(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】一酸化窒素測定
(51)【国際特許分類】
G01N 21/31 20060101AFI20231212BHJP
G01N 21/03 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G01N21/31 610Z
G01N21/03 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535985
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-07
(86)【国際出願番号】 IL2021051478
(87)【国際公開番号】W WO2022123580
(87)【国際公開日】2022-06-16
(32)【優先日】2020-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】523216492
【氏名又は名称】ニノックス メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】メドベデフ,ドミトリー
(72)【発明者】
【氏名】イリエフ,ロマン
(72)【発明者】
【氏名】ミスラフスキー,ボリス
【テーマコード(参考)】
2G057
2G059
【Fターム(参考)】
2G057AA01
2G057AB01
2G057AB03
2G057AB04
2G057AB06
2G057AC03
2G057BA01
2G057DA03
2G059AA01
2G059BB01
2G059CC05
2G059DD12
2G059EE01
2G059GG02
2G059GG03
2G059HH02
2G059HH03
2G059JJ13
2G059LL03
2G059MM01
(57)【要約】
試料中の一酸化窒素濃度を測定するためのセンサであって、試料内で一酸化窒素を酸化してNO
2を形成するためのオゾン源と、酸化の前後の一酸化窒素分析器内の試料中のNO
2レベルを決定するための1つまたは複数の光吸収測定システムとで構成されるセンサ。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中の一酸化窒素濃度を測定するためのセンサであって、
試料内で一酸化窒素を酸化してNO
2を形成するためのオゾン源と、
酸化の前後の一酸化窒素分析器内の前記試料中のNO
2レベルを決定するための1つまたは複数の光吸収測定システムと
を備えるセンサ。
【請求項2】
前記光吸収測定システムは、前記センサ内の前記試料に光を通過させるように位置決めされた光源を備える、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記センサ内の前記試料を通過した前記光源からの光を受光するように位置決めされた光センサをさらに備える、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記光源は、約350nm~約400nmの波長を有する光を放出する、請求項2または請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記光源は、1つまたは複数のLEDを備える、請求項2~請求項4のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項6】
前記1つまたは複数の光吸収測定システムから吸収データを受信し、そこからNO
2レベルを決定するように構成されたプロセッサをさらに備える、請求項3~請求項5のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項7】
前記光センサに入る前に前記試料を1回または複数回通過するように光を反射し、そのことにより低濃度のNO
2の測定のためにビーム長を増大させるための1つまたは複数のミラーを備える、請求項3に記載のセンサ。
【請求項8】
第1の光吸収測定システムが前記オゾン源の上流側に位置決めされ、第2の光吸収測定システムが前記オゾン源の下流側に位置決めされる、請求項1~7のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記オゾン源と通信し、弁またはポンプを通して前記試料へのオゾン導入を制御し、オゾンを前記試料に導入する前後のNO
2レベルを決定するように構成される、請求項8に記載のセンサ。
【請求項10】
試料中の一酸化窒素濃度を測定するための方法であって、
オゾンを使用して試料体積内で一酸化窒素を酸化してNO
2を形成するステップと、
酸化の前後の一酸化窒素分析器内の前記試料中のNO
2レベルを決定するために、前記試料内のNO
2による光吸収を測定するステップと、
前記試料中の一酸化窒素濃度を決定するために、酸化後に決定されたNO
2レベルから酸化前に決定されたNO
2レベルを減算するステップと
を含む方法。
【請求項11】
前記センサ内の光源から前記試料に光を通過させるステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
光センサを使用して前記センサ内の前記試料を通過した前記光源からの光の光強度を測定するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記光源は、約350nm~約400nmの波長を有する光を放出する、請求項11または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記光源は、1つまたは複数のLEDを備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
