(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシ、倉庫保管ロジスティクス車両、および倉庫保管ロジスティクスシステム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509568
(86)(22)【出願日】2021-09-02
(85)【翻訳文提出日】2023-04-04
(86)【国際出願番号】 CN2021116197
(87)【国際公開番号】W WO2022127202
(87)【国際公開日】2022-06-23
(31)【優先権主張番号】202011504181.3
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520208203
【氏名又は名称】ベイジン・ジンドン・チアンシ・テクノロジー・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲顯▼旺
(72)【発明者】
【氏名】宋 国▲庫▼
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 明福
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022AA15
3F022JJ13
3F022LL14
3F022MM01
3F022MM17
(57)【要約】
本開示は、倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシ、倉庫保管ロジスティクス車両、および倉庫保管ロジスティクスシステムを提供する。倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシは、車両フレームと、車両フレームに取り付けられた走行装置とを含み、走行装置は、第1の車両フレームに取り付けられた第1のシャフトと、シャーシを上昇/下降させるように構成され、第1のシャフトに取り付けられたクライミングホイールと、第1の車両フレームに取り付けられ、第1のシャフトと平行に、かつ離間して配置された第2のシャフトと、シャーシを走行させるように構成され、第2のシャフトに取り付けられた走行ホイールとを含む。倉庫保管ロジスティクス車両は、シャーシを含む。倉庫ロジスティクスシステムは、倉庫保管ロジスティクス車両を含む。倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシは、第1のシャフトの耐力条件を改善するのに役立つ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両フレーム(11)と、前記車両フレーム(11)に取り付けられた走行装置とを備える、倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシであって、前記走行装置は、
前記第1の車両フレーム(11)に取り付けられた第1のシャフト(14)と、
前記第1のシャフト(14)に取り付けられ、前記シャーシ(1)を上昇/下降させるクライミングホイール(15)と、
前記第1の車両フレーム(11)に取り付けられ、前記第1のシャフト(14)と平行に、かつ離間して配置された第2のシャフト(25)と、
前記第2のシャフト(25)に取り付けられ、前記シャーシ(1)を走行させる走行ホイール(27)と
を備える、シャーシ。
【請求項2】
前記第1のシャフト(14)および前記第2のシャフト(25)と駆動接続しており、前記第1のシャフト(14)および前記第2のシャフト(25)を駆動して回転させる走行駆動機構をさらに備える、請求項1に記載のシャーシ。
【請求項3】
前記走行駆動機構は、減速機(12)と、減速機スプラインハウジング(121)とを備え、前記減速機(12)の出力シャフト(122)は、前記減速機スプラインハウジング(121)の外部においてスリーブが付けられ、
前記第1のシャフト(14)は、第1のスプラインシャフトを備え、第1のスプラインが、前記第1のスプラインシャフトに設けられ、前記減速機スプラインハウジング(121)が、前記第1のスプラインと協働する、
請求項1または2に記載のシャーシ。
【請求項4】
前記走行装置は、第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体(13)を備え、前記第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体(13)が、第1の外側フランジ(131)と、第1のボールスプラインハウジング(132)とを備え、前記第1の外側フランジ(131)が、前記第1の車両フレーム(11)に固定的に接続され、前記第1のシャフト(14)は、第1のスプラインシャフトを備え、第1のスプラインが、前記第1のスプラインシャフトに設けられ、前記第1のボールスプラインハウジング(132)が、前記第1のスプラインと協働し、および/または
前記走行装置は、第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体(24)を備え、前記第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体(24)が、第2の外側フランジ(241)と、第2のボールスプラインハウジング(242)とを備え、前記第2の外側フランジ(241)が、前記第1の車両フレーム(11)に固定的に接続され、前記第2のシャフト(14)は、第2のスプラインシャフトを備え、第2のスプラインが、前記第2のスプラインシャフトに設けられ、前記第2のボールスプラインハウジング(242)が、前記第2のスプラインと協働する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項5】
前記クライミングホイール(15)と駆動接続しており、前記クライミングホイール(15)を駆動して前記シャーシ(1)の横方向に往復運動を実施させるように構成された第1の伸長/後退駆動機構をさらに備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項6】
