(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】覗き見防止バックライトモジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20231212BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20231212BHJP
G02B 5/04 20060101ALI20231212BHJP
G02B 5/00 20060101ALI20231212BHJP
G02F 1/13357 20060101ALN20231212BHJP
【FI】
F21S2/00 433
F21S2/00 431
F21V8/00 310
G02B5/04 A
G02B5/00 Z
G02F1/13357
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023532623
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-29
(86)【国際出願番号】 CN2021129496
(87)【国際公開番号】W WO2022127444
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011473055.6
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522385289
【氏名又は名称】馬鞍山晶智科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】MAANSHAN-JINGZHI TECHNOLOGY CO LTD
【住所又は居所原語表記】No.9 and 10,Guangna Standardized Factory Building,Zhengpu Port New District,Ma’anshan City,Anhui Province 243000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 同
(72)【発明者】
【氏名】武 鵬
(72)【発明者】
【氏名】陳 怡敏
【テーマコード(参考)】
2H042
2H391
3K244
【Fターム(参考)】
2H042BA01
2H042BA12
2H042BA14
2H042BA20
2H042CA01
2H042CA12
2H042CA17
2H391AA15
2H391AA16
2H391AC10
2H391AC25
2H391AC30
2H391AC53
2H391AD08
2H391AD13
2H391AD36
2H391AD46
2H391AD52
2H391AD55
2H391AD58
3K244AA01
3K244BA11
3K244BA16
3K244BA18
3K244BA21
3K244CA03
3K244DA05
3K244EA04
3K244EA13
3K244EA22
3K244EC02
3K244EC08
3K244EC14
3K244EC16
(57)【要約】
上部バックライトモジュールと、下部バックライトモジュールと、下部バックライトモジュールの下方に設けられた反射膜とを積層してなり、上部バックライトモジュールは透明モジュールであり、下部バックライトモジュールは透明モジュール又は不透明モジュールであり、上部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールは特性が異なる、覗き見防止バックライトモジュールを提供する。ビーム分割とコリメートの2つの光出射方向を同時に実現でき、複数種のバックライトモジュールに適用でき、ビーム分割は角度が調整可能で、効率が高く、個別の制御が可能であるという利点がある。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
覗き見防止バックライトモジュールであって、
光の角度を制御可能な該バックライトモジュールは、上部バックライトモジュールと、下部バックライトモジュールと、前記下部バックライトモジュールの下方に設けられた反射膜とを積層してなり、前記上部バックライトモジュールは透明モジュールであり、前記下部バックライトモジュールは透明モジュール又は不透明モジュールであり、前記上部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、前記上部バックライトモジュールと前記下部バックライトモジュールは特性が異なる、ことを特徴とする覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項2】
前記コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と、前記第1導光板の側面に設けられた第1光源と、前記第1導光板の上面に設けられた第1マイクロプリズムアレイと、を含み、前記第1マイクロプリズムアレイは前記第1光源の光伝送方向に沿って配列され、前記拡散バックライトモジュールは、第2導光板と、前記第2導光板の側面に設けられた第2光源と、前記第2導光板の上面に設けられた第2マイクロプリズムアレイと、を含み、前記第2マイクロプリズムアレイは前記第2光源の光伝送方向に沿って配列される、ことを特徴とする請求項1に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項3】
