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特表2023-552549鼻腔及び副鼻腔への液体溶液の制御下投与のためのデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】鼻腔及び副鼻腔への液体溶液の制御下投与のためのデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61M 3/02 20060101AFI20231211BHJP
   A61M 31/00 20060101ALI20231211BHJP
   A61M 5/142 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
A61M3/02 126
A61M3/02 110
A61M31/00
A61M5/142 508
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534013
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-07-28
(86)【国際出願番号】 EP2021084062
(87)【国際公開番号】W WO2022122566
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】20212852.6
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523205049
【氏名又は名称】ゲオルゲ・ナオウム
【氏名又は名称原語表記】George NAOUM
(74)【代理人】
【識別番号】100106448
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 伸介
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルゲ・ナオウム
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA06
4C066BB02
4C066CC02
4C066DD07
4C066EE14
4C066FF02
(57)【要約】
液体溶液を鼻腔及び副鼻腔に制御下で投与するためのデバイスが開示される。ここで提案されるデバイスは、内部空間を画定し、かつ近位端及び遠位端を有する、外部ハウジングを備える。上記外部ハウジングは、空気を鼻孔プラグ組立体に注入するための空気システム;上記液体溶液を上記鼻腔に送り込むためのポンプシステム;上記ポンプシステムに接続された、上記液体溶液を保持する着脱可能なカートリッジ;及び上記ポンプシステムに着脱可能に接続された鼻孔プラグシステムを備える。上記鼻孔プラグシステムは、2ライン型弾性チューブ;上記弾性チューブの一方に接続されたプラグインシステム;及び上記弾性チューブの他方の端部に接続された鼻孔プラグ組立体を備える。ここで提案されるデバイスは、呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)を含む呼吸器疾患の治療に使用され得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体溶液をユーザの鼻腔及び副鼻腔に制御下で投与するためのデバイスであって、
-内部空間を画定し、近位端及び遠位端を有する、外部ハウジング(1)であって、前記外部ハウジングは、
-空気を鼻孔プラグ組立体(9)に注入するための空気システム(2);
-前記液体溶液を前記鼻腔にポンピングするための、弾性チューブ(6)によって前記空気システム(2)に接続されたポンプシステム(3)
を備える、外部ハウジング(1);
-前記液体溶液を保持し、前記外部ハウジング(1)の前記近位端において前記ポンプシステム(3)に着脱可能に接続された、カートリッジ(4);並びに
-前記外部ハウジング(1)の前記遠位端において前記ポンプシステム(3)に着脱可能に接続された、鼻孔プラグシステム(5)であって、
-近位端及び遠位端を有する、2ライン型弾性チューブ(7);
-前記弾性チューブ(7)の前記近位端に接続された、プラグインシステム(8);並びに
-前記弾性チューブ(7)の前記遠位端に接続された、前記鼻孔プラグ組立体(9)
を備える、前記鼻孔プラグシステム(5)
を備える、前記デバイス。
【請求項2】
前記空気システム(2)は、
-空気バルブ(20);
-空気バルブ基部(22)を介して前記空気バルブ(20)に接続された空気抜き弁(21)であって、
-弁カバー(23);
-弁プランジャ(24);
-弁カバー封止手段(25);
-弁プランジャ封止手段(26);
-前記弁プランジャ封止手段(26)を保持する一定の圧力を印加して、空気を一方向のみに流れるようにし、逆流を防止する、第1のばね手段(27);
