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特表2023-552619形状変化マッサージ装置並びに形状変化マッサージ装置を製造する、及び変形させる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】形状変化マッサージ装置並びに形状変化マッサージ装置を製造する、及び変形させる方法
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61H23/02 330
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535490
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021085410
(87)【国際公開番号】W WO2022123073
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】102020133207.6
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516240673
【氏名又は名称】アイス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】EIS GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Lenkwerk 3, 33609 Bielefeld,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100184343
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100197561
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 三喜男
(72)【発明者】
【氏名】ダムラー,アレックス
(72)【発明者】
【氏名】アンダートン,アレクサンダー
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA00
4C074CC01
4C074DD01
4C074EE01
4C074GG01
(57)【要約】
本発明は、シャフト状コア(10)と、シャフト状コア(10)が少なくとも部分的に内側に配置される外被(20)と、シャフト状コア(10)と外被(20)との間に形成されたチャンバ(30)と、を備える肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置(1)及びこれに関する方法に関する。本発明によれば、チャンバ(30)に多数の充填体(40)が入っていて、多数の充填体は、多数の充填体の互いに対する、及びシャフト状コア(10)に対する、及び外被(20)に対する配置に応じて外被(20)に可変の形状を与える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置(1)であって、
-シャフト状コア(10)と、
-前記シャフト状コア(10)が少なくとも部分的に内側に配置される外被(20)と、
-前記シャフト状コア(10)と前記外被(20)との間に形成されたチャンバ(30)と、を備える形状変化マッサージ装置(1)において、
-前記チャンバ(30)に多数の充填体(40)が入っていて、前記多数の充填体は、前記多数の充填体の互いに対する、及び前記シャフト状コア(10)に対する、及び前記外被(20)に対する配置に応じて前記外被(20)に可変の形状を与えることを特徴とする、形状変化マッサージ装置(1)。
【請求項2】
前記チャンバ(30)は、第1の状態において第1のチャンバ容積(K1)を有し、第2の状態において第2のチャンバ容積(K2)を有するチャンバ容積を有し、前記チャンバ容積は、前記第1の状態と第2の状態との間で変化可能であり、前記第2のチャンバ容積(K2)は、前記第1のチャンバ容積(K1)より大きいことを特徴とする、請求項1に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項3】
-前記チャンバ容積が前記第1のチャンバ容積(K1)より大きい場合に、前記多数の充填体(40)が前記チャンバ(30)内で自由に移動可能、及び/又は任意に配置可能であり、並びに/或いは
-前記チャンバ容積が前記第1のチャンバ容積(K1)に等しい場合に、前記多数の充填体(40)が前記外被(20)と前記コア(10)との間で前記チャンバ(30)内に実質的に固定配置されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項4】
前記外被(20)が前記シャフト状コア(10)と接続され、それにより前記多数の充填体(40)が前記チャンバ(30)内に離脱不可能に配置されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項5】
前記外被(20)が伸張可能な外被(20)であることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項6】
-ポンプ動作において、前記チャンバ容積が前記第1のチャンバ容積(K1)から前記第2のチャンバ容積(K2)まで変化可能であり、流体媒体が前記チャンバ(30)内へ移送され、及び/又は
-排出動作において、前記チャンバ容積が前記第2のチャンバ容積(K2)から前記第1のチャンバ容積(K1)まで変化可能であり、前記流体媒体が前記チャンバ(30)から外へ移送される、ことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項7】
-前記ポンプ動作において、前記チャンバ(30)に移送される前記流体媒体の量に応じて前記外被(20)が伸張することによって前記チャンバ容積が増加し、及び/又は
