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特表2023-552565貴金属表面洗浄ペースト、並びにその製造方法及び応用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】貴金属表面洗浄ペースト、並びにその製造方法及び応用
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20231211BHJP
   C11D 7/20 20060101ALI20231211BHJP
   C11D 7/44 20060101ALI20231211BHJP
   C11D 7/22 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D7/20
C11D7/44
C11D7/22
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534357
(86)(22)【出願日】2021-12-02
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 CN2021135147
(87)【国際公開番号】W WO2022117048
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】202011408142.3
(32)【優先日】2020-12-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523207696
【氏名又は名称】北京華夏非遺襄陽文化産業有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING HUAXIA FEIYI XIANGYANG THE CULTURAL INDUSTRY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】To Make Urban Shengfeng Road 60 Three Wen Gen 6 Park Another Printing Workshop xiangyang, Hubei 441000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】熊 澤曦
(72)【発明者】
【氏名】劉 清
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003BA15
4H003DA09
4H003EA12
4H003EA16
4H003EA18
4H003EA25
4H003EA27
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB41
4H003EB42
4H003EB46
4H003ED02
4H003FA05
4H003FA30
(57)【要約】
本発明は洗浄用品の技術分野に関し、具体的に貴金属表面洗浄ペースト、並びにその製造方法及び応用に関する。貴金属表面洗浄ペーストであって、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記の摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.1~5):100である。本発明は貴金属表面洗浄ペーストを提供し、純粋な物理的方法で複数種類の微小粒子と貴金属の表面との摩擦作用により表面の酸化層及び汚れを除去する効果を実現し、いかなる腐食性のある化学成分を含有せず、皮膚及び貴金属の表面を損なわず、主に各種類の酸化された貴金属の表面を洗浄して、酸化されて黒くなった貴金属製品に光沢を回復させるためのものである。それと同時に、本発明に係る洗浄ペーストは性質が安定し、長期間放置でき、その使用効果に影響しない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貴金属表面洗浄ペーストであって、
前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記の摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.1~5):100であり、
前記摩擦剤はシュウ酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク粉末、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アタパルジャイト、無水硫酸ナトリウム、ヤシ殻粉、アルミナ、炭酸水素カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化セリウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素から選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項2】
前記摩擦剤は炭酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項3】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム30~60部、草木灰5~30部、二酸化ケイ素5~15部、二酸化チタン0.1~5部、アルミナ0.1~5部を少なくとも含むことを特徴とする請求項2に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項4】
前記摩擦剤の平均粒径が1~30μmであることを特徴とする請求項3に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項5】
