(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】飲料を調製するためのカプセル及びシステム
(51)【国際特許分類】
B65D 85/804 20060101AFI20231212BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20231212BHJP
【ＦＩ】
B65D85/804
A47J31/36 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023530821
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(85)【翻訳文提出日】2023-05-24
(86)【国際出願番号】 EP2021082803
(87)【国際公開番号】W WO2022112318
(87)【国際公開日】2022-06-02
(31)【優先権主張番号】20210284.4
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590002013
【氏名又は名称】ソシエテ・デ・プロデュイ・ネスレ・エス・アー
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】ギャヴィレ， ギレス
(72)【発明者】
【氏名】ガーボーレット， アーノード
(72)【発明者】
【氏名】ベーマン， ヴェイス
【テーマコード（参考）】
4B104
【Ｆターム（参考）】
4B104AA16
4B104AA20
4B104EA30
(57)【要約】
本発明は、飲料調製用のカプセルであって、カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、内部空間が飲料を調製するのに適した飲料原材料で充填される、カプセル本体と、側壁の第１の端部において内部空間を覆う基部壁と、基部本体の側壁の第２の端部において周方向に配置されたフランジと、基部壁と反対側の側壁の第２の端部において内部空間を覆い、カプセルを閉鎖する蓋と、原材料と蓋との間でカプセルの内部空間内に配置されたフィルタ要素と、カプセルの内部空間内に設けられたキャリアディスクと、を備え、蓋が、飲料調製デバイス内でカプセルを使用するためにフランジに取り外し可能に取り付けられ、ディスクが、蓋とフィルタとの間に設けられ、ディスクは、カプセルがデバイス内で使用されるときに、調製された飲料を内部空間から排出するのに適した予め形成された出口開口部を備える、カプセルに関する。
【選択図】 図２ｂ
【選択図】 図２ｂ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を調製するためのカプセルであって、前記カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、前記内部空間は、前記飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
前記カプセル本体と一体の剛性の基部壁であって、前記側壁の第１の端部において前記内部空間を覆う剛性の基部壁と、
前記基部本体の前記側壁の第２の端部において周方向に配置されたフランジと、
前記基部壁と反対側の前記側壁の第２の端部において前記内部空間を覆い、前記カプセルをしっかりと閉鎖する蓋と、
前記飲料原材料と前記蓋との間で前記カプセルの前記内部空間内に配置されたフィルタ要素と、
前記カプセルの前記内部空間内に設けられたキャリアディスクと、を備え、
前記蓋が、飲料調製デバイス内で前記カプセルを使用するために前記フランジに取り外し可能に取り付けられ、
前記キャリアディスクが、前記蓋と前記フィルタとの間に設けられ、前記キャリアディスクは、前記カプセルが前記飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された前記飲料を前記内部空間から排出するのに適した予め形成された複数の出口開口部を備える、
飲料を調製するためのカプセル。
【請求項2】
前記キャリアディスクが、前記蓋から０．１ｍｍ～２ｍｍの距離で前記カプセル内に配置される、請求項１に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項3】
前記キャリアディスクの厚さが、０．０５ｍｍ～１．５ｍｍ、好ましくは０．１ｍｍ～１ｍｍ、最も好ましくは０．５ｍｍ～０．８ｍｍである、請求項１又は２に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項4】
前記開口部が、円形又は楕円形の開口部である、請求項１～３のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項5】
前記開口部が、０．２ｍｍ～３ｍｍ、最も好ましくは０．５ｍｍ～１ｍｍの直径を有する、請求項１～４のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項6】
前記キャリアディスクが、５０～１５０個の開口部、好ましくは６０～１２０個の開口部、最も好ましくは８０～１００個の開口部を備える、請求項１～５のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項7】
前記開口部が、前記キャリアディスクの表面に均一に分布している、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項8】
前記キャリアディスクがアルミニウム製である、請求項１～７のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項9】
前記カプセル本体、前記蓋、及び前記キャリアディスクが、それぞれ主にアルミニウムから作られる、請求項８に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項10】
前記キャリアディスクが、プラスチック又は積層されたプラスチック要素で作られる、請求項１～６のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項11】
前記フィルタがディスク形状であり、前記フィルタが、コーヒードレインが通過するのを防止し、クレマ層の形成を低減するように適合された不織布材料の層を備える、請求項１～１０のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項12】
前記フィルタが、０．００５ｍｍ～０．３ｍｍの厚さ、ＩＳＯ９２３７による１００ｌ／ｍ２／ｓ～５０００ｌ／ｍ２／ｓの範囲の空気透過率、及び５ｇ／ｍ２～６００ｇ／ｍ２の範囲の重量を有する、請求項１～１１のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項13】
前記フィルタが、前記キャリアディスクに組み付けられる、請求項１～１２のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項14】
前記蓋が、前記蓋から突出する自由なプルタブを備える、請求項１～１３のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項15】
前記蓋が、少なくとも１つのアルミニウム層を含む、請求項１～１４のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項16】
前記蓋が、プラスチック層及び／又はヒートシール層を更に含む、請求項１５に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項17】
