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特表2023-552932画像センサ構造及び関連付けられた方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】画像センサ構造及び関連付けられた方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20231213BHJP
   C12Q 1/6869 20180101ALI20231213BHJP
   C12Q 1/6844 20180101ALI20231213BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12Q1/6869 Z
C12Q1/6844 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022580752
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-02-02
(86)【国際出願番号】 US2021062549
(87)【国際公開番号】W WO2022125742
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/123,741
(32)【優先日】2020-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500358711
【氏名又は名称】イルミナ インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】502279294
【氏名又は名称】イルミナ ケンブリッジ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】クラフト,ルイス
(72)【発明者】
【氏名】ヘザリントン,クレイグ リー
(72)【発明者】
【氏名】シースラ,クレイグ エム
(72)【発明者】
【氏名】ブレク,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ベトリー,ジェイソン
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA07
4B029AA23
4B063QA13
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR55
4B063QR62
4B063QS03
4B063QS34
4B063QX02
(57)【要約】
画像センサ構造は、内部に配置された光検出器のアレイを有する撮像層を含む。デバイススタックは、撮像層の上に配置される。光ガイドのアレイは、デバイススタック内に配置される。それぞれの光ガイドは、光検出器に関連付けられている。ナノウェルのアレイは、デバイススタックの上に配置される。それぞれのナノウェルは、光ガイドのアレイのうちの第1の光ガイドに関連付けられている。第1のプライマーセットは、各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置される。第2のプライマーセットは、各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置される。第2のウェル領域は、第1のウェル領域に隣接している。第1及び第2のプライマーセットは、第1のウェル領域内に順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタを、第2のウェル領域内に逆ポリヌクレオチド鎖の逆鎖クラスタを結合させるように動作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサ構造であって、
内部に配置された光検出器のアレイを備える撮像層と、
前記撮像層の上に配置されたデバイススタックと、
前記デバイススタック内に配置された光ガイドのアレイであって、各光ガイドが、前記光検出器のアレイの光検出器に関連付けられている、光ガイドのアレイと、
前記デバイススタックの上に配置されたナノウェルのアレイであって、前記ナノウェルのアレイの各ナノウェルが、前記光ガイドのアレイの第1の光ガイドに関連付けられ、各第1の光ガイドが、前記光検出器のアレイの第1の光検出器に関連付けられている、ナノウェルのアレイと、
各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置された第1のプライマーセットと、
各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置された異なる第2のプライマーセットであって、前記第2のウェル領域は、領域界面で前記第1のウェル領域に隣接する、第2のプライマーセットと、を備え、
前記第1及び第2のプライマーセットは、前記第1のウェル領域内に順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタを結合させ、前記第2のウェル領域内に逆ポリヌクレオチド鎖の隣接する逆鎖クラスタを結合させるように動作可能である、画像センサ構造。
【請求項2】
前記光ガイドのアレイの第2の光ガイドに関連付けられた前記ナノウェルのアレイの各ナノウェルであって、各第2の光ガイドは、前記光検出器のアレイの第2の光検出器に関連付けられている、前記ナノウェルのアレイの各ナノウェルと、
前記第1の光ガイドの上に配置された前記第1のウェル領域と、
前記第2の光ガイドの上に配置された前記第2のウェル領域と、を備える、請求項1に記載の画像センサ構造。
【請求項3】
前記第1のウェル領域の面積は、前記第2のウェル領域の面積よりも小さい、請求項2に記載の画像センサ構造。
【請求項4】
実質的に等しい幅を有する前記第1及び第2のウェル領域と、
前記第2の領域の長さの90%以下の長さを有する前記第1のウェル領域と、を備える、請求項2に記載の画像センサ構造。
【請求項5】
前記第1のウェル領域であって、
前記第1の光ガイド全体の上に配置された第1のセクションであって、第1のセクション幅を有する、第1のセクション、及び
前記第1のセクションから前記領域界面まで延在する第2のセクションであって、前記第1のセクション幅よりも小さい第2のセクション幅を有する、第2のセクション、を備える、前記第1のウェル領域と、
前記第2のウェル領域であって、
前記第2の光ガイド全体の上に配置された第3のセクションであって、第3のセクション幅を有する、第3のセクション、及び
前記第3のセクションから前記領域界面まで延在する第4のセクションであって、前記第3のセクション幅よりも小さい第4のセクション幅を有する、第4のセクション、を備える、前記第2のウェル領域と、を備え、
前記第1のウェル領域の前記第2のセクション幅と前記第2のウェル領域の前記第4のセクション幅とは、実質的に等しい、請求項2に記載の画像センサ構造。
【請求項6】
実質的に円形の形状を有する前記第1のセクション及び第3のセクションを備え、
前記第1及び第3のセクション幅は、それぞれ前記第1及び第3のセクションの直径である、請求項5に記載の画像センサ構造。
【請求項7】
前記第2及び第4のセクション幅は、それぞれ、前記第1及び第3のセクション幅の50%以下である、請求項5に記載の画像センサ構造。
【請求項8】
前記光ガイドのアレイと各ナノウェルの前記第1及び第2のウェル領域との間に配置された不透明層と、
前記第1及び第2のウェル領域の前記領域界面全体の下に延在する前記不透明層と、
各ナノウェルに関連付けられた前記第1及び第2の光ガイドの上面の全体未満を覆う前記不透明層と、を備える、請求項2に記載の画像センサ構造。
【請求項9】
前記不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの前記上面のいかなる部分も覆わない、請求項8に記載の画像センサ構造。
【請求項10】
前記不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた前記第1及び第2の光ガイドの前記上面の10%超を覆う、請求項8に記載の画像センサ構造。
【請求項11】
前記光検出器のアレイの第1の光検出器に関連付けられた前記第1の光ガイドと、
前記光検出器のアレイの第2の光検出器に関連付けられた前記第2の光ガイドと、
前記第1の光検出器と前記第2の光検出器との間のピッチよりも小さい幅を有する前記第1及び第2の光ガイドに関連付けられた各ナノウェルと、
前記第1及び第2の光ガイドであって、前記第1及び第2の光ガイドの関連するナノウェルから、前記第1及び第2の光ガイドの関連する第1及び第2の光検出器まで、互いに対して鋭角に延在する、前記第1及び第2の光ガイドと、を備える、請求項2に記載の画像センサ構造。
【請求項12】
前記関連する第1の光ガイドの第1の部分の上に配置された各ナノウェルの前記第1のウェル領域と、
前記関連する第1の光ガイドの第2の部分の上に配置された各ナノウェルの前記第2のウェル領域と、
前記デバイススタックの上に配置された第1の導波体のアレイであって、各第1の導波体が、前記ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられ、各第1の導波体が、前記第1の導波体の関連するナノウェルの前記第1のウェル領域内に結合した順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である、第1の導波体のアレイと、
前記デバイススタックの上に配置された第2の導波体のアレイであって、各第2の導波体が、前記ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられ、各第2の導波体が、前記第2の導波体の関連するナノウェルの前記第2のウェル領域内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖の逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である、第2の導波体のアレイと、を備える、請求項1に記載の画像センサ構造。
【請求項13】
前記光ガイドのアレイと各ナノウェルの前記第1及び第2のウェル領域との間に配置された導波体層と、
前記導波体層内に配置され、かつ前記第1の導波体の関連するナノウェルの前記第1のウェル領域の下に延在する、導波体のアレイの各第1の導波体と、
前記導波体層内に配置され、かつ前記第2の導波体の関連するナノウェルの前記第2のウェル領域の下に延在する、導波体のアレイの各第2の導波体と、を備える、請求項12に記載の画像センサ構造。
【請求項14】
前記デバイススタックの上に配置されたパッシベーションスタックであって、前記ナノウェルのアレイは、前記パッシベーションスタック内に配置されている、パッシベーションスタックと、
前記第1の導波体の関連するナノウェルの側面に隣接する前記パッシベーションスタック内に配置された、前記第1の導波体のアレイの各第1の導波体と、
前記第2の導波体の関連するナノウェルの反対側の側面に隣接する前記パッシベーションスタック内に配置された、前記導波体のアレイの各第2の導波体と、を備える、請求項12に記載の画像センサ構造。
【請求項15】
前記第1の導波体のアレイの各第1の導波体は、前記第1の導波体の関連するナノウェルに隣接するナノウェルの前記第1又は第2のウェル領域内に結合したポリヌクレオチド鎖のクラスタ上に励起光を照射するように動作可能であり、
前記第2の導波体のアレイの各第2の導波体は、前記第2の導波体の関連するナノウェルに隣接するナノウェルの前記第1又は第2のウェル領域内に結合したポリヌクレオチド鎖のクラスタ上に励起光を照射するように動作可能である、請求項14に記載の画像センサ構造。
【請求項16】
前記第1のウェル領域及び前記第2のウェル領域は、前記領域界面を除いて、前記ウェルの壁によって境界付けられている、請求項1に記載の画像センサ構造。
【請求項17】
前記デバイススタックの上に配置されたパッシベーションスタックを更に備え、前記ナノウェルのアレイは、前記パッシベーションスタック内に配置されている、請求項1に記載の画像センサ構造。
【請求項18】
前記第1のウェル領域の面積は、前記第2のウェル領域の面積よりも小さい、請求項5~16のいずれか一項に記載の画像センサ構造。
【請求項19】
実質的に等しい幅を有する前記第1及び第2のウェル領域と、
前記第2の領域の長さの90%以下の長さを有する前記第1のウェル領域と、を備える、請求項5~16のいずれか一項に記載の画像センサ構造。
【請求項20】
前記第1のウェル領域であって、
前記第1の光ガイド全体の上に配置された第1のセクションであって、第1のセクション幅を有する、第1のセクション、及び
前記第1のセクションから前記領域界面まで延在する第2のセクションであって、前記第1のセクション幅よりも小さい第2のセクション幅を有する、第2のセクション、を備える、前記第1のウェル領域と、
前記第2のウェル領域であって、
前記第2の光ガイド全体の上に配置された第3のセクションであって、第3のセクション幅を有する、第3のセクション、及び
前記第3のセクションから前記領域界面まで延在する第4のセクションであって、前記第3のセクション幅よりも小さい第4のセクション幅を有する、第4のセクション、を備える、前記第2のウェル領域と、を備え、
前記第1のウェル領域の前記第2のセクション幅と前記第2のウェル領域の前記第4のセクション幅とは、実質的に等しい、請求項8~10のいずれか一項に記載の画像センサ構造。
【請求項21】
前記光ガイドのアレイと各ナノウェルの前記第1及び第2のウェル領域との間に配置された不透明層と、
前記第1及び第2のウェル領域の前記領域界面全体の下に延在する前記不透明層と、
各ナノウェルに関連付けられた前記第1及び第2の光ガイドの上面の全体未満を覆う前記不透明層と、を備える、請求項15又は16に記載の画像センサ構造。
【請求項22】
前記不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの前記上面のいかなる部分も覆わない、請求項21に記載の画像センサ構造。
【請求項23】
前記不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた前記第1及び第2の光ガイドの前記上面の10%超を覆う、請求項21に記載の画像センサ構造。
【請求項24】
前記デバイススタックの上に配置されたパッシベーションスタックを更に備え、前記ナノウェルのアレイは、前記パッシベーションスタック内に配置されている、請求項12~14のいずれか一項に記載の画像センサ構造。
【請求項25】
前記第1のウェル領域及び第2のウェル領域は、前記領域界面を除いて、前記ウェルの壁によって境界付けられている、請求項12~14のいずれか一項に記載の画像センサ構造。
【請求項26】
画像センサ構造であって、
内部に配置された光検出器のアレイを備える撮像層と、
前記撮像層の上に配置されたデバイススタックと、
前記デバイススタック内に配置された光ガイドのアレイであって、各光ガイドが、前記光検出器のアレイの光検出器に関連付けられている、光ガイドのアレイと、
前記デバイススタックの上に配置されたナノウェルのアレイであって、前記ナノウェルのアレイの各ナノウェルが、前記光ガイドのアレイの第1及び第2の光ガイドに関連付けられている、ナノウェルのアレイと、
各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置された第1のプライマーセットであって、前記第1のウェル領域は、前記第1の光ガイドの上に配置されている、第1のプライマーセットと、
各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置された異なる第2のプライマーセットであって、前記第2のウェル領域は、前記第2の光ガイドの上に配置され、かつ領域界面において前記第1のウェル領域に隣接している、異なる第2のプライマーセットと、を備え、
