(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電子計算機の温度制御装置用の電気換気機、設備、ならびに電子計算機
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H05K7/20 H
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534989
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021084680
(87)【国際公開番号】W WO2022122778
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020132757.9
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514189527
【氏名又は名称】コノート、エレクトロニクス、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONNAUGHT ELECTRONICS LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】シェーン、トラウト
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322BB03
5E322BB05
5E322BB06
5E322EA10
(57)【要約】
本発明は、電子計算機(3)の温度制御装置(16)用の電気換気機(7)であって、前記電気換気機(7)は、前記電気換気機(7)の電気換気装置(17)が配置されるハウジング(10)と、前記電子計算機(3)のさらなる電気接触装置(15)に接触するように形成された電気接触装置(14)と、を有し、前記接触装置(14)は、少なくとも電気エネルギーを前記電子計算機(3)から前記電気換気装置(17)に伝達するように形成される、電気換気機(7)において、前記ハウジング(10)は、シャフト(18)であって、前記電子計算機(3)のさらなるハウジング(9)における前記シャフト(18)に対応する凹部(19)に、ある領域において嵌入するように形成されたシャフト(18)を備え、前記接触装置(14)は、前記シャフト(18)内に固定されるとともに、前記さらなる電気接触装置(15)と無線で直接的に接触するように形成される電気換気機(7)に関する。さらに、本発明は、設備(21)ならびに電子計算機(3)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子計算機(3)の温度制御装置(16)用の電気換気機(7)であって、前記電気換気機(7)は、前記電気換気機(7)の電気換気装置(17)が配置されるハウジング(10)と、前記電子計算機(3)のさらなる電気接触装置(15)に接触するように形成された電気接触装置(14)と、を有し、前記接触装置(14)は、少なくとも電気エネルギーを前記電子計算機(3)から前記電気換気装置(17)に伝達するように形成される、電気換気機(7)において、
前記ハウジング(10)は、シャフト(18)であって、前記電子計算機(3)のさらなるハウジング(9)における前記シャフト(18)に対応する凹部(19)に、ある領域において嵌入するように形成されたシャフト(18)を備え、
前記接触装置(14)は、前記シャフト(18)内に固定されるとともに、前記さらなる電気接触装置(15)と無線で直接的に接触するように形成される、
ことを特徴とする電気換気機(7)。
【請求項2】
前記電気換気装置(17)は、前記電気換気装置(17)用の少なくとも1つの電気部品が形成される第1回路基板(33)を備え、
前記接触装置(14)は、前記シャフト(18)に固定される第2回路基板(20)を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気換気機(7)。
【請求項3】
前記第1回路基板(33)と前記第2回路基板(20)とは、有線態様にて互いに接続する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電気換気機(7)。
【請求項4】
前記接触装置(14)は、電気エネルギーの伝達に加えて、制御信号を前記電子計算機(3)から前記電気換気装置(17)に伝達するように形成される、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電気換気機(7)。
【請求項5】
前記接触装置(14)は、少なくとも2つの接触要素(28)、特に少なくとも4つの接触要素(28)を備え、