-前記排出動作において、前記外被(20)が収縮することによって前記流体媒体が前記チャンバ(30)から移送される、ことを特徴とする、先行する請求項6に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項8】
-前記コア(10)及び/又は前記多数の充填体(40)は、互いに対する、及び前記コア(10)に対する、及び前記外被(20)に対する配置に応じて内容積を画定する、
-非伸張状態の前記外被(20)は、前記内容積より小さい外被容積を画定する、ことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項9】
-前記外被(20)がシリコーンを有する、及び/又は
-前記シャフト状コア(10)がシリコーンを有する、及び/又は
-前記多数の充填体(40)がポリマーを有する、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項10】
-振動手段(50)であって、殊に前記コア(10)内に配置されている振動手段(50)、特に振動モータ、及び/又は
-前記ポンプ動作において、前記流体媒体を前記チャンバ(30)に搬送するためのポンプ(60)、及び/又は
-前記流体媒体を移送するための管路(70)を備え、前記管路(70)が前記ポンプ(60)を前記チャンバ(30)に接続し、前記管路(70)が特に複数個構成である、先行する請求項のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項11】
前記ポンプ(60)と前記チャンバ(30)との間に配置され、特に前記管路(70)内に配置され、かつ前記ポンプ動作における流体供給位置と前記排出動作における排出位置のいずれかに切替可能なバルブ(80)を備え、
-前記流体供給位置において、前記ポンプ(60)により吐出される前記流体媒体が前記チャンバ(30)に移送され、
-前記排出位置において、前記流体媒体が前記チャンバ(30)から移送される、先行する請求項10に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項12】
前記マッサージ装置(1)を制御するための制御ユニット(90)であって、前記マッサージ装置(1)を静止モードと動作モードのいずれかに切り替えるように形成されている、制御ユニット(90)を備え、
-前記静止モードにおいて、前記振動手段(50)及び/又は前記ポンプ(60)がオフに切り替えられるか、又は待機に切り替えられ、
-前記動作モードにおいて、前記制御ユニット(90)が、
・前記ポンプ(60)がオンに切り替えられ、前記流体媒体が前記チャンバ(30)に搬送されるポンプ動作、及び/又は
・前記ポンプ(60)がオフに切り替えられ、前記流体媒体が前記チャンバ(30)から移送される排出動作、及び/又は
・前記振動手段(50)がオンに切り替えられ、前記コア(10)が振動するように励起される振動動作、のいずれかに切り替えるように形成されている、請求項10又は11のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項13】
エネルギー源(100)を備え、前記エネルギー源(100)が、特に、前記振動手段(50)及び/又は前記ポンプ(60)及び/又は前記切替可能なバルブ(80)及び/又は前記制御ユニット(90)のために電気エネルギーを提供するバッテリである、先行する請求項10~12のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項14】
前記マッサージ装置(1)を保持するための、特にグリップ部を有するハウジング(2)を備え、前記シャフト状コア(10)及び/又は前記外被(20)が、殊に前記ハウジング(2)、特に前記グリップ部に接続されている、先行する請求項1~13のいずれか一項に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項15】
前記ハウジング(2)が空気通過開口(3)を有し、前記通気開口を通って、空気として形成された流体媒体が前記マッサージ装置(1)の周囲(U)から前記チャンバ(30)の方向に、及び/又は前記チャンバ(30)から前記周囲(U)の方向に流れることができる、先行する請求項14に記載のマッサージ装置(1)。
【請求項16】
肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置(1)、特に先行する請求項1~15のいずれか一項に記載の形状変化マッサージ装置(1)を製造する方法(200)において、
-外被(20)及びシャフト状コア(10)を提供する(210)工程、及び/又は
-前記シャフト状コア(10)を少なくとも部分的に前記外被(20)の内側に配置する(220)工程、及び/又は
-前記外被(20)に多数の充填体(40)を充填する(230)工程、及び/又は
-前記シャフト状コア(10)に前記外被(20)を取り付ける(240)工程であって、それにより前記外被(20)が前記シャフト状コア(10)を少なくとも部分的に包囲し、前記多数の充填体(40)が前記シャフト状コア(10)と前記外被(20)との間でチャンバ(30)内に離脱不可能に配置される、取り付ける工程、を特徴とする、方法。
【請求項17】
肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置(1)、特に先行する請求項1~15のいずれか一項に記載の形状変化マッサージ装置(1)を変形させる方法(300)において、
-前記マッサージ装置(1)をオンに切り替え(310)、静止モードから、ポンプ(60)がオンに切り替えられる動作モードのポンプ動作にする工程、並びに
-前記ポンプ動作において、流体媒体を外被(20)とシャフト状コア(10)との間のチャンバ(30)内へ搬送する(320)工程、並びに
-多数の充填体(40)を所望のポジション、位置及び/又は形状で前記チャンバ(30)内に配置する(330)及び保持する工程、並びに
-前記動作モードを前記ポンプ動作から排出動作に切り替える(340)工程、並びに
