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特表2023-552863ベンゾイミダゾール誘導体および皮膚疾患の処置のためのITKの阻害剤としてのそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】ベンゾイミダゾール誘導体および皮膚疾患の処置のためのITKの阻害剤としてのそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20231212BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20231212BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20231212BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 31/5355 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20231212BHJP
   C07D 403/04 20060101ALI20231212BHJP
   C07D 405/14 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 31/553 20060101ALI20231212BHJP
   C07D 401/14 20060101ALI20231212BHJP
   C07D 403/14 20060101ALI20231212BHJP
   A61K 31/55 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
C07D413/14 CSP
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61P37/08
A61P17/00
A61K31/5355
A61K31/4184
C07D403/04
C07D405/14
A61K31/454
A61K31/553
C07D401/14
C07D403/14
A61K31/55
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535830
(86)(22)【出願日】2021-12-13
(85)【翻訳文提出日】2023-06-29
(86)【国際出願番号】 IB2021061638
(87)【国際公開番号】W WO2022130171
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】63/125,650
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】スコット ウィリアム ベーグレイ
(72)【発明者】
【氏名】アグスティン カシミロ-ガルシア
(72)【発明者】
【氏名】ジェニファー エリザベス デヴォーレン
(72)【発明者】
【氏名】ラージャ アルドリン デニー
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン スティーブン ゲルステンベルガー
(72)【発明者】
【氏名】フランク エルドリッジ ラヴァーイング
(72)【発明者】
【氏名】ミハイル ディネシュクマール パリーク
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ウォルター ストローバック
(72)【発明者】
【氏名】ジョン イシドロ トゥルヒージョ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB01
4C063BB09
4C063CC26
4C063CC54
4C063CC57
4C063CC73
4C063CC78
4C063DD04
4C063DD10
4C063DD19
4C063DD22
4C063DD26
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC39
4C086BC72
4C086BC75
4C086GA02
4C086GA07
4C086GA10
4C086GA12
4C086MA01
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA89
4C086ZB13
4C086ZC20
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式(I)
【化1】
(式中、R~Rは、明細書に定義される通りである)
のベンゾイミダゾールおよびその薬学的に許容できる塩;医療におけるそれらの使用;それらを含有する組成物;それらの調製のためのプロセス;ならびにそのようなプロセスにおいて使用される中間体に関する。式(I)のベンゾイミダゾールは、ITK阻害剤であり、したがって、アトピー性皮膚炎を含む、広範な障害の処置において潜在的に有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
(式中、
それぞれのRは独立に、HまたはFであり、
は、Hまたは(C~C)アルキルであり、
それぞれのRは独立に、H、Fまたは(C~C)アルキルであるか、または
は両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)シクロアルキル、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)ビシクロアルキル、または
・1個のOを含有するC結合4~7員飽和複素環
を形成し、
は、H、F、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、-NR、または1個のNおよび任意選択により1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合4~8員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)であり、
は、H、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、または(C~C)アルコキシによって置換された(C~C)アルコキシであり、
は独立に、HまたはFであり、
は、(C~C)アルキルであり、
は、(C~C)アルキルまたは-C(O)(C~C)アルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項2】
それぞれのRがHである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項3】
がメチルである、請求項1または請求項2に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項4】
それぞれのRが独立に、H、メチルまたはエチルである、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項5】
が両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)シクロアルキル、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)ビシクロアルキル、または
・1個のOを含有するC結合4~7員飽和複素環
を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項6】
が、H、F、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシまたは-NRである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項7】
が、1個のNおよび任意選択により1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)である、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項8】
が、H、メチルまたはエチルである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項9】
がHである、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物。
【請求項11】
1つまたは複数のさらなる治療剤を含む、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
医薬としての使用のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項13】
ITK阻害剤が指示される障害の処置における使用のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項14】
ITK阻害剤が指示される障害が、アトピー性皮膚炎である、請求項13に記載の使用のための化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【請求項15】
ITK阻害剤が指示される障害の処置のための医薬の調製のための、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩の使用。
【請求項16】
ITK阻害剤が指示されるヒトまたは動物における障害を処置する方法であって、前記ヒトまたは動物に、治療有効量の請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩を投与することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベンゾイミダゾール誘導体、医療におけるそれらの使用、それらを含有する組成物、それらの調製のためのプロセスおよびそのようなプロセスにおいて使用される中間体に関する。より具体的には、本発明は、インターロイキン-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)の阻害剤、およびITKによって媒介される疾患、特に皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎)などの皮膚疾患の処置におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アトピー性皮膚炎(AD)は、小児と成人との両方において罹患率が高い一般的な慢性炎症性皮膚疾患である。AD患者は、生活の質に大きく影響し得る、乾燥性および掻痒性皮膚病変に罹患する。遺伝的および環境的因子が、AD発症の重要な原動力である皮膚バリアの破壊および免疫超活性化に寄与し得る。
【0003】
ADにおける、T細胞およびTh2細胞由来サイトカインであるIL-4およびIL-13の病原性役割は、IL-4とIL-13との両方の活性を遮断するIL-4受容体に対する抗体であるデュピルマブの臨床開発によって示された。これらのサイトカインの重要な活性は、IL-4およびIL-13ならびに皮膚において産生されるさらなる炎症性サイトカインのシグナル伝達を遮断する、Janusキナーゼ(JAK)阻害剤を用いて観察された初期の臨床効能とも一致する。IL-4およびIL-13の産生を効果的に制御することができる治療戦略は、この経路をモジュレートするための代替的な手法である。さらに、Th1細胞、Th22細胞、およびTh17細胞ならびにそれらが産生するサイトカインであるIFNγ、IL-22、およびIL-17も、それぞれ、AD発症に寄与する。
【0004】
ADのための有効な抗炎症剤は、優位なT細胞亢進性炎症応答をモジュレートするであろう。インターロイキン-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)は、Tecファミリーのチロシンキナーゼのメンバーである。ITK発現は、T細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、ナチュラルキラーT(NKT)細胞、および肥満細胞などの免疫細胞に主に限定される。T細胞中で、ITKは、T細胞受容体(TCR)依存的シグナルを増幅して、T細胞活性化、サイトカイン産生、およびT細胞増殖を促進する。T細胞中でのITKの欠失またはITK活性の阻害は、ADの病態生理への寄与における中心的な役割を果たす、TCR誘導性IL-4およびIL-13産生の抑制をもたらす。ITKは、IL-2、IL-17、IL-22、IL-31、IFNγ、およびTNF-αなどのいくつかの炎症性サイトカインのTCR依存的産生にも寄与するため、ITK阻害剤は、IL-4受容体のアンタゴニストと比較してさらなる効能を有すると期待される。さらに、ITK欠損性CD8+T細胞は、細胞傷害性Tリンパ球拡大の障害、脱顆粒化の減少および細胞溶解能力の欠陥を示す。ITK欠損マウスおよび/またはITK阻害剤で処置したマウスは、I型糖尿病、リンパ増殖性疾患、アレルギー/喘息、および気道過敏性のモデルにおいて疾患の低減を示す。さらに、ITK欠損マウスまたはITK阻害剤で処置したマウスは、皮膚炎のモデルにおいて皮膚炎症の低減を示す。中等度から重症のADを有し、ITK発現が、AD患者に由来する皮膚病変において上昇している患者に由来する末梢T細胞中で、ITKレベルの上昇が記載された。
【0005】
さらに、トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)は、ケラチノサイト、ニューロン、肥満細胞、および好塩基球などの皮膚における細胞によって発現される。TRKAとそのリガンドである神経成長因子(NGF)は両方とも、皮膚に存在し、それらの発現は、AD皮膚病変において増強される。AD患者に由来する皮膚病変におけるNGFのレベルは、痒みの重症度と相関することが示された。AD発症に寄与するサイトカインIL-4およびIL-13は、ケラチノサイトによるTRKA発現を増強することが示された。ニューロンの発達および維持の調節に加えて、NGFは、侵害受容器を感作し、皮膚における掻痒症を促進し得る。掻痒症は、AD患者の生活の質の低下に寄与する主要な因子である。掻痒症を抑制することができる療法は、患者に対して緩和を提供するだけでなく、バリア破壊に寄与する痒みと掻破の循環を破壊し、したがって、疾患の経過および慢性化を低減することもできる。
【0006】
NGFは、非ニューロン細胞によっても発現され、それらに対する効果を有する。NGFは、ケラチノサイト増殖を誘導し、好塩基球活性化を促進し、肥満細胞脱顆粒化を刺激し、神経性の痒みおよび炎症に寄与する。さらに、TRKA発現は、TCR刺激性末梢血T細胞および関節炎患者に由来する滑液から収集されたT細胞上で報告されており、NGFは、T細胞の増殖を誘導する。したがって、皮膚におけるTRKAの阻害は、掻痒症を低減させることに加えて、皮膚炎症を抑制し得る。
【0007】
これらのデータは、ITK阻害剤が病原性T細胞応答を抑制し、サイトカイン産生を低減させ、したがって、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、乾癬、円形脱毛症、および白斑などの、皮膚科学的状態を含む、様々な炎症疾患および自己免疫疾患の処置において治療的価値を有する。さらに、ITKおよびTRKA活性の両方の阻害剤は、上記のもの(例えば、アトピー性皮膚炎)などの皮膚科学的状態の処置において特に有利なものであるはずである。
【0008】
参考文献
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、式(I)
【0011】
【化1】
(式中、
それぞれのRは独立に、HまたはFであり、
は、Hまたは(C~C)アルキルであり、
それぞれのRは独立に、H、Fまたは(C~C)アルキルであるか、または
は両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)シクロアルキル、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)ビシクロアルキル、または
・1個のOを含有するC結合4~7員飽和複素環
を形成し、
は、H、F、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、-NR、または1個のNおよび任意選択により1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合4~8員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)であり、
は、H、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、または(C~C)アルコキシによって置換された(C~C)アルコキシであり、
は独立に、HまたはFであり、
は、(C~C)アルキルであり、
は、(C~C)アルキルまたは-C(O)(C~C)アルキルである)
の化合物またはその薬学的に許容できる塩が提供される。
【0012】
以下に記載されるのは、本発明のこの第1の態様の実施形態であり、ここで、便宜上、E1は、それと同一である。
【0013】
E1 上で定義された、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0014】
E2 RがそれぞれHである、実施形態E1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0015】
E3 RがそれぞれFである、実施形態E1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0016】
E4 Rが、H、メチルまたはエチルである、実施形態E1からE3のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0017】
E5 Rがメチルである、実施形態E4に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0018】
E6 それぞれのRが独立に、H、メチルまたはエチルである、実施形態E1からE5のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0019】
E7 一方のRがHであり、他方のRがメチルである、実施形態E6に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0020】
E8 それぞれのRがメチルである、実施形態E6に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0021】
E9 それぞれのRがHである、実施形態E6に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0022】
E10 Rが両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)シクロアルキル、
・1もしくは2個のFによって置換されていてもよい(C~C)ビシクロアルキル、または
・1個のOを含有するC結合4~7員飽和複素環
を形成する、実施形態E1からE5のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0023】
E11 Rが両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、(C~C)シクロアルキルを形成する、実施形態E10に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0024】
E12 Rが両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、(C~C)シクロアルキルを形成する、実施形態E11に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0025】
E13 Rが両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、2個のFによって置換された(C~C)ビシクロアルキルを形成する、実施形態E10に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0026】
E14 Rが両方とも、それらが結合する炭素原子と一緒になって、1個のOを含有するC結合5~6員飽和複素環を形成する、実施形態E10に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0027】
E15 Rが、H、F、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、-NR、または1個のNおよび任意選択により1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)である、実施形態E1からE14のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0028】
E16 Rが、H、F、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシまたは-NRである、実施形態E15に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0029】
E17 Rが、H、Fまたは-NRである、実施形態E16に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0030】
E18 Rが-NRである、実施形態E17に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0031】
E19 Rが(C~C)アルキルである、実施形態E1からE18のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0032】
E20 Rがメチルである、実施形態E19に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0033】
E21 Rが-C(O)(C~C)アルキルである、実施形態E1からE20のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0034】
E22 Rが-C(O)CHまたは-C(O)CH(CHである、実施形態E21に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0035】
E23 RがHまたはFである、実施形態E16に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0036】
E24 RがHである、実施形態E23に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0037】
E25 Rが、1個のNおよび任意選択により1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)である、実施形態E15に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0038】
E26 Rが、1個のNを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環である、実施形態E25に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0039】
E27 Rが、1個のNを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環である、実施形態E26に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0040】
E28 Rが、
【0041】
【化2】
である、実施形態E27に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0042】
E29 Rが、1個のNおよび1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)である、実施形態E25に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0043】
E30 Rが、1個のNおよび1個のOを含有し、オキソによって置換されていてもよいN結合5~7員飽和複素環(ただし、Rはモルホリニルではない)である、実施形態E29に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0044】
E31 Rが、
【0045】
【化3】
である、実施形態E30に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0046】
E32 Rが、H、ハロゲン、(C~C)アルキル、(C~C)アルコキシ、または(C~C)アルコキシによって置換された(C~C)アルコキシである、実施形態E1からE31のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0047】
E33 Rが、H、メチルまたはエチルである、実施形態E32に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0048】
E34 Rがメチルである、実施形態E33に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0049】
E35 RがHである、実施形態E33に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0050】
E36 RがFである、実施形態E1からE35のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0051】
E37 RがHである、実施形態E1からE35のいずれか1つに記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【0052】
E38
実施例1:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)アセトアミド;