前記第1及び第2のプライマーセットは、前記第1のウェル領域内に順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタを結合させ、前記第2のウェル領域内に逆ポリヌクレオチド鎖の隣接する逆鎖クラスタを結合させるように動作可能であり、
前記第1のウェル領域の面積は、前記第2のウェル領域の面積よりも小さい、画像センサ構造。
【請求項27】
前記第1のウェル領域であって、
前記第1の光ガイド全体の上に配置された実質的に円形の形状を有する第1のセクションであって、第1のセクション直径を有する、第1のセクション、及び
前記第1のセクションから前記領域界面まで延在する第2のセクションであって、前記第1のセクション直径よりも小さい第2のセクション幅を有する、第2のセクション、を備える、前記第1のウェル領域と、
前記第2のウェル領域であって、
前記第2の光ガイド全体の上に配置された実質的に円形の形状を有する第3のセクションであって、第3のセクション直径を有する、第3のセクション、及び
前記第3のセクションから前記領域界面まで延在する第4のセクションであって、前記第3のセクション直径よりも小さい第4のセクション幅を有する、第4のセクション、を備える、前記第2のウェル領域と、を備え、
前記第1のウェル領域の前記第2のセクション幅と前記第2のウェル領域の前記第4のセクション幅とは、実質的に等しい、請求項26に記載の画像センサ構造。
【請求項28】
前記光ガイドのアレイと各ナノウェルの前記第1及び第2のウェル領域との間に配置された不透明層と、
前記第1及び第2のウェル領域の前記領域界面全体の下に延在する前記不透明層と、
各ナノウェルに関連付けられた前記第1及び第2の光ガイドの上面の全体未満を覆う前記不透明層と、を備える、請求項26又は27に記載の画像センサ構造。
【請求項29】
前記不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの前記上面のいかなる部分も覆わない、請求項28に記載の画像センサ構造。
【請求項30】
前記光検出器のアレイの第1の光検出器に関連付けられた前記第1の光ガイドと、
前記光検出器のアレイの第2の光検出器に関連付けられた前記第2の光ガイドと、
前記第1の光検出器と前記第2の光検出器との間のピッチよりも小さい幅を有する前記第1及び第2の光ガイドに関連付けられた各ナノウェルと、
前記第1及び第2の光ガイドであって、前記第1及び第2の光ガイドの関連するナノウェルから、前記第1及び第2の光ガイドの関連する第1及び第2の光検出器まで、互いに対して鋭角に延在する、前記第1及び第2の光ガイドと、を備える、請求項26に記載の画像センサ構造。
【請求項31】
画像センサ構造であって、
内部に配置された光検出器のアレイを備える撮像層と、
前記撮像層の上に配置されたデバイススタックと、
前記デバイススタック内に配置された光ガイドのアレイであって、各光ガイドが、前記光検出器のアレイの光検出器に関連付けられている、光ガイドのアレイと、
前記デバイススタックの上に配置されたナノウェルのアレイであって、前記ナノウェルのアレイの各ナノウェルが、前記光ガイドのアレイの第1の光ガイドに関連付けられている、ナノウェルのアレイと、
各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置された第1のプライマーセットであって、前記第1のウェル領域は、前記第1の光ガイドの第1の部分の上に配置されている、第1のプライマーセットと、
各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置された異なる第2のプライマーセットであって、前記第2のウェル領域は、前記第1の光ガイドの第2の部分の上に配置され、前記第2のウェル領域は、領域界面において前記第1のウェル領域に隣接する、異なる第2のプライマーセットと、を備え、
前記第1及び第2のプライマーセットは、前記第1のウェル領域内に順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタを結合させ、前記第2のウェル領域内に逆ポリヌクレオチドの隣接する逆鎖クラスタを結合させるように動作可能である、画像センサ構造。
【請求項32】
前記デバイススタックの上に配置された第1の導波体のアレイであって、各第1の導波体が、前記ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられ、各第1の導波体が、前記第1の導波体の関連するナノウェルの前記第1のウェル領域内に結合した順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である、第1の導波体アレイと、
前記デバイススタックの上に配置された第2の導波体のアレイであって、各第2の導波体が、前記ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられ、各第2の導波体が、前記第2の導波体の関連するナノウェルの前記第2のウェル領域内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖の逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である、第2の導波体のアレイと、を備える、請求項31に記載の画像センサ構造。
【請求項33】
方法であって、
ポリヌクレオチド鎖で画像センサ構造のナノウェルの第1のウェル領域に第1のプライマーセットを播種することと、
前記ナノウェルの第2のウェル領域にある第2のプライマーセットを不活性化して、前記第2のウェル領域での他のポリヌクレオチド鎖の播種をできないようにすることと、
前記第1のウェル領域全体を通して、前記第1のポリヌクレオチド鎖を複数の順鎖及び逆鎖に増幅することと、
前記第1のウェル領域から前記逆鎖を切断して、前記第1のウェル領域内に順鎖クラスタを形成することと、
前記第2のウェル領域にある前記第2のプライマーセットを活性化して、前記第2のウェル領域における播種及び増幅を可能にすることと、
前記第1のウェル領域の前記順鎖クラスタから前記第2のウェル領域に増幅して、前記第2のウェル領域内に複数の順鎖及び逆鎖を形成することと、
前記第2のウェル領域から前記順鎖を切断して、前記第2のウェル領域に逆鎖クラスタを形成することと、
前記第1のウェル領域において前記順鎖クラスタを、及び前記第2のウェル領域において前記逆鎖クラスタを実質的に同時に配列決定することと、を含む、方法。
【請求項34】
前記第2のプライマーセットを不活性化することは、前記第2のウェル領域をマスキングすることを含み、
前記第2のプライマーセットを活性化することは、前記第2のウェル領域をアンマスキングすることを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
実質的に同時に配列決定することは、
第1の蛍光タグを有する第1の相補的ヌクレオチドを前記第1のウェル領域内に前記順鎖クラスタのヌクレオチドに結合させることと、
第2の蛍光タグを有する第2の相補的ヌクレオチドを、前記第2のウェル領域内に前記逆鎖クラスタのヌクレオチドに結合させることと、
励起光を前記順鎖クラスタ及び前記逆鎖クラスタ上に実質的に同時に放射して、前記第1及び第2のタグから放射光を蛍光発光させることと、
前記第1のタグから第1の光ガイドを通って第1の光検出器に至る前記放射光、及び前記第2のタグから第2の光ガイドを通って第2の光検出器に至る前記放射光を、前記順鎖及び逆鎖のヌクレオチドの配列をそれぞれ決定するために、実質的に同時に受光することと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記第1のウェル領域は、前記第2のウェル領域の面積よりも小さい面積を有する、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のウェル領域は、
前記第1の光ガイド全体の上に配置された第1のセクションであって、第1のセクション幅を有する、第1のセクション、及び
前記第1のセクションから前記第1のウェル領域と前記第2のウェル領域との間の領域界面まで延在する第2のセクションであって、前記第1のセクション幅よりも小さい第2のセクション幅を有する、第2のセクション、を備え、
前記第2のウェル領域は、
前記第2の光ガイド全体の上に配置された第3のセクションであって、第3のセクション幅を有する、第3のセクション、及び
前記第3のセクションから前記領域界面まで延在する第4のセクションであって、前記第3のセクション幅よりも小さい第4のセクション幅を有する、第4のセクション、を備える、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
不透明層が、前記第1及び第2の光ガイドと前記第1及び第2のウェル領域との間に配置されており、前記不透明層は、前記第1のウェル領域と前記第2のウェル領域との領域界面全体の下に延在し、前記不透明層は、前記第1及び第2の光ガイドの全体未満を覆う、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記ナノウェルは、前記第1の光検出器と前記第2の光検出器との間のピッチよりも小さい幅を有し、
前記第1及び第2の光ガイドは、前記第1及び第2の光ガイドの関連する第1及び第2の光検出器まで、互いに対して鋭角に延在している、請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記第1のウェル領域は、第1の光ガイドの第1の部分の上に配置されており、
前記第2のウェル領域は、前記第1の光ガイドの第2の部分の上に配置されている、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
実質的に同時に配列決定することは、
第1の蛍光タグを有する第1の相補的ヌクレオチドを前記順鎖クラスタのヌクレオチドに結合させることと、
第2の蛍光タグを有する第2の相補的ヌクレオチドを前記逆鎖クラスタのヌクレオチドに結合させることと、
前記逆鎖クラスタよりも実質的により大量の励起光を前記順鎖クラスタ上に放射して、前記第2のタグよりも実質的により大量の放射光を前記第1のタグから蛍光発光させることと、
前記第1のタグから第1の光ガイドを通って第1の光検出器に至る前記放射光を受光して、前記順鎖の前記ヌクレオチドを決定することと、
前記順鎖クラスタよりも実質的により大量の励起光を前記逆鎖クラスタ上に放射して、前記第1のタグからよりも実質的により大量の放射光を前記第2のタグから蛍光発光させることと、
前記第2のタグから前記第1の光ガイドを通って前記第1の光検出器に至る前記放射光を受光して、前記逆鎖のヌクレオチドを決定することと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
第1の導波体が、前記第1の光ガイドの上に配置され、
第2の導波体が、前記第1の光ガイドの上に配置され、
前記励起光が、前記第1の導波体を通して前記順鎖クラスタ上に放射され、
前記励起光が、前記第2の導波体を通して前記逆鎖クラスタ上に放射される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
実質的に同時に配列決定することは、
第1の蛍光タグを有する第1の相補的ヌクレオチドを前記順鎖クラスタのヌクレオチドに結合させることと、
第2の蛍光タグを有する第2の相補的ヌクレオチドを前記逆鎖クラスタのヌクレオチドに結合させることと、
前記第1のウェル領域内の前記順鎖クラスタ上及び前記第2のウェル領域内の前記逆鎖クラスタ上に実質的に同時に励起光を放射して、前記第1及び第2のタグから放射光を蛍光発光させることと、
前記第1及び第2のタグから第1の光ガイドを通って第1の光検出器に至る複合放射光を受光することと、
信号処理技術を利用して、前記第1の光検出器で検出された前記複合放射光に関連付けられた前記順鎖及び前記逆鎖のヌクレオチドを決定することと、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
実質的に同時に配列決定することは、
前記順鎖の第1のタグから第1の光検出器に至る放射光と、前記逆鎖の第2のタグから第2の光検出器に至る放射光とを実質的に同時に受光して、前記順鎖及び前記逆鎖のヌクレオチドの配列をそれぞれ決定すること、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
実質的に同時に配列決定することは、
前記順鎖の第1のタグから第1の光検出器に至る放射光と、前記逆鎖の第2のタグから前記第1の光検出器に至る放射光とを受光して、前記順鎖及び前記逆鎖のヌクレオチドの配列をそれぞれ決定すること、を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記順鎖の第1のタグから第1の光検出器に至る放射光を受光することは、前記逆鎖の第2のタグから前記第1の光検出器に至る放射光を受光することと実質的に同時に受光される、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記順鎖の第1のタグから第1の光検出器に至る放射光を受光することは、前記逆鎖の第2のタグから前記第1の光検出器に至る放射光を受光する前に受光される、請求項45に記載の方法。
【請求項48】
前記第2のプライマーセットを不活性化することは、前記第2のウェル領域をマスキングすることを含み、
前記第2のプライマーセットを活性化することは、前記第2のウェル領域をアンマスキングすることを含む、請求項35~47のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年12月10日に出願された、「IMAGE SENSOR STRUCTURES AND RELATED METHODS」と題される米国仮出願第63/123,741号の本出願であり、当該仮出願の優先権を主張するものであり、当該仮出願の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
画像センサ構造は、フローセルとしてそのようなマイクロ流体デバイスと結合されて、センサシステムを形成し得る。センサシステムは、例えば、バイオセンサシステムであり得る。そのようなセンサシステムは、多くの場合、ナノウェル内に配置されたポリヌクレオチド鎖上に制御された反応プロトコルを実行するために、画像センサ構造の1つ以上の層(本明細書では「パッシベーションスタック」)のパッシベーションスタックの上層に配置されたナノウェルの高密度アレイを利用する。反応プロトコルは、例えば、鎖内のヌクレオチドの順序を決定し得る。
【0003】
そのような反応プロトコルの例では、画像センサ構造のナノウェルアレイに配置されるポリヌクレオチド鎖(DNA断片のクラスタ、核酸分子鎖など)は、フローセルを通る流体の流れを介して鎖に送出される識別可能な標識(蛍光標識ヌクレオチド塩基など)によりタグ付けされ得る。次いで、1つ以上の励起光を、ナノウェル内のラベル付き鎖上に向けることができる。次いで、ラベル付き鎖は、鎖内のヌクレオチド塩基の順序を示す放射光の光子を放出することができ、これは、パッシベーションスタックを通して、各ナノウェルに関連付けられた(例えば、直下に位置する)画像センサ構造の光ガイドに送出することができことができる。
【0004】
光ガイドは、放射光光子を、画像センサ構造内に配置され光ガイドに関連付けられた光検出器に向ける。光検出器は、放出光光子を検出する。次いで、画像センサ構造内のデバイス回路は、それらの検出された光子を使用してデータ信号を処理し、送信する。次いで、データ信号を分析して、鎖内のヌクレオチド塩基の配列を明らかにすることができる。そのような配列決定プロセスの例は、合成による配列決定として知られている。
【0005】
