IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-552749基板ヒータにおけるマルチゾーンヒータチューニング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】基板ヒータにおけるマルチゾーンヒータチューニング
(51)【国際特許分類】
   G06N 3/08 20230101AFI20231212BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20231212BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06N3/08
H01L21/205
H01L21/31 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533302
(86)(22)【出願日】2021-11-29
(85)【翻訳文提出日】2023-07-21
(86)【国際出願番号】 US2021061009
(87)【国際公開番号】W WO2022119774
(87)【国際公開日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】17/247,128
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】マー, チュン
【テーマコード(参考)】
5F045
【Fターム(参考)】
5F045AA08
5F045AA15
5F045BB02
5F045EK07
5F045EK22
5F045GB05
5F045GB09
5F045GB10
5F045GB15
(57)【要約】
システムは、基板支持体の複数のゾーンに対応する基板支持体内の加熱エレメントを有するマルチゾーンヒータを含む。処理デバイスは、加熱エレメントに結合され、ゾーンに対応する複数のベクトルを有する温度マトリクスにアクセスすることと、温度マトリクスと重みベクトルを乗算することによって基板支持体の温度マップを決定することであって、重みベクトルが、それぞれのベクトルの推定重み値を含む、基板支持体の温度マップを決定することと、最初の厚さマップおよび温度マップに基づいて基板上のフィルムのターゲット厚さマップを決定することであって、最初の厚さマップが、均一温度で最初のフィルムの場所にわたる最初の厚さを特徴づけるデータを有する、ターゲット厚さマップを決定することと、ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差に対する極小化を温度マップがもたらすように推定重み値を反復して更新することと、加熱エレメントの制御値として推定重み値を使用することとを行うことになる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理を受けている基板を加熱するように構成された基板支持体内の複数の加熱エレメントを備えるマルチゾーンヒータであって、前記複数の加熱エレメントが、前記基板支持体の複数のゾーンに対応する、マルチゾーンヒータと、
前記複数の加熱エレメントに結合された処理デバイスであって、
前記複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスにアクセスすることであって、各ベクトルにおける値が、温度設定点で起動されている、前記複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての前記基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す、温度マトリクスにアクセスすること、
前記温度マトリクスと重みベクトルを乗算することによって前記基板支持体の温度マップを決定することであって、前記重みベクトルが、前記温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む、前記基板支持体の温度マップを決定すること、
最初の厚さマップおよび前記温度マップに基づいて、前記基板支持体上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲット厚さマップを決定することであって、前記最初の厚さマップが、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初の厚さを特徴づけるデータを含む、ターゲット厚さマップを決定すること、
前記ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差に対する極小化を前記温度マップがもたらすように、前記重みベクトルの前記推定重み値を反復して更新すること、および、
後続の基板を処理する間に前記複数の加熱エレメントのそれぞれのための制御値として前記推定重み値を使用すること
を行うための処理デバイスと
を備える、システム。
【請求項2】
前記標準偏差に対する前記極小化が、前記厚さ値の前記標準偏差が閾値未満となることを確保することによって、実行される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記複数のベクトルのうちの、1ベクトルにおける値が、
前記ベクトルに対応する、前記複数のゾーンのうちの、1ゾーン内の場所の第1の値と、
前記ベクトルに対応する前記ゾーン内にない場所の第2の値であって、前記第1の値が前記第2の値よりも大きく、前記ゾーンから遠く離れるほど前記第2の値が小さくなる、第2の値と
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理デバイスが、
温度感度値にアクセスすることと、
前記均一温度を前記温度マップから減算することによって、更新された温度マップを決定することと、
前記温度感度値と前記更新された温度マップを乗算して、変更された厚さマップを決定することと、
前記変更された厚さマップを前記最初の厚さマップに加算することによって、前記ターゲット厚さマップを決定することと
をさらに行う、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
基板支持体のマルチゾーンヒータ内の複数の加熱エレメントのうちの、各加熱エレメントを、処理中に基板を加熱するように構成された前記基板支持体の複数のゾーンのうちの1ゾーンと、相互に関連付けることと、
前記複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスに、処理デバイスによって、アクセスすることであって、各ベクトルにおける値は、温度設定点で起動されている、前記複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての前記基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す、温度マトリクスにアクセスすることと、
前記温度マトリクスと重みベクトルを乗算することによって前記基板支持体の温度マップを、前記処理デバイスによって、決定することであって、前記重みベクトルが、前記温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む、前記基板支持体の温度マップを決定することと、
最初のパラメータマップおよび前記温度マップに基づいて、前記基板支持体上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲットパラメータマップを、前記処理デバイスによって、決定することであって、前記最初のパラメータマップが、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたるプロセスパラメータを特徴づけるデータを含む、ターゲットパラメータマップを決定することと、
前記ターゲットパラメータマップ内のパラメータ値の標準偏差を極小化する結果を前記温度マップがもたらすように前記重みベクトルの前記推定重み値を、前記処理デバイスによって、反復して更新することと、
後続の基板を処理する間に前記複数の加熱エレメントのそれぞれのための制御値として前記推定重み値を、前記処理デバイスによって、使用することと
を含む、方法。
【請求項6】
前記標準偏差を極小化することが、前記パラメータ値の前記標準偏差が閾値未満となることを確保することによって、実行される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記プロセスパラメータが、前記フィルムの吸光係数(k)である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記複数のベクトルのうちの、1ベクトルにおける値が、
前記ベクトルに対応する、前記複数のゾーンのうちの、1ゾーン内の場所の第1の値と、
前記ベクトルに対応する前記ゾーン内にない場所の第2の値であって、前記第1の値が前記第2の値よりも大きく、前記ゾーンから遠く離れるほど前記第2の値が小さくなる、第2の値と
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
パラメータ感度値にアクセスすることと、
前記均一温度を前記温度マップから減算することによって、更新された温度マップを決定することと、
前記パラメータ感度値と前記更新された温度マップを乗算して、変更されたパラメータマップを決定することと、
前記変更されたパラメータマップを前記最初のパラメータマップに加算することによって、前記ターゲットパラメータマップを決定することと
をさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項10】
複数のデータ項目を含むトレーニングデータセットを、計算デバイスによって、受信することであって、前記複数のデータ項目のうちの各データ項目が、マルチゾーンヒータを含む基板支持体の場所にわたる温度値のセットおよび前記基板支持体上にある間に処理された基板上のフィルムの厚さ値のセットを含む、トレーニングデータセットを受信することと、
前記トレーニングデータセットを機械学習モデルに、前記計算デバイスによって、入力することと、
前記マルチゾーンヒータの複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスの値を更新するトレーニングされた機械学習モデルを生成するように、前記トレーニングデータセットに基づいて前記機械学習モデルを、前記計算デバイスによって、トレーニングすることであって、各ベクトルにおける値が、1つまたは複数の温度設定点に設定されている、前記マルチゾーンヒータの複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての前記基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表し、前記複数のベクトルの組み合わせが、閾値レベルのフィルム均一性を確保するために使用可能な前記基板支持体にわたる温度値のターゲットセットを含む、前記機械学習モデルをトレーニングすることと
を含む、方法。
【請求項11】
前記機械学習モデルが、人工ニューラルネットワークである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記基板上の前記フィルムの厚さ値の前記セットを、厚さ画像化センサを使用して、生成することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記機械学習モデルをトレーニングすることが、更新される前に、重みベクトルを前記温度マトリクスと乗算することによって後続のトレーニング反復において使用可能な温度値の各セットを決定することをさらに含み、前記重みベクトルが、前記温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