実施例2:N-(2-((4aS,5aR)-5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例3:N-(2-((4aR,5aS)-5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例4:N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド;
実施例5:N-エチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド;
実施例6:N-(6-メトキシ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例7:N-(6-(2-メトキシエトキシ)-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H- ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例8:N-(7-フルオロ-6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例9:N-(6-ブロモ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例10:(R)-N-(4-フルオロ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-N-メチル-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)プロペンアミド;
実施例11:(S)-N-(4-フルオロ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-N-メチル-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)プロペンアミド;
実施例12:4-フルオロ-N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド;
実施例13:(1R,5S)-6,6-ジフルオロ-N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキサミド;
実施例14:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)プロペンアミド;
実施例15:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(1,4-オキサゼパン-4-イル)プロペンアミド;
実施例16:N-(6-エチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド;
実施例17:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド;
実施例18:N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-2-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロペンアミド;
実施例19:N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)シクロプロパンカルボキサミド;
実施例20:N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-2-(2-オキソピペリジン-1-イル)アセトアミド;
実施例21:N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)-2-(N-メチルアセトアミド)アセトアミド;
実施例22:N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)イソブチルアミド;
実施例23:(R)-N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)テトラヒドロフラン-2-カルボキサミド;
実施例24:N,1-ジメチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
実施例25:(S)-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソピロリジン-1-イル)プロペンアミド;
実施例26:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)ブチルアミド;
実施例27:(S)-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソピロリジン-1-イル)ブタンアミド;
実施例28:2-フルオロ-N,2-ジメチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)プロペンアミド;
実施例29:(R)-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド;
実施例30:N-メチル-N-(2-(メチル(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アミノ)-2-オキソエチル)イソブチルアミド;
実施例31:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソピロリジン-1-イル)アセトアミド;
実施例32:1-フルオロ-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)シクロプロパン-1-カルボキサミド;
実施例33:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)プロピオンアミド;
実施例34:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソアゼパン-1-イル)アセトアミド;
実施例35:2-(N-イソプロピルアセトアミド)-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド;
実施例36:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)シクロブタンカルボキサミド;
実施例37:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソピロリジン-1-イル)ブタンアミド;
実施例38:2-エトキシ-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド;
実施例39:2-メトキシ-N,2-ジメチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)プロペンアミド;および
実施例40:(S)-N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)テトラヒドロフラン-3-カルボキサミド
から選択される、実施形態E1に記載の化合物またはその薬学的に許容できる塩。
【発明を実施するための形態】
【0053】
式(I)の化合物中、
・アルキルは、式-C(2n+1)の直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。アルキルの例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルが挙げられる。
・アルキルオキシは、酸素原子を介して結合したアルキル置換基を意味する。アルキルオキシの例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、i-ブトキシ、sec-ブトキシおよびt-ブトキシが挙げられる。
・シクロアルキルは、少なくとも3個の炭素原子を含有する式-C(2n-1)の環式炭化水素基を意味する。シクロアルキルの例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。
【0054】
・ビシクロアルキルは、2つの環が縮合している、または架橋構造を形成する二環式炭化水素基を意味する。ビシクロアルキルの例としては、ビシクロ[3.1.0]ヘキシルが挙げられる。
・オキソとは、二重結合した酸素(=O)を指す。
・ハロゲンの例としては、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)およびヨード(I)が挙げられる。
【0055】
・1個のOを含有するC結合4~7員飽和複素環の例としては、テトラヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロフラン-3-イルおよびテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルが挙げられる。
【0056】
以後、本発明の化合物に対する全ての言及は、以下でより詳細に考察されるように、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩、溶媒和物、もしくは多成分複合体、または式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩の薬学的に許容できる溶媒和物もしくは多成分複合体を含む。
【0057】
本発明の好ましい化合物は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩である。
【0058】
好適な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、1,5-ナフタレンジスルホン酸塩、ナフチル酸塩、2-ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩およびキシナホ酸塩が挙げられる。
【0059】
酸のヘミ塩、例えば、ヘミ硫酸塩およびヘミ酒石酸塩を形成させることもできる。
【0060】
当業者であれば、上記の塩が、対イオンが光学的に活性な、例えば、d-乳酸塩、またはラセミ体、例えば、dl-酒石酸塩であるものを含むことを理解するであろう。
【0061】
好適な塩基の概説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」、(Wiley-VCH,Weinheim,Germany,2002)を参照されたい。
【0062】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩を、3つの方法のうちの1つまたは複数によって:
(i)式(I)の化合物と、所望の酸とを反応させることによって;
(ii)所望の酸を使用して、式(I)の化合物の好適な前駆体から酸不安定保護基を除去することによって;または
(iii)適切な酸との反応により、もしくは好適なイオン交換カラムを用いて、式(I)の化合物のある塩を別の塩に転換することによって、
調製することができる。
【0063】
3つの反応は全て、典型的には溶液中で行われる。得られる塩は、沈殿し、濾過によって収集することができるか、または溶媒の蒸発によって回収することができる。得られる塩におけるイオン化度は、完全なイオン化からほぼイオン化されないものまで変化してもよい。
【0064】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩は、非溶媒和形態と、溶媒和形態との両方で存在してもよい。用語「溶媒和物」は、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩と、1つまたは複数の薬学的に許容できる溶媒分子、例えば、エタノールとを含む分子複合体を記述するために本明細書で使用される。用語「水和物」は、前記溶媒が水である場合に用いられる。本発明による薬学的に許容できる溶媒和物は、結晶化の溶媒が同位体置換されていてもよいもの、例えば、DO、d-アセトンおよびd-DMSOを含む。
【0065】
有機水和物に関する現在許容されている分類系は、単離された部位、チャネル、または金属イオン配位水和物を定義するものである-参照により本明細書に組み込まれる、K.R.Morrisによる、Polymorphism in Pharmaceutical Solids(H.G.Brittain、Marcel Dekker(編)、1995)を参照されたい。単離された部位水和物は、水分子が、介在する有機分子によって互いに直接的な接触から単離されているものである。チャネル水和物では、水分子は、他の水分子の隣にある格子チャネル中にある。金属イオン配位水和物では、水分子は、金属イオンに結合される。
【0066】
溶媒または水が堅く結合する場合、複合体は、湿度とは関係なく明確に定義された化学量論を有するであろう。しかしながら、チャネル溶媒和物および吸湿性化合物におけるように、溶媒または水が弱く結合する場合、水/溶媒含量は、湿度および乾燥条件に依存するであろう。そのような場合、非化学量論が基準となるであろう。
【0067】
また、薬物および少なくとも1つの他の成分が化学量論量または非化学量論量で存在する場合、式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩の多成分複合体(塩および溶媒和物以外)も、本発明の範囲内に含まれる。この型の複合体としては、クラスレート(薬物-宿主包接複合体)および共結晶が挙げられる。後者は、典型的には、非共有相互作用によって一緒に結合する中性分子成分の結晶性複合体と定義されるが、中性分子と塩との複合体であってもよい。共結晶を、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶化によって、または成分を一緒に物理的に粉砕することによって調製することができる-参照により本明細書に組み込まれる、O.AlmarssonおよびM.J.Zaworotkoによる、Chem Commun、17、1889~1896(2004)を参照されたい。多成分複合体の一般的な概説については、参照により本明細書に組み込まれる、Haleblianによる、J Pharm Sci、64(8)、1269~1288(August 1975)を参照されたい。
【0068】
本発明の化合物は、完全に非晶質のものから完全に結晶性のものまでの一連の固体状態で存在してもよい。用語「非晶質」とは、その物質が分子レベルで長距離秩序を欠き、温度に応じて、固体または液体の物理特性を示し得る状態を指す。典型的には、そのような物質は、独特のX線回折パターンを与えず、固体の特性を示すが、より正式には、液体と記載される。加熱時に、典型的には、二次の、状態変化(「ガラス転移」)を特徴とする、固体特性から液体特性への変化が起こる。用語「結晶性」とは、物質が分子レベルで規則的な秩序の内部構造を有し、規定のピークと共に独特のX線回折パターンを与える固相を指す。十分に加熱した場合、そのような物質は、液体の特性も示すが、固体から液体への変化は、典型的には、一次の、相変化(「融点」)を特徴とする。
【0069】
また、本発明の化合物は、好適な条件にかけた場合、中間状態(中間相または液晶)で存在してもよい。中間状態は、真の結晶状態と、真の液体状態(融液または溶液)との間の中間体である。温度変化の結果として生じる液晶性は、「サーモトロピック」と記載され、水または別の溶媒などの、第2の成分の添加の結果生じるものは、「リオトロピック」と記載される。リオトロピック中間相を形成する能力を有する化合物は、「両親媒性」と記載され、イオン性(-COONa、-COO、もしくは-SO Naなど)または非イオン性(-N(CHなど)極性頭部基を有する分子からなる。さらなる情報については、参照により本明細書に組み込まれる、N.H.HartshorneおよびA.Stuartによる、Crystals and the Polarizing Microscope、第4版(Edward Arnold、1970)を参照されたい。
【0070】
本発明の化合物を、プロドラッグとして投与することができる。したがって、それ自体、薬理活性をほとんど有しないか、または全く有しない式(I)の化合物のある特定の誘導体を、体内に、または体上に投与した場合に、例えば、加水分解的切断によって、所望の活性を有する式(I)の化合物に転換することができる。そのような誘導体は、「プロドラッグ」と称される。プロドラッグの使用に関するさらなる情報を、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、Vol.14、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(EB Roche(編)、American Pharmaceutical Association)に見出すことができる。
【0071】
プロドラッグを、例えば、式(I)の化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、H Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されたような「プロ部分」として当業者には公知のある特定の部分と置き換えることによって生産することができる。
【0072】
プロドラッグの例としては、リン酸二水素またはジアルキル(例えば、ジ-tert-ブチル)リン酸プロドラッグなどの、リン酸プロドラッグが挙げられる。前記の例による置換基のさらなる例および他のプロドラッグ型の例を、上記参考文献に見出すことができる。
【0073】
また、薬物の投与時にin vivoで形成される化合物である、式(I)の化合物の代謝物も、本発明の範囲内に含まれる。本発明による代謝物の例としては、
(i)式(I)の化合物がアルコキシ基を含有する場合、そのヒドロキシ誘導体(-(C~C)アルコキシ→-OH);および
(ii)式(I)の化合物がフェニル部分を含有する場合、そのフェノール誘導体(-Ph→-PhOH)が挙げられる。
【0074】
式(I)は、不斉シクロプロパインダゾリル部分を含有し、立体特異的に定義される(「4aS,5aR」立体異性体として)。
【0075】
当業者であれば、式(I)中の1個または複数の置換基が1つまたは複数の追加の不斉中心を導入し得ることを理解するであろう。例えば、追加の不斉中心は、式(I)の化合物において、その中のそれぞれのRが異なる場合に存在する。そのような不斉中心は、下記で示される実施例10の化合物において見出され、その場合、追加の不斉炭素原子がアステリスク(*)によりマークされる:
【0076】
【化4】
【0077】
前記1つまたは複数のさらなる不斉中心を含有する本発明の化合物は、2つ以上の立体異性体として存在してもよい;本発明の化合物の全てのそのような立体異性体(エピマーを含む)およびその2つ以上の混合物が、本発明の範囲内に含まれる。
【0078】
個々の鏡像異性体の調製/単離のための従来の技術は、好適な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分解を含む。
【0079】
あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆体)を、好適な光学的に活性な化合物、例えば、アルコール、または、式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合、1-フェニルエチルアミンもしくは酒石酸などの塩基もしくは酸と反応させることができる。得られるジアステレオ異性混合物を、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶法によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者には周知の手段によって対応する純粋な鏡像異性体に転換することができる。
【0080】
本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)を、0~50体積%のイソプロパノール、典型的には、2~20体積%、および0~5体積%のアルキルアミン、典型的には、0.1%のジエチルアミンを含有する、炭化水素、典型的には、ヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を有する非対称性樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的には、HPLCを使用して、鏡像異性的に富化された形態で取得することができる。溶出液の濃縮により、富化された混合物が得られる。
【0081】
臨界前および超臨界流体を使用するキラルクロマトグラフィーを用いてもよい。本発明の一部の実施形態において有用なキラルクロマトグラフィーのための方法は、公知である;例えば、Smith,Roger M.、Loughborough University、Loughborough、UK;Chromatographic Science Series(1998)、75(Supercritical Fluid Chromatography with Packed Columns)、223~249頁およびそこで引用された参考文献を参照されたい。
【0082】
立体異性体の混合物を、当業者には公知の従来の技術によって分離することができる;例えば、E.L.ElielおよびS.H.Wilenによる、「Stereochemistry of Organic Compounds」(Wiley、New York、1994)を参照されたい。
【0083】
構造異性体が低エネルギーバリアによって相互転換可能である場合、互変体異性(「互変異性」)および立体配座異性が起こり得る。
【0084】
互変異性は、ベンゾイミダゾール基に関して、一般的には、式(I)、および具体的には、実施例1中で以下に示されるように、式(I)の化合物中のプロトン互変異性の形態を採ってもよい:
【0085】
【化5】
【0086】
当業者であれば、プロトン互変異性はまた、式(I)の化合物中のピラゾール環上で起こってもよいことを理解するであろう。
【0087】
簡潔性のため、式(I)の化合物は、単一の互変異性形態で本明細書に描写されているが、全てのあり得る互変異性形態、およびその混合物が、本発明の範囲内に含まれる。
【0088】
立体配座異性は、ある化合物の異性体を、専ら、単結合のまわりの回転によって相互転換することができる立体異性の形態である。そのような異性体は一般に、立体配座異性体または配座異性体、具体的には、回転異性体と称される。「回転異性混合物」または「回転異性体の混合物」は、あり得る立体配座異性体の1より多い混合物として存在する化合物を記載する。簡潔性のため、式(I)の化合物は、単一の立体配座形態で描写されているが、全てのあり得る配座異性体、およびその混合物が、本発明の範囲内に含まれる。
【0089】
本発明の範囲は、ラセミ体およびそのラセミ混合物(コングロマリット)を含む、本発明の化合物の全ての結晶形態を含む。立体異性コングロマリットを、本明細書の直上に記載された従来の技術によって分離することもできる。
【0090】
本発明の範囲は、1個または複数の原子が、同じ原子番号を有するが、自然において優位である原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられた、全ての薬学的に許容できる、本発明の同位体標識された化合物を含む。
【0091】
本発明の化合物中への包含にとって好適な同位体の例としては、HおよびHなどの水素;11C、13Cおよび14Cなどの炭素;18Fなどのフッ素;36Clなどの塩素;123Iおよび125Iなどのヨウ素;13Nおよび15Nなどの窒素;15O、17Oおよび18Oなどの酸素の同位体が挙げられる。
【0092】
本発明のある特定の同位体標識された化合物、例えば、放射性同位体を組み込むものは、薬物および/または基質組織分布試験において有用である。放射性同位体であるトリチウム、すなわち、H、および炭素-14、すなわち、14Cは、その組込みの容易性および容易な検出手段に鑑みて、この目的にとって特に有用である。重水素(D)、すなわち、Hなどのより重い同位体との置換は、より高い代謝安定性の結果生じるある特定の治療利益、例えば、in vivoでの半減期の増大または投薬量要件の低減を提供することができ、したがって、一部の状況では好ましいことがある。11C、15Oおよび13Nなどの、陽電子放出同位体との置換は、基質受容体占有率を検査するための陽電子放出型断層撮影(PET)試験において有用であり得る。
【0093】
式(I)の同位体標識された化合物を、一般的には、当業者には公知の従来の技術によって、または添付の実施例に記載されるものと類似するプロセスおよび以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識された試薬を使用する調製物によって調製することができる。
【0094】
また、本明細書の以降で定義される中間化合物、その全ての塩、溶媒和物および複合体、ならびに式(I)の化合物について本明細書の以前で定義されたその塩の全ての溶媒和物および複合体も、本発明の範囲内である。本発明は、上記の種の全ての多形体およびその晶相を含む。
【0095】
本発明に従って式(I)の化合物を調製する場合、当業者であれば、この目的のための特徴の最良の組合せを提供する中間体の形態を日常的に選択することができる。そのような特徴としては、中間形態の融点、溶解度、加工性および収率ならびにその結果としての、生成物を単離時に精製することができる容易性が挙げられる。
【0096】
本発明の化合物を、類似する構造の化合物の調製のための当業界で公知の任意の方法によって調製することができる。特に、本発明の化合物を、以下のスキームを参照して記載される手順によって、または実施例に記載される特定の方法によって、またはそのいずれかと同様のプロセスによって調製することができる。
【0097】
当業者であれば、以下のスキームに記載される実験条件が、示される変換を行うための好適な条件の実例となること、および式(I)の化合物の調製のために用いられる正確な条件を変化させることが必要であるか、または望ましいことがあることを理解するであろう。さらに、スキームに記載されるものとは異なる順序で変換を実行すること、または所望の本発明の化合物を提供するために、1もしくは複数の変換を改変することが必要であるか、または望ましいことがあることが理解されるであろう。
【0098】
本発明の化合物は、立体化学指定(R)または(S)と共に、2個以上の立体中心を含有する。当業者であれば、本明細書に記載の、および/または当業界で公知の、周知の方法を使用して、鏡像異性体富化された化合物またはラセミ化合物のいずれかに対して全て合成変換を行うことができること、および所望の立体異性体への分解が合成における任意の点で起こってもよいことを理解するであろう。
【0099】