前記蓋が、０．０１ｍｍ～０．０５ｍｍの厚さを有する、請求項１～１６のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項18】
前記飲料原材料が、少なくとも４ｇ、好ましくは４．５～１５ｇの量の挽かれたコーヒーを含む、請求項１～１７のいずれか一項に記載の飲料を調製するためのカプセル。
【請求項19】
交換可能なカプセルと、飲料調製デバイスであって、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力で前記カプセルに供給することができる流体分配デバイスと、前記カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える前記淹出チャンバとを有する飲料調製デバイスと、を備える飲料を調製するためのシステムであって、前記交換可能なカプセルが、
前記カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、前記内部空間は、前記飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
前記側壁の第１の端部において前記内部空間を覆う剛性の基部壁であって、前記カプセル本体と一体であり、前記ある量の流体を供給するための前記飲料調製デバイスのために前記流体分配デバイスの少なくとも１つのナイフによって使用時に穿孔される剛性の基部壁と、
前記交換可能なカプセルは、前記基部壁と反対側の前記周方向壁の第２の端部において前記内部空間を覆い、使用前に前記カプセルをしっかりと閉鎖する蓋であって、前記カプセルが前記飲料調製デバイス内で使用されるときに前記カプセルから取り外される蓋を備え、
前記カプセルの前記内部空間内に設けられ、前記カプセルが前記飲料調製デバイスで使用されるときに、調製された前記飲料を前記内部空間から排出するのに適した予め形成された複数の出口開口部を備える、キャリアディスクと、を備え、
前記淹出チャンバの前記第２の部分が、前記カプセルを保持する前記淹出チャンバが閉鎖されたときに前記側壁の前記第２の端部において前記交換可能なカプセルと係合するための抽出プレートを備え、前記抽出プレートは、使用時に、前記カプセルの前記第２の端部において前記キャリアディスクに面する引き裂き面を備え、閉鎖された前記淹出チャンバ内で使用される前記カプセルの前記キャリアディスクが、前記抽出プレートの前記引き裂き面によって改変されない、
飲料を調製するためのシステム。
【請求項20】
前記飲料原材料の抽出が、８バール未満、より好ましくは５バール未満の圧力での抽出である、請求項１９に記載の飲料を調製するためのシステム。
【請求項21】
飲料を調製するのに適したカプセル、特に請求項１～１８のいずれか一項に記載のカプセルを製造する方法であって、前記方法が、前記飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、前記周方向壁の第１の端部において前記内部空間を覆う前記カプセル本体と一体の剛性の基部壁と、を用意するステップと、
前記基部壁と反対側の前記カプセル本体の開口充填面を通して、ある量の前記飲料原材料を前記内部空間に充填するステップと、
前記内部空間に前記飲料原材料を充填した後に、前記内部空間にフィルタを挿入するステップと、
前記内部空間内の前記フィルタの上にキャリアディスクを挿入するステップであって、任意選択で、前記フィルタ及びキャリアディスクが前記カプセルの前記内部空間内に同時に挿入される、ステップと、
前記カプセル本体のフランジに、前記開口充填面の上に延びる蓋を取り付けることによって、前記開口充填面を閉鎖するステップと、を含み、
前記蓋が、プルタブを備えており、前記カプセルの使用前に前記カプセルから取り外され、
前記キャリアディスクが、使用時に調製された飲料が前記カプセルから流出し得る複数の出口開口部を備え、前記出口開口部は、前記開口部充填面の上に延びる前記蓋によって液密に閉鎖される、
方法。
【請求項22】
請求項１～１８のいずれか一項に記載のカプセル、及び／又は請求項１９若しくは２０に記載のシステムのための使用。【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒーなどの飲料を調製するための飲料原材料で少なくとも部分的に充填されるカプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、側壁の第１の端部において内部空間を覆う基部壁とを備える、飲料を調製するためのカプセルに関し、カプセルは、基部壁と反対側の側壁の第２の端部において内部空間を覆う蓋を備える。
【0002】
本発明はまた、飲料を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
飲料調製デバイス内で飲料を調製するためのカプセルであって、当該特徴を示すカプセルは、先行技術から一般的に知られている。飲料調製デバイスは、カプセルが配置される淹出チャンバを備える。飲料調製デバイスからの液体は、カプセル内に注入されて、抽出可能な原材料、通常は焙煎され挽かれたコーヒー若しくは茶から飲料を抽出する、又はカプセルの内部空間内に収容された可溶性原材料、通常はインスタントコーヒー、インスタント茶若しくはインスタントミルク、又はチョコレートベースの製品から飲料を調製する。
【0004】
現在市販されているカプセルの多くの場合、保管中に飲料原材料の鮮度を維持又は延ばすために、飲料調製デバイス内で使用される前に、カプセルの内部空間は環境から密閉又は液密に閉鎖される。
【0005】
これに関して、カプセルは、多くの場合、内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、側壁の第１の端部において内部空間を覆う基部壁と、を備える。基部壁と反対側の側壁の第２の端部において、カプセル本体は、開口充填面を有する。流体及びガスを通さない蓋、例えばアルミニウム蓋が、内部空間を覆うためにカプセル本体の開口充填面の上に設けられる。使用時に、カプセルは、好ましくは基部壁及び／又は蓋において穿孔されて、熱湯などの液体を注入するための注入開口部を形成してもよく、及び／又は調製された飲料がカプセルから出ることを可能にする出口開口部を形成してもよい。
【0006】
既知のカプセルは、より具体的には、高圧熱水を送り出す飲料調製デバイスを使用してエスプレッソタイプの飲料を調製するために考案されており、カプセル内への加圧熱水の注入は、コーヒー飲料原材料からの物質の抽出をもたらし、高圧淹出を使用する既知のピストンタイプのエスプレッソマシンで得られるようなクレマ層を有するエスプレッソ飲料に対応する泡を、飲料上に形成する。
【0007】
クレマのないコーヒー飲料、例えば、フィルタコーヒーとも呼ばれる泡のないコーヒー飲料の場合、通常、飲料原材料と水との混合物の非加圧濾過によって飲料が調製される特定の装置が使用される。
【0008】
クレマのないコーヒーの調製のために、加圧飲料デバイスで使用されるいくつかのカプセルが提案されている。
【0009】
欧州特許第２９５２１２５（Ａ１）号は、カプセルの内部空間に収容された抽出可能な製品を使用して飲料を調製するためのカプセルを開示している。カプセルは、周方向の第１の壁と、第１の端部において周方向の第１の壁を閉鎖する第２の壁と、第２の壁と反対側の第２の開口端部において周方向の第１の壁を閉鎖する可撓性のシート状の穿孔及び／又は多孔性の第３の壁とを備え、それによって当該内部空間を形成する。第３の壁は、カプセルの軸方向においてカプセルの最も外側の境界を形成し、フィルタ紙などの織布又は不織布フィルタ材料を含む。
