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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】スラッジ回収装置
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/00 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
F01M11/00 B
F01M11/00 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023528969
(86)(22)【出願日】2021-11-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2021081646
(87)【国際公開番号】W WO2022106341
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】PA202001294
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523178064
【氏名又は名称】スマート-マリン・アンパーツセルスケープ
【氏名又は名称原語表記】Smart-Marine ApS
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】アスムスン,カーステン
【テーマコード(参考)】
3G015
【Fターム(参考)】
3G015BB11
3G015BC00
3G015DA04
3G015EA05
(57)【要約】
本発明は、スラッジ収集ユニットに関する。スラッジ収集ユニットは、内部窪みを有する圧力タンク(2)と、内部窪みを気密閉鎖するように適合された上部カバー(3)とを備える。圧力タンク(2)は、内部窪み内に挿入され囲まれているカートリッジ(8)に適合されている。カートリッジ(8)の内部は、エンジンパージエアドレン接続部(20a)によりエンジンパージエアドレンに接続され(10、11、20a)、エンジンパージエアドレン内の材料を収集する。内部窪みは、圧力接続部(12、21)によりエンジンパージエアドレンに接続されている。再利用可能なオイルを収集するため、圧力タンク(2)は、エンジンパージエアドレンからのオイルなどの流体物質をオーバーフローさせるための外部への接続部(20b)により、外部に接続されたカートリッジ(8)の出口に適合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部窪みを有する圧力タンク(2)と、前記内部窪みを気密閉鎖するように適合された上部カバー(3)とを備え、前記圧力タンク(2)が、前記内部窪み内に挿入され囲まれているカートリッジ(8)であって、前記カートリッジ(8)の内部および前記圧力タンク(2)の前記内部窪みの両方がエンジンパージエアドレンに接続されている(10、11、12、20a、21)、前記カートリッジ(8)に適合されていることを特徴とする、スラッジ収集ユニット。
【請求項2】
前記カートリッジ(8)の内部は、エンジンパージエアドレン接続部(20a)によってエンジンパージエアドレンに接続され(10、11、20a)、前記エンジンパージエアドレン内の物質を収集し、前記内部窪みは、圧力接続部(12、21)により、前記エンジンパージエアドレン接続部(20a)に接続されている、請求項1に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項3】
前記圧力タンク(2)が、前記エンジンパージエアドレンからの流体材料をオーバーフローさせるための外部への接続部(20b)により、外部に接続された前記カートリッジ(8)の出口に適合されている、請求項1または2に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項4】
前記外部への接続部(20b)は、オーバーフローした流体材料を収集するための中間タンクに気密連通で接続されるように適合されている、請求項3に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項5】
前記圧力接続部(12、21)は、圧力接続部(12、21)にガスエアは入るが固体物質は実質的に入らないことを可能する位置でエンジンパージに接続され、前記圧力タンク(2)の内部は、固形物が入ることができる位置で、接続されている(10、11、20a)、請求項2~4のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項6】
