(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-19
(54)【発明の名称】オフセット冷却技術を含むデータセンタのための冷却システム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/20 20060101AFI20231212BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F1/20 C
G06F1/20 B
H05K7/20 U
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023554277
(86)(22)【出願日】2021-11-23
(85)【翻訳文提出日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021072581
(87)【国際公開番号】W WO2022115852
(87)【国際公開日】2022-06-02
(32)【優先日】2020-11-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523194868
【氏名又は名称】デジタル ポーポイス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ドゥマス スティーヴン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ジェイソン ウィルフレッド
(72)【発明者】
【氏名】ストレイチ マイケル
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AB10
5E322BA03
5E322BA05
5E322BB03
5E322BB05
5E322DA04
5E322EA04
5E322EA05
5E322FA01
(57)【要約】
データセンタ冷却システムは、下部分及び上部分を有する支持構造と、電子機器キャビネットの高さ以上の高さで支持構造によって支持される1つ以上のファンと、支持構造の上部分に支持される1つ以上の冷却コイルを有する熱交換器と、を含む。いくつかの実施形態では、冷却コイルは、電子機器キャビネットのうちの1つ以上の頂部の上方にあるように、及び/又はその上方にあるように、支持構造の上部分によって支持されることができる。ファンは、電子機器キャビネットの1つ又は2つの列から空気を引き込み、電子機器キャビネットからの暖かい空気を冷却するために熱交換器に空気を通過させるように構成することができる。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器キャビネットの少なくとも1つの列を冷却するためのオフセット冷却システムであって、
下部分及び上部分を有する支持構造であって、前記支持構造の前記下部分は、前記支持構造の前記上部分と結合され、それを支持するように構成される、支持構造と、
前記電子機器キャビネットの高さ以上の高さで、前記支持構造によって支持される1つ以上のファンと、
前記支持構造の前記上部分に支持された1つ以上の冷却コイルを有する熱交換器と、
を備え、
前記熱交換器は、前記電子機器キャビネットの1つ以上の頂部の上方にあるように、前記支持構造の前記上部分によって支持され、
前記ファンは、前記電子機器キャビネットの前記少なくとも1つの列から空気を引き込み、前記空気を前記熱交換器に通過させ、前記電子機器キャビネットからの暖気を冷却するように構成される、オフセット冷却システム。
【請求項2】
前記支持構造の前記下部分から前記支持構造の前記上部分まで延在する移行ダクトをさらに含む、請求項1に記載のオフセット冷却システム。
【請求項3】
前記移行ダクトの上部分の面積は、前記移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、低静圧熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする、請求項2に記載のオフセット冷却システム。
【請求項4】
前記熱交換器は、前記移行ダクトの前記上部分及び/又は前記支持構造の前記上部分によって支持される、請求項3に記載のオフセット冷却システム。
【請求項5】
前記移行ダクトは、第一の傾斜壁及び第二の傾斜壁を有し、前記第一の傾斜壁及び前記第二の傾斜壁は、前記電子機器キャビネットの一部分の上方で長手方向に延在する、請求項3又は4に記載のオフセット冷却システム。
【請求項6】
前記移行ダクトは、前記移行ダクトの前記第一の傾斜壁又は前記第二の傾斜壁の上に集まる任意の水を収集する、前記第一の傾斜壁及び前記第二の傾斜壁のそれぞれの底部分に沿った溝を有する、請求項5に記載のオフセット冷却システム。
【請求項7】
前記移行ダクトは、また、前記電子機器キャビネットの一部分の頂部を覆い、前記熱交換器から漏出し得る任意の水が前記電子機器キャビネットの上に滴下することを防止するバリアも提供する、請求項2~5のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項8】
前記支持構造の前記下部分は、前記電子機器キャビネットの2つの列の間の通路に配置されるように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項9】
前記電子機器キャビネットの前記少なくとも1つの列は、複数のサーバを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項10】
前記ファンは、前記電子機器キャビネットの2つの列の間の通路の上方に位置する、請求項1~9のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項11】
前記熱交換器は、前記1つ以上のファンの上方に配置される、請求項1~10のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項12】
前記熱交換器は、複数の冷却コイルを備える、請求項1~11のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項13】
前記熱交換器は、複数の冷却コイルと流体連通する第一のマニホールドと、前記複数の冷却コイルと連通する第二のマニホールドとを有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項14】
前記熱交換器は、施設水源から冷たい水の供給を受け取り、前記1つ以上のコイルを通過した温水を施設のドレインに放出するか、又は前記施設水源に戻すように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項15】
前記熱交換器は、冷媒液を受け取るように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項16】
前記冷却システムの空気流及び温度を制御するように構成された1つ以上の圧力、速度、流れ方向、及び/又は温度センサを備える、請求項1~15のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項17】
前記支持構造は、床面によって支持される、請求項1~16のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項18】
前記支持構造は、前記支持構造が前記床面まで延在しないように、天井又は頭上構造によって支持される、請求項1~17のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項19】
前記支持構造は、天井又は頭上構造によって支持され、前記支持構造が前記IT機器キャビネットによって支持されないようになっている、請求項1~18のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項20】
前記オフセット冷却システムは、概して、前記熱交換器を横断する静圧を補償するのに充分なファンエネルギーのみを提供するように、またIT機器内の1つ以上のファンが、前記熱交換器を通して暖かい排気を移動させるために必要とされる前記ファンエネルギーのバランスを提供することを可能にするように構成される、請求項1~19のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項21】
IT機器の前記ファンは、差気圧がほぼゼロの状態で動作する、請求項1~20のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項22】
前記熱交換器は、静圧降下を最小限に抑えるために大きなフォームファクタを有する、請求項1~21のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項23】
前記熱交換器の中の漏水又は他の漏水から水を収集するために、1つ以上のトラフ、溝、及び/又は他の導管、チャネル、又は水収集構成要素を備える、請求項1~22のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項24】
前記オフセット冷却システムは、供給水の温度を上昇させ、それによって、より少ない機械的エネルギーを使用して、より多くの時間の自由冷却を可能にするように、密結合構成にあるように構成される、請求項1~23のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項25】
1つ以上のサーバを有するデータセンタを冷却する方法であって、
前記1つ以上のサーバの上方に配置された1つ以上のファンを通して1つ以上の電子機器キャビネットから空気を引き込むステップと、
前記1つ以上のファンの上方に配置された熱交換器を通して、前記1つ以上のサーバから前記空気を前進させて前記空気を冷却するステップと、
を含む、方法。
【請求項26】
データセンタのためのシステムであって、
第一列の電子機器キャビネットと、
少なくとも前記第一列の電子機器キャビネットを冷却するためのオフセット冷却システムであって、
支持構造と、
前記支持構造によって支持される1つ以上のファンと、
前記第一列の電子機器キャビネットの前記電子機器キャビネットの頂部の上方の高さで前記支持構造によって支持された複数の冷却コイルを有する熱交換器と、
を備える、オフセット冷却システムと、
を備え、
前記ファンは、電子機器キャビネットの少なくとも1つの列から空気を引き込み、前記空気を前記熱交換器に通過させ、前記電子機器キャビネットからの暖気を冷却するように構成される、データセンタのためのシステム。
【請求項27】
前記第一列の電子機器キャビネットの通路の反対側に配置された第二列の電子機器キャビネットをさらに備え、前記熱交換器は、前記第一列及び前記第二列の電子機器キャビネットの上方で少なくとも部分的に延在する、請求項26に記載のデータセンタのためのシステム。
【請求項28】
前記支持構造の下部分から前記支持構造の上部分まで延在し、前記支持構造の前記上部分が前記支持構造の前記下部分よりも広くなるようにサイズが増加する移行ダクトをさらに備え、前記熱交換器は、前記支持構造の前記上部分によって支持される、請求項26又は27に記載のデータセンタのためのシステム。
【請求項29】
前記移行ダクトの上部分の面積は、前記移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、低静圧熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする、請求項26~28のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項30】