-前記ユーザの圧力によって起動され、アクチュエータ封止手段(29)を備えるアクチュエータ(28);
-第2のばね手段(30);並びに
-シリコーン製の前記弾性チューブ(6)への接続のための空気流出口(31)
を備える、空気抜き弁(21)
を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記ポンプシステム(3)は、
-シリンダ(10);
-前記シリンダ(10)の外側の周囲に配設されたばね手段(11);
-前記カートリッジ(4)との接続のための、封止手段(13)を備えるポンプノズル(12);
-前記シリンダ(10)内で可動である、封止手段(13)を備える中空ピストン(14);
-前記中空ピストンによってガイドされ、前記ピストン(14)と共に軸方向に可動となるように設置された、弁部材(15);及び
-前記空気システム(2)から来た空気を送り出すための空気排出プラグ(18)と、前記液体を前記カートリッジ(4)から送り出すための液体排出プラグ(19)とに接続された、空気流入ポート(17)を備える、ポンプ基部(16)
を備える、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記外部ハウジング(1)は、プラスチック材料製である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記外部ハウジング(1)は、サブフレームセット(49)を介したスナップフィット機構(48)によって、前記ポンプシステム(2)及び前記空気システム(3)を保持する、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記カートリッジ(4)は、
-前記液体溶液を含むコンテナ(32);
-前記コンテナ(32)内に配設された中空円筒状ピストン(33);
-一方向弁機構(34);
-コンテナ蓋(35);
-ポンプ接続機構(36);及び
-前記コンテナ(32)をロックするためのカートリッジ蓋(37)
を備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記コンテナ(32)は、液体溶液50mlの内容量を有する、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記カートリッジ蓋(37)は、前記カートリッジの接続エリアを汚れから保護して、前記カートリッジが過去に使用されたものでないことを保証するための、安全機構(38)を備える、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記2ライン型シリコーンチューブ(7)は、空気を前記鼻孔プラグ組立体(9)に注入するための空気ライン(50)と、前記液体溶液をカートリッジ(4)から鼻腔へと送達するための液体ライン(51)とを有する、請求項1~8のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項10】
前記プラグインシステム(8)は、
-前記外部ハウジング(1)のメス型ソケットプラグ(45)にスナップフィットするように設計された、2つのプラスチック製部品(44);
-前記液体排出プラグ(18)及び前記空気排出プラグ(19)内での前記プラグインシステムの正確な位置決めのための、ノッチ(46);並びに
-前記シリコーンチューブ(7)に対する前記プラグインシステムの接続のためのプラスチック製アクセサリ(47)
を備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記鼻孔プラグ組立体(9)は、
-前記鼻孔プラグ組立体を前記シリコーンチューブ(7)に接続するための、プラスチック製アクセサリ(39);
-鼻孔プラグ部品(40);
-前記液体溶液及び空気を前記鼻孔プラグ部品(40)内に分散させる、2つのY字型内部部品(39a、39b);並びに
-前記鼻孔プラグ組立体の全ての部品をスナップフィット技術又は超音波接着によって一体に保持し、機械的な締付けを生成して気密チャンバを内部に形成する、支持体(41)
を備える、請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記鼻孔プラグ部品(40)は、2つのベル状拡張可能な部分(42、43)を有する、請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記2つのベル状拡張可能な部分(42、43)は、ヒトの鼻に対する完璧な適合及びエルゴノミクスを提供して、鼻腔内での快適性及び安全性も提供するような角度(α)で配設され、前記角度αは130°~140°、最も好ましくは135°である、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記鼻孔プラグ部品(40)の前記2つのベル状の拡張可能な部分(42、43)は、前記拡張可能な部分を前記空気システムから入った空気で膨張させて、前記ユーザの鼻孔との気密ロックを形成できる、内部チューブのネットワークを備える、請求項1~13のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項15】