【0010】
国際公開第２０１９／０１３６２３（Ａ１）号は、飲料原材料が充填された内部空間を境界付ける周方向壁及び基部壁を有する剛性のカプセル本体を備えるカプセルを提案している。基部壁と反対側の周方向壁の端部におけるカプセルの開口充填面は、液密材料の蓋で覆われる。蓋は、カプセルが飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された飲料を内部空間から排出するのに適した予め形成された出口開口部を備えている。出口開口部は、蓋の少なくとも一部の上に延びる取り外し可能なカバー要素によって液密に閉鎖される。
【0011】
しかしながら、これらの解決策は、カプセルの構造、消費者によるその人間工学的使用、及びカップ内の結果に関して、完全に満足できるものではない。
【0012】
したがって、提案された発明の目的は、ドリップコーヒーマシンで作られるフィルタコーヒーの全ての特性を有する、クレマのないフィルタタイプのコーヒーを製造するための、単純な構造のカプセル及びシステムを提供することである。
【発明の概要】
【0013】
この点において、本発明は、請求項１に記載され、本明細書に記載されるような、クレマのないコーヒー、茶、ミルク又はチョコレートベースの飲料を提供するためのカプセルを提供する。
【0014】
請求項に記載のカプセルは、飲料を調製するために意図されており、
カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、当該内部空間は、飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
側壁の第１の端部において内部空間を覆う剛性の基部壁であって、カプセル本体と一体である剛性の基部壁と、
基部本体の側壁の第２の端部において周方向に配置されたフランジと、
基部壁と反対側の側壁の第２の端部において内部空間を覆い、カプセルをしっかりと閉鎖する蓋と、
飲料原材料と蓋との間でカプセルの内部空間内に配置されたフィルタ要素と、
カプセルの内部空間内に設けられたキャリアディスクと、を備える。
カプセルの内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体であって、当該内部空間は、飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される、カプセル本体と、
側壁の第１の端部において内部空間を覆う剛性の基部壁であって、カプセル本体と一体である剛性の基部壁と、
基部本体の側壁の第２の端部において周方向に配置されたフランジと、
基部壁と反対側の側壁の第２の端部において内部空間を覆い、カプセルをしっかりと閉鎖する蓋と、
飲料原材料と蓋との間でカプセルの内部空間内に配置されたフィルタ要素と、
カプセルの内部空間内に設けられたキャリアディスクと、を備える。
【0015】
本発明によれば、カプセルの蓋は、飲料調製デバイス内でカプセルを使用するためにフランジに取り外し可能に取り付けられ、キャリアディスクが、蓋とフィルタとの間に設けられ、当該キャリアディスクは、カプセルが飲料調製デバイス内で使用されるときに、調製された飲料を内部空間から排出するのに適した予め形成された複数の出口開口部を備える。
【0016】
飲料原材料として焙煎され挽かれたコーヒーを含むカプセルの例において、カプセルの特定の構造により、蓋の取り外し後にカプセルが飲料調製内で抽出されるときに、泡及びクリームの形成が制限されたコーヒーを得ることが可能になる。
【0017】
この淹れたてコーヒーは、クレマが少なく、すぐに消えてカップの周りにクレマの冠のみを残す、フィルタのようなコーヒーの主な特性を有する。このカップ内の結果は、香りがよく、柔らかく、滑らかで、甘みがありながら、ボディが軽く、酸味が少なく、苦みが少なく、刺激味のないコーヒーである。
【0018】
提案されたカプセルでは、キャリアディスクは、蓋から０．１ｍｍ～２ｍｍの距離でカプセル内に配置される。これにより、コーヒーマシンの淹出チャンバ内のコーヒー床の圧縮、及びキャリアディスクと飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面との間で起こり得る相互作用を回避することができる。
【0019】
提案されるように、キャリアディスクの厚さは、０．０５ｍｍ～１．５ｍｍ、好ましくは０．１ｍｍ～１ｍｍ、最も好ましくは０．５ｍｍ～０．８ｍｍであり、これは、抽出中又は抽出後に膨張したコーヒー床の圧力による排出に耐えるのに十分な剛性を、キャリアディスクに与える。
【0020】
キャリアディスクは、円形又は楕円形の開口部である開口部を備える。提案された開口部形状は、容易な製造、及びより低い工具費のために最適化される。しかしながら、得られるカップの結果に応じて、開口部の他の形状が選択されてもよい。
【0021】
好ましい方法では、開口部は、０．２ｍｍ～３ｍｍ、最も好ましくは０．５ｍｍ～１ｍｍの直径を有する。これらの寸法は、約３００ｍＬ／分の漏出速度に対して計算されている。
【0022】
提案された解決策では、キャリアディスクは、５０～１５０個の開口部、好ましくは６０～１２０個の開口部、最も好ましくは８０～１００個の開口部を備える。複数の開口部を有するそのような構造により、抽出中にコーヒー床内での水のチャネリングの可能性が回避される。
【0023】
加えて、またチャネリング効果の回避に寄与して、開口部は、キャリアディスクの表面に均一に分布している。
【0024】
好ましくは、キャリアディスクはアルミニウム製である。これにより、カプセルをアルミニウム製にした場合、従来のアルミニウムの流れでの容易なリサイクルが可能になる。
【0025】
したがって、好ましくは、カプセル本体、蓋、及びキャリアディスクは、それぞれ主にアルミニウムから作製される。アルミニウムの使用は、より良好なコーヒーの保護及びより長い貯蔵寿命を確実にする。更に、カプセルの寿命の終わりがより容易であり、リサイクルがより容易である。
【0026】
代替的な方法では、キャリアディスクは、プラスチック又は積層されたプラスチック要素で作られる。
【0027】
この特定のカプセル構造では、フィルタ要素はディスク形状であり、フィルタが、コーヒードレインが通過するのを防止し、クレマ層の形成を低減するように適合された不織布材料の層を備える。
【0028】
好ましくは、フィルタは堆肥化可能及び／又は生分解性であり、セルロースベースの材料で作られてもよい。
【0029】
提案されたフィルタは、０．００５ｍｍ～０．３ｍｍの厚さ、ＩＳＯ９２３７による１００～５０００ｌ／ｍ２／ｓの範囲の空気透過率、及び５～６００ｇ／ｍ２の範囲の重量を有する。
【0030】
現在想定されている解決策では、フィルタは、キャリアディスクに組み付けられる。これにより、カプセルの組み立てプロセスにおける容易な処理が可能になる。更に、フィルタは、キャリアディスク上に固定されてもよい。
【0031】
カプセルの蓋は、蓋から突出する自由なプルタブを備える。プルタブは蓋と一体であり、蓋全体を取り外すことを可能にする。そして、この取り扱い及び開封は、より容易である。
【0032】
提案された実施形態では、蓋は、カプセル内のコーヒーのより良好な貯蔵寿命を確実にするために、少なくとも１つのアルミニウム層を含む。
【0033】
加えて、蓋は、カプセルのフランジ上に蓋を封止するための食品グレード適合性を確実にするために、プラスチック層及び／又はヒートシール層を更に含んでもよい。
【0034】
請求項に記載の蓋は、０．０１ｍｍ～０．０５ｍｍの厚さを有する。
【0035】
