(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】誘導制御方法および機器、充電パイル、ならびにロボット
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231213BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20231213BHJP
B60L 53/35 20190101ALI20231213BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
G05D1/02 H
B60L53/14
B60L53/35
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022581607
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-02-27
(86)【国際出願番号】 CN2021119826
(87)【国際公開番号】W WO2022127256
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011467074.8
(32)【優先日】2020-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522021952
【氏名又は名称】京▲東▼科技信息技▲術▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】姚 秀▲軍▼
(72)【発明者】
【氏名】桂 晨光
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 哲涛
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
5H301
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA20
5H125AC12
5H125AC24
5H125CC06
5H125DD02
5H125EE55
5H301AA01
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301CC10
5H301FF02
5H301FF11
5H301GG07
5H301QQ04
(57)【要約】
誘導制御方法および機器、充電パイル、ならびにロボット。誘導制御方法は、ステップ101:ロボット(22)によって送信される誘導要求情報の受信後、所定の周期において第1の要求情報を送信するように第1の測位回路(211)をトリガし、所定の周期において第2の要求情報を送信するように第2の測位回路(212)をトリガするステップと、ステップ102:第1の測位回路(211)が第1の応答情報を受信した後、第1の測位回路(211)による第1の要求情報の送信と第1の応答情報の受信との間の時間遅延に従って、第1の測位回路(211)に対するロボット(22)の第1の距離(R1)を決定するステップと、ステップ103:第2の測位回路(212)が第2の応答情報を受信した後、第2の測位回路(212)による第2の要求情報の送信と第2の応答情報の受信との間の時間遅延に従って、第2の測位回路(212)に対するロボット(22)の第2の距離(R2)を決定するステップと、ステップ104:第1の距離および第2の距離に従って、充電パイル(21)に対するロボット(22)の相対位置を決定するステップと、ステップ105:ロボット(22)が、相対位置に従って移動ルートを、ロボット(22)と充電パイル(21)との間のドッキングを完了するように調整するステップとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電パイルに誘導を行うように制御機器によって実行される誘導を行うための制御方法であって、
ロボットによって送信される誘導要求メッセージを受信後、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信するように第1の測位回路をトリガし、前記あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信するように第2の測位回路をトリガするステップであって、それによって、前記ロボットが、前記第1の要求メッセージを受信後、第1の応答メッセージを送信し、前記第2の要求メッセージを受信後、第2の応答メッセージを送信する、ステップと、
前記第1の測位回路が前記第1の応答メッセージを受信後、前記第1の測位回路が前記第1の要求メッセージを送信してから前記第1の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、前記ロボットと前記第1の測位回路との間の第1の距離を決定するステップと、
前記第2の測位回路が前記第2の応答メッセージを受信後、前記第2の測位回路が前記第2の要求メッセージを送信してから前記第2の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、前記ロボットと前記第2の測位回路との間の第2の距離を決定するステップと、
前記第1の距離および前記第2の距離に従って、前記充電パイルに対する前記ロボットの位置を決定するステップと、
前記位置に関する情報を前記ロボットに送信するステップであって、それによって、前記ロボットが前記位置に従って経路を、前記充電パイルへの前記ロボットのドッキングを完了するように調整する、ステップと
を含む、制御方法。
【請求項2】
信号受信機が信号送信機によって送信される信号を受信したかどうかを検出するステップであって、前記信号受信機は、前記ロボットの充電電極が前記充電パイルの充電電極と接触している状況下で、前記信号送信機によって送信される前記信号を受信することができない、ステップと、
前記信号受信機が前記信号送信機によって送信される前記信号を受信することができない状況下で、前記第1の要求メッセージの送信を停止するように前記第1の測位回路をトリガし、前記第2の要求メッセージの送信を停止するように前記第2の測位回路をトリガし、前記ロボットに誘導終了命令を送信するステップと
をさらに含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項3】
前記ロボットと前記第1の測位回路との間の第1の距離を前記決定するステップが、
前記第1の要求メッセージを送信するための前記第1の測位回路の第1の送信時間、および前記第1の応答メッセージを受信するための前記第1の測位回路の第1の受信時間を抽出するステップと、
前記第1の受信時間と前記第1の送信時間との差に従って、前記第1の距離を計算するステップと
を含む、請求項1に記載の制御方法。
【請求項4】
前記ロボットと前記第1の測位回路との間の第1の距離を前記決定するステップが、
前記第1の要求メッセージを受信するための前記ロボットの第2の受信時間、および前記第1の応答メッセージを送信するための前記ロボットの第2の送信時間を前記第1の応答メッセージから抽出するステップをさらに含み、
前記第1の距離を前記計算するステップが、
前記第1の受信時間と前記第1の送信時間との第1の差、および前記第2の送信時間と前記第2の受信時間との第2の差を計算するステップと、
前記第1の差と前記第2の差との差に従って、前記第1の距離を計算するステップとを含む、
請求項3に記載の制御方法。
【請求項5】
前記ロボットと前記第2の測位回路との間の第2の距離を前記決定するステップが、