液体溶液をユーザの鼻腔及び副鼻腔に制御下で投与するためのデバイスのポンプシステムに接続するための、液体溶液を保持したカートリッジであって、
-前記液体溶液を含むコンテナ(32);
-前記コンテナ(32)内に配設された中空円筒状ピストン(33);
-一方向弁機構(34);
-コンテナ蓋(35);
-ポンプ接続機構(36);
-前記コンテナ(32)をロックするためのカートリッジ蓋(37);及び
-前記カートリッジの接続エリアを汚れから保護して、前記カートリッジが過去に使用されたものでないことを保証するための、安全機構(38)
を備える、前記カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの鼻腔及び副鼻腔への液体溶液の制御下投与のためのデバイスに関する。上記デバイスは、鼻腔及び副鼻腔の洗浄及び/又は消毒のため、並びに/若しくは鼻閉を含む副鼻腔炎等の鼻及び/又は副鼻腔の疾患の治療のために使用することを意図したものである。
【背景技術】
【0002】
副鼻腔及び鼻腔の詰まり又は炎症は、頭蓋骨内の副鼻腔経路のうちの1つ以上の閉塞を伴う。副鼻腔は、顔の骨格内の、空気で満たされた腔である。各副鼻腔は鼻腔と連続しており、自然口(ostia)と呼ばれる孔を介して鼻腔と接続されている。自然口の閉塞は、鼻組織の炎症及び腫れ、又は過剰な粘液の存在に起因し得る。炎症が発生すると、副鼻腔内からの粘液の正常な排出が妨げられ、副鼻腔炎が発生し得る。
【0003】
ここで記載される副鼻腔は、前頭洞、篩骨洞、蝶形骨洞及び上顎洞である。
【0004】
急性鼻閉は急性感染症によって引き起こされることが多いが、慢性鼻閉は通常、タバコの煙、食物アレルゲン、吸入アレルゲン又は鼻腔内の異物といった刺激物への曝露によって生じる。したがって、ヒトの清浄かつ健康な鼻腔及び副鼻腔の維持は、適切な医療、家庭内ケア及び/又は個人的ケアの一部である。
【0005】
さらに、呼吸器系は、主に冬季にウイルス性疾患及び細菌感染症の継続的なリスクにさらされる。SARS-CoV-2感染症は主に鼻咽頭エリアで始まり、そこで一定期間潜伏した後、気道の残りの部分に侵入する参考文献1,2。上部呼吸器系の上皮細胞、粘液細胞及び免疫細胞といったヒト細胞を高張食塩水に曝露すると、既知のコロナウイルス及びSARS-CoV-2を含む多くの呼吸器病原体に対するその抗ウイルス活性が上昇する。具体的には、高張食塩水は、上皮細胞の脱分極を誘導してこれらを低エネルギ状態にすることにより、ウイルスの複製能力を低下させる参考文献3、及び/又は塩化物イオン濃度の上昇によって、ミエロペルオキシダーゼ依存性反応による次亜塩素酸イオンの生成の増加を誘導する参考文献4といった様々な方法で自然免疫応答を促進する。抗ウイルス自然免疫のこのような増強は、他のコロナウイルスを含む上気道感染症において臨床的に示されており、ここでは高張食塩水の使用によって疾患の持続時間が短縮されると同時に、他の薬物治療の使用の必要性が低下した参考文献5
【0006】
鼻腔を洗浄して鼻閉を治療するための従来の技法としては、鼻洗の技法及び鼻腔粘膜の血管収縮を引き起こして炎症を低減する充血除去剤スプレーの使用が挙げられる。
【0007】
充血除去剤スプレーは、主に鼻腔粘膜の浮腫を迅速に低減し、鼻を通した呼吸を容易にする。しかし、これらのスプレーは、鼻腔及び副鼻腔の粘膜表面全体には到達しない。疾病、例えば現行の限定的な局所治療では治療できない副鼻腔炎の治療には、粘膜のこれらの部分への到達が必要である。
【0008】
液体溶液を鼻腔内に投与する別の方法は、密接したオリーブ管を通して溶液を流すことによるものであり、この密接したオリーブ管は、上側が鼻孔にフィットし、底部を何らかのコンテナ又はチューブに取り付けることができる。上記オリーブ管は鼻孔にフィットしているものの、溶液が前記鼻腔の底部に沿って咽頭に逆流するため、鼻を満たして溶液を鼻の上部及び下部に到達させることはできない。
【0009】
呼吸器系が健康であることがヒトに多大な利益をもたらすことを認識している研究者及び医療デバイス製造元は、治療剤溶液を副鼻腔に注入する方法を模索し続けている。多くの既存のデバイスは、様々な技法を使用しているものの、鼻孔の排泄物の洗浄を部分的にしか達成できておらず、治療剤溶液を副鼻腔に制御下で注入することに成功していない。
【0010】
例えば、特許文献1に記載のデバイスは、鼻腔内に液体を供給して、鼻腔の迅速な洗浄又は短時間の治療を可能にするものである。しかし、感染した液体が同一の注ぎ口からコンテナに戻り、感染した物質の一部が清浄な液体に移る可能性がある。この短い期間は一時的な解決をもたらす。
【0011】
