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特表2023-552649測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G01P 21/02 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
G01P21/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535719
(86)(22)【出願日】2022-01-05
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2022070218
(87)【国際公開番号】W WO2022148360
(87)【国際公開日】2022-07-14
(31)【優先権主張番号】202110023832.5
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516183897
【氏名又は名称】中▲車▼青▲島▼四方▲機車車▼輌股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CRRC QINGDAO SIFANG CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.88 Jinhongdong Road, Chengyang District, Qingdao, Shandong, 266111, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】ワン フェンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ジアン フージエ
(72)【発明者】
【氏名】ミャオ シン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ジユ
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ ドンギュ
(57)【要約】
測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置であって、当該方法は、第1のシミュレーション信号を取得するステップ(S101)であって、第1のシミュレーション信号が、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得される(S101)と、テスト対象となる測位速度測定システムホストに第1のシミュレーション信号を送信するステップ(S102)と、テスト対象となる測位速度測定システムホストが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得するステップ(S103)と、第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得するステップ(S104)であって、第2の結果が、第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であるステップ(S104)と、第1の結果と第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えると、テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定するステップ(S105)と、を含む。絶対位置センサー、相対位置センサー部品を備えていない場合でも、測位速度測定システムホストをテストすることができ、テストプロセスは簡単で実行しやすく、大規模な投資でテスト環境を構築する必要がなく、コストを節約する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位速度測定システムホストのテスト方法であって、
第1のシミュレーション信号を取得するステップであって、前記第1のシミュレーション信号が、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得されるステップと、
テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第1のシミュレーション信号を送信するステップと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得するステップと、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得するステップであって、前記第2の結果が、前記第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であるステップと、
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得するステップは、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出するステップ、又は、
測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムホストから前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出された第2の結果を受信するステップ、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えることは、
前記第1の結果と前記第2の結果との差分が第1の閾値以上であること、及び/又は、
前記第1の結果と前記第2の結果との比が第2の閾値以上であること、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のシミュレーション信号は、
相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号である、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
第2のシミュレーション信号を取得するステップであって、前記第2のシミュレーション信号が、他のシステムをシミュレーションすることで得られ、前記他のシステムは、車載運行制御システム、車載無線システム、車載制御及び診断システムのうちの少なくとも1つを含むステップと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第2のシミュレーション信号を送信するステップと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第3の結果を取得するステップと、