処理されることになる後続の基板について、
前記温度マトリクスと重みベクトルを乗算することによって前記基板支持体の温度値の前記ターゲットセットを決定することであって、前記重みベクトルが、前記温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む、温度値の前記ターゲットセットを決定することと、
先行して処理された基板の厚さ値の直前のセットおよび前記温度値のターゲットセットに基づいて、前記後続の基板上の前記フィルムの厚さ値のターゲットセットを決定することと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記厚さ値のターゲットセットの標準偏差に対する極小化を前記温度値のターゲットセットがもたらすように、前記重みベクトルの前記推定重み値を反復して更新することと、
前記後続の基板を処理する間に前記推定重み値を使用して前記複数の加熱エレメントのそれぞれの温度設定点を決定することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
温度感度値にアクセスすることと、
前記温度値のセットを前記温度値のターゲットセットから減算することによって、温度値の更新済みセットを決定することと、
前記温度感度値と前記温度値の更新済みセットを乗算して、変更された厚さ値のセットを決定することと、
前記変更された厚さ値のセットを前記厚さ値の直前のセットに加算することによって前記厚さ値のターゲットセットを決定することと
をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
処理中に基板を加熱するように構成された基板支持体の複数のゾーンのうちの1ゾーンと、前記基板支持体のマルチゾーンヒータ内の複数の加熱エレメントのうちの、各加熱エレメントを相互に関連付けることと、
複数のデータ項目を含むトレーニングデータセットを受信することであって、前記複数のデータ項目のうちの各データ項目が、複数の温度設定点および基板に関連する厚さマップを含み、前記複数の温度設定点が、前記複数の加熱エレメントを制御し、前記厚さマップが、前記基板上のフィルムの場所にわたるフィルム厚さを特徴づけるデータを含む、トレーニングデータセットを受信することと、
機械学習モデルに前記トレーニングデータセットを、処理デバイスによって、入力することと、
ターゲット厚さを入力として受信し且つ前記ターゲット厚さを有する前記フィルムをもたらす前記複数の加熱エレメントの1セットの温度設定点を出力する、トレーニングされた機械学習モデルを生成するように、前記トレーニングデータセットに基づいて前記機械学習モデルを、前記処理デバイスによって、トレーニングすることと
を含む、方法。
【請求項18】
前記機械学習モデルが、人工ニューラルネットワークである、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ターゲット厚さが、閾値未満である前記フィルムの場所にわたる厚さ値の標準偏差を含む実質的に均一な厚さである、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記基板上の前記フィルムの前記厚さ値を含む各厚さマップを、厚さ画像化センサを使用して、生成することをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記機械学習モデルをトレーニングすることが、各基板について、前記フィルムの前記場所にわたる、前記複数の温度設定点の結果としての、温度値の組み合わせを、それらの場所にわたる、前記厚さマップの、厚さ値と相互に関連付けることを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
処理チャンバの基板支持体上に基板を受けることであって、前記基板支持体が、基板支持体内のマルチゾーンヒータの複数のゾーンに対応する複数の加熱エレメントを使用して処理中に前記基板を加熱するように構成される、基板を受けることと、
前記基板で実行されることになるプロセスを示す情報および前記基板上のフィルムのターゲット厚さを示す情報を、前記処理チャンバの処理デバイスによって、受信することと、
トレーニングされた機械学習モデルに、前記実行されることになるプロセスまたは前記ターゲット厚さのうちの少なくとも1つを入力することであって、前記トレーニングされた機械学習モデルが、前記プロセスに関連する前記複数の加熱エレメントの1セットの温度設定点を出力し、前記1セットの温度設定点が、閾値未満である前記基板の場所にわたる厚さ値の標準偏差を有する前記ターゲット厚さを有する前記基板上の前記フィルムをもたらす、前記実行されることになるプロセスまたは前記ターゲット厚さのうちの少なくとも1つを入力することと、
前記1セットの温度設定点で動作するように前記複数の加熱エレメントを、前記処理デバイスによって、設定することと、
前記1セットの温度設定点で前記複数の加熱エレメントを使用して前記処理チャンバ内の前記基板を処理することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、基板ヒータにおけるマルチゾーンヒータチューニングに関する。
【背景技術】
【0002】
基板ヒータは、概して、基板支持体内に位置する単一の加熱エレメントを含み、単一の温度設定点によって単純に制御される。しかしながら、基板支持体上に横たわっている基板上で処理されている、フィルムまたは処理層は、基板支持体にわたる不均等な温度分布で不均等になり得る。かなり小さい温度変動でも、処理フィルムの厚さのおよび/または他のフィルム関連の特性の厚さの数パーセントの変動を引き起こす可能性があり、基板の表面での一貫性のない半導体製造を引き起こす可能性がある。十分な変動により、厳格な公差要件を有する製造されたデバイスは、スクラップにされなければならないことがある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に記載の実施形態のうちのいくつかは、処理を受けている基板を加熱するように構成された基板支持体内の複数の加熱エレメントを含むマルチゾーンヒータを含むシステムを含むシステムを包含する。複数の加熱エレメントは、基板支持体の複数のゾーンに対応する。システムはさらに、複数の加熱エレメントに結合された処理デバイスを含むことができる。処理デバイスは、複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスにアクセスすることになり、ここで、各ベクトルにおける値は、温度設定点で起動されている、複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す。処理デバイスはさらに、温度マトリクスと重みベクトルを掛け合わせることによって基板支持体の温度マップを決定することになる。重みベクトルは、温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含み得る。処理デバイスはさらに、最初の厚さマップおよび温度マップに基づいて基板支持体上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲット厚さマップを決定することになり、最初の厚さマップは、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初の厚さを特徴づけるデータを含む。温度マップが、ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差に対する極小化をもたらすように、処理デバイスはさらに、重みベクトルの推定重み値を反復して更新することになる。処理デバイスはさらに、後続の基板を処理しながら複数の加熱エレメントのそれぞれのための制御値として推定重み値を使用することになる。
【0004】
関連する実施形態において、マルチゾーンヒータをチューニングするための方法が、本明細書で説明される。方法は、基板支持体のマルチゾーンヒータ内の複数の加熱エレメントのうちの、各加熱エレメントを、処理中に基板を加熱するように構成された基板支持体の複数のゾーンのうちの1ゾーンと、相互に関連付けることを含むことができる。方法はさらに、複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスに、処理デバイスによって、アクセスすることを含むことができ、ここで、各ベクトルにおける値は、温度設定点で起動されている、複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す。方法はさらに、温度マトリクスと重みベクトルを掛け合わせることによって、基板支持体の温度マップを、処理デバイスによって、決定することを含むことができ、ここで、重みベクトルは、温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む。方法はさらに、最初のパラメータマップおよび温度マップに基づいて基板支持体上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲットパラメータマップを、処理デバイスによって、決定することを含むことができ、最初のパラメータマップは、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたるプロセスパラメータを特徴づけるデータを含む。方法はさらに、ターゲットパラメータマップ内のパラメータ値の標準偏差を極小化する結果を温度マップがもたらすように、重みベクトルの推定重み値を、処理デバイスによって、反復して更新することを含むことができる。方法はさらに、後続の基板を処理しながら複数の加熱エレメントのそれぞれのための制御値として推定重み値を、処理デバイスによって、使用することを含むことができる。
【0005】
さらなる一実施形態において、マルチゾーンヒータをチューニングするために使用可能な温度マトリクスを生成するために機械学習モデルをトレーニングするための方法が、本明細書で説明される。方法は、複数のデータ項目を含むトレーニングデータセットを、計算デバイスによって、受信することを含むことができ、複数のデータ項目のうちの各データ項目は、マルチゾーンヒータを含む基板支持体の場所にわたる温度値のセットと基板支持体上にある間に処理された基板上のフィルムの厚さ値のセットとを含む。方法はさらに、トレーニングデータセットを機械学習モデルに、計算デバイスによって、入力することを含むことができる。方法はさらに、マルチゾーンヒータの複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスの値を更新するトレーニングされた機械学習モデルを生成するためにトレーニングデータセットに基づいて機械学習モデルを、計算デバイスによって、トレーニングすることを含むことができる。各ベクトルにおける値は、1つまたは複数の温度設定点に設定されている、マルチゾーンヒータの複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表し、ここで、複数のベクトルの組み合わせは、閾値レベルのフィルム均一性を確保するために使用可能な基板支持体にわたる温度値のターゲットセットを含む。
【0006】