さらに、特許文献2のデバイスは、流体を鼻孔に供給するために圧縮空気ソースへの接続が必要である。ユーザが副鼻腔の治療を受けようとする場合、このようなデバイスが使用されると、ユーザは窒息したり、及び/又は極めて不快でストレスを感じたりする一方で、耳管を介した耳の傷害を含む上気道系の傷害が発生し得る。
【0012】
さらに、特許文献3には、一定に制御された液体の流れ、又は多数の同一用量の液体を鼻腔に送達するために設計された、デバイスが記載されている。しかし、このデバイスも、鼻腔をすすぐために使用されるものであり、液体を鼻腔及び副鼻腔に入れて留まらせるものではないため、問題の根本に対処するものではない。このデバイスは、液体をより制御された方法で供給することになっているが、特許文献4に記載されているもののような液体を副鼻腔に到達させるために鼻孔を遮断する送達プローブと併用しようとすると、連続した流れによってユーザが窒息する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国公開特許第2014/0121592号
【特許文献2】国際公開特許第2013/072856号
【特許文献3】国際公開特許第99/26684号
【特許文献4】米国公開特許第2017/0340869号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、鼻腔を液体溶液で満たすことができ、これによって咽頭への溶液の逆流を回避しながら副鼻腔に到達して鼻粘膜表面全体をカバーできる、液体溶液を分注するための新規のデバイスが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書で提案されるデバイスは、鼻腔及び副鼻腔の洗浄及び/又は消毒を提供でき、また副鼻腔感染症の治療のための、副鼻腔への液体溶液の注入を達成できる。
【0016】
この目的のために、ある例によると、液体溶液をユーザの鼻腔及び副鼻腔に制御下で供給するための上記デバイスは、
-内部空間を画定し、近位端及び遠位端を有する、外部ハウジングであって、上記外部ハウジングは、
-空気を鼻孔プラグ組立体に注入するための空気システム;
-上記液体溶液を上記鼻腔にポンピングするための、弾性チューブによって上記空気システムに接続されたポンプシステム
を備える、外部ハウジング;
-上記液体溶液を保持し、上記外部ハウジングの上記近位端において上記ポンプシステムに着脱可能に接続された、カートリッジ;並びに
-上記外部ハウジングの上記遠位端において上記ポンプシステムに着脱可能に接続された、鼻孔プラグシステムであって、
-近位端及び遠位端を有する、2ライン型弾性チューブ;
-上記弾性チューブの上記近位端に接続された、プラグインシステム;並びに
-上記弾性チューブの上記遠位端に接続された、前記鼻孔プラグ組立体
を備える、前記鼻孔プラグシステムを備えている。
【0017】
上記デバイスは手動式であり、電子又は電気部品を備えない。これは、異なる複数のカートリッジの使用によって再使用可能でありながら、上記ユーザに適切なエルゴノミクスを提供するための特別な設計を有する。
【0018】
上記デバイスの上記外部ハウジングは、組み立て時間の大幅な節約を提供するように設計され、プラスチック材料製であり、接着剤又はネジ等のサードパーティ製材料を含まず、上記空気システム及び上記ポンプシステムを、全ての部品を内部に閉じ込めるサブフレームを有するスナップフィットシステムによって保持する。
【0019】
上記外部ハウジングのエルゴノミックな設計により、上記カートリッジの適切な駆動が提供され、また、上記空気システム内に備えられた上記デバイスの底部に位置する空気バルブ(air bulb)の、治療開始時に空気を注入するための正しい使用が可能になる。
【0020】
上記デバイスは、まず空気又は他の流体若しくはガスを上記鼻孔プラグシステム内に注入し、一方向弁によって上記空気を保持することによって、上記鼻孔プラグシステム内に備えられた内部チューブのネットワークを有する鼻孔プラグ部品の2つの拡張可能な部分を膨張したままとして、鼻及びユーザの呼吸を遮断することを目的としている。続いて、上記カートリッジの機械的な移動によって、上記ポンプシステムは上記液体溶液を強制的に流し、上記溶液で上記鼻腔を満たす。
【0021】
空気ライン及び液体ラインを有する2ライン型弾性チューブによって、上記デバイスは、上記空気システムからの空気を上記鼻孔プラグ部品に注入して、上記鼻孔との気密シールを形成でき、また上記液体溶液を上記鼻孔プラグシステムを通して上記鼻腔内へとポンピングできる
【0022】
上記鼻孔プラグ部品の上記拡張可能な部分は、鼻に配置されるとすぐに内腔内へと固定されるようベル状となるように設計される。上記鼻孔プラグ部品の設計における重要な部分は、ヒトの鼻に対する完璧な適合及びエルゴノミクスを提供するだけでなく、鼻腔内での快適性及び安全性も提供するような2つのベル状の上記拡張可能な部分の間の角度である。