さらに、当業者であれば、望ましくない副反応を防止するために、本発明の化合物の合成における任意の段階で、1つまたは複数の感受性基を保護することが必要であるか、または望ましい場合があることを理解するであろう。特に、ヒドロキシル、カルボキシルおよび/またはアミノ基を保護することが必要であるか、または望ましい場合がある。本発明の化合物の調製において使用される保護基を、従来の様式で使用することができる;例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Theodora W GreeneおよびPeter G M Wutsによる、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」、第5版(John WileyおよびSons、2014)、特に、そのような基の除去のための方法も記載する、それぞれ、第2、5および7章に記載されたものを参照されたい。
【0100】
以下の一般的なプロセスにおいて、別途記述されない限り、
・R~Rは、式(I)の化合物について以前に定義された通りである;
・Rは、エチルなどのアルキルであるか、または式3および4の場合、2個のRは、それらが結合する酸素原子と一緒になって、環式アセタールを形成してもよい;
・PGは、シリルエーテル(例えば、SEM)、アルコキシカルボニル(例えば、BOC)、アセチル(Ac)、ベンジル(例えば、PMB)またはジヒドロピラン(DHP)保護基などの、好適なアミノ保護基である;および
・Xは、FまたはClである。
【0101】
式11の置換されたピラゾールを、スキーム1に示されるように調製することができる。
【0102】
【化6】
【0103】
化合物1(3-メトキシトルエン)を、-30°より下の温度の液体アンモニア中のLiまたはNaなどのアルカリ金属を使用する、Birch還元(Mander,L.N.Comprehensive Organic Synthesis;Trost,B.M.およびFleming,I.(編);Pergamon:Oxford、1991、Vol.8、489~521頁)によって、対応する1,4-ジエン化合物2に還元することができる。
【0104】
1,4-ジエン化合物2からの式3のオレフィンアセタールの調製を、触媒酸条件下で、例えば、0~25℃などの、0~100℃の温度で、DCMまたは他の非プロトン溶媒などの溶媒を用いて、または用いずに、MeOHもしくはEtOHなどのアルキル第1級アルコール、またはエチレングリコールなどのジオールの存在下で、pTSAまたはCSAを使用して、進行させることができる。
【0105】
式3のオレフィンの、式4のシクロプロパンへの転換は、ジハロカルベン付加またはSimmons-Smithのシクロプロパン化によって進行させてもよい(Charette,A.B.;Beauchemin,A.Simmons-Smith Cyclopropanation Reaction.Org.React.2001、58、1~415頁)。
【0106】
式5のケトンを得るための式4のアセタールの脱保護を、酸性条件下で、例えば、水と、THFなどの溶媒との混合物中、HCl、HSOまたはpTSAなどの有機酸を使用して実行することができる。
【0107】
式6のジケトンの調製を、式5のケトンと、i)-78℃~25℃で、THFなどの極性非プロトン溶媒中、ジアルキルオキサレートおよびLDA、LiHMDSもしくはKOtBuなどの、強塩基の1-3等価物と;またはii)0℃から還流までの温度で対応するアルコール性溶媒(例えば、エタノール中のEtONa)中、アルコキシドとを反応させることによって達成することができる。
【0108】
25℃から還流までの温度での、MeOHまたはEtOHなどのプロトン溶媒中での、式6のジケトンと、ヒドラジンまたはヒドラジン水和物との縮合は、式7のピラゾールを提供することができる。HCl塩などのヒドラジン塩を、対応するモル当量の無機塩基(例えば、KCO)または有機塩基(例えば、EtNもしくはiPrNEt)と一緒に使用することもできる。
【0109】
式7のピラゾールの保護を、SEM-Cl、DHPまたは別の好適な保護基を用いて実施して、式8のピラゾールを得ることができ、式9の対応する鏡像異性体を得るための分解を、キラル固相を使用する超臨界流体クロマトグラフィーによって実施することができる。
【0110】
式9のエステルの、式10のアルコールへの還元を、0℃から還流までの温度で、THFなどの非プロトン溶媒中、LAHを使用して実施することができる。
【0111】
式10のアルコールの、式11のアルデヒドへの酸化を、i)非プロトン溶媒中で、PCC、PDC、もしくはMnOなどの薬剤を使用することによって、またはii)例えば、TEMPO/漂白剤およびTRAP/NMO(Caron,S.、Dugger,R.W.、Gut Ruggeri,S.、Ragan,J.A.、Brown Ripin,D.H.、Chem.Rev.2006、106、2943~2989)もしくはSwern酸化条件を使用することによる、触媒作用によって行うことができる。
【0112】
式(I)の化合物を、スキーム2(式中、Rは、HまたはPGである)に示されるように調製することができる。
【0113】
【化7】
【0114】
式12の4-ニトロアニリンをアシル化して、EDCI、HATU、HBTU、もしくはT3Pなどの標準的なアミドカップリング試薬を使用して、または0℃から還流までの温度で、EtNなどの有機塩基の存在下、DCMもしくはDMFなどの溶媒中、酸塩化物、酸無水物もしくはアシルイミダゾールなどの別のアシル化剤との反応によって、カルボン酸との式13のアミドを提供することができる。
【0115】
式14のアミドを提供するための式13のアミドのアルキル化を、DMFまたはTHFなどの極性非プロトン溶媒中、KOtBuまたはLiHMDSなどの塩基の存在下で、ハロゲン化アルキルまたはトシル酸アルキルなどのアルキル化剤を用いて行うことができる。
【0116】
25~100℃で;無機塩基(例えば、ナトリウム、カリウム、もしくはセシウムの炭酸塩、炭酸水素塩、水酸化物、または酢酸塩)、またはEtNなどの有機アミン塩基などの塩基の存在下で;THF、DMF、DMSOもしくはNMPなどの極性非プロトン性溶媒、または水、MeOH、EtOHもしくはイソプロパノールなどのプロトン溶媒、またはその混合物中で、アンモニア、ベンジルアミンまたは置換されたベンジルアミンなどの窒素求核試薬を使用する芳香族求核性置換(SAr)反応によって、式14の化合物を式15のアミン(式中、RはH、ベンジルまたは置換されたベンジルである)に変換することができる。
【0117】
式15のニトロアニリンの還元(必要に応じて、同時的脱保護と共に)を、20~60℃の温度で、MeOHまたはEtOHなどのアルコール性溶媒中、1~3アトムのH下、10%Pd/CなどのPd触媒を用いる水素化条件下で実施して、式16のオルト-ジアミンを得ることができる。あるいは、R=Hである場合、溶媒としてのAcOHまたはTHFなどの有機溶媒の混合物中で、塩化アンモニウム水溶液を用いて、20~100℃の間の温度で、ニトロ基の還元をZnまたはFeなどの金属の使用によって行うことができる。
【0118】
式16のジアミンを、90~150℃の温度で、Naなどの酸化剤と共に、0~5当量のDMSOを含む、DMFなどの極性溶媒中、式11のアルデヒドと縮合させて、式17のベンゾイミダゾールを得ることができる。あるいは、式16および式11の化合物の縮合は、60℃から還流までの温度で、水性NaHSO、およびEtOHまたは他のアルコール性溶媒の存在下で進行させることができる。
【0119】
式(I)の対応する化合物を得るための式17の化合物中の保護基の除去を、当業者には周知の条件下で実施することができる。例えば、PG=SEMである場合、保護基を、場合により、EtSiHを添加した、DCM中のTFAの使用によって除去することができる。
【0120】
当業者であれば、RがHである式15の化合物(続いて、式16、17および(I)の化合物)を、スキーム2に従って、式13の化合物から直接調製することができることを理解するであろう。
【0121】
スキーム2に記載されたものと直接対応するプロセスによって、式(I)の化合物を、スキーム3に従って、式18の3-ニトロアニリンから調製することもできる。
【0122】
【化8】
【0123】
式(I)の化合物をスキーム4に従って合成することもできる(式中、RはHまたはPGである)。
【0124】
【化9】
【0125】
式12の4-ニトロアニリンを、BOCまたはAcなどの適切な保護基でN-保護して、式19の化合物を得ることができ、次いで、式14の化合物の調製について上のスキーム2に記載されたように、ハロゲン化アルキルを用いてN-アルキル化して、式20の化合物を得ることができる。
【0126】
式20の化合物を、式15のアミンの調製のためにスキーム2において上記されたSAr条件下で置換して、式21の化合物を提供することができ(式中、Rは、H、ベンジルまたは置換されたベンジルである);次いで、これを、例えば、式16の化合物の調製のためにスキーム2において上記された条件下で還元して、式22のジアミンを提供することができ;そのジアミンを最終的に、式11のアルデヒドと縮合させて、オルトゴナルに保護された式23の化合物を提供することができる。
【0127】
式24のアニリンを得るための、式23の化合物のアニリン保護基の選択的脱保護を、DCMなどの非極性溶媒中での、ZnBrもしくはTMSOTfとの反応によって(PG=BOC);または還流下、MeOHもしくはEtOH中での、水性NaOHもしくはKOHを用いた塩基性加水分解(PG=Ac)によって達成することができる。
【0128】
式24のアニリンを、式17のベンゾイミダゾールの調製についてスキーム2に上記された条件下でアシル化し、続いて、ベンゾイミダゾールを脱保護して、式(I)の調製についてスキーム2に記載されたものなどの、当業者には周知の条件下で、式(I)の化合物を提供することができる。
【0129】
式(I)の化合物を、スキーム5に従って合成することもできる。
【0130】
【化10】
【0131】
EDCI、HATU、HBTU、またはT3Pなどの標準的なアミドカップリング試薬を使用するか;またはDCMもしくはDMFなどの溶媒中で、EtNなどの有機塩基の存在下で、0℃から還流までの温度での酸塩化物、酸無水物またはアシルイミダゾールなどの代替のアシル化剤との反応によって、式25のアニリンをカルボン酸でアシル化して、式26のアミドを提供することができる。
【0132】
式27のアミドを提供するための式26のアミドのアルキル化を、DMFまたはTHFなどの極性非プロトン溶媒中、KOtBuまたはLiHMDSなどの塩基の存在下で、ハロゲン化アルキルまたはトシル酸アルキルなどのアルキル化剤を用いて行うことができる。
【0133】
式27のアミドを濃硫酸中で、-20℃から50℃の温度での硝酸カリウムを含む標準的な条件によってニトロ化して、式28のニトロ-アレーンを提供することができる。
【0134】
式28の化合物を、式14の化合物からの式(I)の化合物の調製のためのスキーム2に記載のプロセスに対応するプロセスにより、式(I)の化合物に変換することができる。
【0135】
当業者であれば、RがHである式28の化合物(続いて、式(I)の化合物)をスキーム5に従って、式26の化合物から直接調製することができることを理解するであろう。
【0136】
が(C~C)アルコキシである式25のアニリンは、スキーム6に従って合成することができる。
【0137】
【化11】
【0138】
式29のニトロ-アレーンを、式21の化合物の調製のためのスキーム4に記載されているような芳香族求核性置換の条件下で置換して、Rがアルコキシである式30の化合物を得ることができる。
【0139】
式30のニトロアレーンの還元を水素化条件下で、10%のPd/CなどのPd触媒を用いて、1~3atmのH下で、MeOHまたはEtOHなどのアルコール溶媒中で、20から60℃の間の温度で実施して、式25のアニリンを得ることができる。あるいは、ニトロ基の還元は、溶媒としてのAcOHまたはTHFなどの有機溶媒の混合物中で、塩化アンモニウム水溶液を用いて、20~100℃の間の温度で、ZnまたはFeなどの金属を使用することにより行うことができる。
【0140】
式21の化合物は、スキーム7に従って合成することもできる(式中、RはH、ベンジルまたは置換されたベンジルである)。
【0141】
【化12】
【0142】
式31の4-ニトロアニリンを、EDCI、HATU、HBTU、またはT3Pなどの標準的なアミドカップリング試薬を使用してカルボン酸でアシル化して;またはDCMもしくはDMFなどの溶媒中で、EtNなどの有機塩基の存在下で、0℃から還流までの温度での酸塩化物、酸無水物またはアシルイミダゾールなどの代替のアシル化剤との反応によって、式32のアミドを提供することができる。
【0143】
式33のアミドを提供するための式32のアミドのアルキル化を、DMFまたはTHFなどの極性非プロトン溶媒中、KOtBuまたはLiHMDSなどの塩基の存在下で、ハロゲン化アルキルまたはトシル酸アルキルなどのアルキル化剤を用いて行うことができる。
【0144】
25~100℃で、無溶媒か、またはDMFもしくはTHFなどの溶媒中で、アンモニア、ベンジルアミンまたは置換されたベンジルアミンなどの窒素求核試薬での、式33の化合物中のXの置換によって、式34のニトロアニリン合物を調製することができる。
【0145】
式34のニトロアニリンを、DMFなどの溶媒中で、求電子性芳香族置換の条件下で、N-ブロモスクシンイミドなどの試薬で処理して、式15のニトロアニリンを得ることができる(式中、R=Br)。
【0146】
当業者であれば、RがHである式34の化合物(続いて、式15および(I)の化合物)をスキーム7に従って、式32の化合物から直接調製することができることを理解するであろう。
【0147】
式(I)の化合物は、スキーム8に従って、スキーム5に記載されたプロセスとそのまま対応するプロセスによって、式35のアニリンから調製することもできる。
【0148】
【化13】
【0149】
がメチルである式17の化合物を、スキーム9に従って合成することもできる。
【0150】
DMFなどの極性溶媒中で、0~5当量のDMSOを用いて、Naなどの酸化剤を用いて、90から150℃の間の温度で、式36のジアミンを式11のアルデヒドと縮合させて、式37のベンゾイミダゾールを得ることができる。あるいは、式36および11の化合物の縮合を60℃から還流までで、NaHSO水溶液、およびEtOHまたは他のアルコール溶媒の存在下で進行させることができる。
【0151】
【化14】
【0152】
MeOH、EtOHもしくはTHFなどの溶媒、またはそれらの混合物中で、20℃から還流の間の温度で、式37のエステルをリチウム、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物の水溶液を使用して加水分解して、式38の酸を得ることができる。
【0153】
式39のカルバメートの調製を、式38の酸から、60℃から120℃までの温度での、トルエンなどの溶媒中での、トリエチルアミンなどの塩基、およびtert-ブチルアルコールなどのアルコールまたはメタノール、エタノールおよびベンジルアルコールなどの代替のアルコールの存在下でのジフェニルホスホリルアジドでの処理によって進行させることができる。
【0154】
がメチルである式40のアミンへの式39のカルバメートの還元は、THFなどの非プロトン性溶媒中で、0℃から還流までの温度で、LiAlHを使用して実行することができる。
【0155】
式40のアミンを、EDCI、HATU、HBTU、もしくはTPなどの標準的なアミドカップリング試薬を使用してカルボン酸で;または0℃から還流までの温度で、EtNなどの有機塩基の存在下で、DCMもしくはDMFなどの溶媒中での酸塩化物、酸無水物もしくはアシルイミダゾールなどの別のアシル化剤との反応によってアシル化して、Rがメチルである式17のアミドを得ることができる。
【0156】
式1、式12、式18、式25、式29、式31、式35および式36の化合物を、商業的供給源から獲得する、文献の方法と同様に調製する、または以下の実験のセクションに記載される方法もしくは当業者には周知のその変形によって取得することができる。
【0157】
式(I)の化合物またはその薬学的に許容できる塩を調製するための全ての新しいプロセス、およびその中で用いられる対応する新しい中間体は、本発明のさらなる態様を形成する。
【0158】
薬学的使用を意図される本発明の化合物は、非晶質もしくは結晶形態で投与してもよく、または完全な非晶質から完全な結晶までの一連の固体状態で存在してもよい。それらを、例えば、沈降、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、または蒸発乾燥などの方法によって、固体プラグ、粉末、またはフィルムとして取得することができる。マイクロ波または高周波乾燥を、この目的のために使用することができる。
【0159】
本発明の化合物を、任意の好適な経路によって、そのような経路に適合された医薬組成物の形態で、意図される処置にとって有効な用量で投与することができる。一般的には、それらは、1つまたは複数の薬学的に許容できる賦形剤と会合した製剤として投与されるであろう。用語「賦形剤」は、本発明の化合物以外の任意の成分を記載するために本明細書で使用される。賦形剤の選択は、大部分は、投与様式、可溶性および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの因子に依存するであろう。
【0160】
本発明の化合物のための投与様式としては、経口、非経口、局所、直腸、経膣、眼内および経耳投与が挙げられる。
【0161】
経口投与は、本発明の化合物が、消化管に入るような嚥下、または化合物が口から直接血流に入るような頬もしくは舌下投与を含んでもよい。
【0162】
非経口投与は、本発明の化合物の、血流、筋肉または内臓への注射を含んでもよく、注射は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下であってもよい。非経口投与は、針(微小針を含む)注射器、無針注射器および輸注技術を用いてもよい。
【0163】
局所投与が好ましく、
・皮膚、爪、毛髪、かぎ爪、蹄、粘膜への投与;
・皮膚または経皮投与;
・鼻内投与または吸入による投与;
・直腸または経膣投与;および
・眼または耳への直接投与
が挙げられる。
【0164】
用語「経皮投与」とは、組成物の局所投与または他の適用から得られる、皮膚、爪、毛髪、かぎ爪または蹄のバリアを越える本発明の化合物の拡散を指す。経皮送達は、皮膚、爪、毛髪、かぎ爪または蹄の任意の部分を通る送達および残りの部分を通る吸収または浸透を含む。
【0165】
本発明の化合物の局所投与は、皮膚および周囲の組織に限定された化合物の分布をもたらすことができるか、または化合物が血流によって処置領域から除去された場合に、本発明の化合物の全身曝露をもたらすことができる。好ましくは、本発明の化合物の局所投与は、皮膚および周囲の組織に限定された化合物の分布をもたらす。本発明の化合物の全身曝露が起こる場合、本発明の化合物の全身曝露が最小化されるように、化合物は迅速に代謝されるのが好ましい。全身曝露の最小化は、望ましくない生物学的効果(すなわち、副作用)を低減させることができる。
【0166】
別の態様では、本発明は、本発明の化合物と、薬学的に許容できる賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。
【0167】
本発明の化合物の送達にとって好適な医薬組成物およびその調製のための方法は、当業者には容易に明らかとなるであろう。そのような組成物および調製方法は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」、第19版(Mack Publishing Company、1995)に見出すことができる。
【0168】
医薬組成物は、典型的には、本発明の化合物と、1つまたは複数の賦形剤とを混合することによって調製される。賦形剤としては、炭水化物、ワックス、水溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水、緩衝剤、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、酸化防止剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色料、甘味料、芳香剤、香味剤などの材料が挙げられる。溶媒は、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)、およびその混合物を含んでもよい。賦形剤は、医薬組成物の製造、または使用を容易にするように選択される。
【0169】
医薬組成物を、従来の溶解および混合によって調製することができる。例えば、本発明の化合物を、上記の1つまたは複数の賦形剤の存在下で溶媒中に溶解することができる。弱水溶性化合物の溶解速度を、参照により本明細書に組み込まれる、Takeuchi,H.らによって、「Enhancement of the dissolution rate of a poorly water-soluble drug(tolbutamide)by a Spray-drying solvent deposition method and disintegrants」、J.Pharm.Pharmacol.、39、769~773(1987)において;およびUS2002/009494において記載されたものなどの、噴霧乾燥分散の使用によって増強することができる。
【0170】
本発明の化合物の経口投与のための固体剤形としては、例えば、それぞれ、少なくとも1つの本発明の化合物を含有する、錠剤、硬質または軟質カプセル剤、ロゼンジ剤、顆粒剤または粉末剤が挙げられる。そのような固体剤形中で、本発明の化合物は通常、1つまたは複数の薬学的に許容できる賦形剤と組み合わされる。錠剤およびカプセル剤などの経口投与のための固体剤形を、腸溶コーティングを用いて調製することができる。
【0171】
本発明の化合物の経口投与のための液体剤形としては、例えば、当業界で一般的に使用される不活性希釈剤(例えば、水)を含有する、薬学的に許容できるエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップ剤、およびエリキシル剤が挙げられる。そのような組成物はまた、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、香味剤(例えば、甘味料)、および/または芳香剤などの賦形剤を含んでもよい。
【0172】
本発明の化合物の非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(好ましくは、3~9のpHに緩衝化する)などの賦形剤を含有してもよい水性溶液である。非経口投与のための製剤はまた、滅菌された発熱原を含まない水などの好適なビヒクルを用いた再構成時に投与される滅菌非水性溶液、または乾燥(例えば、凍結乾燥)形態であってもよい。
【0173】
本発明の化合物の局所または経皮投与のための医薬組成物としては、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、坐剤、粉末、溶液、スプレー、ドロップ、吸入剤およびパッチが挙げられる。本発明の化合物は、薬学的に許容できる局所担体および必要とされ得るような任意の保存剤または緩衝剤と、滅菌条件下で混合される。揮発性である化合物は、適切な投薬量の送達を確保するために、配合剤または包装材料との混合を必要としてもよい。皮膚浸透性が低い本発明の化合物は、1つまたは複数の浸透促進剤を必要としてもよいが、皮膚を介して迅速に吸収される化合物は、吸収遅延剤またはバリアを用いた製剤化を必要としてもよい。
【0174】
用語「薬学的に許容できる局所担体」とは、化合物を懸濁または溶解することができる不活性液体またはクリームビヒクルなどの、本発明の化合物の有効量の適切な送達を提供する、局所適用にとって好適な、担体媒体を指す。当業者であれば、この用語が局所化粧品における使用のために認可された担体材料も同様に包含することを理解するであろう。
【0175】
用語「浸透促進剤」は、化合物の浸透の速度および程度を増加させるための、本発明の化合物に対する皮膚、爪、毛髪、かぎ爪または蹄の浸透性の増加に関する。浸透の促進は、例えば、拡散セル装置を使用して動物またはヒトの皮膚、爪、毛髪、かぎ爪または蹄を通る薬物の拡散速度を測定することによって観察することができる。拡散セルは、Merrittら、Diffusion Apparatus for Skin Penetration、J of Controlled Release、1(1984)、161~162頁によって記載されている。
【0176】
局所投与のための軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、坐剤、粉末、溶液、スプレー、ドロップ、吸入剤およびパッチは、本発明の化合物に加えて、動物性または植物性脂肪、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、酸化亜鉛、保存剤、酸化防止剤、芳香、乳化剤、染料、不活性充填剤、抗刺激剤、粘着付与剤、芳香、乳白剤、酸化防止剤、ゲル化剤、安定剤、界面活性剤、皮膚軟化剤、着色剤、保存剤、緩衝化剤、浸透促進剤などの、1つまたは複数の薬学的に許容できる賦形剤を含有してもよい。そのような賦形剤は、活性薬剤の生物活性の有効性を妨げてはならず、上皮細胞またはその機能にとって有害であってはならない。
【0177】
経皮投与は、経皮パッチによって達成することができる。経皮パッチは、「リザーバーおよび多孔膜」型のものであってよいか、または「マトリックス系」を用いてもよい。
【0178】
医薬組成物の調製において使用される本発明の化合物の溶解度を、溶解促進剤の組込みなどの、適切な製剤化技術の使用によって増加させることができる。
【0179】
医薬組成物を、即時放出および/または調節放出となるように製剤化することができる。好都合には、本発明の化合物は、即時放出のために製剤化される。
【0180】
調節放出製剤は、遅延、持続、パルス、制御、標的およびプログラム放出を含む。したがって、本発明の化合物を、活性化合物の調節放出を提供する埋込み型デポー製剤としての投与のための固体、半固体、またはチキソトロピック液体として製剤化することができる。そのような製剤の例としては、ポリ(dl-乳酸-コグリコール)酸(PGLA)ミクロスフェアが挙げられる。
【0181】