前記増粘剤は澱粉、アラビアゴム、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カラジーナン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、デンプンリン酸エステルナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カラギーナンから選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項6】
前記増粘剤はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウムから選ばれた少なくとも1つであることを特徴とする請求項5に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項7】
前記増粘剤がアルギン酸ナトリウムであることを特徴とする請求項6に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項8】
前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.5~1):100であることを特徴とする請求項1に記載の貴金属表面洗浄ペースト。
【請求項9】
摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含むことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の貴金属表面洗浄ペーストの製造方法。
【請求項10】
貴金属製品の表面洗浄に応用されることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の貴金属表面洗浄ペーストの応用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗浄用品の技術分野に関し、具体的に貴金属表面洗浄ペースト、並びにその製造方法及び応用に関する。
【背景技術】
【0002】
金銀アクセサリは値のつけようのないものであって、永久のものである。千百年以来、数え切れない人はその永遠に消えない魅力に引き付けられている。ところが、不適切に装着すると、それは元の華やかさを失い、その美しさに影響してしまう。貴金属装飾品が黒くなった後、装飾品の光沢を回復させるようにその表面を洗浄する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
中国特許文献CN201810296724には銀器洗浄粉が開示されており、金銀装飾品の洗浄効果が良いが、使用期間に銀粉を塗ると装飾品の表面にしっかりと付着することがなく、地上に落ちると再び収集して利用しにくく、洗浄するたびに浪費をもたらしてしまう。
【0004】
上記問題に対して、本発明は洗浄効果が良く、回収しやすくて、性能が安定する貴金属表面洗浄ペーストを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術的問題を解決するために、本発明の第1態様では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記の摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.1~5):100である。
【0006】
前記摩擦剤はシュウ酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク粉末、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アタパルジャイト、無水硫酸ナトリウム、ヤシ殻粉、アルミナ、炭酸水素カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化セリウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素から選ばれた少なくとも1つである。
【0007】
本発明の好適な技術案として、前記摩擦剤は炭酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから選ばれた少なくとも1つである。
【0008】
本発明の好適な技術案として、前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム30~60部、草木灰5~30部、二酸化ケイ素5~15部、二酸化チタン0.1~5部、アルミナ0.1~5部を少なくとも含む。
【0009】
本発明の好適な技術案として、前記摩擦剤の平均粒径が1~30μmである。
【0010】
本発明の好適な技術案として、前記増粘剤は澱粉、アラビアゴム、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カラジーナン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、デンプンリン酸エステルナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カラギーナンから選ばれた少なくとも1つである。
【0011】
本発明の好適な技術案として、前記増粘剤はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウムから選ばれた少なくとも1つである。
【0012】
本発明の好適な技術案として、前記増粘剤がアルギン酸ナトリウムである。
【0013】
本発明の好適な技術案として、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.5~1):100である。
【0014】
本発明の第2態様では前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法を提供し、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0015】
