(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】カラーマッチングのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
B05D 3/00 20060101AFI20231211BHJP
B05D 5/06 20060101ALI20231211BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20231211BHJP
B05B 12/00 20180101ALI20231211BHJP
【FI】
B05D3/00 D
B05D5/06 G
B05C11/10
B05B12/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535681
(86)(22)【出願日】2021-12-07
(85)【翻訳文提出日】2023-08-14
(86)【国際出願番号】 EP2021084677
(87)【国際公開番号】W WO2022122777
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390008981
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ コーティングス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】BASF Coatings GmbH
【住所又は居所原語表記】Glasuritstrasse 1, D-48165 Muenster,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【氏名又は名称】江藤 聡明
(74)【代理人】
【識別番号】100167106
【氏名又は名称】倉脇 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100194135
【氏名又は名称】山口 修
(74)【代理人】
【識別番号】100206069
【氏名又は名称】稲垣 謙司
(74)【代理人】
【識別番号】100185915
【氏名又は名称】長山 弘典
(72)【発明者】
【氏名】ビショフ,グイド
(72)【発明者】
【氏名】ツィンク,レナ
【テーマコード(参考)】
4D075
4F035
4F042
【Fターム(参考)】
4D075AA01
4D075AA81
4D075CA47
4D075CA48
4D075CB01
4D075CB40
4D075EA05
4D075EC11
4D075EC23
4F035AA03
4F035BA11
4F035BB21
4F035BC06
4F042AB00
4F042BA16
4F042BA22
(57)【要約】
本発明は、プロセッサ(110)上で実行される塗布調整アルゴリズムと、個々の色成分の特定の光学データを含むデータベース(220)を使用する、コンピュータ実装されたカラーマッチング方法に関し、該個々の色成分の特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、基準塗料コーティングは、それぞれ、基準塗装方法を使用して基材上に塗布され、ここで、塗料調整アルゴリズムは、塗料調整アルゴリズムの色予測モデルと相互作用する塗布適合モジュールによって拡張され、特定の塗装方法のための塗布適合パラメータを入力パラメータとして受信し、受信した塗布適合パラメータを使用して、基準塗装方法に使用するために色予測モデルによって予測された色を、特定の塗装方法に使用するために有効な変換色に変換するように構成されている。本発明はまた、それぞれのシステムを提供する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(110)上で実行される塗布調整アルゴリズムと、個々の色成分の特定の光学データを含むデータベース(120、220、320)とを使用する、コンピュータ実装のカラーマッチング方法であって、前記個々の色成分の特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、前記基準塗料コーティングは、それぞれ、基準塗装方法を使用して基材上に塗布されている、コンピュータ実装のカラーマッチング方法において、
前記塗料調整アルゴリズムは、前記塗料調整アルゴリズムの色予測モデルと相互作用し、入力パラメータとして特定の塗装方法のための塗布適合パラメータを受信し、受信した塗布適合パラメータを使用して前記色予測モデルによって予測された前記基準塗装方法で使用するための色を、前記特定の塗装方法で使用するために有効な変換色に、変換するように構成された塗布適合モジュールによって拡張されている、方法。
【請求項2】
前記特定の塗装方法のための塗布適合パラメータ(105、205、305、405、415)は、数値的方法及び前記色予測モデルを使用して計算され、測定された色及び複数のサンプルコーティングの色配合が入力パラメータとして提供され、所定のコスト関数が所定の初期塗布適合パラメータのセットから開始して最適化され、前記所定のコスト関数はそれぞれサンプルコーティング(101、221、301、401)の測定された色(103、223、303、403)と予測された色の間の色距離を含み、色予測モデル(140)は、入力パラメータとして、前記サンプルコーティング(101、221、301、301、401)のそれぞれの色配合(102、222、302、402)と、前記サンプルコーティング(101、221、301、301、401)の色配合(102、222、302、402)に使用された個々の色成分の特定の光学データと、最適化の過程で得られるそれぞれの予備的な塗布適合パラメータとを使用することによって、それぞれ、前記サンプルコーティング(101、221、301、401)の色を予測するよう構成され、前記塗布適合パラメータは、前記所定のコスト関数が所定の閾値を下回るまで、前記サンプルコーティング(101、221、301、301、401)の再帰的に予測された色(103、223、303、403)を前記それぞれのサンプルコーティング(101、221、301、301、401)の予測された色と比較して計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基準塗装方法と前記特定の塗装方法は、互いに異なり、それぞれ、ウェット状態での塗料コーティング、ドライ状態での塗料コーティングからなる群から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準塗装方法とは異なる所定の目標塗装方法を特定の塗装方法として用いて基材上に塗布されたときに所定の目標色(201、400)にマッチングする目標塗料コーティングの目標色配合(202、450)を決定するための方法であって、前記方法は、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、所定の目標色(201、400)を受信することと、
- 前記少なくとも1つのインターフェースを介して、前記所定の目標塗装方法に対する塗布適合パラメータ(205、415)を受信することと、
- 前記データベース(220、320)から、前記目標塗料コーティング(201、400)の目標色配合(202、450)に使用される個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 前記塗料調整アルゴリズムの入力パラメータとして、前記所定の目標色(201、400)と、前記検索された個々の色成分の特定の光学データと、前記受信した塗布適合パラメータ(205、415)とを使用して、色配合を、前記目標塗料コーティングが前記所定の目標塗装方法を使用して基材上に適用されたときの目標塗料コーティングの目標色配合(202、450)の個々の色成分の最適化された濃度とともに計算することと、
を含む、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項5】
さらに:
- 少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、マッチングすべき目標色(300)の第1ソリューションとして、サンプル塗料コーティング(221)の色配合(222)のデータを受信することと、
- 前記データベース(220)から、前記サンプル塗料コーティング(221)の色配合(222)に使用された個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 前記少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、前記基準塗装方法を使用して基材上に塗布された前記サンプル塗料コーティング(221)の測定された色(223)を受信することと、
- 少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(110)に実装され実行される前記色予測モデルを用いて、前記サンプル塗料コーティングの色を予測することと、
- 前記少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(110)を用いて、前記塗料コーティングのオフセット(210)を、前記サンプル塗料コーティングの測定された色(223)と予測された色(225)との間の差として計算すること、
- 前記オフセット(210)を前記目標色配合(202)の計算に導入することと、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記基準塗装方法を用いて、基材上に塗布されたときに所定の目標色(300)にマッチングする目標塗料コーティングの目標色配合(350)を決定するための方法であって、前記方法はさらに:
- 少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、マッチングさせる前記目標色(300)の第1ソリューションとして、サンプル塗料コーティング(301)の色配合(302)のデータを受信することと、
- 前記データベース(320)から、前記サンプル塗料コーティング(301)の色配合(302)に使用される個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 前記少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、サンプル塗装方法を使用して、基材上に塗布された前記サンプル塗料コーティング(301)の測定された色(303)を受信することと、