前記第2の要求メッセージを送信するための前記第2の測位回路の第3の送信時間、および前記第2の応答メッセージを受信するための前記第2の測位回路の第3の受信時間を抽出するステップと、
前記第3の受信時間と前記第3の送信時間との差に従って、前記第2の距離を計算するステップとを含む、
請求項1に記載の制御方法。
【請求項6】
前記ロボットと前記第2の測位回路との間の第2の距離を前記決定するステップが、
前記第2の要求メッセージを受信するための前記ロボットの第4の受信時間、および前記第2の応答メッセージを送信するための前記ロボットの第4の送信時間を前記第2の応答メッセージから抽出するステップをさらに含み、
前記第2の距離を前記計算するステップが、
前記第3の受信時間と前記第3の送信時間との第3の差、および前記第4の送信時間と前記第4の受信時間との第4の差を計算するステップと、
前記第3の差と前記第4の差との差に従って、前記第2の距離を計算するステップとを含む、
請求項5に記載の制御方法。
【請求項7】
前記第1の距離および前記第2の距離に従って、前記充電パイルに対する前記ロボットの位置を前記決定するステップが、
前記第1の測位回路の位置を円中心として、および前記第1の距離を半径としてとることによって、第1の円形軌道を決定するステップと、
前記第2の測位回路の位置を円中心として、および前記第2の距離を半径としてとることによって、第2の円形軌道を決定するステップと、
前記第1の円形軌道と前記第2の円形軌道との交点を前記充電パイルに対する前記ロボットの前記位置としてとるステップと
を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御方法。
【請求項8】
誘導を行うための制御機器であって、
ロボットによって送信される誘導要求メッセージを受信後、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信するように第1の測位回路をトリガし、前記あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信するように第2の測位回路をトリガするように構成されているトリガリングモジュールであって、それによって、前記ロボットが、前記第1の要求メッセージを受信後、第1の応答メッセージを送信し、前記第2の要求メッセージを受信後、第2の応答メッセージを送信する、トリガリングモジュールと、
前記第1の測位回路が前記第1の応答メッセージを受信後、前記第1の測位回路が前記第1の要求メッセージを送信してから前記第1の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、前記ロボットと前記第1の測位回路との間の第1の距離を決定するように構成されている第1の距離決定モジュールと、
前記第2の測位回路が前記第2の応答メッセージを受信後、前記第2の測位回路が前記第2の要求メッセージを送信してから前記第2の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、前記ロボットと前記第2の測位回路との間の第2の距離を決定するように構成されている第2の距離決定モジュールと、
前記第1の距離および前記第2の距離に従って、前記充電パイルに対する前記ロボットの位置を決定するように構成されている位置決定モジュールと、
前記位置に関する情報を前記ロボットに送信するように構成されている誘導モジュールであって、それによって、前記ロボットが前記位置に従って経路を、前記充電パイルへの前記ロボットのドッキングを完了するように調整する、誘導モジュールと
を備える、制御機器。
【請求項9】
誘導を行うための制御機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されており、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御方法を実装させるプログラム命令を記憶するメモリと
を備える、制御機器。
【請求項10】
充電パイルであって、
請求項8または9に記載の誘導を行うための制御機器と、
誘導を行うための前記制御機器にロボットによって送信される誘導要求を送信し、誘導を行うための前記制御機器によって決定される位置に関する情報を前記ロボットに送信するように構成されている第1の通信回路と、
誘導を行うための前記制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信し、前記第1の要求メッセージを受信すると同時に、前記ロボットによって送信される第1の応答メッセージを受信するように構成されている第1の測位回路と、
誘導を行うための前記制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信し、前記第2の要求メッセージを受信すると同時に、前記ロボットによって送信される第2の応答メッセージを受信するように構成されている第2の測位回路と
を備える、充電パイル。
【請求項11】
信号送信機と、
前記信号送信機によって送信される信号を受信するように構成されている信号受信機であって、前記信号受信機は、前記ロボットの充電電極が前記充電パイルの充電電極と接触している状況下で、前記信号送信機によって送信される前記信号を受信することができない、信号受信機と
をさらに備える、請求項10に記載の充電パイル。
【請求項12】
前記第1の通信回路が、前記誘導制御機器によって送信される誘導終了命令を前記ロボットに送信するようにさらに構成され、
前記第1の測位回路が、誘導を行うための前記制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、前記第1の要求メッセージの送信を停止するようにさらに構成され、
前記第2の測位回路が、誘導を行うための前記制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、前記第2の要求メッセージの送信を停止するようにさらに構成されている、
請求項11に記載の充電パイル。
【請求項13】
ロボット制御機器によって実行される誘導を行うための制御方法であって、
前記ロボットが、充電パイルに近づいている途中、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかを検出するステップと、
前記ロボットが、現在、前記あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下で、誘導モードに入るステップと、
誘導要求メッセージを前記充電パイルに送信するステップであって、それによって、第3の測位回路が、前記充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを前記充電パイルに送信する、ステップ、および前記充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを前記充電パイルに送信するステップと、
位置に従って経路を、前記充電パイルによって送信される前記位置に関する情報を受信後、調整するステップと、
前記経路に従って、移動機構を駆動するステップであって、それによって、前記ロボットが前記充電パイルにドッキングする、ステップと
を含む、制御方法。
【請求項14】
前記第1の応答メッセージが、前記第1の要求メッセージを受信するための前記第3の測位回路の時間、および前記第1の応答メッセージを送信するための前記第3の測位回路の時間を含み、
前記第2の応答メッセージが、前記第2の要求メッセージを受信するための前記第3の測位回路の時間、および前記第2の応答メッセージを送信するための前記第3の測位回路の時間を含む、