前記第1の伸長/後退駆動機構は、
前記第1の車両フレーム(11)に取り付けられたねじ(21)と、
前記ねじ(21)と螺合されている移動構成要素(20)であって、前記第1のシャフト(14)が、前記移動構成要素(20)に取り付けられている、移動構成要素(20)と
を備える、請求項5に記載のシャーシ。
【請求項7】
前記走行ホイール(27)と駆動接続しており、前記走行ホイール(27)を駆動して前記シャーシ(1)の横方向に往復運動を実施させるように構成された第2の伸長/後退駆動機構をさらに備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項8】
前記第1のシャフト(14)に取り付けられた第1の支持ホイール(16)と、
前記第1の車両フレーム(11)に取り付けられ、前記第1のシャフト(14)および前記第2のシャフト(25)から離間して、かつ平行に配置された第3のシャフト(18)と、
前記第3のシャフト(18)に取り付けられた第2の支持ホイール(19)であって、前記第3のシャフト(18)が、前記第2の支持ホイール(19)が前記シャーシ(1)の横方向に前記第1の支持ホイール(16)に対して固定されるように前記第1のシャフト(14)と連結して配置される、第2の支持ホイール(19)と
をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項9】
前記第1のシャフト(14)、前記第2のシャフト(25)および前記第3のシャフト(18)の軸は、異なる平面内に位置される、請求項8に記載のシャーシ。
【請求項10】
前記第1のシャフト(14)、前記第2のシャフト(25)および前記第3のシャフト(18)は、前記第1のシャフ卜(14)の下に位置される、請求項8または9に記載のシャーシ。
【請求項11】
前記第1のシャフト(14)、前記第2のシャフト(25)および前記第3のシャフト(18)は、前記シャーシ(1)の横方向に前記第1の車両フレーム(11)に移動可能に取り付けられる、請求項8から10のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項12】
第2の伸長/後退駆動機構と、第2の車両フレーム(26)とをさらに備え、前記第2の伸長/後退駆動機構が、前記走行ホイール(27)と駆動接続しており、前記走行ホイール(27)を駆動して前記シャーシ(1)の横方向に往復運動を実施するように構成され、前記第2の車両フレーム(26)が、前記第1の車両フレーム(11)に対して前記走行ホイール(27)と共に横方向に移動するように、回転可能かつ軸方向に相対的に静止した状態で前記第2のシャフト(25)に取り付けられ、前記第3のシャフト(18)が、前記第2の車両フレーム(26)を貫通しており、前記第2の支持ホイール(19)が、前記第2の車両フレーム(26)の横方向に外側に取り付けられる、請求項8から11のいずれか一項に記載のシャーシ。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか一項に記載のシャーシ(1)を備える、倉庫保管ロジスティクス車両。
【請求項14】
水平レール(3)と、
垂直レール(4)と、
請求項13に記載の倉庫保管ロジスティクス車両(V)であって、前記倉庫保管ロジスティクス車両(V)が、前記倉庫保管ロジスティクス車両(V)の前記走行ホイール(27)が前記水平レール(3)に沿って走行する走行状態と、前記倉庫保管ロジスティクス車両(V)の前記クライミングホイール(15)が前記垂直レール(4)に沿って上昇/下降する上昇/下降状態とを有する、倉庫保管ロジスティクス車両(V)と
を備える、倉庫保管ロジスティクスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年12月18日に出願された「Chassis for Warehousing Logistics Vehicle,Warehousing Logistics Vehicle,and Warehousing Logistics System」という名称の中国特許出願第202011504181.3号に基づき、その優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ロジスティクス機器の技術分野に関し、特に、倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシ、倉庫保管ロジスティクス車両、および倉庫保管ロジスティクスシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
ロジスティクスシステムでは、倉庫保管ロジスティクス車両が一般的に使用される移送機器である。
【0004】
従来技術では、クライミング可能な倉庫保管ロジスティクス車両は、車両本体の各側に一対のクライミングホイールおよび走行ホイールを有する。各対のクライミングホイールおよび走行ホイールは、1組の回転式ボールスプラインシャフト組立体に同軸に取り付けられる。クライミングホイールがスプラインシャフトの一端に取り付けられ、走行ホイールが回転式スプラインハウジングの端部に取り付けられる。回転式ボールスプラインシャフト組立体のナット外側フランジは、可動車両フレームに固定的に取り付けられる。クライミングホイールおよび走行ホイールとは、互いに対して軸方向に移動することができる。さらに、クライミングホイールおよび走行ホイールは、スプラインシャフトおよび回転式スプラインハウジングの伝達によって同期して回転することができる。可動車両フレーム、ナット外側フランジ、回転式スプラインハウジングおよび走行ホイールは、第1の車両フレームに対して軸方向に移動することができる。モータおよび減速機は、固定された車両フレーム上に位置され、その出力シャフトがスプラインハウジングを回転させる。スプラインハウジングは、スプラインシャフトと同軸であり、スプラインシャフトを回転させることができる。クライミングホイールおよびスプラインシャフトは、モータ、減速機およびスプラインハウジングに対して共に軸方向に移動することができる。車両本体が水平レール上または地面上を走行しているとき、クライミングホイールおよびスプラインシャフトは車両本体の内部に後退され、クライミングホイールは走行ホイールの内部に位置され、可動車両フレーム、ナット外側フランジ、回転式スプラインハウジングおよび走行ホイールは車両本体の内部から離れた側に位置される。
