(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】電極組立体
(51)【国際特許分類】
H01M 10/04 20060101AFI20231213BHJP
H01M 10/0583 20100101ALI20231213BHJP
H01M 50/46 20210101ALI20231213BHJP
H01M 50/474 20210101ALI20231213BHJP
【FI】
H01M10/04 Z
H01M10/0583
H01M50/46
H01M50/474
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533755
(86)(22)【出願日】2022-07-08
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 KR2022010008
(87)【国際公開番号】W WO2023282721
(87)【国際公開日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090588
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090589
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2021-0090592
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユーン、セ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボムス
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒーヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨン ナム
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ジョンウー
【テーマコード(参考)】
5H021
5H028
5H029
【Fターム(参考)】
5H021CC19
5H021EE04
5H028AA05
5H028BB05
5H028CC08
5H028CC15
5H028HH05
5H029AJ03
5H029AK02
5H029AK03
5H029AL02
5H029AL03
5H029AL07
5H029AL08
5H029AL11
5H029AL12
5H029AL16
5H029BJ15
5H029CJ05
5H029HJ04
(57)【要約】
本発明は、積層軸に沿って積層体に配列された複数の電極を含み、ここでそれぞれの電極は、延長された分離膜シートのそれぞれの平面部分によって積層体の電極のうち連続した電極から分離される電極組立体に関する。延長された分離膜シートは、延長された分離膜シートがスタックの電極のうちそれぞれの連続した電極の間から延びるように積層軸に直交する前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部分の間で折り畳まれることができる。複数の電極の第1側端部は、スタック内の第1電極またはスタック内の2つの隣接した電極のうち1つの第1側端部に対して直交寸法の第1距離だけオフセットされ、ここで第1距離は、選択された電極のうち1つの側面幅の10%以下であってもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層軸に沿って積層された複数の電極および積層物内の前記電極のうちそれぞれの連続する前記電極の間から延びて、前記積層軸に垂直な幅方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部の間で折り畳まれる分離膜シートを含み、
前記積層物内のそれぞれの前記電極は、前記分離膜シートのそれぞれの平面部によって前記積層物内の前記電極のうち連続した電極から積層軸に沿って分離され、
前記積層物内の各前記電極は、垂直方向から各前記電極の対向する方向に第1側面端部および第2側面端部を含み、
複数の前記電極の第1側面端部は、前記積層物内の1番目の電極または前記積層物内の2つの隣接した電極のうち1つの前記第1側面端部に対して幅方向の第1距離だけオフセットされ、
前記第1距離は、前記電極のうち任意に選択された電極の横方向幅の10%以下であり、横方向幅は、前記選択された電極の前記第1側面端部および前記第2側面端部の間である、電極組立体。
【請求項2】
前記複数の電極のうち少なくとも1つの前記第1側面端部は、前記積層物の2つの隣接した電極のうち1つの前記第1側面端部に対して垂直距離の第1距離だけオフセットされ、前記第1距離は、前記電極のうち選択された1つの横方向幅の10%以下である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項3】
前記複数の電極のうち少なくとも1つの電極の前記第1側面端部は、前記積層物から第1電極の前記第1側面端部に対する垂直距離の第1距離だけオフセットされ、前記第1距離は、前記電極のうち選択された1つの横方向幅の10%以下である、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項4】
前記第1距離は、0.1mm~10mmである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項5】
前記積層物の複数の前記電極は、積層軸に沿って互いに交互に配置された陽極および陰極で構成され、前記陽極の横方向幅は、前記陰極の横方向幅よりも大きい、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項6】
前記積層物内の複数の前記電極は、積層軸に沿って互いに交互に配置された陽極および陰極で構成され、前記陽極の横方向幅は、前記陰極の横方向幅と同じである、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項7】
前記積層物内の複数の前記電極は、積層軸に沿って互いに交互に配置された陽極および陰極で構成され、前記陽極の横方向幅は、前記陰極の横方向幅より小さい、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項8】
前記積層物内の複数の前記電極は、積層軸に沿って互いに交互に配置された陽極および陰極で構成され、前記陰極が前記分離膜シートに熱融着され、前記分離膜シートが前記陽極に熱融着される、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項9】
前記積層物は、前記積層物の周りを取り囲む外部分離膜をさらに含む、請求項1に記載の電極組立体。
【請求項10】
前記外部分離膜は、前記分離膜シートと一体型である、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項11】
前記外部分離膜の内側面は、延長された前記分離膜シートのフォールディング部の少なくとも1つまたは前記積層物の前記電極のうち少なくとも1つの第1または第2側面端部に熱融着される、請求項9に記載の電極組立体。
【請求項12】
積層軸に沿って積み重ねられた複数の電極および積層物内の前記電極のうちそれぞれの電極の間から延びて前記積層軸に垂直な横方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部の間に折り畳まれる分離膜シートを含み、
前記積層物内のそれぞれの前記電極は、前記分離膜シートの前記各平面部によって、前記積層物の前記電極のうち連続する電極から前記積層軸に沿って分離され、
前記積層物内のそれぞれの前記電極は、横方向から各前記電極の対向する方向に第1側面端部および第2側面端部を含み、
前記複数の電極のうち1つ以上の前記第1側面端部は、積層軸に平行に延びる線に沿って整列される、電極組立体。
【請求項13】
積層軸に沿って積み重ねられた複数の電極および積層物内の前記電極のうちそれぞれの電極の間から延びて前記積層軸に垂直な横方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部の間に折り畳まれる分離膜シートを含み、
前記積層物内のそれぞれの前記電極は、前記分離膜シートの前記各平面部によって、前記積層物の前記電極のうち連続する電極から前記積層軸に沿って分離され、
前記積層軸は、前記積層物内の前記複数の電極のそれぞれの中心を連結し、
前記複数の電極のうち少なくとも1つの中心は、前記積層軸に対して垂直距離の第1距離だけオフセットされ、
前記第1距離は、前記電極のうち任意に選択された電極の横方向幅の10%以下であり、
前記横方向幅は、前記垂直距離で任意に選択された電極の反対面上の各電極の第1側面端部および第2側面端部の間である、電極組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090592号、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090588号、2021年7月9日付にて韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0090589号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に含まれる。
【0002】