本発明の第3態様では前記貴金属表面洗浄ペーストの応用を提供し、貴金属製品の表面洗浄に応用される。
【発明の効果】
【0016】
本発明は貴金属表面洗浄ペーストを提供し、純粋な物理的方法で複数種類の微小粒子と貴金属の表面との摩擦・置換作用により表面の酸化層及び汚れを除去する効果を実現し、いかなる腐食性のある化学成分を含有せず、皮膚及び貴金属の表面を損なわず、主に各種類の酸化された貴金属の表面を洗浄して、酸化されて黒くなった貴金属製品に光沢を回復させるためのものである。それと同時に、本発明に係る洗浄ペーストは性質が安定し、長期間放置でき、その使用効果に影響しない。
【発明を実施するための形態】
【0017】
下記本発明の好適な実施方法の詳細及び含まれた実施例を参照して、本発明の内容をより容易に理解することができる。特に制限しない限り、本明細書に使用されるすべての技術及び科学用語は当業者が一般的に理解する意味と同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書における定義に準じる。
【0018】
本明細書に使用される用語「○○で製造される」は「包含」と同義である。本明細書に使用される用語「包含」、「含む」、「有する」、「含有」又はそれらの任意の他の変形は、非排他的包含をカバーすることを意図する。例えば、列挙した要素を含む組成物、ステップ、方法、製品又は装置はそれらの要素に限らず、明確に列挙しない他の要素又はこのような組成物、ステップ、方法、製品又は装置固有の要素を含んでもよい。
【0019】
連結詞「○○からなる」は指摘しない任意の要素、ステップ又は成分を排除する。特許請求の範囲に使用される場合、この連語は特許請求の範囲をクローズして、関連する通常の不純物を除いて説明されるそれらの材料以外の材料を含まないようにする。連語「○○からなる」は主題の後ではなく請求項の主体のサブ文に出現する場合、該サブ文に説明される要素のみに限定され、他の要素が全体としての前記特許請求の範囲から排除されるものではない。
【0020】
当量、濃度、或いは他の値又はパラメータが範囲、好適な範囲、又は一連の上限の好適値及び下限の好適値により限定された範囲で示される場合、該範囲が独立して開示されるかどうかにかかわらず、具体的にいずれか1つの任意の範囲の上限又は好適値と任意の範囲の下限又は好適値とのペアにより形成されたすべての範囲を開示すると理解されるべきである。例えば、範囲「1~5」を開示する場合、説明される範囲が範囲「1~4」、「1~3」、「1~2」、「1~2及び4~5」、「1~3及び5」などを含むと解釈されるべきである。数値範囲が本明細書において説明される場合、特に説明しない限り、該範囲はその最終値と、該範囲内のすべての整数及び分数とを含むことを意図する。
【0021】
文脈に明確に指摘しない限り、単数形式は複数の討論対象を含む。「任意」又は「いずれか1つ」とはその後に説明される事項又は事件が発生してもよく、又は発生しなくてもよいことを意味し、且つ該説明は事件が発生する状況及び事件が発生しない状況を含む。
【0022】
明細書及び特許請求の範囲における近似用語は数を修飾するためのものであり、本発明が該具体的な数に限定されないことを示し、該数に近い受け入れ可能で関連する基本的な機能の変化をもたらすことがない修正部分を更に含む。それに対応して、「およそ」、「約」などで1つの数値を修飾することとは、本発明が該正確な数値に限らないことを意味する。いくつかの例では、近似用語が数値を測定する計器の精度に対応する可能性がある。本願の明細書及び特許請求の範囲において、範囲の限定は組み合わせ及び/又は交換可能であり、特に説明しない限り、これらの範囲はその間に含まれるすべてのサブ範囲を含む。
【0023】
本発明の第1態様では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.1~5):100である。
【0024】
摩擦剤
本発明では、前記摩擦剤は特別な制限がない。
【0025】
好適な実施形態では、前記摩擦剤はシュウ酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、タルク粉末、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、アタパルジャイト、無水硫酸ナトリウム、ヤシ殻粉、アルミナ、炭酸水素カルシウム、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化クロム、酸化セリウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素から選ばれた少なくとも1つである。
【0026】
好適な実施形態では、前記摩擦剤は炭酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナから選ばれた少なくとも1つである。
【0027】
好適な実施形態では、前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム30~60部、草木灰5~30部、二酸化ケイ素5~15部、二酸化チタン0.1~5部、アルミナ0.1~5部を少なくとも含む。
【0028】
より好適な実施形態では、前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム40~60部、草木灰5~20部、二酸化ケイ素5~10部、二酸化チタン0.1~2部、アルミナ0.1~2部を少なくとも含む。
【0029】
最も好適な実施形態では、前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム55部、草木灰20部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン0.3部、アルミナ0.3部を含む。