【0005】
上記の従来技術では、倉庫保管ロジスティクス車両がクライミングしているとき、クライミングホイールおよびスプラインシャフトは車両本体の外部に伸長され、車両本体の内部から離れた側に位置され、可動車両フレーム、ナット外側フランジ、回転式スプラインハウジングおよび走行ホイールは車両本体の内部に向かって後退され、車両本体の内部に近い側に位置される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様は、車両フレームと、車両フレームに取り付けられた走行装置とを含む、倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシであって、走行装置は、
第1の車両フレームに取り付けられた第1のシャフトと、
シャーシを上昇/下降させるように構成され、第1のシャフトに取り付けられたクライミングホイールと、
第1の車両フレームに取り付けられ、第1のシャフトと平行に、かつ離間して配置された第2のシャフトと、
シャーシを走行させるように構成され、第2のシャフトに取り付けられた走行ホイールと
を含む、シャーシを提供する。
【0007】
いくつかの実施形態では、シャーシは、第1のシャフトおよび第2のシャフトと駆動接続しており、第1のシャフトおよび第2のシャフトを駆動して回転させる走行駆動機構をさらに含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、
走行駆動機構は、減速機と、減速機スプラインハウジングとを含み、減速機の出力シャフトは、減速機スプラインハウジングの外部においてスリーブが付けられ、
第1のシャフトは、第1のスプラインシャフトを含み、第1のスプラインが、第1のスプラインシャフトに設けられ、減速機スプラインハウジングが、第1のスプラインと協働する。
【0009】
いくつかの実施形態では、
走行装置は、第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体を含み、第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体が、第1の外側フランジと、第1のボールスプラインハウジングとを含み、第1の外側フランジが、第1の車両フレームに固定的に接続され、第1のシャフトは、第1のスプラインシャフトを含み、第1のスプラインが、第1のスプラインシャフト上に設けられ、第1のボールスプラインハウジングが、第1のスプラインと協働し、および/または
走行装置は、第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体を含み、第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体が、第2の外側フランジと、第2のボールスプラインハウジングとを含み、第2の外側フランジが、第1の車両フレームに固定的に接続され、第2のシャフトは、第2のスプラインシャフトを含み、第2のスプラインが、第2のスプラインシャフト上に設けられ、第2のボールスプラインハウジングが、第2のスプラインと協働する。
【0010】
いくつかの実施形態では、シャーシは、クライミングホイールと駆動接続しており、クライミングホイールを駆動してシャーシの横方向に往復運動を実施させるように構成された第1の伸長/後退駆動機構をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の伸長/後退駆動機構は、
第1の車両フレームに取り付けられたねじと、
ねじと螺合されている移動構成要素であって、第1のシャフトが、移動構成要素に取り付けられている、移動構成要素と
を含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、シャーシは、走行ホイールと駆動接続しており、走行ホイールを駆動してシャーシの横方向に往復運動を実施させるように構成された第2の伸長/後退駆動機構をさらに含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、シャーシは、
第1のシャフトに取り付けられた第1の支持ホイールと、
第1の車両フレームに取り付けられ、第1のシャフトおよび第2のシャフトから離間して、かつ平行に配置された第3のシャフトと、
第3のシャフトに取り付けられた第2の支持ホイールであって、第3のシャフトが、第2の支持ホイールがシャーシの横方向に第1の支持ホイールに対して固定されるように第1のシャフトと連結して配置される、第2の支持ホイールと
をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1のシャフト、第2のシャフトおよび第3のシャフトの軸は、異なる平面内に位置される。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1のシャフト、第2のシャフトおよび第3のシャフトは、第1のシャフトの下に位置される。
【0016】
いくつかの実施形態では、第1のシャフト、第2のシャフトおよび第3のシャフトは、シャーシの横方向に第1の車両フレームに移動可能に取り付けられる。
【0017】
いくつかの実施形態では、シャーシは、第2の伸長/後退駆動機構と、第2の車両フレームとをさらに含み、第2の伸長/後退駆動機構が、走行ホイールと駆動接続しており、走行ホイールを駆動してシャーシの横方向に往復運動を実施するように構成され、第2の車両フレームが、第1の車両フレームに対して走行ホイールと共に横方向に移動するように、回転可能かつ軸方向に相対的に静止した状態で第2のシャフトに取り付けられ、第3のシャフトが、第2の車両フレームを貫通しており、第2の支持ホイールが、第2の車両フレームの横方向に外側に取り付けられる。