前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第4の結果を取得するステップであって、前記第4の結果が、前記第2のシミュレーション信号に対応する基準結果であるステップと、
前記第3の結果と前記第4の結果との比較結果が第2の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
測位テストシステムホストのテスト装置であって、
第1のシミュレーション信号を取得する第1のシミュレーション信号取得ユニットであって、前記第1のシミュレーション信号が、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得される第1のシミュレーション信号取得ユニットと、
テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第1のシミュレーション信号を送信する第1のシミュレーション信号送信ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得する第1の結果計算ユニットと、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得する第2の結果計算ユニットであって、前記第2の結果が、前記第1のシミュレーション信号に対応する基準結果である第2の結果計算ユニットと、
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えた場合、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する第1の判定ユニットと、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項7】
前記第2の結果計算ユニットは、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出する第2の結果計算サブユニットと、
測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムホストから前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を受信する第2の結果取得ユニットと、
を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えることは、
前記第1の結果と前記第2の結果との差分が第1の閾値以上であること、及び/又は、
前記第1の結果と前記第2の結果との比が第2の閾値以上であること
を含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のシミュレーション信号は、
相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号である、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
第2のシミュレーション信号を取得する第2のシミュレーション信号取得ユニットであって、前記第2のシミュレーション信号が、他のシステムをシミュレーションすることで得られ、前記他のシステムが、車載運行制御システム、車載無線システム、車載制御及び診断システムのうちの少なくとも1つを含む第2のシミュレーション信号取得ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第2のシミュレーション信号を送信する第2のシミュレーション信号送信ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第3の結果を取得する第3の結果計算ユニットと、
前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第4の結果を取得する第4の結果計算ユニットであって、前記第4の結果が、前記第2のシミュレーション信号に対応する基準結果である第4の結果計算ユニットと、
前記第3の結果と前記第4の結果との比較結果が第2の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する第2の判定ユニットと、
をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年01月08日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202110023832.5であり、発明の名称が「測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置」である中国特許出願の優先権を主張して、その全内容を援用により本出願に組み込む。
【0002】
本発明は、テストの分野に関し、特に、測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置に関している。
【背景技術】
【0003】
現在、高速磁気浮上列車の測位速度測定システムホストの製造・研究開発の過程において、その機能及び性能を検証するために、テストを行う必要がある。
【0004】
従来技術において、測位速度測定システムホストをテストする方法は主に2つがある。第1の方法は以下の通り、即ち、絶対位置センサー及び相対位置センサーを実験室内の試験のための小車に配置し、磁気浮上列車の実際走行環境に従って、小車の周囲にはロングステータが設けられ、小車が運動することで、小車に位置する絶対位置センサー及び相対位置センサーは関連信号を取得して測位速度測定システムホストに出力し、ホストは、絶対位置センサー及び相対位置センサーから送信された信号を処理した後、処理結果を運行制御システム、無線システム、制御及び診断システムに送信し、ホストによって生成された処理結果を他のシステム端末から観測する。もう1つの方法は以下の通り、即ち、コギングシミュレーションコイルを使用することで、相対位置センサーがロングステータを通過する時の励起環境をシミュレーションする。標識板シミュレーションコイルを使用することで、高速状況で標識板を通過する時の励起環境をシミュレーションする。相対位置センサー、絶対位置センサーはシミュレーションコイルによる励起により動作し、生成された信号は、測位速度測定システムホストに伝送され、ホストの機能を検証するために使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