前記上部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記第1マイクロプリズムアレイと前記第2マイクロプリズムアレイは、互いに直交しているか、又は互いに平行である、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項4】
前記上部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記第1マイクロプリズムアレイと前記第2マイクロプリズムアレイは、互いに直交しているか、又は互いに平行である、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項5】
前記第1導光板は平行平板であり、前記第1光源は前記第1導光板の1つの側面に設けられ、前記第1光源と反対側の側面に第1反射面が設けられる、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項6】
前記第1導光板は平行平板であり、前記第1光源は前記第1導光板の1つの側面に設けられ、前記第1光源と反対側の側面に第1補助光源が設けられる、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項7】
前記第1導光板は楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の厚肉端側面に設けられる、ことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項8】
前記楔形板のくさび角が5°以下である、ことを特徴とする請求項7に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項9】
前記楔形板の末端側面に反射面が設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項10】
前記第1導光板は二方向楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の2つの厚肉端側面に設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項11】
前記第1マイクロプリズムアレイは台形又はカップ状の構造であり、前記第1マイクロプリズムアレイと前記第1導光板は互いに一体化している、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項12】
前記第1マイクロプリズムアレイは均等又は不均等に配列されている、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項13】
前記第1マイクロプリズムアレイは、前記第1導光板から入射した光をその外へ収束して屈折させる、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項14】
前記第2導光板は平行平板であり、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2反射面が設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項15】
前記第2導光板は平行平板であり、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2補助光源が設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項16】
前記第2マイクロプリズムアレイは、前記第2導光板から入射した光をその外へ放散して屈折させる、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項17】
前記下部バックライトモジュールの上面上に覗き見防止膜が密着しており、前記覗き見防止膜と前記上部バックライトモジュールの下面との間にエアギャップがある、ことを特徴とする請求項2に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項18】
前記上部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と第1光源を含み、前記拡散バックライトモジュールは、第2導光板と第2光源を含み、前記第2導光板は平行平板であり、前記第2導光板の上面に第2マイクロプリズムアレイが設けられ、前記第2マイクロプリズムアレイは前記第2光源の光伝送方向に沿って配列され、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2補助光源が設けられ、前記第1導光板は楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の厚肉端側面に設けられ、前記第1導光板と前記第2導光板との間に菱形プリズム膜が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項19】
前記上部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と第1光源を含み、前記拡散バックライトモジュールは、第2導光板と第2光源を含み、前記第2導光板は平行平板であり、前記第2導光板の上面に第2マイクロプリズムアレイが設けられ、前記第2マイクロプリズムアレイは前記第2光源の光伝送方向に沿って配列され、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2補助光源が設けられ、前記第1導光板は楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の厚肉端側面に設けられ、前記第1導光板と前記第2導光板との間に逆プリズム膜が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【請求項20】