【0023】
上記鼻孔プラグシステムは、プラグイン機構によって上記ポンプシステムに接続され、これは上記デバイスに対する上記鼻孔プラグシステムの着脱を、ユーザにとってより容易なものとする。
【0024】
このようなデバイスの使用により、上記副鼻腔への液体の送達がより容易になる。というのは、上記鼻孔プラグ部品の上記拡張可能な部分が鼻腔にフィットして鼻孔を遮断し、上記流体が鼻から出られなくなるためである。副鼻腔の治療又は洗浄は、鼻腔をすすぐだけでは実行できず、相当な量の液体を鼻腔内に保持する必要があり、これは上記液体が上記鼻腔から出るのを上記治療の完了まで禁止することによって達成される。
【0025】
上記カートリッジは、液体溶液を保持するコンテナにロックされる蓋を備え、全ての部品は内部で隔離され、これによって気密動作及び環境からの保護が保証される。上記カートリッジは、上記カートリッジの接続エリアを汚れから保護して、上記カートリッジが過去に使用されたものでないことを保証するための安全機構も備える。上記安全機構を破壊すると、上記カートリッジは溶液全てが空になるまでは使用できる状態となり、上記ユーザが再使用又は再充填することはできない。
【0026】
上記カートリッジの動作は、上記ポンプシステムの吸引をベースとしたものである。上記カートリッジを上記ポンプシステムに接続すると、水密チャンバが形成され、これは使用中に上記溶液の用量計(dosimeter)としても機能する。溶液を上記カートリッジからポンピングする上記ポンプシステムは、上記コンテナ内で生成された真空によって、上記カートリッジの上記コンテナ内に備えられたピストンを強制的に上方に移動させ、これもまた上記コンテナ内に備えられた一方向弁機構は、上記液体溶液が上記コンテナへと戻ることができないようにする。
【0027】
上記コンテナは、空気の流れを改善して鼻閉を緩和する目的で、付着した粘液、刺激物及び異物粒子を洗い流すために、上記鼻腔及び副鼻腔を浸す(bathing)ための食塩水を含んでよい。しかし、上記コンテナは、薬液、すなわち上記上気道系用の抗生物質溶液又はこれと共に若しくはこれの代わりに上気道系に有益とって有益であり得る薬草植物の抽出物を含有する液体といった他の液体溶液を内包していてもよい。
【0028】
本開示の非限定的な実施例を、添付の図面を参照して以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1図1は、本発明の一例によるデバイスの主要な部品の分解立体図である。
図2図2は、本発明の一例による、空気システムとポンプシステムとの間の接続の斜視図である。
図3図3は、本発明の一例によるポンプシステムの断面図である。
図4図4は、本発明の一例による空気システムの断面図である。
図5図5は、本発明の一例によるカートリッジの断面図である。
図6図6は、図5のカートリッジの分解立体図である。
図7図7は、本発明の一例による、カートリッジとポンプシステムとの間の接続を示す。
図8図8は、本発明の一例による、ポンプシステムと鼻孔プラグシステムとの間の接続を示す。
図9図9は、本発明の一例による鼻孔プラグシステムの分解立体図を示す。
図10図10は、本発明の一例による鼻孔プラグ部品の断面図である。
図11図11は、本発明によるデバイスの分解立体図である。
図12図12は、本発明の一例による外部ハウジングのスナップフィット機構及びサブセットフレームを示す。
図13図13は、鼻腔及び副鼻腔の解剖学的構造の概略図を示す。
図14a図14aは、ユーザによる鼻孔プラグ組立体の位置決めを示す。
図14b図14bは、ユーザによる鼻孔プラグ組立体の位置決めを示す。
図14c図14cは、ユーザによる鼻孔プラグ組立体の位置決めを示す。
図15図15は、鼻腔内用液体を鼻腔に供給する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明の一例による、液体溶液をユーザの鼻腔及び副鼻腔に供給するためのデバイスの分解立体図である。図1に示されているように、上記デバイスは、外部ハウジング1;液体溶液を保持するカートリッジ4;並びに上記液体溶液をユーザの鼻腔及び副鼻腔へと送達するための鼻孔プラグシステム5を備える。
【0031】
外部ハウジング1は、空気を鼻孔プラグ組立体9に注入するための空気システム2と、液体溶液を鼻腔へとポンピングするためのポンプシステム3とを備える、内部空間を画定する。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によると、外部ハウジング1は、プラスチック材料製である。
【0033】
図2に示されているように、空気システム2及びポンプシステム3は、弾性チューブ6によって互いに接続され、また、ネジを必要とすることなく両方のシステムを所定の位置にしっかりと保持するサブフレーム49を介したスナップフィット機構48によって、共に外部ハウジング1内に保持される。
【0034】
