(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】クラッチ装置、車両ステアリングシステム及び車両
(51)【国際特許分類】
B62D 1/16 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B62D1/16
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023536013
(86)(22)【出願日】2021-12-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 CN2021142670
(87)【国際公開番号】W WO2022143806
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011630575.3
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011630591.2
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼▲鵬▼
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DC39
3D030DD02
(57)【要約】
クラッチ装置(1)は、第1伝動部(100)及び第2伝動部(200)であって、第2伝動部(200)が、結合位置と分離位置の間で移動可能であり、結合位置にあるときに第1伝動部(100)と結合されてトルクを伝達し、分離位置にあるときに第1伝動部(100)と分離してトルク伝達を遮断する、第1伝動部(100)及び第2伝動部(200)と、第2伝動部(200)に外嵌されたスリーブ(300)と、駆動装置(430)及びリンク機構(450)を含み、リンク機構(450)が駆動装置(430)及びスリーブ(300)にそれぞれ伝動接続され、駆動装置(430)が、揺動するようにリンク機構(450)を駆動して、スリーブ(300)を介して結合位置と分離位置の間で移動するように第2伝動部(200)を駆動する、駆動機構(400)と、を含む。車両ステアリングシステム及び車両をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1伝動部(100)及び第2伝動部(200)であって、前記第2伝動部(200)は、結合位置と分離位置の間で移動可能であり、前記結合位置にあるときに前記第1伝動部(100)と結合されてトルクを伝達し、前記分離位置にあるときに前記第1伝動部(100)と分離してトルク伝達を遮断する、第1伝動部(100)及び第2伝動部(200)と、
前記第2伝動部(200)に外嵌されたスリーブ(300)と、
駆動装置及びリンク機構を含み、前記リンク機構が前記駆動装置及び前記スリーブ(300)にそれぞれ伝動接続され、前記駆動装置が運動するように前記リンク機構を駆動して、前記スリーブ(300)を介して前記結合位置と前記分離位置の間で移動するように前記第2伝動部(200)を駆動する、駆動機構(400)と、を含む、ことを特徴とするクラッチ装置(1)。
【請求項2】
前記リンク機構と前記スリーブ(300)は、第1ヒンジ点(310)と第2ヒンジ点(410)を有し、前記第1ヒンジ点(310)と前記第2ヒンジ点(410)を結ぶ線は、前記スリーブ(300)の断面の中心を貫通する、ことを特徴とする請求項1に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項3】
前記スリーブ(300)の断面は、環状であり、前記第1ヒンジ点(310)と前記第2ヒンジ点(410)は、前記スリーブ(300)の径方向に対向して設けられる、ことを特徴とする請求項2に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項4】
第3伝動部(500)をさらに含み、前記第2伝動部(200)は、前記第3伝動部(500)に接続され、前記第3伝動部(500)と係合されてトルクを伝達し、かつ前記第3伝動部(500)に対して前記結合位置と前記分離位置の間で移動可能である、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項5】
前記第3伝動部(500)にキャビティ(510)が構成され、前記第2伝動部(200)は、前記キャビティ(510)内に伸び、
前記第3伝動部(500)の内周面と前記第2伝動部(200)の外周面とのうちの一方にスライド溝が設けられ、他方にスライドレールが設けられ、前記スライド溝と前記スライドレールは、いずれも前記第1伝動部及び前記第2伝動部の軸方向に沿って延在し、前記スライドレールは、前記スライド溝に係合される、ことを特徴とする請求項4に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項6】
前記第2伝動部(200)は、
軸部(220)と、
前記第1伝動部(100)に向かう前記軸部(220)の一端に接続された頭部(230)と、を含み、
前記第2伝動部(200)が前記結合位置にあるときに、前記頭部(230)は、前記第1伝動部(100)と結合され、
前記第2伝動部(200)が前記分離位置にあるときに、前記頭部(230)は、前記第1伝動部(100)と分離する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項7】
前記第1伝動部(100)と前記第2伝動部(200)とのうちの一方には、フランジ(110)が構成され、他方には、溝(240)が構成され、前記フランジ(110)の断面と前記溝(240)の断面は、相互に適合する非円形に構成され、
前記第2伝動部(200)が前記結合位置にあるときに、前記フランジ(110)は、前記溝(240)に伸び、
前記第2伝動部(200)が前記分離位置にあるときに、前記フランジ(110)は、前記溝(240)から離れる、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項8】
ハウジング(600)をさらに含み、前記第1伝動部(100)の少なくとも一部、前記第2伝動部(200)の少なくとも一部及び前記スリーブ(300)は、前記ハウジング(600)内に設けられ、前記駆動機構(400)は、前記ハウジング(600)に取り付けられる、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項9】
前記第1伝動部(100)は、第1軸受(610)により前記ハウジング(600)に支持され、
前記第2伝動部(200)は、第2軸受(330)により前記スリーブ(300)に支持され、
前記スリーブ(300)は、第3軸受(320)により前記ハウジング(600)に支持される、ことを特徴とする請求項8に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項10】
弾性部材(700)をさらに含み、前記弾性部材(700)は、前記スリーブ(300)に作用し、かつ前記第2伝動部(200)を常に前記結合位置に押す弾性力を提供する、ことを特徴とする請求項8又は9に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項11】
前記第2伝動部(200)に外嵌され、かつ前記スリーブ(300)内に取り付けられたスプリングシート(340)と、
前記第2伝動部(200)に外嵌され、かつ前記ハウジング(600)内に取り付けられたスプリングスリーブ(620)と、をさらに含み、
前記弾性部材(700)は、前記第2伝動部(200)に外嵌されたスプリングであり、一端が前記スプリングシート(340)に当接し、他端が前記スプリングスリーブ(620)内に当接する、ことを特徴とする請求項10に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項12】
