(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】試験センサーシステム及びそれを使用する方法
(51)【国際特許分類】
G01N 27/26 20060101AFI20231212BHJP
G01N 27/327 20060101ALI20231212BHJP
G01N 33/483 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G01N27/26 371G
G01N27/327 353R
G01N33/483 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023530775
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-05-26
(86)【国際出願番号】 IB2021060838
(87)【国際公開番号】W WO2022112930
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516106184
【氏名又は名称】アセンシア・ダイアベティス・ケア・ホールディングス・アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Ascensia Diabetes Care Holdings AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ルッソ,アンソニー・ピー
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045CA25
2G045FB05
(57)【要約】
流体試料の検体情報を判定するためのシステムは、電気化学的試験センサーと、NFC対応ドングルと、NFC対応リーダーとを含む。試験センサーは、基部と、検体と反応するように適合された酵素と、電極と、試験センサー接点とを含む。NFC対応ドングルは、近距離無線通信(NFC)タグチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含む。ドングルは、試験センサーを受容するための開口を形成する外装カバーを含む。NFC対応リーダーは、流体試料の検体情報を判定することを支援するために、ドングルからデータを無線で受信する。流体試料の検体情報を判定するための別のシステムは、電気化学的試験センサーと、Bluetooth対応ドングルと、Bluetooth対応リーダーとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体試料の検体情報を判定するためのシステムであって、
検体の前記流体試料を受容するように適合された電気化学的試験センサーであって、前記電気化学的試験センサーは、基部を含み、前記基部は、前記検体と反応するように適合された酵素を含み、前記電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点と、を更に含む、電気化学的試験センサーと、
近距離無線通信(NFC)タグチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含むNFC対応ドングルであって、前記NFC対応ドングルは、外装カバーを含み、前記外装カバーは、前記電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する、NFC対応ドングルと、
前記流体試料の前記検体情報を判定することを支援するために、前記NFC対応ドングルからデータを無線で受信するように構成されたNFC対応リーダーと、を備える、システム。
【請求項2】
前記NFC対応リーダーは、スマートフォン、タブレット、又はコンピュータである、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記NFC対応リーダーは、キオスクである、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記NFC対応リーダーは、前記流体試料の前記検体情報を表示する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記NFCタグチップは、読み取り専用データを含み、かつ伝送するように適合され、前記読み取り専用データは、前記流体試料の検体情報を判定することを支援するために、前記NFC対応リーダーに対して前記電気化学的試験センサーを識別する、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記NFC対応リーダーは、ログイン情報を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記アナログフロントエンド(AFE)及び前記マイクロコントローラは、近距離無線通信機(NFC)タグチップに統合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記電気化学的試験センサーは、メディエータを更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記NFC対応ドングルは、ディスプレイ及び1つ以上のボタンの不在下で形成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記NFC対応ドングルは、電池を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
流体試料の検体情報を判定するためのシステムであって、
検体の前記流体試料を受容するように適合された電気化学的試験センサーであって、前記電気化学的試験センサーは、基部を含み、前記基部は、前記検体と反応するように適合された酵素を含み、前記電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点と、を更に含む、電気化学的試験センサーと、
Bluetoothチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラと、電池とを含むBluetooth対応ドングルであって、前記Bluetooth対応ドングルは、外装カバーを含み、前記外装カバーは、前記電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する、Bluetooth対応ドングルと、
前記流体試料の前記検体情報を判定することを支援するために、前記Bluetooth対応ドングルからデータを無線で受信するように構成されたBluetooth対応リーダーと、を備える、システム。
【請求項12】
前記Bluetooth対応リーダーは、スマートフォン、タブレット、又はコンピュータである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記Bluetooth対応リーダーは、キオスクである、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記Bluetooth対応リーダーは、前記流体試料の前記検体情報を表示する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記Bluetoothチップは、読み取り専用データを含み、かつ伝送するように適合され、前記読み取り専用データは、前記流体試料の検体情報を判定することを支援するために、前記NFC対応リーダーに対して前記電気化学的試験センサーを識別する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記アナログフロントエンド(AFE)及び前記マイクロコントローラは、前記Bluetoothチップに統合されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記電気化学的試験センサーは、メディエータを更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記Bluetooth対応ドングルは、ディスプレイ及び1つ以上のボタンの不在下で形成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