電子機器キャビネットの少なくとも1つの列を冷却するためのオフセット冷却システムであって、
支持構造によって支持される1つ以上のファンと、
前記支持構造の上部分に支持され、前記電子機器キャビネットの頂部の上方で延在する1つ以上の冷却コイルを有する熱交換器であって、前記熱交換器は、冷却液をその内部に有し、前記冷却液が前記電子機器キャビネットの一部分の上を、前記熱交換器を通過するようになっている、熱交換器と、
を備え、
前記ファンは、前記電子機器キャビネットの前記少なくとも1つの列から空気を引き込み、前記空気を前記熱交換器に吹き込んで、前記電子機器キャビネットからの暖気を冷却するように構成される、オフセット冷却システム。
【請求項31】
前記支持構造の下部分から前記支持構造の上部分まで、ある角度で延在する移行ダクトを備える、請求項30に記載のオフセット冷却システム。
【請求項32】
前記移行ダクトの上部分の面積は、前記移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、低静圧熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする、請求項31に記載のオフセット冷却システム。
【請求項33】
前記移行ダクトの上部分の面積は、前記移行ダクトの下部分より40%~70%大きい、請求項31に記載のオフセット冷却システム。
【請求項34】
前記移行ダクトの上部分の面積は、前記移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、約0.5水柱インチ以下の静圧を有する熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする、請求項31に記載オフセット冷却システム。
【請求項35】
前記熱交換器は、前記電子機器キャビネットの頂部の上方で1フィートを超えて延在する、請求項30~34のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項36】
前記移行ダクトは、その各側面の底部分に沿って、前記移行ダクトの第一の傾斜壁又は第二の傾斜壁上に集まる水を収集する溝を有する、請求項31~35のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【請求項37】
前記移行ダクトは、前記電子機器キャビネットの一部分の頂部を覆うバリアを提供し、前記熱交換器から漏出し得る水が前記電子機器キャビネット上に滴下することを防止するように構成される、請求項31~36のいずれか一項に記載のオフセット冷却システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権主張及び参照による組み込み)
本出願は2020年11月25日に出願された、米国特許出願第63/118,293号(発明の名称「COOLING SYSTEM FOR A DATA CENTER THAT INCLUDES AN OFFSET COOLING TECHNOLOGY」)に対する優先権を主張し、その内容は、本明細書に完全に規定されているかのように、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。優先権の利益は、限定されることなく、米国特許法第119条(e)の下で含まれる適切な法的基準の下で請求される。
【0002】
本開示の実施形態は、データセンタのための冷却システムに関する。
【背景技術】
【0003】
サーバは、典型的には、データセンタ内のキャビネット(本明細書ではラックとも呼ばれる)内に配置される。キャビネットには、様々な物理的構成がある。典型的なキャビネット構成は、装着レールを含み、装着レールには、サーバブレード等の機器の複数のユニットが、キャビネット内に垂直に取り付けられ、積み重ねられる。キャビネットのワット密度は、キャビネットごとに大きく異なり得る。さらに、キャビネットレイアウトは、典型的には、周囲冷却システムにも、壁及び柱位置等の他の制約にも整合するように、予め定められた列及び間隔に制限される。
【0004】
データセンタ室(データホールとも称される)は、サーバの信頼できる動作のために、許容可能な温度及び湿度に維持されるべきであり、サーバは、典型的には、冷却のためにシャーシを通して空気を引き込む冷却ファンを有する。本明細書で使用されるように、データホールは、情報技術(IT)機器及び情報技術機器(ITE)キャビネットを含むことができる。
【0005】
サーバと密に積み重ねられたキャビネットの電力消費は、数万ワットであり得る。その結果、サーバキャビネットは、非常に集中した熱負荷を生成することができる。キャビネット内のサーバによって放散された熱は、データセンタ室に排出される。高密度なキャビネットによって集合的に生成される熱は、冷却用の周囲空気に依存するので、キャビネット内の機器の性能及び信頼性に悪影響を及ぼし得る。したがって、暖房、換気、空調(HVAC)システムは、効率的なデータセンタの設計の重要な部分であることが多い。
【0006】
データセンタ室では、サーバキャビネットは、典型的には、それらの間に低温通路と高温通路を交互に有する列にレイアウトされる。全てのサーバは、典型的には、キャビネットの前に位置する冷たい列から調整された空気を引き込み、キャビネットの後ろの熱い列を通して熱を放出する前から後ろへの空気流パターンを達成するようにラック内に設置される。床上げされた部屋の設計は、通常、床下空気分配システムを収容するために使用され、冷却された空気は、低温通路に沿って床上げされた床の通気孔(vents)を通して供給される。いくつかのデータセンタ室は、床上げされていない床も使用しているが、これは、隆起したフロアのデータセンタ室と同じ欠点が多い。データセンタの効率的な冷却における重要な要因は、データセンタ内の空気の流れ及び循環を管理することである。ドロップシーリング(drop ceilings)、フォースシーリング(false ceilings)、又はプレナムシーリング(plenum ceilings)も、周囲冷却ユニットに戻る空気流を管理するために使用されることがある。さらに、列内冷却、後部ドア熱交換器、及び頭上天井ユニット等の密結合システム(close-coupled systems)も、データセンタを冷却するために使用されることがある。そのようなシステムは、データ室内のキャビネットレイアウト及び空気流の方向を妨げる可能性があり、サーバ空気流の要件に反する可能性があり、時として、より多くのユニットを必要とし、それによって、コストを増加させる可能性があり、時として、より多くの接続及び構成要素を必要とし、それによって、コストを増加させる可能性があり、時として、バスウェイ及びケーブルトレイ等の顧客支援機器を妨害する可能性がある。データセンタ内の機器を冷却するために、チップへの直接冷却及び浸漬冷却等の液体冷却システムが使用されることがある。そのようなシステムは、時として、顧客機器に対してより侵襲的である可能性があり、コスト高になり、リスクも高まる。
【発明の概要】
【0007】
本明細書では、電子機器キャビネットの少なくとも1つの列を冷却するためのオフセット冷却システムの実施形態が開示され、それは、下部分及び上部分を有する支持構造であって、支持構造の下部分が支持構造の上部分と結合され、それを支持するように構成される、支持構造と、電子機器キャビネットの高さ以上の高さで支持構造によって支持される1つ以上のファンと、支持構造の上部分に支持される1つ以上の冷却コイルを有する熱交換器と、を含むことができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、オフセット冷却システムは、電子機器キャビネットの2つの列の間で使用することができる。これは、典型的な編成であり得る。しかしながら、本明細書に開示されるオフセット冷却システムの任意の実施形態は、キャビネットの単一の列でも使用されることができる。いくつかの実施形態では、ブランキングパネル(キャビネットの第二の列の代わりに)を使用することができる。
【0008】
本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法の任意の実施形態は、追加の実施形態では、以下のステップ、特徴、構成要素、及び/又は詳細のうちの1つ以上を、本明細書に開示される任意の他の実施形態の他のステップ、特徴、構成要素、及び/又は詳細のうちのいずれかとの任意の組合せで含むことができる。熱交換器は、電子機器キャビネットの1つ以上の頂部の上方にあるように、支持構造の上部分によって支持される;ファンは、電子機器キャビネットの少なくとも1つの列から空気を引き込み、電子機器キャビネットからのより暖かい空気を冷却するために熱交換器に空気を通過させるように構成される;さらに、支持構造の下部分から支持構造の上部分まで延在する移行ダクトを含む;移行ダクトの上部分の面積は、移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、低静圧熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする;熱交換器は、移行ダクトの上部分及び/又は支持構造の上部分によって支持される;支持構造の下部分は、電子機器キャビネットの2つの列の間の通路に配置されるように構成される;電子機器キャビネットの少なくとも1つの列は、複数のサーバを含む;ファンは、電子機器キャビネットの2つの列の間の通路の上方に配置される;熱交換器は、1つ以上のファンの上方に配置される;熱交換器は、複数の冷却コイルを含む;熱交換器は、複数の冷却コイルと流体連通する第一のマニホールドと、複数の冷却コイルと連通する第二のマニホールドとを有する;熱交換器は、施設水源から冷たい水の供給を受け取り、1つ以上のコイルを通過した温水を施設のドレインに放出するか、又は施設水源に戻すように構成される;熱交換器は、冷媒液を受け取るように構成される;冷却システムの空気流及び温度を制御するように構成された1つ以上の圧力、速度、流れ方向、及び/又は温度センサを含む;データセンタのためのシステムは、前述の請求項のいずれかに記載のオフセット冷却システムと、電子機器キャビネットの第一の列及び/又は電子機器キャビネットの第二の列とを含む;支持構造は、床面によって支持される;支持構造は、支持構造が床面まで延在しないように、天井又は頭上構造によって支持される;支持構造がIT機器キャビネットによって支持されないように、支持構造は、天井又は頭上構造によって支持される;オフセット冷却システムは、概して、熱交換器を横切る静圧を補償するのに充分なファンエネルギーのみを提供し、IT機器内の1つ以上のファンが、暖かい排気を、熱交換器を通して移動させるのに必要なファンエネルギーのバランスを提供することを可能にするように構成される;IT機器ファンは、差気圧がほぼゼロの状態で動作する;熱交換器は、静圧降下を最小限に抑えるために大きなフォームファクタを有する;1つ以上のトラフ(troughs)、溝(gutters)、及び/又は他の導管(conduits)、チャネル、又は熱交換器の水漏れから水を収集するための水収集構成要素を含む;及び/又はオフセット冷却システムは、自由冷却実行時間を最大化するために供給水温度を上昇させることを可能にするように、密結合構成にあるように構成される。
【0009】