当該2つの方法は、テスト環境を構築するための大規模な投資を必要とし、例えば、絶対位置センサー、相対位置センサー及び測位標識板を同時に備える必要があり、テストプロセスが複雑であり、テスト環境の投資コストが大きく、コストが高い。
【0006】
これに鑑みると、本発明者は、測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置を専門的に設計することで、当該解決策を生成する。
【0007】
本発明は、高速磁気浮上列車の測位速度測定システムホストに対するテストにおいて、テストプロセスが複雑であり、テスト環境の投資コストが大きく、コストが高いという問題を解決するために、測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を実現するために、本発明が採用する技術案は以下の通りである。
測位速度測定システムホストのテスト方法であって、
第1のシミュレーション信号を取得するステップであって、前記第1のシミュレーション信号が、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得されるステップと、
テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第1のシミュレーション信号を送信するステップと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得するステップと、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得するステップであって、前記第2の結果が、前記第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であるステップと、
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定するステップと、を含む。
【0009】
好ましくは、前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得するステップは、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出するステップ、又は、
測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を受信するステップ、を含む。
【0010】
好ましくは、前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えることは、
前記第1の結果と前記第2の結果との差分が第1の閾値以上であること、及び/又は、前記第1の結果と前記第2の結果との比が第2の閾値以上であることを含む。
【0011】
好ましくは、前記第1のシミュレーション信号は、
相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号である。
【0012】
好ましくは、前記方法は、
第2のシミュレーション信号を取得するステップであって、前記第2のシミュレーション信号が、他のシステムをシミュレーションすることで得られ、前記他のシステムは、車載運行制御システム、車載無線システム、車載制御及び診断システムのうちの少なくとも1つを含むステップと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第2のシミュレーション信号を送信するステップと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第3の結果を取得するステップと、
前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第4の結果を取得するステップであって、前記第4の結果が、前記第2のシミュレーション信号に対応する基準結果であるステップと、
前記第3の結果と前記第4の結果との比較結果が第2の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定するステップと、をさらに含む。
【0013】
本発明は、測位テストシステムホストのテスト装置をさらに提供し、前記装置は、
第1のシミュレーション信号を取得する第1のシミュレーション信号取得ユニットであって、前記第1のシミュレーション信号が、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得される第1のシミュレーション信号取得ユニットと、
テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第1のシミュレーション信号を送信する第1のシミュレーション信号送信ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得する第1の結果計算ユニットと、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得する第2の結果計算ユニットであって、前記第2の結果が、前記第1のシミュレーション信号に対応する基準結果である第2の結果計算ユニットと、
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えた場合、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する第1の判定ユニットと、を含む。
【0014】
さらに、前記第2の結果計算ユニットは、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出する第2の結果計算サブユニットと、
測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を受信する第2の結果取得ユニットと、を含む。
【0015】
さらに、前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えることは、
前記第1の結果と前記第2の結果との差分が第1の閾値以上であること、及び/又は、前記第1の結果と前記第2の結果との比が第2の閾値以上であることを含む。
【0016】
好ましくは、前記第1のシミュレーション信号は、
相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号である。