【0018】
本開示の第2の態様は、本開示の第1の態様におけるシャーシを含む倉庫保管ロジスティクス車両を提供する。
【0019】
本開示の第3の態様は、
水平レールと、
垂直レールと、
本開示の第2の態様における倉庫保管ロジスティクス車両であって、倉庫保管ロジスティクス車両が、倉庫保管ロジスティクス車両の走行ホイールが水平レールに沿って走行する走行状態と、倉庫保管ロジスティクス車両のクライミングホイールが垂直レールに沿って上昇/下降する上昇/下降状態とを有する、倉庫保管ロジスティクス車両と
を含む、倉庫保管ロジスティクスシステムを提供する。
【0020】
本開示で提供される倉庫保管ロジスティクス車両に基づくシャーシは、クライミングホイールおよび走行ホイールが非同軸である構造を使用し、これは第1のシャフトの耐力条件(force-bearing condition)を改善するのに役立つ。
【0021】
本開示で提供される倉庫保管ロジスティクス車両および倉庫保管ロジスティクスシステムは、本開示で提供される倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシと同じ利点を有する。
【0022】
本開示の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して、本開示の例示的な実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0023】
本明細書に示される図面は、本開示のさらなる理解を提供するために使用され、本出願の一部を形成し、本開示の例示的な実施形態およびその説明は、本開示を不適切に限定する代わりに説明することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の実施形態における倉庫保管ロジスティクスシステムの概略構造図である。
【
図2】本開示の実施形態における倉庫保管ロジスティクス車両の概略構造図である。
【
図3】
図2に示す倉庫保管ロジスティクス車両の方向A-Aに沿った概略構造図である。
【
図4】
図2に示す倉庫保管ロジスティクス車両の方向B-Bに沿った概略構造図である。
【
図5】
図2に示す倉庫保管ロジスティクス車両の部分断面構造図である。
【
図6】
図2に示す倉庫保管ロジスティクス車両の部分断面構造図である。
【
図7】
図2に示す倉庫保管ロジスティクス車両の部分断面構造図である。
【
図8】倉庫保管ロジスティクス車両が走行状態にある、
図1に示す倉庫保管ロジスティクスシステムの概略構造図である。
【
図9】倉庫保管ロジスティクス車両が走行状態から上昇/下降状態に切り替えられる、
図1に示す倉庫保管ロジスティクスシステムの概略構造図である。
【
図10】
図2に示す倉庫保管ロジスティクス車両の走行状態および上昇/下降状態におけるA-A方向に沿った概略構造図である。
【
図11】倉庫保管ロジスティクス車両が上昇/下降状態にある、
図1に示す倉庫保管ロジスティクスシステムの概略構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示の実施形態における技術的解決策は、本開示の実施形態における添付の図面と併せて以下に明確かつ完全に説明される。明らかに、記載された実施形態は、本開示の実施形態のすべてではなく、その一部にすぎない。少なくとも1つの例示的な実施形態の以下の説明は、実際には例示にすぎず、決して本開示およびその用途または使用に対するあらゆる限定として役立つものではない。本開示における実施形態に基づいて、創造的な作業なしに当業者によって得られる他の実施形態のすべては、本開示の保護範囲に入るものとする。
【0026】
特に断らない限り、これらの実施形態に記載される構成要素およびステップ、数式および数値の相対的な配置は、本開示の範囲を限定するものではない。さらに、説明を容易にするために、図面に示す様々な部品のサイズは、実際の比例関係に従って描かれていないことを理解されたい。当業者に知られている技術、方法、および装置は、詳細に説明されない場合があるが、適切な場合には、技術、方法、および機器は、付与された明細書の一部とみなされるべきである。本明細書に示され説明されるすべての例において、任意の特定の値は、限定としてではなく単なる例示として解釈されるべきである。したがって、例示的な実施形態の他の例は、異なる値を有してもよい。同様の参照符号および文字は、以下の図面において同様の項目を示すので、ある項目が1つの図面において定義されると、それは後続の図面においてさらに説明される必要がないことに留意されたい。
【0027】
本開示の説明において、部品および構成要素を定義する「第1の」および「第2の」などの用語の使用は、対応する部品および構成要素を区別する便宜上のものにすぎないことを理解されたい。特に明記しない限り、上記の用語は特別な意味を有さず、したがって、本開示の保護範囲に対する限定として解釈されることはできない。
【0028】
本開示の説明において、「前方」、「後方」、「上部」、「下部」、「左」、「右」、「横方向」、「長手方向」、「垂直」、「水平」、「頂部」および「底部」などの用語によって示される配向または位置関係は、一般に、図面に基づいて示される配向または位置関係であり、単に本開示を説明し、説明を単純化する便宜上のものであり、反対のことが述べられていない限り、そのような用語は、示されている装置または要素が特定の配向を有するか、または特定の配向で構築および動作されなければならないことを示したり暗示したりするものではなく、したがって本開示の保護範囲を限定するものとして解釈され得ず、配向用語「内側」および「外側」は、各構成要素自体の輪郭に対して内部および外部を指すことを理解されたい。
【0029】