また、本明細書では、1つ以上のサーバを有するデータセンタを冷却する方法の実施形態が開示され、この方法は、1つ以上のサーバの上方に配置された1つ以上のファンを通して1つ以上の電子機器キャビネットから空気を引き込むステップと、1つ以上のファンの上方に配置された熱交換器を通して1つ以上のサーバから空気を前進させて空気を冷却するステップと、を含むまた、本明細書では、実質的に本明細書で説明され、及び/又は添付の図面に示されるような1つ以上のサーバを含むデータセンタを冷却する方法の実施形態が開示される。また、本明細書では、実質的に本明細書で説明され、及び/又は添付の図面に示されるようなデータセンタ冷却システムの実施形態も開示される。また、本明細書では、電子機器キャビネットの少なくとも1つの列を冷却するためのオフセット冷却システムの実施形態が開示され、オフセット冷却システムは、支持構造によって支持される1つ以上のファンと、支持構造の上部分に支持され、電子機器キャビネットの頂部にわたって延在する1つ以上の冷却コイルを有する熱交換器と、を含む。熱交換器は、その中に冷却液を有することができ、その冷却液が電子機器キャビネットの一部分にわたって熱交換器を通過するようなっている。
【0010】
本明細書に開示されるデバイス、システム、及び方法の任意の実施形態は、追加の実施形態では、以下のステップ、特徴、構成要素、及び/又は詳細のうちの1つ以上を、本明細書に開示される任意の他の実施形態の他のステップ、特徴、構成要素、及び/又は詳細のうちのいずれかとの任意の組合せで含むことができる。ファンは、電子機器キャビネットの少なくとも1つの列から空気を引き込み、その空気を熱交換器に吹き込んで、電子機器キャビネットからの暖気を冷却するように構成することができる;オフセット冷却システムは、支持構造の下部分から支持構造の上部分に、ある角度で延在する移行ダクトを含む;移行ダクトの上部分の面積は、移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、低静圧熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする;移行ダクトの上部分の面積は、移行ダクトの下部分の面積よりも大きく、約0.5水柱インチ以下の静圧を有する熱交換器を標準的な電子機器キャビネット間隔で使用することを可能にする;熱交換器は、電子機器キャビネットの頂部の上方で1フィートを超えて延在する;移行ダクトは、その各側部の底部分に沿って、移行ダクトの第一の傾斜壁又は第二の傾斜壁上に集まる水を収集する溝を有する;移行ダクトは、電子機器キャビネットの一部分の頂部を覆うバリアを提供し、熱交換器から漏出し得る水が電子機器キャビネット上に滴下することを防止するように構成される;及び/又は、移行ダクトの上部分(及び/又は移行ダクトの上部分の開口部)は、移行ダクトの下部分(及び/又は移行ダクトの下部分の開口部)よりも約60%大きいか、又は40%~70%大きいか、又は約40%~約70%大きい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】オフセット冷却システムの1つ以上の実施形態を示す直交図である。
【
図1B】
図1Aに示す1つ以上のオフセット冷却システムの実施形態の線1B-1Bに沿った断面図である。
【
図2】
図1Aに示すオフセット冷却システムの実施形態の直交図である。
【
図3】
図1Aに示すオフセット冷却システムの実施形態の直交図である。
【
図4】
図1Aに示すオフセット冷却システムの実施形態の直交図であり、オフセット冷却システムのための空気流路の一例を示す。
【
図5】
図1Aに示すオフセット冷却システムの実施形態の一部の拡大図である。
【
図6】
図1に示すオフセット冷却システムの実施形態の一部分の拡大図である。
【
図7】オフセット冷却システムの別の実施形態の直交図であり、システムを通る空気流と流体連通している空気流センサの実施形態を示す。
【
図8】
図7に示すオフセット冷却システムの実施形態の一部分の拡大図である。
【
図9】
図7に示すオフセット冷却システムの実施形態の別の直交図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示されるデータセンタのための冷却システムのいくつかの実施形態は、サーバファンエネルギーを活用し、冷却をデータセンタフロア空間に統合するオフセット冷却技術を含むことができる。本明細書に開示されるオフセット冷却システムのいくつかの実施形態は、部分的に、本明細書に開示される冷却システムのいくつかの実施形態の柔軟なワット密度及び周囲冷却及び壁構成からの独立性により、従来のデータセンタ冷却技術の制約を軽減及び/又は克服することができる。本明細書で開示されるオフセット冷却システム100のいずれの実施形態も、気流管理のために、上げ床の有無、下がり天井の有無にかかわらず、データセンタ内のキャビネット等で機能するように構成することができる。さらに、本明細書に開示されるオフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、データ室内の機器に対する侵襲性を少なくすることができ、他の従来の冷却システムよりも低コストにすることができ、そのような機器に関連する動作リスクを低減することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、キャビネットは、情報技術機器(ITE)キャビネットであり得る。IT機器は、サーバ、ブレードサーバ、及び/又はネットワーク機器を含むことができる。
【0013】
従来のデータセンタ設計方法は、データセンタ空間の周囲に冷却ユニットを配置する。ITキャビネットのための開放空間を提供するために必要とされるが、本開示の態様は、この方法が空気流の観点から非効率的であるという認識である。冷たい空気は、サーバに到達するために、かなりの距離を移動する。次いで、キャビネットから放出された熱風は、冷却ユニットに戻るために、等しい距離を移動する。移動距離、抵抗、及び経路に沿った漏れは、ファンエネルギーコストが高くなる主な理由である。さらに、密結合冷却技術及び列ベースの冷却製品は、顧客の機器レイアウトへの影響、空気流パターンの制限や矛盾、及び容量問題に基づく、欠陥を有することがある。従来の密結合冷却技術は、また、サーバファンエネルギーを活用しないので、他の欠点の中でも、特に、ファンエネルギーコストが高くなる。さらに、ファンエネルギーは、データセンタを冷却するための全体的なコストの大きな割合を占め、空間は、貴重なものである。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオフセット冷却システムのいくつかの実施形態を利用することによって、エネルギーコストを削減し、空間利用をより良好にすることが可能になる。エネルギー効率について、データセンタ設計における関心がますます高まっており、ファンエネルギーは、消費される総エネルギーのかなりの部分を占める。
【0014】
本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の実施形態は、エネルギー効率を向上させるように構成されるとともに、機器の製造、設置、及び運転コストを最小限にするように構成される。いくつかの実施形態では、これは、データセンタに設置されたサーバファンを活用し、機械設備パラメータを最適化してファン電力消費を低減し、空気循環を支援することによって達成することができる。サーバ及びそれらの一体型ファンは、典型的には、入口から排気への静的圧力差を伴わずに、開放環境において動作するように設計される。本明細書に開示されるオフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、サーバがその設計条件に可能な限り近接して動作することを可能にし、さらに完全封じ込めを組み込んでエネルギー効率を大幅に高めるように構成される。本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の少なくともいくつかの実施形態の他の目標は、内部機器空気流の抵抗を最小限にすること、冷却コイルを有するファン、熱交換器パネル、又は要素、及び他の機器をサーバ熱負荷(例えば、限定されないが、本明細書に開示されるオフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、貴重なフロア空間を使用しないように、サーバの上に懸架又は位置付けられるように構成される)のより近くに配置すること、及び/又はサーバファンを利用して必要なファン電力を可能な限り低減することを含む。本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の少なくともいくつかの実施形態の別の目標は、コイル(本明細書では冷却コイルとも呼ばれる)の温度を上昇させて、オフセット冷却システムの上流での自由冷却をさらに何時間も可能にすることを含む。密結合技術を使用することで、源と負荷との間の温度上昇量を少なくして、熱交換器/コイルをより高い温度に設定することが可能になる。少なくともいくつかの実施形態の目的は、ユニットが最小限の有意義な外部静的空気圧差のみを有するようにコイルをサイズ決定することである。本明細書に開示されるいくつかの実施形態に関連し得る、自由冷却という用語は、機械的圧縮機が使用されない冷却を指すことが意図される。自由冷却によって、いくつかの実施形態では、コイル入口水温を上昇させる(典型的には、コイルの温度を上昇させる)ことで、エネルギーを節約することができる。入口冷水温度が高いほど、冷水を生成するのに必要なエネルギーは少なくなる。
【0015】
エネルギー節約は、2つの形態で生じ得る。第一に、エネルギー節約は、自由冷却の時間を追加することから生じ得、自由冷却モードにおける冷水は、乾燥冷却器を通して直接的に、又は冷却塔と組み合わせた熱交換器を通して間接的に、屋外機器によって冷却され得る。両方の場合において、屋外温度は、冷水から除去される熱の量に直接影響を及ぼし得る。外気が冷たいほど、冷水からより多くの熱を除去することができる。冷水温度が高いほど、より自由な冷却を使用することができる。したがって、冷水温度が高いほど、自由冷却の時間をより長くすることが可能になる。第二に、冷水温度を上げると、チラープラントの「リフト(lift)」が低下する。リフトは、冷水供給温度と復水器水戻り温度との間の温度差によって定義することができる。復水器水は、チラーから外側に位置する冷却塔に流れ、熱を放出し、次いでチラーに「戻す」ことができる。復水器供給水温度は(自由冷却と同様に)、外気温度に依存し得る。チラーのリフトは、また、屋外温度が低下するにつれて減少させることができる。熱を排除するために屋外温度を利用するエコノマイザサイクルを使用する直接膨張(DX)ユニット(すなわち、冷却水ベースの熱交換器の代わりに冷媒ベースの熱交換器である)を用いて、類似のエネルギー節約を達成することができる。
【0016】
オフセット冷却等の密結合冷却技術という用語は、空気が冷却源と負荷との間で大きい距離を移動する周囲CRAH/CRAHユニットとは対照的に、負荷(例えば、IT機器からの熱負荷等である。)の比較的近くに位置する冷却システムを指すことを意味する。いくつかの実施形態では、近接は、サーバキャビネット等の寄生熱負荷、冷通路に漏出するサーバ排気からの短期循環空気、及び変圧器やスイッチギア等の設備機器により、サーバに到達する前に、供給される冷気の温度上昇を低減、排除又は少なくとも軽減することができる。供給される冷気の温度上昇は、いくつかの実施形態では、寄生熱負荷を補償するために冷水温度を下げることを必要とし得る。上述のように、これは、冷却プラントのエネルギー効率を低下させる可能性がある。
【0017】
さらに、いくつかの実施形態は、最小量の床空間を占有するように設計された密結合冷却ユニットを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるオフセット冷却システムの実施形態のオフセット冷却ファンは、IT機器ファンが、熱交換器パネル又は要素にわたって熱を移動させるために必要とされるファンエネルギーのいくらかを相殺することを可能にするように制御されることができる。IT機器ファンは、サーバの近くにある冷却コイルを横切って空気を押すように活用される。