【0017】
好ましくは、前記装置は、
第2のシミュレーション信号を取得する第2のシミュレーション信号取得ユニットであって、前記第2のシミュレーション信号が、他のシステムをシミュレーションすることで得られ、前記他のシステムは、車載運行制御システム、車載無線システム、車載制御及び診断システムのうちの少なくとも1つを含む第2のシミュレーション信号取得ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第2のシミュレーション信号を送信する第2のシミュレーション信号送信ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第3の結果を取得する第3の結果計算ユニットと、
前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第4の結果を取得する第4の結果計算ユニットであって、前記第4の結果が、前記第2のシミュレーション信号に対応する基準結果である第4の結果計算ユニットと、
前記第3の結果と前記第4の結果との比較結果が第2の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する第2の判定ユニットと、をさらに含む。
【発明の効果】
【0018】
上記の技術案から分かるように、本発明によって提供される測位速度測定システムホストのテスト方法によれば、第1のシミュレーション信号を取得することができ、第1のシミュレーション信号は、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得され、テスト対象となる測位速度測定システムホストに第1のシミュレーション信号を送信し、テスト対象となる測位速度測定システムホストが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得し、第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得し、第2の結果は、第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であり、第1の結果と第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えると、テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する。このように、本出願の実施例において、絶対位置センサー、相対位置センサー部品を備えていない場合でも、測位速度測定システムホストをテストすることができ、テストプロセスは簡単で実行しやすく、大規模な投資でテスト環境を構築する必要がなく、コストを節約する。
【0019】
本発明の実施例又は従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下、実施例又は従来技術の記載に必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本発明の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしないことを前提として、提供される図面に基づいて他の図面を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本出願の実施例によって提供される測位速度測定システムホストのテスト方法のフローチャートである。
図2】本出願の実施例によって提供される測位速度測定システムホストのテスト装置のテストキャビネットの構造図である。
図3】本出願の実施例によって提供される測位速度測定システムホストのテスト装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
当業者が本発明の技術的解決策をよりよく理解するために、以下、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例における技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載される実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明の実施例に基づいて、当業者が進歩性に値する労働をしないことを前提として、取得した他の全ての実施例は何れも本発明の保護範囲に属している。
【0022】
現在、高速磁気浮上列車の測位速度測定システムホストの製造・研究開発の過程において、その機能及び性能を検証するために、テストを行う必要がある。従来技術において、測位速度測定システムホストをテストする方法は主に2つがある。
【0023】
第1の方法は以下の通り、即ち、絶対位置センサー及び相対位置センサーを実験室内の試験のための小車に配置し、磁気浮上列車の実際走行環境に従って、小車の周囲にはロングステータが設けられ、小車が運動することで、小車に位置する絶対位置センサー及び相対位置センサーは、関連信号を取得して測位速度測定システムホストに出力し、ホストが処理した後、運行制御システム、無線システム、制御及診断システムに送信し、ホストによって生成されたデータを他のシステム端末から観測する。当該方法では、測位速度測定システムホストをテストする時、磁気浮上列車の実際の走行環境をシミュレーションして試験プラットフォームを構築するとともに、絶対位置センサー、相対位置センサー及び測位標識板を同時に備える必要がある。テスト環境の投資コストが大きく、低速走行環境での走行状況のみをテストすることができ、600km/hの全速度範囲での各種の運行状況をカバーすることができない。
【0024】
もう1つの方法は以下の通り、即ち、コギングシミュレーションコイルを使用することで、相対位置センサーがロングステータを通過する時の励起環境をシミュレーションする。標識板シミュレーションコイルを使用することで、高速状況で標識板を通過する時の励起環境をシミュレーションする。相対位置センサー、絶対位置センサーはシミュレーションコイルによる励起により動作し、生成された信号は、測位速度測定システムホストに伝送され、ホストの機能を検証するために使用される。当該方法では、運動プラットフォームを構築する必要がなく、全速度範囲内の運行環境をカバーすることができるが、絶対位置センサー、相対位置センサー及び測位標識板を同時に備える必要がある。さらに、コギングシミュレーションコイル工具及びそのコントローラ、標識板シミュレーションコイル工具及びそのコントローラを備える必要がある。シミュレーション工具自体もしょっちゅう誤差があり、測位速度測定システムホストをテストする時の機能判定に影響を与える。