前記さらなる接触装置(15)は、前記接触要素(28)に対応する少なくとも2つ、特に少なくとも4つの接触要素(28)を備える、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電気換気機(7)。
【請求項6】
前記接触装置(14)の前記接触要素(28)のうちの少なくとも1つは、板バネ接触要素(32)として形成される、
請求項5に記載の電気換気機(7)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記シャフト(18)は、実質的に矩形に形成される、
請求項1~6のいずれか一項に記載の電気換気機(7)。
【請求項8】
前記ハウジング(10)は、前記シャフト(18)に対して実質的に直交するように形成された換気出口(24)を備える、
請求項1~7のいずれか一項に記載の電気換気機(7)。
【請求項9】
前記電気換気装置(17)は、ラジアルファン(12)として形成される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の電気換気機(7)。
【請求項10】
電子計算機(3)用の設備(21)であって、前記設備(21)は、少なくとも請求項1~9のいずれか一項に記載の電気換気機(7)と、温度制御装置(16)と、前記電子計算機(3)の少なくともさらなるハウジング(9)と、を有し、前記電気換気機(7)は、前記電気換気機(7)のシャフト(18)が少なくともある領域にある状態で、さらなるハウジング(9)における凹部(19)に嵌入する、設備(21)。
【請求項11】
前記電気換気機(7)のハウジング(10)を前記電子計算機(3)の前記さらなるハウジング(9)に対してシールするためのシール要素(31)が、前記シャフト(18)と前記凹部(19)との間に形成される、
ことを特徴とする請求項10に記載の設備(21)。
【請求項12】
前記電気換気機(7)の前記ハウジング(10)は、前記電子計算機(3)の前記さらなるハウジング(9)の外面(22)に、少なくとも1つのネジ要素(23)により固定される、
ことを特徴とする請求項10または11に記載の設備(21)。
【請求項13】
前記電気換気機(7)の換気出口(24)が、好適には複数の温度制御フィンを備える前記温度制御装置(16)に対面する、
ことを特徴とする請求項10~12のいずれか一項に記載の設備(21)。
【請求項14】
少なくとも請求項10~13のいずれか一項に記載の設備(21)と、前記さらなるハウジング(9)の内部スペース(8)における少なくともさらなる回路基板(6)と、を有する電子計算機(3)。
【請求項15】
前記電気換気機(7)の接触装置(14)が、前記電子計算機(3)のさらなる接触装置(15)に直接的に接触し、
前記さらなる接触装置(15)は、前記電子計算機(3)の前記さらなる回路基板(6)に直接的に形成される、
ことを特徴とする請求項14に記載の電子計算機(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子計算機の温度制御装置用の電気換気機であって、前記電気換気機は、前記電気換気機の電気換気装置が配置されるハウジングと、前記電子計算機のさらなる電気接触装置と接触するように形成された電気接触装置と、を有し、前記接触装置は、少なくとも電気エネルギーを前記電子計算機から前記電気換気装置に伝達するように形成される電気換気機に関する。さらに、本発明は、電子計算機用の設備、ならびに電子計算機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、電子計算機用の温度制御装置の一部として形成される電気換気機が既に知られている。特に、電子計算機の対応する演算動作において、例えば熱エネルギー、特に熱が発生する。電子計算機のより高いパワーを得るためには、この熱を対応する温度制御装置を介して放散させる必要がある。例えば、温度制御装置が、熱エネルギーを吸収してこれを電子計算機の周囲環境に放出する、対応する冷却フィンを備えることが想定され得る。温度制御装置によりさらに良好な放熱が実施され得ることを目的として、空気を冷却フィンを介して吹き飛ばすように、電気換気機が配置され得る。これにより、吹き込まれた空気を介した冷却フィンの周囲環境への放熱が実施され得る。したがって、電子計算機のより効果的な冷却が実現され得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、組付に必要な労力を軽減することを実現する電気換気機、設備、ならびに電子計算機を提供することである。
【0004】