本発明の化合物を、シクロデキストリンおよびその好適な誘導体、またはポリエチレングリコール含有ポリマーなどの、可溶性高分子実体と組み合わせて、上記の投与様式のいずれかにおける使用のためのその溶解度、溶解速度、味のマスキング、バイオアベイラビリティおよび/または安定性を改善することができる。
【0182】
ヒト患者への投与のために、本発明の化合物の合計1日用量は、投与様式および効能に応じて、典型的には、60mg~6g、例えば、100mg~1.5gなどの、1mg~10gの範囲である。例えば、投与は、250mg~750mgなどの、200mg~1gの合計1日用量を必要としてもよい。合計1日用量は、単回または分割用量で投与してもよく、医師の裁量で、本明細書に与えられる典型的な範囲の範囲外にあってもよい。これらの投薬量は、約60kg~70kgの体重を有する平均的なヒト対象に基づくものである。医師であれば、幼児および高齢者などの、体重がこの範囲の外にある対象のための用量を容易に決定することができるであろう。
【0183】
上記のように、本発明の化合物は、それらが動物において薬理活性、すなわち、ITKの阻害を示すため、有用である。より具体的には、本発明の化合物は、ITK阻害剤が指示される障害の処置において有用である。
【0184】
好ましくは、動物は、哺乳動物、より好ましくは、ヒトである。
【0185】
好ましくは、本発明の化合物はまた、TRKAを阻害する。
【0186】
本発明のさらなる態様では、医薬としての使用のための本発明の化合物が提供される。
【0187】
本発明のさらなる態様では、ITK阻害剤が指示される障害の処置における使用のための本発明の化合物が提供される。
【0188】
本発明のさらなる態様では、ITK阻害剤が指示される障害の処置のための医薬の調製のための本発明の化合物の使用が提供される。
【0189】
本発明のさらなる態様では、ITK阻害剤が指示される動物(好ましくは、哺乳動物、より好ましくは、ヒト)における障害を処置する方法であって、前記動物に、治療有効量の本発明の化合物を投与することを含む、方法が提供される。
【0190】
ITK阻害剤が指示される障害または状態としては、炎症疾患、自己免疫疾患、皮膚疾患、眼疾患、呼吸器疾患、関節疾患、心血管疾患および神経炎症疾患が挙げられる。当業者であれば、所与の疾患、障害または状態が、1より多い上記のカテゴリーに入り得ることを理解するであろう。
【0191】
より具体的には、ITK阻害剤が指示される障害または状態としては、
・アレルギー性結膜炎、セリアック病、直腸炎、好酸球性胃腸炎、肥満細胞症、炎症性腸疾患(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、顕微鏡的大腸炎(膠原線維性大腸炎またはリンパ球性大腸炎など)、便流変更性大腸炎、ベーチェット病、および不確定大腸炎など)、腎炎、網膜炎、網膜症、筋炎、血管炎、シェーグレン症候群、ウェゲナー肉芽腫症、動脈炎、硬化性胆管炎、および好酸球性食道炎などの、炎症障害;
・ループス腎炎、自己免疫性肝炎、重症筋無力症、ギランバレー症候群、およびグレーブス病などの自己免疫障害;
・眼の自己免疫疾患、角結膜炎、春季カタル、非感染性ブドウ膜炎(例えば、ベーチェット病に伴うブドウ膜炎および水晶体起因性ブドウ膜炎)、角膜炎(例えば、ヘルペス性角膜炎および円錐角膜炎)、角膜上皮ジストロフィー、角膜白斑、眼天疱瘡、モーレン潰瘍、強膜炎、網膜炎、網膜症、グレーブス眼症、Vogt-Koyanagi-Harada症候群、乾性角結膜炎(ドライアイ)、フリクテン、虹彩毛様体炎、サルコイドーシス、内分泌性眼障害、交感性眼炎、アレルギー性結膜炎、および眼の血管新生を含む、眼障害または状態;
・湿疹(例えば、慢性および発汗異常性湿疹)、慢性の痒み、皮膚炎(例えば、アトピー性皮膚炎、刺激性接触皮膚炎、アレルギー性接触皮膚炎、職業性皮膚炎、口囲皮膚炎、鬱滞性皮膚炎、貨幣状皮膚炎、脂漏性皮膚炎、乾性皮膚炎、眼瞼皮膚炎、おむつ皮膚炎、および手皮膚炎)、白斑、円形脱毛症、掻痒症(例えば、慢性特発性掻痒症)、乾癬(例えば、尋常性乾癬、滴状乾癬、逆性乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、湾曲部乾癬、掌蹠乾癬、顔面乾癬または乾癬性紅皮症)、強皮症、天疱瘡、皮膚筋炎、神経皮膚炎、皮膚の潮紅、蕁麻疹、皮膚エリテマトーデス(例えば、急性皮膚ループス(急性皮膚狼瘡)、亜急性皮膚ループス(亜急性ループス)、および慢性皮膚ループス(円板状ループス))、ケロイド、日光皮膚炎、肥厚性瘢痕、特発性血栓性血小板減少性紫斑病(免疫血小板減少性紫斑病(ITP)としても知られる)、魚鱗癬(例えば、尋常性魚鱗癬)、表皮過形成、ざ瘡、扁平苔癬、硬化性苔癬、酒さ、表皮水疱症、間擦疹、毛孔性角化症、蕁麻疹(例えば、慢性自発性蕁麻疹、慢性特発性蕁麻疹、慢性物理的蕁麻疹)、伝染性軟属腫、ネザートン症候群、Vogt-Koyanagi-Harada症候群、スイート症候群、白色粃糠疹、外陰膣炎、サットン母斑、炎症後色素脱失、老年性白斑、化学物質/薬物誘導性白斑、掌蹠膿疱症、類天疱瘡、および化膿性汗腺炎などの皮膚科学的状態;
・鼻炎(例えば、アレルギー性鼻炎および通年性鼻炎)、鼻漏、鼻詰まり、鼻炎症、喘息(例えば、慢性喘息、難治性喘息、遅発型喘息、気管支喘息、アレルギー性喘息、内因性喘息、外因性喘息、および埃による喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性および急性気管支収縮、慢性気管支炎、肺気腫、慢性好酸球性肺炎、急性肺傷害(ACI)、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺血管疾患(PVD)、肺動脈高血圧(PAH)、気管支拡張症、副鼻腔炎、肺サルコイドーシス、および珪肺症などの、呼吸器状態;
・関節炎(例えば、変形性関節症、ならびに乾癬性関節炎、関節リウマチ、若年性関節炎、および痛風性関節炎)、脊椎関節症(例えば、反応性関節炎(ライター症候群としても知られる)および体軸性脊椎関節炎(強直性脊椎炎を含む))、軟骨炎症、骨分解、およびスティル病などの関節障害;
・糖尿病(1型および2型)、糖尿病性神経障害、悪液質、およびセリアック病などの心血管および代謝障害;ならびに
・ループス(例えば、CNS、全身性および円板状ループス)、糖尿病性神経障害、および多発性硬化症などの神経炎症障害
が挙げられる。
【0192】
アレルギー性接触皮膚炎(ACD)は、物質との接触に対するアレルギー反応を特徴とする接触皮膚炎である。ACDの例は、ツタウルシ、有毒オーク、ドクウルシおよび中国ウルシの木を含む、種々の植物に見出される油であるウルシオールによって引き起こされる、ウルシオール誘導性接触皮膚炎(トキシコデンドロン皮膚炎またはウルシ皮膚炎とも呼ばれる)である。ACDを誘導し得る他のアレルゲンとしては、クロム、金およびニッケルが挙げられる。
【0193】
刺激性接触皮膚炎(ICD)は、化学的刺激物によって引き起こされる形態と、物理的刺激物によって引き起こされる形態とに分割することができる接触皮膚炎の形態である。一般的な化学的刺激物としては、化粧品、溶媒、および界面活性剤中の酸、アルカリ、ラテックス、油、香料および保存剤が挙げられる。
【0194】
職業性皮膚炎は、労働環境中のアレルゲンまたは刺激物への曝露から生じるACDまたはICDである。
【0195】
さらに、ITK阻害剤は、ある特定のウイルスおよび細菌感染、移植片拒絶、敗血性ショック、急性または慢性移植片対宿主疾患、リウマチ性多発筋痛、サルコイドーシス、アジソン病およびレイノー症候群の処置において有用であり得る。
【0196】
一実施形態では、ITK阻害剤が指示される障害または状態は、皮膚科学的状態である。別の実施形態では、ITK阻害剤が指示される皮膚科学的状態は、皮膚炎である。別の実施形態では、ITK阻害剤が指示される皮膚炎は、アトピー性皮膚炎である。
【0197】
本発明の化合物は、1つまたは複数の他の薬理活性化合物と有用に組み合わせることができる。そのような組合せは、患者のコンプライアンス、投薬の容易性および相乗的活性を含む、有意な利点の可能性を提供する。
【0198】
本発明のさらなる態様では、別の薬理活性化合物、または2つ以上の他の薬理活性化合物と組み合わせた本発明の化合物が提供される。
【0199】
そのような組合せにおいて、本発明の化合物と、他の薬理活性化合物とは、単回剤形(例えば、クリームもしくは軟膏などの局所投与のための組成物)中などにおいて同時的に、連続的に、または個別的に投与することができる。
【0200】
1つまたは複数のさらなる治療剤を、以下の任意の薬剤または薬剤型から選択することができる:
・スルファサラジン、メサラジン、アザチオプリン、抗体(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、ベリムマブ、タネズマブ、ラニビズマブ、ベバシズマブ、メポリズマブ、セルトリズマブ、ナタリズマブ、およびベドリズマブ)、6-メルカプトプリン、ヒドロキシクロロキン、モフェチル、ミコフェノール酸ナトリウム、レフルノミド、リツキサン、ソルメドロール、デポメドロール、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ、バルデコキシブ、WBI-1001およびMRX-6)、およびコルチコステロイド(例えば、ベタメタゾン、デキサメタゾン、およびプレドニゾン)などの、自己免疫障害および/または炎症障害を処置するための薬剤;
・免疫抑制剤(例えば、シクロスポリン、タクロリムス、およびピメクロリムス)、抗体(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ、デュピルマブ、オマリズマブ、およびエファリズマブ)、TNF阻害剤(例えば、エタネルセプト)、PDE4阻害剤(例えば、クリサボロール)、および局所コルチコステロイド(例えば、フルオシノニド、マプラコラット、ヒドロコルチゾン、デソニド、アルクロメタゾン、トリアムシノロン、およびデソキシメタゾン)などの、皮膚科学的状態を処置するための薬剤;
・オキシメタゾリン、リファンピン、抗ヒスタミン剤(例えば、フェキソフェナジン、ロラチジン、デスロラチジン、レボセチリジン、メタピリレン、セチリジン)、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト(例えば、モンテルカストおよびザフィルルカスト)、5-リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)アンタゴニスト、ムスカリン受容体アンタゴニスト(例えば、チオトロピウムおよびイプラトロピウム)、クロモグリク酸ナトリウム、ネドクロミルナトリウム、コルチコステロイド(例えば、ブデソニド、フルチカゾン、モメタゾン、デキサメタゾン、プレドニゾロン、シクレソニド、およびベクロメタゾン)、ベータ-2アゴニスト(例えば、サルメテロール、アルブテロール、サルブタモール、フェノテロール、およびフォルモテロール)、および抗体(例えば、オマリズマブ)などの、呼吸器状態を処置するための薬剤;
・メトトレキサート、アザチオプリン、およびNSAID(例えば、アスピリン、イブプロフェン、セレコキシブ、バルデコキシブ、WBI-1001およびMRX-6)などの、関節障害を処置するための薬剤;
・ウルソデオキシコール酸、クロロキン、キナクリン、メチルノルエフリン、フェニルエフリン、メトキサミン、オキシメタゾリン、テオフィリン、PDE5阻害剤(例えば、シルデナフィル、バルデナフィル、およびタダラフィル)、PDE4阻害剤(例えば、クリサボロール、イブディラスト、シロミラスト、ロフルミラスト、およびアムプレミラスト)、およびキニンB1またはB2受容体アンタゴニストなどの、心血管および代謝障害を処置するための薬剤;ならびに
・シクロホスファミドなどの、神経炎症障害を処置するための薬剤。
【0201】
1つまたは複数のさらなる治療剤を、以下の薬剤のいずれかから選択することもできる:
・アブロシチニブ、バリシチニブ、ブレポシチニブ、セルデュラチニブ、デセルノチニブ、デルゴシチニブ、フェドラチニブ、フィルゴチニブ、ガンドチニブ、イルギナチニブ、イタシチニブ、レスタウルチニブ、モメロチニブ、オクラシチニブ、パクリチニブ、ペフィシチニブ、リトレシチニブ、ルキソリチニブ、トファシチニブ、ウパダシチニブ、ATI-502、BMS-986165、JTE052、PF-06826647、SNA-152、およびSHR-0302などの、JAK阻害剤;
・タピナロフなどの、アリール炭化水素受容体アゴニスト;
・PF-06650833などのIRAK4阻害剤;
・カルシポトリエンなどのビタミンDアナログ;
・アリトレチノインなどのレチノイン酸誘導体;
・VTP-38543などの肝臓X受容体(LXR)選択的アゴニスト;
・ZPL-389などのH4受容体アンタゴニスト;
・アプレピタントおよびトラジピタントなどのNKI受容体アンタゴニスト;
・フェビピプラントおよびOC-459などのCRTH2受容体アンタゴニスト;
・SUN13834などのキマーゼ阻害剤;
・SB-011およびGR-MD-02などのGATA-3阻害剤;
・VTP-43742、ARN6039、TAK-828およびJTE-451などのRORインバースアゴニスト;
・PF-06763809などのイムノモジュレーター;ならびに
・限定されるものではないが、R-348、フォスタマチニブ、マスチニブ、ミバボチニブ、スペルブルチニブ、フェネブルチニブ、セルデュラチニブ、イブルチニブ、エントスプレチニブおよびチラブルチニブなどのSYKおよびBTKの阻害剤。
【0202】
少なくとも1つが本発明の化合物を含有する、2つ以上の医薬組成物を、組成物の同時投与にとって好適なキットの形態で都合良く組み合わせることができることは、本発明の範囲内にある。したがって、本発明のキットは、少なくとも1つが本発明の化合物を含有する、2つ以上の別々の医薬組成物を含み、容器、分割ボトル、または分割ホイルパケットなどの、前記組成物を別々に保持するための手段を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装のために使用される使いやすいブリスターパックである。本発明のキットは、異なる剤形(例えば、局所、経口、非経口など)を投与するために、異なる投薬間隔で別々の組成物を投与するために、または互いに対して別々の組成物を滴定するために特に好適である。コンプライアンスを補助するために、キットは、典型的には、投与のための指示書を含み、いわゆる記憶補助装置と共に提供することができる。
【0203】
別の態様では、本発明は、ITK阻害剤が指示される障害の処置における同時的、個別的または連続的使用のための組合せ調製物としての1つまたは複数のさらなる治療活性薬剤と一緒に、本発明の化合物を含む医薬製品(キットの形態で、など)を提供する。
【0204】
処置に対する本明細書における全ての参照は、治癒的、緩和的および予防的処置を含むことが理解されるべきである。
【0205】
本発明を例示する、以下に記載の非限定的な実施例および調製において、ならびに上記のスキームにおいて、省略形、定義および分析手順は以下を指すことができる:
AcOHは、酢酸である;
AcOは、無水酢酸である;
APCは、アロフィコシアニンである;
aq.は、水性である;
atmは、気圧である;
ATPは、アデノシン5’-三リン酸二ナトリウム塩三水和物である;
BINAPは、(2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル)である;
Bocは、tert-ブトキシカルボニルである;
BOCOは、BOC無水物、ジ-tert-ブチルジカルボン酸である;
brは、ブロードである;
BTFFHは、フルオロビス(テトラメチレン)ホルマミジニウムヘキサフルオロリン酸である;
BTKは、Brutonのチロシンキナーゼである;
℃は、摂氏温度である;
CDODは、重水素-メタノールである;
CDClは、重水素-クロロホルムである;
conc.は、濃縮である;
CSAは、カンファースルホン酸である;
δは、化学シフトである;
dは、ダブレットである;
ddは、ダブレットのダブレットである;
dddは、ダブレットのダブレットのダブレットである;
ddqは、カルテットのダブレットのダブレットである;
dtは、トリプレットのダブレットである;
DASTは、三フッ化ジエチルアミノ硫黄である;
DCMは、ジクロロメタンである;
DCEは、1,2-ジクロロエタンである;
Dess-Martinペリオジナンは、3-オキソ-1,3-ジヒドロ-1λ,2-ベンゾヨードキソール-1,1,1-トリイルトリアセテートである;
DHPは、ジヒドロピランである;
DMAPは、4-ジメチルアミノピリジンである;
DMFは、N,N-ジメチルホルムアミドである;
DMSOは、ジメチルスルホキシドである;
DPPAは、ジフェニルホスホリルアジドである;
EDCIは、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドヒドロクロリドである;
eeは、鏡像体過剰率である;
eqは、当量である;
EDTAは、エチレンジアミン四酢酸である;
ESI-MSは、電子スプレーイオン化質量分析である;
EtOAcは、酢酸エチルである;
EtOHは、エタノールである;
EtONaは、ナトリウムエトキシドである;
EtNは、トリエチルアミンである;
EtSiHは、トリエチルシランである;
gは、グラムである;
hは、時間である;
HATUは、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシド、ヘキサフルオロホスフェートである;
HBTUは、N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェートである;
HEPESは、(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)である;
HPLCは、高圧液体クロマトグラフィーである;
iPrNEtは、ヒューニッヒ塩基としても知られる、N,N-ジイソプロピルエチルアミンである;
iPrOHは、2-プロパノールとしても公知のイソプロパノールである;
KOAcは、酢酸カリウムである;
KOtBuは、カリウムtert-ブトキシドである;
Lは、リットルである;
LAHは、水素化アルミニウムリチウムである;
LCMSは、液体クロマトグラフィー質量分析である;
LDAは、リチウムジイソプロピルアミドである;
LiHMDSは、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドとしても知られる、リチウムヘキサメチルジシラジドである;
mは、マルチプレットである;
Mは、モル濃度である;
MeCNは、アセトニトリルである;
MeNHは、メチルアミンである;
MeOHは、メタノールである;
MHzは、メガヘルツである;
minは、分である;
mLは、ミリリットルである;
mmは、ミリメートルである;
mmolは、ミリモルである;
molは、モルである;
MS m/zは、質量スペクトルのピークである;
MTBEは、メチルtert-ブチルエーテルである;
n-BuLiは、n-ブチルリチウムである;
濃度の文脈におけるNは、規定である
NaHMDSは、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドである;
NaOtBuは、ナトリウムtert-ブトキシドである;
NHOHは、33Mアンモニア水である;
NMPは、N-メチル-2-ピロリドンである;
NMRは、核磁気共鳴である;
PCCは、クロロクロム酸ピリジニウムである;
PDCは、重クロム酸ピリジニウムである;
Pd(dba)は、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)である;
Pd/Cは、炭素上のパラジウムである;
Pd(dppf)Clは、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)である;
Pd(OAc)は、酢酸パラジウム(II)である;
Pd(OH)/Cは、炭素上の水酸化パラジウム(II)である;
Pd(PhP)は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)である;
PEは、石油エーテルである;
PhCHは、トルエンである;
PMBは、パラ-メトキシベンジルである;
pTSAは、p-トルエンスルホン酸一水和物である;
qは、カルテットである;
Qphosは、1,2,3,4,5-ペンタフェニル-1’-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)フェロセンである;
RTは、室温である;
sは、シングレットである;
sat.は、飽和である;
SEM-Clは、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリドである;
SFCは、超臨界流体クロマトグラフィーである;
SPhosは、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニルである;
tは、トリプレットである;
ttは、トリプレットのトリプレットである;
tert-BuDavePhosは、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニルである;
t-BuOHは、tert-ブタノールである;
TCEPは、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィンである;
TFAは、トリフルオロ酢酸である;
TFAAは、無水トリフルオロ酢酸である;
TGAは、熱重量分析である;
THFは、テトラヒドロフランである;
TMSCFは、トリフルオロメチルトリメチルシランである;
TMSOTfは、トリメチルシリルトリフルオロメタンスルホン酸である;
Pは、プロピルホスホン酸無水物である;
Trisは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである;
μmは、マイクロメートルである;
v/vは、体積/体積である;
w/vは、重量/体積である;
XantPhosは、4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテンである;および
ZnEtは、ジエチル亜鉛である。
【0206】
別途記述しない限り、全ての反応は、窒素雰囲気下で実行される。RT(室温)は、一般に、約22℃(±5℃)を意味すると取られる。別途記述しない限り、用語「濃縮」とは、減圧下での回転式エバポレーターの使用による、溶媒などの揮発性化合物の除去のプロセスを指す。
【0207】
H NMRスペクトルは、全ての事例において、提唱された構造と一致していた。H-NMRに関する特徴的なδは、主要ピークの指定のための従来の省略形を使用して、残留溶媒シグナルに対して報告される(CDClについては、δH=7.27ppm;DMSO-dについては、δH=2.50ppm、CDODについては、δH=3.30ppm)。当業者であれば、互変異性体がNMRデータ内に記録されることがあり、一部の交換可能なプロトンが目に見えないことがあることを理解するであろう。同様に、当業者であれば、回転異性体の混合物がNMRデータ内に記録されることがあることを理解するであろう。
【0208】
質量スペクトルは、いずれかのESI-MSを使用して記録された。関連する場合および別途記述しない限り、提供されるm/zデータは、同位体19F、35Cl、79Brおよび/または81Brに関するものである。
【0209】
用語「クロマトグラフィー」とは、EtOAc/ヘプタンもしくはメタノール/DCMまたはそのいくつかの組合せのいずれかの混合物または勾配からなる移動相を用いる、シリカゲルクロマトグラフィーを指す。
【0210】
シリカゲルクロマトグラフィー、分取HPLCまたはSFCクロマトグラフィーが使用された場合、当業者であれば、任意の好適な溶媒または溶媒の組合せを用いて、所望の化合物を精製することができることを理解するであろう。
【0211】
以下の調製および実施例の化合物に関する命名は、IUPAC(国際純正応用化学連合)に従って、ChemDraw Professional 19.0、Perkin Elmerを使用して生成された。
【0212】
調製物
調製物1:1-メトキシ-5-メチルシクロヘキサ-1,4-ジエン(化合物2)
【0213】
【化15】
【0214】
無水アンモニア(1.40kg、82.2mol)を、約-55℃でt-BuOH(1.50L)およびTHF(1.00L)中の1-メトキシ-3-メチルベンゼン(化合物1、500g、4.09mol)の溶液に通気した。リチウム砂(62.5g、9.00mol)を、温度を約-50℃から-60℃の間に維持したままで、混合物に添加した。添加の後に、反応混合物を約-50℃から-60℃の間で約2時間攪拌し、次いで、ゆっくりと約15℃まで温めた。アンモニアを蒸発させ、混合物をNHCl(500g、9.35mol)、続いて、水(500mL)で処理した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×500mL)で抽出した。合わせたEtOAc層をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物2を得た。収量:404g(80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 5.41 (tt, 1H), 4.67 - 4.60 (m, 1H), 3.56
(s, 3H), 2.77 (ddq, 2H), 2.65 - 2.56 (m, 2H), 1.70 (dq, 3H).
【0215】
調製物2:7-メチル-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン
【0216】
【化16】
【0217】
DCM(4.0L)中の化合物2(500g、4.03mol)の溶液を約-10℃から0℃の間で、(±)-10-カンファースルホン酸(46.8g、201mmol)およびエチレングリコール(399g、6.04mol)で処理した。混合物を約0℃で約30分間攪拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(2L)、次いで、水(2×2L)で順に洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:621g(100%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 5.38 (td, 1H), 3.95 (t, 4H), 2.21 - 2.12
(m, 6H), 1.67 (d, 3H).