【0025】
上記の技術的問題を解决するために、本出願の実施例は、測位速度測定システムホストのテスト方法及び装置を提供し、絶対位置センサー、相対位置センサー部品を備えていない場合でも、測位テストシステムをテストすることができ、テストプロセスは簡単で実行しやすく、大規模な投資でテスト環境を構築する必要がなく、コストを節約する。
【0026】
以下、本発明の各種の非限定的な実施形態について、図面を結合して詳しく説明する。
【0027】
以下、説明の便宜上、本出願の実施例のハードウェアシナリオについて紹介する。
【0028】
本出願の実施例において、高速磁気浮上列車の測位速度測定システムは、測位速度測定システムホスト(ORTPR)、相対位置センサー(NUT)、絶対位置センサー(INK)及び線路鉄道に固定される測位標識板(LRL)を含む。絶対位置センサーの数は2つであってもよく、相対位置センサーの数は2つであってもよい。
【0029】
列車の周囲にはロングステータが設けられ、ロングステータはコギング構造であり、列車が運動すると、列車にある相対位置センサーは、コギング構造のロングステータの上面を検出することで、所在するコギング位置の変化に伴って周期的に変化する2つの信号を出力し、列車にある絶対位置センサーは、鉄道沿線に固定される受動測位標識板を走査することで、測位標識板上のコード情報を取得し、それにより、列車の絶対位置情報を得る。測位速度測定システムホストは、相対位置センサー及び絶対位置センサーから送信された情報を取得して処理して、処理結果を得ることができ、そして、処理結果を車載無線システム、車載運行制御システム、車載制御及診断システムに送信して、列車に対する監視及び制御を実現することができる。
【0030】
測位速度測定システムホストは、測位電子ユニット(ORT)及び磁極位相角処理ユニット(PRW)から構成され、相応的な信号を処理する。
【0031】
本出願の実施例において、測位速度測定システムホストをテストする際に、ロングステータ、測位標識板、絶対位置センサー、相対位置センサーを配置するのではなく、相対位置センサーがロングステータコギングを通過した後生成した、測位速度測定システムホストに伝送するための信号、及び絶対位置センサーが標識板を通過した後生成した、測位速度測定システムホストに伝送するための信号をシミュレーションすることで、測位速度測定システムホストは、受信した信号に基づいて処理結果を取得し、処理結果に基づいて測位速度測定システムホストが異常であるかどうかを決定する。無論、処理結果に誤りがあれば、測位速度測定システムホストが異常であると考えられる。つまり、本出願の実施例において、絶対位置センサー、相対位置センサー部品を備えなくテストオブジェクトのみがある場合でも、測位テストシステムをテストすることができ、テストプロセスは簡単で実行しやすく、大規模な投資でテスト環境を構築する必要がなく、コストを節約する。
【0032】
測位速度測定システムホストに対するテストは、テストキャビネットによって行われて、図1を参照して、テストキャビネットは、主制御モジュール及びテストケーブルを含む。テストケーブルは、測位速度測定システムホストに接続されることで、測位速度測定システムホストと通信し、テストケーブルは、テストキャビネットの内部から引き出され、他端は航空機用プラグであり、被テストオブジェクト(測位速度測定システムホスト)コネクタにマッチングする。合計で10本のテストケーブルがあり、それぞれX101~X110と記される。主制御モジュールはテストシステム全体の演算処理のコアであり、測位速度測定システムホストをテストすることができ、具体的に、シミュレーション信号を生成して、測位速度測定システムホストからの処理結果を検証して、測位システムホストの機能が正常であるかどうかを判定する。
【0033】
主制御モジュールは、CPUプロセッサーを含んでもよく、さらに、ケースと、RS485信号の送受信を同期させるRS485インターフェースカードと、RS232通信データの送受信のためのRS232シリアルカードと、QSPI信号を処理するQSPIインターフェースカードと、CAN通信のためのCANインターフェースカードと、デジタル量の入出力のためのDI/DOモジュールと、アナログ量の入出力のためのAI/AOモジュールと、を含んでもよい。
【0034】
テストキャビネットは、電源モジュール、信号調整モジュール、ディスプレイ、キーボードなどをさらに含んでもよく、電源モジュールは、テストシステム全体の電源入力(220V)を制御して、テストシステム内部の各モジュールに給電する。信号調整モジュールは、主制御モジュールによって生成された信号を、測位速度測定システムホストが受信可能な信号形態に調整し、また、測位速度測定システムホストからフィードバックされた信号を、主制御モジュールが受信可能な信号形態に調整することもでき、主に物理層を処理する信号は、RS485差分信号、TTYカレントループ信号などがある。ディスプレイはテストプロセス及び結果を表示する。キーボードは、テスト者によるテスト指令の入力に用いられる。
【0035】
例示的な方法
図2を参照し、当該図面は、本出願の実施例によって提供される測位速度測定システムホストのテスト方法のフローチャートであり、当該方法は以下のステップを含む。
S101:第1のシミュレーション信号を取得し、前記第1のシミュレーション信号は絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得される。
【0036】
本出願の実施例において、異なる動作状況で絶対位置センサー、相対位置センサーをシミュレーションすることで、異なる動作状況に対応する第1のシミュレーション信号を取得し、動作状況は、列車速度、列車方向、センサーが正常であるかどうかなどを含む。例えば、列車速度が300km/hであり、列車方向が東であるという動作状況で、対応する第1のシミュレーション信号があり得る。
【0037】
第1のシミュレーション信号は具体的に、相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号であってもよい。
【0038】