前記圧力接続部(12、21)は、エンジンパージエアドレン接続部(20a)の上側に接続される、請求項5に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項7】
前記上部カバー(3)には、前記上部カバー(3)を介して気密な方法で前記カートリッジ(8)に接続された接続部(20a、20b)に適合された穴(10)が形成されている、請求項2~6のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項8】
前記カートリッジ(8)への接続部(20a、20b)は、前記カートリッジ(8)に固定されるように適合された穴(10)の挿入された接続部を介する、請求項7に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項9】
前記挿入された接続部は、ガイドブッシュを用いて前記上部カバー(3)に対してシールする、請求項8に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項10】
前記カートリッジ(8)の上面および前記内部窪みの内面を接続するように適合された位置決めプレート(9)を備える、請求項1~9のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項11】
前記位置決めプレート(9)は、前記カートリッジ(8)の側面に達して、前記カートリッジ(8)の外面と前記圧力タンク(2)の内面との間に収まるように適合された複数の拡張部(9a)を有する、請求項10に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項12】
前記拡張部(9a)は、前記圧力タンク(2)の内面に形成された内部形状(2a)に収まるように適合されている、請求項11に記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項13】
前記位置決めプレート(9)には、前記上部カバー(3)の穴(10)と一致するように適合された穴(11)が形成されている、請求項6および10~12のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項14】
前記上部カバー(3)には、前記上部カバー(3)の外面に位置する過圧バルブに連通する開口部(7)が形成されている、請求項1~13のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項15】
エンジンパージドレン接続部(20a)は、前記カートリッジ(8)内に位置するセンサ素子が形成されたセンサピストン(14)を含む入口接続装置(13)により前記カートリッジ(8)に接続されている、請求項1~14のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【請求項16】
前記圧力タンク(2)は、標準的な208L(55ガロン)鋼製オイルバレルであるカートリッジ(8)に適合されている、請求項1~15のいずれかに記載のスラッジ収集ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、標準的な208L(55ガロン)鋼製オイルバレルなどのバレルを収容するのに適した圧力設定スラッジ収集タンクに関する。本発明は、特に、2ストローククロスヘッドタイプなどのエンジンのリンスエアベルトを排水する排水システムでの使用に適している。これは、「掃気空間(Scavenge air space)」または「ピストン下面空間(piston underside space)」とも呼ばれる。本発明は、「掃気レシーバ(scavenge air receiver)」とも呼ばれる、エンジンのフラッシングエアタンクから排水する排水システムでの使用にも適している。本発明は、既存のエンジンおよび設備の改造だけでなく、新しいエンジンおよび設備の設置に使用され得る。本発明は、プレッシャーセットシンクおよび配管システムおよびプレッシャーレス(オープン)シンクおよび配管システムの両方に使用できる。
【0002】
本発明は、船舶のエンジンに関連して使用するのに特に適しているが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