配列決定プロセスのためのポリヌクレオチド鎖の調製の例では、第1のアダプタ及び異なる第2のアダプタが、多くの場合、ポリヌクレオチド鎖の末端に添加されて、DNAライブラリとして知られているものを形成する。アダプタは、オリゴヌクレオチド断片(オリゴ)などの順プライマー及び逆プライマーに相補的であり、それらの5’末端によってフローセルのナノウェルに固定される。したがって、配列決定すべきDNAライブラリは、(種子を)フォワードプライマー及びリバースプライマーにハイブリダイズし、DNAクラスタを形成する固体支持体上で増幅される。
【0006】
順鎖又は逆鎖を独立して切断及び除去できるように、フォワードプライマー及びリバースプライマーは化学的切断部位を含む。順鎖及び逆鎖の配列決定は、順番に、まず最初に逆鎖を除去し、それらの3’末端を遮断し、順鎖を配列決定し、次いで、クラスタが再増幅された後、順鎖を除去し、それらの3’末端を遮断し、そして逆鎖を配列決定することによって実行される。
【0007】
しかしながら、順鎖及び逆鎖の合成が順次に行われるため、プロセスは非常に時間がかかる。追加的に、ナノウェルが大きいほど(例えば、より大きなクラスタ又は複数のクラスタについて)、ポリクローン性(すなわち、2つ以上のタイプの鎖がナノウェルに最初に播種され、次いでポリクローナルクラスタに同時に増幅される)が生じ得る。更に、より近いクラスタは互いに相互になり、クロストーク(すなわち、1つのクラスタから放出された光が別のクラスタの光ガイドに入り、関連しない光検出器上で記録される)の確率が高くなる。
【0008】
したがって、最初にポリヌクレオチド鎖の順鎖を、次に逆鎖を順次に合成するよりも迅速な配列決定プロセスを可能にする画像センサ構造が必要とされている。更に、より迅速な配列決定プロセスがより大きなナノウェルを含み得る場合、ポリクローン性の確率を低減する必要がある。追加的に、より迅速な配列決定プロセスが互いに近接した複数のクラスタを含み得る場合、クロストークの確率を低減する必要がある。
【発明の概要】
【0009】
本開示は、隣接する順鎖及び逆鎖クラスタの同時ペアエンド配列決定(又は読み取り)を可能にする画像センサ構造を提供することによって、先行技術に対する利点、利益、及び代替を提供する。同時ペアエンド配列決定により、ユーザは、クラスタの順鎖及び逆相補鎖の両方を同時に配列決定することができる。追加的に、本開示の画像センサは、隣接する順鎖クラスタ及び逆鎖クラスタについてのポリクローン性及びクロストークの低減された確率を可能にする様々な構造を含む。
【0010】
本開示の1つ以上の態様による画像センサ構造は、撮像層を含む。撮像層は、内部に配置された光検出器のアレイを含む。デバイススタックは、撮像層の上に配置される。光ガイドのアレイは、デバイススタック内に配置される。各光ガイドは、光検出器のアレイの光検出器に関連付けられている。ナノウェルのアレイは、デバイススタックの上に配置される。ナノウェルのアレイの各ナノウェルは、光ガイドのアレイの第1の光ガイドに関連付けられている。第1のプライマーセットは、各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置される。異なる第2のプライマーセットは、各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置される。第2のウェル領域は、領域界面において第1のウェル領域に隣接している。第1及び第2のプライマーセットは、第1のウェル領域内に順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタを結合させ、第2のウェル領域内に逆ポリヌクレオチド鎖の隣接する逆鎖クラスタを結合させるように動作可能である。
【0011】
画像センサ構造のいくつかの例では、ナノウェルのアレイの各ナノウェルは、光ガイドのアレイの第2の光ガイドに関連付けられる。第1のウェル領域は、第1の光ガイドの上に配置される。第2のウェル領域は、第2の光ガイドの上に配置される。
【0012】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1のウェル領域の面積は、第2のウェル領域の面積よりも小さい。
【0013】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1及び第2のウェル領域は実質的に等しい幅を有する。第1のウェル領域は、第2の領域の長さの90%以下の長さを有する。
【0014】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1のウェル領域は、第1の光ガイド全体の上に配置された第1のセクションを含む。第1のセクションは、第1のセクション幅を有する。第2のセクションは、第1のセクションから領域界面まで延在する。第2のセクションは、第1のセクション幅よりも小さい第2のセクション幅を有する。第2のウェル領域は、第2の光ガイド全体の上に配置された第3のセクションを含む。第3のセクションは、第3のセクション幅を有する。第4のセクションは、第3のセクションから領域界面まで延在する。第4のセクションは、第3のセクション幅よりも小さい第4のセクション幅を有する。第1のウェル領域の第2のセクション幅及び第2のウェル領域の第4のセクション幅は、実質的に等しい。
【0015】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1のセクション及び第3のセクションは、実質的に円形の形状を有する。第1及び第3のセクション幅は、それぞれ第1及び第3のセクションの直径である。
【0016】
画像センサ構造のいくつかの例では、第2及び第4のセクション幅は、それぞれ、第1及び第3のセクション幅の50%以下である。
【0017】
画像センサ構造のいくつかの例では、不透明層は、光ガイドのアレイと各ナノウェルの第1及び第2のウェル領域との間に配置される。不透明層は、第1のウェル領域と第2のウェル領域との領域界面全体の下に延在する。不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの上面の全体未満を覆う。
【0018】
画像センサ構造のいくつかの例では、不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの上面のいかなる部分も覆わない。
【0019】
画像センサ構造のいくつかの例では、不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの上面の10%超を覆う。
【0020】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1の光ガイドは、光検出器のアレイの第1の光検出器に関連付けられている。第2の光ガイドは、光検出器のアレイの第2の光検出器に関連付けられている。各ナノウェルは、第1及び第2の光検出器間のピッチよりも小さい幅を有する第1及び第2の光ガイドに関連付けられる。第1及び第2の光ガイドは、それらに関連するナノウェルから、それらに関連する第1及び第2の光検出器まで、互いに対して鋭角に延在する。
【0021】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1のウェル領域は、第1の光ガイドの第1の部分の上に配置される。第2のウェル領域は、第1の光ガイドの第2の部分の上に配置される。
【0022】
画像センサ構造のいくつかの例では、導波体層は、光ガイドのアレイと各ナノウェルの第1及び第2のウェル領域との間に配置される。第1の導波体は、導波体層内に配置され、第1のウェル領域の下に延在する。第1の導波体は、第1のウェル領域内に結合した順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。第2の導波体は、導波体層内に配置され、第2のウェル領域の下に延在する。第2の導波体は、第2のウェル領域内に結合した逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。
【0023】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1の導波体は、第1のウェル領域内に結合した順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。追加的に、第2の導波体は、第2のウェル領域内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖の逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。
【0024】
画像センサ構造のいくつかの例では、パッシベーションスタックがデバイススタックの上に配置され、ナノウェルのアレイがパッシベーションスタック内に配置される。
【0025】
画像センサ構造のいくつかの例では、各ナノウェルの第1のウェル領域は、関連する第1の光ガイドの第1の部分の上に配置される。各ナノウェルの第2のウェル領域は、関連する第1の光ガイドの第2の部分の上に配置される。第1の導波体のアレイは、デバイススタックの上に配置される。各第1の導波体は、ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられている。各第1の導波体は、第1の導波体の関連するナノウェルの第1のウェル領域内に結合した順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。第2の導波体のアレイは、デバイススタックの上に配置される。各第2の導波体は、ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられている。各第2の導波体は、第2の導波体の関連するナノウェルの第2のウェル領域内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖の逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。
【0026】
画像センサ構造のいくつかの例では、導波体層は、光ガイドのアレイと各ナノウェルの第1及び第2のウェル領域との間に配置される。導波体のアレイの各第1の導波路は、導波体層内に配置され、第1の導波体の関連するナノウェルの第1のウェル領域の下に延在する。導波体のアレイの各第2の導波路は、導波体層内に配置され、第2の導波体に関連するナノウェルの第2のウェル領域の下に延在する。
【0027】
画像センサ構造のいくつかの例では、パッシベーションスタックがデバイススタックの上に配置され、ナノウェルのアレイがパッシベーションスタック内に配置される。第1の導波体のアレイの各第1の導波路は、第1の導波体の関連するナノウェルの側面に隣接するパッシベーションスタック内に配置される。導波体のアレイの各第2の導波路は、第2の導波体の関連するナノウェルの反対側の側面に隣接するパッシベーションスタック内に配置される。
【0028】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1の導波体のアレイの各第1の導波体は、第1の導波体の関連するナノウェルに隣接するナノウェルの第1又は第2のウェル領域内に結合したポリヌクレオチド鎖のクラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。第2の導波体のアレイの各第2の導波路は、第2の導波体の関連するナノウェルに隣接するナノウェルの第1又は第2のウェル領域内に結合したポリヌクレオチド鎖のクラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。
【0029】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1のウェル領域及び第2のウェル領域は、領域界面を除いて、ウェルの壁によって境界付けられる。
【0030】
本開示の1つ以上の態様による別の画像センサ構造は、デバイススタックの上に配置された画像スタックを含む。デバイススタックは、撮像層の上に配置される。光ガイドのアレイは、デバイススタック内に配置される。各光ガイドは、光検出器のアレイの光検出器に関連付けられている。ナノウェルのアレイは、デバイススタックの上に配置される。ナノウェルのアレイの各ナノウェルは、光ガイドのアレイの第1及び第2の光ガイドに関連付けられる。第1のプライマーセットは、各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置される。第1のウェル領域は、第1の光ガイドの上に配置される。異なる第2のプライマーセットは、各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置される。第2のウェル領域は、第2の光ガイドの上に配置され、領域界面において第1のウェル領域に隣接している。第1及び第2のプライマーセットは、第1のウェル領域に順鎖クラスタを結合させ、第2のウェル領域に隣接する逆鎖クラスタを結合させるように動作可能である。第1のウェル領域の面積は、第2のウェル領域の面積よりも小さい。
【0031】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1のウェル領域は、第1の光ガイド全体の上に配置された実質的に円形の形状を有する第1のセクションを含む。第1のセクションは、第1のセクション直径を有する。第2のセクションは、第1のセクションから領域界面まで延在する。第2のセクションは、第1のセクション直径よりも小さい第2のセクション幅を有する。第2のウェル領域は、第2の光ガイド全体の上に配置された実質的に円形の形状を有する第3のセクションを含む。第3のセクションは、第3のセクション直径を有する。第4のセクションは、第3のセクションから領域界面まで延在する。第4のセクションは、第3のセクション直径よりも小さい第4のセクション幅を有する。第1のウェル領域の第2のセクション幅及び第2のウェル領域の第4のセクション幅は、実質的に等しい。
【0032】
画像センサ構造のいくつかの例では、不透明層は、光ガイドのアレイと各ナノウェルの第1及び第2のウェル領域との間に配置される。不透明層は、第1のウェル領域と第2のウェル領域との領域界面全体の下に延在する。不透明層は、各ナノウェルに関連する第1及び第2の光ガイドの上面の一部分全体未満を覆う。
【0033】
画像センサ構造のいくつかの例では、不透明層は、各ナノウェルに関連付けられた第1及び第2の光ガイドの上面のいかなる部分も覆わない。
【0034】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1の光ガイドは、光検出器のアレイの第1の光検出器に関連付けられている。第2の光ガイドは、光検出器のアレイの第2の光検出器に関連付けられている。各ナノウェルは、第1及び第2の光検出器間のピッチよりも小さい幅を有する第1及び第2の光ガイドに関連付けられる。第1及び第2の光ガイドは、それらに関連するナノウェルから、それらに関連する第1及び第2の光検出器まで、互いに対して鋭角に延在する。
【0035】
本開示の1つ以上の態様による別の画像センサ構造は、デバイススタックの上に配置された画像スタックを含む。デバイススタックは、撮像層の上に配置される。光ガイドのアレイは、デバイススタック内に配置される。各光ガイドは、光検出器のアレイの光検出器に関連付けられている。ナノウェルのアレイは、デバイススタックの上に配置される。ナノウェルのアレイの各ナノウェルは、光ガイドのアレイの第1の光ガイドに関連付けられている。第1のプライマーセットは、各ナノウェルの第1のウェル領域全体に配置される。第1のウェル領域は、第1の光ガイドの第1の部分の上に配置される。異なる第2のプライマーセットは、各ナノウェルの第2のウェル領域全体に配置される。第2のウェル領域は、第1の光ガイドの第2の部分の上に配置される。第2のウェル領域は、領域界面において第1のウェル領域に隣接している。第1及び第2のプライマーセットは、第1のウェル領域に順鎖クラスタを結合させ、第2のウェル領域に隣接する逆鎖クラスタを結合させるように動作可能である。
【0036】