提案されたカプセルは、飲料原材料を含む。好ましくは、飲料原材料は、好ましくは少なくとも４ｇ、好ましくは４．５ｇ～１５ｇの量の挽かれたコーヒーである。
【0036】
また、本発明は、本明細書に記載されるシステムを提供する。
【0037】
本発明のシステムは、飲料を調製することを目的とする。システムは、交換可能なカプセルと、飲料調製デバイスであって、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力でカプセルに供給することができる流体分配デバイスと、カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える淹出チャンバとを有する飲料調製デバイスと、を備える。
【0038】
請求項に記載のシステムは、飲料調製デバイスにおいて請求項に記載の交換可能なカプセルを使用することを提案し、飲料調製デバイスの淹出チャンバの第２の部分は、カプセルを保持する淹出チャンバが閉鎖されたときに側壁の第２の端部において交換可能なカプセルと係合するための抽出プレートを備え、抽出プレートは、使用時にカプセルの第２の端部においてキャリアディスクに面する引き裂き面を備え、閉鎖された淹出チャンバ内で使用されるカプセルのキャリアディスクは、抽出プレートの引き裂き面によって改変されない。
【0039】
本発明によれば、飲料原材料の抽出は、８バール未満、より好ましくは５バール未満の圧力で行われる抽出である。
【0040】
更に、本発明は、請求項に記載の飲料を調製するのに適したカプセルを製造する方法を提供する。
【0041】
当該方法は、
飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、周方向壁の第１の端部において内部空間を覆う剛性の基部壁と、を用意するステップであって、基部壁は、カプセル本体と一体である、ステップと、
基部壁と反対側のカプセル本体の開口充填面を通して、ある量の飲料原材料を内部空間に充填するステップと、
内部空間に飲料原材料を充填した後に、内部空間にフィルタを挿入するステップと、
内部空間内のフィルタの上にキャリアディスクを挿入するステップであって、任意選択で、フィルタ及びキャリアディスクがカプセルの内部空間内に同時に挿入される、ステップと、
カプセル本体のフランジに、開口充填面の上に延びる蓋を取り付けることによって、開口充填面を閉鎖するステップと、を含み、
蓋が、プルタブを備えており、カプセルの使用前にカプセルから取り外され、
キャリアディスクが、使用時に調製された飲料がカプセルから流出し得る複数の出口開口部を備え、出口開口部は、開口部充填面の上に延びる蓋によって液密に閉鎖される。
飲料を調製するのに適した飲料原材料で少なくとも部分的に充填される内部空間の周りに延びる周方向側壁を有する実質的に剛性のカプセル本体と、周方向壁の第１の端部において内部空間を覆う剛性の基部壁と、を用意するステップであって、基部壁は、カプセル本体と一体である、ステップと、
基部壁と反対側のカプセル本体の開口充填面を通して、ある量の飲料原材料を内部空間に充填するステップと、
内部空間に飲料原材料を充填した後に、内部空間にフィルタを挿入するステップと、
内部空間内のフィルタの上にキャリアディスクを挿入するステップであって、任意選択で、フィルタ及びキャリアディスクがカプセルの内部空間内に同時に挿入される、ステップと、
カプセル本体のフランジに、開口充填面の上に延びる蓋を取り付けることによって、開口充填面を閉鎖するステップと、を含み、
蓋が、プルタブを備えており、カプセルの使用前にカプセルから取り外され、
キャリアディスクが、使用時に調製された飲料がカプセルから流出し得る複数の出口開口部を備え、出口開口部は、開口部充填面の上に延びる蓋によって液密に閉鎖される。
【0042】
本発明の特定の実施形態は、以下の詳細な説明において記載される。これらの目的は、本発明、すなわちカプセル、システム及びカプセル製造方法によって達成される。
【0043】
本発明は、本発明の一部を形成する以下の実施例及び図面を参照して更に説明される。図面は、明確かつ明示的に示されない限り、いかなるｔでも本発明の範囲の限定を反映するものではない。請求項に記載の本発明は、形はどうあれ、これらの実施形態及び図によって限定されることを意図するものではないことが理解されよう。
【0044】
図は、非限定的な例として与えられる本発明の実施形態の概略図にすぎないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照して例として説明する。
【図1a】本発明による、飲料調製デバイス内で使用する前にしっかりと閉鎖されたカプセルの斜視側面図である。
【図1b】本発明による、蓋が部分的に取り外されたカプセルの斜視側面図である。
【図1c】本発明による、蓋が取り外され、飲料調製デバイス内で使用される準備ができているカプセルの斜視側面図である。
【図2a】本発明の第１の実施形態によるカプセルの概略断面図である。
【図3a】本発明の第１の実施形態の改良された解決策によるカプセルの概略断面図である。
【図4】本発明の第２の実施形態によるカプセルの概略図である。
【図5】本発明の第３の実施形態によるカプセルの概略図である。
【図6】本発明の第４の実施形態によるカプセルの概略図である。
【図7】本発明の第５の実施形態によるカプセルの概略図である。
【図8】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第１のプロセスの概略図である。
【図9a】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第２のプロセスの概略図である。
【図9b】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第２のプロセスの概略図である。
【図9c】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第２のプロセスの概略図である。
【図10】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第３のプロセスの概略図である。
【図11a】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第４のプロセスの概略図である。
【図11b】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第４のプロセスの概略図である。
【図12】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第５のプロセスの概略図である。
【図13】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第６のプロセスの概略図である。
【図14】提案された実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第７のプロセスの概略図である。
【図15】提案される実施形態のうちの１つ以上による、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクをカプセル内に組み立てるための第８のプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本明細書で使用するとき、用語「備える」、「備えている」、及び同様の語は、排他的又は網羅的な意味で解釈されるべきではない。言い換えれば、それらは、「含む」であるが「限定するものではない」との意味を意図するものである。
【0047】