請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記充電パイルによって送信される誘導終了命令を受信した状況下で、前記誘導モードから出るステップ
をさらに含む、請求項13または14に記載の制御方法。
【請求項16】
ロボット制御機器であって、
前記ロボットが、充電パイルに近づいている途中、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかを検出し、前記ロボットが、現在、前記あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下で、誘導モードに入るように構成されているモード変換モジュールと、
誘導要求メッセージを前記充電パイルに送信するように構成されている誘導要求モジュールであって、それによって、第3の測位回路が、前記充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを前記充電パイルに送信し、前記充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを前記充電パイルに送信する、誘導要求モジュールと、
位置に従って経路を、前記充電パイルによって送信される前記位置に関する情報を受信後、調整するように構成されている経路調整モジュールと、
前記経路に従って、移動機構を駆動するように構成されている駆動モジュールであって、それによって、前記ロボットが前記充電パイルにドッキングする、駆動モジュールと
を備える、ロボット制御機器。
【請求項17】
ロボット制御機器であって、
プロセッサと、
前記プロセッサに結合されており、前記プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、請求項13から15のいずれか一項に記載の制御方法を実装させるプログラム命令を記憶するメモリと
を備える、ロボット制御機器。
【請求項18】
ロボットであって、
請求項16または17に記載のロボット制御機器と、
前記ロボット制御機器によって送信される誘導要求メッセージを充電パイルに送信し、前記充電パイルによって送信される位置に関する情報を前記ロボット制御機器に送信するように構成されている第2の通信回路と、
前記充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを前記充電パイルに送信し、前記充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを前記充電パイルに送信するように構成されている第3の測位回路と、
前記ロボット制御機器によって提供される経路に従って移動するように前記ロボットを駆動するように構成されている移動機構と
を備える、ロボット。
【請求項19】
プロセッサによって実行されると、請求項1から17、請求項13から15のいずれか一項に記載の制御方法を実装するコンピュータ命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年12月14日に出願された中国出願第202011467074.8号に基づき、その優先権を主張するものであり、その開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、制御の分野に関し、詳細には、誘導を行うための制御方法および制御機器、充電パイル、ならびにロボットに関する。
【背景技術】
【0003】
機械室点検ロボットは、データ機械室において点検業務を行う人手を補佐し、またはそれに取って代わるための知的設備である。機械室点検ロボットは、知的で、低コストで、絶え間なく点検を行うことができるという特徴を有するので、データ機械室に数多く配備されている。作業中、点検ロボットは、バッテリによって電力供給され、バッテリレベルが、あらかじめ設定されたしきい値を下回ると、自動的に充電パイルに戻って充電することになる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の実施形態の第1の態様によれば、充電パイルに誘導を行うように制御機器によって実行される誘導を行うための制御方法が提供され、この制御方法は、ロボットによって送信される誘導要求メッセージを受信後、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信するように第1の測位回路をトリガし、あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信するように第2の測位回路をトリガするステップであって、それによって、ロボットが、第1の要求メッセージを受信後、第1の応答メッセージを送信し、第2の要求メッセージを受信後、第2の応答メッセージを送信する、ステップと、第1の測位回路が第1の応答メッセージを受信後、第1の測位回路が第1の要求メッセージを送信してから第1の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、ロボットと第1の測位回路との間の第1の距離を決定するステップと、第2の測位回路が第2の応答メッセージを受信後、第2の測位回路が第2の要求メッセージを送信してから第2の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、ロボットと第2の測位回路との間の第2の距離を決定するステップと、第1の距離および第2の距離に従って、充電パイルに対するロボットの位置を決定するステップと、位置に関する情報をロボットに送信するステップであって、それによって、ロボットが、位置に従って経路を、充電パイルへのロボットのドッキングを完了するように調整する、ステップとを含む。
【0005】
いくつかの実施形態においては、制御方法は、信号受信機が信号送信機によって送信される信号を受信したかどうかを検出するステップであって、信号受信機は、ロボットの充電電極が充電パイルの充電電極と接触している状況下で、信号送信機によって送信される信号を受信することができない、ステップと、信号受信機が信号送信機によって送信される信号を受信することができない状況下で、第1の要求メッセージの送信を停止するように第1の測位回路をトリガし、第2の要求メッセージの送信を停止するように第2の測位回路をトリガし、ロボットに誘導終了命令を送信するステップとをさらに含む。
【0006】
いくつかの実施形態においては、ロボットと第1の測位回路との間の第1の距離を決定するステップは、第1の要求メッセージを送信するための第1の測位回路の第1の送信時間、および第1の応答メッセージを受信するための第1の測位回路の第1の受信時間を抽出するステップと、第1の受信時間と第1の送信時間との差に従って、第1の距離を計算するステップとを含む。
【0007】
いくつかの実施形態においては、ロボットと第1の測位回路との間の第1の距離を決定するステップは、第1の要求メッセージを受信するためのロボットの第2の受信時間、および第1の応答メッセージを送信するためのロボットの第2の送信時間を第1の応答メッセージから抽出するステップをさらに含み、第1の距離を計算するステップは、第1の受信時間と第1の送信時間との第1の差、および第2の送信時間と第2の受信時間との第2の差を計算するステップと、第1の差と第2の差との差に従って、第1の距離を計算するステップとを含む。
【0008】
いくつかの実施形態においては、ロボットと第2の測位回路との間の第2の距離を決定するステップは、第2の要求メッセージを送信するための第2の測位回路の第3の送信時間、および第2の応答メッセージを受信するための第2の測位回路の第3の受信時間を抽出するステップと、第3の受信時間と第3の送信時間との差に従って、第2の距離を計算するステップとを含む。