本発明は電極組立体に関する。具体的に、本発明は二次電池の電極組立体に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、一次電池とは異なり、再充電が可能であり、また小型および大容量化の可能性のため、近年多く研究開発されている。モバイル機器に対する技術開発と需要が増加するにつれて、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池、円筒型電池、角型電池、およびポーチ型電池に分類される。二次電池において電池ケースの内部に取り付けられる電極組立体は、電極および分離膜の積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。
【0005】
電極組立体は、ゼリーロール(Jelly-roll)型、スタック型およびスタックアンドフォールディング型に分けられる。ゼリーロール型は、それぞれ活物質が塗布されたシート状陽極とシート状陰極との間に分離膜が介在して全体配列が巻き取られたものである。スタック型は分離膜を挟んで多数の陽極と陰極が順次積層される。スタックアンドフォールディング型は、積み重ねられた単位セルが長い長さの分離フィルムに巻かれることができる。
【0006】
従来のスタックアンドフォールディング型電極組立体は、電極組立体に積層された電極と分離膜が組み立てられた積層物に熱と圧力を加えて接着されている。しかしながら、従来の電極組立体は、このような熱および圧力を印加するとき、積層物内の電極が間違って整列される可能性があるという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、電極組立体の内部に積層された電極が電極組立体の積層方向を基準に電極組立体の内部に積層された電極が左右にずれる程度を最小化することにより、電極の密度が増加し、エネルギー密度が増加した電極組立体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施態様は、積層軸に沿って積層された複数の電極および積層物内の前記電極のそれぞれの連続した前記電極の間で延びて、前記積層軸に垂直な幅方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部の間で折り畳まれる分離膜シートを含み、前記積層物内の前記それぞれの電極は、分離膜シートのそれぞれの平面部によって前記積層物内の電極のうち連続した電極から積層軸に沿って分離され、前記積層物内の前記各電極は、垂直方向から前記各電極の対向する方向に第1側面端部および第2側面端部を含み、複数の前記電極の第1側面端部は、前記積層物内の最初の電極または前記積層物内の2つの隣接した電極のうち1つの前記第1側面端部に対して幅方向の第1距離だけオフセットされ、前記第1距離は、前記電極のうち任意に選択された電極の横方向幅の10%以下であり、横方向幅は、前記選択された電極の前記第1側面端部および前記第2側面端部の間である、電極組立体を提供する。
【0009】
本発明の他の実施形態は、積層軸に沿って積層された複数の電極および積層物内の前記電極のうちそれぞれの電極の間で延びて、前記積層軸に垂直な横方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部の間に折り畳まれる分離膜シートを含み、前記積層物内のそれぞれの電極は、前記分離膜シートのそれぞれの前記平面部によって前記積層物の電極のうち連続した電極から前記積層軸に沿って分離され、前記積層物内の各電極は、横方向から前記各電極の対向する方向に第1側面端部および第2側面端部を含み、前記複数の電極のうち1つ以上の前記第1側面端部は、積層軸に平行して延びる線に沿って整列される、電極組立体を提供する。
【0010】
本発明のまた他の実施形態は、積層軸に沿って積層された複数の電極および積層物内の前記電極のうちそれぞれの電極の間で延びて、前記積層軸に垂直な幅方向に沿って前後に横断する曲がりくねった経路に沿って各平面部の間に折り曲げられる分離膜シートを含み、前記積層物内のそれぞれの電極は、前記分離膜シートのそれぞれの前記平面部によって、前記積層物の電極のうち連続した電極から前記積層軸に沿って分離され、前記積層軸は、前記積層物内の複数の電極のそれぞれの中心を連結し、前記複数の電極の少なくとも1つの中心は、前記積層軸に対して垂直距離の第1距離だけオフセットされ、前記第1距離は、前記電極のうち任意の選択された電極の横方向幅の10%以下であり、前記横方向幅は、前記垂直距離から任意に選択された電極の反対面上の各電極の第1側面端部および第2側面端部の間である、電極組立体を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、電極の位置がずれないように好ましく整列固定し、エネルギー密度が向上し、電極組立体を含む電池の外部に電極が突出することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施態様による電極組立体を示す断面図である。
【
図2】本発明の一実施態様による電極組立体の構成要素の積層図を概念的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施態様による電極組立体を示す断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【
図5】本発明のまた他の実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【
図6】本発明のまた他の実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【
図7】本発明のまた他の実施形態による電極組立体を示す断面図である。
【
図8】
図1の電極組立体の断面図であり、電極組立体の上面、下面および中間部の位置を示す図である。
【
図9】本発明に係る電極組立体を製造するための電極組立体の製造装置を示す上面図である。
【
図10】
図9の電極組立体の製造装置を概念的に示す正面図である。
【
図11】本発明の一実施態様に係る分離膜供給部の分離膜加熱部の斜視図である。
【
図12A】本発明の一実施態様による第1プレス部を示す斜視図である。
【
図12B】本発明の一実施態様による第2プレス部を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0013】
S ・・・積層物
1 ・・・第1電極
2 ・・・第2電極
4 ・・・分離膜
4a ・・・積層部
4b ・・・フォールディング部
5 ・・・外部分離膜
100 ・・・電極組立体の製造装置
110 ・・・スタックテーブル
120 ・・・分離膜供給部
121 ・・・分離膜加熱部
121a ・・・本体
121b ・・・分離膜ヒーター
122 ・・・分離膜ロール
130 ・・・第1電極供給部
131 ・・・第1電極載置テーブル
133 ・・・第1電極ロール
134 ・・・第1カッター
135 ・・・第1コンベヤーベルト
136 ・・・第1電極供給ヘッド
140 ・・・第2電極供給部
141 ・・・第2電極載置テーブル
143 ・・・第2電極ロール
144 ・・・第2カッター
145 ・・・第2コンベヤーベルト
146 ・・・第2電極供給ヘッド
150 ・・・第1電極積層部
151 ・・・第1サクションヘッド
153 ・・・第1移動部
160 ・・・第2電極積層部
161 ・・・第2サクションヘッド
163 ・・・第2移動部
170 ・・・フォールディング部
171 ・・・第1ホルダ
172 ・・・第2ホルダ
180 ・・・プレス部
50 ・・・第1プレス部
50a、50b、60a、60b ・・・加圧ブロック
51 ・・・グリッパー
51a ・・・本体
51b ・・・固定部
52 ・・・グリッパー溝
60 ・・・第2プレス部
181、182 ・・・加圧ブロック
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に対する詳細な説明は、当業界の通常の知識を有する者に本発明を完全に説明するためのものである。本明細書の全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする場合、またはある構造と形状を「特徴」とするとした場合、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外したり、他の構造と形状を排除するのではなく、他の構成要素、構造および形状を含んでもよいことを意味する。
【0015】
本発明は、様々な変換を加えることができ、様々な実施態様を有してもよいため、特定の実施態様を提示し、詳細な説明に詳しく説明しようとする。しかし、これは実施態様による発明の内容を限定することを意図するものではなく、本発明の思想および技術範囲に含まれる全ての変換、均等物または代替物を含むものと理解されるべきである。
【0016】
以下では、図面を参照して本発明を詳細に説明する。しかしながら、図面は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲が図面によって限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の一実施態様による電極組立体10を示す断面図であり、
図2は、本発明の一実施態様による電極組立体10の積層物Sに電極1、2および分離膜4が積層されたことを示す斜視図である。
【0018】
