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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】パーキンソン病の処置方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20231212BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231212BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20231212BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20231212BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20231212BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 47/20 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 9/20 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A61K31/198
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61P25/16
A61P25/00
A61P25/14
A61K47/02
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/20
A61K9/08
A61K9/20
A61K9/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023529002
(86)(22)【出願日】2021-11-16
(85)【翻訳文提出日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 IL2021051355
(87)【国際公開番号】W WO2022107125
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/114,688
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/334,554
(32)【優先日】2021-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
2.SPAN
(71)【出願人】
【識別番号】522084681
【氏名又は名称】ニューロデルム,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135415
【弁理士】
【氏名又は名称】中濱 明子
(72)【発明者】
【氏名】ビルンベルグ,タル
(72)【発明者】
【氏名】アダル,リアト
(72)【発明者】
【氏名】パールシュタイン,イテイ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA36
4C076AA53
4C076BB01
4C076BB11
4C076BB16
4C076BB25
4C076BB31
4C076CC01
4C076DD22
4C076DD24
4C076DD50
4C076DD55
4C076DD59
4C076FF33
4C076FF51
4C206AA01
4C206AA02
4C206FA56
4C206HA03
4C206HA32
4C206KA01
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA36
4C206MA55
4C206MA57
4C206MA72
4C206MA75
4C206MA76
4C206MA79
4C206MA83
4C206MA86
4C206NA05
4C206ZA01
4C206ZC75
(57)【要約】
開示されるのは、レボドパ、DDCI、例えば、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらのあらゆる組合せの経口投与と付随した、レボドパおよびドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、例えば、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらのあらゆる組合せの非経口投与による、神経障害または運動障害、例えば、パーキンソン病の処置を必要とする個体における神経障害または運動障害、例えば、パーキンソン病の処置方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:
患者に、
a)レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
b)ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第1の医薬組成物を非経口投与するステップと;
付随して、
患者に、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される活性剤を含む第2の医薬組成物を経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項2】
DDCIが、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらのあらゆる組合せである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1の医薬組成物内のDDCIが、第2の医薬組成物内のDDCIと同じである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
第1の医薬組成物内のDDCIが、第2の医薬組成物内のDDCIと異なる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
第2の医薬組成物が、レボドパおよびDDCIを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
DDCIがカルビドパである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の医薬組成物が、皮下に、経皮的に、皮内に、静脈内に、筋肉内に、気管内に、鼻腔内に、髄腔内に、胃内に、または十二指腸内に投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の医薬組成物が皮下に投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の医薬組成物が、神経障害または運動障害の処置を必要とする前記患者に、1つ以上の部位を介して投与される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記神経障害または運動障害が、パーキンソン病;続発性パーキンソン症候群、例えば、薬物誘発性続発性パーキンソン症候群、神経遮断薬誘発性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、および血管性パーキンソン症候群;運動変動;神経変性障害;運動障害;脳内ドーパミンレベルの低下;レボドパ誘発性運動障害;急速眼球運動睡眠行動障害(RBD);ジストニア;朝の失動症;振戦症状、例えば本態性振戦および薬物誘発性振戦;ミオクローヌス;舞踏病、例えば薬物誘発性舞踏病;チック、例えば薬物誘発性チックおよび有機チック;薬物誘発性運動障害;薬物誘発性アカシジア;不穏下肢症候群(RLS);スティッフマン症候群;良性身震い発作;悪性神経遮断薬症候群;ハンチントン舞踏病;シャイ-ドレーガー症候群;脳損傷誘発性状態、例えば一酸化炭素もしくはマンガン中毒;またはそれらのあらゆる組合せである、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の医薬組成物が、実質的に連続的に投与される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の医薬組成物が、1日1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回投与される、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記神経障害または前記運動障害由来の症状が前記投与を必要とする場合に、前記第2の医薬組成物が投与される、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
第2の医薬組成物が、予め定義された回数、予め定義された間隔、または双方にて投与される、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第2の医薬組成物が複数回投与され、投与される用量が、全ての投与にて同じである、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
第2の医薬組成物が複数回投与され、投与される用量が、少なくとも2回の投与において異なる、請求項1~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
第2の医薬組成物が、各投与において、約25mgのレボドパ~約400mgのレボドパの用量で投与される、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
第1の医薬組成物が、レボドパ、カルビドパ、およびアルギニンを含む、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
第1の医薬組成物が、レボドパ、カルビドパ、アルギニン、および少なくとも1つの抗酸化剤を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
第1の医薬組成物が、レボドパ、カルビドパ、アルギニン、および少なくとも2つの抗酸化剤を含む、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
第1の医薬組成物が、レボドパ、カルビドパ、ならびにアルギニン、NaOH、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される塩基を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
第1の医薬組成物のpHが、約6~約10の範囲、約8~約10の範囲、約9~約10の範囲、約9.1~約9.8の範囲、または約9.5である、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
第1の医薬組成物が、約1w/v%~約40w/v%、約1w/v%~約20w/v%、約1w/v%~約10w/v%、約2w/v%~約8w/v%、約4w/v%~約8w/v%、約5w/v%~約7w/v%、または約6w/v%のレボドパ、レボドパプロドラッグ、レボドパ塩、またはそれらのあらゆる組合せを含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
第1の医薬組成物が、約0.5w/v%~約10w/v%、約0.5w/v%~約6w/v%、約0.5w/v%~約4w/v%、約0.5w/v%~約2w/v%、約0.5w/v%~約1w/v%、約0.75w/v%のカルビドパ、カルビドパ塩、カルビドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
抗酸化剤が、アスコルビン酸またはその塩、システイン、例えばN-アセチルシステイン、バイサルファイトまたはその塩、グルタチオン、チロシナーゼ阻害剤、二価カチオン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ベータヒドロキシ酸(BHA)トコフェロール、ゲンチシン酸、トコフェロール、トコフェロール誘導体、チオグリセロール、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される、請求項1~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
第1の医薬組成物が、約0.05w/v%~約2.0w/v%、約0.5w/v%~約1.5w/v%、0.75w/v%、約0.9w/v%、約1.0w/v%、約1.1w/v%、約1.25w/v%の抗酸化剤または抗酸化剤の組合せを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
第1の医薬組成物が、約5w/v%~約30w/v%、約10w/v%~20w/v%、約12.5w/v%~17.5w/v%、約15w/v%、または約15.2w/v%の塩基を含む、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
第1の医薬組成物が、1つまたは2つの部位を介して投与される、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
第1の医薬組成物が、毎日1部位あたり約1ml~約30ml、毎日1部位あたり約2ml~約20ml、毎日1部位あたり約3ml~約10ml、毎日1部位あたり約5ml~約7ml、または毎日1部位あたり約6mlの容量にて投与される、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
神経障害または運動障害の処置において組合せとして使用するための、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ、および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第1の医薬組成物、ならびに
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第2の医薬組成物であって、
第1の医薬組成物が、非経口組成物として製剤化されており、第2の医薬組成物が、経口組成物として製剤化されている、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物。
【請求項31】
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む非経口形態の第1の医薬組成物、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ;またはそれらのあらゆる組合せ
を含む経口形態の第2の医薬組成物、ならびに
神経障害または運動障害の処置のための、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物の付随的投与についての説明書
を含むキット。
【請求項32】
神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:
患者に、約7~約10時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約100~200mgのレボドパおよび約12~約50mgのカルビドパを患者に送達する量でレボドパおよびカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパおよびカルビドパを含む即時放出錠剤またはカプセルを経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項33】
即時放出錠剤が、50mg、75mg、100mg、125mg、または150mgのレボドパを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
即時放出錠剤が、2.5mg、18.57mg、25mg、31.25mg、37.5mg、もしくは50mgのカルビドパを含む、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
皮下注入タイムコースが約8時間である、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
即時放出錠剤またはカプセルが、注入タイムコースの開始と実質的に同時的に経口投与される、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
即時放出錠剤またはカプセルが、注入タイムコースの開始の約1、2、3、4、または5時間後に経口投与される、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
即時放出錠剤またはカプセルが、注入タイムコースの開始の約4時間後に投与される、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