この目的は、独立請求項に記載の電気換気機、設備、ならびに電子計算機により達成される。構成の有利な形態は、従属請求項において特定される。本発明の態様は、電子計算機の温度制御装置用の電気換気機であって、前記電気換気機は、前記電気換気機の電気換気装置が配置されるハウジングと、前記電子計算機のさらなる電気接触装置に接触するように形成された電気接触装置と、を有し、前記接触装置は、少なくとも電気エネルギーを前記電子計算機から前記電気換気装置に伝達するように形成される電気換気機である。
【0005】
前記ハウジングは、シャフトであって、前記電子計算機のさらなるハウジングにおける前記シャフトに対応する凹部に、ある領域において嵌入するように形成されたシャフトを備え、前記接触装置は、前記シャフト内に固定されるとともに、前記さらなる接触装置と無線で直接的に接触するように形成されることが想定される。
【0006】
したがって、電気換気機の電子計算機のさらなるハウジングに対する組付に関する労力の軽減が実現される。このため、電気換気機の取付時に、電気換気機をさらなるハウジングに直接的に接触させることが特に実現され得る。直接的に接触させることにより、電気換気装置を例えば電子計算機に手動で差込み接続して接触させることが、差し込む必要がない。これにより、電気換気機のさらなるハウジングに対する自動組付プロセスが、例えば実現され得る。
【0007】
換言すれば、電気換気機の取付時に、シャフトを凹部に嵌入させて、そこでさらなる接触装置に、差込み手順の間に、または少なくとも差込み手順の後に、すぐに直接的に接触させることが想定される。したがって、特に手動で接触装置をさらなる接触装置に接続するプロセス、または差し込むプロセスを、追加的に実施する必要がない。シャフトを凹部および固定された接触装置に差し込むことにより、接触が、差込みプロセスにおいてすぐに実現され得る。
【0008】
特に、シャフトは、中空円筒状に形成される。接触装置は、中空のシャフト内に固定される。換言すれば、接触装置は、シャフトの内部スペースに形成される。特に、接触装置は、シャフトの内面に、例えばねじ留めにより固定される。
【0009】
例えば、温度制御装置は、複数の、特に2つ以上の冷却リブまたは冷却ファンから提供され得る。特に、電気換気機は、空気を温度制御装置に向けて吹き付けることにより空気流を発生させ得る。これにより、空気は温度制御装置の熱を吸収し得るため、電子計算機の良好な冷却が確保され得る。例えば、電子計算機の演算能力の向上が、良好な冷却により達成され得る。
【0010】
接触装置は、例えば、シャフト内にネジを介して固定され得る。さらに、接触装置は、シャフト内に、対応する接着接続部またはクランプ装置を介して固定され得る。接触装置は、シャフトに射出成形されてもよい。
【0011】
好適には、温度制御装置は、電子計算機を冷却するように形成される。しかしながら、電子計算機の加熱が、温度制御装置により実現されることも想定可能である。
【0012】
構成のさらに有利な形態によれば、前記電気換気装置は、前記電気換気装置用の少なくとも1つの電気部品が形成される第1回路基板を備え、前記接触装置は、前記シャフトに固定される第2回路基板を備える。したがって、接触装置は、特に、プリント回路基板(PCB)とも称され得る回路基板に形成される。例えば、接触用の対応する接触要素が、第2回路基板に形成され得る。第2回路基板は、特に中空のシャフト内に固定される。さらに、換気装置は、例えば電気換気装置の制御用の対応する回路を備え得る第1回路基板を備える。特に、第1回路基板は、ハウジングの内部スペースに形成され、第2回路基板は、ハウジングにおけるシャフトの内部スペースに形成される。
【0013】
さらに、前記第1回路基板と前記第2回路基板とは、有線態様にて互いに接続する場合、有利であることが判明している。したがって、第1回路基板と第2回路基板との間において起こり得る移動が、特に有線接続により補償され得る。有線接続は、特に可撓性を有する有線接続である。これにより、例えば電子計算機を自動車に形成すべき場合、自動車の運転動作中の衝撃が確実に吸収され得る。
【0014】
前記接触装置が、電気エネルギーの伝達に加えて、制御信号を前記電子計算機から前記電気換気装置に伝達するように形成される場合、さらに有利である。例えば、電気換気装置に対する速度制御、例えば回転速度が、制御信号として電気換気装置に伝達され得る。このように、電気換気装置の制御が、特に電子計算機を介して実施され得る。したがって、電気換気機に差し込むことにより、エネルギー伝達と制御信号の伝達の両方に対する接触が、直接的に実施され得る。したがって、電気換気装置の回転速度は、例えば、電子計算機の演算性能、およびこれから発生する熱に適合した態様において適合され得る。したがって、電子計算機の確実な動作が、電気換気機のさらなるハウジングに対する組付の労力がほとんどない状態で実現され得る。
