IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジャイラス エーシーエムアイ インクの特許一覧

<>
  • 特表-生体内温度測定用発光プローブ 図1A
  • 特表-生体内温度測定用発光プローブ 図1B
  • 特表-生体内温度測定用発光プローブ 図2
  • 特表-生体内温度測定用発光プローブ 図3
  • 特表-生体内温度測定用発光プローブ 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】生体内温度測定用発光プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61B1/00 550
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534019
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 US2021061810
(87)【国際公開番号】W WO2022120169
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】63/120,793
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セルゲイ・エー・ブケソフ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161FF46
4C161HH51
(57)【要約】
開示される様々な例は、医療プローブの温度モニタリングに関する。本開示は、医療プローブおよび1つ以上の発光マークを含む医療機器を含む。前記医療プローブは、患者に少なくとも部分的に挿入されるように構成された遠位部を含むことができる。前記1つ以上の発光マークは、前記プローブの遠位部に位置することができ、照射されたときに温度に相関する発光特性を有することができる。前記発光特性は、前記患者の内部部位の温度の指標を提供することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者内に少なくとも部分的に挿入するように構成された遠位部を含む医療プローブと、
前記プローブの遠位部に位置し、照射された際に温度に相関する発光特性を有し、患者の内部部位における温度の指標を提供する1つ以上の発光マークとを含む、医療機器。
【請求項2】
前記1つ以上の発光マークに光を提供するための光源をさらに含む、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記1つ以上の発光マークからの発光応答信号を検出するためのセンサをさらに含む、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記センサがカメラまたは分光計のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
検出された発光応答を分析し、分析および前記1つ以上の発光マークに関連する発光特性に少なくとも部分的に基づいて、前記内部部位における温度の結果の指標を生成するための、前記センサに結合された信号分析器をさらに含む、請求項3に記載の機器。
【請求項6】
前記患者の内部部位の標的を治療するための、コントローラおよびレーザファイバを有するレーザシステムをさらに含む、請求項1に記載の機器。
【請求項7】
前記1つ以上の発光マークが前記レーザファイバの遠位部に位置する、請求項6に記載の機器。
【請求項8】
前記コントローラが、前記内部部位における温度の指標に少なくとも部分的に基づいて、前記レーザシステムの少なくとも1つの設定を調整するように構成されている、請求項6に記載の機器。
【請求項9】
前記1つ以上の発光マークが、前記レーザファイバの光学コア、クラッド層、バッファ層および/またはジャケット層に位置する、請求項6に記載の機器。
【請求項10】
前記1つ以上の発光マークが前記医療プローブの端に位置する、請求項1に記載の機器。
【請求項11】
前記1つ以上の発光マークのうちの少なくとも1つが、結晶片、結晶材料、多結晶材料、有機成分、量子ドットの配列、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項12】
前記1つ以上の発光マークのうちの少なくとも1つが、結晶性蛍光体セラミックス、有機成分、量子ドット、ナノ構造、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の機器。
【請求項13】
検出される前記発光応答信号が、フォトルミネセンス、強熱発光、熱発光、またはそれらの組み合わせを含む、請求項3に記載の機器。
【請求項14】
前記1つ以上の発光マークのそれぞれが、約100nm以下の直径を有する、請求項1に記載の機器。
【請求項15】
センサに結合されたフィードバック分析器をさらに含み、前記フィードバック分析器が信号処理回路を含む、請求項1に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月3日に出願された米国仮特許出願第63/120,793号に対する優先権の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、様々な解剖学的領域の治療のための外科プローブと、イメージングおよび/または消化管(例えば、食道、胃、十二指腸、膵胆管、腸、結腸など)、腎臓領域(例えば、腎臓、尿管、膀胱、尿道)および他の内臓(例えば、生殖器系、副鼻腔空洞、粘膜下領域、気道など)等を含む様々な解剖学的部分への治療装置の通路を提供するための内視鏡との両方に関する。
【0003】