即時放出錠剤またはカプセルが、100mgのレボドパおよび25mgのカルビドパを含む、請求項32~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップが、約140~170mgのレボドパおよび約16~約24mgのカルビドパを患者に送達する量のレボドパおよびカルビドパを含む、請求項32~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
神経障害または運動障害が、パーキンソン病である、請求項32~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
第1の薬学的に許容される液体組成物が、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、および約10重量%~約20重量%のアルギニンを含む、請求項32~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
付随的な第1の組成物の皮下投与および錠剤またはカプセルの経口投与により、注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパ曲線下面積(AUC)が、患者に第1の組成物単独が皮下投与される場合の注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパAUCを、錠剤またはカプセルが単独で投与される場合、ならびに付随して皮下および経口的に投与されるレボドパの量が、単独で皮下および単独で経口的に投与されるレボドパの組み合わせた量とほぼ同じである場合の患者のレボドパAUCと一緒にした組合せと比較したものよりも高い、請求項32~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:
患者に、約7~約10時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約6重量%のレボドパおよび約0.75重量%のカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を患者に皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、または200mgのレボドパを含む即時放出錠剤またはカプセルを経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項45】
即時放出錠剤またはカプセルがさらに、カルビドパを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:
患者に、約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを患者に約24時間にわたって送達する量でレボドパおよびカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパおよびカルビドパを含む錠剤またはカプセルを経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項47】
錠剤が即時放出錠剤である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
皮下注入が、高活性速度にて約18時間にわたって、低活性速度にて約6時間にわたって施され、約691.2mgのレボドパおよび約86.4mgのカルビドパが、高活性で18時間にわたって投与され、約28.8mgのレボドパおよび3.6mgのカルビドパが、低活性で6時間にわたって投与される、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
錠剤またはカプセルが、注入タイムコースの開始と実質的に同時的に経口投与される、請求項46~48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
錠剤またはカプセルが、注入タイムコースの開始の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間後に経口投与される、請求項46~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
錠剤またはカプセルが、予め定義された間隔にて、または必要とされる場合に、注入タイムコースの開始の後に数回投与される、請求項46~50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
錠剤またはカプセルが、100mgのレボドパおよび25mgのカルビドパを含む、請求項46~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
神経障害または運動障害が、パーキンソン病である、請求項46~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
第1の薬学的に許容される液体組成物が、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、および約10重量%~約20重量%のアルギニンを含む、請求項46~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
付随的な第1の組成物の皮下投与および錠剤またはカプセルの経口投与により、注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパ曲線下面積(AUC)が、患者に第1の組成物単独が皮下投与される場合の注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパAUCを、錠剤またはカプセルが単独で投与される場合、ならびに付随して皮下および経口的に投与されるレボドパの量が、単独で皮下および単独で経口的に投与されるレボドパの組み合わせた量とほぼ同じである場合の患者のレボドパAUCと一緒にした組合せと比較したものよりも高い、請求項46~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって:
患者に、少なくとも約24時間の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを少なくとも約24時間のタイムコースにわたって患者に送達する量でレボドパおよびカルビドパを含む薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、100mgのレボドパを含む1つ以上の即時放出錠剤またはカプセルを経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項57】
薬学的に許容される液体組成物がさらに、アルギニンを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
薬学的に許容される液体組成物がさらに、少なくとも1つの抗酸化剤を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
即時放出錠剤またはカプセルがさらに、カルビドパを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
皮下投与および経口投与により、患者の注入時間の時間0から終わりまでの血漿レボドパ曲線下面積(AUC)が、i)患者が、少なくとも約24時間にわたって薬学的に許容される液体組成物単独が皮下投与される場合の注入時間の時間0から終わりまでの血漿レボドパAUC;およびii)経口レボドパ単独が投与される患者の血漿レボドパAUCの組合せと比較して、より高い、請求項56に記載の方法。
〔請求項6〕
パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって:
患者に、少なくとも約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを少なくとも約24時間にわたって患者に送達する量でレボドパ、カルビドパ、アルギニン、および抗酸化剤を含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパを含む少なくとも1つの経口剤形を経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項61】
経口剤形が:50mgのレボドパ、75mgのレボドパ、95mgのレボドパ、100mgのレボドパ、125mgのレボドパ、145mgのレボドパ、150mgのレボドパ、195mgのレボドパ、200mgのレボドパ、245mgのレボドパ、または250mgのレボドパの1つを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
経口即時放出レボドパおよびカルビドパ単独の形態でレボドパおよびカルビドパが現在投与されており、かつ更なる処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって:
患者に、24時間の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを少なくとも約24時間にわたって患者に送達する量でレボドパ、カルビドパ、アルギニン、および抗酸化剤を含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、100mgのレボドパおよび25mgのカルビドパを含む少なくとも1つの錠剤またはカプセルを毎日経口投与するステップと
を含む方法。
【請求項63】
パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって:
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第1の医薬組成物を非経口投与するステップと;
付随して、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む朝の経口用量組成物を経口投与するステップと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年11月17日出願の米国仮特許出願第63/114,688号および2021年5月28日出願の米国特許出願第17/334,554号の利益および優先権を主張し、これらの各々の開示は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本発明は、レボドパまたはそのプロドラッグ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)またはそのプロドラッグ、例えば、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらのあらゆる組合せの経口投与と付随した、レボドパまたはそのプロドラッグ、およびドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)またはそのプロドラッグ、例えば、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらのあらゆる組合せの非経口投与による、神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
[0003]パーキンソン病は、脳内の神経伝達物質ドーパミンの濃度が下がることによって特徴付けられる変性状態である。レボドパ(L-ドーパまたはL-3,4-ジヒドロキシフェニルアラニン)は、ドーパミンとは異なって、血液脳関門を越えることができるドーパミンの即時代謝前駆体であり、脳内でドーパミン濃度を回復させるのに最も一般的に用いられている。過去40年にわたって、レボドパはずっと、パーキンソン病の処置にとって最も効果的な治療法となっている。
【0004】
[0004]しかしながら、レボドパは、血漿中の半減期が短く、最良の一般的な現在の標準治療の下ですら、ドーパミン作動性刺激がパルス状となる。したがって、長期にわたる治療は、特定の患者にとって著しい障害の源を象徴し得る運動変動(motor fluctuation)および運動障害を伴う。最終的にレボドパ/ドーパミンをより連続的かつ生理学的に脳に送達することができる治療戦略が、運動合併症が和らげられる標準的なレボドパの利益を提供し、パーキンソン病および他の神経障害または運動障害に苦しむ患者によって大いに必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本明細書中で提供されるのは、とりわけ、レボドパ、そのプロドラッグまたは塩(例えば、その薬学的に許容されるプロドラッグ塩)の非経口投与を含む、神経障害または運動障害の処置のための方法および医薬組成物、同上およびドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、そのプロドラッグまたは塩(例えば、薬学的に許容されるプロドラッグまたはその塩)を含む組成物(例えば、薬学的に許容される組成物、例えば液体医薬組成物)、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、そのプロドラッグまたは塩(例えば、その薬学的に許容される塩)、および同上を含む組成物(例えば、薬学的に許容される組成物、例えば液体医薬組成物)からなる群から選択される活性剤の経口投与と付随する、同上を含む組成物(例えば、薬学的に許容される組成物、例えば液体医薬組成物)である。また、開示されるのは、医薬組成物のタイムコースおよび量によって指定される、記載される方法の投与のためのキット、および記載される方法の投与のための処置レジメンである。
【0006】
[0006]本発明の実施形態は、パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって:
患者に、少なくとも約24時間の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを少なくとも約24時間のタイムコースにわたって患者に送達する量でレボドパおよびカルビドパを含む薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、100mgのレボドパを含む1つ以上の即時放出錠剤またはカプセルを経口投与するステップと
を含む方法に関する。
【0007】
[0007]一部の実施形態に従えば、薬学的に許容される液体組成物はさらに、アルギニンを含む。一部の実施形態に従えば、薬学的に許容される液体組成物はさらに、少なくとも1つの抗酸化剤を含む。一部の実施形態に従えば、即時放出錠剤またはカプセルはさらに、カルビドパを含む。
【0008】
[0008]一部の実施形態に従えば、皮下投与および経口投与により、患者の注入時間の時間0から終わりまでの血漿レボドパ曲線下面積(AUC)は、i)患者が、少なくとも約24時間にわたって薬学的に許容される液体組成物単独が皮下投与される注入時間の時間0から終わりまでの血漿レボドパAUC;およびii)経口レボドパ単独が投与される患者の血漿レボドパAUCの組合せと比較して、より高い。
【0009】
[0009]本発明の更なる実施形態は、パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって:
患者に、少なくとも約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを少なくとも約24時間にわたって患者に送達する量でレボドパ、カルビドパ、アルギニン、および抗酸化剤を含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパを含む少なくとも1つの経口剤形を経口投与するステップと
を含む方法に関する。
【0010】
[0010]一部の実施形態に従えば、経口剤形は:50mgのレボドパ、75mgのレボドパ、95mgのレボドパ、100mgのレボドパ、125mgのレボドパ、145mgのレボドパ、150mgのレボドパ、195mgのレボドパ、200mgのレボドパ、245mgのレボドパ、または250mgのレボドパの1つを含む。
【0011】
[0011]本発明の更なる実施形態は、経口即時放出レボドパおよびカルビドパ単独の形態でレボドパおよびカルビドパが現在投与されており、かつ更なる処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって、
患者に、24時間の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを少なくとも約24時間にわたって患者に送達する量でレボドパ、カルビドパ、アルギニン、および抗酸化剤を含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、100mgのレボドパおよび25mgのカルビドパを含む少なくとも1つの錠剤またはカプセルを毎日経口投与するステップと
を含む方法に関する。
【0012】
[0012]本明細書中で開示されるのは、神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:患者に、a)レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;およびb)ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む第1の医薬組成物を非経口投与するステップと;付随して、患者に、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される活性剤を含む第2の医薬組成物を経口投与するステップとを含む方法である。