本明細書における先行技術文献へのいかなる参照も、かかる先行技術が周知であること、又は当該技術分野における共通の一般知識の一部を形成することを認めるものとみなされるべきではない。
【0048】
図１ａは、保管状態として定義される、飲料調製デバイス内で使用する前の本発明によるカプセル１を示す。図２の参照を使用すると、図１ａのカプセル１は、カプセル本体２を備える。本体２は、本体の内部空間の周りに周方向に延びる円錐台形の側壁２ａを備える。カプセルは、カプセル本体２の側壁の第１の端部において内部空間を閉鎖する、カプセル本体２と一体の剛性の基部壁３を更に備える。フランジ４は、カプセル本体の側壁２ａの第２の端部から半径方向外向きに延びる。側壁の第２の端部において、カプセル本体２は、開口充填面を有する。
【0049】
通常通り、カプセル本体２は、食品グレードになるように加工され、ほとんどの場合、カプセル本体の内側に塗布されたラッカー層又はポリマーフィルム層（図９ｂにおいて２ｂとして特定された）を含む。
【0050】
カプセルは、カプセル本体のフランジ４に取り付けられ、それによってカプセルを密閉する蓋５を更に含む。蓋５は、プルタブ６を引っ張ることによってカプセルから手動で取り外されてもよい。この場合、プルタブ６は蓋５と一体であるが、代替的な解決策が利用可能である。
【0051】
蓋５は、封止側に任意選択のラッカー層又はポリマー層を有するアルミニウム製の可撓性シート状の箔である。
【0052】
蓋５がその封止側にラッカー層を含む場合、ラッカー層の厚さは０．００３ｍｍ～０．０３ｍｍであってもよい。蓋５が封止側にポリマー層を含む場合、ポリマー層の厚さは０．０１ｍｍ～０．０５ｍｍであってもよい。
【0053】
プルタブを使用して取り外されることが意図される蓋５は、接着層を使用してフランジ４に取り付けられる。接着材料は、接着材料の層の形態で適用され、例えば、ヒートシールラッカー層又はポリマーフィルム層であってもよい。
【0054】
一例として、接着材料を形成する封止層は、０．００３ｍｍ～０．０３ｍｍの層であってもよい。
【0055】
接着材料の層は、カプセル１に損傷を与えることなく、カプセルのフランジ４に対する蓋５の取り外しを可能にする。
【0056】
カプセルの内部空間は、カプセルが閉鎖される前に飲料原材料で充填される。この場合、カプセルは、焙煎され挽かれたコーヒーの新鮮さを維持するために、カプセルが蓋５でしっかりと閉鎖される前に焙煎され挽かれたコーヒーのコーヒー床で充填される。コーヒーの重量は、カプセルのサイズに応じて４ｇ～１５ｇの範囲である。しかしながら、茶、ミルク又はチョコレート原材料が想定され得る。
【0057】
図１ｂのカプセルは、プルタブ６を引き裂くことによって蓋５が部分的に取り外された図１ａのカプセルを示し、図１ｃでは、蓋５が完全に取り外された同じカプセルを示す。見て分かるように、カプセルの第２の端部（充填面）は、もはや閉鎖されておらず、カプセルの内側に、キャリアディスク７として画定される膜を示す。キャリアディスク７は、飲料調製デバイス内で調製される飲料（ここではコーヒー）のための、予め形成された複数の出口開口部８を備える。
【0058】
キャリアディスク７の予め形成された出口開口部８は、カプセルの蓋５によって覆われ、それによってカプセルを閉鎖して、保管中にカプセル内の飲料原材料の鮮度を確実にするためにカプセルの内部空間の気密封止を維持する。
【0059】
本発明のカプセルの様々な実施形態の断面図（例えば図２ａ参照）に見られるように、カプセルは、コーヒー床とキャリアディスク７との間に配置されたフィルタ要素９をカプセルの内部空間に更に備える。フィルタ要素９は、飲料原材料の固体粒子、例えばコーヒー粒子又は茶葉が、抽出中にカプセルから最終消費者カップ内に流出することを防止する。
【0060】
提案された発明では、カプセル本体２及び蓋５は、それぞれ主にアルミニウムから作られる。
【0061】
しかしながら、カプセル本体及び蓋のために、他の材料が想定されてもよい。
【0062】
例えば、カプセル本体及び蓋は、プラスチックポリマー材料で作られてもよく、又はカプセル本体及び蓋は、紙ベースの材料で作られてもよい。
【0063】
理解されるように、本発明のカプセルは、従来のＮｅｓｐｒｅｓｓｏ（登録商標）コーヒーカプセルと互換性のある従来の高圧飲料調製デバイスを使用して抽出される。飲料調製デバイスは、ある量の水などの流体を０．１バール～２０バールの圧力でカプセルに供給することができる流体分配デバイスと、カプセルを保持するための第１の部分及び淹出チャンバを閉鎖するための第２の部分を備える淹出チャンバと、を備え、淹出チャンバの第２の部分は、カプセルの基部壁と反対側の第２の端部においてカプセルと係合するための引き裂き面を示す抽出プレートを備える。
【0064】
飲料調製デバイスにおける、閉鎖されたカプセルの従来の抽出プロセスを要約すると、カプセルは、飲料調製デバイスの淹出チャンバ内に挿入される。流体分配デバイスは、コーヒーを浸出させ、次いで抽出するために、ある量の水などの流体をカプセル内の基部壁３を通してカプセルに供給する。カプセル内の圧力が上昇すると、カプセルの蓋が抽出プレートの引き裂き面と接触し、蓋が当該引き裂き面によって改変されて、コーヒーがカプセルから流出することができる開口部の形成につながる。
【0065】
コーヒーを流出させるために蓋と引き裂き面との相互作用によって蓋の表面に出口開口部を形成することは、調製プロセスにおける泡及びクリームの形成に関与する。
【0066】
従来のカプセル（閉鎖されたカプセル）を上述のプロセスと共に使用することにより、８バール～２０バールの圧力でのコーヒーの抽出につながる。
【0067】
本発明のカプセルの抽出プロセスでは、カプセルの蓋は、飲料調製デバイスの淹出チャンバ内にカプセルを挿入する前に取り外される。流体分配デバイスは、コーヒーを浸出させ、次いで抽出するために、カプセル内の基部壁３を通してカプセルにある量の水などの流体を供給する。抽出されたコーヒーは、フィルタ要素９を通過し、次いで、キャリアディスク７の出口開口部を通って流出する。抽出中、（カプセルのフランジからある距離にある）キャリアディスク７は、飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面と接触しないので、キャリアディスク７は、カプセルの抽出中の引き裂きによって改変されない。
【0068】
（従来の飲料調製デバイス内での）本発明のカプセルの使用により、カプセル内のコーヒーの量及びフィルタ要素構造に応じて、０．１バール～６バールの圧力でのコーヒーの抽出につながる。
【0069】
蓋が、飲料調製デバイス内での使用前にカプセルから取り外され、キャリアディスクがカプセル内に配置される（例えば図２ａ参照）という事実により、キャリアディスク７と抽出プレートの引き裂き面との間に相互作用はない。
【0070】
より詳細には、飲料調製デバイス内で本発明のカプセル１を使用してコーヒーを調製するとき、ユーザは、カプセルを飲料調製マシンに挿入する前にプルタブ６を引き裂くことによって蓋５を取り外す。カプセル本体２の基部壁３は、コーヒー飲料の調製のために圧力下で水をカプセル内に供給するための飲料調製デバイスの穿孔手段によって更に穿孔され、開封される。
【0071】
飲料調製デバイス内で使用されるときにカプセルが閉鎖されていない（蓋５が取り外され、出口開口部がアクセス可能である）という事実により、カプセル内で上昇する抽出圧力が制限され（０．１～６バール）、抽出中の泡及びクリームの形成が制限される。
【0072】
