(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】複合ロボットの制御方法、装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
B25J 13/08 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
B25J13/08 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023533806
(86)(22)【出願日】2022-08-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-31
(86)【国際出願番号】 CN2022111062
(87)【国際公開番号】W WO2023065781
(87)【国際公開日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】202111209630.6
(32)【優先日】2021-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523204226
【氏名又は名称】節▲カ▼機器人股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JAKA ROBOTICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 6, No. 646 Jianchuan Rd, Minhang District Shanghai 201100 CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】許 雄
(72)【発明者】
【氏名】劉 博峰
(72)【発明者】
【氏名】戚 禎祥
(72)【発明者】
【氏名】楊 帆
(72)【発明者】
【氏名】李 明洋
(72)【発明者】
【氏名】王 家鵬
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707AS34
3C707AS35
3C707KS33
3C707KS34
3C707KS35
3C707KW03
3C707KX06
3C707LU06
3C707LU09
3C707LW08
(57)【要約】
本明細書は、複合ロボットの制御方法、装置及びシステムを開示する。複合ロボットの制御方法は、複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用され、ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、ロボットアームには、力センサが取り付けられており、コントローラは、運動機構に通信接続され、該方法は、ロボットアームが牽引されて運動している場合、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得することと、複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得ることと、複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を得ることと、第1の目標変位値及び第2の目標変位値に応じてロボットアーム及び運動機構の運動を制御することと、現在の運動における複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行することと、を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用され、
前記ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、前記ロボットアームには、力センサが取り付けられており、前記コントローラは、前記運動機構に通信接続され、
前記ロボットアームが牽引されて運動している場合、現在の運動における前記力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得することと、
前記複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、各グループの変位値が、前記ロボットアームに対応する第1の変位値及び前記運動機構に対応する第2の変位値を含み、前記プリセットモデルが、アドミタンスモデル又はインピーダンスモデルを含むことと、
前記複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、前記ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び前記運動機構に対応する第2の目標変位値を得ることと、
前記第1の目標変位値及び前記第2の目標変位値に応じて前記ロボットアーム及び前記運動機構の運動を制御することと、
前記した、現在の運動における前記力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、前記ロボットアーム及び前記運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行することと、を含む、
複合ロボットの制御方法。
【請求項2】
前記力センサは、前記ロボットアームの末端に取り付けられた6次元センサ、又は前記ロボットアームの各関節箇所に取り付けられた関節センサを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プリセットモデルは、アドミタンスモデルを含み、前記力センサは、6次元センサであり、前記複数の力及び複数のモーメントは、6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメントを含み、
前記複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得ることは、
前記6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメント、並びに前記プリセット所望の力及びモーメントに応じて、力又はモーメント偏差値を決定することと、
