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特表2023-552614溶湯入口通路内に遮断弁を有する加圧鋳造機械及び操作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】溶湯入口通路内に遮断弁を有する加圧鋳造機械及び操作方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 17/02 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
B22D17/02 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535481
(86)(22)【出願日】2021-12-01
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 EP2021083722
(87)【国際公開番号】W WO2022122496
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020215665.4
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】304029620
【氏名又は名称】オスカー フレッヒ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ゲルナー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ジドロ
(57)【要約】
溶湯入口通路内に遮断弁を有する加圧鋳造機械及び操作方法に関する。本発明は、鋳造型1、鋳造チャンバ2、鋳造チャンバ内に軸線方向移動可能に配置されている鋳造ピストン3、鋳造チャンバ2内へ通じる溶湯入口通路4、溶湯入口通路内の遮断弁5、鋳造チャンバから鋳造型へ通じる溶湯出口通路6及び鋳造ピストンを制御する制御ユニット7を有する加圧鋳造機械に関するものであって、この加圧鋳造機械は、それぞれの鋳造プロセスを実施するために、型充填段階については遮断弁を閉鎖位置VSへ移動させ、鋳造チャンバ2内で鋳造ピストン3を鋳造開始位置から充填終了位置へ前進させるように制御して、それによって溶湯材料14が溶湯出口通路を介して鋳造型内へ圧入されるようにし、かつ、続く再充填段階のためには遮断弁を開放位置へ移動させて、鋳造ピストンを鋳造開始位置へ復帰移動させるように制御して、それによって鋳造チャンバに溶湯出口通路を介して溶湯材料を供給させるように、整えられており、かつ本発明は、付属の操作方法に関する。本発明に係る加圧鋳造機械は、溶湯出口通路6内に閉鎖ノズル19を有し、かつさらに、再充填段階において閉鎖ノズルを閉鎖維持し、かつ型充填段階においては、遮断弁5を閉鎖したままで、鋳造ピストン3をまず鋳造開始位置から付加ストローク位置へ戻るように移動させ、次に付加ストローク位置から鋳造開始位置を介して充填終了位置へ前進させ、鋳造ピストンが付加ストローク位置へ戻るように移動する間閉鎖ノズルを閉鎖維持し、かつ、鋳造ピストンが再び前進する場合に初めて開放するように、整えられている。たとえば、ホットチャンバ加圧鋳造機械技術において使用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧鋳造機械を操作する方法であって、前記加圧鋳造機械が鋳造型(1)、鋳造チャンバ(2)、前記鋳造チャンバ内に軸線方向に移動可能に配置された鋳造ピストン(3)、前記鋳造チャンバ内へ通じる、遮断弁(5)を備えた溶湯入口通路(4)及び前記鋳造チャンバから前記鋳造型へ通じる溶湯出口通路(6)を有し、
型充填段階においてそれぞれの鋳造プロセスを実施するために、前記遮断弁が閉鎖されている場合に、前記鋳造チャンバ内で前記鋳造ピストンが鋳造開始位置(GS)から充填終了位置(FP)へ前進され、かつその後溶湯材料(14)が前記溶湯出口通路を介して前記鋳造型内へ圧入され、かつそれに続く再充填段階において、前記鋳造ピストンが前記鋳造開始位置へ戻るように移動されて、それによって、前記遮断弁が開放されている場合に、前記鋳造チャンバに前記溶湯入口通路を介して溶湯材料が供給される、加圧鋳造機械を操作する方法において、
前記溶湯出口通路(6)内で閉鎖ノズル(19)が使用され、前記閉鎖ノズルが前記再充填段階において閉鎖維持され、かつ前記型充填段階において、前記遮断弁(5)が閉鎖されている場合に、前記鋳造ピストン(3)がまず、前記鋳造開始位置(GS)から付加ストローク位置(ZH)へ戻るように移動され、次に前記付加ストローク位置から前記鋳造開始位置を介して前記充填終了位置(FP)へ前進され、前記閉鎖ノズルは、前記鋳造ピストンが前記付加ストローク位置へ戻るように移動する間、閉鎖維持され、かつ、前記鋳造ピストンが再び前進する場合に初めて、開放される、ことを特徴とする加圧鋳造機械を操作する方法。
【請求項2】
さらに、前記再充填段階が、前記型充填段階につづく後圧段階後に、鋳造部品冷却段階の間に、前記鋳造ピストンの戻り移動によって開始され、かつ再充填段階の開始時にすでに前記遮断弁が開放される、ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記閉鎖ノズルの閉鎖が、溶湯栓形成プロセスを有し、かつ前記閉鎖ノズルの開放が、溶湯栓除去プロセスを有している、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
さらに、前記閉鎖ノズルの開放と閉鎖が、ノズル通路閉鎖ボディのしかるべく制御される操作を有している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
遮断弁として、制御ユニットによって制御可能な遮断制御弁又は、その閉鎖位置へ付勢された逆止め弁が使用される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
加圧鋳造機械であって、
鋳造型(1)を有し、
鋳造チャンバ(2)を有し、
前記鋳造チャンバ内に軸線方向移動可能に配置された鋳造ピストン(3)を有し、
前記鋳造チャンバ内へ通じる溶湯入口通路(4)を有し、
前記溶湯入口通路内に遮断弁(5)を有し、
前記鋳造チャンバから前記鋳造型へ通じる溶湯出口通路(6)を有し、かつ
前記鋳造ピストンを制御する制御ユニット(7)を有し、
前記制御ユニット(7)と前記遮断弁(5)が次のように、すなわち型充填段階のためのそれぞれの鋳造プロセスを実施するために、前記遮断弁を閉鎖位置(VS)へ移動させ、前記鋳造ピストン(3)を前記鋳造チャンバ(2)内で鋳造開始位置(GS)から充填終了位置(FP)へ前進させるために制御し、それによって溶湯材料(14)が前記溶湯出口通路(6)を介して前記鋳造型(1)内へ圧入されるようにし、かつそれに続く再充填段階のために、前記遮断弁を開放位置(VO)へ移動させ、かつ前記鋳造ピストンを鋳造開始位置へ戻り移動させるように制御し、それによって前記鋳造チャンバへ前記溶湯入口通路を介して溶湯材料が供給されるように、整えられている、加圧鋳造機械において、