本発明による電極組立体10は、充放電可能な発電装置であって、延長された分離膜4が積層方向Yに沿ってそれぞれの電極の間で曲がりくねった形状のジグザグに折り畳まれ、延長された分離膜4の部分の間に電極が配置されたスタックSを含んでもよい。この場合、電極は、積層方向Yに沿って交互に1つ以上の第1電極1および1つ以上の第2電極2を含んでもよい。
【0019】
積層方向Yに沿った分離膜4の曲がりくねった形態は、分離膜4の連続的なフォールディング部Pによって定義されることができ、分離膜4の各フォールディング部Pは、分離膜4が積層物Sの対向する側面に延びて積層物S内の電極と隣接した次の電極との間を通過する前に、横方向(Z、積層方向Yに垂直)に電極の側面端部6を包むことができる。積層物Sの各電極の間に延びる分離膜4の部分は、分離膜4の積層部と称されてもよい。したがって、積層物Sの各層(積層物Sに沿って各電極の位置によって定義)は、横方向Zから電極の一側にある電極の側面端部6を囲む分離膜4のフォールディング部Pによって特徴付けられる。横方向Zに沿った電極の反対側は、分離膜4の部材(フォールディング部Pを含む)を特徴とする開口部Oで定義されてもよい。したがって、積層物Sの反対側にある開口部Oのように、フォールディング部Pは、積層物のそれぞれの連続した層に対して積層物Sの対向する側面に交互に位置されてもよい。
【0020】
本明細書でさらに論議されるように、
図8において参照番号12と称された電極組立体10の「上部表面」は、電極組立体の積層方向から電極組立体10の最上部の位置を指すことができる。さらに、本明細書で言及されるように、
図8において参照番号13と称された電極組立体10の「下面」は、電極組立体の積層方向から電極組立体10の最下端位置を意味し得る。最後に、本明細書で論議されたように、
図8において参照番号11と称される電極組立体10の「中間」は、電極組立体10の積層方向から電極組立体10の上面と下面との間の中間位置を意味する。例えば、電極組立体10が9つの電極からなり、側面から見たとき、
図8のように「中間」位置はスタックSにおいて第5電極の位置に関する。したがって、「中間空気透過性」に関する後続の参照は、電極組立体において中間電極に接する分離膜4の空気透過性に関する。同様に、「中間接着力」に関する後続の参照は、電極組立体の中間電極と分離膜4の隣接部分との間の接着力を意味する。
【0021】
図9および
図10を参照すると、本発明の一実施態様による電極組立体の製造装置100は、スタックテーブル110;分離膜ロール122から分離膜4を供給する分離膜供給部120;第1電極1を供給する第1電極供給部130;第2電極2を供給する第2電極供給部140;前記スタックテーブル110上に前記第1電極1を積層する第1電極積層部150;スタックテーブル110上に第2電極2を積層する第2電極積層部160;および前記第1電極1、前記分離膜4、および前記第2電極2を接合するプレス部180を含む。また、本発明の一実施態様による電極組立体の製造装置100は、積層物S(第1電極1、第2電極2、分離膜4)が組み立てられる間に、積層物Sをスタックテーブル110に固定するためのホルダ部(フォールディング部170)を含んでもよい。
【0022】
分離膜供給部120は、分離膜4がスタックテーブル110に向かって通過する通路を有してもよい。特に、分離膜供給部120は、分離膜4がスタックテーブル110に向かって通過する通路を形成する分離膜加熱部121を含んでもよい。
図11に示すように、分離膜加熱部121は、一対の本体121aを含んでもよく、各本体121aは矩形ブロック状であり、本体121aは分離膜4が通過する通路の寸法の1つを定義する距離だけ離間されてもよい。前記本体121aの少なくとも一つまたは両方のそれぞれの本体121aを加熱することによって、前記分離膜4に熱を伝達する分離膜ヒーター121bをさらに含んでもよい。
【0023】
分離膜供給部120は、分離膜4が巻き取られる分離膜ロール122をさらに含んでもよい。これにより、分離膜ロール122に巻かれた分離膜4が徐々に巻き出されて形成された流路を通過してスタックテーブル110に供給されることができる。
【0024】
第1電極供給部130は、第1電極1がシート状に巻き取られた第1電極ロール133、第1電極1を一定間隔で切断して所定の第1電極1を形成する第1カッター134を含んでもよい。第1電極ロール133から第1電極1を巻き出して供給すると、第1カッター134によって切断された第1電極1を移動させるための第1コンベヤーベルト135と第1コンベヤーベルト135によって移送された第1電極1をピックアップ(例えば真空を介して)して第1電極1を第1電極載置テーブル131に載置させるための第1電極供給ヘッド136からなる。
【0025】
第2電極供給部140は、第2電極積層部160によってスタックテーブル110上に積層される前に第2電極2が載置する第2電極載置テーブル141を含んでもよい。第2電極供給部140は、第2電極2がシート状に巻き取られた第2電極ロール143および第2電極2を一定間隔で切断して第2電極2を形成する第2カッター144をさらに含んでもよい。第2電極ロール143から第2電極2を巻き出して供給する際に、第2カッター144によって切断された第2電極2を移動させる第2コンベヤーベルト145と第2コンベヤーベルト145によって移送された第2電極2をピックアップ(例えば真空を介して)して第2電極2を第2電極載置テーブル141に載置させるための第2電極供給ヘッド146を含む。
【0026】
第1電極積層部150は、スタックテーブル110上に第1電極1を積層するように構成されてもよい。第1電極積層部150は、第1サクションヘッド151および第1移動部153を含んでもよい。第1サクションヘッド151は、第1サクションヘッド151の底面に形成された1つ以上の真空吸込口(図示せず)を介して第1電極載置テーブル131に載置した第1電極1を吸込し、第1移動部153は、第1サクションヘッド151がスタックテーブル110上に第1電極1を積層するように、第1サクションヘッド151をスタックテーブル110に移動させることができる。
【0027】
第2電極積層部160もスタックテーブル110上に第2電極2が積層されるように構成されてもよい。第2電極積層部160は、上述した第1電極積層部150と同じ構造を有してもよい。この場合、第2電極積層部160は、第2サクションヘッド161および第2移動部163を含んでもよい。第2サクションヘッド161は、真空吸込により第2電極載置テーブル141に載置した第2電極2をピックアップすることができる。第2移動部163は、第2サクションヘッド161をスタックテーブル110に移動させ、第2サクションヘッド161がスタックテーブル110に第2電極2を積層できるようにする。
【0028】
スタックテーブル110は、第1電極積層部150および第2電極積層部160と向かい合う位置の間で回転できるように回転されてもよい。スタックテーブル110が回転することによって、フォールディング部170は、スタックテーブル110に対する積層物の位置を固定するために組み立て中の積層物を固定することができる。例えば、フォールディング部170は、スタックテーブル110に向かってそれを押すために、積層物の上部表面に下向きの圧力を加えてもよい。フォールディング部170は、例えば、第1電極1または第2電極2の両側を固定する第1ホルダ171および第2ホルダ172を含んでもよい。ホルダ171、172は、それぞれ1つ以上のクランプまたは他のクランプメカニズムの形態であってもよい。
【0029】
したがって、動作時に、第1電極1は第1電極供給部130から第1電極積層部150に供給され、第1電極積層部150はスタックテーブル110に積層された分離膜4の上面に第1電極1を積層する。その後、フォールディング部170は、第1電極1の上面を下に押してスタックテーブル110上の第1電極1の位置を固定する。その後、第1電極1の上面を覆うように分離膜4を連続的に供給しながら、スタックテーブル110を第2電極積層部160の方向へと回転させる。一方、第2電極2は、第2電極供給部140から供給され、第1電極1の上面を覆う分離膜4の部分に第2電極積層部160によって積層される。すると、フォールディング部170は、第1電極1の上面を解除した後、第2電極2の上面を押してスタックテーブル110に対して構築される積層物Sの位置を確保する。その後、第1電極1と第2電極2を積層する過程を繰り返して分離膜4がジグザグに折り畳まれ、連続した第1電極1および第2電極12の間に位置する積層物Sを形成することができる。
【0030】
電極組立体の構成要素が積層された後、電極組立体は、1つ以上の熱プレス作業を経てもよい。特に、電極組立体は、プレス部180に移動されることができ、これは加熱された加圧ブロック181、182が積層物Sを挟んで互いを向かって前進し、積層物Sに熱と圧力を与える。その結果、積層物Sの構成要素(すなわち、電極および分離膜)は、互いに熱的に接着し、完成した電極組立体が落ちてしまったり、電極組立体の構成要素が積層物S内で位置を移動することを好ましく防止する。
【0031】
電極組立体に加わるヒーティングプレス動作は、第1次ヒーティングプレス段階と第2次ヒーティングプレス段階を含んでもよい。第1ヒーティングプレス段階は、第1電極と第2電極が折り畳まれた分離膜の間に交互に積層された積層物Sを定義する作業に関連し、ここで積層物Sはグリッパー51で把持された後、積層物Sが加熱および加圧される。第2次ヒーティングプレス段階は、第1次ヒーティングプレス動作の後に、グリッパー51による積層物Sの把持を中断し、積層物Sをもう一度加熱して加圧する作業に関する。