従来技術の倉庫保管ロジスティクス車両がクライミングしているとき、スプラインシャフトの片持ち部の長さは比較的大きい。クライミング中、スプラインシャフトの耐力条件が比較的複雑であり、車両本体の重量、および偏心重量によって引き起こされる作用力、ならびにモータの動力を伝達するトルクがすべてスプラインシャフトに作用し、スプラインシャフトが回転運動を実施することで周期的な応力が片持ちシャフト全体にわたって存在する。したがって、スプラインシャフトの直径は、大きくする必要がある。大径を有する回転式ボールスプラインシャフト組立体は価格が高いため、車両全体のコストが高くなる。倉庫保管ロジスティクス車両がクライミングしているとき、クライミングホイールおよび支持ホイールはそれぞれ、偏心重量によって引き起こされる後方および前方への作用力を支える。力の作用原理および幾何学的関係のために、クライミングホイールおよび支持ホイールは、垂直方向に一定の距離だけ離間される必要がある。クライミングホイールおよび走行ホイールが同軸であり、クライミングホイールが小さい外径を有し、走行ホイールが大きい外径を有するため、垂直方向におけるクライミングホイールと支持ホイールとの間の一定の距離を保つために、車両本体の高さは増加される必要がある。車両本体の増加した高さにより、貨物ラックの層高がより大きくなり、保管密度に影響を及ぼす。
【0030】
従来技術の倉庫保管ロジスティクス車両を改善するために、本開示の実施形態は、倉庫保管ロジスティクス車両およびそのためのシャーシ、ならびに倉庫保管ロジスティクス車両を含む倉庫保管ロジスティクスシステムを提供する。
【0031】
以下の説明において、用語「前方」は、倉庫保管ロジスティクス車両の先頭方向を指し、用語「後方」は、その尾部方向を指し、用語「左」および「右」は、前方を向いたときの左右方向を指す。左右方向は、
図2および
図3と同じである。用語「長手方向」は、倉庫保管ロジスティクス車両の前後方向を指し、用語「横方向」は、倉庫保管ロジスティクス車両の左右方向を指す。
【0032】
図1~
図11に示すように、本開示の実施形態は、車両フレーム11と、車両フレーム11に取り付けられた走行装置とを含む、倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシ1を提供する。走行装置は、第1のシャフト14と、クライミングホイール15と、第2のシャフト25と、走行ホイール27とを含む。
【0033】
第1のシャフト14は、第1の車両フレーム11に取り付けられる。クライミングホイール15は、シャーシ1を上昇/下降させるように構成され、第1のシャフト14に取り付けられる。第2のシャフト25は、第1の車両フレーム11に取り付けられ、第1のシャフト14と平行に、かつ離間して配置される。走行ホイール27は、シャーシ1を走行させるように構成され、第2のシャフト25に取り付けられる。
【0034】
本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクス車両Vは、クライミングホイール15および走行ホイール27が非同軸である構造を使用し、これは第1のシャフト14の耐力条件を改善するのに役立つ。さらに、それは第1のシャフト14の直径を低減するのに役立ち、それによって一方では車両全体のコストを低減するのに役立ち、他方では車両全体の重量を低減するのに役立つ。
【0035】
図2に示すように、いくつかの実施形態では、シャーシ1は、走行駆動機構をさらに含む。走行駆動機構は、第1のシャフト14および第2のシャフト25と駆動接続しており、第1のシャフト14および第2のシャフト25を駆動して回転させる。走行駆動機構は、例えば、駆動モータおよび減速機を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、シャーシ1は、第1の伸長/後退駆動機構をさらに含む。第1の伸長/後退駆動機構は、クライミングホイール15と駆動接続しており、クライミングホイール15を駆動してシャーシ1の横方向に往復運動を実施させるように構成される。
【0037】
第1の伸長/後退駆動機構は、例えば、ねじ21および移動構成要素20を含む。ねじ21は、第1の車両フレーム11に取り付けられる。移動構成要素20は、ねじ21と螺合されており、第1のシャフト14は、移動構成要素20に取り付けられる。ねじ21が回転すると、移動構成要素20は駆動されてねじ21の軸方向に移動することができ、それによって第1のシャフト14を移動させ、したがってクライミングホイール15を移動させる。図示されない一実施形態では、第1の伸長/後退駆動機構は、例えば、連結機構、ギアラック機構などを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、シャーシ1は、走行ホイール27と駆動接続しており、走行ホイール27を駆動してシャーシ1の横方向に往復運動を実施させるように構成された第2の伸長/後退駆動機構をさらに含む。
【0039】
第2の伸長/後退駆動機構は、例えば、リニアモータ、または回転式モータと伝達部の組み合わせを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、
図2に示すように、シャーシ1は、第1の支持ホイール16と、第3のシャフト18と、第2の支持ホイール19とをさらに含む。第1の支持ホイール16は、第1のシャフト14に取り付けられる。第3のシャフト18は、車両フレーム11に取り付けられ、第1のシャフト14および第2のシャフト25から離間して、かつ平行に配置される。第2の支持ホイール19は、第3のシャフト18に取り付けられる。第3のシャフト18は、第2の支持ホイール19がシャーシ1の横方向に第1の支持ホイール16に対して固定されるように第1のシャフト14と連結して配置される。
【0041】
いくつかの実施形態では、シャーシ1は、第2の車両フレーム26をさらに含み、第2の車両フレーム26が、第1の車両フレーム11に対して走行ホイール27と共に横方向に移動するように、回転可能かつ軸方向に相対的に静止した状態で第2のシャフト25に取り付けられる。第3のシャフト18は、第2の車両フレーム26を貫通しており、第2の支持ホイール19は、第2の車両フレーム26の横方向に外側に取り付けられる。
【0042】
本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクス車両Vは、本開示の実施形態のシャーシ1を含む。
