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特表2023-552705商品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定する方法およびシステム
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  • 特表-商品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定する方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】商品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定する方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20231212BHJP
   B65G 1/137 20060101ALI20231212BHJP
   G01S 1/02 20100101ALI20231212BHJP
【FI】
G06K7/10 136
G06K7/10 240
G06K7/10 288
B65G1/137 E
G01S1/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530185
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021056188
(87)【国際公開番号】W WO2022108706
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】63/115,115
(32)【優先日】2020-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
2.BLUETOOTH
3.FeliCa
(71)【出願人】
【識別番号】518000176
【氏名又は名称】エイヴェリー デニソン リテール インフォメーション サービシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】AVERY DENNISON RETAIL INFORMATION SERVICES LLC
【住所又は居所原語表記】8080 Norton Parkway, Mentor, Ohio 44060 Uni-ted States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100101683
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 誠司
(74)【代理人】
【識別番号】100155000
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多 修市
(74)【代理人】
【識別番号】100139930
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 亮司
(74)【代理人】
【識別番号】100188813
【弁理士】
【氏名又は名称】川喜田 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100202142
【弁理士】
【氏名又は名称】北 倫子
(72)【発明者】
【氏名】ブレックマン,フレデリック
(72)【発明者】
【氏名】ガーザ,ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】ギューリック,フレッド
(72)【発明者】
【氏名】ロス,マーク
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522BB06
3F522BB16
3F522BB24
3F522CC01
3F522DD03
3F522GG18
3F522GG44
3F522LL41
(57)【要約】
デジタルトリガでラベル付けされた物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定する方法が本明細書に記載されている。一部の実施形態において、前記方法は、複数のリーダを使用して、1つ以上のデジタルトリガを含む1つ以上のタグまたはラベルが付着または貼付されている1つ以上の物品を検出するステップを含み、各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含む。一部の実施形態において、各リーダは、フェーズドアレイアンテナのビームステアリングを含む。一部の実施形態において、リーダは、互いに設定間隔をあけて配列される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタルトリガでラベル付けされた物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定する方法であって、
前記方法は、複数のリーダを使用して、1つ以上のデジタルトリガを含む1つ以上のタグまたはラベルが付着または貼付されている1つ以上の物品を検出するステップを含み、各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含む方法。
【請求項2】
前記複数のリーダは、フェーズドアレイアンテナのビームステアリングを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかの判定は、どの読み取りゾーンが最初に物品を検出するかに基づいて判定される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、物品在庫を継続的に読み取る必要がない、請求項1~3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記物品は、マーチャンダイジング位置にオーバーロードされるか、不適切にタグ付けされて誤販売されるか、またはこれらの組み合わせである、請求項1~4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記マーチャンダイジング位置は、棚である、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記マーチャンダイジング位置は、スマートシェルフである、請求項1~5の何れか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記デジタルトリガは、RFID、NFC、QRコード、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1~7の何れか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記デジタルトリガは、RFIDである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
2つ以上のリーダを含む、請求項1~9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】
3つのリーダを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
4つのリーダを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
5つのリーダを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
6つのリーダを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記リーダは、各リーダの間に設定間隔をあけて配列される、請求項1~14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記リーダは、前記マーチャンダイジング位置内に、または前記マーチャンダイジング位置で、物品位置を判定するために使用できる信号強度および読み取り率などの異なるデータ応答を提供する重複フィールドを生成する、請求項1~15の何れか1項に記載の方法。
【請求項17】
複数のリーダを含むマルチ読み取りゾーンシステムであって、
各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含む、マルチ読み取りゾーンシステム。
【請求項18】
2つ以上のリーダを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
3つのリーダを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項20】
4つのリーダを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項21】
5つのリーダを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
6つのリーダを含む、請求項17に記載のシステム。
【請求項23】
前記リーダは、各リーダの間に設定間隔をあけて配列される、請求項17~22の何れか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月18日に出願された米国仮特許出願番号63/115,115の利益を主張し、その全体が参照として本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、1つ以上のデジタルトリガを含むタグまたはラベルでラベル付けされた製品に対するより正確なデータを生成するために、マルチ読み取り領域を含むシステムおよびその使用方法の分野である。
【背景技術】
【0003】