【0013】
[0013]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、カルビドパ、ベンセラジド、またはそれらのあらゆる組合せを含むか、それからなるか、またはそれから本質的になるDDCIを含む。
【0014】
[0014]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物内に、第2の医薬組成物内のDDCIと同じDDCIを含む。
[0015]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物内に、第2の医薬組成物内のDDCIと異なるDDCIを含む。
【0015】
[0016]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第2の医薬組成物として、レボドパおよびDDCIを含む。
[0017]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、DDCIカルビドパを含む。
【0016】
[0018]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物の皮下、経皮、皮内、静脈、筋肉内、気管内、鼻腔内、髄腔内、胃内、または十二指腸内投与を含む。
【0017】
[0019]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物の皮下投与を含む。
[0020]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、1つ以上の部位を介した、医薬組成物を必要とする患者への医薬組成物の投与を含む。
【0018】
[0021]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法に関する神経障害または運動障害として、パーキンソン病;続発性パーキンソン症候群、例えば、薬物誘発性続発性パーキンソン症候群、神経遮断薬誘発性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、および血管性パーキンソン症候群;運動変動;神経変性障害;運動障害;脳内ドーパミンレベルの低下;レボドパ誘発性運動障害;急速眼球運動睡眠行動障害(RBD);ジストニア;朝の失動症;振戦症状、例えば本態性振戦および薬物誘発性振戦;ミオクローヌス;舞踏病、例えば薬物誘発性舞踏病;チック、例えば薬物誘発性チックおよび有機チック;薬物誘発性運動障害;薬物誘発性アカシジア;不穏下肢症候群(RLS);スティッフマン症候群;良性身震い発作;悪性神経遮断薬症候群;ハンチントン舞踏病;シャイ-ドレーガー症候群;脳損傷誘発性状態、例えば一酸化炭素もしくはマンガン中毒;またはそれらのあらゆる組合せが挙げられ;例えば、本明細書中で提供されるのは、パーキンソン病を患う患者を処置する方法である。
【0019】
[0022]通常、医師は、例えば、種々のスケールを用いて、主観的な、および客観的な徴候および症状に従って、パーキンソン病患者の重症度を評価して、それに応じてレボドパ投与用量を処方する。パーキンソン病の重症度を診断してスケーリングするための周知の、広く用いられているスケールの1つが、統一パーキンソン病評価尺度(UPDRS)である。また、UPDRSを修正したものを用いて、パーキンソン病患者を分類してもよい。パーキンソン病の重症度を測定する別の知られている方法が、ホーン-ヤール(H&Y)病期に従うものであり、これは5つの病期のスケールを含み、病期1~2は、軽度の、または早期のパーキンソン病患者であると考えられ、病期3は、中程度の、または中期のパーキンソン病患者であると考えられ、病期4~5は、進行したパーキンソン病患者であると考えられる。1日のレボドパ用量は、例えば、臨床所見および「試行錯誤」方法に従って、特定の患者の状態、処置に対する患者の応答等に従って、医師によって適宜定められて変えられてもよい。さらに、患者は、徴候および症状に応じて、異なる日に異なる1日用量が投与されてもよく、投与される1日用量の範囲は、医師によって決められることによって、処置における患者フレキシビリティが許容され得る。なお、医師は一般に、徴候が客観的な尺度であり、症状が主観的な尺度であると称する。
【0020】
[0023]一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、病期が進行したパーキンソン病患者を処置する方法である。一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、病期が進行したパーキンソン病患者および/または中程度のパーキンソン病患者を処置する方法である。一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、運動変動がある患者を処置する方法である。一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、運動変動があるパーキンソン病患者を処置する方法である。
【0021】
[0024]一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、約300mgレボドパ/日超、約400mgレボドパ/日超、約500mgレボドパ/日超、約600mgレボドパ/日超、約700mgレボドパ/日超、約800mgレボドパ/日超、約900mgレボドパ/日超、約1000mgレボドパ/日超の用量を必要とするパーキンソン病患者を処置する方法である。
【0022】
[0025]一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、特定の時点にて、例えば朝に、例えば、低活性/晩の期間の終わり(約最後の時点)に、例えば、高活性/日中の期間の初め(約最初の時点)に、高い用量のレボドパを必要とするパーキンソン病患者を処置する方法である。例えば、一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間について特定の速度、および低活性/晩時間について異なる速度であってもよく、高い用量のレボドパが、低活性/晩時間の終わりに、低活性/晩時間の終わりに、高活性/日中時間の初めに等、投与されてもよい。そのような高い用量は、実質的に連続的な第1の医薬組成物が付随して提供される、例えば先で言及される時点での、第2の医薬組成物の経口投与によって提供されてもよい。
【0023】
[0026]一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、約4年超、約5年超、約6年超、約7年超、約8年超、約9年超、または約10年超の間パーキンソン病を患っている患者を処置する方法である。
【0024】
[0027]一部の実施形態に従えば、本明細書中で提供されるのは、1日あたり少なくとも1時間、少なくとも1.5時間、少なくとも2時間、少なくとも2.5時間、少なくとも3時間の「オフタイム」に苦しんでいるパーキンソン病患者を処置する方法であり、「オフタイム」は、医薬品投与間でのパーキンソン症状の再発を指す。
【0025】
[0028]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物の実質的な連続投与を含む。
[0029]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、1日あたり1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回の第2の医薬組成物の投与を含む。
【0026】
[0030]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、前記神経障害または運動障害由来の症状が前記投与を必要とする場合に、第2の医薬組成物の投与を含む。
[0031]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、予め定義された回数、予め定義された間隔、または双方での、第2の医薬組成物の投与を含む。
【0027】
[0032]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第2の医薬組成物の複数回の投与を含み、投与される用量は、全ての投与にて同じである。
[0033]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第2の医薬組成物の複数回の投与を含み、投与される用量は、少なくとも2回の投与が異なる。
【0028】
[0034]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、各投与において、約25mg~約400mgのレボドパ、またはその塩もしくはプロドラッグの用量での第2の医薬組成物の投与を含む。
【0029】
[0035]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、レボドパ、カルビドパ、およびアルギニン、またはそれらのあらゆる塩もしくはプロドラッグを含む。
【0030】
[0036]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、レボドパ、カルビドパ、アルギニン、またはそれらのあらゆる塩もしくはプロドラッグ、および少なくとも1つの抗酸化剤を含む。
【0031】
[0037]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、レボドパ、カルビドパ、アルギニン、またはそれらのあらゆる塩もしくはプロドラッグ、および少なくとも2つの抗酸化剤を含む。
【0032】
[0038]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、レボドパ、カルビドパ、またはそれらのあらゆる塩もしくはプロドラッグ、ならびにアルギニン、NaOH、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される塩基を含む組成物を含む。
【0033】
[0039]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、pHが約6~約10の範囲、約8~約10の範囲、約9~約10の範囲、約9.1~約9.8の範囲、または約9.5の組成物を含む。
【0034】
[0040]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、約1w/v%~約40w/v%、約1w/v%~約20w/v%、約1w/v%~約10w/v%、約2w/v%~約8w/v%、約4w/v%~約8w/v%、約5w/v%~約7w/v%、または約6w/v%のレボドパ、レボドパプロドラッグ、レボドパ塩、またはそれらのあらゆる組合せを含む組成物を含む。
【0035】
[0041]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、約0.5w/v%~約10w/v%、約0.5w/v%~約6w/v%、約0.5w/v%~約4w/v%、約0.5w/v%~約2w/v%、約0.5w/v%~約1w/v%、約0.75w/v%のカルビドパ、カルビドパ塩、カルビドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む組成物を含む。
【0036】
[0042]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、アスコルビン酸またはその塩、システイン、例えばN-アセチルシステイン、バイサルファイトまたはその塩、グルタチオン、チロシナーゼ阻害剤、二価カチオン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ベータヒドロキシ酸(BHA)トコフェロール、ゲンチシン酸、トコフェロール、トコフェロール誘導体、チオグリセロール、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される抗酸化剤を含む。
【0037】
[0043]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、約0.05w/v%~約2.0w/v%、約0.5w/v%~約1.5w/v%、0.75w/v%、約0.9w/v%、約1.0w/v%、約1.1w/v%、約1.25w/v%の抗酸化剤または抗酸化剤の組合せを含む組成物を含む。
【0038】
[0044]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、第1の医薬組成物として、約5w/v%~約30w/v%、約10w/v%~20w/v%、約12.5w/v%~17.5w/v%、約15w/v%、または約15.2w/v%の塩基を含む組成物を含む。
【0039】
[0045]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、1つまたは2つの部位を介した第1の医薬組成物の投与を含む。
[0046]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、毎日1部位あたり約1ml~約30ml、毎日1部位あたり約2ml~約20ml、毎日1部位あたり約3ml~約10ml、毎日1部位あたり約5ml~約7ml、または毎日1部位あたり約6mlの容量での第1の医薬組成物の投与を含む。
【0040】
[0047]また、本明細書中で開示されるのは、神経障害または運動障害の処置において組合せとして使用するための、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ、およびドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む第1の医薬組成物、ならびにレボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む第2の医薬組成物であり、第1の医薬組成物は非経口組成物として製剤化されており、第2の医薬組成物は経口組成物として製剤化されている。
【0041】
[0048]また、本明細書中で開示されるのは、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;およびドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む非経口形態の第1の医薬組成物、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ;またはそれらのあらゆる組合せを含む経口形態の第2の医薬組成物、ならびに神経障害または運動障害の処置のための、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物の付随的投与についての説明書を含むキットである。
【0042】
[0049]本明細書中で開示されるのは、他の実施形態において、神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:患者に、約7~約10時間以上の皮下注入タイムコース(例えば、約8時間のタイムコース)にわたって、約100~200mgのレボドパおよび約12~約50mgのカルビドパを患者に送達する量でレボドパおよびカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパおよびカルビドパを含む即時放出錠剤またはカプセルを経口投与するステップとを含む方法である。意図される即時放出錠剤は、例えば、50mg、75mg、100mg、125mg、もしくは150mgのレボドパを含んでもよく、かつ/または2.5mg、18.57mg、25mg、31.25mg、37.5mg、もしくは50mgのカルビドパを含んでもよい。一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、注入タイムコースの開始時の即時放出錠剤またはカプセルの最初の、かつ/または同時的な経口投与を含み、例えば、即時放出錠剤またはカプセルの経口投与は、注入投与が開始するのと実質的に同時に、かつ/または注入タイムコースの開始の約1、2、3、4、もしくは5時間後に(例えば、注入タイムコースの開始の約0時間または約4時間後に)、かつ/または注入タイムコースの開始の約1、2、3、4、もしくは5時間前に(例えば、注入タイムコースの開始の約0時間または約4時間前に)起こってもよい。
【0043】
[0050]一部の実施形態において、本明細書中に記載される方法は、100mgのレボドパおよび25mgのカルビドパを含む即時放出錠剤またはカプセルを含む。
[0051]本明細書中に記載される方法は、約140~170mgのレボドパおよび約16~約24mgのカルビドパを患者に送達する量での、レボドパおよびカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物の皮下投与を含んでもよい。意図される第1の薬学的に許容される液体組成物は、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、および約10重量%~約20重量%のアルギニンを含む液体組成物を含んでもよい。