前記力又はモーメント偏差値を前記アドミタンスモデルに入力して求解を行い、1グループのアドミタンス制御後の変位値を得ることと、
前記6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメント、並びに前記1グループのアドミタンス制御後の変位値に応じて逆解を求め、前記複数グループの変位値を得ることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記した、前記複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、前記ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び前記運動機構に対応する第2の目標変位値を得ることは、
現在運動学パラメータ及び力関連パラメータを取得することと、
前記現在運動学パラメータ及び前記力関連パラメータに応じて絞込条件を決定することと、
前記複数グループの変位値のうちの、前記絞込条件を満たす変位値を目標変位値として決定し、前記目標変位値が、前記ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び前記運動機構に対応する第2の目標変位値を含むことと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ロボットアームには、第1の位置コントローラが取り付けられており、前記運動機構には、第2の位置コントローラが取り付けられており、前記した、前記第1の目標変位値に応じて前記ロボットアームの運動を制御し、前記第2の目標変位値に応じて前記運動機構の運動を制御することは、
前記第1の目標変位値に応じて前記第1の位置コントローラに第1の制御信号を送信して、前記第1の位置コントローラが前記第1の制御信号に応じて前記ロボットアームの運動を制御するようにさせることと、
前記第2の目標変位値に応じて前記第2の位置コントローラに第2の制御信号を送信して、前記第2の位置コントローラが前記第2の制御信号に応じて前記運動機構の運動を制御するようにさせることと、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コントローラは、マッサージプラットフォームに通信接続され、前記マッサージプラットフォームには、複数種類のマッサージ技法にそれぞれ対応する押圧パラメータが配置されており、前記押圧パラメータは、力度の大きさ及び変換速度を含み、
前記マッサージプラットフォームにより送信された目標押圧パラメータを受信することと、
前記目標押圧パラメータ及び前記力センサに応じて、前記ロボットアームの被マッサージ者に対する押圧方式を制御して、前記目標押圧パラメータに対応する目標マッサージ技法を実現することと、をさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記マッサージ技法は少なくとも、指点法、指按法、指推法、肘推法、掌推法、一指禅法のいずれかを含む、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用され、
前記ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、前記ロボットアームには、力センサが取り付けられており、前記コントローラは、前記運動機構に通信接続され、
前記ロボットアームが牽引されて運動している場合、現在の運動における前記力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得するように構成されるモーメント取得モジュールと、
前記複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、各グループの変位値が、前記ロボットアームに対応する第1の変位値及び前記運動機構に対応する第2の変位値を含み、前記プリセットモデルが、アドミタンスモデル又はインピーダンスモデルを含むように構成される変位計算モジュールと、
前記複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、前記ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び前記運動機構に対応する第2の目標変位値を得るように構成される目標変位決定モジュールと、
前記第1の目標変位値及び前記第2の目標変位値に応じて前記ロボットアーム及び前記運動機構の運動を制御するように構成される運動制御モジュールと、
前記した、現在の運動における前記力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、前記ロボットアーム及び前記運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行するように構成される循環モジュールと、を備える、
複合ロボットの制御装置。
【請求項9】
複合ロボット及びマッサージプラットフォームを備え、
前記複合ロボットは、前記マッサージプラットフォームに通信接続され、前記複合ロボットは、ロボットアーム及び運動機構を備え、前記ロボットアームには、コントローラ及び力センサが取り付けられており、前記ロボットアームは、前記運動機構に取り付けられ、前記コントローラは、前記運動機構に通信接続され、前記コントローラは、請求項1~7のいずれか1項に記載の複合ロボットの制御方法を実行するように構成される、
複合ロボットの制御システム。
【請求項10】
コンピュータ実行可能な命令が記憶されており、
前記コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサにより呼び出されて実行されると、プロセッサに請求項1~7のいずれか1項に記載の複合ロボットの制御方法を実現するように促す、
コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2021年10月18日に中国専利局に出願された、出願番号が202111209630.6である中国特許出願の優先権を主張し、該出願の全ての内容は引用により本願に組み込まれている。