第1の光吸収測定システムが前記オゾン源の上流側に位置決めされ、第2の光吸収測定システムが前記オゾン源の下流側に位置決めされ、前記方法は、前記第2の光吸収測定システムからのNO
2レベルから前記第1の光吸収測定システムからのNO
2レベルを減算するステップを含む、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記試料中のNO
2レベルを測定し、次に、前記試料にオゾンを導入し、その後、前記試料中のNO
2レベルを再び測定して酸化の前後のNO
2レベルを決定するステップをさらに含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記光センサで光を受光する前に光を前記試料に複数回通過させるステップをさらに含む、請求項12~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
一酸化窒素レベルを決定するステップは、式C2×(C2N/C1N)-C1に従って行われ、式中、
C1Nは、オゾン導入前の前記第1の光吸収測定システムからのNO
2レベルであり、
C2Nは、オゾン導入前の前記第2の光吸収測定システムからのNO
2レベルであり、
C1は、オゾンによる酸化後の前記第1の光吸収測定システムからのNO
2レベルであり、
C2は、オゾンによる酸化後の前記第2の光吸収測定システムからのNO
2レベルである、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
オゾンを前記試料に周期的に導入して、試料中のNO
2を酸化するステップをさらに含み、一酸化窒素レベルを決定するステップは、式C
NO=(Ln(I
max/I
min))×Kcal-C
NO2に従って行われ、式中、
C
NO2=(Ln(I
max/I
in))×Kcalであり、
I
inは、オゾン導入サイクルの開始時に前記試料を通過した光の初期光強度であり、
I
minは、前記オゾン導入サイクル中に前記試料を通過した光の最小光強度であり、
I
maxは、前記オゾン導入サイクル中に前記試料を通過した光の最大光強度であり、
Kcalは、校正係数である、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年12月9日に出願され、「Nitric Oxide Measurement」と題された米国特許出願第63/123166号からの優先権を主張するものであり、この内容全体は参照により本願明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一酸化窒素ガスの測定に関し、特に一酸化窒素療法に関する。
【背景技術】
【0003】
一酸化窒素療法は、医学のいくつかの領域、特に呼吸器学の分野において有望であることが示されている。特に、一酸化窒素療法が肺動脈性肺高血圧症(PAH)の治療に役立ち得ることが研究により示されている。PAHは、肺の動脈の閉塞に起因する肺血圧の上昇を特徴とする、時には致命的な状態である。PAHの薬理学的処置は特に有効ではなく、患者の少なくとも50%が疾患の段階に応じて2~5年の間に死に至る。疾患進行の正確なメカニズムは完全には明らかになっていないが、いくつかの因子がPAHの病態に関与している。最も重要なメディエータの1つは、一酸化窒素(NO)であり、その不足は、肺動脈血管収縮、血管リモデリング、およびPAH病態に関連する右心不全の一因であることが分かった。
【0004】
NOの血管拡張作用および抗増殖作用は、NOをPAHの薬理学的処置のための魅力的なツールにする。吸入によるNOガスの投与は、PAHの患者、特に先天性心疾患の小児に有益であることが示されている。しかしながら、吸入NO療法は、高コスト、技術的問題、および一貫性のない患者応答がネックとなっている。吸入NO療法の迅速な中止はまた、悪影響をもたらし得、酸素化のレベルおよび肺高血圧のレベルは、治療開始の前に見られるレベルよりも悪いレベルまで戻る。
【0005】
一酸化窒素は、遺伝子治療における他の可能な用途を有する。現在、遺伝子に基づく治療は、肺動脈性肺高血圧症を治療するための強力な新しい治療武器として認識されている。遺伝子操作は、標準的な薬物療法を補足するものであり得る、または単独の治療として使用され得る。しかしながら、遺伝物質は、治療効果をもたらすために、細胞に導入され、所望のレベルで発現されなければならない。NOは、PAHを治療するための遺伝子治療における遺伝子導入の改善に関与し得る。
【0006】
正確なNOレベル検知は、NO生成、特に医療用途にとって最も重要である。ガス混合物中の一酸化窒素の濃度を監視するために、多数のアプローチが使用され、提案されてきた。既存の方法としては、質量分析技術、電気化学分析技術、熱量分析技術、化学発光分析技術、および圧電共振技術が挙げられる。しかしながら、これらのアプローチの各々は、疾患の診断および治療における広範な使用にあまり適していないという欠点を有する。
【0007】
質量分析は、質量分析計を利用して物質中に存在する粒子を同定するものである。粒子はイオン化され、電磁場を通して放射される。粒子が偏向される様式は、それらの質量を示し、したがってそれらの同一性を示す。質量分析は正確であるが、非常に高価で複雑な設備の使用を必要とする。また、分析は比較的遅く、生成または送達されたNOレベルのリアルタイム分析には不適当である。好ましくは、一酸化窒素のひと呼吸ごとの分析において、ガス混合物が流路内を流れるときに流路内の一酸化窒素濃度を迅速かつ正確に測定することが望ましい。しかしながら、質量分析は、流路自体における一酸化窒素濃度を分析するのではなく、ガス混合物の一部のサンプリングを必要とする。質量分析は、瞬間的または連続的な分析アプローチと見なすことはできない。このようなサンプリングに基づくシステムは、非常に低濃度のガスを検出する場合、大きな試料が必要であるので、特に不十分である。