-前記排出動作において、前記流体媒体を前記チャンバ(30)から移送することによって前記チャンバ(30)を空にする(350)工程、並びに/或いは
-前記動作モードを、振動手段(50)がオンに切り替えられる振動動作に切り替える(360)工程、並びに
-前記シャフト状コア(10)を前記振動手段(50)によって励起して振動させる(370)工程、並びに/或いは
-前記マッサージ装置(1)をオフに切り替え(380)、前記動作モードから前記静止モードにする工程、を特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャフト状コアと、シャフト状コアが少なくとも部分的に内側に配置される外被と、シャフト状コアと外被との間に形成されたチャンバとを備える形状変化マッサージ装置に関する。さらに、本発明は、肉体的刺激(koerperliche Stimulation)のための形状変化マッサージ装置を製造する方法に関する。さらに、本発明は、肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置を変形させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなチャンバを備えた冒頭で述べた種類の装置は知られている。この装置では、チャンバのチャンバ容積を、第1のチャンバ容積と第2のチャンバ容積との間で可変に設定することができる。このために、チャンバに空気が供給され、又はチャンバから排出される。チャンバに空気が供給されると外被が風船のように膨らみ、それにより回転対称な輪郭が形成される。空気がチャンバから導出されると、外被はコアの輪郭に実質的に対応する輪郭を得る。
【0003】
スイス国特許発明第329193号明細書には、マッサージの目的で圧力パルスによって壁を部分的に湾曲させる気密の中空体を備えたマッサージ装置が記載されている。
【0004】
このような装置には、利用者が長さと形状を個別に適合させることができないという欠点がある。さらに、空気で満たされた若しくは膨らまされた外被は、中実体で作られた装置と比べて比較的大きく撓む。さらに、このような解決策では、使用中にバイブレータが意図せずに排気されるのを阻止するバルブを配置する必要がある。これは、バイブレータの複雑さを増大させ、製造と、場合によっては必要になる修理の両方でコストを増加させる。さらには、バルブが完全に密でないため、時間の経過とともに空気が意図せずに漏れて、装置が使用に適した風船状の形状を維持できなくなる。
【0005】
さらに、独国実用新案第202017001116号明細書には、粒状体が充填された気密な外皮を備えた、シャフトのないディルドが記載される。ディルド内の負圧により性的刺激のための十分な硬さが得られる。負圧で作動するこのような解決策でも、使用中に負圧が、したがってディルドの形状と剛性が時間の経過とともに失われるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
利用者が長さ、円周、形状を変えることができるマッサージ装置も知られている。このマッサージ装置は、温度感受性を有する中実材料であるサーモポリエステル素材からなる中実体を備え、これをシリコーン外被が包囲する。マッサージ装置は、比較的長い時間熱湯で温められ、続いてその長さ、円周、及び形状を個別に変えることができる。変形したマッサージ装置が少なくともある程度の利用時間の間、その形状を維持するためには、続いて冷水でしばらく冷やす必要がある。
【0007】
しかし、このマッサージ装置は重大な欠点を有する。マッサージ装置は、いくらかの準備時間の後に初めて使用可能になる。さらに、マッサージ装置は時間の経過とともに、利用者が意図した形状、長さ、及び円周を失う。
【0008】
したがって、本発明の課題は、既存の解決策の欠点を低減又は解消するマッサージ装置、マッサージ装置を製造する方法、及びマッサージ装置を使用する方法を提供することである。さらに、本発明の課題は、長さ、円周及び/又は形状を短時間で変えることができ、時間が経っても設定された所望の長さ、円周及び/又は形状を失わないマッサージ装置、マッサージ装置を製造する方法及びマッサージ装置を使用する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の課題は、請求項1に記載の肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置により解決される。
【0010】
マッサージ装置は、シャフト状コアと、シャフト状コアが少なくとも部分的に内側に配置される外被と、シャフト状コアと外被との間に形成されたチャンバとを備える。チャンバに多数の充填体が入っている。充填体は、充填体の互いに対する、及びシャフト状コアに対する、及び外被に対する配置に応じて外被に可変の形状を与える。
【0011】
シャフト状コアを棒状に形成することができる。シャフト状コアは円筒状及び/又は凹状及び/又は凸状の部分を有することができる。殊に、シャフト状コアが中実体である。中実体には、特に中空空間がない。シャフト状コアを中空体として形成することもできる。このような中空体は、開口を介してアクセスできる中空空間を含む。中空空間は、開口からコアの内部にコアの端部まで延びる。さらに、コア壁の内面が中空空間を画定する。コア壁は、変化することができる壁厚を有する。
【0012】
中空体として形成されたシャフト状コアを、例えば、中空空間内に振動手段、特に振動モータを収容するように形成することができる。特に、コア壁の内面は、振動手段を力結合的及び/又は形状結合的及び/又は材料結合的に収容するように形成することができる。特に、コア壁の内面は、力結合的及び/又は形状結合的接続のために湾曲した形、特に凸状に延びることができ、それにより中空空間が先細りの断面を有する。さらに、コア壁の内面は、力結合的及び/又は形状結合的接続のために、コア壁の内面から中空空間内に延びる凸部、特にリング状凸部を有することができ、これはコア壁の内面から中空空間内に延びる。コア壁の内面は、力結合的及び/又は形状結合的接続のために、好ましくは、溝、特にリング状の溝も有することができ、これはコア壁の内面からコア壁の外面の方向に延びる。