例えば、動作中にスラッジと呼ばれる中間物(medium)がさまざまな量で生成されるクロスヘッドタイプの2ストロークエンジンが知られている。中間物は、主に、未燃粒子の形の固体粒子が混合された潤滑油で構成される。これらの固体または不活発な(sluggishly)液体の成分は、重力によってパイプ、容器およびタンクの底に沈殿する/沈殿し蓄積する傾向がある。これは比較的早く、層を重ねて沈降し、比較的重くて固い物質になる。堆積した材料は、硬く踏みしめられた土(hard stamped soil)とほぼ同じ粘度を有する。この現象は、中間物の流動部分(油)がスラッジの固体粒子よりも大幅に低い密度を有するために発生する。
【0004】
エンジンからの中間物(潤滑油と重い固体粒子との混合物)は、落下管を通って中間タンクに送られることが知られている。このタンクは通常「掃気ドレンタンク(Scavenging air drain tank)」と呼ばれる。このタンクのボリュームは、通常、約500~2000Lで、エンジンのパージ空気圧(通常0.2~4bar)に相当する過圧に耐えるように設計されていることを特徴とする。エンジンの作動中に、エンジンからの空気圧(パージエア)がスラッジドレンパイプを通ってタンクを加圧する。このタンクの目的は、一部は、中間物の固体粒子(スラッジ)を収集して保持することであり、一部は、タンクを鳴らすことで1日の排水量を測定できる一種の観察タンクとして機能することである。さらに、このタンクには、多くの場合、タンクが所望のレベルを超えて満たされた場合に警報を発するレベルアラームが設けられている。この中間タンクは、多くの場合、バルブを手動で開き、中間タンクの底部からより大きな貯蔵タンクへのパイプ接続を形成することにより、毎日空にされる。したがって、中間物は重力および正圧の差により中間タンクから貯蔵タンクに流れる。
【0005】
このよく知られ広く使用されているシステムでは、中間タンクを定期的に手動で洗浄する必要がある。中間タンクは、このタンクへのマンホールカバーを取り外すことにより簡単に開けられる。これに続いて、手動でタンクの扱い難く汚い人力掘削が続く。固体粒子(スラッジ)の掘削は、通常、異なる製品シャベルおよびスクレーパを使用して行われる。スラッジはバケツに掘られ、通常は手で最も近い甲板まで持ち上げられる(船に乗っている場合)。ここでは、スラッジは、多くの場合、オープン208L鋼製バレルに注がれる。掘削が完了した後、タンクは布を用いて手作業で清掃される。十分な洗浄を行うには、多くの場合、タンク内に潜り込む必要がある。手動による掘削および清掃には、潜在的に有害な作業が伴う。作業位置も、多くの場合、今日の基準からすると不快で正しくない。この中間タンクの掘削は、多くの場合、2~4週間の間隔で行われる。このシステムが適切に機能することを確認するには、定期的な掘削が必要である。掘削がちょうどよい時に行われない場合、スラッジは、より大きな貯蔵タンクへのパイプ接続が詰まる可能性があるレベルに達する。その場合、中間タンクおよび配管接続部の両方を分離して清掃することが必要になる。
【0006】
中間物の液体部分(潤滑油)および固体成分(スラッジ)は区別される。どちらも、承認された会社で処理するために輸送される。潤滑油は、多くの場合、価値があり、他の用途に比較的容易に使用され得るため、ペイメントを受け取ることが多い。
【0007】
一方、固体粒子(スラッジ)は、扱いにくいため、重量に応じて高い代価を支払うことになる。このため、スラッジおよび潤滑油の効率的な分離は、スラッジ中の不必要に高い潤滑油含有量に対して支払われることがない高い負担を回避する利点がある。
【0008】
スラッジは、排出され(例えば、公開された特許出願WO2018/233789を参照)、バレルに供給され得る。208L(55ガロン)鋼製オイルバレルのような標準的なバレルは、著しい過小圧力または過大圧力に耐えるように設計または構成されていない。これらの標準的なバレルは、例えば、クロスヘッドタイプの2ストロークエンジンの排水システム内で発生する過圧(通常0.2~4bar)に耐えることができない。固体粒子がバレル内に沈降することを可能にする排水システムに、標準的なバレルを直接接続することはできない。したがって、本発明の目的の1つは、バレルの変形および損傷または破裂を回避することである。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、中間タンクの汚れた手作業による掘削を防止し、潤滑油と重い固体粒子を安全かつ効率的に分離することである。これは、比較的重い粒子が固体のさらなる輸送に使用される輸送バレル内に直接沈降する本発明によって達成される。本発明により、手動洗浄にかかる時間が大幅に節約される。