【0218】
調製物3:1-メチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]
【0219】
【化17】
【0220】
DCM(2.0L)中のZnEt(1.00M、3.89L)の溶液を約0℃まで冷却し、TFA(444g、3.89mol、288mL)を用いて約0℃で滴下処理した。混合物を約0℃で約30分間攪拌し、その後、CH(314mL、3.89mol)を約0℃で滴下した。混合物を約0℃で約30分間攪拌した。温度を約0℃に維持して調製物2(300g、1.95mol)を滴下し、生じた混合物を約0℃で約30分間攪拌した。反応混合物を水(1L)中に注ぎ、DCM(3×1.75L)で抽出した。合わせた有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:300g(92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 3.78 - 3.93 (m, 4H), 2.01 - 2.13 (m,
1H), 1.79 - 1.84 (m, 1H), 1.67 - 1.75 (m, 2H), 1.36 - 1.47 (m, 1H), 1.27 (m,
1H), 1.03 (s, 3H), 0.61 - 0.73 (m, 1H), 0.25 - 0.35 (m, 2H).
【0221】
調製物4:1-メチルビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-オン
【0222】
【化18】
【0223】
THF(1.5L)および水(300mL)中の調製物3(300g、1.78mol)の溶液をpTSA・HO(34.0g、178mmol)で処理した。混合物を約60℃で約3時間攪拌し、RTまで冷却し、pHが6~7となるまで飽和NaHCO水溶液で処理した。混合物をMTBE(3×500mL)で抽出し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:85.7g(39%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 2.60 - 2.40 (m, 2H), 2.32 - 2.18 (m,
2H), 2.11 - 1.93 (m, 2H), 1.13 (s, 3H), 1.03 - 0.94 (m, 1H), 0.48 - 0.39 (m,
2H).
【0224】
調製物5:2-(6-メチル-4-オキソビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル)-2-オキソ酢酸エチル
【0225】
【化19】
【0226】
エタノール(1.0L)中の調製物4(200g、1.61mol)の溶液を、ナトリウムエトキシド(126g、1.77mol)を用いて約0℃で処理した。シュウ酸ジエチル(259g、1.77mol、242mL)を約0℃で加え、混合物をRTまで徐々に温め、約1時間攪拌した。混合物を1NのHCl(1.25L)中に注ぎ、DCM(3×1L)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:350g(97%)。LC/MS m/z(M+H)=225.1
【0227】
調製物6:5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル
【0228】
【化20】
【0229】
エタノール(1.5L)中の調製物5(350g、1.56mol)の溶液に、ヒドラジン水和物(79.7g、1.56mol)を約0℃で加えた。生じた混合物をRTで約2時間攪拌した。混合物をHO(2.5L)で処理し、DCM(3×2L)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物6を得た。収量:200g(58%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.95 (s, 1H), 4.36 (q, 2H), 3.30 - 3.21
(m, 1H), 3.06 (d, 1H), 2.94 (dd, 1H), 2.71 (dd, 1H), 1.38 (t, 3H), 1.24 (s,
3H), 1.09 - 0.99 (m, 1H), 0.37 - 0.29 (m, 1H), 0.18 (t, 1H); LC/MS m/z (M+H)+
= 221.1.
【0230】
調製物6aおよび6b:(4aR,5aS)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル(6a)、および(4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル(6b)
【0231】
【化21】
【0232】
調製物6をキラルSFC(Chiral Tech OZ-H 250mm×4.6mm、5μmのカラム、20%のメタノール(0.2%v/vの7MのNH/メタノール)および80%のCOの移動相、流速3.0mL/分)によって分離して、表題化合物を得た。
調製物6a:保持時間=3.89分、100%ee、[α]20 =+67.1(c=4.2、メタノール)、LC/MS m/z(M+H)=221.1。
調製物6b:保持時間=4.76分、98.9%ee;[α]20 =-80.2(c=4.7、メタノール);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 4.33 (q, 2H), 3.46 (s, 2H), 3.27 - 3.18
(m, 1H), 3.04 (d, 1H), 2.91 (dd, 1H), 2.72 - 2.63 (m, 1H), 1.34 (t, 3H), 1.21
(s, 3H), 1.07 - 0.96 (m, 1H), 0.34 - 0.26 (m, 1H), 0.16 (t, 1H); LC/MS m/z
(M+H)+ = 221.1.
【0233】
調製物7aおよび7b:(4aS,5aR)-5a-メチル-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル(7a)、および(4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル(7b)
【0234】
【化22】
【0235】
THF(500mL)中の水素化ナトリウム(60%の懸濁液、19.3g、483mmol)の懸濁液を、THF(1.25L)中の調製物6b(103g、467.6mmol)の溶液を用いて約0℃で処理した。約30分後、SEM-Cl(81.9g、491mmol)を約0℃で加え、混合物を約0℃で約3時間攪拌した。混合物を、飽和NHCl水溶液(500mL)を用いて約0℃で処理した。混合物をEtOAc(3×500mL)で抽出し、ブライン(500mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。
調製物7a:収量:5.5g(3.3%);1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 5.63 (s, 2H), 4.27 (qt, 2H), 3.53 - 3.41
(m, 2H), 3.18 (d, 1H), 2.97 - 2.84 (m, 2H), 2.64 (d, 1H), 1.30 (t, 3H), 1.21
(s, 3H), 1.05 (dt, 1H), 0.78 - 0.68 (m, 2H), 0.31 (dd, 1H), 0.02 (d, 1H), -0.11
(s, 9H); LC/MS m/z (M+H)+ = 351.3
調製物7b:収量:138g(84%);1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 5.48 - 5.30 (m, 2H), 4.37 (q, 2H), 3.59
- 3.41 (m, 2H), 3.23 (dd, 1H), 3.07 (d, 1H), 3.02 - 2.86 (m, 1H), 2.73 - 2.58
(m, 1H), 1.36 (t, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.13 - 0.95 (m, 1H), 0.85 (ddt, 2H), 0.42
- 0.27 (m, 1H), 0.18 (t, 1H), -0.05 (s, 9H); LC/MS m/z (M+H)+ =
351.3; [α]20 D
= -30.9 (c = 1, メタノール)
【0236】
調製物8:((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)メタノール
【0237】
【化23】
【0238】
約0℃のTHF(500mL)中のLiAlH(14.94g、393.7mmol)の懸濁液を、THF(1L)中の調製物7b(138g、393.7mmol)の溶液で滴下処理した。混合物を約15℃で約2時間攪拌した。混合物を約0℃まで冷却し、HO(15mL)、15%のNaOH水溶液(15mL)、およびHO(30mL)の滴下、次いでMgSOによって順次処理した。生じた混合物を約30分間撹拌し、EtOAc(500mL)で希釈し、濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物を得た。収量:110g(91%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 5.35 - 5.23 (m, 2H), 4.59 (dd, 2H), 3.51
(t, 2H), 3.03 (d, 1H), 2.86 - 2.81 (m, 2H), 2.64 (d, 1H), 1.90 (t, 1H), 1.24
(s, 3H), 1.04 (dq, 1H), 0.88 (td, 2H), 0.36 (dd, 1H), 0.23 (t, 1H), -0.03 (d,
9H); LC/MS m/z (M+H)+ = 309.3; [α]20 D = -18.3 (c = 1, メタノール).
【0239】
調製物9:(4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボアルデヒド
【0240】
【化24】
【0241】
DCM(1.5L)中の調製物8(110.13g、0.36mol)の溶液を活性化MnO(310g、3.57mol)で処理し、生じた混合物をRTで約16時間攪拌した。混合物をCelite(登録商標)パッドを通して濾過した。濾液を濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:96g(88%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ = 9.86 (s, 1H), 5.52 - 5.38 (m, 2H), 3.50
(dd, 2H), 3.11 (dd, 2H), 2.93 - 2.82 (m, 1H), 2.67 (d, 1H), 1.22 (s, 3H), 1.08
- 1.02 (m, 1H), 0.81 (td, 2H), 0.39 (dd, 1H), 0.08 (t, 1H), -0.07 (s, 9H);
LC/MS m/z (M+H)+ = 307.3; [α]20 D = -38.9 (c = 1, メタノール).
【0242】
調製物10:7,7-ジフルオロ-1-メチルスピロ[ビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3,2’-[1,3]ジオキソラン]
【0243】
【化25】
【0244】
次の反応を26個の平行バッチで実施した。THF(1.20L)中の化合物2(150g、972mmol)の溶液をTMSCF(276g、1.95mol)およびヨウ化ナトリウム(75.8g、506mmol)で処理した。混合物を約70℃で約16時間攪拌した。26個の反応混合物を室温まで冷却し、合わせた。混合物を水(10L)で希釈し、MTBE(4×3L)で抽出した。有機相をブライン(8L)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:4.30kg(83%)。
【0245】
調製物11:7,7-ジフルオロ-1-メチルビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-オン
【0246】
【化26】
【0247】
次の反応を5個の平行バッチで実施した。THF(10L)中の調製物10(860g、4.21mol)の混合物を、3MのHCl(2.6L)を用いてRTで処理した。混合物をRTで約16時間攪拌した。5個の反応混合物を合わせ、MTBE(4×2.5L)で抽出し、飽和NaHCO水溶液(5L)およびブライン(5L)で洗浄した。有機相を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物11を得た。収量:3.50kg。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 2.56 (br d, 1H), 2.38 - 2.13 (m, 4H), 2.01 - 1.89 (m, 1H),
1.49 - 1.38 (m, 1H), 1.27 (br s, 3H),
【0248】
調製物12:2-(7,7-ジフルオロ-6-メチル-4-オキソビシクロ[4.1.0]ヘプタン-3-イル)-2-オキソ酢酸エチル
【0249】
【化27】
【0250】
次の反応を8個の平行バッチで実施した。エタノール(1.25L)中の調製物11(250g、1.56mol)の溶液を、ナトリウムエトキシド(112g、1.65mol)を少しずつ用いて約0℃で処理した。生じた混合物を、シュウ酸ジエチル(242g、1.65mol)を用いて約0℃で処理した。反応混合物をRTで約1時間攪拌した。8個のバッチを合わせた。混合物を3MのHCl水溶液(8.00L)中に注ぎ、DCM(3×2L)で抽出した。有機抽出物をブライン(5L)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:3.20kg(98%)。
【0251】
調製物13:5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル
【0252】
【化28】
【0253】
次の反応を8個の平行バッチで実施した。エタノール(2L)中の調製物12(400g、1.54mol)の懸濁液を、ヒドラジン水和物(76.9g、1.54mol)を用いて約0℃で処理した。反応混合物をRTで約16時間攪拌した。ワークアップのために8個の反応混合物を合わせた。反応混合物を濃縮し、残渣をHO(5L)中に取り、EtOAc(5×2L)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をRTの6:1(v/v)のEtOAc/エタノール(3L)から滴定して、表題化合物を得た。収量:1.0Kg。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 12.03 - 10.65 (br m, 1H), 4.38 (q, 2H), 3.30 - 3.04 (m, 3H),
2.79 (dd, 1H), 1.57 (br dd, 1H), 1.34 - 1.43 (m, 6H); LC/MS m/z (M+H) = 257.1.
【0254】
調製物14:5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボン酸エチル
【0255】
【化29】
【0256】
約0℃まで冷却したTHF(5mL)中の水素化ナトリウム(60%の懸濁液、1.07g、26.9mmol)の混合物を、THF(50mL)中の調製物13(5.51g、21.5mmol)の溶液で約15分かけて滴下処理した。混合物を約0℃で約1時間攪拌し、次いで、THF(50mL)中のSEM-Cl(4.76mL、26.9mmol)で滴下処理した。生じた混合物をRTで約48時間攪拌した。反応混合物を水でゆっくりと処理し、EtOAcで抽出した。有機抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:8.0g(96%)。LC-MS m/z (M+H)+ = 387.2
【0257】
調製物15:(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)メタノール
【0258】
【化30】
【0259】
約0℃のTHF(20mL)中の調製物14(8.0g、20.70mmol)の溶液に、LiAlHの溶液(29mL、THF中の1M)を滴下した。混合物を室温で約3時間攪拌した。混合物を約0℃に冷却し、水(1.1mL)、15%のNaOH水溶液(1.1mL)および水(3.3mL)で順に処理した。混合物を室温で約15分間撹拌し、MgSOで処理した。スラリーを室温で約15分間撹拌し、Celite(登録商標)パッドを通して濾過した。濾液を濃縮して、表題化合物を得た。収量:7.0g(98%)。LC-MS m/z (M+H)+ = 345.2.
【0260】
調製物16:5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-カルボアルデヒド
【0261】
【化31】
【0262】
DCM(25mL)中の調製物15(7.0g、18.11mmol)の溶液を約0℃まで冷却した。DCM(65mL)中のデス-マーチンペルヨージナン(9.6g、22.6mmol)の溶液を、約0℃で滴下した。混合物を約0℃で、DCM中の水(0.33mL)で滴下処理した。混合物を室温まで温め、約18時間攪拌した。混合物を、1NのNaOH水溶液で約pH7まで中和し、約1時間攪拌した。二相混合物を分離した。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:6.2g(81%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.98 (s, 1H), 5.53 - 5.35 (m, 2H), 3.61
- 3.43 (m, 2H), 3.27 - 3.05 (m, 4H), 2.82 - 2.66 (m, 1H), 1.42 (m., 3H), 0.98 -
0.80 (m, 2H), -0.08 - -0.13 (m, 9H).
【0263】
調製物17:(5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロフェニル)カルバミン酸tert-ブチル
【0264】
【化32】
次の反応を3個のバッチで平行して実施した。DCM(2L)中の5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロアニリン(133g、781mmol、1当量)、DMAP(9.55g、78.1mmol、0.1当量)およびiPrNEt(202g、1.56mol、272mL、2当量)の溶液を室温で、BOCO(187g、859mmol)で処理した。混合物を室温で約16時間攪拌した。3つの反応混合物を合わせ、濃縮した。残渣をEtOAc(3L)に溶かし、飽和NHCl水溶液(1L)、飽和NaHCO水溶液(1L)、およびブライン(1L)で順次洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をメタノール(3L)で滴定し、固形物を濾過によって収集して、表題化合物を得た。収量:270g。濾液を濃縮し、残渣をメタノール(1.5L)に溶かし、KCO(46.6g)で処理した。混合物をRTで約3時間攪拌した。混合物を濾過し、固形物をメタノールですすいだ。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィーによって精製して、追加の表題化合物を得た。収量:135g。表題化合物の両方のバッチを合わせた。収量:405g(64%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 8.15 (d, 1H), 7.94 - 7.88 (m, 1H), 6.62 (s, 1H), 2.28 (s,
3H), 1.55 (s, 9H).
【0265】
調製物18:(5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロフェニル)カルバミン酸tert-ブチル
【0266】
【化33】
次の反応を3個のバッチで平行して実施した。THF(1.9L)中の調製物17(131g、486mmol)の溶液を、KOtBu(81.9g、730mmol)を用いて約0℃で処理し、混合物を約0℃で約1時間攪拌した。ヨウ化メチル(61mL、980mmol)を約0℃で滴下した。生じた混合物を室温で約16時間攪拌した。3つの反応混合物を合わせ、飽和NHCl水溶液(1.5L)で処理し、EtOAc(2×2L)で抽出した。合わせたEtOAc層をブライン(1.5L)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:450g(95%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 7.95 (d, 1H), 7.07 (d, 1H), 3.17 (s, 3H), 2.26 (s, 3H), 1.40
(br s, 9H).
【0267】
調製物19:(5-アミノ-2-メチル-4-ニトロフェニル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル
【0268】
【化34】
【0269】
メタノール(7M、5.5L)中に7MのNH中の調製物18(450g、1.38mol、1当量)の溶液をオートクレーブで約58℃で72時間加熱した。混合物を濃縮した。残渣をEtOAc(2L)に溶かし、ブライン(2L)で洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:295g(76%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 7.99 (s, 1H), 6.61 (br s, 1H), 5.94 (br s, 2H), 3.14 (s,
3H), 2.14 (s, 3H), 1.55 - 1.23 (m, 9H).
【0270】
調製物20:(4,5-ジアミノ-2-メチルフェニル)(メチル)カルバミン酸tert-ブチル
【0271】
【化35】
次の反応を3個のバッチで平行して実施した。メタノール(1L)中の調製物19(98g、349mmol)の溶液を10%のPd/C(10g)で処理した。反応混合物を約40℃で、H(3atm)下で約24時間攪拌した。3つの反応混合物を合わせ、濾過し、固体をメタノール(3×500mL)ですすいだ。濾液を濃縮して、表題化合物を得た。収量:250g(78%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.32 (s, 1H), 6.27 (s, 1H), 4.37 (s, 2H), 4.29 (s, 2H), 2.96 (d,
3H), 1.89 (d, 3H), 1.44 (s, 3H), 1.28 (s, 9H). LC/MS m/z (M+H-tertブチル)+ = 195.9.
【0272】
調製物21:メチル-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)カルバミン酸tert-ブチル
【0273】
【化36】
【0274】
DMF(124mL)中の調製物20(5.53g、23.5mmol)およびメタ重亜硫酸ナトリウム(2.24g、11.8mmol)の溶液を、調製物9(7.21g、23.5mmol)およびDMSO(4.6g、58.8mmol)を用いてRTで処理した。混合物を約110℃で約16時間加熱した。混合物を濃縮した。残渣を3%のLiCl水溶液(100mL)で処理し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:10.8g(86%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.46 (t, 1H), 7.38 (s, 1H), 5.53 - 5.42 (m, 2H), 3.63 (t, 2H), 3.40
(d, 1H), 3.26 - 3.11 (m, 5H), 2.77 (d, 1H), 2.33 (s, 3H), 1.56 (s, 3H), 1.36 -
1.30 (m, 9H), 1.18 (dd, 1H), 0.96 - 0.84 (m, 2H), 0.45 (dd, 1H), 0.28 (t, 1H),
-0.02 (s, 9H); LC/MS m/z (M+H)+ = 538.3.
【0275】
調製物22:N,5-ジメチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-アミン
【0276】
【化37】
【0277】
DCM(135mL)中の調製物21(10.86g、20.2mmol)の溶液を、ZnBr(22.7g、101mmol)を用いて約0℃で処理した。混合物をRTまで徐々に温め、約16時間攪拌した。混合物を飽和NaHCO水溶液(200mL)中に注ぎ、DCM(2×200mL)で抽出した。合わせたDCM層を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:7.54g(85.3%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 7.32 (s, 1H), 6.76 (s, 1H), 5.51 - 5.42 (m, 2H), 3.38 (t, 2H), 3.40
(d, 1H), 3.31 - 3.28 (m, 2H), 3.22 (s, 3H), 3.17 (m, 1H), 2.27 (s, 3H), 1.32
(s, 3H), 1.18 (m, 1H), 0.88 (m, 2H), 0.45 (dd, 1H), 0.28 (t, 1H), -0.02 (s,
9H); LC/MS m/z (M+H)+ = 438.3.
【0278】
調製物23:N-(5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロフェニル)アセトアミド
【0279】
【化38】
【0280】
5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロアニリン(9.5g、56mmol)を15℃で、AcO(100mL)に少しずつ添加した。反応混合物を約15℃で約36時間攪拌した。固体を濾取し、水(3×50mL)ですすいだ。固体を乾燥させて、表題化合物を得た。収量:6.3g。濾液をEtOAc(100mL)で抽出した。有機層を水(2×100mL)、飽和NaHCO水溶液(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、追加の表題化合物を得た。収量:4g。表題化合物の両方のバッチを合わせて、10.3g(89%)の全収量を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.34 (d, 1H), 7.94 (d, 1H), 7.17 (s, 1H),
2.32 (s, 3H), 2.28 (s, 3H).
