(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】光増幅装置および光増幅装置を含むモード分割多重システム
(51)【国際特許分類】
H01S 3/10 20060101AFI20231211BHJP
H04B 10/291 20130101ALI20231211BHJP
H04B 10/2581 20130101ALI20231211BHJP
H04J 14/04 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H01S3/10 D
H04B10/291
H04B10/2581
H04J14/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535591
(86)(22)【出願日】2021-12-10
(85)【翻訳文提出日】2023-07-12
(86)【国際出願番号】 CN2021137097
(87)【国際公開番号】W WO2022122016
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202011442785.X
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】郭 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲鋭▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 志群
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 涛
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲亞▼平
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 林
【テーマコード(参考)】
5F172
5K102
【Fターム(参考)】
5F172AE13
5F172AF03
5F172AM01
5F172AM08
5F172BB02
5F172BB13
5F172BB18
5K102AA55
5K102AD01
5K102PA11
5K102PH13
5K102PH48
(57)【要約】
本出願の実施形態は、光増幅装置および光増幅装置を含むモード分割多重システムを開示し、光通信分野に関し、モード分割多重光伝送システムに適用される。光増幅装置は、第1の光増幅器と、第2の光増幅器と、モード交換器とを含む。第1の光増幅器はモード交換器の入力ポートに接続され、第2の光増幅器はモード交換器の出力ポートに接続される。第1の光増幅器は、フューモードファイバの複数の伝送モードで搬送される光信号を増幅するように構成され、フューモードファイバの複数の伝送モードはN個のグループにグループ化されてもよく、各グループは2つの伝送モードを含み、Nは1以上の正の整数である。モード交換器は、各グループにおいて光信号を搬送する2つの伝送モードを交換するように構成される。第2の光増幅器は、各グループ内の2つの伝送モードで搬送され、モードが交換された光信号を増幅するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光増幅装置であって、前記光増幅装置は、第1の光増幅器と、第2の光増幅器と、モード交換器と、を備え、
前記第1の光増幅器は前記モード交換器の入力ポートに接続され、前記第2の光増幅器は前記モード交換器の出力ポートに接続され、
前記第1の光増幅器は、フューモードファイバの複数の伝送モードで搬送される光信号を増幅するように構成され、前記フューモードファイバの前記複数の伝送モードは、N個のグループにグループ化され得、各グループは2つの伝送モードを含み、Nは1以上の正の整数であり、
前記モード交換器は、各グループにおいて光信号を搬送する前記2つの伝送モードを交換するように構成され、
前記第2の光増幅器は、各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送され、モードが交換された前記光信号を増幅するように構成される、光増幅装置。
【請求項2】
各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送された前記光信号が前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器によって増幅された後、各光信号の利得値と利得閾値との間の偏差が5%以内に入る、請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項3】
各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送された前記光信号が前記第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する前記光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度を超えない、請求項1に記載の光増幅装置。
【請求項4】
各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送された前記光信号が前記第1の光増幅器によって増幅された後、前記光信号の前記利得の前記合計は前記目標利得値に等しい、請求項3に記載の光増幅装置。
【請求項5】
伝送モードで搬送された光信号が前記第1の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値が、同じ伝送モードで搬送された前記光信号が前記第2の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値と同じである、請求項3または4に記載の光増幅装置。
【請求項6】
前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器がそれぞれ、フューモードエルビウムドープファイバを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の光増幅装置。
【請求項7】
Nが1に等しいとき、前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器のそれぞれのエルビウムイオンドーピング方式は均一ドーピングである、請求項6に記載の光増幅装置。
【請求項8】
Nが1より大きいとき、前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器の少なくとも一方のエルビウムイオンドーピング方式は層状ドーピングである、請求項6に記載の光増幅装置。
【請求項9】
前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器がそれぞれ、少なくとも1つの励起レーザを備える、請求項8に記載の光増幅装置。
【請求項10】
前記第1の光増幅器が第1の励起レーザおよび第2の励起レーザを備え、前記第2の光増幅器が第3の励起レーザおよび第4の励起レーザを備え、
前記第1の励起レーザは、前記第1の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、前記第2の励起レーザは、前記第1の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続され、
前記第3の励起レーザは、前記第2の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、前記第4の励起レーザは、前記第2の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続される、請求項9に記載の光増幅装置。
【請求項11】
モード分割多重システムであって、前記モード分割多重システムは、シングルモード送信機モジュールと、シングルモード受信機モジュールと、モードマルチプレクサと、モードデマルチプレクサと、少なくとも1つのフューモードファイバと、少なくとも1つの光増幅装置と、を備え、
前記シングルモード送信機モジュールは前記モードマルチプレクサの入力ポートに接続され、前記モードマルチプレクサの出力ポートは前記フューモードファイバを介して前記モードデマルチプレクサの入力ポートに接続され、前記モードデマルチプレクサの出力ポートは前記シングルモード受信機モジュールに接続され、前記光増幅装置はフューモードファイバ間に接続され、
前記シングルモード送信機モジュールは、波長分割多重信号の複数のパスを生成し、前記波長分割多重信号の複数のパスを前記モードマルチプレクサに送信するように構成され、