【0030】
本発明では、前記摩擦剤の平均粒径が1~30μmである。
【0031】
より好適な実施形態では、前記摩擦剤の平均粒径が1~10μmである。
【0032】
炭酸カルシウム
炭酸カルシウムは無機化合物であって、化学式がCaCOであり、灰石、石灰石、石粉、大理石などと俗称される。炭酸カルシウムは中性を呈し、基本的に水に溶解せず、塩酸に溶解する。それは地球上によく見られる物質の1種であり、アラレ石、方解石、白亜、石灰岩、大理石、トラバーチンなどの岩石内に存在し、動物の骨格又は外殻の主成分でもある。炭酸カルシウムも重要な建築材料であり、工業上の用途が多い。
【0033】
本発明では、前記炭酸カルシウムの粒径が1~10μmである。
【0034】
前記炭酸カルシウムの供給源は特別な制限がなく、市販されるものはいずれも本発明に適用され、鄭州帝科化工製品有限公司に言及してもよい。
【0035】
草木灰
植物(草本及び木本植物)を燃焼した後の残留物は草木灰と称される。不可溶性物質に属する。草木灰肥料は草木灰が植物を燃焼した後の灰燼であるため、植物に含まれるミネラル元素であれば、草木灰にほとんど含有する。草木灰は質量が軽く且つアルカリ性を呈し、乾燥時に風につれて飛び去るが、湿潤時に水につれて流れ、窒素肥料に接触すると窒素元素が揮発して損失しやすい。
【0036】
草木灰の主成分は炭酸カリウム(KCO)であり、相対分子質量が138である。草木灰肥料は草木灰が植物を燃焼した後の灰燼であるため、植物に含まれるミネラル元素であれば、草木灰にほとんど含有する。含有量が最も多いものはカリウム元素であり、一般的にカリウムを6~12%含有し、90%以上が水溶性のものであり、炭酸塩の形式で存在し、その次はリンであり、一般的に1.5~3%含有し、カルシウム、マグネシウム、シリコン、硫黄及び鉄、マンガン、銅、亜鉛、ホウ素、モリブデンなどの微量栄養元素を更に含有する。
【0037】
本発明では、前記草木灰の粒径が1~10μmである。
【0038】
好適な実施形態では、前記草木灰は酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化鉄、酸化カリウム、酸化ナトリウムのうちの少なくとも1つを少なくとも含む。
【0039】
前記草木灰の供給源は特別な制限がなく、市販されるものはいずれも本発明に適用され、天津信盈科技有限公司に言及してもよい。
【0040】
二酸化ケイ素
二酸化ケイ素は無機物であって、化学式がSiOであり、シリコン原子と酸素原子が長距離規則的に配列して結晶二酸化ケイ素を形成し、短距離規則的又は長距離不規則的に配列して非晶質二酸化ケイ素を形成する。二酸化ケイ素結晶において、シリコン原子は正四面体の中心に位置し、4つの酸素原子は正四面体の4つの頂角に位置し、多くのこのような四面体は頂角の酸素原子により接続され、各酸素原子は2つの四面体に共有され、即ち各酸素原子は2つのシリコン原子に結合される。二酸化ケイ素の分子式はSiOであるが、SiOは1つの単純な分子(二酸化ケイ素結晶中のシリコン及び酸素の原子個数の比のみを示す)を代表しない。純粋な天然二酸化ケイ素結晶は硬く、脆性で、溶解しにくい無色で透明な固体であり、常に光学計器などの製造に使用される。
【0041】
本発明では、前記二酸化ケイ素の粒径が1~10μmである。
【0042】
前記二酸化ケイ素の供給源は特別な制限がなく、市販されるものはいずれも本発明に適用され、山東省寿光市昌微納泰化工場に言及してもよい。
【0043】
二酸化チタン
二酸化チタンは無機物であって、化学式がTiOであり、白色の固体又は粉末状の両性酸化物であり、分子量が79.9で、無毒で、最適な不透明性、最適な白色度及び光沢度を有し、現在世界で性能が最も良い白色顔料と見なされる。チタン白の粘着力が強く、化学変化が生じにくく、永遠に雪のように白い。塗料、プラスチック、製紙、印刷インキ、化学繊維、ゴム、化粧品などの工業に広く応用されている。その融点が高く、耐熱ガラス、艶薬、琺瑯、陶土、耐高温の実験器具などの製造にも使用される。
【0044】
本発明では、前記二酸化チタンの粒径が1~10μmである。
【0045】
【0046】
アルミナ
アルミナは無機物であって、化学式がAlである。高硬度の化合物であり、融点が2054℃で、沸点が2980℃で、高温で電離可能なイオン結晶であり、常に耐火材料の製造に使用される。工業アルミナはボーキサイト(Al・3HO)及びダイアスポアで製造され、純度への要件が高いAlは一般的に化学的方法で製造される。Alは多くの異性体結晶があり、既知のものが10種類以上あり、主に3種類の結晶形、即ちα-Al、β-Al、γ-Alがある。構造も異なって性質も異なり、1300℃以上の高温においてほとんど完全にα-Alに転化する。
【0047】
本発明では、前記アルミナの粒径が1~10μmである。
【0048】
前記アルミナの供給源は特別な制限がなく、市販されるものはいずれも本発明に適用され、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよい。
【0049】
発明者が発見したことは、炭酸カルシウム、草木灰、二酸化ケイ素、二酸化チタン、アルミナの配合により製造された洗浄ペーストは貴金属表面の汚物を効果的に除去して、金銀貴金属表面の光沢を維持することができる役割を有する、いうことである。発明者が考えることは、摩擦剤の特別な空間吸着構造に起因して、置換作用を行うことにより一連の複雑な化学成分及び層間負電荷を形成することができ、格子置換された電荷が基本的にバランスを取るが、置換後に電荷差が生じて、ウェハ内及び結晶層内の化学結合をイオン結合に近くし、結晶層に陽イオンを吸着する機能を有させるが、貴金属表面の汚物がいずれも一定の電荷を有し、このような空間構造により捕獲して除去されやすい、ということである。
【0050】
増粘剤