【0015】
構成のさらに有利な形態において、前記接触装置は、少なくとも2つの接触要素、特に少なくとも4つの接触要素を備え、前記さらなる接触装置は、前記接触要素に対応する少なくとも2つ、特に少なくとも4つの接触要素を備える。例えば、2つの接触要素は、電気エネルギーを伝達するように形成される。第1接触要素は、例えば正電極を表し得るとともに、第2接触要素は、負電極を表し得る。4つの接触要素を有する構成の形態において、接触要素のうちの少なくとも第3接触要素、および接触要素のうちの少なくとも第4接触要素が、制御信号を伝達する役割を果たすことが特に想定され得る。したがって、エネルギーおよび制御信号の両方が、接触要素同士の直接的な接触に基づいて、確実に伝達され得る。これにより、電気エネルギーおよび制御信号の両方を電子計算機から電気換気装置に伝達するために、電気換気機をさらなるハウジングに手動で配置し、それに対応して手動で接触させることが特に不要になるため、組付の労力が顕著に低減され得る。
【0016】
さらに、前記接触装置またさらなる前記接触装置の前記接触要素のうちの少なくとも1つが板バネ接触要素として形成される場合、有利であることが判明している。特に、さらなる接触装置の接触要素は、板バネ接触要素に対応する接触要素として形成され得る。板バネ接触要素に基づいて、特に、差込み時に、接触装置とさらなる接触装置との接触を確実に実現できることが可能となる。したがって、特に、電気換気機をさらなるハウジングに配置する際に必要な補償が、同様に提供され得る。板バネ接触要素は、特に力を加えたときにこれに応じて柔軟に変形し得る、可撓性を有する接触要素である。これにより、確実な接触が行われ得る。
【0017】
さらに、少なくとも1つの前記シャフトが実質的に矩形に形成される場合、有利であることが判明している。したがって、シャフトは、特に凹部内でガイドとしての役割を果たし得る。凹部も同様に、シャフトに応じて、実質的に矩形に相応に形成される。
【0018】
さらに、例えば、電気換気機のさらなるハウジングに対する不適切な配置が防止されることが、矩形形状に基づいて確保され得る。例えば、ポカヨケ要素が、シャフトおよび凹部に、追加的に形成されることが想定され得る。これにより、シャフトの凹部内への確実な差込みが実現され得る。
【0019】
構成のさらに有利な形態において、前記ハウジングは、前記シャフトに対して実質的に直交するように形成された換気出口を備える。換気出口は、特に、温度制御装置に対面するように配置される。したがって、発生した空気流が、特に電気換気機により換気出口を通って吹き出され得るとともに、温度制御装置に向けてガイドされ得る。これにより、良好な冷却が、温度制御装置により実現され得る。換気出口は、特にシャフトに対して直交するように形成される。したがって、換気機は、さらなるハウジングに特に平坦状に配置され得るとともに、さらなる接触装置に確実に接触して良好な冷却を実現し得る。
【0020】
構成のさらに有利な形態によれば、前記電気換気装置は、ラジアルファンとして形成される。換言すれば、電気換気装置は、回転軸を中心として運動することで空気流を発生させる一種の空気羽根車を備える。構成の態様により、非常にシンプルで平坦な電気換気機であって、特に簡単に電子計算機に接触させることができる電気換気機が、特に提供され得る。構成のこの形態によって、電気換気機は非常にコンパクトに形成されるため、設置スペースをさらに節約できる。したがって、特に電子計算機と電気換気機との間で交信すべき信号がほとんどないため、電気換気装置はシンプルな態様で制御され得る。したがって、電気換気機のさらなるハウジングへの組付に関する労力の低減が実現され得る。
【0021】
本発明のさらなる態様は、電子計算機用の設備であって、前記設備は、少なくとも上述の態様による電気換気機と、前記電子計算機の少なくともさらなるハウジングと、を有し、前記電気換気機は、前記電気換気機のシャフトが少なくともある領域にある状態で、さらなるハウジングにおける凹部に嵌入する、設備に関する。特に、電気換気機および温度制御装置は、さらなるハウジングの外面に形成される。特に、温度制御装置は、電子計算機からの熱エネルギーを吸収し得るとともに、これを電子計算機の周囲環境に放散し得る。そして、電気換気機により、熱エネルギーは、温度制御装置により、電気換気機が発生させた空気流に基づいて、良好な態様で周囲環境に放散され得る。電気換気機のさらなるハウジングに対するシンプルな差込みプロセスにより、例えば人が介在することなく自動的に実施され得るシンプルな組付が実現され得る。
【0022】