【0008】
電気化学ベースの分析システムは、電気化学ガスセンサを使用し、この電気化学ガスセンサでは、試料からのガスが、膜などの半透性バリア内部に拡散して通過し、次に電解質溶液を通過し、その後、典型的には3つの電極のうちの1つへと拡散する。3つの電極のうちの1つにおいて、検知酸化還元反応が生じる。第2の対向する電極では、相補的かつ反対の酸化還元反応が生じる。第3の電極は、典型的には基準電極として設けられる。検知電極における一酸化窒素の酸化または還元の際に、検知電極表面で反応する一酸化窒素の量に比例する電流が検知電極と対電極との間を流れる。基準電極は、検知電極を固定電圧に維持するために使用される。一酸化窒素を検出するための典型的な電気化学ベースのガス分析器は、Davisらの米国特許第5565075号に示されており、この特許は参照により本明細書に援用される。電気化学ベースの装置は、高い感度および精度を有するが、頻繁な較正ならびに関連するサービスコストおよび遅延を必要とする。
【0009】
化学発光ベースのセンサは、一酸化窒素をオゾンO3と混合して二酸化窒素(NO2)および酸素を生成することによる一酸化窒素の酸化に依存する。二酸化窒素は、反応直後は励起状態にあり、減衰して非励起状態に戻る際に光子を放出する。この反応の間に放出される光の量を検知することによって、一酸化窒素の濃度が決定され得る。化学発光ベースの装置の一例は、Gustafssonの米国特許第6099480号に示されており、この特許は参照により本明細書に援用される。化学発光装置は、典型的には非常に大型で、高価であり、その精度は環境要因に敏感である。
【0010】
この分野のセンサのための最も便利で信頼性のあるガス分析方法は、ある波長の光の吸収によるガス成分の直接光学的測定である。この方法の主な利点は、吸収係数が基本的に一定であるため、吸収が時間的に安定していることである。したがって、光学機器が清潔に保たれている限り、頻繁な較正なしに安定した測定が得られる。光吸収に基づく現在のガス分析器10(
図1参照)は、測定されるガス成分によって吸収される波長の放射線を生成する光源20と、光が含有ガスを通過することを可能にし、各端部にシーリング26および光学窓27を備える光学キュベット25と、ガス注入部30と、ガス排出部40と、レンズ55によって光が供給され、光源20からガスを通過した光を電圧信号に変換することができる光センサ50とからなる。好適な光源20は、LEDおよびレーザダイオードを含み、好適な光センサ50は、実用的に無制限の耐用年数および十分に安定した特性を有するフォトダイオード、フォトレジスタ、またはフォトトランジスタを含む。放出光の波長は、対象ガス成分によって吸収されるものとして選択され得、光センサ50は、放出光がガスを通過した後の光強度を測定することができる。このようにして、吸収および随伴ガス成分濃度を決定することができる。残念ながら、一酸化窒素は、可視光スペクトルおよび近UVスペクトルに吸収帯を有さず、そのためこの方法を一酸化窒素測定に適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明の主な目的は、従来技術のプラズマ発生システムの欠点の少なくともいくつかを克服することである。これは、一実施形態において、試料中の一酸化窒素濃度を測定するためのセンサであって、試料内で一酸化窒素を酸化してNO2を形成するためのオゾン源と、酸化の前後の一酸化窒素分析器内の試料中のNO2レベルを決定するための1つまたは複数の光吸収測定システムとを備えるセンサによって実現される。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態では、光吸収測定システムは、センサ内の試料に光を通過させるように位置決めされた光源を備える。別の実施形態において、センサは、センサ内の試料を通過した光源からの光を受光するように位置決めされた光センサをさらに備える。
【0013】
一実施形態において、光源は、約350nm~約400nmの波長を有する光を放出する。別の実施形態では、光源は1つまたは複数のLEDを備える。
【0014】
一実施形態において、センサは、1つまたは複数の光吸収測定システムから吸収データを受信し、そこからNO2レベルを決定するように構成されたプロセッサをさらに備える。別の実施形態では、センサは、光センサに入る前に試料を1回または複数回通過するように光を反射し、そのことにより低濃度のNO2の測定のためにビーム長を増大させるための1つまたは複数のミラーを備える。
【0015】
一実施形態では、第1の光吸収測定システムがオゾン源の上流側に位置決めされ、第2の光吸収測定システムがオゾン源の下流側に位置決めされる。
【0016】
別の実施形態では、プロセッサは、オゾン源と通信し、弁またはポンプを通して試料へのオゾン導入を制御し、オゾンを試料に導入する前後のNO2レベルを決定するように構成される。
【0017】
1つの独立した実施形態において、試料中の一酸化窒素濃度を測定するための方法であって、オゾンを使用して試料体積内で一酸化窒素を酸化してNO2を形成するステップと、試料内のNO2による光吸収を測定して酸化の前後の一酸化窒素分析器内の試料中のNO2レベルを決定するステップと、酸化後に決定されたNO2レベルから酸化前に決定されたNO2レベルを減算して試料中の一酸化窒素濃度を決定するステップとを含む方法が提供される。
【0018】
一実施形態では、該方法は、センサ内の光源から試料に光を通過させるステップをさらに含む。別の実施形態では、該方法は、光センサを使用してセンサ内の試料を通過した光源からの光の光強度を測定するステップをさらに含む。
【0019】
一実施形態において、光源は、約350nm~約400nmの波長を有する光を放出する。別の実施形態では、光源は1つまたは複数のLEDを備える。
【0020】