【0281】
調製物24:N-(5-フルオロ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド
【0282】
【化39】
【0283】
約0℃のTHF(220mL)中の調製物23(9.3g、43.8mmol)の溶液をKOtBu(48.2mL、1MのTHF)で処理した。混合物を約0℃で約1時間攪拌し、次いで、THF(20mL)中のヨウ化メチル(6.84g、48.2mmol)の溶液で処理した。混合物を約15℃まで加温し、約16時間攪拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(30mL)で処理した。混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:9.4g(95%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.04 (d, 1H), 7.13 (d, 1H), 3.18 (s, 3H),
2.30 (s, 3H), 1.82 (s, 3H); LC/MS m/z (M+H)+ = 226.9.
【0284】
調製物25:N-(5-アミノ-2-メチル-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド
【0285】
【化40】
【0286】
約15℃のエタノール(200mL)中の調製物24(10.3g、45.5mmol)の溶液を濃NHOH(200mL)で処理した。混合物を約50℃で加熱し、約40時間攪拌した。エタノールを減圧下で除去し、懸濁液を濾過して、固体を収集した。固体を水(3×10mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物を得た。収量:9g(89%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.07 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 6.05 (s, 2H),
3.15 (s, 3H), 2.15 (s, 3H), 1.82 (s, 3H); LC/MS m/z (M+H)+ = 224.1.
【0287】
調製物26:N-(4,5-ジアミノ-2-メチルフェニル)-N-メチルアセトアミド
【0288】
【化41】
【0289】
エタノール(10mL)中の調製物25(8g、35.8mmol)の溶液を10%のPd/C(1.3g)で処理した。反応混合物を約15℃でH(1atm)下で約16時間攪拌した。反応混合物を1gの調製物25を同様の割合の他の試薬と共に使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。合わせた反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物を得た。収量:7.7g(99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 6.57 (s, 1H), 6.46 (s, 1H), 3.40 (s, 4H),
3.12 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.78 (s, 3H); LC/MS m/z (M+H)+ = 194.3.
【0290】
調製物27:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド
【0291】
【化42】
【0292】
調製物26(4g、20.7mmol)およびメタ重亜硫酸ナトリウム(1.97g、10.3mmol)をDMF(100mL)およびDMSO(3.7mL)中の調製物9(6.84g、22.3mmol)の溶液と混合した。混合物を約16時間、約110℃で加熱した。混合物を室温まで冷却し、3%のLiCl水溶液(150mL)を添加した。生じた固体を濾取し、水(2×20mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物を得た。収量:7.9g(80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.88 (s, 1H), 7.58 (s, 1H), 7.31 (s, 1H),
5.50 - 5.26 (m, 2H), 3.55 (t, 3H), 3.23 (s, 3H), 3.20 - 3.05 (m, 2H), 2.74 (d,
1H), 2.32 (s, 3H), 1.79 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.16 (dt, 1H), 0.90 (dd, 2H),
0.42 (dd, 1H), 0.26 (t, 1H), -0.03 (s, 9H); LC/MS m/z (M+H)+ =
480.4.
【0293】
調製物28:N-(3,5-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド
【0294】
【化43】
【0295】
RT、N下のトルエン(250mL)中の5-ブロモ-1,3-ジフルオロ-2-ニトロベンゼン(25.0g、105.0mmol)の溶液を、N-メチルアセトアミド(11.5g、158mmol)、CsCO(68.5g、210mmol)、Pd(dba)(9.62g、10.5mmol)、XantPhos(6.08g、10.5mmol)、およびアルミニウム(III)トリフレート(9.96g、21mmol)で処理した。混合物を約100℃で約15時間加熱した。固形物を濾過によって除去し、濾液を濃縮した。残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:8.75g(36%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.10 - 6.99 (m, 2H), 3.34 (s, 3H), 2.15 (s, 3H); LC/MS m/z (M+H)+
= 230.9.
【0296】
調製物29:N-(3-アミノ-5-フルオロ-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド
【0297】
【化44】
【0298】
エタノール(95mL)中の調製物28(8.75g、38.0mmol)の溶液を濃NHOH(24mL)で処理した。混合物をRTで約16時間攪拌し、水(120mL)で処理した。混合物をEtOAc(2×80mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:5.70g(66%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 7.17 (s, 2H), 6.69 (t, 1H), 6.62 (dd, 1H), 3.15 (s, 3H), 1.99 (s,
3H). LC/MS m/z (M+H)+ = 227.9.
【0299】
調製物30:N-(3,4-ジアミノ-5-フルオロフェニル)-N-メチルアセトアミド(30)
(00709007-2398)
【0300】
【化45】
【0301】
エタノール(150mL)中の調製物29(5.70g、25.1mmol)の溶液を10%のPd/C(700mg)で処理した。混合物をH(1atm)下、RTで約24時間攪拌した。混合物を濾過し、固形物をエタノールですすいだ。濾液を濃縮して、表題化合物を得た。収量:4.6g(93%)。1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.32 (dd, 1H), 6.24 (dd, 1H), 5.01 (s, 2H), 4.52 (s, 2H), 3.02 (s,
3H), 1.74 (s, 3H); LC/MS m/z (M+H)+ = 198.1.
【0302】
調製物31:N-(7-フルオロ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0303】
【化46】
【0304】
RTのDMF(106mL)中の調製物9(6.53g、21.3mmol)の溶液を、調製物30(4.20g、21.3mmol)、メタ重亜硫酸ナトリウム(2.02g、10.6mmol)、およびDMSO(4.16g、53.2mmol)で処理した。混合物を約110℃で約16時間加熱し、3%のLiCl水溶液(50mL)で希釈した。混合物をEtOAc(2×50mL)で抽出した。EtOAc抽出物を合わせ、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:7.55g(67%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 9.99 (d, 1H), 7.45 (d, 0.5H), 7.12 - 7.03 (m, 0.5H), 6.87 - 6.71
(m, 1H), 5.40 (qd, 2H), 3.62 - 3.45 (m, 3H), 3.30 (s, 3H), 3.23 - 3.05 (m, 2H),
2.75 (d, 1H), 1.90 (s, 3H), 1.29 (s, 3H), 1.16 (s, 1H), 0.91 (ddd, 2H), 0.43
(dt, 1H), 0.27 (d, 1H), -0.02 (d, 9H); LC/MS m/z (M+H)+ = 484.4.
【0305】
調製物32:7-フルオロ-N-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-アミン
【0306】
【化47】
【0307】
エタノール(51.7mL)中の調製物31(6.50g、13.44mmol)の溶液を5NのNaOH(26.9mL、134mmol)で処理した。反応混合物を約90℃で約46時間加熱した。反応混合物を、1gの調製物31を同様の割合の他の試薬と共に使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。水(200mL)を加え、混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出した。EtOAc抽出物を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物32を得た。収量:5.2g(76%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ 6.47 (s, 1H), 6.38 (dd, 1H), 5.48 - 5.38 (m, 2H), 3.60 (t, 2H),
3.37 - 3.30 (m, 1H), 3.21 - 3.08 (m, 2H), 2.83 - 2.72 (m, 1H), 2.80 (s, 3H),
1.29 (s, 3H), 1.15 (dt, 1H), 0.88 (td, 2H), 0.42 (dd, 1H), 0.25 (t, 1H), -0.03 (s,
9H); LC/MS m/z (M+H)+ = 442.2.
【0308】
調製物33:N-(2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0309】
【化48】
【0310】
ステップ1:2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸メチル(33a)
【0311】
【化49】
【0312】
DMF(10.7mL)中の調製物16(735mg、2.15mmol)の溶液を3,4-ジアミノ安息香酸メチル(411mg、2.47mmol)、Oxone(登録商標)(429mg、1.40mmol)および水(0.33mL)で処理した。混合物を室温で約18時間攪拌した。混合物を10%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液で処理し、数分間攪拌し、次いで、飽和NaHCO水溶液で処理した。混合物をEtOAcで抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物33aを得た。収量:500mg、48%)。LC-MS m/z (M+H)+ = 489.2.
【0313】
ステップ2:2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸メチル(33b)
【0314】
【化50】
【0315】
約0℃のTHF(20mL)中の調製物33a(1.2g、2.46mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、123mg、3.07mmol)で処理し、混合物を約0℃で約1時間攪拌した。反応混合物を、THF中の溶液(5mL)としてのSEM-Cl(0.54mL、3.07mmol)で処理した。反応混合物を室温で約18時間攪拌した。反応混合物を水で処理し、EtOAcで抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物33bを得た。収量:600mg(40%)。LC-MS m/z (M+H)+ = 619.4.
【0316】
ステップ3:2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-カルボン酸(33c)
【0317】
【化51】
【0318】
THF(10mL)およびメタノール(10mL)中の調製物33b(600mg、1.0mmol)の混合物を1NのNaOH(6mL)で処理した。反応混合物を約1時間、約70℃で加熱した。混合物を室温まで冷却し、約18時間攪拌した。揮発性溶媒を回転式エバポレーターで除去し、生じた混合物を1NのHClで酸性化し、EtOAc(3×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物33cを得た。収量:600mg(100%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 605.3.
【0319】
ステップ4:(2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)カルバミン酸tert-ブチル(33d)
【0320】
【化52】
【0321】
トルエン(30mL)中の調製物33c(1.45g、2.40mmol)の溶液をDPPA(858mg、3.12mmol)およびEtN(1.0mL、7.19mmol)およびt-BuOH(1.15mmol、12.0mmol)で処理した。混合物を約18時間、加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣を水とEtOAcとの間で分配した。EtOAc抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物33dを得た。収量:1.30g(80%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 676.5.
【0322】
ステップ5:2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-N-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-アミン(33e)
【0323】
【化53】
【0324】
THF(9mL)中の調製物33d(1.79g、2.65mmol)の溶液を約0℃まで冷却し、LiAlH(THF中の1M、13.2mL)で処理した。次いで、反応混合物を約5時間、還流状態で加熱した。反応混合物を約0℃まで冷却し、6NのNaOH水溶液(6.6mL)で処理した。次いで、混合物をEtOAcで処理し、室温まで加温し、MgSOで処理し、Celite(登録商標)を通して濾過した。濾液を濃縮して表題化合物33eを得た。収量:1.40g(90%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 590.5.
【0325】
ステップ6:N-(2-(5,5-ジフルオロ-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0326】
【化54】
【0327】
DMF(3mL)中の調製物33e(365mg、0.62mmol)の溶液をAcO(88μL、0.93mmol)、HATU(353mg、0.93mmol)およびiPrNEt(0.32mL、1.86mmol)で処理した。反応混合物を室温で約18時間攪拌し、次いで、水で希釈し、EtOAc(2×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:390mg(99%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 632.3.
【0328】
調製物34:N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)アセトアミド
【0329】
【化55】
【0330】
ステップ1:N-(4-フルオロ-2-メチル-5-ニトロフェニル)アセトアミド(34a)
【0331】
【化56】
【0332】
4-フルオロ-2-メチル-5-ニトロアニリン(16.7g、98.2mmol)を、約15℃で攪拌しながらAcO(200mL)に加え、混合物を約15℃で約16時間攪拌した。混合物を水(300mL)で処理し、EtOAc(300mL)で抽出した。有機層を飽和NaCO水溶液(2×150mL)およびブライン(100mL)で洗浄した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をEtOAc/PE(v/v=1:5、100mL)で滴定した。生じた固形物を濾過によって収集し、乾燥させて、表題化合物34aを得た。収量:15g(72%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 8.52 (d, 1H), 7.13 (br d, 2H), 2.35 (s, 3H), 2.25 (s, 3H)
【0333】
ステップ2:N-(4-アミノ-2-メチル-5-ニトロフェニル)アセトアミド(34b)
【0334】
【化57】
【0335】
エタノール(300mL)中の調製物34a(15g、70.7mmol)の溶液を、濃NHOH(198g)を用いて約30℃で処理し、混合物を約50℃で約16時間攪拌した。さらなる濃NHOH(140g)を加え、混合物を約50℃で約16時間攪拌した。さらなる濃NHOH(46g)を加え、混合物を約60℃で約16時間攪拌した。混合物を濃縮し、固形物を濾過によって収集した。固形物を水(3×10mL)で洗浄し、乾燥させて、表題化合物34bを得た。収量:14.0g(95%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ
= 7.97 (s, 1H), 6.81 (s, 1H), 2.19 (s, 3H), 2.13 (s, 3H)
【0336】
ステップ3:N-(4,5-ジアミノ-2-メチルフェニル)アセトアミド(34c)
【0337】
【化58】
【0338】
エタノール(50mL)中の調製物34b(2.50g、11.95mmol)の懸濁液を、エタノール(10mL)中に10%のPd/C(500mg)の懸濁液に加えた。反応混合物を約15℃、H(1atm)下で約16時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物34cを得た。収量:2.2g。LC/MS m/z(M+H)=180.1。
【0339】
ステップ4:N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)アセトアミド
【0340】
【化59】
【0341】
DMF(40mL)中の調製物34c(2.20g、12.28mmol)の溶液を、DMF(20mL)中のメタ重亜硫酸ナトリウム(1.17g、6.14mmol)、DMSO(2.18mL、30.7mmol)、および化合物9(3.76g、12.3mmol)の溶液で処理した。混合物を約100℃で約16時間攪拌した。混合物を濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:5.3g(92%)。LC/MS m/z(M+H)=466.2。
【0342】
調製物35:N-エチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド
【0343】
【化60】
【0344】
ステップ1:N-エチル-5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-アミン(35a)
【0345】
【化61】
【0346】
約0℃のTHF(33mL)中のLiAlH(326mg、8.59mmol)の懸濁液をTHF(10mL)中の調製物34(2g、4.3mmol)の溶液で処理し、室温で約72時間攪拌した。混合物をNaSO十水和物、続いて、MgSO(4g)で処理した。混合物を約30分間撹拌した。混合物を濾過し、固体をEtOAc(2×10mL)ですすいだ。濾液を濃縮し、残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物35aを得た。収量:1.03g(53%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ
= 9.55 (s, 1H), 7.51 (s, 1H), 7.10 (d, 1H), 6.57 (s, 1H), 5.43
- 5.27 (m, 2H), 3.60 - 3.50 (m, 3H), 3.28 - 3.13 (m, 3H), 3.09 (d, 1H), 2.72
(d, 1H), 2.25 (s, 3H), 1.35 (t, 3H), 1.28 (s, 3H), 1.14 (dt, 1H), 0.96 - 0.84
(m, 2H), 0.39 (dd, 1H), 0.28 (t, 1H), -0.03 (s, 9H); LC/MS m/z (M+H)+
= 452.3.
【0347】
ステップ2:N-エチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)アセトアミド
【0348】
【化62】
【0349】
ピリジン(4.4mL)中の調製物35a(200mg、0.44mmol)およびAcOH(35mg、0.58mmol)の溶液を約0℃で、EDCI(127mg、0.66mmol)で処理した。反応混合物を約18℃で約13時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で処理し、EtOAc(2×10mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:220mg(88%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 494.1.
【0350】
調製物36:N-(6-メトキシ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0351】
【化63】
【0352】
ステップ1:N-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)アセトアミド(36a)
【0353】
【化64】
【0354】
AcO(60mL)を装入されたフラスコを約15℃で、4-フルオロ-2-メトキシアニリン(5.90g、39.7mmol)を少しずつ添加して処理した。反応混合物を約15℃で約24時間攪拌した。追加のAcO(10mL)を添加し、反応混合物を約15℃で約16時間攪拌した。反応混合物を水(250mL)で希釈し、EtOAc(250mL)で抽出した。水層を飽和NaHCO水溶液(200mL)で約pH8まで塩基性にし、EtOAcで抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物36aを得た。収量:7.71g。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.29 (dd, 1H), 7.59 (br s, 1H), 6.73 -
6.56 (m, 2H), 3.88 (s, 3H), 2.20 (s, 3H).
【0355】
ステップ2:N-(4-フルオロ-2-メトキシフェニル)アセトアミド(36b)
【0356】
【化65】
【0357】
約0℃のTHF(156mL)中の調製物36a(2.0g、10.9mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、655mg、16.4mmol)で処理し、混合物を約15℃で約30分間攪拌した。反応混合物をヨウ化メチル(0.82mL、13.1mmol)で処理した。反応混合物を約15℃で約16時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(150mL)で処理し、EtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物36bを得た。収量:1.99g(92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.12 (dd, 1H), 6.77 - 6.61 (m, 2H), 3.84
(s, 3H), 3.14 (s, 3H), 1.79 (s, 3H).
【0358】
ステップ3:N-(4-フルオロ-2-メトキシ-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(36c)の合成
【0359】
【化66】
【0360】
内部反応温度を約5℃未満に維持したままで、約0℃の濃HSO(3.5mL)中の調製物36b(500mg、2.54mmol)の溶液を、硝酸カリウム(256mg、2.54mmol)を少しずつ添加して処理した。混合物を約0℃で約2時間攪拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、約10分間攪拌した。固体を濾取し、水(3×10mL)ですすぎ、次いで、乾燥させて、表題化合物36cを得た。収量:500mg(81%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.04 (d, 1H), 6.86 (d, 1H), 3.98 (s,
3H), 3.17 (s, 3H), 1.83 (s, 3H)
【0361】
ステップ4:N-(4-アミノ-2-メトキシ-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(36d)
【0362】
【化67】
【0363】
エタノール(15mL)中の調製物36c(500mg、2.06mmol)の溶液をNHOH(15mL)で処理し、混合物を約50℃で約16時間攪拌した。揮発性溶媒を回転式エバポレーターで除去し、固体を濾取し、水(3×10mL)ですすぎ、次いで、高真空下で乾燥させて、表題化合物36dを得た。収量:359mg(73%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.01 (s, 1H), 6.37 (br s, 2H), 6.23 (s,
1H), 3.89 (s, 3H), 3.13 (s, 3H), 1.84 (s, 3H).
【0364】
ステップ5:N-(4-アミノ-2-メトキシ-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(36e)
【0365】
【化68】
【0366】
メタノール(10mL)中の調製物36d(359mg、1.50mmol)および10%のPd/C(60mg)のスラリーを水素(1atm)下、室温で、約20時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、メタノール(3×)ですすいだ。濾液を濃縮して、表題化合物36eを得た。収量:360mg。LC/MS m/z (M+H)+ = 209.9.
【0367】
ステップ6:N-(6-メトキシ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0368】
【化69】
【0369】
DMF(9mL)中の調製物36e(360mg、1.72mmol)およびメタ重亜硫酸ナトリウム(164mg、0.86mmol)の溶液を調製物9(527mg、1.72mmol)およびDMSO(0.31mL、4.30mmol)で処理した。混合物を約110℃で約16時間攪拌した。反応混合物を3%のLiCl水溶液(20mL)に注ぎ入れ、EtOAc(4×40mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:729mg(86%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 7.60 - 7.44 (m, 1H), 7.40 - 7.16 (m,
1H), 5.54 - 5.42 (m, 2H), 3.93 (s, 3H), 3.62 (t, 2H), 3.44 - 3.34 (m, 1H), 3.25
- 3.09 (m, 5H), 2.77 (br d, 1H), 1.31 (s, 3H), 1.22 - 1.11 (m, 1H), 0.89 (dt,
2H), 0.45 (dd, 1H), 0.27 (t, 1H), -0.03 (s, 9H).