図3は、本発明の好ましい実施形態による空気システム2を示し、ここで空気システム2は、空気バルブ20と、空気バルブ基部22を介して空気バルブ20に接続された空気抜き弁21とを備える。空気抜き弁21は、弁カバー23;弁カバー封止手段25;弁プランジャ24;弁プランジャ封止手段26;上記弁プランジャを上記弁プランジャ封止手段と共に所定の位置に保持する一定の圧力を印加することによって空気を封止して一方向のみに流れるようにして逆流を防止する第1のばね手段27;ユーザの圧力の機械的な作動によって起動されるアクチュエータ28;アクチュエータ封止手段29;上記弁プランジャを押して空気を放出させてアクチュエータ28を元の位置に戻す第2のばね手段30;及び弾性チューブ6への接続のための空気流出口31を備える。作動力が取り除かれると、ばねは弁を元の位置に戻す。
【0035】
好ましい実施形態では、弁プランジャ24はボール状に成形され、アクチュエータ封止手段29はOリングである。
【0036】
好ましい実施形態では、空気システム2の全ての部品はプラスチック製であり、治療中にユーザを人間工学的に補助するために空気バルブ20及びアクチュエータ28の正しい位置を作り出すことを目的とした特別な設計を有する。
【0037】
空気システム2は、上記デバイスが電子又は電気部品を一切備えず完全に自律的なものとなるように、構築される。
【0038】
図4は、本発明の好ましい実施形態によるポンプシステム3を示し、このポンプシステム3は、シリンダ10;シリンダ10の外側の周囲に配設されたばね手段11;シリンダ10内で可動である中空ピストン14;上記中空ピストンによってガイドされてピストン14と共に軸方向に可動となるように設置された弁部材15;カートリッジ4との接続のための、封止手段13を備えるポンプノズル12;及び空気システムから来た空気を送り出すための空気排出プラグ18と、液体をカートリッジ4から送り出すための液体排出プラグ19とに接続された空気流入ポート17を備えるポンプ基部16を備える。
【0039】
図5及び6に示されているように、本発明の好ましい実施形態では、カートリッジ4は、コンテナ32;コンテナ32の内側に配設された中空円筒状ピストン33;一方向弁機構34;気密接続を有するポンプホース36;コンテナ32をロックするためのコンテナ蓋35及びカートリッジ蓋37を備える。
【0040】
カートリッジ蓋37は、上記カートリッジの接続エリアを汚れから保護して、上記カートリッジが過去に使用されたものでないことを保証するための安全蓋38を備える。
【0041】
コンテナ32は、およそ50ml~150mlを保持し、これは医学研究によれば、ユーザ又は患者の鼻腔及び副鼻腔両方を満たすために必要な流体の量である。したがって、これはこの種の適切な治療を実施するために必要な流体の量である。
【0042】
好ましい実施形態では、上記コンテナは50mlの液体溶液を保持する。
【0043】
図7に示されているように、カートリッジ4は外部ハウジング1の近位端において、上記ポンプシステムに着脱可能に接続される。
【0044】
図9に示されているように、鼻孔プラグシステム5は、2ライン型弾性チューブ7;鼻孔プラグシステム5をポンプシステム3に接続するために弾性チューブ7の近位端に組み付けられたプラグシステム8;及び弾性チューブ7の遠位端に接続される鼻孔プラグ組立体9を備える。
【0045】
図8に示されているように、プラグインシステム8は、外部ハウジング1のメス型ソケットプラグ45にスナップフィットするように設計された2つのプラスチック製部品44;前記外部ハウジングの前記メス型ソケットプラグ45内での上記プラグインシステムの正確な位置決めて、したがって排出プラグ18、19に対する正確な接続のためのノッチ46;及びチューブ7に対する上記プラグインシステムの接続のためのプラスチック製アクセサリ47を備える。
【0046】
鼻孔プラグ組立体9は、上記鼻孔プラグ組立体をチューブ7に接続するためのプラスチック製アクセサリ39;上記液体溶液及び空気を鼻孔プラグ部品40内に分散させる2つのY字型内部部品39a、39b;並びに上記鼻孔プラグ組立体の全ての部品をスナップフィット技術によって一体に保持して、機械的な締付けを生成して気密チャンバを内部に形成する支持体41を備える。
【0047】
鼻孔プラグ部品40は、鼻に配置されるとすぐに内腔内へと固定されるように、図10に示されているような2つのベル状の拡張可能な部分42、43を有する。2つのベル状の拡張可能な部分42、43は、ヒトの鼻に対する完璧な適合及びエルゴノミクスを提供して、鼻腔内での快適性及び安全性も提供するような角度αを有するように設計されるため、図14に示されているように、ユーザの鼻孔内に位置決めされて膨張させられると所定の位置に保持され、ユーザはこれらを保持する必要がない。
【0048】
本発明の好ましい実施形態では、角度αは、130°~140°、最も好ましくは135°である。