前記溶湯出口通路(6)内に閉鎖ノズル(19)が存在し、かつ
前記制御ユニット(7)、前記遮断弁(5)及び前記閉鎖ノズルがさらに、前記再充填段階において前記閉鎖ノズルを閉鎖維持し、かつ前記型充填段階において、前記遮断弁が閉鎖維持されている場合に、前記鋳造ピストン(3)をまず前記鋳造開始位置(GS)から付加ストローク位置(ZH)へ戻るように移動させ、そして次に前記付加ストローク位置から鋳造開始位置を介して充填終了位置(FP)へ前進させ、かつ前記閉鎖ノズルを前記鋳造ピストンが付加ストローク位置へ戻り移動する間閉鎖維持し、かつ、前記鋳造ピストンがさらに前進する場合に初めて開放するように、整えられている、ことを特徴とする加圧鋳造機械。
【請求項7】
さらに、前記閉鎖ノズルが、溶湯栓を形成するノズル部分及び/又は、その通過横断面を制御可能な可変のノズル部分を有している、ことを特徴とする請求項6に記載の加圧鋳造機械。
【請求項8】
さらに、前記遮断弁が、前記制御ユニットによって制御可能な遮断制御弁として、あるいはその閉鎖位置へ付勢された逆止め弁として形成されている、ことを特徴とする請求項6又は7に記載の加圧鋳造機械。
【請求項9】
さらに、前記制御ユニットによって作動可能な、前記遮断制御弁を操作するための弁アクチュエータ(16)を特徴とする請求項8に記載の加圧鋳造機械。
【請求項10】
さらに、前記遮断弁及び/又は前記閉鎖ノズルの1つ又は複数の測定量を検出するための弁センサユニット(18)を特徴とする、請求項6~9のいずれか1項に記載の加圧鋳造機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧鋳造機械を操作する方法に関するものであって、その加圧鋳造機械は鋳造型、鋳造チャンバ、鋳造チャンバ内に軸線方向移動可能に配置された鋳造ピストン、鋳造チャンバ内へ通じる、遮断弁を備えた溶湯入口通路及び鋳造チャンバから鋳造型へ通じる溶湯出口通路を有しており、それぞれの鋳造プロセスを実施するために、型充填段階においては、遮断弁が閉鎖されている場合に、鋳造チャンバ内で鋳造ピストンが鋳造開始位置から充填位置へ移動されて、溶湯材料が溶湯出口通路を介して鋳造型内へ圧入され、かつそれに続く再充填段階において鋳造ピストンが鋳造開始位置へ戻るように移動され、それによって、遮断弁が開放されている場合に、鋳造チャンバに溶湯入口通路を介して溶湯材料が供給されるものであり、かつ本発明はこの操作方法の実施に適した加圧鋳造機械に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の、種概念に基づく加圧鋳造機械及び同様な加圧鋳造機械並びに付属の操作方法は、一般的に、それぞれの鋳造プロセスもしくは鋳造サイクル内で定められた構成部品、鋳造部品とも称する、を鋳造するために利用される。ここでは短く機械とも称する、この加圧鋳造機械及びこの操作方法は、特に金属の加圧鋳造のため、たとえば亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、チタン、鋼、銅及びこれらの金属の合金のような、液状又は部分液状の金属溶湯を鋳造するのに適している。加圧鋳造機械は、特にホットチャンバ加圧鋳造機械とすることができる。この形態において、鋳造チャンバは鋳造容器内に形成されており、その鋳造容器が溶湯液槽へ浸漬され、その溶湯液槽は溶湯容器によって準備される。
【0003】
鋳造プロセスの型充填段階において、しかるべき鋳造部品を形成するために、鋳造チャンバ内にある溶湯材料は圧力のもとで鋳造ピストンが前進することにより、鋳造チャンバから溶湯出口通路を介して、鋳造型によって形成される型キャビティ内へ圧入される。鋳造型は、通常、固定の型半体と移動可能な型半体とを有し、それらの間に型キャビティが形成され、その型キャビティは型中空室あるいはこれを形成する鋳造型と同義で、短く型とも称される。典型的な実現において、溶湯出口通路は、流入側に、鋳造チャンバを含む鋳造容器の登り管領域を、そして流出側には鋳造容器に取りつけられた連通片ボディ及び固定の型半体内で型キャビティまで延びる、型側の出口通路セクションを有し、すなわち溶湯材料は鋳造チャンバを出た後に登り管領域と連通片ボディとを介して溶湯入口もしくはキャビティの直前の接続端領域へ達し、型側の出口通路セクションは、たとえば、連通片ボディに結合するためのインターフェイスとしての、いわゆるスプルー円錐を有し、あるいは、たとえばホット通路システムにおいては、分岐し、かつ複数の平行な岐路によってそれぞれノズル形状の終端領域を介して接続端領域内へ、もしくは型キャビティ内へ連通する。
【0004】
再充填段階においては、鋳造ピストンがその充填終了位置から再びその初期位置へ、すなわち鋳造開始位置へ戻るように移動され、かつ鋳造ピストンの戻り移動によって溶湯材料が溶湯入口通路を介して鋳造チャンバ内へ再充填される。したがって再充填段階は、ピストン復帰段階と称することもできる。
【0005】
特にこの加圧鋳造機械に適しているような、しかるべき機械タイプにおいて、溶湯出口通路は溶湯入口通路から分離されて鋳造チャンバから出ており、すなわち溶湯入口通路と溶湯出口通路は、溶湯入口通路が鋳造チャンバ内へ連通する鋳造チャンバ入口と、それとは別の、鋳造チャンバから溶湯出口通路が出てゆく鋳造チャンバ出口とを有する、溶湯材料のための2つの別々のガイド通路を形成している。この構成は、溶湯入口通路内と溶湯出口通路内の溶湯の流れを独立制御することを容易にし、特に溶湯入口通路内の溶湯の流れは、そこにある遮断弁によって制御される。
【0006】
遮断弁として、それぞれシステム形態に応じて、純粋に溶湯圧力によって操作される逆止め弁又はアクティブに作動可能な遮断弁が使用可能である。後者は、ここでは遮断制御弁と称されて、制御ユニットによって制御される。遮断制御弁は、これらの種概念に基づく加圧鋳造機械と付属の操作方法においては、通常、型充填段階全体の間閉鎖保持され、かつ再充填段階全体の間開放して保持される。単なる逆止め弁に比較して、この遮断制御弁は、アクティブに制御可能もしくは作動可能な遮断弁として、溶湯入口通路内の溶湯の貫流を必要に応じて、鋳造チャンバ内もしくは溶湯入口通路内の溶湯圧力状況に関係なく、調節し、もしくは調整する可能性を提供する。
【0007】
制御ユニットは、それぞれシステム形態に応じて、加圧鋳造機械のすべての制御機能が統合されている、唯一の制御装置を有するか、あるいは複数の個別の制御装置を有し、それらがそれぞれ特殊な機械コンポーネントを開ループ制御もしくは閉ループ制御し、かつ好ましくは互いに通信接続されている。制御ユニットは、通常のように、少なくとも部分的にハードウェア内に、かつ/又は少なくとも部分的にソフトウェアで形成することができる。制御ユニットは、ここでは特に鋳造ピストン、もっと正確に言うとその移動を制御し、かつ選択的に、遮断弁が遮断制御弁として実現されている場合に、特に遮断制御弁のような1つ又は複数の他の機械コンポーネントを制御する。