【0013】
外被は、殊に風船状に形成される。外被は、特に外被の開口を通してアクセスできる中空空間を画定する。シャフト状コアは、少なくとも部分的に外被の内側に配置される。シャフト状コアが外被の内側の中空空間に完全に配置されることが好ましい場合がある。
【0014】
外被厚さは、特に、中空体として形成されたシャフト状コアのコア壁の壁厚よりも小さい。外被厚さは、多数の充填体の互いに対する、及びシャフト状コアに対する、及び外被に対する配置に応じて変化し得る。
【0015】
多数の充填体のうちの1つの充填体は、例えば、球状又は自由形状に形成されている。特に、多数の充填体のうちの1つの充填体は、ビーズ状又はチップ状に形成されている。さらに、多数の充填体のうちの1つの充填体が三脚状に形成されることが好ましい場合がある。殊に、多数の充填体の個々の充填体は同一に形成されている。多数の充填体が、様々に形成された充填体を含むことも好ましい場合がある。例えば、多数の充填体は、特に球状及び/又はチップ状及び/又は自由形状及び/又は三脚状に形成された充填体を含むことができる。
【0016】
多数の個々の充填体のうちの1つの充填体は、特に、少なくとも0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm又は3mm、並びに/或いは最大0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm又は5mmの延在を有する。殊に、多数の個々の充填体のうちの複数の充填体が同じ延在を有することが好ましい。多数の個々の充填体のうちの複数の充填体が異なる形の延在を有することが好ましい場合がある。多数の個々の充填体のうちの複数の充填体が同一に形成されていることが好ましい。
【0017】
シャフト状コア及び/又は外被は、殊にハウジングに接続される。ハウジングは特にグリップ部として形成されている。
【0018】
このようなマッサージ装置は、外被とシャフト状コアとの間のチャンバに配置された多数の充填体により、マッサージ装置の長さ、円周及び/又は形状を短時間で任意に変化させることができるという利点を有する。さらに、多数の充填体は、設定された長さ、円周及び/又は形状が漏れ又は材料の可逆的な挙動によって時間が経つと失われるということがないという利点を有する。
【0019】
マッサージ装置の好ましい実施形態によれば、チャンバは、第1の状態において第1のチャンバ容積を有し、第2の状態において第2のチャンバ容積を有するチャンバ容積を有し、チャンバ容積は、第1の状態と第2の状態との間で変化可能であり、第2のチャンバ容積は、第1のチャンバ容積より大きい。
【0020】
殊に、第1のチャンバ容積は、多数の充填体の互いに対する、シャフト状コアに対する、及び外被に対する配置に依存する。第1のチャンバ容積は、多数の充填体の互いに対する、シャフト状コアに対する、及び外被に対する配置に応じて変化し得る。第2のチャンバ容積は、特に多数の充填体の互いに対する、シャフト状コアに対する、及び外被に対する配置に依存しない。
【0021】
外被厚さはチャンバ容積に応じて変化し得る。特に、第1の状態にある外被の外被厚さは、第2の状態にある外被の外被厚より厚い。外被の外被厚さは、第1の状態において、殊に少なくとも0.25mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm又は5mm、並びに/或いは最大1mm、2mm、3mm、4mm又は5mmである。外被の外被厚さは、第1の状態において、殊に少なくとも0.25mm、0.5mm、1mm、2mm、3mm、4mm又は5mm、並びに/或いは最大1mm、2mm、3mm、4mm又は5mmである。
【0022】
この実施形態は、マッサージ装置の長さ、円周及び/又は形状を、特に簡単に短時間で任意に変えることができるという利点を有する。
【0023】
マッサージ装置の好ましい実施形態によれば、チャンバ容積が第1のチャンバ容積より大きい場合に、多数の充填体がチャンバ内で自由に移動可能、及び/又は任意に配置可能であり、並びに/或いはチャンバ容積が第1のチャンバ容積に等しい場合に、多数の充填体が外被とコアとの間でチャンバ内に実質的に固定配置される。
【0024】
この実施形態は、マッサージ装置の長さ、円周及び/又は形状を、特に簡単に短時間で任意に変えることができるという利点を有する。
【0025】
マッサージ装置の好ましい発展形態によれば、外被はシャフト状コアに接続され、それにより多数の充填体がチャンバ内に離脱不可能に(unverlierbar)配置される。
【0026】
殊に、外被及びシャフト状コアは、少なくとも部分的に力結合的及び/又は形状結合的に互いに接続される。特に、外被は内面に及び/又はシャフト状コアは外面に接続凸部及び/又は接続凹部を備えている。特に、シャフト状のコア及び/又は外被は、周方向のリング状取付溝を備える。さらに、シャフト状コア及び/又は外被は、好ましくは1つの周方向のリング状取付凸部を備える。さらに、シャフト状コア及び/又は外被が接着接続されることが好ましい場合がある。
【0027】
殊に、外被とシャフト状コアは互いに密に接続されている。シャフト状コアと密に接続された外被は、流体媒体、例えば液体又は気体媒体、例えば空気がシャフト状コアと外被との間でチャンバに入り込むことを防ぐ。
【0028】
この実施形態は、チャンバが周囲に対して気密に閉鎖されていない場合も、利用者により設定されたマッサージ装置の形状が維持されるという利点を有する。
【0029】
マッサージ装置の別の好ましい実施形態では、外被は伸張可能な外被である。
【0030】
マッサージ装置のさらに好ましい発展形態によれば、ポンプ動作において、チャンバ容積が第1のチャンバ容積から第2のチャンバ容積まで変化可能であり、流体媒体がチャンバ内へ移送され、及び/又は排出動作において、チャンバ容積が第2のチャンバ容積から第1のチャンバ容積まで変化可能であり、流体媒体がチャンバから外へ移送される。