前記Bluetooth対応ドングルは、BLE対応ドングルであり、前記Bluetoothチップは、BLEチップである、請求項11に記載のシステム。
【請求項20】
流体試料の検体情報を判定するための方法であって、
検体の前記流体試料を受容するように適合された電気化学的試験センサーを提供することであって、前記電気化学的試験センサーは、基部を含み、前記基部は、前記検体と反応するように適合された酵素を含み、前記電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点と、を更に含む、提供することと、
距離通信(NFC)タグチップ、アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラを含むNFC対応ドングルを提供することであって、前記NFC対応ドングルは、外装カバーを含み、前記外装カバーは、前記電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する、提供することと、
前記試験センサーを、前記NFC対応ドングルの前記開口を介して前記NFC対応ドングルと電気通信させることと、
前記流体試料を前記電気化学的試験センサーと接触させることと、
近距離無線通信(NFC)タグチップ及び前記アナログフロントエンド(AFE)に電力供給することであって、前記アナログフロントエンドは、前記流体試料の前記検体との電気化学的反応を開始することを補助する、電力供給することと、
前記NFC対応ドングル及び前記電気化学的試験センサーをNFC対応リーダーに極めて接近させることと、
データを、前記NFCタグチップを介して、前記NFC対応ドングルから前記NFC対応リーダーに無線で伝送することと、
前記NFC対応ドングルから受信された前記データを使用して、前記NFC対応リーダーを介して前記流体試料の検体情報を判定することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記流体は、血液である、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記NFC対応リーダーは、スマートフォン、タブレット、又はコンピュータである、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記電気化学的試験センサーと前記NFC対応リーダーとの間の距離は、10cm未満である、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記流体試料の前記検体情報は、検体濃度である、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記アナログフロントエンドは、前記流体試料に少なくとも1つの電圧を提供することによって、前記検体との前記電気化学的反応を開始し、前記検体との前記電気化学的反応から形成される電流を生じさせることを支援する、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記流体試料の前記検体情報は、ディスプレイを介してユーザに伝達されるか、又は音声通信において前記ユーザに伝達される、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
流体試料の検体情報を判定するための方法であって、
検体の前記流体試料を受容するように適合された電気化学的試験センサーを提供することであって、前記電気化学的試験センサーは、基部を含み、前記基部は、前記検体と反応するように適合された酵素を含み、前記電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点と、を更に含む、提供することと、
Bluetoothチップ、アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラを含むBluetooth対応ドングルを提供することであって、前記Bluetooth対応ドングルは、外装カバーを含み、前記外装カバーは、前記電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する、提供することと、
前記試験センサーを、前記Bluetooth対応ドングルの前記開口を介して前記Bluetooth対応ドングルと電気通信させることと、
前記流体試料を前記電気化学的試験センサーと接触させることと、
前記Bluetoothチップ及び前記アナログフロントエンド(AFE)に電力供給することであって、前記アナログフロントエンドは、前記流体試料の前記検体との電気化学的反応を開始することを補助する、電力供給することと、
前記Bluetooth対応ドングルをBluetooth対応リーダーにかなり極めて接近させることと、
データを、前記Bluetoothチップを介して、前記Bluetooth対応ドングルから前記Bluetooth対応リーダーに無線で伝送することと、
前記Bluetooth対応ドングルから受信された前記データを使用して、前記Bluetooth対応リーダーを介して前記流体試料の検体情報を判定することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年11月24日に出願された米国仮特許出願第17/102,820号の優先権を主張し、当該仮出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本発明は、概して、検体濃度を判定するための電気化学的試験センサーを使用するシステム及び方法に関する。より具体的には、本発明は、概して、検体メーターの不在下で検体濃度を判定するための電気化学的試験センサーを使用するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
体液中の検体の定量的判定は、特定の身体状態の診断及び維持において非常に重要である。例えば、乳酸、コレステロール及びビリルビンは、特定の個人において監視されるべきである。特に、糖尿病患者は、食事中のグルコース摂取量を調節するために、体液中のグルコースレベルを頻繁にチェックすることが重要である。そのような試験の結果は、もしあれば、どのインスリン又は他の薬物が投与される必要があるかどうかを判定するために使用されることができる。あるタイプの血中グルコース試験システムでは、試験センサーが血液の流体試料を試験するために使用される。
【0004】
典型的なシナリオでは、検体濃度を判定するために、ユーザは、複数の試験センサー(例えば、電気化学的試験センサー)及び検体メーター(例えば、血中グルコースメーター)を持ち運ぶことになる。検体メーターは、典型的には、試験センサーを受容するための開口、メモリ、プロセッサ、試験結果を示すためのディスプレイ、及び、ディスプレイをナビゲートするための複数のボタン又は他の機構を含む。検体メーターは、いくつかのユーザ設定、及びそれと関連付けられた学習曲線を必要とし得る。
【0005】
典型的な検体判定システムの所望される機能を提供しながら、最大限のユーザ利便性を提供するために、そのようなアプローチを合理化することが望まれる。
【発明の概要】
【0006】
一実施形態によれば、流体試料の検体情報を判定するためのシステムは、電気化学的試験センサーと、NFC対応ドングルと、NFC対応リーダーとを含む。電気化学的試験センサーは、検体の流体試料を受容するように適合されている。電気化学的試験センサーは、基部を含む。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。NFC対応ドングルは、近距離無線通信(NFC)タグチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含む。NFC対応ドングルは、外装カバーを含む。外装カバーは、電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する。NFC対応リーダーは、流体試料の検体情報を判定することを支援するために、NFC対応ドングルからデータを無線で受信するように構成されている。
【0007】