【0010】
さらに、本発明は、手動洗浄タンクおよびパイプに関連して消費される洗浄化学物質およびディーゼルオイルの消費と比較して、大幅な節約につながる可能性がある。さらに、本発明は、貯蔵タンクの中間タンクからの配管系の詰まりを防止する。さらに、大きくて手の届きにくい貯蔵タンク内でのスラッジの沈殿を抑制する。
【0011】
これらの貯蔵タンク内の望ましくない沈殿/沈殿は、歴史的に、広範囲な手動洗浄と共に、タンクの内容物をさらにポンプで汲み上げるという本質的な問題を見捨ててきた。最後に述べるが、本発明は、関係するスタッフの作業環境を必然的に大幅に改善する。クロスヘッドタイプの2ストロークエンジンを備えたプラント(船舶)では、多くの場合、利用可能な空の鋼製バレルを十分に備えている。これは、これらの標準的な208リットルバレルで供給される潤滑油の消費が比較的多いためである。
【0012】
例えば、2ストロークエンジンのパージエアドレンシステムからのスラッジが、圧力下で標準208L(55ガロン)スチールドラムに直接沈殿させて収集可能な既知のシステムはない。
【0013】
本発明は、例えば、クロスヘッドタイプの2ストロークエンジンのパージエアベルトおよびパージエアタンクから排水する排水システムに迅速に取り付けられることを特徴とする。本発明はさらに、圧力タンクで囲まれた標準的な208L(55ガロン)鋼製ドラムを有することを特徴とする。さらに、本発明は、圧力下で、エンジン泥(engine mud)を208L(55ガロン)スチールドラムなどの標準カートリッジに直接収集できることを特徴とする。本発明はまた、スチールドラムの内表面と外表面との間の圧力を一定に均一化するための配置(アレンジメント)を有することを特徴とする。
【0014】
本発明の目的は、内部窪み(inner hollow)とこの内部窪みを気密閉鎖(pressure tight closure)するように適合された上部カバーとを有する圧力タンクを備え、圧力タンクが、内部窪み内に挿入され密閉されるカートリッジに適合され、カートリッジ内部と圧力タンク内部窪みの両方がエンジンパージエアドレンに接続されていることを特徴とする、スラッジ収集ユニットを導入することを含む。これは、カートリッジの両側での同じ圧力を確保する。したがって、カートリッジ内部は、エンジンパージエアドレン内で物質を収集するエンジンパージエアドレン接続部によってエンジンパージエアドレンに接続され、内部窪みが、圧力接続部によってエンジンパージエアドレン接続部に接続されてもよい。
【0015】
圧力タンクは、エンジンパージエアドレンからの流体材料をオーバーフローさせるための外部への接続により、外部に接続されるカートリッジの出口に適合されてもよい。これは、カートリッジへの使用可能なオイル供給の収集を可能にし、この目的のために、外部への接続は、オーバーフロー流体材料またはオイルを収集するための中間タンクに気密連通で接続されるように適合されてもよい。カートリッジ表面の圧力均一化に影響を与えない気密が必要である。
【0016】
圧力接続部は、圧力接続部にガスエアは入るが固体または液体材料は実質的に入らないことを可能にする位置でエンジンパージに接続され、圧力タンクの内部は、固体/液体材料が入ることができる位置で接続されてもよい。これは、重いスラッジ材料をカートリッジに供給可能にする一方、カートリッジ外部の圧力タンクの内部窪みのボリュームは、本質的にガスのみ入ることが可能になる。このようなアレンジメントを作る1つの方法は、圧力接続部をエンジンのパージエアドレン接続部の上側に接続することである。
【0017】
上部カバーには、上部カバーを介して気密な方法でカートリッジに接続される少なくとも1つの接続部に適合した穴が形成されてもよい。
【0018】
例えば、挿入される異なるカートリッジの高さにおけるバリエーションを可能にするために、許容差は、カートリッジに固定されるように適合された少なくとも1つの穴に挿入された接続部を使用することで確保される。挿入された接続部は、ガイドブッシュを使用して上部カバーに対してシールし、カートリッジの操作および取り付け中の水平移動および垂直移動をも可能にしてもよい。
【0019】
内部窪み内で圧力タンクを正確に位置決めし固定することを確実にするため、スラッジ収集ユニットは、カートリッジの上面と内部窪みの内面に接続するように適合された位置決めプレートを備えてもよい。
【0020】