【0031】
特に、ポンプ動作において、マッサージ装置の所望の形状及び長さを設定するために、チャンバ内にマッサージ装置の周囲と比べて高い正圧が存在するようにチャンバに流体媒体が充填される。排出動作において(Entleerungsbetrieb)チャンバが空にされる(entleert)場合、チャンバは特に周囲の圧力に相当する圧力を有する。殊に、排出動作において、周囲の圧力と比べて低い負圧がチャンバ内に生じることのないように、チャンバが空にされることが企図される。
【0032】
殊に、流体媒体は空気である。
【0033】
この実施形態は、マッサージ装置の長さ、円周及び/又は形状を、特にユーザフレンドリに短時間で任意に変えることができるという利点を有する。
【0034】
マッサージ装置のさらに好ましい発展形態によれば、ポンプ動作において、チャンバに移送される流体媒体の量に応じて外被が伸張することによってチャンバ容積が増加し、及び/又は排出動作において、外被が収縮することによって流体媒体がチャンバから移送される。特に、ポンプ動作において、チャンバ容積は、チャンバに移送される流体媒体の質量の量に応じて外被が伸張することによって増加する。殊に、ポンプ動作において、チャンバ容積は、チャンバに移送される流体媒体の体積の量に応じて外被が伸張することによって増加する。
【0035】
この実施形態は、特に、チャンバを空にするためにポンプを必要としないという利点を有する。これは、マッサージ装置の複雑さ低減し、その限りで、その製造コストと運転コストの両方を有利にも低減する。
【0036】
殊に、ポンプ動作において、空気は周囲からチャンバに移送され、及び/又は排出動作において、空気はチャンバから周囲へ移送される。流体媒体として空気を使用する実施形態は、特に安価である。このような実施形態では、特に、チャンバとの対応する接続部を有する流体媒体のための貯蔵器を設ける、及び保守する必要がない。
【0037】
別の好ましい実施形態によれば、コア及び/又は多数の充填体は、互いに対する、及びコアに対する、及び外被に対する配置に応じて内容積を画定し、非伸張状態の外被は、内容積より小さい外被容積を画定する。
【0038】
外被が非伸張状態であるとき、シャフト状コア及び/又は複多数の充填体は、特に外被の内側に配置されていない。シャフト状コアのみが少なくとも部分的に外被の内側に配置されている場合、外被は非伸張状態であることもできる。シャフト状コアと、少なくとも部分的に、多数の充填体も外被内に配置されている場合、外被は、特に伸張状態であることができる。
【0039】
この実施形態は、特に、チャンバを空にするためにポンプを必要としないという利点を有する。さらに、この実施形態は、第1の状態において設定されたマッサージ装置若しくは外被の形状及び/又は長さ及び/又は輪郭が、時間が経っても、特に使用中に失われないという利点を有する。
【0040】
別の好ましい実施形態によれば、外被及び/又はシャフト状コアはシリコーンを有し、並びに/或いは多数の充填体はポリマーを有する。
【0041】
マッサージ装置のこの好ましい実施形態は、特に身体適合性(koerpervertraeglich)であるという利点を有する。さらに、このように形成されたマッサージ装置は容易に清掃できる。特に、シリコーンを含むマッサージ装置は、特に有利にも、使用される身体部位にぴったりと適合する。さらに、マッサージ装置のこの実施形態の利点は、多数の充填体が特に適切なマッサージ適用を可能にするということである。
【0042】
さらに好ましい発展形態によれば、マッサージ装置は、振動手段であって、殊にコア内に配置されている振動手段、特に振動モータ、及び/又はポンプ動作において、流体媒体をチャンバに搬送するためのポンプ、及び/又は流体媒体を移送するための管路を備え、管路がポンプをチャンバに接続し、管路は特に複数個構成(mehrteilig)である。
【0043】
複数個構成の管路は、特に、それぞれが管路(Kanal)の一部分若しくは一区分を形成する少なくとも1つ又は複数のライン要素(Leitungselement)を有する。特に、シャフト状コアは、複数個構成の管路の複数部分若しくは複数区分を形成することができケーブル区分若しくはライン要素はコアの中空空間を、コアと外被との間に形成されたチャンバと接続する。
【0044】
別の好ましい実施形態によれば、マッサージ装置は、ポンプとチャンバとの間に配置され、特に管路内に配置され、かつポンプ動作における流体供給位置と排出動作における排出位置のいずれかに切替可能なバルブを備え、流体供給位置において、ポンプにより吐出される流体媒体がチャンバに移送され、排出位置において、流体媒体がチャンバから移送される。
【0045】
第1のライン要素がポンプを切替可能なバルブに結合することが好ましい場合がある。さらに、第2のライン要素が切替可能なバルブを、中空体として形成されたコアの中空空間と結合することが好ましい場合がある。
【0046】
別の好ましい発展形態によれば、マッサージ装置は、マッサージ装置を制御するための制御ユニットであって、マッサージ装置を静止モードと動作モードのいずれかに切り替えるように形成されている、制御ユニットを備え、静止モードにおいて、振動手段及び/又はポンプがオフに切り替えられるか、又は待機に切り替えられ、動作モードにおいて、制御ユニットが、ポンプがオンに切り替えられ、流体媒体がチャンバに搬送されるポンプ動作、及び/又は、ポンプがオフに切り替えられ、流体媒体がチャンバから移送される排出動作、及び/又は振動手段がオンに切り替えられ、コアが振動するように励起される振動動作、のいずれかに切り替えるように形成されている。
【0047】
さらに好ましい実施形態では、マッサージ装置はエネルギー源を備え、エネルギー源が、特に、振動手段及び/又はポンプ及び/又は切替可能なバルブ及び/又は制御ユニットのために電気エネルギーを提供するバッテリである。バッテリは、例えばリチウムイオンバッテリである。さらに、エネルギー源が再充電可能なバッテリ若しくはアキュムレータであることも好ましい場合がある。