前記モードマルチプレクサは、前記波長分割多重信号の複数のパスを処理し、前記波長分割多重信号の複数のパスに基づいて1つの信号のパスを生成するように構成され、前記信号のパスは、複数の伝送モードで搬送される複数の光信号を含み、
前記光増幅装置は、第1の光増幅器と、第2の光増幅器と、モード交換器と、を備え、
前記第1の光増幅器は前記モード交換器の入力ポートに接続され、前記第2の光増幅器は前記モード交換器の出力ポートに接続され、
前記第1の光増幅器は、前記フューモードファイバの複数の伝送モードで搬送される光信号を増幅するように構成され、前記フューモードファイバの前記複数の伝送モードは、N個のグループにグループ化され得、各グループは2つの伝送モードを含み、Nは1以上の正の整数であり、
前記モード交換器は、各グループにおいて光信号を搬送する前記2つの伝送モードを交換するように構成され、
前記第2の光増幅器は、各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送され、モードが交換された前記光信号を増幅するように構成され、
前記モードデマルチプレクサは、受信対象信号の複数のパスを取得するために、前記フューモードファイバ上の1つの信号のパスに対応する複数の伝送モードを分離するように構成され、
前記シングルモード受信機モジュールは、前記受信対象信号の複数のパスを受信し、前記受信対象信号の複数のパスを復調するように構成される、モード分割多重システム。
【請求項12】
前記光増幅装置において、各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送された前記光信号が前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器によって増幅された後、各光信号の利得値と利得閾値との間の偏差が5%以内に入る、請求項11に記載のモード分割多重システム。
【請求項13】
前記光増幅装置において、各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送された前記光信号が前記第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する前記光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度を超えない、請求項11に記載のモード分割多重システム。
【請求項14】
前記光増幅装置において、各グループ内の前記2つの伝送モードで搬送された前記光信号が前記第1の光増幅器によって増幅された後、前記光信号の前記利得の前記合計は前記目標利得値に等しい、請求項13に記載のモード分割多重システム。
【請求項15】
前記光増幅装置において、伝送モードで搬送された光信号が前記第1の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値が、同じ伝送モードで搬送された前記光信号が前記第2の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値と同じである、請求項13または14に記載のモード分割多重システム。
【請求項16】
前記光増幅装置において、前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器がそれぞれ、フューモードエルビウムドープファイバを備える、請求項11から15のいずれか一項に記載のモード分割多重システム。
【請求項17】
前記光増幅装置において、Nが1に等しいとき、前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器のそれぞれのエルビウムイオンドーピング方式は均一ドーピングである、請求項16に記載のモード分割多重システム。
【請求項18】
前記光増幅装置において、Nが1より大きいとき、前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器の少なくとも一方のエルビウムイオンドーピング方式は層状ドーピングである、請求項16に記載のモード分割多重システム。
【請求項19】
前記光増幅装置において、前記第1の光増幅器および前記第2の光増幅器がそれぞれ、少なくとも1つの励起レーザを備える、請求項18に記載のモード分割多重システム。
【請求項20】
前記光増幅装置において、前記第1の光増幅器が第1の励起レーザおよび第2の励起レーザを備え、前記第2の光増幅器が第3の励起レーザおよび第4の励起レーザを備え、
前記第1の励起レーザは、前記第1の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、前記第2の励起レーザは、前記第1の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続され、
前記第3の励起レーザは、前記第2の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、前記第4の励起レーザは、前記第2の光増幅器における前記フューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続される、請求項19に記載のモード分割多重システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる、2020年12月11日付で中国国家知識産権局に出願された、「OPTICAL AMPLIFICATION APPARATUS,AND MODE DIVISION MULTIPLEXING SYSTEM INCLUDING OPTICAL AMPLIFICATION APPARATUS」という名称の中国特許出願第202011442785.X号の優先権を主張するものである。
【0002】
本出願は光通信分野に関し、モード分割多重光伝送システムに適用され、特に光増幅装置および光増幅装置を含むモード分割多重システムに関する。
【背景技術】
【0003】
光ネットワークでは、光信号が十分なパワーおよび性能を有し、したがって受信機によって受信され得るように、光信号は通常、光パワー損失のために増幅される必要がある。例えば、光信号を増幅するために、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium doped fiber amplifier、EDFA)が通常使用され得る。
【0004】
実際の応用では、エルビウムドープファイバ増幅器のエルビウムイオンドーピング方式と励起モードでの光照射野分布の両方が光信号の増幅に影響を及ぼす。フューモードファイバでは、フューモードエルビウムドープファイバ増幅器に入力される複数の光信号は、異なる伝送モードを有し、異なる伝送モードに対応する光照射野、励起モードの光照射野、およびエルビウムイオンの重複度が異なる。したがって、異なる伝送モードで搬送された光信号がエルビウムドープファイバ増幅器によって増幅された後、光信号は異なる利得を有し、差動モード利得が増加する。異なる伝送モードで搬送される光信号の出力電力間の偏差を低減し、同様の信号対雑音比を維持するために差動モード利得をどのように低減するかは、解決される必要がある緊急の問題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願の実施形態は、フューモードエルビウムドープファイバ増幅器の差動モード利得を低減し、モード分割多重システムの伝送性能を改善するために、光増幅装置、および光増幅装置を含むモード分割多重システムを提供する。
【0006】
本出願の実施形態の第1の態様は光増幅装置を提供し、光増幅装置は、以下を含む。
【0007】
光増幅装置は、フューモードファイバで伝送される光信号を増幅するように構成される。具体的には、光増幅装置は、第1の光増幅器と、第2の光増幅器と、モード交換器とを含んでもよい。モード交換器は、第1の光増幅器と第2の光増幅器との間に位置し、一方のポートは第1の光増幅器の出力ポートに接続され、他方のポートは第2の光増幅器の入力ポートに接続されて直列構造を形成する。フューモードファイバにおいて光信号が伝送されるとき、第1光増幅器は、複数の光信号を受信して増幅する。複数の光信号は、複数の伝送モードで搬送される。複数の伝送モードはN個のグループにグループ化され、各グループは2つの伝送モードを含む。次いで、増幅された複数の光信号がモード交換器に入力される。モード交換器は、各グループにおいて光信号を搬送する2つの伝送モードを交換する。次いで、第2の光増幅器は、モードが交換された光信号を受信し、複数の光信号を再び増幅して、最終的に複数の光信号の利得等化を達成する。
【0008】