位置決めプレートは、カートリッジの側面に達してカートリッジの外面と圧力タンクの内面との間に収まるように適合された複数の拡張部を有してもよい。これらは、非回転を保証し、圧力タンクの内面に形成された内部形状に収まるように適合され得る。さらに、このアレンジメントは、カートリッジの正しい位置を維持でき、カートリッジリフティングツールをスライドインするための十分なスペースを確保できる。
【0021】
位置決めプレートには、上部カバーの複数の穴と一致して、上部カバーおよび位置決めプレートの両方を介してカートリッジに接続できるように適合された複数の穴が形成されてもよい。
【0022】
圧力タンク内の圧力を制御するために、上部カバーには、上部カバーの外面に位置する過圧バルブに連通する開口部が形成されてもよい。
【0023】
エンジンパージエアドレン接続部は、カートリッジ内に位置するセンサ素子を有するセンサピストンをも含む入口接続装置によって、カートリッジに接続されてもよい。センサピストン(14)の目的は、バレル(8)の上部より下に、例えば、手の力で押し下げることを可能にすることである。従って、センサピストン(14)は、バレル(8)の上部で蓄積された固体粒子に遭遇すると、抵抗が増加し得る。このように、バレル(8)が固体(沈殿した)スラッジで満たされたときに、それを簡単かつ安全に検出することができる。動作中、センサピストン(14)は、バレル(8)入口接続部の過圧により上部位置で保持され得る。
【0024】
圧力タンクは、標準的な208L(55ガロン)鋼製オイルバレルであるカートリッジに適合されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係るスラッジ収集ユニット用の圧力タンク。
図2】スラッジ収集ユニットの一部としての位置決めプレートの実施形態の上面図。
図3A】内部に位置するカートリッジと位置決めプレートとを有する圧力タンクの側面図。
図3B】内部に位置するカートリッジと位置決めプレートとを有する圧力タンクの上面図。
図4】上部カバーを閉じた状態の圧力タンクの上面図。
図5A】2つの異なる位置にセンサピストンを有し、エンジンパージエアドレン接続部の接続のための圧力タンクの上部カバーに取り付けられた入口接続装置。
図5B】2つの異なる位置にセンサピストンを有し、エンジンパージエアドレン接続部の接続のための圧力タンクの上部カバーに取り付けられた入口接続装置。
【発明を実施するための形態】
【0026】
詳細な説明および特定の例は、本発明の実施形態を示しているが、例示のみを目的として提供されていることが理解されるべきである。
【0027】
図1は、加圧排水システム(複数のエンジンフラッシングベルトおよび複数の容器からの排水)を対象とした本発明のスラッジ収集ユニット(SCU)(1)の一実施形態を示すが、コレクティングプレッシャーレススラッジ排水システム(collecting pressure-less sludge drainage systems)にも使用できる。
【0028】
本発明は、例えば、複数のハンドルと共にヒンジ付きヨーク(4)を使用して垂直位置に開放可能な上部カバー(3)が取り付けられた圧力タンク(2)(円筒形または円形の可能性があるが、多角形の形状でもよい)からなる。ヒンジ付きヨーク(4)は、2つのガススプリング(5)または上部カバー(3)の重量を均等にするのに適した他の手段によって影響を受けて、垂直位置への開放が簡単かつ快適であってもよい。リフティングヨーク(4)は、カバー(3)が開位置にあるときに安全スプリットの挿入を可能にするアレンジメントを形成してもよい。ヒンジ付きヨーク(4)は、上部カバー(3)の開閉に適した任意の手段で置き換え得る。
【0029】
上部カバー(3)は、例えば、ボルトまたはその他の方法で、閉位置にあるときに圧力タンク(2)に固定されるよう適合されている。図示の実施形態では、圧力タンク(2)の上部開口部と上部カバー(3)のそれぞれの縁に、挿入されてそれらを共に固定するボルト用の複数の開口部(15)が形成されている。
【0030】
上部カバー(3)には、開口部(7)によってタンク(2)の内部と連通する過圧バルブ(6)(上部カバー(3)の外部に位置する過圧バルブ(6)を示す図4参照)を設けてもよい。これにより、圧力タンク内の圧力が設計圧力または設定最大圧力を超えることが確実にできなくなる。圧力タンク(2)は、これに限定されないが、標準的な208L(55ガロン)鋼製バレルまたは他の標準的なカートリッジなどのタンク(2)に収まるバレル(8)(図1では見えない)(以下、一般にバレル(8)と呼ぶ)などのカートリッジ用に設計されている。タンク(2)は、バレル(8)の外面と圧力タンク(2)の内部ボリュームとの間に比較的最小のボリュームが存在するように設計されている。ただし、僅かに変形した(小さな凹凸)バレル(8)を圧力タンク(2)に沈めることができるように、ある程度の許容差が残されている。