【0008】
特許文献1(欧州特許第0576406号明細書)は、スライダータイプのピストンに対する代替案として知られているような、ディスプレイサータイプの鋳造ピストンと、鋳造チャンバ内への溶湯入口通路の連通部に直接配置されている遮断制御弁とを有する、種概念に基づく加圧鋳造機械を開示している。スライダータイプの場合には、鋳造ピストンのピストン外側寸法は、鋳造チャンバの内側寸法に相当し、ピストンは鋳造チャンバ壁に対して密封されている。したがってこの場合において、鋳造ピストンはそれが前進する場合に、鋳造チャンバ内の溶湯材料を完全に前へ送り、かつ溶湯材料を型キャビティ内へ圧入するために、それに必要な圧力を加える。ディスプレイサータイプの場合には、鋳造ピストンの外側寸法は鋳造チャンバの内側寸法よりも適度に小さいので、鋳造ピストンはそれが前進する場合に鋳造チャンバの溶湯材料内へ埋まる。この場合において、溶湯材料への圧力作用は、溶湯材材料内へ埋まる鋳造ピストン体積の押しのけ効果によってもたらされる。
【0009】
特許文献2(独国特許出願公開第3248423号明細書)は、冒頭で挙げた種概念に基づく種類の加圧鋳造機械と付属の操作方法を開示しており、それにおいてディスプレイサータイプのプレピストンを有する鋳造ピストン及び鋳造チャンバへ付加的に供給可能な圧力ガスが使用され、かつ遮断制御弁は、鋳造チャンバを有する鋳造容器内でそれぞれ、鋳造チャンバの上流及び溶湯入口通路内の鋳造容器内への入口の下流に流れ技術的な間隔で位置する。型充填段階の間、遮断制御弁は閉鎖維持される。再充填段階の間、遮断制御弁は開放され、かつある程度の量の圧力ガスが鋳造チャンバ内へ案内され、それによって遮断制御弁の開放前に鋳造チャンバ内に真空が形成されて、それによって引き込まれた溶湯がプレピストン後方の鋳造ピストン部分へ吹き付けられることが回避され、かつ鋳造チャンバ内のガス圧がある程度外気圧を超えて付勢される。再充填段階の間に必要な溶湯量の供給後に、遮断制御弁が再び閉鎖される。
【0010】
さらに、種概念に基づくタイプに代わる、溶湯入口通路内に遮断弁のない機械タイプの加圧鋳造機械が知られており、溶湯入口通路は典型的に、スライダータイプの鋳造ピストンが通過可能な領域内で鋳造チャンバ内へ連通しているので、鋳造チャンバ内で前後に移動する鋳造ピストンは、同時に、鋳造チャンバ内への溶湯入口通路のための遮断機構として機能する。後方の終端位置から鋳造チャンバ内への溶湯入口通路の連通部に達するまでの、鋳造ピストンの移動路は、この機械においては加速路として用いられ、その加速路上で鋳造ピストンは、鋳造チャンバからの溶湯を溶湯出口通路を介して型内へ圧入する前に、加速することができる。
【0011】
この機械タイプにおいて、経済的理由から得ようと努力される短いサイクル時間、すなわちそれぞれの鋳造プロセスの長さ、及び鋳造部品品質の理由から鋳造部品内のできるだけ低い空気割合、すなわち鋳造部品の最少の空気多孔性を得るために、特許文献3(欧州特許第1284168号明細書)においては、型充填段階の開始時に、もしくは本来の型充填段階の前の前充填段階において、鋳造ピストンをまだ型が開放されている特にすでに次のように、すなわち溶湯材料が登り管領域と連通片ボディ領域を満たすように、前進させ、その後に型が閉鎖されて、鋳造ピストンが本来の型充填段階を実施するためにさらに前進されることが、提案される。
【0012】
これらの機械タイプについて、さらに、機械形態が知られており、それらの機械形態は、溶湯出口通路内に、たとえば連通片ボディの前方の出口領域内に、あるいはホット通路システムにおいては、溶湯出口通路の型側の出口通路内の、型キャビティの直前もしくは型キャビティ内へ連通するセクション領域内に、閉鎖ノズルを有している。ホット通路システムにおいて一般的であるように、溶湯出口通路が型側の出口通路セクション内で分岐している場合に、好ましくは、各通路分岐は専用の閉鎖ノズルを有している。閉鎖ノズルは、溶湯出口通路のノズル形状の連通領域であって、その連通領域は特に鋳造プロセスの再充填段階の間もしくは鋳造型を開放して鋳造された鋳造部品を取り出し、もしくは放出する前に、閉鎖することができるので、この期間内、溶湯出口通路は閉鎖されている。したがって溶湯材料が溶湯出口通路から不用意に流出すること、かつ/又は溶湯出口通路内の溶湯材料が鋳造チャンバの方向へ不用意に逆流することが阻止される。そのためにこのノズル形状の連通領域、すなわち閉鎖ノズルは、鋳造プロセスの冷却段階において、鋳造型を開放する前に凝固した、あるいは部分的に凝固した溶湯材料からなる溶湯栓を形成するように整えることができる。この技術は、たとえばいわゆる栓鋳造において利用される。付加的又は代替的に、このノズル形状の連通領域、すなわち閉鎖ノズルは、機械的閉鎖部材として、操作可能、移動可能なノズル出口閉鎖ボディを有しており、それによって溶湯出口通路を閉鎖することができる。特許文献4(国際公開第2013/071926号)及び特許文献5(国際公開第2017/148457号)は、この種の加圧鋳造機械を開示しており、その閉鎖ノズルは溶湯栓形成のために設計されており、かつ選択的にさらに逆止め弁によって提供されるノズル通路閉鎖ボディを有することができる。
【0013】
この種類の加圧鋳造機械において一般的に考慮すべき他の視点は、特に鋳造ピストンがスライダータイプである場合に、鋳造ピストンと鋳造チャンバの互いに対向する壁の、鋳造チャンバ内の鋳造ピストンのストローク運動による磨耗効果を、低く抑えることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許第0576406号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3248423号明細書
【特許文献3】欧州特許第1284168号明細書
【特許文献4】国際公開第2013/071926号
【特許文献5】国際公開第2017/148457号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の技術的課題は、上述した従来技術に対して、特に比較的短い鋳造サイクル時間及び/又は鋳造部品内の比較的少ない空気多孔性に関して、かつ/又は鋳造ピストンと鋳造チャンバの比較的小さい磨耗傾向に関して利点を提供する、冒頭で挙げた種類の加圧鋳造機械及び付属の操作方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明はこの問題を、請求項1の特徴を有する加圧鋳造機械操作方法及び請求項6の特徴を有する加圧鋳造機械を提供することによって、解決する。この問題及び他の問題の解決に寄与する、本発明の好ましい展開が、下位請求項に記載されており、その内容は、請求項の帰属によって生じる特徴の組合せ全体を含めて、これをもって全範囲において参照により明細書の内容とされる。