画像センサ構造のいくつかの例では、導波体層は、光ガイドのアレイと各ナノウェルの第1及び第2のウェル領域との間に配置される。第1の導波体は、導波体層内に配置され、第1のウェル領域の下に延在する。第1の導波体は、第1のウェル領域内に結合した順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。第2の導波体は、導波体層内に配置され、第2のウェル領域の下に延在する。第2の導波体は、第2のウェル領域内に結合した逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。
【0037】
画像センサ構造のいくつかの例では、第1の導波体のアレイがデバイススタックの上に配置される。各第1の導波体は、ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられている。各第1の導波体は、第1の導波体の関連するナノウェルの第1のウェル領域内に結合した順ポリヌクレオチド鎖の順鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。第2の導波体のアレイは、デバイススタックの上に配置される。各第2の導波体は、ナノウェルのアレイのナノウェルに関連付けられている。各第2の導波体は、第2の導波体の関連するナノウェルの第2のウェル領域内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖の逆鎖クラスタ上に励起光を照射するように動作可能である。
【0038】
本開示の1つ以上の態様による同時ペアエンド配列決定の方法は、ポリヌクレオチド鎖で画像センサ構造のナノウェルの第1のウェル領域に第1のプライマーセットを播種することを含む。ナノウェルの第2のウェル領域にある第2のプライマーセットは、第2のウェル領域内での他のポリヌクレオチド鎖の播種をできないようにするために不活性化される。第1のポリヌクレオチド鎖は、第1のウェル領域全体を通して複数の順鎖及び逆鎖に増幅される。逆鎖を第1のウェル領域から切断して、第1のウェル領域に順鎖クラスタを形成する。第2のウェル領域にある第2のプライマーセットは、第2のウェル領域における播種及び増幅を可能にするように活性化される。第1のウェル領域の順鎖クラスタを第2のウェル領域に増幅して、第2のウェル領域に複数の順鎖及び逆鎖を形成する。順鎖を第2のウェル領域から切断して、第2のウェル領域に逆鎖クラスタを形成する。第1のウェル領域の順鎖クラスタ及び第2のウェル領域の逆鎖クラスタは、実質的に同時に配列決定される。
【0039】
本方法のいくつかの例では、第2のプライマーセットを不活性化することは、第2のウェル領域をマスキングすること、及び第2のプライマーセットを活性化することは、第2のウェル領域をアンマスキングすることを含む。
【0040】
方法のいくつかの例では、第1の蛍光タグを有する第1の相補的ヌクレオチドは、第1のウェル領域内の順鎖クラスタのヌクレオチドに結合される。第2の蛍光タグを有する第2の相補的ヌクレオチドは、第2のウェル領域内の逆鎖クラスタのヌクレオチドに結合される。励起光は、順鎖クラスタ及び逆鎖クラスタ上に実質的に同時に放射されて、第1及び第2のタグから放射光を蛍光発光させる。第1のタグからの放射光は、第1の光ガイドを通して第1の光検出器に送出され、第2のタグからの放射光は、第2の光ガイドを通して第2の光検出器に送出され、それぞれ順鎖及び逆鎖のヌクレオチドの配列を決定する。
【0041】
方法のいくつかの例では、第1のウェル領域は、第2のウェル領域の面積よりも小さい面積を有する。
【0042】
方法のいくつかの例では、第1のウェル領域は、第1及び第2のセクションを含む。第1のセクションは、第1の光ガイド全体の上に配置される。第1のセクションは、第1のセクション幅を有する。第2のセクションは、第1のセクションから第1のウェル領域と第2のウェル領域との間の領域界面まで延在する。第2のセクションは、第1のセクション幅よりも小さい第2のセクション幅を有する。第2のウェル領域は、第3及び第4のセクションを含む。第3のセクションは、第2の光ガイド全体の上に配置される。第3のセクションは、第3のセクション幅を有する。第4のセクションは、第3のセクションから領域界面まで延在する。第4のセクションは、第3のセクション幅よりも小さい第4のセクション幅を有する。
【0043】
本方法のいくつかの例では、不透明層が、第1の光ガイドと第2の光ガイドとの間、及び第1のウェル領域と第2のウェル領域との間に配置される。不透明層は、第1のウェル領域と第2のウェル領域との領域界面全体の下に延在する。不透明層は、第1及び第2の光ガイドの全体未満を覆う。
【0044】
本方法のいくつかの例では、ナノウェルは、第1の光検出器と第2の光検出器との間のピッチよりも小さい幅を有する。第1及び第2の光ガイドは、それらに関連する第1及び第2の光検出器まで、互いに対して鋭角に延在する。
【0045】
本方法のいくつかの例では、第1のウェル領域は、第1の光ガイドの第1の部分の上に配置される。第2のウェル領域は、第1の光ガイドの第2の部分の上に配置される。
【0046】
本方法のいくつかの例では、第1の蛍光タグを有する第1の相補的ヌクレオチドは、順鎖クラスタのヌクレオチドに結合される。第2の蛍光タグを有する第2の相補的ヌクレオチドは、逆鎖クラスタのヌクレオチドに結合される。逆鎖クラスタよりも実質的により大量の励起光を、順鎖クラスタに放射して、第2のタグよりも実質的により大量の放射光を第1のタグから蛍光発光させる。放射光は、第1のタグから第1の光ガイドを通して第1の光検出器に送出されて、順鎖のヌクレオチドを決定する。実質的により大きな量の励起光が順鎖クラスタ上よりも逆鎖クラスタ上に放射されて、第1のタグよりも実質的により大きな量の放射光を第2のタグから蛍光発光させる。放射光は、第2のタグから第1の光ガイドを通して第1の光検出器に送出され、逆鎖のヌクレオチドを決定する。
【0047】
本方法のいくつかの例では、導波体層が、第1の光ガイドと第1及び第2のウェル領域との間に配置される。第1の導波体は、導波体層に配置され、第1の導波体は、第1のウェル領域の下に延在するが、第2のウェル領域の下には延在しない。第2の導波体は、導波体層に配置され、第2の導波体は、第2のウェル領域の下に延在しているが、第1のウェル領域の下には延在しない。励起光は、第1の導波体を通して順鎖クラスタ上に放射される。励起光は、第2の導波体を通して逆鎖クラスタ上に放射される。
【0048】
本方法のいくつかの例では、第1の導波体が、第1の光ガイドの上に配置される。第2の導波体は、第1の光ガイドの上に配置される。励起光は、第1の導波体を通して順鎖クラスタ上に放射される。励起光は、第2の導波体を通して逆鎖クラスタ上に放射される。
【0049】
本方法のいくつかの例では、第1の蛍光タグを有する第1の相補的ヌクレオチドは、順鎖クラスタのヌクレオチドに結合される。第2の蛍光タグを有する第2の相補的ヌクレオチドは、逆鎖クラスタのヌクレオチドに結合される。励起光は、第1のウェル領域の順鎖クラスタ上及び第2のウェル領域の逆鎖クラスタ上に実質的に同時に放射され、第1及び第2のタグから放射光を蛍光発光させる。第1及び第2のタグからの複合放射光は、第1の光ガイドを通して第1の光検出器に送出される。信号処理技術を利用して、第1の光検出器で検出された複合放射光に関連付けられた順鎖及び逆鎖のヌクレオチドを決定する。
【0050】
本方法のいくつかの例では、配列決定は、順鎖の第1のタグから第1の光検出器に至る放射光と、逆鎖の第2のタグから第2の光検出器に至る放射光とを実質的に同時に受光し、それぞれ順鎖及び逆鎖のヌクレオチドの配列を決定することを実質的に同時に含む。
【0051】
本方法のいくつかの例では、配列決定は、順鎖の第1のタグから第1の光検出器に至る放射光と、逆鎖の第2のタグから第1の光検出器に至る放射光とを実質的に同時に受光し、それぞれ順鎖及び逆鎖のヌクレオチドの配列を決定することを含む。
【0052】
本方法のいくつかの例では、順鎖の第1のタグから第1の光検出器で受光される放射光は、逆鎖の第2のタグから第1の光検出器で受光される放射光と実質的に同時に受光される。
【0053】
本方法のいくつかの例では、順鎖の第1のタグから第1の光検出器で受光される放射光は、逆鎖の第2のタグからの放射光が第1の光検出器で受光される前に受光される。
【0054】
以下でより詳細に説明される、前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせは(かかる概念が相互に矛盾しないという前提で)、本明細書に開示される主題の一部であると考えられ、かつ/又は特定の態様の特定の利益を達成するように組み合わせることができることを理解されたい。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される主題の一部であると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて読むことにより、より完全に理解されよう。
図1】本明細書に記載の態様による、画像センサ構造のウェル領域に固定されたプライマー分子のセットの例を示す。
図2】本明細書に記載の態様による、画像センサ構造のウェル領域に導入することのできるポリヌクレオチド鎖の例を示す。
図3】本明細書に記載の態様による、順鎖としてウェル領域内に結合したポリヌクレオチド鎖のクラスタの例を示す。
図4】本明細書に記載の態様による、逆鎖としてウェル領域内に結合したポリヌクレオチド鎖のクラスタの例を示す。
図5】本明細書に記載の態様による、そのヌクレオチドの順序を決定するために配列決定される順鎖の例を示す。
図6】本明細書に記載の態様による、ナノウェル上にそれぞれ配置された隣接する順鎖クラスタ及び逆鎖クラスタの例を示す。
図7A】本明細書に記載の態様による、画像センサ構造に結合したフローセルを有するセンサシステムの断面側面図の例を示す。
図7B】本明細書に記載の態様による、図7Aの線7B-7Bに沿った図7Aの画像センサ構造の上面図の一例を示す。
図8】本明細書に記載の態様による、画像センサ構造のナノウェル内の第1のウェル領域及び隣接する第2のウェル領域の上面図の例を示し、第1及び第2のウェル領域は実質的に等しい面積を有する。
図9】本明細書に記載の態様による、画像センサ構造のナノウェル内の第1のウェル領域及び隣接する第2のウェル領域の上面図の別の例を示し、第1及び第2のウェル領域は、実質的に等しくない面積を有する。
図10】本明細書に記載の態様による、画像センサ構造のナノウェル内の第1のウェル領域及び隣接する第2のウェル領域の上面図の別の例を示し、第1及び第2のウェル領域は、概してドッグボーン形状を有する。
図11】本明細書に記載の態様による、(順鎖クラスタを有する第1のウェル領域と逆鎖クラスタを有する第2のウェル領域との)コントラスト比対vs第1のウェル領域に関連付けられた光ガイド中心からの距離のグラフの例を示す。
図12】本明細書に記載の態様による、光ガイドのアレイとナノウェルの第1及び第2のウェル領域との間に配置された不透明層を有する画像センサ構造の断面図の例を示す。
図13A】本明細書に記載の態様による、図12の画像センサ構造の不透明層の上面斜視図の例を示す。
図13B】本明細書に記載の態様による、図12の画像センサ構造の不透明層の上面斜視図の別の例を示す。
図13C】本明細書に記載の態様による、図12の画像センサ構造の不透明層の上面斜視図の別の例を示す。
図14A】本明細書に記載の態様による、コントラスト比対vs第1のウェル領域に関連付けられた光ガイド中心からの距離のグラフの例を示し、不透明層は、第1及び第2のウェル領域と光ガイドのアレイとの間に配置されていない。
図14B】本明細書に記載の態様による、コントラスト比対vs第1のウェル領域に関連付けられた光ガイド中心からの距離のグラフの例を示し、不透明層が、第1及び第2のウェル領域と光ガイドのアレイとの間に配置されている。
図15】本明細書に記載の態様による、第1及び第2の光ガイド上に配置された第1及び第2のウェル領域を有する画像センサ構造の一例を示す図であり、光ガイドは、互いに対して鋭角を成す。
図16】本明細書に記載の態様による、光ガイドの第1及び第2の部分の上に配置された第1及び第2のウェル領域を備えるナノウェルを有する画像センサ構造の一例を示し、第1及び第2の導波体は、それぞれ、導波体層内に配置され、それぞれ、第1及び第2のウェル領域の下に延在する。
図17】本明細書に記載の態様による、光ガイドの第1及び第2の部分の上に配置された第1及び第2のウェル領域を有するナノウェルを有する画像センサ構造の一例を示し、第1及び第2の導波体は、パッシベーションスタック内にナノウェルに隣接して、かつその両側に配置されている。
図18】本明細書に記載の態様による、図17のナノウェル及び光ガイドのアレイを有する画像センサ構造の断面図の例を示す。
図19】本明細書に記載の態様による、共有する光ガイドの第1及び第2の部分の上に配置された第1及び第2のウェル領域を有する画像センサ構造の断面図の例を示す。
図20A】本明細書に記載の態様による、明るいクラスタの散布図の例を示す。
図20B】本明細書に記載の態様による、暗いクラスタの散布図の例を示す。
図21】本明細書に記載の態様による、明るいクラスタ及び暗いクラスタからの強度値によって形成された16の分布を示す散布図の例を示す。
図22】本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法のフロー図の例を示す。
図23】本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法の別のフロー図の例を示す。
図24】本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法の別のフロー図の例を示す。
図25】本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法の別のフロー図の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
ここで、本明細書で開示される方法、システム、及びデバイスの構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の実施例が説明される。1つ以上の実施例が添付図面に示されている。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に例示される方法、システム、及び装置は、非限定的な例であり、本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。ある実施例に関連して図示又は説明された特徴は、他の実施例の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正形態及び変形形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0057】
特許請求の範囲を含む本開示全体にわたって使用され得る用語「実質的に」、「およそ」、「約」、「比較的」、又は他のそのような類似の用語は、処理における変動などに起因する、基準又はパラメータからの小さな変動を説明し、かつ考慮するために使用される。そのような小さな変動は、基準又はパラメータからのゼロ点変動も含む。例えば、それらは、±5%以下など、±2%以下など、±1%以下など、±0.5%以下など、±0.2%以下など、±0.1%以下など、±0.05%以下などの、±10%以下を指すことができる。
【0058】
図1を参照すると、本明細書に記載の態様による、画像センサ構造100のウェル領域104に(例えば、化学アンカー103を介して)固定されたプライマー分子のセット(すなわち、プライマーセット)102の一例が示されている。プライマーセット102は、画像センサ構造100のウェル領域104を活性化して、ポリヌクレオチド鎖110(図2参照)を画像センサ構造100に固定することができる、少なくとも2つのタイプのオリゴヌクレオチド(すなわち、オリゴ)106、108を含んでもよい。オリゴ106及び108は、本明細書ではそれぞれ順オリゴ及び逆オリゴ又はプライマーと称され得る。