前記リンク機構は、ヒンジ軸(460)により前記スリーブ(300)及び前記スプリングシート(340)にヒンジで接続され、前記ハウジング(600)には、前記ヒンジ軸が貫通する帯状孔(455)が設けられる、ことを特徴とする請求項11に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項13】
前記駆動機構(400)は、
伝動機構(440)をさらに含み、前記駆動装置は、前記伝動機構により前記リンク機構に伝動接続され、前記駆動装置(430)は、前記ハウジング(600)にヒンジで接続され、前記リンク機構(450)は、前記伝動機構(440)、前記ハウジング(600)及び前記スリーブ(300)にそれぞれヒンジで接続される、ことを特徴とする請求項8~12のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項14】
前記リンク機構(450)は、
一端が前記伝動機構にヒンジで接続され、他端が前記スリーブ(300)にヒンジで接続された第1揺動リンク(451)と、
一端が前記伝動機構にヒンジで接続され、他端が前記スリーブ(300)にヒンジで接続された第2揺動リンク(452)と、
一端が前記ハウジング(600)にヒンジで接続され、他端が前記第1揺動リンク(451)及び前記第2揺動リンク(452)にヒンジで接続された縦置きリンク(453)と、を含む、ことを特徴とする請求項13に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項15】
前記伝動機構(440)は、
前記駆動装置(430)に伝動接続された出力ねじ(441)と、
前記出力ねじ(441)に外嵌されるとともに前記出力ねじ(441)に螺合され、前記第1揺動リンク(451)の一端及び前記第2揺動リンク(452)の一端がヒンジで接続された出力ナット(442)と、を含む、ことを特徴とする請求項14に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項16】
前記伝動機構(440)は、
伝動ねじ(443)であって、前記駆動装置(430)がモータであり、前記伝動ねじ(443)が前記モータのモータ軸に伝動接続された、伝動ねじ(443)と、
前記伝動ねじ(443)と噛み合う第1伝動歯車(444)と、
前記第1伝動歯車(444)に接続され、前記第1伝動歯車(444)と共に回転し、前記出力ねじ(441)と噛み合う第2伝動歯車(445)と、をさらに含む、ことを特徴とする請求項15に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項17】
前記第1揺動リンク(451)と前記第2揺動リンク(452)は、それぞれ前記出力ナット(442)の径方向の両側にヒンジで接続され、前記第1揺動リンク(451)のヒンジ軸線と前記第2揺動リンク(452)のヒンジ軸線は、一致し、かつ前記出力ナット(442)の軸方向に垂直である、ことを特徴とする請求項15又は16に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項18】
前記縦置きリンク(453)は、前記第1揺動リンク(451)の両端の間、及び前記第2揺動リンク(452)の両端の間にヒンジで接続され、前記縦置きリンク(453)と前記第1揺動リンク(451)とのヒンジ接続箇所の、前記第1揺動リンク(451)の長さ方向における位置は、前記縦置きリンク(453)と前記第2揺動リンク(452)とのヒンジ接続箇所の、前記第2揺動リンク(452)の長さ方向における位置と一致する、ことを特徴とする請求項14~17のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか一項に記載のクラッチ装置(1)と、
前記第1伝動部(100)と前記第2伝動部(200)のうちの一方に伝動接続されたハンドルと、
前記第1伝動部(100)と前記第2伝動部(200)のうちの他方に伝動接続されたステアリングギアと、を含む、ことを特徴とする車両ステアリングシステム。
【請求項20】
回転角制限装置をさらに含み、前記回転角制限装置は、前記第1伝動部(100)と前記第2伝動部(200)のうちの一方に接続され、前記第2伝動部(200)が前記分離位置にあるときに、前記回転角制限装置は、前記第1伝動部(100)と前記第2伝動部(200)のうちの一方の最大回転角度を限定することにより前記ハンドルの最大回転角度を限定する、ことを特徴とする請求項19に記載の車両ステアリングシステム。
【請求項21】
請求項20に記載の車両ステアリングシステムを含む、ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願番号が202011630575.3及び202011630591.2であり、出願日が2020年12月30日である2つの中国特許出願に基づき、かつそれらの優先権を主張するものであり、それらの全ての内容は参照により本願に組み込まれるものとする。
【0002】
本願は、車両の技術分野に関し、特にクラッチ装置、車両ステアリングシステム及び車両に関する。
【背景技術】
【0003】
関連技術において、車両には、通常、車両の走行方向を制御する車両ステアリングシステムが設けられているが、車両ステアリングシステムは、機能が単一であり、ステアリングトルクを常に伝達する一方で、ステアリングトルクの伝達は遮断できず、車輪とハンドルが常に連動している。車載マルチメディア機能や自動運転機能などといった新しい機能が改善されるなか、車両ステアリングシステムはこうした新しい機能に適合することができなくなっており、適用性やユーザの使用体験を低下させている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決することを目的とする。このため、本願の1つの目的は、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高いクラッチ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、上記クラッチ装置を有する車両ステアリングシステムをさらに提供する。
【0006】
本願は、上記車両ステアリングシステムを有する車両をさらに提供する。
【0007】
上記目的を達成するために、本願の実施例は、クラッチ装置を提供し、前記クラッチ装置は、第1伝動部及び第2伝動部であって、前記第2伝動部は、結合位置と分離位置の間で移動可能であり、前記結合位置にあるときに前記第1伝動部と結合されてトルクを伝達し、前記分離位置にあるときに前記第1伝動部と分離してトルク伝達を遮断する、第1伝動部及び第2伝動部と、前記第2伝動部に外嵌されたスリーブと、駆動装置及びリンク機構を含み、前記リンク機構が前記駆動装置及び前記スリーブにそれぞれ伝動接続され、前記駆動装置が運動するように前記リンク機構を駆動して、前記スリーブを介して前記結合位置と前記分離位置の間で移動するように前記第2伝動部を駆動する、駆動機構と、を含む。
【0008】
本願の実施例に係るクラッチ装置において、駆動機構は、駆動装置及びリンク機構を含み、リンク機構は駆動装置及びスリーブにそれぞれ伝動接続され、駆動装置が、揺動するようにリンク機構を駆動して、スリーブを介して結合位置と分離位置の間で移動するように第2伝動部を駆動する。このようにして、駆動装置により第2伝動部の移動を実現することができ、さらには、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現することができる。
【0009】
リンク機構を設けることにより、駆動装置と第2伝動部との間の駆動力の伝達が実現されるとともに、リンク機構により、第2伝動部の移動を駆動する力を増加させることができるため、駆動装置から出力される駆動力への要求を低下させることにより、駆動装置のコストを低減することができる。そして、リンク機構は、第2伝動部の運動ストロークを拡大することができ、駆動装置と第2伝動部との間の駆動力の遠距離伝達を実現することができ、第2伝動部、スリーブ及び駆動機構の配置の自由度を向上させる。