前記逆プリズム膜と前記第2導光板との間に覗き見防止膜が設けられる、ことを特徴とする請求項19に記載の覗き見防止バックライトモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイのバックライトモジュールに関し、特に覗き見防止バックライトモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイは様々な表示装置に広く適用されており、人々の生活との関連性が高まってきている。液晶ディスプレイは、それ自身が発光できないため、バックライトを提供できるバックライトモジュールを配置する必要がある。すべての特殊な使用シーンや使用者がプライバシーを重視して他人に自分の画面上の内容を見られたくない場合、覗き見防止スクリーンが適用されるようになる。現在、覗き見防止スクリーンには2つのモードがあり、1つは、並置された格子構造によって実現され、一定の角度で、透過した光が格子によって遮られ、出射しない静的覗き見防止である。このような構造では、一定角度での覗き見防止効果は得られるが、全体的には透過率が低くて暗く、使用者のエクスペリエンスが悪く、また、覗き見防止と広角表示を両立させることができない。2つ目は動的覗き見で、主に次のようなものがある。
【0003】
1)一般的なバックライトモジュールに3M覗き防止膜を搭載し、3M覗き防止膜とディスプレイとの間にPDLC、スメクチック相調光膜などを搭載し、調光膜を用いて全透明状態と散乱状態を切り替えることでプライバシー状態と共有状態の切り替えを行う。この解決手段には、3M覗き防止膜の価格が高く、しかもPDLCの全透明状態での視角が悪く、プライバシー状態の効果に悪影響を与え、スメクチック相調光膜の駆動電圧が高く、低温での応答速度が遅すぎるという問題が存在する。
【0004】
2)コリメートバックライトモジュールにPDLC、スメクチック相調光膜などを搭載する。この解決手段には、コリメートバックライトのコストが高く、歩留まりが低いという問題が存在する。
【0005】
3)液晶ライトバルブに基づく覗き見防止表示システムであって、液晶ライトバルブの両側に2対の異なる形態の電極を設けることにより、プライバシー状態と共有状態の迅速な切り替えを表示する。この解決手段には、入射光の角度が要求されるため、効率損失がある。
【0006】
以上のいくつかの解決手段では、出射角度は基本的に1つの次元で一定の範囲に固定することしかできず、2次元に配慮することができず、角度範囲を調整することができず、使用範囲に制限がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする技術的課題は、角度を調整可能に2次元的に覗き見防止を行うことができ、しかも、覗き見防止と広角との2つの表示モードを、応答時間なく効率的に切り替えることができ、全体としての透過率が高い覗き見防止バックライトモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明が上記の技術的課題を解決するために使用される技術的解決手段は以下のとおりである。覗き見防止バックライトモジュールであって、
上部バックライトモジュールと、下部バックライトモジュールと、前記下部バックライトモジュールの下方に設けられた反射膜とを積層してなり、前記上部バックライトモジュールは透明モジュールであり、前記下部バックライトモジュールは透明モジュール又は不透明モジュールであり、前記上部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、前記上部バックライトモジュールと前記下部バックライトモジュールは特性が異なる。
【0009】
前記コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と、前記第1導光板の側面に設けられた第1光源と、前記第1導光板の上面に設けられた第1マイクロプリズムアレイと、を含み、前記第1マイクロプリズムアレイは前記第1光源の光伝送方向に沿って配列され、前記拡散バックライトモジュールは、第2導光板と、前記第2導光板の側面に設けられた第2光源と、前記第2導光板の上面に設けられた第2マイクロプリズムアレイと、を含み、前記第2マイクロプリズムアレイは前記第2光源の光伝送方向に沿って配列される。
【0010】
前記上部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記第1マイクロプリズムアレイと前記第2マイクロプリズムアレイは、互いに直交しているか、又は互いに平行である。
【0011】
前記上部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記第1マイクロプリズムアレイと前記第2マイクロプリズムアレイは、互いに直交しているか、又は互いに平行である。
【0012】
前記第1導光板は平行平板であり、前記第1光源は前記第1導光板の1つの側面に設けられ、前記第1光源と反対側の側面に第1反射面が設けられる。
【0013】
前記第1導光板は平行平板であり、前記第1光源は前記第1導光板の1つの側面に設けられ、前記第1光源と反対側の側面に第1補助光源が設けられる。
【0014】
前記第1導光板は楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の厚肉端側面に設けられる。前記楔形板のくさび角が5°以下である。