【0032】
前記方法は、まず、分離膜上に第1電極と第2電極を交互に積層してスタックテーブルに積層物(積層セル)を組み立てる積層物の製造工程を含んでもよく、前記分離膜は以前に積層された電極上に連続的に供給され、順次にフォールディングされる。第1および第2電極のうち後続の電極が積層される前に、第1および第2電極が積層される。積層物の製造工程の後に、積層物はスタックテーブルから遠く移動してもよい。この間に分離膜を引っ張り、分離膜を一定の長さだけ引っ張った後、分離膜を切断する。その後、分離膜の切断された端部の所定の長さを積層セルに巻き付ける。スタックテーブルから離れる積層物の移動は、グリッパー51によって行われてもよく、これはスタックテーブル110上の積層物を把持した後、ヒーティングプレス動作が行われるプレス部180に積層物を移動させることのできる加工部品であることが好ましい。続いて、巻き取られた積層セルがグリッパー51によって握られた状態で、第1次ヒーティングプレス動作が行われる。第1次ヒーティングプレス動作が完了した後、グリッパー51による積層セルのグリップが解除される。グリッパー51を除去した後、第2次ヒーティングプレス動作を行う。前記第2次ヒーティングプレス動作が完了すると、完成した電極組立体が完成される。
【0033】
プレス部180は、第1プレス部50と第2プレス部60とに分けられ、ここで第1プレス部50は、第1次ヒーティングプレス動作(または予熱)に使用されてもよく、第2プレス部60は、第2次ヒーティングプレス動作に使用されてもよい。
【0034】
図12Aおよび
図12Bを参照すると、第1プレス部50は、一次的に積層物Sを固定した状態で加熱および加圧することができる。第1プレス部50は、一対の第1加圧ブロック50a、50bを含み、積層物Sを固定するために構成されたグリッパー51をさらに含んでもよい。グリッパー51は、積層物Sを固定する際において、積層物Sの上下面を積層方向(y軸方向)に沿って互いに加圧して積層物Sを保持して第1電極1と第2電極2および分離膜4の相対的な位置を固定させることができる。図示の例のように、グリッパー51は、このような相対的な位置を維持するために、積層物Sの上面および下面を加圧してもよい。
【0035】
第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bは、互いを向かったり、遠くなる方向に移動してもよい。一対の第1加圧ブロック50a、50bは、互いを向かって移動する際に、積層物Sとグリッパー51のいずれか一つまたは両方を圧縮することができる。
【0036】
一実施態様において、第1プレス部50は、積層物Sを加熱および加圧して積層物Sに含まれる第1電極1、分離膜4および第2電極2の間の空間を縮小または除去して、積層物Sのこのような構成要素を結合させてもよい。
【0037】
図示されるように、積層物Sとの接触および加圧のために構成された一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれの加圧表面は、平面に設けられてもよい。一対の第1加圧ブロック50a、50bの少なくとも一つは、後述するグリッパー51の固定部51bに対応する形状のグリッパー溝52を含んでもよい。
図12Aに示す例において、一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、4つの固定部51bに対応するように4つのグリッパー溝52を含む。しかしながら、グリッパー溝52の数がより多いか少なくてもよい。好ましくは、グリッパー溝52の数は、使用される固定部品の数と一致しなければならない。
【0038】
グリッパー51は、本体51aと複数の固定部51bを含んでもよい。本体51aは、図示した配列のように、それぞれの軸に沿って積層物Sの長さおよび高さと同じまたはほぼ同じx軸に沿った長さおよびy軸に沿った高さを有してもよい。一実施態様において、前記本体51aは、x軸において積層物Sの長さよりも長く、y軸において積層物Sの高さよりも大きい高さを有してもよい。前記固定部51bは、好ましくは、積層物Sの幅方向(z軸)に沿って延びる棒、柱または板状であってもよい。ここで、積層物Sのx軸の長さは、積層物Sの一端から他端までの距離が最も長い部分を意味し、y軸の高さは積層物S方向の距離を意味することができる。積層物Sの積層方向、z軸の幅は、x軸とy軸の両方に垂直な方向の距離を意味してもよい。
【0039】
固定部51bは、一行が加圧ブロック50aの加圧面に隣接し、他行が加圧ブロック50bの加圧面に隣接するように2列に設けられてもよい。固定部51bのそれぞれの位置は、本体51aの高さ方向に調節されてもよい。このように、固定部51bの各々は、積層物Sの上下面と、好ましくはその幅に沿って、積層物S内の第1電極1および第2電極2の相対的な位置と、積層物Sの位置を固定してもよい。
【0040】
一実施態様において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって予め加熱されて圧縮された積層物Sを加熱および加圧することにより、既に一次圧縮された積層物Sを2次圧縮してもよい。
【0041】
図12Bに示すように、第2プレス部60は、一対の第2加圧ブロック60a、60bを含む。一対の加圧ブロック60a、60bは、互いを向かうか、または遠く離れる方向に移動されてもよい。一対の加圧ブロック60a、60bは、互いを向かって移動しながら積層物Sの上下面を加圧して積層物を圧縮することができる。
【0042】
図示されたように、積層物Sとの接触および圧縮のために構成された一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれの加圧表面は、平面に設けられてもよい。図示の例のように、一実施態様において、固定部51bのための溝のような溝は、第2加圧ブロック60a、60bから除外されてもよい。他の実施態様において、一対の第2加圧ブロック60a、60bのうち少なくとも1つは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状の溝を1つ以上含んでもよい。
【0043】
一実施態様において、第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状を有するグリッパー溝52を含み、一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれは、第2プレス部60の加圧面は、グリッパー溝のない平坦な加圧面を有する。
【0044】
一実施態様において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって加熱および加圧されていないグリッパー51が位置する(または以前に)積層物Sの一部のみを加熱および加圧してもよい。他の実施態様において、第2プレス部50は、積層物の上面および下面の全体を加熱して加圧してもよい。
【0045】
一実施態様において、第1プレス部50は、グリッパー51が位置していない積層物Sに含まれた構成要素を一緒に接着するために、加熱された積層物Sを初期に圧縮して積層物Sの上面と下面をグリッパー51で固定し、接着時に第1電極1、分離膜4および第2電極2の間の空間を縮小または除去することができる。
【0046】
一実施態様において、第2プレス部60は、第1プレス部50によって予め接着され、グリッパー51が除去された積層物Sを加圧および加熱してもよい。したがって、第1プレス部50による初期加圧動作の時に、グリッパー51が以前に積層物Sを加圧した積層物Sの領域で積層物Sのこのような構成要素を一緒に接着するために、第2プレス部60は、積層物Sに含まれた第1電極1、分離膜4および第2電極2の間の空間を減らすか、または除去することができる。一実施態様において、一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれは、直六面体状の四角形ブロックであってもよい。一実施態様において、一対の第2加圧ブロック60a、60bは、上述の平坦な加圧面を有してもよい。
【0047】
一実施態様において、第1プレス部50の一対の第1加圧ブロック50a、50bのそれぞれは、平坦な加圧面を有してもよい。一実施態様において、第2プレス部60の一対の第2加圧ブロック60a、60bのそれぞれは、グリッパー51の固定部51bに対応する形状を有する溝を有してもよい。
【0048】
一実施態様において、固定部51bは、アルミニウムおよび鉄からなる群から選択された熱伝導性金属物質などの熱伝導性物質を含んでもよい。積層物Sに熱を伝導することにより、第1プレス部50がグリッパー51によって固定された積層物Sを圧縮する際に、電極11、12と分離膜4との間の空間が減ったり、無くなったりしてしまい、接着されることができる。
【0049】
一実施態様において、第2プレス部60は、グリッパー51が以前に位置していた積層物Sの領域を圧縮せず、代わりにグリッパーが以前に位置していない積層物Sの領域と第1プレス部50が加圧していない領域のみを圧縮してもよい。
【0050】
また、前記一対の第1加圧ブロック50a、50bは、それぞれ直六面体状の四角ブロックであってもよい。一実施態様において、前記一対の第1加圧ブロック50a、50bは、上述の平坦な加圧面を有してもよい。
【0051】