さらなる一実施形態において、マルチゾーンヒータをチューニングするための機械学習モデルをトレーニングするための方法が、本明細書で説明される。方法は、処理中に基板を加熱するように構成された基板支持体の複数のゾーンのうちの1ゾーンと、基板支持体のマルチゾーンヒータ内の複数の加熱エレメントのうちの、各加熱エレメントを相互に関連付けることを含むことができる。方法はさらに、複数のデータ項目を含むトレーニングデータセットを受信することを含むことができ、複数のデータ項目のうちの各データ項目は、複数の温度設定点および基板に関連する厚さマップを含む。複数の温度設定点は、複数の加熱エレメントを制御することができ、厚さマップは、基板上のフィルムの場所にわたるフィルム厚さを特徴づけるデータを含む。方法はさらに、機械学習モデルにトレーニングデータセットを、処理デバイスによって、入力することを含むことができる。方法はさらに、ターゲット厚さを、入力として、受信することになるおよびターゲット厚さを有するフィルムをもたらす複数の加熱エレメントの1セットの温度設定点を出力することになる、トレーニングされた機械学習モデルを生成するために、トレーニングデータセットに基づいて機械学習モデルを、処理デバイスによって、トレーニングすることを含むことができる。
【0007】
さらなる一実施形態において、マルチゾーンヒータをチューニングするために入力データを推論するための機械学習モデルを使用するための方法が、本明細書で説明される。方法は、処理チャンバの基板支持体上に基板を受けることを含むことができ、基板支持体は、基板支持体内のマルチゾーンヒータの複数のゾーンに対応する複数の加熱エレメントを使用して処理中に基板を加熱するように構成される。方法はさらに、基板で実行されることになるプロセスをおよび基板上のフィルムのターゲット厚さを示す情報を、処理チャンバの処理デバイスによって、受信することを含むことができる。方法はさらに、実行されることになるプロセスまたはターゲット厚さのうちの少なくとも1つをトレーニングされた機械学習モデルに入力することを含むことができる。トレーニングされた機械学習モデルは、プロセスに関連する複数の加熱エレメントの1セットの温度設定点を出力することができ、ここで、その1セットの温度設定点は、閾値未満である基板の場所にわたる厚さ値の標準偏差を有するターゲット厚さを有する基板上のフィルムをもたらす。方法はさらに、その1セットの温度設定点で動作するように複数の加熱エレメントを、処理デバイスによって、設定することを含むことができる。方法はさらに、その1セットの温度設定点で複数の加熱エレメントを使用して処理チャンバ内の基板を処理することを含むことができる。
【0008】
多数の他の特徴が、本開示のこれらのおよび他の実施形態に従って、提供される。本開示の他の特徴および実施形態は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、および添付の図面から完全に明らかとなろう。
【0009】
本開示は、類似の参照は類似の要素を示す添付の図面の図において、限定ではなく、例として、図解されている。本開示における「一」または「1つの」実施形態への種々の参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものではなく、そのような参照は、少なくとも1つを意味する、ということに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】様々な実施形態による基板支持体内のマルチゾーンヒータを含む制御システムのブロック図である。
図2A図1の制御システムにおいて基板支持体として使用され得る基板支持体の様々な実施形態の上面図である。
図2B図1の制御システムにおいて基板支持体として使用され得る基板支持体の様々な実施形態の上面図である。
図2C図1の制御システムにおいて基板支持体として使用され得る基板支持体の様々な実施形態の上面図である。
図2D図1の制御システムにおいて基板支持体として使用され得る基板支持体の様々な実施形態の上面図である。
図3A】いくつかの実施形態による基板支持体にわたるフィルムの厚さの標準偏差を極小化する重みベクトルを見つけるための方法の概略的流れ図である。
図3B】いくつかの実施形態による、フィルムの厚さの標準偏差を極小化し、複数の加熱エレメントの制御値として重み値を使用する重みベクトルを見つけるための方法の流れ図である。
図4】様々な実施形態による7つの加熱エレメントの重ね合わせの温度輪郭を示す1セットの画像(たとえば、マップ)を示す図である。
図5】一実施形態による、最初の厚さマップ、最適化温度マップ、およびチューニング後の新しい厚さマップを示す1セットの画像を示す図である。
図6A】いくつかの実施形態による、基板支持体にわたるフィルムの処理パラメータの標準偏差を極小化する重みベクトルを見つけるための方法の概略的流れ図である。
図6B】いくつかの実施形態による、基板支持体にわたるフィルムの処理パラメータの標準偏差を極小化し、複数の加熱エレメントの制御値として重みベクトル値を使用する重みベクトルを見つけるための方法の流れ図である。
図7】いくつかの実施形態による、基板支持体にわたる厚さおよび処理パラメータ値の正規化された、重み付けされた組み合わせの標準偏差を極小化する重みベクトルを見つけるための方法の概略的流れ図である。
図8A】様々な実施形態による、マルチゾーンヒータをチューニングするために使用可能な温度マトリクスを生成するために機械学習モデルをトレーニングするための方法の流れ図である。
図8B】様々な実施形態による、マルチゾーンヒータをチューニングするための機械学習モデルをトレーニングするための方法の流れ図である。
図9】様々な実施形態による、マルチゾーンヒータをチューニングするために入力データを推論するための機械学習モデルを使用する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書に記載の実施形態は、処理チャンバの基板支持体内に位置するマルチゾーンヒータをチューニングするためのシステムおよび方法に関する。複数のゾーン、たとえば、地理的ゾーン、は、基板支持体内に組み込まれた複数の別個の加熱エレメントに関連し得る。これらの地理的ゾーンは、たとえば、詳細に説明されることになるように同心ゾーンおよび/またはセクタ化されたゾーンになり得る。複数の加熱エレメントの温度設定点をチューニングするための1つの手法は、フィルム厚さまたは他のフィルム関連パラメータの均一性を概して達成する設定点の最適な組み合わせを見つけるために、他を変更しながらいくつかの温度設定点を反復して固定することである。しかしながら、この手法については、均一性を達成するのは難しくなり得、4つ以上の加熱エレメント(たとえば、7ゾーンのヒータのそれら)はもちろん、2つのまたは3つの加熱エレメントの温度設定点を最終的にチューニングするのにも多大な時間を要する。たとえば、チューニングプロセスの複雑さのレベルは、マルチゾーンヒータの加熱エレメントの数とともに指数関数的に大きくなる。
【0012】
チューニングに必要とされる時間を有意に減らし、均一性を有意に増やす、コンピュータ処理駆動の手法でこれらの複雑さを解決するために、開示されるシステムおよび方法は、マルチゾーンヒータの複数の加熱エレメントの制御のための温度設定点を生成する、温度マトリクスまたは機械学習モデルのうちの1つまたは両方を用いる。1つの実施形態において、温度マトリクスは、複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含み、ここで、各ベクトルにおける値は、温度設定点で起動されている、複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す。したがって、このマトリクスのベクトルの組み合わせは、基板支持体にわたるより均一な温度を引き起こすことを可能にするやり方で、これらの温度上昇の重ね合わせを可能にする。推定重み値で構成された重みベクトルは、温度マップを生成するために、複数のベクトルと掛け合わされ得る。ターゲット厚さマップは、均一温度において生成された最初の厚さマップと温度マップとの差に基づくことができる。温度マップが、ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差(または他のフィルムパラメータ値)に対する極小化をもたらすように、推定重み値は、反復して更新され得る。標準偏差が閾値未満に下がった後に生じる推定重み値は、後続の基板を処理する際にマルチゾーンヒータの加熱エレメントのための制御値として(または制御値の計算において)使用することができる。
【0013】
別の実施形態において、計算デバイスは、いくつかのデータ項目のトレーニングデータセットを使用して温度マトリクスの(および任意選択でさらに重みベクトルの)値を生成するために機械学習モデルをトレーニングすることができる。各データ項目は、基板支持体の場所にわたる温度値のセットと、基板支持体上に位置する間に処理される基板上のフィルムの厚さ値のセットとを含むことができる。計算デバイスは、トレーニングデータセットを機械学習モデルに入力することができ、トレーニングデータセットに基づいて機械学習モデルをトレーニングして、温度マトリクスの値を更新するトレーニング済み機械学習モデルを生成することができる。温度マトリクスが、次いで、このようなプロセスにおいて使用され得る。
【0014】
さらに別の実施形態において、計算デバイスは、前の基板処理実行からのデータ項目のトレーニングデータセットを使用して、機械学習モデルをトレーニングすることができる。たとえば、各データ項目は、一群の温度設定点と基板に関連する厚さマップとを含むことができる。一群の温度設定点は、複数の加熱エレメントを制御し、厚さマップは、基板上のフィルムの場所にわたるフィルム厚さを特徴づけるデータを含む。計算デバイスは、次いで、トレーニングデータセットを機械学習モデルに入力し、トレーニングデータセットに基づいて機械学習モデルをトレーニングして、ターゲット厚さを、入力として、受信することになるおよびターゲット厚さを有するフィルムをもたらす複数の加熱エレメントの1セットの温度設定点を出力することになるトレーニング済み機械学習モデルを生成することができる。
【0015】
したがって、本開示のいくつかの実施形態に従って実装されるシステムおよび方法の利点は、マルチゾーンヒータの複数の加熱エレメントを効果的にチューニングする、たとえば、合理的な期間内に並びにフィルム厚さおよび/またはいくつかの他のフィルム関連パラメータの均一性の厳格な基準に対して、各加熱エレメントの温度設定点を決定する、ための能力を含むが、これに制限されない。開示される手法は、複数の加熱エレメントに関連するマルチゾーンチューニングつまみなしには不可能な仕方で温度マップ(これは、フィルム厚さおよび/またはフィルム関連パラメータの均一性に影響する)をチューニングすることができる。たとえば、熱は、その他のゾーンを相対的に無加温にしながら1つまたは複数のゾーンに集中することができ、それによって、基板の地理的領域にわたる温度修正の高レベルの粒度を提供する。他の利点が、論じられることになり、さらに他の利点が、本開示の利益を有する当業者には明らかとなろう。
【0016】