【0043】
本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクスシステムは、水平レール3と、垂直レール4と、倉庫保管ロジスティクス車両Vとを含む。倉庫保管ロジスティクス車両Vは、走行状態と、上昇/下降状態とを有する。走行状態において、倉庫保管ロジスティクス車両Vの走行ホイール27は、水平レール3に沿って走行する。上昇/下降状態において、倉庫保管ロジスティクス車両Vのクライミングホイール15は、垂直レール4に沿って上昇/下降する。
【0044】
本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクス車両Vおよび本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクスシステムは、本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクス車両用のシャーシと同じ利点を有する。
【0045】
本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクス車両Vおよびそのためのシャーシ1、ならびに倉庫保管ロジスティクス車両Vを含む倉庫保管ロジスティクスシステムは、
図1から
図11と併せて以下でさらに説明される。
【0046】
図1に示すように、本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクスシステムは、水平レール3と、垂直レール4と、倉庫保管ロジスティクス車両Vとを含む。水平レール3、垂直レール4および倉庫保管ロジスティクス車両Vの数はすべて、必要に応じて構成されることができる。
【0047】
図2に示すように、倉庫保管ロジスティクス車両Vは、シャーシ1と、上部構造2とを主に含む。シャーシ1は、地面上を走行したり、水平レール上を走行したり、垂直にクライミングしたりする機能を有する。倉庫保管ロジスティクス車両Vの先頭Hは、シャーシ1の一端(
図2の左端)に位置される。倉庫保管ロジスティクス車両Vの電源、動力および伝達機構、制御部およびナビゲーション部は、先頭Hに位置される。上部構造2は、貨物ボックスBがピックアップされ、かつ貨物ボックスBが置かれる場所として機能する。上部構造2は、シャーシ1の他端(
図2の右端)に位置される。
【0048】
図3から
図11に示すように、シャーシ1は、車両フレーム11と、車両フレーム11に取り付けられた走行装置とを含む。シャーシ1の走行装置は、シャーシ1の左右側に位置され、シャーシ1の長手方向軸に対して対称に配置された2つの走行部を含む、左右対称構造である。
図2に示すように、左側に位置される走行部が、一例として以下に説明される。右側に位置される走行部は、その構造、構成要素の機能ならびにその動作プロセスおよび原理の点で左側にある走行部と同じであり、別々に説明されることはない。
【0049】
走行部は、第1のシャフト14と、クライミングホイール15と、第2のシャフト25と、走行ホイール27とを含む。第1のシャフト14は、第1の車両フレーム11に取り付けられる。クライミングホイール15は、シャーシ1を上昇/下降させるように構成され、第1のシャフト14に取り付けられる。第2のシャフト25は、第1の車両フレーム11に取り付けられ、第1のシャフト14と平行に、かつ離間して配置される。走行ホイール27は、シャーシ1を走行させるように構成され、第2のシャフト25に取り付けられる。
【0050】
第1のシャフト14は、第1のスプラインが設けられた第1のスプラインシャフトとして構成される。第2のシャフト25は、この実施形態では、第2のスプラインが設けられた第2のスプラインシャフトである。クライミングホイール15は、クライミングギアを含む。
【0051】
シャーシ1は、走行駆動機構をさらに含む。走行駆動機構は、第1のシャフト14および第2のシャフト25と駆動接続しており、第1のシャフト14および第2のシャフト25を駆動して回転させる。走行駆動機構は、走行駆動モータ(図示せず)と、減速機12とを含む。第1のシャフト14および第2のシャフト25は、減速機12によって駆動されて回転する。
【0052】
図2に示すように、シャーシ1は、クライミングホイール15と駆動接続している第1の伸長/後退駆動機構をさらに含む。第1の伸長/後退駆動機構は、クライミングホイール15を駆動してシャーシ1の横方向に往復運動を実施させるように構成される。第1の伸長/後退駆動機構は、ねじ21と、移動構成要素20とを含む。ねじ21は、第1の車両フレーム11に取り付けられる。移動構成要素20は、ねじ21と螺合されており、第1のシャフト14は、移動構成要素20に取り付けられる。ねじ21が回転すると、移動構成要素20は駆動されてねじ21の軸方向に移動することができ、それによって第1のシャフト14を移動させ、したがってクライミングホイール15を移動させる。ねじ21は、例えば、回転式モータによって駆動され得る。
【0053】
シャーシ1は、走行ホイール27と駆動接続している第2の伸長/後退駆動機構をさらに含む。第2の伸長/後退駆動機構は、走行ホイール27を駆動してシャーシ1の横方向に往復運動を実施させるように構成される。
【0054】
第2の伸長/後退駆動機構は、例えば、リニアモータを含む。リニアモータは、走行ホイール27を押し引きしてその軸方向に往復運動を実施させることができる。あるいは、第2の伸長/後退駆動機構は、回転式モータと、回転式モータと走行ホイール27との間に配置された伝達部の複合機構である。回転式モータは、伝達部を動作させ、それによって走行ホイール27にその軸方向に往復運動を実施させる。
【0055】
図2に示すように、シャーシ1は、第1の支持ホイール16と、第3のシャフト18と、第2の支持ホイール19とをさらに含む。第1の支持ホイール16は、第1のシャフト14に取り付けられる。第3のシャフト18は、車両フレーム11に取り付けられ、第1のシャフト14および第2のシャフト25から離間して、かつ平行に配置される。第2の支持ホイール19は、第3のシャフト18に取り付けられる。第2の支持ホイール19は、第1の支持ホイール16に対してシャーシ1の横方向の位置にあるように、第1の支持ホイール16と連結して配置される。