【0010】
本願の実施例に係るクラッチ装置は、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高い。
【0011】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記リンク機構と前記スリーブは、第1ヒンジ点と第2ヒンジ点を有し、前記第1ヒンジ点と前記第2ヒンジ点を結ぶ線は、前記スリーブの断面の中心を貫通する。
【0012】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記スリーブの断面は、環状であり、前記第1ヒンジ点と前記第2ヒンジ点は、前記スリーブの径方向に対向して設けられる。
【0013】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記クラッチ装置は、第3伝動部をさらに含み、前記第2伝動部は、前記第3伝動部に接続され、前記第3伝動部と係合されてトルクを伝達し、かつ前記第3伝動部に対して前記結合位置と前記分離位置の間で移動可能である。
【0014】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記第3伝動部にキャビティが構成され、前記第2伝動部は、前記キャビティ内に伸び、前記第3伝動部の内周面と前記第2伝動部の外周面とのうちの一方にスライド溝が設けられ、他方にスライドレールが設けられ、前記スライド溝と前記スライドレールは、いずれも前記第1伝動部及び前記第2伝動部の軸方向に沿って延在し、前記スライドレールは、前記スライド溝に係合される。
【0015】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記第2伝動部は、軸部と、前記第1伝動部に向かう前記軸部の一端に接続された頭部と、を含み、前記第2伝動部が前記結合位置にあるときに、前記頭部は、前記第1伝動部と結合され、前記第2伝動部が前記分離位置にあるときに、前記頭部は、前記第1伝動部と分離する。
【0016】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記第1伝動部と前記第2伝動部とのうちの一方には、フランジが構成され、他方には、溝が構成され、前記フランジの断面と前記溝の断面は、相互に適合する非円形に構成され、前記第2伝動部が前記結合位置にあるときに、前記フランジは、前記溝に伸び、前記第2伝動部が前記分離位置にあるときに、前記フランジは、前記溝から離れる。
【0017】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記クラッチ装置は、ハウジングをさらに含み、前記第1伝動部の少なくとも一部、前記第2伝動部の少なくとも一部及び前記スリーブは、前記ハウジング内に設けられ、前記駆動機構は、前記ハウジングに取り付けられる。
【0018】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記第1伝動部は、第1軸受により前記ハウジングに支持され、前記第2伝動部は、第2軸受により前記スリーブに支持され、前記スリーブは、第3軸受により前記ハウジングに支持される。
【0019】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記クラッチ装置は、弾性部材をさらに含み、前記弾性部材は、前記スリーブに作用し、かつ前記第2伝動部を常に前記結合位置に押す弾性力を提供する。
【0020】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記クラッチ装置は、前記第2伝動部に外嵌され、かつ前記スリーブ内に取り付けられたスプリングシートと、前記第2伝動部に外嵌され、かつ前記ハウジング内に取り付けられたスプリングスリーブと、をさらに含み、前記弾性部材は、前記第2伝動部に外嵌されたスプリングであり、一端が前記スプリングシートに当接し、他端が前記スプリングスリーブ内に当接する。
【0021】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記リンク機構は、ヒンジ軸により前記スリーブ及び前記スプリングシートにヒンジで接続され、前記ハウジングには、前記ヒンジ軸が貫通する帯状孔が設けられる。
【0022】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記駆動機構は、伝動機構を含み、前記駆動装置は、前記伝動機構により前記リンク機構に伝動接続され、前記駆動装置は、前記ハウジングにヒンジで接続され、前記リンク機構は、前記伝動機構、前記ハウジング及び前記スリーブにそれぞれヒンジで接続される。
【0023】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記リンク機構は、一端が前記伝動機構にヒンジで接続され、他端が前記スリーブにヒンジで接続された第1揺動リンクと、一端が前記伝動機構にヒンジで接続され、他端が前記スリーブにヒンジで接続された第2揺動リンクと、一端が前記ハウジングにヒンジで接続され、他端が前記第1揺動リンク及び前記第2揺動リンクにヒンジで接続された縦置きリンクと、を含む。
【0024】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記伝動機構は、前記駆動装置に伝動接続された出力ねじと、前記出力ねじに外嵌されるとともに前記出力ねじに螺合され、前記第1揺動リンクの一端及び前記第2揺動リンクの一端がヒンジで接続された出力ナットと、を含む。
【0025】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記伝動機構は、伝動ねじであって、前記駆動装置がモータであり、前記伝動ねじが前記モータのモータ軸に伝動接続された、伝動ねじと、前記伝動ねじと噛み合う第1伝動歯車と、前記第1伝動歯車に接続され、前記第1伝動歯車と共に回転し、前記出力ねじと噛み合う第2伝動歯車と、をさらに含む。
【0026】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記第1揺動リンクと前記第2揺動リンクは、それぞれ前記出力ナットの径方向の両側にヒンジで接続され、前記第1揺動リンクのヒンジ軸線と前記第2揺動リンクのヒンジ軸線は、一致し、かつ前記出力ナットの軸方向に垂直である。
【0027】
本願のいくつかの具体的な実施例において、前記縦置きリンクは、前記第1揺動リンクの両端の間、及び前記第2揺動リンクの両端の間にヒンジで接続され、前記縦置きリンクと前記第1揺動リンクとのヒンジ接続箇所の、前記第1揺動リンクの長さ方向における位置は、前記縦置きリンクと前記第2揺動リンクとのヒンジ接続箇所の、前記第2揺動リンクの長さ方向における位置と一致する。
【0028】
本願の実施例に係る車両ステアリングシステムは、本願の上記いずれか一実施例に記載のクラッチ装置と、前記第1伝動部と前記第2伝動部のうちの一方に伝動接続されたハンドルと、前記第1伝動部と前記第2伝動部のうちの他方に伝動接続されたステアリングギアと、を含む。
【0029】
本願の実施例に係る車両ステアリングシステムは、本願の上記いずれか一実施例に記載のクラッチ装置を利用するため、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高い。
【0030】
本願のいくつかの実施例において、車両ステアリングシステムは、回転角制限装置をさらに含み、前記回転角制限装置は、前記第1伝動部と前記第2伝動部のうちの一方に接続され、前記第2伝動部が前記分離位置にあるときに、前記回転角制限装置は、前記第1伝動部と前記第2伝動部のうちの一方の最大回転角度を限定することにより前記ハンドルの最大回転角度を限定する。