【0002】
本願は、知能制御の技術分野に関し、例えば複合ロボットの制御方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
複合ロボットは、新世代のロボットの代表として、工業、移動、協働ロボットの利点を1台にまとめ、ヒューマンマシンが統合され、安全で使いやすく、高感度で精確で、柔軟で汎用的であるなどの特徴を有し、伝統ロボットの動作モードを変え、工業生産、社会サービス、リハビリテーション医療、特殊作業などの分野において幅広く適用される見込みがあり、既に将来ロボットの発展をリードする重要な方向となっている。リハビリテーション医療の分野において、マッサージ師の代わりにロボットを使用してマッサージを行う事例又は製品が多くある。しかし、主流複合ロボット又は移動ロボットアームは、往々にしてロボットアーム及び移動シャーシをそれぞれ個別に制御しており、複合ロボットの性能の強みが十分に発揮できず、マッサージロボットの適用も制限されている。複合ロボットの力・位置のハイブリッド制御において、タスク空間は、位置及び力がいずれも任意の所定方向に沿って制御不可であるため、位置制御及び力制御のサブ空間に分けられ、一般的には、垂直面方向において力制御を行い、断面方向において位置制御を行っており、人が自由に複合ロボットを牽引することが容易ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願は、ロボットアームと運動機構との間の動的結合を実現可能であり、複合ロボットをドラッグしているときに小さな力だけでロボットの柔軟追随を完成させ、且つドラッグ効果をヒューマンマシンインタラクションのニーズにより適合させることができる複合ロボットの制御方法、装置及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用され、ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、ロボットアームには、力センサが取り付けられており、コントローラは、運動機構に通信接続され、
ロボットアームが牽引されて運動しているときに、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得することと、
複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、そのうち、各グループの変位値が、ロボットアームに対応する第1の変位値及び運動機構に対応する第2の変位値を含み、プリセットモデルが、アドミタンスモデル又はインピーダンスモデルを含むことと、
複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を得ることと、
第1の目標変位値及び第2の目標変位値に応じてロボットアーム及び運動機構の運動を制御することと、
現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行することと、を含む複合ロボットの制御方法を提供する。
【0006】
本願は、複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用され、ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、ロボットアームには、力センサが取り付けられており、コントローラは、運動機構に通信接続され、
ロボットアームが牽引されて運動しているときに、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得するように構成されるモーメント取得モジュールと、
複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、そのうち、各グループの変位値が、ロボットアームに対応する第1の変位値及び運動機構に対応する第2の変位値を含み、プリセットモデルが、アドミタンスモデル又はインピーダンスモデルを含むように構成される変位計算モジュールと、
複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を得るように構成される目標変位決定モジュールと、
第1の目標変位値及び第2の目標変位値に応じてロボットアーム及び運動機構の運動を制御するように構成される運動制御モジュールと、
現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行するように構成される循環モジュールと、を備える複合ロボットの制御装置をさらに提供する。
【0007】
本願は、複合ロボット及びマッサージプラットフォームを備え、複合ロボットは、マッサージプラットフォームに通信接続され、複合ロボットは、ロボットアーム及び運動機構を備え、ロボットアームには、コントローラ及び力センサが取り付けられており、ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、コントローラは、運動機構に通信接続され、コントローラは、上記の複合ロボットの制御方法を実行するように構成される複合ロボットの制御システムをさらに提供する。
【0008】
本願は、コンピュータ実行可能な命令が記憶されており、コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサにより呼び出されて実行されると、プロセッサに上記の複合ロボットの制御方法を実現するように促すコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本願の実施例に係る1つの複合ロボット制御方法のフローチャートである。
【
図2】本願の実施例に係る1つのアドミタンス制御システムの構造図である。
【
図3】本願の実施例に係る1つの複合ロボット制御装置の構造ブロック図である。
【
図4】本願の実施例に係る1つの複合ロボット制御システムの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施例を参照しながら本願の技術案を説明し、説明される実施例は、本願の一部の実施例である。