小売店で、製品が買い物客、従業員、および/またはその他の手段によって標準マーチャンダイジングの配列/位置から遮られることは一般的である。RFIDタグのようなデジタルトリガでタグ付けされた製品の場合、かかる製品が標準マーチャンダイジングの基準および/または保管基準を満たさない方式で積み重ねることができ、結果として、そのマーチャンダイジングの領域および/または保管領域内でアイテムを検出するように意図された読み取りゾーンからの検出を避け得る。
【0004】
意図された配列とは異なるため、検出を難しくするマーチャンダイジングおよび/または保管領域/配列内において、アイテムを効果的、一貫的、かつ正確に検出するシステム並びにその使用方法への必要性が存在する。
【0005】
従って、複数のリーダを使用して物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定するシステムおよび方法であって、各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含むシステムおよび方法が本明細書に記載されている。
【発明の概要】
【0006】
デジタルトリガでラベル付けされた物品がマーチャンダイジングおよび/または保管位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定するシステムおよび方法が本明細書に記載されている。一部の実施形態において、前記方法は、複数のリーダを使用して、1つ以上のデジタルトリガを含む1つ以上のタグ若しくはラベルが付着または貼付されている1つ以上の物品を検出するステップを含み、各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含む。一部の実施形態において、複数のリーダは、2つ以上のリーダを含む。一部の実施形態において、リーダの数は、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上である。一部の実施形態において、リーダは互いに設定間隔をあけて配列される。
【0007】
一部の実施形態において、各リーダは、フェーズドアレイアンテナのビームステアリングを含む。ビームステアリングは、ビーム形成の概念を一歩進めたものである。ビームステアリングは、アンテナ素子または他のハードウェアを変更することなく、リアルタイムで信号位相を変更してビームパターンを動的に変更することができる方式である。一部の実施形態において、送信機からの電力は、位相シフターと呼ばれる装置を通じて放射素子に供給され、コンピュータシステムまたはコントローラなどのシステムにより制御され、位相または信号の遅延を電子的に変更することができるので、無線電波のビームを異なる方向に操向することができる。別の実施形態において、位相アレイは、いかなる位相シフターも使用せず、ビームステアリングが送信機の周波数により制御される周波数走査アレイである。ビームステアリングは、周波数の単純な関数である。
【0008】
一部の実施形態において、物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、または戻っているかの判定は、どの読み取りゾーンが最初に物品を検出するかに基づいて判定される。一部の実施形態において、前記方法は、物品在庫を継続的に読み取る必要がない。一部の実施形態において、物品はマーチャンダイジング位置にオーバーロードされるか、不適切にタグ付けされて誤販売されるか、またはこれらの組み合わせである。
【0009】
一部の実施形態において、マーチャンダイジング位置は、棚または他のマーチャンダイジング陳列台である。一部の実施形態において、陳列台は、「在来式」陳列台および/または「スマート」陳列台であり得る。一部の実施形態において、デジタルトリガは、製品に付着または貼付されるタグ若しくはラベルであるか、あるいはその一部である。一部の実施形態において、デジタルトリガは、これに限定されないが、RFID(HF、UHF)およびNFCを含む無線周波数によって検出または読み取りできるトリガである。他のデジタルトリガは、これに限定されないが、QRコードまたはバーコードが含まれる。別の実施形態において、アイテムの活動を検出するためにアイテムにタグ付けされたインレイは、Bluetooth低エネルギー(BLE)タグである。
【0010】
一部の実施形態において、製品に関連した固有のデジタルアイデンティティは、デジタルトリガにエンコードされる。例示的なデジタルアイデンティティは、これに限定されないが、電子製品コード、シリアル番号、有効期間、販売期限、包装日、またはこれらの組み合わせを含む。一部の実施形態において、デジタルトリガに、またはその上にエンコードされて採用されるデジタルアイデンティティは、機械読み取り可能なコードで構成されてもよく、メタデータと関連付けられてもよい。一部の実施形態において、1つ以上のデジタルアイデンティティは、視覚またはカメラ基盤のシステムによってキャプチャされた画像に関連付けられてもよい。一部の実施形態において、デジタルトリガは、デジタルアイデンティティがエンコードされたRFIDインレイである。別の実施形態において、デジタルトリガは、RFIDインレイ以外のトリガであるか、またはRFIDインレイと組み合わせられたトリガである。
【0011】
トランジションキャプチャの意図は、棚を離脱しているか、または棚に戻っているとき、アイテムを識別するだけでなく、トランジションの方向を識別することである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本明細書に記載の例示的なマルチリーダシステムの概略図である。
図2】4つのリーダを含む、本明細書に記載の例示的なマルチリーダシステムの概略図である。
図3】本明細書に記載の例示的なマルチリーダシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
I.定義
本明細書に使用される「視覚若しくはカメラ基盤のレジレスのショッピングシステム」は、視覚またはカメラ基盤のハードウェアおよびソフトウェアを使用して、例えば、小売店の棚からの物体の移動、および任意にカートまたはバスケットに置くことを検出し、また、消費者が支払うためのレジ係またはレジ位置/キオスクを必要としないシステムを意味する。
【0014】
本明細書に使用される「アイテムレベルセンサ」は、通常、製品または商品に付着または貼付されたデジタルトリガを指し、また、製品に関連した固有のデジタルアイデンティティ(例えば、電子製品コード(EPC)、シリアル番号など)を含むか、または含み得る。
【0015】
本明細書に使用される「デジタルトリガ」は、ソースによって検出/読み取り可能な任意のタイプのセンサを意味する。ソースは、トリガを検出するまたは読み取るために、無線周波数、超音波、赤外線周波数、可視光および非可視光周波数などの電磁エネルギー、またはカメラ並びにその他の視覚基盤の装置を使用することができる。例としては、RFID(例えば、UHF、HF)、NFC、QRコード、バーコードなどやこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書に使用される「マーチャンダイジング領域」は、通常、販売/購入のために製品が位置および配列されるなどの小売店内の領域を指す。
【0017】
本明細書に使用される「保管領域」は、通常、製品が保管される小売店内の領域(例えば、物品保管所、倉庫など)を指す。
【0018】
II.物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定するシステムおよび方法
デジタルトリガでラべル付けされた物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジング位置に戻っているかを判定するシステムおよび方法が、本明細書に記載されている。一部の実施形態において、システムおよび方法は、複数のリーダを使用して、1つ以上のデジタルトリガを含む1つ以上のタグまたはラベルが付着または貼付されている1つ以上の物品を検出するステップを含み、各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含む。一部の実施形態において、1つ以上の物品は、物品に関連した固有のデジタルアイデンティティを有する。一部の実施形態において、固有のデジタルアイデンティティは、1つ以上のデジタルトリガ内にまたはその上にエンコード/記録される。
【0019】
一部の実施形態において、各リーダは、フェーズドアレイアンテナのビームステアリングを含む。ビームステアリングは、ビーム形成の概念を一歩進めたものである。ビームステアリングは、アンテナ素子または他のハードウェアを変更することなく、リアルタイムで信号位相を変更してビームのパターンを動的に変更することができる方式である。一部の実施形態において、送信機からの電力は、位相シフターと呼ばれる装置を通じて放射素子に供給され、コンピュータシステムまたはコントローラなどのシステムにより制御され、位相または信号の遅延を電子的に変更することができるので、無線電波のビームを異なる方向に操向することができる。別の実施形態において、位相アレイは、いかなる位相シフターも使用せず、ビームステアリングが送信機の周波数により制御される周波数走査アレイである。ビームステアリングは、周波数の単純な関数である。
【0020】
一部の実施形態において、複数のリーダは、2つ以上のリーダを含む。一部の実施形態において、リーダの数は、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上である。一部の実施形態において、リーダは互いに設定間隔をあけて配列される。
【0021】