【0009】
いくつかの実施形態においては、ロボットと第2の測位回路との間の第2の距離を決定するステップは、第2の要求メッセージを受信するためのロボットの第4の受信時間、および第2の応答メッセージを送信するためのロボットの第4の送信時間を第2の応答メッセージから抽出するステップをさらに含み、第2の距離を計算するステップは、第3の受信時間と第3の送信時間との第3の差、および第4の送信時間と第4の受信時間との第4の差を計算するステップと、第3の差と第4の差との差に従って、第2の距離を計算するステップとを含む。
【0010】
いくつかの実施形態においては、第1の距離および第2の距離に従って、充電パイルに対するロボットの位置を決定するステップは、第1の測位回路の位置を円中心として、および第1の距離を半径としてとることによって、第1の円形軌道を決定するステップと、第2の測位回路の位置を円中心として、および第2の距離を半径としてとることによって、第2の円形軌道を決定するステップと、第1の円形軌道と第2の円形軌道との交点を充電パイルに対するロボットの位置としてとるステップとを含む。
【0011】
本開示の一実施形態の第2の態様によれば、誘導を行うための制御機器が提供され、この制御機器は、ロボットによって送信される誘導要求メッセージを受信後、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信するように第1の測位回路をトリガし、あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信するように第2の測位回路をトリガするように構成されているトリガリングモジュールであって、それによって、ロボットが、第1の要求メッセージを受信後、第1の応答メッセージを送信し、第2の要求メッセージを受信後、第2の応答メッセージを送信する、トリガリングモジュールと、第1の測位回路が第1の応答メッセージを受信後、第1の測位回路が第1の要求メッセージを送信してから第1の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、ロボットと第1の測位回路との間の第1の距離を決定するように構成されている第1の距離決定モジュールと、第2の測位回路が第2の応答メッセージを受信後、第2の測位回路が第2の要求メッセージを送信してから第2の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、ロボットと第2の測位回路との間の第2の距離を決定するように構成されている第2の距離決定モジュールと、第1の距離および第2の距離に従って、充電パイルに対するロボットの位置を決定するように構成されている位置決定モジュールと、位置に関する情報をロボットに送信するように構成されている誘導モジュールであって、それによって、ロボットが、位置に従って経路を、充電パイルへのロボットのドッキングを完了するように調整する、誘導モジュールとを備える。
【0012】
本開示の実施形態の第3の態様によれば、誘導を行うための制御機器が提供され、この制御機器は、プロセッサと、プロセッサに結合されており、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、上述した実施形態のうちのいずれか1つによる制御方法を実装させるプログラム命令を記憶するメモリとを備える。
【0013】
本開示の実施形態の第4の態様によれば、充電パイルが提供され、この充電パイルは、上述した実施形態のうちのいずれか1つによる誘導を行うための制御機器と、誘導を行うための制御機器にロボットによって送信される誘導要求を送信し、誘導を行うための制御機器によって決定された位置に関する情報をロボットに送信するように構成されている第1の通信回路と、誘導を行うための制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信し、第1の要求メッセージを受信すると同時に、ロボットによって送信される第1の応答メッセージを受信するように構成されている第1の測位回路と、誘導を行うための制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信し、第2の要求メッセージを受信すると同時に、ロボットによって送信される第2の応答メッセージを受信するように構成されている第2の測位回路とを備える。
【0014】
いくつかの実施形態においては、充電パイルは、信号送信機と、信号送信機によって送信される信号を受信するように構成されている信号受信機とをさらに備え、信号受信機は、ロボットの充電電極が充電パイルの充電電極と接触している状況下で、信号送信機によって送信される信号を受信することができない。
【0015】
いくつかの実施形態においては、第1の通信回路は、誘導制御機器によって送信される誘導終了命令をロボットに送信するようにさらに構成され、第1の測位回路は、誘導を行うための制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、第1の要求メッセージの送信を停止するようにさらに構成され、第2の測位回路は、誘導を行うための制御機器によって送信されるトリガ命令に従って、第2の要求メッセージの送信を停止するようにさらに構成されている。
【0016】
本開示の一実施形態の第5の態様によれば、ロボット制御機器によって実行される誘導を行うための制御方法が提供され、この制御方法は、ロボットが、充電パイルに近づいている途中、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかを検出するステップと、ロボットが、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下で、誘導モードに入るステップと、誘導要求メッセージを充電パイルに送信するステップであって、それによって、第3の測位回路が、充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを充電パイルに送信する、ステップ、および充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを充電パイルに送信するステップと、位置に従って経路を、充電パイルによって送信される位置に関する情報を受信後、調整するステップと、経路に従って、移動機構を駆動するステップであって、それによって、ロボットが充電パイルにドッキングする、ステップとを含む。
【0017】
いくつかの実施形態においては、第1の応答メッセージは、第1の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第1の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含み、第2の応答メッセージは、第2の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第2の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。
【0018】
いくつかの実施形態においては、制御方法は、充電パイルによって送信される誘導終了命令を受信した状況下で、誘導モードから出るステップをさらに含む。
【0019】