【0015】
前記楔形板の末端側面に反射面が設けられる。
【0016】
前記第1導光板は二方向楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の2つの厚肉端側面に設けられる。
【0017】
前記第1マイクロプリズムアレイは台形又はカップ状の構造であり、前記第1マイクロプリズムアレイと前記第1導光板は互いに一体化している。
【0018】
前記第1マイクロプリズムアレイは均等又は不均等に配列されている。
【0019】
前記第1マイクロプリズムアレイは、前記第1導光板から入射した光をその外へ収束して屈折させる。
【0020】
前記第2導光板は平行平板であり、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2反射面が設けられる。
【0021】
前記第2導光板は平行平板であり、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2補助光源が設けられる。
【0022】
前記第2マイクロプリズムアレイは、前記第2導光板から入射した光をその外へ放散して屈折させる。
【0023】
前記下部バックライトモジュールの上面上に覗き見防止膜が密着しており、前記覗き見防止膜と前記上部バックライトモジュールの下面との間にエアギャップがある。
【0024】
前記二方向楔形導光板の下界面は、直線的であってもよく、非線的であってもよい。
【0025】
前記第1マイクロプリズムアレイ及び前記第2マイクロプリズムアレイの側面輪郭は、直線であってもよいし、弧線や複数の線分であってもよい。
【0026】
前記弧線や複数の線分のような輪郭は、内側に凹状(収束)であってもよいし、内側に凸状(放散)であってもよいし、凹状と凸状を組み合わせたものであってもよい。
【0027】
前記上部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と第1光源を含み、前記拡散バックライトモジュールは、第2導光板と第2光源を含み、前記第2導光板は平行平板であり、前記第2導光板の上面に第2マイクロプリズムアレイが設けられ、前記第2マイクロプリズムアレイは前記第2光源の光伝送方向に沿って配列され、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2補助光源が設けられ、前記第1導光板は楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の厚肉端側面に設けられ、前記第1導光板と前記第2導光板との間に菱形プリズム膜が設けられる。
【0028】
前記上部バックライトモジュールは拡散バックライトモジュールであり、前記下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュールであり、前記コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と第1光源を含み、前記拡散バックライトモジュールは、第2導光板と第2光源を含み、前記第2導光板は平行平板であり、前記第2導光板の上面に第2マイクロプリズムアレイが設けられ、前記第2マイクロプリズムアレイは前記第2光源の光伝送方向に沿って配列され、前記第2光源は前記第2導光板の1つの側面に設けられ、前記第2光源と反対側の側面に第2補助光源が設けられ、前記第1導光板は楔形板であり、前記第1光源は前記楔形板の厚肉端側面に設けられ、前記第1導光板と前記第2導光板との間に逆プリズム膜が設けられる。
【0029】
前記逆プリズム膜と前記第2導光板との間に覗き見防止膜が設けられる。
【発明の効果】
【0030】
従来技術と比べて、本発明の利点は以下のとおりである。ビーム分割とコリメートとの2つの光出射方向を同時に実現でき、複数種のバックライトモジュールに適用され得る。ビーム分割は角度が調整可能で、効率が高く、個別の制御が可能である。両面入光及び入光ヘッドのデザインによりビーム分割機能が実現され、しかも、光出射面のマイクロプリズム構造のデザインにより、例えば、縁部から中心に向かうに従って密度が高まり、均一な光出射が実現され、これによって、従来のパネルでは、中央部の色が薄くて、輝度が不十分であるという問題が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の実施例の例1におけるシングル光源コリメートバックライトモジュールの第1構造の光路概略図である。
【
図2】本発明の実施例の例1におけるシングル光源コリメートバックライトモジュールの第2構造の光路概略図である。
【
図3】本発明の実施例の例1におけるシングル光源コリメートバックライトモジュールの第3構造の光路概略図である。
【
図4】本発明の実施例の例1におけるシングル光源拡散バックライトモジュールの構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例の例2におけるデュアル光源コリメートバックライトモジュールの第1構造の光路概略図である。
【
図6】本発明の実施例の例2におけるデュアル光源コリメートバックライトモジュールの第2構造の光路概略図である。
【
図7】本発明の実施例の例2におけるデュアル光源コリメートバックライトモジュールの第3構造の光路概略図である。
【
図8】本発明の実施例の例2におけるデュアル光源拡散バックライトモジュールの構造概略図である。
【
図9】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールの第1構造の概略図である。