図1は、様々な実施形態による基板支持体101内のマルチゾーンヒータ150を含む制御システム100のブロック図である。制御システム100は、基板支持体101に接合された処理チャンバ10内のペデスタル80を含む。処理チャンバ10は、基板支持体101上に位置する基板上でプロセスを実行するようになされる。処理チャンバ10は、エッチングチャンバ、堆積チャンバ(たとえば、原子層堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、物理的気相堆積チャンバなど)、または他のタイプのプロセスチャンバになり得る。処理チャンバ10は、1つまたは複数のプラズマベースのプロセス、たとえば、プラズマエッチングプロセスまたはプラズマ強化堆積プロセス、を実行するように構成され得る。様々な実施形態において、プロセスは、たとえば、堆積、エッチング、成長、および陽極酸化プロセスを含むために、基板を覆うフィルムを含むことができ、ここで、フィルム層の厚さは、温度とともに変化する。たとえば、フィルムは、より低温ではより厚く、より高温ではより薄くなることができる。したがって、フィルムにおいてより均一な厚さを生み出すために、計算デバイス102は、マルチゾーンヒータ150の複数の加熱エレメント154の温度設定点を変えることによって、より均一になるように基板支持体101にわたって温度を調整することができる。温度設定点(または温度設定点の制御値)は、温度値および/または電力出力値あるいは類似のものになり得る。
【0017】
これらの実施形態において、制御システム100はさらに、計算デバイス102、表示デバイス115、入力/出力(I/O)デバイス117、およびストレージデバイス120を含む。計算デバイス102は、計算またはコンピュータシステムになり得る。いくつかの実施形態において、計算デバイス102は、処理デバイス104と、メモリ108と、たとえば、ペデスタル80、表示デバイス115、I/Oデバイス117、および/またはストレージデバイス120を介して、マルチゾーンヒータ150とインターフェースするようになされた1つまたは複数の通信インターフェース112とを含む。これらの実施形態において、ストレージデバイス120は、アルゴリズム126および他のコンピュータコードを含むための命令124、機械学習(ML)モデル128、温度マトリクス130、プロセスパラメータ135、データマップ138、ゾーンマッピングデータ140、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)110、および/またはトレーニングデータセット145を記憶する。命令124はまた、MLモデル128のトレーニングされたMLモデルに関連することができ、そのようなMLモデルの実行のためにトレーニングされ得る。他のデータは、さらに詳しく論じられることになるように、ストレージデバイス120に記憶され得る。
【0018】
様々な実施形態において、マルチゾーンヒータ150は、各々がその加熱エレメントの温度レベルを制御する独自の温度設定点を有する、複数の加熱エレメント154と、1つまたは複数のセンサ158とを含むが、これらに制限されない。各加熱エレメント154は、基板支持体101の複数の地理的ゾーンのうちの1ゾーンと関連しており(たとえば、図1Bを参照)、そのゾーンの温度上昇だけでなく、基板支持体101上の他の地理的ゾーン内の他の場所の温度上昇もさらに引き起こす。ゾーンによって引き起こされた温度上昇は、加熱エレメントが起動されたゾーンからその場所が遠く離れるにつれて、減少する。したがって、基板支持体101上の任意の所与の場所における温度は、すべての起動された加熱エレメント154からの温度寄与の組み合わせである。
【0019】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数のセンサ158は、基板支持体101上に位置する基板上に位置するフィルムを画像化する能力を有する厚さ画像化センサになり得る。厚さ画像化センサは、基板の1つまたは複数の場所にわたって厚さを検出し、これらの厚さ値を計算デバイス102に提供することができる。別の実施形態において、処理チャンバ10の外部の計測機器は、フィルムの厚さを決定するための処理に続いて、使用される。論じられることになるように、これらの厚さ値(たとえば、厚さマップ)は、厚さ(または他のフィルム関連のプロセスパラメータ)値の標準偏差を極小化することになる後続のプロセス実行のために基板支持体101にわたるターゲット温度マップまたはターゲット温度値のセットを決定する際に、使用され得る。
【0020】
様々な実施形態において、処理デバイス104は、プロセッサ、たとえば、中央処理装置(CPU)および/またはグラフィックス処理ユニット(GPU)、および/または、プロセッサを含む他の処理デバイスである。処理デバイス104は、1つまたは複数の一般プロセッサ、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、デジタル回路、光回路、アナログ回路、その組み合わせ、あるいは、データを分析および処理するための他の現在知られているまたは後に開発されるデバイスを含むことができる。処理デバイス104は、命令124または他のソフトウェアプログラム、たとえば、論理機能を実装するための手動でプログラムされたまたはコンピュータで生成されたコード、を実装することができる。記載された論理機能またはシステム要素は、数ある機能の中で特に、アナログ電気、オーディオ、またはビデオ信号、あるいはその組み合わせなどのアナログデータソースを、コンピュータ処理の互換性のためなどの視聴覚目的または他のデジタル処理目的でデジタルデータソースに処理および/または変換することができる。
【0021】
ストレージデバイス120は、1つまたは複数のセットの命令124、たとえば、ソフトウェア、が組み込まれ得る、非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。1つの実施形態において、ストレージデバイス120は、ディスクまたは光ドライバユニットである。さらに、命令124は、本明細書に記載されるような動作のうちの1つまたは複数を実行することができる。命令124は、計算デバイス102による実行中にメモリ108内および/または処理デバイス104内に完全に、または少なくとも部分的に、常駐することができる。
【0022】
メモリ108および処理デバイス104はまた、前述のような非一時的コンピュータ可読媒体を含むことができる。「コンピュータ可読媒体」、「コンピュータ可読記憶媒体」、「機械可読媒体」、「伝搬信号媒体」、および/または「信号ベアリング媒体」は、命令実行可能システム、装置、またはデバイスによってまたは関連して使用するためのソフトウェアを含む、記憶する、通信する、伝搬する、または移送する、任意のデバイスを含むことができる。機械可読媒体は、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、または半導体システム、装置、デバイス、あるいは伝搬媒体に選択的になり得るが、これらに制限されない。
【0023】
I/Oデバイス117は、制御システム100の構成要素のいずれかとユーザが対話するために構成された周辺デバイス、たとえば、キーボードまたはマウス、を含むことができる。さらに、表示デバイス115は、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極線管(CRT)、あるいは、タッチスクリーンまたはコンピュータ画面を介して情報を伝えるのに適した他のディスプレイになり得る。表示デバイス115は、処理デバイス104の機能をユーザが見るためのインターフェースとして、あるいは、具体的には、メモリ108またはストレージデバイス120に記憶されたソフトウェアとのインターフェースとして機能することができる。
【0024】
いくつかの実施形態において、GUI110は、I/Oデバイス117を介してユーザにインターフェースを提供するために、表示デバイス115に示され得る。GUI110は、温度および処理パラメータ制約を含む、計測ファイルの提出を容易にすることができる。計測ファイルは、たとえば、フィルムが均一温度にさらされたときに(たとえば、厚さ画像化センサによって)生成された最初の厚さマップを含むことができる。たとえば、ユーザは、GUI110内でフィルム関連の特性の値k、1℃ごとの特定のパーセント厚さ変動の温度感度値、基線温度、および類似のものを選択することができる。GUI110はまた、そのうちのいくつかが図2A図2Dを参照して例として論じられる、マルチゾーンヒータのタイプを選択するために選択可能なドロップダウンメニューで「タイプ」を提供することができる。
【0025】
様々な実施形態において、アルゴリズム126は、マルチゾーンヒータ150のチューニングに関連して記憶されるデータで動作することができる公式または他のセットの数学演算を含むことができる。たとえば、アルゴリズムのうちの1つは、ゾーンマッピングデータ140を生成するために、処理中に基板を加熱するように構成された複数の加熱エレメント154と基板支持体101の複数のゾーン(図1Bを参照)を相互に関連付けることができる。ゾーンマッピングデータ140は、複数の加熱エレメント154の温度設定点を見つけることと相関して、並びに様々なゾーンに対応するデータマップ138および/またはトレーニングデータセット145に温度設定点の組み合わせがいかに影響を及ぼすかを決定するために、使用され得る。
【0026】
アルゴリズム126のうちの他のアルゴリズムは、データマップ138のうちの少なくともいくつかを決定するために、対応する重みベクトルとともに、温度マトリクス130を更新するおよび/または温度マトリクス130に作用することができる。データマップ138は、図3A図8Aを参照してさらに詳しく論じられることになるように、重みベクトルの推定重み値を反復して更新するために次に使用され得る。データマップ138は、たとえば、基板支持体101の場所にわたる温度値の温度マップを含むことができる。データマップ138はさらに、基板支持体101上に位置する基板の場所にわたるフィルムの厚さ値の厚さマップを含むことができる。データマップ138はさらに、基板支持体101上に位置する基板の場所にわたるフィルム関連パラメータ値のパラメータマップを含むことができる。1つの実施形態において、パラメータマップは、基板上のフィルムの吸光係数を表す、kのマップである。他のフィルム関連の処理パラメータもまた、想定される。
【0027】
別の実施形態において、計算デバイス102は、いくつかのデータ項目を含むトレーニングデータセット(たとえば、トレーニングデータセット145の)を使用して温度マトリクス130の(および任意選択でさらに重みベクトルの)値を生成するようにMLモデル128をトレーニングすることができる。各データ項目は、基板支持体101の場所にわたる温度値のセットと、基板支持体101上に位置する間に処理される基板上のフィルムの厚さ値のセットとを含むことができる。計算デバイス102は、トレーニングデータセットをMLモデル128に入力し、温度マトリクス130の値を更新するトレーニング済みMLモデルを生成するようにトレーニングデータセットに基づいてMLモデル128をトレーニングすることができる。温度マトリクス130は、次いで、図3A図7を参照して論じられることになるように、マルチゾーンヒータ150のチューニングにおいて使用され得る。
【0028】
実施形態において、計算デバイス102は、前の基板処理実行からのデータ項目を含むトレーニングデータセット(たとえば、トレーニングデータセット145の)を使用して、MLモデル128をトレーニングすることができる。たとえば、各データ項目は、一群の温度設定点および基板に関連する厚さマップを含むことができる。一群の温度設定点は、複数の加熱エレメント154を制御し、厚さマップは、基板上のフィルムの場所にわたるフィルム厚さを特徴づけるデータを含む。計算デバイス102は、次いで、トレーニングデータセットをMLモデル128に入力することができ、ターゲット厚さおよび/または実行されることになるプロセスを、入力として、受信することになる並びにプロセスのターゲット厚さを有するフィルムをもたらす複数の加熱エレメント154の1セットの温度設定点を出力することになるトレーニングされたMLモデルを生成するために、トレーニングデータセット145に基づいてMLモデル128をトレーニングすることができる。