本開示の一実施形態の第6の態様によれば、ロボット制御機器が提供され、このロボット制御機器は、ロボットが、充電パイルに近づいている途中、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかを検出し、ロボットが、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下で、誘導モードに入るように構成されているモード変換モジュールと、誘導要求メッセージを充電パイルに送信するように構成されている誘導要求モジュールであって、それによって、第3の測位回路が、充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを充電パイルに送信する誘導要求モジュールと、位置に従って経路を、充電パイルによって送信される位置に関する情報を受信後、調整するように構成されている経路調整モジュールと、経路に従って、移動機構を駆動するように構成されている駆動モジュールであって、それによって、ロボットが充電パイルにドッキングする、駆動モジュールとを備える。
【0020】
本開示の実施形態の第7の態様によれば、ロボット制御機器が提供され、プロセッサと、プロセッサに結合されており、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、上述した実施形態のうちのいずれか1つによる制御方法を実装させるプログラム命令を記憶するメモリとを備える。
【0021】
本開示の実施形態の第8の態様によれば、ロボットが提供され、このロボットは、上述の実施形態のうちのいずれか1つによるロボット制御機器と、ロボット制御機器によって送信される誘導要求メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される位置に関する情報をロボット制御機器に送信するように構成されている第2の通信回路と、充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを充電パイルに送信するように構成されている第3の測位回路と、ロボット制御機器によって提供される経路に従って移動するようにロボットを駆動するように構成されている移動機構とを備える。
【0022】
本開示の実施形態による第9の態様によれば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供され、非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、プロセッサによって実行されると、上述の実施形態のうちのいずれか1つによる制御方法を実装するコンピュータ命令を記憶する。
【0023】
本開示の他の特徴およびその利点は、添付の図面を参照しながら続けられるその例示的な実施形態の次の詳細な説明から明らかになろう。
【0024】
本開示または従来技術の実施形態における技術的な解決策をより明瞭に例示するために、実施形態に使用される図面または従来技術の説明について、簡単に後述し、次の説明における図面が、本開示のいくつかの実施形態にすぎず、当業者にとっては、他の図面が、発明的な労力なしに図面に従って得ることができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本開示の1つの実施形態による誘導を行うための制御方法の概略的なフロー図である。
【
図2】本開示の1つの実施形態による、ロボットが測位を実行している状態の概略図である。
【
図3】本開示の1つの実施形態による誘導を行うための制御機器の概略的構造図である。
【
図4】本開示の別の実施形態による誘導を行うための制御機器の概略的構造図である。
【
図5】本開示の1つの実施形態による充電パイルの概略的構造図である。
【
図6】本開示の別の実施形態による誘導を行うための制御方法を示すフロー図である。
【
図7】本開示の1つの実施形態によるロボット制御機器の概略的構造図である。
【
図8】本開示の別の実施形態によるロボット制御機器の概略的構造図である。
【
図9】本開示の1つの実施形態によるロボットの概略的構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施形態における技術的解決策について、本開示の実施形態における図面を参照して明瞭かつ完全に説明し、説明する実施形態が、本開示の実施形態のすべてではなく、ほんの一部にすぎないことは明らかである。少なくとも1つの例示的な実施形態の次の説明は、単に性質上、例示したものにすぎず、本開示、その適用例、または使用法を限定することをまったく意図するものではない。発明的なステップなしに、当業者によって本明細書に開示される実施形態から導出され得るすべての他の実施形態は、本開示の範囲内にあることが意図される。
【0027】
これらの実施形態に記載されている部品およびステップの相対的配置、数式、および数値は、特に別段の断りがないかぎり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0028】
一方、図面に示されているそれぞれの部分のサイズが、説明の便宜上、実際の比例関係で描かれていないことを理解すべきである。
【0029】
当業者に知られている技法、方法、および機器については、詳細には論じないこともあるが、適切な場合には、本明細書の一部であることが意図される。
【0030】
本明細書に示し、論じるすべての例においては、任意の特定の値は、例示としてのみ見なすべきであり、限定として見なすべきではない。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有することがある。
【0031】
同様の参照数字および文字が、次の図における同様の項目を示し、したがって、一旦、ある項目が1つの図において定義されると、それについて、その後の図においてそれ以上論じる必要がないことに留意すべきである。
【0032】
本発明者らは、研究を通じて、関連技術においては、ロボットが、充電パイルに戻る途中、パイルの位置を正確に決定することができず、その結果、ロボットは、パイルに戻るのに失敗することを見出した。
【0033】
上記に鑑みて、本開示は、ロボットが、速やかに、正確に充電パイルに戻って確実に充電することができる誘導制御スキームを提供する。
【0034】
図1は、本開示の1つの実施形態による誘導を行うための制御方法を示すフロー図である。いくつかの実施形態においては、誘導を行うための制御方法の次のステップは、充電パイルに誘導を行うための制御機器によって実行される。
【0035】
ステップ101においては、ロボットによって送信される誘導要求メッセージを受信後、第1の測位回路が、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信するようにトリガされ、第2の測位回路が、あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信するようにトリガされ、それによって、ロボットは、第1の要求メッセージを受信後、第1の応答メッセージを送信し、第2の要求メッセージを受信後、第2の応答メッセージを送信する。
【0036】
ロボットは、ロボットが、充電パイルに近づいている途中、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかを検出する。ロボットは、ロボットが、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下では、誘導要求メッセージを充電パイルに送信する。
【0037】
ステップ102においては、ロボットと第1の測位回路との間の第1の距離は、第1の測位回路が第1の応答メッセージを受信後、第1の測位回路が第1の要求メッセージを送信してから第1の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って決定される。