- 前記サンプル塗装方法の塗布適合パラメータ(305)を受信することと、
- 前記色予測モデル(140)及び前記塗布適合モジュールを用いて、特定の塗装方法として前記サンプル塗装方法で使用するために有効な前記サンプル塗料コーティング(301)の前記色(306)を予測することであって、前記サンプル塗料コーティング(301)の色配合(302)のデータと、前記サンプル塗料コーティング(301)の前記色配合(302)に使用される前記個々の色成分の前記検索された特定の光学データと、前記サンプル塗装方法の塗布適合パラメータ(305)とが入力パラメータとして使用される、ことと、
- 前記サンプル塗料コーティングのオフセット(310)を、前記サンプル塗料コーティング(301)の測定された色(303)と予測された色(306)の差として計算することと、
- 前記オフセット(310)を、前記塗料調整アルゴリズムを用いる、前記目標色配合(350)の計算に導入することと、
を含む、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項7】
特定の塗装方法として目標塗装方法を用いて、基材上に塗布されたときに所定の目標色(400)とマッチングする目標塗料コーティングの目標色配合(450)を決定するための方法であって、前記方法はさらに:
- 少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、マッチングさせる前記目標色(400)の第1ソリューションとして、サンプル塗料コーティング(401)の色配合のデータ(402)を受信することと、
- 前記データベース(320)から、前記サンプル塗料コーティング(401)の色配合(402)に使用される個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 前記少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、サンプル塗装方法を用いて、基材上に塗布された前記サンプル塗料コーティング(401)の測定された色(403)を受信することと、
- 前記少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、前記サンプル塗料コーティングの塗布適合パラメータ(405)を受信することと、
- 前記色予測モデル(140)及び前記塗布適合モジュールを用いて、特定の塗装方法として前記サンプル塗装方法で使用するために有効な前記サンプル塗料コーティング(401)の色(406)を予測することであって、前記サンプル塗料コーティング(401)の色配合(402)のデータと、前記サンプル塗料コーティング(401)の色配合(402)に使用される個々の色成分の検索された特定の光学データと、前記サンプル塗料コーティングの塗布適合パラメータ(405)とが入力パラメータとして用いられる、ことと、
- 前記サンプル塗料コーティングのオフセット(410)を、前記サンプル塗料コーティング(401)の測定された色(403)と予測された色(406)の差として計算することと、
- 前記オフセット(410)を、前記塗料調整アルゴリズムを用いる、前記目標色配合(450)の計算に導入することと、
- 前記少なくとも1つのインターフェース(111)を介して、前記目標塗装方法の前記塗布適合パラメータ(415)を受信することと、
- 前記塗料調整アルゴリズムの入力パラメータとして、前記目標色(400)と、前記算出されたオフセット(410)と、前記受信した塗布適合パラメータ(415)とを使用して、色配合を、前記目標塗料コーティングが前記目標塗装方法を用いて基材上に塗布されたときの前記目標塗布コーティングの目標色配合(450)の個々の色成分の最適化された濃度とともに、計算することと、
を含む、請求項1、2又は3に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも:
- 顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分と、前記それぞれの個々の色成分に関連する特定の光学データとを含むデータベースであって、前記個々の色成分の前記特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、前記基準塗料コーティングはそれぞれ基準塗装方法を使用して基材上に塗布される、データベース(120,220,320)と、
- 少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(110)であって、前記データベース(220)と通信可能に接続され、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実行するようにプログラムされた、コンピュータプロセッサ(110)と、
を含む、システム。
【請求項9】
プログラムコードを有するコンピュータプログラムを備えた非一過性のコンピュータ可読媒体であって、前記プログラムコードは、前記コンピュータプログラムが、顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分、及び前記それぞれ個々の色成分に関連付けられた特定の光学データを含み、前記個々の色成分の前記特定の光学データが既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、前記基準塗料コーティングがそれぞれ基準塗装方法を用いて基材上に塗布される、データベース(120,220,320)と通信可能に接続されている少なくとも1つのコンピュータプロセッサ(110)に、ロードされ実行されると、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法を実行するように構成されプログラムされている、非一過性のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体状態の色をドライ状態の色標準にマッチングさせるためのコンピュータ実装のカラーマッチング方法及びその適切なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ほとんどのコンピュータ支援カラーマッチング方法は、光と散乱媒体又は吸収媒体(例えば、塗料層の着色剤)との相互作用を記述する物理モデルに基づいている。各塗料層は、含まれる着色剤によって特定の光反射特性を有する。これらの着色剤は、それぞれ特定の光学定数/特定の光学データによって表される特定の光学特性を有する。物理モデルは、含まれる着色剤に関する情報(それぞれの配合に関する情報にそれぞれ基づく)と、対応する特定の光学特性(それぞれ、対応する特定の光学定数)とともに、塗料層/塗料コーティングの光反射特性(色)を予測することができる。
【0003】
着色剤の光学定数は、例えば、よく知られている「クベルカ/ムンク(Kubelka/Munk)」モデルにおけるK/S値のように、それぞれの物理モデルの環境における着色剤の吸収及び散乱特性(又は効果フレーク配向)を記述する。しかし、塗料の反射特性は、配合にのみ依存するわけではない。塗装方法、一般に塗料が下地にどのように塗布されたかにも強く依存する。本発明の文脈では、ウェット状態の塗料(それぞれ液体塗料)は、1つの特定の塗装方法を意味している。本書では、「塗装方法」又は「塗布」と「状態」という用語は同義的に使用される。
【0004】
着色剤の特定の光学特性は、共通の基準塗装方法によって基材上に塗布され、それぞれすべて共通の基準塗料状態(液体又はドライ)で測定された既知の配合と既知の反射率データを有するサンプルデータに基づいて決定される。物理モデルの色予測とカラーマッチング方法は、常にこの基準塗装方法と関連している。
【0005】
異なる目標塗装方法に対する物理モデルの色予測は、著しいシステム的なエラーと、低い精度に晒される。特に、異なる目標塗装方法に対するゼロからのマッチングは、かなり不正確になる可能性がある。
【0006】
所定の目標色に対する適切な配合は、数値最適化アルゴリズムを用いて、利用可能な着色剤の既存の光学定数と目標色の反射率データを入力とした物理モデルに基づいて、予測されることができる。
【0007】
得られる配合は、目標塗装方法が基準塗装方法と同等である場合、目標色に可能な限りマッチングさせることができるはずである。
【0008】
色配合は、既知の配合を有する目標色に近い既存のサンプルに基づいて、例えば着色ステップなどに基づいて、計算されることも可能である。この場合は、色調整プロセスについて論じる。既存のサンプルは、色調整アルゴリズムが、1つの基本的な仮定:「モデルのバイアスは、サンプル配合に近い配合に対しては(ほぼ)一定である」という基本的な仮定に基づいているため、基準塗装方法で塗布され測定されている必要がある。サンプルの塗装方法が基準塗装方法と同等であり、色調整の調整された配合がサンプル配合に類似している限り、モデルバイアスは「類似」していると予想される:すなわち、調整アルゴリズムは、サンプルオフセット、つまりそれぞれサンプルの測定反射率データと予測反射率データの間のオフセットをモデルバイアスとして解釈する。このモデルバイアスは、調整アルゴリズム内で自動的に考慮/補正され、調整された配合の修正につながる(例:特許EP2149038B1)。サンプルの塗装方法が基準塗装方法と異なる場合、サンプルのモデルバイアスは調整された配合に関連することはできない。この場合、サンプルは、異なる塗装方法によって引き起こされる追加の非一定バイアスを含む。この塗布方法のバイアスは、調整された配合に伝播する。サンプルの塗布方法バイアスの規模によっては、色調整結果は著しく不正確になり得る。特に、液体状態の塗装方法の反射率データとドライ状態の塗装方法のデータが混在している場合、塗布方法のバイアスが非常に大きくなる。
【0009】
今日では、目標色の許容値は、ドライ塗料に対して定義されている。しかし、ほとんどの場合、塗料は液体製品である。ドライ状態の塗料の光学的特性は、液状のものと同等ではない。塗料の色は、塗料の状態に大きく依存する。ウェット塗料とドライ塗料の層との間に著しい色の違いが生じる理由は、例えば:
- 液状塗料の測定とドライ塗料の測定のための器具・測定器の違い
- ドライ塗料の上のクリアコートと比較した、流動塗料の測定セル(例えば、ガラスキュベット又は窓ガラスなど)の影響
- 塗料に含まれる顔料の異なる光学特性につながるウェット塗料(n=約1.35)とドライ塗料(n=約1.5)の屈折率の違い
- 塗料中の効果フレークの異なる配向