第1プレス部50および第2プレス部60のいずれか一つまたは両方は、プレスヒーター(図示せず)を含み、各一対の第1加圧ブロック(50a、50b)および一対の第2加圧ブロック(60a、60b)が積層物を加圧する際に、第1電極1および第2電極2を含む積層物Sと分離膜4の一部を加熱できるように構成されてもよい。このように、第1プレス部50および第2プレス部60で積層物Sを加圧する場合、第1電極1、分離膜4および第2電極2の間の熱融着がよりしっかり行われ、これらの層の間により強い接着が形成されることができる。
【0052】
一対の第1加圧ブロック(50a、50b)および一対の第2加圧ブロック(60a、60b)のいずれか一つ以上において、それぞれの加圧面の長さおよび幅は、いずれも第1電極1、分離膜4および第2電極2が積層された積層物Sの対応する長さxおよび幅zより大きくてもよい。
【0053】
前記のように、電極組立体10の組み立ては、積層物Sに熱と圧力を加えて第1電極1および第2電極2を分離膜4に接着することにより完成されることができる。例えば、このような接着は、プレス部(これは積層物Sを挟んで互いを向かって前進するように構成された一対の加熱された加圧ブロックを含む)を使用して積層物Sの対向する表面を加圧することによって熱融着によって達成することができる。プレス部によって加圧される積層物Sの対向面は、積層物Sの積層方向Yに対向する側面である積層物Sの上面および下面であってもよい。
【0054】
電極組立体10は、先に論議したように、外郭が外部分離膜5によって囲まれた形態で設けられてもよく、これは、積層物Sに沿ってジグザグまたは曲がりくねった経路に沿って延びた分離膜4の一部(例えば、末端部)と同じであってもよい。一例において、外部分離膜5によって囲まれた電極組立体10の外周は、積層方向Yに上面および下面だけでなく、側面方向Zに対向する少なくとも一対の側面を含む。ここで、積層物Sの上面は、積層方向Yに積層物Sの上側をなす外側面を意味し、下面は積層物Sの上側と反対の下側をなす外側面を意味し得る。
【0055】
したがって、加熱されたプレス部により積層物Sが加圧されるとき、積層物Sの最外郭を取り囲む外部分離膜5の内側は、曲がりくねった分離膜4(例えば、フォールディング部P)の隣接部分およびフォールディング部Pがないことを特徴とする開口部Oによって隣接した外部分離膜5に露出する幅方向Zの第1電極1および第2電極2の側面端部6に接着されてもよい。
【0056】
したがって、このように電極組立体10の構成要素を接着することにより、積層物Sのフォールディングの緩みを防止し、電池の安定性を向上させることができる。また、積層物Sの緩みを防止するための別途の接着テープや工具が不要となり、製造時間が短縮して工程効率が向上される。
【0057】
一実施態様において、陽極は、例えば、陽極活物質、導電性物質および結合剤を含む陽極コーティング混合物で陽極集電体をコーティングした後、コーティング混合物を乾燥することによって製造されることができる。必要に応じて混合物に充填剤を添加してもよい。このような材料は、関連分野で使用される任意の適切な材料、特に特定の応用分野に一般に使用される材料であってもよい。
【0058】
具体的には、前記陽極活物質は、例えば、リチウムコバルト酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル酸化物(LiNiO2)などの層状化合物や1またはそれ以上の遷移金属で置換された化合物;化学式Li1+xMn2-xO4(ここで、xは0~0.33である)、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2などのリチウムマンガン酸化物;リチウム銅酸化物(Li2CuO2);LiV3O8、LiFe3O4、V2O5、Cu2V2O7などのバナジウム酸化物;化学式LiNi1-xMxO2(ここで、M=Co、Mn、Al、Cu、Fe、Mg、BまたはGaであり、x=0.01~0.3である)で表されるNiサイト型リチウムニッケル酸化物;化学式LiMn2-xMxO2(ここで、M=Co、Ni、Fe、Cr、ZnまたはTaであり、x=0.01~0.1である)またはLi2Mn3MO8(ここで、M=Fe、Co、Ni、CuまたはZnである)で表されるリチウムマンガン複合酸化物;化学式のLiの一部がアルカリ土類金属イオンで置換されたLiMn2O4;ジスルフィド化合物;Fe2(MoO4)3などが挙げられるが、これらだけに限定されるものではない。
【0059】
陽極集電体に使用できる材料は特に限定されない。陽極集電体は、好ましくは、電池に使用されるときに化学的変化を引き起こすことなく、比較的高い導電度を有する。例えば、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、またはアルミニウムやステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したものなどが用いられてもよい。好ましくは、陽極集電体はアルミニウムであり得る。好ましくは、集電体のコーティング混合物と接する表面に微細な凹凸を含むことにより、集電体と陽極コーティング混合物との間の接着力を高めることができる。また、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など様々な形態が可能である。陽極集電体は一般に3μm~500μmの厚さを有することができる。
【0060】
前記陽極コーティング混合物に含まれた導電材は、一般に陽極活物質を含む混合物の全重量の1~50重量%で含まれてもよい。例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サマーブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維や金属繊維などの導電性繊維;フッ化カーボン、アルミニウム、ニッケル粉末などの金属粉末;酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウイスキー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体などの導電性素材などが使用されてもよい。
【0061】
陽極コーティング混合物のバインダーは、活物質と導電性物質との間の結合およびコーティング混合物の集電体に結合することを補助する成分である。このようなバインダーは、一般に、陽極活物質を含む混合物の全重量の1~50重量%の量で含まれてもよい。このようなバインダーの例としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース(CMC)、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン-ジエンテルポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブチレンゴム、フッ素ゴム、様々な共重合体などが挙げられる。
【0062】
陽極コーティング混合物に任意に添加される充填剤は、陽極の膨張を抑制する成分として使用されてもよい。このような充填材は特に限定されず、電池に使用されるときに化学的変化を引き起こさない繊維状物質を含んでもよい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオリフィン系重合体;ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状物質が使用される。
【0063】
一実施態様において、陰極は、陰極集電体上に陰極活物質を塗布、乾燥および圧着して製造されてもよく、必要に応じて、前記のような導電材、バインダー、充填剤などが選択的にさらに含まれてもよい。この場合も、当該分野で通常使用される物質が使用されてもよい。具体的には、前記陰極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素、黒鉛系炭素などの炭素;LixFe2O3(0≦x≦1)、LixWO2(0≦x≦1)、SnxMe1-xMe'yOz(Me:Mn、Fe、Pb、Ge;Me':Al、B、P、Si、周期律表の1族、2族、3族元素、ハロゲン;0<x≦1;1≦y≦3;1≦z≦8)などの金属複合酸化物;リチウム金属;リチウム合金;ケイ素系合金;錫系合金;SnO、SnO2、PbO、PbO2、Pb2O3、Pb3O4、Sb2O3、Sb2O4、Sb2O5、GeO、GeO2、Bi2O3、Bi2O4、およびBi2O5などの金属酸化物;ポリアセチレンなどの導電性高分子;Li-Co-Ni系材料などを用いてもよい。
【0064】
陰極集電体に使用できる材料は特に限定されない。陰極集電体は、電池に使用されるときに化学的変化を起こさず、比較的に高い導電度を有するものが好ましい。例えば、銅、ステンレススチール、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、銅やステンレススチールの表面にカーボン、ニッケル、チタン、銀などで表面処理したもの、アルミニウム-カドミウム合金などが用いられ得る。また、陽極集電体と同様に、表面に微細な凹凸を形成して陰極活物質の結合力を強化させることもできる。フィルム、シート、箔、ネット、多孔質体、発泡体、不織布体など、様々な形態で使用されてもよい。さらに、前記陰極集電体は一般に3μm~500μmの厚さであってもよい。
【0065】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、有/無機複合多孔性のSRS(Safety-Reinforcing Separators)分離膜であってもよい。前記SRS分離膜は、ポリオレフィン系分離膜基材上に無機物粒子とバインダー高分子とを含むコーティング層成分が塗布された構造であってもよい。