【0048】
この好ましい実施形態は、マッサージ装置をケーブルなしで使用できるという利点を有する。
【0049】
さらに好ましい発展形態によれば、マッサージ装置は、マッサージ装置を保持するための、特にグリップ部を有するハウジングを備え、シャフト状コア及び/又は外被は、殊にハウジング、特にグリップ部に接続される。
【0050】
特に、ハウジング内には振動手段、ポンプ、切替可能なバルブ、制御ユニット、及び/又はエネルギー源が配置される。殊に、マッサージ装置、特にグリップ部は、ポンプ動作をオンに切り替えるためのスイッチ、排出動作をオンに切り替えるためのスイッチ、及び振動動作をオンに切り替えるためのスイッチを有する。好ましくは、少なくとも1つのスイッチ、殊にすべてのスイッチが制御ユニットに接続される。
【0051】
このようにして、マッサージ装置は、使用中に特に有利に操作することができる。
【0052】
別の好ましい実施形態によれば、マッサージ装置のハウジングが空気通過開口を有し、この通気開口を通って、空気として形成された流体媒体がマッサージ装置の周囲からチャンバの方向に、及び/又はチャンバから周囲の方向に流れることができる。
【0053】
特に、ポンプ動作において、空気として形成された流体媒体を、ポンプによってマッサージ装置の周囲から空気通過開口を通して吸引して、チャンバに搬送することができる。さらに、排出動作において、空気として形成された流体媒体がチャンバから空気通過開口を通って周囲へ搬送されることが好ましい。特に、空気通過開口は管路の一部分若しくは一区分である。
【0054】
この好ましい実施形態は、マッサージ装置の特に簡単かつ安価な動作を可能にする。特に、マッサージ装置の周囲からの空気、すなわち、普通の周囲空気又は室内空気を、ポンプ動作において特に有利に利用でき、追加の貯蔵器又はそれに類するものを用いることなしに空気をチャンバに搬送でき、並びに排出動作において、特別なフィルタ及び/又は清掃装置を用いることなしに空気をチャンバから周囲へ搬送できる。その限りで、この実施形態は、特に、マッサージ装置の特にコンパクトでハンディな形式を可能にする。
【0055】
本発明の別の態様によれば、本発明の課題は、さらに、請求項16に記載の肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置を製造する方法によって解決される。
【0056】
肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置、特に本発明の第1の態様又は上述の好ましい実施形態の1つによる形状変化マッサージ装置を製造する方法は、以下の工程、すなわち、
-外被及びシャフト状コアを提供する工程、及び/又は
-シャフト状コアを少なくとも部分的に外被の内側に配置する工程、及び/又は
-外被に多数の充填体を充填する工程、及び/又は
-シャフト状コアに外被を取り付ける工程であって、それにより外被がシャフト状コアを少なくとも部分的に包囲し、多数の充填体がシャフト状コアと外被との間でチャンバ内に離脱不可能に配置される、取り付ける工程、
を包含する。
【0057】
別の態様によれば、冒頭で述べた課題は、請求項16に記載の肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置を変形させる方法によって解決される。
【0058】
肉体的刺激のための形状変化マッサージ装置、特に本発明の第1の態様又は上述の好ましい実施形態の1つによる形状変化マッサージ装置を変形させる方法は、以下の工程、すなわち、
-マッサージ装置をオンに切り替え、静止モードから、ポンプがオンに切り替えられる動作モードのポンプ動作にする工程、並びに
-ポンプ動作において、流体媒体を外被とシャフト状コアとの間のチャンバ内へ搬送する工程、並びに
-多数の充填体を所望のポジション、位置及び/又は形状でチャンバ内に配置する及び保持する工程、並びに
-動作モードをポンプ動作から排出動作に切り替える工程、並びに
-排出動作において、流体媒体をチャンバから移送することによってチャンバを空にする工程、並びに/或いは
-動作モードを、振動手段がオンに切り替えられる振動動作に切り替える工程、並びに
-シャフト状コアを振動手段によって励起して振動させる工程、並びに/或いは
-マッサージ装置をオフに切り替え、動作モードから静止モードにする工程、
を包含する。
【0059】
これらの両方の別の態様の利点、実施形態、実施の詳細、及びそれらの可能な発展形態については、補足的にマッサージ装置の対応する特徴についての上記の説明も参照されたい。
【0060】
本発明の好ましい実施形態を、添付の図面をもとにして例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1】マッサージ装置の好ましい実施形態の概略断面図である。
図2】第2の動作状態にある図1のマッサージ装置の別の概略断面図である。
図3】第3の動作状態にある図1のマッサージ装置の別の概略断面図である。
図4a】多数の充填体の好ましい実施形態の概略図である。
図4b】多数の充填体の好ましい実施形態の概略図である。
図4c】多数の充填体の好ましい実施形態の概略図である。
図5】マッサージ装置の好ましい実施形態の概略ブロック図である。
図6】マッサージ装置を製造する方法の例示的な工程を示す概略フローチャートである。
図7】マッサージ装置を変形させる方法の例示的な工程を示す概略フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0062】
図1図3に好ましい実施形態で概略的に示されるマッサージ装置1は、シャフト状コア10と外被20を備え、シャフト状コア10が完全に外被の内側に配置されている。シャフト状コア10と外被20との間にはチャンバ30が形成されている。チャンバ内には多数の充填体40が配置されている。シャフト状コア10と外被20の両方が殊にシリコーンを有する。