【0031】
本願のいくつかの実施例において、車両ステアリングシステムは、回転角制限装置をさらに含み、前記回転角制限装置は、前記第1伝動部と前記第2伝動部のうちの一方に接続され、前記第2伝動部が前記分離位置にあるときに、前記回転角制限装置は、前記第1伝動部と前記第2伝動部のうちの一方の最大回転角度を限定することにより前記ハンドルの最大回転角度を限定する。
【0032】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記いずれか一実施例に記載の車両ステアリングシステムを含む。
【発明の効果】
【0033】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記いずれか一実施例に記載の車両ステアリングシステムを利用するため、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高い。
【0034】
本願の追加の態様及び利点については、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか又は本願の実施により理解される。
【0035】
本願の上記及び/又は追加の様態及び利点は、以下の図面を参照して実施例を説明することにより、明らかになり、理解されやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本願の実施例に係るクラッチ装置の概略構成図である。
【
図2】本願の実施例に係るクラッチ装置の別の視点から見た概略構成図である。
【
図3】本願の実施例に係るクラッチ装置の断面図であり、第2伝動部が結合位置にある。
【
図4】本願の実施例に係るクラッチ装置の断面図であり、第2伝動部が分離位置にある。
【
図5】本願の実施例に係るクラッチ装置の概略構成図であり、第2伝動部が分離位置にある。
【
図6】本願の実施例に係るクラッチ装置の概略構成図であり、第2伝動部が結合位置にある。
【
図7】本願の実施例に係るクラッチ装置の別の視点から見た断面図であり、第2伝動部が結合位置にある。
【
図8】本願の実施例に係るクラッチ装置の別の視点から見た断面図であり、第2伝動部が分離位置にある。
【
図9】本願の実施例に係るクラッチ装置の第1伝動部及び第2伝動部の概略構成図である。
【
図10】本願の実施例に係るクラッチ装置の伝動機構の概略構成図である。
【
図11】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の断面図である。
【
図12】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の別の断面図である。
【
図13】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の固定部材の概略構成図である。
【
図14】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の螺旋溝と第1ストッパ構造の概略構成図である。
【
図15】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の可動部材の概略構成図である。
【
図16】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の可動部材及び固定部材の組み立て概略図である。
【
図17】本願の実施例に係る車両ステアリングシステムの回転角制限装置の固定部材の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものとして理解すべきではない。
【0038】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成されて動作しなければならないことを示すか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解してはならない。
【0039】
本願の説明において、「複数」とは、2つ以上を意味し、「いくつか」とは、1つ以上を意味する。
【0040】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係るクラッチ装置1を説明する。
【0041】
図1~
図10に示すように、クラッチ装置1は、第1伝動部100、第2伝動部200、スリーブ300及び駆動機構400を含む。
【0042】
第1伝動部100及び第2伝動部200は、軸状構造に構成されてもよく、第2伝動部200は、結合位置と分離位置の間で移動可能であり、上記結合位置にあるときに第1伝動部100と結合されてトルクを伝達し、上記分離位置にあるときに第1伝動部100と分離してトルク伝達を遮断する。スリーブ300は、第2伝動部200に外嵌される。駆動機構400は、駆動装置430及びリンク機構450を含み、リンク機構450は駆動装置430及びスリーブ300にそれぞれ伝動接続され、駆動装置430が、揺動するようにリンク機構450を駆動して、スリーブ300を介して上記結合位置と上記分離位置の間で移動するように第2伝動部200を駆動する。
【0043】
例えば、スリーブ300と第2伝動部200は、第2伝動部200の軸方向に沿って同期運動することができ、かつ第2伝動部200の周方向に沿って相対的に回転することができる。即ち、スリーブ300と第2伝動部200は、第2伝動部200の軸方向に沿って同期運動することができ、かつ第2伝動部200の周方向に沿って相対的に回転することができる。
【0044】
本願の実施例に係るクラッチ装置1は、第2伝動部200を、結合位置と分離位置の間で移動可能にすることにより、第2伝動部200は、上記結合位置にあるときに第1伝動部100と結合されてトルクを伝達し、上記分離位置にあるときに第1伝動部100と分離してトルク伝達を遮断する。即ち、
図3及び
図7に示すように、第1伝動部100と第2伝動部200が上記結合位置にあるときに、第1伝動部100と第2伝動部200との同期回転を実現することができ、第1伝動部100と第2伝動部200が上記分離位置にあるときに、第1伝動部100と第2伝動部200の個別の回転を実現することができ、換言すれば、
図4及び
図8に示すように、第1伝動部100が回転するときに、第2伝動部200は、回転してもよく、回転しなくてもよく、同様に、第2伝動部200が回転するときに、第1伝動部100は、回転してもよく、回転しなくてもよい。
【0045】
例えば、クラッチ装置1が車両ステアリングシステムに適用される例では、第2伝動部200が結合位置にあるときに、車両ステアリングシステムは、運転者がハンドルを操縦するトルクをステアリングギアに正常に伝達することができる。
【0046】
第2伝動部200が分離位置にあるときに、ハンドルとステアリングギアとの接続は切断される。このときにハンドルを回転させると、ステアリングギアはハンドルと共に運動するよう駆動されないが、ハンドルは引き続き、正常に動作するようにコンビネーションスイッチ、クロックスプリング、角度センサなどの部材を駆動することができる。この状態でのハンドルは、車両運転のシミュレーターとして使用して、車載機器又は外部機器にハンドル回転角信号を出力することができる。例えば、このときにハンドルを車載マルチメディアのコントローラとして使用して、カーレースゲームなどをすることができる。そして、このときのステアリングギアの運動も、それと共に運動するようにハンドルを駆動することはない。例えば、車両が遠隔運転状態又は自動運転状態にあるときに、ステアリングギアはその運動によって車両を制御してステアリングするが、ハンドルはステアリングギアと共に回転しなくてもよい。これにより、運転者の安全と乗り心地を保証している。
【0047】