- ドライ塗料層では透明/不可視であるウェット塗料中の「乳白色の」混合クリア、
がある。
【0010】
カラーマッチングは、反復的なプロセスである。実際には、基準塗装方法(ドライ塗料状態)の光学定数を有する物理モデルが、マッチング方法に使用される。マッチング方法は、ゼロからのマッチング又はドライ状態における所定の目標色の配合データベースでの検索から開始する。
【0011】
「ゼロからのマッチング」という用語は、既存のサンプルコーティングに関する情報なしに第1ソリューションとして処理するカラーマッチング方法を含む。この方法は、例えば、配合データベースが利用できない場合、又は配合データベースで適切な第1ソリューションが見つからない場合に適用される。実際には、「ゼロからのマッチング」方法は、目標色に存在すると予想される成分の事前選択ステップから開始することが多い。この事前選択ステップは必須ではない。「ゼロからのマッチング」方法/アルゴリズムは、第1ソリューションとして目標色に対する1つ以上の予備的なマッチング配合を計算する。この/これらの予備的なマッチング配合(複数可)は、次のステップで噴霧及び/又は調整されることができる。
【0012】
物理モデル(例えば「サンプルオフセット」の分析によるモデルエラーの近似に基づく)の色予測精度を向上させるために使用される第1ソリューションとしてのサンプルコーティングが利用できる「色調整方法」と比較すると、「ゼロからのマッチング」方法の精度は、一般的に低くなる。
【0013】
結果は、カラーラボでウェット塗料として調製/混合される第1ソリューション、すなわち第1塗料配合である。ウェット塗料は、基準塗装方法で基材に塗布/噴霧され、乾燥される。任意に、第1塗料層/コーティングの上に追加のクリアコートが塗布される。最後に、ドライ塗料層/コーティングの反射率が測定される。通常、第1ソリューション、すなわち第1配合色は、目標色に十分近くはない。この場合、第1ソリューションの調整プロセスが開始し、そこでは第1ソリューションの予測反射率と測定反射率の間のサンプルオフセットが考慮される。サンプルオフセットは、システム的で一定のオフセットであることが想定される。サンプルオフセットが調整ステップにわたって一定でない場合(例えば、塗装方法での変動の場合)、色調整結果は著しく不正確になる。調整された配合は、目標色とサンプルオフセットの関数である。一定でないサンプルオフセットは、塗布方法のバイアスとして調整後の配合に伝播される。
【0014】
「一定でないサンプルオフセット」という用語は、調整された配合(塗装後)のオフセットがサンプルのオフセットと比較して著しく異なることを含む。
【0015】
噴霧及び乾燥プロセス(「塗装方法」)は、時間と費用がかかるプロセスである。効率的な代替案としては、(ドライ状態ではなく)液体状態のすべてのサンプル/着色プロセスの色測定と、(ドライ塗料ではなく)液体塗料の光学定数に基づくカラーマッチングと調整プロセスである。本アプローチは、カラーマッチングと調整プロセス内の噴霧及び乾燥プロセスを節約することになる。さらに、サンプルの反射率データは、ドライ塗装方法の変動によって引き起こされるバイアスの影響を受けない。しかし、実際には、目標色は常に乾燥状態で与えられる。液体状態のサンプル色とドライ状態の標準色を比較することは、大きなバイアスにつながり、許容されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
したがって、本発明の目的は、液体状態の色とドライ状態の色の両方を使用する場合の、色調整方法における塗布方法バイアスを補正する可能性を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述の目的は、それぞれの独立請求項の特徴を有する方法及びシステムによって解決される。さらなる実施形態は、以下の説明とそれぞれの従属請求項によって示されている。
【0019】
本開示は、少なくとも1つのコンピュータプロセッサ上で実行される塗布調整アルゴリズムと、個々の色成分の特定の光学データを含むデータベースとを使用する、コンピュータ実装されたカラーマッチング方法に関し、該個々の色成分の特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、該基準塗料コーティングは、それぞれ、基準塗装方法を使用して基材上に適用され、ここで、塗料調整アルゴリズムは、塗料調整アルゴリズムの色予測モデルと相互作用し、入力パラメータとして特定の塗装方法のための塗布適合パラメータを受信し、受信した塗布適合パラメータを使用して、基準塗装方法で使用するための色予測モデルによって予測された色を、特定の塗装方法で使用するのに有効な変換された色に変換するように構成された塗布適合モジュールによって拡張される。
【0020】
つまり、塗布適合モジュールは、色予測モデルによって予測され、基準塗装方法を使用する際に現れる色を、特定塗装方法を使用する際に現れる変換された色に変換するように構成される。基準塗装方法で使用するための予測された色は、基準塗装方法とは異なる特定の塗装方法で使用するために有効な色に変換される。
【0021】
「個々の色成分の特定の光学データ(specific optical data of individual color components)」、「個々の色成分の特定の光学データ(specific optical data of the individual color components)」又は「着色剤の特定の光学データ(specific optical data of the colorants)」という用語は、本明細書において同義的に使用され、それぞれの個々の色成分、すなわち着色剤の特定の光学特性及び特定の光学定数を含む。それぞれの塗料コーティングの色配合において使用される個々の色成分は、少なくとも:色顔料、すなわちいわゆる固体顔料、効果顔料、結合剤、溶剤及び添加剤、例えばマットペーストを含む群から選択される。
【0022】
「色」、「色データ」、「反射率」、「反射率データ」及び「反射特性」という用語は、本明細書において同義的に使用される。「塗装方法」、「塗布方法」、「塗布」、「状態」という用語は、同義的に使用される。つまり、ウェット状態の塗料、それぞれ液体状態に塗料が、特定の塗装方法を表し、それぞれ定義し、ドライ状態の塗料が、別の特定の塗装方法を表すことを意味する。
【0023】
「塗料配合」、「色配合」及び「配合」という用語は、本明細書において同義的に使用される。「塗料調整アルゴリズム」;「色調整アルゴリズム」及び「調整アルゴリズム」という用語は、本明細書において同義に使用される。「塗装方法」及び「塗布方法」という用語は、本明細書において同義的に使用される。「コンピュータプロセッサ」及び「プロセッサ」という用語は、本明細書において同義的に使用される。
【0024】
放射伝達モデルに基づく色配合計算の既知のアプローチは、文献に見出だすことができ、例えば、Georg A.Kleinの「Farbenphysik fuer industrielle Anwendungen」を参照することができる。
【0025】
色配合計算の基本的な考え方は、その前に較正されたコーティングに基づいて、すなわちそのような較正コーティングのそれぞれの測定に基づいて、特定の光学データ、すなわち、すべての関連する個々の色成分(例えばすべてのカラーペースト/着色剤)の光学特性及び/又は光学定数を特性評価することである。これらの較正コーティングは、それぞれ、既知の配合と既知の反射率データを有する既存のレットダウン(これらはすべて共通の基準塗装方法によって塗布された)に対応する。物理モデルを使用した色予測(本明細書では色予測モデルとも呼ばれる)、及びカラーマッチング方法は、常にこの基準塗装方法と関連している。
【0026】
塗料の反射特性(基準塗装方法に関連する)の予測のための物理モデルは、追加の塗布適合モジュールによって拡張されている:追加のモジュールは、物理モデルと相互作用して動作し、予測された反射率データを基準塗装方法(例えば液体状態)から特定の目標塗装方法(例えばドライ状態)に適合させることが想定される。物理モデルと組み合わせると、たった1つの光学定数セットに基づいて、様々な塗装方法の反射率データを予測することができる。
【0027】
追加モジュールは、特定の目標塗布適合パラメータの入力によって構成可能である。これらの塗布適合パラメータは、それぞれの基準塗装方法と比較した目標塗装方法との間の差異(例えば、液体塗料状態とドライ塗料状態間の差異)(又はむしろ特定の伝達関数)を記述する。塗布適合パラメータの例は:
- 効果フレーク配向の適合:より良いフレーク配向/より悪いフレーク配向
(効果色に適用可能;塗料層の明度/カラーフロップを調整する)
- ソリッド着色剤の効果:より高い効果/より低い効果
(剪断効果によって及び凝集物などによって生じ得るソリッド着色剤の着色力差を調整する)
- 効果着色剤の効果:より高い効果/より低い効果
(オーバースプレーロス又は沈降もしくは残留効果によって生じ得る効果着色剤の反射力の差を調整する)
- キュベット又は測定セル内のウェット塗料の光量損失の適合
- ウェット状態とドライ状態間の屈折率の変換係数
- ウェット塗料に混ぜるクリアなどの「乳白色」成分の補正(ドライ塗料中で消える/透明になる)
である。
【0028】
例えば、効果色のための配合がアルミニウムフレークを含み、液体状態のこの配合の特定の光学定数がこの効果顔料の散乱係数Sを含む場合、ドライ状態のオーバースプレー損失は、散乱係数S_dry=c*S_wet(c<1)の単純な線形スケーリング関数によって塗布適合モジュール内で補正されることができる。cが0.95の場合、効果フレークのオーバースプレー損失が55%であることを意味する。
【0029】
例えば、配合が、ウェット状態で「乳白色」(S_wet>0、K_wet>=0)の外観を有するが、ドライ状態では透明/不可視である混合クリア成分を含む場合、ウェットからドライ状態への「消失効果」は、この混合クリア成分の特定の散乱/吸収係数(S_dry/K_wet)をS_dry=0、K_dry=0に設定することによって、塗布適合モジュール内でのモデル化できる。この適合関数は、この混合クリア成分の光学特性(ウェット状態のもの)が、ドライ状態の色予測では無視できることを意味する。
【0030】
塗布適合パラメータはまた、共通の特定の塗装方法で塗布された既存のサンプル(複数可)の分析(例えば、カラーマッチング方法の1つ以上の既存の着色ステップ(複数可))に基づいて暗に決定されることができる。データベース(特定の塗装方法、例えば特定のウェット又はドライ塗装を使用する場合に関連している)からの既存のサンプルのリストも、それぞれの目標塗布適合パラメータの決定のために使用されることができる。