【0011】
主流複合ロボット又は移動ロボットアームは、往々にしてロボットアーム及び移動シャーシをそれぞれ個別に制御しており、複合ロボットの性能の強みが十分に発揮できず、マッサージロボットの適用も制限され、複合ロボットの力・位置のハイブリッド制御において、タスク空間は、位置及び力がいずれも任意の所定方向に沿って制御不可であるため、位置制御及び力制御のサブ空間に分けられ、一般的には、垂直面方向において力制御を行い、断面方向において位置制御を行っており、上記力・位置のハイブリッド制御の方法では、機械手と環境との間の動的結合を考慮しておらず、人が自由に複合ロボットを牽引することが容易ではない。
【0012】
本願の実施例は、ロボットアームと運動機構との間の動的結合を実現可能であり、複合ロボットをドラッグしているときに小さな力だけでロボットの柔軟追随を完成させ、且つドラッグ効果をヒューマンマシンインタラクションのニーズにより適合させることができる複合ロボットの制御方法、装置及びシステムを提供する。
【0013】
本実施例を理解しやすくさせるために、まず、本願の実施例に開示される複合ロボットの制御方法について紹介する。
【0014】
本願の実施例は、複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用される複合ロボットの制御方法を提供し、ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、ロボットアームには、力センサが取り付けられており、コントローラは、運動機構に通信接続される。そのうち、ロボットアームの末端には、6次元力センサが追加装着され、運動機構は、自動搬送車(Automated Guided Vehicle、AGV)プラットフォームを使用可能である。
【0015】
図1に示す複合ロボット制御方法のフローチャートを参照し、該方法は、以下を含む。
【0016】
S102において、ロボットアームが牽引されて運動しているときに、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する。
【0017】
上記力センサは、ロボットアームの末端に取り付けられた6次元センサ、又はロボットアームの各関節箇所に取り付けられた関節センサを含む。例えば、ロボットアームの末端に取り付けられた6次元センサが使用される場合、ロボットアームが牽引されて運動しているときに、ロボットアームの末端に取り付けられた6次元力センサにより、ロボットアームの6つの自由度における力及びモーメント、即ちロボットアームの3つの並進運動自由度x、y、zにおける力、及び3つの回転運動自由度rx、ry、rzにおけるモーメントを精確に測定することが可能である。
【0018】
S104において、複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、各グループの変位値が、ロボットアームに対応する第1の変位値及び運動機構に対応する第2の変位値を含み、プリセットモデルが、アドミタンスモデル又はインピーダンスモデルを含む。
【0019】
プリセットモデルがアドミタンスモデルであり、力センサが6次元センサであるときに、上記複数の力及び複数のモーメントは、6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメントを含み、
図2に示すアドミタンス制御システムの構造図を参照し、そのうち、f
dは、プリセット所望の力又はモーメントであり、f
hは、実際に受けた力又はモーメントであり、f
uは、力又はモーメント偏差値である。
【0020】
6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメント、並びにプリセット所望の力及びモーメントに応じて、力又はモーメント偏差値を決定し、力又はモーメント偏差値をアドミタンスモデルに入力して求解を行い、1グループのアドミタンス制御後の変位値を得て、6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメント、該グループのアドミタンス制御後の変位値に応じて逆解を求めると、複数グループの変位値、即ち、1グループのアドミタンス制御後の変位値に応じて求められた逆解集合である
を得ることができる。該グループのアドミタンス制御後の変位値は、ロボットアームに対応する第1のアドミタンス制御後の変位値及び運動機構に対応する第2のアドミタンス制御後の変位値を含む。
【0021】
上記アドミタンスモデルは、以下の通りであり、
ここで、Mは、慣性係数であり、Kは、剛性係数であり、Bは、減衰係数であり、fは、所望のヒューマンマシンインタラクションの力又はモーメントと、実際のヒューマンマシンインタラクションの力又はモーメントとの偏差値であり、
は、アドミタンス制御後の変位値であり、
は、アドミタンス制御後の変位値の1次導関数であり、
は、アドミタンス制御後の変位値の2次導関数である。
【0022】
力センサ下方の取っ手が引き動かされているときに、アドミタンスモデルは、設定済みの慣性係数、剛性係数、減衰係数に応じて目標加速度を出力し、AGVセンサにより取得された現在の速度及び位置と結び付けることで、目標の速度及び位置、即ち1グループのアドミタンス制御後の変位値を算出し、さらに、該グループのアドミタンス制御後の変位値に応じて逆解を求めて複数グループの変位値のうちの各グループの変位値に含まれた、ロボットアームに対応する第1の変位値及び運動機構に対応する第2の変位値を得ることができる。
【0023】
S106において、複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を得る。
【0024】
AGV及び6自由度ロボットアームは計9つの自由度を有し、逆解を求めると複数グループの解があるので、運動範囲を制限して最適化アルゴリズムを使用して最適解を得ることで、ロボットアームの運動及びAGVの運動を決定する必要があり、
図2に示すように、q