治療中のそのような外科プローブおよび内視鏡のモニタリングが望ましいことがある。具体的には、治療されている内部解剖学的部位は、治療中に温度変化を受ける可能性がある。これらの内部部位の温度をモニタリングすることが有益な場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、その場所での温度依存の発光(luminescence)をモニタリングすることなどにより、患者の体内の内視鏡またはその他の内部処置の部位において温度をモニタリングおよび検出するための方法およびシステムについて論じる。例えば、発光自体のパラメータを検出またはモニタリングすることによって、またはモニタリングされた発光の可能性(chance)を決定することによって、発光を分析して温度を決定することができる。発光検出は、温度または温度変化を決定するなどのために、温度に関係する発光についての保存された情報と比較されることができる。発光と温度の関係についての保存された情報は、ルックアップテーブル、近似関数、またはその他のデータなど、様々な形式をとることができる。
【0005】
第1の態様では、機器は、プローブおよび周囲環境の温度をモニタリングするための、1つ以上の発光マークをその上に有する医療プローブを含むことができる。
【0006】
第2の態様では、システムは、1つ以上の発光マークをその上に有する医療プローブと、プローブおよび周囲環境の温度をモニタリングするように構成された1つ以上の発光マークと、医療治療のためのレーザ光線を提供するレーザファイバと、1つ以上の発光マークに光を提供するための光源と、1つ以上の発光マークからの発光応答信号を検出し、検出された発光を示す、結果の電気信号を提供するためのカメラと、検出された発光を示す、結果の電気信号を分析し、モニタリングされている内部部位における温度の、結果の指標を生成するための信号処理回路とを含むことができる。
【0007】
第3の態様では、システムは、1つ以上の発光マークをその上に有する医療用プローブと、モニタリングされ、プローブおよび周囲環境の温度を示すように構成された1つ以上の発光マークと、医療治療のためのレーザ光線を提供するレーザファイバと、1つ以上の発光マークに光を提供するための光源と、1つ以上の発光マークからの発光応答信号を検出し、検出された発光を示す、結果の電気信号を提供するためのカメラと、検出された発光を示す結果の電気信号を分析し、モニタリングされている内部部位における温度の結果の指標を生成するための信号処理回路とを含むことができ、1つ以上の発光マークはレーザファイバ上に位置することができる。
【0008】
第4の態様では、システムは、1つ以上の発光マークを内部に有する医療プローブと、プローブおよび周囲環境の温度をモニタリングするように構成された1つ以上の発光マークと、医療治療のためのレーザ光線と、1つ以上の発光マークに光を提供するための光源と、1つ以上の発光マークからのフィードバックを検出するためのカメラと、フィードバック分析器とを含むことができ、1つ以上の発光マークはプローブの端に位置する。
【0009】
図面では、必ずしも縮尺どおりに描かれていないが、異なる図において同様の数字は同様の構成要素を説明することができる。異なる文字の接尾辞を有する同様の数字は、同様の構成要素の異なる例を表すことができる。図面は、限定としてではなく例として、本明細書で論じられる様々な実施形態を一般的に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1A図1Bは、外科プローブの例を示す。
図2図2は、発光マークを含む外科プローブ温度測定システムの概略図を示す。
図3図3は、発光マークを含む外科プローブ温度測定システムの概略図を示す。
図4図4は、発光マークを含む外科プローブ温度測定システムの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、とりわけ、医療プローブまたは内視鏡の作業領域またはその近くの温度のモニタリングおよび制御を可能にするような医療プローブ上の1つ以上の発光マークの使用について説明する。
【0012】
発光は、加熱とは対照的に、励起エネルギーに応答した物質による光の自然放射(emission)である。発光の例として、蛍光および燐光が挙げられる。有機物質と無機物質の両方が発光を示しうる。例えば、蛍光体はエネルギーを可視光範囲の電磁放射に変換し、発光を生成する。
【0013】
蛍光体温度測定など、発光は温度に敏感な場合があり、温度測定に光学的方法を活用できる。場合によっては、そのような発光は、光強度、放射スペクトルの範囲と形状、立ち上がり時間と減衰時間、および他のパラメータを含む、発光材料の温度依存性の光放射パラメータを測定することなどによって、間接的に温度を制御および測定するために使用することができる。発光減衰時間または残光パラメータを温度測定に使用することができる。
【0014】
発光は、レーザ結石破砕術(lithotripsy)の例など、患者の体内の内部処置部位の温度を追跡するのに役立ち得る。このような例では、温度をモニタリングすることで、極端な温度や大きな温度変化が引き起こし得る壊死やその他の問題からの保護に役立ち得る。本明細書で論じられる方法およびシステムは、医療処置が行われている内部標的領域またはその近くの周囲温度をチェックするための「非接触(non-contact)」の方法を提供するのに役立つことができる。
【0015】
例えば、温度依存性の発光は、医療器具の遠位作動部が標的組織に接近するか、または接触するときなどに、内部処置部位でモニタリングされることができる。発光の1つ以上の温度依存性の光放射パラメータを測定することなどにより、間接的に温度を測定するために発光を使用することができる。発光の温度依存性の光放射パラメータの例としては、発光の光強度、発光の放射スペクトル範囲または形状、発光の立ち上がり時間および減衰時間、それらの組み合わせなどが挙げられる。レーザ結石破砕術または同様の医療処置中に起こり得る範囲の温度変化を含む温度変化との関係を特徴づけることができる1つ以上の発光パラメータの変化を示す有機発光材料および無機発光材料が数多くある。
【0016】