【0066】
このようなSRS分離膜は、無機物粒子の耐熱性により高温熱収縮が発生しないため、針状導体によって電極組立体が貫通しても、安全分離膜の延伸率を維持することができる。
【0067】
このようなSRS分離膜は、分離膜基材自体に含まれた気孔構造とともに、コーティング層成分である無機物粒子間の空き空間(interstitial volume)によって形成された均一な気孔構造を有してもよい。前記気孔は、電極組立体に加わる外部の衝撃をかなり緩和することができるだけでなく、気孔を通じてリチウムイオンの円滑な移動が行われ、多量の電解液が充填されて高い含浸率を示すことができるため、電池の性能向上を一緒に図ることができる。
【0068】
本発明の一実施態様において、前記分離膜は、隣接した陽極および陰極と対応する縁を越えて両側から外側に延びる(以下「余剰部」)ように分離膜の幅寸法(分離膜が広げられた長手方向の寸法に直角)で寸法を決まってもよい。また、前記分離膜余剰部の両側部の一面または両面に分離膜の収縮防止のため、分離膜の厚さより厚いコーティング層が形成されている構造で構成されている。分離膜の外側に延びた余剰部の厚いコーティング層に関する詳細は、全内容がここに参照として組み込まれる韓国公開特許第10-2016-0054219号公報を参照する。本発明の一実施態様において、分離膜余剰部は、それぞれ分離膜の幅を基準にして5%~12%の大きさであってもよい。さらに、本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、一側の分離膜剰余部の幅を基準にして50%~90%の大きさで分離膜の両面にコーティングされてもよい。さらに、前記両面のコーティング層の幅は、互いに同じでも異なるサイズであってもよい。
【0069】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、無機物粒子およびバインダー高分子を含んでもよい。
【0070】
本発明の一実施態様において、前記ポリオレフィン系分離膜成分の例としては、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンまたはそれらの誘導体などがある。
【0071】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層の厚さは、前記第1電極または第2電極の厚さより小さくてもよい。具体的な例では、前記コーティング層の厚さは、第1電極または第2電極の厚さの30%~99%の大きさであってもよい。
【0072】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は、湿式コーティングまたは乾式コーティングによって形成されてもよい。
【0073】
本発明の一実施態様において、前記基材とコーティング層は、ポリオレフィン系分離膜基材表面の気孔とコーティング層が相互絡み合う形態(anchoring)で存在し、分離膜基材と活性層とが物理的に強固に結合することができる。前記分離膜の基材と活性層の厚さ比は9:1~1:9であってもよい。好ましくは、厚さ比は5:5であり得る。
【0074】
本発明の一実施態様において、前記無機物粒子は、当業界で通常使用される無機物粒子が使用されてもよい。前記無機物粒子は、互いに相互作用して無機物粒子の間に空き空間の形態の微気孔を形成すると同時に、コーティング層の物理的形態を構造的に維持するのに役立てることができる。また、前記無機物粒子は、一般に200℃以上の高温になっても物理特性が変わらない特性を有するため、形成された有/無機複合多孔性フィルムが優れた耐熱性を有することになる。
【0075】
また、無機物粒子に用いることのできる物質は特に限定されないが、好ましくは、電気化学的に安定した物質である。すなわち、本発明で使用できる無機物粒子は、適用される電池の作動電圧範囲(例えば、Li/Li+基準で0~5V)で酸化および/または還元反応が起こらないものであれば、特に限定されない。特に、イオン伝達能力のある無機物粒子を用いる場合、電気化学素子内のイオン伝導度を高めて性能を向上させることができる。したがって、可能な限りイオン伝導度の高い無機物粒子を使用することが好ましい。また、前記無機物粒子が高い密度を有する場合、コーティングの時に無機物粒子の分散が難しく、電池製造の時に電池の重量を増加させるという問題がある。したがって、可能な限り密度の低い無機物粒子を使用することが好ましい。また、誘電率が高い無機物の場合、液体電解質内の電解質塩、例えばリチウム塩の解離度増加に寄与し、電解液のイオン伝導度を向上させることができる。
【0076】
前述の理由から、前記無機物粒子は、圧電性(piezoelectricity)を有する無機物粒子およびリチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子で構成された群から選択された少なくとも1種であってもよい。
【0077】
前記圧電性(piezoelectricity)無機物粒子は、常圧では不導体であり、一定圧力が印加された場合、内部構造の変化により電気が通る物性を有する物質を意味する。また、誘電率定数が100以上の高誘電率特性を示す物質である。圧電性を有する無機物粒子はまた、一定圧力を印加して引張または圧縮される場合、電荷が発生して、一面は陽に、反対側は陰にそれぞれ帯電することにより、両面の間に電位差が発生する機能を有する物質(例えば、分離膜)である。
【0078】
前記のような特徴を有する無機物粒子をコーティング層成分として用いる場合、針状導体のような外部衝撃により両電極の内部短絡が発生する場合、分離膜にコーティングされた無機物粒子により陽極と陰極とが直接接触できないことがあり得る。また、無機物粒子の圧電性により粒子内の電位差が発生し、これにより両電極間の電子移動(すなわち、微細な電流の流れ)を引き起こし、緩やかな電池の電圧減少およびこれによる安全性向上を図ることができる。
【0079】
前記圧電性を有する無機物粒子の例としては、BaTiO3、Pb(Zr、Ti)O3(PZT)、Pb1-xLaxZr1-yTiyO3(PLZT)、PB(Mg3Nb2/3)O3-PbTiO3(PMN-PT)およびhafnia(HfO2)からなる群から選択された1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0080】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、リチウム元素を含有するが、リチウムを貯蔵せず、代わりにリチウムイオンを移動させる機能を有する無機物粒子を意味する。リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子は、粒子構造の内部に存在する一種の欠陥(defect)によりリチウムイオンを移動および移動させることができる。その結果、電池内のリチウムイオン伝導度が向上し、これにより電池性能向上を図ることができる。
【0081】
前記リチウムイオン伝達能力を有する無機物粒子の例としては、リチウムホスフェート(Li3PO4)、リチウムチタニウムホスフェート(LixTiy(PO4)3、0<x<2、0<y<3)、リチウムアルミニウムチタニウムホスフェート(LixAlyTiz(PO4)3、0<x<2、0<y<1、0<z<3)、(LiAlTiP)xOy系glass(0<x<4、0<y<13)、リチウムランタンチタネート(LixLayTiO3、0<x<2、0<y<3)、リチウムゲルマニウムチオホスフェート(LixGeyPzSw、0<x<4、0<y<1、0<z<1、0<w<5)、リチウムナイトライト(LixNy、0<x<4、0<y<2)、SiS2(LixSiySz、0<x<3、0<y<2、0<z<4)系glassおよびP2S5(LixPySz、0<x<3、0<y<3、0<z<7)系glassからなる群から選択される1種以上であってもよいが、これに限定されるものではない。
【0082】
前記分離膜のコーティング層を構成する無機物粒子およびバインダー高分子の組成比は、特に制限されないが、10:90~99:1重量%の範囲内で調節可能であり、80:20~99:1重量%の範囲が好ましい。前記組成比が10:90重量%比未満である場合、高分子の含量が過度に多くなり、無機物粒子の間に形成された空き空間の減少による気孔サイズおよび気孔度が減少し、最終電池の性能の低下が引き起こされることがある。一方、99:1重量%比を超えると、高分子含量が少なすぎるため、無機物間の接着力が弱まり、最終の有/無機複合多孔性分離膜の機械的物性が低下することがある。
【0083】
本発明の一実施態様において、前記バインダー高分子は、当業界で一般的に使用されるバインダー高分子が使用されてもよい。
【0084】
上記有/無機複合多孔性分離膜のうちコーティング層は、前述の無機物粒子およびバインダー高分子の他に、通常知られている他の添加剤をさらに含んでもよい。
【0085】
本発明の一実施態様において、前記コーティング層は活性層とも言える。
【0086】
本発明は、電極と分離膜とを接合するために組み立てられた積層物に熱と圧力を加える間の電極の移動を有利に最小化する。特に、1つ以上の電極は、意図された位置から幅方向Zに移動することができる(これは、電極の中心が積層物Sの中心積層軸に沿って配置される位置)。その結果、
図3~