dは即ち、最適化アルゴリズムに応じて求められた最適解である。上記最適化求解のステップは、現在運動学パラメータ及び力関連パラメータ(例えばAGV変位-速度-加速度、ロボットアームの末端の変位-速度-加速度、ロボットアームの末端の6つの自由度であるx、y、z及びrx、ry、rz)を取得することと、現在運動学パラメータ及び力関連パラメータに応じて絞込条件を決定することと、複数グループの変位値のうちの、絞込条件を満たす変位値を目標変位値として決定し、目標変位値が、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を含むことと、を含む。
【0025】
最適化求解は、全ての解において制限条件を加えて条件を満たす解を獲得するものであり、条件は、異なる状態時の運動学パラメータ及び受けた力によって決められる。例えば、牽引の開始及び終了の段階において、ロボットアームを先に牽引し、ロボットアームの、AGVに対する変位が十分に大きくないか又はロボットアームが受けた力が小さい場合、AGVは、ほとんど動かず、牽引段階において、即ちロボットアームが受けた力に大きな急変がない場合、AGVとロボットアームの末端との相対位置が変化しないことを優先的に考慮し、本実施例において、6つの自由度における力又はモーメントの影響重みは、調節可能である。
【0026】
S108において、第1の目標変位値及び第2の目標変位値に応じてロボットアーム及び前記運動機構の運動を制御する。
【0027】
ロボットアームには、第1の位置コントローラが取り付けられており、運動機構には、第2の位置コントローラが取り付けられており、第1の目標変位値に応じて前記第1の位置コントローラに第1の制御信号を送信して、第1の位置コントローラが第1の制御信号に応じてロボットアームの運動を制御するようにさせ、第2の目標変位値に応じて第2の位置コントローラに第2の制御信号を送信して、第2の位置コントローラが第2の制御信号に応じて前記運動機構の運動を制御するようにさせる。
【0028】
ロボットアーム及びAGVの目標変位値が得られた後に、ロボットアーム及びAGVは制御信号を受信し、各々の位置コントローラにより運動を完成させ、
図2に示すように、q
kは、運動量トラッカーにより出力されたロボットアームの関節及びAGVの実際軌跡である。
【0029】
S110において、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行する。
【0030】
図2に示すように、プリセット所望の力又はモーメントf
dが0であると仮定し、ロボットアームが牽引されているときに、ヒューマンマシンの実際のインタラクションモデルのセンサにより採取された、実際に受けた力又はモーメントf
hが0ではなければ、力又はモーメント偏差値f
uも0ではなく、アドミタンスコントローラは、力又はモーメント偏差値f
uを入力とし、複数グループの変位値
を出力し、最適化求解によりロボットアーム及び運動機構の変位値の最適解を得て、ロボットアーム及びAGVにそれぞれ取り付けられた位置コントローラにより、ロボットアーム及び運動機構の運動を制御し、ロボットアーム及び運動機構が所望位置に牽引されると、牽引を停止し、f
hが0に等しくなり、力又はモーメント偏差値f
uも0になり、即ちアドミタンスコントローラの入力が0になり、ロボットアーム及び運動機構は、運動を停止する。
【0031】
複合ロボットをドラッグしているときに小さな力だけでロボットの柔軟追随を完成可能である。また、最適化アルゴリズムにより与えられた解は、ドラッグ時に、ロボットアームの伸展程度が小さければ、ロボットアームの運動幅が大きく、AGVの運動幅が小さく、ロボットアームが既に十分に伸展していれば、ドラッグ時におけるロボットアームの運動幅が小さく、AGVの運動幅が大きいことを可能にする。このような効果は、人間-複合ロボットインタラクションのニーズにより適合する。
【0032】
また、6つの自由度におけるアドミタンス制御パラメータをそれぞれ設定することができる。これにより、異なる方向におけるドラッグが異なる効果を有するようになる。実際の適用においてより柔軟で変化が多くなるように、AGVに対しては1つの自由度が開放されないように設定することができ、ロボットアームに対しても、開放されずドラッグされる(ロボットアームが固定して動かず)ことができる。
【0033】
本願の実施例に係る複合ロボットの制御方法は、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得し、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアーム及び運動機構に対応する目標変位値を得て、ロボットアーム及び運動機構の運動を制御し、上記ステップを、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで循環することで、ロボットアームと運動機構との間の動的結合を実現可能であり、複合ロボットをドラッグしているときに小さな力があればロボットの柔軟追随を完成可能であり、人が自由に複合ロボットを牽引することを容易にし、その最適化求解から得られた目標変位値の解は、ドラッグ時に、ロボットアームの伸展程度が小さければ、ロボットアームの運動幅が大きく、運動機構の運動幅が小さく、ロボットアームが既に十分に伸展していれば、ドラッグ時におけるロボットアームの運動幅が小さく、運動機構の運動幅が大きいという効果を実現可能であり、人間-複合ロボットインタラクションのニーズにより適合する。
【0034】
本願の実施例は、複合ロボットのロボットアームの力センサの力制御機能に基づいて実現される複合ロボットのマッサージ技法の実現方法をさらに提供する。
【0035】
ロボットアームのコントローラは、マッサージプラットフォームに通信接続され、マッサージプラットフォームには、複数種類のマッサージ技法にそれぞれ対応する押圧パラメータが配置されており、押圧パラメータは、力度の大きさ及び変換速度を含み、コントローラは、マッサージプラットフォームにより送信された目標押圧パラメータを受信し、目標押圧パラメータ及び力センサに応じて、ロボットアームの被マッサージ者に対する押圧方式を制御して、目標押圧パラメータに対応する目標マッサージ技法を実現する。
【0036】
上記マッサージ技法は少なくとも、指点法、指按法、指推法、肘推法、掌推法及び一指禅法のいずれかを含む。