【0370】
調製物37:N-(6-(2-メトキシエトキシ)-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0371】
【化70】
【0372】
ステップ1:4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-1-ニトロベンゼン(37a)
【0373】
【化71】
【0374】
THF(40mL)中の2-メトキシエタノール(2.48mL、31.4mmol)の溶液を約0℃で、KOtBu(THF中の1M、31.4mL)で処理した。混合物を約0℃のTHF(40mL)中の2,4-ジフルオロニトロベンゼンの第2の溶液に滴下した。混合物を約0℃で約3時間攪拌した。混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物37aを得た。収量:6.76g(100%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.94 (dd, 1H), 6.83 (dd, 1H), 6.77 -
6.70 (m, 1H), 4.27 - 4.20 (m, 2H), 3.84 - 3.77 (m, 2H), 3.46 (s, 3H)
【0375】
ステップ2:4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)アニリン(37b)
【0376】
【化72】
【0377】
メタノール(200mL)中の調製物37a(6.76g、31.42mmol)の溶液を10%のPd/C(50%の水、600mg)で処理し、水素(1atm)下、室温で、約16時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、濾液を濃縮して、表題化合物37bを得た。収量:4.53g(78%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.64 (dd, 1H), 6.59 (dd, 1H), 6.56 -
6.50 (m, 1H), 4.14 - 4.11 (m, 2H), 3.78 - 3.74 (m, 2H), 3.45 (s, 3H).
【0378】
ステップ3:N-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)アセトアミド(37c)
【0379】
【化73】
【0380】
AcO(120mL)中の調製物37b(4.53g、24.46mmol)の混合物を室温で約20時間攪拌した。固体を濾取し、水(50mL)ですすいだ。濾液をEtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を飽和NaHCO水溶液(5×50mL)で洗浄し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製し、既に濾過しておいた沈澱物と合わせて、表題化合物37cを得た。収量:5g(90%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.32 (dd, 1H), 7.93 (br s, 1H), 6.79 -
6.62 (m, 2H), 4.21 - 4.11 (m, 2H), 3.79 - 3.69 (m, 2H), 3.47 (s, 3H), 2.19 (s,
3H).
【0381】
ステップ4:N-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-メチルアセトアミド(37d)
【0382】
【化74】
【0383】
約0℃のTHF(60mL)中の調製物37c(2.0g、8.8mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、528mg、13.2mmol)で処理し、混合物を約15℃で約30分間攪拌した。反応混合物をヨウ化メチル(0.61mL、9.9mmol)で処理した。反応混合物を約15℃で約36時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(60mL)で処理し、EtOAc(3×60mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物37dを得た。収量:1.98g(93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.13 (dd, 1H), 6.74 - 6.66 (m, 2H), 4.17
- 4.09 (m, 2H), 3.73 (dt, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.16 (s, 3H), 1.81 (s, 3H).
【0384】
ステップ5:N-(4-フルオロ-2-(2-メトキシエトキシ)-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(37e)
【0385】
【化75】
【0386】
内部反応温度を約5℃未満に維持したままで、約0℃の濃HSO(12mL)中の調製物37d(1.98g、8.21mmol)の溶液を、硝酸カリウム(830mg、8.21mmol)で少しずつ処理した。混合物を約0℃で約2時間攪拌した。反応混合物を氷水(60mL)に注ぎ入れ、約10分間攪拌し、次いで、EtOAc(2×60mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を37e得た。収量:2.19g(93%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.03 (d, 1H), 6.90 (d, 1H), 4.26 (dd,
2H), 3.80 - 3.72 (m, 2H), 3.40 (s, 3H), 3.18 (s, 3H), 1.85 (s, 3H).
【0387】
ステップ6:N-(4-アミノ-2-(2-メトキシエトキシ)-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(37f)
【0388】
【化76】
【0389】
エタノール(50mL)中の調製物37e(2.19g、7.65mmol)の溶液をNHOH(15mL)で処理し、混合物を約50℃で約16時間攪拌した。揮発性溶媒を回転式エバポレーターで除去し、固体を濾取し、水(10mL)ですすぎ、乾燥させて、表題化合物37fを得た。収量:1.95(90%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.01 (s, 1H), 6.35 (br s, 2H), 6.25 (s,
1H), 4.16 (t, 2H), 3.79 - 3.69 (m, 2H), 3.41 (s, 3H), 3.14 (s, 3H), 1.86 (s,
3H).
【0390】
ステップ7:N-(4,5-ジアミノ-2-(2-メトキシエトキシ)フェニル)-N-メチルアセトアミド(37g)
【0391】
【化77】
【0392】
メタノール(60mL)中の調製物37f(1.95g、6.88mmol)の溶液を10%のPd/C(300mg)で処理し、水素(1atm)下、室温で、約24時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、メタノール(4×)ですすいだ。濾液を濃縮して、表題化合物37gを得た。収量:1.74g(99%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 254.3.
【0393】
ステップ8:N-(6-(2-メトキシエトキシ)-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0394】
【化78】
【0395】
DMF(5mL)中の調製物37g(250mg、0.99mmol)および調製物9(302mg、0.98mmol)の溶液をメタ重亜硫酸ナトリウム(94mg、0.49mmol)およびDMSO(0.18mL、2.47mmol)で処理した。混合物を約16時間、約110℃で加熱した。反応混合物を水(20mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を5%のLiCl水溶液で洗浄し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:527mg(99%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 540.0.
【0396】
調製物38:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)アセトアミド
【0397】
【化79】
【0398】
ステップ1:2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)酢酸メチル(38a)
【0399】
【化80】
【0400】
約10℃のTHF(50mL)中の1,3-オキサジナン-2-オン(800mg、7.91mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、506mg、12.7mmol)で処理した。混合物を約10℃で約30分間攪拌し、次いで、2-ブロモ酢酸メチル(0.9mL、9.5mmol)で滴下処理した。混合物を室温で約3時間攪拌した。混合物を飽和NHCl水溶液(10mL)で処理し、次いで、水(20mL)で希釈した。懸濁液をEtOAc(5×30mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物38aを得、これを追加の精製をせずに使用した。収量:1.5g。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 4.36 - 4.30 (m, 2H), 4.09 (s, 2H), 3.76
(s, 3H), 3.41 (t, 2H), 2.16 - 2.06 (m, 2H)
【0401】
ステップ2:2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)酢酸(38b)
【0402】
【化81】
【0403】
約10℃のTHF(45mL)中の調製物38a(500mg、2.89mmol)の溶液をメタノール(15mL)、水(15mL)および2NのNaOH水溶液(4.33mL)で処理した。混合物を室温で約3時間攪拌した。反応混合物を濃縮して揮発性溶媒を除去し、残渣を2NのHCl水溶液で約pH2まで酸性化した。混合物を3:1(v/v)のクロロホルム/iPrOH(4×30mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物38bを得た。収量:380mg(83%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 4.39 - 4.27 (m, 2H), 4.04 (s, 2H), 3.42
(t, 2H), 2.14 - 2.04 (m, 2H).
【0404】
ステップ3:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)アセトアミド
【0405】
【化82】
【0406】
ピリジン(1.7mL)中の調製物22(50mg、0.11mmol)および調製物38b(27mg、0.17mmol)の溶液を室温で、EDCI(35mg、0.18mmol)で処理した。反応混合物を約50℃で約18時間攪拌した。反応混合物を、30mgの化合物38bを同様の割合の他の試薬と共に使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。反応混合物を水で処理し、EtOAc(2×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:120mg。LC/MS m/z (M+H)+ = 579.2.
【0407】
調製物39:N-(7-フルオロ-6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0408】
【化83】
【0409】
ステップ1:3,4-ジフルオロ-2-メチルアニリン(39a)
【0410】
【化84】
【0411】
AcOH(100mL)中の3,4-ジフルオロ-2-メチルニトロベンゼン(3.5g、20.2mmol)の溶液を鉄粉(6.77g、121mmol)で処理した。混合物を室温で約1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をEtOAc(300mL)に入れ、飽和NaHCO水溶液(50mL)で洗浄した。EtOAc相を乾燥させ、濃縮して、表題化合物39aを得た。収量:2.8g、(97%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.82 (q, 1H), 6.36 (ddd, 1H), 3.54 (br
s, 2H), 2.10 (d, 3H).
【0412】
ステップ2:N-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)アセトアミド(39b)
【0413】
【化85】
【0414】
THF(100mL)中の調製物39a(2.80g、19.56mmol)の混合物をEtN(5.4mL、39.1mmol)およびAcO(3.69mL、39.1mmol)で処理した。混合物を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を、390mgの調製物39aを同様の割合の他の試薬と共に使用して行われた別の同一の反応からのものと合わせた。合わせた反応混合物を濃縮し、粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物39bを得た。収量:3.7g(90%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.36 (dt, 1H), 6.99 (q, 2H), 2.20 (s,
3H), 2.19 (d, 3H).
【0415】
ステップ3:N-(3,4-ジフルオロ-2-メチルフェニル)-N-メチルアセトアミド(39c)
【0416】
【化86】
【0417】
約0℃のTHF(100mL)中の調製物39b(3.50g、18.9mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、1.51g、37.8mmol)で処理し、混合物を約0℃で約30分間攪拌した。反応混合物をヨウ化メチル(1.76mL、28.4mmol)で処理した。反応混合物を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を約0℃まで冷却し、水(10mL)で希釈した。混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物39cを得た。収量:3.2g(85%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.07 (q, 1H), 6.92 (ddd, 1H), 3.16 (s,
3H), 2.20 (d, 3H), 1.78 (s, 3H).
【0418】
ステップ4:N-(3,4-ジフルオロ-2-メチル-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(39d)
【0419】
【化87】
【0420】
内部反応温度を約10℃未満に維持したままで、約0℃の濃HSO(80mL)中の調製物39c(3.0g、15.06mmol)の溶液を硝酸カリウム(2.19g、22.6mmol)で少しずつ処理した。混合物を約5℃で約3時間撹拌した。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、EtOAc(2×200mL)で抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaHCO水溶液(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物39dを得た。収量:3.40g(92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.77 (dd, 1H), 3.20 (s, 3H), 2.31 (d,
3H), 1.82 (s, 3H).
【0421】
ステップ5:N-(4-アミノ-3-フルオロ-2-メチル-5-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(39e)
【0422】
【化88】
【0423】
THF(50mL)中の調製物39d(3.4g、13.9mmol)の溶液を濃NHOH(50mL)で処理し、混合物を室温で約2時間攪拌した。反応混合物をEtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮して、表題化合物39eを得た。収量:3.1g(92%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.82 (s, 1H), 6.34 - 6.16 (m, 2H), 3.16
(s, 3H), 2.20 (d, 3H), 1.82 (s, 3H).
【0424】
ステップ6:N-(4,5-ジアミノ-3-フルオロ-2-メチルフェニル)-N-メチルアセトアミド(39f)
【0425】
【化89】
【0426】
AcOH(80mL)中の調製物39e(2.20g、9.12mmol)の溶液を鉄粉(3.06g、54.7mmol)で処理した。混合物を室温で約3時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をEtOAc(200mL)に入れ、飽和NaHCO(100mL)水溶液で洗浄した。EtOAc相を乾燥させ、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物39fを得た。収量:1.6g、(83%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.33 (d, 1H), 3.46 (br s, 4H), 3.12 (s,
3H), 2.04 (d, 3H), 1.80 (s, 3H).
【0427】
ステップ7:N-(7-フルオロ-6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0428】
【化90】
【0429】
DMF(3mL)およびDMSO(0.17mL、2.43mmol)中の調製物39f(205mg、0.97mmol)および調製物9(297mg、0.97mmol)の溶液をメタ重亜硫酸ナトリウム(92mg、0.49mmol)で処理した。混合物を約16時間、約110℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水(100mL)に注ぎ入れた。固体を濾取し、水(100mL)ですすぎ、乾燥させて、表題化合物を得た。収量:480mg(99%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 498.2。
【0430】
調製物40:N-(6-ブロモ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0431】
【化91】
【0432】
ステップ1:N-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)アセトアミド(40a)
【0433】
【化92】
【0434】
AcO(300mL)中の3-フルオロ-4-ニトロアニリン(25g、160mmol)の混合物を約15℃で約16時間攪拌した。反応混合物を水(100mL)で処理し、生じた固体を収集し、水(2×50mL)ですすぎ、乾燥させて、表題化合物40aを得た。収量:25g(79%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.09 (t, 1H), 7.86 (dd, 1H), 7.38 (td,
1H), 2.17 (s, 3H).
【0435】
ステップ2:N-(3-フルオロ-4-ニトロフェニル)アセトアミド(40b)
【0436】
【化93】
【0437】
THF(300mL)中の調製物40a(23g、116mmol)の溶液を約0℃で、KOtBu(14.3g、128mmol)で少しずつ処理した。混合物を約0℃で1時間攪拌した。THF(80mL)中のヨウ化メチル(7.94mL、128mmol)の溶液を約0℃で滴下した。反応混合物を約15℃で16時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(120mL)で処理し、EtOAc(2×100mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物40bを得た。収量:22g(89%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.14 (t, 1H), 7.26 - 7.17 (m, 2H), 3.36
(s, 3H), 2.11 (s, 3H).
【0438】
ステップ3:N-(3-アミノ-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(40c)
【0439】
【化94】
【0440】
エタノール(400mL)中の調製物40b(22.0g、103.7mmol)の溶液を濃NHOH(160mL)で処理し、混合物を約50℃で約16時間攪拌した。追加のNHOH(80mL)を添加し、混合物を約60℃で約16時間攪拌した。反応混合物を、1.51gの化合物40bおよび同様の割合の他の試薬を使用して行われた別の同一の反応からのものと合わせた。合わせた反応混合物を濃縮し、残渣をMTBE(200mL)と摩砕した。固体を濾取し、乾燥させて、表題化合物40cを得た。収量:20.5g(88%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.18 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 6.55 (dd,
1H), 6.23 (br s, 2H), 3.27 (s, 3H), 2.03 (s, 3H).
【0441】
ステップ4:N-(5-アミノ-2-ブロモ-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(40d)
【0442】
【化95】
【0443】
DMF(25mL)中の調製物40c(1.0g、4.78mmol)の溶液を約0℃で、N-ブロモスクシンイミド(1.11g、6.21mmol)で処理した。反応混合物を約0℃で約30分間、次いで、室温で約1時間攪拌した。反応混合物を水(50mL)で希釈し、EtOAc(150mLおよび50mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物40dを得た。収量:1.05g(76%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 289.9(81Br).
【0444】
ステップ5:N-(4,5-ジアミノ-2-ブロモフェニル)-N-メチルアセトアミド(40e)
【0445】
【化96】
【0446】
エタノール(50mL)中の調製物40d(1.0g、3.47mmol)の溶液を飽和NHCl水溶液(3mL)および鉄粉(582mg、10.4mmol)で処理した。混合物を約70℃で約1時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物40eを得た。収量:850mg、(95%)。LC/MS m/z (M+H) = 259.9(81Br).
【0447】
ステップ6:N-(7-フルオロ-6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0448】
【化97】
【0449】
DMF(3mL)中の調製物40e(150mg、0.58mmol)の溶液を調製物9(178mg、0.58mmol)およびメタ重亜硫酸ナトリウム(221mg、1.16mmol)で処理した。混合物をマイクロ波反応器内で約2時間、約150℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水(20mL)に注ぎ入れ、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を分取HPLC(Boston Prime C18 30mm×150mm、5μm;移動相A:水(0.05%のNHOH);移動相B:MeCN;70~90%のB勾配;10分、25mL/分)によって精製して、表題化合物を得た。収量:161mg(80%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 546.1(81Br).
【0450】
調製物41:N-(7-フルオロ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチル-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)プロペンアミド
【0451】
【化98】
【0452】
ステップ1:2-ブロモプロパン酸ベンジル(41a)
【0453】
【化99】
【0454】
約0℃のDCM(100mL)中の2-ブロモプロピオン酸(5.0g、32.7mmol)およびEtN(5.0mL、36.0mmol)の溶液をクロロギ酸ベンジル(4.67mL、32.7mmol)で滴下処理した。混合物を約0℃で約10分間攪拌し、次いで、DMAP(399mg、3.3mmol)で処理した。混合物を約0℃で約30分間攪拌し、次いで、約30℃で約4時間攪拌した。反応混合物を1NのHCl水溶液(15mL)およびブライン(80mL)で希釈し、次いで、DCM(2×80mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物を濃縮し、クロマトグラフィーによって精製して、表題化合物41aを得た。収量:4.81g、86%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.42 - 7.33 (m, 5H), 5.29 - 5.16 (m,
2H), 4.43 (q, 1H), 1.85 (d, 3H).
【0455】
ステップ2:2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)プロパン酸ベンジル(41b)
【0456】
【化100】
【0457】
約10℃のTHF(53mL)中の1,3-オキサジナン-2-オン(800mg、7.91mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、506mg、12.7mmol)で処理し、混合物を約10℃で約30分間攪拌した。反応混合物を約10℃で、調製物41a(2.13g、9.50mmol)で処理し、室温で約3時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)で処理し、水(40mL)で希釈した。混合物をEtOAc(30mL)で抽出した。EtOAc抽出物を乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物41bを得た。収量:371mg(18%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ =7.43 - 7.29 (m, 5H), 5.25 - 5.09 (m, 2H),
5.02 (q, 1H), 4.36 - 4.15 (m, 2H), 3.36 - 3.22 (m, 2H), 2.10 - 1.94 (m, 2H),
1.47 (d, 3H).
【0458】
ステップ3:2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)プロパン酸ベンジル(41c)
【0459】
【化101】
【0460】
メタノール(16mL)中の調製物41b(371mg、1.41mmol)の溶液を10%のPd/C(300mg、50%の水)で処理し、水素(1atm)下、室温で、約16時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、メタノールですすいだ。濾液を濃縮して、表題化合物41cを得た。収量:259mg。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 4.63 (br d, 1H), 4.35 - 4.15 (m, 2H),
3.44 - 3.24 (m, 2H), 2.21 - 1.91 (m, 2H), 1.40 (br d, 3H).
【0461】
ステップ4:N-(7-フルオロ-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチル-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)プロパンアミド
【0462】
【化102】
【0463】
ピリジン(11.3mL)中の調製物32(350mg、0.79mmol)および調製物41c(137mg、0.79mmol)の溶液を室温でEDCI(304mg、1.59mmol)で処理した。反応混合物を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を50mgの化合物32および同様の割合の他の試薬を使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。合わせた反応混合物を水(5mL)で処理し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:250mg(46%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 597.2.
【0464】
調製物42:4-フルオロ-N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)テトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボキサミド
【0465】
【化103】
【0466】
ピリジン(5mL)中の調製物22(100mg、0.23mmol)の溶液をEDCI(88mg、0.46mmol)および4-フルオロテトラヒドロ-2H-ピラン-4-カルボン酸(CAS:1150617-62-1、34mg、0.23mmol)で処理した。反応混合物を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を水(10mL)で処理し、EtOAc(10mL)で抽出した。EtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:160mg。LC/MS m/z (M+H)+ = 568.3.
【0467】
調製物43:(1R,5S)-6,6-ジフルオロ-N-メチル-N-(5-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-6-イル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボキサミド
【0468】
【化104】
【0469】
ピリジン(5mL)中の調製物22(100mg、0.23mmol)の溶液をEDCI(88mg、0.46mmol)および(1R,5S)-6,6-ジフルオロビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-カルボン酸(MFCD29920567、37mg、0.23mmol)で処理した。反応混合物を室温で約16時間攪拌した。反応混合物を20mgの調製物22および同様の割合の他の試薬を使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。合わせた反応混合物を水(15mL)で処理し、EtOAc(20mL)で抽出した。EtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、表題化合物を得た。収量:190mg。LC/MS m/z (M+H)+ = 582.3.