増粘剤はゲル化剤とも称され、ラテックス、液体の粘度を増加できる物質であって、食品に使用される際にのり剤とも称される。増粘剤はシステム粘度を向上させて、システムに均一で安定した懸濁状態又は乳濁状態を維持させ、又はジェルを形成させることができ、大多数の増粘剤は乳化作用を兼ね備える。
【0051】
本発明では、前記増粘剤は澱粉、アラビアゴム、ペクチン、寒天、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、カラジーナン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸プロピレングリコールエステル、メチルセルロース、デンプンリン酸エステルナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレン、ポリビニルピロリドン、グアーガム、カラギーナンから選ばれた少なくとも1つである。
【0052】
好適な実施形態では、前記増粘剤はアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウムから選ばれた少なくとも1つである。
【0053】
より好適な実施形態では、前記増粘剤がアルギン酸ナトリウムである。
【0054】
本発明では、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:(0.5~1):100である。
【0055】
発明者が研究過程において発見したことは、本システムはアルギン酸ナトリウムを増粘剤として用いる場合に製造された洗浄ペーストの貯蔵安定性が最も高く、一ヶ月静置すると、ペースト体に大量の沈殿、分離現象が生じることがなく、且つ洗浄効果が優れる、ということである。発明者が考える理由は、アルギン酸ナトリウムに大量の-COO-を含有し、水溶液においてポリアニオン挙動を表現でき、一定の粘着性を有し、ジェルを形成でき、ペースト体の安定性を向上させるためである可能性がある。特にシステムにCa2+などの二価カチオンを含有する場合、アルギン酸ナトリウムのNaが二価カチオンとイオン交換反応して、アルギン酸基を堆積してクロスリンクネットワーク構造を形成させ、それによりペースト体の安定性を更に向上させる。ところが、アルギン酸ナトリウムの使用量が洗浄効果に直接影響し、アルギン酸ナトリウムの量が少なすぎる場合、安定したペースト状に形成できず、アルギン酸ナトリウムの比率が大きすぎる場合、ペースト体はどろどろになってジェル状に接近して、ペースト体の表面が滑らかすぎて、使用期間に摩擦剤による摩擦力が大幅に低減されて、小さな粒子が直接に装飾品の表面に接触できずにゼリー状物質内に閉じ込まれ、外力の摩擦・置換作用により装飾品表面の汚れ及び酸化層を除去することができず、洗浄効果を低下させてしまう。
【0056】

本発明では、前記水は特別な制限がなく、脱イオン水、蒸留水などに言及してもよい。
【0057】
本発明の第2態様では前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法を提供し、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0058】
本発明の第3態様では前記貴金属表面洗浄ペーストの応用を提供し、貴金属製品の表面洗浄に応用される。
【0059】
以下に実施例によって本発明を具体的に説明する。なお、下記実施例は本発明を更に説明するためのものであり、本発明の保護範囲を制限するものと理解されるべきではなく、当業者が上記本発明の内容に基づいて行ういくつかの非本質的な改良及び調整は、依然として本発明の保護範囲に属する。
【0060】
実施例
実施例1
実施例1では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:0.7:100である。
【0061】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム55部、草木灰20部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン0.3部、アルミナ0.3部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤はアルギン酸ナトリウムである。
【0062】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0063】
実施例2
実施例2では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:0.1:100である。
【0064】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム30部、草木灰5部、二酸化ケイ素5部、二酸化チタン0.1部、アルミナ0.1部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が1μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤はアルギン酸ナトリウムである。
【0065】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0066】
実施例3
実施例3では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:5:100である。
【0067】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム60部、草木灰30部、二酸化ケイ素15部、二酸化チタン5部、アルミナ5部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤はアルギン酸ナトリウムである。
【0068】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0069】