また、スリーブ300は、第2伝動部200に外嵌され、駆動機構400は、駆動装置430及びリンク機構450を含み、リンク機構450は駆動装置430及びスリーブ300にそれぞれ伝動接続され、駆動装置430は、運動するようにリンク機構450を駆動する。例えば、駆動装置430は、揺動するようにリンク機構450を駆動し、スリーブ300を介して結合位置と分離位置の間で移動するように第2伝動部200を駆動する。このようにして、駆動装置430により第2伝動部200の移動を実現することができ、さらには、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現することができる。
【0048】
また、リンク機構450を設けることにより、駆動装置430と第2伝動部200との間の駆動力の伝達が実現されるとともに、リンク機構450により、第2伝動部200の移動を駆動する力を増加させることができるため、駆動装置430から出力される駆動力への要求を低下させることにより、駆動装置430のコストを低減することができる。そして、リンク機構450は、第2伝動部200の運動ストロークを拡大することができ、駆動装置430と第2伝動部200との間の駆動力の遠距離伝達を実現することができ、リンク機構450の力伝達方向の多様性を利用して、所定の経路に沿って移動するようにスリーブ300と第2伝動部200を駆動するとともに、駆動装置430の位置への要求を低下させ、駆動装置430の配置の自由度を向上させることができる。
【0049】
スリーブ300を設けることにより、スリーブ300と第2伝動部200が第2伝動部200の軸方向に沿って同期移動することを実現することができるだけでなく、駆動装置430と第2伝動部200が第2伝動部200の周方向に沿って同じように回転することを実現することができるため、スリーブ300により第2伝動部200の軸方向における移動を駆動することができるだけでなく、第2伝動部200の回転がスリーブ300の影響を受けないようにすることができる。
【0050】
このように、本願の実施例に係るクラッチ装置1は、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高い。
【0051】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図3及び
図4に示すように、リンク機構450とスリーブ300は、第1ヒンジ点310と第2ヒンジ点410を有し、第1ヒンジ点310と第2ヒンジ点410を結ぶ線は、スリーブ300の断面の中心を貫通する。こうすることで、第1ヒンジ点310とスリーブ300の間のモーメントアームと、第2ヒンジ点410とスリーブ300の間のモーメントアームとが同一の直線上に位置するようになる。即ち、クラッチ装置1全体のトルクは、その中心軸線に関して対称であってもよく、これによりスリーブ300の転倒トルクの除去に有利となり、スリーブ300がその延在方向に沿って運動することが保証され、第2伝動部200の運動のなめらかさが向上し、第2伝動部200が運動するときに働かなくなるという状況が回避される。
【0052】
なお、スリーブ300の断面とは、スリーブ300の軸方向に垂直な断面を指す。
【0053】
例えば、スリーブ300のある断面が位置する平面は、第1ヒンジ点310と第2ヒンジ点410の両方を通過し、第1ヒンジ点310と第2ヒンジ点410を結ぶ線は、当該断面の中心を貫通し、かつ第1ヒンジ点310から当該断面の中心までの距離と、第2ヒンジ点410から当該断面の中心までの距離とは、同じであってもよい。
【0054】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図1及び
図2に示すように、スリーブ300の断面は、環状、例えば、円環状である。第1ヒンジ点310と第2ヒンジ点410は、スリーブ300の径方向に対向して設けられる。こうすることで、スリーブ300の形状が規則的となり、製造加工及び着脱交換が容易となる。そして、このとき、スリーブ300全体にかかる力が均一となるため、応力が集中することを回避できる一方で、第2伝動部200の運動のスムーズさがさらに保証される。当然のことながら、スリーブ300の断面の形状はこれに限定されず、例えば、四角形などの形状であってもよいことを理解されたい。
【0055】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図3~
図4、
図7及び
図8に示すように、クラッチ装置1は、第3伝動部500をさらに含む。
【0056】
第3伝動部500は、軸状構造に構成されてもよく、第2伝動部200は、第3伝動部500に接続され、第3伝動部500と係合されてトルクを伝達し、即ち、第2伝動部200と第3伝動部500とは、同期回転してトルクを伝達することができ、第2伝動部200は、第3伝動部500に対して結合位置と分離位置の間で移動可能である(即ち、軸方向に移動可能である)。第3伝動部500は、ハンドルに固定されてもよい。
【0057】
これにより、第2伝動部200と第3伝動部500との同期回転を実現することができる。即ち、第2伝動部200と第3伝動部500とのトルク伝達を実現することができるだけでなく、第2伝動部200の軸方向(第3伝動部500の軸方向)における、第2伝動部200と第3伝動部500の単独運動を実現することができる。即ち、第2伝動部200がその軸方向に沿って移動するときに第3伝動部500が移動しないようにできるため、第2伝動部200が結合状態と分離状態の間で切り替え可能であるときに、ハンドルは、第3伝動部500と同期して回転し続けることができ、第3伝動部500の軸方向におけるハンドルの位置の安定が保証され、ハンドルを利用してステアリングトルクを入力することができ、第2伝動部200が軸方向でどのように移動しても、第3伝動部500は、この移動を除去することができるため、ハンドルを含めて軸方向に移動することがない。
【0058】
本願のいくつかの実施例において、第3伝動部500にキャビティ510が構成され、第2伝動部200は、キャビティ510内に伸び、第3伝動部500の内周面と第2伝動部200の外周面とのうちの一方にスライド溝が設けられ、他方にスライドレールが設けられ、スライド溝とスライドレールは、いずれも第1伝動部100及び第2伝動部200の軸方向に沿って延在し、スライド溝は、スライドレールに係合される。スライド溝とスライドレールは、互いに係合するスプラインであってもよい。第1伝動部100の軸方向、第2伝動部200の軸方向及び第3伝動部500は、互いに平行であってもよい。こうすることで、第2伝動部200と第3伝動部500とのトルク伝達を実現することができるだけでなく、第2伝動部200と第3伝動部500を軸方向に相対移動させることができ、加工しやすく、プロセスの難易度が低くなる。
【0059】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図9に示すように、第2伝動部200は、軸部220と頭部230を含む。頭部230は、第1伝動部100に向かう軸部220の一端に接続され、例えば、頭部230と軸部220は、溶接されて固定されてもよく、第2伝動部200が上記結合位置にあるときに、頭部230は、第1伝動部100と結合され、第2伝動部200が上記分離位置にあるときに、頭部230は、第1伝動部100と分離する。
【0060】
例えば、頭部230の断面積は、軸部220の断面積よりも大きくてもよい。このようにして、第2伝動部200が結合位置にあるときに、頭部230を設けることにより、第2伝動部200と第1伝動部100とのトルク伝達の安定性が向上する。そして、軸部220を設けることにより、第2伝動部200の製造コストを低減でき、第2伝動部200に必要な取付空間を減少させることができ、クラッチ装置1の小型化に有利となる。
【0061】