場合によっては、発光に基づく温度測定を実施するために、プローブに沿った追加の配線を必要とせずに、温度のモニタリングおよび制御に発光を使用することができる。例えば、1つ以上の小さな(例えば、約100マイクロメートル)発光マークをプローブの遠位部に組み込むことができる。場合によっては、発光マークは、レーザファイバ上、プローブのスコープ部の遠位端上、または複数の場所など、プローブに沿った様々な場所に配置することができる。
【0017】
図1Aおよび図1Bは、システム100における温度モニタリングのために発光マークを使用できるプローブ110を備えたシステム100の例を示す。一例では、システム100は、プローブ110、カメラ112、光源114、およびレーザファイバ116を含むことができる。システム100では、カメラ112、光源114、およびレーザファイバ116は、プローブ110の長さに沿って延在することができる。図1Aはシステム100の断面図を示し、図1Bは、システム100の側面概略図を示す。
【0018】
プローブ110は、近位端と遠位端との間に延在することができる。プローブ110は、イメージングのため、および/または1つ以上の治療装置またはサンプリング装置の通路を提供するために、手術中などに患者に部分的に挿入するためのサイズ、形状、または配置にすることができる。プローブ110は、例えば、照明、イメージング、1つ以上の疾患状態の検出および診断、解剖学的領域への流体送達(例えば、流体チャネルを介した生理食塩水または他の製剤)の提供、解剖学的領域をサンプリングまたは治療するための1つ以上の治療装置の通路(例えば、作業チャネルを介した)の提供、および流体収集(例えば、生理食塩水または他の製剤)のための吸引通路の提供などを含む、様々な臨床処置に関与することができる。
【0019】
プローブ110は、カメラ112、光源114、およびレーザファイバ116などのイメージングシステムおよび制御システムに連結することができる。カメラ112、光源114、およびレーザファイバ116は、ユーザにイメージングデータを提供するために使用されることができる。カメラ112は、プローブ110とともに使用するのに適した外科用カメラであり得る。カメラ112は、例えば、処置中に解剖学的視界をモニタリングするために使用され得る。場合によっては、カメラ112は、オリンパス社のEndocapsule(登録商標)内視鏡システムと同様に構築されてもよい。システム100では、場合によっては、カメラ112は、以下でより詳細に論じるように、可視または非可視の特定の波長の発光または光を検出することができる。
【0020】
光源114は、所望の波長範囲の電磁放射を生成できる光源であり得る。光源114は、所望のスペクトルの光(広帯域白色光、好ましい電磁波長を使用する狭帯域イメージングなどのうちの1つ以上)を使用して解剖学的領域を照明するために使用することができる。光源114は、プローブ110および周囲の解剖学的領域内で可視光(例えば、約380nmから約760nm)を生成するように構成することができる。場合によっては、光源114は、以下でより詳細に論じるように、1つ以上の発光マークにおける発光を誘起するために特定の波長の光を生成するように構成することができる。照明および/または画像信号の収集のための追加の光学構成要素(レンズアセンブリおよび/またはプリズム)が光源114に含まれることができる。1つ以上の光ファイバ(例えば、ファイバ束)は、照明光学系を光源114に光学的に結合することができる。
【0021】
場合によっては、カメラ112および光源114は、必要に応じてプローブ110内またはプローブ110上に部分的にまたは完全に取り付けることができる。カメラ112または光源114は、場合によっては、制御システムまたはコンピュータに接続することができる。カメラ112または光源114は、有線または無線の電気接続によってプローブ110とインタフェースすることができる。光源114は、コントローラまたはコンピュータと共に、適宜に解剖学的領域を照明することができ、カメラ112は、解剖学的領域を表す信号を収集することができる。コントローラは、解剖学的領域を表す収集された信号を処理することができ、解剖学的領域を表す画像をディスプレイ上に表示することができる。このようなコントローラは、信号伝達(例えば、光源からの光出力、遠位端のイメージングシステムからのビデオ信号など)のためにプローブ110に(例えば、内視鏡コネクタを介して)接続することができる。
【0022】
レーザファイバ116は、プローブ110の管腔内、またはプローブ110の側面に沿ってなど、プローブ110に沿って延在する単一のレーザファイバまたはレーザファイバの束を含むことができる。レーザファイバ116は、例えば、二酸化炭素レーザ(例えば、約9,000nm~約11,000nmの波長を有する)、ダイオードレーザ(例えば、約800nm~約1,100nmの範囲の波長を有する)、またはエルビウムレーザ(例えば、約2,500nm~約3,000nmの範囲の波長を有する)などの、任意の適切な外科用レーザであり得る。場合によっては、レーザファイバ116は外科的治療のために使用することができる。
【0023】
システム100は、例えば、レーザなどによる組織の外科的治療のために使用することができる。治療中、外科医(または他のユーザ)は、治療されている解剖学的部位の温度をモニタリングしたい場合がある。温度のモニタリングは、極端な温度や大きな温度変化が引き起こし得る壊死やその他の問題からの保護に役立つことができる。図2図4を参照して説明し、論じられるように、発光マークをそのような内視鏡またはプローブとともに使用して、使用中の温度のモニタリングを補助することができる。
【0024】
このようなシステムでは、発光プローブからの光学応答信号は、外科用ファイバまたはプローブカメラを介して収集することができ、その結果得られる電気信号は、校正された応答信号温度分析器を含むことができる信号処理回路によって分析することができる。図2図4は、外科プローブまたはレーザファイバ内に配置された小さな発光マークの形態の温度測定システムの例を示す。図2図4に示された発光マークの光放射は、選択した発光タイプに依存して異なる方法で活性化できる。