本出願の実施例において、テストキャビネットが絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで第1のシミュレーション信号を取得することができ、それにより、絶対位置センサー及び相対位置センサーを備えるテスト環境を構築する必要がなく、測位速度測定システムをテストすることができ、テストコストを低減させ、絶対位置センサー及び相対位置センサーを配置して実際に測定することで得られた信号よりも、テストキャビネットがシミュレーションすることで得られた信号の誤差が小さく、また、シミュレーション信号は600km/hの全速度範囲での各種の運行状況をカバーすることができ、テストがより全面である。
【0039】
ここで、本出願の実施例の具体的な動作状況の設置について、当業者が実際の状況に応じて設置すればよく、ここで、具体的に限定していない。
【0040】
具体的に、第1のシミュレーション信号は、2つの絶対位置センサー、2つの相対位置センサーから出力された信号に対応することができ、生成された第1のシミュレーション信号は、テストキャビネットに対してシミュレーション設置を行うことで決定され、シミュレーションパラメータの設置は、絶対位置センサーの関連設置、相対位置センサーの関連設置、システム設置という3つの部分に分けられる。絶対位置センサーの関連設置は、標識板情報(テストのニーズに応じて設置し、複数の標識板情報を設置してもよい)、標識板間隔、絶対位置センサー1の起動シミュレーション、絶対位置センサー2の起動シミュレーション、絶対位置センサー1及び絶対位置センサー2の同時起動シミュレーションを含み、相対位置センサーの関連設置は、サイン/コサイン振幅値、相対位置センサー診断ビット、相対位置センサー1の起動シミュレーション、相対位置センサー2の起動シミュレーション、相対位置センサー1及び相対位置センサー2の同時起動シミュレーションを含み、システム設置は、列車速度、列車方向、ORT位置コード、PRW位置コードを含む。
【0041】
第1のシミュレーション信号の生成動作は、テストキャビネットのテストケーブルが被テストオブジェクト(測位テストシステムホスト)に接続された後に行われ、例えば、テストケーブルX101~X110がケーブル番号に従って、被テストオブジェクト(測位速度測定システムホスト)の対応するインターフェースに正確に接続されてから、テストキャビネットに対して電力投入、起動、運転、及びシミュレーションパラメータ設置を行った後に行われる。
【0042】
S102:テスト対象となる測位速度測定システムホストに第1のシミュレーション信号を送信する。
【0043】
第1のシミュレーション信号を生成した後、テスト対象となる測位速度測定システムホストに第1のシミュレーション信号を送信することができ、第1のシミュレーション信号は具体的に、相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号であり、RS485差分信号は、RS485インターフェースカードを介して送受信され、QSPI信号は、QSPIインターフェースカードを介して送受信される。
【0044】
テスト対象となる測位速度測定システムホストに送信される第1のシミュレーション信号は、同一の動作状況に対応する1部のデータであってもよいし、複数の動作状況に対応する複数部のデータであってもよい。
【0045】
S103:テスト対象となる測位速度測定システムが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得する。
【0046】
本出願の実施例において、テスト対象となる測位速度測定システムは、第1のシミュレーション信号を受信した後、それを処理して、演算処理結果(即ち、第1の結果)を生成することができる。そして、テストケーブルを介して第1の結果をテストキャビネットに伝送することができる。
【0047】
即ち、テストキャビネットは、第1のシミュレーション信号を生成してテスト対象となる測位速度測定システムに送信することができ、また、テスト対象となる測位速度測定システムホストが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得して受信することができ、これによって、第1の結果を使用してテスト対象となる測位速度測定システムをテストする。
【0048】
測位速度測定システムに送信される第1のシミュレーション信号が、同一の動作状況に対応する1部のデータである場合、取得された第1の結果は当該動作状況に対応し、第1のシミュレーション信号が複数の動作状況に対応する複数部のデータである場合、取得された第1の結果は、複数部のデータをそれぞれ処理することで得られた、複数の動作状況に対応する複数部の処理結果である。
【0049】
S104:第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得し、第2の結果、第1のシミュレーション信号に対応する基準結果である。
【0050】
本出願の実施例において、測位速度測定システムの測位速度測定機能が正常であるかどうかをテストするために、テスト対象となる測位速度測定システムによって第1のシミュレーション信号に基づいて算出された第1の結果と基準結果とを比較する必要があるため、テストキャビネットはさらに、第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得し、第2の結果は、第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であり、第1の結果と第2の結果とを比較することで、テスト対象となる測位速度測定システムホストをテストする。
【0051】
本出願の実施例において、以下の2つの方式によって第2の結果を取得することができ、即ち、テストキャビネットは、直接的に第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出するか、又は、測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を受信する。
【0052】
テストキャビネットが直接的に第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出する場合、ハードウェアリソースを節約することができ、基準測位テストシステムを別途に配置する必要がなく、テストの投資コストを低減する。テストキャビネットが、測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を受信する場合、テストキャビネットのハードウェアリソースの需要を低減することができる。
【0053】
ここで、S104はS102の前に実行されてもよいし、S103の前に実行されてもよいし、S103の後に実行されてもよく、当業者は、実際のニーズに応じて自分で設置すればよい。