本願のいくつかの実施例において、第1伝動部100と第2伝動部200とのうちの一方には、フランジ110が構成され、他方には、溝240が構成され、フランジ110の断面と溝240の断面は、相互に適合する非円形に構成され、例えば、フランジ110は、第1伝動部100に向かう頭部230の端面に形成され、溝240は、頭部230に向かう第1伝動部100の端面に形成され、フランジ110の断面と溝240の断面は、十字形、矩形、くさび形、円弧形、インボリュート曲線又は他の曲線形態に構成されてもよい。
【0062】
第2伝動部200が上記結合位置にあるときに、フランジ110は、溝240に伸び、第2伝動部200が上記分離位置にあるときに、フランジ110は、溝240から離れる。このようにして、第1伝動部100と第2伝動部200が結合状態にあるときに、第1伝動部100と第2伝動部200が安定して接続されるようになり、トルクの安定した伝達が容易となる。
【0063】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図3~
図4、
図7~
図8に示すように、クラッチ装置1は、ハウジング600をさらに含み、第1伝動部100の少なくとも一部、第2伝動部200の少なくとも一部及びスリーブ300は、ハウジング600内に設けられ、例えば、第1伝動部100の一部、第2伝動部200、スリーブ300、第3伝動部500の一部は、いずれもハウジング600内に設けられてもよい。駆動機構400は、ハウジング600外に取り付けられる。
【0064】
ハウジング600を設けることにより、駆動機構400に取付位置を提供する一方で、第1伝動部100及び第2伝動部200が外部と直接接触する面積を減少させ、第1伝動部100及び第2伝動部200が損傷する確率を低下させることができる。
【0065】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図3~
図4、
図7~
図8に示すように、第1伝動部100は、第1軸受610によりハウジング600に支持され、第2伝動部200は、第2軸受330によりスリーブ300に支持され、スリーブ300は、第3軸受320によりハウジング600に支持され、第2伝動部200から離れた第3伝動部500の一端は、第4軸受520によりハウジング600内に支持される。
【0066】
例えば、第3軸受320は、スリーブ300とハウジング600の間の滑り摩擦を低減するために、滑り軸受であってもよい。こうすることで、第1伝動部100とハウジング600が安定して接続されるとともに、相対的な回転が容易となり、スリーブ300と第2伝動部200が安定して接続されるとともに、相対的な回転が容易となり、スリーブ300とハウジング600が安定して接続されるとともに、相対的な移動が容易となり、第3伝動部500とハウジング600が安定して接続されるとともに、相対的な回転が容易となる。
【0067】
本願のいくつかの実施例において、スリーブ300の内周面と第2伝動部200の外周面には、段差などの構造が構成されることにより、クラッチ装置1の軸方向におけるスリーブ300、第2伝動部200及び第2軸受330の相対的な位置を限定し、スリーブ300と第2伝動部200がクラッチ装置1の軸方向に沿って同時に移動できるよう保証している。
【0068】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図3~
図4、
図7~
図8に示すように、クラッチ装置1は、弾性部材700をさらに含み、弾性部材700は、スリーブ300に作用し、かつ第2伝動部200を常に上記結合位置に押す弾性力を提供する。このようにして、第2伝動部200を上記結合位置に移動させる推力を増加させることにより、第2伝動部200の上記結合位置への移動のなめらかさを向上させる一方で、第2伝動部200が上記結合位置にあるときに、第1伝動部100と第2伝動部200は、より密着に接触し、安定して接続されるようになり、エネルギーを消費することなく、係合隙間がさらに減少する。
【0069】
本願のいくつかの実施例において、クラッチ装置1は、スプリングシート340とスプリングスリーブ620をさらに含む。スプリングシート340は、第2伝動部200に外嵌され、かつスリーブ300内に取り付けられ、スプリングスリーブ620は、第2伝動部200に外嵌され、かつハウジング600内に取り付けられ、弾性部材700は、第2伝動部200に外嵌されたスプリングであり、一端がスプリングシート340に当接し、他端がスプリングスリーブ620内に当接する。例えば、スプリングシート340の中心軸線、スプリングスリーブ620の中心軸線、弾性部材700の中心軸線及び第2伝動部200の中心軸線は、一致してもよい。
【0070】
これにより、弾性部材700が第2伝動部200を常に上記結合位置に押す弾性力を提供することが実現しやすくなる一方で、第2伝動部200全体のトルクが、その中心軸線に関して対称となるように保持することができ、さらには、第2伝動部200の運動方向とその延在方向との一致を保証することに有利となり、これにより第2伝動部200の運動のスムーズさを保証している。また、スプリングシート340とスプリングスリーブ620を設けることにより、弾性部材700の弾性力がスリーブ300とハウジング600に伝達されるよう保証されるだけでなく、弾性部材700の位置が安定するようになる。
【0071】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図2及び
図5に示すように、リンク機構450は、ヒンジ軸460によりスリーブ300及びスプリングシート340にヒンジで接続され、ハウジング600には、ヒンジ軸460が貫通する帯状孔455が設けられており、このようにすることで、ヒンジ軸460の取付が容易になる。
【0072】
こうすることで、リンク機構450とスリーブ300及びスプリングシート340とが安定して接続されるようになり、リンク機構450が、スリーブ300及びスプリングシート340に対して揺動しやすくなる。また、ヒンジ軸460によりスプリングシート340とスリーブ300との相対的な位置を固定することができ、このようにヒンジ軸460を利用してスプリングシート340とスリーブ300の両方の軸方向における位置を固定することにより、弾性部材700の弾性力が、より確実かつ正確にスリーブ300に作用する。また、帯状孔455を設けることにより、ヒンジ軸460が、ハウジング600を貫通してスリーブ300にヒンジで接続されやすくなるだけでなく、ヒンジ軸460は、帯状孔455の長さ方向に沿って移動することができるため、第2伝動部200の移動が駆動されたときにヒンジ軸460が移動することができる。
【0073】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図5~
図7に示すように、駆動機構400は、伝動機構440をさらに含む。駆動装置430は、ハウジング600にヒンジで接続され、伝動機構440によりリンク機構450に伝動接続され、リンク機構450は、伝動機構440、ハウジング600及びスリーブ300にそれぞれヒンジで接続される。
【0074】
このようにして、駆動機構400は、伝動機構440を用いて駆動装置430の駆動力をリンク機構450に伝達するため、駆動力の伝達が安定し、かつ駆動力が伝動機構440に作用した後、伝動機構440から出力される力の方向は、駆動装置430の駆動力の方向と異なってもよいため、伝動機構440から出力される力の方向は、リンク機構450の移動の要求をより満たすことができ、駆動機構400の配置の自由度が向上する。
【0075】
本願のいくつかの実施例において、リンク機構450は、第1揺動リンク451、第2揺動リンク452及び縦置きリンク453を含む。第1揺動リンク451は、一端が伝動機構440にヒンジで接続され、他端がスリーブ300にヒンジで接続される。第2揺動リンク452は、一端が伝動機構440にヒンジで接続され、他端がスリーブ300にヒンジで接続される。縦置きリンク453は、一端がハウジング600にヒンジで接続され、他端が第1揺動リンク451及び第2揺動リンク452にヒンジで接続される。