一部の実施形態において、物品がマーチャンダイジング位置を離脱しているか、またはマーチャンダイジングに戻っているかの判定は、どの読み取りゾーンが最初に物品を検出するかに基づいて判定される。一部の実施形態において、前記方法は、物品在庫を継続的に読み取る必要がない。一部の実施形態において、物品はマーチャンダイジング位置にオーバーロードされるか、不適切にタグ付けされて誤販売されるか、またはこれらの組み合わせである。
【0022】
トランジションキャプチャの意図は、棚を離脱しているか、または棚に戻っているとき、アイテムを識別するだけでなく、トランジションの方向を識別することである。
【0023】
一部の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、U.S.S.N.63/065,020およびU.S.S.N.63/104,645に記載のように、レジレスのショッピングシステムと組み合わせて使用することができる。かかるシステムは、通常、視覚またはカメラ基盤であって、可変重量価格アイテムを検出する際、問題に直面する。
【0024】
A.リーダ
本明細書に記載の方法には、任意のタイプのリーダを使用することができる。一部の実施形態において、各リーダは、マルチ読み取りゾーンを含む。一部の実施形態において、マルチ読み取りゾーンは、フェーズドアレイアンテナのビームステアリングであるか、またはこれを含む。一部の実施形態において、リーダは、オーバーヘッドリーダ、ローカル(例えば棚基盤)リーダ、またはこれらの組み合わせである。本明細書に記載の方法およびシステムは、(1)より速いイベント通信を提供し、(2)棚上の全てのアイテムに対するリーダの可視性を常に必要とせず、(3)不十分な可読性/環境による偽のイベントの発生を少なくし、また、(4)既存の棚により採択されやすい。
【0025】
図1は、本明細書に記載の例示的なマルチリーダシステムの概略図である。リーダR1およびR2はいずれも、フェーズドアレイアンテナのビームステアリングによって定められたマルチ読み取りゾーンを有する。一部の実施形態において、読み取りゾーンは方向が異なり、すなわち、互いに異なる方向を指していたり向いていたりする。例えば、一部の実施形態において、第1のゾーンであるゾーンAは、棚の前方を指しており、棚の前方を過ぎて(例えば通路に)延びてもよく、第2のゾーンであるゾーンBは、棚の中央の方を指しており、第3のゾーンであるゾーンCは、棚の後方を指している。最初にゾーンAで見られ、次にゾーンBまたはCで見られるアイテムは、棚に戻る可能性が高い。最初にゾーンBまたはCで見られ、最後にゾーンAで見られるアイテムは、棚に存在する可能性が高い。一部の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、在庫を継続的に読み取る必要がないため、特に、棚がオーバーロードされるか、製品が誤販売されるか、または製品が不適切にタグ付けされた場合、RFIDタグの可読性は向上する。
【0026】
図2は、4つのリーダR1~R4を含む、本明細書に記載の例示的なマルチリーダシステムの概略図である。一部の実施形態において、リーダR1およびリーダR2はいずれも、製品P1から応答を受信する。リーダR1は、P1からの強い信号応答および高い読み取り率(例えば毎秒20)を有し、リーダR2は、P1からの弱い信号応答および低い読み取り率(例えば毎秒5)を有する。これらのリーダからのデータを組み合わせる際、システムは、棚上における製品P1の概略的な位置を定めるであろう。同様に、製品は、R2およびR3またはR3およびR4によって検出できる。別の実施形態において、製品は、R1~R3またはR2~R4によって検出できる。
【0027】
製品活動の位置は、マルチリーダの存在によって判定でき、間隔をあけて配置されたリーダが多いほど、位置データはより正確になるであろう。重複フィールドは、信号強度および読み取り率などの異なるデータ応答を提供する。これらのデータ応答は、位置を判定するための定義可能なデータセットを提供する。
【0028】
図3は、本明細書に記載の例示的なマルチリーダシステムの概略図である。一部の実施形態において、図3図1の側面図である。信号Aは、買い物客または他の面に基づいて反射され得る。単一の読み取りフィールド/ゾーンシステムの設計において、かかる反射は、偽陽性を引き起こし得る。図3に示すように、異なる方向を指すかまたは操向するマルチ読み取りフィールドの設計を使用すると、異なる読み取りフィールド/ゾーンからの複数のデータセットがリアルタイムまたは全体的に分析されて、イベントデータをフィルタリングすることができる。イベントデータは、所定の時間フレームに収集されたデータセットを見直すことにより、全体的にフィルタリングされる。例えば、1200ミリ秒にわたって製品P1に関する読み取りデータが収集される。かかる読み取りデータは、読み取りゾーンBに関する活動を信号Aの反射から有する。読み取りゾーンAからの活動が存在する間、読み取りゾーンBの活動が1200ミリ秒内に「x」回発生する場合、終了活動は報告されない。
【0029】
一部の実施形態において、フィルタリングおよび通知データを提供するためにデータセットの他の組み合わせが想定される。
【0030】
読み取りゾーンが重なるマルチリーダは、それぞれからのデータを組み合わせる機会を提供する。単一リーダからのマルチ読み取りゾーンを組み合わせて、誤配置された製品、製品の前後位置を分析することができ、別の実施形態においては、ビームを狭めて左右位置を判定することができる。
【0031】
B.デジタルトリガ/センサ/インレイ
一部の実施形態において、検出する製品は、1つ以上のデジタルトリガを含む。一部の実施形態において、デジタルトリガは、アイテムレベルセンサである。一部の実施形態において、アイテムレベルセンサは、本明細書に記載の方法および適用に適した当業者に公知の任意のセンサであり得る。一部の実施形態において、センサは、例えば無線周波数識別(UHFまたはHFなどのRFID)センサ、近距離無線通信(NFC)センサ、高速応答(QR)コード、機械読み取り可能なコード、視覚システム、Bluetooth低エネルギー(BLE)ビーコン、またはその他のデジタル識別(ID)システムである。
【0032】
1.RFID
RFIDタグとも呼ばれる無線周波数アイテムレベルセンサは、多様な容量のメモリ、通常、96~128ビットのEPCメモリ空間、48~96ビットのTIDメモリ空間、およびGS1に記載されたユーザメモリのようなオプション機能を備えている無線装置である。これらのセンサは、固有のIDを有し、RFエネルギーに反応し、これらが取り付けられた特定アイテムの存在をブロードキャストする。サイズ、電力、周波数を含むRFIDアイテムレベルセンサとアンテナ(インレイ)の、範囲および可読性に影響を与える複数の因子がある。水分量の高い材料または金属パッケージは、電力応答に影響を与えたり、周波数応答を離調(de-tune)したりすることができる。パッケージのサイズ、人間が読み取り可能なデータの要件およびマーチャンダイジングも、配置並びにセンサの選択時に考慮する必要がある。
【0033】
標準材料およびあまり一般的ではない材料に対する性能を最適化する多様なRFIDアイテムレベルセンサの設計を用いることができる。最も効果的なインレイを評価するために、RFIDアイテムレベルセンサは、好適なセンサを判定するにあたって、チーズ、包装果物、および肉類製品に対してテストすることができる。一部の実施形態において、タグ付けするアイテムおよび/またはアイテムと共に使用されるパッキングに応じて多様な異なるセンサが使用される。
【0034】
センサは、本明細書に記載の方法および適用に適した当業者に公知の任意のセンサであり得る。一部の実施形態において、センサは、例えば無線周波数識別(UHFまたはHFなどのRFID)センサ、近距離無線通信(NFC)センサ、高速応答(QR)コード、機械読み取り可能なコード、視覚システム、Bluetooth低エネルギー(BLE)ビーコン、またはその他のデジタル識別(ID)システムである。一部の実施形態において、モバイル端末の位置は、前述した技術のうち1つ以上によって判定され、モバイル端末に近接しているアイテムは、UHF RFIDを使用して識別される。一部の実施形態において、デジタルIDシステムは、UHF Gen2 RFIDまたはこれと同様の標準である。
【0035】
典型的なRFID装置は、一般に、RF信号を無線で送信および/または受信するためのアンテナと、これに動作可能に接続されたアナログおよび/またはデジタル電子機器と、を含む。また、いわゆるアクティブ型またはセミパッシブ型RFID装置は、バッテリまたはその他の適切な電源も含み得る。通常、電子機器は、集積回路(IC)やマイクロチップまたはその他の適切な電子回路を介して実装され、例えば、通信電子機器、データメモリ、制御ロジックなどを含み得る。動作中、ICまたはマイクロチップは、情報を格納および/または処理し、RF信号を変調および/または復調するように機能するだけでなく、任意に他の特殊な機能を実行する。一般に、RFID装置は、通常RFID装置が貼付された個体、パッケージ、在庫および/またはその他の同様の物体を固有に識別するのに十分な情報を保持および通信することができる。
【0036】