【0038】
いくつかの実施形態においては、第1の要求メッセージが第1の測位回路によって送信される第1の送信時間、および第1の応答メッセージが第1の測位回路によって受信される第1の受信時間を抽出することによって、第1の距離は、第1の受信時間と第1の送信時間との差から計算される。
【0039】
たとえば、第1の送信時間がTb1であり、第1の受信時間がTb2である場合、第1の距離R1は、R1=c×[Tb2-Tb1]/2であり、cは、電磁波伝搬速度である。
【0040】
いくつかの実施形態においては、ロボットが第1の要求メッセージを受信する第2の受信時間、およびロボットが第1の応答メッセージを送信する第2の送信時間が、第1の応答メッセージから抽出される。次に、第1の受信時間と第1の送信時間との第1の差、および第2の送信時間と第2の受信時間との第2の差が計算され、第1の距離は、第1の差と第2の差との差に基づいて計算される。
【0041】
そのため、たとえば、第1の送信時間がTb1であり、第1の受信時間がTb2であり、第2の受信時間がTba1であり、第2の送信時間がTba2である場合、第1の距離R1は、R1=c×[(Tb2-Tb1)-(Tba2-Tba1)]/2である。
【0042】
ステップ103においては、ロボットと第2の測位回路との間の第2の距離は、第2の測位回路が第2の応答メッセージを受信後、第2の測位回路が第2の要求メッセージを送信してから第2の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って決定される。
【0043】
いくつかの実施形態においては、第2の要求メッセージが第2の測位回路によって送信される第3の送信時間、および第2の応答メッセージが第2の測位回路によって受信される第3の受信時間を抽出することによって、第2の距離は、第3の受信時間と第3の送信時間との差から計算される。
【0044】
たとえば、第3の送信時間がTc1であり、第3の受信時間がTc2である場合、第2の距離R2は、R2=c×[Tc2-Tc1]/2である。
【0045】
いくつかの実施形態においては、ロボットが第2の要求メッセージを受信する第4の受信時間、およびロボットが第2の応答メッセージを送信する第4の送信時間が、第2の応答メッセージから抽出される。次に、第3の受信時間と第3の送信時間との第3の差、および第4の送信時間と第4の受信時間との第4の差を計算することによって、第2の距離が、第3の差と第4の差との差から計算される。
【0046】
そのため、たとえば、第3の送信時間がTc1であり、第3の受信時間がTc2であり、第4の受信時間がTca1であり、第4の送信時間がTca2である場合、第2の距離R2は、R2=c×[(Tc2-Tc1)-(Tca2-Tca1)]/2である。
【0047】
ステップ104においては、充電パイルに対するロボットの位置が、第1の距離および第2の距離に従って決定される。
【0048】
いくつかの実施形態においては、第1の円形軌道が、第1の測位回路の位置を円中心として、および第1の距離を半径としてとることによって決定され、第2の円形軌道が、第2の測位回路の位置を円中心として、および第2の距離を半径としてとることによって決定される。第1の円形軌道と第2の円形軌道との交点が、充電パイルに対するロボットの位置としてとられる。
【0049】
図2は、本開示の1つの実施形態による、ロボットが測位を実行している状態の概略図である。
【0050】
図2に示されているように、充電パイル21は、第1の測位回路211および第2の測位回路212を備える。ロボット22は、第3の測位回路221を備える。上記の処理によれば、ロボット22と第1の測位回路211との間の距離がR1であり、ロボット22と第2の測位回路212との間の距離がR2であることが決定され得る。ロボット22は、第1の測位回路211を円中心として、およびR1を半径としてとることによって円形軌道C1上に位置決めされ、また、第2の測位回路212を円中心として、およびR2を半径としてとることによって円形軌道C2上に位置決めされる。充電パイルに対するロボットの相対位置(X,Y)は、次の式を使用して2つの円形軌道の交点を計算することによって決定され得、ここでは、第1の測位回路211と第2の測位回路212との間の距離は2Lである。
X
2+(Y-L)
2=R1
2
X
2+(Y+L)
2=R2
2
【0051】
ステップ105においては、位置に関する情報が、ロボットに送信され、それによって、ロボットは、位置に従って経路を、充電パイルへのロボットのドッキングを完了するように調整する。
【0052】
本開示の上述の実施形態に提供される誘導を行うための制御方法においては、充電パイルは、充電パイルに対するロボットの位置を決定するようにロボットと対話し、ロボットは、位置に従って経路を、ロボットが、素早く、正確に充電パイルに戻って確実に充電するように適時に調整する。
【0053】
いくつかの実施形態においては、信号受信機が信号送信機によって送信される信号を受信することができるかどうかが検出され、信号受信機は、ロボットの充電電極が充電パイルの充電電極と接触している状況下で、信号送信機によって送信される信号を受信することができない。信号受信機は、信号送信機によって送信される信号を受信することができない場合、そのことは、ロボットの充電電極が充電パイルの充電電極と接触していることを意味するが、この場合、第1の測位回路は、第1の要求メッセージの送信を停止するようにトリガされ、第2の測位回路は、第2の要求メッセージの送信を停止するようにトリガされ、誘導終了命令が、ロボットに送信される。
【0054】
図3は、本開示の1つの実施形態による誘導を行うための制御機器の概略的構造図である。
図3に示されているように、誘導を行うための制御機器は、トリガリングモジュール31、第1の距離決定モジュール32、第2の距離決定モジュール33、位置決定モジュール34、および誘導モジュール35を含む。
【0055】
トリガリングモジュール31は、ロボットによって送信される誘導要求メッセージを受信後、あらかじめ設定された周期において第1の要求メッセージを送信するように第1の測位回路をトリガし、あらかじめ設定された周期において第2の要求メッセージを送信するように第2の測位回路をトリガするように構成され、それによって、ロボットは、第1の要求メッセージを受信後、第1の応答メッセージを送信し、第2の要求メッセージを受信後、第2の応答メッセージを送信する。
【0056】
第1の距離決定モジュール32は、第1の測位回路が第1の応答メッセージを受信後、第1の測位回路が第1の要求メッセージを送信してから第1の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、ロボットと第1の測位回路との間の第1の距離を決定するように構成されている。
【0057】
いくつかの実施形態においては、第1の要求メッセージが第1の測位回路によって送信される第1の送信時間、および第1の応答メッセージが第1の測位回路によって受信される第1の受信時間を抽出することによって、第1の距離決定モジュール32は、第1の受信時間と第1の送信時間との差に基づいて、第1の距離を計算する。
【0058】
いくつかの実施形態においては、第1の距離決定モジュール32は、ロボットが第1の要求メッセージを受信する第2の受信時間、およびロボットが第1の応答メッセージを送信する第2の送信時間を第1の応答メッセージから抽出する。次に、第1の受信時間と第1の送信時間との第1の差、および第2の送信時間と第2の受信時間との第2の差が計算され、第1の距離は、第1の差と第2の差との差に基づいて計算される。