【
図10】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールの第2構造の概略図である。
【
図11】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールの第2構造の特定の拡散バックライトモジュールとコリメートバックライトモジュールとの組み合わせの光路概略図である。
【
図12】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールの第2構造の特定の拡散バックライトモジュールと、覗き見防止膜と、コリメートバックライトモジュールとの組み合わせの光路概略図である。
【
図13】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールにおいて上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールが垂直に設けられた場合の平面構造概略図である。
【
図14】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールにおいて上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールが垂直に設けられた第1構造の立体構造概略図である。
【
図15】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールにおいて上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールが垂直に設けられた第2構造の立体構造概略図である。
【
図16】本発明の実施例の例3におけるデュアル光源バックライトモジュールにおいて上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールが垂直に設けられた第1構造に覗き見防止膜が追加された場合の立体構造概略図である。
【
図17】本発明の実施例の例4におけるバックライトモジュールの第1構造の概略図である。
【
図18】本発明の実施例の例4におけるバックライトモジュールの第2構造の概略図である。
【
図19】本発明の実施例におけるデュアル光源バックライトモジュールの出射光スペクトルの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面及び実施例を参照して、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0033】
実施例
光の角度を制御可能なバックライトモジュールであって、光の角度を制御可能な該バックライトモジュールは、上部バックライトモジュールと、下部バックライトモジュールと、下部バックライトモジュールの下方に設けられた反射膜とを積層してなり、上部バックライトモジュールは透明モジュールであり、下部バックライトモジュールは透明モジュール又は不透明モジュールであってもよく、上部バックライトモジュールは、コリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであってもよく、下部バックライトモジュールはコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュールであり、且つ、上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールは特性が異なる。コリメートバックライトモジュールは、第1導光板と、第1導光板の側面に設けられた第1光源と、第1導光板の上面に設けられた第1マイクロプリズムアレイと、を含み、第1マイクロプリズムアレイは、第1光源の光伝送方向に沿って配列され、拡散バックライトモジュールは、第2導光板と、第2導光板の側面に設けられた第2光源と、第2導光板の上面に設けられた第2マイクロプリズムアレイと、を含み、第2マイクロプリズムアレイは、第2光源の光伝送方向に沿って配列される。
【0034】
例1:シングル光源構造のコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュール
図1は、シングル光源コリメートバックライトモジュールの第1構造の概略図である。第1導光板32は平行平板であり、第1マイクロプリズムアレイ33は第1導光板32の表面に設けられ、第1光源31は第1導光板32の1つの側面321に設けられ、第1光源31と反対側の側面324に第1反射フィルム34が設けられており、第1反射フィルム34の表面は所定の反射率を有する第1反射面であり、第1導光板32及び第1マイクロプリズムアレイ33の基体は光学材料で製造される。
【0035】
図に示すように、第1光源31から出射された光301が端面321から第1導光板32に入ると、スネルの法則(n1sinθ1=n2sinθ2、式中、n1は媒体1の屈折率、θ1は入射角、n2は媒体2の屈折率、θ2は屈折角である)に従って、その光路の軌跡は、光301が上部の界面322と下部の界面323との間で連続的に反射されながら前へ進み、最終的に第1マイクロプリズムアレイ33の下部開口から入って、その1つのマイクロプリズム331で屈折され、マイクロプリズム331の側面3311で屈折されて第1マイクロプリズムアレイ33のマイクロプリズム331の表面333の外へ出ることである。第1光源31から出射されたもう1本の光302が第1導光板32に入ると、スネルの法則に従って、その光路の軌跡は、同様に、光302が上部の界面322と下部の界面323との間で連続的に反射されながら前へ進み、進む過程において第1マイクロプリズムアレイ33に当たらないため、側面324で第1反射フィルム34により反射されて、逆方向に第1導光板32内を進むことである。反射された光302は、復路においてマイクロプリズム332の下端に当たり、マイクロプリズム332に入り、光はマイクロプリズム332の側面3321で屈折されて第1マイクロプリズムアレイ33の表面333の外へ出る。