一般に、RFIDリーダまたはベースステーションは、RFID装置から通信されるデータまたは情報(例えば識別コード)を無線で取得するために使用される。通常、RFID装置は、識別コードまたは他の識別子を格納、放出、または表示するように構成される。RFIDリーダがRFID装置と相互作用および/または通信する方法は、一般に、RFID装置のタイプによって異なる。所定のRFID装置は、通常、パッシブ型装置、アクティブ型装置、セミパッシブ型装置(バッテリアシストまたはセミアクティブ型装置ともいう)、または(一般にアクティブ型装置の下位範疇と見なされる)ビーコンタイプのRFID装置に分類される。パッシブ型RFID装置は、通常、内部電源を使用しないため、RFIDリーダが近くにあるときのみ活性化し、例えば、RFID装置の無線照明を介して、RFIDリーダからのRF信号および/または電磁エネルギーを用いてRFID装置に電力を供給するパッシブ型装置である。逆に、セミパッシブ型およびアクティブ型のRFID装置には、独自の電源(例えば、小型バッテリ)が備えられる。通信のために、従来のRFID装置(いわゆるビーコンタイプ以外のもの)は、RFIDリーダから受信したクエリまたはインテロゲーションに応答する。前記応答は、通常、後方散乱、負荷変調および/またはRFIDリーダのフィールドを操作するのに使用されるその他同様の技術によって達成される。通常、後方散乱は、遠方界への適用(すなわち、RFID装置とリーダとの間の距離が略数波長よりも大きい場合)で使用され、あるいは、負荷変調は、近傍界への適用(すなわち、RFID装置とリーダとの間の距離が略数波長以内の場合)で使用される。
【0037】
パッシブ型RFID装置は、通常、RFIDリーダからの搬送波を後方散乱させることにより、それぞれのデータ若しくは情報を信号または通信する。すなわち、従来のパッシブ型RFID装置の場合、それから情報を検索するために、RFIDリーダは、通常、RFID装置に励起信号を送る。励起信号は、RFID装置を作動させ、それに格納された情報をRFIDリーダに送り返す。結果として、RFIDリーダは、RFID装置からの情報を受信およびデコードする。
【0038】
前述の通り、パッシブ型RFID装置は、通常、内部電源装置を有さない。むしろ、パッシブ型RFID装置を作動させるための電力は、RFIDリーダからRFID装置が受信した受信RF信号のエネルギーによって提供される。一般に、受信RF信号によってRFID装置のアンテナに誘導された小さな電流は、RFID装置のICまたはマイクロチップが電源を入れて、応答を送信するのに十分な電力を提供する。これは、アンテナが、通常、受信信号から電力を収集し、かつ、アウトバウンド後方散乱信号を送信するように設計されなければならないことを意味する。
【0039】
パッシブ型RFID装置は、単純さおよび長い寿命(例えば、バッテリ切れとなることがない)という利点を有する。それにもかかわらず、この性能が限定され得る。例えば、パッシブ型RFID装置は、一般に、アクティブ型RFID装置と比較して、より限定的な範囲を有する。
【0040】
アクティブ型RFID装置には、パッシブ型装置とは対照的に、通常、独自の送信機および電源(例えば、バッテリ、太陽電池など)が備えられる。基本的に、アクティブ型RFID装置は、自己動力型送信機を採用してRFID装置のICまたはマイクロチップに格納された情報を通信する信号をブロードキャストする。また、一般に、アクティブ型RFID装置は、電源を使用して、その中に採用されたICまたはマイクロチップに電力を供給する。
【0041】
一般に、2つのタイプのアクティブ型RFID装置があり、一方は、トランスポンダタイプのアクティブ型RFID装置と見なすことができ、他方は、ビーコンタイプのアクティブ型RFID装置と見なすことができる。重要な差は、トランスポンダタイプのアクティブ型RFID装置は、RFIDリーダから信号を受信するときにのみ起動することである。トランスポンダタイプのRFID装置は、RFIDリーダからの問い合わせ信号に応答し、その情報をリーダにブロードキャストする。認識できるように、かかるタイプのアクティブ型RFID装置は、装置がリーダの範囲内にあるときのみその信号をブロードキャストすることにより、バッテリ寿命を節約する。逆に、ビーコンタイプのRFID装置は、識別コードおよび/またはその他データ若しくは情報を独立に(例えば、定められた間隔で、または周期的に、またはその他方式で)送信し、リーダからの特定のインテロゲーションには応答しない。
【0042】
一般に、アクティブ型RFID装置は、オンボード電源装置により、(例えば、パッシブ型装置に比べて)より高い電力レベルで送信し得るので、多様な動作環境でより強固になる。しかし、バッテリまたはその他のオンボード電源装置は、アクティブ型RFID装置を(例えば、パッシブ型装置に比べて)比較的大型にし、および/または製造をより高価にしてしまう傾向がある。さらに、パッシブ型RFID装置に比べて、アクティブ型RFID装置はバッテリ寿命が限定されているため、潜在的に保管寿命がより限定的である。それにもかかわらず、自己支援電源装置は、通常、アクティブ型RFID装置がパッシブ型装置に比べて一般的により大きなメモリを含むことができるようにし、また、一部の場合において、オンボード電源は、アクティブ型装置が好適なセンサから環境データを獲得および/または格納するなどのさらなる機能を含むことができるようにする。
【0043】
セミパッシブ型RFID装置には、通常、独自の電源が提供される点でアクティブ型装置と似ているが、バッテリは、一般に、ICまたはマイクロチップにのみ電力を供給し、信号をブロードキャストするためには電力を提供しない。むしろ、パッシブ型RFID装置と同様に、セミパッシブ型RFID装置からの応答は、一般に、RFIDリーダから受信したRFエネルギーを後方散乱させる手段によって電力が供給され、すなわち、パッシブ型装置のように、エネルギーがリーダに反射し返される。セミパッシブ型RFID装置において、バッテリはまた、通常、データ記憶のための電源としても機能する。
【0044】
従来のRFID装置は、例えば、低周波(LF)範囲(すなわち、約30kHz~約300kHz)、高周波(HF)範囲(すなわち、約3MHz~約30MHz)、および超高周波(UHF)範囲(すなわち、約300MHz~約3GHz)を含む多様な周波数範囲のうちの1つで動作する場合がある。パッシブ型装置は、一般に、上述の周波数範囲のいずれか1つで動作する。特に、パッシブ型装置の場合、LFシステムは、一般に、約124kHz、125kHzまたは135kHzで動作し、HFシステムは、一般に、約13.56MHzで動作し、UHFシステムは、一般に、860MHz~960MHzのいずれかの帯域を使用する。あるいは、一部のパッシブ型装置システムはまた、2.45GHzおよびその他無線スペクトルの他の領域を使用する。アクティブ型RFID装置は、一般に、約455MHz、2.45GHzまたは5.8GHzで動作する。多くの場合、セミパッシブ型装置は、約2.4GHzの周波数を使用する。
【0045】
RFID装置の読み取り範囲(すなわち、RFIDリーダがRFID装置と通信可能な範囲)は、一般に、例えば装置のタイプ(すなわち、アクティブ型、パッシブ型など)の多数の因子によって判定される。一部の実施形態において、(LFIDまたはLowFID装置とも呼ばれる)パッシブ型LF RFID装置は、一般に、約12インチ(0.33メートル)以内で読み取ることができ、(HFIDまたはHighFID装置とも呼ばれる)パッシブ型HF RFID装置は、一般に、最大約3フィート(1メートル)まで読み取ることができ、また、(UHFID装置とも呼ばれる)パッシブ型UHF RFID装置は、一般に、約10フィート(3.05メートル)以上から読み取ることができる。しかし、前記距離は例示的であり、前記で挙げられた特徴に応じて距離が変わり得る(例えば、より長くても短くてもよい)。パッシブ型RFID装置の読み取り範囲に影響を与える重要な因子の1つは、装置からリーダにデータを送信するのに使用される方法、すなわち、通常、誘導結合または放射/伝搬結合であり得る装置とリーダとの間の結合モードである。パッシブ型LFID装置とパッシブ型HFID装置は、一般に、装置とリーダとの間で誘導結合を使用する一方、パッシブ型UHFID装置は、一般に、装置とリーダとの間で放射または伝搬結合を使用する。
【0046】
誘導結合の適用では、(例えば、パッシブ型LFIDおよびHFID装置による従来の使用のとおり)、装置とリーダには、通常、その間に電磁場を共に形成するコイルアンテナがそれぞれ備えられる。誘導結合の適用において、装置は電磁場から電力を引き出し、装置のICまたはマイクロチップ上の回路を実行するために電力を使用した後、装置のアンテナに掛かる電気負荷を変更する。結果として、リーダのアンテナは、電磁場での変化を感知し、これらの変化をリーダまたは補助コンピュータが理解するデータに変換する。装置のアンテナにおけるコイルおよびリーダのアンテナにおけるコイルは、装置とリーダとの間で誘導結合を完了するために、その間に電磁場を形成しなければならないため、装置は、多くの場合、リーダのアンテナにかなり近接しなければならず、そのため、これらのシステムの読み取り範囲を限定する傾向がある。
【0047】
あるいは、放射または伝搬結合の適用では、(例えば、パッシブ型UHFID装置による従来の使用のとおり)、リーダと装置の各々のアンテナ間に電磁場を形成するのではなく、リーダは装置を照明する電磁エネルギーを放出する。結果として、装置はアンテナを介してリーダからエネルギーを集め、装置のICまたはマイクロチップは、集められたエネルギーを使用して、装置のアンテナに掛かる負荷を変更し、変更された信号を反射し返す、すなわち後方散乱する。一般に、UHFID装置は、種々の異なる方法でデータを通信することができ、例えば、リーダに送り返された反射波の振幅を増加させるか(すなわち、振幅偏移変調)、位相受信波から外れるように反射波を偏移させるか(すなわち、位相偏移変調)、または反射波の周波数を変更(すなわち、周波数偏移変調)させることができる。いずれの場合でも、リーダは、後方散乱信号を拾い上げ、変更波をリーダまたは補助コンピュータが理解するデータに変換する。
【0048】