【0017】
本発明に係る操作方法において、溶湯出口通路内で閉鎖ノズルが使用され、その閉鎖ノズルは再充填段階内で閉鎖維持される。型充填段階においては、鋳造ピストンは、遮断弁を閉鎖されたままにして、まず鋳造開始位置から付加ストローク位置へ戻るように移動され、次に付加ストローク位置から鋳造開始位置を介して充填終了位置へ前進され、閉鎖ノズルは、鋳造ピストンが付加ストローク位置へ戻り移動する間閉鎖維持され、かつ、鋳造ピストンが再び前進する場合に初めて、開放される。それぞれ必要に応じて、鋳造ピストンが前進する際に再びその鋳造開始位置へ達する時点で、あるいはそれに達する前に、あるいはそれを通過した後に初めて、閉鎖ノズルの開放を開始することができる。鋳造開始位置は、鋳造ピストンが先行する鋳造プロセスの再充填段階の間に戻った位置であり、かつ次の鋳造プロセスの開始のための鋳造ピストンの初期位置もしくは基本位置である。遮断弁は、再充填段階の最後にその開放された弁位置からその閉鎖された弁位置へ切り替えられるので、この鋳造開始位置は、鋳造ピストンの弁切り替え位置と称することもでき、すなわちそれは、遮断弁がその閉鎖された弁位置へ切り替えられた場合に存在する、位置である。たとえばしかるべきホット通路システムにおいて、溶湯出口通路が分岐している場合に、好ましくは各通路分岐は専用の閉鎖ノズルを有し、すなわちここで述べた、閉鎖ノズルの存在は、もちろん、溶湯出口通路にそれぞれシステム仕様に応じて1つ又は複数の閉鎖ノズルを対応づけられるということを意味する。
【0018】
この本発明に係る方法ガイドは、好ましいやり方で、遮断弁による溶湯入口通路のコントロール可能な開閉を、それぞれ鋳造プロセスの推移における所定の期間の間、閉鎖ノズルによる溶湯出口通路のコントロール可能な開閉と組み合わせる。
【0019】
再充填段階において溶湯出口通路の閉鎖ノズルを閉鎖維持する措置によって、再充填段階において開放された遮断弁を介して溶湯材料が鋳造チャンバ内へ再充填される場合に、溶湯出口通路は閉鎖ノズルにいたるまで溶湯材料によって前もって充填されたままとなる。したがってシステムは、次の鋳造サイクルのために、すでに前もって充填されており、そのために他の前充填措置を必要とすることはない。
【0020】
次の鋳造サイクルの開始時に、まず鋳造ピストンを付加ストローク位置へ後退移動させ、かつ遮断弁はまだ閉鎖維持する(この場合に閉鎖ノズルもまだ閉鎖維持される)措置によって、鋳造ピストンのために付加ストロークが獲得され、その付加ストロークは、次に鋳造ピストンを加速するために、型充填段階のそれ以降の推移においてその前進運動のために利用することができる。遮断弁が閉鎖されており、かつ閉鎖ノズルも閉鎖されている場合に、鋳造ピストンを付加ストローク位置へ戻し移動させることによって、溶湯出口通路内で閉鎖ノズルの後方に負圧が生じ、その負圧は、次に鋳造ピストンがその付加ストローク位置から出るように前進することによって、再び解体されて、鋳造ピストンにこの加速距離上で、とりたてて言うほどの対抗力なしで前進加速を可能にする。
【0021】
鋳造ピストンは、このようにして、効率的かつ機能的に好ましく、その前進移動において所望の高い速度に加速することができ、その後になって鋳造ピストンがふたたびその鋳造開始位置へ達し、次にこの高い速度によって充填位置までさらに移動し、それによって溶湯材料が鋳造型内へ圧入される。付加ストローク位置と調節可能な鋳造ピストンのための加速距離は、それぞれ必要に応じて無段階に可変に自由に選択することができる。付加ストロークが大きくなるにつれて、すなわち付加ストローク位置と鋳造開始位置もしくは弁切り替え位置の差が大きくなるにつれて、それに応じて、次に鋳造開始位置まで前進するために提供可能な、鋳造ピストンのための加速距離及び溶湯出口通路内の閉鎖ノズルの後方の負圧が増大する。典型的に、付加ストロークの大きさは、たとえば鋳造ピストンがその鋳造開始位置からその充填終了位置へ移動するストロークの十分の数パーセントと30%の間とすることができる。
【0022】
遮断弁を使用することによって、鋳造ピストンが鋳造チャンバ内への溶湯入口通路の連通部もしくは進入孔を通過することが必要とされず、それが、たとえば鋳造ピストン及び場合によっては付属のピストンリングにおける摩耗を減少させる。したがって、ピストンリングが溶湯圧力に基づいて進入孔内へ圧入される危険も存在せず、これは、鋳造ピストンがこの種の進入孔を通過する、従来の鋳造システムにおいては生じることがある。ここでは鋳造ピストンのピストンリングは、各時点において鋳造チャンバの溶湯室もしくは圧力室内に位置し、そのようにして激しい負荷変化を受けないようにすることができる。
【0023】
本発明の展開において、再充填段階は、鋳造部品冷却段階の間に、型充填段階に連続する後圧段階後に、鋳造ピストンの後退移動によって開始され、遮断弁は再充填段階の開始時にすでに開放される。この措置によって、型充填段階を終了させる、通常の後圧段階の終了直後に溶湯材料を鋳造チャンバに導入することによって再充填段階を開始することができる。代替的に遮断弁は、たとえば鋳造ピストンの後退移動の開始に対して遅延して開放することもでき、それによって必要な場合に、遮断弁の開放後に溶湯浴槽から溶湯材料を吸い出すために、鋳造チャンバ内に所望の吸引圧を発生させることができる。
【0024】
本発明の展開において、閉鎖ノズルの閉鎖は、溶湯栓形成プロセスを有しており、かつ閉鎖ノズルの開放は、溶湯栓除去プロセスを有している。閉鎖ノズルを閉鎖するために溶湯栓を形成するための、かつ閉鎖ノズルを開放するためにその前に形成されている溶湯栓を除去するための、これらのプロセスの実現は、それ自体知られており、ここでは、任意の従来の実現を利用することができる。
【0025】
本発明の展開において、閉鎖ノズルの開放と閉鎖は、ノズル通路閉鎖ボディをしかるべく制御する操作を有している。これは、上述した溶湯栓形成の代わりに、あるいはそれに加えて、設けることができる。ここでもそのために、この措置のためにそれ自体知られた任意の実現を使用することができる。機械的に移動可能な、たとえば制御ユニットを介して操作可能なノズル通路閉鎖ボディは、たとえばそのために一般的な閉鎖ボール又は閉鎖ニードルとすることができる。
【0026】
本発明の展開において、遮断弁として、制御ユニットによって制御可能な遮断制御弁又はその閉鎖位置へ付勢された逆止め弁が使用される。制御可能な遮断弁の使用は、自由に設定可能な時点で制御ユニットによって管理された遮断弁の開放と閉鎖を可能にする。遮断弁として逆止め弁を使用する場合には、鋳造ピストン移動がそれに適切に合わせられるので、逆止め弁はそれに作用する溶湯圧の作用を受けてそれぞれ所望の時点で開放もしくは閉鎖する。
【0027】