【0049】
鼻孔プラグ部品40の2つのベル状の拡張可能な部分42、43は、上記拡張可能な部分を上記空気システムから入った空気で膨張させて、ユーザの鼻孔との気密ロックを形成できる、内部チューブのネットワークを備える。
【0050】
前記2ライン型弾性チューブ7は、空気を鼻孔プラグ部品40へ注入するための空気ライン50と、上記液体溶液をカートリッジ4から、鼻孔プラグ部品40の上記2つのベル状の拡張可能な部分の開口部52を通して、鼻腔へと送達するための液体ライン51とを有する。
【0051】
図11に示されているように、上記デバイスは、その正確な動作に必要な他の要素(すなわち追加の封止手段)を備えてよい。
【0052】
図15は、鼻腔内用液体を鼻腔に供給する方法のフローチャートである。第1のステップ1505で、鼻孔プラグを鼻孔に挿入してよい。その後、次のステップ1510で、空気システムから空気ライン50を介して空気を受け入れることによって、各プラグの拡張可能な部分を膨張させて、各鼻腔を遮断及び/又は封止してよく、この遮断又は封止は典型的には、ユーザが鼻から吸ったり吐いたりできなくなる(呼吸できなくなる)まで、上記拡張可能な部分を拡張させることによって達成される。液体ライン51は開いていてよく、鼻孔内に液体を供給するよう構成されていてよい。鼻孔の両側が閉塞しても、ユーザは引き続き口から呼吸でき、これと同時に二次チャネル(secondary channel)の拡張可能な部分によって鼻孔の鼻翼側壁を外向きに押すことができる。これにより鼻孔を拡張でき、これによって鼻甲介を解放して、副鼻腔につながる管の開口部をあらわにすることができる。次のステップ1515で、液体ライン51を通して両鼻孔に連続的に又は同時に液体又は治療剤溶液を供給できる。この供給は、1回用量を用いて実施してもよく、又はユーザの不快感を回避するために両鼻孔を等しく、ゆっくりと優しく満たすことができるように、及び鼻孔内の液体のレベルを常に略等しく維持できるように、より少量の用量を複数用いて実施してもよい。
【0053】
図14aは、液体投与の実施前にユーザが鼻孔プラグ部品40を保持している様子を概略図で示す。図14aで確認できるように、プラグは、ユーザの鼻孔の間の自然な角度に対応するような角度を間に有して配設される。図14bでは、ユーザは、鼻孔プラグ部品40のプラグを対応する鼻孔内に配置している。上記配置に続いて、膨張可能なプラグへと空気をポンピングして、鼻孔を詰まらせて遮断し、鼻孔を介して呼吸できなくする。次に、ユーザは、鼻孔プラグ部品40を放すことができる。これは、膨張したプラグによって鼻孔内に印加される圧力によって、鼻孔プラグ部品40が所定の位置に保持されるためである。図14cは、本発明の方法及び/又はデバイスの適用の第1のステップ中の、傾斜した頭部の断面図である。すなわちプラグは鼻孔内に挿入されているものの、液体はまだ供給されていない。この実装形態では、液体が咽頭へと流れるのを回避するために、頭部は前方へと傾斜している。次のステップの間に、供給される溶液のレベルが軟口蓋の平面にゆっくりと到達するまで、液体ラインを用いて液体が投与される。続いて嚥下反射が引き起こされる可能性がある。嚥下反射運動は、口内に嚥下のための食物塊がなくても、鼻腔内用液体又は治療剤溶液によって軟口蓋が刺激されることによって完了され得る。嚥下反射を発生させるために、軟口蓋を上方かつ前方へと移動させてよい。したがって、利用可能な空間を削減でき、液体又は溶液のレベルを上昇させて、副鼻腔の管の開口部を覆うことができる。同時に、軟口蓋の前方への移動により、空気を溶液の表面に向かって押すことができる。その結果、溶液に圧力を印加して、溶液を鼻孔の開口に向かって押すことができる。鼻孔の開口はデバイスの鼻腔内部分によって遮断されているため、溶液は管の開口部を通して逃げようとする可能性がある。嚥下運動を繰り返すと、液体は副鼻腔の管を通した逃げ道を見つける可能性があるが、デバイスは、溶液のレベルが軟口蓋の高さのままとなり、軟口蓋の刺激を維持するように、溶液の量をゆっくりと補充できる。いくつかの非限定的な実装形態では、全プロセス、すなわち鼻孔の遮断;鼻孔の鼻翼側壁の拡張;デバイスの鼻腔内部分の拡張による両鼻孔の管の開口部の露出;両鼻孔への溶液の同時供給;自動的な嚥下反射の刺激又は誘発;軟口蓋の上方への移動によって引き起こされる空気の前方への移動からの、溶液の表面への圧力;及び副鼻腔への溶液の導入―いかなるユーザにも、小児にさえも受け入れられるペースでゆっくりと優しく実施させるプロセス―は、完全な解決策を提供する。
【0054】
上記デバイスの完璧な忍容性のある使用により、ユーザは、ユーザが望む限り、作業中又はカウチに座っている間(例えばテレビの視聴中)であっても、治療プロセスを簡単に使用できる可能性を得ることができ、これは効果的な方法を提供する。長期にわたる治療上の使用の容易さにより、鼻腔及び副鼻腔での治療結果を最大化するために必要な時間にわたって治療剤溶液を作用させるために、必要な時間が提供される。この時間は、5~15分であってよい。しかし、場合によっては、液体の治療効果を発生させることができるように、30分というさらに長い時間が有益であることもある。