【0037】
異なるマッサージ技法については、その運動学記述及び動力学記述を、相応する力制御ニーズ記述に転換し、異なる力制御ニーズに応じて異なる押圧パラメータを設定することができると同時に、該技法の実現の優先レベル及び実現部位などを設定することもできる。
【0038】
例えば、指点法、指按法及び肘点法の運動学記述は、人体の表面の固定位置において、垂直方向の上下運動するものであり、動力学記述は、人体の表面に垂直であるように保持され、人体に徐々に近づき、人体の表面に接触して線形増加している圧力/単位面積当たりの圧力(N又はN/cm^2で計算する)(初期圧力、線形増加係数、終了圧力を含む)を出力する「按」、及び、人体の表面から徐々に離れ、線形減少している圧力/単位面積当たりの圧力(初期圧力、線形減少係数、終了圧力を含む)を出力する「収」という2つのステップを含むものであり、相応する力制御ニーズ記述は、(1)ロボットアームの位置姿勢を人体の曲面に垂直である(即ち、人体の曲面の法線ベクトルの方向に沿う)ように保持し、(2)法線方向の6次元力情報をリアルタイムでフィードバックし、(3)人体に接触している過程において、人体組織の軟らかさの変化をリアルタイムでフィードバックし、(4)初期圧力、変化係数及び終了圧力、並びに人体の軟らかさに応じて、持続的にロボットアームの位置姿勢を調節し、線形変化している力度を出力するものであり、安全要求は、圧力/単位面積当たりの圧力を人体最大耐性よりも小さくなるように確保するものであり、それらの技法の実現の優先レベルをレベル1、実現部位を背部、腰部及び臀部として設定することができる。
【0039】
指推法、肘推法及び掌推法の運動学記述は、人体の表面の固定経路において、等速直線運動し、人体の表面に対してある角度に保持され、「按」、「推」及び「収」という3つのステップを含むものであり、動力学記述は、「按」において、人体に徐々に近づき、人体の表面に接触して線形増加している圧力/単位面積当たりの圧力(N又はN/cm^2で計算する)(初期圧力、線形増加係数、終了圧力を含む)を出力し、この圧力を保持し、「推」において、下向きの圧力を保持すると同時に、推法の経路に沿って一定の推力(初期力、変化システム及び目標力を含む)を出力し、「収」において、人体の表面から徐々に離れ、線形減少している圧力/単位面積当たりの圧力(初期圧力、線形減少係数、終了圧力を含む)を出力するものであり、相応する力制御ニーズ記述は、(1)ロボットアームの位置姿勢を人体の表面に対してある角度に保持し、(2)法線方向の6次元力情報をリアルタイムでフィードバックし、(3)人体に接触している過程において、人体組織の軟らかさの変化をリアルタイムでフィードバックし、(4)初期圧力、変化係数及び終了圧力、並びに人体の軟らかさに応じて、持続的にロボットアームの位置姿勢を調節し、線形変化している力度を出力し、(5)推法の経路に沿って一定力(初期力、変化システム及び目標力を含む)を保持するものであり、安全要求は、圧力/単位面積当たりの圧力を人体最大耐性よりも小さくなるように確保するものであり、それらの技法の実現の優先レベルをレベル2、実現部位を背部、腰部及び臀部として設定することができる。
【0040】
一指禅推法の運動学記述は、人体の表面の固定位置において、垂直方向の軸に沿って往復回転運動し、そのうち、正方向回転及び逆方向回転の角度範囲が120~180度であるものであり、動力学記述は、人体の表面に垂直であるように保持され、人体に徐々に近づき、人体の表面に接触して線形増加している圧力/単位面積当たりの圧力(N又はN/cm^2で計算する)(初期圧力、線形増加係数、終了圧力を含む)を出力し、この圧力を保持する「按」、下向きの圧力を保持すると同時に、人体の表面に垂直な軸に沿って回転し、線形変化しているトルク(初期トルク、変化係数(増加又は減少)及び目標トルクを含む)を出力し、目標トルクに到達すると、一定に保持する「転」、及び、人体の表面から徐々に離れ、線形減少している圧力/単位面積当たりの圧力(初期圧力、線形減少係数、終了圧力を含む)を出力する「収」という3つのステップを含むものであり、相応する力制御ニーズ記述は、(1)ロボットアームの位置姿勢を人体の曲面に垂直である(即ち、人体の曲面の法線ベクトルの方向に沿う)ように保持し、(2)法線方向の6次元力情報をリアルタイムでフィードバックし、(3)人体に接触している過程において、人体組織の軟らかさの変化をリアルタイムでフィードバックし、(4)初期圧力、変化係数及び終了圧力、並びに人体の軟らかさに応じて、持続的にロボットアームの位置姿勢を調節し、線形変化している力度を出力し、(5)法線方向軸に沿って回転し、線形変化しているトルクを出力するものであり、安全要求は、圧力/単位面積当たりの圧力を人体最大耐性よりも小さくなるように確保するものであり、該技法の実現の優先レベルをレベル3、実現部位を背部、腰部及び臀部として設定することができる。
【0041】
ロボットアームの力制御機能は、6つの次元の減衰力(トルク)、一定力(トルク)などが設定可能であり、力制御パラメータを変えることでマッサージ力度の変化を実現可能である。また、伝統的なマッサージにおける各技法及び各人の好みの力度は異なり、力制御パラメータのリアルタイムな調整は、ロボットのマッサージをマッサージ師の手法により近くさせることができ、安全要求の設計も、ロボットのマッサージの安全性を確保している。
【0042】
また、マッサージ時のロボットアームの軌跡は、実質的に一連のデカルト空間における位置姿勢により決定され、位置姿勢集合に対する記録、編集、再現により、様々な機能を実現可能であり、そのため、複合ロボットのソフトウェア開発キット(Software Development Kit、SDK)を用いて、複数の軌跡に対して自由に調速、接合、縮小拡大することができ、これにより、複雑なマッサージテクニックが簡単に再現され、且つ異なるマッサージ対象に応じて調整されることができる。例えば、人為的牽引による軌跡の記録、軌跡速度の編集、力度制御、軌跡の組み合わせ及び縮小拡大などの機能を実現可能であり、使用者は、自分で軌跡を記録して力度パラメータを調節して複雑なテクニックを復元してもよいし、予め設計済みの軌跡、及び指按、指推、指ねじなどのテクニックを直接使用してもよい。上記SDK部分の開発は、主に機能設計で具現し、その他の協働ロボットを使用して実現することができる。