【0018】
本明細書に開示されるオフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、格納/支持構造を利用して、高温通路の上方に複数の冷却コイルを有することができる熱交換器を保持するように構成することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、ファンは、熱交換器の下方に取り付けられ、熱交換器を横切って空気を押し出す際にサーバファンを動作可能に補完するように構成することができる。いくつかの実施形態では、オフセット冷却システムは、概して、熱交換器を横切って静圧を補償するのに十分なファンエネルギーのみを提供し、IT機器内の1つ以上のファンが、熱交換器を通して暖かい排気を移動させるために必要とされるファンエネルギーのバランスを提供することを可能にし、IT機器がゼロ差圧に近い状態で動作することを可能にするように構成することができる。
【0019】
本明細書に開示されるオフセット冷却システムの任意の実施形態のファンは、個々に制御することができ、あるいはポッドのファン又はファン群は、一緒に又は同時に制御することができる。いくつかの実施形態とともに本明細書で使用されるように、ポッドは、複数のオフセット冷却システムの群を説明することを意図する(例えば、ポッドは、2つ以上のオフセット冷却システムの群、3つ以上のオフセット冷却システムの群等であり得る)。本明細書に開示される任意の実施形態では、システムは、ファンのそれぞれを個々に制御するように、又はファン群を制御するように構成される、制御システムを有することができ、それにより、外圧を考慮して、及び/又は通路の第一の側面上の電子機器キャビネットからの空気圧を、通路の反対側の第二の側面上の電子機器キャビネットからの空気圧と等しくする、及び/又は熱交換器120上のファンによって付与される空気の圧力を等しくする。いくつかの実施形態では、オフセット冷却ファンは、コイルを横切って空気流の均一性を高めるように、異種サーバからの圧力を均等化するために(別個に制御される場合)使用されることができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、システム100及び/又は1つ以上のファン110は、それぞれ、サービス及び修理を容易にするために、ホットスワップ可能(hot swappable)であるように構成することができる。限定ではなく例として、ファン110は、それぞれ、上部支持セクション107のTバー型フレーム内に支持され得る。いくつかの実施形態では、システム100及びファン110は、ツールを使用することなく、ファン110を取り外して交換できるように構成することができる。例えば、1つ以上のファン110は、ファンを回転させて上方に持ち上げることによって取り外されるように構成することができる。いくつかの実施形態では、ファン110は、天井タイルを取り外して、交換するのと同様の方法で取り外して交換することができる。
【0020】
例えば、限定するものではないが、1つ以上の圧力センサ、温度センサ、及び/又は他のセンサの第一のセット(集合的に第一のセンサのセットと呼ぶ)は、第一のサーバキャビネット又はITキャビネットの第一のセット(本明細書ではサーバキャビネット又は電子機器キャビネットとも呼ぶ)からの空気の圧力、温度、及び/又は他の特性を決定するために使用することができ、1つ以上の圧力センサ、温度センサ、及び/又は他のセンサの第二のセット(集合的に第二のセンサのセットと呼ぶ)は、第一のサーバキャビネット又はITキャビネットの第一のセットに隣接するか、第一のサーバキャビネット又はITキャビネットの第一のセットから通路を横切る等する第二のサーバキャビネット又はITキャビネットの第二のセットからの空気の圧力、温度、及び/又は他の特性を決定するために使用することができる。本明細書に開示されるオフセット冷却システムの任意の実施形態は、熱交換器の近位又は下方の第一のセットのセンサのうちの1つ以上、及び/又は熱交換器の遠位又は下流又は上方の第二のセットのセンサのうちの1つ以上を有することができる。
【0021】
さらに、本明細書に開示される任意の実施形態では、オフセット冷却ファンは、差圧制御又は他の空気流制御システムを介して、サーバファンが本来提供することができない任意の空気を供給するように設計することができる。任意の実施形態の熱交換器パネル120及び/又はコイル121の配置は、表面積を大きくして、圧力降下を低くして、高温通路に導くことができる。
【0022】
図1Aは、1つ以上の列のIT(情報技術)キャビネット102(本明細書では電子機器キャビネットとも呼ばれる)を冷却するように構成されたオフセット冷却システム100の実施形態を示す。
図1Aを参照すると、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、キャビネット102間の通路104の上方にオフセット冷却システム100の他の構成要素を支持することができるフレーム又は他の支持構造106を有することができる。ドア105(封じ込めドアとも呼ばれる)は、システム100の両側にあることができる。いくつかの実施形態では、システム100は、上部支持部分107(本明細書では上部フレーム部分とも称される)を有することができ、これは、支持構造106の下部分と結合され、及び/又はそれによって支持され得る、端フレーム部材107a及び側部フレーム部材107bを有することができる。移行ダクト114は、以下でより詳細に説明するように、上部支持部分107と結合され、それによって支持され得る。本明細書に開示される任意の実施形態では、支持構造106、上部支持部分107、及び/又はその任意の構成要素は、ボルト締め、ねじ締め、溶接、及び/又は別様にともに接合することができる、鋼管材料を含む、金属管材料から作製することができる。システム100を通る空気流は、矢印Aによって表される。
【0023】
いくつかの実施形態では、オフセット冷却システムは、ケーブル、1つ以上のケーブルトレイ、ファイバランナー、配電、及び/又は電子機器キャビネットの上方の他の構成要素若しくはアイテムを支持するために、上部支持部分によって支持されるか、又はそれと結合される、ハンガー、フック、及び/又は他の搭載ハードウェアを有することができる。
【0024】
オフセット冷却システム100は、通路104の上方で支持構造106によって支持される1つ以上のファン110を有することができる。移行ダクト114は、1つ以上のファン110を通って流れる空気を、支持構造106の上端で支持することができる複数の冷却コイル121(例えば、
図6参照)を有する1つ以上の熱交換器120に導くために使用することができる。複数の冷却コイル121を有する1つ以上の熱交換器120は、明確にするために、
図1Aから省略されていることに留意されたい。
図5は、それぞれが複数のコイル121を備える複数の熱交換器120を有するシステム100の実施形態を示す。3つの熱交換器120が
図5に示されている。
【0025】
いくつかの実施形態では、1つ以上のファン110は、高温空気をITキャビネット102から引き離し、高温空気を、移行ダクト114を通して、また1つ以上の熱交換器120又は1つ以上の熱交換器120の冷却コイル121を通して案内又は押し出すことができる。その後、冷却された空気124は、オフセット冷却システム100の上方の外気に入ることができ、及び/又は、次いで、サーバ入口に再び入ることによってサイクルを繰り返すために利用可能になる。
【0026】
本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の実施形態のいずれかは、コントローラ又は制御モジュール(図示せず)を有することができ、これは、第一のセットのセンサから収集されたデータ又は他の情報を第二のセットのセンサから収集されたデータ又は他の情報と比較して、相対値と、第一のセットのセンサと第二のセットのセンサとの間に差があるかどうかとを決定するように構成することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ又は制御モジュールは、ポッド内又は隣接するポッド内の1つ以上のファン又は1つ以上のファン群の速度を調整して、高温通路と低温通路(熱交換器の前後)との間の圧力及び/又は温度差を均等化又は低減するように構成することができる。いくつかの実施形態では、必須ではないが、又は全ての実施形態では、コントローラ又は制御モジュールは、第一のサーバキャビネット又は第一のセットのITキャビネットの空気圧及び/又は空気温度が、第二のサーバキャビネット又は第二のセットのITキャビネットの空気圧及び/又は空気温度と比較して、閾値と同じであるか、又はいくつかの実施形態では閾値よりも大きい場合、第一のファン又は第一のセットのファンのファン速度を増加させるように構成することができる。いくつかの実施形態における閾値は、パーセンテージ、例えば、10%、又は約10%、又は5%~20%、又は前述の範囲内の任意の値として表すことができる。
【0027】
任意の実施形態では、ファン又はファン群のうちの1つ以上は、事前設定された差圧閾値及び/又は温度閾値に基づいて制御されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、コントローラ又は制御モジュールは、熱交換器を上回る空気圧及び/又は空気温度が、例えば、限定ではないが、75°F/24°C、又はデータ室内のITEに適した任意の他の温度若しくは空気圧の値の閾値と同じであるか、又はいくつかの実施形態では、それを上回る場合、第一のファン又はファンの第一のセットのファン速度を増加させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ又は制御モジュールは、ITEキャビネットにわたる差圧が、例えば、限定ではないが、0.004水柱インチ(in. WC(water column))又は1Pa等の閾値と同じであるか、又はいくつかの実施形態では、それを上回る場合、第一のファン又はファンの第一のセットのファン速度を増加させるように構成することができる。
【0028】
この構成では、例えば、限定されないが、コントローラ又は制御モジュールは、第一のサーバキャビネット又は第一のセットのITキャビネットの空気圧及び/又は空気温度が第二のサーバキャビネット又は第二のセットのITキャビネットの空気圧及び/又は空気温度の10%又は10%超の場合、第一のサーバキャビネット又は第一のセットのITキャビネットに関連する第一のファン又は第一のセットのファンのファン速度を増加させるように構成することができ、及び/又は、第一のサーバキャビネット又は第一のセットのITキャビネットの空気圧及び/又は空気温度が第二のサーバキャビネット又は第二のセットのITキャビネットの空気圧及び/又は空気温度の10%又は10%超の場合、第二のサーバキャビネット又は第二のセットのITキャビネットに関連する第二のセットのファンのファン速度を低下させることができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、支持構造106は、床又は地面によって支持することができ、及び/又は床又は地面に固定することができる。さらに、支持構造106、したがって、オフセット冷却システム100は、自立型であることができ、床から支持されることも、あるいは天井/スラブから吊り下げられることもできる。さらに、いくつかの実施形態は、互いに接合されて冷却システムの長い通路を形成し、ITキャビネットの長い通路を収容するように構成することができる。ポッド内の隣接するオフセット冷却システムは、より低い冷却容量設計に適応するように離間することができる。逆に、IT機器負荷は、ITEキャビネットユニット及びシステムあたりの電力密度をより大きくするように分離することができる。オフセット冷却システム100の任意の実施形態は、中心通路を形成するように単一の列又は2つの列に編成されたITEキャビネットの列と協働するように構成することができる。さらに、システム内の空の空間を密閉して、システムの中心に通路を形成することもできる。
