(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-18
(54)【発明の名称】装具機構の支持ベルト
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20231211BHJP
A41F 9/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
A61F5/01 K
A41F9/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023557467
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 CA2021051743
(87)【国際公開番号】W WO2022120466
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523214546
【氏名又は名称】ビーテミア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソウシー,フランシスコ
(72)【発明者】
【氏名】ゾソ,ナサニエル
【テーマコード(参考)】
4C098
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB05
4C098BB11
4C098BC10
4C098BD13
(57)【要約】
ユーザの形態および骨盤傾斜に適合するように調整可能な下肢装具機構の支持ベルトが開示される。本ベルトは、下肢装具機構を側部に対し、様々な矢状面方向に固定する固定機構を含む、関連する回動アタッチメントを有する少なくとも1つの外側セグメントと、後部支持セグメントと、ベルトをユーザに固定する固定機構を介して接続された2つの部分からなる固定セグメントと、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの形態および骨盤傾斜に適合するように調整可能な下肢装具機構の支持ベルトであって、
矢状面内で横方向に配置されるように構成され、様々な矢状面方向に下肢装具機構を支持するような関連する回動アタッチメント(13、23)を有する、少なくとも1つの内側セグメント(12)と、
後部支持セグメント(14)と、
固定機構(17)を介して接続された前部支持システム(15)と、を備え、
前記回動アタッチメント(13、23)により、前記ユーザの骨盤傾斜に前記ベルトを適合させられ、一方で、前記下肢装具機構が垂直方向の位置合わせを維持できる、
下肢装具機構の支持ベルト。
【請求項2】
各々が第1の端部および第2の端部を有する2つの外側セグメント(12)を備え、前記後部支持セグメント(14)が、該2つの外側セグメント(12)のそれぞれの前記第2の端部に接続されており、前記2つの部分からなる固定セグメント(16)の各部分が、前記2つの外側セグメント(12)のそれぞれの前記第1の端部に接続されている、請求項1に記載のベルト。
【請求項3】
前記回動アタッチメント(13、23)が回動基部(131、231)と、該回動基部(131、231)上に配置された固定機構(132、232)と、を含み、前記回動基部(131、231)が、各内側セグメント(12)に設けられた対応する内側セグメントの円形レセプタクル(1)と回転可能に係合する、請求項2に記載のベルト。
【請求項4】
前記前部支持システム(15)が、固定機構(17)を介して接続された、2つの部分からなる固定セグメント(16)を含む、請求項2または3に記載のベルト。
【請求項5】
前記後部支持セグメント(14)を前記2つの内側セグメント(12)の前記第2の端部のうちの少なくとも一方に接続する、第1の後部長さ調整機構(18a、18d)をさらに備える、請求項2から4のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項6】
前記第1の後部長さ調整機構(18a、18d)が、可変長ストラップおよびフープから構成されている、請求項5に記載のベルト。
【請求項7】
前記第1の後部長さ調整機構(18a、18d)が、前記可変長ストラップを所望の長さで固定するように折り曲げられて、重なり合うように構成された固定タブ(22)を備える、請求項6に記載のベルト。
【請求項8】
前記第1の後部長さ調整機構(18a、18d)が、前額面および水平面において自由度の調整を行うピボットを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項9】
前記後部支持セグメント(14)を前記2つの内側セグメント(12)の前記第2の端部のうちの前記少なくとも一方の残りの一方に接続する、第2の後部長さ調整機構(18a、18d)をさらに備える、請求項5から8のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項10】
前記第2の後部長さ調整機構(18a、18d)が、可変長ストラップおよびフープから構成されている、請求項9に記載のベルト。
【請求項11】