別の実施形態によれば、流体試料の検体情報を判定するためのシステムは、電気化学的試験センサーと、Bluetooth対応ドングルと、Bluetooth対応リーダーとを含む。電気化学的試験センサーは、検体の流体試料を受容するように適合される。電気化学的試験センサーは、基部を含む。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。Bluetooth対応ドングルは、Bluetoothチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラと、電池とを含む。Bluetooth対応ドングルは、外装カバーを含む。外装カバーは、電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する。Bluetooth対応リーダーは、流体試料の検体情報を判定することを支援するために、Bluetooth対応ドングルからデータを無線で受信するように構成されている。
【0008】
一方法によれば、流体試料の検体情報は、電気化学的試験センサー、NFC対応ドングル、及びNFC対応リーダーを使用して判定される。検体の流体試料を受容するように適合された電気化学的試験センサーが、提供されている。電気化学的試験センサーは、基部を含む。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。NFC対応ドングルが提供され、距離通信(NFC)タグチップ、アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラを含む。NFC対応ドングルは、外装カバーを含む。外装カバーは、電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する。電気化学的試験センサーは、NFC対応ドングルの開口を介して、NFC対応ドングルと電気通信させられる。流体試料は、電気化学的試験センサーと接触する。近距離無線通信(NFC)タグチップ及びアナログフロントエンド(AFE)は、電力供給される。アナログフロントエンドは、流体試料の検体との電気化学的反応を開始することを支援する。NFC対応ドングル及び電気化学的試験センサーは、NFC対応リーダーに極めて接近させられる。データは、NFCタグチップを介して、NFC対応ドングルからNFC対応リーダーに無線で伝送される。流体試料の検体情報は、NFC対応ドングルから受信されたデータを使用して、NFC対応リーダーを介して判定される。
【0009】
別の方法によれば、流体試料の検体情報は、電気化学的試験センサー、Bluetooth対応ドングル、及びBluetooth対応リーダーを使用して判定される。検体の流体試料を受容するように適合された電気化学的試験センサーが、提供されている。電気化学的試験センサーは、基部を含む。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。Bluetooth対応ドングルが提供され、Bluetoothチップ、アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラを含む。Bluetooth対応ドングルは、外装カバーを含む。外装カバーは、電気化学的試験センサーを受容するための開口を形成する。電気化学的試験センサーは、Bluetooth対応ドングルの開口を介して、Bluetooth対応ドングルと電気通信させられる。流体試料は、電気化学的試験センサーと接触される。Bluetoothチップ及びアナログフロントエンド(AFE)は、電力供給される。アナログフロントエンドは、流体試料の検体との電気化学的反応を開始することを支援する。Bluetooth対応ドングルは、Bluetooth対応リーダーにかなり極めて接近させられる。データは、Bluetoothチップを介して、Bluetooth対応ドングルからBluetooth対応リーダーに無線で伝送される。流体試料の検体情報は、Bluetooth対応ドングルから受信されたデータを使用して、Bluetooth対応リーダーを介して判定される。
【0010】
上記の要約は、本発明の各実施形態又は全ての態様を表すことを意図しない。本発明の更なる特徴及び利点は、以下に記載される詳細な説明及び図面から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の他の利点は、以下の詳細な説明を読むと、及び以下の図面を参照すると、明らかになるであろう。
【
図1A】システムにおいて使用される一実施形態による電気化学的試験センサーの上面図である。
【
図1C】蓋及びスペーサが取り外された後の、
図1Aの電気化学的試験センサーの上面図である。
【
図1D】
図1Cに示される概して矩形の領域1Dの拡大図である。
【
図2A】一実施形態による、
図1A及び
図1Cの電気化学的試験センサーと、近距離無線通信(NFC)対応ドングルと、近距離無線通信(NFC)対応リーダーとを含むシステムである。
【
図2B】
図2Aに示されるNFC対応ドングルの正面図である。
【
図3A】
図2Aのシステムにおいて使用される近距離無線通信(NFC)タグチップの概略図である。
【
図3B】別の実施形態によるNFCタグチップの概略図である。
【
図4A】別の実施形態による、
図1A及び
図1Cの電気化学的試験センサーと、NFC対応ドングルと、NFC対応リーダーとを含むシステムである。
【
図4B】
図4Aに示されるNFC対応ドングルの正面図である。
【
図5】一方法による検体情報を判定するステップのフローチャートである。
【
図6A】一実施形態による、
図1A及び
図1Cの電気化学的試験センサーと、Bluetooth対応ドングルと、Bluetooth対応ホスト/リーダーとを含むシステムである。
【
図6B】
図6Aに示されるBluetooth対応ドングルの正面図である。
【
図7】
図6Aのシステムにおいて使用されるBluetoothチップの概略図である。
【
図8】別の方法による検体情報を判定するステップのフローチャートである。
【0012】
本発明は、様々な修正及び代替的な形態の影響を受けやすいが、その特定の実施形態は、例として図面に示されており、本明細書で詳細に記載されるであろう。しかしながら、本発明を開示される特定の形態に限定することは意図されないが、逆に、その意図は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内の全ての修正、均等物、及び代替物を包含することであることを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0013】
電気化学的試験センサーは、流体試料を受容するように適合される。試験センサーは、検体濃度のような検体に関連する情報を判定することを支援する。本出願内で使用される場合、「濃度」という用語は、検体濃度、活性(例えば、酵素及び電解質)、力価(例えば、抗体)、又は所望される検体を測定するために使用される任意の他の測定濃度を指す。測定され得る検体は、グルコース、脂質プロファイル(例えば、コレステロール、トリグリセリド、LDL及びHDL)、マイクロアルブミン、ヘモグロビンA1C、尿素、クレアチニン、フルクトース、乳酸、又はビリルビンを含む。他の検体濃度が判定され得ることが企図される。検体は、例えば、全血試料、血清試料、血漿試料、ISF(間質流体)及び尿などの他の体液、並びに非体液の中にあり得る。
【0014】
一実施形態では、電気化学的試験センサーは、検体を含む流体試料を受容するように適合される。下で考察される電気化学的試験センサーは、NFC対応ドングル又はBluetooth(登録商標)対応ドングルと組み合わせて使用される。
【0015】
電気化学的試験センサーは、基部を備える。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。
【0016】
本発明は、電気化学的試験センサーが、検体メーター(例えば、グルコースメーター)の不在下で機能するという点で有利である。したがって、検体メーターは、本発明の電気化学的試験センサーと共に使用されない。ここで、ユーザは、検体濃度を判定するために検体メーターを持ち運ぶ必要を便利に回避する。しかしながら、ユーザは、近距離無線通信(NFC)対応ドングル又はBluetooth対応ドングルを持ち運ぶことを必要とする。更に、従来の検体メーターを使用する場合とは異なり、本発明の方法に関与する設定及び学習曲線はほとんど又はまったくない。