【0036】
図2は、シングル光源コリメートバックライトモジュールの第2構造の概略図である。第1導光板53は楔形構造を採用しており、第1光源51は楔形板の厚肉側(楔形)に設けられる。第1導光板53の屈折率が1.58であるとすれば、楔形板に入射された光の角度の範囲がα=±arcsin(1/1.58)=±40°であり、光は、楔形板内を伝播するときに、楔形板の上反射面及び下反射面の法線となす角90-αが50°以上であり、一方、全反射角がγ=arcsin(1/1.58)=40°であり、90-αがγよりも大きい場合には全反射条件が満たされ、出射はしない。楔形板の角度がβであると、光は、上界面531又は下界面532により反射されるたびに、楔形板の上界面531又は下界面532の法線となす角がβだけ減少し、出射条件が満たされるときにのみ出射される。このような解決手段では、第1導光板53のくさび角βが極めて小さく、光エネルギー(例えば光501)はほとんど、進むときに全反射条件を満たすので、上界面531及び下界面532により閉じ込まれ、本例では、光が一方向に進むので、第1マイクロプリズムアレイ52は一方向に配列され(非対称)、光は、マイクロプリズム構造の下部開口に照射されるときにのみ、マイクロプリズムの一方の側面521で屈折されてバックライトモジュールの外へ出て、マイクロプリズムの他方の側面522では屈折されない。
【0037】
図3は、シングル光源コリメートバックライトモジュールの第3構造の概略図である。楔形導光板の末端に第1反射フィルム55が設けられ、二方向に光出射するバックライトモジュールが形成され、第1マイクロプリズムアレイ54は対称的に配列され、光源51から出射された光502の出射の過程は
図2の光501と類似する。ただし、進むときに第1マイクロプリズムアレイ54の下部開口に当たらない光(例えば光503)は、楔形板の端面で第1反射フィルム55により楔形板に反射され、楔形板の上反射面531と下反射面532との間で反射されながら進む過程が、逆の過程とは反対しており(逆楔形)、光は、上界面531又は下界面532で反射されるたびに、楔形板の上界面531又は下界面532の法線となす角がβだけ増大し、このため、光と界面の法線とがなす角は多くなり、戻された光は、第1マイクロプリズムアレイ54の下部開口に当たってから、マイクロプリズムの側面523で第1マイクロプリズムアレイ54から反射される。
【0038】
図4は、シングル光源拡散バックライトモジュールの構造概略図である。第2マイクロプリズムアレイ43のマイクロプリズムの2つの側面は、側面で屈折された光を、プリズムアレイの表面の法線に対して対称(又は非対称)な異なる方向に放射させるように設計されている。第2光源41から射出された光401、402は、側面421から第2導光板42に入って、第2導光板42中を進み、これらのうち、光401は、マイクロプリズムの下部開口に当たると、側辺432で屈折されてバックライトモジュールの外へ出る。一方、光402は、進むときにマイクロプリズムの下部開口に当たらないため、第2導光板42の別の側面423で第2反射フィルム44により第2導光板42に反射され、逆方向に進み、光401と対向して進む過程においてマイクロプリズムの下部開口に当たり、マイクロプリズムの側辺431で屈折されてバックライトモジュールの外へ出る。マイクロプリズムの側面輪郭を変えることによって、対向して進む光401及び402は、マイクロプリズムによって、2つの異なる方向に屈折され、そのため、第2マイクロプリズムアレイ43の表面433の法線434の方向において光はなく、法線434の方向の両側に光は分布している。ビームの放散の度合(範囲)はマイクロプリズムの側面輪郭を変えることにより制御され得る。
【0039】
例2:デュアル光源構造のコリメートバックライトモジュール又は拡散バックライトモジュール
図5は、デュアル光源コリメートバックライトモジュールの第1構造の概略図である。第1導光板32は平行平板であり、第1マイクロプリズムアレイ33は第1導光板32の表面に設けられ、第1光源31は、第1導光板32の1つの側面321に設けられ、第1光源31と反対側の側面324に第1補助光源35が設けられる。第1導光板32及びマイクロプリズムアレイ33の基体は光学材料で製造される。
【0040】
図に示すように、2つの光源からの光は対向して進むことが分かり、これらの光出射機構は
図2と同じである。
図6では、マイクロプリズムの側面は、出射光が光出射面333の法線334を中心にして分布しており、すなわち、2つの方向に進む光の光出射範囲が重なるように設計され、例えば、
図6に示す光301、302と303、304の分布範囲は重なっている。
【0041】