【0025】
図2および図3において、医療プローブシステムのレーザファイバ上の発光マークの例が示されている。図2は、例示的な外科システム200を示す。一例では、システム200は、プローブ210、カメラ212、光源214、レーザファイバ216、発光マーク220、およびフィードバック分析器230を含むことができる。システム200の構成要素は、別に明記されていない限り、上記の図1Aおよび図1Bを参照して論じた対応する構成要素と同様であり、同様の方法で接続することができる。
【0026】
システム200では、カメラ212、光源214、およびレーザファイバ216は、プローブ210内で少なくとも部分的に延在することができる。発光マーク220は、レーザファイバ216上に位置することができる。使用時、レーザファイバ216は光源214からエネルギーを受けることができ、発光マーク220は光源214からエネルギーを受けることができる。カメラ212は、生成された発光をとらえることができ、これをシステム200の温度と相関させることができる。
【0027】
上記のシステム100と同様に、光源214は、例えば、発光マーク220を活性化することに加えて、組織を照らし、カメラ画像を可能にする可視光源であり得る。カメラ212は、発光および可視画像をとらえることができる。生成された発光は、組織の温度を決定するために、予め決定された発光対温度の関係と比較するなど、信号処理回路によって処理され得る。いくつかの例では、発光マークからの光をレーザファイバ自体からとらえることができる。
【0028】
発光マーク220は、プローブ210上またはプローブ210の周囲の1つ以上の発光材料片であり得る。発光マーク220は、単一のマークまたは複数のマークであり得る。システム200において、示された発光マーク220は、レーザファイバ216上に位置することができる。発光マーク220は、例えば、内視鏡表面、ファイバコア、クラッディング、バッファ、またはジャケットなど、外科システム200の任意の部分に位置することができる。場合によっては、システム200において、発光マーク220は、レーザファイバ216上に配置することができ、あるいは、ファイバコアもしくはクラッッディング内、スコープ端上、吸引管腔の入口付近、プローブ210内のその他の場所、またはそれらの組み合わせに配置することができる。発光マークの配置は、システム200全体にわたるより良好な温度分布決定を可能にするように選択されることができる。例えば、発光マークがレーザファイバ216上およびプローブ210の本体上に配置されるシステム200全体にわたって平均温度をモニタリングすることができる。場合によっては、マークの集合から最高温度を取得することができる。
【0029】
発光マークは、他の種類および配列のうちで、結晶質蛍光体セラミック、有機成分、1つ以上の量子ドットの配置(例えば、結合剤中)、ナノ構造のうちの1つ以上を含むことができる。発光マークは、それぞれ直径が約100ミクロン程度のオーダーであり得る
【0030】
発光マーク220の特定の材料に依存して、プローブ内の温度を測定および制御するために様々な種類の発光を使用することができる。例えば、フォトルミネセンスは、ナノ秒およびマイクロ秒の典型的な寿命を有する蛍光と、ミリ秒から数時間にわたって光が放射される燐光とを含む、光子の吸収の結果としての光放射である。
【0031】
フォトルミネセンスに加えて、強熱発光および熱発光などの他の種類の発光も使用できる。熱発光は、結晶などの固体が入射光エネルギーを蓄積し、その後加熱された際に可視スペクトルで光るときに発生することができる。つまり、熱発光材料は、組織に近い温度に依存して加熱および冷却される可能性がある。熱発光材料は、蓄積蛍光体や電子トラップ材料などの材料をさらに含む場合があり、赤外光のパルスが蓄積されたエネルギーを可視光の形で放つことができ、光の強度は温度によって変化する。
【0032】
熱刺激発光としても知られる熱発光は、通常は結晶形である固体が励起の後に加熱されている間に光を放射するプロセスを指す。このような結晶が照射されると、吸収されたエネルギーの一部が格子内に蓄積され、材料が加熱されると、可視光の放射の形で後に回収することができる。放射される光の強度は、一般に、1つ以上のグローピークで構成される。
【0033】
一例では、蓄積性蛍光体または電子トラップ材料を発光マーカーとして使用することができる。電子トラップまたは輝尽性蛍光体は、蓄積性蛍光体とも呼ばれ、可視光またはX線からのエネルギーを吸収および蓄積できる化合物である。その後、それらを刺激して可視光の形でエネルギーを放出することができる。蓄積性蛍光体の放射強度は環境温度に敏感である。光刺激は、可視光源または近赤外線信号によってプローブ上で実施することができる。
【0034】
さらなる例では、SAO蛍光体、CaS蛍光体、SAO25蛍光体、LAO蛍光体、CAO蛍光体、YOS蛍光体などのような長残光(例えば持続性の)蛍光体を使用することができる。この場合、発光物質の残光や減衰時間をモニタリングすることができる。例えば、レーザ源または可視光源からの励起エネルギーとして、ある波長の短い光バースト(例えば、約数ミリ秒の青色光)が起こる。したがって、発光マークとして使用される材料に基づいた「ある波長」を選択することができる。例えば、青色光は、青色光の波長に応答する結晶や量子ドットなど、発光を生じさせる特定の材料のフォトルミネセンスを励起する場合に使用することができる。発光マークがどのように励起するかに基づいて、減衰放射をモニタリングすることができ、それからその場所の温度を決定することができる。このようにして、後方反射信号は発光がどのように減衰するかを示すことができ、それによってマークにおける温度の指標を与えることができる。発光の減衰時間は温度をチェックするのに実用的でありうる。減衰は温度に依存する。様々な要因によっては、減衰が数ミリ秒しか続かない場合もある(パルスが数ミリ秒だった場合)。
【0035】