【0017】
本発明はまた、検体濃度を計算するためのアルゴリズムをより容易に修正する能力において有利である。本発明では、アルゴリズムは、アプリケーションにおけるNFC対応リーダー(例えば、スマートフォン)の一部であり得るか、又は例えば、クラウド内のサーバファームに存在することができる。別の実施形態では、アルゴリズムは、アプリケーションにおけるBLE対応リーダー(例えば、スマートフォン)の一部であり得るか、又は例えば、クラウド内のサーバファームに存在することができる。本発明におけるアルゴリズムをユーザのために更新することは便利であり、著しく容易であり、したがって、更新は、所望であれば、より頻繁であることができる。これは、例えば、無線(over-an-air)更新又は検体メーター全体の交換でサポートする必要がある検体メーターのファームウェアに格納されたアルゴリズムを修正することとは対照的である。これはまた、更新がはるかに困難であるだけでなく、特に、検体メーターを交換する必要がある場合、コストが高くなる。
【0018】
本明細書に記載された試験センサーは、電気化学的試験センサーである。電気化学的試験センサーの1つの非限定的な実施例は、
図1A~
図1Dに示されている。
図1A~
図1Dは、基部12と、蓋14と、流体受容領域又はチャネル16と、複数の電極18、20、22及び24とを含む電気化学的試験センサー10を示す。一実施形態における流体受容領域16は、毛細管チャネルである。複数の電極は、対電極18と、作用(測定)電極20と、検出充填電極22と、ヘマトクリット電極24とを含む。流体受容領域16は、流体試料を電気化学的試験センサー10に導入するための流路を提供する。電極18、20、22、及び24は、複数の試験センサー接点34a、34b、34c、及び34dと通信する複数の導電性リード26a、26b、26c、及び26dのそれぞれ1つに結合される。複数の電極は、金、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、炭素、又はそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない、様々な導電性材料から作製され得る。
【0019】
他の実施形態では、4つ未満の電極が使用され得ることが企図される。例えば、一実施形態では、電気化学的試験センサーは、2つの電極(作用電極及び対電極)を含み得る。別の実施形態では、電気化学的試験センサーは、3つの電極(作用電極、対電極、及び検出充填電極)を含み得る。他の電極が、電気化学的試験センサーに使用され得ることが企図される。
【0020】
試薬領域28は、流体試料(例えば、血液)中の目的の検体(例えば、グルコース)を、それが生成する電流の観点において、電極パターンの構成要素によって電気化学的に測定可能である化学種に変換するための少なくとも1つの試薬を含む。試薬は、典型的には、電極によって検出され得る電気化学的に測定可能な種を生成するために、検体及び電子受容体と反応する検体特異的酵素を含む。検体がグルコースである場合、試薬は、グルコースオキシダーゼ又はグルコースデヒドロゲナーゼのような酵素を含む。
【0021】
試薬は、典型的には、検体と電極との間で電子を伝達することを支援するメディエータを含む。メディエータの非限定的な例は、フェノキサジン、フェノチアジン、フェリシアニド、又は当業者に馴染みのあるものの中でもテトラゾリウム塩を含む。試薬は、酵素及びメディエータを一緒に保持する結合剤、緩衝剤、セルロースポリマー、界面活性剤、他の不活性成分、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0022】
流体試料(例えば、血液)は、一実施形態では、流体受容領域16を介して試薬領域28に適用される。流体試料は、少なくとも1つの試薬と反応する。試薬と反応した後、複数の電極と連動して、流体試料は、検体濃度を判定することを支援する電気信号を生成する。導電性リード26a~26dは、電気信号をそれぞれの試験センサー接点34a~34dに運び戻す。
【0023】
図1Bを参照すると、
図1Aの電気化学的試験センサー10の正面図が示されている。
図1Bに示されるように、電気化学的試験センサー10は、蓋14と、スペーサ30と、基部12とを含む。蓋14、スペーサ30、及び基部12の組み合わせは、流体受容領域16を形成する。基部12、蓋14、及びスペーサ30は、ポリマー材料のような様々な材料から作製され得る。基部12、蓋14、及びスペーサ30を形成するために使用され得るポリマー材料の非限定的な例は、ポリカーボネートと、ポリエチレンテレフタレート(PET)と、ポリエチレンナフタレート(PEN)と、ポリイミドと、これらの組み合わせを含む。基部、スペーサ、及び蓋は、他の材料から独立して作製され得ることが企図される。他の材料は、基部12、蓋14、及び/又はスペーサ30を形成することにおいて使用され得ることが企図される。
【0024】
図1A~
図1Dの電気化学的試験センサー10を形成するために、基部12、スペーサ30、及び蓋14は、例えば、接着剤又はヒートシールによって取り付けられる。基部12、蓋14、及びスペーサ30が取り付けられるときに、流体受容領域16は、形成される。
図1Aに示されているように、流体受容領域16は、電気化学的試験センサー10の第1の端部又は試験端部32に形成されている
【0025】
電気化学的試験センサーは、スペーサの不在下で形成され得ることも企図される。例えば、電気化学的試験センサーは、基部及び蓋が互いに取り付けられたときに流体受容領域(例えば、毛細管チャネル)が形成されるように、基部と、蓋とを含み得る。電気化学的試験センサーは、基部のみを使用して形成され得ることが企図される。
【0026】
図1A、
図2A、及び
図2Bを参照すると、システム200は、電気化学的試験センサー10と、近距離無線通信(NFC)対応ドングル40と、近距離無線通信(NFC)対応リーダー290とを含む。一実施形態におけるNFC対応ドングルは、小型かつ軽量である。ドングルは、人間工学的考慮事項の改善を支援するために、所望であれば、少し重くすることができる。
【0027】
NFC対応ドングル40は、近距離無線通信(NFC)タグチップ50と、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含む。具体的には、
図2Bを参照すると、NFC対応ドングル40は、外装カバー42を含む。外装カバー42は、典型的には、ポリマー材料で作製されている。ドングルは、他の材料で作製され得ることが企図される。外装カバー42は、電気化学的試験センサー10を受容するための開口44を形成する。ドングルの外装カバー42は、その中に含まれる構成要素を保護することを支援する。
【0028】
NFCタグチップ50は、例えば、好適な接着剤及び/又はプロングのような機械的結合機構によってNFC対応ドングル40に固定され得る。他の方法が、NFCタグチップをNFC対応ドングルに固定する際に使用され得ることが企図される。一実施形態におけるNFCタグチップ50は、NFC対応ドングル40の内部に位置する。
【0029】
近距離無線通信(NFC)は、NFC規格を介して通信するための、小型アンテナと、ハードウェアとを含む。近距離無線通信(NFC)は、極めて接近で無線データ接続を提供する既知の世界的標準である。NFCは、現在、約20cm以下、おそらくは約10cm以下未満の通信距離で使用されている。他の実施形態では、NFCは、典型的には、約8cm未満又は6cm未満の通信距離で使用される。別の実施形態では、NFCは、より一般的には、約5cm未満又はおよそ約4cm未満の通信距離で使用される。NFCタグチップは、極めて接近しているときに、NFC対応リーダーと無線で通信する。
【0030】
近距離無線通信(NFC)は、簡単なトランザクション、データ交換、タッチによる接続を可能にする。2004年に設立された近距離無線通信フォーラム(NFCフォーラム)は、NFC対応リーダー又はデバイス間の共有、ペアリング、及びトランザクションを促進し、NFC規格に準拠するデバイスを開発及び認証する。NFCは、ISO/IEC18000-3エアインタフェース上の13.56MHzで、及び106kbit/秒~848kbit/秒のレートで動作する。NFCの短距離は、暗号化情報を非公開に保つのに役立つ。したがって、例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、又はキオスクのようなNFC対応リーダーは、検体濃度を判定することを支援するために、NFC対応ドングルから情報を受信することができる。