したがって、コーヒー／蓋／開口要素（複数可）と飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面との間の相互作用において、（従来のカプセルの使用と同様に）圧力上昇及び急激な圧力低下が生じないので、結果として得られるカップ内のコーヒーは、クレマがほとんどない、又は全くない。
【0073】
本発明のカプセルにより、カプセル内の飲料原材料に応じて、クレマのないコーヒー、茶、ミルク又はチョコレートを調製することが可能になる。
【0074】
図２ａは、本発明のカプセルの第１の実施形態を示す。開示されるように、カプセルは、予め形成された複数の出口開口部８を備えるキャリアディスク７を内部空間内に備える。
【0075】
【0076】
カプセル蓋５（したがって、抽出のために蓋が取り外された後のフランジ４）とキャリアディスク７との間のこの間隙は、飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面がキャリアディスク７、したがってカプセル内のコーヒーに接触することなくカプセルの内側に突出するための凹部を提供する。
【0077】
キャリアディスク７は、図２ｃに示されるように実質的に円形の膜であり、その直径は、キャリアディスク７が組み立てプロセスに応じて配置される／挿入される／維持される場所におけるカプセルの内径にほぼ等しい。
【0078】
したがって、提案された実施形態では、キャリアディスク７の直径は、約２９．５～３０．５ｍｍである。
【0079】
提案された実施形態では、キャリアディスクはアルミニウム製である。その厚さは約０．３ｍｍであるが、０．１ｍｍ～１ｍｍの間で変化してもよい。
【0080】
代替的な解決策において、キャリアディスク７は、プラスチックで、又は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、若しくは任意の他の半結晶性ポリマーなどのポリオレフィンを含む積層膜で作られてもよい。キャリアディスク７は、コート紙又はラミネート紙のような紙ベースの材料で作られてもよい。
【0081】
図２ｃに見られるように、予め形成された出口開口部９は、キャリアディスクの表面に均一に分布した円形の開口部である。出口開口部のこの均一な分布は、カプセル１から流出するコーヒーの均一な流れを確実にする。これはまた、カプセル内の飲料（コーヒー床）によるチャネルの生成を回避するのに役立つ。
【0082】
開口部は、約０．８ｍｍ～０．８５ｍｍに設定された直径を有するが、直径は、０．２ｍｍ～３ｍｍの間、最も好ましくは０．５ｍｍ～１ｍｍの間で変化してもよい。
【0083】
予め形成された出口開口部の数は、カプセルのサイズ及びどれだけ速いコーヒーの送り出しが望まれるかに応じて変化してもよい。開示された実施形態では、キャリアディスク７は、１０～１２０個、好ましくは約９０個、示された実施形態では９２個の開口部を備える。
【0084】
代替的な実施形態では、予め形成された出口開口部は、楕円形であってもよい。
【0085】
提示されるように、カプセルは、可能な組み立てプロセス中に、カプセルの充填後に原材料床（例えばコーヒー床）上に配置されるフィルタ要素９を更に備え、キャリアディスク７は、フィルタ要素と蓋５との間に配置される。
【0086】
カプセルが逆さまにされ、図２ｂの拡大図に示されるように、フィルタ要素９がキャリアディスク７上に位置する。次に、フィルタ要素は、カプセル内のキャリアディスク７によって支持される。フィルタは、カプセル内で平坦に維持され、抽出中に飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面に接触することはない。
【0087】
ツーピース設計の使用は、封止不可能なフィルタ材料の使用を可能にし得、これは、持続可能性のための利点であり得る。
【0088】
この実施形態で提案されるように、フィルタ要素９は、キャリアディスク７の直径よりも小さい直径、すなわち２８ｍｍ～３０．５ｍｍ、一般にディスクキャリアよりも０．１ｍｍ小さい直径を有する円形（ディスク形状）である。
【0089】
しかしながら、代替的な実施形態において、フィルタ要素９の直径は、キャリアディスク７の直径と同様であり得る。
【0090】
フィルタ要素９は、飲料の抽出中にコーヒードレインが急速に通過することを防止／抑制し、クレマ層の形成を低減するように適合された不織布材料で作られる。
【0091】
フィルタは、好ましくは堆肥化可能及び／又は生分解可能な材料で作られ、以下の技術的特徴を有するセルロースベースの材料で作られてもよい。それは、例えば紙ベースのフィルタ要素であってもよい。
【0092】
提案された実施形態のフィルタ要素９は、２０～３００ミクロンの厚さ、ＩＳＯ９２３７による１００～５０００ｌ／ｍ２／ｓの範囲の空気透過率、及び５～６００ｇ／ｍ２の範囲の重量を備える。それは、例えば紙ベースのフィルタ要素であってもよい。
【0093】
フィルタ要素は、任意の既知の手段によって別のフィルタリング層に接続された不織布材料の層を含んでもよい。
【0094】
図２ａ～図２ｃの提案された実施形態では、フィルタ要素９及びキャリアディスク７は、互いの上に配置された独立した要素である。しかしながら、それらは、例えば接着によって一緒に組み立てられてもよい。これにより、フィルタ及びキャリアディスクの挿入が１つのステップで行われるので、カプセル内の組み立てプロセスが変更される。
【0095】
提案された円形のキャリアディスク７は、円錐台形状を有するカプセルに嵌合（圧力嵌め）するように、キャリアディスク７の周囲にテーパ形状を有してもよい。しかしながら、カプセル内のキャリアディスクの他の代替的な形状及び配置が想定されてもよい。
【0096】
飲料調製マシンにおいて、蓋５が取り外され、カプセル１が抽出されたときに、キャリアディスク７及びフィルタ要素９がカプセル内の定位置にとどまることが重要である。いくつかの組み立てプロセスが考慮されてもよく、本発明によるカプセルの提案された実施形態に関連して後に開示される。
【0097】
本発明の第１の実施形態の改善された解決策が、第２の不織布フィルタ要素１０の追加を示す図３ａ及び図３ｂに示されている。第２のフィルタ要素１０もまた、不織布フィルタである。それは、蓋に面する側（飲料調製デバイスのピラミッドプレートに直接面するコーヒーの反対側）で、キャリアディスク上に配置され、固定される。
【0098】
このフィルタの目的は、穿孔が切頂ピラミッドの平坦な上面と一致する場合にコーヒーの横方向の流れを可能にすることである。
【0099】
上述したように、第２のフィルタ要素は不織布材料で作られるが、必要な機能に適合する任意の適切な要素で作ることができる。
【0100】
第２のフィルタ要素１０は、カプセル内に配置され、蓋に接触しない。
【0101】
第２のフィルタ要素１０は、２８ｍｍ～３０．５ｍｍの、以下の寸法を有することができる。
【0102】
本実施形態では、第２のフィルタ要素１０は、キャリアディスク７よりもわずかに小さい直径を有する実質的に円形である。
【0103】
【0104】
図４は、キャリアディスク７がプラスチック製であるカプセルの部分断面図を提案する。キャリアディスクは、複数の出口開口部８と、飲料原材料（例えばコーヒー）に面する側にフィルタ要素９を収容するための座部７ａとを備える射出プラスチック要素である。
【0105】
キャリアディスクの出口開口部８は、蓋から約０．６ｍｍ離れている。この組み立てのおかげで、飲料調製デバイスの抽出プレートの引き裂き面とキャリアディスク７との間に相互作用はない。
【0106】
キャリアディスク７は、配置される場所におけるカプセルの内径と同様の直径を有する。したがって、直径は２９．５ｍｍ～３０．５ｍｍである。
【0107】
先に開示したように、予め形成された出口開口部９は、キャリアディスク上に均一に分布した円形開口部であり、約０．８ｍｍ～０．８５ｍｍの直径を有する。