一実施形態では、第1の光吸収測定システムがオゾン源の上流側に位置決めされ、第2の光吸収測定システムがオゾン源の下流側に位置決めされ、該方法は、第2の光吸収測定システムからのNO2レベルから第1の光吸収測定システムからのNO2レベルを減算するステップを含む。
【0021】
別の実施形態では、該方法は、試料中のNO2レベルを測定し、次に、試料にオゾンを導入し、その後、試料中のNO2レベルを再び測定して酸化の前後のNO2レベルを決定するステップをさらに含む。
【0022】
一実施形態では、該方法は、光センサで光を受光する前に光を試料に複数回通過させるステップをさらに含む。
【0023】
一実施形態では、一酸化窒素レベルを決定するステップは、式C2×(C2N/C1N)-C1に従って行われ、式中、C1Nは、オゾン導入前の第1の光吸収測定システムからのNO2レベルであり、C2Nは、オゾン導入前の第2の光吸収測定システムからのNO2レベルであり、C1は、オゾンによる酸化後の第1の光吸収測定システムからのNO2レベルであり、C2は、オゾンによる酸化後の第2の光吸収測定システムからのNO2レベルである。
【0024】
別の実施形態では、該方法は、オゾンを試料に周期的に導入して試料中のNO2を酸化するステップをさらに含み、一酸化窒素レベルを決定するステップは、式CNO=(Ln(Imax/Imin))×Kcal-CNO2に従って行われ、式中、CNO2=(Ln(Imax/Iin))×Kcalであり、Iinは、オゾン導入サイクルの開始時に試料を通過した光の初期光強度であり、Iminは、オゾン導入サイクル中に試料を通過した光の最小光強度であり、Imaxは、オゾン導入サイクル中に試料を通過した光の最大光強度であり、Kcalは、較正係数である。
【0025】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の図面および説明から明らかになるであろう。
【0026】
別段の定めがない限り、本明細書内で使用されている全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有するものとする。矛盾する場合には、定義を含む本特許明細書が優先する。本明細書で使用される場合、冠詞「a」および「an」は、文脈上明白に他を意味する場合を除き、「少なくとも1つ」または「1つまたは複数」を意味する。本明細書で使用される場合、「および/または」は、「および/または」によって結合されたリスト内の項目のうちの任意の1つまたは複数を意味する。例として、「xおよび/またはy」は、3要素セット{(x),(y),(x,y)}の任意の要素を意味する。言い換えれば、「xおよび/またはy」は、「x、y、またはxおよびyの両方」を意味する。別の例として、「x、y、および/またはz」は、7要素セット{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}の任意の要素を意味する。
【0027】
さらに、反対のことが明示的に述べられていない限り、「または」は、包含的な「または」を指し、排他的な「または」を指さない。例えば、条件Aまたは条件Bは、Aが真(または存在する)かつBが偽(または存在しない)、Aが偽(または存在しない)かつBが真(または存在する)、ならびにAおよびBの両方が真(または存在する)のいずれかによって満たされる。
【0028】
さらに、「a」または「an」の使用は、本発明の概念の実施形態の要素および構成要素を説明するために使用される。これは、単に便宜上、本発明の概念の一般的な意味を与えるためであり、「a」および「an」は、1つまたは少なくとも1つを含むことが意図され、単数形は、それが明らかに他の意味を有する場合を除き、複数形も含むものとする。
【0029】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、量、持続時間などの測定可能な値を指す場合、指定された値から+/-10%、より好ましくは+/-5%、さらに好ましくは+/-1%、さらに一層好ましくは+/-0.1%の変動を包含することを意味し、そのような変動は、本開示の装置および/または方法を実施するのに適切である。
【0030】
以下の実施形態およびその態様は、代表的かつ例示的であることが意図されているが、範囲を限定するものではないシステム、ツール、および方法と併せて記述され、説明されている。様々な実施形態において、上述の問題のうちの1つまたは複数が低減または排除されるが、他の実施形態は、他の利点または改善に関連する。
【0031】
本発明のより良い理解のために、および本発明がどのように実施され得るかを示すために、単なる例として、添付図面について説明する。図面において、同様の番号は全体を通して対応する部分または要素を示している。
【0032】
特に詳細な図面について、示される事項は、例として、単に本発明の好ましい実施形態の例示的考察のために示されており、本発明の原理および概念的態様の最も有用かつ容易に理解される説明であると考えられるものを提供するために提示されることを強調する。この点に関して、本発明の基本的な理解のために必要以上に詳細に本発明の構造的詳細を示しておらず、図面と併せて説明することにより、本発明のいくつかの形態が実際にどのように具現化され得るかを当業者は理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】従来技術に係る、光吸収に基づく濃度センサを示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態に係る、2つのNO
2センサおよびオゾン発生器を含む例示的なNOセンサを示す図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態に係る、例示的なオゾン容量調節を示す図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態に係る、単一のNO