前記第2の後部長さ調整機構(18a、18d)が、前記可変長ストラップを所望の長さで固定するように折り曲げられて、重なり合うように構成された固定タブ(22)を備える、請求項10に記載のベルト。
【請求項12】
前記第2の後部長さ調整機構(18a、18d)が、前額面および水平面において自由度の調整を行うピボットを含む、請求項9から11のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項13】
前記2つの部分からなる固定セグメント(16)のうちの少なくとも一方を、前記2つの内側セグメント(12)の前記それぞれの第1の端部のうちの少なくとも一方に接続する、第1の前部長さ調整機構(18b、18c)をさらに備える、請求項2から4のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項14】
前記第1の前部長さ調整機構(18b、18c)が、可変長ストラップおよびフープから構成されている、請求項13に記載のベルト。
【請求項15】
前記第1の前部長さ調整機構(18b、18c)が、前記可変長ストラップを所望の長さで固定するように折り曲げられて、重なり合うように構成された固定タブ(22)を備える、請求項14に記載のベルト。
【請求項16】
前記第1の前部長さ調整機構(18b、18c)が、前額面および水平面において自由度の調整を行うピボットを含む、請求項13から15のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項17】
前記2つの部分からなる固定セグメント(16)のうちの前記少なくとも一方の残りの一方を、前記2つの内側セグメント(12)の前記それぞれの第1の端部のうちの前記少なくとも一方の残りの一方に接続する、第2の前部長さ調整機構(18b、18c)をさらに備える、請求項13から16のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項18】
前記第2の前部長さ調整機構(18b、18c)が、可変長ストラップおよびフープから構成されている、請求項17に記載のベルト。
【請求項19】
前記第2の前部長さ調整機構(18b、18c)が、前記可変長ストラップを所望の長さで固定するように折り曲げられて、重なり合うように構成された固定タブ(22)を備える、請求項18に記載のベルト。
【請求項20】
前記第2の前部長さ調整機構(18b、18c)が、前額面および水平面において自由度の調整を行うピボットを含む、請求項17から19のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項21】
前記固定タブ(22)がVelcro(商標)ストリップである、請求項7、11、15または19のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項22】
前記回動アタッチメント(13、23)が、前記関連する内側セグメント(12)に取り外し可能に接続される、請求項1から21のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項23】
前記回動アタッチメント(13、23)が、2つの部分からなる側方解放バックル(132)の第1の部分および2つの部分からなる磁気クリップ(232)の第1の部分から構成される群より選択される、請求項1から22のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項24】
前記2つの内側セグメント(12)の各々が、回動要素保持部(20)を含む、請求項2から23のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項25】
前記回動要素保持部(20)がストラップおよびコネクタから構成され、該コネクタに固定されたときに該ストラップが前記回動アタッチメント(13、23)上を通過する、請求項24に記載のベルト。
【請求項26】
前記2つの部分からなる固定セグメント(16)および前記固定機構(17)が、それぞれストラップおよび側方解放バックルである、請求項4から25のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項27】
前記少なくとも1つの内側セグメント(12)が少なくとも前記矢状面において剛性であり、前記回動アタッチメント(13、23)の下方部分ではすべての面が剛性である、請求項1から26のいずれか一項に記載のベルト。
【請求項28】
前記後部支持セグメント(14)および前記前部支持システム(15)が可撓性である、請求項1から27のいずれか一項に記載のベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年12月7日に出願された米国仮特許出願第63/122,445号の利益を主張するものであり、当該特許は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、装具機構の支持ベルトに関する。
【背景技術】
【0003】