【0108】
提案された実施形態において、キャリアディスク７は、約９０個の予め形成された出口開口部を備える。出口開口部の数は、約１０～１２０個の予め形成された出口開口部を備えてもよい。
【0109】
フィルタ要素９は、図２ａ～図２ｃに関連して説明したものと同様の特性を有する。更に、フィルタ要素９は、任意の既知の手段によってキャリアディスク７上に固定されてもよく、又は形状調整によってキャリアディスク７上に単に保持されてもよい。
【0110】
キャリアディスクは、組み立て中にカプセル内に真っ直ぐに嵌合するためのテーパ状の脚部１１を更に備える。この実施形態で提案されるように、脚部１１は蓋６上に置かれてもよい。脚部の位置において、キャリアディスク７の厚さは、約１．６～２．０ｍｍ（Ｏｒｉｇｉｎａｌ Ｌｉｎｅ Ｎｅｓｐｒｅｓｓｏ（登録商標）カプセルの場合）であり得るが、実際にはカプセルのサイズに依存してもよい。
【0111】
図５に示される実施形態では、キャリアディスク７は、図４の実施形態と同様に、射出プラスチック要素である。フィルタ要素９は、座部７ａにおいてキャリアディスク７に組み付けられる。フィルタ要素９は、座部７ａにおいて緩んだ状態のままであるが、１つの封止点１２によってキャリアディスク７上の当該座部内に維持される。
【0112】
したがって、フィルタ要素９は、キャリアディスク７に対して１点で封止される。フィルタ要素９をキャリアディスク７上に維持するためには、１つの封止点１２で十分であり得るが、追加の封止点が想定されてもよい。
【0113】
封止は、熱封止又は超音波封止などの異なる封止技術によって行うことができる。このリストは網羅的ではない。
【0114】
【0115】
更に、フィルタ要素９は、座部７ａにおいて緩んだ状態のままであり、ピン１３を使用してキャリアディスク７上に維持される。
【0116】
ピンは、好ましくはプラスチックピン１３である。ピンは、フィルタ要素９をフィルタのほぼ中央の座部７ａに維持する。しかしながら、他の位置が想定されてもよい。
【0117】
【0118】
キャリアディスク７は、ここでは、キャリアディスク７の周囲に配置された少なくとも１つのクリップ１４を備え、フィルタ要素９が座部７ａ内にとどまることを確実にする。クリップ１４は、キャリアディスク７の周囲に沿って連続していてもよく、又はいくつかのクリップ１４がキャリアディスク７の周囲に沿って配置されてもよい。
【0119】
クリップ１４は、キャリアディスク７と一体であり、すなわち、プラスチックで作られ、キャリアディスク７と共に射出される。
【0120】
提案された発明では、剥離可能な膜を取り外した後、キャリアディスク及びフィルタをカプセル内に維持することが重要である。実際に、飲料調製デバイス内で使用されるカプセルのための剥離可能な膜を取り外した後、キャリアディスク及びフィルタが飲料原材料上に置かれているだけの場合、カプセルの取り扱い及び飲料分配マシンへの挿入中に、キャリアディスク、フィルタ及び飲料原材料さえもカプセル本体から落下することがある。
【0121】
そうすると、キャリアディスク及びフィルタがカプセル内に維持されることを確実にすることが重要である。
【0122】
開示されたカプセル要素を組み合わせて使用することで、得られるコーヒーのカップ内プロファイルをフィルタのようにすることに寄与する。
コーヒー床からカップ内への微粒子の抽出を保持するために紙ベースであってもよい、フィルタ要素９。フィルタ要素はまた、抽出中のコーヒー床内の圧力をゆっくりと解放し、クレマ形成を低減し、カップ内プロファイルをより滑らかなフィルタのようにすることに寄与する。
コーヒー床と飲料デバイスの抽出プレートの引き裂き面との間の相互作用を回避するために、抽出中のコーヒー床内の圧力のゆっくりとした解放、クレマ形成を低減し、カップ内プロファイルを滑らかなフィルタのようにすることに再び寄与する、穿孔されたアルミニウムキャリアディスク。
抽出の初期段階中のコーヒー床の圧縮を低減し、抽出中の耐水性を排除し、クレマ形成を低減及びカップ内プロファイルをより滑らかなフィルタのようにすることに再び寄与する、閉鎖膜の不在（飲料デバイス内でのカプセルの使用前に剥がされるため）。
コーヒー床からカップ内への微粒子の抽出を保持するために紙ベースであってもよい、フィルタ要素９。フィルタ要素はまた、抽出中のコーヒー床内の圧力をゆっくりと解放し、クレマ形成を低減し、カップ内プロファイルをより滑らかなフィルタのようにすることに寄与する。
コーヒー床と飲料デバイスの抽出プレートの引き裂き面との間の相互作用を回避するために、抽出中のコーヒー床内の圧力のゆっくりとした解放、クレマ形成を低減し、カップ内プロファイルを滑らかなフィルタのようにすることに再び寄与する、穿孔されたアルミニウムキャリアディスク。
抽出の初期段階中のコーヒー床の圧縮を低減し、抽出中の耐水性を排除し、クレマ形成を低減及びカップ内プロファイルをより滑らかなフィルタのようにすることに再び寄与する、閉鎖膜の不在（飲料デバイス内でのカプセルの使用前に剥がされるため）。
【0123】
【0124】
図８は、フィルタ及びキャリアディスク、又はキャリアディスクのみをカプセル内に組み立てるための第１のプロセスを示す。
【0125】
示されているように、キャリアディスクを円錐台形のカプセル本体２内に押し下げるための特定の工具によって、１０Ｎから５００Ｎの間の力がキャリアディスク７の表面に加えられる。
【0126】
カプセル本体はテーパ形状であるため、ディスクキャリアはカプセル本体の側壁に対して水平方向に力を及ぼし、キャリアディスクをカプセル本体内の所定位置に維持する。
【0127】
特定の工具は、図に示されるように比較的簡単に組み立てることができる。その寸法は、カプセル本体内でのキャリアディスクの良好な位置決めを確実にするように必要な圧力を加えるために、カプセル本体内に挿入可能であるように定義されるべきである。それは、例えば圧力ピストン１５を使用して組み立てられ得るが、代替構造が想定されてもよい。このプロセスは、圧力嵌めプロセスとみなすことができる。
【0128】
このプロセスは、以下に適用され得る。
飲料原材料の充填及びフィルタ挿入後のカプセル本体内のキャリアディスク、又は
フィルタが最初にキャリアディスク上に配置される／キャリアディスクと組み立てられるときに、キャリアディスク及びフィルタの両方に対して。
飲料原材料の充填及びフィルタ挿入後のカプセル本体内のキャリアディスク、又は
フィルタが最初にキャリアディスク上に配置される／キャリアディスクと組み立てられるときに、キャリアディスク及びフィルタの両方に対して。
【0129】
したがって、提案されたプロセスは、説明される実施形態のうちの１つ以上に適用され得る。
【0130】
【0131】
提案された実施形態では、加圧ピストン１５は、約５０Ｎ～１００Ｎの力を加え、更に、力を加えている間、加圧ピストン１５は加熱される（図９ａ）。側壁に接触するカプセル本体２内のキャリアディスク７（フィルタ要素９に接続又は保持することもできるが、ここでは示されていない）に加えられた熱により、カプセル本体２の内側に塗布されたラッカー２ｂが溶かされ、側壁の内側部分（図９ｂ）とキャリアディスクとの間に結合が生じ、温度が下がるとキャリアディスクがカプセル本体内に維持される。結合は、図９ｂに示されるようなビード１６の形態であってもよい。
【0132】
カプセル１の外側からカプセル本体２の片側又は両側に熱を加えることもできる。図９ｃに概略的に見られるように、必要に応じて、両方の加熱源（圧力ピストンから及び側面加熱から）を組み合わせることができる。
【0133】
【0134】
凸形状を有する押し具１７を使用してもよい。