【0063】
シャフト状コア10は外被20に接続されている。このために、シャフト状コア10は外面に周方向溝を有する。周方向溝は、特にリング状の周方向溝として形成される。外被20は内面に、対をなすものとして周方向接続凸部21を有している。周方向接続凸部21は、特にリング状に周方向に延びる接続凸部として形成されている。この外被20により形成された接続凸部は、シャフト状コア10に形成された溝11に力結合的及び形状結合的に係合する。外被20及びシャフト状コア10は、補足的又は代替的に、互いに接着接続されることが好ましい場合がある。特に、外被20とシャフト状コア10は、溝11及び空所21の領域で互いに接着接続されてもよい。この種類の接続は、多数の充填体40が外被20とシャフト状コア10との間のチャンバ30に離脱不可能に配置されるという利点を有する。
【0064】
シャフト状コア10は中空体として形成されている。中空体であるシャフト状コア10は、開口から長手方向にシャフト状コア10の内部をシャフト状コア10の上端14まで延びる中空空間12を画定する。シャフト状コア10内に振動モータ50が配置されている。これは、シャフト状コア10を振動するように励起できるという利点がある。振動モータ50は、シャフト状コア10の中空空間に上端14まで挿入されている。ここに示される好ましい実施形態では、振動モータ50は、シャフト状コア10の内面と機械的に、特に力結合的及び/又は材料結合的に結合される。しかし、補足的又は代替的に、振動モータ50がシャフト状コア10の内面に機械的に結合されることも好ましい場合がある。モータ50は、特に、シャフト状コアを振動するように励起する。
【0065】
この好ましい実施形態では複数個構成である管路70がチャンバ30をポンプ60に接続する。複数個構成の管路70の各部分がシャフト状コア10の中空空間12から半径方向に、長手方向に対して実質的に直交して延びる。管路70のこれらの部分は、チャンバ30をシャフト状コア10の中空空間12と接続する。中空体として形成されたシャフト状コア10の開口13から複数個構成の管路70の第1のライン要素71がさらに配置されている。管路の第1のライン要素71にバルブ80が接続される。バルブ80はまた、複数個構成の管路70の別の第2のライン要素72を介してポンプ60と接続されている。第1及び第2のライン要素71、72は、特に第1及び第2の管チューブ71、72として形成された管部分である。チャネル70は、流体媒体をポンプ60からチャンバ30に移送するように形成されている。ポンプ60は、ポンプ動作において流体媒体をチャンバ30に搬送するように形成されている。このために、切替可能なバルブ80がポンプ動作において流体供給位置に切り替えられ、それによりポンプ60により吐出される流体媒体がチャンバ30に移送される。切替可能なバルブ80を排出位置に切り替えることができ、それにより流体媒体をバルブ80を介してチャンバから逃すことができる。
【0066】
マッサージ装置1のこの好ましい実施形態では、振動モータ50、バルブ80、及びポンプ60はエネルギー源(100、図1~3には図示せず)に接続されている。
【0067】
図1及び図3は、第1のチャンバ容積K1を有する第1の状態にある概略的に示されるマッサージ装置1の好ましい実施形態を示す。図1に示される第1のチャンバ容積K1は、図3に示される第1のチャンバ容積K1とは異なる。これは、第1のチャンバ容積K1が、多数の充填体の互いに対する、シャフト状コアに対する、及び外被に対する配置に依存するためである。図2は、第2のチャンバ容積K2を有する第2の状態にある概略的に示されるマッサージ装置1の好ましい実施形態を示す。第2のチャンバ容積K2は、図1又は図3に示される第1のチャンバ容積K1より大きい。この第2の状態では、利用者は、有利にも充填体を任意のポジション、形状及び位置に位置付けることができる。例えば、図1に示される多数の充填体のリング状の配置から、図3に示されるように、第2の状態において充填体を片側のみに位置付けることができる。
【0068】
図4a~図4cは、チャンバ30内に配置することができる多数の充填体40のうちの複数の充填体40の好ましい実施形態を概略的に示す。図4aは、三脚状に形成された充填体を示す。図4bは、チップ状に形成された充填体40を示す。図4cは、球状に形成された充填体40を示す。多数の充填体40のうちの充填体40は、ポリマーを有することが好ましい。図1図3において、充填体40は、ビーズ状の充填体40として同様に形成されている。
【0069】
図5は、マッサージ装置1を概略的に示す。この好ましい実施形態では、マッサージ装置1は、外被20内に配置された中空体として形成されたシャフト状コア10を備えている。シャフト状コア10と外被20との間には、多数の充填体40が配置されている。シャフト状コア10と外被20は互いに接続され、これによりチャンバ内に配置された充填体40も離脱不可能に配置される。特に、シャフト状コア10と外被20は互いに密に接続され、それによりポンプ動作中にシャフト状コア10と外被20との間のチャンバから流体媒体が漏れることはない。
【0070】
シャフト状コア10は、管路70(図示せず)を介してポンプ60に接続されている。管路70には、切替可能なバルブ80が配置されている。ポンプ60と切替可能なバルブ80は、制御ユニット90に信号技術的に接続されている。さらに、モータ50は、制御部90に信号技術的に接続されている。この好ましい実施形態では、3.7Vのリチウムイオンバッテリがエネルギー源として用いられる。しかし、他のエネルギー源100も考えられる。バッテリ100は、モータ50、ポンプ60及び切替可能なバルブ80にエネルギーを供給する。さらに、エネルギー源100は、制御ユニット90にエネルギーを供給する。モータ50、ポンプ60、及び切替可能なバルブ80は、制御ユニットを介してエネルギー源50とエネルギー技術的に接続されている。
【0071】
