び方法の様々な実施形態並びに実装形態を説明する。より具体的には、出願人は、金属薄板と同様の特性を備えるフレックス回路を提供するために、フレックス回路を例えば銅のような材料で選択的にめっきすることが有益であることを認識及び理解した。加えて、出願人は、金属薄板を製造する方法の全てがフレックス回路に利用できるように、金属薄板と同様の特性を備えるフレックス回路を持つことが有益であることを認識及び理解した。金属薄板を製造する例示的な方法は、複合型のダイセットを用いた冷間成形を含み、これは、フレックス回路の構成要素の取り扱い上の問題及び損傷を減らし、フレックス回路の幾何学的形状のカスタマイズを増やすという目標を達成する。
【0024】
図1を参照すると、平面状態の例示的なフレックス回路100が設けられている。フレックス回路100は、実質的に平坦な平面状態で示される。フレックス回路100は、基板104に搭載される、又は他の方法で取り付けられる電子回路102を持つ任意のフレキシブルエレクトロニクスとすることができる。一般に、基板104は、軟質プラスチックから構成される。一実施形態によれば、基板104は、ポリアミド層、接着層及び金属層から構成される。図1に示されるフレックス回路100は、電池収納部のフレックス回路である。具体的には、図1に示されるフレックス回路100は、電池収納部に実装するために設計された単3用の電池収納部のフレックス回路である。装置の嵌合部品及び設計要件として、正確な3D空間において、フレックス回路100の複雑な形状及び正確に角度が付けられた曲げを形成することが望ましい。例えば、フレックス回路100のための電池収納部又は他のハウジングは、曲げ又は他の非平面トポロジーを持ち、これは、フレックス回路100が、その中にぴったり適合するために同じ曲げ又は他の非平面トポロジーを持つ必要がある。フレックス回路100とハウジングとの間は、精密公差であることが一般に望ましいが、ハウジングとフレックス回路100との間の何らかの間隙及び隙間に、ごみ(デブリ)及び細菌が溜まる可能性がる医療装置において、それは重大なことである。
【0025】
図2は、非平面状態の例示的なフレックス回路100の立側面図を示す。図1における平面状態のフレックス回路100は、(以下に説明される方法に従って)形成又は成形され、図2に示される非平面状態を達成する。図2において、フレックス回路100は、1つ以上のフィーチャー106を持つ。フィーチャー106は、フレックス回路100の複雑な形状、正確な曲げ又は他の如何なる増大とすることができる。フィーチャー106を形成するために、最初に、平面状態のフレックス回路100、すなわち、フレックス回路100を非平面状態に形成又は成形する前のフレックス回路100の1つ以上の領域上に、材料108が選択的にめっきされる。めっき材料108は、如何なる金属とすることもできる。例示的な実施形態によれば、めっき材料108は銅であり、特に、銅の薄い(例えば、0.002インチ)層である。以下に説明される例示的な方法によれば、フレックス回路100が形成及び成形されるとき、材料108でめっきされたフレックス回路100の1つ以上の領域は、1つ以上のフィーチャー106を形成する。言い換えると、フレックス回路100は、フィーチャー106(例えば、曲げ又はコイニング)が所望される領域に材料108で選択的にめっきされる。
【0026】
図3図8は、非平面状態の例示的なフレックス回路100の様々な図を示す。図3~8に示されるフレックス回路100の1つ以上のフィーチャー106は、材料108でめっきされている。図示される実施形態において、フィーチャー106は、(平面状態の)フレックス回路100の1つ以上の領域であり、これらは最初に材料108でめっきされ、次いで、曲げ、湾曲又は他の所望の幾何形状に形成又は成形される。材料108の追加の層は、フィーチャー106が所望されるフレックス回路100の前記領域に、熱なしに曲げの負担を維持するための強度を与える。
【0027】