【0031】
具体的には、
図3Aを参照すると、近距離無線通信(NFC)タグチップ50は、アナログフロントエンド(AFE)52と、電力管理モジュール54と、メモリ56と、シリアル周辺インタフェース(SPIスレーブ)58と、マイクロコントローラ60と、オンチップ温度センサー62と、アナログ/デジタル(A/D)コンバータ64と、リアルタイムクロック66と、アンテナ68とを含む。マイクロコントローラ60はまた、一実施形態では、制御又は処理ロジックモジュール70と、メモリインタフェース72と、暗号化モジュール74と、認証モジュール76と、衝突防止モジュール78とを含む。全てのNFCタグチップが、これらのモジュール又は機能の全てが含まれているわけではないことに留意されたい。例えば、いくつかのNFCタグチップは、温度センサーを含まない。
【0032】
この実施形態では、NFC対応ドングル40は、電池を含まない。この実施形態では、近距離無線通信(NFC)タグチップ50は、NFC対応リーダーから電力を受容する能力を有する。したがって、NFC対応ドングル40は、完全に受動的である。この実施形態におけるNFCは、イニシエータ(NFC対応リーダー)と、ターゲット(NFC対応ドングル40)とを含む。イニシエータは、受動的ターゲット(NFC対応ドングル40)に電力供給するRFフィールドを能動的に生成する。これは、NFCターゲットが電池を必要としないタグ又はステッカーのような非常に簡単なフォームファクタを取ることを可能にする。
【0033】
別の実施形態では、NFC対応ドングルは、近距離無線通信(NFC)及び/又は信号サンプリングのためのAFEモジュールに電力供給するための電池を含み得る。
図3Bを参照すると、NFCタグチップ150は、電池84を含む。NFCタグチップ150は、電池84が含まれているときに必要とされない電力管理モジュール54を除いて、NFCタグチップ50に記載されているようなモジュールの全てを含む。一実施形態では、電池84は、NFCタグチップ150に電力供給するために使用される1.5又は3Vの電池である。NFCピアツーピア通信は、もちろん、両方のデバイスに電源供給されている場合に可能である。例えば、NFCタグチップを有するNFC対応ドングルは、NFC対応リーダーとのピアツーピア通信を実装するように構成され得る。
図4A及び
図4Bを参照すると、システム300は、NFCタグチップ150を有するNFC対応ドングル140と、NFC対応リーダー290とを含む。
【0034】
本発明で使用され得る、マイクロコントローラ及びアナログフロントエンド(AFE)を含む近距離無線通信(NFC)タグチップの非限定的な商業的例は、Amsによって製造/販売されるSL13A-AQFMである。
【0035】
本発明で使用され得る近距離無線通信(NFC)タグチップの非限定的な商業的例は、オランダのNXP Semiconductorsによって製造/販売されるタグのNTAG 210μファミリーである。本発明で使用され得る近距離無線通信(NFC)タグチップの非限定的な商業的例は、スイスのST Microelectronicsによって製造/販売されるタグのST25Tファミリーである。本発明で使用され得る、アナログフロントエンド(AFE)を含む近距離無線通信(NFC)タグチップの別の非限定的な商業的例は、スイスのST Microelectronicsによって製造/販売されるST25R3916/7である。
【0036】
アナログフロントエンド(AFE)52は、電気化学を駆動し、結果をサンプリングするために使用されている。一実施形態では、アナログフロントエンド52は、試薬と流体試料中の検体との間の電気化学的反応を開始する試薬領域28に電圧を加える。この実施形態における電気化学的反応から生成される結果として生じる電流は、アナログフロントエンド52によってサンプリングされる。電流のこの測定値は、更なる処理のためにNFC対応リーダーに無線で伝送される。
【0037】
一実施形態では、アナログフロントエンド(AFE)は、
図3AにおけるNFCタグチップ50に示されるようなNFC対応リーダーを介して電力供給されている。別の実施形態では、AFEは、
図3Bに示されるように、NFCタグチップ150上に位置する電池84によって電力供給されている。本発明で使用され得るアナログフロントエンド(AFE)の非限定的な商業的例は、米国のTexas Instrumentsによって製造/販売されるAFE4400である。
【0038】
NFCタグチップ50のメモリ56は、典型的には、EEPROMの形態である。使用され得るメモリの1つの非限定的な例は、8kbitのEEPROMである。他の形態のEEPROM又は他のタイプのメモリが使用され得ることが企図される。例えば、フラッシュメモリは、NFCタグチップにおいて使用され得る。
【0039】
NFC対応ドングル40におけるマイクロコントローラ60は、アンテナ68を通してNFC対応リーダーに信号を受信及び送信することに関わる動作を実行する。マイクロコントローラ60は、アナログフロントエンド(AFE)52を制御し、電気信号を読み取り可能なデータに変換することを支援する。マイクロコントローラ60は、アナログフロントエンド(AFE)52にサンプリングを開始するように指示する。NFC対応ドングルは、望ましくはローエンドマイクロプロセッサを含む。ローエンドマイクロプロセッサは、流体試料の検体情報を判定するための1つ以上のアルゴリズムを実行しない。本発明で使用され得るマイクロコントローラの非限定的な商業的例は、オランダのNXP Semiconductorsによって製造/販売されるLPC800シリーズである。
【0040】
アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラ、及び近距離無線通信機(NFC)は、別個のチップ又は構成要素であり得ることが企図される。これらの実施形態におけるNFCタグチップは、下端タグチップとみなされるであろう。これらの構成要素のうちの2つ以上が一緒に統合され得ることが企図される。1つの非限定的な例では、アナログフロントエンド(AFE)及び近距離無線通信機(NFC)は、一緒に統合される。別の例では、マイクロコントローラ及び近距離無線通信機(NFC)は、一緒に統合される。更なる例では、アナログフロントエンド(AFE)及びマイクロコントローラは、一緒に統合される。アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラ、及び近距離無線通信機(NFC)は、
図2AにおけるNFCチップタグ50と共に示されるように、全て一緒に統合され得ることが企図される。
【0041】
一実施形態では、検体情報(例えば、検体濃度)を判定するためのシステムは、電気化学的試験センサーと、NFC対応ドングルと、NFC対応リーダーとを含む。NFC対応リーダーは、流体試料の検体濃度の判定を支援するために、NFC対応ドングルからデータを無線受信するように構成されている。電気化学的試験センサーは、検体を含む流体試料を受容するように適合される。電気化学的試験センサーは、基部を備える。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。NFC対応ドングルは、近距離無線通信(NFC)タグチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含む。使用され得る電気化学的試験センサーの1つの非限定的な例は、電気化学的試験センサー10である。使用され得る1つの非限定的な例は、NFC対応ドングル40である。
【0042】
図2Aに戻って参照すると、システム200は、電気化学的試験センサー10と、NFC対応ドングル40と、NFC対応リーダー290とを含む。NFC対応リーダーは、そこから情報を得るために、NFC対応ドングル上のNFCチップタグを読み取ることができる。NFC対応リーダーは、典型的には、スマートフォン、タブレット、又はコンピュータである。他のNFC対応リーダーが使用され得ることも企図される。例えば、NFC対応リーダーは、キオスクであり得る。キオスクは、流体試料の検体濃度を判定することにおける使用のために具体的に設計されたキオスクであり得る。キオスクは、病院のような医療現場において有用であり得る。