フューモードファイバの複数の伝送モードにおけるモードフィールド分布は異なるため、異なる伝送モードで搬送された光信号が光増幅器によって増幅された後、光信号の利得は異なる。本実施形態で提供される光増幅装置によれば、モード交換器を使用して異なる伝送モードが交換され得、その結果、2回増幅されるときに同じ光信号が2つの伝送モードで搬送される。このようにして、利得は互いに相補的である。具体的には、光信号について、第1の増幅器における光信号に対応する利得が大きい場合、光信号がモード交換器を通過した後、第2の増幅器における光信号を増幅する利得が減少する。第1の増幅器における光信号に対応する利得が小さい場合、光信号がモード交換器を通過した後、第2の増幅器における光信号を増幅する利得が増加する。このようにして、複数の光信号の相対利得等化が達成されることができ、光増幅装置の差動モード利得を低減し、モード分割多重システム全体の伝送性能を向上させることができる。
【0009】
任意選択の一実装形態では、モード交換器は、複数の伝送モードのうちの2つおきに交換する必要がある。具体的には、同じ光信号が、第1の光増幅器における伝送モードのグループ内の一方の伝送モードで搬送され、第2の光増幅器における伝送モードのグループ内の他方の伝送モードで搬送される。このように、各光信号の利得等化を実施するためには、光信号が光増幅装置によって2回増幅された後、各光信号の利得値が基本的に同じである必要がある。理想的な実装形態では、各光信号が2回増幅された後、光信号の利得の合計は利得閾値に等しい。各光信号の利得の合計は、誤差精度範囲内で変動し得ることが理解されることができる。具体的には、偏差は5%であってもよい。
【0010】
前述の実装形態では、各光信号が光増幅装置によって増幅されるとき、光信号は2回の増幅のために2つの伝送モードで連続的に搬送される。このようにして、第1の光増幅器および第2の光増幅器は、同じ利得で異なる光信号を増幅するために光増幅器のうちの1つを必要とすることなく、互いに協働し得る。代わりに、すべての光信号がほぼ等しい利得の合計を最終的に有するという条件で、2つの光増幅器はすべての光信号を2回増幅する。このようにして、各光増幅器の設計難易度が低減され、利得等化の精度が向上する。
【0011】
任意選択の一実装形態では、第1の光増幅器は、第2の光増幅器と同じであってもよい。言い換えれば、同じ伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器または第2の光増幅器によって増幅された後、同じ利得がある。この場合、各グループ内の2つの伝送モードに対応する利得値の和が目標利得値にほぼ等しくなるように、第1の光増幅器のエルビウムイオン濃度分布が設計される必要がある。誤差は依然として許容されることが理解されることができる。各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度範囲を超えない。
【0012】
フューモードファイバの複数の伝送モードはN個のグループにグループ化され得、各グループは2つの伝送モードを含み、各グループ内の2つの伝送モードに対応する利得値の合計は目標利得値にほぼ等しいことが理解されることができる。この場合、モード交換器は、各2つのグループ内の2つの光信号の伝送モードを交換し得、その結果、各光信号が2回増幅された後、利得の合計は目標利得値にほぼ等しくなる。このようにして、複数の光信号の利得等化が実施されることができる。
【0013】
任意選択の一実装形態では、第1の光増幅器では、すべての伝送モードに対応する利得値が中心対称に分布される。このようにして、最大利得および最小利得に対応する2つの伝送モードが1つのグループを形成し、2番目に大きい利得および2番目に小さい利得に対応する2つの伝送モードが1つのグループを形成する、などである。このようにして、モード交換器は、最大利得および最小利得に対応する2つの伝送モードを交換する必要があり、その結果、各光信号の2回の増幅に対応する利得値は互いに相補的になり、最終的に、すべての光信号の利得等化が実施される。
【0014】
任意選択の一実装形態では、第1の光増幅器は、第2の光増幅器と同じである。このようにして、設計難易度がさらに低減されることができ、コストが低減されることができる。
【0015】
任意選択の一実装形態では、第1の光増幅器および第2の光増幅器はそれぞれ、光信号が通過するときに放射の誘導放出が起こるように、エルビウムイオンをフューモードファイバにドープし、同時に励起光を注入してエルビウムイオンに反転分布を行うことによって光信号を増幅する能動光デバイスであってもよい。したがって、第1の光増幅器および第2の光増幅器は、それぞれフューモードエルビウムドープファイバを含む。
【0016】
任意選択の一実装形態では、フューモードファイバが2モードファイバである場合、言い換えれば、フューモードファイバが2つの伝送モードをサポートする場合、2つの伝送モードで搬送される光信号は、光増幅器によって増幅された後に対称であり、2つの伝送モードのみが交換される必要がある。したがって、第1の光増幅器および第2の光増幅器のそれぞれのエルビウムイオンドーピング方式は均一ドーピングである。
【0017】
任意選択の一実装形態では、フューモードファイバが複数の伝送モードをサポートする場合、複数の伝送モードに対応する利得値がほぼ中心対称になるように、エルビウムイオン濃度分布が設計される必要がある。このようにして、第1の光増幅器および第2の光増幅器の少なくとも一方のエルビウムイオンドーピング方式は、層状ドーピングである必要がある。
【0018】
任意選択の一実装形態では、光信号を増幅するとき、エルビウムイオンが必要とされるだけでなく、励起光がエルビウムイオンの反転を刺激するために必要とされる。したがって、第1の光増幅器および第2の光増幅器は、それぞれ少なくとも1つの励起レーザを含む必要がある。
【0019】
任意選択の一実装形態では、第1の光増幅器および第2の光増幅器はそれぞれ2つの励起レーザを含み、1つの励起レーザは光増幅器のフロントエンドに位置し、第2の励起レーザは光増幅器のバックエンドに位置する。言い換えれば、第1の光増幅器および第2の光増幅器は、双方向励起をサポートし、光増幅器の増幅性能を向上させる。
【0020】
本出願の第2の態様は、モード分割多重システムを提供する。モード分割多重システムは、
シングルモード送信機モジュール、シングルモード受信機モジュール、モードマルチプレクサ、モードデマルチプレクサ、複数のフューモードファイバ、および光増幅装置
を含む。
【0021】
シングルモード送信機モジュールはモードマルチプレクサの入力ポートに接続され、モードマルチプレクサの出力ポートは複数のフューモードファイバを介してモードデマルチプレクサの入力ポートに接続され、モードデマルチプレクサの出力ポートはシングルモード受信機モジュールに接続され、光増幅装置は複数のフューモードファイバの間に接続される。
【0022】
シングルモード送信機モジュールは、波長分割多重信号の複数のパスを生成し、波長分割多重信号の複数のパスをモード分割マルチプレクサに伝送するように構成される。
【0023】
モード分割マルチプレクサは、波長分割多重信号の複数のパスを処理し、波長分割多重信号の複数のパスに基づいて1つの信号のパスを生成するように構成される。信号のパスは、複数の伝送モードで搬送される複数の光信号を含む。
【0024】
光増幅装置は、第1の光増幅器と、第2の光増幅器と、モード交換器とを含む。
【0025】
第1の光増幅器はモード交換器の入力ポートに接続され、第2の光増幅器はモード交換器の出力ポートに接続される。
【0026】
第1の光増幅器は、フューモードファイバの複数の伝送モードで搬送される光信号を増幅するように構成され、フューモードファイバの複数の伝送モードはN個のグループにグループ化されてもよく、各グループは2つの伝送モードを含み、Nは1以上の正の整数である。
【0027】
モード交換器は、各グループにおいて光信号を搬送する2つの伝送モードを交換するように構成される。
【0028】
第2の光増幅器は、各グループ内の2つの伝送モードで搬送され、モードが交換された光信号を増幅するように構成される。
【0029】
モードデマルチプレクサは、受信対象信号の複数のパスを得るために、フューモードファイバ上の1つの信号のパスに対応する複数の伝送モードを分離するように構成される。
【0030】
シングルモード受信機モジュールは、受信対象信号の複数のパスを受信し、受信対象信号の複数のパスを復調するように構成される。
【0031】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器および第2の光増幅器によって増幅された後、各光信号の利得値と利得閾値との間の偏差は5%以内に入る。
【0032】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度を超えない。
【0033】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、光信号の利得の合計は目標利得値に等しい。