【0055】
最終的な結果は、医療業界及びユーザにとって望ましい、彼らが長年にわたって求めてきた効果的な解決策を提供できる。これは、ここで提案されるデバイス及び/又は方法の複数の特徴の組み合わせによって可能となり得る。すなわち、上記デバイスは鼻孔の完全な封止を提供でき、これによっていくつかの実装形態では、十分な液体を鼻孔に導入した場合に嚥下反射を誘発できる。
【0056】
さらに、鼻腔を封止する方法は単純な封止ではなく、更なるいくつかの効果を生み出すことができる、鼻孔内での上記デバイスの鼻腔内部分の拡張により、鼻孔の鼻翼側壁を外向きに押すことができ、これによって鼻前庭が拡げられ、したがって、いくつかの実装形態では、鼻甲介を解放して副鼻腔の管をあらわにすることができ、これにより、副鼻腔への液体の導入を容易にすることができる。
【0057】
さらに、ここで提案されるデバイス及び/又は方法を用いて提供される、両鼻孔の適切な閉塞により、ユーザが望む限り、溶液を鼻孔内及び副鼻腔内に留まらせることができ、これにより、医薬の、又は生理食塩水(海水)の、又は薬草植物の抽出物の、治療特性、細胞再生特性、及び/又は治癒特性が結果をもたらすために必要な時間を提供できる。
【0058】
したがって、ユーザ又は患者にとっての治療効果は、ここで提案されるデバイスによって提供されるプロセスの適切な適用に左右され得る。鼻孔への溶液の適用は、優しく、完全に制御された様式で、少用量で実施できることも述べておく。これはいくつかの用途において、各印加(圧力)によって少量の制御された量だけを両鼻孔に供給できるような方法で、溶液を圧力下で供給できるカートリッジ構成により、達成できる。
【0059】
以上の説明では、実施例を詳細に説明したが、上記実施例は例示的なものであり、限定的な性質のものではないとみなされるものとし、一部の実施例しか図示及び説明されていないこと、並びに実施例の精神の範囲内にあるあらゆる変更及び修正が保護されることが望まれていることを理解されたい。本開示の上述の特定の実施例を説明してきたが、当業者には、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施できることが明らかであろう。したがって、そのような変更及び修正は全て本開示の範囲内であることが、添付の請求項に包含されることが意図されている。
【0060】
参考文献
1.Lirong Zou et al. SARS-CoV-2 Viral Load in Upper Respiratory Specimens of Infected Patients, N Engl J Med 2020; 382:1177-1179, DOI: 10.1056/NEJMc2001737.
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3.Rafael R. G., Machado, Talita Glaser, Danielle B. Araujo, Lyvia Lintzmaier Petiz, Danielle B. L. Oliveira, Giuliana S. Durigon, Alessandra L. Leal, Joao Renato R. Pinho, Luis Carlos S. Ferreira, Henning Ulrich, Edison L. Durigon, Cristiane R. Guzzo , Hypertonic saline solution inhibits SARS-CoV-2 in vitro assay. BioRχiv, doi: https://doi.org/10.1101/2020.08.04.235549
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5.Sandeep Ramalingam, Catriona Graham, Jenny Dove, Lynn Morrice, Aziz Sheikh, A pilot, open labelled, randomised controlled trial of hypertonic saline nasal irrigation and gargling for the common cold, Scientific Reports (2019) 9:1015 https://doi.org/10.1038/s41598-018-37703-3 (www.nature.com/scientificreports).
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14a
図14b
図14c
図15
【国際調査報告】