前記電気換気機のハウジングを前記電子計算機の前記さらなるハウジングに対してシールするためのシール要素が前記シャフトと前記凹部との間に形成される場合、さらに有利である。したがって、換気機および電子計算機の両方が、特に周囲環境の影響から保護され得る。したがって、シンプルな組付でも、周囲環境の影響からの保護が確実に実現され得る。シール要素は、特に可撓性を有してゴム状に形成される。
【0023】
前記電気換気機の前記ハウジングが前記電子計算機の前記さらなるハウジングの外面に少なくとも1つのネジ要素により固定される場合、有利であることがさらに判明している。特に、電気換気機は、例えば、電子計算機に、少なくとも2つ、特に3つ、特に4つのネジ要素により固定され得る。固定は、自動的に実施されてもよい。これにより、設備全体、および電気換気機のさらなるハウジングに対する固定が、自動的に実施され得る。したがって、組付に関する労力がほとんどない状態で、設備を作製することができる。特に、ネジ要素、特に少なくとも2つのネジ要素による固定により、電気換気機の接触装置と電子計算機の接触装置との接触が確実に保持され得るため、接触装置間の電気的接触が、配置後、特に例えば電子計算機が形成された自動車の運転動作において維持される。
【0024】
構成のさらに有利な形態において、前記電気換気機の換気出口が、好適には複数の温度制御フィンを備える前記温度制御装置に対面する。したがって、発生した空気流が、特に、電気換気機により、換気出口を介して温度制御装置に吹き付けられ得るため、温度制御装置の吸収された熱は、電子計算機の周囲環境に確実に放散され得る。したがって、電子計算機の良好な温度制御が実現され得る。
【0025】
本発明のさらなる態様は、上述の態様による設備と、前記さらなるハウジングの内部スペースにおける少なくともさらなる回路基板と、を有する電子計算機に関する。
【0026】
特に、電子計算機のさらなる回路基板は、動作中に熱を発生させる、例えば集積回路である回路、ならびに記憶装置およびプロセッサを備える。設備により、この発生した熱は、回路基板および内部スペースから放散され得る。
【0027】
電子計算機の構成の有利な態様によれば、前記電気換気機の接触装置が、前記電子計算機のさらなる接触装置に直接的に接触し、前記さらなる接触装置は、前記電子計算機の前記さらなる回路基板に直接的に形成される。特に、さらなる接触装置は、例えば、さらなる回路基板に直接的にはんだ付けされ得る。したがって、さらなる接触装置は、回路基板に固定される。回路基板それ自体は、例えば、電子計算機のさらなるハウジング内に固定され得る。これにより、電気換気機とさらなる接触装置との電気的接触が、シャフトを凹部に単純に差し込むことにより実現され得る。こうして、例えば回路基板とさらなる接触装置との間にケーブルによる接続部を形成する必要がなくなるため、重量および設置スペースを節約することができる。したがって、回路基板は、さらなる接触装置に対するストッパ、ひいては接触装置、および特に接触装置に接触した状態の電気換気機に対するストッパをさらに形成する。
【0028】
電気換気機の構成の有利な形態は、設備および電子計算機の構成の有利な形態としてみなされるべきである。
【0029】
本発明のさらなる特徴は、特許請求の範囲、図面および図面の説明から明らかである。説明において上述した特徴および特徴の組合せ、ならびに図面の説明において後述する特徴および特徴の組合せ、および/または図面に単独で示す特徴および特徴の組合せは、それぞれ指定された組合せだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく他の組合せにおいても利用可能である。したがって、実施態様も同様に、本発明に包含され開示されるものとみなされるべきである。これらの実施態様は、図面に明示的に示され説明されていないが、説明された実施態様から分離された特徴の組み合わせから生じ、生成され得る。また、実施態様および特徴の組み合わせであって、最初に独立請求項に記載したすべての特徴を備えない実施態様および特徴の組み合わせも、開示されたものとみなされるべきである。さらに、特許請求の範囲の関係で規定された特徴の組合せを超えるか逸脱する実施態様および特徴の組合せは、特に上述の実施態様により開示されたものとみなされるべきである。次に、本発明について、好適な実施形態に基づいて、ならびに添付図面を参照しつつより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】電子計算機の実施形態を有する自動車の実施形態についての概略的な上面図。
【
図4】電気換気機の実施形態の下面についてのさらなる概略的な斜視図。
【
図5】電気換気機の実施形態の上面についてのさらなる概略的な斜視図。
【