本発明に係る加圧鋳造機械は、考察される種概念に基づく機械タイプの、冒頭で挙げたコンポーネントに加えて、溶湯出口通路内に閉鎖ノズル、すなわち上で述べたように、個別又は複数の弁閉鎖ノズルを有し、これは、それについて上で述べた他の従来の機械タイプについて、それ自体知られている。制御ユニットと遮断弁は次のように、すなわちそれぞれの鋳造プロセスを実施するために、型充填段階については遮断弁を閉鎖位置へ移動させ、鋳造チャンバ内で閉鎖ピストンを鋳造開始位置から充填終了位置へ前進させるように制御し、それによって溶湯材料が溶湯出口通路を介して鋳造型内へ圧入され、かつ続く再充填段階のためには、遮断弁を開放位置へ移動させ、かつ鋳造ピストンを鋳造開始位置へ復帰移動させるように制御し、それによって鋳造チャンバに溶湯入口通路を介して溶湯材料が供給されるように、整えられている。さらに、制御ユニット、遮断弁及び閉鎖ノズルは次のように、すなわち再充填段階内では閉鎖ノズルを閉鎖維持して、型充填段階内では遮断弁を閉鎖したままにして鋳造ピストンをまず鋳造開始位置から付加ストローク位置へ戻り移動させ、次に付加ストローク位置から鋳造開始位置を介して充填終了位置へ前進させ、かつ鋳造ピストンが付加ストローク位置へ戻り移動する間閉鎖ノズルを閉鎖維持し、かつ、鋳造ピストンが再び前進する場合に初めて開放するように、整えられている。それぞれ必要に応じて、鋳造ピストンが再びその始動位置へ達する前にすでに、あるいは正確にこの時点で、あるいはその後に初めて、閉鎖ノズルの開放を開始することができる。それによってこの加圧鋳造機械は、特に、本発明に係る操作方法を実施するのに適している。
【0028】
本発明の展開において、閉鎖ノズルは溶湯栓を形成するノズル部分を有している。これが、閉鎖ノズルに溶湯栓を形成することによって閉鎖ノズルの閉鎖を可能にする。
【0029】
本発明の展開において、閉鎖ノズルは、その通過横断面を制御可能な可変のノズル部分を有している。これは、たとえば閉鎖ボール又は閉鎖ニードルのような、機械的に移動可能なノズル通路閉鎖ボディとすることができる。
【0030】
本発明の展開において、遮断弁は、制御ユニットによって制御可能な遮断制御弁として形成されている。これが、特に鋳造プロセスの経過において遮断弁をそのそれぞれ所望に開放され、もしくは閉鎖された位置へ移動させるために、制御ユニットによる遮断弁のアクティブな制御を可能にする。
【0031】
本発明のある形態において、加圧鋳造機械は、遮断制御弁を操作するための、制御ユニットによって作動される弁アクチュエータを有している。アクチュエータは、制御ユニットと遮断弁の間の結合部材として機能し、かつ、それぞれ制御ユニットと遮断弁の形式に応じて、たとえば電気的タイプ、磁気的タイプ、油圧タイプ、空気圧タイプ又は機械的タイプから、適切に選択することができる。代替的に、たとえば弁操作機能を制御ユニットに直接統合することができる。
【0032】
本発明の代替的な展開において、遮断弁は、その閉鎖位置へ付勢された逆止め弁として形成されている。これは、遮断制御弁としての実現に対する代替案である。この場合において遮断弁は、それに作用する、溶湯材料の圧力、特に鋳造チャンバ内の溶湯圧力にしたがって制御もしくは操作される。
【0033】
本発明の展開において、加圧鋳造機械は、遮断弁及び/又は閉鎖ノズルの1つ又は複数の測定量を検出するための弁センサユニットを有している。これはたとえば、制御ユニットが弁センサユニットを介して遮断弁の現在の位置に関する、かつ/又は閉鎖ノズルの現在の状態に関するフィードバックを与え、かつ/又は弁診断情報及び/又はノズル診断情報を提供するために、利用することができ、それらの診断情報は、遮断弁もしくは閉鎖ノズルがエラーなしで作動しているか、もしくは弁/ノズルがどのような使用状態にあるか、およびそれらがたとえば保守を必要としているか、について知らせる。
【0034】
本発明の好ましい実施形態が図面に示されている。本発明のこの実施形態及び他のそれらを、以下で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、加圧鋳造機械のここで興味深い部分の図式的な表示である。
図2図2は、加圧鋳造機械操作方法の第1の鋳造サイクルを、操作開始から示すフローチャートである。
図3図3は、図1の加圧鋳造機械を、図2の方法に基づく操作において第1の鋳造サイクルの型充填段階の最後に向かって図式的に示している。
図4図4は、図3の表示を、型充填段階の後の再充填段階の間において示している。
図5図5は、図3の表示を、再充填段階の最後において示している。
図6図6は、図3の表示を、冷却段階後に示している。
図7図7は、図2の第1の鋳造サイクルに続く、加圧鋳造機械操作方法の第2の鋳造サイクルを示すフローチャートである。
図8図8は、図3の表示を、ストロークゲイン段階の前の、図7に示す第1の鋳造サイクルの開始時において示している。
図9図9は、図3の表示を、第2の鋳造サイクルのストロークゲイン段階の最後において示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1には、本発明に基づく実現における加圧鋳造機械のここで興味深い部分が図式的に示されており、その加圧鋳造機械は本発明に係る操作方法によって操作することができる。この加圧鋳造機械は、特に、亜鉛、鉛、アルミニウム、マグネシウム、チタン、鋼、銅及びこれら金属の合金のような、液状又は部分液状の金属溶湯を加圧鋳造するためのホットチャンバタイプの加圧鋳造機械とすることができる。そのために加圧鋳造機械は、特に、固定の型半体1aと移動可能な型半体1bを有する鋳造型1、鋳造チャンバ2、鋳造チャンバ2内に軸線方向移動可能に配置された鋳造ピストン3、鋳造チャンバ2内へ通じる溶湯入口通路4、溶湯入口通路4内の遮断弁5、鋳造チャンバ2から鋳造型1へ通じる溶湯出口通路6、溶湯出口通路6内の閉鎖ノズル19及び制御ユニット7を有している。
【0037】
遮断弁5は、図示される例において、遮断制御弁として、すなわち作動可能な遮断弁として形成されており、その遮断弁は制御ユニット7によって直接、あるいは、図示される例におけるように、選択的な弁アクチュエータ16を介して作動可能である。弁アクチュエータ16は、この種の弁を操作するために当業者にそれ自体知られているような、従来の種類の任意のアクチュエータとすることができる。アクチュエータ16は、それぞれ必要と適用場合に応じて、特に従来の電気的に作動する、油圧的に作動する、圧縮空気で作動する、あるいは機械的に直接又はレバーシステムなどを介して作動するアクチュエータタイプとすることができる。弁アクチュエータ16は、それぞれ必要と適用場合に応じて、遮断弁5を開放された第1の位置と閉鎖された第2の位置の間でのみ切り替える、純粋に2値で作動するアクチュエータタイプ、あるいは代替的に比例アクチュエータタイプとすることができ、その比例アクチュエータタイプは遮断弁5をだんだんと、あるいは複数の段階において開放することができ、すなわち遮断弁5をその完全に開放された位置とその完全に閉鎖された位置との間で1つ又は複数の部分開放位置へ移動させて、保持することができる。そのために弁アクチュエータ16は、必要な場合に、たとえば可変に調節可能な終端ストッパを有することができ、その終端ストッパは手動で、あるいは自動的に変位させることができる。加圧鋳造機械の代替的な形態において、遮断弁5は、逆止め弁によって形成されている。