【0030】
本明細書に開示されるシステムの任意の実施形態は、水収集システムを有することができる。いくつかの実施形態では、移行ダクト114は、少なくともその側部分において、空気及び水に対して封止することができる。さらに、本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の任意の実施形態は、サーバ及び他の電子機器が水から曝されるのを防止するように、(例えば、熱交換器における)水漏れ、及び場合によっては、いくつかの実施形態では可能性は低いが、発生する可能性がある結露から水を収集するための、1つ以上のトラフ(例えば、トラフ158)、溝(例えば、
図1Bに示されるような溝159)、及び/又は他の導管、チャネル、又は水収集構成要素を備えることができる。例えば、限定ではないが、本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の任意の実施形態は、コイル121及びヘッダ123(本明細書ではマニホールドとも称される)からの結露、又は熱交換器120上に収集された他の結露若しくは水を収集するように構成することができる、1つ以上のトラフ158を有することができる。1つ以上のトラフ158は、管類、導管、又は他の構成要素と結合され、トラフ内に収集された水をドレインに導くか、又はそうでなければ、データ室の外側に、及び/又はサーバ及び他の電子機器から離れて液体を導くことができる。トラフは、例えば、限定されないが、いくつかの実施形態では、トラフの端部から移行ダクトの表面上に水を導き、水を溝及び/又はドレインに導くことができる。いくつかの実施形態では、熱交換器のコイル及び/又は他の構成要素は、ユーザが熱交換器及び/又はコイル内の液体を水ドレインシステムのトラフ158又は他の構成要素の中へ排出することを可能にするように構成される、ドレインを有することができる。
【0031】
上述のように、システム100のいくつかの実施形態は、システム100によって収集された任意の結露、滴又は漏出、及び/又は他の水を、床上で収集することも、サーバ及び他の電子機器を水に暴露することもなく、データ室から離れるように結露又は水を導くように構成される、地上レベル又は地下レベルの水収集システム又はチャネルの中へ導くように構成することができる。いくつかの実施形態では、データ室は、床タイル及び/又は天井タイル(例えば、床上げされてない床での用途において)を有することができ、これらのタイルは、システムによって収集された任意の水をコンテナ又は他のレセプタクル、ドレイン又はデータ室の外部の他の場所、又は別様に導くための導管を提供するように、その中にチャネルを有することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器120のいずれかのコイル121は、露点を上回る温度に維持され、コイル121又は熱交換器120の他の構成要素若しくは要素(例えば、限定ではないが、熱伝達フィン、ダクト等)上に形成される任意の漏出又は結露の可能性を低減させることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、溝又はチャネルは、移行ダクト114の底部分に組み込まれること、又はその底部分によって支持されることもできる。溝又はチャネルは、ファン110の真上及び/又は移行ダクト114の底部に配置されて、あらゆる結露又は漏水を捕捉することができ、漏れ検出及び/又は床レベルへのドレインを含むことができる。例えば、限定されないが、水管理システムのトラフ又は他の構成要素の1つ以上、又は水管理システムのトラフ及び他の構成要素の全ては、センサを有することができ、そのセンサは、水管理システムのトラフ及び/又は他の構成要素内の水の存在を検出することができるセンサを有すること、及び/又は水管理システムのトラフ及び/又は他の構成要素内の水のレベルを決定することができる。移行ダクト114は、大型で薄い冷却コイル及び/又は複数のコイルを支持するように構成することができ、既存のデータセンタ設備(accoutrement)が業界標準として働くことを可能にする形状、すなわち、ケーブルトレイ126、キャビネット、ファイバトラフ、電力バスウェイ、及び他の構成要素又は特徴を妨害しない形状を有することができる。
【0033】
図1Aに示すオフセット冷却システム100の実施形態では、図示された2つのオフセット冷却システム100のそれぞれは、2つのセクション100a、100bを有する。セクションのそれぞれは、同じであっても、異なっていてもよい。したがって、
図1Aは、2つのオフセット冷却システム100を有するポッドを示す。任意の実施形態では、データ室は、1つ以上のポッドに編成された2つ以上、3つ以上、4つ以上等のオフセット冷却システム100を有するポッドを有することができる。図示された実施形態では、オフセット冷却システム100のそれぞれは、10個のファン110を有することができる。他の実施形態では、オフセット冷却システム100のそれぞれは、10個未満又は10個超のファン110を有することができ、ファン110のサイズ及び容量、ファン110のエネルギー効率、ファン110の速度及び雑音、ならびにオフセット冷却システム100の他の動作特性に応じて、例えば、6つのファン110、8つのファン110、12個のファン110、又は他の個数のファンを有することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、ファンは、ラジアル(遠心)ファン、軸流ファン、及び/又は誘導羽根なしファンでとすることができる。ファンのいずれもダクト式であっても、ダクト式でなくてもよい。さらに、本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の任意の実施形態は、濾過システム、又はファン110の上流に配置された1つ以上のフィルタを有することができる。いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100は、オフセット冷却システム100が動作している間に、ファン110を変更することができるように構成することができる。任意の実施形態のファン110は、可逆的であるように構成することができる。
【0034】
オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、空気の自然対流を活用するように構成することができ、高温で嵩張る空気が上昇し、冷たい高密度の空気が降下し、ファンのエネルギー要件をさらに低減する。冷水(又は別のタイプの冷却流体)は、施設冷水供給源からコイル121に供給することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器120のいずれかのコイル121は、閉ループとすることができる。変調弁を使用して、1つ以上のコイル121に冷水を供給して、熱交換器120における冷却を制御し、データセンタ空間に戻る供給空気の温度を維持することができる。いくつかの実施形態では、サーバは、部屋から空気を引き込み、熱を加え、高温通路に空気を放出するファン(例えば、限定ではないが、サーバファン)を含むことができる。システムのいくつかの実施形態は、サーバファンエネルギーを使用して、1つ以上のファン110によって提供されるファンエネルギーを増強するように構成することができる。この構成では、サーバファンによって圧力を上昇させることができ(又は、限定はしないが、0.002水柱インチ若しくは0.5Pa、又は約0.002水柱インチ若しくは約0.5Pa等、わずかに上昇させることができ)、空気をファン110及び熱交換器120に送って、最終的にサイクルを継続するための空間に戻すことができる。これによって、ファンエネルギーを節約する低い圧力差で空気が移動する非常に短いループを提供することができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、コントローラ又は制御モジュール(上述したコントローラ又は制御モジュールと同一のもの、又は別個/追加のものであり得る)を使用して、1つ以上の弁160を介して、又は別様に本明細書で開示されるシステム100の任意の実施形態の冷却コイル121を通る流体の流動を制御することができる。いくつかの実施形態では、例えば、限定ではないが、制御部は、コイル上の変調弁を制御するための基準として使用される温度センサと、ファン速度(空気流)を制御するための基準として使用される差圧センサとを含むことができる。いくつかの実施形態は、漏出が検出された場合に、コイルを隔離するために供給管及び戻り管上に弁を含むことができる。また、本明細書に開示される熱交換器の任意の実施形態は、1つ以上の典型的な隔離弁を含むことができる。
【0036】
本明細書に開示されるオフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、従来の周囲冷却システム及び方法よりも、冷却空気流路を最大95%短縮することができ、情報技術(「IT」)機器を冷却するために必要とされるファンエネルギーを約60%低減することができる。従来の冷却システムは、空気を冷却し移動させるために、データセンタによって消費される総エネルギーの約40%を使用する。本明細書に開示されるオフセット冷却システムの実施形態では、冷たい供給空気と暖かい戻り空気流との任意の混合が生じ得る前に、熱源(すなわち、サーバ及び他の電子機器)のより近くで、熱を除去することができる。これによって、1つのオフセット冷却システム又はポッドが別のものに影響を及ぼす可能性、あるいはオフセット冷却システム100又はサーバのセクションのいくつかの実施形態が別の冷却システム又はサーバのセクションに影響を及ぼす可能性を低減することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、IT機器の電力密度は、オフセット冷却システムにおいて、より多くの、又はより少ない冷却ユニットを適用することによって適合させることができる。従来のデータセンタ(データ室とも呼ばれる)では、冷却能力は、全体に対して1つであり、典型的には、冷却能力をデータセンタの特定の部分に専用化する手段はない。本明細書に開示されるオフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、ITキャビネット又はIT機器の個々の列等、データセンタの特定の部分が個々に制御されることを可能にするように構成され得る。言い換えると、本明細書に開示されるオフセット冷却システムのいくつかの実施形態は、個々の列ベースの冷却及び空気流制御を可能にするように構成することができる。
【0038】