図6は、デュアル光源コリメートバックライトモジュールの第2構造の概略図である。第1導光板57は、薄い側が繋がった2つの線状楔形板構造として構成され、二方向光出射モジュールとなり、このような例では、第1マイクロプリズムアレイは、対称的に配列されている。具体的な実施解決手段は、第1補助光源56から出射された光504が、線状楔形板に入射されると、先に厚さが小さくなっていく構造(楔形)に当たり、上界面571と下界面572との間で反射されながら進み、楔形板の角度がβであると、光が、上界面571又は下界面572で反射されるたびに、楔形板の上界面571又は下界面572の法線となす角がβだけ減少し、出射条件を満たす場合にのみ出射されることである。このような解決手段では、楔形導光板のくさび角βが極めて小さく、光エネルギー(例えば光504)はほとんど、進むときに全反射条件を満たすので、上界面571及び下界面572により閉じ込まれ、光は、第1マイクロプリズムアレイの下部開口に照射されるときにのみ、マイクロプリズムの側面522で屈折されてバックライトモジュールの外へ出る。厚さが小さくなっていく楔形構造において第1マイクロプリズムアレイの下部開口に当たらない光は、進み続けて、厚さが大きくなっていく楔形構造(逆楔形)に入り、その過程は逆楔形の場合と同じであり、例えば、光505の第1マイクロプリズムアレイからの出射点は逆楔形の部分にある。第1補助光源56に対応する第1光源51については、上記と同様である。
【0042】
図7は、デュアル光源コリメートバックライトモジュールの第3構造の概略図である。二方向楔形導光板の解決手段では、楔形板の下界面571は非線状の複数の線分であってもよい。その作用原理は、
図7と同様である。
【0043】
図8は、デュアル光源拡散バックライトモジュールの構造概略図であり、その構造は、第2反射フィルム44を第2補助光源45に変更したことを除いて、
図5と同様である。
【0044】
例3
図9に示すように、コリメートと大角度(放散)光出射との2つの形態を提供し得る両側入射(デュアル光源)のバックライトモジュール1は、コリメート光出射を担当して上部バックライトモジュールとしてのコリメートバックライトモジュール11と、放散光出射を担当して下部バックライトモジュールとしての拡散バックライトモジュール12と、下部バックライトモジュールの下方に配置されて、光学界面から下方へ反射された迷光を光出射方向に反射して迷光を再利用して、バックライトモジュールの光効率を高める反射膜13と、を含む。
【0045】
図10に示すように、コリメートと大角度(放散)光出射との2つの形態を提供し得る両側入射バックライトモジュール2は、放散光出射を担当して上部バックライトモジュールとしての拡散バックライトモジュール12と、コリメート光出射を担当して下部バックライトモジュールとしてのコリメートバックライトモジュール11と、下部バックライトモジュールの下方に配置された反射膜13と、を含む。
図10及び
図11の例3では、上部バックライトモジュール及び下部バックライトモジュールは、同一方向に配置され、すなわち、例えば111と121、112と122など、上下にある2つのバックライトモジュールの同一側の光源は上下に積層される。
【0046】
図11に示すように、デュアル光源拡散バックライトモジュール15は上部バックライトモジュールであり、二方向楔形コリメートバックライトモジュール16は下部バックライトモジュールであり、上部バックライトモジュール15と下部バックライトモジュール16は組み合わせ反射膜17上に配置される。下部バックライトモジュール16を例にして、光源621及び622から射出された光601及び602は、楔形導光板に入ってから、対向して進み、マイクロプリズムの下部開口に当たると屈折させて下部バックライトモジュール16へ出る。コリメートバックライトモジュール16から出射された光601、602、603、604は、上部バックライトモジュール15を透過して、コリメート方向のビームとなるが、上部バックライトモジュールを透過する際には、上部バックライトモジュール15のマイクロプリズム構造によるヘイズ効果によってコリメートビームの一部が分散される。同様に、上部バックライトモジュール15の2つの光源611、612から発せられた光、例えば光605、606は、平行導光板に入って、対向して進み、マイクロプリズムの下部開口に当たると、マイクロプリズムの側面により大角度で屈折されて、拡散バックライトモジュール15の外へ出る。このような光601、602、605、606は全角度ビームとなり、上部バックライトモジュール15が閉じられると、ビーム範囲はコリメート部分601、602しかない。上部バックライトモジュール15の光源のオンオフを制御することにより、ビームの視角を切り替えることができる。本例では、下方に配置された反射膜17は、楔形導光板の下方から漏れた光や、バックライトモジュール構造の異なる界面から下方へ反射された光を反射して、下方へ出射された光を再利用して、バックライトモジュール全体の光効率を高めるものである。この技術解決手段における組み合わせでは、上部バックライトモジュールは平行平板であり、下部バックライトモジュールは楔形であるほか、以下の組み合わせであってもよい。上部バックライトモジュールは楔形であり、下部バックライトモジュールは平行平板である。上部バックライトモジュール及び下部バックライトモジュールはいずれも平行平板であり、上部バックライトモジュール及び下部バックライトモジュールはいずれも楔形である。
【0047】
図12に示すように、コリメート(角度)カットオフエリアの黒さ(モジュールのコントラスト)をさらに向上させるために、
図12の構造に覗き見防止膜18が追加されてもよい。このような構成では、界面の光損失を減少させるために、覗き見防止膜18の下面181は下部バックライトモジュール64の光出射面641に光学的に密着しており、また、覗き見防止膜18の上面182は拡散バックライトモジュール63の下面631に密着してはならず、非光学的接触を維持しなければならない。
【0048】