【0470】
調製物44:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)プロパンアミド
【0471】
【化105】
【0472】
ステップ1:2-(ピペリジン-1-イル)プロパン酸ベンジル(44a)
【0473】
【化106】
【0474】
MeCN(15mL)中のピペリジン(300mg、3.52mmol)の溶液を調製物41a(942mg、3.88mmol)およびNaHCO(444mg、5.28mmol)で処理した。反応混合物を室温で約3時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物44aを得た。収量:450mg(52%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.44 - 7.30 (m, 5H), 5.16 (d, 2H), 3.33
(q, 1H), 2.64 - 2.44 (m, 4H), 1.65 - 1.51 (m, 4H), 1.47 - 1.37 (m, 2H), 1.31
(d, 3H).
【0475】
ステップ2:2-(ピペリジン-1-イル)プロパン酸(44b)
【0476】
【化107】
【0477】
メタノール(10mL)中の調製物44a(344mg、1.39mmol)の溶液を10%のPd/C(296mg、50%の水)で処理した。混合物を水素(1atm)下で、室温で約16時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、メタノール(3×20mL)ですすいだ。濾液を濃縮して、表題化合物44bを得た。収量:152mg(70%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 3.53 (q, 1H), 3.37 - 3.07 (br m, 4H),
1.96 - 1.80 (m, 4H), 1.74 - 1.57 (m, 2H), 1.49 (d, 3H).
【0478】
ステップ3:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(ピペリジン-1-イル)プロパンアミド
【0479】
【化108】
【0480】
DMF(15mL)中の調製物44b(120mg、0.76mmol)の溶液をHATU(435mg、1.14mmol)、調製物22(334mg、0.76mmol)およびiPrNEt(0.26mL、1.53mmol)で処理した。反応混合物を約60℃で約16時間攪拌した。反応混合物を3%のLiCl水溶液(50mL)で処理し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブライン(10mL)で洗浄し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:150mg(34%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 577.3.
【0481】
調製物45 N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(1,4-オキサゼパン-4-イル)プロパンアミド(45)
【0482】
【化109】
【0483】
ステップ1:2-(1,4-オキサゼパン-4-イル)プロパン酸ベンジル(45a)
【0484】
【化110】
【0485】
MeCN(20mL)中の1,4-オキサゼパン(458mg、4.52mmol)の懸濁液を調製物41a(1.00g、4.11mmol)およびNaHCO(518mg、6.17mmol)で処理した。反応混合物を室温で約20時間、次いで、約50℃で約16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物45aを得た。収量:560mg(52%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.45 - 7.30 (m, 5H), 5.15 (d, 2H), 3.78
(t, 2H), 3.75 - 3.61 (m, 2H), 3.54 (q, 1H), 2.95 - 2.87 (m, 2H), 2.84 - 2.73
(m, 2H), 1.94 - 1.75 (m, 2H), 1.33 (d, 3H).
【0486】
ステップ2:2-(1,4-オキサゼパン-4-イル)プロパン酸(45b)
【0487】
【化111】
【0488】
メタノール(20mL)中の調製物45a(460mg、1.75mmol)の溶液を10%のPd/C(300mg、50%の水)で処理した。混合物を水素(1atm)下、室温で、約16時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、フィルターをメタノール(3×50mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、表題化合物45bを得た。収量:280mg(93%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 3.95 - 3.90 (m, 2H), 3.87 - 3.80 (m,
2H), 3.75 (q, 1H), 3.51 - 3.33 (m, 4H), 2.16 (五重線, 2H), 1.52 (d, 3H).
【0489】
ステップ3:N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(1,4-オキサゼパン-4-イル)プロパンアミド
【0490】
【化112】
【0491】
DMF(30mL)中の調製物45b(256mg、1.48mmol)の溶液をHATU(843mg、2.22mmol)、調製物22(647mg、1.48mmol)およびiPrNEt(0.51mL、2.96mmol)で処理した。反応混合物を約60℃で約16時間攪拌した。反応混合物を3%LiCl水溶液(50mL)で処理し、EtOAc(3×5mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物をブラインで洗浄し、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物を得た。収量:90mg(10%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 593.3.
【0492】
調製物46:N-(6-エチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0493】
【化113】
【0494】
ステップ1:N-(5-クロロ-2-エチルフェニル)アセトアミド(46a)
【0495】
【化114】
【0496】
5-クロロ-2-エチルアニリン(1.0g、6.43mmol)を約15℃で撹拌しながら、AcO(30mL)に添加した。反応混合物を約15℃で約16時間攪拌し、沈澱物を濾取した。固体を水(3×15mL)で洗浄し、乾燥させた。濾液をEtOAc(30mL)で抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaCO水溶液(2×60mL)および水(60mL)で洗浄した。EtOAc抽出物を乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣を既に単離されていた固体と合わせて、表題化合物46aを得た。収量:920mg(72%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.91 (s, 1H), 7.12 (t, 2H), 6.96 (s, 1H),
2.56 (q, 2H), 2.21 (s, 3H), 1.22 (t, 3H); LC/MS m/z (M+H) =197.9.
【0497】
ステップ2:N-(5-クロロ-2-エチルフェニル)-N-メチルアセトアミド(46b)
【0498】
【化115】
【0499】
約0℃のTHF(55mL)中の調製物46a(1.14g、5.77mmol)の溶液を水素化ナトリウム(60%の懸濁液、350mg、8.80mmol)で処理し、混合物を約15℃で約30分間攪拌した。反応混合物をヨウ化メチル(0.4mL、6.5mmol)で処理した。反応混合物を約15℃で約18時間攪拌した。反応混合物を飽和NHCl水溶液(50mL)で処理し、EtOAc(2×50mL)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を濃縮した。残渣を、100mgの調製物46aおよび同様の割合の他の試薬を使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。合わせた残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物46bを得た。収量:1.29g(97%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.34 - 7.27 (m, 2H), 7.14 (d, 1H), 3.18
(s, 3H), 2.54 (dq, 2H), 1.80 (s, 3H), 1.23 (t, 3H).
【0500】
ステップ3:N-(5-クロロ-2-エチル-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(46c)
【0501】
【化116】
【0502】
内部反応温度を約5℃未満に維持したままで、約0℃の濃HSO(8.2mL)中の調製物46b(1.09g、5.17mmol)の溶液を、硝酸カリウム(522mg、5.17mmol)を少しずつ添加して処理した。混合物を約0℃で約2時間攪拌した。反応混合物を氷水(50mL)に注ぎ入れ、約10分間攪拌した。固体を濾取し、水(3×10mL)で洗浄し、乾燥させた。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物46cを得た。収量:1.07g(80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 7.89 (s, 1H), 7.36 (s, 1H), 3.20 (s,
3H), 2.63 (dq, 2H), 1.83 (s, 3H), 1.29 (t, 3H).
【0503】
ステップ4:N-(5-(ベンジルアミノ)-2-エチル-4-ニトロフェニル)-N-メチルアセトアミド(46d)
【0504】
【化117】
【0505】
調製物46c(965mg、3.76mmol)およびベンジルアミン(2.5mL、22.6mmol)の混合物を約15℃で酢酸アンモニウム(290mg、3.76mmol)で処理した。混合物を約100℃で約16時間攪拌した。反応混合物を、100mgの化合物46cおよび同様の割合の他の試薬を使用して行われた別の同一の反応のものと合わせた。この混合物をEtOAcで希釈し、3NのHCl水溶液(2×30mL)およびブライン(40mL)で洗浄した。EtOAc層を濃縮し、残渣をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物46dを得た。収量:1.33g(98%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.39 - 8.30 (m, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.40
- 7.28 (m, 7H), 6.52 (s, 1H), 4.62 - 4.47 (m, 2H), 3.09 (s, 3H), 2.46 (q, 2H),
1.63 (s, 3H), 1.23 (t, 3H).
【0506】
ステップ5:N-(4,5-ジアミノ-2-エチルフェニル)-N-メチルアセトアミド(46e)
【0507】
【化118】
【0508】
メタノール(10mL)中の調製物46d(1.33g、4.08mmol)および10%のPd/C(140mg)の懸濁液を水素(3atm)下、室温で、約24時間攪拌した。追加の10%のPd/C(200mg)を添加し、混合物を水素(3atm)下で約72時間攪拌した。混合物を、Celite(登録商標)を通して濾過し、フィルターをメタノールで洗浄し、濾液を濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィーによって精製して、表題化合物46eを得た。収量:665mg(79%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 6.62 (s, 1H), 6.45 (s, 1H), 3.48 - 3.38
(m, 2H), 3.58 - 3.28 (m, 2H), 3.15 (s, 3H), 2.47 - 2.35 (m, 2H), 1.80 (s, 3H),
1.17 (t, 3H).
【0509】
ステップ5:N-(6-エチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-N-メチルアセトアミド
【0510】
【化119】
【0511】
DMF(17mL)中の調製物46e(665mg、3.21mmol)およびメタ重亜硫酸ナトリウム(305mg、1.60mmol)の溶液を調製物9(983mg、3.21mmol)およびDMSO(0.57mL、8.02mmol)で処理した。混合物を約110℃で約16時間攪拌した。反応混合物を水(30mL)に注ぎ入れた。固体を濾取し、乾燥させて、表題化合物を得た。収量:1.18g(75%)。LC/MS m/z (M+H)+ = 493.9.
【実施例
【0512】
(実施例1)
N-メチル-N-(6-メチル-2-((4aS,5aR)-5a-メチル-1,4,4a,5,5a,6-ヘキサヒドロシクロプロパ[f]インダゾール-3-イル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-5-イル)-2-(2-オキソ-1,3-オキサジナン-3-イル)アセトアミド
【0513】
【化120】
【0514】
約0℃のTFA(2mL)中の調製物38(120mg、0.21mmol)の溶液をトリエチルシラン(0.17mL、1.04mmol)で処理した。混合物を室温で約2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を飽和NaHCO水溶液で処理し、DCM(3×8mL)で抽出した。合わせたDCM抽出物を濃縮し、粗生成物を分取HPLC(YMC Actus Triart C18 150mm×30mm、5μm;移動相A:水(0.05%の濃NHOH);移動相B:MeCN;勾配:10分かけて33~53%のB、2分間は100%のBで保持;流速=35mL/分)によって精製して、表題化合物を得た。収量:40mg(43%)。1H NMR (400 MHz, CD3OD) δ = 7.71 - 7.40 (m, 2H), 4.35 - 4.26 (m,
2H), 3.75 - 3.68 (m, 1H), 3.44 - 3.33 (m, 2H), 3.26 (s, 3H), 3.17 - 3.10 (m,
1H), 3.06 (d, 1H), 2.77 (d, 1H), 2.40 (s, 3H), 2.13 - 1.97 (m, 2H), 1.29 (s,
3H), 1.19 - 1.11 (m, 1H), 0.41 (dd, 1H), 0.25 (br t, 1H); LC/MS m/z (M+H)+
= 449.1.
【0515】
下の表中の実施例2~16を実施例1と同様に、適切な前駆調製物(括弧内に示される)から、同様の割合の試薬を使用して調製した。観察されたLC-MS m/zは、表中で[M+H]として示される。
【0516】
【表1-1】
【0517】
【表1-2】
【0518】
【表1-3】
【0519】
【表1-4】
【0520】
【表1-5】
【0521】
下の表中の実施例17~40を次のスキームおよび反応手順に従って平行合成によって調製した:
【0522】
【化121】
【0523】
それぞれの2ドラムバイアルに、酸性フラグメント(0.1mmol)および調製物22(0.15mmol)を装入し、続いて、ピリジン(34μL、0.45mmol)、THF(0.11mL)およびT3P溶液(EtOAc中の50重量%の溶液、0.2mmol)を添加した。バイアルを約80℃に加熱し、約16時間振盪した。溶媒を減圧下で除去した。残渣を飽和NaHCO水溶液で処理し、EtOAc(3×)で抽出した。合わせたEtOAc抽出物を乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。各バイアル中の残渣を5:1(v/v)のDCM/TFA(1mL)に懸濁させ、約30℃で振盪し、約16時間振盪した。溶媒を減圧下で除去した。各バイアル中の残渣を2:1(v/v)メタノール/濃NHOH(1mL)に入れ、約30℃で振盪し、約16時間振盪した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を分取HPLCまたはキラルSFCによって精製して、下の表中の表題化合物を得、その際、観察されたLC-MS m/zは、[M+H]として示される。
【0524】
【表2-1】
【0525】
【表2-2】
【0526】
【表2-3】
【0527】
【表2-4】
【0528】
【表2-5】
【0529】
【表2-6】
【0530】
【表2-7】
【0531】
【表2-8】
【0532】
【表2-9】
【0533】
【表2-10】
【0534】
【表2-11】
【0535】
生物学的アッセイ
In Vitro研究
IL-2誘導性T細胞キナーゼ(ITK)活性、IC50(uM)
ITK活性は、試験化合物の効果をITK酵素アッセイにおいて測定することによって決定した。
【0536】
1.0MのHEPES緩衝液pH7.5の溶液は以下のように調製した:238.3gのHEPES遊離酸(Sigma)および800mLの水を合わせ、完全に溶解するまで混合物を攪拌した。5NのNaOHを用いた滴定を介してpHを7.5まで調節し、体積を1000mLまで調節した。溶液を濾過し、滅菌した。
【0537】
ITKアッセイ緩衝液は以下のように調製した:50mLのHPLCグレードの水を、2mLの1.0MのHEPES緩衝液、500μLの2%のゼラチン(Sigma)、1.0mLのMgCl水溶液(1.0M)、および1.0mLのグルタチオン水溶液(0.5M)で処理し、溶液を混合した。溶液をメスシリンダー内で水の添加によって99mLにし、0.2μmのフィルターを通して滅菌した。0.1mLのBrij-35(商標)Surfact-Amps(商標)洗剤溶液(10%w/v水溶液、ThermoFisher)および1.0mLのATP(Teknova,100mM)を加え、溶液を混合した。
【0538】
1.33×ITK酵素溶液の調製は以下の通りであった:49.99mLのITKアッセイ緩衝液を、4.1μLのITK酵素(ITK FL(N-フラグおよびC-Hisタグ、約72kDa)Lake Pharma、25mMのトリス、pH7.8、150mMのNaCl、10%のグリセロール、および2mMのTCEPを含有する緩衝液中に0.25mg/ml)で処理し、混合物を穏やかにかき混ぜた。生じた溶液を氷上に保存した。使用の30分前に、酵素溶液を氷から取り外し、RT水浴中でのインキュベーションによってRTに平衡させた。
【0539】
4×ITK基質溶液の調製は以下の通りであった:50mLのITKアッセイ緩衝液を100μLのBTKペプチド(China Peptide Company、DMSO中に2mMのストック溶液)で処理した。チューブにキャップを被せ、チューブ穏やかに反転させることによって混合し、その後、氷上に保存した。使用の30分前に、基質溶液を氷から取り外し、RT水浴中でのインキュベーションによってRTに平衡させた。
【0540】
アッセイ時に、7.5μLの1.33×ITK酵素溶液を、0.1μLのDMSO中の様々な濃度の試験化合物を含有するプレートのウェルに加えた。プレートを30分間RTでインキュベートした。プレートのウェルをそれぞれ2.5uLの4×ITK基質溶液で処理し、プレートを密封した(TopSeal(商標)、Perkin Elmer)。プレートを1000rpmで30秒間遠心し、その後、60分間RTでインキュベートした。密封を取り除き、それぞれのウェルを10μLの停止/検出緩衝液(20mMのHEPES、pH7.5、0.01%のゼラチン、1nMのLANCE PT66(Perkin Elmer)、16.5μg/mlのSurelight APC(Perkin Elmer)、10mMのEDTA、250mMのNaCl)で処理した。プレートを再度覆い、1000rpmで30秒間遠心した。プレートを終夜RTで、かつ脱水を減らすために閉じたキャリア内でインキュベートさせた。密封を取り除き、プレートリーダーを用いて、665nmの励起波長および615nmの発光波長を用いて蛍光を読み取った。試験した化合物の濃度および生じた効果値をプロットし、50%の効果(IC50)に必要な化合物の濃度は4パラメータのロジスティック用量応答方程式によって決定した。
【0541】
本発明の化合物のIC50(uM)値を以下の表中に提示する。
IL-2阻害活性、IC50(uM)
【0542】
活性化CD4+ヒトT細胞由来の上清中におけるIL-2阻害活性は、cisbio HTRF(商標)技術を使用して、活性に対する試験化合物の効果を測定することによって決定した。
【0543】
ヒトCD4+T細胞を、CD3/CD28を用いて3日間活性化させ、さらに4~6日間拡大させた(合計7~9日間)。0日目に、凍結CD4+T細胞を解凍し、CD3/CD28 Dynabeadsで処理し、37℃/5%COでインキュベートした。3日目に、ビーズを除去し、細胞を5×10個の細胞/cmまで希釈し、G-Rex10フラスコ内に入れ、37℃/5%COでインキュベートした。7日目から9日目に、細胞をG-Rexフラスコから取り出し、計数し、標準の組織培養フラスコ内で1×10個の細胞/mlまで希釈し戻した。
【0544】
拡大したCD4+T細胞を300×gで10分間遠心分離し、50万個の細胞/ml(30,000個の細胞/ウェル)で再懸濁させた。60μlのCD4+T細胞/ウェルを、0.1μLのDMSO中の様々な濃度の試験化合物を含有する384ウェルプレートに加えた。プレートを15分間、37℃/5%COでインキュベートした。20μlの希釈したImmunoCult(商標)(STEMCELL Technologies、T細胞アッセイ培地中に1:12.5)をプレートの全てのウェルに加えた(1:50の最終ッセイ濃度)。プレートをさらに20~24時間、37℃/5%COでインキュベートした。プレートを300×gで10分間遠心分離した。16μLの上清の取り除き、4μlのIL-2HTRF Absと合わせた。(cisbioキット)。プレートを3時間RTでインキュベートし、EnVisionプレートリーダーを用いて665nmおよび615nmの波長で読み取った。試験した化合物の濃度および生じた効果値をプロットし、50%の効果(IC50)に必要な化合物の濃度は4パラメータのロジスティック用量応答方程式によって決定した。
【0545】
本発明の化合物のIC50(uM)値を以下の表中に提示する。
【0546】
トロポミオシン受容体キナーゼA(TRKA)活性、%阻害
TRKA活性を決定するためのアッセイは当分野で知られており、例えば、以下に記載されているものを参照されたい。
・Skerratt SEら、J.Med.Chem.(2016)、59(22):10084~10099
PMID:27766865。DOI:10.1021/acs.jmedchem.6b00850
・Bagal SKら、J.Med.Chem.(2018)、61(15):6779~6800
PMID:29944371。DOI:10.1021/acs.jmedchem.8b00633
【0547】
神経栄養性チロシンキナーゼ受容体1型(NTKR1)活性としても知られるTRKAは、ThermoFisher Z’-LYTEアッセイ蛍光に基づくカップリングされた酵素形式(www.thermofisher.com/selectscreen)を使用して、NTRK1酵素に対する活性に対する試験化合物の効果を測定することによって決定した。試験化合物を1uMの固定濃度でスクリーニングし、%阻害を決定し、1mMの固定ATP濃度の対照と比較した。試験した化合物について生じた効果値をアッセイ対照と比較して%阻害(%)を決定した。
【0548】
本発明の化合物の%阻害(%)値を以下の表中に提示する。
【0549】
【表3-1】
【0550】
【表3-2】
【国際調査報告】