【0043】
NFC対応リーダー290は、ディスプレイ292と、ディスプレイ292をナビゲートするための1つ以上のボタン294又は他の機構とを含む。ディスプレイ292は、典型的には、流体試料の検体情報又は他の情報を示すために使用される。ディスプレイ292は、アナログ又はデジタルであり得る。ディスプレイ292は、LCD、LED、OLED、真空蛍光、又は検体情報のような数値読み取り値を示すように適合された他のディスプレイであり得る。検体情報(例えば、検体濃度)は、NFC対応リーダーからの音声通信で伝達され得ることが企図される。
【0044】
検体情報(例えば、検体濃度)を判定することを支援するために、一実施形態では、1つ以上のアルゴリズムは、NFC対応リーダー290にダウンロードされる。ここでは、NFC対応リーダーは、スマートフォンとして示されている。上で考察されたように、NFC対応リーダーは、タブレット、コンピュータ、又はキオスクであり得る。1つ以上のアルゴリズムを使用するNFC対応リーダーは、無線で伝送されるNFC対応ドングルから生データを取り込み、検体情報を計算する。1つ以上のアルゴリズムは、ダウンロードされ、NFC対応リーダーに格納され得る。
【0045】
別の実施形態では、NFC対応ドングルにおける近距離無線通信(NFC)タグチップは、読み取り専用データを含み、伝送し得る。この読み取り専用データは、NFC対応リーダーに対して電気化学的試験センサーを識別する。リーダーは、検体情報(例えば、検体濃度)を判定するために、読み取り専用データを認識し、適切な1つ以上のアルゴリズムを実行する。
【0046】
更なる実施形態では、NFC対応リーダーは、データを収集すること及び分類することを支援するためのアルゴリズムを使用する前に、ユーザについてのログイン情報を含み得る。データは、NFC対応リーダーにローカルに格納され得、又はクラウドベースの格納位置のような別の格納位置に外部に送信され得る。データが他の場所に送信され得ることが企図される。
【0047】
一方法は、
図5のフローチャートに示され、検体情報を判定し、ユーザに搬送するためのステップを含む。
図5を参照すると、ステップ500は、電気化学的試験センサーを提供する。ステップ502では、流体試料は、電気化学的試験センサーに接触する。ステップ504は、電気化学的試験センサーをNFC対応ドングルに物理的に挿入する。ステップ506は、アナログフロントエンド(AFE)に電力供給し、検体との電気化学的反応を開始する。ステップ508では、データは、電気化学的反応からNFC対応リーダーに伝送される。ステップ510では、検体情報(例えば、検体濃度)は、流体試料から判定される。ステップ512では、検体情報は、NFC対応リーダーを使用してユーザに伝達される。
【0048】
一方法では、流体試料の検体情報は、判定される。電気化学的試験センサーが、提供されている。例えば、使用され得る電気化学的試験センサーは、電気化学的試験センサー10である。流体試料は、流体受容領域16を介して試薬領域28に接触する。一方法では、流体試料は、指を刺すことによって取得される。この場合、流体試料は、血液である。流体試料は、他の方法によって取得され得る。他の流体が使用され得ることが企図される。電気化学的試験センサーは、NFC対応ドングルに物理的に挿入される。
【0049】
一方法では、挿入された電気化学的試験センサーを有するNFC対応ドングルは、NFC対応リーダーに極めて接近させられるか、又は配置される。NFC対応ドングルは、NFC対応リーダーに極めて接近させられるか、又は配置され得、次いで電気化学的試験センサーは、NFC対応ドングルに物理的に挿入されることが企図される。
【0050】
一方法では、NFC対応ドングルをNFC対応リーダーに極めて接近させた後、アナログフロントエンド(AFE)52を含む近距離無線通信(NFC)タグチップ50は、電力供給される。1つの非限定的な例では、NFC対応ドングルへのNFC対応デバイスのタップは、電気化学的試験センサーの検体情報を即座に共有するために、使用されることができる。NFC対応リーダー又はデバイスをNFC対応ドングルにタップすることは、2つのデバイス間の無線接続を確立するために使用されることができる。
【0051】
別の例では、NFC対応ドングルは、上で考察されたように、極めて接近することができる。NFCは、現在、約20cm以下、おそらくは約10cm以下の通信距離で使用されている。他の実施形態では、NFCは、典型的には、約8cm未満又は6cm未満の通信距離で使用される。別の実施形態では、NFCは、より一般的には、約5cm未満又はおよそ約4cm未満の通信距離で使用される。NFC対応ドングルのNFCチップタグは、極めて接近しているときに、NFC対応リーダーと無線で通信する。
【0052】
アナログフロントエンド52は、マイクロプロセッサ60からの命令を受信した後、検体との電気化学的反応を開始することを支援する。反応が開始された後、NFC対応ドングルのNFCタグチップを介する電気化学的反応からのデータは、NFC対応リーダーに無線で伝送される。流体試料の検体情報は、NFC対応ドングル及び少なくとも1つのアルゴリズムから受信されたデータを使用して、NFC対応リーダー上で判定される。アルゴリズムは、NFC対応リーダーに、又はクラウドにおけるサーバファームに格納され得る。
【0053】
一方法では、アナログフロントエンド(AFE)は、流体試料に少なくとも1つの電圧を提供することによって、検体との電気化学的反応を開始し、電気化学的反応から形成される電流を生じさせることを支援する。アナログフロントエンドは、電気化学的反応を開始するために励起信号を提供し得る。電気化学的分析中、励起信号は、生体流体の試料に適用される。励起信号は、電位又は電流であり得、一定、可変、又はそれらの組み合わせであり得る。励起信号は、単一のパルスとして、又は複数のパルス、シーケンス、又はサイクルとして適用され得る。アンペロメトリ、クーロメトリ、ボルタンメトリ、ゲートアンペロメトリ、ゲートボルタンメトリなどのような、様々な電気化学的プロセスが使用され得る。
【0054】
一方法では、近距離無線通信(NFC)タグチップ50は、NFC対応リーダーによって電力供給される。NFC対応リーダーは、NFC対応リーダー290を含む、上で考察されたNFC対応リーダーであり得る。別の方法では、
図3Bに関して考察されるように、電池84は、NFCタグチップ150及び/又は信号サンプリングのためのAFEモジュール52に電力供給する。
【0055】
図1A、
図6A、及び
図6Bを参照すると、システム400は、電気化学的試験センサー10と、Bluetooth対応ドングル440と、Bluetooth対応ホスト/リーダー490とを含む。一実施形態におけるドングルは、小型かつ軽量である。Bluetoothドングルは、人間工学的考慮事項の改善を支援するために、所望であれば、少し重くすることができる。Bluetooth対応ドングル440の非限定的な例は、Bluetooth low energy(BLE)ドングルである。Bluetooth対応ドングルは、新しい規格であるBluetooth low energy(BLE)の代わりに、Bluetooth Classic(古い規格)を使用し得ることが企図される。
【0056】
Bluetooth対応ドングル440は、Bluetoothチップ450と、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含む。
図6Bを参照すると、Bluetooth対応ドングル440は、外装カバー442を含む。外装カバー442は、典型的には、ポリマー材料で作製されている。ドングルは、他の材料で作製され得ることが企図される。外装カバー442は、電気化学的試験センサー10を受容するための開口444を形成する。ドングルの外装カバー442は、その中に含まれる構成要素を保護することを支援する。
【0057】