図13に示すように、上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールは直交するように配置され、すなわち、一方のバックライトモジュールの光源、例えば72、73は水平方向に配置され、他方のバックライトモジュールの光源71、74は、垂直方向に配置される。上下にある2つのモジュールは、直交して配置されることにより、より緊密に結合され、また、光源の配置は互いに干渉を与えることはない。コンパクトな構造のデザインを実現しつつ、上部モジュールのマイクロプリズム構造による下部バックライトモジュールへの実際のヘイズを低減させる。直交するバックライトモジュールの組み合わせによるビームの規則は、平行するバックライトモジュールの組み合わせと同様である。
【0049】
図14には、直交するように配置されたコリメートバックライトモジュール81を下、拡散バックライトモジュール82を上にした構成が示されている。
図15には、拡散バックライトモジュール82を下、コリメートバックライトモジュール81を上にした組み合わせが示されている。
【0050】
図16に示すように、コリメートバックライトモジュール81を下、拡散バックライトモジュール82を上にした構成において、コリメート(角度)カットオフエリアの黒さ(バックライトモジュールのコントラスト)をさらに向上させるために、81と82との間に覗き見防止膜84を追加してもよい。このような構成では、界面の光損失を低減させるために、覗き見防止膜84の下面841は下部バックライトモジュール81の光出射面811に光学的に密着している。また、覗き見防止膜84の上面842は、拡散バックライトモジュール82の下面821に密着してはならず、非光学的接触を維持しなければならない。
【0051】
例4
図17に示すように、バックライトモジュールは、不透明な全楔形コリメートバックライトモジュール92を下部バックライトモジュール、透明な拡散バックライトモジュール91を上部バックライトモジュールとして、上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールの配置方向は同じであり、すなわち、2つのバックライトモジュールの光源911、924は上下方向に積層される。一体型楔形モジュール構造と異なり、
図17では、菱形プリズム膜922、楔形導光板921、及び反射膜923はいずれも個別のデバイスであり、菱形プリズム膜922及び楔形導光板921に使用される2つの材料の屈折率が同一又は類似する。その作用原理は以下のとおりである。光源924から発せられた光901、902は、楔形導光板921の先端から入射され、楔形導光板921(例えばn=1.58)内を伝播するときに、スネルの屈折の法則n
1sinθ
1=n
2sinθ
2に従う。
式中、n
1は媒体1の屈折率、θ
1は入射角、n
2は媒体2の屈折率、θ
2は屈折角である。
【0052】
光が楔形導光板921に入射された後の角度範囲はα=±arcsin(1/1.58)=±40°であり、楔形導光板921内を伝播する際には楔形導光板921の上反射面9211及び下反射面9212の法線となす角90-αが50°以上であり、一方、全反射角がγ=arcsin(1/1.58)=40°であり、90-αがγよりも大きい場合は全反射条件が満たされ、出射はしない。楔形板の角度がβであると、光は、反射されるたびに、楔形導光板921の出射面9211の法線となす角がβだけ減少し、出射条件を満たすときにのみ出射される。理解できるように、出射面9211から出射されて上方の菱形プリズム膜922に入った光がすべて略全反射角になるときに出射され、光の方向がほぼ一致しており、すなわち、光901及び902の楔形導光板921での初期の方向に関わらず、これらの菱形プリズム膜922への入射方向がほぼ一致する。そのため、ビームは、菱形プリズム膜922で屈折された後、所定の方向における収束の度合が良好である。このような構成は、コリメート度が高く要求される用途では特に重要である。ここでは、上拡散導光板921のモジュール91の作動原理は上記の各例と同様であるが、全楔形コリメートバックライトモジュールのコリメート性がより優れることから、コリメートバックライトモジュールの出射ビームとシームレスなフルカバーを形成するために、拡散バックライトモジュールの光出射範囲もその分拡大する。
【0053】
図18に示すように、
図17の構造に、コリメート(角度)カットオフエリアの黒さ(バックライトモジュールのコントラスト)をさらに向上させるために、透明な拡散バックライトモジュール91と不透明なコリメートバックライトモジュール92との間に覗き見防止膜93が設けられる。このような構成では、界面の光損失を減少させるために、覗き見防止膜93の下面932は、下部バックライトモジュールの光出射面9251に光学的に密着している。また、覗き見防止膜93の上面931は、拡散バックライトモジュール912の下面9121に密着してはならず、非光学的接触を維持しなければならない。ここでは、
図17において、楔形導光板の上方にある菱形プリズム膜は逆プリズム膜925に置き換えられ、これらの作動原理は同様であり、楔形導光板の出射光を全反射により特定の方向に屈折させる。
【0054】
図19は、本発明の実施例におけるデュアル光源バックライトモジュールの出射光スペクトルである。図から明らかなように、上部バックライトモジュールと下部バックライトモジュールが同時に作動するときに、バックライトモジュールは、視野全体をカバーする光出射範囲の輪郭23を提供する。放散型バックライトモジュールがオフになると、点線スペクトル21は現れず、バックライトモジュールは、コリメート方向の出射光スペクトル22のみを提供する。
【国際調査報告】