2センサおよびオゾン発生器を含む例示的なNOセンサを示す図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態に係る、
図4に示すようなセンサに対する例示的なオゾン容量変調を示す図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態に係る、2つの独立したガス流中の濃度を測定するための例示的NOセンサを示す図である。
【
図7A-7B】本開示のいくつかの実施形態に係る、光ビーム長の増大のための平行ミラーを備える例示的センサを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用について、以下の説明で述べる、または図面に示す構成要素の構造および配置の詳細に限定されないことを理解されたい。本発明は、様々な方法で実施または実行される他の実施形態に適用可能である。さらに、本明細書に使用されている表現および用語は、説明目的で使用されており、限定的な意味としてとらえるべきではないことを理解されたい。
【0035】
本開示のシステムおよび方法は、医療分野ならびに他の領域における一酸化窒素生成の制御のための迅速なフィードバックを提供する際に有用となる、より正確でより応答性の良い一酸化窒素センサを提供する。上述したように、光吸収システムは、使いやすさ、手頃な価格、正確さ、包装の観点から最も望ましいが、一酸化窒素には容易に適用されない。しかしながら、NO2は、400nmの波長範囲の吸収帯を有するものであれば、そのような方法を用いて容易に検出可能である。したがって、特定の実施形態では、本開示のシステムおよび方法は、NOをNO2へと酸化し、次に、光吸収センサを使用してNO2のレベルを測定することができ、その後、これを使用してシステム内のNOの量を推測することができる。複数のセンサを使用して、試料ガス中のNO2の酸化前および酸化後のレベルを決定し、酸化NOに起因する酸化後NO2レベルの量について、より正確な分析を行うことができる。
【0036】
システムおよび方法は、ポンプと、測定されたガスをシステムから排出するための出口とを備える測定ラインに位置決めされた一酸化窒素分析器を含み得る。このような分析器は、一酸化窒素分析器内で一酸化窒素を酸化してNO2を形成するためのオゾン源と、酸化の前後の一酸化窒素分析器内のガス中のNO2レベルを決定するための1つまたは複数の光吸収測定システムとを含み得る。光吸収測定システムは、試料に光を通過させるように位置決めされた光源と、通過した光を受光するように位置決めされた光センサとを含み得る。光は、約350nm~約400nmの範囲の波長を有し得、例えば、LEDから生じ得る。センサは、光が試料充填センサの内部に出入りすることを可能にする透明部分を備え得る。
【0037】
コンピュータシステムは、光吸収測定システムから吸収データを受信し、それに応じてNOレベルを計算するために、光吸収測定システムと通信し得る。特定の実施形態では、NO2のベースラインレベルを確立するために、複数の光吸収測定システムがオゾン源の前後に位置決めされて使用され得る。
【0038】
本開示のセンサは、光センサに入る前に試料を1回または複数回通過するように光を反射し、そのことにより低濃度のNO2の測定のためにビーム長を増大させるための1つまたは複数のミラーを含み得る。したがって、狭いセンサチャンバ内で低濃度のNO2を検出することができる。
【0039】
様々な実施形態において、一酸化窒素レベルは、以下の式を用いて決定され得る。
C2×(C2N/C1N)-C1 (式1)
式中、C1Nは、オゾン導入前の第1の光吸収測定システムからのNO2レベルであり、C2Nは、オゾン導入前の第2の光吸収測定システムからのNO2レベルであり、C1は、オゾンによる酸化後の第1の光吸収測定システムからのNO2レベルであり、C2は、オゾンによる酸化後の第2の光吸収測定システムからのNO2レベルである。
【0040】
特定の実施形態において、一酸化窒素レベルは、以下の式に従って決定され得る。
CNO=(Ln(Imax/Imin))×Kcal-CNO2 (式2)
式中、CNO2=(Ln(Imax/Iin))×Kcalであり、Iinは、オゾン導入サイクルの開始時に試料を通過した光の初期光強度であり、Iminは、オゾン導入サイクル中に試料を通過した光の最小光強度であり、Imaxは、オゾン導入サイクル中に試料を通過した光の最大光強度であり、Kcalは、較正係数である。
【0041】
上述したように、NOレベルの正確な測定は、多くの用途において、特に不正確な測定が患者の健康に重大な影響を及ぼす可能性がある医療分野において重要である。本開示のシステムおよび方法は、患者呼気を含むNO発生器ならびの他の供給源からの出力ガス中のNO濃度を決定するための正確かつ高速作動式のNOセンサを提供する。好ましい実施形態では、このようなセンサは、
図2に示すように、例えば、排出ガスへのオゾンの導入による、NOのNO
2への酸化に依存する。
【0042】
特に、
図2は、オゾンを発生させるように構成され、任意に電源112を備えるオゾン発生器110と、空気ポンプ120と、内部を流れるNO
2の量を測定するように構成されたNO
2計130と、内部を流れるNO
2の量を測定するように構成されたNO
2計140と、任意選択のNO
2および/またはNOフィルタ150とを備えるセンサ100を示す。オゾン発生器110の注入部は、空気ポンプ120の排出部に結合される。オゾン発生器110の排出部は、NO
2計130の排出部およびNO
2計140の注入部と流体連通している。本明細書で使用される「流体連通」という用語は、流体がその間を流れることができるように、2つの構成要素間に経路が存在することを意味する。流体は、液体、ガスおよび/またはプラズマを含み得る。NOを含有するガス混合物は、混合物中のNO