【0056】
第1のシャフト14、第2のシャフト25および第3のシャフト18は、シャーシ1の横方向に移動可能なように第1の車両フレーム11に取り付けられる。
【0057】
図5に示すように、走行駆動機構は、減速機12と、減速機スプラインハウジング121とを含む。減速機スプラインハウジング121は、減速機12の出力シャフト122と第1のシャフト14との間に取り付けられる。減速機12は、第1の車両フレーム11の横方向に外側に固定的に取り付けられ、出力シャフト122によって、減速機スプラインハウジング121を駆動して回転させることができる。第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体13が、その第1の外側フランジ131によって第1の車両フレーム11の横方向に内側に取り付けられ、減速機12の出力シャフト122と同軸である。
【0058】
第1のシャフト14は、第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体13、減速機12の出力シャフト122、および減速機スプラインハウジング121を順次貫通している。減速機スプラインハウジング121と、第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体13の第1のボールスプラインハウジング132との両方は、減速機12が、減速機スプラインハウジング121によって、第1のシャフト14および第1のボールスプラインハウジング132を回転させることができるように、第1のシャフト14上の第1のスプラインと協働する。さらに、第1のシャフト14は、減速機12および第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体13に対して軸方向に移動することができる。クライミングホイール15および第1の支持ホイール16は、車両本体の外側に近い第1のシャフト14の端部に取り付けられる。
【0059】
走行部は、ガイドスリーブ17をさらに含む。第3のシャフト18およびガイドスリーブ17は、第1のシャフト14と平行に、かつ第1のシャフト14の下に一定の距離を置いて、第1の車両フレーム11の下部に同軸に取り付けられる。ガイドスリーブ17は、第1の車両フレーム11に固定され、第3のシャフト18は、ガイドスリーブ17に対して軸方向に移動することができる。横方向外側に近い第3のシャフト18の端部は、可動の第2の車両フレーム26を貫通しており、第2の支持ホイール19が設置される。第3のシャフト18は、第2の車両フレーム26に接触しないか、または第3のシャフト18の軸方向で第2の車両フレーム26と摺動可能に協働する。第1のシャフト14および第3のシャフト18の他端は、移動構成要素20に接続される。移動構成要素20は、板部材、ロッド部材などとすることができる。
【0060】
ねじ21は、車両本体の中央に位置され、ねじ21は、左手および右手回転のためのねじ山を有する。ねじ21によって駆動されて、左右の2つの移動構成要素20がシャーシ1の横方向に対称的に移動することができ、それによって第1のシャフト14、クライミングホイール15、第1の支持ホイール16、第3のシャフト18および第2の支持ホイール19を同時にシャーシ1の横方向に移動させる。
【0061】
第1のシャフト14、第2のシャフト25および第3のシャフト18の軸は、異なる平面内に位置される。第1のシャフト14、第2のシャフト25および第3のシャフト18は、第1のシャフト14の下に位置される。
図2に示すように、第2のシャフト25は、第1のシャフト14と平行であり、第1のシャフト14の下に一定の距離を置いているが、第1のシャフト14および第3のシャフト18によって形成された平面内にはない。第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体24の第2の外側フランジ241は、第1の車両フレーム11に固定的に取り付けられ、第2のシャフト25は、第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体24を貫通しており、その第2のスプラインは、第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体24の第2のボールスプラインハウジング242と協働することができ、それにより第2のシャフト25は、第2のボールスプラインハウジング242と同期して回転する。
【0062】
図4に示すように、第2のシャフト25の一端は、ベアリング28によって第2の車両フレーム26に接続され、走行ホイール27が設置される。
【0063】
伝達ホイール22が、第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体24の第2のボールスプラインハウジング242および第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体13の第1のボールスプラインハウジング132の各々の横方向内側に近い端部に取り付けられる。2つの伝達ホイール22は、それぞれ第1のシャフト14および第2のシャフト25に取り付けられ、それぞれ第1のシャフト14および第2のシャフト25と共に回転することができ、伝達ベルト23が2つの伝達ホイール22を接続し、それにより第1のシャフト14の回転は、第1のボールスプラインハウジング132、第1のシャフト14上の伝達ホイール22、伝達ベルト23および第2のシャフト25上の伝達ホイール22によって、第2のシャフト25および走行ホイール27を回転させることができる。
【0064】
第2の車両フレーム26、ベアリング28、第2のシャフト25および走行ホイール27は、第2の伸長/後退駆動機構の駆動の下で同時に横方向に移動することができる。第2の伸長/後退駆動機構は、例えば、回転式モータおよび伝達機構を含む。伝達機構は、例えば、ねじ-ナット伝達対、連結機構、ギア-ロッド伝達対、カム-レバー伝達対などを含む。