既存の装具機構を支持するベルトでは、装具機構をベルトに装着する際の角度を矢状面内で回転させることができない。これにより、その装着時に装具機構を異なる角度に向ける必要があるユーザに、困難が生じる可能性がある。その上、装具機構の支持ベルトでは多くの場合、各種のウエスト長さに対応するために様々なサイズが必要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、装具機構を支持ベルトに装着する際の角度を矢状面内で回転させることができ、ユーザの様々な体格に適合するような装具機構の支持ベルトが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、ユーザの形態(体型、体形)および骨盤傾斜に適合するように調整可能な下肢装具機構の支持ベルトであって、本ベルトは、
【0006】
矢状面内で横方向に配置されるように構成され、様々な矢状面方向に下肢装具機構を支持するような関連する回動アタッチメントを有する、少なくとも1つの内側セグメントと、
【0007】
後部支持セグメントと、
【0008】
固定機構を介して接続された前部支持システムと、を備え、
【0009】
回動アタッチメントにより、ユーザの骨盤傾斜にベルトを適合させられるようになる一方で、下肢装具機構が垂直方向の位置合わせを維持できるようになる、支持ベルトを提供する。
【0010】
前部支持システムは、側方解放バックルを例とする固定機構を介して接続された、例えばストラップを例とする2つの部分からなる固定セグメントとすることができる。
【0011】
本開示は、各々が第1の端部および第2の端部を有する2つの外側セグメントを備え、後部支持セグメントは、2つの外側セグメントのそれぞれの第2の端部に接続されており、2つの部分からなる固定セグメントの各部分は、2つの外側セグメントのそれぞれの第1の端部に接続されている、上記のベルトを提供する。
【0012】
本開示はまた、回動アタッチメントが回動基部と、回動基部上に配置された固定機構と、を含み、回動基部が、各内側セグメントに設けられた対応する内側セグメントの円形レセプタクルと回転可能に、かつ任意選択的に取り外し可能に係合するベルトを提供する。回動アタッチメントは、例えば、2つの部分からなる側方解放バックルの第1の部分であってもよいし、または2つの部分からなる磁気クリップの第1の部分であってもよい。有利には、内側セグメントの少なくとも矢状面は剛性であり、回動アタッチメントの下方部分はすべての面で剛性である。
【0013】
本開示は、後部支持セグメントおよび内側セグメントならびに/または2つの部分からなる固定セグメントの一方の部分を内側セグメントに接続する、少なくとも1つの長さ調整機構を備えるベルトをさらに提供する。長さ調整機構は、可変長ストラップおよびフープ(輪)から構成されてもよく、可変長ストラップを所望の長さで固定するように折り曲げられて、重なり合うように構成された固定タブをさらに備えてもよい。固定タブは、例えば、Velcro(商標)ストリップであってもよい。少なくとも1つの長さ調整機構は、前額面および水平面において自由度の調整を行うピボットをさらに含んでもよい。
【0014】
本開示は上記のようなベルトをさらに提供し、内側セグメントの各々は、例えばストラップおよびコネクタであってもよい回動要素保持部を含み、これにより、コネクタに固定されたときにストラップが回動アタッチメント上を通過し、その結果、ストラップが所定位置に固定される。
【0015】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して、例示としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の例示的な実施形態による、装具機構の支持ベルトの斜視図である。
【
図2】
図1の装具機構の支持ベルトの斜視分解図である。
【
図3】外側セグメントの第1の代替実施形態の斜視分解図である。
【
図4】外側セグメントの第2の代替実施形態の斜視分解図である。
【
図5】非固定構成にある、一代替実施形態による装具機構の支持ベルトの斜視図である。
【
図6】固定構成にある、
図5の装具機構支持体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
異なる図で使用される同様の参照符号は、同様の構成要素を示す。
【0018】
概して言えば、本開示の非限定的な例示の実施形態は、ユーザの形態または骨盤傾斜に関係なく装具機構を支持するように構成された、垂直アタッチメントを有する装具機構の支持ベルトを提供する。本発明の装具機構の支持ベルトによって支持され得る装具機構の一例は、2011年10月13日に公開された「LOAD DISTRIBUTION DEVICE FOR HUMAN JOINTS」と題する国際PCT特許出願の国際公開第2011/123928(A1)号パンフレットに開示されている。
【0019】
図1および
図2を参照すると、装具機構の支持ベルト10は、概して一対の内側セグメント12と、後部支持セグメント14と、前部支持システム15とを備える。
【0020】