【0034】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値は、同じ伝送モードで搬送された光信号が第2の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値と同じである。
【0035】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、第1の光増幅器および第2の光増幅器はそれぞれ、フューモードエルビウムドープファイバを含む。
【0036】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、Nが1に等しいとき、第1の光増幅器および第2の光増幅器のそれぞれのエルビウムイオンドーピング方式は均一ドーピングである。
【0037】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、Nが1より大きいとき、第1の光増幅器および第2の光増幅器の少なくとも一方のエルビウムイオンドーピング方式は層状ドーピングである。
【0038】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、第1の光増幅器および第2の光増幅器はそれぞれ、少なくとも1つの励起レーザを含む。
【0039】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置において、第1の光増幅器は第1の励起レーザおよび第2の励起レーザを含み、第2の光増幅器は第3の励起レーザおよび第4の励起レーザを含み、
第1の励起レーザは、第1の光増幅器におけるフューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、第2の励起レーザは、第1の光増幅器におけるフューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続され、
第3の励起レーザは、第2の光増幅器におけるフューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、第4の励起レーザは、第2の光増幅器におけるフューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続される。
【0040】
本出願の第3の態様は、光増幅装置を使用して信号を増幅するための方法を提供し、本方法は、以下を含む。
【0041】
光増幅装置は、フューモードファイバで伝送される複数の光信号を受信する。複数の光信号は、複数の伝送モードでそれぞれ搬送される。複数の伝送モードはN個のグループにグループ化され得、各グループは2つの伝送モードを含む。光増幅装置内の第1の光増幅器は、複数の伝送モードで搬送された光信号を増幅し、増幅された複数の光信号を光増幅装置内のモード交換器に伝送する。モード交換器は、各グループの光信号を搬送する2つの伝送モードを交換し、モードが交換されたすべての光信号を増幅用の光増幅装置内の第2の光増幅器に伝送する。第2の光増幅器は、モードが交換された複数の光信号を受信し、複数の光信号を2回目に増幅して、最終的に利得等化を実施する。
【0042】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置がフューモードファイバで伝送された複数の光信号を2回目に増幅した後、各光信号を2回増幅する利得の合計は利得閾値にほぼ等しく、誤差範囲は利得閾値の5%を超えない。
【0043】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置内の第1の光増幅器は、フューモードファイバ内の複数の光信号を受信し、複数の光信号を増幅する。各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度を超えない。
【0044】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置内の第1の光増幅器の最適な増幅解決策では、各グループ内の2つの伝送モードで搬送される光信号に対応する利得の合計は目標利得値に等しい。
【0045】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置内の第1の光増幅器および第2の光増幅器は同じである。言い換えれば、伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値は、同じ伝送モードで搬送された光信号が第2の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値と同じである。
【0046】
前述の技術的解決策から、本出願の実施形態が以下の利点を有することが分かる。
【0047】
本出願で提供される光増幅装置によれば、第1の光増幅器、モード交換器、および第2の光増幅器の構造は、フューモードファイバで伝送される複数の光信号を2回増幅するために使用され得、モード交換器を使用して異なる伝送モードが交換され、その結果、2回増幅されるときに同じ光信号が2つの伝送モードで搬送される。このようにして、利得は互いに相補的である。具体的には、光信号について、第1の増幅器における光信号に対応する利得が大きい場合、光信号がモード交換器を通過した後、第2の増幅器における光信号を増幅する利得が減少する。第1の増幅器における光信号に対応する利得が小さい場合、光信号がモード交換器を通過した後、第2の増幅器における光信号を増幅する利得が増加する。このようにして、複数の光信号の相対利得等化が達成されることができ、光増幅装置の差動モード利得を低減し、モード分割多重システム全体の伝送性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】本出願の一実施形態による光増幅装置の構造の概略図である。
【
図2A】本出願の一実施形態による別の光増幅装置の構造の概略図である。
【
図2B】本出願の一実施形態による別の光増幅装置の構造の概略図である。
【
図2C】本出願の一実施形態による別の光増幅装置の構造の概略図である。
【
図2D】本出願の一実施形態による別の光増幅装置の構造の概略図である。
【
図3】本出願の一実施形態による2モードエルビウムドープファイバの断面構造の図である。
【
図4】本出願の一実施形態による光増幅装置によって出力される2つのモードのC帯域広帯域スペクトルの図である。
【
図5】本出願の一実施形態による光増幅装置によって出力される4つのモードのC帯域広帯域スペクトルの図である。
【
図6】本出願の一実施形態によるモード分割多重システムのシステムアーキテクチャの図である。
【
図7】本出願の一実施形態による光増幅装置を使用して信号を増幅する方法の例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本出願の実施形態は、現在のフィードバックチャネル構造を簡素化し、システム設計の複雑さおよびコストを低減するために、無線周波数チップおよび無線周波数チップを使用して信号をフィードバックするための方法を提供する。
【0050】
本出願の実施形態は、フューモードエルビウムドープファイバ増幅器の差動モード利得を低減し、モード分割多重システムの伝送性能を改善するために、光増幅装置、および光増幅装置を含むモード分割多重システムを提供する。
【0051】
本出願の明細書、特許請求の範囲、および添付図面において、用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」など(もしあれば)は、同様の対象を区別することを意図されており、必ずしも特定の順序または順番を示すものではない。このような方法で使用されているデータは、適切な場合に交換可能であり、このため、ここで説明されている実施形態は、ここで例示または説明されている順序とは異なる順序で実施され得ることを理解されたい。加えて、「含む(include)」、「含む(contain)」、およびその他の変形は、非排他的な包含を網羅することを意味し、例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、またはデバイスは、明示的にリストされているステップまたはユニットに必ずしも限定されず、そのようなプロセス、方法、製品、またはデバイスに明示的にリストされていない、または固有ではない他のステップまたはユニットを含み得る。
【0052】