【0059】
図2を参照すると、本明細書に記載の態様による、フローセル112(図7A参照)を介して画像センサ構造100のウェル領域104に導入され得るポリヌクレオチド鎖110の一例が示されている。ポリヌクレオチド鎖110は、ヌクレオチド116の未知の配列のポリヌクレオチド断片(DNA又はRNA断片など)114を含み得る。
【0060】
ポリヌクレオチド鎖110はまた、一対の順方向末端アダプタ118及び逆方向末端アダプタ120を含み得る。アダプタ118、120の対は、オリゴ106、108に相補的であり得る。
【0061】
図3を参照すると、本明細書に記載の態様による、順鎖122としてウェル領域104に結合したポリヌクレオチド鎖110の順鎖クラスタ121の一例が示されている。ポリヌクレオチド鎖110が順鎖122として結合されると、順オリゴ106は、順方向末端アダプタ118を置換して、順鎖122をウェル領域104の床に固定することができる。逆方向末端アダプタ120は依然として、順鎖122の自由端に繋がれている。
【0062】
図4を参照すると、本明細書に記載の態様による、逆鎖124としてウェル領域104に結合したポリヌクレオチド鎖110の逆鎖クラスタ123の一例が示されている。ポリヌクレオチド鎖110が逆鎖124として結合されると、逆オリゴ108は、逆方向末端アダプタ120を置換して、鎖110をウェル領域104の床に固定する。順方向末端アダプタ118は、逆鎖124の自由端に依然として繋がれている。
【0063】
図5を参照すると、本明細書に記載の態様による、ヌクレオチド116の順序を決定するために配列決定される順鎖122の一例が示されている。順鎖122の各ヌクレオチド116に関連付けられた特定の種類の窒素塩基(例えば、116-1~116-9及びそれ以上)は、それぞれヌクレオチド116の塩基型アデニン、グアニン、シトシン、及びチミンを表す丸で囲まれた文字A、G、C又はTによって特定される。
【0064】
順鎖122内のヌクレオチド116の塩基の配列を特定するために、蛍光タグ128を備える塩基を有する複数の第2のヌクレオチド126(例えば、126-1~126-6及びそれ以上)を、フローセル112を介して導入する(図7Aを参照)。ヌクレオチド126の塩基(A、G、C、T)は、順鎖122の相補体である成長する第2のポリヌクレオチド130に添加するために競合する。第2のヌクレオチド126の塩基(例えば、塩基C及び蛍光タグ128を有するヌクレオチド126-6)を成長する第2のポリヌクレオチド130鎖にそれぞれ添加すると、蛍光タグ128は、励起光により励起される。蛍光タグ128の固有のシグナルは、第2のヌクレオチド126の塩基タイプを特定する。塩基が特定されると、蛍光タグ128が除去される。第2のポリヌクレオチド130の各第2のヌクレオチド126を同定することはまた、順鎖122のそれに関連する相補的ヌクレオチド116を特定する。塩基を特定するこのプロセスは、本明細書では「塩基コール」と称される。
【0065】
しかしながら、この配列決定プロセスの各サイクルでは、第2のポリヌクレオチド鎖130の長さが延長するにつれて、各塩基コールの不確実性の程度が増大する。ある時点で、不確実性の程度が過度に大きくなって継続される。したがって、鎖の各末端が順次に(すなわち、並列又は同時ではなく)配列決定される実施例では、順鎖122が洗い流され、逆鎖124が、順鎖122の代わりにウェル領域104に固定される。次いで、配列決定プロセスは、逆鎖124で同じ手法で継続する。
【0066】
図6を参照すると、本明細書に記載の態様による、順鎖122の隣接するクラスタ121、123及びそれぞれナノウェル136上に配置された逆鎖124の一例が示されている。この例では、順鎖及び逆鎖122、124は、ナノウェル136の第1のウェル領域132及び隣接する第2のウェル領域134内に配置される。
【0067】
第1及び第2のウェル領域132、134は、領域界面138によって分離されている。一例では、領域界面138は、2つの直接隣接するウェル領域132、134間の境界線である。別の例では、領域界面138は、1つのウェル領域132から他のウェル領域134まで領域界面138をスパンするよう鈴なりになるのに十分に小さい幅を有する。
【0068】
第1のプライマーセット140は、第1のウェル領域132全体に配置される。第2の異なるプライマーセット142は、第2のウェル領域134全体に配置される。第1及び第2のプライマーセット140、142の相違は、プライマーセットが第1のウェル領域132内で順鎖クラスタ121及び第2のウェル領域134内で逆鎖クラスタ123を結合させることを可能にする。隣接する第1及び第2のウェル領域132、134内の順鎖及び逆鎖122、124の生成をそれぞれ制御するために使用されるプライマーセット140、142、及び化学物質の相違の詳細な例は、Illumina,Inc.に割り当てられ、国際出願日2019年6月6日に参照により本明細書に組み込まれる、Fisherらの「FLOW CELLS」という名称の国際特許出願第PCT/US2019/036105号、国際公開第2020/005503号に提供されている。
【0069】
第1のプライマーセット140と第2のプライマーセット142との間の相違の例では、第1のプライマーセット140は、切断不能な第1のプライマー及び切断可能な第2のプライマーを含み得る。一方、第2のプライマーセットは、切断可能な第1のプライマー及び切断不能な第2のプライマーを含み得る。
【0070】
より具体的な例では、第1のプライマーセット140は、アデノシン、グアノシン、シチジン、及びチミジンの特定の配列を有する約20ヌクレオチドの長さを有する第1の順オリゴヌクレオチドプライマー106、並びにアデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン、及び1つ以上のデオキシウリジンの異なる配列を有する約20ヌクレオチドの長さを有する第1の逆オリゴヌクレオチドプライマー108を含み得る。第2のプライマーセット142は、アデノシン、グアノシン、シチジン、チミジン、及び1つ以上のデオキシウリジンの特定の配列を有する約20ヌクレオチドの長さ、及びアデノシン、グアノシン、シチジン、チミジンの異なる配列を有する約20ヌクレオチドの長さを有する第2の逆オリゴヌクレオチドプライマー108を含む第2の順オリゴヌクレオチドプライマー106を含み得る。デオキシウリジン部位におけるN-グリコシド結合は、酵素によって切断可能である。第1のプライマーセット140の第1のフォワードプライマー106及び第2のプライマーセット142の第2のフォワードプライマー106の配列は、チミジンと切断可能なデオキシウリジンとの置換を除いて同じである。第1のプライマーセット140内の第1のリバースプライマー108及び第2のプライマーセット142中の第2のリバースプライマー108の配列は、チミジンの切断可能なデオキシウリジンとの置換を除いて同じである。化学的に切断可能な核酸塩基、修飾核酸塩基、又はリンカーの例としては、ビシナルジオール、ジスルフィド、シラン、アゾベンゼン、光切断可能な基、アリルT(アリル官能基を有するチミンヌクレオチドアナログ)、アリルエーテル、又はアジド官能性エーテルが挙げられる。
【0071】
動作中、第1のウェル領域132内の第1のプライマーセット140が活性化されて、ポリヌクレオチド鎖110が順位置122内の第1のプライマーセット140に播種されることを可能にする。すなわち、プライマーセット140は、1つ以上のポリヌクレオチド鎖110とハイブリダイズすることができる。第2のプライマーセット142は、第2のウェル領域134で播種が行われないように、(例えば、第2のウェル領域134をマスキングすることによって、又はシーディングプライマーなどを有さないことによって)不活性化される。
【0072】
次いで、播種された順鎖122は、第1のプライマーセット140全体で増幅され、第1のウェル領域132内で順鎖122の順鎖クラスタ121及び逆鎖124を形成する。次いで、リバースプライマー108を酵素で切断し、第1のウェル領域132内にフォワードプライマー106にハイブリダイズ(結合)された順鎖122のみを残す。
【0073】
本明細書の目的のために、「活性化」という用語は、「ウェル領域にプライマーセットをポリヌクレオチド鎖により播種する可能にする手段又は方法(又は代替として3’伸長又は増幅を可能にすること)」を意味する。「不活性化」という用語は、「プライマーセットがポリヌクレオチド鎖で播種されないようにするする手段又は方法(代替として3’伸長又は増幅をできないようにする)」を意味するという点で反対を意味する。プライマーセットを不活性化することは、例えば、ポリヌクレオチドをその中に播種することができないように、プライムセット上でマスキングすることによって達成することができる。あるいは、プライマーセットは、プライマーセットに播種プライマーを含まないことによって不活性化され得る。プライマーセットを活性化することは、例えば、ウェル領域に潜在的に播種する可能性のあるポリヌクレオチド鎖に設定されたプライマーセットを露出させるためのプライマーセットをアンマスキングすることによって達成することができる。
【0074】
また、本明細書の目的のために、「マスキング」という用語は、ポリヌクレオチド鎖によって設定されたプライマーへのアクセスを物理的に防止するために、ウェル領域にプライマーセットの上に一時的な保護層を配置する手段又は方法を意味する。「アンマスキング」という用語は、「保護層を除去するための手段又は方法が、播種の目的のためにポリヌクレオチド鎖に設定されたプライマーを露出させるための手段又は方法」を意味することを意味する。
【0075】
また、ポリヌクレオチド鎖(例えば、順鎖又は逆鎖)の増幅及び/又は配列決定は、鎖の正確な複製又は鎖の逆相補体の正確な複製を必ずしも生成しない場合があることを理解されたい。これは、様々な要因について、エラーが増幅及び/又は配列決定プロセスに導入され得、これは、塩基のポリヌクレオチド配列に欠陥(例えば、誤った塩基)を導入し得るためである。例えば、100万個のうち最大1個の欠陥、100万個のうち10個の欠陥、又は100万個のうち1個の欠陥が、配列決定された鎖又は増幅された鎖に導入され得る。したがって、順鎖又は逆鎖121、123のクラスタは、クラスタ内の各鎖の正確な複製を含まなくてもよいが、クラスタ内の各鎖と実質的に同じ重複を含み得る。
【0076】
順鎖122の増幅が第1のウェル領域132内で実質的に完了すると、第2のプライマーセット142は、次いで、第2のウェル領域134の播種を可能にするために(第2のウェル領域134などをアンマスキングすることによって)活性化される。例えば、第2のプライマーセット142上の任意の保護層を除去し(アンマスキング)して、第2のプライマーセット142内の第2のフォワードプライマー106及び第2のリバースプライマー108の両方を露出させることができる。
【0077】
第1及び第2のウェル領域132、134が隣接するため、境界又は領域界面138における順鎖122は、次いで、第2のウェル領域134にアーチして第2のプライマーセット142に結合することができる。次いで、第2のプライマーセット142は、ブリッジ増幅を介して、第2のウェル領域134全体を通して逆鎖124の逆鎖クラスタ123を増幅する。すなわち、クラスタ反応は、次いで、第2のウェル領域134内の第2のフォワードプライマー106及び第2のリバースプライマー108にハイブリダイズした順鎖122及び逆鎖124のクラスタを形成するために実行され得る。次いで、第2のフォワードプライマー106を酵素で切断し、第2のウェル領域134内の第2のリバースプライマー108にハイブリダイズ(結合)した逆鎖124のみを残す。結果は、図6に示すように、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121及び第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123である。
【0078】
有利には、順鎖122及び逆鎖124の隣接するクラスタ121、123をそれぞれ提供することによって、隣接する順鎖クラスタ121及び逆鎖クラスタ123の同時ペアエンド配列決定(又は読み取り)が可能になる。同時ペアエンド配列決定により、ユーザは、順次にではなく、並行して同時に、順鎖122及び逆鎖124の両方のタイプのポリヌクレオチド鎖110を配列決定することができる。これは、本明細書で前述した配列決定プロセスのスループットを大幅に増加させ得る。追加的に、又は代替的に、これは、配列決定プロセスにおけるエラーを大幅に低下させ得る。
【0079】
図7Aを参照すると、本明細書に記載の態様による、画像センサ構造100に結合したフローセル112を有するセンサシステム200の断面側面図の一例が示されている。画像センサ構造100は、図6に示すように、隣接する、順鎖122の順鎖クラスタ121と逆鎖124の逆鎖クラスタ123との同時ペアエンド配列決定を実行するように動作可能である。
【0080】
センサシステム200のフローセル112は、フローセル側壁152に固定されたフローセルカバー150を含む。フローセル側壁152は、画像センサ構造100のパッシベーションスタック156に接合されており、それらの間に流路158を形成することができる。
【0081】
パッシベーションスタック156は、その上に配置されたナノウェル136のアレイを含む。ポリヌクレオチド鎖110(DNAセグメント、オリゴヌクレオチド、他の核酸鎖など)は、順鎖122の順鎖クラスタ121及び逆鎖124の逆鎖クラスタ123の両方として、ナノウェル136内に配置され得る。
【0082】
フローセルカバー150は、流体流164が流路158の中を通ってそこから出ることを可能にするようにサイズ決めされた入口ポート160及び出口ポート162を含む。流体流164は、ナノウェル136内に配置された順鎖及び逆鎖122、124上の多数の様々な制御された反応プロトコルを実行するために利用され得る。流体流164はまた、ポリヌクレオチド鎖122、124をタグ付けするために使用され得る蛍光タグ128(図5参照)を有するヌクレオチド126を送出し得る。
【0083】
センサシステム200の画像センサ構造100は、ベース基板170の上に配置された撮像層168を含む。撮像層168は、SiNなどの誘電体層であり得、内部に配置された光検出器172のアレイを含み得る。本明細書で使用される光検出器172は、例えば、フォトダイオード、相補金属酸化物半導体(CMOS)材料、又はその両方などの半導体であり得る。光検出器172は、ナノウェル136内の鎖122、124に結合した蛍光タグ128から放出される放射光174の光光子を検出する。ベース基板170は、ガラス、ケイ素、又は他の同様の材料であり得る。
【0084】
デバイススタック176は、撮像層168の上に配置される。デバイススタック176は、光検出器172と、検出された光光子を使用するプロセスデータ信号とをインターフェース接続する様々なデバイス回路178を含む複数の誘電体層(図示せず)を含み得る。
【0085】
また、デバイススタック176内には、光ガイド180のアレイが配設されている。各光ガイド180は、光検出器のアレイの少なくとも1つの光検出器172に関連付けられている。例えば、光ガイド180は、撮像層168に対して垂直に配向され、それに関連する光検出器172上に直接配置することができる。あるいは、光ガイド180は、撮像層168に対して鋭角を形成し、ある角度からそれに関連する光検出器172に接近することができる。光ガイド180は、ナノウェル136内に配置された順鎖及び逆鎖122、124の蛍光タグ128からの放射光174の光子をそれらに関連する光検出器172に向ける。
【0086】
パッシベーションスタック156は、デバイススタック176及び光ガイド180をフローセル112の流体環境から遮蔽するように構成されている。パッシベーションスタック156は、1つ以上の層であり得る。図7Aに示される例では、パッシベーションスタックは、単一のパッシベーション層182を含む。しかしながら、化学保護層(図示せず)などの他の層も、パッシベーションスタック156に含まれ得る。パッシベーション層182は、窒化ケイ素(SiN)で構成され得る。化学保護層(図示せず)は、五酸化タンタル(Ta)で構成され得る。