制御ユニット90は、マッサージ装置1を制御するように形成されている。特に、制御ユニット90は、振動手段50、ポンプ60、及び切替可能なバルブ80を制御するように形成されている。マッサージ装置1は、制御ユニット90により静止モードと動作モードのいずれかに切り替えることができる。静止モードにおいて、振動手段50及び/又はポンプ60がオフに切り替えられるか、或いは待機に切り替えられる。このために、マッサージ装置1は、対応するスイッチ(図示せず)を有することができる。動作モードにおいて、制御ユニット90は、ポンプ動作、排出動作、及び振動動作のいずれかに切り替えるように形成されている。ポンプモードにおいて、ポンプ50がオンに切り替えられるか、若しくは切り替えられている場合、流体媒体がチャンバ30に移送される。ポンプ50のスイッチがオフに切り替えられる、若しくは切り替えられている排出動作において、流体媒体がチャンバ30から外へ移送される。振動手段50がオンに切り替えられる、若しくは切り替えられている振動動作において、コア10が振動するように励起される。このために、マッサージ装置1、特にグリップ部は、ポンプ動作をオンに切り替えるためのスイッチ91、排出動作をオンに切り替えるためのスイッチ92、及び振動動作をオンに切り替えるためのスイッチ93を有し、これらのスイッチ91、92、93は、グリップ部に配置され、制御ユニット90に信号技術的に接続されている。
【0072】
さらに、切替可能なバルブ80は、ポンプ動作における流体供給位置と排出動作における排出位置のいずれかに切り替え可能である。流体供給位置において、ポンプ50により吐出される流体媒体がチャンバ30に移送される。排出位置において、流体媒体がチャンバ30の外へ移送される。
【0073】
有利には、流体媒体は、排出位置において、外被20が収縮することによってもたらされる。これは、ポンプ動作において、チャンバ30に移送される流体媒体に応じて外被20が伸張することによりチャンバ容積が増加し、排出動作において、外被20が収縮することによって流体媒体がチャンバ30から移送される結果として生じる。この効果は、好ましくは、非伸張状態の外被20が、コア10及び/又は多数の充填体40が互いに対する、及びコア10に対する、及び外被20に対する配置に応じて画定する内容積より小さい外被容積を画定する場合に強化される。
【0074】
図1図3及び図5に示されるマッサージ装置の好ましい実施形態では、好ましくは、ポンプ動作において、空気が周囲Uからチャンバに移送され、排出動作において、空気がバルブを介してチャンバから周囲Uへ移送されることが企図されている。このために、マッサージ装置は、図1図3に示されるようにハウジング、特にグリップ部に空気通過開口3を有することができる。これは、マッサージ装置の周囲Uからの空気、すなわち普通の周囲空気若しくは室内空気がポンプ動作において利用され、追加の貯蔵器又はそれに類するものを用いることなしに空気をチャンバ30に搬送できることを可能にする。さらに、空気通過開口3は、排出動作において、特別なフィルタ及び/又は洗浄装置を用いることなしに空気をチャンバ30から周囲Uへ搬送できることを可能にする。
【0075】
図6は、マッサージ装置を製造する方法200の好ましい実施形態の工程を例示的に示す概略フローチャートである。
【0076】
マッサージ装置を製造する方法200は、外被20及びシャフト状コア10を提供する210工程を包含する。この好ましい実施形態では、続いて、シャフト状コア10を外被20内に少なくとも部分的に配置する220工程が企図されている。その次に、外被20に多数の充填体40を充填する230工程が続く。或いは、最初に、外被20に多数の充填体40を充填する230工程、続いてシャフト状コア10を外被20内に少なくとも部分的に配置する220工程を企図することができる。続いて、外被20をシャフト状コア10に取り付ける240工程が好ましく、それにより、外被20がシャフト状コア10を少なくとも部分的に包囲し、シャフト状コア10と外被20との間で多数の充填体40がチャンバ30内に離脱不可能に配置される。
【0077】
図7は、マッサージ装置を変形させる方法300の好ましい実施形態の例示的な工程を示す概略フローチャートである。
【0078】
マッサージ装置を変形させる方法300は、マッサージ装置1を、静止モードから、ポンプ60がオンに切り替えられる動作モードのポンプ動作にする310工程を包含する。この好ましい実施形態では、オンに切り替える310工程の後に、ポンプ動作において流体媒体を外被20とシャフト状コア10との間のチャンバ30内へ搬送する320ことが続く。続いて、多数の充填体40を所望のポジション、位置及び/又は形状でチャンバ30内に配置する330及び保持することが好ましい。次に、動作モードをポンプ動作から排出動作へ切り替える340ことが続くことができる。排出動作において、チャンバ30を空にする350工程が、流体媒体をチャンバ30から外へ移送することによって行われる。殊に、動作モードを、振動手段50がオンに切り替えられる振動モードに切り替える360工程、及びシャフト状コア10を振動手段50によって励起して振動させる370工程が企図されている。マッサージ装置を変形させる方法300は、マッサージ装置1をオフに切り替え380、動作モードから静止モードにする工程によって終了することができる。
【符号の説明】
【0079】
1 マッサージ装置
2 ハウジング
3 空気通過開口
10 コア
11 周方向溝
12 シャフト状コアの中空空間
13 中空体の開口
14 上端
20 外被
21 周方向凹部
30 チャンバ
40 充填体
50 振動手段
60 ポンプ
70 管路
71 第1のライン要素
72 第2のライン要素
80 バルブ
90 制御ユニット
91 ポンプ動作をオンに切り替えるためのスイッチ
92 排出動作をオンに切り替えるためのスイッチ
93 振動動作をオンに切り替えるためのスイッチ
100 エネルギー源
K1 第1のチャンバ容積
K2 第2のチャンバ容積
U 周囲
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
【国際調査報告】