【0044】
[0052]例えば、本明細書中に記載される方法は、付随する、第1の組成物の皮下投与、および錠剤またはカプセルの経口投与を含んでもよく、注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパ曲線下面積(AUC)は、第1の組成物単独が皮下投与される患者の注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパAUC、および錠剤またはカプセルが単独で投与される場合の患者のレボドパAUCの組合せと比較して、より高く、皮下に、および経口的に付随して投与されるレボドパの量は、皮下に単独で、および経口的に単独で投与されるレボドパの組み合わせた量とほぼ同じである。
【0045】
[0053]また、本明細書中で開示されるのは、神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:患者に、約7~約10時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約6重量%のレボドパおよび約0.75重量%のカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を患者に皮下投与するステップと;患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、または250mgのレボドパを含む即時放出錠剤またはカプセルを経口投与するステップとを含み、即時放出錠剤またはカプセルは、場合によってはさらに、カルビドパを含む、方法である。
【0046】
[0054]また、本明細書中で開示されるのは、神経障害または運動障害の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害の処置方法であって:患者に、約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、約720mgのレボドパおよび約90mgのカルビドパを患者に約24時間にわたって送達する量でレボドパおよびカルビドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパおよびカルビドパを含む錠剤またはカプセル、例えば、即時放出または調節放出、例えば持続放出錠剤またはカプセルを患者に経口投与するステップとを含む方法である。
【0047】
[0055]一部の実施形態において、本明細書中で開示される方法は、高活性速度での約18時間にわたる、および低活性速度での約6時間にわたる皮下注入の投与を含み、約691.2mgのレボドパおよび約86.4mgのカルビドパは、高活性で18時間にわたって投与され、約28.8mgのレボドパおよび3.6mgのカルビドパは、低活性で6時間にわたって投与される。
【0048】
[0056]一部の実施形態に従えば、錠剤またはカプセルは、注入タイムコースの開始と実質的に同時的に経口投与される。錠剤またはカプセルは、注入の間、予め定義された間隔で、またはフィードバックに基づいて、例えば、患者、介護者、医師、センサー等に、所望されるか、もしくは必要とされる場合に投与されてもよい。錠剤またはカプセルが投与される間隔は、互いに実質的に同じであっても、異なってもよい。一部の実施形態に従えば、錠剤またはカプセルは、注入タイムコースの開始の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12時間後に経口投与され、本明細書中で詳述されるように、任意の数の錠剤またはカプセルが投与されてもよい。一部の実施形態に従えば、錠剤またはカプセルは、100mgのレボドパおよび25mgのカルビドパを含む。
【0049】
[0057]一部の実施形態に従えば、本発明の方法に従って24時間以上投与される第1の薬学的に許容される液体組成物は、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、および約10重量%~約20重量%のアルギニンを含む。
【0050】
[0058]一部の実施形態に従えば、第1の薬学的に許容される液体組成物が、本明細書中で詳述される錠剤またはカプセルの経口投与と付随して、本発明の方法に従って24時間以上投与されるかに拘わらず、注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパ曲線下面積(AUC)は、患者に第1の組成物単独が皮下投与される場合の注入時間の時間0から終わりまでの患者のレボドパAUCと、錠剤またはカプセルが単独で投与される場合の、ならびに付随して皮下に、および経口的に投与されるレボドパの量が、単独で皮下に、および単独で経口的に投与されるレボドパの組み合わせた量とほぼ同じである場合の患者のレボドパAUCとが一緒の組合せと比較したものよりも高い。
【発明を実施するための形態】
【0051】
発明の詳細な説明
[0059]次に、本開示の特徴および他の詳細をより詳しく説明する。明細書、実施例、および添付の特許請求の範囲に使用される特定の用語を、ここに収集する。これらの定義は、本開示の残りを考慮して読まれて、当業者によって理解されるはずである。そうでないと定められない限り、本明細書中で用いられる技術用語および科学用語は全て、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0052】
[0060]用語「を処置する」、「処置」、「処置している」等は、本明細書中で、一般に、所望の薬理学的効果および/または生理学的効果を得ることを指すのに用いられる。効果は、疾患および/または疾患に起因する悪影響を部分的に、または完全に治療する点で、治療的であり得る。本明細書中で用いられる用語「処置」は、哺乳動物、特にヒトにおける疾患のあらゆる処置を包含し:(a)疾患を阻害する、すなわち疾患の重症度もしくは範囲が増大するのを予防すること;(b)疾患を軽減する、すなわち疾患の部分的もしくは完全な寛解を引き起こすこと;または(c)以前の良好な、疾患の症状の処置または疾患の処置の後に、疾患の再発を予防する、すなわち疾患が活性状態に戻るのを予防することを含む。
【0053】
[0061]「予防」は、状態、障害、疾患、または病状に苦しみ得るか、またはその傾向があり得るが、状態、障害、疾患、または病状の臨床症状または非顕性症状をまだ経験も示しもしていない対象において発現する状態、障害、疾患、または病状の臨床症状の発症、合併症、または生化学的兆候を遅らせることを含む。「予防」は、対象における、または対象において発現する状態、障害、疾患、または病状を予防的に処置することを含み、対象における、または対象において発現する状態、障害、疾患、もしくは病状の臨床症状、合併症、または生化学的兆候を予防的に処置することが挙げられる。
【0054】
[0062]本明細書中で互換的に用いられる用語「薬学的に許容される担体」または「薬学的に許容される賦形剤」は、医薬の投与と適合するあらゆる全ての溶媒、分散系媒体、コーティング、等張剤、および吸収遅延剤等を指す。
【0055】
[0063]本明細書中で用いられる用語「医薬組成物」および「薬学的製剤」は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と共に製剤化された、少なくとも1つの生物学的に活性な化合物、例えば、レボドパもしくはカルビドパ、またはその薬学的に許容される塩もしくはそのプロドラッグを含む組成物または製剤を指す。
【0056】
[0064]本明細書中で用いられる用語「薬学的に許容される塩」は、本明細書中で開示される組成物に用いられるコンジュゲートにより形成され得る、酸性基または塩基性基の塩を指す。
【0057】
[0065]「個体」、「患者」、または「対象」は、互換的に用いられており、哺乳動物、マウス、ラット、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、または非ヒト霊長類、およびヒトが挙げられるあらゆる動物を含む。一部の実施形態において、本発明の方法により処置される哺乳動物は、神経変性状態、例えばパーキンソン病を患っているヒトである。
【0058】
[0066]本明細書中で用いられる用語「約」は、具体的にそうでないと言及されない限り、または当業者がそうでないと理解しない限り、記載される値の±10%の範囲をカバーするとみなされる。さらになお、提供されるあらゆる値はまた、用語「約」を用いずとも、当該値の±10%の範囲をカバーするとみなされ得る。これは、実施例の節における値を含み、用いられる器具および機構、化合物の純度、その他に従って変動し得る。
【0059】
[0067]本明細書中で用いられる用語「液体」は、具体的にそうでないと言及されない限り、または当業者がそうでないと理解しない限り、ゲル、水性組成物および非水性組成物等が挙げられるあらゆる種類の流体を指す。
【0060】
[0068]本明細書中で用いられる用語「付随する」は、具体的にそうでないと言及されない限り、または当業者がそうでないと理解しない限り、同じ組成物による、2つ以上の活性成分のあらゆる種類の組合せ投与、および別々の組成物による同時の活性成分の投与、および順次、連続的に、同日に2つ以上の活性成分を、活性成分の投与を互いに切り離す予め定義された期間で投与すること等を指す。用語「付随する」はさらに、各組成物が様々な時間間隔、用量、その他で、様々な投与経路で投与され得る、2つの別々の医薬組成物のあらゆる種類の組合せ投与を指すのに、本明細書中で用いられ得る。例えば、本明細書中で詳述されるように、一組成物は非経口的に、例えば皮下に、実質的には連続的に投与され得る一方、第2の組成物は、非連続的に、経口投与によって、第1の組成物と付随して投与される。さらに、2つ以上の別々の組成物の付随的投与は、互いに依存していてもよいし、互いから独立していてもよい。
【0061】
[0069]本明細書中で用いられる用語「連続的に」、および「実質的には連続的に」は、具体的にそうでないと言及されない限り、または当業者がそうでないと理解しない限り、組成物が約24時間、約12時間、約5時間、約3時間、約1時間、約30分、約15分、約5分、または約1分未満の中断がある期間の全体にわたって投与される期間を指す。組成物が投与される期間は、少なくとも約6時間、約8時間、約12時間、約15時間、約18時間、約21時間、約24時間、3日、7日、2週、1ヵ月、3ヵ月、6ヵ月、1年、2年、3年、5年、10年、その他であってもよい。
【0062】
[0070]本明細書中で用いられる用語「生理的に許容されるpH値」等は、具体的にそうでないと言及されない限り、または当業者がそうでないと理解しない限り、約4.5~約10の範囲内のpH値を指す。さらに、例えば実施例においてpH値が提供される場合、当該値は、記載される値の約±0.1および/または±10%の範囲内にあり得、測定されたpHが8.1であるならば、同じ製剤が、約8.0または8.2のpHを提供するように調製されてよいことが注目される。そのような差異は、温度変化、種々の測定装置、その他に起因し得る。
【0063】
[0071]神経障害は、身体の神経系の障害であり、本明細書中で用いられる用語「運動障害」は、異常な随意運動もしくは不随意運動、または遅い、緩慢な運動を引き起こす神経系の状態を指す。一部の実施形態に従えば、神経障害または運動障害は、パーキンソン病;続発性パーキンソン症候群、例えば、薬物誘発性続発性パーキンソン症候群、神経遮断薬誘発性パーキンソン症候群、脳炎後パーキンソン症候群、および血管性パーキンソン症候群;運動変動;神経変性障害;運動障害;脳内ドーパミンレベルの低下;レボドパ誘発性運動障害;急速眼球運動睡眠行動障害(RBD);ジストニア;朝の失動症;振戦症状、例えば本態性振戦および薬物誘発性振戦;ミオクローヌス;舞踏病、例えば薬物誘発性舞踏病;チック、例えば薬物誘発性チックおよび有機チック;薬物誘発性運動障害;薬物誘発性アカシジア;不穏下肢症候群(RLS);スティッフマン症候群;良性身震い発作;悪性神経遮断薬症候群;ハンチントン舞踏病;シャイ-ドレーガー症候群;脳損傷誘発性状態、例えば一酸化炭素もしくはマンガン中毒;またはそれらのあらゆる組合せである。
【0064】
[0072]本明細書中で用いられる用語「ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤」は、カルビドパおよびベンセラジド等の、芳香族L-アミノ酸デカルボキシラーゼによるドーパミンへのレボドパの末梢代謝を阻害することができる剤を指す。
【0065】
[0073]本明細書中で用いられる用語「朝の用量」および「朝の経口用量」は、具体的にそうでないと言及されない限り、または当業者によってそうでないと理解されない限り、互換可能であり、レボドパを含む経口剤形を指し、これは特に、朝の時間に、例えば、患者が起きている時間の1分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、1.5時間、2時間以内に投与される。一部の実施形態に従えば、朝の用量は、レボドパを含む経口剤形を指し、これは、患者が起きている時間の1分、5分、10分、15分、20分、または30分以内に投与される。
【0066】
[0074]一部の実施形態に従えば、朝の経口用量は:25mgのレボドパ、50mgのレボドパ、75mgのレボドパ、95mgのレボドパ、100mgのレボドパ、125mgのレボドパ、145mgのレボドパ、150mgのレボドパ、195mgのレボドパ、200mgのレボドパ、245mgのレボドパ、または250mgのレボドパの1つを含む。
【0067】
[0075]本発明の実施形態は、神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置方法に関し、当該方法は:
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第1の医薬組成物を非経口投与するステップと、
付随して、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ;またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第2の医薬組成物を経口投与するステップと
を含む。
【0068】
[0076]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物の付随的投与は、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物を付随せずに提供する場合の予想される相加効果よりも、付随的投与によって得られるレボドパ血中レベルが高くなるような相乗効果を実現する。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物と第2の医薬組成物間の相乗効果は、予想される相加的な値との比較で、レボドパ血中レベルの約5%~約50%の上昇を実現する。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物と第2の医薬組成物間の相乗効果は、予想される相加的な値との比較で、レボドパ血中レベルの約10%~40%、レボドパ血中レベルの約15%~35%、レボドパ血中レベルの約20%~40、レボドパ血中レベルの約25%~35%、またはレボドパ血中レベルの約30%の上昇を実現する。
【0069】
[0077]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、レボドパおよびカルビドパを含む。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、レボドパおよびカルビドパを含む。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、レボドパのみを含む。
【0070】
[0078]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物および/または第2の医薬組成物は、(1)レボドパ、レボドパ塩、および/もしくはレボドパプロドラッグ、ならびに/または(2)カルビドパ、カルビドパ塩、および/もしくはカルビドパプロドラッグを含む。一部の実施形態に従えば、レボドパプロドラッグは、PCT/IL2020/050960またはUS63/159,236に開示されるプロドラッグのいずれかであり、これらの出願は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。一部の実施形態に従えば、カルビドパプロドラッグは、JP2021-037959に開示されるあらゆるプロドラッグである。
【0071】