【0031】
提案された方法の一実施形態によれば、特定の塗装方法のための塗布適合パラメータは、数値的方法及び色予測モデルを使用して計算され、そこでは、測定された色及び複数のサンプルコーティングの配合が入力パラメータとして提供され、所定のコスト関数が初期塗布適合パラメータの所定のセットから開始して最適化され、該所定のコスト関数はそれぞれサンプルコーティングの測定された色と予測された色の間の色距離として選択され、物理モデルは、入力パラメータとして、サンプルコーティングのそれぞれの色配合と、サンプルコーティングの色配合に使用される個々の色成分の特定の光学データと、最適化の過程で得られるそれぞれの予備的な塗布適合パラメータとを使用することによって、それぞれ、サンプルコーティングの色を予測するよう構成され、塗布適合パラメータは、所定のコスト関数が所定の閾値を下回るまで、サンプルコーティングの再帰的に予測された色をそれぞれのサンプルコーティングの測定された色と比較して計算される。初期塗布適合パラメータは、中立パラメータである。つまり、初期塗布適合パラメータを使用は、基準塗装方法を使用した場合と等しい色予測を生じることを意味する。所定の閾値は、動的に決定されることもでき、例えば、これ以上改善することができない最小化の特定の状態を示すことができる。
【0032】
既に上述したように、基準塗装方法と特定塗装方法は、互いに異なる。さらなる実施形態によれば、基準塗装方法及び特定塗装方法は、それぞれ、ウェット状態で塗布された塗料コーティング、ドライ状態で塗布された塗料コーティング、ウェット状態での単なる塗料からなる群から選択される。
【0033】
さらなる態様によれば、提案された方法は、基準塗装方法とは異なる所定の目標塗装方法を特定の塗装方法として用いて(基材上に)塗布されると所定の目標色にマッチングする目標塗料コーティングの目標色配合を決定するために用いられ、該方法は、さらに、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、所定の目標色を受信することと、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、所定の目標塗装方法に対する塗布適合パラメータを受信することと、
- データベースから、目標塗料コーティングの目標色配合に使用される個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 所定の目標色と、検索された個々の色成分の特定の光学データと、塗料調整アルゴリズムの入力パラメータとして受信した塗布適合パラメータとを使用して、目標塗料コーティングが所定の目標塗装方法を使用して(基材上に)適用されたときの目標塗料コーティングの目標色配合のための目標色配合として、個々の色成分の最適化された濃度を有する色配合を計算することと、
を含む。
【0034】
「塗料コーティング」とは、本明細書において基材上に塗布された塗料層、及び使用される塗装方法によってはウェット状態のそれぞれの塗料を表し得る。「塗料コーティング」と「色コーティング」という用語は、本明細書では同義的に使用される。
【0035】
色配合は、個々の色成分、すなわち着色剤、及びそれぞれの塗料コーティングに使用されるそれらのそれぞれの濃度を規定する。本明細書では、「色配合」と「塗料配合」という用語は同義に使用される。
【0036】
つまり、提案された方法、すなわち提案された色調整アルゴリズムは、基準塗装方法とは異なることができる特定の目標塗装方法に対して色をマッチングさせることが可能である。
【0037】
一般に、サンプルの「実際の」測定された反射率データ(色)は、物理モデルの予測された反射率データ(色)と常に(わずかに)異なる(「サンプルオフセット」)。現実と理論との間にこのサンプルオフセットが生じる理由としては、例えば:
- モデルバイアス:100%正確なモデルはない
- 器具の統計的エラー:例えば、温度によって引き起こされる
がある。
【0038】
したがって、サンプルオフセットを提供することが必要である。この目的のために、提案された方法は、さらに以下のステップ:
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、マッチングすべき目標色の第1ソリューションとして、サンプル塗料コーティングの色配合のデータを受信することと、
- データベースから、サンプル塗料コーティングの色配合に使用された個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、基準塗装方法を使用して基材に塗布されたサンプル塗料コーティングの測定された色を受信することと、
- 少なくとも1つのコンピュータプロセッサに実装され実行される色予測モデルを用いて、サンプル塗料コーティングの色を予測することと、
- 少なくとも1つのコンピュータプロセッサを用いて、参照塗料コーティングの測定された色と予測された色との間の差として、サンプル塗料コーティングのオフセットを計算すること、
- オフセットを考慮して、すなわちオフセットを目標色配合に導入して、所定の目標を補正することと、
を含む。
【0039】
色調整アルゴリズムは、完全なサンプルオフセットをモデルバイアスとして解釈し、そしてそれぞれのサンプルオフセットが補正されるように、調整された塗料配合を補正する。ここで、塗布方法バイアスはサンプルオフセットの一部である。塗布方法バイアスが1つの調整ステップから他の調整ステップへの間に一定でない場合は、それは不安定要素として作用する。一定でないサンプルオフセットの規模によっては、エラーが伝播するため、色調整の結果が著しく不正確になる可能性がある。
【0040】
つまり、塗布方法のバイアスがある可能性があることを意味する:例えば、ウェット状態の塗装方法の反射率データが、ドライ状態の塗装方法のデータと混在している場合である。
【0041】
所定の目標塗装方法(例えば、特定のドライ状態の塗装方法)への塗布適合に加えて、本発明はまた、サンプル塗装方法が基準塗装方法と異なる場合に、色調整内のサンプルオフセット(例えば、ウェット状態の測定)における塗布方法のバイアスを除去する方法についても説明する。サンプルオフセットの決定の改善は、調整された配合の品質/精度を直接的に向上させる。
【0042】
基本的な考え方は、サンプルオフセットは、塗布方法のバイアスと残留のエラーで構成されるということである。残留のエラーは、モデルバイアスなどを含む。塗布方法のバイアスは、サンプルオフセットの非一定部分であると予想されるため、サンプルオフセットから取り除かれるべきである。サンプルオフセットの残留のエラーは、主に、調整アルゴリズム内で正しく処理されるモデルバイアスで構成される。このアプローチは、サンプル塗装方法のモデルバイアスが、目標塗装方法のモデルバイアスと類似しているという仮定に基づいている。
【0043】
改善された調整アルゴリズムは、塗布適合モジュールを塗布適合パラメータと組み合わせて使用して、サンプルコーティング(すなわち、それぞれ、反復色調整プロセス、すなわち反復カラーマッチング方法における第1ソリューション)についての、所定のサンプル塗装方法の塗布方法特定の反射率値(予測された色)を予測する。予測された塗布方法特定の反射率値(予測された色)は、塗布方法バイアスのない補正されたサンプルオフセットを計算するために使用される。
【0044】
既に前述したように、サンプルに対する特定の塗布適合パラメータ(例えば、カラーマッチング方法の既存の着色ステップ)は、その配合及び反射率データの分析に基づいて、(例えば、ユーザ入力によって)定義されるか又は暗に決定されることができる。
【0045】
本明細書では、「反射率データ」と「色」という用語は同義的に使用される。
【0046】
提案された方法により、色調整プロセスの収束がより早くなり、より堅牢で信頼性の高いものになる。
【0047】
したがって、提案された方法のさらに別の実施形態によれば、本方法は、本方法は、基準塗装方法を用いて(基材上に)塗布される所定の目標色にマッチングする目標塗料コーティングの目標塗料コーティングの目標色配合を決定するために用いられ、該方法はさらに:
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、マッチングさせる目標色の第1ソリューションとして、サンプル塗料コーティングの色配合のデータを受信することと、
- データベースから、サンプル塗料コーティングの色配合に使用された、又は、目標塗料コーティングの色配合に追加的に使用されるべき個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、基準塗装方法と異なるサンプル塗装方法を使用して(基材上に)塗布されたサンプル塗料コーティングの測定された色を受信することと、
- サンプル塗装方法のための塗布適合パラメータを受信することと、
- 色予測モデル及び塗布適合モジュールを用いて、特定の塗装方法としてサンプル塗装方法で使用するのに有効なサンプル塗料コーティングの色を予測することであって、サンプル塗料コーティングの色配合のデータと、サンプル塗料コーティングの色配合に使用される個々の色成分の検索された特定の光学データと、サンプル塗装方法の塗布適合パラメータとが入力パラメータとして使用される、サンプル塗料コーティングの色を予測することと、
- サンプル塗料コーティングのオフセットを、サンプル塗料コーティングの測定された色と予測された色との差として計算することと、
- 塗料調整アルゴリズムを用いて、オフセットを考慮して、すなわち目標色配合の計算にオフセットを導入して、所定の目標色を補正することと、
を含む。
【0048】
「塗装方法を用いて塗布された塗料コーティング」という表現は、塗装方法がそれぞれドライ状態に対応するドライ状態の塗料コーティングを生じる場合には、塗料コーティングがそれぞれの塗装方法を用いて基材上に塗布されることを意味し、塗料コーティングがまだウェット状態にある場合には、塗装方法がさらなる使用のためにウェット状態の塗料コーティングを提供するだけであることを意味する。「基材に塗布される」という表現は、それぞれの塗装方法が噴霧と乾燥の手順を含む場合にのみ有効である。したがって、「基材上に」という表現は括弧書きで記載される。
【0049】
さらに、本方法は、特定の塗装方法として目標塗装方法を用いて(基材上に)塗布されるときの所定の目標色とマッチングする目標塗料コーティングのための目標色配合を決定するために使用され得、該方法はさらに:
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、マッチングされる目標色の第1ソリューションとして、サンプル塗料コーティングの色配合のデータを受信することと、
- データベースから、サンプル塗料コーティングの色配合に使用された個々の色成分、又は、目標塗料コーティングの色配合に追加的に使用される個々の色成分の特定の光学データを検索することと、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、サンプル塗装方法を用いて(基材上に)塗布されたサンプル塗料コーティングの測定された色を受信することと、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、サンプル塗料コーティングの塗布適合パラメータを受信することと、
- 色予測モデル及び塗布適合モジュールを用いて、特定の塗装方法としてサンプル塗装方法で使用するのに有効なサンプル塗料コーティングの色を予測することであって、ここで、サンプル塗料コーティングの色配合のデータと、サンプル塗料コーティングの色配合に使用される個々の色成分の検索された特定の光学データと、サンプル塗装方法のための塗布適合パラメータとが入力パラメータとして用いられる、サンプル塗料コーティングの色を予測することと、
- サンプル塗料コーティングのオフセットを、サンプル塗料コーティングの測定された色と予測された色との差として計算することと、
- 塗料調整アルゴリズムを用いて、オフセットを考慮して、すなわち目標色配合の計算にオフセットを導入して所定の目標色を補正することと、
- 少なくとも1つのインターフェースを介して、目標塗装方法に対する塗布適合パラメータを受信することと、
- 塗料調整アルゴリズムの入力パラメータとして目標色と、算出されたオフセットと、目標塗装方法に対する受信された塗布適合パラメータを使用して、目標塗料コーティングが目標塗装方法を用いて(基材上に)塗布されたときの目標塗布コーティングの目標色配合として、個々の色成分の最適化された濃度を有する色配合を計算することと、
を含む。
【0050】
本発明はまた、システムにも関し、該システムは少なくとも:
- 顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分と、それぞれの個々の色成分に関連する特定の光学データとを含むデータベースであって、個々の色成分の特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、基準塗料コーティングはそれぞれ基準塗装方法を使用して(基材上に)塗布される、データベースと、
- 少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、データベースと通信可能に接続され、本明細書に提案された方法を実行するようにプログラムされた、コンピュータプロセッサと、
を含む。
【0051】
本システムは、USBなどの適切なインターフェースを介して、データの入力を受信するように構成された入力デバイスをさらに備えることができる。このような入力装置は、コンピュータのキーボード、マイク、ビデオカメラ、データキャリア、又はそれらの任意の組み合わせであってよい。本システムは、上記の方法の1つを実行することによって計算されたそれぞれの結果を出力し、特に表示するように構成された出力装置をさらに備えることができる。出力装置は、少なくとも音響装置、触覚装置、表示装置及びそれらの任意の組み合わせを含む群のうちの1つである。出力装置は、それぞれのインターフェースを介して、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと通信可能に接続されている。
【0052】
さらに、本発明は、コンピュータプログラムを備えた非一過性のコンピュータ可読媒体に関するものであって、該コンピュータプログラムは、顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分、及びそれぞれ個々の色成分に関連付けられた特定の光学データを含むデータベースと通信可能に接続されている少なくとも1つのコンピュータプロセッサによってロードされ実行されると、本明細書に提案された方法を実行する構成されプログラムされたプログラムコードを有し、ここで、個々の色成分の特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、基準塗料コーティングは、それぞれ基準塗装方法を用いて(基材上)に塗布される、コンピュータ可読媒体に関する。
【0053】
異なる構成要素間の各通信接続は、それぞれ、直接接続又は間接接続であってよい。各通信接続は、有線接続、又は、無線接続であってよい。各適切な通信技術が使用されてよい。データベース、及び少なくとも1つのコンピュータプロセッサは、それぞれ相互に通信するための1つ以上の通信インターフェースを含んでよい。このような通信は、ファイバ分散データインターフェース(FDDI)、デジタル加入者回線(DSL)、イーサネット(登録商標)、非同期転送モード(ATM)又はその他の有線伝送プロトコルなどの有線データ伝送プロトコルを用いて実行されてよい。あるいは、通信は、汎用パケット無線サービス(GPRS)、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)、符号分割多重アクセス(CDMA)、ロング・ターム・エボリューション(LTE)、無線ユニバーサルシリアルバス(USB)、及び/又はその他の任意の無線プロトコルなど、様々なプロトコルのいずれかを使用して、無線通信ネットワークを介して無線で行われてよい。それぞれの通信は、無線通信及び有線通信を組み合わせたものであってもよい。
【0054】
コンピュータプログラム命令(すなわちプログラムコード)及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体には、あらゆる形態の不揮発性メモリ及びメモリデバイスが含まれ、それらは、例として、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM)、電気消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EEPROM)及びフラッシュメモリ装置などの半導体メモリデバイス;内部ハードディスク又はリムーバブルディスクなどの磁気ディスク;光磁気ディスク;光ディスク;CD-ROM、DVD+R、DVD-R、DVD-RAM、及びDVD-ROMディスク、又はそれらの1つ以上の組み合わせを含む。このようなメモリデバイスは、キャッシュ、クラス、アプリケーション、バックアップデータ、ジョブ、ウェブページ、ウェブページテンプレート、データベーステーブル、動的情報を保存するリポジトリ、及び任意のパラメータ、変数、アルゴリズム、命令、規則、制約、及び/又はそれらの参照を含む他の適切な情報を含む、様々なオブジェクト又はデータを保存してよい。さらに、メモリデバイスは、ポリシー、ログ、セキュリティ又はアクセスデータ、レポートファイル、及びその他などの任意の他の適切なデータを含むことができる。コンピュータプロセッサ及びメモリは、特殊用途の論理回路によって補完され、又は特殊用途の論理回路に組み込まれることができる。
【0055】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータプログラム、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、又はコードとすることができ、コンパイル言語又はインタープリタ言語、あるいは宣言型言語又は手続き型言語を含む任意の形式のプログラミング言語で記述することができる。命令は、スタンドアロンコンピュータプログラムとして、又はモジュール、コンポーネント、サブルーチン、又はコンピューティング環境での使用に適した他のユニットとしてなど任意の形式で展開されることができる。一実施形態では、本開示のコンピュータ実行可能命令(すなわち、プログラムコード)は、HTML、TS(TypeScript)、及びCSS(Cascading Style Sheets)で書かれる。
【0056】
コンピュータプログラムは、それぞれのファイルシステムにおけるファイルに対応することができるが、そうである必要はない。コンピュータプログラムは、他のコンピュータプログラム又はデータを保持するファイルの一部、例えば、マークアップ言語文書に保存された1つ以上のスクリプト内、当該コンピュータプログラム専用の単一ファイル内、又は複数の調整ファイル、例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を保存するファイル内に保存されることができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、又は1つのサイトに位置する、又は複数のサイトに分散し、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開されることができる。コンピュータプログラムの一部は、様々なオブジェクト、方法、又は他のプロセスを通じて様々な特徴及び機能を実装する個々のモジュールとして設計されることができる。あるいは、コンピュータプログラムは、代わりに、多数のサブモジュール、サードパーティサービス、コンポーネント、ライブラリなどを適宜含むことができる。逆に、様々なコンポーネントの特徴及び機能を、適宜、単一のコンポーネントに組み合わせることができる。
【0057】
本開示の方法の実行に適したシステムは、汎用又は特殊用途のマイクロプロセッサ、その両方、又は任意の他の種類のCPUに基づくことができる。一般に、CPUは、読み取り専用メモリ(ROM)又はランダムアクセスメモリ(RAM)又はその両方から、命令及びデータを受け取ることになる。システムの必須要素は、命令(すなわちプログラムコード)を実行又は実行するためのCPUと、命令(すなわちプログラムコード)及びデータを保存するための1つ以上のメモリデバイス(データベースなど)である。一般に、システムは、少なくとも1つのメモリデバイスを含み、又は少なくとも1つのメモリデバイスに動作的に結合され、データを保存するための少なくとも1つのメモリデバイスからデータを受信するか、又は少なくとも1つのメモリデバイスにデータを転送するか、又はその両方をするように構成される。このようなメモリデバイスは、例えば、磁気、光磁気ディスク、又は光ディスクを含む。しかし、システムは、このようなデバイスを有する必要はない。さらに、ほんの数例を挙げると、システムは、他の装置、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、又はポータブル記憶装置、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブ、に組み込むことができる。