【0135】
押し具１７は、キャリアディスク７をカプセル内に押し下げ、キャリアディスク７を凹状ディスクにわずかに変形させ、キャリアディスク７は、もはや平坦ではない。キャリアディスク７は、カプセル本体２内に配置されると、横方向の力が加えられてキャリアディスク７のいかなる移動も防止されるので、最初の平坦な形状に戻ることができない。次いで、キャリアディスク７は、（図２ａ及び図２ｂに関連して既に説明したように）フランジからある距離でカプセル本体２内に維持される。
【0136】
この提案された組み立てプロセスを使用して、図１ｃによるカプセルを得ることができる。
【0137】
【0138】
【0139】
図１１ａの組み立てプロセスでは、キャリアディスク７（又はキャリアディスク７とフィルタ要素９）がカプセル本体７内に挿入されると、クランプツール１８がカプセル本体を外側から押圧し、キャリアディスク７の位置レベルのすぐ上でカプセル本体の局所的な変形を引き起こし、その結果、キャリアディスク７がカプセル内の所定位置に維持される。
【0140】
外側からのカプセル本体の外側の局所的な変形は、その周上で、例えば９０°ごとに行われる。これは、キャリアディスク７の効率的な保持を確実にするのに十分である。
【0141】
提案された組み立てプロセス（クランププロセス）はまた、（図８に示されるような）圧力嵌めプロセス、及びビード１６を生成するための内部カプセルラッカー層の溶融のための（図９に示されるような）加熱と関連付けられ得る。
【0142】
上述のクランププロセスの変形例において、図１１ｂは、キャリアディスク７をカプセル本体内に維持するために、フランジの縁部の位置に局所的な変形、例えば、クランプツール１８ａを使用してフランジの縁部の周りに３つの変形を行うことを提案する。
【0143】
この変形例は、蓋が配置及び／又は封止される前又は後に行うことができる。この変形例が使用される場合、キャリアディスク７とカプセル本体のフランジとの間の距離は、局所的変形がカプセル本体の側壁上で行われるときの距離よりも小さくなる（図１１ａ）。
【0144】
ここで図１２を参照すると、組み立てプロセスは、カプセル本体２内のキャリアディスク７の維持手段を提供するための誘導加熱の使用を開示している。
【0145】
キャリアディスク７に直接塗布されたアノードＡと、カプセルの外側の側壁に塗布されたカソードＣとを使用して、アルミニウム製のキャリアディスクをカプセルの内側に封止することが提案されている。局所的な熱は、溶接の接触領域を通して加えられる高電流によって発生する
このプロセスは、圧力がキャリアディスク７上に加えられる、先に開示されたような圧力嵌めプロセスと組み合わせることができる。ディスク７に圧力を加えると、キャリアディスク７の周囲は、その縁部を介してカプセル側壁２ａの内側に接触することになる。高電流によって発生した局所的な熱を加えることにより、接触領域上に溶接が形成される。
このプロセスは、圧力がキャリアディスク７上に加えられる、先に開示されたような圧力嵌めプロセスと組み合わせることができる。ディスク７に圧力を加えると、キャリアディスク７の周囲は、その縁部を介してカプセル側壁２ａの内側に接触することになる。高電流によって発生した局所的な熱を加えることにより、接触領域上に溶接が形成される。
【0146】
溶接は、キャリアディスク７の効率的な保持を確実にするために、１つ以上の点で行うことができる。例えば、キャリアディスク７の円の周囲に９０°ごとに配置された４つの溶接点が、完全に機能する。
【0147】
図１３に示される組み立てプロセスは、フランジ４のすぐ下にステーキングショルダー部１９を有するカプセル１を提供することを提案する。ステーキングショルダー部１９は、カプセル本体２の側壁２ａ上に作られた、後退している平坦なショルダー部である。組み立て中、キャリアディスク７はカプセル本体２内に挿入される。
【0148】
スタッキングショルダー部１９がわずかに円錐形である場合、キャリアディスク７をカプセル本体２内の所定位置に維持することができる。
【0149】
スタッキングショルダー部が円錐形でない場合、キャリアディスク７は、スタッキングショルダー部１９の平坦面上で（任意の既知の手段によって）封止され得る。
【0150】
いずれにしても、前述したように、フィルタ要素９は、キャリアディスク７がカプセル本体２内に挿入される前に、キャリアディスク７に配置及び／又は取り付けられてもよい。
【0151】
図１４は、キャリアディスク７のための提案された幾何学的形状及び関連する組み立てプロセスを示す。
【0152】
ここで、アルミニウムベースの材料で作られたキャリアディスク７は、もはや完全に平坦ではなく、その周囲に沿って取り囲む円錐形のフランジ２０を有する。円錐形のフランジ２０は、キャリアディスク７の平坦面と角度を形成する。この角度は、カプセル本体２内の側壁２ａに適合するように、カプセル本体２の円錐台の角度と同様である。
【0153】
キャリアディスク７のカプセル１内への保持は、互いに非常に近い角度を有する２つの円錐面を有することから生じる。
【0154】
したがって、組み立てに関して、キャリアディスク７（フィルタ要素９を有する、又は有さない）は、２つの円錐面が互いに接触するまでカプセル本体２内に挿入するだけで、それによってキャリアディスク７をカプセル内の所定位置に保持することが達成される。
【0155】
図１５は、キャリアディスク７をカプセル本体２内の所定位置に維持するための追加の方法を提案する。この実施形態では、カプセル本体の開口部（カプセル本体の第２の端部）よりも小さい寸法を有する予め切断された開口部を備える膜２１は、カプセルが飲料原料で充填され、フィルタ要素９及びキャリアディスク７がカプセル本体内に挿入された後に、カプセル１のフランジ４上に封止される。
【0156】
次に、蓋５（プルタブ６を有する）は膜２１上に封止され、カプセルを密閉する。
【0157】
使用中、消費者はプルタブ６を使用して蓋５を取り外し、膜２１はカプセル上の定位置にとどまり（フランジ上に封止され）、キャリアディスク７をカプセル内に維持する。膜の適切な大きさのおかげで、キャリアディスク７は膜２１上に置かれ、カプセル内に維持される。
【0158】
カプセル本体２内でのキャリアディスク７（フィルタ要素９の有無にかかわらず）の保持を改善するために、キャリアディスク並びに組み立てプロセスのための示された実施形態は、必要かつ可能なときはいつでも組み合わせることができる。
【0159】
示されたカプセルは、カプセルと飲料製造マシンの注入部との間の液密性を確実にする、カプセルのフランジ上に位置する封止手段と関連付けられてもよい。例えば、封止手段は、フランジの基部及びカプセル本体の側壁上に適用されたシリコンリング、又はフランジ上に形成された（及びフランジと一体の）１つ以上の突起若しくはブリッジであってもよい。このような封止手段（図示せず）は、飲料製造マシンとの液密構成に関与する。
【0160】
本発明を例として説明してきたが、特許請求の範囲で定義された本発明の範囲から逸脱することなく、変更及び改変を加えることができることが理解されるべきである。更に、既知の均等物が特定の特徴に対して存在する場合、かかる均等物は、本明細書で具体的に言及されているかのように組み込まれる。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3a】
【図3b】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図10】
【図11a】
【図11b】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【国際調査報告】