[0079]一部の実施形態に従えば、DDCIは、カルビドパ、カルビドパプロドラッグ、カルビドパ塩、ベンセラジド、ベンセラジドプロドラッグ、ベンセラジド塩、またはそれらのあらゆる組合せである。一部の実施形態に従えば、DDCIはカルビドパである。第1の医薬組成物中のDDCIは、第2の医薬組成物中のDDCIと同じであっても異なってもよい。さらに、第1および第2の医薬組成物の各々におけるレボドパ成分は、同じであっても異なってもよい。すなわち、一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物は双方とも、レボドパを含む一方、他の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、ある種類のレボドパ成分、例えばレボドパプロドラッグおよび/またはレボドパ塩を含み得る一方、第2の医薬組成物は、異なる種類のレボドパ成分、例えばレボドパを含む。さらに、第1の医薬組成物内の各成分の濃度または量は、第2の医薬組成物内の当該成分の濃度または量と異なり得ることが注目される。
【0072】
[0080]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、あらゆる非経口投与経路によって、例えば、皮下に、経皮的に、皮内に、静脈内に、筋肉内に、気管内に、鼻腔内に、髄腔内に、胃内に、または十二指腸内に投与され得る。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、皮下に投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は液体である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は水性である。
【0073】
[0081]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、実質的に連続的に投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、指定されたポンプ装置を介して皮下に投与される。
【0074】
[0082]指定されたポンプの実施形態は、例えば、US62/529,784、US62/576,362、PCT/IB2018/054962、US16/027,804、US16/027,710、US10,463,787、US10,463,572、US10,603,430、US16/685,364、US2020/0093984、USD29/655,583、USD29/655,587、USD29/655,589、USD29/655,591、USD29/655,592、USD29/655,594、USD29/655,597、USD29/723,714、およびUS62/851,903に開示されるポンプの実施形態のいずれであってもよく、これらの出願は全て、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0075】
[0083]一部の実施形態に従えば、本発明の方法は、第1の医薬組成物を、1つの部位、2つの部位、または3つ以上の部位にて投与することを含み、部位の位置は、適切なあらゆる、できる限り予め決定された間隔を置いて変わり得る。一部の実施形態に従えば、特定の部位を介して投与されると、同じ部位、または当該部位の付近を介した投与は、できる限り予め定義された期間の後にのみ、あり得る。一部の実施形態に従えば、部位のいずれか1つの位置は、12、24、36、48、60、または72時間後に変わる。一部の実施形態に従えば、部位の位置は、4、5、6、または7日後に変わる。一部の実施形態に従えば、部位の位置は、2、3、または4週後に変わる。一部の実施形態に従えば、部位の位置は、例えば、患者から受け取られる主観的データに従って、かつ/または、例えば注射部位に、もしくはその近くに位置決めされたセンサーから受け取られる、客観的データに従って、必要とされるか、所望される場合に、変わる。
【0076】
[0084]一部の実施形態に従えば、投与容量および/または投与速度は、部位の全て、または少なくとも2つにおいて、同一である。他の実施形態に従えば、投与速度および/または投与容量は、部位毎に異なる。各部位は、独立して管理されてもそうでなくてもよく、全ての部位は、互いに従属して管理されてもよい。
【0077】
[0085]一部の実施形態に従えば、本発明の方法は、約5~約24時間以上、例えば、約5~約12時間以上、約7~約10時間以上、または例えば約8時間もしくは約24時間にわたって、本発明の第1の医薬組成物を皮下に投与することを含む。
【0078】
[0086]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、1回投与あたり約10mg~約25mg、1回投与あたり約10mg~約50mg、1回投与あたり約10mg~約75mg、1回投与あたり約12mg~約25mg、1回投与あたり約12mg~約50mg、1回投与あたり約12mg~約75mg、1回投与あたり約15mg~約25mg、1回投与あたり約15mg~約50mg、1回投与あたり約15mg~約75mg、1回投与あたり約25mg~約50mg、1回投与あたり約25mg~約75mg、1回投与あたり約50mg~約75mgである。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、約90mgであり、例えば、約5~約24時間以上にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、1回投与あたり約46mg~約90mgである。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、約90mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、約46mg~約90mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。
【0079】
[0087]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、1回投与あたり約10mg~約800mg、1回投与あたり約10mg~約25mg、1回投与あたり約25mg~約50mg、1回投与あたり約50mg~約75mg、1回投与あたり約75mg~約100mg、1回投与あたり約100mg~約150mg、1回投与あたり約150mg~約200mg、1回投与あたり約200mg~約250mg、1回投与あたり約250mg~約300mg、1回投与あたり約300mg~約350mg、1回投与あたり約350mg~約400mg、1回投与あたり約400mg~約450mg、1回投与あたり約450mg~約500mg、約500mg~約800mg、約600mg~約800mg、約700mg~約800mg、または約720mgである。特定の実施形態において、第1の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、約370mg~約720mgである。特定の実施形態において、用量は、約5~約24(例えば、約7~約10、または約8時間もしくは約24時間)時間以上にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、約720mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、約370mg~約720mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、約360mg~約720mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、多くとも約720mgである。
【0080】
[0088]特定の実施形態において、第1の医薬組成物は、約100~約200mgのレボドパおよび約12~約50mgのカルビドパを患者に送達する量で投与される。特定の実施形態において、第1の医薬組成物は、約140~約170mgのレボドパおよび約16~約24mgのカルビドパを患者に送達する量で投与される。特定の実施形態において、用量は、約5~約24(例えば、約7~約10)時間以上にわたって投与される。特定の実施形態において、第1の医薬組成物は、約650mg~約800mg、例えば約720mgのレボドパ、および約80mg~約100mg、例えば約90mgのカルビドパを約24時間にわたって患者に送達する量で投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、約46mg~約90mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、約45mg~約90mgであり、例えば、約24時間にわたって投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、多くとも約90mgである。
【0081】
[0089]一部の実施形態に従えば、本発明の方法は、24時間にわたって、約1~約30mlの本発明の第1の医薬組成物を皮下に投与することを含む。一部の実施形態に従えば、本発明の方法は、24時間にわたって、約1ml~約2ml、約2ml~約3ml、約3ml~約4ml、約4ml~約5ml、約5ml~約6ml、約6ml~約7ml、約7ml~約8ml、約8ml~約9ml、約9ml~約10ml、約10ml~約11ml、約11ml~約12ml、約12ml~約13ml、約13ml~約14ml、約14ml~約15ml、約15ml~約16ml、約16ml~約17ml、約17ml~約18ml、約18ml~約19ml、約19ml~約20ml、約20ml~約21ml、約21ml~約22ml、約22ml~約23ml、約23ml~約24ml、約24ml~約25ml、約25ml~約26ml、約26ml~約27ml、約27ml~約28ml、約28ml~約29ml、約29ml~約30mlの第1の医薬組成物を皮下に投与することを含む。一部の実施形態に従えば、本発明の方法は、約24時間にわたって、約12mlの本発明の第1の医薬組成物を皮下に投与することを含む。
【0082】
[0090]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、毎日1部位あたり約1ml~約30ml、毎日1部位あたり約2ml~約20ml、毎日1部位あたり約3ml~約10ml、毎日1部位あたり約5ml~約7ml、または毎日1部位あたり約6mlの容量にて投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、毎日1部位あたり約1ml~約2.5ml、毎日1部位あたり約2.5ml~約5.0ml、毎日1部位あたり約5.0ml~約7.5ml、毎日1部位あたり約7.5ml~約10ml、毎日1部位あたり約10ml~約12.5ml、毎日1部位あたり約12.5ml~約15ml、毎日1部位あたり約15ml~約17.5ml、毎日1部位あたり約17.5ml~約20ml、毎日1部位あたり約20ml~約22.5ml、毎日1部位あたり約22.5ml~約25ml、毎日1部位あたり約25ml~約27.5ml、毎日1部位あたり約27.5ml~約30mlの容量にて投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、毎日1部位あたり約6mlの容量にて投与される。
【0083】
[0091]なお、投与速度は、24時間にわたって一定であってもよいし、24時間にわたって変わってもよい。例えば、一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間について一定の速度、低活性/晩時間について異なる速度であってもよい。高活性/日中時間は、例えば、約15、約16、約17、約18、または約19時間であってよい一方、低活性/晩時間は、それぞれ、約9、約8、約7、約6、または約5時間であってよい。一部の実施形態に従えば、高活性/日中速度は、約18時間実施される一方、低活性/晩速度は、約6時間実施される。一部の実施形態に従えば、高活性/日中速度は、約16時間実施される一方、低活性/晩速度は、約8時間実施される。一部の実施形態に従えば、投与速度は、少なくとも部分的に、患者、介護者、少なくとも1台のセンサー等から受け取られる入力によって決定される。一部の実施形態に従えば、投与速度は、定期的にセットされ得る予め定義されたパターンに従って、例えば介護者または患者によって、必要に応じて上げられてもよいし、必要に応じて下げられてもよい。他の実施形態に従えば、投与速度は、オンラインで、例えば、投与速度の変化が必要とされるか、または有益であることを示す、患者、介護者、または少なくとも1台のセンサーから受け取られる入力に従って、変更され得、例えば上げられても下げられてもよい。例えば、患者が日中の特定の点にて休むことを望むならば、速度は、日中速度から晩速度まで、例えば患者によって提供されるコマンドによって、下げられてもよい。加えて、介護者は、例えば日中休む患者を考慮して、システムにコマンドを与えてもよい。さらに、センサーは、システムに、患者が眠って(または眠り込んで)、それに応じて投与速度を下げるという警報を出してもよい。また、センサーは、睡眠パターンデータを提供して、システムが、患者が睡眠から目覚めて応答する、例えば投与速度を上げるのに先立って通知されるのを可能にし得る。また、患者の監視される状態により、投与速度が変更され得、例えば、「オフエピソード」等に陥ることで、投与速度が高められ得る。
【0084】
[0092]投与速度は、約0.01mL/部位/時間~約1mL/部位/時間であってもよい。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.01~0.02mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.02~0.03mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.03~0.04mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.04~0.05mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.05~0.06mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.06~0.07mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.07~0.08mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.08~0.09mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.09~0.1mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.1~0.15mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.15~0.2mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.2~0.25mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.25~0.3mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.3~0.35mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.35~0.4mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.4~0.45mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.45~0.5mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.5~0.55mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.55~0.6mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.6~0.65mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.65~0.7mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.7~0.75mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.75~0.8mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.8~0.85mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.85~0.9mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.9~0.95mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、投与速度は、約0.95~1.0mL/部位/時間である。
【0085】