【0043】
本願の実施例に係る複合ロボットのマッサージ技法の実現方法は、ロボットアームのコントローラに複数種類のマッサージ技法にそれぞれ対応する押圧パラメータを配置し、コントローラで、マッサージプラットフォームにより送信された目標押圧パラメータを受信し、目標押圧パラメータ及び力センサに応じて、ロボットアームの被マッサージ者に対する押圧方式を制御することで、目標押圧パラメータに対応する目標マッサージ技法を実現可能であり、該方法は、力制御パラメータを変えることでマッサージ力度の変化を実現し、ロボットのマッサージをマッサージ師の手法により近くさせることができると同時に、ロボットのマッサージの安全性を確保する。
【0044】
上記方法の実施例に基づいて、本願の実施例は、複合ロボットの制御装置をさらに提供し、
図3を参照し、該装置は、複合ロボットのロボットアームにおけるコントローラに適用され、ロボットアームは、運動機構に取り付けられ、ロボットアームには、力センサが取り付けられており、コントローラは、運動機構に通信接続され、該装置は、
ロボットアームが牽引されて運動しているときに、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得するように構成されるモーメント取得モジュール31と、複数の力及び複数のモーメント、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、各グループの変位値が、ロボットアームに対応する第1の変位値及び運動機構に対応する第2の変位値を含み、プリセットモデルが、アドミタンスモデル又はインピーダンスモデルを含むように構成される変位計算モジュール32と、複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を得るように構成される目標変位決定モジュール33と、第1の目標変位値及び第2の目標変位値に応じて前記ロボットアーム及び運動機構の運動を制御するように構成される運動制御モジュール34と、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得する操作を、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで繰り返し実行するように構成される循環モジュール35と、を備える。
【0045】
本願の実施例に係る複合ロボットの制御装置は、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得し、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアーム及び運動機構に対応する目標変位値を得て、ロボットアーム及び運動機構の運動を制御し、上記ステップを、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで循環することで、ロボットアームと運動機構との間の動的結合を実現可能であり、複合ロボットをドラッグしているときに、小さな力だけでロボットの柔軟追随を完成可能であり、ドラッグ効果をヒューマンマシンインタラクションのニーズにより適合させる。
【0046】
上記力センサは、ロボットアームの末端に取り付けられた6次元センサ、又はロボットアームの各関節箇所に取り付けられた関節センサを含む。上記プリセットモデルは、アドミタンスモデルを含み、力センサは、6次元センサであり、複数の力及び複数のモーメントは、6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメントを含む。
【0047】
上記変位計算モジュール32は、6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメント、並びにプリセット所望の力及びモーメントに応じて、力又はモーメント偏差値を決定し、力又はモーメント偏差値をアドミタンスモデルに入力して求解を行い、1グループのアドミタンス制御後の変位値を得て、前記6つの自由度のうち、3つの並進運動自由度に対応する力及び3つの回転運動自由度に対応するモーメント、並びに該グループのアドミタンス制御後の変位値に応じて逆解を求め、複数グループの変位値を得るように構成される。
【0048】
目標変位決定モジュール33は、現在運動学パラメータ及び力関連パラメータを取得し、現在運動学パラメータ及び力関連パラメータに応じて絞込条件を決定し、複数グループの変位値のうちの、絞込条件を満たす変位値を目標変位値として決定し、目標変位値が、ロボットアームに対応する第1の目標変位値及び運動機構に対応する第2の目標変位値を含むように構成される。
【0049】
上記ロボットアームには、第1の位置コントローラが取り付けられており、運動機構には、第2の位置コントローラが取り付けられており、上記運動制御モジュール34は、第1の目標変位値に応じて第1の位置コントローラに第1の制御信号を送信して、第1の位置コントローラが第1の制御信号に応じてロボットアームの運動を制御するようにさせ、第2の目標変位値に応じて第2の位置コントローラに第2の制御信号を送信して、第2の位置コントローラが第2の制御信号に応じて前記運動機構の運動を制御するようにさせる、ように構成される。
【0050】
上記コントローラは、マッサージプラットフォームに通信接続され、マッサージプラットフォームには、複数種類のマッサージ技法にそれぞれ対応する押圧パラメータが配置されており、押圧パラメータは、力度の大きさ及び変換速度を含み、上記装置は、マッサージプラットフォームにより送信された目標押圧パラメータを受信し、目標押圧パラメータ及び力センサに応じて、ロボットアームの被マッサージ者に対する押圧方式を制御して、目標押圧パラメータに対応する目標マッサージ技法を実現するように構成されるマッサージモジュールをさらに備える。
【0051】
上記マッサージ技法は少なくとも、指点法、指按法、指推法、肘推法、掌推法及び一指禅法のいずれかを含む。
【0052】