さらに、本明細書に開示されるオフセット冷却システムのいくつかの実施形態は、従来のシステムと同様に、床空間を占有すること等によって、典型的なキャビネットレイアウトへの影響を軽減又は排除することができ、不良な空気流構成を事実上排除することができる。さらに、いくつかの実施形態では、オフセット冷却システムは、冷却負荷が増大するにつれて、経時的に漸進的に設置又は統合することができ、それによって、初期資本コストを留保すること、又は完全な構築の全体的資本コストを削減することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、オフセット冷却システムは、オペレータ及び設計者に、いくつかの構成要素、又はいくつかのオフセット冷却システム、又は1つ若しくは複数のポッドを独立型で動作させる能力を与えるモジュール式であることができる。これによって、関連するIT機器が設置されるまで、オフセット冷却システム設備の延期が可能になる。いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100は、モジュール式であることができ、これは、オフセット冷却システム100の構成要素を、追加の冷却が必要とされる場所に追加することができるが、追加する必要はないことを意味する。いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100は、最小限にすることができ、その一方で、ユニットが保守可能で、他の機械的、電気的、及び配管サービスを設備に組み込むことを確実にするためのスマートな改善を特徴とすることができる。さらに、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、機器のエネルギー消費を削減しながら、ベースラインのコンピュータ室空気処理ユニット(CRAH)の動作特性を満足又は超越するように構成することができる。さらに、エネルギー消費の削減に加えて、本明細書に開示されるオフセット冷却システム100の実施形態のうちのいくつかは、従来の冷却システムと比較して、ワット密度容量をより高くすることができ、従来の冷却システムと比較して、機器レイアウト及びデータホール構成に、融通がより利くようにすることができ、従来の冷却システムと比較して、気流管理をより良好にすることができる。
【0040】
図面を参照すると、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、動作サーバ及び/又は設置されたITキャビネットの列又は通路の間で、高温通路の上方に位置することができる。1つ以上のファン(本明細書ではファンセクションとも呼ばれる)をオフセット冷却システム100の底部分に配置することができ、これによって、ファンの保守を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、ファンは、設置されたITキャビネットの上方に垂れ下がったり、延在したりしないように、あるいは著しく垂れ下がらないように配置することができる。他の実施形態では、1つ以上のファンは、封じ込め設置(containment installation)を容易にするために、設置されたITキャビネットを整列させるか、又はわずかに重複させることができる。
【0041】
図4は、オフセット冷却システム100の実施形態の直交図であり、オフセット冷却システム100のための空気流路の一例を示す。図示のように、いくつかの実施形態では、システム100は、熱交換器120(明確にするために図示せず)を通して、サーバ及び/又は他の電子機器から高温空気(HAで標識された矢印によって表される)を引き込むことができる。高温空気HAは、熱交換器120によって冷却されることができ、低温空気(CAで標識された矢印によって表される)が熱交換器120から流れるようになる。低温空気CAは、ITキャビネット102(本明細書ではサーバキャビネットとも呼ばれる)の側面を下ってITキャビネット102を通って戻る対流によって自然に循環して、ITキャビネット102内の電子機器から熱を引き込み、それによって、ITキャビネット102内の電子機器を冷却する空気流サイクルを生成することができる。
図4に示す例示的な実施形態は、2つのオフセット冷却システム100を有する。
【0042】
上述のように、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、ファン110の下流に、移行ダクト114(シートメタルから作製することができる)を有することができる。移行ダクト114は、ファン110又はファンセクションからの空気流を、1つ又は複数の冷却コイルを含むことができる熱交換器120に導くことができる。
図1Aの移行ダクト114は、
図1Aに示すシステム100の他の構成要素を明らかにするために、
図1Aにおいて部分的に透明にされていることに留意されたい。
【0043】
いくつかの実施形態では、熱交換器120は、冷却コイル121の大型でほぼ平坦なパネル配置を有することができる。移行ダクトのダクト自由面積(すなわち、ダクト内の開放空間は、気流を減速させる)、高さ、及び移行角度は、熱交換器120に入る空気流の速度及び均一性に影響を及ぼし得る。最初の反復は、高さ4’-0”の移行ダクト114が熱交換器120を横切る空気の良好な分配を可能にすることを示した。いくつかの実施形態では、移行ダクト114は、熱交換器120及び熱交換器の複数のコイル121の表面積をより大きくできるように、外向きに延在することができる。例えば、限定ではなく例として、いくつかの実施形態の移行ダクト114は、ファン110が支持される移行ダクト114の下部セクションと比較して、熱交換器120が支持されるその上部セクションにおいて75%(又は約75%)大きい面積を有すること、あるいはファン110が支持される移行ダクト114の下部セクションと比較して、熱交換器120が支持されるその上部セクションにおいて、50%(又は約50%)~100%(又は約100%、又は100%以上)、又はこれらの値の間の任意の範囲で、大きい面積を有することができる。他の実施形態では、移行ダクト114は、移行ダクト114がほぼ垂直な壁を有することができるように、ファンの下部セクションと比較して、ファンの上部セクション上に同じ面積又はほぼ同じ面積を有することができる。
図1Aに示すように、移行ダクト114は、移行ダクト114の上部セクションから下部セクションまで延びる一対の傾斜壁によって画定することができる。ある実施形態では、一対の傾斜壁は、約51°の角度、あるいは35°~55°の間又は35°~75°の間の角度で傾斜することができる。
【0044】
本明細書に開示される任意の実施形態では、熱交換器コイルは、熱交換器コイルの表面積を増加させるように構成された複数のフィン又は他の熱交換構成要素を有することができる。いくつかの実施形態では、フィンは、アルミニウム又は高い熱伝導率を有する他の材料から作製することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、熱交換器120は、IT機器を冷却するのに必要なエネルギー量を最小限に抑えるように設計することができる。例えば、限定するものではないが、システム100のいくつかの実施形態は、空気流に対してできるだけ低い静的抵抗を有するように設計された1つ以上の熱交換器120を有することができる。いくつかの実施形態では、これは、熱交換器120及び/又は熱交換器120のコイル121の高さ(深さとも呼ばれる)又はプロファイル(Z方向寸法)を最小限にしながら、熱交換器120及び/又は熱交換器120のコイル121を水平(又はX及びY)方向に広くすることによって達成することができる。この場合もやはり、いくつかの実施形態では、熱交換器120及び/又は複数のコイル121は、熱交換器120に横切る抵抗/静圧を低減させるように、低プロファイルを有すること、又は別様に最適化されることができる。言い換えれば、熱交換器の深さは、熱交換器120を横切る抵抗/静圧を低減するために最小限に抑えることができる。これは、いくつかの実施形態では、ファン110をより低い電力で動作させることができるように、熱交換器120を横切って空気を吹き付けるにつれて、ファンの効率を改善することができる。さらに、システム100のいくつかの実施形態は、ファン110の近くの移行ダクト114の下部分から熱交換器120が支持されるより大きい全体領域までサイズが大きくなる移行ダクト114を有することができ、それによって、熱交換器120の全体表面積が増加する。いくつかの実施形態では、移行ダクトの上部分(及び/又はその上部分における移行ダクトの開口部)は、移行ダクトの下部分(及び/又はその下部分における移行ダクトの開口部)よりも約60%大きく、又は40%~70%大きく、又は約40%~約70%大きくすることができる。これは、熱伝達効率を改善し、コイルを通る空気の抵抗/静圧を低減し、ファンのエネルギー消費を低減し、空気がより低い速度でコイルを通って移動することを可能にすることによって、システムのノイズを低減することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器120は、熱交換器120を横切る静圧を低減させることが可能な大きいフォームファクタを有することができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100は、複数のファンを有することができ、1つのオフセット冷却システム内のファンのうちの1つ、2つ、又はそれ以上のファンが冗長である。しかしながら、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、熱交換器120及び/又は熱交換器120の冷却コイル121に関して、1つのオフセット冷却システム内に冗長性がないように構成することもできる。しかしながら、いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100は、単一コイルレベルで冗長性を有することができる。例えば、限定するものではないが、1つのポッド(2つ以上のオフセット冷却システムを含むことができる)は、完全なオフセット冷却システムの形態で、ポッド内に冗長性があるように構成することができる。すなわち、ポッドの1つのオフセット冷却システム100が失われた場合に、ポッドの他方の又は別のオフセット冷却システムは、ポッド内の残りの冷却負荷を部分的又は完全に支持するように構成することができる。あるいは、他の実施形態では、ポッドの1つのオフセット冷却システム100が失われた場合、ポッドの2つ以上のオフセット冷却システム100、又は同じポッドと1つ以上の隣接するポッドとの組み合わせの2つ以上のオフセット冷却システム100は、ポッド内の残りの冷却負荷を部分的又は完全に支持するように構成することができる。これは、分散冗長性と呼ばれることもある。
【0047】
いくつかの実施形態では、システム100は、コイルのいくつかの故障を補償するために、熱交換器のコイル121が冗長であるように構成することができる。例えば、限定されないが、熱交換器120は、1つのヘッダ123又は2つ以上のヘッダを有するように構成することができ、ヘッダは、全てのコイル121と並列に連通するように構成することができ、すなわち、全てのコイル121、又はいくつかの実施形態では、複数のコイル121が、相互に並列に編成されるように構成することができる。この編成では、1つのループ又はコイル121の故障(例えば、閉塞)は、熱交換器120の他のコイル121の故障(例えば、閉塞)を引き起こさない。いくつかの実施形態では、各熱交換器120は、熱交換器のコイル121と結合された第一のヘッダ123及び第二のヘッダ125を有することができる。いくつかの実施形態では、閉ループ熱交換器のコイル及びヘッダの充填及び排出を容易にするために、供給ヘッダを熱交換器のコイルの下に配置することができ、戻りヘッダを熱交換器のコイルの上に配置することができる。いくつかの実施形態では、コイル及びヘッダの充填及び排出を容易にするために、低点ドレインを下部ヘッダ内に配置することができ、ポッドの内側からアクセス可能にすることができる。
【0048】