【0087】
ナノウェル136のアレイは、パッシベーションスタック156内に配置され、ナノウェルのアレイの各ナノウェル136は、光ガイド180のアレイの少なくとも1つの光ガイド(第1の光ガイド)180Aに関連付けられる。図7Aに示される例では、各ナノウェル136は、第1の光ガイド180A及び第2の光ガイド180Bに関連付けられている。
【0088】
図6に示すように、第1のプライマーセット140は、各ナノウェル136の第1のウェル領域132全体に配置される。異なる第2のプライマーセット142は、各ナノウェル136の第2のウェル領域134全体に配置される。第2のウェル領域134は、領域界面138で第1のウェル領域132に隣接している。第1及び第2のプライマーセット140、142は、第1のウェル領域132内で順ポリヌクレオチド鎖122の順鎖クラスタ121を結合させ、第2のウェル領域134内で逆ポリヌクレオチド鎖124の隣接する逆鎖クラスタ123を結合させるように動作可能である。
【0089】
第1及び第2のウェル領域132、134は、単一の光ガイド180Aの部分上に配置することができる。しかしながら、図7Aに示される例では、第1のウェル領域132は、第1の光ガイド180Aの上に配置され、第2のウェル領域134は、第2の光ガイド180Aの上に配置される。
【0090】
動作中、様々なタイプの励起光186がナノウェル136内の順鎖122及び逆鎖124に放射され、蛍光タグ128に放射光174を蛍光発光させる。放射光174の光子の大部分は、パッシベーションスタック156を通して送出され、それに関連する光ガイド180A,180Bに入射することができる。光ガイド180は、励起光186の大部分をフィルタリングし、放射光174を光ガイド180の直下に位置する関連する光検出器172に向けることができる。
【0091】
本明細書に示される実施例は、画像センサ構造100の前側から放射されて蛍光タグ128及び蛍光放射光174を励起する励起光186を示す。しかしながら、本開示の範囲内で、励起光186は、画像センサ構造(すなわち、背側照射)の裏側から放射されて、蛍光タグ128及び蛍光放射光174を励起することができる。
【0092】
光検出器172は、放射光光子を検出する。次いで、デバイススタック176内のデバイス回路178は、検出された放射光光子をデータ信号に変換し、これは、外部読み出しデバイスに電気的に送信される。次いで、データ信号を分析して、順鎖122及び逆鎖124の両方のヌクレオチドの順序を同時に明らかにすることができる。
【0093】
図7Bを参照すると本明細書に記載の態様による、図7Aの線7B-7Bに沿って切り取られた図7Aの画像センサ構造の上面図の一例示されている。図7Bの例では、第1及び第2のウェル領域132、134は、面積が実質的に等しく、ウェル領域138で互いに直接隣接している。ウェル領域は、ナノウェル136の床185が矩形であるため、矩形の形状である。各ウェル領域132、134は、それに関連する光ガイド180A及び180Bの上に実質的に中心がある。
【0094】
領域界面138を除いて、第1のウェル領域132は、ナノウェル136の壁181によって境界付けられ得る。また、界面領域138を除いて、第2のウェル領域134は、ナノウェル136の壁183によって境界付けられ得る。本質的に、画像センサ構造100全体を通して、複数の対の第1及び第2のウェル領域132、134は、ナノウェル136の壁181、183によって画定され得る。
【0095】
しかしながら、ナノウェル136は2つの光ガイド180A、180Bをスパンするため、1つの光ガイドのみをスパンするナノウェルと比較して、2つのウェル領域におけるポリクローン性のリスクが大きい。すなわち、ナノウェル136に同時に入る2つ以上のタイプのポリヌクレオチド鎖110(図2を参照)が、同時に播種され、一緒に増幅されるので、それにより、信号対雑音比が著しく増大するリスクが高い。
【0096】
追加的に、領域界面138は、第1及び第2のウェル領域132、134の最大幅全体(矢印188によって表される)にわたって広がる。したがって、光ガイド180Aに入る逆鎖124(特に、大きい境界/領域界面138にある逆鎖)からのクロストークのリスクが増大し、順鎖122から信号を汚染する。
【0097】
図8を参照すると、本明細書に記載の態様による、画像センサ構造100のナノウェル136内の第1のウェル領域132及び隣接する第2のウェル領域134の上面図の一例が示されており、第1及び第2のウェル領域134、136は実質的に等しい面積を有する。図8は、図7Bの第1及び第2のウェル領域132、134の本質的に拡大図である。ウェル領域132の矩形領域は、光ガイド180Aの円形境界を越えて延在する。光ガイド180Aの円形境界を超える領域の多くは、ウェル領域132で増幅された順鎖122からの強い信号に必要とされない場合がある。
【0098】
図9を参照すると、別の例は、本明細書に記載の態様による、画像センサ構造100のナノウェル136内の第1のウェル領域132及び隣接する第2のウェル領域134の上面図であり、第1及び第2のウェル領域は、実質的に等しくない面積を有する。図9では、第1のウェル領域132の領域は、第2のウェル領域134の面積よりも小さい。第1及び第2のウェル領域132、134の矩形領域は、実質的に等しい幅188を有するため、第1のウェル領域132の長さ(矢印190で示される)及び第2のウェル領域134の長さ(矢印192で示される)を変更することによって、面積が変更される。この場合、領域132の長さ190は、領域134の長さ192よりも短くなるため、領域132の面積は、領域134の面積よりも小さくなる。
【0099】
例えば、第1及び第2のウェル領域132、134は、実質的に等しい幅188を有し得、第1のウェル領域132は、第2の領域134の長さ192の90%以下である長さ190を有し得る。この例では、長さ190は、第1のウェル領域が、それに関連する光ガイド180Aを完全に覆わないほど小さくはないことに留意されたい。第1のウェル領域132に関連付けられた順鎖122を光ガイド180Aの上に完全に位置決めすることは、ウェル領域132の面積が低減されても、光検出器172が強い信号を生成するのに役立つ。
【0100】
第1のウェル領域132の面積を低減することにより、望ましくないポリクローン性のリスクが低下する。更に、第2のウェル領域は、順鎖122が完全に増幅された後には活性化されず、流路158を介してポリヌクレオチドは流動しない。したがって、逆鎖124が第2のウェル領域134内でいったん増幅し始めると、ポリクローン性が第1のウェル領域から第2のウェル領域にキャリオーバすることはほとんどない。
【0101】
図10を参照する。別の例は、本明細書に記載の態様による、画像センサ構造100のナノウェル136内の第1のウェル領域132及び隣接する第2のウェル領域134の上面図であり、第1及び第2のウェル領域132、134は、概してドッグボーン形状を有する。ドッグボーン形状は、ウェル領域132、134の面積を低減し、それはポリクローン性を低減するのに役立つが、それらの間でのクラスタ成長を可能にするように、2つのウェル領域132、134間の物理的連続性を提供する。追加的に、界面領域138におけるドッグボーンの幅194が小さいほど、発生し得るクロストークが小さくなる。これは、ドッグボーンのネックの両側のナノウェル136の壁が、より大きな円形領域からのクロストークのブロックを助けるように機能し得るためである。
【0102】
ドッグボーン形状では、第1のウェル領域132は、第1のセクション196及び第2のセクション198を含む。第1のセクション196は、第1の光ガイド180A全体の上に配置される。これは、光ガイド180Aに強い信号を確保するのに役立つ。
【0103】
第1のセクション196は、第1のセクション幅201を有する。第1のセクション196は、円形である必要はないことに留意されたい。むしろ、第1のセクションは、正方形、長方形、又は任意の他の適切な形状であり得る。
【0104】
第2のセクション198は、第1のセクション196から領域界面138まで延在する。第2のセクション198は、第1のセクション幅201よりも小さい第2のセクション幅194を有する。
【0105】
第2のウェル領域134は、第3のセクション202及び第4のセクション204を含む。第3のセクション202は、第2の光ガイド180B全体の上に配置される。これは、光ガイド180Bに強い信号を確保するのに役立つ。
【0106】
第3のセクション202は、第3のセクション幅206を有する。第3のセクション202は、円形である必要はないことに留意されたい。むしろ、第3のセクションは、正方形、長方形、又は任意の他の適切な形状であり得る。
【0107】
第4のセクション204は、第1のセクション202から領域界面138に延在する。第4のセクション204は、第3のセクション幅206よりも小さい第4のセクション幅194を有する。この例では、第1のウェル領域132の第2のセクション198幅194及び第2のウェル領域134の第4のセクション204幅194は、実質的に等しいことに留意されたい。また、この例では、第1のウェル領域132の第2のセクション198及び第2のウェル領域134の第4のセクション204の長さは、実質的に等しい。他の例では、第1のウェル領域132の第2のセクション198及び第2のウェル領域134の第4のセクション204の長さは実質的に等しくない。
【0108】
いくつかの例では、第1のセクション196及び第3のセクション202は、実質的に円形の形状を有する。その場合、第1及び第3のセクション幅201、206は、それぞれ第1及び第3のセクション196、202の直径である。いくつかの例では、第2及び第4のセクション幅194は、それぞれ、第1及び第3のセクション幅201、206の50%以下である。
【0109】
図11を参照すると、本明細書に記載の態様による、(順鎖クラスタ121を有する第1のウェル領域132と逆鎖クラスタ123を有する第2のウェル領域134との)コントラスト比対第1のウェル領域132に関連付けられた光ガイド中心302からの距離のグラフ300の一例を示す。コントラスト比は、以下のように定義される。
a.コントラスト比=領域132から第1の光ガイド180Aで受信された信号
i.(すなわち、最明信号A)を、隣接する領域134から第1の光ガイド180Aで受信された信号(すなわち、第2の最明信号B)で割ったもの。
b.A=最明信号、B=第2の最明信号であれば、コントラストiの比は、コントラスト比=A/Bとして記述することができる。
c.コントラスト比は、i.純潔度=A/(A+B)として定義され得る純潔スコアと密接に関連している。
d.したがって、コントラスト比が5対1である場合、純潔スコアは、5/(5+1)=83%に等しい。
【0110】
コントラスト比及び純潔スコアの両方は、標的エリアの基部における蛍光信号の全般的な純度に関する。これは、測定されることを目標にされるエリアである。
【0111】
グラフ300は、第1のウェル領域132がより長く、面積がより大きくなる(すなわち、それに関連する光ガイド180Aの中心から更に離れて成長する)と、コントラスト比及び純潔スコアがより小さくなることを示す。したがって、ウェル領域132の面積が小さいほど、信号がより純粋になり、クロストークが少ないと思われる。
【0112】
しかしながら、これは、ウェル領域132の面積がより小さくなるにつれて、その領域からの信号の増幅が小さくなり、隣接するウェル領域134からの信号が増幅されるという事実とバランスを取られなければならない。したがって、ウェル領域が小さすぎる場合、隣接するウェル領域の明るさによって圧倒される可能性がある。
【0113】
図12を参照すると、本明細書に記載の態様による、光ガイド180のアレイとナノウェル136の第1及び第2のウェル領域132、134との間に配置された不透明層400を有する画像センサ構造100の断面図の一例が示されている。図12は、パッシベーションスタック156と光ガイド180との間に配置された不透明層400が追加されている点を除いて、図7と実質的に同じである。いくつかの例では、不透明層は、タンタル、クロム、チタン、アルミニウムなどから構成され得る。本明細書で使用される場合、「不透明」という用語は、1つ以上の波長範囲又は全ての波長の全て又は実質的に全ての光又は放射エネルギーがそれを通過することを遮断することを意味する。
【0114】
図13A図13B、及び図13Cを参照すると、本明細書に記載の態様による、図12の画像センサ構造の不透明層400の上面斜視図が示されている。図13A図13Cに示される不透明層の3つの構成の各場合において、不透明層400は、各ナノウェル136の光ガイド180のアレイと第1及び第2のウェル領域132、134との間に配置される。更に、不透明層400の各構成は、第1及び第2のウェル領域132、134の領域界面138全体の下に延在する。追加的に、各不透明層400は、各ナノウェル136に関連付けられた第1及び第2の光ガイド180A、180Bの上面の全体未満を覆う。
【0115】
第1及び第2のウェル領域132、134は、領域界面138に隣接しているため、クロストークの大部分は、そのエリアで発生する。したがって、不透明層400は、そのようなクロストークを低減する目的で、界面領域138全体にわたって配置される。
【0116】
具体的には、図13Aでは、不透明層400は、各ナノウェル136に関連付けられた第1及び第2の光ガイド180A、180Bの上面のいかなる部分も覆わない。むしろ、不透明層400は、各第1及び第2の光ガイド180A、180Bの外周に従う。
【0117】
具体的には、図13Bでは、不透明層400は、第1及び第2の光ガイド180A、180Bの上面の一部を覆う。例えば、不透明層400は、各ナノウェル136に関連付けられた第1及び第2の光ガイド180A、180Bの上面の10%超、15%超、又は25%超を覆うことができる。
【0118】
具体的には、図13Cでは、不透明層400は、ドッグボーン形状の第1及び第2のウェル領域132、134のネックセクションを覆うが、第1及び第2の光ガイド180A、180Bのいずれの部分も覆わない。すなわち、不透明層400は、第1のウェル領域132の第2のセクション198及び第2のウェル領域134の第4のセクション204を覆うが、光ガイド180A、180Bの周囲に従う。
【0119】
図14Aを参照すると、本明細書に記載の態様による、コントラスト比対vs第1のウェル領域180Aに関連付けられた光ガイド中心からの距離のグラフ500の一例が示されており、第1及び第2のウェル領域132、134と光ガイド180のアレイとの間に不透明層400が配置されていない。
【0120】
図14Bも参照すると、本明細書に記載の態様による、コントラスト比対vs第1のウェル領域180Aに関連付けられた光ガイド中心からの距離のグラフ502の一例が示され、不透明層400は、第1及び第2のウェル領域132、134と光ガイド180のアレイとの間に配置されている。
【0121】
グラフ500は、グラフ300と実質的に同じであり、コントラスト比対vs光ガイド180Aの中心からの距離がプロットされている。グラフ502は、画像センサ構造100が不透明層400を含むことを除いて、同じパラメータをプロットする。2つのグラフ500、502を比較することによって見ることができるように、コントラスト比は、実質的に不透明層により改善される。この改善は、不透明層400が、クロストークの大部分が発生する界面領域138全体にわたって配置されているという事実に大きく起因する。
【0122】