また、RFID装置に採用されるアンテナは、一般に、多くの因子、例えば意図された適用、装置のタイプ(例えば、アクティブ型、パッシブ型、セミアクティブ型など)、所望の読み取り範囲、装置-リーダ間の結合モード、装置の動作周波数などにより影響を受ける。例えば、パッシブ型LFID装置は、通常、リーダと誘導結合されるので、また、装置のアンテナに誘導される電圧は、装置の動作周波数に比例するため、パッシブ型LFID装置には、一般に、装置のICまたはマイクロチップを動作させるのに十分な電圧を生成するために巻数の多いコイルアンテナが備えられる。これに比べ、従来のパッシブ型HFID装置には、通常、数十センチメートル程度の読み取り範囲を提供することができる平面スパイラル(例えば、クレジットカードサイズの形状因子に対して5~7の巻数)のアンテナが備えられる場合がある。一般に、HFIDアンテナコイルは、リソグラフィのような巻線より比較的安価な技術を使用して製造することができるため、(例えば、LFIDアンテナコイルに比べて)製造コストを安くすることができる。UHFIDパッシブ型装置は、通常、リーダのアンテナと放射および/または伝搬の方法で結合され、その結果、従来のダイポール型アンテナを採用する場合が多い。
【0049】
一部の実施形態において、デジタルトリガは、UHF Gen2 RFIDまたは同様の標準である。多様な標準設定機関によって設定された他の標準も使用することができる。かかる標準は、アイテム/製品別、または部門若しくはマーケット別であり得る。
【0050】
a.プラスチックパッケージ用センサ
一部の実施形態において、1つ以上のセンサは、プラスチックパッケージ用として設計される。一部の実施形態において、プラスチックパッケージは、切断された新鮮な果物および/または野菜をパッケージするのに使用される。好適なセンサは、エイヴェリーデニソン社から入手可能である。一部の実施形態において、センサは、図1に示すように、モデルAD324である。一部の実施形態において、パッケージへのRFIDセンサの配置は、製品が棚上に置かれているとき、パッケージ内部の製品がインレイ領域と20%を超えて重ならないようにする。一部の実施形態において、RFIDセンサは、カバー領域を減らすためにロープロファイルインレイであり得る。
【0051】
b.ロープロファイルセンサ
一部の実施形態において、1つ以上のセンサは、読み取りにくい材料のためのロープロファイルのアイテムレベルセンサである。一部の実施形態において、かかるセンサは、パッケージされたチーズに使用される。一部の実施形態において、センサは、エイヴェリーデニソン社から入手可能なAD163およびAD456(図2および3)である。一部の実施形態において、センサは、スペーサを使用してフラッシュに取り付けられたり、その長さに沿って持ち上げられたりして、ロープロファイルのフラグタグを形成することができる。一部の実施形態において、タグは、製品とインレイの誘電品質を分離するビルトイン構造を含む。一部の実施形態において、ロープロファイルインレイのサイズは、カバー領域を減らすために使用される。
【0052】
c.電子レンジ対応のインレイ
一部の実施形態において、RFIDセンサは、電子レンジ対応のセンサである。電子レンジ対応のセンサ/インレイは、WO2018/125977、WO2019/204694、WO/2019/204698、WO/2019/204704、W02020/006202、WO2020/006219、並びにU.S.S.N.62/954,909、62/954,454に記載されており、これは本明細書に参照として組み込まれる。
【0053】
一部の実施形態において、電子レンジ対応のRFIDタグは、間隙を定め、第1の周波数で動作するように構成されたアンテナを含む。RFIDチップとアンテナは、間隙を横切ってアンテナに電気的に結合される。遮蔽構造は、間隙を横切ってアンテナに電気的に結合され、RFIDチップを覆う。遮蔽構造は、遮蔽導体と、遮蔽導体とRFIDチップとの間に少なくとも部分的に位置する遮蔽誘電体と、を含む。遮蔽構造は、アンテナが第1の周波数よりも大きい第2の周波数に露出する際、間隙を横切って電圧を限定するように構成される。
【0054】
一部の実施形態において、アンテナは、約100オーム~約230オームの範囲のシート抵抗を有するアンテナであるか、またはこれを含む。別の態様において、RFIDタグは、RFIDチップと、RFIDチップに電気的に結合されたアンテナと、を含む。アンテナは、アンテナが加熱される際に複数の断片に破砕されるように構成される異なる熱膨張係数を有するベース材料と第2の材料とで形成された導体であるか、またはこれを含む。
【0055】
一部の実施形態において、電子レンジ対応のRFIDタグは、対向する第1の面および第2の面を有する基板を含む。アンテナは、第1の面に固定されて間隙を定め、また、第1の周波数で動作するように構成される。RFIDチップは、間隙を横切ってアンテナに電気的に結合される。遮蔽構造は、基板の第2の面に固定され、遮蔽構造の少なくとも一部が間隙と実質的に整列する。遮蔽構造は、アンテナが第1の周波数よりも大きい第2の周波数に露出する際、間隙を横切って電圧を限定するように構成される。
【0056】
一部の実施形態において、RFIDタグのアンテナは、最大寸法が40mm以下である。一部の実施形態において、遮蔽構造の中心は、RFIDチップと実質的に整列する。一部の実施形態において、遮蔽構造は間隙よりも大きい。一部の実施形態において、遮蔽構造は、基板を介してアンテナに電気的に結合される。一部の実施形態において、RFIDタグは、第1および第2の導電性ブリッジが間隙の反対側でアンテナと関連付けられるように基板を介してアンテナと遮蔽構造との間に延びる第1および第2の導電性ブリッジをさらに含む。一部の実施形態において、第1および第2の導電性ブリッジは、実質的に同一である。一部の実施形態において、第1および第2の導電性ブリッジは、間隙から実質的に等間隔に離隔している。一部の実施形態において、第1および第2の導電性ブリッジそれぞれは、間隙よりも遮蔽構造の関連するエッジにさらに近く位置する。一部の実施形態において、第1および第2の導電性ブリッジそれぞれは、電気化学的に形成されたビアを含む。一部の実施形態において、第1および第2の導電性ブリッジそれぞれは、クリンプを含む。一部の実施形態において、第1および第2の導電性ブリッジそれぞれは、基板に定められた各ホールにより収容される導電性インクを含む。
【0057】
一部の実施形態において、マイクロ波耐性RFIDタグ装置は、電子レンジで解凍、加熱、再加熱または調理される食品アイテムなどの、マイクロ波場に配置されるアイテムに固定することができる。RFIDタグ装置は、1つ以上の周波数で動作するように設計された少なくとも1つのアンテナと、それが取り付けられた製品および/または電子レンジが行う必要のあるマイクロ波プロセス(例えば調理)に関するデータを伝達するRFIDチップと、を含む。一部の実施形態において、RFIDタグ装置のアンテナは、高レベルの2.45GHzの領域に配置された場合に破壊的なアークを防止するように設計され、また、マイクロ波プロセス中のRFIDタグ自体の加熱を最小限に抑える。
【0058】
別の実施形態において、RFIDリーダシステムは、高い領域がRFIDタグ装置を破壊する可能性があるので、高レベルの2.45GHzの領域が適用される前にRFIDタグデータを読み取ることができるように、電子レンジのキャビティに結合される。RFIDリーダシステムは、オーブンエミッタと共有または共存する2.45GHzで動作し得るか、900MHz~930MHzの範囲のUHFのような別個の周波数で動作するか、または両方の周波数で動作することができる。その後、RFIDリーダシステムは、タグ付きの食品アイテムの調理プロセスを承認および/または制御するようにオーブンコントローラとインタフェースする。
【0059】
一部の実施形態において、電子レンジ対応のRFIDタグは、好ましくは誘電体の片側に形成された分割リング(または遮蔽)導体と、誘電体の反対側に形成されたコイルアンテナ導体と、RFIDチップと、を含む。分割リング導体は、誘電体によってコイルアンテナ導体から分離される。また、分割リング導体は、コイルアンテナ導体の大半を覆っているので、分割リング導体は、誘電体を介してコイルアンテナ導体と容量的に結合される。さらに、分割リング導体は、マイクロ波電流がコイルアンテナ導体を介して流れるようにする間隙を含むが、間隙内のコイルアンテナ導体のいかなる部分もマイクロ波電流と相互作用しないので、アークを防止する。
【0060】
別の実施形態において、電子レンジ対応のRFIDタグ装置は、導体の間隙が整列せず間隙に電流が流れないように、第1の分割リング導体の反対側に回転する第2の分割リング導体を含む。その後、コイルアンテナ導体が、第1の分割リング導体と第2の分割リング導体との間に配置され、導体と容量的に結合して、コイルアンテナ導体に沿ってアーク放電および過度な電流フローを防止するように、コイルアンテナ導体と第1及び第2の分割リング導体を効果的に短絡する。
【0061】
別の実施形態において、電子レンジ対応のRFIDインレイは、チューニングループから伸びる一対のダイポールアームを含み、ここで、前記ダイポールアームそれぞれは、負荷端で終端する。導電性構造は、さらに、食品アイテムとそのパッケージをスキャンするのに使用される金属探知機の標準検出閾値未満の金属質量を有するように構成される。さらに、導電性構造は、必須または所望の性能を果たすほどの充分に大きな面積を有するが、依然として、食品アイテムまたはパッケージに直径約1mmの金属球の異種金属物体がないかスキャンすることに関連する一般的な標準検出閾値未満である。導電性構造は、導電性インクを印刷するか、または金属箔を切断することで製造され得る。次に、導電性構造全体の厚さが、各導電性構造の材料および周波数に対して計算された表皮深さ以上に減少する。より小さい電流フローを有する導電性構造の領域が、金属探知機の検出閾値未満の質量を有する導電性構造を達成して、RFID性能全体に及ぶ影響を最小限に抑えて除去されるように、各負荷端の一部は空洞化し得る。
【0062】