【0029】
機械学習モデル128は、ニューラルネットワーク、深層学習ネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、クラスタリングモデル、ランダムフォレストモデル、次元縮退モデル、決定木、サポートベクタ機械、回帰分析モデル、ベイジアンネットワーク、および/または他のタイプの機械学習モデルになり得る。機械学習モデル128は、管理された学習、半ば管理された学習、または管理されていない学習を使用して、トレーニングされ得る。
【0030】
使用され得る機械学習モデルの1つのタイプは、人工ニューラルネットワーク、たとえば、ディープニューラルネットワーク、である。人工ニューラルネットワークは、一般に、特徴を所望の出力空間にマップする分類器または回帰層を有する特徴表現構成要素を含む。畳み込みニューラルネットワーク(CNN)は、たとえば、畳み込みフィルタの複数の層をホストする。プーリングが、実行され、非線形性は、畳み込み層によって抽出された最上層特徴を決定(たとえば、分類出力)にマッピングして、その上に多層パーセプトロンが一般に付加され、より低い層において、対処され得る。
【0031】
深層学習は、特徴抽出および変換のための非線形処理ユニットの一連の複数の層を使用する機械学習アルゴリズムのクラスである。それぞれの連続する層は、入力として前の層からの出力を使用する。ディープニューラルネットワークは、管理された(たとえば、分類)および/または管理されていない(たとえば、パターン分析)仕方で学習することができる。ディープニューラルネットワークは、層の階層を含み、ここで、異なる層は、異なるレベルの抽象に対応する異なるレベルの表現を学習する。深層学習では、各レベルは、それの入力データを僅かにより抽象的な合成表現に変換することを学習する。とりわけ、深層学習プロセスは、それ自体でどのレベルでどの特徴を最適に配置するかを学習することができる。「深層学習」における「深層」は、それらを通してデータが変換される層の数を指す。より正確には、深層学習システムは、相当なキャップ(CAP:credit assignment path)深度を有する。キャップは、入力から出力への変換のチェーンである。キャップは、潜在的に、入力と出力との間の因果関係を記述する。フィードフォワードニューラルネットワークについて、キャップの深度は、ネットワークのそれになり得、隠れ層の数+1になり得る。信号が層を通して複数回伝搬することができる、再帰型ニューラルネットワークについて、キャップ深度は、潜在的に無制限である。
【0032】
ニューラルネットワークのトレーニングは、ネットワークを介するラベル付き入力で構成されるトレーニングデータセットを供給することと、それの出力を観測することと、エラーを定義すること(出力とラベル値との差を測定することによって)と、深い傾斜降下(deep gradient descent)および逆伝搬などの技法を使用して、エラーが極小化されるように、すべてのそれの層およびノードにわたってネットワークの重みをチューニングすることとを含む、管理された学習方式で達成され得る。多数の適用例において、トレーニングデータセット内の多数のラベル付き入力にわたってこのプロセスを繰り返すことは、トレーニングデータセット内に存在するものとは異なる入力を提示されるときに正確な出力を生み出すことができるネットワークをもたらす。高次元の設定、たとえば、大きな画像、では、この一般化は、十分に大きなおよび多様なトレーニングデータセットが利用可能にされるときに、達成される。
【0033】
いくつかの実施形態において、機械学習モデルは、温度が特定のゾーンについて入力されることおよび複数のゾーンにわたって決定されることになるその温度に基づく物理結果への影響を可能にする、温度マトリクスを生成するようにトレーニングされる。温度マトリクスが完成した後は、完全な理解が、マルチゾーンヒータ150の1つまたは複数のゾーンにおける温度設定点に基づいて、ウエハの複数のゾーンを横断する予測される物理結果について(たとえば、層の厚さについて)達成可能である。いくつかの実施形態において、機械学習モデルは、ターゲット厚さおよび/またはターゲット均一性を有する層を有するフィルムを達成するための1セットの推奨温度設定点を出力するようにトレーニングされる。
【0034】
図2A図2Dは、図1の制御システム100における基板支持体101として使用され得る基板支持体の様々な実施形態の上面図である。図2A図2Dに示された基板支持体のそれぞれは、たとえば個々の加熱エレメント154を使用して、個々に加熱され得る複数のゾーンを含む。それぞれのゾーンはまた、所望の温度プロファイルに基づいて、必要に応じて、個々に温度メトリクスをモニタされ、調整され得る。基板またはウエハ(図示せず)は、各基板支持体の頂面上に位置することになっており、一般に、頂面上で中心に置かれる。したがって、基板上に位置するフィルムの厚さおよびそのようなフィルムに関連する他の処理パラメータ値は、変化する温度プロファイルの影響を受ける。
【0035】
図2Aは、3つのゾーン、たとえば、内側ゾーン205、中間ゾーン210、および外側ゾーン215、を有する基板支持体201Aの頂面を示す。1つの実施形態において、ゾーン205、210、および215のそれぞれは、同心である。一例として、内側ゾーン205は、基板支持体の中心から0から約85ミリメートル(mm)の半径を含み得る。もう1つの例として、中間ゾーン210は、約123mmの半径に対する内側ゾーン205の外周の半径と実質的に同じ内半径を含み得る。もう1つの例として、外側ゾーン215は、約150mm以上、たとえば約170mm、の半径に対する中間ゾーン210の外周の半径と実質的に同じ内半径、たとえば約165mm、を含み得る。
【0036】
図2Bは、基板支持体201Bを示し、ここで、複数のゾーン220A~220Cは、パイ形状で基板支持体の周りのセクションで広がる。ゾーン220A、220Bおよび220Cのそれぞれは、所望の処理条件に応じて同様にまたは異なって加熱され得る。基板支持体201Bは、3つのゾーンを含むが、ゾーンの数は、3つより多くても少なくてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態において、ゾーン205、210、および215(または追加の同心ゾーン)のうちの1つまたは複数が、ゾーン220A、220B、220C(または追加のパイ形状のゾーン)のうちの1つまたは複数と組み合わされる。これらの実施形態において、各ゾーンの加熱エレメントは、重なり合うことが可能であり、それにより、添加物方式で各ゾーンの異なる場所の加熱に寄与する。さらに具体的には、ゾーン220A、220B、220Cのすべてが、ゾーン205、210、および215のすべてと使用される場合、ゾーン220Aの加熱エレメントは、たとえば、ゾーン205、210、および215のすべての右上のセクションに重なるであろう。このようにして、異なるゾーンにおける複数の加熱エレメントの寄与は、基板支持体の表面にわたる異なる場所における温度に重複するやり方で寄与することができる。
【0038】
図2Cは、基板支持体201Cを示し、ここで、複数のゾーン220A~220Cは、図2Bに示された基板支持体201Bと類似して、パイ形状で提供される。しかしながら、基板支持体201Cはまた、図2Aに示された基板支持体201Aと類似の内側ゾーン205を含む。内側ゾーン205は、基板支持体201Cの中心から約50mm以上、たとえば、約80mmから約90mm、の半径まで広がり得る。
【0039】
図2Dは、基板支持体201Dを示し、ここで、複数の外側ゾーン225Aおよび225Bが、内側ゾーン205を囲む。1つの実施形態において、複数の外側ゾーン225Aおよび225Bのそれぞれは、弓形である。いくつかの実施形態において、複数の外側ゾーン225Aおよび225Bのそれぞれは、実質的に半円として成形される。内側ゾーン205は、基板支持体201Cの中心から約50mm以上、たとえば、いくつかの実施形態では約80mmから約90mm、の半径まで広がり得る。
【0040】
図2A図2Dに示されたゾーンに関連する加熱エレメントの温度設定点への調節は、基板支持体の表面にわたる複数の場所のうちの各場所の温度値、およびそれによる温度移動によって、基板にも、影響を与える。論じられたように、ゾーンから遠く離れた場所における温度値は、そのゾーンの加熱エレメントによってより少ない影響を与えられる。反対に、ゾーンに近い場所における温度値は、そのゾーンの加熱エレメントによってより直接に影響を与えられる。これらの温度値は、データマップ138の温度マップを構成することができる。温度マップは、複数のゾーンに分けられたウエハを表すマップになり得、ここで、温度値は、各ゾーンに割り当てられ得る。
【0041】
いくつかの実施形態において、温度マップは、マルチゾーンヒータのゾーンに制限されず、ウエハ上の各ポイントの異なる温度値を含むことができる。さらに、様々な実施形態において、計算デバイス102は、以下の図で論じられることになるように、アルゴリズム126および/またはMLモデル128の実行を介して基板上のある特定のフィルムのターゲット温度マップを決定するように構成される。これらの実施形態において、ターゲット温度マップは、ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差を極小化するためなどに決定され得る。厚さマップは、ウエハ(または基板)を表すマップになり得、ここで、厚さ値は、厚さマップの複数の異なる領域に割り当てられる。厚さマップの領域は、温度マップのゾーンと同じであるまたは異なる可能性がある。実施形態において、厚さマップは、ウエハ上のあらゆるポイントの厚さ値を含む。
【0042】
図3Aは、いくつかの実施形態による基板支持体101にわたるフィルムの厚さの標準偏差を極小化する重みベクトル303を見つけるための方法300Aの概略的流れ図である。論じられたように、温度マトリクス130は、それぞれがマルチゾーンヒータ150Cの複数のゾーンのうちの1つに対応する、複数のベクトル(ここでは、列ベクトル)を含む。温度マトリクス130のゾーンは、複数ゾーンヒータ150Cの2つ以上のゾーンに対応することができるので、7つのゾーンが、示されているが、これは、単に例である。
【0043】
温度マトリクス130の第1のベクトルは、基準温度値を保持することができ、それぞれの他のベクトルは、温度設定点で起動されている対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す値を含むことができる。複数のベクトルの値は、単に例として示されており、使用されているフィルムおよび異なるプロセスに応じて大きく変化し得る。図示するように、基板支持体の異なる場所におけるゾーンによる温度への異なる影響を示して、温度マトリクス130の値のうちのいくつかは、1つの温度マトリクス130の値未満であり、他の温度マトリクス130の値は、1つの温度マトリクス130の値よりも有意に高い。たとえば、いくつかの実施形態において、温度マトリクス130の複数のベクトルのうちの1つのベクトルの値は、ベクトルに対応する、複数のゾーンのうちの、1ゾーン内の場所の第1の値と、ベクトルに対応するゾーン内にない場所の第2の値とを含む。第1の値は、第2の値よりも大きく、第2の値は、ゾーンから遠く離れるほど、小さくなる。
【0044】