【0076】
例えば、第1揺動リンク451と第2揺動リンク452は、スリーブ300の対向する両側に位置してもよい。各揺動リンクの縦置きリンク453との接続位置から当該揺動リンクのスリーブ300とのヒンジ接続位置までの距離は、各揺動リンクの縦置きリンク453との接続位置から当該揺動リンクの伝動機構440とのヒンジ接続位置までの距離よりも短くてよい。
【0077】
2つの揺動リンクを設けてスリーブ300に作用させると、スリーブ300全体にかかる力がより均一になり、さらにスリーブ300の運動の安定性が向上する。また、縦置きリンク453を設けることにより、第1揺動リンク451と第2揺動リンク452との同期運動に有利となり、第1揺動リンク451の両端と第2揺動リンク452の両端は、縦置きリンク453を支点として揺動することができ、各揺動リンクは、いずれも、リンク機構450のスリーブ300に作用する力が駆動装置430の駆動力よりも大きくなるように、「シーソー」に類似する構造に形成してもよい。また、リンク機構450を設けることにより、駆動装置430をスリーブ300に直接接続する必要がなくなり、クラッチ装置1の軸方向に沿った駆動機構400全体の体積の減少に有利となる。
【0078】
本願のいくつかの実施例において、伝動機構440は、出力ねじ441と出力ナット442を含み、出力ねじ441は、駆動装置430に伝動接続され、出力ナット442は、出力ねじ441に外嵌されるとともに出力ねじ441に螺合され、第1揺動リンク451の一端及び第2揺動リンク452の一端が出力ナット442にヒンジで接続される。
【0079】
例えば、駆動装置430は、回転運動するように出力ねじ441を駆動することができる。出力ねじ441は出力ナット442に螺合されるため、出力ねじ441が回転するときに、出力ナット442は、出力ねじ441の軸方向に沿って移動し、このときに、出力ナット442は、揺動するように2つの揺動リンクを駆動し、さらにクラッチ装置1の軸方向に沿って運動するようにスリーブ300及び第2伝動部200を駆動して、駆動装置430の回転を第2伝動部200の直線往復運動に変換することを実現する。
【0080】
図10に示すように、伝動機構440は、伝動ねじ443、第1伝動歯車444及び第2伝動歯車445をさらに含む。駆動装置430は、モータであり、伝動ねじ443は、モータのモータ軸に伝動接続され、モータのモータ軸の回転方向(即ち、正方向回転と逆方向回転)によって、クラッチ装置1の軸方向に沿ったスリーブ300の移動方向を制御することができる。第1伝動歯車444は、伝動ねじ443と噛み合い、第2伝動歯車445は、第1伝動歯車444に接続され、第1伝動歯車444と共に回転し、出力ねじ441と噛み合う。
【0081】
例えば、第1伝動歯車444と第2伝動歯車445は、同軸で回転してもよく、例えば、第1伝動歯車444と第2伝動歯車445は、一体成形されてもよく、第1伝動歯車444の中心軸線と第2伝動歯車445の中心軸線は、一致していてもよく、第1伝動歯車444の直径と第2伝動歯車445の直径は、異なっていてもよく、第1伝動歯車444のタイプと第2伝動歯車445のタイプは、はすば歯車であってもよい。
【0082】
このように、第1伝動歯車444と第2伝動歯車445により伝達された後、駆動装置430から出力された駆動回転速度及び駆動トルクは、出力ねじ441の受けた回転速度及びトルクと異なり、例えば、出力ねじ441の回転速度は、駆動装置430から出力された駆動回転速度よりも低くてもよく、出力ねじ441のトルクは、駆動装置430から出力された駆動トルクよりも高くてもよく、このときのリンク機構450の運動速度は遅くなり、受ける駆動力は高くなるため、リンク機構450の運動の安定性の向上に有利となる。
【0083】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図2、
図5及び
図6に示すように、第1揺動リンク451と第2揺動リンク452は、それぞれ出力ナット442の径方向の両側にヒンジで接続され、第1揺動リンク451のヒンジ軸線と第2揺動リンク452のヒンジ軸線は、一致し、かつ出力ナット442の軸方向に垂直である。
【0084】
第1揺動リンク451と出力ナット442の間のモーメントアームと、第2揺動リンク452と出力ナット442の間のモーメントアームとは、同一の直線上にあってもよく、この直線は、出力ナット442の軸方向に垂直である。こうすることで、出力ナット442が、第1揺動リンク451と第2揺動リンク452との揺動を駆動したときに、第1揺動リンク451と第2揺動リンク452が出力ナット442から受けるトルクが同じとなるため、第1揺動リンク451と第2揺動リンク452が同期運動し、相対的な位置が安定するよう保証される。
【0085】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図5及び
図6に示すように、縦置きリンク453は、第1揺動リンク451の両端の間、及び第2揺動リンク452の両端の間にヒンジで接続され、縦置きリンク453と第1揺動リンク451とのヒンジ接続箇所の、第1揺動リンク451の長さ方向における位置は、縦置きリンク453と第2揺動リンク452とのヒンジ接続箇所の、第2揺動リンク452の長さ方向における位置と一致する。
【0086】
こうすることで、第1揺動リンク451の運動振幅と第2揺動リンク452の運動振幅が同じとなり、スリーブ300の運動方向がその軸方向と一致しやすくなり、クラッチ装置1の運動のスムーズさが向上する。そして、各揺動リンクは、いずれも「シーソー」構造に形成しやすい。
【0087】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る車両ステアリングシステムを説明する。上記車両ステアリングシステムは、クラッチ装置1、ハンドル及びステアリングギアを含む。
【0088】
ハンドルは、第1伝動部100と第2伝動部200のうちの一方に伝動接続され、ステアリングギアは、第1伝動部100と第2伝動部200のうちの他方に伝動接続される。例えば、ハンドルは、第3伝動部500により第2伝動部200に伝動接続されて、トルク伝達を実現し、ステアリングギアは、第1伝動部100に伝動接続されて、トルク伝達を実現する。
【0089】
本願に係る車両ステアリングシステムは、本願の上記実施例に係るクラッチ装置1を利用するため、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高い。
【0090】
本願のいくつかの実施例において、車両ステアリングシステムは、回転角制限装置30100をさらに含み、回転角制限装置は、第1伝動部100と第2伝動部200のうちの一方に接続され、第2伝動部200が分離位置にあるときに、回転角制限装置30100は、第1伝動部100と第2伝動部200のうちの一方の最大回転角度を限定することによりハンドルの最大回転角度を限定する。
【0091】
例えば、第1伝動部100が車輪などのステアリングギアに接続され、第2伝動部200がハンドルに接続され、第2伝動部200は、結合位置と分離位置の間で移動可能であり、結合位置にあるときに第1伝動部100と結合され、ハンドルのステアリングトルクを車輪に伝達して、車輪とハンドルの連動回転を実現し、例えば、ハンドルが左側に回転するときに車輪が左に回転し、ハンドルが右側に回転するときに車輪が右に回転する。第2伝動部200は、分離位置にあるときに第1伝動部100と分離し、ハンドルのステアリングトルクが車輪に伝達されるのを遮断することで、車輪とハンドルの個別の回転を実現する。例えば、車輪が左に回転するときにハンドルが回転しなくてもよく、ハンドルが左に回転するときに車輪が回転しなくてもよい。
【0092】