別の実施形態において、電子レンジ調理用食品アイテムのためのパッケージが提供される。前記パッケージは、電子レンジに加熱されるように構成された第1のパッケージ部材と、第1の部材に関連する第2のパッケージ部材と、を含み、第2のパッケージ部材は、第1のパッケージ部材を電子レンジに加熱する前に第1のパッケージ部材から分離されるように構成される。また、パッケージは、反応性ストラップと遠距離アンテナとを含むRFIDタグを含む。反応性ストラップは、第1のパッケージ部材に関連付けられる一方、遠距離アンテナは、第2のパッケージ部材に関連付けられ、反応性ストラップから分離されている。反応性ストラップは、第2のパッケージ部材が第1のパッケージ部材に関連付けられている場合、遠距離アンテナに結合され、また、第2のパッケージ部材が第1のパッケージ部材から分離されている場合、遠距離アンテナから分離されるように構成される。RFIDタグは、反応性ストラップが遠距離アンテナに結合されている場合、遠距離通信が可能な一方、反応性ストラップが遠距離アンテナから分離されている場合、近距離通信のみ可能である。
【0063】
一部の実施形態において、電子レンジ対応のRFIDセンサは、エイヴェリーデニソン社から入手可能なWavesafe(商標)である。Wavesafe(商標)は、エイヴェリーデニソン社により2017年に開発され、2019年に発売した、安全規格を保証する新鮮で冷凍された腐敗しやすいパッケージされた食品のアイテムレベルタグ付けのための電子レンジ対応のUHF RFIDソリューションである。Wavesafe(商標)は、電子レンジの調理中のアーク放電や熱蓄積を防止すると同時に、時間追跡のための非常に正確な読み取り率を提供するように設計されている。
【0064】
商業的に利用可能なセンサは、エイヴェリーデニソン社から入手可能なAD251を含む(図4)。一部の実施形態において、電子レンジ対応のインレイは、発泡トレー内にパッケージされた/発泡トレーでパッケージされたものを含む肉類および海産物に使用される。一部の実施形態において、電子レンジ対応のインレイは、TUV Rheinland(登録商標)Tマーク認証規格を遵守する。一部の実施形態において、RFIDセンサは、アイテムからの分離を保証するために、発泡トレーの外側に配置される。
【0065】
また、上述したセンサのうち1つ以上を含むパッケージも本明細書に記載されている。一部の実施形態において、パッケージは、肉類、海産物、切断された新鮮な果物および野菜、並びにチーズなどの可変重量価格アイテムをパッケージするのに適している。
【0066】
2.NFC
近距離無線通信(略称NFC)は、スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末間の非接触通信の一形態であって、無線伝送(例えば、Bluetooth、WiFi)ではなく電磁無線場を活用する。NFCは、互いに近接している装置と物体により使用されるRFID設計の派生物である。現在、3つのタイプのNFC技術、すなわち、タイプA、タイプB、およびFeliCaが使用されている。NFCの背景となる技術により、リーダ、インターロゲータ、またはアクティブ型装置として知られている装置は、他のNFC互換装置またはリーダが所望の情報を保持している小型のNFCタグと通信する無線周波数電流を生成することができる。NFCタグのようなパッシブ型装置は、情報を格納しリーダと通信するが、他の装置を能動的に読み取らない。また、2つのアクティブ型装置を介するピアツーピア通信も、NFCによって可能である。これにより、両装置が情報を送受信することができるようになる。
【0067】
3.QRコード
高速応答(QR)コードは、機械読み取り可能なマトリックスバーコード(2-Dバーコード)の一種である。QRコードは、ウェブサイトまたはアプリケーションを指すロケータ、識別子、またはトラッカに対するデータを含む場合が多い。QRコードは、データを効率的に格納するために、4つの標準化されたエンコードモード(数字、英数字、バイト/2進数、漢字)を使用し、拡張子も使用し得る。QRコードは、2次元デジタル画像センサで検出された後、プログラミングされたプロセッサによって、デジタル方式により分析される。前記プロセッサは、QRコード画像の角にある3つの特徴的な正方形を見つけ、4つ目の角の近くにあるより小さい正方形(または複数の正方形)を使用して、画像をサイズ、配向、および見る角度について正規化する。その後、QRコード全体にある小さなドットを2進数に変換し、エラー修正アルゴリズムで検証する。
【0068】
QRコードシンボルに格納できるデータの量は、データ型(モードまたは入力文字セット)、バージョン(シンボルの全体寸法を示す1、...、40、すなわち各辺に4×バージョン番号+17ドット)、およびエラー修正レベルにより異なる。最大格納容量は、バージョン40およびエラー修正レベルL(低い)で発生し、40-Lで表される。
【0069】
4.フラグタグ
一部の実施形態において、センサはフラグタグであるか、またはフラグタグを含む。フラグタグは、タグまたはラベルの一部がタグまたはラベルの残りの部分からオフセットできるように、RFIDなどのデジタルトリガを含むラベルまたはタグである。これは、タグ付きまたはラベル付きのアイテムとデジタルトリガ(例えば、金属アイテムまたはパッケージとRFID金属アンテナ)との間の干渉を減少または除去するのに役立つことができる。多様なフラグタグ構造が当業界に公知となっている。一部の実施形態において、構造はオフセットを生成するために折り畳みを有する。例えば、エイヴェリーデニソン社から入手可能なMidas Flagtag(登録商標)である。しかし、他のフラグタグ構造も使用することができる。
【0070】
5.電子式商品監視
一部の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、紛失防止用電子式商品監視(EAS)のための方法、システム、ハードウェア、およびセンサを含む。例示的な方法、システム、ハードウェア、およびセンサは、U.S.S.N.62/970,913、62/970,933、および62/981,206に記載されており、これは本明細書に参照として組み込まれる。
【0071】
a.インレイ
一部の実施形態において、電子式商品監視システムは、アンテナを有する少なくとも1つのRFID装置を含む。前記システムは、第1の読み取りゾーンおよび第2の読み取りゾーンをさらに含み、相対的に小さなトランジションゾーンがその間に配置される。少なくとも1つのRFID装置におけるアンテナの導電性は、少なくとも1つのRFID装置のピーク感度を減少させ、かつ、少なくとも1つのRFID装置の帯域幅を増加させるために減少することにより、トランジションゾーンは、少なくとも1つのRFID装置が第2の読み取りゾーンにある間、第1の読み取りゾーンで読み取られることなく、また、少なくとも1つのRFID装置が第1の読み取りゾーンにある間、第2の読み取りゾーンで読み取られることなく、比較的小さくすることができる。
【0072】
別の実施形態において、EASシステムは、第1のアンテナを有し、第1の物品に関連する第1のRFID装置と、第2のアンテナを有し、第2の物品に関連する第2のRFID装置と、を含む。また、前記システムは、第1の読み取りゾーンと第2の読み取りゾーンとを含み、トランジションゾーンは、その間に配置され、さらに、RFID装置が第2の読み取りゾーンにある間、第1の読み取りゾーンから読み取られることを防止し、RFID装置が第1の読み取りゾーンにある間、第2の読み取りゾーンから読み取られることを防止するように構成される。第1および第2の物品は、関連のRFID装置の性能に異なる影響を与えるように構成されると共に、予め決められた周波数で同様の読み取り範囲を有するように、第1および第2のアンテナは、少なくとも部分的に関連付けられた物品の特性に基づいて異なるように構成される。
【0073】
また別の実施形態において、RF信号を受信するとリターン信号を送信するように構成されたRFID装置の位置を決定するためにEASシステムが提供される。電子式商品監視システムは、第1および第2の読み取りゾーンと、第1および第2の受信アンテナと、コントローラと、を含む。第1の受信アンテナは、第1の強度でリターン信号を受信するように構成されると共に、第2の受信アンテナは、第2の強度でリターン信号を受信するように構成される。コントローラは、少なくとも部分的に、第1の強度と第2の強度との差に基づいて、RFID装置が第1の読み取りゾーンに配置されているかいなかを判定するように構成される。
【0074】
一部の実施形態において、EASシステムは、RF信号を受信するとリターン信号を送信するように構成されたRFID装置の位置を判定する。電子式商品監視システムは、第1および第2の読み取りゾーンと、第1および第2の受信アンテナと、コントローラと、を含む。第1の受信アンテナは、第1のRF信号をRFID装置に送信し、また、第1のRF信号の電力を、第1の受信アンテナによりRFID装置からの第1のリターン信号が受信される閾値に対応する第1の電力に変更するように構成される。第2の受信アンテナは、第2のRF信号をRFID装置に送信し、また、第2のRF信号の電力を、第2の受信アンテナによりRFID装置からの第2のリターン信号が受信される閾値に対応する第2の電力に変更するように構成される。コントローラは、少なくとも部分的に、第1の強度と第2の強度との差に基づいて、RFID装置が第1の読み取りゾーンに配置されているかいなかを判定するように構成される。
【0075】
b.リーダ
一部の実施形態において、EASシステムは、関連のRFIDリーダを有する第1の読み取りゾーンと、トリガ閾値でRFID装置を検出するように構成された関連のRFIDリーダを有する第2の読み取りゾーンと、を含む。前記システムは、RFID装置のセンサの値、第1の読み取りゾーンでRFID装置が検出される回数、および所定の条件下において、第1の読み取りゾーンでRFID装置が検出されるかからなる群より選択される因子に少なくとも部分的に基づいて、トリガ閾値を設定するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0076】