ネットワークトラフィックの急速な成長に伴い、従来のシングルモードファイバ通信システムの容量は、ネットワークトラフィックの伝送要件を満たすことができない。空間分割に基づく多重化(空間分割多重化は、複数のファイバを結合してビームを形成することによって実現されるか、または空間分割多重化は、同じファイバ内で実現される)を実現する方法として、フューモードファイバ(few mode fiber、FMF)またはマルチコアファイバ(multi core fiber、MCF)を伝送媒体として使用する空間分割多重(spatial division multiplexing、SDM)システムは、ファイバ通信システムの容量を大幅に改善することができ、将来的には主に展開されることになる。通常、空間分割多重システムは、フューモードファイバを伝送媒体として使用するモード分割多重システムと、マルチコアファイバを伝送媒体として使用するコア分割多重システムとを含む。
【0053】
フューモードファイバはシングルコアファイバであり、フューモードファイバのファイバコアのエリアは、いくつかの独立した空間モードを使用して並列信号フローを伝送するのに十分な大きさである。具体的には、モード分割多重化を実施するために、フューモードファイバは複数の伝送モードを提供し得、各伝送モードは光信号を搬送し得る。フューモードファイバが光信号を長距離伝送するために使用されるとき、フューモードエルビウムドープファイバ増幅器(few mode erbium-doped fiber amplifier、FM-EDFA)は必須の中継増幅器であり、フューモードファイバで伝送される光信号を増幅して、伝送プロセスにおける光信号の損失を補償し、伝送性能を向上させるように構成される。
【0054】
フューモードエルビウムドープファイバ増幅器は、フューモードファイバにエルビウムイオンをドープし、同時に励起光を注入してエルビウムイオンを反転分布させることで光信号を増幅する能動光デバイスであり、その結果、光信号が通過する際に放射線の誘導放出が起こる。光信号を搬送する伝送モードの光照射野、励起光の光照射野、およびエルビウムイオンの重複度は、光信号の利得に直接影響する。伝送モードの光照射野と、励起光の光照射野と、エルビウムイオンとの重複度が大きいほど、伝送モードで搬送される光信号の利得が大きいことを示す。したがって、励起光の光照射野が決定されると、フューモードエルビウムドープファイバ内のエルビウムイオン濃度分布は、異なる伝送モードで搬送される光信号に対応する利得値に直接影響を及ぼし、異なる伝送モードに対応する利得値は完全に異なり得る。
【0055】
フューモードエルビウムドープファイバ増幅器の重要な指標は差動モード利得(differential mode gain、DMG)であり、フューモードファイバのすべての伝送モードで搬送され、フューモードエルビウムドープファイバ増幅器によって増幅される光信号の利得間の差を測定するために使用される。DMGが大きいほど、異なる伝送モードの光信号の出力電力の偏差が大きく、信号対雑音比の差が大きいことを示す。これは、線形容量制限に影響を及ぼし、モード分割多重光通信システム全体の伝送性能を低下させる。したがって、フューモードエルビウムドープファイバ増幅器のDMGを低減し、フューモードファイバの異なる伝送モードで利得等化を実施する方法は、解決すべき緊急の問題となる。
【0056】
上記の問題に基づいて、本出願の一実施形態は光増幅装置を提供する。光増幅装置のコア構成要素は、異なる伝送モードで光信号を2回増幅するために、2つのフューモードエルビウムドープファイバおよびモード交換器を含み、フューモードファイバ内の複数の光信号の相対利得等化を最終的に保証し、光増幅装置の利得の広帯域平坦性性能を保証し、モード分割多重システム全体における異なるモード間の電力差を大幅に低減し、伝送性能を改善するようにする。
【0057】
図1は、本出願の一実施形態による光増幅装置の構造の概略図である。
図1に示すように、光増幅装置100は、フューモードエルビウムドープファイバ10と、モード交換器20と、フューモードエルビウムドープファイバ30とを含む。モード交換器20は、フューモードエルビウムドープファイバ10とフューモードエルビウムドープファイバ30との間に位置し、フューモードエルビウムドープファイバ10の一方のポートおよびフューモードエルビウムドープファイバ30の一方のポートは、直列構造を形成するようにモード交換器20に接続され、他方のポートは、光信号を伝送するためのフューモードファイバに接続される。具体的には、信号伝送中、複数の光信号は、フューモードファイバを介してフューモードエルビウムドープファイバ10に伝送され、フューモードエルビウムドープファイバ10によって増幅された後、モード変換のためにモード交換器20に伝送される。最後に、フューモードエルビウムドープファイバ30は、モードが交換された複数の光信号を2回目に増幅し、次いで光信号はフューモードファイバを通って前方に伝送され続ける。
【0058】
光信号を増幅するためには、フューモードエルビウムドープファイバ内のエルビウムイオンが必要であるだけでなく、フューモードエルビウムドープファイバ内に励起光を注入する必要があることが理解されることができる。このようにしてのみ、光信号がフューモードエルビウムドープファイバを通過する際に放射の誘導放出が起こり得る。励起光は複数の方式で入射してもよく、異なる励起方式が光増幅装置全体の構造に影響を及ぼす。例えば、光増幅装置は、一方向ジョイント励起を行ってもよい。具体的には、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30は、1つの一方向励起を共有する。
図2Aに示すように、波長分割マルチプレクサ50の一方のポートはフューモードファイバに接続され、他方のポートはフューモードエルビウムドープファイバ10に接続されている。励起レーザ40は、波長分割マルチプレクサ50に接続されている。光信号は、フューモードファイバに沿って波長分割マルチプレクサ50に伝送される。波長分割マルチプレクサ50は、光信号と励起レーザ40が出射した励起光とを合波した後、合波により得られた光信号をフューモードエルビウムドープファイバ10に伝送し、フューモードエルビウムドープファイバ10内のエルビウムイオンと相互作用させて光信号を増幅させる。前方励起方式が励起レーザ40に使用され、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30への励起光の入射方向は光信号の伝送方向と同じである。
【0059】
例えば、
図2Bに示すように、光増幅装置では、2つのフューモードエルビウムドープファイバが一方向励起を行ってもよい。波長分割マルチプレクサ60の一方のポートはフューモードエルビウムドープファイバ10に接続され、他方のポートはモード交換器20の入力ポートに接続されている。励起レーザ70は、波長分割マルチプレクサ60に接続されている。波長分割マルチプレクサ80の一方のポートはモード交換器20の出力ポートに接続され、他方のポートはフューモードエルビウムドープファイバ30に接続されている。励起レーザ90は、波長分割マルチプレクサ80に接続されている。光信号伝送プロセスでは、光信号は、フューモードエルビウムドープファイバ10に沿ってモード交換器20に伝送され、次いでフューモードエルビウムドープファイバ30に伝送されることが理解されることができる。励起レーザ70は、フューモードエルビウムドープファイバ10を後方励起方式で励起光を出射する。言い換えれば、励起レーザ70における励起光の入射方向は、光信号の伝送方向と逆方向となっている。励起レーザ90は、励起光を前方励起方式でフューモードエルビウムドープファイバ30に伝送する。励起レーザ90における励起光の入射方向は、光信号の伝送方向と同じである。
【0060】
例えば、
図2Cに示すように、光増幅装置において、フューモードエルビウムドープファイバの一方の区間が双方向励起を代替的に行ってもよく、他方の区間が一方向励起を行ってもよい。例えば、フューモードエルビウムドープファイバ10のフロントエンドおよびバックエンドは、それぞれ波長分割マルチプレクサ110および波長分割マルチプレクサ120に接続され、励起レーザ130は波長分割マルチプレクサ110に接続され、励起レーザ140は波長分割マルチプレクサ120に接続されている。フューモードエルビウムドープファイバ30のフロントエンドは波長分割マルチプレクサ150に接続され、励起レーザ160は波長分割マルチプレクサ150に接続されている。励起レーザ130における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ10に入射する方向は、光信号の伝送方向と同じである。励起レーザ140における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ10に入射する方向は、光信号の伝送方向と同じである。励起レーザ160における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ30に入射する方向は、光信号の伝送方向と同じである。
【0061】
例えば、