具体的には、フィーチャー106が所望されるフレックス回路100の前記1つ以上の領域は、材料108でめっきされ、これは、フレックス回路100に、金属薄板と同様に機能させる及び/又は金属薄板と同様の特性を持たせる。従って、金属薄板を製造する方法の多く又は全ては、材料108でめっきされるフレックス回路100に利用できる。従って、複雑な形状及び正確に角度が付けられた曲げを備えるフレックス回路100を作成するために、例えば、複雑なダイセットを用いて冷間成形するような、例示的な製造方法が使用されることができる。例えば、図3図8において、フレックス回路100の1つ以上のフィーチャー106の1つは、半円のフィーチャー110である。半円のフィーチャー110は、所望する、カスタムの半円のフィーチャー110を作るように成形されたダイからコイニングされる。材料108の追加のめっきを用いない場合、フレックス回路100は、熱を使用しなければ有用な幾何学的形状に形成可能とはならない。さらに、熱間ダイは、材料108の追加のめっき及び冷間成形を用いてできる1つ以上のフィーチャー106(例えば、曲げ又はコイニング)を制作することさえできない場合がある。
【0028】
図9は、フレックス回路100における1つ以上のフィーチャー106を冷間成形するための例示的なマシン200の斜視図を示す。マシン200は、フレックス回路100における1つ以上のフィーチャー106(図2図8)を冷間成形するためにダイセットを使用する。マシン200は、熱を使用することなく、1つの動作で、フレックス回路100に全ての1つ以上のフィーチャー106を作成する。一例において、マシン200は、30秒のサイクルで1つ以上のフィーチャー106全てを備えるフレックス回路100を生成する。マシン200は、手で操作する又は完全に自動化することができる。
【0029】
図10は、複雑な成形を行うダイセット202の分解組立図を示す。上述したように、ダイセット202を使用して、成形されるフレックス回路100を作成する。図10に示されるように、ダイセット202は、フレックス回路100の1つ以上のフィーチャー106の幾何学的形状に一致する1つ以上の相補的なフィーチャー204を有する。図10における例示的なダイセット202は、少なくとも4つのダイ206(例えば、曲げダイ)を含む。4つのダイ206の各々は、前記1つ以上の相補的なフィーチャー204の少なくとも1つを持つ。例えば、図10において、あるダイ106は、半円の相補的なフィーチャー210を持つ。使用時、ダイセット202は、図9に示されるように、マシン200内に配置される。次いで、ダイセット202は、1つ以上のクランプ機構208(図9)を用いて、(平面状態(図1)の)フレックス回路100に押し付けられる。次いで、フレックス回路100は、複合型のダイセット202の形状に従って冷間成形される。例えば、ダイ206の半円の相補的なフィーチャー210は、フレックス回路100の半円のフィーチャー110(図3図8)を作成する。1つ以上のフィーチャー106は、材料108で選択的にめっきされた1つ以上の領域の剛性が増大するので、ダイ206の1つ以上の相補的なフィーチャー204の形状を維持する。
【0030】
図11図12は、例示的な電池収納部300に実装される例示的なフレックス回路100の斜視図を示す。冷間成形されたフレックス回路100が例示的な電池収納部300に組み込まれる。示されるように、フレックス回路100の1つ以上のフィーチャー106の幾何学的形状は、フレックス回路100と電池収納部300との間に非常に精密な公差が存在するように、電池収納部300の幾何学的形状と一致する。フレックス回路100と電池収納部300との間の精密公差は、組立体の機能性を保証するだけでなく、ごみ、細菌を閉じ込め、掃除をするのが難しい大きな組立体の間隙及び隙間が生じるのも防ぐ。清浄性及び機能性は、フレックス回路100及び電池収納部300を医療装置としての使用に適したものにする。従って、単3用の電池収納部300にぴったり適合する幾何学的形状を持つフレックス回路100が示されたとしても、フレックス回路100は、フレキシブルエレクトロニクスを必要とする如何なる医療装置にも成形されることができる。
【0031】
全ての定義は、本明細書中に定義及び使用されるように、辞書的定義、参照することにより組み込まれる文献にある定義、及び/又は定義される用語の通常の意味よりも優先されると理解されるべきである。
【0032】
明細書及び特許請求の範囲に用いられる不定冠詞「a」及び「an」は、特段の明確な指示がない限り、“少なくとも1つ”を意味すると理解されるべきである。
【0033】