【0031】
バレル(8)は、位置決めプレート(9)を用いて圧力タンク(2)の中心に位置したまま、正確に位置決めされている。図2図3A図3Bも参照。
【0032】
位置決めプレート(9)は、図2の実施形態の上面図を参照すると、内部上部バレルエッジ(8a)に収まるように適合され、上部バレルエッジ(8a)を超えてその外部に達するように適合された拡張部(9a)を有し、上部バレルエッジ(8a)の外面および圧力タンク(2)の内面の間に収まり、バレル(8)を所定の位置にしっかりと保持する平板であってもよい。さらに、拡張部は、バレル(8)の方向(orientation)を規定するために圧力タンク(2)の内面に形成された内部形状(2a)に収まるように適合されてもよい。図3Aは、拡張部が上部バレルエッジ(8a)と圧力タンク(2)の内面との間で圧迫された状態の圧力タンク(2)内のバレル(8)の側面図を示す。図3Bは、位置決めプレート(9)が、バレル(8)および圧力タンク(2)に接続して位置決めされている上面図であり、圧力タンク(2)の内部窪みに突起として形成された内部形状(2a)の実施形態を示しているが、表面の凹部であってもよく、または他の適切な方法で形成されてもよい。
【0033】
上部カバー(3)または圧力タンク(2)の上縁(図示のとおり)には、上部カバー(3)が閉位置にあるとき、上部カバー(3)と圧力タンク(2)の上縁との間で圧迫されるように適合されたシール(2b)が形成されていてもよい。これは、例えば、ボルトにより共に固定する際にしっかりとした接続を確保する。
【0034】
上部カバー(3)および位置決めプレート(9)には、複数の穴(10、11)が設けられ、圧力タンク(2)の上部カバー(3)を介したバレル(8)の複数の接続部へのアクセスが作り出される。一実施形態では、上部カバー(3)を介した外部接続部(20a、20b)へのバレル(8)の接続部の緊密固定(例えば、ねじ込み)は、ねじ込み可能な挿入された接続部(図示せず)によって確実にし、バレル(8)のねじ接続部などのバレル(8)の接続部に固定されるように適合されていてもよい。標準オイルバレル(8)には3/4インチおよび2インチの管用雌ねじが標準で取り付けられている。
【0035】
インサート接続部は、シールリングを使用してバレル(8)接続部に対してシールし、関連するオーリングシールを有するガイドブッシュを使用して上部カバー(3)に対してシールすることができる。さらに、ガイドブッシュは、バレル(8)接続部とインサート接続部の垂直方向の動きを可能にし、熱膨張による垂直方向の動きおよび圧力変動によるバレル(8)の小さな変形を補う。
【0036】
例えば、標準バレル(8)の製造公差に従って、より小さな高さの違いを補うため、ある程度の垂直交差および水平公差が必要である。
【0037】
ブッシングは、フランジおよびボルトを使用して、上部カバー(3)に対して締め付けられてもよい。
【0038】
バレル(8)の外部への(20b)接続部(バレル(8)からのオイル出口(オーバーフロー)に関連する)に接続するインサート接続部は、バレル(8)の上部の下に、例えば、70mm延びてもよい。これにより、インサート接続部などを分解する前に、バレル(8)のレベルを下げて、バレル(8)の交換時にオイルがこぼれるのを防ぐことができる。
【0039】
図4は、カバープレート(3)の上面図であり、ハンドル(3a)、エンジンパージエアドレン接続部(20a)およびオイル出口用のバレルの外部への接続部(20b)をそれぞれ示している。両接続部は、パイプ、ホースなどであり得る。
【0040】
中間物(比較的重い固体粒子が混合された潤滑油)の入口は、上部カバー(10)の接続穴と位置決めプレート(11)の穴によってバレル(8)の入口接続部に接続されたエンジンパージエアドレン接続部(20a)を介して存在する。カバープレート(3)の上部には、エンジンパージエアドレン接続部(20a)をバレル(8)の入口接続部に接続する入口接続装置(13)(可能であれば、Y字型、例えば、45度のパイプY)(図5Aおよび5B参照)が設けられている。この設計は、バレルへの機能的な入口を確保すると同時に、センサピストン(14)のバレル(8)の内部にアクセスすることを可能にする。センサピストン(14)は、バレル(8)内でのセンサ素子の容易な軸(垂直)方向移動を可能にする気密シャフトシールで作られ得る。センサピストン(14)の目的は、例えば、手の力で、バレル(8)の上部より下に押し下げ可能にすることである。従って、センサピストン(14)は、バレル(8)の上部に蓄積された固体粒子に遭遇すると、抵抗が増加する。このようにして、バレル(8)が固体(沈殿した)スラッジで満たされるとき、それを簡単かつ安全に検出できる。動作中、センサピストン(14)は、バレル(8)入口接続部の過圧により上部位置に保持される。この過圧は、エンジンのパージエアシステムからの空気圧によって作り出され、ドレンシステムを介してバレル(8)に伝わる。