2の初期量を測定するためにNO
2計130に注入される。次に、空気とO
3との混合物がそのガス混合物に添加され、その後、NO
2計140によって再び測定される。上述したように、O
3はNOをNO
2に変換する。したがって、NO
2計140によって測定されたNO
2の量とNO
2計130によって測定されたNO
2の量との差は、初期混合物中のNOの量を示す。
【0043】
オゾンによるNOの酸化後のNO2濃度を代用してNO濃度を計算するために、ベースラインNO2濃度を確立することができる。これを行うために、NO2濃度は、酸化前に第1のキュベット(例えば、NO2計130)において光学的に測定され、その後、オゾン流混合後に第2のキュベット(例えば、NO2計140)において光学的に測定され得る。
【0044】
NO2濃度の光学的測定のために、例えば、約400nmの波長を有するLEDによって放出された放射光が光学キュベットを通過する。NO2濃度は、観察された光吸収に基づいて次式で計算され得る。
【0045】
I=Io×exp(-K×Cno2) (式3)
式中、Iは吸収後の光強度であり、Ioは吸収なし(ゼロNO2濃度)の光強度であり、Cno2はNO2濃度であり、Kは使用される光の波長および単位に依存する所定の係数であり、キュベット長さに比例する。
【0046】
NO2濃度は、以下の手順によって計算され得る。最初に、装置は、ベース読み取り値を取得することによってゼロ調整され得る。ゼロ調整において、キュベット内のNO2濃度は、一実施形態ではゼロである。ゼロ調整のために、コントローラは、キュベット内のNO2濃度がゼロである間、光センサからの信号を増幅する増幅器からの信号のデジタル読み取り値(Uo)を取得することができる。Uoを使用して、以下の計算が行われる。
N=Ln(Umax/Uo) (式4)
式中、Umaxは最大値であり、Uoはゼロ調整からのデジタル読み取り値である。
【0047】
次に、NO2濃度が次式によって計算され得る。
C=(Ln(Umax/Uav)-N)×Kcal (式5)
式中、Uavは、一定の時間中に得られたADCの実際のデジタル読み取り値の平均であり(時間平均はプログラムメニューに入力され得る)、Kcalは、較正係数である(較正時に調整され得る)。
【0048】
NO2濃度が依然としてゼロであり、UavがUoに等しい場合、NO2読み取り値はゼロである。その他の場合、読み取り値は、キュベット内のNO2濃度に比例し、Kcalを変更することによって実際のNO2濃度に等しくすることができる。NO濃度は、以下のステップに従う第1のキュベットおよび第2のキュベットにおける読み取り値の比較によって計算される。
【0049】
2つのゼロ調整プロセスを完了することができる。一実施形態では、両方のキュベットチャネルが上述のようにゼロ調整される。初期化時に、両方のキュベット内のNO2濃度は、一実施形態ではゼロである。次に、NOとNO2の混合物がシステムに注入される。オゾン容量は依然としてゼロに設定される。次に、両方のキュベット内のNO2濃度が、上記のように測定され、C1NおよびC2Nとしてメモリに保存される。その後、ゼロ調整が終了し、動作モードを開始することができる。動作モードにおいて、センサは、以下の式によってNO濃度を計算することができる。
NO=C2×(C2N/C1N)-C1 (式6)
式中、C2およびC1は、第1のキュベットチャネルおよび第2のキュベットチャネルからの現在のNO2読み取り値である。アルゴリズムは、オゾンによるNO2の酸化の影響を除去するように修正され得る。幸いにも、オゾンとNOとの反応速度は、オゾンとNO2との反応速度よりも速い。283~443Kの温度範囲におけるNO+O3→NO2+O2の速度定数は、H.H.Lippmannらによって1980年8月に公開されている。反応NO+O3→NO2+O2は、220m3の球状ステンレス鋼反応器において、全圧0.1mtorr未満のストップトフロー条件下で研究された。使用した条件下で、反応物の混合時間は、化学反応時間と比較して無視できるものであった。オゾンと大過剰の一酸化窒素との反応による化学発光の擬一次減衰を赤外感受性光電子増倍管で測定した。283~443Kの範囲内の18個の異なる温度における129個の減衰を評価した。アレニウスの式への加重最小二乗適合は、k=(4.3±0.6)×10-12exp[-(1598±50)/T]cm3/molecule・sec(角括弧内の2標準偏差)をもたらした。アレニウスプロットは、実験精度内の曲率を示さなかった。最近の結果との比較は、これらの著者によって提案されているような非線形適合が、拡張された温度範囲にわたってより適切であることを示唆している。
【0050】
温度範囲259~362Kにわたる反応O3+NO2→O2+NO3の速度定数は、Robert E.Huieらによって、1974年8月、「The rate constant for the reaction O3+NO2→O2+NO3 over the temperature range 259-362 °K」において公開されている。オゾンと二酸化窒素との反応の速度定数を、ビームサンプリング質量分析計に結合されたストップトフローシステムを使用して、259~362Kの温度範囲にわたって測定した。データをアレニウスの式に適合させると、以下が得られた。
k=(9.44±2.46)×1010exp[-2509±76)/T]cm3/mol-1・sec-1 (式7)
【0051】
したがって、NO+O3の反応速度は、T=300Kの場合、k=(4.3±0.6)×10-12exp[-1598±50)/T]cm3/molule・sec=2.15×10-14cm3/molule・secであり、NO2+O3の反応速度は、k=(9.44±2.46)×1010exp[-2509±76)/T]cm3/mol-1・sec-1=0.157×10-12exp[-2509±76)/T]=0.0036×10-14cm3/molule・secである。