使用されている特定の外科用器具、行われている処置、または治療されている解剖学的領域に基づいて、外科医はシステム200の使用中に特定の温度範囲をモニタリングすることを望む場合がある。この場合、この温度範囲と相関する発光を生成する発光マークを使用できる。
【0036】
一例では、可視光源で連続的に励起される発光マークを使用することができる。この場合、周囲温度に基づいて発光色および波長強度が変化する場合がある。
【0037】
一例では、発光マークに使用される材料の材料特性に依存して、蛍光体温度測定を使用して、0℃から最大1400℃などの広い範囲にわたる温度を測定することができる。蛍光体温度測定技術は、従来の技術を使用して温度を測定することが難しい用途において特に有利となり得る。
【0038】
動作中、光源214からの光は発光マーク220に向けられ、特定の発光を生成することができる。生成された発光をモニタリングして、手術中の温度変化を決定できる。発光マーク用の材料に基づいて発光の波長を調整できるため、特定の温度情報が収集される。
【0039】
発光マークからの発光は(側面または端を通ってレーザファイバに直接入るか、組織から反射するか、その他の場所から反射するかのいずれにせよ)、発光材料に基づいて、光源からの、例えば、組織の外科的視野のために使用される他の光と干渉しないように構成することができる。一例では、手術中に標的組織から反射された光源214からの光は、腎臓結石または組織の組成を決定するため、または単に手術野を見るために使用することができる。腎臓結石などの標的組織からの光の反射は、光源からの波長約380nm~700nmの可視光の反射であり得る。
【0040】
この場合、発光マークは約800ナノメートル(nm)などの非干渉範囲で放射するか、または光るように作成することができる。したがって、発光マークからの光と医療処置からの任意の他の反射光とは、両方とも同じ導管を使用して、干渉することなく光を返すことができる。したがって、カメラ212は、両方の種類の光を拾い、区別することができる。いくつかの例では、時分割多重化を利用して、反射光を順番に分析することができる。
【0041】
場合によっては、発光マークからの光は、他の処置関連の光と波長が重なる可能性がある。この場合、発光マークは所望の波長範囲を有するように構成されることができる。例えば、放射される波長は、約750nmから約900nmなどの広い範囲をカバーすることができる。場合によっては、その領域内の他の可視光に対して特定の波長におけるピークを検出することができるように、発光マークからの狭い放射をモニタリングすることができる。
【0042】
医療機器の場合、処置の開始前または開始時に、所望の温度を決定することができ、発光マークからの波長を読み取って、ある温度における波長を決定することができる。一例では、所定の色または周波数における各発光マークに相関する温度を経験的に決定して、表またはデータベースを作成することができる。したがって、その後の処置中に、受信した発光マークの波長または色を、経験的に決定された表またはデータベースと比較して、処置中のタイムスタンプでの温度を決定することができる。
【0043】
場合によっては、単結晶発光マーク(または単一の発光材料もしくは成分)を使用することができる。場合によっては、2つ以上の発光材料の混合物を使用することができる。この場合、材料はそれぞれ異なる温度依存性を持つ可能性がある。この場合、それぞれが異なる温度依存性を有する、複数の発光材料の混合物を使用することができる。放射色の変化は、相対温度消光に基づいて検出できる。
【0044】
例えば、発光材料の混合物を使用することができる。材料は、放射の異なる温度消光を有し、各単一成分の発光強度は周囲温度に異なる形で依存する。混合物の全放射スペクトルは、混合物中に存在する各材料の特定のスペクトルの組み合わせを含むことができる。各材料の発光強度の温度消光の違いにより、混合物の全放射スペクトルと色は周囲温度に依存する可能性がある。周囲温度と相関する放射スペクトルの変化は、分光計で測定し、スペクトル形状対温度の予備校正データに基づいてスペクトル分析器で分析できる。これは、異なる別個のスペクトルからの放射の強度比に基づいた技術のマルチカラー実装であり得る。
【0045】
1つのホスト材料内の異なる活性化剤に関係する2つ以上の別々の放射スペクトル(輝線)の強度比の分析に基づく温度検出方法の例;温度の変化は燐光スペクトルの変化に反映される。例えば、Ln3+(Ln=Nd、Sm、Eu、Dy、Ho、Er、Tm、Yb)でマルチドープされたオキシ硫化物材料は、異なる活性化剤に関係するいくつかの異なる輝線を示し、それぞれが異なる温度依存性を持つ。
【0046】
別の例では、青色光用と赤色光用の2つの発光マークを使用することができる。これは、2つの異なる材料の混合物を使用して作成でき、各材料は周囲温度に互いに異なって依存する。20℃などの第1の温度では、強度の第1の組み合わせが検出可能になる。50℃などの第2の温度では、強度の第2の組み合わせが検出可能になる。放射色の変化は、温度消光(例えば、発光の減少)に基づいて、2つの温度間で検出することができる。強度は温度に依存する場合がある。このような混合物は、それぞれが異なる放射波長および色を有する2つ以上の異なる結晶化材料を含むことができる。
【0047】
発光材料の混合は、異なる波長の発光を与えることができる。放射強度は混合物に基づく。一例では、ある材料は緑色の光を放射し、別の材料は赤色の光を放射することができる。場合によっては、放射が十分に狭く、輝線が分離される。場合によっては、緑色の放射は温度に強く依存することがある。例えば、温度が10度低下すると、緑色の放射は約10%など、ある程度低下する可能性がある。しかし、赤色の光は緑色の光ほど敏感ではない可能性があり、同じ10度低下しても、赤色の光は1%または2%しか低下しない可能性がある。この場合、赤色の光は、緑色が減少する速度で減少していないため、信号はより赤色が支配的になる。このようにして、混合された2つ以上の材料が温度の指標を与えることができる。