図6】電気換気機の実施形態の概略的な斜視断面図。
【
図7】電子計算機の実施形態の概略的な斜視断面図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図面において、同一または機能的に同一の要素には、同じ参照符号を付す。
【0032】
図1は、自動車1の実施形態についての概略的な上面図を示す。特に、自動車1は、支援システム2を備えている。支援システム2は、例えば、駐車支援システム、車線逸脱警告システム等であり得る。したがって、自動車1の少なくとも部分的に自律的な運転が、特に支援システム2により提供され得る。支援システム2は、少なくとも1つの電子計算機3を備えている。電子計算機3は、例えば、支援システム2の周囲環境4を捕捉するための捕捉装置5から、情報を捕捉してこれを処理し得るとともに、対応する評価を実施し得る。電子計算機3は、特にさらなる回路基板6(
図2)を備え得る。回路基板6には、例えば支援システム2に対して対応する評価ステップおよび査定ステップを実施するように形成された集積回路やプロセッサが形成されている。さらに、捕捉装置5は、例えば、対応するケーブル接続部6を介して、電子計算機3と接触し得る。
【0033】
図2は、電気換気機7の実施形態を有する電子計算機3の実施形態の概略的な斜視図を示す。電子計算機3は、特に、さらなる回路基板6を、電子計算機3の内部スペース8に備えている。電子計算機3は、さらなるハウジング9により囲まれている。電気換気機7は、ハウジング10を備えている。ラジアルファン12が、ハウジング10内に、特にハウジング10の内部スペース11内に示されている。ラジアルファン12は、特に、空気流13(
図3)を発生させる、対応するフィンを備えている。空気流13は、電子計算機3が発生した熱を周囲環境に放散するために発生させる。
【0034】
電気換気機7は、接触装置14を備えている。電子計算機3は、さらなる接触装置15を備えている。
【0035】
特に、電気換気機7は、電子計算機3の温度制御装置16(
図3)のために形成されている。電気換気機7は、電気換気機7の電気換気装置17が配置されるハウジング10を備えている。そして、電気換気機7は、電子計算機3のさらなる接触装置15に接触するように形成された接触装置14を備えている。接触装置14は、少なくとも電気エネルギーを、電子計算機3から電気換気装置17に伝達するように形成されている。
【0036】
ハウジング10は、特に、シャフト18であって、電子計算機3のさらなるハウジング9におけるシャフト18に対応する凹部19に、ある領域において嵌入するように形成されたシャフト18を備えている。接触装置14は、シャフト18内に固定されるとともに、さらなる接触装置15と無線で直接的に接触するように形成されている。
【0037】
特に、
図2は、電気換気装置17が、電気換気装置17用の少なくとも1つの電気部品が形成される第1回路基板33を備え得ることを示している。例えば、第1回路基板33には、例えば電気換気装置17用の、ラジアルファン12の回転速度制御のための対応する制御要素、プロセッサ、および集積回路が形成され得る。接触装置14は、特に、シャフト18内に固定される第2回路基板20を備えている。特に、第2回路基板20は、例えば、シャフトに接着またはねじ留めされ得る。さらに、第2回路基板20は、シャフト18に射出成形されてもよい。接触装置14は、特に第2回路基板20の上面の反対に向き、特に、さらなる回路基板6の上面に対面している。第2回路基板20の下面は、第1回路基板33に対面し得る。
【0038】
図2に示すように、接触装置14とさらなる接触装置15との電気的接触は、シャフト18を凹部19に差し込むことにより直接的に実施される。これにより、例えば、組付工が手動で接続を実施する必要がない。したがって、電気換気機7と電子計算機3との電気的接続を実施するために必要な手作業または手動による差込み接続を、特に省略することができる。したがって、例えば、電子計算機3に対する電子換気機7の自動組付プロセスを実施できることが想定され得る。
【0039】
さらに
図2は、少なくともシャフト18が実質的に矩形に形成されていることを示している。特に、凹部19も矩形に形成されている。これにより、例えば電気換気機7が電子計算機3に、特にさらなるハウジング9に不適切に配置されることが防止される。ポカヨケ要素が、例えばシャフト18および凹部19の両方に形成されることが特にさらに想定され得る。これにより、さらなるハウジング9に対する電気換気機7の確実で正確な差込みが実現される。
【0040】
図3は、電子計算機3の概略的な斜視図を示す。電子計算機3は、特に複数のケーブル接続部6を備えている。これらにより、電子計算機3は、例えば、捕捉装置5に接触し得る。さらに、電子計算機3は、例えば、自動車1のバスシステムにも、ケーブル接続部6を介して接続し得る。