【0059】
第2の距離決定モジュール33は、第2の測位回路が第2の応答メッセージを受信後、第2の測位回路が第2の要求メッセージを送信してから第2の応答メッセージを受信するまでの時間遅延に従って、ロボットと第2の測位回路との間の第2の距離を決定するように構成されている。
【0060】
いくつかの実施形態においては、第2の要求メッセージが第2の測位回路によって送信される第3の送信時間、および第2の応答メッセージが第2の測位回路によって受信される第3の受信時間を抽出することによって、第2の距離決定モジュール33は、第3の受信時間と第3の送信時間との差に従って、第2の距離を計算する。
【0061】
いくつかの実施形態においては、第2の距離決定モジュール33は、ロボットが第2の要求メッセージを受信する第4の受信時間、およびロボットが第2の応答メッセージを送信する第4の送信時間を第2の応答メッセージから抽出する。次に、第3の受信時間と第3の送信時間との第3の差、および第4の送信時間と第4の受信時間との第4の差を計算することによって、第2の距離が、第3の差と第4の差との差から計算される。
【0062】
位置決定モジュール34は、第1の距離および第2の距離に従って、充電パイルに対するロボットの位置を決定するように構成されている。
【0063】
いくつかの実施形態においては、位置決定モジュール34は、第1の測位回路の位置を円中心として、および第1の距離を半径としてとることによって第1の円形軌道を決定し、第2の測位回路の位置を円中心として、および第2の距離を半径としてとることによって第2の円形軌道を決定する。第1の円形軌道と第2の円形軌道との交点は、充電パイルに対するロボットの位置としてとられる。
【0064】
誘導モジュール35は、位置に関する情報をロボットに送信するように構成され、それによって、ロボットは、位置に従って経路を、充電パイルへのロボットのドッキングを完了するように調整する。
【0065】
図4は、本開示の別の実施形態による誘導を行うための制御機器の概略的構造図である。
図4に示されているように、誘導を行うための制御機器は、メモリ41、およびプロセッサ42を含む。
【0066】
メモリ41を使用して、命令を記憶し、プロセッサ42は、メモリ41に結合され、プロセッサ42は、メモリに記憶されている命令に基づいて、
図1におけるいずれかの実施形態による方法を実行するように構成されている。
【0067】
図4に示されているように、誘導を提供するための制御機器は、他の機器との情報対話のための通信インターフェース43をさらに含む。一方、誘導を行うための制御機器は、バス44をさらに備え、プロセッサ42、通信インターフェース43、およびメモリ41は、バス44を通じて互いに通じている。
【0068】
メモリ41は、高速RAMメモリを含むことがあり、また、少なくとも1つのディスクメモリなど、不揮発性メモリも含んでもよい。メモリ41はまた、メモリアレイであってもよい。メモリ41はまた、ブロックに区画化されてもよく、ブロックは、特定のルールに従って、仮想ボリュームに組み合わせることもできる。
【0069】
さらには、プロセッサ42は、中央処理装置(CPU)であっても、または特定用途向け集積回路(ASIC)であって、あるいは本開示の実施形態を実装するように構成されている1つまたは複数の集積回路であってもよい。
【0070】
本開示はまた、プロセッサによって実行されると、
図1における実施形態のうちのいずれか1つによる方法を実装するコンピュータ命令を記憶するための非一時的コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0071】
図5は、本開示の一実施形態による充電パイルの概略的構造図である。
図5に示されているように、充電パイルは、誘導を行うための制御機器51、第1の通信回路52、第1の測位回路53、および第2の測位回路54を含む。誘導を行うための制御機器51は、
図3または
図4の実施形態のうちのいずれか1つによる誘導を行うための制御機器である。
【0072】
第1の通信回路52は、ロボットによって送信される誘導要求を、誘導を行うための制御機器51に送信し、また誘導を行うための制御機器51によって決定される位置に関する情報をロボットに送信するように構成されている。
【0073】
第1の測位回路53は、誘導制御機器51によって送信されるトリガ命令に従って、所定のサイクルにおいて第1の要求メッセージを送信し、第1の要求メッセージを受信すると同時に、ロボットによって送信される第1の応答メッセージを受信するように構成されている。
【0074】
第2の測位回路54は、誘導を行うための制御機器51によって送信されるトリガ命令に従って、所定のサイクルにおいて第2の要求メッセージを送信し、第2の要求メッセージを受信すると同時に、ロボットによって送信される第2の応答メッセージを受信するように構成されている。
【0075】
いくつかの実施形態においては、第1の通信回路52は、LoRa通信技術(Lora communication technology)を使用して通信し、第1の測位回路53および第2の測位回路54は、超広帯域(UWB)通信技術を使用する。
【0076】
いくつかの実施形態においては、
図5に示されているように、充電パイルは、信号送信機55および信号受信機56をさらに含む。
【0077】
信号受信機56は、信号送信機55によって送信される信号を受信するように構成されている。信号受信機56は、ロボットの充電電極が充電パイルの充電電極に接触している状況下では、信号送信機55によって送信される信号を受信することができない。
【0078】
いくつかの実施形態においては、信号送信機55は、赤外線信号を送信し、信号受信機56は、赤外線信号を受信する。
【0079】
いくつかの実施形態においては、第1の通信回路52は、誘導制御機器51によって送信される誘導終了命令をロボットに送信するようにさらに構成されている。第1の測位回路53はまた、誘導を行うための制御機器51のトリガ命令に従って、第1の要求メッセージの送信を停止するように構成されている。第2の測位回路54は、誘導を行うための制御機器51によって送信されるトリガ命令に従って、第2の要求メッセージの送信を停止するようにさらに構成されている。
【0080】
図6は、本開示の別の実施形態による誘導を行うための制御方法を示すフロー図である。いくつかの実施形態においては、誘導を行うための制御方法の次のステップは、ロボット内のロボット制御機器によって実行される。
【0081】
ステップ601においては、ロボットが充電パイルに近づいている途中、ロボットはあらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかが検出される。
【0082】
ステップ602においては、ロボットが現在あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下で、誘導モードに入る。
【0083】
ステップ603においては、誘導要求メッセージが、充電パイルに送信され、それにより、第3の測位回路は、充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを充電パイルに送信することになる。
【0084】
いくつかの実施形態においては、第1の応答メッセージは、第1の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第1の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。第2の応答メッセージは、第2の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第2の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。