実施例4
実施例4では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:0.7:100である。
【0070】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム40部、草木灰10部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン2部、アルミナ2部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤はステアリルアルコールである。
【0071】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0072】
実施例5
実施例5では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:0.7:100である。
【0073】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム40部、草木灰10部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン2部、アルミナ2部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤は塩化ナトリウムである。
【0074】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0075】
実施例6
実施例6では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:10:100である。
【0076】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム40部、草木灰10部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン2部、アルミナ2部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤は塩化ナトリウムである。
【0077】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0078】
実施例7
実施例7では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:0.01:100である。
【0079】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム40部、草木灰10部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン2部、アルミナ2部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記草木灰は粒径が5μmであり、天津信盈科技有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤は塩化ナトリウムである。
【0080】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0081】
実施例8
実施例8では貴金属表面洗浄ペーストを提供し、前記洗浄ペーストの製造原料は摩擦剤、増粘剤及び水を含み、前記摩擦剤、増粘剤及び水の重量比が100:0.7:100である。
【0082】
前記摩擦剤は、重量部で、炭酸カルシウム40部、二酸化ケイ素8部、二酸化チタン2部、アルミナ2部を含み、前記炭酸カルシウムは粒径が5μmであり、鄭州帝科化工製品有限公司から購入したものであり、前記二酸化ケイ素は粒径が5μmであり、山東省寿光市昌微納泰化工場から購入したものであり、前記二酸化チタンは粒径が5μmであり、済南順たい化工原料有限公司から購入したものであり、前記アルミナは粒径が5μmであり、北京高科新材料科技有限公司に言及してもよく、前記増粘剤は塩化ナトリウムである。
【0083】
前記貴金属表面洗浄ペーストの製造方法は、摩擦剤と水を混合して均一に撹拌し、次に増粘剤を加えて再び均一に撹拌して、洗浄ペーストを得るステップを含む。
【0084】
性能のテスト
1.洗浄効果のテスト
実施例において製造された少量の洗浄ペーストで酸化されて黒くなった銀装飾品を洗浄し、ペースト状のものを銀装飾品の表面に塗って、スポンジ又は歯ブラシで軽く洗い落とし、繰り返し洗い落とした後に清水で装飾品の表面を洗い流す。装飾品の表面が明るくなって光を反射して黒色の酸化層がなくなった場合、洗浄効果が優れると見なされ、その逆は、洗浄効果がより悪いと見なされる。
【0085】
2.安定性のテスト
実施例において製造された洗浄ペーストを密閉容器に置いて一ヶ月静置し、次に洗浄ペーストの形状を観察し、その性状が基本的に変化しない(少量の沈殿物が許容されるが、撹拌後に使用に影響しない)場合、その安定性が優れると見なされ、大量の沈殿物又は分離現象が発生する場合、その安定性がより悪いと見なされる。
【0086】
実施例のテスト結果は表1に示される。
【0087】
表1.実施例の性能のテスト結果
[表1]
【0088】
上記実例は説明的なものであって、本発明の前記方法のいくつかの特徴を解釈するためのものである。添付の特許請求の範囲は想定し得るできる限り広い範囲を求めることを意図し、且つ本明細書に示される実施例はすべての可能な実施例の組み合わせに基づいて選択した実施形態の説明に過ぎない。従って、出願者は添付の特許請求の範囲が本発明の特徴を説明する例示的な選択により制限されないことを意図する。特許請求の範囲に使用されるいくつかの数値範囲はそれに含まれるサブ範囲も含み、これらの範囲における変化も可能な場合に添付の特許請求の範囲にカバーされると解釈されるべきである。
【国際調査報告】