【0065】
図8は、水平レール3上を正常に走行する倉庫保管ロジスティクス車両Vの状態を示す。この場合、倉庫保管ロジスティクス車両Vは、その走行状態にある。第2の車両フレーム26、ベアリング28、第2のシャフト25および走行ホイール27は、第1の車両フレーム11から離れた伸長位置にあり、走行ホイール27は、水平レール3の上面にある。第1のシャフト14、クライミングホイール15、第1の支持ホイール16、第3のシャフト18および第2の支持ホイール19は、第1の車両フレーム11に向かって後退位置にあり、倉庫保管ロジスティクス車両Vは、高速で水平レール3上を走行することができる。
【0066】
図9に示すように、倉庫保管ロジスティクス車両Vが走行状態にあるとき、第1のシャフト14、クライミングホイール15、第1の支持ホイール16、第3のシャフト18および第2の支持ホイール19は、第1の車両フレーム11から離れる側に同時に伸長されて伸長位置に入り、クライミングホイール15のギア歯は、垂直レール4のラック41に係合し、第1の支持ホイール16および第2の支持ホイール19は、垂直レール4の制限ストリップ42の間に位置され、クライミングホイール15は、倉庫保管ロジスティクス車両Vが一定の範囲内で上昇することができるように回転する。
図11に示すように、倉庫保管ロジスティクス車両Vが低い高さまで上昇した後、第2の伸長/後退駆動機構によって駆動される第2の車両フレーム26、ベアリング28、第2のシャフト25および走行ホイール27は、第1の車両フレーム11に近い側に向かって移動して後退位置に入り、それにより倉庫保管ロジスティクス車両Vが上下に移動するときに水平レール3は回避されることができ、倉庫保管ロジスティクス車両Vは、倉庫保管ロジスティクス車両Vがずっと垂直レール4に沿って上昇/下降することができるように上昇/下降状態に切り替えられる。
【0067】
図10に示すように、その耐力条件が最も複雑である第1のシャフト14は、上昇/下降状態にあるときに最大の片持ち長さに達し、これは走行状態にあるその片持ち長さよりも大きい第1のシャフト14の1つの伸長/後退ストロークaである。従来技術では、クライミングホイールおよび走行ホイールの伸長および後退が同じ軸上で実現される必要があるため、スプラインシャフトは、走行状態よりも上昇/下降状態においてより大きい片持ち長さを有する。したがって、本開示の実施形態の倉庫保管ロジスティクス車両Vのクライミングホイール15および走行ホイール27が非同軸である構造は、第1のシャフト14の耐力条件を改善するのに役立ち、第1のシャフト14の低減された直径を達成されることができ、それによって一方では車両全体のコストを低減し、他方では車両全体の重量を低減する。
【0068】
クライミングホイール15および走行ホイール27が非同軸に構成される構造はまた、第1のシャフト14と第3のシャフト18との間の固定された垂直距離を維持しながら倉庫保管ロジスティクス車両Vの第1のシャフト14および第3のシャフト18の高さを低減するのに役立ち、それによって車両全体の高さを低減し、貨物ラックの低減された層高により保管密度を確保する可能性を提供する。
【0069】
加えて、第1のシャフト14および第3のシャフト18は、(走行ホイール27と尾部Tとの間で)倉庫保管ロジスティクス車両Vの重心により近くすることができ、それによってクライミングホイール15ならびに第1の支持ホイール16および第2の支持ホイール19に対する偏心重量によって引き起こされる前方および後方への作用力を低減する。
【0070】
走行駆動機構の減速機12を減速機スプラインハウジング121と共に組み合わせることは、その位置の外側へのシフトに役立つ。このことは、走行ホイール27およびクライミングホイール15が非同軸である構造と組み合わせて、第2の車両フレーム26および走行ホイール27の左右の伸長および後退が第1のシャフト14の片持ち長さに影響を及ぼさず、倉庫保管ロジスティクス車両Vが上昇/下降する際に第1のシャフト14の片持ち長さが低減され、第1のシャフト14の耐力条件をさらに改善するのに役立つことを達成する。
【0071】
上部構造2の上方の空間は、クライミングホイール15および第1の支持ホイール16を配置するために完全に使用され、これは上部構造2とクライミングホイール15との間の長手方向距離を低減し、車両全体の長さを短くするのに役立つ。
【0072】
最後に、上記の実施形態は、本開示の技術的解決策を限定するのではなく、説明するためにのみ使用されることに留意されたい。本開示は、好ましい実施形態を参照して詳細に説明されているが、当業者は、本開示における特定の実施態様に修正をさらに加えることができ、またはその技術的特徴の一部に同等の置換を行うことができ、そのような修正および同等の置換は、本開示において保護を求める技術的解決策の範囲内に包含されるべきであることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0073】
1 シャーシ
2 上部構造
3 水平レール
4 垂直レール
11 第1の車両フレーム
12 減速機
13 第1の回転式ボールスプラインスリーブ組立体
14 第1のシャフト
15 クライミングホイール
16 第1の支持ホイール
17 ガイドスリーブ
18 第3のシャフト
19 第2の支持ホイール
20 移動構成要素
21 ねじ
22 伝達ホイール
23 伝達ベルト
24 第2の回転式ボールスプラインスリーブ組立体
25 第2のシャフト
26 第2の車両フレーム
27 走行ホイール
28 ベアリング
41 ラック
42 制限ストリップ
121 減速機スプラインハウジング
122 出力シャフト
131 第1の外側フランジ
132 第1のボールスプラインハウジング
241 第2の外側フランジ
242 第2のボールスプラインハウジング
a 伸長/後退ストローク
B 貨物ボックス
H 先頭
T 尾部
V 倉庫保管ロジスティクス車両
A-A 方向
B-B 方向
【国際調査報告】