別の実施形態において、EASシステムは、関連のRFIDリーダを含む第1の読み取りゾーンを備えていると共に、インフラストラクチャの一部が第1の読み取りゾーン内に少なくとも部分的に位置する。RFIDガード装置は、インフラストラクチャの一部に対して固定される。システムの第2の読み取りゾーンは、トリガ閾値でインフラストラクチャの一部と除去可能に関連付けられた在庫の一部に関連するRFID在庫装置を検出するように構成された関連のRFIDリーダを含む。前記システムはまた、RFIDガード装置がRFIDリーダにより検出されると、トリガ閾値を修正すること、第2の読み取りゾーンと関連するRFIDリーダにより送信される電力量を修正すること、第2の読み取りゾーンと関連するRFIDリーダにより電力が送信される方向を修正すること、および、インフラストラクチャの一部を第2の読み取りゾーンから遠く移動させる必要があることを示す信号を送信すること、からなる群より選択される応答を開始するように構成されたコントローラを含む。
【0077】
C.データ経路/ソフトウェア
一部の実施形態において、システムは、複数の異なるデータソースから多様なフォーマットのデータを受信し、受信データを特定の宛先のために再パッケージし、パッケージされたデジタルアイデンティティデータを安全かつ確実に配信する。データを受信および処理するための方法並びにシステムは、本出願明細書に参照として組み込まれているU.S.S.N.63/034,079に記載されている。
【0078】
一部の実施形態において、本発明から提供されるデータは、複数のデータソースのうちの1つからのデータのセットまたはデータのセグメントである。かかる多様なデータソースは、特定の目的に基づいてデータを収集する多数の異なるセンサであり得る。本発明は、単一または複数の読み取り領域からのデータを組み合わせ、リポジトリで多数のデータ入力を組み合わせ、および/または、機械学習のアルゴリズムおよび/または人工知能システムに単一若しくは多数のデータセットを配信すると予想する。
【0079】
一部の実施形態において、本発明から提供されるデータは、他のデータソースと組み合わせてシステムの行動若しくは活動を判定し、および/または、システム内部若しくは外部通知を開始または無効化する。
【0080】
一部の実施形態において、外部センサは、本発明により提供される閾値およびイベントに影響を与えるデータを収集する。
【0081】
一部の実施形態において、データおよび/またはイベントデータは、外部および/または他のセンサにより提供される閾値およびイベントに影響を与える。
【0082】
一部の実施形態において、データソースは、当該ソース装置内の設定を動的に調整する目的で、互いに交差通信し得る。かかる方法は、他のデータソースまたはソース装置およびセンサにより解釈されるような環境で影響を受ける動的調整を備える。
【0083】
一部の実施形態において、システムは、ソースからシリアル化されたアイテム、すなわち、固有のデジタルアイデンティティを含むアイテムに関するデータを受信するためのリポジトリを含む。一部の実施形態において、リポジトリは、クラウドアプリケーションのような指定アプリケーション、例えば、中間ソフトウェアであり得る。別の実施形態において、クラウドアプリケーションは、タグ付きの製品に対して固有のデジタル識別を割り当てるおよび/または管理するプラットフォームであり得る。かかるプラットフォームは、サプライチェーン情報、認証、トラックおよびトレース、ブランド保護、および/または顧客関与の経験を提供することができる。一部の実施形態において、プラットフォームは、ソースからシリアル化されたアイテムに関するデータを受信し、製品のデジタルアイデンティティを管理することができる。リポジトリは同様に、ソースから受信した情報に基づいて製品の在庫の量を管理し、かつ、製品に関する受信データを他の製品別データ、環境別データ、消費者行動データ、または他の可変および/若しくは固定データフィードと組み合わせるか、集合するようにさらに構成され得る。
【0084】
一部の実施形態において、シリアル化されたアイテムは、ソースによって読み取り可能な製品に関するデジタルアイデンティティを含むRFIDタグ付き、UPCコード付きまたはERPコード付きの製品であり得る。デジタルアイデンティティは、製品固有のアイデンティティ、アイテムの有効期限、またはその他製品の関連データを含み得、データのソースは、電子ディスプレイを有し、かつ、それに近接している製品を監視するRFIDリーダ/インタロゲータを有するスマートシェルフ、スマート冷却器、スマートストア、またはスマートストレージなどのエッジデバイスを含み得る。例えば、シリアル化されたアイテムがソースから、ソースへ、またはソースの周りで除去されると、ソースはその情報をリポジトリに伝達し得る。一部の実施形態において、ソースは、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチなどを含むが、これに限定されない、モバイル端末などの携帯機器であり得る。
【0085】
一部の実施形態において、システムは、クラウドアプリケーションを含むが、これに限定されない単一または複数のデジタル宛先をさらに含む。宛先アプリケーションは、コネクタを介してリポジトリから送られた組み合わせたデータを受信および公開するように構成される。コネクタは、アクティブディレクトリのゲートウェイ、クラウドコネクタなどであり得る。宛先アプリケーションは、製品データ、入手可能性、在庫などをローカル地域の検索者に提供することができる。また、製品に係る価格情報は、例えば製品の有効期限、品質保持期限、またはユーザのニーズおよび/または好みに合うその他のデータに基づいて、宛先アプリケーションによって操作され得る。
【0086】
次に、宛先アプリケーションは、検索可能なフォーマットでデータを公開し得る。さらに、宛先アプリケーションは、データをソースまたは小売店の他の電子ディスプレイへ送り返すことができ、集合および/または更新したデータからの同じ利益を得ることができる。例えば、消費者は、宛先アプリケーションで小売店で見るものと同じ製品価格をオンラインにて確認することができる。
【0087】
一部の実施形態において、方法およびシステムは、上述の通りであり、システムは、ソースからシリアル化されたアイテムに関するデータを受信、操作、および公開するための宛先クラウドアプリケーションを含む。シリアル化されたアイテムは、ソースによって読み取り可能な製品に関するデジタルアイデンティティを含むRFIDタグ付き、UPCコード付きまたはERPコード付きの製品を含み得るが、これに限定されない。デジタルアイデンティティは、製品固有のアイデンティティ、アイテムの有効期限、またはその他の有用な製品データを含み得る。ソースは、電子ディスプレイを有し、かつ、ソースに位置する製品/シリアル化されたアイテムを監視するRFIDリーダ/インタロゲータを有するスマートシェルフ、スマート冷却器、スマートストア若しくはスマートストレージなどのセンサ、または機械読み取り可能なコードと通信するための固定式装置または携帯機器を含むことができるエッジデバイスであり得る。例えば、シリアル化されたアイテムが顧客や従業員によって、ソースから、ソースへ、またはソースの周りで除去、追加、または操作されると、ソースはその情報を宛先クラウドアプリケーションに伝達し得る。
【0088】
前述の先の実施形態と同様に、宛先クラウドアプリケーションはソースからシリアル化されたアイテムに関するデータを受信し、コネクタを介して製品のデジタルアイデンティティを管理する。同様に、宛先クラウドアプリケーションは、ソースから受信した情報に基づいて製品の在庫の量を管理する。宛先クラウドアプリケーションは、製品に関する受信データを他の製品別データと組み合わせるように構成される。コネクタは、アクティブディレクトリのゲートウェイ、クラウドコネクタ、または同様の装置であり得る。次に、宛先クラウドアプリケーションは、組み合わせた製品データまたはその一部をローカル地域の検索者に提供することができる。また、製品に係る価格情報は、例えば製品の有効期限、品質保持期限、またはその他の有用なデータに基づいて、宛先クラウドアプリケーションによって操作され得る。
【0089】
次に、宛先クラウドアプリケーションは、ローカル地域の消費者が利用できる検索可能なフォーマットでデータを公開し得る。さらに、宛先アプリケーションまたはリポジトリは、データをソースまたは小売店の他の電子ディスプレイへデータを送り返すことができ、小売店は組み合わせたデータを使用することもある。例えば、消費者は、宛先クラウドアプリケーションで小売店で見るものと同じ製品価格をオンラインにて確認することができる。
【0090】
別の実施形態において、本明細書に記載の方法およびシステムは、製品関連データのマイグレーションおよびアクセス性が向上するプロセスを含む。前記システムは、ソースからシリアル化されたアイテムに関するデータを受信するためのクラウドアプリケーションのような指定アプリケーションを含み、指定アプリケーションは、中間ソフトウェアであり得る。上記のようなシリアル化されたアイテムは、ソースが読み取り可能な製品に関するデジタルアイデンティティを含むRFIDタグ付き、UPCコード付きまたはERPコード付きの製品であり得、デジタルアイデンティティは、製品固有のアイデンティティ、アイテムの有効期限、またはその他の有用な製品データ若しくは情報を含み得る。前記ソースは、電子ディスプレイおよびシリアル化されたアイテムを監視する能力を有するRFIDリーダ/インタロゲータを備えている、スマートシェルフ、スマート冷却器、スマートストア、またはスマートストレージなどのエッジデバイスであり得る。例えば、シリアル化されたアイテムがソースから除去されると、ソースはその情報をリポジトリに伝達し得、結果として、その中に格納された製品データを更新し得る。