【0048】
発光マーク材料の混合物では、温度により敏感な1つの成分(例えば、温度に基づいてより速く減衰する)と、相対的により安定な1つの成分を利用すると有用である場合がある。これにより、温度が変化するときの光の色の明確な変化が可能になる。その色を予め検出した色と比較することができ、色対温度の依存性データを収集することができる。経験的データを収集して、色と実際の温度を相関させることができる。
【0049】
発光マーク220などの発光マークは、以下に図3および図4を参照して論じるように、分光計やフィードバック分析器などの信号処理装置と組み合わせて使用することができる。
【0050】
図3は、プローブ310、カメラ312、光源314、レーザファイバ316、発光マーク320、およびフィードバック分析器330を含むことができる外科システム300を示す。システム300の構成要素は、別に明記されていない限り、上記の図1A図1Bを参照して論じた対応する構成要素と同様であり得、また同様の方法で接続され得る。
【0051】
システム300では、カメラ312、光源314、およびレーザファイバ316は、プローブ310内で少なくとも部分的に延在することができる。発光マーク320は、レーザファイバ316上に位置することができる。使用時、レーザファイバ316は光源314からエネルギーを受けることができ、発光マーク320は光源314からエネルギーを受けることができる。カメラ312は、生成された発光をとらえることができ、フィードバック分析器330を使用することによって、システム300の温度と相関させることができる。
【0052】
上記のシステム100と同様に、光源314は、例えば、発光マーク320を活性化することに加えて、組織を照明し、カメラ画像を可能にする可視光源であり得る。カメラ312は、発光および可視画像をとらえることができる。生成された発光は、組織の温度を決定するために、予め決定された発光対温度の関係と比較するなど、フィードバック分析器330内の信号処理回路によって処理され得る。いくつかの例では、発光マークからの光をレーザファイバ自体からとらえることができる。
【0053】
フィードバック分析器330は、発光マーク320からの発光活動を示す信号を受信するために、システム300の1つ以上の構成要素に結合することができる。例えば、フィードバック分析器330は、カメラ312に結合することができる。この場合、カメラ312は、発光の1つ以上の光学信号をとらえて、それらをフィードバック分析器に伝えることができる。場合によっては、フィードバック分析器330は、レーザファイバ316と相互作用する発光の指標を受信するために、レーザファイバ316に結合することができる。
【0054】
フィードバック分析器330はコントローラを含むことができる。このようなコントローラは、シングルボードコンピュータまたはマルチボードコンピュータ、ダイレクトデジタルコントローラ(DDC)、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)などのプログラマブルコントローラであり得る。他の例では、コントローラは、ハンドヘルドコンピュータ、例えばスマートフォン、タブレット、ラップトップ、デスクトップコンピュータ、またはプロセッサ、メモリ、および通信機能を含む任意の他のコンピュータデバイスなどの任意のコンピュータデバイスであり得る。
【0055】
フィードバック分析器330は、ユーザインタフェースをさらに含むことができる。ユーザインタフェースは、任意のディスプレイおよび/または入力デバイスであり得る。例えば、一例ではユーザインタフェースはモニタ、キーボード、およびマウスであり得る。他の例では、ユーザインタフェースはタッチスクリーンディスプレイであってもよい。さらに別の例では、ユーザインタフェースは、ライト、ボタン、および/またはスイッチを提供することができる。コントローラおよびユーザインタフェースは、機械可読媒体を含むことができる。「機械可読媒体」という用語には、デバイスによる実行のための命令を保存、エンコード、または搬送することができ、デバイスに本開示の技術のいずれか1つ以上を実行させる任意の媒体、または、そのような命令によって使用される、もしくはそのような命令に関連するデータ構造を保存、エンコード、または搬送することができる任意の媒体が含まれてもよい。機械可読媒体の非限定的な例としては、ソリッドステートメモリ、光メディアおよび磁気メディアが含まれてもよい。機械可読媒体の特定の例としては、半導体メモリデバイス(例えば、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM))およびフラッシュメモリデバイスなどの不揮発性メモリ;内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスク;ならびにCD-ROMおよびDVD-ROMディスクが含まれてもよい。
【0056】
システム300では、検出された発光信号をフィードバック分析器330によって分析および処理して、例えば発光自体のパラメータを検出もしくはモニタリングすることによって、またはモニタリングされた発光の可能性を決定することによって温度を決定することができる。発光の検出は、発光と温度を相関させるなど、発光と温度のひもづけについての保存された情報と比較できる。発光と温度の関係についての保存された情報は、ルックアップテーブル、近似関数、またはその他のデータなど、様々な形式をとることができる。
【0057】
あるいは、プロセッサは発光データを受信し、発光と温度を比較する適切な曲線またはチャートを生成し、生成された発光-温度曲線を発光-温度曲線のライブラリ全体、または発光-温度曲線のサブセットと比較することができる。場合によっては、温度変化の所望の閾値を決定し、生成された発光と比較することができる。
【0058】