図6を参照すると、いくつかの実施形態では、第二のヘッダ125(典型的な動作において第一のヘッダ123の下/上流に位置することができる)は、コイル121に冷却液の供給を提供するように構成することができ、第一のヘッダ123は、コイル121を通過した冷却液を収集するように構成することができる。これは、第二のヘッダ125からのコイル121が最も冷たい液体を有することをもたらすことができる。第一の弁160(変調弁と呼ぶことができる)を使用して、第二のマニホールド125への冷却液の流れを制御することができる。第二の弁162(制御弁と呼ぶことができる)を使用して、第二のマニホールド125に供給される冷却液の流れを制御することができる。したがって、第二のマニホールド125からの冷却液の流れを制御することによっても、第二のマニホールド123への冷却液の流れを制御することができる。第二のパイプ又は導管172は、第二の弁162及び第二のマニホールド125と流体連通することができ、冷却液源のための通路を第二のマニホールド125に提供するように構成することができる。第一のパイプ又は導管170は、第一の弁160及び第一のマニホールド123と流体連通することができ、第一のマニホールド123から除去される冷却液のための通路を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、冷却流体は、第二のパイプ172を介して平衡弁(図示せず)及びヘッダ125に供給され、コイル121を通って第一のヘッダ123に出され、制御弁160に供給され、第一のパイプ170を介して高温で熱交換器120から除去され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、熱交換器120は、閉ループシステムとすることができる。いくつかの実施形態では、熱交換器120は、上述のように、開ループシステムとすることができ、冷却液は、外部源から提供される。いくつかの実施形態では、限定されないが、開ループシステム内の冷却液は、施設水供給源からの施設水とすることができる。
【0050】
オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100は、1つ以上の熱交換器120及び/又は1つ以上のコイル121の除去及び/又は交換を容易にするように構成することができる。例えば、1つ以上のフック、フランジ、又は他の支持体を使用して、コイル121若しくはコイル121のアレイ、又は熱交換器を支持することができ、ユーザがコイル121又は熱交換器を上方に持ち上げて、熱交換器又はコイルを除去すること、必要に応じて交換することが可能になる。
【0051】
いくつかの実施形態では、コイル121は、コイル121からの空気の除去を容易にするように構成することができる。限定ではなく例として、各熱交換器120は、コイル121を通る冷却流体の分配を可能にするように構成されたマニホールド123を有することができる。いくつかの実施形態では、ヘッダ123は、システムの効率を向上させるために、ユーザが冷却コイル121から空気を抽気するのに使用することができる弁付きポートを含むことができる。専用のエアブリード、オートエアベント、又はエアエリミネータを使用して、システムから空気(循環液体中に存在し得るマイクロバブルを含むが、これらに限定されない)を除去することができる。
【0052】
従来、サーバ上に水が滴下する可能性があり、空間制約があるため、多くの状況において、冷却機器又は構造をサーバの上方に位置付けることは可能又は実現可能ではなかった。いくつかの実施形態では、システム100は、水をシステムからドレイン又は他のダクトに移動させる1つ以上のトラフ、溝、ダウンスパウト、又は他のチャネル若しくは管を含む、水収集及び管理構成要素を含むため、また移行ダクトは、その下部分がより小さいため、及び/又は本明細書に説明される他の理由により、システム100又はシステム100の構成要素は、データ室内のサーバの上方に配置することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、移行ダクト114は、その下部セクションで、10フィート長(又は約10フィート長)、すなわち、通路の長さ方向の長さ、6フィート幅(又は約6フィート幅)、すなわち、通路の幅方向の幅のサイズを、あるいはその下部セクションで、8フィート以下から12フィート以上の長さ、4フィート以下から8フィート以上の幅のサイズを有することができる。さらに、移行ダクト114は、その上部セクションで長さ10フィート(又は長さ約10フィート)×幅10フィート(又は幅約10フィート)のサイズを、あるいはその上部セクションで長さ8フィート以下~12フィート×幅フィート以下~12フィート以上のサイズを有することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、移行ダクト114の上部分、熱交換器120(冷却コイルを有する)、また、熱交換器120内の液体は、IT機器キャビネットの一部分の上方に配置することができる(例えば、IT機器キャビネットの上方で少なくとも1フィート、又はIT機器キャビネットの上方で少なくとも2フィート、又は特定の実施形態では、IT機器キャビネットの上方で1フィート~2フィートにわたって延在することができる)、あるいは特定の実施形態では、IT機器キャビネットの面積の少なくとも50%又は約50%にわたって延在することができ、あるいはIT機器キャビネットの面積の25~75%にわたって延在することができ、又はIT機器キャビネットの上方で25%~100%にわたって、又はそれ以上延在することができる。前述のように、移行ダクト114及び/又は溝159は、IT機器キャビネットの上方に配置された熱交換器120から漏れる可能性のある水がIT機器キャビネットに滴下しないように、IT機器キャビネットを保護することができる。IT機器キャビネットは、約4フィートの幅を有することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、移行ダクト及び/又は熱交換器の上部分は、移行ダクト及び/又は熱交換器の横方向において、IT機器キャビネットの上方で延在することができ、例えば、特定の実施形態では、(冷却コイルを有する)熱交換器120、及び/又は熱交換器120内の液体が、IT機器キャビネットの一部分の上方に配置され得るように、IT機器キャビネットに隣接する通路、又はIT機器キャビネット間の通路の長さに垂直である方向に延びることができる。(例えば、IT機器キャビネットの上方で少なくとも1フィート、又はIT機器キャビネットの上方で少なくとも2フィート、又は特定の実施形態では、IT機器キャビネットの上方で1フィート~2フィートの間にわたって横方向に延びることができる)。
【0054】
いくつかの実施形態では、1つ以上のファン110は、電子整流(EC)ファン又は他の単一速度ファン若しくは可変速度ファン、あるいはそれらの組み合わせ(例えば、ECファン、単一速度ファン、及び/又は可変速度ファンの任意の組合せ)とすることができ、約26,805CFM(立方フィート/分)、又は約21,450CFM、あるいは20,000CFM~30,000CFM以上の容量に構成することができる。いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100のファンの半分(例えば、オフセット冷却システム100の10個のファンのうちの5個、又はオフセット冷却システム100の12個のファンのうちの6個)、又はオフセット冷却システム100のファンの大部分(例えば、オフセット冷却システム100の10個のファンのうちの6個又は7個、又はオフセット冷却システム100の12個のファンのうちの7個、8個、又は9個)は、単一速度ファンとすることができ、残りのファンは、可変速度ファンとすることができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のファン110は、150kW(又は約150kW)~187.5kW(又は約187.5kW)、又は120kW以下~200kW以上の冷却負荷を支持することができる。
【0055】
冷却コイルは、空気側システム効果/圧力降下を最小限にするように配向及び設置することができる。コイル内に巻き込まれ得る空気を低減及び/又は排除するために、コイルを通る流体速度に注意する必要がある。冷却面速度は、機械設備の重要なパラメータであり、オフセット冷却システム100の最適化において考慮されるべきである。
【0056】
いくつかの実施形態では、冗長性は、個々の構成要素レベルとは対照的に、ユニットレベルで提供することができる。システム100の実施形態のうちのいくつかは、分散冗長性を含むことができ、データホール内の他のオフセット冷却システム又はオフセット冷却システムの他のポッドからの予備容量が、同じデータホール内の他のオフセット冷却システム又はオフセット冷却システムの他のポッドのための予備容量に使用されることができる。いくつかの実施形態では、密結合冷却システムの冗長性は、周囲冷却システムとは異なる。冗長性は、いくつかの実施形態において、各高温通路で達成することができる。オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、4つのユニット、又は4つ未満のユニット、あるいは5つのユニット又は5つ超のユニットを有することができ、それらのユニットは、標準化された展開で設置される。
【0057】
本明細書に開示される任意の実施形態では、熱交換器120は、22.2°F又は約22.2°Fの熱交換器を通過する空気の温度降下(例えば、限定されないが、97.0°Fの入口空気温度及び74.8°Fの出口空気温度)と、0.51水柱インチ又は約0.51水柱インチ、又は0.4水柱インチ~0.6水柱インチ、若しくは0.45水柱インチ~約0.55水柱インチの空気圧力降下とに対して設計又は定格化することができる。いくつかの実施形態では、熱交換器120は、6列のフィン付き管の深さであることができ、フィン間隔は、11フィン/インチ、又は約11フィン/インチ、又は8~14フィン/インチである。本明細書に開示される任意の実施形態では、熱交換器120は、熱交換器を通過する流体の温度が15°F又は約15°F上昇すること(例えば、入る液体温度が70°Fで,出る液体温度が85°Fであるが、これに限定されない)に対して設計又は定格化されることができる。
【0058】
熱交換器設計の開発は、冷却概念の効率に影響を及ぼす。
図2を参照すると、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、ITキャビネットの各150kWセクション当たり(又は各約150kWセクション当たり)に2つの冷却コイルを有することができる。いくつかの実施形態では、冷却コイルを通過する冷却流体は、100%の水とすることができる。他の実施形態では、冷却流体は、他の化学又は非化学冷媒、液体、他の添加剤、及び/又は他の熱担体又は熱伝達物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、冷却コイル121は、圧力降下を最小限に抑えるようにサイズを大きくすることができる。冷却コイルは、いくつかの実施形態では、制御弁を有することができる。他の実施形態では、冷却コイルは、1つ以上の制御弁を伴わずに動作されるか、又は伴わずに組み立てられることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、オフセット冷却システム100及び冷却コイル121は、約20°Fの空気側温度変化、又は約22°Fの空気側温度変化(例えば、97°Fの入口空気温度から75°Fの出口空気温度であるが、これに限定されない)のために、あるいは20°F(又は約20°F)~25°F(又は約25°F)の空気側温度変化のために構成することができる。冷却コイル121は、約26,805CFMの最大空気流量、500FPMの最大面速度、0.5水柱インチの最大空気側圧力降下、入る水及び出る水の温度がそれぞれ70°F及び85°Fでの動作、及び/又は12フィートのヘッド損失の最大水側圧力降下用に構成することができる。いくつかの実施形態では、冷却コイルは、平坦又は水平配向であることができ、又は(わずか又は別様に)傾斜されることができ、液体冷却ループのための低いポンプ電力要件を提供するように、大きくすることができる。いくつかの実施形態では、冷却コイルの傾斜配向は、冷却水からの空気の除去を促進することができる。傾斜は、エアベントを設置するための高い点を作り出すことができる。冷媒コイルは、傾斜からも利益を得ることができる。冷媒ベースのフラッド蒸発器システムのいくつかの編成は、気体と液体の分離を容易にするために、傾斜コイルを必要とすることがある。