【0041】
本発明は、バレル(8)の内部/外部にほぼ均一な圧力を確保する。バレル(8)の内部ボリュームは、エンジンのパージエアドレン接続部(20a)に気密に接続されている。これにより、エンジンからの連続排出により、バレル(8)が液体中間物で急速に満たされる。バレル(8)の外部への接続(20b)によって、バレル(8)の出口に接続された中間タンクへの潤滑油のオーバーフローが生じる。中間タンクには、圧力タンク(2)およびドレン接続部(20a)のそれぞれと同じ圧力がかかる。従って、比較的不純物の少ない(pure)潤滑油は、オーバーフローおよび重力によって圧力タンク(2)から中間タンクに押されて流れ、他の目的に使用可能な比較的不純物の少ない油として収集される。比較的重い粒子(スラッジ)は、バレル(8)内で層ごとに沈殿する。
【0042】
圧力タンク(2)の内部とバレル(8)の外部との間の空のボリュームはまた、圧力接続部(21)および圧力タンク(2)内の圧力開口部(12)を介して、内部窪みだがバレル(8)の外部に、図3Aも参照、例えば、エンジンドレン接続部(20a)の上側に、均圧空気(エンジンフラッシュエア)で加圧される。従って、バレル(8)の外部でも内部と同じ圧力が確保される。エンジンドレン接続部(20a)の上側に接続部を位置させることにより、スラッジなどの重い物質が圧力接続部21に入らないことを確実にする。このため、バレル(8)の内部/外部の圧力差の効果的な均等化を確実にする。従って、エンジンの排水システム内の圧力が変化しても、バレル(8)の内部および外部には常に同じ圧力がかかる。圧力が均一化された空気は、バレル(8)の外部の不必要な汚れを避けるために、オイル蒸気の空気を浄化するためのオイルミストフィルタを通して導かれ得る。分離されたオイルミストは、フィルタ下部のバルブを介して、オイルミストフィルタから手動で排出されてもよい。圧力タンク(2)はまた、底部でドレン接続部およびバルブと嵌合される。これは、圧力タンク(2)が内部で洗浄されている場合、液体の排出を可能にする。
【0043】
バレルの交換は以下の手順で簡単に行える。
【0044】
システムが減圧される。これは、エンジン排水システムからのメインバルブを閉じることで達成される。大気への開口部(絞りが付いている可能性あり。過圧バルブ(6)(図4参照)用開口部(7)(図1参照)の可能性あり)により、中間タンクから圧力タンク(2)および接続部(20a、20b)への過圧の迅速な排出が確保される。
【0045】
続いて、接続部(20a、20b)、ガイドブッシュおよび接続インサートの接続が解除され、上部カバー(3)が垂直位置までしっかりと開く。バレル(8)は適切なプラグでしっかりと閉じられる。これらのプラグは通常、ネジ付きの標準部品である。
【0046】
その後、特別な承認されたリフトツールがバレル(8)の周りに降ろされ得る。上縁(8a)とリフトツールは、バレル(8)および圧力タンク(2)の間の空間に滑り込む。
リフトツールは、バレル(8)を持ち上げると同時にバレル(8)まわりをクランプするように設計されている。これにより、バレルは、クレーンまたはホイストを使用して圧力タンク(2)から持ち上げられる。
【0047】
新しい空のバレル(8)の取り付けは、主に逆の順序で行われる。
【符号の説明】
【0048】
1 スラッジ収集ユニット(SCU)
2 圧力タンク
2a 圧力タンク内の内部形状
2b シール
3 上部カバー
4 ヒンジ付きヨーク
5 上部カバーの重量を均一化するように適合されたガススプリングまたは他の手段
6 加圧バルブ
7 加圧弁用開口部
8 バレル
8a 上部バレルエッジ
9 位置決めプレート
9a 位置決めプレートの拡張部
10 上部カバーの穴
11 位置決めプレートの穴
12 圧力開口部
13 入口接続装置 Y形状
14 センサピストン
15 ボルト用開口部
20a エンジンパージエアドレン接続部(パイプ、ホース等)
20b オイル出口用のバレルの外部への接続部
21 圧力接続部
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
【国際調査報告】