【0054】
S105:第1の結果と第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えると、テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する。
【0055】
本出願の実施例において、第1の結果と第2の結果との差が小さい場合、測位速度測定システムの測位速度測定機能が正常であると決定することができる。従って、第1の結果と第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えた場合、テスト対象となる測位速度測定システムが異常であると判定することができる。テスト対象となる測位速度測定システムが異常であると、ユーザーがチェックするためにテスト報告を生成することができる。
【0056】
具体的に、第1の結果と第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えることは、第1の結果と第2の結果との差分が第1の閾値より大きいこと、及び/又は、第1の結果と第2の結果との比が第2の閾値より大きいことを含む。ここで、第1の閾値及び第2の閾値について、当業者が実際の状況に応じて設置すればよく、ここで、本出願は具体的に限定していない。
【0057】
また、本出願の実施例において、テストキャビネットは、テスト対象となる測位速度測定システムに対して、ORTテスト、PRWテスト及びCAN診断テストのうちの少なくとも1つを行ってもよい。
【0058】
ORTテストとは、テストキャビネットが車載運行制御システムと測位速度測定システムホストとの情報インタラクションをシミュレーションして、異なる動作モードを選択することで測位速度測定システムホストのORTに対して異なるテストを行い、主に測位速度測定モード、進入検出モード、ROM検出モード、RAM検出モードを含む。PRWテストとは、テストキャビネットが車載無線システムをシミュレーションして測位速度測定システムホストとインタラクションし、測位速度測定システムホストのPRWをテストし、テストプロセスでは、通信タイミングを柔軟に設置することができる。CANテストとは、テストキャビネットが車載制御及び診断システムをシミュレーションして測位速度測定システムホストとインタラクションし、測位速度測定システムホストのCAN診断をテストし、テストプロセスでは、CANメッセージのコンテンツ、通信回数及び間隔時間を柔軟に設置することができる。
【0059】
つまり、テストキャビネットはさらに、車載運行制御システムと測位速度測定システムホストとの情報インタラクション、車載無線システムと測位速度測定システムホストとの情報インタラクション、車載制御及び診断システムと測位速度測定システムホストとの情報インタラクションをシミュレーションして、測位速度測定システムホストの性能をテストするために使用することができる。以上のORTテスト、PRWテスト及びCAN診断テストの過程は、表示インターフェースを介して表示することができ、可視化が強く、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。
【0060】
具体的に、第2のシミュレーション信号を取得し、第2のシミュレーション信号は、他のシステムをシミュレーションすることで得られ、他のシステムは、車載運行制御システム、車載無線システム、車載制御及び診断システムのうちの少なくとも1つを含む。車載運行制御システム、又は車載制御及び診断システムをシミュレーションすることで得られた第2のシミュレーション信号は、TTYカレントループ信号であり、車載無線システムをシミュレーションすることで得られた第2のシミュレーション信号は、RS485シリアルポート信号であり、本出願の実施例において、CANインターフェースカードは、テストキャビネットが車載制御及び診断システムをシミュレーションしてテスト対象となる測位システムとインタラクションする時、CAN通信に用いられる。
【0061】
その後、テスト対象となる測位速度測定システムに第2のシミュレーション信号を送信して、テスト対象となる測位速度測定システムが第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第3の結果、及び第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第4の結果を取得し、第4の結果は、第2のシミュレーション信号に対応する基準結果であり、第3の結果と第4の結果との比較結果が第2の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムが異常であると判定する。
【0062】
具体的に、第3の結果は、テストキャビネットが第2のシミュレーション信号に基づいて取得されてもよいし、基準測位速度測定システムホストによって取得されてもよく、第2の予め設定された範囲は実際の状況に応じて決定される。
【0063】
テスト対象となる測位速度測定システムへのテストが完了した後、テストキャビネットの電源を切ることができる。
【0064】
本出願の実施例によって提供される方法によれば、第1のシミュレーション信号を取得し、第1のシミュレーション信号は、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得され、テスト対象となる測位速度測定システムホストに第1のシミュレーション信号を送信し、テスト対象となる測位速度測定システムホストが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得し、第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得し、第2の結果は、第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であり、第1の結果と第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えると、テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する。このように、本出願の実施例において、絶対位置センサー、相対位置センサー部品を備えていない場合でも、測位速度測定システムホストをテストすることができ、テストプロセスは簡単で実行しやすく、大規模な投資でテスト環境を構築する必要がなく、コストを節約する。
【0065】
例示的な機器