図15を参照すると、本明細書に記載の態様による、第1及び第2の光ガイド180A、180Bの上に配置された第1及び第2のウェル領域132、134を有する画像センサ構造100の断面図の一例が示されており、光ガイド180A、180Bは、互いに対して鋭角510を成す。この例では、パッシベーションスタック156は、2つの層、すなわち第1のパッシベーション層182及び化学保護層を含む。第1及び第2の光ガイド180A、180Bは、デバイススタック176内に配置され、それらに関連する光検出器172に向かって角度を付けて配置される。
【0123】
光検出器172間のピッチ512は、ある程度にしか小さくすることができないので、ナノウェル136が2つの光検出器172をスパンする場合、ナノウェル136をどの程度小さくできるかについての制限要因になる。図15に示す例では、ナノウェル136は、角度510があるため、光検出器172間のピッチ512よりも小さく作製することができる。
【0124】
したがって、図15の画像センサ構造100は、光検出器172のアレイの第1の光検出器172Aに関連付けられた第1の光ガイド180Aを含む。第2の光ガイド180Bは、光検出器170のアレイの第2の光検出器172Bに関連付けられている。第1及び第2の光ガイド180A、180Bに関連付けられた各ナノウェル136は、第1の光検出器172Aと第2の光検出器172Bとの間のピッチ512よりも小さい幅514を有する。第1及び第2の光ガイド180A、180Bは、それらに関連するナノウェル136からそれらに関連する第1及び第2の光検出器172A、172Bまで、互いに対して鋭角510に延在する。
【0125】
図16を参照すると、本明細書に記載の態様による、ナノウェル136に関連付けられた第1の光ガイド180Aの第1及び第2の部分526、528上に配置された第1及び第2のウェル領域132、134を備えたナノウェル136を有する画像センサ構造100の断面図の一例が示されており、ここでは、第1及び第2の導波体520、522が導波体層524内に配置されており、それぞれ第1及び第2のウェル領域132、134の下に延在する。
【0126】
図16のナノウェル136、及びその対応する構造は、パッシベーションスタック156内及び画像センサ構造100のデバイススタック176の上に配置されたナノウェル136のアレイを示し得る。デバイススタック176は、内部に配置された光ガイド180のアレイを含み得る。各ナノウェル136は、光ガイド180のアレイの第1の光ガイド180Aに関連付けられ得る。各第1の光ガイド180Aは、光検出器172のアレイの光検出器172に関連付けられ得る。
【0127】
図16の画像センサ構造100は、関連する第1の光ガイド180Aの第1の部分526の上に配置された第1のウェル領域132を含む。第2のウェル領域134は、関連する第1の光ガイド180Aの第2の部分528の上に配置される。導波体層524は、各ナノウェル136の光ガイド180のアレイと第1及び第2のウェル領域132、134との間に配置される。第1の導波体520は、導波体層524内に配置され、第1のウェル領域132の下に延在する。第1の導波体520は、第1のウェル領域132内に結合した順ポリヌクレオチド鎖122の順鎖クラスタ121上に励起光を照射するように動作可能である。第2の導波体522は、導波体層524内に配置され、第2のウェル領域134の下に延在する。第2の導波体522は、第2のウェル領域134内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖124の逆鎖クラスタ123上に励起光を照射するように動作可能である。
【0128】
第1及び第2の導波体522、524は、第1及び第2のウェル領域132、134を連続的に照射することができる。そのようにして、第1の導波体520は、第1のウェル領域132内に結合した主に前鎖122を励起することができ、これは、光検出器172によって読み取られ得る。その後、第2の導波体522は、第2のウェル領域134内に結合した主に逆鎖124を励起することができ、これはまた、同じ光検出器172によって読み取られ得る。このようにして、ナノウェル136は、2つの光検出器に広がる必要はなく、改善されたポリクローン性のために実質的に小さくなり得る。
【0129】
動作中、励起光186が第1の導波体520を通過するとき、励起光の大部分は、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121の順鎖122に集束される。しかしながら、第1の導波ガイド520からの励起光186の少なくとも一部が、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123に入射することがある。したがって、光検出器172によって読み取られた放射光174は、主に第1のウェル領域132内の順鎖122から放射され得るが、光検出器172によって読み取られる放射光174のより小さい割合(例えば、25%未満、15%未満、又は10%未満)は、第2のウェル領域134内の逆鎖124から放射され得る。
【0130】
また、動作中、励起光186が第2の導波体522を通過するとき、励起光の大部分は、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123の逆鎖124に集束される。しかしながら、第2の波ガイド522からの励起光186の少なくとも一部が、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121に入射することがある。したがって、光検出器172によって読み取られた放射光174は、第2のウェル領域134内の逆鎖124から主に放射され得るが、光検出器172によって読み取られた放射光174の割合(例えば、25%未満、15%未満、又は10%未満)は、第1のウェル領域132内の順鎖122から放射され得る。
【0131】
図17を参照すると、光ガイド180Aの第1及び第2の部分526、528のそれぞれの上に配置された第1のウェル領域132及び第2のウェル領域134を備えるナノウェル136を有する画像センサ構造100の断面図の一例が示されている。図示の例では、第1の導波体520及び第2の導波体522は、パッシベーションスタック156内に配置されている。第1及び第2の導波体520、522は、ナノウェル136の対向する側面530、532に隣接して、かつその上に位置付けられる。
【0132】
図17のナノウェル136、及びその対応する構造は、パッシベーションスタック156内、かつ画像センサ構造100のデバイススタック176の上に配置されたナノウェル136のアレイを示し得る。デバイススタック176は、内部に配置された光ガイド180のアレイを含み得る。各ナノウェル136は、光ガイド180のアレイの第1の光ガイド180Aに関連付けられ得る。各第1の光ガイド180Aは、光検出器172のアレイの光検出器172に関連付けられ得る。
【0133】
図16及び図17に例示される実施例の組み合わせは、第1及び第2の導波体520、522が、デバイススタック176上(又はその上)の画像センサ構造100内のどこに位置付けられ得ることを示している。例えば、図16の導波体520、522は、デバイススタック176の上に配置された導波体層524内に配置されている。また、例として、図17の導波体520、522は、パッシベーションスタック156内に配置され、パッシベーションスタック156は、デバイススタック176の上に配置され、ナノウェル136の壁を形成する。
【0134】
更に、第1及び第2の導波体520、522は、第1及び第2の導波ガイド520、522のアレイを示し得る。より具体的には、第1の導波体520のアレイは、デバイススタック176の上に配設され得、各第1の導波体520は、ナノウェル136のアレイのナノウェル136に関連付けられ得る。各第1の導波体520は、第1の導波体の関連するナノウェル136の第1のウェル領域132内に結合した順ポリヌクレオチド鎖122の順鎖クラスタ121(図6参照)上に励起光を照射するように動作可能であり得る。
【0135】
より具体的には、第2の導波体522のアレイは、デバイススタック176の上に配設され得、各第2の導波体522は、ナノウェル136のアレイのナノウェル136に関連付けられ得る。に第2の導波体522は、第2の導波体の関連するナノウェル136の第2のウェル領域134内に結合した逆ポリヌクレオチド鎖124の逆鎖クラスタ123(図6参照)上に励起光を照射するように動作可能であり得る。
【0136】
動作中、励起光186が、ナノウェル136の側面530に隣接して位置付けられた第1の導波体520を通過するとき、励起光の大部分は、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121の順鎖122に集束される。しかしながら、第1の導波ガイド520からの励起光186の少なくとも一部が、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123に入射することがある。したがって、光検出器172によって読み取られた放射光174は、主に第1のウェル領域132内の順鎖122から放射され得るが、光検出器172によって読み取られる放射光174のより小さい割合(例えば、25%未満、15%未満、又は10%未満)は、第2のウェル領域134内の逆鎖124から放射され得る。
【0137】
また、動作中、励起光186が、ナノウェル136の側面532に隣接して位置付けられた第2の導波体522を通過するとき、励起光の大部分は、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123の逆鎖124に集束される。しかしながら、第2の波ガイド522からの励起光186の少なくとも一部が、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121に入射することがある。したがって、光検出器172によって読み取られた放射光174は、第2のウェル領域134内の逆鎖124から主に放射され得るが、光検出器172によって読み取られた放射光174の割合(例えば、25%未満、15%未満、又は10%未満)は、第1のウェル領域132内の順鎖122から放射され得る。
【0138】
図18を参照すると、ナノウェル136のアレイ(個別に136A~E)及び第1の光ガイド520のアレイ(個別に520A~C)及び第2の光ガイド522(個別に522A~C)を有する画像センサ構造100の断面図の一例が示されている。第1及び第2の光ガイド520、522のアレイの各第1及び第2の光ガイド520、522は、図17に示されるように、第1及び第2の光ガイドと同じ又は同様の構造を有する。
【0139】
第1の導波体520のアレイの各第1の導波路520は、第1の導波体の関連するナノウェル136に隣接するナノウェル136の第1又は第2のウェル領域132又は134内に結合したポリヌクレオチド鎖122又は124のクラスタ121又は123上に励起光を照射するように動作可能である(図6参照)。追加的に、第2の導波体522のアレイの各第2の導波路522は、第2の導波体の関連付けられたナノウェル136に隣接するナノウェル136の第1又は第2のウェル領域132又は134内に結合したポリヌクレオチド鎖122又は124のクラスタ121又は123上に励起光を照射するようにも動作可能である(図6参照)。
【0140】
図示の例として、図18のナノウェル136Aは、第1及び第2の導波体520A及び522Aに関連付けられる。しかしながら、第2の導波体522Aはまた、隣接するナノウェル136Bの第1のウェル領域132内に結合した順ポリヌクレオチド鎖122の順鎖クラスタ121上に励起光を照射するように動作可能であろう。
【0141】
また、例として、図18のナノウェル136Bは、第1及び第2の導波体520B及び522Aに関連付けられる。しかしながら、第1の導波体520Bはまた、隣接するナノウェル136Cの第1のウェル領域132内に結合したポリヌクレオチド鎖122の順鎖クラスタ121上に励起光を照射するように動作可能であろう。
【0142】
本明細書の目的のために、第1及び第2の導波体520、522は、導波体の単一のアレイとして機能し得る。各導波体520、522は、一対の隣接するナノウェル136内でウェル領域132、134を照射するように動作可能であり得る。追加的に、どの導波体が、隣接するナノウェルの対でどのウェル領域を照射するかは重要でない。例えば、導波体520は、2つの第1のウェル領域132、2つの第2のウェル領域134、又は第1及び第2のウェル領域132、134の両方を照射することができる。
【0143】
図19を参照すると、本明細書に記載の態様による、光ガイド180Aの第1及び第2の部分526、528の上に配置された第1及び第2のウェル領域132、134を有する画像センサ構造100の断面図の一例が示されている。この場合、第1のウェル領域132内の順鎖122及び第2のウェル領域134内の逆鎖124は、同時に励起され得る。したがって、光検出器172は、第1及び第2のウェル領域132、134の両方によって共有され、それらのウェル領域からの明るい信号A(又は明るいクラスタ信号)及び第2の明るい信号B(又は暗いクラスタ信号)の両方を同時に受け取る。各信号の強度がほぼ同じであると仮定すると、組み合わされた信号の純潔スコアは約50%であり、コントラスト比は約1対1である。
【0144】
しかしながら、これらの低い純潔スコア及びコントラスト比であっても、組み合わされた信号から蛍光発光される2種類の塩基を決定するために使用され得る信号処理技術がある。そのような技術は、米国特許出願公開第2019/0212295(A1)号に詳述されており、Dehlingerらの「SYSTEMS AND DEVICES FOR HIGH-THROUGHPUT SEQUENCING WITH SEMICONDUTOR-BASED DETECTION」は、Illumina,Inc.に割り当てられ、2019年1月7日に出願されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。1つのそのような技術を図20A図20B、及び図21に示す。
【0145】
図20A及び図20Bは、一実施態様による、共有光検出器172によって検出されたそれぞれのピクセル信号を使用して、明るいクラスタ及び暗いクラスタのベースコールを示す散布図600A及び600Bである。散布プロット600A及び600BのX軸は、サンプリングイベントの第2の照射段階時に検出されたATピクセル信号を表し、これは、ヌクレオチド塩基A及びTを示す所与のクラスタからの照明を引き起こす。散布プロット600A及び600BのY軸は、サンプルイベントの第1の照射段階時に検出されたCTピクセル信号を表し、これは、ヌクレオチド塩基C及びTを示す所与のクラスタからの照明を引き起こす。
【0146】
散布図600Aは、シグナルプロセッサ(図示せず)が明るいクラスタからピクセル信号を分類する4つの分布602、604、606、及び608を示す。図示の実施態様では、分布602は、明るいクラスタにおけるヌクレオチド塩基Cを表し、分布604は、明るいクラスタにおけるヌクレオチド塩基Tを表し、分布606は、明るいクラスタにおけるヌクレオチド塩基Gを表し、分布608は、明るいクラスタにおけるヌクレオチド塩基Aを表す。
【0147】
散布図600Bは、シグナルプロセッサが暗いクラスタからピクセル信号を分類する散布プロット600Aの4つの分布602、604、606、及び608の各々について4つのサブ分布を有する16個のサブ分布(又は分布)602A~D、604A~D、606A~D、608A~Dを示す。図示された実施態様では、文字「A」で注釈付けられたサブ分布は、暗いクラスタにおけるヌクレオチド塩基Cを表し、文字「B」で注釈されたサブ分布は、暗いクラスタにおけるヌクレオチド塩基Tを表し、文字「C」で注釈付けられたサブ分布は、暗いクラスタにおけるヌクレオチド塩基Gを表し、文字「D」で注釈されたサブ分布は、暗いクラスタにおけるヌクレオチド塩基Aを表す。他の実施態様では、塩基の異なる符号化を使用することができる。シグナルプロセッサが、暗いクラスタからピクセル信号を16個のサブ分布のうちの1つに分類する場合、対応する明るいクラスタの分類が、暗いクラスタのサブ分布を含む分布によって決定される。例えば、暗いクラスタがサブ分布608B(ヌクレオチド塩基T)に分類される場合、対応する明るいクラスタの分布は608(ヌクレオチド塩基A)である。結果として、シグナルプロセッサは、明るいクラスタをAとして、暗いクラスタとしてTとしてベースコールする。