様々な実施形態において、演算304において、計算デバイス102は、重みベクトル303掛ける温度マトリクス130のマトリクス乗算によって、温度マップ311を計算する。重みベクトル303は、たとえば、複数のベクトルの特定の線形結合を生み出すことになる推定重み値を含むことができる。以下の方程式における実例として、amnベクトルは、温度マトリクス130の列ベクトルであり、x値は、重みベクトル303の値であり、b値は、温度マップ311の値である。
【0045】
演算312で、計算デバイス102は、最初の厚さマップ319および温度マップ311に基づいて基板支持体101上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲット厚さマップ323を計算する。最初の厚さマップ319は、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初の厚さを特徴づけるデータを含む。最初の厚さマップ319は、たとえば、前述された厚さ画像化センサによって、決定することができる。別の実施形態において、処理チャンバ10の外部の計測機器が、フィルムの厚さを決定するための処理の後に使用される。
【0046】
演算312をより具体的に参照すると、計算デバイス102は、温度感度値315、たとえば、ストレージデバイス120またはメモリ108内の、にアクセスすることができ、温度マップ130から均一温度を減算することによって、更新された温度マップを決定することができる。計算デバイス102は、次いで、温度感度値と更新済み温度マップを掛け合わせて、変更された厚さマップを決定することができる。本開示を通して参照される温度感度値は、セ氏1度の温度変化ごとの厚さの変化の量として理解することができる。温度感度値315は、通常は、温度の増加がフィルム厚さの減少を引き起こすように、マイナスである。しかしながら、特徴づけられているプロセスに応じて、温度感度値315は、プラスになり得る。計算デバイス102は、次いで、変更された厚さマップを最初の厚さマップ319に加算することによって、ターゲット厚さマップ323を決定することができる。
【0047】
演算320において、計算デバイス102は、ターゲット厚さマップ323内の厚さ値の標準偏差を極小化する結果を温度マップ311がもたらすように、重みベクトル303の推定重み値を更新することができる。演算320は、厚さ値の標準偏差を極小化、たとえば、閾値未満に、するために、いくつかの実施形態において、(たとえば、演算304および312の後続の反復の後に)少なくとも1回または複数回繰り返すことができる。その閾値未満になった後、計算デバイス102は、制御値として重みベクトル303の推定重み値を使用して、複数の加熱エレメント154の温度設定点を調整することができる。
【0048】
図3Bは、いくつかの実施形態による、フィルムの厚さの標準偏差を極小化し、複数の加熱エレメントの制御値として重み値を使用する重みベクトルを見つけるための方法300Bの流れ図である。方法300Bは、ハードウェア(たとえば、処理デバイス、電気回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路など)、ソフトウェア(たとえば、処理デバイスで走らされるまたは実行される命令)、あるいはその組み合わせを含むことができる処理ロジックによって、実行され得る。いくつかの実施形態において、方法300Bは、計算デバイス102(図1)、または処理デバイスを有する他の計算システムによって、実行される。特定のシーケンスまたは順番で示されているが、特に指定のない限り、プロセスの順番は、修正することができる。したがって、示された実施形態は、単に例として理解されるべきであり、示されたプロセスは、異なる順番で実行され得、いくつかのプロセスは、並行して実行され得る。加えて、1つまたは複数のプロセスが、様々な実施形態において省略され得る。したがって、あらゆる実施形態ですべてのプロセスが必要とされるわけではない。他のプロセスの流れが、可能である。
【0049】
演算350で、処理ロジックは、複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスにアクセスする。各ベクトルにおける値は、温度設定点で起動されている、複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す。
【0050】
演算355で、処理ロジックは、温度マトリクスと重みベクトルを掛け合わせることによって、基板支持体の温度マップを決定し、ここで、重みベクトルは、温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む。
【0051】
演算360で、処理ロジックは、最初の厚さマップおよび温度マップに基づいて、基板支持体上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲット厚さマップを決定する。最初の厚さマップは、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初の厚さを特徴づけるデータを含む。
【0052】
演算365で、処理ロジックは、ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差に対する極小化を温度マップがもたらすように、重みベクトルの推定重み値を反復して更新する。
【0053】
演算370で、処理ロジックは、後続の基板を処理する間に推定重み値を複数の加熱エレメントのそれぞれのための制御値として使用する。
【0054】
図4は、様々な実施形態による複数の加熱エレメントの重ね合わせの温度輪郭を示す1セットの画像(たとえば、マップ)である。温度マップのうちのいくつかは、図2A図2Dを参照して論じられたように、ゾーン205、210、215のうちの1つまたは複数、ゾーン220A、220B、220Cのうちの1つまたは複数、あるいはその組み合わせを介して生成され得る。温度マップ410は、複数の同心ゾーンを示し、ここで、中央同心ゾーンが、高温に選択的に設定される。温度マップ415は、基板支持体の左下に向けたゾーンが高温に選択的に設定される、同心およびパイ形状のゾーンの組み合わせを示す。温度マップ420は、基板支持体の1つの側から反対側に進む複数の縞模様のゾーンを示し、ここで、最も左のゾーンが、高温に選択的に設定される。温度マップ425は、最も左のおよび中心ゾーンが高温に選択的に設定される、同心のゾーンと、縞模様またはパイ形状のゾーンとの組み合わせを示す。異なる一意の温度マップを生成するためのゾーンの多数の他の組み合わせが、詳述されることになるように、フィルムおよび特性の厚さを最適化するために、想定される。
【0055】
図5は、一実施形態による、最初の厚さマップ519、最適化温度マップ511、およびチューニング後の新しい厚さマップ523を示す1セットの図式の画像である。最適化温度マップ511は、図3Aの温度マップ311および図3Bの演算355を参照して論じられたように生成され得る。たとえば、最適化温度マップ511は、ターゲット厚さマップ内の厚さ値の標準偏差に対する極小化を温度マップがもたらすように、重みベクトルの推定重み値を選択することから生じる。新しい厚さマップ523は、マルチゾーンヒータ150Cの複数の加熱エレメントの温度設定点を制御するために、最適化温度マップ(たとえば、更新された重みベクトル)を使用して、基板上のフィルムに対してプロセスが実行された後にもたらされる。最初の厚さマップ519における変動は、この例ではおおよそ50%の改善である、4.8%から2.4%に改善された。
【0056】
図6Aは、いくつかの実施形態による、基板支持体にわたるフィルムの処理パラメータの標準偏差を極小化する重みベクトルを見つけるための方法600Aの概略的流れ図である。これに関連して「処理」という用語は、堆積、エッチング、成長、陽極酸化プロセス、または、フィルム層の厚さが温度とともに変化する他のプロセスを指すと理解され得る。
【0057】
様々な実施形態において、演算604で、計算デバイス102は、重みベクトル603掛ける温度マトリクス130のマトリクス乗算によって温度マップ611を計算する。温度マトリクス130は、図1および図3A図3Bを参照して既に論じられた。重みベクトル603は、たとえば、複数のベクトルの特定の線形結合を生み出すことになる推定重み値を含むことができる。以下の方程式における実例として、amnベクトルは、温度マトリクス130の列ベクトルであり、x値は、重みベクトル603の値であり、b値は、温度マップ611の値である。
【0058】
演算612で、計算デバイス102は、最初のパラメータマップ619および温度マップ611に基づいて基板支持体101上で処理されることになる基板上でフィルムのターゲットパラメータマップ623を計算する。最初のパラメータマップ619は、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初のパラメータの値を特徴づけるデータを含む。最初のパラメータマップ619は、たとえば、フィルムのパラメータ値の画像化センサまたは他の検出手段によって、決定され得る。
【0059】
演算612をより具体的に参照すると、計算デバイス102は、たとえば、ストレージデバイス120またはメモリ108において、パラメータ感度値615にアクセスし、温度マップ130から均一温度を減算することによって更新済み温度マップを決定することができる。本開示を通して参照されるパラメータ感度値は、セ氏1度の温度変化ごとのパラメータ値変化の量として理解され得る。パラメータ感度値615は、通常は、パラメータ値の(たとえば、kの)増加がフィルム厚さの増加を引き起こすように、プラスである。計算デバイス102は、次いで、パラメータ感度値と更新された温度マップを掛け合わせて、変更されたパラメータマップを決定することができる。計算デバイス102は、次いで、変更されたパラメータマップを最初のパラメータマップ619に加算することによって、ターゲットパラメータマップ623を決定することができる。
【0060】
演算620で、計算デバイス102は、ターゲットパラメータマップ623内のパラメータ値の標準偏差を極小化する結果を温度マップ611がもたらすように、重みベクトル603の推定重み値を更新することができる。演算620は、パラメータ値の標準偏差を、たとえば閾値未満に、極小化するために、いくつかの実施形態において、少なくとも1回または複数回繰り返され得る(たとえば、演算604および612の後続の反復の後に)。その閾値未満になった後は、計算デバイス102は、重みベクトル603の推定重み値を制御値として使用して、複数の加熱エレメント154の温度設定点を調整することができる。
【0061】
図6Bは、いくつかの実施形態による、基板支持体にわたるフィルムの処理パラメータの標準偏差を極小化し、重みベクトル値を複数の加熱エレメントの制御値として使用する重みベクトルを見つけるための方法600Bの流れ図である。方法600Bは、ハードウェア(たとえば、処理デバイス、電気回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路など)、ソフトウェア(たとえば、処理デバイスで走らされるまたは実行される命令)、あるいはその組み合わせを含むことができる、処理ロジックによって、実行され得る。いくつかの実施形態において、方法600Bは、計算デバイス102(図1)または処理デバイスを有する他の計算システムによって、実行される。特定のシーケンスまたは順番で示されているが、特に指定のない限り、プロセスの順番は、修正され得る。したがって、示された実施形態は、単に例として理解されるべきであり、示されたプロセスは、異なる順番で実行され得、いくつかのプロセスは、並行して実行され得る。加えて、1つまたは複数のプロセスが、様々な実施形態において省略され得る。したがって、あらゆる実施形態ですべてのプロセスが必要とされるわけではない。他のプロセスの流れが、可能である。