図2Dに示すように、光増幅装置では、2つのフューモードエルビウムドープファイバは、代替的に両方とも双方向励起を行ってもよい。例えば、フューモードエルビウムドープファイバ10のフロントエンドおよびバックエンドは、それぞれ波長分割マルチプレクサ170および波長分割マルチプレクサ180に接続され、励起レーザ190は波長分割マルチプレクサ170に接続され、励起レーザ200は波長分割マルチプレクサ180に接続されている。フューモードエルビウムドープファイバ30のフロントエンドおよびバックエンドは、それぞれ波長分割マルチプレクサ210および波長分割マルチプレクサ220に接続され、励起レーザ230は波長分割マルチプレクサ210に接続され、励起レーザ240は波長分割マルチプレクサ220に接続されている。励起レーザ190における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ10に入射する方向は光信号伝送方向と同じであり、励起レーザ200における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ10に入射する方向は光信号伝送方向と反対であり、励起レーザ230における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ30に入射する方向は光信号伝送方向と同じであり、励起レーザ240における励起光がフューモードエルビウムドープファイバ30に入射する方向は光信号伝送方向と反対であることが理解されることができる。励起レーザの励起方式は、本出願では特に限定されないことが理解されることができる。
【0062】
以下、本出願の一実施形態で提供される光増幅装置の増幅原理を具体的に説明する。
【0063】
第1に、フューモードエルビウムドープファイバは、M個の伝送モードをサポートする。具体的には、各伝送モードにおけるモードフィールド分布はファイバ内で異なる空間を占有し、伝送モードはC1~CMと表され得る。異なるモードフィールド分布が異なる伝送モードで存在し、フューモードエルビウムドープファイバ内のエルビウムイオンとの異なる重複度を有するため、異なる伝送モードで搬送された光信号は、同じフューモードエルビウムドープファイバによって増幅された後、完全に異なる利得を有し得る。エルビウムイオン濃度分布と励起光の光照射野分布を調整することにより、各モードにおけるエルビウムイオンと励起光との重複エリアが変化し、各伝送モードに対応する利得値を変化させることが理解されることができる。したがって、フューモードエルビウムドープファイバにおけるエルビウムイオン分布を設計することにより、各伝送モードに対応する利得値は調整されることができる。利得等化を実施するために、1つのフューモードエルビウムドープファイバが複数の光信号を増幅するために使用されるとき、すべての伝送モードにおけるモードフィールド分布を考慮する必要があり、設計は複雑である。したがって、より単純な設計解決策が使用され得る。具体的には、2つのフューモードエルビウムドープファイバが複数の光信号を2回増幅するために使用され、その結果、各光信号の2回の増幅に対応する利得値が互いに相補的になり、利得等化を実施する。このようにして、各フューモードエルビウムドープファイバのエルビウムイオン濃度分布が設計されるとき、各伝送モードにおける光信号に対応する利得値の規則的な分布が保証されるならば、最終的な利得等化が実施されることができる。
【0064】
(1)任意選択の一実装形態では、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30は、それぞれM個の伝送モードをサポートする。M個の伝送モードの光信号がフューモードエルビウムドープファイバ10によって増幅された後、M個の伝送モードの光信号の利得はそれぞれG1、G2、…、およびGMである。M個の伝送モードの光信号がフューモードエルビウムドープファイバ30によって増幅された後、光信号の利得はそれぞれH1、H2、…、およびHMである。M個の光信号がM個の伝送モードでそれぞれ搬送される場合、これらの光信号は、フューモードファイバを介してフューモードエルビウムドープファイバ10に最初に伝送される。フューモードエルビウムドープファイバ10によって光信号が増幅された後、第1の光信号の利得値はG1であり、第2の光信号の利得値はG2であり、…、第Mの光信号の利得値はGMである。G1>G2>…>GMと仮定する。モード交換器20は、第1の光信号の伝送モードをCMに変換し、第Mの光信号の伝送モードをC1に変換し、第2の光信号の伝送モードをC(M-1)に変換し、第(M-1)の光信号の伝送モードをC2に変換するなどして、その後、モードが交換された光信号を増幅用のフューモードエルビウムドープファイバ30に伝送するように設計されてもよい。この場合、フューモードエルビウムドープファイバ30によって光信号が増幅された後、第1の光信号の利得はHMであり、第2の光信号の利得はH(M-1)であり、…、第Mの光信号の利得はH1である。したがって、第1の光信号の利得はG1+HMであり、第2の光信号の利得はG2+H(M-1)であり、…、第Mの光信号の利得はGM+H1である。この場合、各光信号の利得等化を実施するためには、G1+HM、G2+H(M-1)、…、およびGM+H1が利得閾値と同じになるように、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30におけるエルビウムイオン濃度分布のみを調整すればよい。
【0065】
光増幅装置の利得閾値をSと仮定すると、その値は、光増幅装置に入力された光信号が2回増幅された後の理想利得値を表していることを理解されたい。任意の解決策では、許容偏差を5%以内に制御する必要がある。言い換えれば、G1+HM、G2+HM-1、…、GM+H1の値は、0.95S以上1.05S以下である必要がある。光増幅装置の誤差変動範囲は、実際の要件に基づいて決定され得ることが理解されることができる。これは特に限定されない。
【0066】
(2)別の任意選択の実装形態では、光増幅装置100において、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30は、代替的に、完全に等しい光増幅器に対応してもよい。具体的には、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30は、それぞれM個の伝送モードをサポートする。M個の伝送モードの光信号がフューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30によって増幅された後、M個の伝送モードの光信号の利得はG1、G2、…、およびGMである。
【0067】
1つのフューモードエルビウムドープファイバについて、フューモードエルビウムドープファイバ内のエルビウムイオン濃度分布は、すべての伝送モードに対応する利得値がほぼ対称に分布するように設計されてもよい。言い換えれば、伝送モードC1~CMは、N個のグループにグループ化されてもよく、各グループは2つの伝送モードを含む。例えば、C1およびCMがグループであり、C2およびC(M-1)がグループである、などである。次いで、エルビウムイオン濃度分布は、各グループの2つの伝送モードに対応する利得値の合計がほぼ同じ値となるように設計される。すなわち、
G1+GM=G2+G(M-1)=G(1+i)+G(M-i)である。
【0068】
前述の解決策では、適切な誤差範囲の変動が許容され得ることが理解されることができる。具体的には、第1の光増幅器によって増幅が実行された後、各グループ内の2つの伝送モードに対応する利得の合計が目標利得値に予め設定されてもよい。各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器(フューモードエルビウムドープファイバ10)によって増幅された後、目標利得値に対する光信号の利得の合計の比は予め設定された精度を超えない。例えば、予め設定された精度は10%であってもよく、目標利得値はQである。具体的には、G1+GMは、G(1+i)+G(M-i)と完全に同じでなくてもよく、ただし、G1+GMは0.9Q以上1.1Q以下であるか、またはG(1+i)+G(M-i)に対するG1+GMの比が0.9から1.1の間である。
【0069】
前述の設計では、モード交換器の交換ポリシーは、各グループ内の2つの伝送モードが交換されることであり得る。例えば、第1の光信号に最初に対応する伝送モードはC1であり、第1の光信号がフューモードエルビウムドープファイバ10によって増幅された後、第1の光信号の利得値はG1である。このようにして、モード交換器は、第1の増幅された光信号の伝送モードを伝送モードCMに変換し得る。フューモードエルビウムドープファイバ30はフューモードエルビウムドープファイバ10と同じであるため、第1の光信号がフューモードエルビウムドープファイバ30によって再び増幅された後、第1の光信号に対応する利得値はCMに対応する利得値GMとなる。このようにして、第1の光信号が2回増幅された後、第1の光信号に対応する利得値はG1+GMとなる。同様に、第2の光信号の利得値はG2+G(M-1)であり、…、第Mの光信号の利得値はG1+GMである。このようにして、すべての光信号の利得値が基本的に同じであることが保証され、最終的に、フューモードファイバ内の複数の光信号の相対利得等化が保証される。