Bluetoothチップ450は、例えば、好適な接着剤及び/又はプロングのような機械的結合機構によってBluetooth対応ドングル440に固定され得る。他の方法が、BluetoothチップをBluetooth対応ドングルに固定する際に使用され得ることが企図される。一実施形態におけるBluetoothチップ450は、Bluetooth対応ドングル440の内部に位置する。
【0058】
Bluetoothペアリングは、2つのBluetoothデバイスが互いに通信することに同意し、接続を確立するときに発生する。2つのBluetooth無線デバイスをペアリングするために、パスワード(パスキー)は、2つのデバイス間で交換される。パスキーは、両方のユーザが互いにペアリングすることに同意していることを証明する、両方のBluetoothデバイスで共有されているコードである。パスキーコードが交換された後、暗号化通信は、ペアデバイス間で設定されることができる。Wi-Fi皮むきでは、全てのペアリングは、転送を非公開に保つために、WPA2暗号化又は別のタイプの暗号化スキームで設定されることができる。Wi-Fi Directは、2つのWi-Fiデバイス間の二地点間通信を確立するために使用されることができるプロトコルの例である。このプロトコルは、Wi-Fiデバイスが最初にローカルネットワークに参加することなく、別のデバイスと直接ペアリングすることを可能にする。本方法は、ルータが存在しないときでさえ、Bluetooth対応ホスト/リーダー(例えば、電話)からのデータを共有し、直接通信することを可能にする。
【0059】
例えば、Bluetoothは、Bluetooth規格を介して通信するための、小型アンテナと、ハードウェアとを含む。Bluetoothは、かなり極めて接近内で無線データ接続を提供する既知の世界的標準である。Bluetoothは、現在、約100メートル未満、おそらくは約50メートル未満の通信距離で使用されている。他の実施形態では、Bluetoothは、典型的には、約30メートル未満又は20メートル未満の通信距離で使用されている。別の実施形態では、Bluetoothは、より一般的には、約15メートル未満又は約10メートル未満の通信距離で使用されている。Bluetoothチップは、かなり極めて接近内でBluetooth対応ホスト/リーダーと無線で通信する。
【0060】
Bluetoothは、簡単なトランザクション、データ交換、一定の近接内での接続を可能にする。Bluetooth Classicは、1989年に策定され、BLEは、2009年に策定された。Bluetooth Classicは、1~3Mbit/秒の無線経由データレートで、0.7~2.1Mbit/秒のアプリケーションスループットを有する2.400GHz~2.4835GHzで動作する。BLEは、125kbit/s~2Mbit/秒の無線経由データレートで、0.27~1.37Mbit/秒のアプリケーションスループットを有する2.400GHz~2.4835GHzで動作する。BLEは、Bluetooth Classicとは異なるチャネルのセットを使用する。BLEは、Bluetooth Classicよりも消費電力を少なく使用する。Bluetoothの短距離は、暗号化情報を非公開に保つのに役立つ。したがって、例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータ、又はキオスクのようなBluetooth対応リーダーは、検体濃度を判定することを支援するために、Bluetooth対応ドングルから情報を受信することができる。
【0061】
具体的には、
図7を参照すると、Bluetoothチップ450は、アナログフロントエンド(AFE)452と、電池454と、マイクロコントローラユニット456と、リアルタイムクロック458と、アンテナ460と、メモリ462と、フィルタ464と、RFトランシーバ466と、複数の結晶部468、470とを含む。マイクロコントローラユニット456は、
図7に示されていない多くの追加モジュールを含む。
【0062】
本発明で使用され得る、マイクロコントローラ及びアナログフロントエンド(AFE)を含むBluetooth Classicを使用するBluetoothチップの非限定的な商業的例は、Texas Instrumentsによって製造/販売されるCC2564ファミリーである。本発明で使用され得る、マイクロコントローラ及びアナログフロントエンド(AFE)を含むBLEを使用するBluetoothチップの非限定的な商業的例は、Cypress Semiconductorによって製造/販売されるCYW20732A0である。
【0063】
アナログフロントエンド(AFE)452は、電気化学を駆動し、結果をサンプリングするために使用されている。一実施形態では、アナログフロントエンド452は、試薬と流体試料中の検体との間の電気化学的反応を開始する試薬領域28に電圧を加える。この実施形態における電気化学的反応から生成される結果として生じる電流は、アナログフロントエンド452によってサンプリングされる。電流のこの測定値は、更なる処理のためにBluetooth対応リーダーに無線で伝送される。
【0064】
AFE452は、
図7に示されるように、Bluetoothチップ450上に位置する電池454によって電力供給されている。本発明で使用され得るアナログフロントエンド(AFE)の非限定的な商業的例は、米国のTexas Instrumentsによって製造/販売されるAFE4400である。
【0065】
Bluetoothチップ450のメモリ462は、EEPROMの形態であり得る。使用され得るメモリの1つの非限定的な例は、EEPROMである。他のタイプのメモリが使用され得ることが企図される。例えば、フラッシュメモリは、Bluetoothチップにおいて使用され得る。
【0066】
Bluetooth対応ドングル440におけるマイクロコントローラユニット456は、アンテナ460を通してBluetooth対応リーダーに信号を受信及び送信することに関わる動作を実行する。マイクロコントローラユニット456は、アナログフロントエンド(AFE)452を制御し、電気信号を読み取り可能なデータに変換することを支援する。マイクロコントローラユニット456は、アナログフロントエンド(AFE)452にサンプリングを開始するように指示する。Bluetooth対応ドングルは、望ましくはローエンドマイクロプロセッサを含む。ローエンドマイクロプロセッサは、流体試料の検体情報を判定するための1つ以上のアルゴリズムを実行しない。本発明で使用され得るマイクロコントローラの非限定的な商業的例は、オランダのNXP Semiconductorsによって製造/販売されるLPC800シリーズである。
【0067】
アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラ、及びBluetoothチップは、別個のチップ又は構成要素であり得ることが企図される。これらの実施形態におけるBluetoothチップは、下端チップとみなされるであろう。これらの構成要素のうちの2つ以上が一緒に統合され得ることが企図される。1つの非限定的な例では、アナログフロントエンド(AFE)及びBluetoothチップは、一緒に統合される。別の例では、マイクロコントローラ及びBluetoothチップは、一緒に統合される。更なる例では、アナログフロントエンド(AFE)及びマイクロコントローラは、一緒に統合される。アナログフロントエンド(AFE)、マイクロコントローラ、及びBluetoothチップは、
図7におけるBluetoothチップ450と共に示されるように、全て一緒に統合され得ることが企図される。
【0068】
一実施形態では、検体情報(例えば、検体濃度)を判定するためのシステムは、電気化学的試験センサーと、Bluetooth対応ドングルと、Bluetooth対応リーダーとを含む。Bluetooth対応リーダーは、流体試料の検体濃度を判定することを支援するために、Bluetooth対応ドングルからデータを無線で受信するように構成されている。電気化学的試験センサーは、検体を含む流体試料を受容するように適合される。電気化学的試験センサーは、基部を備える。基部は、検体と反応するように適合された酵素を含む。電気化学的試験センサーは、複数の電極と、複数の試験センサー接点とを更に含む。Bluetooth対応ドングルは、Bluetoothチップと、アナログフロントエンド(AFE)と、マイクロコントローラとを含む。使用され得る電気化学的試験センサーの1つの非限定的な例は、電気化学的試験センサー10である。使用され得る1つの非限定的な例は、Bluetooth対応ドングル440である。