【0148】
図21は、一実施態様による、明るいクラスタ及び暗いクラスタのクラスタ対からの強度値によって生成された16個の分布(又はビン)を示す散布図602である。実施態様において、16個のビンは、複数のベースコールサイクルにわたって生成される。シグナルプロセッサは、明るいクラスタからのピクセル信号を組み合わせ、それらを16個のビンのうちの1つにマッピングする。組み合わせたピクセル信号がベースコールサイクルのためにビン612にマッピングされる場合、シグナルプロセッサは、明るいクラスタをCとして、暗いクラスタをCとしてベースコールする。組み合わせたピクセル信号がベースコールサイクルのためにビン614にマッピングされる場合、シグナルプロセッサ138は、明るいクラスタをCとして、暗いクラスタをTとしてベースコールする。組み合わせたピクセル信号がベースコールサイクルのためにビン616にマッピングされる場合、シグナルプロセッサ138は、明るいクラスタをCとして、暗いクラスタをGとしてベースコールする。組み合わせたピクセル信号がベースコールサイクルのためにビン618にマッピングされる場合、シグナルプロセッサ138は、明るいクラスタをCとして、暗いクラスタをAとしてベースコールする。
【0149】
図22を参照すると、本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法650のフロー図の一例が示されている。本方法は、本明細書に記載の画像センサ構造100の例のうちの1つ以上を利用することができる。
【0150】
この方法650(図22)、並びに以下の方法700(図23)、750(図24)及び方法800(図25)は、本方法を実行する様々なステップを示す。しかしながら、各方法のステップ(650、700、750、800)が実行される順序は、ステップが図22図25の各々に例示される順序と一致しない場合がある。例えば、以下の播種ステップ652は、不活性化ステップ654の後に行ってもよい。
【0151】
652における方法は、ポリヌクレオチド鎖110を有する画像センサ構造100のナノウェル136の第1のウェル領域132に第1のプライマーセット140を播種することを含む。ポリヌクレオチド鎖110(図2を参照)は、第1のウェル領域132内の相補的プライマー106、108(図1参照)に結合するアダプタ118及び120を含む(図7A参照)。
【0152】
654で、ナノウェル136の第2のウェル領域134内の第2のプライマーセット142が不活性化され、第2のウェル領域での他のポリヌクレオチド鎖の播種をできないようにする。このステップは、652での播種ステップの前に行われ得る。第2のウェル領域134を不活性化する一例は、第2のウェル領域の上に保護層をマスクして、他のポリヌクレオチドの第2のウェル領域へのアクセスを防止することである。
【0153】
656において、第1のポリヌクレオチド鎖は、第1のウェル領域132全体を通して複数の順鎖及び逆鎖106、108に増幅される。658で、逆鎖108を第1のウェル領域132から切断して、第1のウェル領域132内に順鎖クラスタ121を形成する。
【0154】
660において、第2のプライマーセット142は、第2のウェル領域134内で活性化されて、第2のウェル領域134における播種及び増幅を可能にする。第2のウェル領域134を活性化する一例は、第2のウェル領域134上に以前に配置された任意の保護層をアンマスキングすることである。
【0155】
662において、増幅は、第1のウェル領域132の順鎖クラスタ121から第2のウェル領域134に発生して、第2のウェル領域134に複数の順鎖及び逆鎖106、108を形成する。664において、順鎖122は、第2のウェル領域134から切断され、第2のウェル領域134に逆鎖クラスタ123を形成する。
【0156】
(660での)播種中及び第2のウェル領域134における増幅(662)のプロセスの間、疎性多項式鎖110はフローセル112の流路158に流入しない。したがって、フローセル112の流路158を通って第2のウェル領域134に流入する多項式鎖110に起因する有意な追加のポリクローン性は、播種(660)及び増幅(662)が第2のウェル領域134内で行われるときに生じ得る。
【0157】
第1及び第2のウェル領域132、134内で順鎖及び逆鎖クラスタ121、123が形成されると、同時配列決定を666で行うことができる。言い換えれば、ステップ666において、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121及び第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123は、実質的に同時に配列決定される。
【0158】
図23を参照すると、本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法700のフロー図の一例が示されている。方法700は、同時配列決定ステップ666の拡張であるという点で、方法650のサブセットである。
【0159】
702において、方法700は、第1の蛍光タグ128を有する第1の相補的ヌクレオチド126(図5参照)を、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121のヌクレオチド116に結合することを含む。704において、第2の蛍光タグ128を有する第2の相補的ヌクレオチド126が、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123のヌクレオチド116に結合される。
【0160】
706で、方法は、励起光186を順鎖クラスタ121及び逆鎖クラスタ123(図7A参照)上に実質的に同時に放射して、放射光174を第1及び第2のタグ128から蛍光発光する。708において、放射光174が、第1及び第2のタグ128から実質的に同時に放出される。第1のタグ128からの放射光174は、第1の光ガイド180A(図7A参照)を通って第1の光検出器172に伝搬する。第2のタグ128からの放射光174は、第2の光ガイド180Bを通して第2の光検出器174に伝搬し、それぞれ順鎖及び逆鎖122、124のヌクレオチドの配列を決定する。
【0161】
方法650又は700を実行しながらポリクローン性を低減するために、第1のウェル領域132は、第2のウェル領域134の面積よりも小さい面積を有し得る。例えば、第1のウェル領域132の面積は、90%以下、80%以下、又は70%以下、又は第2のウェル領域134の面積であり得る。
【0162】
ポリクローン性、及び第1の光ガイド180Aと第2の光ガイド180Bとの間のクロストークの両方を低減するために、第1及び第2のウェル領域132、134は、概してドッグボーンのように見える組み合わせ形状を有し得る(図10を参照)。より具体的には、第1のウェル領域132は、第1のセクション196及び第2のセクション198を含み得る。ウェル領域132の第1のセクション196は、第1の光ガイド180A全体の上に配置することができ、第1のセクション196は、第1のセクション幅201を有する。第1のセクション196は、ポリクローン性を低減するために、光ガイド180Aの面積よりわずかに大きい面積を有し得る。例えば、第1のセクション196の面積は、光ガイド180Aの上面の面積の5%以下、10%以下、又は15%以下であってよい。
【0163】
ウェル領域134の第2のセクション198は、第1のセクション196から第1のウェル領域132と第2のウェル領域134との間の領域界面138まで延在し得る。第2のセクション198は、第1のセクション幅201よりも小さい第2のセクション幅194を有し得る。
【0164】
追加的に、第2のウェル領域134は、第3のセクション202及び第4のセクション204を含み得る。第2のウェル領域134の第3のセクション202は、第2の光ガイド180B全体の上に配置してもよく、第3のセクション幅206を有してもよい。第4のセクション204は、第3のセクション202から領域界面138まで延在し得る。第4のセクション204は、第3のセクション幅206よりも小さい第4のセクション幅194を有し得る。また、第4のセクション204の幅194は、第2のセクション198の幅194と実質的に等しくてもよい。
【0165】
第2及び第4のセクション198、204の幅194を低減することにより、界面領域138が減少する。界面領域138を低減することにより、第1のウェル領域132内の任意のポリクローン性が第2のウェル領域134内で増幅する可能性が実質的に減少される。追加的に、界面領域138を低減することにより、第1のウェル領域132と第2のウェル領域134との間にクロストークが発生する可能性も実質的に低下する。
【0166】
方法650又は700を実行しながらクロストークを低減する別の方法は、第1及び第2の光ガイド180A、180Bと第1及び第2のウェル領域132、134との間に不透明層400を配置することである。不透明層400(図12を参照)は、第1及び第2のウェル領域132、134の領域界面138全体の下に延在し得る。不透明層400は、第1及び第2の光ガイドの全体未満を覆うことができる(図13A図13Cを参照)。
【0167】
図24を参照すると、本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法750のフロー図の一例が示されている。方法750は、同時配列決定ステップ666の拡張であるという点で、方法650のサブセットである。
【0168】
752において、方法750は、第1の蛍光タグ128を有する第1の相補的ヌクレオチド126(図5参照)を、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121のヌクレオチド116に結合することを含む。754において、第2の蛍光タグ128を有する第2の相補的ヌクレオチド126が、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123のヌクレオチド116に結合される。
【0169】
756において、逆鎖クラスタ123上よりも実質的により大量の励起光186を、順鎖クラスタ121上に放射して、第2のタグ128からよりも第1のタグ128から実質的により大量の放射光174を蛍光発光させる。758において、第1のタグ128からの放射光174は、第1の光ガイド180Aを通って第1の光検出器172に送出され、順鎖122のヌクレオチドを決定する。760において、順鎖クラスタ121上よりも実質的により大量の励起光186を逆鎖クラスタ123上に放射して、第1のタグ128からよりも第2のタグ128から実質的により大量の放射光174を蛍光発光させる。762において、第2のタグ128からの放射光174は、第1の光ガイド180Aを通して第1の光検出器172に送出され、逆鎖124のヌクレオチドを決定する。
【0170】
方法750は、例えば、図16に示されるものと同様の画像センサ構造100を用いて実行され得、第1のウェル領域132は、第1の光ガイド180Aの第1の部分526の上に配置され、第2のウェル領域134は、第1の光ガイド180Aの第2の部分528の上に配置される。導波体層524は、第1の光ガイド180Aと第1及び第2のウェル領域132、134との間に配置されている。第1の導波体520は、導波体層524内に配置され、第1の導波体520は、第1のウェル領域132の下に延在するが、第2のウェル領域134の下には延在しない。第2の導波体522は、導波体層524内に配置され、第2の導波体522は、第2のウェル領域134の下に延在するが、第1のウェル領域132の下には延在しない。
【0171】
択一的に、方法750は、例えば、図17に示されるものと同様の画像センサ構造100を用いて実行され得、ナノウェル136のアレイの各ナノウェル136は、第1の光ガイド180Aの第1の部分526の上に配置された第1のウェル領域132と、第1の光ガイド180Aの第2の部分528の上に配置された第2のウェル領域134とを含む。パッシベーションスタック156は、画像センサ構造100のデバイススタック176の上に配置され、ナノウェル136のアレイは、パッシベーションスタック156内に配置される。第1の導波体520のアレイの各第1の導波路520は、第1の導波体の関連するナノウェル136の側面530に隣接するパッシベーションスタック156内に配置される。第2の導波体522のアレイの各第2の導波路522は、第2の導波体の関連するナノウェル136の対向する側部532に隣接するパッシベーションスタック156内に配置される。
【0172】
上記の構造を利用して、励起光186を、第1の導波体520を通して、主に順鎖クラスタ121上に放射することができる。次いで、主に順鎖クラスタ121からの放射光174を、分析のために第1の光ガイド180Aを通して光検出器172に送出することができる。その後、励起光186を、第2の導波体522を通して、主に逆鎖クラスタ123上に放射することができことができる。次いで、主に逆鎖クラスタ123からの放射光174を、分析のために第1の光ガイド180Aを通して光検出器172に送出することができる。
【0173】
図25を参照すると、本明細書に記載の態様による、同時ペアエンド配列決定の方法800のフロー図の一例が示されている。方法800は、同時配列決定ステップ666の拡張であるという点で、方法650のサブセットである。
【0174】
802で、方法800は、第1の蛍光タグ128を有する第1の相補的ヌクレオチド126(図5参照)を、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121のヌクレオチド116に結合することを含む。804では、第2の蛍光タグ128を有する第2の相補的ヌクレオチド126が、第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123のヌクレオチド116に結合される。
【0175】
806において、励起光186は、第1のウェル領域132内の順鎖クラスタ121上及び第2のウェル領域134内の逆鎖クラスタ123上に実質的に同時に放射されて、放射光174を第1及び第2のタグ128から蛍光発光させる。808において、第1及び第2のウェル領域132、134からの複合放射光174が、第1及び第2のタグ128から第1の光ガイド18Aを通して第1の光検出器172に送出される。次いで、信号処理技術を利用して、第1の光検出器172で検出された複合放射光174に関連付けられた順鎖及び逆鎖122、124のヌクレオチドを決定することができる。そのような信号処理技術の例は、図20A図20B、及び図21を参照して本明細書で論じられる。方法800は、例えば、図19に示されるものと同様の画像センサ構造100を用いて実行され得る。
【0176】
本明細書においてより詳細に検討された前述の概念及び更なる概念の全ての組み合わせが、(かかる概念が相互に矛盾しなければ)本明細書に開示される発明の主題の一部であることが意図されることが理解されよう。具体的には、本開示の終わりに現れる特許請求される主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される発明の主題の一部であると企図される。
【0177】
本発明は特定の実施例を参照して説明してきたが、説明された発明概念の趣旨及び範囲内で多くの変更がなされてもよいことを理解されたい。したがって、本開示は、説明された実施例に限定されるものではなく、以下の特許請求の範囲によって定義される全範囲を有することが意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21
図22
図23
図24
図25
【国際調査報告】