[0093]一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.01~0.15mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.01~0.02mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.02~0.03mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.03~0.04mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.04~0.05mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.05~0.06mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.06~0.07mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.07~0.08mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.08~0.09mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.09~0.1mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.1~0.11mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.11~0.12mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.12~0.13mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.13~0.14mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.14~0.15mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.04mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、低活性/晩時間の投与速度は、約0.08mL/部位/時間である。
【0086】
[0094]一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.15~1.0mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.15~0.2mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.2~0.25mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.25~0.3mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.3~0.35mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.35~0.4mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.4~0.45mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.45~0.5mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.5~0.55mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.55~0.6mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.6~0.65mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.65~0.7mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.7~0.75mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.75~0.8mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.8~0.85mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.85~0.9mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.9~0.95mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.95~1.0mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.32mL/部位/時間である。一部の実施形態に従えば、高活性/日中時間の投与速度は、約0.32mL/時間~約0.64mL/時間である。
【0087】
[0095]先で言及したように、低速度および高速度は、それぞれ晩速度および日中速度と称される一方、(患者の状態等、例えば、低活性および高活性ではなく)日時に拘わらず用いられてもよい。さらに、速度は、徐々に変更されてよく、かつ適切なあらゆる値にてセットされてよく、1つの特定の高速度および1つの特定の低速度に必ずしも拘束されない。
【0088】
[0096]一部の実施形態に従えば、第1の組成物は、高活性速度にて約12~約20時間(例えば約18時間)にわたって、低活性速度にて約4~約12時間(例えば約6時間)にわたって投与され、約500mg~約800mg(例えば、約700mgまたは約691.2mg)のレボドパおよび約60mg~約100mg(例えば、約80mgまたは約86.4mg)が、高活性の間に投与され、約20mg~約40mg(例えば、約30mgまたは約28.8mg)のレボドパおよび約2mg~約5mg(例えば、約3mgまたは約3.6mg)のカルビドパが、低活性の間に投与される。一部の実施形態に従えば、高活性速度および/または低活性速度は、24時間の間の連続期間であってよい。他の実施形態に従えば、高活性速度および/または低活性速度は、24時間の間のいくつかの非連続期間にて投与されてよい。
【0089】
[0097]さらに、投与容量および/または投与速度は、処置の全体を通して一定であってもよいし、処置の異なる日、週、または月等の間で、異なる日時の間に変動してもよいことが注目される。一部の実施形態に従えば、患者は、例えば、独立して、管理人によって、または電子的に、例えば、専用の装置内でおそらく見出されるセンサー、例えば、腕時計様の装置、パッチ様センサー、投与ポンプ等によって、監視される。そのような実施形態に従えば、投与容量および/または速度は、そのような監視から受け取られるデータに従って決定される。
【0090】
[0098]一部の実施形態は、本発明の第1の医薬組成物のボーラス皮下注射を施す方法に関する。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約0.5~約2.0mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約0.5~約0.75mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約0.75~約1.0mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約1.0~約1.25mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約1.25~約1.5mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約1.5~約1.75mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約1.75~約2.0mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約0.75~約1.25mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。一部の実施形態に従えば、ボーラス注射は、約1.0mL/Kgの第1の医薬組成物を含む。
【0091】
[0099]ボーラス皮下注射は、起こり得るあらゆる連続皮下投与に関して、いずれの時点でも、例えば、連続投与の前、間、または後に施されてもよい。ボーラス皮下注射は、日中のいずれの時点にて施されてもよい。ボーラス皮下注射は、1日1回、2、3、4、5、もしくは6日毎に1回、1週、またはそれを超えて1回、施されてもよい。ボーラス皮下注射は、患者、管理人、医師、センサー等から受け取られるフィードバックに従って、かつ/または予め定義されたレジメンに従って、必要とされる/所望される場合に施されてもよい。ボーラス皮下注射は、約5分~約40分間、約5分~約10分間、約10分~15分間、約15分~20分間、約20分~25分間、約25分~30分間、約30分~35分間、約35分~40分間にわたって施されてもよい。
【0092】
[00100]一部の実施形態に従えば、投与用量は、複数のポンプ、ポンプ毎の複数の注射部位等を用いることによって、2倍、3倍以上になってもよい。
[00101]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、定義された期間、例えば、数日、数週、数月、または数年の間、投与される。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、慢性状態の処置のために、絶え間なく投与される。
【0093】
[00102]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約1w/v%~約40w/v%のレボドパ、レボドパプロドラッグ、レボドパ塩、またはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約1w/v%~約5w/v%、約5w/v%~約10w/v%、約10w/v%~約15w/v%、約15w/v%~約20w/v%、約20w/v%~約25w/v%、約25w/v%~約30w/v%、約30w/v%~約35w/v%、約35w/v%~約40w/v%、約2w/v%~約10w/v%、約4w/v%~約8w/v%、約5w/v%~約7w/v%、約6w/v%のレボドパ、レボドパプロドラッグ、レボドパ塩、またはそれらのあらゆる組合せを含む。
【0094】
[00103]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約0.5w/v%~約10w/v%のカルビドパ、カルビドパ塩、カルビドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約0.5w/v%~約1w/v%、約1w/v%~約1.5w/v%、約1.5w/v%~約2w/v%、約2w/v%~約2.5w/v%、約2.5w/v%~約3w/v%、約3w/v%~約3.5w/v%、約3.5w/v%~約4w/v%、約4w/v%~約4.5w/v%、約4.5w/v%~約5w/v%、約5w/v%~約5.5w/v%、約5.5w/v%~約6w/v%、約6w/v%~約6.5w/v%、約6.5w/v%~約7w/v%、約7w/v%~約7.5w/v%、約7.5w/v%~約8w/v%、約8w/v%~約8.5w/v%、約8.5w/v%~約9w/v%、約9w/v%~約9.5w/v%、約9.5w/v%~約10w/v%、約0.75w/v%のカルビドパ、カルビドパ塩、カルビドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む。
【0095】
[00104]例えば、本明細書中で提供されるのは、非経口(例えば皮下)投与に適した第1の医薬組成物であり、約4~約10重量%のレボドパ、約0.5~約2重量%のカルビドパ、および約10重量%~約20重量%のアルギニンを含む。本明細書中で提供される別の例示的な第1の医薬組成物は、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、および約10重量%~約20重量%のアルギニンを含む。
【0096】
[00105]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約0.05w/v%~約2.0w/v%、約0.05w/v%~約0.1w/v%、約0.1w/v%~約0.2w/v%、約0.2w/v%~約0.3w/v%、約0.3w/v%~約0.4w/v%、約0.4w/v%~約0.5w/v%、約0.5w/v%~約0.6w/v%、約0.6w/v%~約0.7w/v%、約0.7w/v%~約0.8w/v%、約0.8w/v%~約0.9w/v%、約0.9w/v%~約1.0w/v%、約1w/v%~約1.1w/v%、約1.1w/v%~約1.2w/v%、約1.2w/v%~約1.3w/v%、約1.3w/v%~約1.4w/v%、約1.4w/v%~約1.5w/v%、約1.5w/v%~約1.6w/v%、約1.6w/v%~約1.7w/v%、約1.7w/v%~約1.8w/v%、約1.8w/v%~約1.9w/v%、約1.9w/v%~約2.0w/v%、約0.75w/v%~約1.25w/v%、約0.75w/v%、約0.8w/v%、約0.85w/v%、約0.9w/v%、約0.95w/v%、約1.0w/v%の抗酸化剤または抗酸化剤の組合せを含む。
【0097】
[00106]一部の実施形態に従えば、抗酸化剤は、アスコルビン酸またはその塩、システイン、例えばN-アセチルシステイン、バイサルファイトまたはその塩、グルタチオン、チロシナーゼ阻害剤、二価カチオン、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ベータヒドロキシ酸(BHA)トコフェロール、ゲンチシン酸、トコフェロール、トコフェロール誘導体、チオグリセロール、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される。一部の実施形態に従えば、抗酸化剤はアスコルビン酸である。一部の実施形態に従えば、抗酸化剤はN-アセチルシステイン(NAC)である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、アスコルビン酸およびNACの組合せを含む。例えば、本明細書中で提供されるのは、例えば皮下投与に適した、約0.1重量%~約10重量%のアスコルビン酸またはその薬学的に許容される塩、NAC、L-システイン、およびその薬理学的に許容される塩からなる群から選択される、約0.01重量%~約1重量%の成分、約2重量%~約16重量%のレボドパまたはそのエステル、ならびに約0.6重量%~約2重量%のカルビドパまたはそのエステルを含む第1の医薬組成物である。
【0098】
[00107]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、塩基を含む。一部の実施形態に従えば、塩基は、アルギニン、NaOH、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、NHOH、エチレンジアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、メグルミン、およびそれらのあらゆる組合せからなる群から選択される。一部の実施形態に従えば、塩基はアルギニンである。
【0099】
[00108]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約5w/v%~約30w/v%の塩基を含む。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約5w/v%~約10w/v%、約10w/v%~約15w/v%、約15w/v%~約20w/v%、約20w/v%~約25w/v%、約25w/v%~約30w/v%、約12.5w/v%~17.5w/v%、または約15w/v%もしくは約15.2w/v%の塩基を含む。
【0100】
[00109]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、界面活性剤を含む。一部の実施形態に従えば、界面活性剤は、Tween-80、Tween-60、Tween-40、Tween-20、Tween-65、Tween-85、Span 20、Span 40、Span 60、Span 80、Span 85、ポリオキシル35ヒマシ油(Cremophor EL)、ポリオキシエチレン-660ヒドロキシステアラート(マクロゴール660)、もしくはPoloxamer 188(Pluronic(登録商標)F-68)、またはそれらのあらゆる組合せから選択される。本発明の第1の医薬組成物は、約0.1~約3.0w/v%の界面活性剤または2つ以上の界面活性剤の組合せを含んでもよい。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約0.1~約0.2w/v%、約0.2~約0.3w/v%、約0.3~約0.4w/v%、約0.4~約0.5w/v%、約0.5~約0.6w/v%、約0.6~約0.7w/v%、約0.7~約0.8w/v%、約0.8~約0.9w/v%、約0.9~約1.0w/v%、約1.0~約1.5w/v%、約1.5~約2.0w/v%、約2.0~約2.5w/v%、約2.5~約3.0w/v%の界面活性剤または2つ以上の界面活性剤の組合せを含む。