【0062】
演算650で、処理ロジックは、処理中に基板を加熱するように構成された基板支持体の複数のゾーンのうちの1ゾーンと、基板支持体のマルチゾーンヒータ内の複数の加熱エレメントのうちの、各加熱エレメントを相互に関連付ける。
【0063】
演算655で、処理ロジックは、複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスにアクセスする。各ベクトルにおける値は、温度設定点で起動されている、複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す。
【0064】
演算660で、処理ロジックは、温度マトリクスと重みベクトルを掛け合わせることによって、基板支持体の温度マップを決定する。重みベクトルは、温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む。
【0065】
演算665で、処理ロジックは、最初のパラメータマップおよび温度マップに基づいて、基板支持体上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲットパラメータマップを決定する。最初のパラメータマップは、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたるプロセスパラメータを特徴づけるデータを含む。
【0066】
演算670で、処理ロジックは、ターゲットパラメータマップ内のパラメータ値の標準偏差を極小化する結果を温度マップがもたらすように、重みベクトルの推定重み値を反復して更新する。
【0067】
演算675で、処理ロジックは、後続の基板を処理する間に推定重み値を複数の加熱エレメントのそれぞれのための制御値として使用する。
【0068】
図7は、いくつかの実施形態による、基板支持体にわたって厚さおよび処理パラメータ値の正規化された、重み付けされた組み合わせの標準偏差を極小化する重みベクトルを見つけるための方法700の概略的流れ図である。方法700は、複数の基準、すなわち厚さおよび処理パラメータ、この例では吸光係数(k)、について最適化するための組み合わせとして見なされ得る。
【0069】
様々な実施形態において、演算704で、計算デバイス102は、重みベクトル703掛ける温度マトリクス130のマトリクス乗算によって、温度マップ711を計算する。重みベクトル703は、たとえば、複数のベクトルの特定の線形結合を生み出すことになる推定重み値を含むことができる。以下の方程式における実例として、amnベクトルは、温度マトリクス130の列ベクトルであり、x値は、重みベクトル703の値であり、b値は、温度マップ711の値である。
【0070】
演算712Aで、計算デバイス102は、最初の厚さマップ719Aおよび温度マップ711に基づいて、基板支持体101上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲット厚さマップ723Aを計算する。最初の厚さマップ719Aは、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初の厚さを特徴づけるデータを含む。最初の厚さマップ719Aは、たとえば、前述した厚さ画像化センサによって、決定され得る。
【0071】
演算712Aをさらに具体的に参照すると、計算デバイス102は、たとえば、ストレージデバイス120またはメモリ108において、温度感度値715Aにアクセスし、温度マップ130から均一温度を減算することによって更新済み温度マップを決定することができる。計算デバイス102は、次いで、温度感度値と更新済み温度マップを掛け合わせて、変更された厚さマップを決定することができる。計算デバイス102は、次いで、変更された厚さマップを最初の厚さマップ719Aに加算することによって、ターゲット厚さマップ723Aを決定することができる。
【0072】
演算712Bで、計算デバイス102は、最初のパラメータマップ719Bおよび温度マップ711に基づいて、基板支持体101上で処理されることになる基板上のフィルムのターゲットパラメータマップ723Bを計算する。最初のパラメータマップ719Bは、均一温度で加熱された最初の基板上の最初のフィルムの場所にわたる最初のパラメータの値を特徴づけるデータを含む。最初のパラメータマップ719Bは、たとえば、フィルムのパラメータ値の画像化センサまたは他の検出手段によって、決定され得る。
【0073】
演算712Bをさらに具体的に参照すると、計算デバイス102は、パラメータ感度値715Bにアクセスし、温度マップ130から均一温度を減算することによって更新済み温度マップを決定することができる。計算デバイス102は、次いで、パラメータ感度値と更新された温度マップを掛け合わせて、変更されたパラメータマップを決定することができる。計算デバイスは、次いで、変更されたパラメータマップを最初のパラメータマップ719Bに加算することによって、ターゲットパラメータマップ723Bを決定することができる。
【0074】
演算718で、計算デバイス102は、1セットの加重値725を使用して、ターゲット厚さマップ723Aおよびターゲットパラメータマップ723Bを組み合わせることができ、それは、基板支持体101にわたる厚さおよび処理パラメータ値のターゲット正規化された、重み付けされた組み合わせ727へと組み合わされた値を正規化する。加重値725は、パラメータ値(w)とは異なる厚さ値(wthk)を、ただし合計で1になるようなやり方で、重み付けすることができる。たとえば、厚さ値が、パラメータ値よりも重い重みを与えられることになる場合、wthkは、0.7になり得、wは、0.3になり得る。正規化は、演算720で合同で演算され得る厚さおよびk(処理パラメータ)の項を組み合わせるために、実行され得る。
【0075】
演算720で、厚さおよび処理パラメータ値のターゲット正規化された、重み付けされた組み合わせ727が、厚さおよび処理パラメータ値のターゲット正規化された、重み付けされた組み合わせ727の標準偏差を極小化する結果をもたらすように、計算デバイス102は、重みベクトル703の推定重み値を更新することができる。演算720は、厚さおよび処理パラメータ値のターゲット正規化された、重み付けされた組み合わせ727の標準偏差を極小化する、たとえば、閾値未満になる、ために、いくつかの実施形態において、少なくとも1回または複数回繰り返され得る(たとえば、演算704、712A、712B、および718の後続の反復の後に)。その閾値未満になった後は、計算デバイス102は、重みベクトルの推定重み値203を制御値として使用して、複数の加熱エレメント154の温度設定点を調整することができる。
【0076】
図8Aは、様々な実施形態による、マルチゾーンヒータをチューニングするために使用可能な温度マトリクスを生成するために機械学習モデルをトレーニングするための方法800Aの流れ図である。方法800Aは、ハードウェア(たとえば、処理デバイス、電気回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路など)、ソフトウェア(たとえば、処理デバイスで走らされるまたは実行される命令)、あるいはその組み合わせを含むことができる、処理ロジックによって、実行され得る。いくつかの実施形態において、方法800Aは、計算デバイス102(図1)または処理デバイスを有する他の計算システムによって、実行される。特定のシーケンスまたは順番で示されているが、特に指定のない限り、プロセスの順番は、修正され得る。したがって、示された実施形態は、単に例として理解されるべきであり、示されたプロセスは、異なる順番で実行され得、いくつかのプロセスは、並行して実行され得る。加えて、1つまたは複数のプロセスが、様々な実施形態において省略され得る。したがって、あらゆる実施形態ですべてのプロセスが必要とされるわけではない。他のプロセスの流れが、可能である。
【0077】
演算810で、処理ロジックは、複数のデータ項目を含むトレーニングデータセット145を受信し、各データ項目は、マルチゾーンヒータを含む基板支持体の場所にわたる温度値のセットおよび基板支持体101上にある間に処理された基板上のフィルムの厚さ値のセットを含む。
【0078】
演算820で、処理ロジックは、トレーニングデータセット145を機械学習モデル、たとえば、図1を参照して論じられたMLモデル128、に入力する。1つの実施形態において、機械学習モデルは、人工ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、または他のタイプのトレーニング可能な人工知能モデルである。
【0079】
演算830で、処理ロジックは、トレーニングデータセットに基づいて機械学習モデルをトレーニングして、マルチゾーンヒータの複数のゾーンに対応する複数のベクトルを含む温度マトリクスの値を更新するトレーニング済み機械学習モデルを生成する。各ベクトルにおける値は、1つまたは複数の温度設定点に設定されている、マルチゾーンヒータの複数の加熱エレメントのうちの、対応する加熱エレメントの結果としての基板支持体上の場所にわたる温度上昇を表す。複数のベクトルの組み合わせは、閾値レベルのフィルム均一性を確保するために使用可能な基板支持体にわたる温度値のターゲットセットを含む。いくつかの実施形態において、機械学習モデルをトレーニングすることはさらに、更新される前に、重みベクトルに温度マトリクスを乗算することによって、後続のトレーニング反復において使用可能な温度値の各セットを決定することを含む。
【0080】
様々な実施形態において、処理されることになる後続の基板について、方法800Aはさらに、温度マトリクスと重みベクトルを乗算することによって基板支持体の温度値のターゲットセットを決定することを含むことができ、ここで、重みベクトルは、温度マトリクスのそれぞれのベクトルの推定重み値を含む。方法800Aはさらに、先行して処理された基板の厚さ値の直前のセットおよび温度値のターゲットセットに基づいて後続の基板上のフィルムの厚さ値のターゲットセットを決定することを含むことができる。温度値のターゲットセットが、厚さ値のターゲットセットの標準偏差に対する極小化をもたらすように、方法800Aはさらに、重みベクトルの推定重み値を反復して更新することを含むことができる。方法800Aはさらに、後続の基板を処理する間に推定重み値を使用して複数の加熱エレメントのそれぞれの温度設定点を決定することを含むことができる。
【0081】
関連する実施形態において、方法800Aはさらに、温度感度値にアクセスすることと、温度値のセットを温度値のターゲットセットから減算することによって温度値の更新済みセットを決定することと、温度感度値と温度値の更新済みセットを乗算して、変更された厚さ値のセットを決定することと、変更された厚さ値のセットを厚さ値の直前のセットに加算することによって厚さ値のターゲットセットを決定することとを含むことができる。
【0082】