【0058】
カラーマッチングは、反復的なプロセスである。ゼロからのマッチングから開始し、適切な配合が見つかるまでいくつかの調整ステップを続けるため、カラーマッチング方法には時間とコストがかかる。今日では、目標色の許容範囲は、ドライ塗料に対して定義されている。しかし、一般的に塗料は液体製品として販売されている。ドライ状態の塗料の光学的特性は、液体(ウェット状態)の塗料の特性と等しくない。そのため、今日では、カラーマッチング方法の各着色ステップは、その乾き色がドライ状態の塗料の許容範囲とマッチングするかどうかを確認するために、噴霧される必要がある。本明細書に記載の方法は、すべての着色ステップでのすべての塗装を取り除くために、調整プロセスを完全に液体状態で実行することを可能にする。本発明は、ウェットサンプルコーティングに基づく、すなわちウェット状態のサンプルコーティングに基づく調整プロセス、すなわち、乾燥手順によってさらに処理されない、おそらく噴霧手順によっても処理されない調整プロセスを可能にする方法について記載している。
【0059】
本発明の主な目的の1つは、乾き色基準の、すなわちドライ状態の目標色のカラーマッチング方法において、ウェット状態でのサンプル/着色ステップの測定された反射率データを使用することを可能にすることであった。
【0060】
新しく開発された塗布適合方法には、2つの使用ケースがある:
1.ウェット塗料の光学定数に基づく乾き色基準のカラーマッチング方法:
・ すべてのサンプル/着色ステップは、ウェット状態で測定される
・ すべてのサンプル/着色ステップの反射率データは、ウェット状態への塗布適合なしに予測される
・ ウェット塗料の状態の対応するサンプルオフセットは、調整アルゴリズム内で考慮される
・ 調整された配合の予測される反射率データは、適切な塗布適合パラメータを使用することによって、ウェット状態から乾燥した基準塗布方法、すなわち、噴霧と乾燥手順を含む基準塗装方法へと変換される。
2.乾燥基準塗布方法の光学定数に基づく乾き色基準のカラーマッチング方法:
・ すべてのサンプル/着色ステップは、ウェット状態で測定される
・ すべてのサンプル/着色ステップの予測された反射率データは、適切な塗布適合パラメータを使用することによって、乾燥した基準塗布方法からウェット状態へと変換される
・ ウェット塗料の状態の対応するサンプルオフセットは、調整アルゴリズム内で考慮される
・ 調整された配合の反射率データは、乾燥基準塗布方法へ塗布適合させることなく予測される
「ウェット塗料」、「ウェット色」、「ウェット状態の塗料」、「ウェット状態の色」という用語は、本明細書において同義的に使用される。「乾き色」、「ドライ塗料」、「ドライ状態の塗料」、「ドライ状態の色」という用語は、本明細書において同義的に使用される。
【0061】
以下の説明は、1つ以上の特定の実施の文脈で示され、提供される。開示された実施に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実施及び用途に適用され得る。
【0062】
本開示に記載される主題及び機能的な操作の実施は、デジタル電子回路に、有形に具現化されたコンピュータソフトウェアに、本開示に開示される構造及びそれらの構造的等価物を含むコンピュータハードウェアに、又はそれらの1つ以上の組み合わせに実装されることができる。本開示に記載された主題の実施は、1つ以上のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のための、又はデータ処理装置の動作を制御するための、有形非一過性のコンピュータ記憶媒体上にエンコードされたコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールとして実装され得る。代替的に又は追加的に、プログラム命令は、人工的に生成された伝播信号、例えば、機械生成の電気、光、又は少なくとも1つのコンピュータプロセッサによって実行される適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される電磁信号上にエンコードされることができる。
【0063】
この明細書の主題の1つ以上の実施の詳細は、添付の図面及び説明に記載される。主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本発明による方法の一実施形態によって提供される塗布適合パラメータを決定する方法を概略的に示す図である。
【
図2】本発明による方法のさらなる実施形態の過程を概略的に示す図である。
【
図3】本発明による方法の別の実施形態の過程を概略的に示す図である。
【
図4】本発明による方法のさらに別の実施形態の過程を概略的に示す図である。
【
図5】カラーマッチング方法のサンプルオフセットを示す概略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
図面の詳細な説明
同一のユニット又はコンポーネントには、すべての図にわたって同一の参照符号が与えられている。
【0066】
図1は、本発明によるシステムの一実施形態を示す。本システムは、コンピュータプロセッサ110とデータベース120を備える。データベース120は、顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分、着色剤
1、着色剤
2、着色剤
3、...、着色剤
n、及びそれぞれの個々の色成分に関連付けられた特定の光学データ、定数
1、定数
2、定数
3、...、定数
nを含み、個々の色成分の特定の光学データは、既知の基準色配合及び既知の測定基準色を有する既知の基準塗料コーティングに基づいて決定され、基準塗料コーティングは、それぞれ基準塗装方法を使用して(基材上に)塗布されている。コンピュータプロセッサ110は、データベース120と通信可能に接続され、本明細書に記載される本発明による方法の実施形態を実行するようにプログラムされている。提案された方法で提供された、又は提供される塗布適合パラメータは、手動入力に加えて、以下のように暗に決定されることもできる:
塗布適合パラメータは、既存のサンプル塗料コーティング101のそれぞれ既存の着色ステップのデータに基づいて計算され得る。
【0067】
これらのサンプル塗料コーティング101は、特定の塗装方法を用いて(基材上に)塗布される。サンプル塗料コーティング101のそれぞれの色103が測定される。それぞれのサンプル塗料コーティング101のそれぞれの色配合102のデータが提供される、それぞれの色配合102は、含まれるすべての着色剤、着色剤1、着色剤2、着色剤3、・・・着色剤nとそれぞれの濃度、c1、c2、c3、・・・、cnを規定する。特定の塗装方法が噴霧及び乾燥手順を含む場合、それぞれのサンプルコーティングがそれぞれ、基材上に塗布される。あるいは、サンプル塗料コーティングは、特定の塗装方法がそれぞれのサンプル塗料コーティングをウェット状態で、それぞれ例えばキュベット内又はカスタムガラスセル内で提供することのみを含む特定塗装方法手段を使用して塗布される。後者の場合、サンプル塗料コーティングは基材上に噴霧され得るが、まだ乾燥されていない。
【0068】
サンプル塗料コーティング101の色配合102のデータは、コンピュータプロセッサ110の少なくとも1つのインターフェース111を介して受信される。さらに、サンプル塗料コーティング101の測定された色103は、コンピュータプロセッサ110の少なくとも1つのインターフェース111を介して受信される。
【0069】
数値的方法130及び物理モデル140が提供され、コンピュータプロセッサ110上で実施される。数値的方法130は、所定の初期塗布適合パラメータのセットから開始して所定のコスト関数を最小化することによって塗布適合パラメータを最適化するように構成される。初期塗布適合パラメータは、中立パラメータである。つまり、初期塗布適合パラメータの使用は、基準塗装方法を使用した場合と等しい色予測を生じることを意味する。所定のコスト関数は、既存のサンプル塗料コーティング101のそれぞれ1つの測定色103とそれぞれのサンプル塗料コーティングの予測色との間の色距離として選択される。物理モデルは、入力パラメータとして、それぞれのサンプル塗料コーティングの色配合102、それぞれのサンプル塗料コーティングの色配合102に使用される個々の色成分の特定の光学データ、及び最適化の過程で生じるそれぞれの予備的な塗布適合パラメータを用いることによって、それぞれのサンプル塗料コーティングの色を予測するように構成される。特定の光学データは、データベース120から検索される。着色剤の特定の光学特性は、すべてが特定の塗装方法とは異なるか又は異なる可能性のある共通の基準塗装方法によって(基材上に)塗布された既知の配合と既知の反射率データを有する既存のレットダウン/試験片のデータに基づいて決定される。したがって、物理モデルの色予測は、この基準塗装方法と関連している。
【0070】
コンピュータプロセッサ110を使用し、コンピュータプロセッサ110上で実装され実行される数値的方法130及び物理モデル140を使用することにより、塗布適合パラメータ105は、サンプル塗料コーティングのそれぞれの再帰的に予測された色を、所定のコスト関数が所定の閾値を下回るまで、それぞれのサンプル塗料コーティングの測定色103と比較することにより計算される。所定の閾値は、動的に決定されることもでき、例えば、これ以上改善することができない最小化の特定の状態を示すことができる。
【0071】
したがって最適化されたと考えられる塗布適合パラメータ105は、インターフェース112を介して、ディスプレイなどの出力装置に出力される。
【0072】
計算された最適化塗布適合パラメータ105は、利用可能にされ、さらなるインターフェース112を介して、出力される。これらの計算された最適化塗布適合パラメータ105は、1つの特定の塗装方法に対して特徴的である。本方法は、基準塗装方法が対応する塗装方法応じて、ウェット状態及びドライ状態などの複数の異なる所定の特定の塗装方法に対して実行され得る。すなわち、基準塗装方法がドライ状態に対応する場合、ウェット状態のサンプルコーティング及び/又は目標コーティングがそれぞれの色調整プロセスに含まれる場合は、ウェット状態の塗布適合パラメータが必要であることを意味する。さらに、基準塗装方法がウェット状態に対応する場合、ドライ状態のサンプルコーティング及び/又は目標コーティングが色調整プロセスに含まれる場合は、ドライ状態の塗布適合パラメータが必要となる。異なる所定の特定の塗装方法のそれぞれの1つについて計算されたそれぞれの塗布適合パラメータは、次に、リポジトリに検索可能に保存され、方法固有の塗布適合パラメータとして、異なる所定の特定の塗装方法のそれぞれの1つに、割り当てられ得る。これらの方法固有塗布適合パラメータは、その後、要求に応じていつでもリポジトリから呼び出されることができる。