各内側セグメント12には、回動基部131と、回動基部131上に配置された固定機構132とから形成された回動アタッチメント13が設けられており、下肢装具機構を関連する内側セグメント12に対し、様々な矢状面方向に接続している。有利には、内側セグメント12における回動基部131の下方部分では、すべての面において剛性であり、内側セグメント12の残りの部分では、少なくとも矢状面において剛性である。例えば、内側セグメントの円形レセプタクル1に係合された回動基部131を介して、固定機構132が内側セグメント12に回転可能に接続されている場合、固定機構132は2つの部分からなる側方解放バックルの第1の部分であってもよく、これにより、回動アタッチメント13を様々な矢状面角度で位置決めすることができる。2つの部分からなる側方解放バックル(図示せず)の第2の部分には、固定機構132に装着する装具機構が設けられている。任意選択的に、回動アタッチメント13は、内側セグメント12に取り外し可能に固定されてもよい。依然として、任意選択的に、内側セグメント12には、快適性を向上させるためにパディングが設けられてもよい。
【0021】
後部支持セグメント14と可撓性前部支持システム15とは、内側セグメント12のそれぞれの対向端部に接続されて、装具機構の支持ベルト10を形成する。可撓性前部支持システム15は、装具機構を着用したユーザの腰部周りに装具機構の支持ベルト10を固定するために、例えば側方解放バックルを有するストラップなどの固定機構17を介して接続された、2つの部分からなる固定セグメント16から形成されている。
【0022】
任意選択的に、装具機構の支持ベルト10は、様々なサイズのユーザの腰部に合わせて装具機構の支持ベルト10の外周を調整するために、内側セグメント12と後部支持セグメント14および/またはストラップ16との間に1つまたは複数の長さ調整機構18a、18b、18c、18dをさらに備えてもよい。長さ調整機構18a、18b、18c、18dは、例えば、可変長ストラップおよびフープから構成されてもよい。依然として、任意選択的に、長さ調整機構18a、18b、18c、18dは、内側セグメント12および後部支持セグメント14および/またはストラップ16との間に、前額面および水平面において自由度の調整を行うピボットをさらに含んでもよい。
【0023】
ここで
図3および
図4を参照すると、内側セグメント12´および12´´それぞれの代替実施形態が示されている。
図3に示す第1の代替実施形態では、内側セグメント12´は、回動アタッチメント13が外側セグメント12´にしっかりと接続されたままになり、内側セグメントの円形レセプタクル1から飛び出さないようにする回動アタッチメント保持部20を含む。回動アタッチメント保持部20は、例えばストラップおよびコネクタであってもよく、ストラップがコネクタに固定されたときに、ストラップが回動アタッチメント13上を通過する。
【0024】
図4に示す第2の代替実施形態では、内側セグメント12´´は
図3の内側セグメント12´と同様であるが、代替的な回動アタッチメント23を有し、回動アタッチメント保持部20により、回動アタッチメント23が外側セグメント12´´に確実にしっかりと接続されたままになり、内側セグメントの円形レセプタクル1から確実に飛び出さないようになる。回動アタッチメント23は回動基部231と、回動基部231上に配置された固定機構232とから形成されており、下肢装具機構を関連する内側セグメント12に対し、様々な矢状面方向に接続している。本代替実施形態では、内側セグメントの円形レセプタクル1に係合された回動基部231を介して、固定機構232が内側セグメント12に回転可能に接続されている場合、固定機構232は2つの部分からなる磁気クリップの第1の部分であってもよく、これにより、回動アタッチメント23を様々な矢状面角度で位置決めすることができる。2つの部分からなる磁気クリップ(図示せず)の第2の部分には、固定機構232に装着する装具機構が設けられている。任意選択的に、回動アタッチメント23は、内側セグメント12に取り外し可能に固定されてもよい。
【0025】
図3および
図4を参照すると、任意選択的に、1つまたは複数の長さ調整機構18a、18b、18c、18dには、対応する調整機構18a、18b、18c、18dの可変長ストラップを所望の長さで固定するように折り曲げられて、重なり合うことができる、例えばVelcro(商標)ストリップなどの固定タブ22が設けられてもよい。
【0026】
ここで
図5を参照すると、回動アタッチメント保持部20が非固定構成にある場合の、内側セグメント12´´および固定タブ22を備えた装具機構の支持ベルト10´´が示されている一方、
図6は、回動アタッチメント保持部20が固定構成にある場合の、すなわち回動アタッチメント13、23と重なり合う場合の、装具機構の支持ベルト10´´を示している。
【0027】
例えば、各種回動アタッチメント13、23、単一の内側セグメント12を備え、長さ調整機構18a、18b、18c、18d、回動アタッチメント保持部20および/または固定タブ22のうちの1つまたは複数を備えているか否かにかかわらず、装具機構の支持ベルト10の様々な構成が可能であることを理解されたい。
【0028】
なお、本開示を、特定の非限定的な例示の実施形態およびその実施例によって説明したが、本開示の範囲から逸脱することなく、本特定の実施形態に修正を施してもよいことが当業者には明らかである。
【国際調査報告】