【0060】
さらに、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、1つ以上の温度、圧力、及び/又は煙若しくは火災検出センサ、1つ以上のライト、1つ以上の火災抑制構成要素、オフセット冷却システム100の動作に関するデータを送受信する通信デバイス、及び/又はオフセット冷却システム100のファン、冷却コイル、及び他の構成要素を制御するように構成された制御システムを有することができる。いくつかの実施形態では、ユーティリティ(例えば、導管、防火、制御、照明効果等)をポッド又はオフセット冷却システムに入れることができるように、開口部又はより大きな間隙を、隣接する熱交換器のうちのいくつかの間に形成することができる。
【0061】
オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、ITE(情報技術機器)がその意図されたゼロ圧力差又は差環境で動作することを可能にするように構成することができる。さらに、いくつかの実施形態は、ITE一体型ファン(例えば、サーバファン)を利用して空気を移動させ、オフセット冷却システム100内の空気移動エネルギーの大部分又は少数を寄与するように構成することができる。さらに、オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、オフセット冷却システム100が冷却コイルの静的圧力降下を補う又は「オフセット」するのに十分なファンエネルギーのみを提供するように構成することができる。オフセット冷却システム100のいくつかの実施形態は、冷却コイルにおける気流速度を最小限にしながら、従来の高温通路又は低温通路に適合するように構成することができる。さらに、高感度、広範囲の圧力制御を利用して、より正確なファン制御を維持し、エネルギー効率を改善することができる。
【0062】
本明細書に開示される任意の実施形態では、オフセット冷却システム100は、システムを通る空気流と流体連通する1つ以上の空気流センサ180を有することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサ180は、システム100を通って流れる空気の流れ方向、熱交換器にわたる差圧、システムを通って流れる空気の速度、及び/又はシステム100を通って流れる空気の温度を決定するように構成することができる。
図7~
図9は、オフセット冷却システム100の実施形態の直交図であり、システム100に結合された空気流センサ180の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、センサ180は、システムを通って流れる空気と流体連通することができる。限定ではなく例として、いくつかの実施形態では、センサ180は、システム100の移行ダクト114等のダクトによって支持することができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、センサ180は、データをシステム100のコントローラに提供することができ、コントローラは、システム100及び/又はシステム100の1つ以上の構成要素を制御するために使用することができる。
【0063】
本発明のいくつかの実施形態を説明してきたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。実際、本明細書に記載される新規な方法及びシステムは、様々な他の形態で具現化されてもよい。さらに、本明細書で説明されるシステム及び方法における様々な省略、置換、及び変更は、本開示の趣旨から逸脱することなく行われてもよい。添付の特許請求の範囲及びその均等物は、本開示の範囲及び趣旨に含まれるような形態又は変更をカバーすることを意図している。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0064】
特定の態様、実施形態、又は例に関連して説明される特徴、材料、特性、又は群は、矛盾しない限り、本節又は本明細書の他の場所で説明される任意の他の態様、実施形態、又は例に適用可能であることを理解されたい。本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示された特徴の全て、及び/又はそのように開示された任意の方法又はプロセスのステップの全ては、そのような特徴及び/又はステップの少なくともいくつかが相互に排他的である組合せを除いて、任意の組合せで組み合わせることができる。保護は、任意の前述の実施形態の詳細に限定されない。保護は、本明細書(添付の特許請求の範囲、要約書及び図面を含む)に開示される特徴の任意の新規なもの又は任意の新規な組合せに、あるいはそのように開示される任意の方法又はプロセスのステップの任意の新規なもの又は任意の新規な組合せに及ぶ。
【0065】
さらに、別個の実装形態の文脈において本開示で説明されるいくつかの特徴も、単一の実装形態において組み合わせて実装され得る。逆に、単一の実装形態の文脈において説明される様々な特徴も、複数の実装形態において別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションにおいて実装され得る。さらに、特徴は、特定の組合せで機能するものとして上記で説明され得るが、請求される組合せからの1つ以上の特徴は、場合によっては、その組合せから削除され得、その組合せは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形形態として請求され得る。
【0066】
さらに、動作は、特定の順序で図面に描写され得るか、又は本明細書に説明され得るが、そのような動作は、所望の結果を達成するために、示される特定の順序又は連続的な順序で実行される必要も、あるいは全ての動作が実行される必要もない。図示又は説明されていない他の動作は、例示的な方法及びプロセスに組み込まれ得る。例えば、1つ以上の追加の動作は、説明される動作のいずれかの前、後、同時に、又はその間に実行され得る。さらに、動作は、他の実装形態において、再編成又は再順序付けされてもよい。当業者は、いくつかの実施形態では、図示及び/又は開示されるプロセスで行われる実際のステップが、図に示すものと異なり得ることを理解するであろう。実施形態に応じて、上述のステップのいくつかを除去しても、他のステップを追加してもよい。さらに、上で開示された特定の実施形態の特徴及び属性は、さらなる実施形態を形成するために異なる方法で組み合わせてもよく、その全ては本開示の範囲内に入る。また、上述の実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、説明される構成要素及びシステムは、概して、単一の製品にともに統合されること、又は複数の製品にパッケージ化されることもできることを理解されたい。
【0067】
本開示の目的のために、いくつかの態様、利点、及び新規の特徴を本明細書で説明してきた。必ずしも全てのそのような利点が、任意の特定の実施形態に従って達成されるわけではない。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示又は示唆され得る他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示される1つの利点又は利点の群を達成するように、具現化又は実行され得ることを認識するであろう。
【0068】
「できる」、「できよう」、「し得よう」、又は「し得る」等の条件付き言語は、別段に具体的に述べられない限り、又は使用される文脈内で別様に理解されない限り、一般に、特定の実施形態が、特定の特徴、要素、及び/又はステップを含むが、他の実施形態は、それらを含まないことを伝えることが意図される。したがって、そのような条件付き言語は、一般に、特徴、要素、及び/又はステップが1つ以上の実施形態に何らかの形で必要とされること、あるいは1つ以上の実施形態が、ユーザ入力又はプロンプトの有無にかかわらず、これらの特徴、要素、及び/又はステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、又は実行されるべきかを決定するための論理を必然的に含むことを意図するものではない。
【0069】
「X、Y、及びZのうちの少なくとも1つ」という語句等の連結言語は、別段に具体的に述べられていない限り、項目、用語等がX、Y、又はZのいずれかであり得ることを伝えるために一般に使用されるものとして、文脈とともに別様に理解される。したがって、このような連結言語は、一般に、特定の実施形態がXのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、及びZのうちの少なくとも1つの存在を必要とすることを意図するものではない。
【0070】
本明細書で使用される用語「約」、「およそ」、「概ね」、及び「実質的に」等の、本明細書で使用される程度の言葉は、所望の機能を依然として果たすか、又は所望の結果を達成する、記載された値、量、又は特性に近い値、量、又は特性を表す例えば、「約」、「およそ」、「概ね」、及び「実質的に」という用語は、記載された量の10%未満、5%未満、1%未満、0.1%未満、及び0.01%未満である量を指す場合がある。別の例として、特定の実施形態では、「概ね平行」及び「実質的に平行」という用語は、正確に平行から15度、10度、5度、3度、1度、又は0.1度以下だけ離れる値、量、又は特性を指す。明細書に開示される範囲は、また、任意及び全部の重複、部分範囲、及びそれらの組合せも、それらの範囲内の任意の具体的な値も包含する。「~まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「間に」等の言語は、その言及された数を含む。「およそ」又は「約」等の用語が先行する本明細書で使用される数及び値は、その言及された数を含む。例えば、「約7mm」は、「7mm」を含み、「およそ」又は「約」のような用語が先行する数及び範囲は、数又は値の前にそのような用語があってもなくても、数及び範囲を開示すると解釈されるべきであり、本願は、例えば、「約2倍~約5倍」が「2倍~5倍」の範囲の開示も含むように、そのような数、値又は範囲の前に「約」又は「およそ」のような用語があってもなくても、明細書及び/又は特許請求の範囲に開示される数、値及び範囲を請求することを支持するようになっている。
【0071】
本開示の範囲は、この節又は本明細書の他の箇所における好ましい実施形態の特定の開示によって限定されることを意図するものではなく、この節又は本明細書の他の箇所において提示されるような、又は将来提示されるような特許請求の範囲によって定義され得る。特許請求の範囲の文言は、特許請求の範囲で採用される文言に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載される例又は本出願の手続き中の例に限定されず、これらの例は、非排他的であると解釈されるべきである。
【国際調査報告】