【0038】
制御ユニット7は、ここでは機械の様々なコンポーネントを開ループ制御もしくは閉ループ制御するための加圧鋳造機械のすべての制御部材を含むものであって、そのために制御ユニット7はそれぞれシステム使用に応じて、すべての制御機能が統合されている、唯一の制御装置又は複数の個別の制御装置を有することができ、それらはそれぞれ固有の機械コンポーネントを開ループ制御もしくは閉ループ制御し、かつ好ましくは互いに通信接続されている。同様に、制御ユニット7は、通常のように、少なくとも部分的にハードウェア内で、かつ/又は少なくとも部分的にソフトウェアに基づいて形成することができる。制御ユニット7のすべての機械制御機能を示すために代表して単なるシンボルとして作動矢印7a、7b、7cが示されており、それらは制御ユニット7から鋳造型1へ、鋳造ピストン3ないしは遮断弁5の弁ロッド5dへ通じており、ここではこれらの機械コンポーネントに属する制御機能が特に重要である。簡単にするために、制御ユニット7の図式的な表示は、図1のみに含まれており、それに対して図3から6、8及び9では省かれている。
【0039】
これについて以下で詳細に説明されない限りにおいて、制御ユニット7も、名を挙げられた、残りの機械コンポーネントも、それ自体従来の、当業者に知られた構造のものであって、したがってそれについてはここで詳細に説明する必要はない。たとえば図1から明らかなように、図示される例において、鋳造チャンバ2は、その限りにおいて従来の鋳造ユニットの鋳造容器8内に形成されており、鋳造容器8は鋳造操作中に溶湯液槽9内へ浸漬され、その溶湯液槽は、通常の溶湯容器10内にある。
【0040】
遮断制御弁5は、図示される例において、弁ハウジングボディ5aによって鋳造容器8に保持されている。弁ハウジングボディ5aに、代替的には鋳造容器8の他の箇所に、溶湯入口通路4の入口4aとしての1つ又は複数の入口開口部があり、すなわち溶湯材料14は、溶湯液槽9から入口4aを介して溶湯入口通路4内へ達することができる。遮断制御弁5は、特に固定の弁座5bと移動可能な弁閉鎖ボディ5cをもって溶湯入口通路4内にあり、弁閉鎖ボディ5cは、図示の例において、遮断弁5を閉鎖もしくは開放するため、すなわちたとえば図1に示す閉鎖位置VSとたとえば図4に示す開放位置VOとの間で切り替えるために、弁ロッド5dを介して軸線方向に弁座5dに添接し、かつそれから離れるように移動することができる。開放位置VOは、それぞれ弁形態及び/又は操作状況に応じて、弁の完全に閉鎖された位置又は部分的に閉鎖された位置とすることができる。図示されない、代替的な形態において、遮断弁5は鋳造ピストン3内に配置されており、この場合において溶湯入口通路4は、それ自体知られているように、鋳造ピストン3を介して、特にそれを通して、案内されている。
【0041】
図示される機械形態において、遮断弁5の、すなわち遮断制御弁の、切り替え運動は、すでに述べたように制御ユニット7によって選択的な弁アクチュエータ16を介して行われる。遮断弁5として逆止め弁を有する、図示されない代替的な機械形態において、遮断弁5の切り替え運動は、鋳造チャンバ2内の溶湯圧力に従って行われ、好ましい実現において逆止め弁は、従来の種類の付勢ユニットによって、その閉鎖位置へ付勢されている。鋳造チャンバ2内に適切な溶湯負圧が存在する場合に、この場合において逆止め弁として形成されている遮断弁5は、この負圧によって付勢ユニットの付勢力に抗してその閉鎖位置VSからその開放位置VOへ移動される。溶湯負圧がもはや存在しなくなるとすぐに、逆止め弁が付勢ユニットの作用によって自動的にその閉鎖位置VSへ復帰する。付勢ユニットは、たとえば、しかるべく設計されて、配置されている押圧ばね又は引っ張りばねのような、付勢ばねによって実現することができる。
【0042】
溶湯出口通路6は、通常のように、鋳造容器8内に形成されている登り通路領域もしくは登り管セクション6aを介して鋳造チャンバ2から出て、次に連通片ボディ6bを介して型1の領域まで通じている。そのために同様に従来のやり方において、連通片ボディ6bが入口側において連通片突出部11に結合されており(その連通片突出部によって登り管セクション6aが鋳造容器8から開口しており)、かつ出口側においては固定の型半体1aまで案内されている。固定の型半体1a内に、溶湯出口通路6の型側の出口通路セクション6cが鋳造キャビティ13まで延びており、その鋳造キャビティは鋳造型1が閉鎖されている場合に2つの型半体1a、1bによって形成され、かつ形成すべき鋳造部品にしたがって成形されている。
【0043】
それ自体知られた形態のスプルー円錐もしくはノズル形状の前方の出口領域12を有する溶湯出口通路6が、型キャビティ13内へ開口しており、この領域12内に、それ自体知られた実現で、閉鎖ノズル19が形成されている。そのために閉鎖ノズル19は、それぞれ必要と適用場合に応じて、溶湯栓を形成するノズル部分及び/又はその通過横断面において制御可能に変化するノズル部分を有しており、前者の場合においては典型的に、適切に成形された、溶湯出口通路6のノズル形状の連通領域と、対応づけられた、ノズル領域に作用する溶湯温度調節手段とを使用しており、後者の場合には典型的に、閉鎖円錐又は閉鎖ニードルのような、操作可能な移動できる機械的ノズル通路閉鎖ボディを使用している。
【0044】
図示される例において、加圧鋳造機械はホット通路システムを有し、それにおいて溶湯出口通路6は型側の出口通路セクション6c内で複数の平行な分岐に分割されており、各分岐の出口側の終端領域内に、それぞれ対応づけられた閉鎖ノズル19が設けられている。たとえばマグネシウムの栓鋳造に使用可能であるような、代替的な機械形態において、閉鎖ノズル19は連通片ボディ6bの出口側の終端領域内に配置されており、この終端領域は、この場合において好ましくは分岐されずに、固定の型半体1a内の溶湯出口通路6の型側の出口通路セクション6cとしてのスプルー円錐を介して型キャビティ13内へ連通している。
【0045】
図2は、本発明に係る操作方法の例としての実施変形例を、加圧鋳造機械の操作開始において、すなわち、互いに連続するしかるべき数の鋳造プロセスもしくは鋳造サイクルにおいて、所望の数の等しい鋳造部品を鋳造する機械の始動後に、示している。図1及び3から6は、図2の実施変形例に基づく操作の間において、機械を様々な操作段階において図式的に示している。
【0046】