【0085】
ステップ604においては、経路が、位置に従って、充電パイルによって送信される経路に関する情報を受信後、調整される。
【0086】
ステップ605においては、移動機構は、調整された経路に従って駆動され、それにより、ロボットは、充電パイルへのドッキングを行うことになる。
【0087】
いくつかの実施形態においては、充電パイルによって送信される誘導終了命令を受信した状況下で、誘導モードから出る。
【0088】
図7は、本開示の1つの実施形態によるロボット制御機器の概略的構造図である。
図7に示されているように、ロボット制御機器は、モード変換モジュール71、誘導要求モジュール72、経路調整モジュール73、および駆動モジュール74を含む。
【0089】
モード変換モジュール71は、ロボットが、充電パイルに近づいている途中、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいるかどうかを検出し、ロボットが、現在、あらかじめ設定された誘導範囲にいる状況下で、誘導モジュールに入るように構成されている。
【0090】
誘導要求モジュール72は、誘導要求メッセージを充電パイルに送信するように構成され、それによって、第3の測位回路は、充電パイルによって送信された第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを充電パイルに送信する。
【0091】
いくつかの実施形態においては、第1の応答メッセージは、第1の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第1の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。第2の応答メッセージは、第2の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第2の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。
【0092】
経路調整モジュール73は、位置に従って経路を、充電パイルによって送信される位置に関する情報を受信後、調整するように構成されている。
【0093】
駆動モジュール74は、経路に従って、移動機構を駆動するように構成され、それによって、ロボットは、充電パイルにドッキングする。
【0094】
いくつかの実施形態においては、モード変換モジュール71が充電パイルによって送信される誘導終了命令を受信した場合、モード変換モジュール71は、誘導モードから出る。
【0095】
図8は、本開示の別の実施形態によるロボット制御機器の概略的構造図である。
図8に示されているように、ロボット制御機器は、メモリ81、プロセッサ82、通信インターフェース83、およびバス84を含む。
図8は、
図8に示されている実施形態においては、プロセッサ82が、メモリに記憶されている命令に基づいて、
図6の実施形態のうちのいずれかにおける方法を実行するように構成されているという点で、
図4とは異なる。
【0096】
本開示はまた、プロセッサによって実行されると、
図6の実施形態のうちのいずれか1つによる方法を実装するコンピュータ命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体に関する。
【0097】
図9は、本開示の一実施形態によるロボットの概略的構造図である。
図9に示されているように、ロボットは、ロボット制御機器91、第2の通信回路92、第3の測位回路93、および移動機構94を含む。ロボット制御機器91は、
図7および
図8の実施形態のうちのいずれか1つによるロボット制御機器である。
【0098】
第2の通信回路92は、ロボット制御機器91によって送信される誘導要求メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される位置に関する情報をロボット制御機器91に送信するように構成されている。
【0099】
第3の測位回路93は、充電パイルによって送信される第1の要求を受信後、第1の応答メッセージを充電パイルに送信し、充電パイルによって送信される第2の要求を受信後、第2の応答メッセージを充電パイルに送信するように構成されている。
【0100】
いくつかの実施形態においては、第1の応答メッセージは、第1の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第1の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。第2の応答メッセージは、第2の要求メッセージを受信するための第3の測位回路の時間、および第2の応答メッセージを送信するための第3の測位回路の時間を含む。
【0101】
いくつかの実施形態においては、第2の通信回路92は、通信するためのLoRa通信技術を採用し、第3の測位回路93は、UWB通信技術を採用する。
【0102】
移動機構94は、ロボット制御機器によって提供される経路に従って移動するようにロボットを駆動するように構成されている。
【0103】
いくつかの実施形態においては、上述した機能ユニットモジュールは、汎用プロセッサ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは他のプログラマブル論理機器、ディスクリートゲートもしくはトランジスタ論理部、ディスクリートハードウェア構成要素、または本開示において説明する機能を実行するための任意の適切なそれらの組合せとして実装され得る。
【0104】
上記の実施形態を実装するためのステップのすべてまたは一部が、ハードウェアによって実装されても、またはプログラムの命令に関係するハードウェアによって実装されてもよく、ただし、プログラムが非一時的コンピュータ可読記憶媒体において記憶され得、記憶媒体が読取り専用メモリ、磁気ディスク、または光ディスクであってもよいことは、当業者には理解されよう。
【0105】
本開示の説明を例示および説明の目的で提示してきたが、開示される形態での開示を網羅することも、または限定することも意図するものではない。多くの修正形態および変形形態は、当業者には明らかになろう。実施形態は、本開示の原理および実用的用途を最良に説明するために、および当業者が、企図される特定の使用に適している様々な修正形態とともに様々な実施形態について本開示を理解することができるようにするために選択され、説明されたものである。
【符号の説明】
【0106】
21 充電パイル
22 ロボット
31 トリガリングモジュール
32 第1の距離決定モジュール
33 第2の距離決定モジュール
34 位置決定モジュール
35 誘導モジュール
41 メモリ
42 プロセッサ
43 通信インターフェース
44 バス
51 制御機器
52 第1の通信回路
53 第1の測位回路
54 第2の測位回路
55 信号送信機
56 信号受信機
71 モード変換モジュール
72 誘導要求モジュール
73 経路調整モジュール
74 駆動モジュール
81 メモリ
82 プロセッサ
83 通信インターフェース
84 バス
91 ロボット制御機器
92 第2の通信回路
93 第3の測位回路
94 移動機構
211 第1の測位回路
212 第2の測位回路
221 第3の測位回路
C1、C2 円形軌道
R1 距離、第1の距離
R2 距離、第2の距離
【国際調査報告】