【0101】
[00110]第1の医薬組成物はさらに、追加の薬学的に許容される賦形剤、例えば、N-メチルピロリドン(NMP)、ポリビニルピロリドン(PVP)、プロピレングリコール、防腐剤、薬学的に許容されるビヒクル、安定化剤、分散剤、懸濁化剤、アミノ糖、カルシウムキレーター、プロテアーゼ阻害剤、またはそれらのあらゆる組合せを含んでもよい。本発明の第1の医薬組成物は、約5.0~約80.0w/v%の追加の薬学的に許容される賦形剤、例えば溶媒、例えば、NMPもしくはバッファー、または他のあらゆる共溶媒を含んでもよい。例えば、本明細書中で提供されるのは、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、約10重量%~約20重量%のアルギニン、約0.5重量%のL-システインもしくはNAC、および/または約0.5重量%のアスコルビン酸もしくはその塩を含む薬学的に許容される第1の組成物である。例示的な第1の医薬組成物(例えば製剤A)は、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、および約14重量%~約16重量%のアルギニンを含んでもよい。別の例示的な医薬組成物は、約6重量%のレボドパ、約0.75重量%のカルビドパ、約14重量%~約16重量%のアルギニン、約0.5%のアスコルビン酸、および約0.5%のNACを含んでもよい。
【0102】
[00111]一部の実施形態に従えば、本発明の第1の医薬組成物は、約5.0~約10.0w/v%、約10.0~約15.0w/v%、約15.0~約20.0w/v%、約20.0~約25.0w/v%、約25.0~約30.0w/v%、約30.0~約35.0w/v%、約35.0~約40.0w/v%、約40.0~約45.0w/v%、約45.0~約50.0w/v%、約50.0~約55.0w/v%、約55.0~約60.0w/v%、約60.0~約65.0w/v%、約65.0~約70.0w/v%、約70.0~約75.0w/v%、約75.0~約80.0w/v%の溶媒、例えば、NMP、バッファー、または他のあらゆる共溶媒を含む。
【0103】
[00112]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物はさらに、バッファーを含む。一部の実施形態に従えば、バッファーは、クエン酸バッファー(citrate buffer,citric acid buffer)、酢酸ナトリウムバッファー、酢酸バッファー、酒石酸バッファー、リン酸バッファー、コハク酸バッファー、トリスバッファー、グリシンバッファー、塩酸バッファー、フタル酸水素カリウムバッファー、ナトリウムバッファー、クエン酸酒石酸ナトリウムバッファー(sodium citrate tartrate buffer)、水酸化ナトリウムバッファー、リン酸二水素ナトリウムバッファー、リン酸水素二ナトリウムバッファー、トロメタミン(TRIS)、またはそれらのあらゆる組合せから選択される。第1の医薬組成物は、約0.1~約30.0w/v%のバッファーを含んでもよい。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約0.1~約1.0w/v%、約1.0~約2.0w/v%、約2.0~約3.0w/v%、約3.0~約4.0w/v%、約4.0~約5.0w/v%、約5.0~約6.0w/v%、約6.0~約7.0w/v%、約8.0~約9.0w/v%、約9.0~約10.0w/v%、約10.0~約15.0w/v%、約15.0~約20.0w/v%、約20.0~約25.0w/v%、約25.0~約30.0w/v%のバッファーを含む。
【0104】
[00113]一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物はさらに、例えば、予め定義されたpHを組成物に与えるような酸または塩基を含む。一部の実施形態に従えば、酸は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、アスコルビン酸、酢酸、クエン酸、またはそれらのあらゆる組合せから選択される。一部の実施形態に従えば、塩基は、NaOH、Ca(OH)、水酸化アンモニウム、アルギニン、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、メグルミン、トロメタミン(TRIS)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジアザビシクロウンデカン、またはそれらのあらゆる組合せから選択される。第1の医薬組成物は、約0.1~約30.0w/v%の塩基または酸を含んでもよい。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物は、約0.1~約1.0w/v%、約1.0~約2.0w/v%、約2.0~約3.0w/v%、約3.0~約4.0w/v%、約4.0~約5.0w/v%、約5.0~約6.0w/v%、約6.0~約7.0w/v%、約8.0~約9.0w/v%、約9.0~約10.0w/v%、約10.0~約11.0w/v%、約11.0~約12.0w/v%、約12.0~約13.0w/v%、約13.0~約14.0w/v%、約14.0~約15.0w/v%、約15.0~約16.0w/v%、約16.0~約17.0w/v%、約17.0~約18.0w/v%、約18.0~約19.0w/v%、約19.0~約20.0w/v%、約20.0~約21.0w/v%、約21.0~約22.0w/v%、約22.0~約23.0w/v%、約23.0~約24.0w/v%、約24.0~約25.0w/v%、約25.0~約26.0w/v%、約26.0~約27.0w/v%、約27.0~約28.0w/v%、約28.0~約29.0w/v%、約29.0~約30.0w/v%の塩基または酸を含む。
【0105】
[00114]本発明の第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約4.5~約10であってもよい。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約4.5~約5である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約5~約6である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約6~約7である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約7~約8である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約8~約9である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約9~約10である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約4.5~約5.5である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約5.5~約6.5である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約6.5~約7.5である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約7.5~約8.5である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約8.5~約9.5である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約9.5~約10である。一部の実施形態に従えば、第1の医薬組成物のpHは、約25℃にて約9.5である。一部の実施形態に従えば、酸または塩基は、予め定義されたpH値の組成物を提供するために、第1の医薬組成物に加えられる。一部の実施形態に従えば、酸は、HCl、HBr、メタンスルホン酸、アスコルビン酸、酢酸、クエン酸、またはそれらのあらゆる組合せから選択される。一部の実施形態に従えば、塩基は、NaOH、アルギニン、アミン塩基、本明細書中で先に述べたあらゆる塩基、およびそれらのあらゆる組合せから選択される。
【0106】
[00115]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、所望され、かつ/もしくは必要とされる場合に、例えば、前記神経障害もしくは運動障害由来の症状が、そのような投与を必要とする場合に、または予め定義された処置プロトコールに従って、投与される。第2の医薬組成物を投与するタイミングの評価は、診察および/または共同意思決定等に由来して、管理人、医師、組成物が投与されている患者、またはそれらのあらゆる組合せによって実行され得る。一部の実施形態に従えば、あらゆる種類のセンサーによって支援されるシステムは、第2の医薬組成物を投与する必要を決定するためのデータを提供し得る。当該データは、管理人、医師、患者、またはそれらのあらゆる組合せに、あらゆる手段、例えば電子デバイス、例えば、スマートフォン、専用のコンソール、錠剤、Eメール、専用であるか、または知られているアプリケーション等を介して送達され得る。
【0107】
[00116]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、例えば、処置プロトコールに従って、または患者、介護者、医師、センサー等から受け取られたデータに従ってセットされた、予め定義された時間、予め定義された間隔、または双方にて投与される。所定の時間および/または間隔は、あらゆる時点にて、例えば、患者、管理人、センサー、医師の評価等から受け取られたデータを考慮して、リセットされてもよい。
【0108】
[00117]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、注入タイムコースの開始と実質的に同時的に経口投与される。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、注入タイムコースの開始の約1、2、3、4、または5時間後に経口投与される。なお、「注入タイムコースの開始」は、1日の時間(注入のサイクル、例えば、新しいバイアルがシステム中に導入される、カートリッジが交換される、注入セットが交換される等)であってもよい。
【0109】
[00118]一部の実施形態に従えば、経口投与される第2の医薬組成物は、朝の経口用量である。一部の実施形態に従えば、朝の経口用量は、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せを含む。一部の実施形態に従えば、朝の経口用量は:25mgのレボドパ、50mgのレボドパ、75mgのレボドパ、95mgのレボドパ、100mgのレボドパ、125mgのレボドパ、145mgのレボドパ、150mgのレボドパ、195mgのレボドパ、200mgのレボドパ、245mgのレボドパ、または250mgのレボドパの1つを含む。
【0110】
[00119]一部の実施形態に従えば、朝の経口用量は、(a)レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、(b)ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、または(c)それらのあらゆる組合せを含む。
【0111】
[00120]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、1日あたり最大20回投与される。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、1日あたり約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12回投与される。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、1日あたり約3~7回投与される。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、1日あたり約4~6回投与される。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、約30分~約24時間の頻度にて投与される。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物は、約30分~約1時間、約1時間~2時間、約2時間~3時間、約3時間~約4時間、約4時間~約5時間、約5時間~約6時間、約6時間~7時間、約7時間~約8時間、約8時間~約9時間、約9時間~約10時間、約11時間~約12時間、約10時間~約11時間、約13時間~約14時間、約12時間~約13時間、約15時間~約16時間、約14時間~約15時間、約17時間~約18時間、約16時間~約17時間、約19時間~約20時間、約18時間~約19時間、約21時間~約22時間、約20時間~約21時間、約23時間~約24時間、約22時間~約23時間の頻度にて投与される。
【0112】
[00121]ある投与と、次の投与との間隔は、同様に、例えば、患者の/管理人の/医師の観察および評価に、あらゆる種類の適切なセンサーから受け取られるデータに、予め定義された処置プロトコールに、それらのあらゆる組合せ等に依存して、異なり得る。
【0113】
[00122]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の投与用量は、投与毎に同じである。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、異なる投与間で異なってもよい。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、約10mg/日~約3000mg/日、約10mg/日~約50mg/日、約50mg/日~約100mg/日、約100mg/日~約150mg/日、約150mg/日~約250mg/日、約250mg/日~約350mg/日、約350mg/日~約500mg/日、約500mg/日~約750mg/日、約750mg/日~約1000mg/日、約1000mg/日~約1250mg/日、約1250mg/日~約1500mg/日、約1500mg/日~約1750mg/日、約1750mg/日~約2000mg/日、約2000mg/日~約2250mg/日、約2250mg/日~約2500mg/日、約2500mg/日~約2750mg/日、または約2750mg/日~約3000mg/日である。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物のレボドパ成分内の用量は、約100mg/日~約1800mg/日である。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、約350mg/日~約700mg/日である。
【0114】
[00123]なお、投与用量は、組成物が患者に投与される時間に従って定められるので、各々100mgのレボドパを含むいくつかの錠剤、例えば4つの錠剤が、実質的に同時に患者に投与されるならば、第2の医薬組成物内のレボドパの投与用量は、そのような例では、400mgであると考えられる。さらに、1日あたりの用量は、互いと必ずしも同一でないいくつかの投与用量からなってもよく、例えば、患者は、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の用量が475mg/日であると考えられるように、午前8時に100mg、午前10時に200mg、午後3時に100mg、午後7時に75mg投与されてもよい。
【0115】
[00124]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、1回投与あたり約10mg~約500mg、1回投与あたり約10mg~約25mg、1回投与あたり約25mg~約50mg、1回投与あたり約50mg~約75mg、1回投与あたり約75mg~約100mg、1回投与あたり約100mg~約150mg、1回投与あたり約150mg~約200mg、1回投与あたり約200mg~約250mg、1回投与あたり約250mg~約300mg、1回投与あたり約300mg~約350mg、1回投与あたり約350mg~約400mg、1回投与あたり約400mg~約450mg、1回投与あたり約450mg~約500mgである。一部の実施形態に従えば、用量は、異なる投与間で異なる。他の実施形態に従えば、用量は、少なくとも2回の投与の間、例えば、24時間、3日、1週等の間、一定のままである。
【0116】
[00125]特定の実施形態において、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の用量は、例えば、即時放出錠剤またはカプセルで、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、200mg、または250mgのレボドパである。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のレボドパ成分の量は、例えば持続放出形態、例えば、錠剤またはカプセルで、約95mg、約145mg、約195mg、または約245mgのレボドパである。