図6を参照すると、望ましくないオーバーハングhが生成されることがある。そのオーバーハングhは、第1電極1および第2電極2のいずれかが意図された位置から横方向Zに移動したことによって横方向に変位する横方向Zの寸法を表す。このようなオーバーハングhは、1つの電極の側面端部6が隣接した電極の側面端部6に対して整列から外れて変位する横方向Zに沿った距離で定義されることができる。
【0087】
本発明の電極組立体10は、電極組立体10の構成要素を接着するための少なくとも初期加熱および加圧の過程においてグリッパー51で積層物Sを把持することによってオーバーハングhを最小化するか、または全体的に省略することができる。
【0088】
本発明による電極組立体10は、n(n=2以上の整数)個積層され、前記電極のm番目(mは2~nの整数)に積層された電極の1つ以上の側面端部6は、1番目、m-1番目に積層された電極またはm+1番目に積層された電極の側面端部6からhだけ横方向Z(分離膜4のフォールディング部P側に、または反対側の開口部O側に)に突出していてもよい。h値は、横方向Zから電極幅の10%以下だけ突出してもよい。本明細書で使用されるように、「突出部」は、対象電極の側面端部6が外部に突出するか、相対的に内側に凹んでいるかにかかわらず、他の電極の側面端部6と整列されない(積層方向Yに平行な線に沿って)1つの電極の側面端部6の変位を指す。
【0089】
電極組立体10の少なくとも1つの電極の側面端部6は、1番目の電極、直下に積層された電極、または直上に積層された電極の側面端部6を基準として横方向に突出してもよく、最大n個の電極が電極組立体10の側面端部6の方向に突出してもよい。
【0090】
電極組立体10の電極は、1つ以上の第1電極1および1つ以上の第2電極2を含んでもよい。第1電極1が陰極の場合、第2電極2は陽極である。逆に、第1電極1が陽極の場合、第2電極2は陰極である。
【0091】
例えば、nが10(すなわち、電極組立体10には10個の電極を含む)であれば、5個の第1電極1と5個の第2電極2とが積層(第1電極1、その後に分離膜4、次に第2電極2などの順で)され得る。そして、4番目に積層された第2電極2の側面端部6は、3番目に積層された第1電極1または5番目に積層された第1電極1に対して横方向に突出されてもよい。
【0092】
このとき、5つの第1電極1は、側面端部が全て電極組立体10の積層方向Yと平行な同一線に沿って位置してもよく、残りの第2電極2(4番目に積層された第2電極2を除く)も同じ線上に位置されてもよい。すなわち、電極組立体10は、4番目に積層された第2電極2のみ突出されることができる。
【0093】
図3は、本発明の一実施態様による電極組立体10を示す断面図である。本発明の一実施態様に係る積層物Sにおいて、電極のうちm番目に積層された電極(mは2~nの整数)の側面端部6は、m-1番目に積層された電極またはm+1番目に積層された電極の側面端部6から電極幅の10%以下だけ突出されてもよい。例えば、nが4の場合、2番目に積層された第2電極2の側面端部6は、1番目または3番目に積層された第1電極1の側面端部から突出し、3番目に積層された第1電極1の側面端部は、2番目または4番目に積層された第2電極2の側面端部から突出し、4番目に積層された第2電極2の側面端部は、3番目に積層された第1電極1の側面端部から突出されてもよい。
【0094】
図3の(a)は、電極が分離膜4のフォールディング部P側にのみ突出した状態の電極組立体10の断面図であり、
図3の(b)は、電極がフォールディング部Pと開口部Oに向かって突出した状態の電極組立体10の断面図である。すなわち、
図3の(b)は、2番目に積層された第2電極2がフォールディング部Pに向かって突出し、3番目に積層された第1電極1が開口部Oに向かって突出し、4番目に積層された第2電極2は、フォールディング部Pに向かって突出した電極組立体10の断面図である。
【0095】
図4は、本発明の他の実施形態による電極組立体10の断面図である。電極組立体10は、電極のうちm番目に積層された電極(mは2~nの整数)の側面端部6は、1番目に積層された電極の側面端部6から電極幅の10%以下だけフォールディング方向あるいは、開口方向に突出してもよい。
【0096】
例えば;
図4の(a)は、1番目に積層された電極を除いた残りの電極がフォールディング部Pに向かって突出した電極組立体10の断面図である。
図4の(b)は、1番目に積層された電極を除いた残りの電極がフォールディング部Pと開口部Oに向かって交互に突出した電極組立体10の断面図である。
【0097】
図4の(b)を参照すると、2番目~4番目に積層された電極の側面端部6は、1番目に積層された電極の側面端部6から一方向に突出しているが、2番目および4番目に積層された電極は、それぞれの電極の側面端部6が積層方向と平行な方向に沿って同じライン上に位置するように位置されてもよい。
【0098】
図5は、本発明の他の実施形態による電極組立体10の断面図である。電極組立体10において、第1電極1および第2電極2の側面端部6は、電極組立体10の積層方向と平行な方向に沿って同一ライン上に位置するように整列され、整列されない他の電極は、整列された電極の側面端部6に対して突出していると見なすことができる。
【0099】
例えば、nが10のとき、1番目、3番目、5番目、7番目、9番目に積層された第1電極1の側面端部6は、積層方向と平行な方向に沿って同じラインに位置することができ、側面端部6は、2番目、4番目、6番目、8番目、10番目に積層された第2電極2は、1番目、3番目、5番目、7番目、9番目に積層された第1電極1の側面端部6に対して突出してもよい。
【0100】
図6は、本発明の他の実施形態による電極組立体10を示す断面図である。電極のうちm番目に積層された電極(mは2~nの整数)の側面端部は、m-2番目に積層された電極またはm+2番目に積層された電極の側面端部からフォールディング方向または開口方向に突出してもよい。
【0101】
例えば、nが6であると、1番目に積層された第1電極1と2番目に積層された第2電極2とはオーバーハングhを含むが、前記電極は、電極組立体10の積層方向に平行な方向に沿って同一ライン上に位置するため、整列しているといえる。
【0102】
また、3番目に積層された第1電極1の側面端部6は、1番目に積層された第1電極1の側面端部に対して突出することができ、4番目に積層された第2電極2の側面端部6は、2番目に積層された第2電極2の側面端部6に対して突出されてもよい。すなわち、同じ電極が突出の基準となることができ、電極組立体10の積層方向に突出長さまたはオーバーハングhが増加することができる。
【0103】
図7は、本発明の他の実施形態による電極組立体10の断面図である。電極組立体10において電極の側面端部6は、積層体の積層方向と平行な方向に同じライン上に位置してもよい。
【0104】
図7の(a)は、第1電極1と第2電極2の幅が異なる場合の電極組立体10の断面図であり、
図7の(b)は、第1電極1と第2電極2の幅が同じ場合の電極組立体10の断面図である。
【0105】
例えば、nが10のとき、1番目、3番目、5番目、7番目、9番目に積層された第1電極1の側面端部6は、積層方向と平行な方向に沿って同一ライン上に位置してもよく、第1電極1の側面端部6は、2番目、4番目、6番目、8番目、10番目に積層された第2電極2は、積層方向と平行な方向に沿って同じライン上に位置してもよい。
【0106】
このとき、第1電極1と第2電極2の側面端部6の少なくとも一つの側面は、少なくとも一側面が同一ライン上に位置するか、両側面とも同一ライン上に位置しなくてもよい。
【0107】
本発明に係る電極組立体10は、側面端部から突出した電極の突出長さが第1電極1および第2電極のいずれかの幅の10%以下であってもよい。好ましくは、側面端部から突出した電極の突出長さは、第1電極1および第2電極のいずれかの幅の1%~10%であってもよい。
【0108】
第1電極1と第2電極2は、同じ幅または異なる幅を有してもよい。一実施態様において、前記第1電極1が陰極であり、前記第2電極2が陽極である場合、前記陽極の横幅は前記陰極の横幅、または前記陽極と前記陽極の横幅より大きくてもよい。陰極は、同じであるか、または陽極の側面幅が陰極の側面幅よりも小さくてもよい。
【0109】
本発明に係る電極組立体10において、前記m番目の積層電極の突出長さは、幅が大きい電極幅の10%以下であってもよい。
【0110】
あるいは、前記m番目の積層電極の突出長さは、0.1mm~10mmであってもよい。
【0111】
突出長さが前記数値範囲を満たす場合、電極組立体10の側面端部から突出する電極の突出の度合を最小化して電極およびエネルギー密度を高めることができる。
【0112】
本明細書において「接着力」とは、第1電極1と分離膜との間、または第2電極2と分離膜との間の接着力を意味する。本発明による分離膜の接着力の測定方法は特に制限されない。1つの測定方法によれば、幅55mmおよび長さ20mmのサンプルをそれぞれのスライドガラスに接着させ、電極をスライドガラスの接着面に位置させる。その後、ASTM-D6862に明示されているテスト方法に従って、100mm/分の速度で90°剥離テストを行い、サンプルをそれぞれテストする。すなわち、試料の幅方向に沿って電極から分離膜を剥離するように分離膜の縁を100mm/minの速度でスライドガラスに対して90°上方に引っ張る(すなわち、0mmから55mmまで剥離)。このような試験方法を用いて、電極組立体10における電極と分離膜との間の接着力は、20gf/20mmから65gf/20mmの範囲の値を有することができる。好ましくは、第1電極1と分離膜4との間の接着力は20gf/20mmから65gf/20mmの範囲であり、第2電極2と分離膜4との間の接着力は5gf/20mmから15gf/20mmの範囲であり得る。