いずれの場合でも、プロセッサによる決定はユーザに伝達される。場合によっては、温度の検証はユーザインタフェースを通じて伝達できる。他の場合には、コンソール上のLEDライトなどの小さなライトを介してユーザに検証を伝達できる。他の場合には、音またはトーンを介してユーザに検証を伝達できる。
【0059】
図4は、プローブ410、カメラ412、光源414、レーザファイバ416、発光マーク420、分光計425、およびフィードバック分析器430を含むことができる外科システム400を示す。システム400の構成要素は、別に明記されていない限り、上記の図1A図1Bを参照して論じた対応する構成要素と同様であり得、また同様の方法で接続され得る。
【0060】
システム400では、カメラ412、光源414、およびレーザファイバ416は、プローブ410内で少なくとも部分的に延在することができる。発光マーク420は、プローブ410の端上に位置することができる。この配置により、光と温度の検出が可能になる。
【0061】
使用時、レーザファイバ416は光源414によってエネルギーを受けることができ、発光マーク420は光源414によってエネルギーを受けることができる。カメラ412は生成された発光をとらえることができ、フィードバック分析器430および分光計425の使用により、システム400の温度と相関させることができる。
【0062】
上記のシステム100と同様に、光源414は、例えば、発光マーク420を活性化することに加えて、組織を照らし、カメラ画像を可能にする可視光源であり得る。カメラ412は、発光および可視画像をとらえることができる。生成された発光からの光学信号は、分光計425に送信され、処理されることができる。これは、組織の温度を決定するために、予め決定された発光対温度の関係と比較するなど、フィードバック分析器430内の信号処理回路によってさらに処理され得る。いくつかの例では、発光マークからの光をレーザファイバ自体からとらえることができる。
【0063】
分光計425は、発光マーク420の発光によって生成される光学信号のスペクトル成分を分離し、測定するために使用することができる。分光計は、例えば、入射してくるスペクトル成分が混合される発光の連続変数を測定することができる。分光計425は、例えば、時間とともに生じる発光の波長を拾い、検出することができる。場合によっては、これを使用して時間対発光のグラフを作成できる。このようなデータは、温度の変化を決定するためにフィードバック分析器430に渡されることができる。
【0064】
<様々な注釈と例>
これらの非限定的な例のそれぞれは、単独で存在することができ、または1つ以上の他の例と様々な順列または組み合わせで組み合わせることができる。
【0065】
例1は、患者内に少なくとも部分的に挿入されるように構成された遠位部を含む医療プローブと、プローブの遠位部に位置し、照射された際に温度に相関する発光特性を有し、患者の内部部位における温度の指標を提供する、1つ以上の発光マークとを含む医療機器である。
【0066】
例2では、例1の主題は、1つ以上の発光マークに光を提供するための光源を任意に含む。
【0067】
例3では、例1~2のいずれか1つ以上の主題は、1つ以上の発光マークからの発光応答信号を検出するためのセンサを任意に含む。
【0068】
例4では、例3の主題は、センサがカメラまたは分光計のうちの少なくとも1つを含むことを任意に含む。
【0069】
例5では、例3~4のいずれか1つ以上の主題は、検出された発光応答を分析し、分析および1つ以上の発光マークに関連する発光特性に少なくとも部分的には基づいて、内部部位における温度の結果の指標を生成するための、センサに結合された信号分析器を任意に含む。
【0070】
例6では、例1~5のいずれか1つ以上の主題は、患者の内部部位の標的を治療するためのコントローラおよびレーザファイバを有するレーザシステムを任意に含む。
【0071】
例7では、例6の主題は、1つ以上の発光マークがレーザファイバの遠位部に位置することを任意に含む。
【0072】
例8では、例6~7のいずれか1つ以上の主題は、コントローラが、内部部位における温度の指標に少なくとも部分的に基づいて、レーザシステムの少なくとも1つの設定を調整するように構成されることを任意に含む。
【0073】
例9では、例6~8のいずれか1つ以上の主題は、1つ以上の発光マークがレーザファイバの光学コア、クラッド層、バッファ層および/またはジャケット層に位置することを任意に含む。
【0074】
例10では、例1~9のいずれか1つ以上の主題は、1つ以上の発光マークが医療プローブの端に位置することを任意に含む。
【0075】
例11では、例1~10のいずれか1つ以上の主題は、1つ以上の発光マークのうちの少なくとも1つが、結晶片、結晶材料、多結晶材料、有機成分、量子ドットの配列、またはそれらの組み合わせを含むことを任意に含む。
【0076】
例12では、例1~11のいずれか1つ以上の主題は、1つ以上の発光マークのうちの少なくとも1つが、結晶性蛍光体セラミックス、有機成分、量子ドット、ナノ構造、またはそれらの組み合わせを含むことを任意に含む。
【0077】
例13では、例3~12のいずれか1つ以上の主題は、検出される発光応答信号がフォトルミネセンス、強熱発光、熱発光、またはそれらの組み合わせを含むことを任意に含む。
【0078】
例14では、例1~13のいずれか1つ以上の主題がnm以下を任意に含む。
【0079】
例15では、例1~14のいずれか1つ以上の主題は、センサに結合されたフィードバック分析器を任意に含み、フィードバック分析器は信号処理回路を含む。
【0080】
例16では、例15の主題は、発光信号を解釈するように構成されたコントローラを任意に含む。
【0081】
例17は、標的付近の温度をモニタリングする方法であって、温度に相関する発光特性を有し、標的の近くに位置する1つ以上の発光マークの発光を誘起するステップと、誘起された発光を検出するステップと、検出された発光、および1つ以上の発光マークに関連する発光特性に少なくとも部分的に基づいて標的の温度を決定するステップとを含む。
【0082】