【0091】
指定アプリケーションは、ソースからシリアル化されたアイテムに関するデータを受信し、製品のデジタルアイデンティティを管理するように構成される。前記指定アプリケーションは同様に、ソースからの受信情報に基づいて製品の在庫の量を管理する。指定アプリケーションは、製品に関する受信データを他の製品別データと併合するようにさらに構成され、また、複数のデータ収集地点からシリアル化されたアイテムに関するデータも受信し得る。複数のデータ収集地点は、在庫スキャン、販売時点のデータ、流通業者のデータ、データセンタのデータなどのデータ共有の環境に適していないソースである。
【0092】
前記システムは、宛先アプリケーションをさらに含むことができる。宛先アプリケーションは、指定クラウドアプリケーションから送られた組み合わせたデータを受信、操作、および公開するように構成される。宛先アプリケーションは、ローカル地域の検索者に製品データ、入手可能性、および在庫データを提供することができる。また、製品に係る価格情報は、製品の有効期限、品質保持期限、または製品に関するその他のデータに基づいて、宛先アプリケーションによって操作され得る。
【0093】
次に、宛先アプリケーション、例えば、クラウドアプリケーションは、ローカル地域の消費者に対して組み合わせたデータを検索可能なフォーマットで公開する。さらに、宛先アプリケーションは、データをソースまたは小売店の他の電子ディスプレイへ送り返すことができる。その後、消費者は、宛先アプリケーションで小売店で見るものと同じ製品価格をオンラインにて確認し、購入可能な現地の在庫の有無を判断することができる。
【0094】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法は、エッジウェアを包含するまたは含む。エッジウェアは、リーダハードウェアで動作する組み込みソフトウェアであって、オンプレミスコンピュータ装置およびサーバの必要性が排除される。エッジウェアはデータ経路を簡素化し、ユーザへのソフトウェア開発の要求を減らす。一部の実施形態において、エッジウェアは、上述のイベント基盤のデータをリーダからローカルおよび/またはクラウド宛先に直接送る。イベント基盤のデータは信頼性が高く、また、ソフトウェアは逸脱する読み取りを減らすように最適化されており、装置からデータ宛先に送られるデータの量を調整するように柔軟性を備える。
【0095】
D.モバイル端末に近接している画像および/またはデジタル画像内の画像の識別
一部の実施形態において、本明細書に記載のシステムおよび方法は、モバイル端末に近接しているアイテムおよび/またはデジタル画像内におけるアイテムを識別する方法と組み合わせて使用することができる。かかる識別のための方法は、本明細書に参照として組み込まれているU.S.S.N.63/026,392に記載されている。
【0096】
モバイル端末は、スマートフォン、スマートウォッチ、フィットネストラッカ、およびカメラを含むが、これに限定されない。一部の実施形態において、モバイル端末の位置は、当業界に公知の1つ以上の方法または技術を使用して判定される。好適な方法および技術は、屋外測位システム(「OPS」)および屋内測位システム(「IPS」)を含むが、これに限定されない。例示的なOPSは、全地球測位システム(「GPS」)を含むが、これに限定されない。
【0097】
例示的なIPSは、非無線技術および無線技術を含むが、これに限定されない。非無線技術の例としては、磁気測位、慣性測定、視覚的マーカに基づく測位、および公知の視覚的特徴に基づく位置測定を含むが、これに限定されない。無線技術の例としては、超広帯域(UWB)、WiFi測位システム(WiPSまたはWFPS)、Bluetooth、Bluetooth5.1、Bluetooth低エネルギー(BLE)、チョークポイント概念、グリッド概念、長距離感知概念、到着角度、到着時間、受信信号の強度表示、およびこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。
【0098】
一部の実施形態において、モバイル端末の位置を判定するのに使用される方法または技術は、5メートル、4メートル、3メートル、2メートル、1メートル、0.9メートル、0.8メートル、0.7メートル、0.6メートル、0.5メートル、0.4メートル、0.3メートル、0.2メートルまたは0.1メートル以内で正確である。
【0099】
一部の実施形態において、モバイル端末の位置は、本明細書に記載の1つ以上の技術を使用して判定され、モバイル端末に近接している1つ以上のアイテムが識別される。一部の実施形態において、「近接」という用語は、約10メートル、9メートル、8メートル、7メートル、6メートル、5メートル、4メートル、3メートル、2メートル、1メートル、0.9メートル、0.8メートル、0.7メートル、0.6メートル、0.5メートル、0.4メートル、0.3メートル、0.2メートルまたは0.1メートル以内を意味する。しかし、アイテムはさらに遠く離れていてもよい。
【0100】
アイテムのアイデンティティは、当業界に公知の1つ以上の技術を使用して判定することができる。例示的な技術は、プラノグラム、視覚的在庫、RFIDハンドヘルド在庫、RFIDオーバーヘッド在庫、視覚システム在庫、QR、バーコード、NFC、または当業界に公知のその他の方法を含むが、これに限定されない。
【0101】
一部の実施形態において、モバイル端末の位置にある1つ以上のアイテムは、ローカル化されたスキャナにより検出できる1つ以上のセンサが取り付けられている。かかるアイテムは、デジタル方式で識別されると言われている。センサは、圧力接着ラベルや他のタイプのラベルのようなラベル、または吊り下げタグのようなタグに統合することができる。センサは、本明細書に記載の方法および適用に適した当業界に公知の任意のセンサであり得る。一部の実施形態において、センサは、例えば、無線周波数識別(UHFまたはHFなどのRFID)センサ、近距離無線通信(NFC)センサ、高速応答(QR)コード、機械読み取り可能なコード、視覚システム、Bluetooth低エネルギー(BLE)ビーコン、またはその他のデジタル識別(ID)システムである。一部の実施形態において、モバイル端末の位置は、前述した技術のうち1つ以上によって判定され、モバイル端末に近接しているアイテムは、UHF RFIDを使用して識別される。一部の実施形態において、デジタルIDシステムは、UHF Gen2 RFIDまたは同様の標準である。
【0102】
一部の実施形態において、本明細書に記載の方法は、写真またはビデオなどのデジタル画像内で1つ以上のアイテムを識別するステップを含むまたは伴う。写真またはビデオは、これに限定されないが、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、デジタルカメラなどを含むモバイル端末を使用して撮影できる。一部の実施形態において、写真またはビデオ内にある1つ以上のアイテムは、装置自体のリーダ、スマートシェルフ、予定された在庫実行、またはその他のデジタルIDリーダによって記録されたデジタルIDを有する。一部の実施形態において、画像は、画像内にあるアイテムを強調するか、またはリストを作成するためにアイテムをデジタル画像として積極的に検索することができるように、画像と同じ領域で読み取られた画像内のアイテムを関連付けるのに使用される識別(ID)/タイムスタンプを有する。一部の実施形態において、写真またはビデオを撮影するのに使用された装置の位置を示す識別(ID)スタンプは、上述した技術のうち1つ以上を使用して決定または生成することができる。
【0103】
一部の実施形態において、写真またはビデオ内に近接しているおよび/または位置する装置並びにアイテムの位置は、デジタルリポジトリに格納される。一部の実施形態において、装置およびアイテムの位置は、同じデジタルリポジトリまたは異なるデジタルリポジトリに格納される。デジタルリポジトリは、クラウド基盤のアプリケーション、ローカルでホスティング(例を挙げられると、装置自体またはオンプレミス装置、例えば、ラップトップ、タブレット若しくはモバイル端末に対して)、またはこれらの組み合わせであり得る。一部の実施形態において、装置の位置およびアイテムのアイデンティティは、上述の通り、デジタルリポジトリに格納され、また、装置の位置およびアイテムのアイデンティティは、アイテム並びにその上の情報がユーザ、例えば、顧客に提供されるように互いに関連付けられる。ユーザは、識別された全てのアイテムを手動で検索/ナビゲートすることができる。あるいは、ユーザは、ユーザに提示されるアイテムの数を制限するかまたは減らすために、1つ以上のフィルタと組み合わせて手動で検索することができる。例えば、ユーザは、シャツ、パンツ、セーター、ジャケットなどの特定タイプの衣服または衣類、靴、宝石類のようなアクセサリーのみ見るのを望むことがある。別の実施形態において、フィルタは、衣服のタイプだけでなくカラーおよび/またはサイズ、入手可能性などにより、ユーザに提示されるアイテムを限定し得る。ユーザが関心のある1つ以上のアイテムを見る際、さらなる情報を見るためにアイテムを選択することができる。また、本明細書に記載の方法は、可視性、体験、および/またはアイテムが表示される順序を制御するための検索機能を含むことができる。例えば、ユーザは、コンテンツをスライドして消すか、またはコンテンツをスライドして保存し得る。代案的な実施形態において、ユーザは、ボックスをチェックするか、または他の公知方法を使用して関心を表示し得る。
【0104】
ユーザに提供される情報のタイプの例としては、位置、価格、サイズ、入手可能性、クーポンまたは割引、持続可能な材料および製造などのアイテムについての関連または補足的な情報、対話型消費者体験、およびこれらの組み合わせを含むが、これに限定されない。
図1
図2
図3
【国際調査報告】