【0113】
電極組立体10の接着力が5gf/mm未満の場合、電極組立体10の接着力が低いと判断され、製造過程で電極組立体10の移動の時に問題が生じる可能性がある。すなわち、組み立てられた積層物Sの構成要素が互いに分離して落とされることがある。
【0114】
一方、電極組立体10の接着力が65gf/mmを超えると、分離膜の通気性および電解質含浸能力が低下し、電解質が電極組立体10の内部に浸透しにくくなり、初期静電容量を減少させ、初期抵抗値を増加させる。
【0115】
本発明の一実施態様および他の実施態様による分離膜4の通気性は、70sec/mlから95sec/mlの範囲の値を有してもよい。
【0116】
本発明において分離膜の通気性を測定する方法は特に限定されない。本明細書で使用および追加で議論される方法において、通気性は、当業界で一般的に使用される方法、すなわち日本産業標準のガーリー(JIS Gurley)測定方法に従って、Toyoseiki社Gurley type Densometer(No.158)を用いて測定された。すなわち、空気100ml(または100cc)が1平方インチの分離膜を室温(すなわち、20℃~25℃)で0.05MPaの圧力で通過するのにかかる時間を測定して分離器の通気性を求めた。
【0117】
分離膜4の通気性が70sec/ml未満の場合、電解質の湿潤性能が低下し、イオンの移動経路が遮断され、電極組立体10の性能が低下することがある。一方、分離膜4の通気性が95sec/mlを超えると、第1電極1と第2電極2との接着力が低下し、電極組立体10内の電極がずれる(すなわち、オーバーハングの増加)ことがある。
【0118】
上記では、本発明の好ましい実施態様を参照して説明したが、当該技術分野の熟練した当業者は、以下の特許請求の範囲に記載された本発明の思想および領域から逸脱しない範囲内で本発明を種々修正および変更できることが理解できる。
【0119】
実施例
1)実施例1
陽極供給部、陰極供給部および分離膜供給部からそれぞれ陽極19枚、陰極20枚および分離膜をスタックテーブルに供給した。
【0120】
より具体的には、陽極および陰極はそれぞれ陽極シートおよび陰極シートからカッティング(cutting)された形態で供給され、分離膜は分離膜シートの形態で供給された。その後、前記スタックテーブルを回転させながら供給される分離膜をフォールディング(folding)させ、前記陽極、陰極および分離膜を積層させた。このとき、グリッパーでスタックテーブルの最上側に積層された前記陽極または陰極の上面を加圧して固定しながら積層を進行させ、結果として、前記フォールディングされる前記分離膜の間に前記陽極および陰極が交互に配置される形態でスタックテーブル上に積層して電極39枚を用いた積層物を製造した。
【0121】
前記積層物を製造した後、前記積層物をグリッパーで把持し、周囲温度70℃および加圧力1.91MPaの条件で前記積層物をヒーティングしながら15秒間加圧して第1次ヒートプレス段階を進めた。
【0122】
前記第1次ヒートプレス段階の後、グリッパーを積層物から解除し、第2次ヒートプレス段階を進行して加圧ブロックの温度を70℃(温度条件)になるように加熱し、プレスの加圧ブロックで前記積層物に2.71Mpaの圧力(圧力条件)を10秒(プレス時間)間加えて、実施例1の電極組立体を製造した。
【0123】
電極組立体を製造する過程で、本発明に関して上述した内容が適用されてもよい。
【0124】
2)実施例2~12
実施例1において、下記表1に記載の温度条件、圧力条件およびプレス時間で第2次ヒートプレス段階を行ったことを除いて、実施例1と同様の方法で実施例2~12の電極組立体を製造した。すなわち、実施例1~12の第1次ヒートプレス条件は同じである。
【0125】
【0126】
3)比較例1~5
実施例1において第1次ヒートプレス段階の温度条件、圧力条件およびプレス時間を下記表2のように進め、第2次ヒートプレス段階を進行しなかったことを除いて、実施例1と同様の方法で比較実施例1~5の電極組立体を製造した。
【0127】
【0128】
前記表1および2の条件で製造された実施例1~12および比較例1~5の電極組立体について、上述した電極供給部と同じ条件で真空吸込機構を用いてそれぞれピックアップして試験し、真空吸込機構は60個のセクションに対して電極組立体を維持しようとした。
【0129】
比較例1~5の全ての電極組立体は、60秒以前に電極と分離膜が分離されることを観察した。すなわち、比較例1~5の電極組立体は電極と分離膜との接着力がよくない反面、本出願に係る電極組立体(第1次および第2次プレス工程)は接着状態が良好であることを意味する。したがって、電極組立体の緩み防止および脱落防止に優れた効果があった。
【0130】
比較例6および7の場合、60秒以前には電極と分離膜とが分離する現象が観察されなかったが、電極組立体に損傷が発生することを確認した。これは、2.54Mpa(高圧)の圧力条件で一次プレスを進行したために発生していると推定される。
【0131】
4)実験例1-接着力評価および耐電圧評価
実施例1~12および比較例6と7(以前の試験で60秒以前に電極と分離膜の分離が観察されなかった場合)の電極組立体を分解(即ち、層分離)した後、分離された層を分析して積層体Sの上端部、下端部および中間面の間の接着力を測定した。具体的には、積層物の最下端に位置する分離膜と陰極との接着力を測定した。また、積層物の最上端に位置する陰極と分離膜との接着力を測定した。最後に、積層物の積層方向に沿って中間地点に位置する陰極と分離膜との接着力を測定した。
【0132】
分離された電極組立体のそれぞれからサンプリングされた陰極と分離膜の幅は55mm、長さは20mmであった。サンプリングされたサンプルをスライドガラスの接着面に電極が位置するようにスライドガラスに接着させた。その後、試片が付着したスライドガラスを接着力測定装置に装着し、先に論議したようにASTM-D6862に規定された試験方法に従って100mm/minの速度で90°剥離試験を行って試験した。任意の初期の激しい変動を無視した後、分離膜が電極から剥がれる間にサンプル幅当たりに加えられた力(g/mm)値を測定した。
【0133】
その結果は下記表3のとおりであった。
【0134】
【0135】
また、前記実施例1、6および12と比較例1~7の電極組立体の耐電圧も測定した。
【0136】
その結果は下記表4のとおりであった。
【0137】
【0138】
表4の結果をみると、実施例1、6および12の接着力が実施例と類似な条件で第1次ヒートプレス段階のみを行った比較例1に比べて優れた接着力を示すことを確認した。
【0139】
また、表4の結果をみると、比較例よりも高温高圧条件で第1次ヒートプレス段階を行った実施例1、6および12の耐電圧が1.56kV以上1.8kV以下の範囲を有することを確認した。
【0140】
すなわち、本発明の電極組立体は、優れた接着力を有するとともに、耐電圧も電極組立体として使用するのに適した特徴を有し、1.8kV以下の耐電圧を確認することができた。
【0141】
これは、第1次および第2次ヒートプレス段階の両方を含む製造方法で電極組立体を製造したためと判断される。
【0142】
5)実験例2-通気性評価
実施例1~12のうち、第2次プレスの温度条件のみ異なる実施例1、6および12と比較例1の電極組立体の通気度を評価した。
【0143】
具体的には、実施例1、6および12の電極組立体から分離膜を捕集した後、分離膜を切断して5cm×5cm(横×縦)サイズの分離膜サンプルを用意した。その後、前記分離膜サンプルをアセトンで洗浄した。
【0144】
この後、日本産業標準のガーリー(JIS Gurley)測定方法に従い、Toyoseiki社Gurley type Densometer(No.158)を使用して、前記分離膜が常温および0.05MPaの圧力条件で100ml(または100cc)の空気が1平方インチの分離膜を通過するのにかかる時間を測定することにより、実施例1、6および12の通気度を測定した。
【0145】
その結果は表5のとおりであった。
【0146】
【0147】
前記表5の結果から、本発明による第2次ヒートプレス条件を満たす場合、それぞれの位置に該当する通気度が120sec/100ml未満と電極組立体として使用するのに適したレベルの通気度を有することを確認することができた。また、それぞれの位置による通気度の偏差も20sec/100ml未満と均一であると判断できるレベルの通気度偏差を有することが確認できた。すなわち、本発明による製造方法で製造された電極組立体は、均一な性能を有することを再び確認することができた。
【0148】
また、それぞれの位置による通気度の偏差も20sec/100ml未満と均一であると判断できるレベルの通気度偏差を有することが確認できた。
【0149】
なかでも温度条件70℃である実施例1の場合、通気度偏差が最も小さいことが確認できた。
【0150】
前記の実験例を通じて、本発明による電極組立体は、適切かつ均一な通気度および接着力を有することを確認することができた。
【0151】
一方、比較例1の場合、それぞれの位置による通気度のばらつきが実施例より小さいが、上面通気度および下面通気度は、それぞれ独立して80sec/100ml未満であり、本発明による電極組立体よりも安全性が低いことを確認することができた。これは、本発明の電極組立体の製造過程とは異なり、第1次ヒートプレスのみを進行したためと判断される。
【国際調査報告】