図8Bは、様々な実施形態によるマルチゾーンヒータをチューニングするための機械学習モデルをトレーニングするための方法800Bの流れ図である。方法800Bは、ハードウェア(たとえば、処理デバイス、電気回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路など)、ソフトウェア(たとえば、処理デバイスで走らされるまたは実行される命令)、あるいはその組み合わせを含むことができる、処理ロジックによって、実行され得る。いくつかの実施形態において、方法800Bは、計算デバイス102(図1)または処理デバイスを有する他の計算システムによって、実行される。特定のシーケンスまたは順番で示されているが、特に指定のない限り、プロセスの順番は、修正することができる。したがって、示された実施形態は、単に例として理解されるべきであり、示されているプロセスは、異なる順番で実行することができ、いくつかのプロセスは、並行して実行することができる。加えて、1つまたは複数のプロセスが、様々な実施形態において省略され得る。したがって、あらゆる実施形態ですべてのプロセスが必要とされるわけではない。他のプロセスの流れが、可能である。
【0083】
演算850で、処理ロジックは、処理中に基板を加熱するように構成された基板支持体101の複数のゾーンのうちの1ゾーンと、基板支持体101のマルチゾーンヒータ150内の複数の加熱エレメント154の、各加熱エレメントを相互に関連付ける。
【0084】
演算860で、処理ロジックは、複数の基板の複数のデータ項目を含むトレーニングデータセット145を受信する。複数のデータ項目のうちの各データ項目は、温度設定点および基板に関連する厚さマップを含む。温度設定点は、複数の加熱エレメント154を制御することができ、厚さマップは、基板上のフィルムの場所にわたるフィルム厚さを特徴づけるデータを含む。いくつかの実施形態において、処理ロジックは、基板上のフィルム101の厚さ値を含む各厚さマップを、厚さ画像化センサを使用して、生成する。
【0085】
演算870で、処理ロジックは、トレーニングデータセット145を機械学習モデル、たとえば、前述のMLモデル128、に入力する。1つの実施形態において、機械学習モデルは、人工ニューラルネットワーク、ディープニューラルネットワーク、または他のタイプのトレーニング可能な人工知能モデルである。
【0086】
演算880で、処理ロジックは、ターゲット厚さを、入力として、受信することになるおよびターゲット厚さを有するフィルムをもたらす複数の加熱エレメント154の1セットの温度設定点を出力することになるトレーニング済み機械学習モデルを生成するために、トレーニングデータセット145に基づいて機械学習モデルをトレーニングする。1つの実施形態において、ターゲット厚さは、閾値未満であるフィルムの場所にわたる厚さ値の標準偏差を含む実質的に均一な厚さである。1つの実施形態において、機械学習モデルをトレーニングすることは、それらの場所にわたる、厚さマップの、厚さ値とフィルムの場所にわたる、温度設定点の結果としての、温度値の組み合わせを相互に関連付けることを、各基板について、含む。
【0087】
図9は、様々な実施形態によるマルチゾーンヒータをチューニングするために入力データを推論するための機械学習モデルを使用する方法900の流れ図である。方法900は、ハードウェア(たとえば、処理デバイス、電気回路、専用ロジック、プログラマブルロジック、マイクロコード、デバイスのハードウェア、集積回路など)、ソフトウェア(たとえば、処理デバイスで走らされるまたは実行される命令)、あるいはその組み合わせを含むことができる、処理ロジックによって、実行され得る。いくつかの実施形態において、方法900は、計算デバイス102(図1)または処理デバイスを有する他の計算システムによって、実行される。特定のシーケンスまたは順番で示されているが、特に指定のない限り、プロセスの順番は、修正することができる。したがって、示された実施形態は、単に例として理解されるべきであり、示されているプロセスは、異なる順番で実行することができ、いくつかのプロセスは、並行して実行することができる。加えて、1つまたは複数のプロセスが、様々な実施形態において省略され得る。したがって、あらゆる実施形態ですべてのプロセスが必要とされるわけではない。他のプロセスの流れが、可能である。
【0088】
演算910で、処理ロジックは、基板支持体101に処理チャンバの基板支持体上に基板を受け取らせる。基板支持体101は、基板支持体101内のマルチゾーンヒータ150の複数のゾーンに対応する複数の加熱エレメント154を使用して処理中に基板を加熱するように構成される。
【0089】
演算920で、処理ロジックは、処理チャンバ10に関連しており、基板で実行されることになるプロセスをおよび基板上のフィルムのターゲット厚さを示す情報を受信する。
【0090】
演算930で、処理ロジックは、実行されることになるプロセスまたはターゲット厚さのうちの少なくとも1つをトレーニングされた機械学習モデルに入力する。いくつかの実施形態において、トレーニングされた機械学習モデルは、プロセスに関連する複数の加熱エレメント154の1セットの温度設定点を出力する。様々な実施形態において、その1セットの温度設定点が、閾値未満である基板の場所にわたる厚さ値の標準偏差を有するターゲット厚さを有する基板上のフィルムをもたらす。トレーニングされた機械学習モデルは、特定のプロセスチャンバのためにまたはプロセスチャンバの特定のクラスのためにトレーニングされてあってもよい。
【0091】
演算940で、処理ロジックは、その1セットの温度設定点で動作するように複数の加熱エレメント154を設定する。
【0092】
演算950で、処理ロジックは、温度設定点に設定された複数の加熱エレメント154を有するプロセスを使用して基板を処理チャンバに処理させる。
【0093】
本明細書で開示されるシステムおよび方法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせにおいて実現され得る。方法およびシステムは、少なくとも1つのコンピュータシステムにおいて集中した様式で、または、異なる要素がいくつかの相互に接続されたコンピュータシステムに散在する分散された様式で、実現され得る。本明細書に記載の方法を実施するのに適したコンピュータシステムまたは他の装置が、本開示に適している。ハードウェアおよびソフトウェアの典型的な組み合わせは、ロードおよび実行されるとき、本明細書に記載の方法を実施するようにコンピュータシステムを制御するコンピュータプログラムを有するコンピュータシステムになり得る。そのようなプログラムされたコンピュータは、専用コンピュータと考えられ得る。
【0094】
方法およびシステムはまた、本明細書に記載の演算の実装を可能にするすべての特徴を含む、および、コンピュータシステムにおいてロードされるとき、これらの演算を実施することができる、コンピュータプログラム製品に組み込まれ得る。本文脈におけるコンピュータプログラムは、直接にあるいは以下のうちのいずれかまたは両方の後に、情報処理能力を有するシステムに特定の機能を実行させることを意図された1セットの命令の、任意の言語、コードまたは表記法における、任意の表現を意味する:a)別の言語、コードまたは表記法への変換、b)異なる材料形態における再生。
【0095】
本開示はまた、本明細書中の演算を実行するための装置に関する。この装置は、意図された目的のために特別に構築され得る、または、この装置は、コンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを含むことができる。そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータ可読記憶媒体、たとえば、しかしこれらに限定されない、コンピュータシステムバスにそれぞれが結合された、フロッピディスク、光ディスク、CD-ROM、および光磁気ディスクを含む任意のタイプのディスク、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気または光カード、あるいは電子命令を記憶するのに適した任意のタイプの媒体に記憶され得る。
【0096】
本明細書で提示されるアルゴリズム、演算、および表示は、本質的に、任意の特定のコンピュータまたは他の装置に関連しない。様々な汎用システムが、本明細書の教示に従ってプログラムと使用され得る、あるいは、方法を実行するためにより特殊な装置を構築することが便利であると判明する可能性がある。様々なこれらのシステムの構造は、後述において明記されるように現れることになろう。加えて、本開示は、いずれかの特定のプログラミング言語を参照して説明されていない。様々なプログラミング言語が、本明細書に記載のような本開示の教示を実装するために、使用され得る、ということが理解されよう。
【0097】
本開示は、本開示によるプロセスを実行するようにコンピュータシステム(または他の電子デバイス)をプログラムするために使用され得る、命令が記憶された機械可読媒体を含むことができる、コンピュータプログラム製品、またはソフトウェアとして提供され得る。機械可読媒体は、機械(たとえば、コンピュータ)によって読取り可能な形態で情報を記憶するための任意の機構を含む。いくつかの実施形態において、機械可読(たとえば、コンピュータ可読)媒体は、読出し専用メモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、磁気ディスク記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリ構成要素などの機械(たとえば、コンピュータ)可読記憶媒体を含む。
【0098】
前述の説明は、本開示のいくつかの実施形態の十分な理解を与えるために、特定のシステム、構成要素、および方法などの例などの多数の具体的な詳細を明記している。しかしながら、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、これらの特定の詳細なしに実施され得る、ということが当業者には明らかとなろう。他の事例では、良く知られている構成要素または方法は、本開示を不必要に分かりにくくすることを避けるために、詳しく説明されておらず、単純なブロック図形式で提示されている。したがって、明記された具体的詳細は、単に例示である。特定の実装形態は、これらの例示的詳細と異なることが可能であり、それでも本開示の範囲内にあることが企図されている。
【0099】
本明細書を通して「1つの実施形態」または「一実施形態」の参照は、実施形態に関して説明された特定の特徴、構造、または性質が、少なくとも1つの実施形態に含まれる、ということを意味する。したがって、本明細書を通した様々な箇所での「1つの実施形態において」または「一実施形態において」という言い回しの出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を参照していない。加えて、「または」という用語は、排他的な「または」ではなくて包含的な「または」を意味することが意図されている。「約」または「おおよそ」という用語が、本明細書で使用されるとき、これは、提示された公称値が±10%以内の精度にある、ということを意味することが意図されている。
【0100】
本明細書中の方法の動作は、特定の順番で示され、説明されているが、ある特定の動作が、少なくとも部分的に、他の動作と同時に実行され得るように、ある特定の動作が、逆順で実行され得るように、それぞれの方法の動作の順番は、変更され得る。別の実施形態において、別個の動作の命令または部分動作は、断続的および/または交互の仕方になり得る。
【0101】
前述は、例示を意図されており、制限を意図されてない、ということが理解される。多数の他の実施形態が、前述の説明を読み、理解したとき、当業者には明らかとなろう。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲とともに、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきである。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
【国際調査報告】