【0073】
図2は、本発明による方法のさらなる実施形態の過程を概略的に示す。
【0074】
一般にマッチング方法は、ゼロからのマッチング、あるいは所定の目標色201に対する配合データベースでの検索から始まる。目標色201は、ここではドライ状態、すなわち目標色201として現れるそれぞれの目標コーティングがドライ状態であり、すなわちそれぞれの目標コーティングが基材上に塗布(噴霧)されて乾燥される。したがって、それぞれの塗装方法は、本明細書においてドライ塗装方法とも呼ばれる、噴霧と乾燥手順の組み合わせからなる。既に上述したように、本明細書では、「塗装方法」と「状態」という用語は同義的に使用される。したがって、ドライ状態の色は、ドライ塗装方法を用いた色又は塗料コーティングとも表され得る。類推して、ウェット状態の色は、乾燥手順を含まず、おそらくは噴霧手順さえも含まないウェット塗装方法を用いた色又は塗料コーティングとも表され得る。
【0075】
第1ソリューションは、典型的には、目標色201に十分に近くない。したがって、物理モデル140(ここでは色予測モデルとも呼ばれる)は、数値最適化アルゴリズム130と組み合わされて使用され、反復によって最適化された配合202を得る。目標塗料配合202は、すべての含まれる着色剤、着色剤
1、着色剤
2、着色剤
3、・・・着色剤
nとそれぞれの濃度、c
1、c
2、c
3、・・・、c
nを規定する。物理モデル140は、色予測の基礎としてデータベース220を使用する。データベース220は、顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分、着色剤
1、着色剤
2、着色剤
3、...、着色剤
n、及びそれぞれの個々の色成分に関連付けられた特定の光学データ、定数
1、定数
2、定数
3、...、定数
nを含む。着色剤の特有の光学特性は、ここではウェット塗装方法、それぞれウェット状態の共通の基準塗装方法によってすべて塗布された、既知の配合と既知の反射率データを有する既存のレットダウン/試験片のデータに基づいて決定される。しかし、色が目標色201にマッチングする塗料コーティングの配合202を探す場合であって、塗料コーティングがドライ塗装方法を用いて(したがって、基準塗装方法としてのウェット塗装方法以外)基材上に塗布される場合、ウェット塗装方法と比較したドライ塗装方法の特性が、
図1に例示的に記載されているように計算される特定の塗装方法としてのドライ塗装方法に対するそれぞれのドライ塗布適合パラメータ205を提供することによって考慮される。
【0076】
目標色201及び目標塗布適合パラメータ205は、インターフェース111を介して、物理モデル140及び数値最適化アルゴリズム130が実装され実行されているコンピュータプロセッサ110によって、受信される。目標塗装方法、すなわちそれぞれのドライ塗装方法を用いて基材上に塗布されたときの、色が目標色201にマッチングする塗料コーティングのための配合202を決定するために、目標色201、目標塗布適合パラメータ205及びデータベース220からの利用可能な着色剤の特定の光学定数が用いられ、最適化された配合202が反復的に決定される。この配合202と、目標塗装方法、すなわちそれぞれのドライ塗装方法を用いて塗布されたときの予測される色206は、インターフェース112を介して出力デバイス上に出力されることができる。予測された色206は、ドライ塗装方法を用いて基材上に塗布されたときの最適化された配合202の真の色と、モデルバイアス210に対応するシステム的バイアスとから構成される(詳細な説明は
図5参照)。目標塗布適合パラメータ205が計算に含まれているため、塗装方法のバイアスは存在しない。
【0077】
モデルバイアス、すなわちオフセット210を決定するために、本方法は、さらに以下のステップを含む。
【0078】
- インターフェース111を介して、マッチングされる目標色201の第1ソリューションとしてのサンプル塗料コーティング221の色配合222のデータを受信するステップと、
- データベース220から、サンプル塗料コーティング221の色配合222に使用される個々の色成分の特定の光学データを検索するステップと、
- インターフェース111を介して、基準塗装方法、すなわちウェット塗装方法を用いて塗布されるサンプル塗料コーティング221の測定された色223(すなわちサンプル塗料コーティング221の測定された色223がウェット状態で提供される)を受信するステップ、
- プロセッサ110に実装され実行される色予測モデル140を用いて、基準塗装方法、すなわちここではウェット状態に対して有効なサンプル塗料コーティング221の色225を予測するステップと、
- プロセッサ110を用いて、サンプル塗料コーティング221の測定された色223と予測された色225との間の差としてオフセット210を計算するステップと、
- 数値最適化アルゴリズム130と色予測モデル140の組み合わせからなる色調整アルゴリズムのインターフェース111を介して、さらなる入力パラメータとして、オフセット210を考慮して、それぞれオフセット210を提供して所定の目標色201を補正するステップ。一般に、物理モデル、すなわち色予測モデル140は、色を予測するために、すなわち、色調整アルゴリズムの反復プロセス中に予備的な塗料配合の理論的な色を決定するために、データベース120に保存されているすべての利用可能な顔料及びそのそれぞれの特定の光学データを必要とする。ほとんどの場合、第1ソリューション221と最終的に決定された目標色配合202は同じ顔料を含むが、目標色配合202に必要な追加の顔料が存在する場合もある。
図3は、本発明による方法の別の実施形態の過程を概略的に示す。
【0079】
所定の目標色300のための色調整プロセスは、サンプル301、例えば既存の着色ステップ、又は、配合データベースにおける検索結果を第1ソリューションとして開始する。これまでは、モデルバイアスがサンプル配合に近いすべての配合ついて一定であるという仮定に色調整アルゴリズムが基づいているため、既存のサンプル301は基準塗装方法で塗布されている必要があった。しかし、既に説明したように、実際のサンプル又はサンプルコーティングは、ここでドライ塗装方法に対応する基準塗布方法で塗布される必要がなく、ここではウェット塗装方法に対応するサンプル塗装方法で塗布されることができる。これにより、それぞれのサンプルオフセットのシステム的バイアスに寄与する。このサンプルオフセットへのサンプル塗装方法の寄与を考慮しない場合、色調整プロセスの結果は著しく不正確なものとなる。
【0080】
第1ソリューション301は、目標色300がドライ状態にあるが、ここでは、ウェット塗装方法を用いて塗布されたサンプルコーティングである。サンプルがウェット状態で使用されているときも、ドライ状態の目標色300に対して最適化された塗料配合の色予測を行うことができるようにするために、そのような差を補正する、すなわち、ウェット塗装方法とドライ塗装方法の間のそのような変換を考慮するオフセット310が決定される必要がある。第1ソリューション301は、典型的には、目標色300に十分に近くない。第1ソリューション301の調整は、予測反射率データ306と第1ソリューション301についての測定反射率データ303との間のオフセット310が考慮されるところに適用される。
【0081】
したがって、調整された配合は、目標色300と、予測された反射率データ306と第1ソリューション301の測定された反射率データ303との間のオフセット310の関数である。第1ソリューション301の測定された反射率データ303が、塗装方法の変動によって引き起こされるバイアスを含む場合、このエラーは、反復カラーマッチング方法の次の配合に伝播することになる。
【0082】
そこで、最初の反復ステップ、すなわち第1ソリューション301を検討する際に、既に塗装方法の多様性を考慮することにより、このような塗装方法のバイアスを回避することが提案される。
【0083】
塗装方法に依存しないオフセット310は、第1ソリューション301に基づいて計算される。第1ソリューション301のサンプル配合302は既知である。第1ソリューション301は、サンプル塗装方法を用いて、すなわちそれぞれのウェット塗装方法を用いて塗料コーティングとして塗布され、その色が測定される。第1ソリューション301の測定された色303が提供される。測定された色303は、真の色と、システム的バイアスと、統計的エラーとを含む。さらに、物理モデル140は、既知の配合302に基づいて、第1ソリューション301の色を予測するために使用される。物理モデル140はデータベース120を使用し、したがって、基準塗装方法、すなわちそれぞれのドライ塗装方法に関連しているため、サンプル塗装方法は、物理モデル140を
図1で説明したように特定の塗装方法としてウェット塗装方法に対して決定されるサンプル塗布適合パラメータ205と組み合わせることによって、考慮される。第1ソリューション301の予測された色306は、今や、基礎となる配合302がサンプル塗装方法を用いて塗料コーティングとして塗布されるという仮定で、予測される。したがって、測定された色303と予測された色306の両方は、同じ塗装方法、すなわちウェット塗装方法を参照する。したがって、測定された色303と予測された色306との間の差としてのオフセット310は、基礎となる塗装方法、すなわちウェット状態とは無関係である。このオフセット310は、今やここで、基準塗装方法としてのドライ状態に基づく反復調整プロセスに使用されることができる。
【0084】
第1ソリューション301は典型的には目標色300に十分近くないため、物理モデル140が、反復によって目標塗料配合350を得るために、数値最適化アルゴリズム130と組み合わされて使用される。目標塗料配合350は、含まれるすべての着色剤、着色剤1、着色剤2、着色剤3、・・・着色剤nとそれぞれの濃度、c1、c2、c3、・・・、cnを規定している。物理モデル140は、色予測のための基礎としてデータベース320を使用する。データベース320は、顔料及び/又は顔料クラスなどの個々の色成分、着色剤1、着色剤2、着色剤3、...、着色剤n、及びそれぞれの個々の色成分に関連付けられた特定の光学データ、定数1、定数2、定数3、...、定数nを含む。目標色300は、モデルバイアス及び統計誤差を考慮するために、計算されたオフセット310と組み合わされ、両方ともサンプル及び目標色300の塗料配合に関して類似していると仮定される。