図2の最初の操作段階B1において、機械は操作開始における基本状態にある。図1は機械を、この操作段階B1において示している。したがって鋳造ピストン3は、操作開始位置BSにある。溶湯材料14は、どこでも、すなわち溶湯出口通路6内でも、溶湯液槽9の溶湯液槽レベル9aの高さにある。したがって登り通路セクション6aの中央と前方の領域、連通片ボディ6b及び型側の出口通路セクション6cには、まだ溶湯材料14がついていない。閉鎖ノズル19は開放されており、遮断弁5はその閉鎖位置VSにあり、かつ鋳造型1は閉鎖される。
【0047】
それに続く、図2の操作段階B2において、第1の鋳造サイクルが導入されて、そのために付属の型充填段階が実施される。図3は、機械をこの時点で示している。そのために鋳造ピストン3は、操作開始位置BSから充填位置FPへ、すなわち図1及び3から6では、それぞれ下方へ送られるので、溶湯材料14が鋳造チャンバ2から溶湯出口通路6を介して鋳造型1もしくは鋳造キャビティ13内へ圧入される。鋳造ピストン3の前進運動は、図3において付属の操作方法矢印GVで象徴されている。溶湯出口通路6内の溶湯の流れは、図3内でしかるべき流れ矢印によって示唆されており、図3は機械を、具体的にこの型充填段階の最後のあたりで示しており、この型充填段階はそれ自体知られたやり方で、いわゆる後圧段階で終了させることができ、その段階内で付加的な、高められた後圧が型1内の溶湯材料14へ加えられる。
【0048】
図2の操作段階B3において、型充填段階が終了し、それに再充填段階もしくはピストン復帰段階が続く。そのために遮断弁5がその閉鎖位置VSからその開放位置VOへ切り替えられて、鋳造ピストン3がその充填位置FPから戻され、すなわち該当する図において上方へ移動される。遮断弁5の切り替えは、遮断制御弁の場合には制御ユニット7によって制御されて、逆止め弁の場合には、鋳造チャンバ2内に鋳造ピストン3の復帰移動によって生じる溶湯負圧によって、行われる。ここで述べておくが、もちろん鋳造ピストン3の前進もしくは後退移動は、機械タイプにしたがって図示される例におけるような垂直方向にではなく、垂直方向に対して垂直又は傾斜して方向づけすることができる。
【0049】
鋳造型1は、まず閉鎖されたままであり、いわゆる冷却時間が経過し、その間に溶湯材料14が鋳造キャビティ13内で冷却されるので、そこで硬化する溶湯材料14によって、所望の鋳造部品15が形成される。同時に閉鎖ノズル19が、たとえば機械的に、制御ユニット7によってノズル通路閉鎖ボディのしかるべき操作を介して、かつ/又は図示されるように8溶湯栓20によって、閉鎖され、その溶湯栓は鋳造キャビティ13もしくは鋳造型1内で溶湯材料が冷却することにより、閉鎖ノズル19の場所に形成される。鋳造ピストン3の後退によって、溶湯材料14が溶湯液槽9から溶湯入口通路4を介して鋳造チャンバ2内へ吸い込まれて、それによって再充填される。図4は、機械を再充填段階のこの期間において示しており、その再充填段階において溶湯材料14は溶湯液槽9から溶湯入口通路4を介して鋳造チャンバ2内へ再充填され、これがしかるべき流れ矢印によって示されている。鋳造ピストン3の後退は、図4内に付属の後退矢印GRによって象徴されている。
【0050】
図2の操作段階B4において、溶湯液槽9から溶湯入口通路4を介して鋳造チャンバ2内への、溶湯材料14の再充填が終了され、それは鋳造ピストン3の後退が、鋳造ピストン停止位置、短く言うと鋳造停止位置、簡単には停止位置に達した場合に停止されて、遮断弁5がその開放位置VOからその閉鎖位置VSへ切り替えられることによるものである。したがって鋳造ピストン停止位置は、鋳造ピストン3の弁切り替え位置と、したがって遮断弁5をその閉鎖位置VSへ切り替える時点で鋳造ピストン3がとる位置と、称することもできる。鋳造ピストン3がその充填位置FPから再充填段階へ復帰移動する程度、したがって鋳造ピストン3の停止位置もしくは弁切り替え位置は、必要に応じて自由に選択可能であって、特に、それぞれ鋳造部品の製造のためにどれだけ多くの溶湯材料が必要とされるか、すなわち鋳造される部品の体積がどのような大きさであって、したがって次の鋳造サイクルのために鋳造チャンバ内へどのくらいの溶湯材料を再充填すべきか、に従う。言い換えると、弁切り替え位置は、少なくとも、再充填段階によって鋳造部品体積に相当する溶湯体積が鋳造チャンバ2内へ再充填される距離だけ、充填位置の後方に位置する。遮断弁5をその閉鎖位置VSへ切り替えることは、遮断制御弁の場合においては制御ユニット7によってもたらされ、逆止め弁の場合には、鋳造ピストン3の後退移動の停止によって鋳造チャンバ2内にもはや溶湯負圧が発生しないので、逆止め弁がその付勢ユニットによって自動的にその閉鎖位置VSへ復帰することによって、もたらされる。鋳造ピストン3の鋳造ピストン停止位置は、鋳造開始位置GSもしくは初期位置又は基本位置であって、鋳造ピストン3は次の鋳造サイクルの開始までその位置に留まることができ、したがって次の鋳造サイクルの開始時にその位置にある。図5は、この時点で機械を示している。その間、鋳造部品15を形成するための鋳造型1内の溶湯材料14のための冷却時間が経過する。
【0051】
その後、図2の操作段階B5において、型1内で形成された鋳造部品15を完全に硬化させるための冷却時間が経過し、したがってその後鋳造型1は移動可能な型半体1bのしかるべき開放運動によって開放されて、形成された鋳造部品15が取り出され、もしくははじき出され、あるいは放出される。図6は、この操作時点で機械を示している。したがって操作開始後の第1の鋳造サイクルが、終了されている。溶湯出口通路6は、閉鎖ノズル19もしくは溶湯栓20によって出口側を閉鎖されたままとなる。それによって、溶湯材料が溶湯出口通路から開放した型内へ流入することが、阻止される。同様にそれによって、溶湯出口通路内へ型側から空気が流入すること、及び溶湯出口通路内の溶湯材料が流れ戻ることが、阻止される。したがって溶湯材料は鋳造チャンバ2から出口側の閉鎖ノズル19まで、もしくは溶湯栓20まで、溶湯出口通路6内に留まり、すなわち鋳造システムは完全に前充填された操作状態にある。
【0052】
図7は、次の、第2の鋳造サイクルの実施を示している。まず、操作段階B6において型1が閉鎖される。遮断弁5は閉鎖されており、閉鎖ノズル19もまだ閉鎖されている。鋳造システムは、上述した、完全に前充填された状態にあって、鋳造ピストン3は、先行する第1の鋳造サイクルの再充填段階の最後におけるその停止位置としての、その鋳造始動位置GSにある。図8は、この時点において機械を示している。
【0053】
型充填段階の開始として、もしくは本来の型充填プロセスの直前に位置する操作段階として、この第2の、かつそれぞれ他の鋳造サイクルにおいて、ストロークゲイン段階が実施され、それにおいて鋳造ピストン3は鋳造開始位置GSもしくは弁切り替え位置から付加ストローク位置ZHへ戻され、遮断弁5と閉鎖ノズル19は閉鎖されたままである。これが、図7に操作段階B7として示されている。図8において、鋳造ピストン3のこの後退移動が、後退矢印ZRで象徴されている。図9は、このストロークゲイン段階の最後において、機械を示している。鋳造ピストン3は、付加ストローク位置ZHにおいて、図9に比較として示すように、付加ストロークBWだけ鋳造開始位置GSの後方に位置する。遮断弁5も閉鎖ノズル19も、たとえば溶湯栓20によって閉鎖されているので、鋳造ピストン3のこの後退運動によって溶湯材料14内に、そして特に閉鎖ノズル19のすぐ後ろの溶湯出口通路6内に、所定の負圧が生じ、これが図9に真空泡21によって象徴されている。