例18では、例17の主題は、標的の温度を決定するステップが、ルックアップテーブルに基づいて検出された発光を温度と相関させるステップを含むことを任意に含む。
【0083】
例19では、例17~18のいずれか1つ以上の主題は、検出される発光がフォトルミネセンス、強熱発光、熱発光、またはそれらの組み合わせを含むことを任意に含む。
【0084】
例20では、例17~19のいずれか1つ以上の主題は、決定された温度に少なくとも部分的に基づいて治療装置に関連する少なくとも1つの設定を調整するステップを任意に含む。
【0085】
上記の詳細な説明には、詳細な説明の一部を形成する添付図面への参照を含む。図面は、本発明を実施することができる特定の実施形態を例示として示している。これらの実施形態は、本明細書では「例」とも呼ばれる。このような例には、図示または説明した要素に加えて要素が含まれることができる。しかし、本発明者らは、図示または説明された要素のみが提供される例も意図している。さらに、本発明者らは、本明細書に示され、もしくは説明される特定の例(もしくはその1つ以上の態様)に関して、または他の例(もしくはその1つ以上の態様)に関して、図示または説明された要素(またはその1つ以上の態様)の任意の組み合わせまたは順列を使用する例も意図している。
【0086】
この文書と、参照により組み込まれる任意の他の文書との間で使用法が一致しない場合は、この文書での使用法が優先される。
【0087】
この文書では、特許文書で一般的であるように、「ある(aまたはan)」という用語は、「少なくとも1」または「1以上」の他の事例または使用とは独立に、1または1超を含むために使用される。この文書では、「または(or)」という用語は、別に示されていない限り、「AまたはB」には「AであるがBではない」、「BであるがAではない」、および「AおよびB」が含まれるように、非排他的な「または(or)」を指すために使用される。この文書では、「含んでいる(including)」および「そこで(in which)」という用語は、「含んでいる(comprising)」および「そこでは(wherein)」というそれぞれの用語の平易な英語の同等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲において、「含んでいる(including)」および「含んでいる(comprising)」という用語は制限がなく、すなわち、請求項においてそのような用語の後に列挙される要素に加えて要素を含むシステム、装置、物品、組成物、配合設計、またはプロセスが依然としてその請求項の範囲内に含まれるものとみなされる。さらに、以下の特許請求の範囲において、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は単にラベルとして使用されており、それらの対象に数値的要件を課すことを意図したものではない。
【0088】
本明細書に記載される方法例は、少なくとも部分的に機械またはコンピュータで実装することができる。いくつかの例は、電子デバイスが上記の例で説明した方法を実行するよう構成するように動作可能な命令でエンコードされたコンピュータ可読媒体または機械可読媒体を含むことができる。このような方法の実装は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどのコードを含むことができる。このようなコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードはコンピュータプログラム製品の一部を形成してもよい。さらに、一例では、コードは、実行中またはその他の時点などで、1つ以上の揮発性、非一時的、または不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に有形に保存されることができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例には、ハードディスク、リムーバブル磁気ディスク、リムーバブル光学ディスク(例えばコンパクトディスクおよびデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカードまたはメモリスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)などが含まれることができるが、これらに限定されない。
【0089】
上記の説明は例示を目的としたものであり、限定するものではない。例えば、上述の例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。上記の説明を検討することで、通常のスキルを持つ当業者などにより、他の実施形態が使用されることもできる。要約書は、読者が技術的開示の性質をすぐに確認できるようにするために提供される。これは、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または制限するために使用されるものではないことを理解して提出される。また、上記の詳細な説明では、開示を合理化するために様々な特徴がグループ化される場合がある。これは、請求されていない開示された特徴がいずれかの請求項に必須であることを意図していると解釈されるべきではない。むしろ、発明の主題は、開示された特定の実施形態のすべての特徴よりも少ないところにある。したがって、以下の特許請求の範囲は、例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別々の実施形態として独立しており、そのような実施形態は、様々な組み合わせまたは順列で互いに組み合わせることができることが意図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲と、そのような特許請求の範囲が権利を有する同等物の全範囲を参照して決定されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
【国際調査報告】