【0069】
図6Aに戻って参照すると、システム400は、電気化学的試験センサー10と、Bluetooth対応ドングル440と、Bluetooth対応リーダー490とを含む。Bluetooth対応リーダーは、そこから情報を得るために、Bluetooth対応ドングル上のBluetoothチップ情報を読み取ることができる。Bluetooth対応リーダーは、典型的には、スマートフォン、タブレット、又はコンピュータである。他のBluetooth対応リーダーを使用され得ることも企図される。例えば、Bluetooth対応リーダーは、キオスクであり得る。キオスクは、流体試料の検体濃度を判定することにおける使用のために具体的に設計されたキオスクであり得る。キオスクは、病院のような医療現場において有用であり得る。
【0070】
Bluetooth対応リーダー490は、ディスプレイ492と、ディスプレイ492をナビゲートするための1つ以上のボタン394又は他の機構とを含む。ディスプレイ492は、典型的には、流体試料の検体情報又は他の情報を示すために使用される。ディスプレイ492は、アナログ又はデジタルであり得る。ディスプレイ492は、LCD、LED、OLED、真空蛍光、又は検体情報のような数値読み取り値を示すように適合された他のディスプレイであり得る。検体情報(例えば、検体濃度)は、Bluetooth対応リーダーからの音声通信で伝達され得ることが企図される。
【0071】
検体情報(例えば、検体濃度)を判定することを支援するために、一実施形態では、1つ以上のアルゴリズムは、Bluetooth対応リーダー490にダウンロードされる。ここでは、Bluetooth対応リーダーは、スマートフォンとして示されている。上で考察されたように、Bluetooth対応リーダーは、タブレット、コンピュータ、又はキオスクであり得る。1つ以上のアルゴリズムを使用するBluetooth対応リーダーは、無線で伝送されるBluetooth対応ドングルから生データを取り込み、検体情報を計算する。1つ以上のアルゴリズムは、ダウンロードされ、Bluetooth対応リーダーに記憶され得る。
【0072】
別の実施形態では、Bluetooth対応ドングルにおけるBluetoothチップは、読み取り専用データを含み、伝送し得る。この読み取り専用データは、Bluetooth対応リーダーに対して電気化学的試験センサーを識別する。リーダーは、検体情報(例えば、検体濃度)を判定するために、読み取り専用データを認識し、適切な1つ以上のアルゴリズムを実行する。
【0073】
更なる実施形態では、Bluetooth対応リーダーは、データを収集すること及び分類することを支援するためのアルゴリズムを使用する前に、ユーザについてのログイン情報を含み得る。データは、Bluetooth対応リーダーにローカルに格納され得、又はクラウドベースの格納位置のような別の格納位置に外部に送信され得る。データが他の場所に送信され得ることが企図される。
【0074】
一方法は、
図8のフローチャートに示され、検体情報を判定し、ユーザに搬送するためのステップを含む。
図8を参照すると、ステップ600は、電気化学的試験センサーを提供する。ステップ602では、流体試料は、電気化学的試験センサーに接触する。ステップ604は、電気化学的試験センサーをBluetooth対応ドングルに物理的に挿入する。ステップ606は、アナログフロントエンド(AFE)に電力供給し、検体との電気化学的反応を開始する。ステップ608では、データは、電気化学的反応からBluetooth対応リーダーに伝送される。ステップ610では、検体情報(例えば、検体濃度)は、流体試料から判定される。ステップ612では、検体情報は、Bluetooth対応リーダーを使用してユーザに伝達される。
【0075】
検体情報が判定される前に、2つのデバイス間の無線接続を確立するために、Bluetooth対応ドングルとBluetooth対応リーダーとの間で1回ペアリングが行われることに留意されたい。Bluetooth対応ドングル及びBluetooth対応リーダーは、このペアリングを確立するために、かなり極めて接近させられる必要がある。
【0076】
この方法では、電気化学的試験センサーは、検体情報を判定することを支援するために提供される。例えば、使用され得る電気化学的試験センサーは、電気化学的試験センサー10である。流体試料は、流体受容領域16を介して試薬領域28に接触する。一方法では、流体試料は、指を刺すことによって取得される。この場合、流体試料は、血液である。流体試料は、他の方法によって取得され得る。他の流体が使用され得ることが企図される。
【0077】
電気化学的試験センサーは、Bluetooth対応ドングルに物理的に挿入される。この方法では、アナログフロントエンド(AFE)452を含むBluetoothチップ450は、電力供給される。これは、電池454の使用によって達成される。
【0078】
一方法では、挿入された電気化学的試験センサーを有するBluetooth対応ドングルは、データを伝送することを支援するために、Bluetooth対応リーダーに極めて接近させられるか、又は配置される。Bluetooth対応ドングルは、Bluetooth対応リーダーにかなり極めて接近させられるか、又は配置され得、次いで電気化学的試験センサーは、Bluetooth対応ドングルに物理的に挿入されることが企図される。イニシエーションは、典型的には、Bluetooth対応リーダーとBluetooth対応ドングルがかなり極めて接近しているときに、Bluetooth対応リーダーによって行われる。Bluetooth対応ドングルは、Bluetooth対応リーダーを用いてイニシエーションを行い得ることが企図される。
【0079】
Bluetoothは、現在、約100メートル以下、おそらくは約50メートル未満の通信距離で使用されている。他の実施形態では、Bluetoothは、典型的には、約30メートル未満又は20メートル未満の通信距離で使用されている。別の実施形態では、Bluetoothは、より一般的には、約15メートル未満又は約10メートル未満の通信距離で使用されている。Bluetooth対応ドングルのBluetoothチップは、かなり極めて接近しているときにBluetooth対応リーダーと無線で通信する。
【0080】
アナログフロントエンド452は、マイクロプロセッサユニット456からの命令を受信した後、検体との電気化学的反応を開始することを支援する。反応が開始された後、Bluetooth対応ドングルのBluetoothチップを介して電気化学的反応からBluetooth対応リーダーに無線でデータを伝送する。流体試料の検体情報は、Bluetooth対応ドングル及び少なくとも1つのアルゴリズムから受信されたデータを使用して、Bluetooth対応リーダー上で判定される。アルゴリズムは、Bluetooth対応リーダーに、又はクラウドにおけるサーバファームに格納され得る。
【0081】
一方法では、アナログフロントエンド(AFE)は、流体試料に少なくとも1つの電圧を提供することによって、検体との電気化学的反応を開始し、電気化学的反応から形成される電流を生じさせることを支援する。アナログフロントエンドは、電気化学的反応を開始するために励起信号を提供し得る。電気化学的分析中、励起信号は、生体流体の試料に適用される。励起信号は、電位又は電流であり得、一定、可変、又はそれらの組み合わせであり得る。励起信号は、単一のパルスとして、又は複数のパルス、シーケンス、又はサイクルとして適用され得る。アンペロメトリ、クーロメトリ、ボルタンメトリ、ゲートアンペロメトリ、ゲートボルタンメトリなどのような、様々な電気化学的プロセスが使用され得る。
【0082】
本発明は、様々な修正及び代替的な形態の影響を受けやすいが、その特定の実施形態及び方法は、例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、本発明を開示される特定の形態又は方法に限定することは意図されないが、逆に、その意図は、本発明の趣旨及び範囲内の全ての修正、均等物、及び代替物を包含することであることを理解されたい。
【国際調査報告】