図3を参照し、本出願の実施例によって提供される測位速度測定システムホストのテスト装置の概略図であり、
第1のシミュレーション信号を取得する第1のシミュレーション信号取得ユニット201であって、前記第1のシミュレーション信号が、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得される第1のシミュレーション信号取得ユニット201と、
テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第1のシミュレーション信号を送信する第1のシミュレーション信号送信ユニット202と、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得する第1の結果計算ユニット203と、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得する第2の結果計算ユニット204であって、前記第2の結果が、前記第1のシミュレーション信号に対応する基準結果である第2の結果計算ユニット204と、
前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が第1の予め設定された範囲を超えた場合、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する第1の判定ユニット205と、を含む。
【0066】
好ましくは、前記第2の結果計算ユニット204は、
前記第1のシミュレーション信号に基づいて第2の結果を算出する第2の結果計算サブユニットと、
測位速度測定機能が正常である基準測位テストシステムホストが前記第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を受信する第2の結果取得ユニットと、を含む。
【0067】
好ましくは、前記第1の結果と前記第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えることは、
前記第1の結果と前記第2の結果との差分が第1の閾値以上であること、及び/又は、前記第1の結果と前記第2の結果との比が第2の閾値以上であることを含む。
【0068】
好ましくは、前記第1のシミュレーション信号は、
相対位置センサーと測位速度測定システムホストとがインタラクションするQSPI、相対位置センサーから出力されたコギングパルス方形波、絶対位置センサーから出力された診断情報及び絶対位置センサーから送信された標識板情報をシミュレーションすることで、得られた信号である。
【0069】
好ましくは、前記装置は、
第2のシミュレーション信号を取得する第2のシミュレーション信号取得ユニットであって、前記第2のシミュレーション信号が、他のシステムをシミュレーションすることで得られ、前記他のシステムは、車載運行制御システム、車載無線システム、車載制御及び診断システムのうちの少なくとも1つを含む第2のシミュレーション信号取得ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストに前記第2のシミュレーション信号を送信する第2のシミュレーション信号送信ユニットと、
前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第3の結果を取得する第3の結果計算ユニットと、
前記第2のシミュレーション信号に基づいて算出した第4の結果を取得する第4の結果計算ユニットであって、前記第4の結果が、前記第2のシミュレーション信号に対応する基準結果である第4の結果計算ユニットと、
前記第3の結果と前記第4の結果との比較結果が第2の予め設定された範囲を超えると、前記テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する第2の判定ユニットと、をさらに含む。
【0070】
本出願の装置の各ユニット又はモジュールの設置について、図1に示す方法を参照して実現すればよく、ここで、贅言していない。
【0071】
本出願の実施例によって提供される装置によれば、第1のシミュレーション信号を取得することができ、第1のシミュレーション信号は、絶対位置センサー及び相対位置センサーをシミュレーションすることで取得され、テスト対象となる測位速度測定システムホストに第1のシミュレーション信号を送信し、テスト対象となる測位速度測定システムホストが第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第1の結果を取得し、第1のシミュレーション信号に基づいて算出した第2の結果を取得し、第2の結果は、第1のシミュレーション信号に対応する基準結果であり、第1の結果と第2の結果との比較結果が予め設定された範囲を超えると、テスト対象となる測位速度測定システムホストが異常であると判定する。このように、本出願の実施例において、絶対位置センサー、相対位置センサー部品を備えていない場合でも、測位速度測定システムホストをテストすることができ、テストプロセスは簡単で実行しやすく、大規模な投資でテスト環境を構築する必要がなく、コストを節約する。
【0072】
ここで、本明細書における各実施例に対して、漸進の方式で記載し、各実施例の間の同様または類似の部分について、互いに参照すればよく、各実施例はいずれも他の実施例との相違点を主に説明する。特に、機器及びシステムの実施例について、基本的に方法の実施例に類似するため、その記載は簡単であり、関連するところについて、方法の実施例の一部の説明を参照すればよい。以上に記載の機器及びシステムの実施例はただ概略的なものであり、個別部材として説明したユニットは物理的に分離されてもよく、そうでなくてもよく、ユニットとして表示した部材は、物理的ユニットであってもよく、そうではなくてもよく、即ち、1箇所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに分散されてもよい。実際のニーズに応じて、そのうちの一部または全てのモジュールを選択して、本実施例の技術案の目的を実現できる。当業者は、進歩性に値する労働をしなく、理解して実施できる。
【0073】
上記は、本出願の1つの具体的な実施形態にすぎないが、本出願の保護範囲はこれに限定されるものではなく、当業者であれば、本出願に開示された技術範囲で容易に考えられる変更又は置き換えはいずれも本出願の保護範囲内に含まれるべきである。従って、本出願の保護範囲は、特許請求の保護範囲に準じるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】