【0085】
目標色300及びオフセット310は、インターフェース111を介して、物理モデル140及び数値最適化アルゴリズム130が実装され実行されているコンピュータプロセッサ110によって受信される。基準塗装方法、すなわちそれぞれのドライ塗装方法を用いて基材上に塗布されたときの、色が目標色300にマッチングする塗料コーティングのための配合350を決定するために、目標色300、オフセット310及びデータベース320からの利用可能な着色剤の特定の光学定数が用いられ、最適化配合350が反復的に決定される。この配合350と、基準塗装方法を用いて塗布されたときの予測された色351は、インターフェース112を介して出力デバイスに出力されることができる。予測された色351は、基準塗装方法を用いて基材上に塗布されるときの最適化された配合350の真の色と、サンプルの統計的エラーとから構成されている。ウェット塗料プロセスバイアスが除去されたオフセット310が含まれることにより、ウェット塗料プロセスバイアスはもはや存在しない。
【0086】
図4は、本発明による方法のさらに別の実施形態の過程を概略的に示す。
【0087】
マッチング方法は、目標色400に対して、ゼロからのマッチング、又は配合データベースでの検索から開始する。
【0088】
「ゼロからのマッチング」という用語は、第1ソリューションとして、既存のサンプル塗料コーティングに関する情報なしに処理するカラーマッチング方法を含む。この方法は、例えば、配合データベースが利用不可である場合又は配合データベースで適切な第1ソリューションが見つからない場合に適用される。実際には、「ゼロからのマッチング」方法は、多くの場合、目標色になると予想される成分の事前選択ステップから開始する。この事前選択ステップは必須ではない。「ゼロからのマッチング」方法/アルゴリズムは、第1ソリューションとして、目標色に対する1つ以上の予備的なマッチング配合を計算する。この/これらの予備的なマッチング配合(複数可)は、次のステップで噴霧及び/又は調整されることができる。
【0089】
物理モデルの色予測精度を向上させるために使用される第1ソリューションとしてのサンプルコーティングが利用可能な「色調整方法」(例えば「サンプルオフセット」の分析によるモデルエラーの近似に基づいて)と比較して、「ゼロからのマッチング」方法の精度は、一般的に低くなる。
【0090】
第1ソリューション401は、典型的には、目標色400に十分に近くない。第1ソリューション401の調整は、第1ソリューション401について、予測反射率データ406と測定反射率データ403との間のオフセット410が考慮される場合に適用される。
【0091】
つまり、調整された配合は、目標色400と、第1ソリューション401についての予測された反射率データ406と測定された反射率データ403との間のオフセット410、の関数である。第1ソリューション401の測定された反射率データ403が、塗装方法の変動によって引き起こされるバイアスを含む場合、このエラーは、反復カラーマッチング方法内の次の配合に伝播することになる。ここに示す場合では、サンプル塗装方法はウェット状態、それぞれウェット塗装方法であるが、基準塗装方法はドライ状態、それぞれドライ塗装方法である。
【0092】
そこで、最初の反復ステップ、すなわち第1ソリューション401を検討する際に、既に塗装方法の多様性を考慮することにより、このような塗装方法のバイアスを回避することが提案される。
【0093】
塗装方法に依存しないオフセット410は、第1ソリューション401に基づいて計算される。第1ソリューション401の配合402は既知である。第1ソリューション401は、ウェット塗装方法を用いて塗料コーティングとして提供され、その色が測定される。第1ソリューション401の測定された色403が提供される。さらに、物理モデル140が、既知の配合402に基づいて、第1ソリューション401の色を予測するために使用される。物理モデル140はデータベース320を使用し、したがって、基準塗装方法としてそれぞれのドライ塗装方法に関連しているため、ウェット塗装方法が、物理モデル140を目標塗布適合パラメータ405と組み合わせることによって、考慮される。第1ソリューション401の予測色406は、今や、基礎となる配合402がウェット塗装方法を用いて塗料コーティングとして塗布される/提供されるという仮定によって予測される。したがって、測定された色403と予測された色406の両方は、同じウェット塗装方法を参照する。したがって、測定された色403と予測された色406との間の差としてのオフセット410は、基礎となるウェット塗装方法とは独立である。このオフセット410は、今や、反復調整プロセスに使用されることができ、すなわち、オフセット410は、塗料調整アルゴリズムへのさらなる入力パラメータとして使用される。
【0094】
さらに、ここで、予測される色が、基準塗装方法(これもドライ塗装方法である)とは異なるドライ状態にある目標色400にマッチングする目標塗料配合のソリューションを得ることが望まれる。含まれる噴霧手順が異なる可能性もある。変動する可能性のある要因はいくつもある。したがって、目標色400及びオフセット410に加えて、目標塗布適合パラメータ415が、異なるドライ塗装方法間、すなわち目標塗装方法と基準塗装方法間の差異を考慮するために、色調整アルゴリズムのさらなる入力パラメータとして提供される。最適化された目標塗料コーティング450は、目標塗装方法を用いて基材上に塗布されたときに、その予測された色451が目標色400に最もマッチングするインターフェース112を介して提供される。目標塗料の配合450は、含まれるすべての着色剤、着色剤1、着色剤2、着色剤3、・・・着色剤nとそれぞれの濃度、c1、c2、c3、・・・、cnを規定する。
【0095】
図5は、本発明による方法の一実施形態によって塗布方法バイアスをクリアしなければならないオフセットを示す概略ブロック図である。実際のサンプルでは、測定されたサンプル色500は、物理モデルを用いて、予測された予測サンプル色と常に(わずかに)異なる。測定されたサンプル色500は、真の色501とオフセット510の組み合わせとして表されることができる。オフセット510は、サンプルオフセット510とも呼ばれ、測定されたサンプル色500と予測されたサンプル色との間の差に対応する。現実(測定)と理論(物理モデル)との間のこのサンプルオフセット510が生じる理由としては、例えば:
- モデルバイアス514:100%正確なモデルはない
- 塗布方法バイアス515:すなわち、サンプル色を測定するときにおいてサンプルがどのように塗布されたか、例えばウェット状態又はドライ状態で(又はそれぞれのドライ基準塗装方法以外のドライ塗布方法を使用して)
- 器具513の統計的エラー512:例えば、温度によって引き起こされる
がある。
【0096】
これまで、色調整アルゴリズム、すなわち塗料色配合計算アルゴリズムは、完全なサンプルオフセット510をモデルバイアスとして解釈し、それぞれのサンプルオフセット510が補正されるような方法で調整塗料配合を修正する。つまり、塗布方法バイアス515は、サンプルオフセット510の一部であることを意味する。塗布方法バイアス515が一定でない場合、そのことは不安定要素として作用する。サンプルオフセット510の規模に応じて、エラー伝播のため、色調整結果が著しく不正確になる可能性がある。
【0097】
本発明の提案された方法は、サンプルオフセット510(ここでは単にオフセット510とも呼ばれる)におけるそのような塗布方法のバイアス515を排除するのに役立つ。サンプルオフセット510の精度の向上は、調整された塗料配合の品質/精度を直接的に向上させる。測定された色500と予測された色との間のサンプルのオフセット510は、測定された色500に潜在的に含まれる塗布方法バイアス515に関して分析される。前述したように、オフセット510は、システム的バイアス511と、統計的エラー512とも呼ばれる統計的バイアス512を含む。統計的バイアス512は、器具513(限られた精度)によって引き起こされ得、通常はシステム的バイアスと比較して小さいため無視され得る。システム的バイアス511は、モデルバイアス514(一定であると予想される)と塗布方法バイアス515(一定でない可能性がある)を含む。提案された方法の基本的な考え方は、提案された塗布適合モジュールによってサンプルオフセット510を、塗布方法バイアス515と、モデルバイアス514と統計バイアス512を含む残余部分とに分解することである。塗布方法バイアス515は、一定でないと定義されているため、サンプルオフセット510から除去されることが想定されている。サンプルオフセット510の残余部分は、主に塗布調整アルゴリズム内で正しく処理されるモデルバイアス514からなる。
【符号の説明】
【0098】
101 サンプル
102 配合
103 測定されたサンプル色
105 予測されたサンプル色
110 コンピュータプロセッサ
111 入力インターフェース
112 出力インターフェース
120 配合データベース
130 物理モデル、色予測モデル
140 数値最適化アルゴリズム
201 ドライ目標色
202 サンプル配合
205 ドライ目標塗布適合パラメータ
206 ドライ目標塗装方法の予測された色
210 コンピュータプロセッサ
220 ウェット基準塗装方法のデータベース
221 サンプル
222 配合
223 ウェット測定された色
225 ウェット予測された色
300 ドライ目標色
301 サンプル
302 配合
303 ウェット測定サンプル色
305 ウェットサンプル塗布適合パラメータ
306 ウェット予測サンプル色
310 ウェットサンプルオフセット
320 ドライ基準塗布のデータベース
350 配合
351 ドライ基準塗装方法の予測された色
400 目標色
401 サンプル
402 配合
403 測定サンプル色
405 サンプル塗布適合パラメータ
406 予測されたサンプル色
410 オフセット
415 目標塗布適合パラメータ
450 配合
451 目標塗布の予測された色
500 測定サンプル色
501 真の色
510 オフセット
511 システム的バイアス
512 統計的エラー、統計的バイアス
513 器具
514 モデルバイアス
515 塗布方法バイアス
【国際調査報告】