本願の実施例に係る複合ロボットの制御装置は、その実現原理及び生じさせる技術効果が、前述の複合ロボットの制御方法の実施例と同じであり、説明を簡略化するために、複合ロボットの制御装置の実施例の部分で言及されていないものは、前述の複合ロボットの制御方法の実施例における対応内容を参照することができる。
【0053】
本願の実施例は、複合ロボットの制御システムをさらに提供し、
図4に示すものを参照し、該システムは、複合ロボット41及びマッサージプラットフォーム42を備え、複合ロボット41は、マッサージプラットフォーム42に通信接続され、複合ロボット41は、ロボットアーム411及び運動機構412を備え、ロボットアームには、コントローラ4111及び力センサ4112が取り付けられており、ロボットアーム411は、運動機構412に取り付けられ、コントローラ4111は、運動機構412に通信接続され、コントローラ4111は、上記複合ロボットの制御方法を実行するように構成され、実現方式は、前述の方法の実施例を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0054】
本願の実施例に係る複合ロボットの制御システムは、現在の運動における力センサにより採取された複数の力及び複数のモーメントを取得し、プリセット所望の力及びモーメント、並びにプリセットモデルに応じて計算を行い、複数グループの変位値を得て、複数グループの変位値に応じて最適化求解を行い、ロボットアーム及び運動機構に対応する目標変位値を得て、ロボットアーム及び運動機構の運動を制御し、上記ステップを、ロボットアーム及び運動機構が運動を停止するまで循環することで、ロボットアームと運動機構との間の動的結合を実現可能であり、複合ロボットをドラッグしているときに小さな力だけでロボットの柔軟追随を完成可能であり、ドラッグ効果をヒューマンマシンインタラクションのニーズにより適合させ、且つ、上記マッサージプラットフォームには、ヒューマンコンピュータインターフェイスが設けられており、ヒューマンコンピュータインターフェイスにより、マッサージパラメータを設定することができ、制御システムは、力制御パラメータを変えることでマッサージ力度の変化を実現し、ロボットのマッサージをマッサージ師の手法により近くさせることができると同時に、ロボットのマッサージの安全性を確保している。
【0055】
本願の実施例は、コンピュータ実行可能な命令が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体をさらに提供し、該コンピュータ実行可能な命令は、プロセッサにより呼び出されて実行されると、プロセッサに上記複合ロボットの制御方法を実現するように促し、実現方式は、前述の方法の実施例を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0056】
本願の実施例に係る方法、装置及びシステムのコンピュータプログラム製品は、プログラムコードが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記プログラムコードに含まれる命令は、前の方法の実施例に記載の複合ロボットの制御方法を実行するために使用可能であり、実現方式は、方法の実施例を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【0057】
別途説明がない限り、これらの実施例で述べられた部品及びステップの相対的なステップ、数字表現式及び数値は、本願の範囲を制限するものではない。
【0058】
前記機能は、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現され、且つ独立した製品として販売又は使用されれば、1つの、プロセッサによって実行可能である不揮発的なコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。本願の技術案は、本質的にソフトウェア製品の形式で表現することができ、該コンピュータソフトウェア製品は、1つの記憶媒体に記憶され、1台のコンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク機器などであってもよい)に本願の実施例に記載の方法の全て又は一部のステップを実行させるための複数の指令を含む。さらに、前述の記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々な、プログラムコードを記憶可能な媒体又は非一時的記憶媒体を含む。
【0059】
本願の説明において、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」などにより指示される方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願の説明を容易し、及び説明を簡略化するためのものに過ぎず、かかる装置又は素子が特定の方位を有し、特定の方位から構成されて操作されなければならないことを指示又は暗示するものではないため、本願を制限するものとしては理解できない。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は、説明の目的のためのものに過ぎず、相対的な重要性を指示又は暗示するものとしては理解できない。
【手続補正書】
【提出日】2023-05-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
本願の実施例は、複合ロボットの制御システムをさらに提供し、
図4に示すものを参照し、該システムは、複合ロボット41及びマッサージプラットフォーム42を備え、複合ロボット41は、マッサージプラットフォーム42に通信接続され、複合ロボット41は、ロボットアーム411及び運動機構412を備え、ロボットアームには、コントローラ411
2及び力センサ411
1が取り付けられており、ロボットアーム411は、運動機構412に取り付けられ、コントローラ411
2は、運動機構412に通信接続され、コントローラ411
2は、上記複合ロボットの制御方法を実行するように構成され、実現方式は、前述の方法の実施例を参照することができ、ここでは繰り返し説明しない。
【国際調査報告】