【0054】
付加ストローク位置ZHは、それぞれ必要に応じて自由に選択可能であって、かつ、たとえば第1のサイクルの操作開始位置BSに相当することができるが、代替的にそれとは異なることもでき、たとえば操作開始位置と鋳造開始位置GS、すなわち弁切り替え位置との間にあることもできる。付加ストロークBWは、典型的に、鋳造開始位置GSから充填終了位置FPの鋳造ピストン間隔の数十パーセントと約30%との間、多くの場合においてその約5%から約20%である。
【0055】
図7の操作段階B8において、ストロークゲイン段階に、鋳造ピストン3のための加速段階が連続しており、その中で鋳造ピストンがその付加ストローク位置ZHから出るように前進され、それが図9に前進矢印VGによって象徴されている。鋳造ピストン3の前進運動が、その前に溶湯出口通路6内に形成されている負圧によって支援されるので、鋳造ピストン3は実際に対抗力なしで前進方向に加速することができ、ついには鋳造ピストン3は、しかるべき付加ストロークBWもしくは加速距離だけ戻った後に再びその鋳造開始位置GSに達し、かつ溶湯出口通路6内の負圧が崩壊する。付加ストロークBWは、このようにして鋳造ピストン3のための加速距離として機能することができる。
【0056】
図7の操作段階B9において、鋳造ピストン3が鋳造開始位置GSを越えてその前進運動を続行し、かつ鋳造チャンバ2内の溶湯材料14に圧力を加え、かつ、鋳造ピストンが再びその充填終了位置FPへ達するまで、溶湯出口通路6を介して溶湯材料14を型1内へ圧入することにより、本来の型充填段階が行われる。閉鎖ノズル19が開放され、そのために特に、閉鎖ノズル19に場合によっては形成される溶湯栓20も、従来のように、溶湯出口通路6から押し出され、もしくは熱的に支援されて溶解される。付加的又は代替的に、閉鎖ノズルが機械的な閉鎖部材である場合に、この機械的な閉鎖部材が開放される。図7の例において、閉鎖ノズル19の開放もしくは溶湯栓20の溶解は、加速段階の後に本来の型充填段階が開始される時に初めて、行われる。代替的な形態においては、これは、加速段階の間にすでに行うこともでき、あるいはいずれにしてもそれを開始することができる。言い換えると、閉鎖ノズル19の開放は、それぞれ必要に応じて、前進する際に鋳造ピストン3が再びその鋳造開始位置GSに達した時点で、あるいはそれに達する前に、すなわち加速段階の間に、あるいは鋳造ピストンが充填終了位置FPの方向にすでにその鋳造位置GSを通過した後に、開始することができる。
【0057】
次に、鋳造プロセスが再充填段階の開始によって、上述した第1の鋳造サイクルのように、遂行される。その後、第2の鋳造サイクルに続く他の鋳造サイクルは、第2の鋳造サイクルと同じやり方で実施することができる。
【0058】
本発明に係る加圧鋳造機械は、示されるように、本発明に係る操作方法を実施するように整えられている。特のそのために、制御ユニット7、遮断弁5及び閉鎖ノズル19が、それぞれの鋳造プロセスを実施するために適切に構成されており、型充填段階を実施するために、遮断制御弁のしかるべき制御によって直接的にであろうと、あるいは弁アクチュエータ16を介して、あるいは鋳造チャンバ2内の溶湯圧力の作用を受けて逆止め弁の閉鎖維持によって自動的にであろうと、遮断弁5が閉鎖保持され、かつ制御ユニット7が鋳造チャンバ2内の鋳造ピストン3をその操作開始位置又は鋳造停止位置もしくは鋳造開始位置GSもしくはその負荷ストローク位置ZHからその充填終了位置FPへ制御し、それによって溶湯材料14が溶湯出口通路6を介して鋳造型1内へ圧入される。特に制御ユニット7、遮断弁5及び閉鎖ノズル19は、再充填段階において閉鎖ノズル19を閉鎖維持し、かつ型充填段階において、遮断弁5を閉鎖したままにして、鋳造ピストン3をまず鋳造開始位置GSから付加ストローク位置ZHへ戻して、次に付加ストローク位置ZHから鋳造開始位置GSを介して充填位置FPへ前進させ、閉鎖ノズル19を最初は閉鎖維持し、かつ、鋳造ピストン3が再び前進した場合に初めて開放するように、整えられてじる。
【0059】
選択的に、図示される例におけるように、加圧鋳造機械は遮断弁56及び/又は弁閉鎖ノズル19の1つ又は複数の測定量を検出するために、弁センサユニット18を有している。弁センサユニット18によって検出された、それぞれの測定量に関する測定値は、必要に応じて、遮断弁5の現在の位置もしくは閉鎖ノズル19の状態について制御フィードバックを与えるために、制御ユニット7へ供給することができる。付加的又は代替的に、これらの測定値は、診断評価に利用して、遮断弁5及び/又は閉鎖ノズル19の現在の状態を、たとえば誤機能に関して診断し、かつ遮断弁5もしくは閉鎖ノズル19が保守を必要とする場合に、認識することができる。
【0060】
弁センサユニット18は、それぞれ必要と適用場合に応じて、制御ユニット7への結合あり又はなしの選択的な終端スイッチを備えた1つ又は複数のセンサを有することができ、その制御ユニットは、すでに述べたように、加圧鋳造機械の機械制御全体又はこの機械制御の一部とすることができる。弁センサユニット18は、たとえば、遮断弁5のストロークを測定して、そこからエラー診断、たとえば弁閉鎖ボディ5cに裂けがあって、弁閉鎖運動する場合に弁ロッド5dがその目標値を過ぎているか、かつ/又は弁閉鎖ボディ5cがその閉鎖位置に実際に達しているか、あるいは予定より早く止まっているか、を導き出すように、整えることができる。弁センサユニット18は、選択的に弁ロッド内に力センサを有することもでき、その力センサが診断モニタリングのために弁閉鎖ボディ5cの閉鎖力もしくは圧接力及び/又は開放力を測定する。たとえば弁アクチュエータ16を介する、電気的又は油圧による、もしくは空気式の弁ドライブである場合に、弁センサユニット18はこの監視目的のために、制御ユニット7への結合あり、又はなしで、従来の構造の電流センサもしくは圧力センサを有することもできる。
【0061】
図示され、かつこれまで説明されている実施例によって明らかなように、本発明は、短い鋳造サイクル時間、鋳造部品内の少ない空気割合及び/又は鋳造ピストンと鋳造チャンバの少ない磨耗傾向が得られる、加圧鋳造機械を操作する方法を提供し、溶湯入口通路内の遮断弁と溶湯出口通路内の閉鎖ノズルが方法技術的に特に好ましいやり方で組み合わせて利用される。さらに本発明は、この操作方法を実施するのに適した加圧鋳造機械を提供し、それは特に、ホットチャンバタイプの加圧鋳造機械とすることができ、特にいわゆる栓鋳造に適している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】