【0070】
任意選択の解決策では、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30において、すべての伝送モードに対応する利得値が中心対称に分布される。例えば、フューモードエルビウムドープファイバ10およびフューモードエルビウムドープファイバ30はそれぞれ6つの伝送モードを含み、C1で搬送された光信号がフューモードエルビウムドープファイバ10によって増幅された後の光信号の利得値は10dBであり、C1~C6に対応する利得値はそれぞれ12dB、10dB、8dB、6dB、4dB、および2dBである。したがって、モード交換器の交換方針は、すべてのモードを中心対称に交換すること、すなわち、最大利得が得られるモードと最小利得が得られるモードとを交換することであり、最大利得が得られるモードと最小利得が得られるモードとを交換するようにする(C2およびC(M-1))などである、すなわち、C1およびC6を交換する、C2およびC5を交換する、ならびに交換C3およびC4を交換する。このようにして、各光信号が2回増幅された後、利得値は14dBである。
【0071】
以下、フューモードエルビウムドープファイバのエルビウムイオン濃度分布の設計について具体的に説明する。
【0072】
(1)フューモードファイバが2つの伝送モード(LP01およびLP11)のみをサポートする場合、フューモードエルビウムドープファイバのエルビウムイオンに均一ドーピング方式が使用され、その結果、2つのモードに対応する利得値は対称である。例えば、伝送モードLP01およびLP11で搬送された光信号が2モードエルビウムドープファイバによって増幅された後、対応する利得値はG1およびG2となる。次いで、増幅された光信号は、モード交換のためにモード交換器に入力される。この場合、LP01で最初に搬送された光信号がLP11で搬送され、LP11で最初に搬送された光信号がLP01で搬送される。次いで、相補的な利得を得るために、第2のフューモードエルビウムドープファイバによって光信号が増幅され、利得等化が実施され、光増幅装置のDMGが低減される。
【0073】
具体的には、
図3は、本出願の一実施形態による2モードエルビウムドープファイバの断面構造の図である。2モードエルビウムドープファイバは、ファイバコアとクラッドとを含む。エルビウムイオンはファイバコア内に均一にドープされ、ファイバコア半径はrco=8μm、クラッド半径はrcl=62.5μm、開口数はNA=0.1である。実際の応用では、エルビウムイオンドーピング濃度の許容範囲は2×10
24から8×10
24であり、ファイバコア半径の許容誤差範囲は6μmから10μmであり、クラッド半径の許容誤差範囲は62.5μmから100μmであり、開口数の許容範囲は0.08μmから0.15μmである。
【0074】
光増幅装置における2つの2モードエルビウムドープファイバの長さは、それぞれ11mおよび13mであってもよい。励起光を2モードエルビウムドープファイバに伝送する励起レーザには98nmの基本モードの前方励起方式が使用され得、対応する励起パワーはそれぞれP1=0.5WおよびP2=0.4Wであり得る。2つのエルビウムドープファイバ間の受動部品は2モードのモード交換器を含んでもよく、可変光減衰器がさらに追加されてもよい。シミュレーション後、光増幅装置に入る前に、2つのモードLP01およびLP11で搬送される光信号の入力電力が0.1mWである場合、光増幅装置によって出力される2つのモードのC帯域広帯域スペクトルが
図4に示され、光増幅装置のC帯域DMGは0.2dB未満であり、スペクトル平坦度は0.5dB未満である。
【0075】
(2)フューモードファイバが複数の伝送モード、例えば4つの伝送モード(LP01、LP11、LP21、LP02)をサポートする場合、均一ドーピングは、すべてのモードに対応する利得値が中心対称であることを保証することはできない。この場合、LP01、LP11、LP21、およびLP02に対応する利得値G1、G2、G3、およびG4が中心対称分布条件を満たすように、層状ドーピング方式を使用する必要がある。G1>G2>G3>G4の場合、モード交換器は、LPO1で搬送される光信号とLP02で搬送される光信号のモードを交換し、LP11で搬送される光信号とLP21で搬送される光信号のモードを交換するように設計される必要がある。
【0076】
本出願は、1530nmの4モードエルビウムドープファイバおよび1565nmの4モードエルビウムドープファイバの設計を提供する。1530nmの4モード光信号の設計については、1530nmの4モード光信号の構造パラメータは、ファイバコア半径がrco=8μm、ファイバコア半径の許容誤差範囲が8μm~20μm、クラッド半径がrcl=62.5μm、クラッド半径の許容誤差範囲が62.5μm~100μm、開口数がNA=0.15、開口数の許容誤差範囲が0.1~0.2であってもよい。ファイバコアにおいて、エルビウムイオンには層状ドーピング方式が使用され、層状ドーピングが使用される2つの4モードエルビウムドープファイバのそれぞれのエルビウムイオン濃度は、以下の通りであってもよい。
【数1】
【0077】
エルビウムイオンドーピング濃度の許容範囲は、2×10
24から8×10
24である。2つの4モードエルビウムドープファイバのそれぞれの長さは15mであってもよく、励起光のパワーは0.5Wまたは1.1Wであってもよい。上記の設計に基づいて、LP01、LP02、LP11、およびLP21で搬送された光信号が4モードエルビウムドープファイバの1つのセクションによって増幅された後、光信号の利得はそれぞれG1=28.19dB、G2=27.80dB、G3=27.08dB、およびG4=26.74dBであり、これはモード利得が中心対称に分布するという要件を満たす。このようにして、モード交換器は、モード利得が中心対称に分布するという要件に基づいて設計され得る。具体的には、LP01とLP21とが交換され、LP11とLP02とが交換される。交換された4つのモードについて、4モードエルビウムドープファイバ30によって増幅が行われた後の出力スペクトルが
図5に示されている。DMGは0.56dB未満であり、C帯域スペクトル平坦度は0.47dB未満である。
【0078】
本出願の実施形態で提供される光増幅装置では、2つの光増幅器およびモード交換器は、フューモードファイバで同時に伝送される複数の光信号の利得等化を実施して、光増幅装置のDMGを大幅に低減し、良好なスペクトル平坦度を実現し、モード分割多重システム全体の伝送性能を改善するように設計される。
【0079】
図6は、本出願の一実施形態によるモード分割多重システムのシステムアーキテクチャの図である。
図6に示すように、モード分割多重システムは、シングルモード送信機モジュール601と、モード分割マルチプレクサ602と、複数のフューモードファイバ603と、光増幅装置604と、モードデマルチプレクサ605と、シングルモード受信機モジュール606とを含む。
【0080】
シングルモード送信機モジュール601は、波長分割多重信号の複数のパスを生成し、波長分割多重信号の複数のパスをモード分割マルチプレクサに伝送するように構成される。例えば、シングルモード送信機モジュールは、複数の波長分割多重信号を送信または受信するように構成されたシングルモードトランシーバ(レーザ)であってもよい。
【0081】
モード分割マルチプレクサ602は、波長分割多重信号の複数のパスを処理し、波長分割多重信号の複数のパスに基づいて1つの信号のパスを生成するように構成される。信号のパスは、複数の伝送モードで搬送される複数の光信号を含む。
【0082】
フューモードファイバは、光信号を伝送するように構成され、複数の伝送モードをサポートし得、光信号の複数のパスを同時に伝送し得る。光信号の伝送過程で信号損失が発生するため、光信号の伝送品質を保証し、伝送距離を延ばすために、光増幅装置604は、信号伝送損失を補償するために、間隔をおいて伝送された光信号の複数のパスを増幅する必要がある。
【0083】
光増幅装置604の内部には、第1の光増幅器、第2の光増幅器、およびモード交換器が含まれる。
【0084】