【0117】
[00126]上記のように、レボドパ成分は、レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せであり得る。一部の実施形態に従えば、レボドパ成分はレボドパである。
【0118】
[00127]一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、1回投与あたり約2.5mg~約50mg、1回投与あたり約2.5mg~約20mg、1回投与あたり約2.5mg~約25mg、1回投与あたり約2.5mg~約35mg、1回投与あたり約2.5mg~約40mg、1回投与あたり約15mg~約20mg、1回投与あたり約15mg~約25mg、1回投与あたり約15mg~約35mg、1回投与あたり約15mg~約40mg、1回投与あたり約15mg~約50mg、1回投与あたり約20mg~約25mg、1回投与あたり約20mg~約35mg、1回投与あたり約20mg~約40mg、1回投与あたり約20mg~約50mg、1回投与あたり約25mg~約35mg、1回投与あたり約25mg~約40mg、1回投与あたり約25mg~約50mg、1回投与あたり約35mg~約40mg、1回投与あたり約35mg~約50mg、1回投与あたり約40mg~約50mgである。一部の実施形態に従えば、第2の医薬組成物内のカルビドパ成分の用量は、2.5mg、18.57mg、25mg、31.25mg、37.5mg、または50mgのカルビドパを含む。
【0119】
[00128]第2の医薬組成物は、適切なあらゆる経口形態、例えば、ピル、ハードカプセルもしくはソフトカプセル、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性の懸濁液、分散性の粉末もしくは顆粒、エマルジョン、シロップ、またはエリキシルであり得る。第2の医薬組成物は、即時放出形態、またはあらゆる種類の放出制御形態、例えば、徐放、持続放出、遅発放出、長期間にわたる放出等であり得る。上記したように、第2の医薬組成物は、少なくとも2つの活性成分、例えば、レボドパおよびカルビドパを含んでもよい。なお、第2の医薬組成物内の各活性成分は、異なる放出形態で製剤化されていてもよく、例えば、レボドパは放出制御形態であってもよい一方、カルビドパは即時放出形態であり、逆もまた同じである。
【0120】
[00129]一部の実施形態に従えば、第2の医薬製剤は、高活性/起きている時間の間、例えば日中のみ、投与間隔が、日中の他の部分、例えば低活性/晩の時間の間よりも、高活性/起きている時間の間、狭くなるように、投与される。更なる実施形態に従えば、高活性/起きている時間の間に提供される第2の医薬製剤の用量は、日中の他の部分、例えば低活性/晩の時間の間に投与される用量よりも高い。一部の実施形態に従えば、24時間にわたる投与レジメンが考案されて、特定の日数の間、一定のままであってもよい一方、同日内で、レジメンは、目覚め、活性等に基づいて、異なってもよい。一部の実施形態に従えば、投与レジメンは、日毎に、および同日内で、変わってもよい。
【0121】
[00130]本発明の実施形態はさらに、神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置を必要とする患者における神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置方法に関し、当該方法は:
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第1の医薬組成物を非経口投与するステップと、
付随して、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ;またはそれらのあらゆる組合せ
を含む朝の経口用量組成物を経口投与するステップと
を含む。
【0122】
[00131]本発明の更なる実施形態は、神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置において組合せとして使用するための、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第1の医薬組成物、ならびに
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ;またはそれらのあらゆる組合せ
を含む第2の医薬組成物
に関し、第1の医薬組成物は、非経口組成物として製剤化されており、第2の医薬組成物は、経口組成物として製剤化されている。
【0123】
[00132]本発明の更なる実施形態は、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む非経口形態の第1の医薬組成物、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ;
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ;またはそれらのあらゆる組合せ
を含む経口形態の第2の医薬組成物、ならびに
神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置のための、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物の付随的投与についての説明書
を含むキットに関する。
【0124】
[00133]本発明の更なる実施形態は、
レボドパ、レボドパ塩、レボドパプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ;および
ドーパデカルボキシラーゼ阻害剤(DDCI)、DDCI塩、DDCIプロドラッグ、またはそれらのあらゆる組合せ
を含む非経口形態の第1の医薬組成物、ならびに
神経障害または運動障害、例えばパーキンソン病の処置のための、第1の医薬組成物および第2の医薬組成物の付随的投与についての説明書
を含み、第2の医薬組成物は、別個に提供される、キットに関する。
【0125】
[00134]本発明の更なる実施形態は、パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって、患者は以前に、1:4の比率の即時放出カルビドパ-レボドパ錠剤以外のレボドパの以前の形態が投与されており、
患者を、レボドパの以前の形態から、経口即時放出レボドパ-カルビドパ100/25mgの錠剤に切り換えるステップと;
患者に、少なくとも約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、レボドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパを含む少なくとも1つの経口剤形を経口投与するステップと;
を含む方法に関する。
【0126】
[00135]本発明の更なる実施形態は、パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって、患者は以前に、レボドパの以前の形態が投与されており、
患者を、レボドパの以前の形態から、経口即時放出レボドパ-カルビドパ形態に切り換えるステップと;
前記切換えの後に、患者に、少なくとも約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、レボドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
患者に、皮下注入タイムコースの前または間に、レボドパを含む少なくとも1つの経口剤形を経口投与するステップと;
を含む方法に関する。
【0127】
[00136]本発明の更なる実施形態は、パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって、患者は以前に、レボドパの以前の形態が投与されており、方法は:
患者を、レボドパの以前の形態から、経口即時放出レボドパ形態に切り換えることにより、ある量の経口即時放出レボドパを前記患者に投与するステップと;
前記切換えの後に、患者に、少なくとも約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、皮下量のレボドパを含む第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと;
を含み、
レボドパの経口即時放出形態の量が、レボドパの皮下量よりも多いならば、レボドパの経口即時放出形態の量は、レボドパの皮下量のおよその量だけ低下し、患者は、経口即時放出レボドパの残りの量が投与され;
レボドパの経口即時放出形態の量が、レボドパの皮下量よりも少ないならば、患者は、皮下注入タイムコースの前か間に投与される、経口即時放出レボドパの朝の用量を除くレボドパの経口即時放出形態が投与されない、
方法に関する。
【0128】
[00137]本発明の更なる実施形態は、パーキンソン病の処置を必要とする患者におけるパーキンソン病の処置方法であって、患者は以前に、レボドパの以前の形態が投与されており、方法は:
患者を、レボドパの以前の形態から、経口即時放出レボドパ形態に切り換えることにより、経口即時放出レボドパの最初の日量を前記患者に投与するステップと;
前記切換えの後に、患者に、少なくとも約24時間以上の皮下注入タイムコースにわたって、少なくとも約24時間にわたって患者に約720mgのレボドパを送達する量で第1の薬学的に許容される液体組成物を皮下投与するステップと
を含み、
レボドパの経口即時放出形態の最初の日量が、約700mgよりも多いならば、レボドパの経口即時放出形態量が、約700mg低下し、患者は、経口即時放出レボドパの最初の日量マイナス700mgと等しい、経口即時放出レボドパの残りの量が投与され;
レボドパの経口即時放出形態の量の最初の日量が、約700mgよりも少ないならば、患者は、皮下注入タイムコースの前か間に投与される、経口即時放出レボドパの朝の用量のみが投与される、
方法に関する。
【0129】
[00138]本明細書中に記載される方法の特定の実施形態において、第1の組成物(非経口投与、例えば皮下投与)および第2の組成物(例えば経口錠剤)の、患者への付随的投与は、第1の組成物および第2の組成物が、付随して投与されない場合の患者におけるレボドパについての組合せ曲線下面積(AUC)と比較して、非経口注入、例えば皮下注入の時間0から終わりまでの、レボドパについてのより高いAUCをもたらし、投与されるレボドパの総量は、付随して投与されるか、付随せずに投与されるかに拘わらず、同じである。
【0130】
[00139]明示的に述べられない限り、本明細書中に記載される方法の実施形態は、特定の順序またはシーケンスに束縛されない。加えて、記載される方法の実施形態またはその要素のいくつかが、同時に、同じ時点で、または同時的に起こり得るか、または実行され得る。
【0131】
[00140]また、本発明の特定の特徴が、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることが認識される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において記載される本発明の種々の要素はまた、別々に、もしくは適切なあらゆる部分的組合せで、または本発明の記載される他のあらゆる実施形態に適するものとして、提供されてもよい。さらに、種々の実施形態の文脈において記載される特定の特徴は、当該実施形態がそれらの要素なくして無効でない限り、当該実施形態の本質的な特徴と考えられるべきでない。
【0132】
[00141]先に正確に概説され、かつ以下の特許請求の範囲の節において特許請求される、本発明の種々の実施形態および態様が、以下の実施例によって支持され得る;しかしながら、実施例によって制限されるべきでない。
【0133】
実施例
【実施例1】
【0134】
[00142]皮下(SC)投与および経口投与の双方によるレボドパ(LD)およびカルビドパ(CD)の共投与後のLDの血漿曝露を評価するための試験を走らせた。したがって、組み合わせたSC+経口投与から得られる結果を、SC投与単独から、および経口投与単独から得られる結果と比較した。相加的な血漿曝露およびPKプロファイルを予想した。すなわち、SC+経口共投与は、各々を別々に投与した場合に、SCおよび経口投与の相加的結果と等しい結果を与えると予想した。
【0135】
方法
[00143]16人の健康な対象(18~50歳)を、クロスオーバー様式で、すなわち順番に処置した。ウォッシュアウト期間は、後に続く2つの処置間で、6日であった:
[00144]処置A:180/22.5mgのLD/CD(製剤A)の総用量を、安定した注入速度での8時間にわたるSC注入によって投与した。
【0136】
[00145]処置B:100/25mgのLD/CDの即時放出(IR)錠剤を、時間0hにて経口投与した。
[00146]32時間のウォッシュアウト期間の後に、同じ16人の健康な対象に、以下の処置に従って経口的に、および皮下にLC/CDを投与した:
[00147]処置C:注入の開始の4時間後に、153.6/19.2のLD/CD(製剤A)の用量を、経口IR LD/CD 100/25mgの錠剤の単回の共投与と組み合わせて、安定した注入速度での8時間にわたるSC注入によって投与した。総LD/CD用量:253.6/44.2mg。
【0137】
[00148]血液サンプルを、以下の時点にて収集した:
[00149]処置A:0(処置開始前)、0.5h、1h、2h、3h、4h、5h、5.5h、6h、7h、8h(注入の終了前)。
【0138】
[00150]処置B:0(処置開始前)、0.5h、1h、2h、3h、4h。
[00151]処置C:0(処置開始前)、0.5h、1h、2h、3h、4h、4.5h、5h、5.5h、6h、7h、8h(注入の終了前)。
【0139】
結果
[00152]先に記載する、組み合わせたSCおよび経口処置に由来する、処置CのLDおよびCDの正規化したAUC0~8を算出して、処置A(8hのSC注入に由来するAUC0~8)および処置B(1つのIR経口錠剤に由来するAUC0~4)から得た、正規化したLDおよびCD AUCの合計と比較した。結果を、以下の表1および表2に示す。
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】
【0142】
[00153]処置AおよびBの組み合わせた/相加的な結果(組み合わせた、すなわち、互いに加えられた)は、その処置レジーム内で処置AおよびBを本質的に組み合わせる処置Cから得られた結果と実質的に同じであると予想された。
【0143】
[00154]驚くべきことに、上述の結果に示すように、先に述べた処置AおよびBについて正規化したAUCの合計との、処置C正規化AUC0~8の比較は、予想されるLD AUCよりも高いことを実証した。一方、対照的に、処置CについてのCD AUCは、予想されるよりも低かった。
【0144】
[00155]詳細には、表1に示すように、個体毎の処置A+B(処置CにおけるSC+経口投与をシミュレートするための双方の相加)において得られるものと比較した、処置Cに由来するLD正規化AUCの比率は、1.0を上回り、平均比率1.245、範囲1.057~1.402であった。さらに、表2に示すように、ほとんどの個体について、処置A+Bにおいて得られるものと比較した、処置Cに由来するCD正規化AUCの比率は、1.0未満であり、平均比率0.869、範囲0.773~1.080であった。
【0145】
[00156]ゆえに、驚くべきことに、組み合わせたSC+経口処置は、各々が別々に提供される場合の2つの種類の投与の相加から予想されるよりも高いLDレベルを実現する。これに対し、組み合わせたSC+経口処置から得られるCDレベルは、各々が別々に提供される場合の2つの種類の投与の相加から予想されるよりも低い。組み合わせた処置において得られる低いCDの結果は、予想されるよりも高いLDレベルを、さらに驚くべきものにしている(CDの量は低下するが、LDの量は実際に上昇している。これは、予想されることと逆である。なぜなら、一般に、CDはLDの末梢代謝を阻害するので、CDの量が低いほど、LDの予想される量が低くなるからである)。
【0146】
均等物
[00157]対象の発明の特定の実施形態を論じてきたが、先の明細は説明のためのものであり、限定ではない。本発明の多くの変形は、この明細書をレビューすれば、当業者に明らかとなろう。本発明の完全な範囲は、特許請求の範囲および均等物の完全な範囲、ならびに明細書およびそのような変形の参照によって決定されるべきである。
【0147】
[00158]特に明記しない限り、明細書および特許請求の範囲に用いられている成分、反応条件、その他の量を表す全ての数字は、用語「約」によって、全ての例において変更されると理解されるべきである。なお、特定の値が明細書および特許請求の範囲において記載される場合、特に明記しない限り、用語「約」は、許容可能な誤差範囲、例えば、特定の値について最大5%または10%が想定されるべきであることを意味する。
【0148】
参照による組み込み
[00159]本明細書中で引用される全ての特許、公開特許出願、ウェブサイト、および他の参考文献の全内容は、それらの全体が参照によって本明細書に明示的に組み込まれる。
【国際調査報告】