明細書及び特許請求項の範囲に用いられる“及び/又は”という用語は、そのように連結された要素の“何れか一方又は両方”、すなわち、ある場合は接合的に存在し、他の場合は離接的に存在している要素を意味すると理解されるべきである。“及び/又は”を用いて列挙される多数の要素は、同じように解釈される、そのように連結された要素のうちの「1つ又はそれ以上」と解釈されるべきである。“及び/又は”の節によって明確に同定された要素に関係しているか又は関係していないかにかかわらず、明確に識別されるこれらの要素以外の他の要素が任意選択で存在してもよい。
【0034】
明細書及び特許請求項の範囲に用いられるように、“又は”は、上に定義される“及び/又は”と同じ意味を持つと理解されるべきである。例えば、リストにある項目を分離するとき、“又は”或いは“及び/又は”は、包含的である、すなわち、複数の又はリストの要素、及び任意選択で追加のリストにはない項目の少なくとも1つを含むが、1つより多くも含むと解釈されるべきである。例えば、“の1つだけ”或いは“のちょうど1つ”又は特許請求の範囲で使用される場合の“から構成される”のような、特段に明確に示される用語だけが、複数の又はリストの要素のうちのちょうど1つの要素の包含を指している。一般的に、本明細書に用いられる“又は”という用語は、例えば“何れか”、“の1つ”、“の1つだけ”又は“のちょうど1つ”のような排他的な用語が付くとき、排他的な選択肢(一方又は他方であるが、両方ではない)を示すと単に解釈されるべきである。
【0035】
明細書及び特許請求項の範囲に用いられるように、1つ以上の要素からなるリストに関して、“少なくとも1つ”という表現は、これら要素のリストにある要素の何れか1つ又はそれ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであるが、必ずしもこれら要素のリスト内に明確に列挙されるありとあらゆる要素の少なくとも1つを必ずしも含むものではない、及びこれら要素のリストにある要素の如何なる組み合わせ排除するものではない。この定義は、明確に識別されるこれらの要素に関係しているか又は関係していないかにかかわらず、“少なくとも1つ”の表現が言及している前記リストの要素内に明確に識別される要素以外の要素が任意選択で存在することも可能にする。
【0036】
特段の明確な指示がない限り、2つ以上のステップ又は活動を含む、本明細書中において特許請求される如何なる方法においても、前記方法のステップ又は活動は必ずしもこの方法のステップ及び活動が列挙される順番に限定されないことも理解されるべきである。
【0037】
上記明細書と同様に特許請求項の範囲においても、例えば、“有する”、“含む”、“担持する”、“持つ”、“含有する”、“含む”、“保持する”及び“から構成される”等のような全ての移行句は、非限定型(open-ended)、すなわち、それを含むが、それに限定されないことを意味する。“からなる”及び“から本質的になる”という移行句だけが、夫々、限定型(closed)又は半限定型(semi-closed)の移行句である。
【0038】
本明細書において、幾つかの発明的な実施形態が記載及び例示されたが、当業者であれば、本明細書に記載される機能を実施する、及び/又は結果及び/又は利点の1以上を得るための様々な他の手段及び/又は構成を容易に考え付き、そのような変形及び/又は修飾の各々は、本明細書中に記載される発明的な実施形態の範囲内にあると考えられる。より一般的には、当業者であれば、本明細書に記載される全てのパラメタ、寸法、材料及び構成は、例示的であると意味すること、並びに実際のパラメタ、寸法、材料、及び/又は構成は、本発明の教示が使用される具体的な応用に依存することは容易に分かるであろう。当業者であれば、日常的な実験だけを用いて、本明細書に記載される特定の発明的な実施形態の多くの同等物を認識する又は確認することができる。従って、上述した実施形態は単に例として提示されること、並びに添付の特許請求の範囲及びその同等物内において、発明的な実施形態は、具体的に記載される及び特許請求される実施形態以外で実施され得ることが理解されるべきである。本開示の発明的な実施形態は、本明細書に記載される個々の特徴、システム、物品、キット及び/又は方法を対象としている。加えて、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、そのような特徴、システム、物品、キット及び/又は方法が相互に矛盾しないならば、本開示の発明の範囲に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【国際調査報告】