【0041】
図3は、設備21の実施形態をさらに示す。設備21は、特に電子計算機3のために形成され、少なくとも電気換気機7、ならびに温度制御装置16を備えている。さらに、設備3は、少なくともさらなるハウジング9を備えている。電気換気機7は、シャフト18において凹部19に嵌入している。特に、電気換気機7のハウジング10が、電子計算機3のさらなるハウジング9に、少なくとも1つのネジ要素23、特に2つのネジ要素23により固定されていることが示されている。さらに、
図3は、電気換気機7の換気出口24が、温度制御装置16に対面しており、特に空気流19を発生させ得ることを示している。特に、図示のように、電気換気機7は、ラジアルファン12として形成されている。
図3に示すように、空気25が吸い込まれ得るとともに、特に複数の温度制御フィンを備える温度制御装置16を、空気流13として通過し得る。
【0042】
図4は、電気換気機7の下面26についての斜視上面図を示す。特に、
図4は、電気換気機7のハウジング10の下面26についての図を示している。軸Aが特に示されており、軸Aを中心として、電気換気機7のラジアルファン12の羽根車が回転可能である。さらに、
図4は、シャフト18、ならびに、シャフト18にさらなるネジ要素27を介して固定された第2回路基板20を示している。接触装置14は、少なくとも2つの接触要素28、特に4つの接触要素28を備えている。特に、さらなる接触装置15も同様に、少なくとも2つの接触要素28、特に4つの接触要素28を備えることが想定され得る。第1接触装置14と第2接触装置15との直接的な接触が、接触要素28を介して実現され得る。
【0043】
図5は、電気換気機7の実施形態、特にそれぞれ電気換気機7の上面29およびハウジングについてのさらなる概略的な上面図を示す。特に、換気出口24がさらに示されている。
【0044】
図6は、特にシャフト18において凹部19に配置された電気換気機7の実施形態の概略的な断面図を示す。特に、シャフト18は、凹部19に嵌入している。第1接触装置14は、第2接触装置15と接触している。第2回路基板20は、特にここでは図示しない第1回路基板19に、さらなるケーブル接続部30を介して有線態様にて接続し得る。特に、さらなるケーブル接続部30は、可撓性を有するさらなるケーブル接続部30である。さらなるケーブル接続部30は、特に、4本の個々のワイヤを備えている。そのうち、2本は電気エネルギー伝達のために形成されており、2本は制御信号伝達のために形成されている。本実施形態において、特に、電気換気機7のハウジング10が、電子計算機3のさらなるハウジング9の外面22に、少なくとも1つのシール要素31によりシールされていることが示されている。したがって、電気換気機7のハウジング10を電子計算機3のさらなるハウジング6に対してシールするためのシール要素31は、特に、シャフト18と凹部19との間に形成されている。したがって、特に電気換気機7および電子計算機3の両方が、周囲環境の影響から保護され得る。
【0045】
図7は、電子計算機3上の電気換気機7の実施形態のさらなる概略的な断面図を示す。特に、電気換気機7が、シャフト18において凹部19に配置され、特にさらなる接触装置15に接触装置14を介して直接的に接触していることが示されている。接触装置14が少なくとも2つの接触要素28を備えることが、特に示されている。さらなる接触装置15の接触要素28は、特に、板バネ接触要素32として形成されている。これにより、第1接触装置14と第2接触装置15との確実な接触が実現され得る。特に、接触装置14の接触要素28は、板バネ接触要素32に対応する接触要素28として形成され得る。板バネ接触要素32に基づいて、接触装置14とさらなる接触装置15との接触が、差込み時に確実に実現され得ることが特に可能となる。したがって、特に電気換気機7をさらなるハウジング9に配置する際に必要となる補償も、提供され得る。板バネ接触要素32は、特に力を加えたときにこれに応じて柔軟に変形し得る、可撓性を有する接触要素28である。これにより、確実な接触が行われ得る。
【0046】
特に、4つのさらなるケーブル接続部30が形成されていることが示されている。特に、第1接触装置14および第2接触装置15も、4つの接触要素28を備えている。したがって、電気エネルギーは、特に、例えば接触要素28のうちの2つを介して伝達され得る。そして、制御信号が電子計算機3から電気換気機7に2つのさらなる接触要素28を介して伝達され得ることが想定され得る。特に、制御信号は、電気換気装置17に伝達され得る。
【国際調査報告】