【0052】
その結果、NOとオゾンとの反応速度はNO
2とオゾンとの反応速度よりも約500倍速く、NOが完全に酸化されたときにのみNO
2が反応し始める。この瞬間を見つけるために、オゾン容量は、
図3のグラフに示されるように調節され得る。
【0053】
オゾン調節サイクルの間(例えば、1分間)、NO濃度は、上記の式によって計算され得る。オゾンレベルは、最初に上昇し、その後、NOの完全な酸化の瞬間およびNO2の酸化の開始の後に低下し始める。このサイクルにおいて計算されたNOの最大濃度は、NO濃度のレベルとして認められる。
【0054】
第2の実施形態では、
図4に示すように、1つの光学キュベットのみが使用される。
図4は、NO
2計130が設けられておらず、NO
2がNO
2計140によってのみ測定されることを除いて、全ての点でセンサ100と同様であるセンサ200を示す。オゾンは、ガスがキュベットに入る前に混合され、分析されるガス流と混合される。オゾン発生器容量は、この実施形態では、先の例とは異なる方法で調節される。オゾン発生器110は、オゾン容量を線形に増加させる代わりに、
図5のパルス210で示されるように、周期的にオンオフにされる。この場合、オゾン濃度上昇は、オゾン発生器110をオンにしてからの時間に基づいて決定される。この場合、測定時間は、第1の実施形態の時間の10分の1まで短縮され得る。この場合の測定アルゴリズムも異なる。オゾン発生器110がオンにされた瞬間に、制御ユニットは、NO
2計140のキュベットを通過した400nmの光強度(I
in)を記録する。その強度は、ガス流中の初期NO
2による吸収に対応する。その後、制御ユニットは、オゾン発生サイクルの動作中に最小強度(I
min)を検出することができる。この強度は、試料中に最初に存在するNO
2およびNO酸化によって生成されるNO
2を含む全NO
2の吸収に対応する。NO
2酸化のために最小強度が上昇し始めた後、制御ユニットは、オゾン発生器動作サイクルの最大強度I
maxを検出することができる。ゼロの吸収強度は、NO
2濃度がゼロである瞬間に対応する。NOおよびNO
2濃度であるC
NOおよびC
NO2は、次のように計算され得る。
C
NO2=(Ln(I
max/I
in)×Kcal、C
NO=(Ln(I
max/I
min)×Kcal-C
NO2 (式8)
式中、I
inはオゾン発生器動作サイクル中の初期光強度であり、I
minはオゾン発生器動作サイクル中の最小光強度であり、I
maxはオゾン発生器動作サイクル中の最大光強度であり、Kcalは較正係数(装置較正中に調整され得る)である。
【0055】
一実施形態では、
図6に示すように、単一のオゾン発生器110が、いくつかの独立したガス流中のNO濃度およびNO
2濃度の測定のために使用され得る。これを行うために、オゾン流は、所望の流量で弁によって方向付けられ、NOおよびNO
2を含有する2つ以上の分析流に混合され得る。この場合の測定アルゴリズムは、第2の実施形態で説明したものと同じになる。特に、
図6は、NO濃度を測定するためのセンサ300を示す。センサ300は、オゾン発生器110と、空気ポンプ120と、一対のNO
2計140と、一対の任意選択のNO
2および/またはNOフィルタ150と、一対の弁310とを備える。一実施形態において、各々の弁310は、センサ100に関連して上述したように、オゾン発生器110の注入部は、空気ポンプ120の排出部に結合される。オゾン発生器110の排出部は、それぞれの弁310を介して各々のNO
2計の注入部と流体連通している。
【0056】
図7Aおよび
図7Bに示す実施形態では、マルチパス光学キュベットが使用される。特に、
図7Aは、マルチパス光学キュベットシステム400の切り取り図であり、
図7Bは、キュベット400の斜視図である。キュベットシステム400は、互いに対向する一対のミラー410と、光源420(任意選択でレーザ)と、レーザ調整システム430と、ビーム入力チャネル440と、ビーム出力チャネル450と、シーリング460と、光センサ470とを備える。レーザビーム480は、ビーム入力チャネル440を通って入り、光センサ470によって測定されるようにビーム出力チャネル450を介して出るまで、ミラー410間で複数回反射される。このようなキュベットは、ppmではなくppb範囲のNO
2およびNOの濃度の測定に有利である。低濃度のNO
2では、光吸収は少なく、信頼できる測定に好都合である測定可能な光強度低下に到達するために、特別に長い光路を必要とする。このような低濃度は、NO治療システムにおける患者へとつながるライン内の許容可能なNO
2濃度の信頼できる測定のために、またはNO診断システムにおける呼気NO濃度の測定のために重要であり得る。平行ミラー410は、光ビームが小さなキュベット内で試料を数回通過して、10メートルを超え得る所望の光路長に達することを可能にする。
例示的なNO分析器の仕様を以下に記載する。
【0057】
実施例#1:
1.
図2のガス分析器100
2.測定ガス混合物の流量:3l/時
3.第1のキュベットおよび第2のキュベットの光路長:5cm
4.LEDの波長:400nm
5.最大オゾン容量:0.2g/時
6.オゾン注入ラインの流量:30l/時
7.NO
2測定範囲:10~10000ppm
8.NO測定範囲:10~10000ppm
【0058】
実施例#2:
1.
図4のガス分析器200
2.測定ガス混合物の流量:4l/時
3.1つのキュベットの光路長:5cm
4.LEDの波長: 400nm
5.最大オゾン容量:0.2g/時
6.オゾン注入ラインの流量:4l/時
7.NO
2測定範囲:10~10000ppm
8.NO測定範囲:10~10000ppm
【0059】
実施例#3:
1.