また、回転角制限装置30100は、第2伝動部200に接続され、第2伝動部200が分離位置にあるときに、回転角制限装置30100は、第2伝動部200の最大回転角度を限定することによりハンドルの最大回転角度を限定する。このようにして、クラッチ装置1を別体として設けることにより、ハンドルと車輪とのトルクの伝達及び遮断を実現しやすくなるだけでなく、クラッチ装置1が連結状態にあるときに、車輪の回転に影響を与えずにハンドルの最大回転角度を限定することで、車両が正常に走行できるよう保証しやすくなる。
【0093】
本願のいくつかの実施例において、
図11及び
図12に示すように、第2伝動部200は、回転角制限装置30100を貫通し、回転角制限装置30100と第2伝動部200との接続箇所は、第1伝動部100に向かう第2伝動部200の一端に近接する。即ち、回転角制限装置30100と第2伝動部200との接続箇所から第1伝動部100までの距離は、回転角制限装置30100と第2伝動部200との接続箇所からハンドルまでの距離よりも短い。車体の第1伝動部100と第2伝動部200との接続箇所における空間が大きいため、回転角制限装置30100を、第1伝動部100に向かう第2伝動部200の一端に配置すると、回転角制限装置30100の配置の難易度を低下させることができ、車両の空間利用率の向上に有利となり、また第2伝動部200が回転角制限装置30100を貫通すると、第2伝動部200の周方向における制限に有利となるだけでなく、占める空間を減少させることができる。
【0094】
本願のいくつかの実施例において、
図13に示すように、回転角制限装置30100は、頭部230の第1伝動部100から離れる側に位置する。これにより、空間を十分に利用することができ、回転角制限装置30100と第2伝動部200を軸方向に接続できるようになるため、制限トルクの伝達に有利となり、回転角制限装置30100が第2伝動部200の最大回転角度をより効果的に制限できるようになる。
【0095】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図11、
図14及び
図15に示すように、回転角制限装置30100は、回転ギア3001と可動部材30302を含む。
【0096】
回転ギア3001は、第2伝動部200に接続され、第2伝動部200と共に回転し、回転ギア3001に第1ストッパ構造30012が設けられ、可動部材30302に第2ストッパ構造3003が設けられ、回転ギア3001は、第2伝動部200と共に回転するときに運動するように可動部材30302を駆動することにより、第1ストッパ構造30012を第2ストッパ構造3003に当接させ、第2ストッパ構造3003は、第1サブストッパ構造30031と第2サブストッパ構造30032を含み、第1サブストッパ構造30031と第2サブストッパ構造30032は、第1ストッパ構造30012に係止することにより回転ギア3001の最大回転角度を限定する。
【0097】
例えば、回転ギア3001と第2伝動部200は、第2伝動部200の周方向に固定されてもよく、回転ギア3001と第2伝動部200は、第2伝動部200の軸方向に相対的に移動してもよく、例えば、回転ギア3001と第2伝動部200は、スプラインにより接続され、或いは、回転ギア3001と第2伝動部200は、歯及び歯溝により係合され、例えば、第2伝動部200が分離位置に移動するときに、歯と歯溝が噛み合い、第2伝動部200が結合位置に移動するときに、歯と歯溝が分離する。
【0098】
また、第1サブストッパ構造30031と第2サブストッパ構造30032は、可動部材30302の周方向に沿って間隔を置いて設けられてもよく、第1ストッパ構造30012は、第1サブストッパ構造30031と第2サブストッパ構造30032の間に位置する。例えば、第2伝動部200が分離位置にあるときに、車両の上方から観察して、第2伝動部200が限界位置まで反時計回り(即ち、左回転)に回転する場合、第1ストッパ構造30012は、第1サブストッパ構造30031に当接し、第2伝動部200が限界位置まで時計回り(例えば、右回転)に回転する場合、第1ストッパ構造30012は、第2サブストッパ構造30032に当接する。
【0099】
第1ストッパ構造30012と第2ストッパ構造3003を設けることにより、分離位置にある第2伝動部200の回転角度を制限しやすくなり、このような制限方式は、機械的な制限であり、エネルギーを消費しない。
【0100】
本願のいくつかの具体的な実施例において、
図14及び
図16に示すように、回転ギア3001に螺旋溝30011が設けられ、可動部材30302に案内軸30021が設けられ、案内軸30021は、螺旋溝30011内に移動可能に係合され、回転ギア3001は、第2伝動部200と共に回転するときに、案内軸30021により、運動するように可動部材30302を駆動する。
【0101】
例えば、回転ギア3001が、回転ギア3001の中心軸線を中心として回転する過程において、案内軸30021は、螺旋溝30011に対して移動する。案内軸30021が可動部材30302上に設けられているため、案内軸30021は、固定部材3004に対して移動するように可動部材30302を駆動する。こうすることで、可動部材30302が第2伝動部200の径方向上においてハウジング600に対して移動することを実現できるため、クラッチ装置1が分離状態にあるときに、ハンドルの最大回転角度が360°を超えるようになる。
【0102】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る車両を説明する。上記車両は、本願の実施例に記載の車両ステアリングシステムを含む。
【0103】
本願の実施例に係る車両は、本願の上記実施例に係る車両ステアリングシステムを利用するため、ステアリングトルクの伝達及び遮断を実現でき、コストが低く、配置の自由度が高い。
【0104】
本願の実施例に係るクラッチ装置1、車両ステアリングシステム、車両の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここで詳細に説明しない。
【0105】
本明細書の説明において、用語「具体的な実施例」、「具体例」などを参照する説明は、当該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書における、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例又は例を指すとは限らない。
【0106】
本願の実施例を示し説明したが、当業者であれば、本願の原理及び目的を逸脱しない限り、これらの実施例に対して様々な変更、補正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は特許請求の範囲及びその均等物によって限定されていることを理解することができる。
【符号の説明】
【0107】
1 クラッチ装置
100 第1伝動部
110 フランジ
200 第2伝動部
220 軸部
230 頭部
240 溝
300 スリーブ
310 第1ヒンジ点
330 第2軸受
320 第3軸受
340 スプリングシート
400 駆動機構
410 第2ヒンジ点
430 駆動装置
440 伝動機構
441 出力ねじ
442 出力ナット
443 伝動ねじ
444 第1伝動歯車
445 第2伝動歯車
450 リンク機構
451 第1揺動リンク
452 第2揺動リンク
453 縦置きリンク
455 帯状孔
460 ヒンジ軸
500 第3伝動部
510 キャビティ
520 第4軸受
600 ハウジング
610 第1軸受
620 スプリングスリーブ
700 弾性部材
30100 回転角制限装置
3001 回転ギア
3004 固定部材
30041 係合溝
30011 螺旋溝
30012 第1ストッパ構造
30302 可動部材
30021 案内軸
3003 第2ストッパ構造
30031 第1サブストッパ構造
30032 第2サブストッパ構造
【国際調査報告】