第1の光増幅器はモード交換器の入力ポートに接続され、第2の光増幅器はモード交換器の出力ポートに接続される。第1の光増幅器は、フューモードファイバの複数の伝送モードで搬送される光信号を増幅するように構成され、フューモードファイバの複数の伝送モードはN個のグループにグループ化されてもよく、各グループは2つの伝送モードを含み、Nは1以上の正の整数である。モード交換器は、各グループ内の2つの伝送モードで搬送される光信号のモードを交換するように構成される。第2の光増幅器は、各グループ内の2つの伝送モードで搬送され、モードが交換された光信号を増幅するように構成される。具体的には、光増幅装置604の構造および機能については、前述の実施形態における光増幅装置100の説明を参照されたい。ここでは詳細は説明されない。
【0085】
モードデマルチプレクサ605は、受信対象信号の複数のパスを得るために、フューモードファイバ上の1つの信号のパスに対応する複数の伝送モードを分離するように構成される。
【0086】
シングルモード受信機モジュール606は、受信対象信号の複数のパスを受信し、受信対象信号の複数のパスを復調するように構成される。シングルモード送信機モジュールは、波長分割多重信号の複数のパスを送信または受信するように構成されたシングルモードトランシーバであってもよいことが理解されることができる。
【0087】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器および第2の光増幅器によって増幅された後、各光信号の利得値と利得閾値との間の偏差は5%以内に入る。
【0088】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度を超えない。
【0089】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、光信号の利得の合計は目標利得値に等しい。
【0090】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値は、同じ伝送モードで搬送された光信号が第2の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値と同じである。
【0091】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、第1の光増幅器および第2の光増幅器はそれぞれ、フューモードエルビウムドープファイバを含む。
【0092】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、Nが1に等しいとき、第1の光増幅器および第2の光増幅器のそれぞれのエルビウムイオンドーピング方式は均一ドーピングである。
【0093】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、Nが1より大きいとき、第1の光増幅器および第2の光増幅器の少なくとも一方のエルビウムイオンドーピング方式は層状ドーピングである。
【0094】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、第1の光増幅器および第2の光増幅器はそれぞれ、少なくとも1つの励起レーザを含む。
【0095】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置604において、第1の光増幅器は第1の励起レーザおよび第2の励起レーザを含み、第2の光増幅器は第3の励起レーザおよび第4の励起レーザを含む。第1の励起レーザは、第1の光増幅器におけるフューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、第2の励起レーザは、第1の光増幅器におけるフューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続される。第3の励起レーザは、第2の光増幅器内のフューモードエルビウムドープファイバの信号入力ポートに接続され、第4の励起レーザは、第2の光増幅器内のフューモードエルビウムドープファイバの信号出力ポートに接続され、増幅された複数の光信号を光増幅装置内のモード交換器に伝送する。
【0096】
図7は、本出願の一実施形態による光増幅装置を使用して信号を増幅する方法を示す。
図7に示すように、方法は以下のステップを含む。
【0097】
701:光増幅装置が、フューモードファイバで複数の光信号を受信する。
【0098】
光増幅装置は、フューモードファイバで伝送された複数の光信号を受信し、複数の光信号は、複数の伝送モードでそれぞれ搬送されることが理解されることができる。複数の伝送モードはN個のグループにグループ化され得、各グループは2つの伝送モードを含む。光増幅装置がすべての伝送モードで搬送された光信号を増幅した後、光信号の利得値は異なる。
【0099】
702:光増幅装置内の第1の光増幅器が、複数の光信号を増幅する。
【0100】
第1の光増幅器によって増幅された複数の光信号の利得値は、規則的に分布している。例えば、第1の光増幅器の設計は、各グループ内の2つの伝送モードで搬送される光信号の利得値の合計が目標利得値にほぼ等しいことを保証する。
【0101】
703:光増幅装置内のモード交換器が、光信号を搬送する複数の伝送モードのうちの2つおきに交換する。
【0102】
モード交換器は、各グループの光信号を搬送する2つの伝送モードを交換し、モードが交換されたすべての光信号を増幅用の光増幅装置内の第2の光増幅器に伝送する。
【0103】
704:光増幅装置の第2の光増幅器が、モードが交換された複数の光信号を増幅する。
【0104】
第2の光増幅器は、モードが交換された複数の光信号を受信し、複数の光信号の利得等化を最終的に実施するために、複数の光信号を2回目に増幅する。
【0105】
705:光増幅装置が、増幅された複数の光信号を出力する。
【0106】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置がフューモードファイバで伝送された複数の光信号を2回目に増幅した後、各光信号を2回増幅する利得の合計は利得閾値にほぼ等しく、誤差範囲は利得閾値の5%を超えない。
【0107】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置内の第1の光増幅器は、フューモードファイバ内の複数の光信号を受信し、複数の光信号を増幅する。各グループ内の2つの伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後、目標利得値に対する光信号の利得の合計の比は、予め設定された精度を超えない。
【0108】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置内の第1の光増幅器の最適な増幅解決策では、各グループ内の2つの伝送モードで搬送される光信号に対応する利得の合計は目標利得値に等しい。
【0109】
任意選択の一実装形態では、光増幅装置内の第1の光増幅器および第2の光増幅器は同じである。言い換えれば、伝送モードで搬送された光信号が第1の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値は、同じ伝送モードで搬送された光信号が第2の光増幅器によって増幅された後に得られる利得値と同じである。
【0110】
なお、光増幅装置を使用して信号を増幅するための方法において、光増幅装置の構造については、
図1~
図6に示す実施形態の光増幅装置を参照されたい。詳細は再度説明されない。
【0111】
前述の実施形態は、本出願の技術的解決策を説明するために使用されているにすぎず、本出願を限定することを意図するものではないことに留意されたい。本出願は、前述の実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本出願の実施形態の技術的解決策の趣旨および範囲から逸脱することなく、前述の実施形態に記載された技術的解決策に対して依然として修正を行うことができ、またはその一部の技術的特徴に対して同等の置換を行うことができることを理解されたい。
【符号の説明】
【0112】
10 フューモードエルビウムドープファイバ
20 モード交換器
30 フューモードエルビウムドープファイバ
40 励起レーザ
50 波長分割マルチプレクサ
60 波長分割マルチプレクサ
70 励起レーザ
80 波長分割マルチプレクサ
90 励起レーザ
100 光増幅装置
110 波長分割マルチプレクサ
120 波長分割マルチプレクサ
130 励起レーザ
140 励起レーザ
150 波長分割マルチプレクサ
160 励起レーザ
170 波長分割マルチプレクサ
180 波長分割マルチプレクサ
190 励起レーザ
200 励起レーザ
210 波長分割マルチプレクサ
220 波長分割マルチプレクサ
230 励起レーザ
240 励起レーザ
601 シングルモード送信機モジュール
602 モード分割マルチプレクサ
603 フューモードファイバ
604 光増幅装置
605 モードデマルチプレクサ
606 シングルモード受信機モジュール
【国際調査報告】