図6のガス分析器300
2.測定ガス混合物の2つの流れの流量:4l/時
3.1つのキュベットの光路長:5cm
4.別のマルチパス(
図7)キュベットの光路長:5m
5.LEDの波長:400nm
6.最大オゾン容量:0.2g/時
7.オゾン注入ラインの流量:4l/時
8.第1の流れ:
NO
2測定範囲:10~10000ppm
NO測定範囲:10~10000ppm
9.第2の流れ:
NO
2測定範囲:0.1~100ppm
NO測定範囲:0.1~100ppm
【0060】
当業者が、本開示のシステムおよび方法に必要である、または最も適しているとして認めるように、本開示のシステムおよび方法は、バスを介して互いに通信するプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)など)、コンピュータ可読記憶装置(例えば、メインメモリ、スタティックメモリなど)、またはそれらの組み合わせのうちの1つまたは複数を含み得るコンピューティングデバイスを含み得る。コンピューティングデバイスは、モバイルデバイス(例えば、携帯電話)、パーソナルコンピュータ、およびサーバコンピュータを含み得る。様々な実施形態において、コンピューティングデバイスは、ネットワークを介して互いに通信するように構成され得る。
【0061】
コンピューティングデバイスは、弁およびポンプの動作ならびにNOセンサおよびフィルタ関連センサからのセンサデータの処理を含む、本明細書において説明されるシステムを制御するために使用され得る。
【0062】
プロセッサは、Intel(サンタ・クララ、カリフォルニア州)によって商標XEON E7で販売されているプロセッサ、またはAMD(サニーベール、カリフォルニア州)によって商標OPTERON 6200で販売されているプロセッサなど、当技術分野で周知の任意の好適なプロセッサを含み得る。
【0063】
メモリは、好ましくは、本明細書において説明される機能(例えば、本明細書に示される任意の方法または機能を具現化するソフトウェア)をシステムに実行させるように実行可能な命令の1つまたは複数のセット、データ(例えば、メモリストランド内で符号化されるデータ)、またはその両方を記憶することができる少なくとも1つの有形の非一時的な媒体を含む。コンピュータ可読記憶装置は、例示的な実施形態では単一の媒体であり得るが、「コンピュータ可読記憶装置」という用語は、命令またはデータを記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば、集中型もしくは分散型データベース、ならびに/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むと解釈すべきである。したがって、「コンピュータ可読記憶装置」という用語は、限定はしないが、ソリッドステートメモリ(例えば、加入者識別モジュール(SIM)カード、セキュアデジタルカード(SDカード)、マイクロSDカード、またはソリッドステートドライブ(SSD))、光および磁気媒体、ハードドライブ、ディスクドライブ、ならびに任意の他の有形記憶媒体を含むと解釈すべきである。
【0064】
例えば、Amazon Web Services、クラウドストレージ、別のサーバ、または他のコンピュータ可読ストレージなど、任意の好適なサービスをストレージとして使用することができる。クラウドストレージは、データが論理プールに記憶され、物理ストレージが複数のサーバおよび複数の場所にまたがっていてもよいデータ記憶方式を指す場合がある。ストレージは、ホスティング会社によって所有および管理され得る。好ましくは、ストレージは、本明細書において説明される動作を実行およびサポートするために、必要に応じてレコードを記憶するために使用される。
【0065】
本開示に係る入出力装置は、ビデオディスプレイユニット(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)または陰極線管(CRT)モニタ)、英数字入力装置(例えば、キーボード)、カーソル制御装置(例えば、マウスまたはトラックパッド)、ディスクドライブユニット、信号生成装置(例えば、スピーカ)、タッチスクリーン、ボタン、加速度計、マイクロフォン、セルラー無線周波数アンテナ、ネットワークインターフェース装置(例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)、Wi-Fiカード、もしくはセルラーモデムであり得る)、またはそれらの任意の組み合わせのうちの1つまたは複数を含み得る。入出力装置は、所望のNO濃度レベルおよび流量を入力し、センサ読み取り値およびフィルタ交換の必要性に関してユーザに警告するために使用され得る。
【0066】
当業者は、本開示の様々なシステムおよび方法に関して本明細書において説明される操作性を可能にするために、任意の好適な開発環境またはプログラミング言語が採用され得ることを認識するであろう。例えば、本明細書内のシステムおよび方法は、C++、C#、Java(登録商標)、JavaScript、Visual Basic、Ruby on Rails、GroovyおよびGrails、または任意の他の好適なツールを使用して実装され得る。コンピューティングデバイスの場合、ネイティブxCodeまたはAndroid Javaを使用することが好ましい場合がある。
【0067】
明確にするために別々の実施形態の文脈において説明される本発明の特定の特徴は、1つの実施形態において組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするために1つの実施形態の文脈において説明される本発明の様々な特徴は、別々にまたは任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0068】
別段の定めがない限り、本明細書内で使用されている全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されている意味と同じ意味を有するものとする。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法を本発明の実施または試験において使用することができるが、好適な方法が本明細書に記載されている。
【0069】
本明細書内で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、および他の参考文献は、その内容全体が参照により援用されるものとする。矛盾する場合には、定義を含む本特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、限定することを意図するものではない。
【0070】
当業者であれば、本発明は、上記で具体的に示され説明されているものに限定されないことを理解するであろう。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義され、本明細書内で上述したさまざまな特徴の組み合わせおよび部分的組み合わせ、さらに当業者が上記の説明を読めば想起するであろう修正形態および変形形態を含む。
【国際調査報告】