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特表2023-553003バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6566 20140101AFI20231213BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20231213BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20231213BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20231213BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231213BHJP
   H01M 50/249 20210101ALI20231213BHJP
【FI】
H01M10/6566
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/625
H01M50/204 401H
H01M50/249
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534036
(86)(22)【出願日】2022-01-10
(85)【翻訳文提出日】2023-06-02
(86)【国際出願番号】 KR2022000399
(87)【国際公開番号】W WO2022270705
(87)【国際公開日】2022-12-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0080409
(32)【優先日】2021-06-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スン-タク・ファン
【テーマコード(参考)】
5H031
5H040
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
5H040AA28
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY08
5H040CC05
5H040NN03
(57)【要約】
バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車が開示される。本発明の一実施形態によるバッテリーモジュールは、複数のバッテリーセルと、複数のバッテリーセルが収容されたケースと、ケースに結合されたカバーと、複数のバッテリーセルを冷却するようにケースとカバーとの間に配置された冷却パイプと、冷却パイプを支持し、冷却パイプの形状に対応するように可変的に設けられた支持構造と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルが収容されたケースと、
前記ケースに結合されるカバーと、
前記複数のバッテリーセルを冷却するように前記ケースと前記カバーとの間に配置された冷却パイプと、
前記冷却パイプを支持し、前記冷却パイプの形状に対応するように可変的に設けられた支持構造と、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項2】
前記カバーには複数の収容溝が形成されており、
前記支持構造は、前記複数の収容溝にそれぞれ結合されるように突出部が形成された複数の支持ブロックを含む、請求項1に記載のバッテリーモジュール。
【請求項3】
前記複数の収容溝は予め設定された形状に並べられており、
前記複数の支持ブロックは、前記複数の収容溝の少なくとも一部に結合されて流路パスを形成しており、
前記冷却パイプは前記流路パスに嵌入している、請求項2に記載のバッテリーモジュール。
【請求項4】
前記冷却パイプが前記流路パスに嵌入すると、前記複数の支持ブロックが前記冷却パイプに接触して前記冷却パイプを支持する、請求項3に記載のバッテリーモジュール。
【請求項5】
前記複数の収容溝に結合される前記複数の支持ブロックの数と位置に応じて、前記流路パスは可変的に設けられる、請求項4に記載のバッテリーモジュール。
【請求項6】
複数のバッテリーセルと、
前記複数のバッテリーセルが収容されるケースと、
前記ケースに結合された電装部材と、
前記電装部材を冷却するように前記電装部材に配置された冷却パイプと、
前記冷却パイプを支持し、前記冷却パイプの形状に対応するように可変的な支持構造と、
を含む、バッテリーモジュール。
【請求項7】
前記電装部材は、
電装品が収容された電装ケースと、
前記電装ケースに結合された電装カバーと、
を含み、
前記冷却パイプは、前記電装品を冷却するように前記電装ケースと前記電装カバーとの間に配置されている、請求項6に記載のバッテリーモジュール。
【請求項8】
前記電装カバーには複数の収容溝が形成されており、
前記支持構造は、前記複数の収容溝にそれぞれ結合されるように突出部が形成された複数の支持ブロックを含む、請求項7に記載のバッテリーモジュール。
【請求項9】
前記複数の収容溝は予め設定された形状に並べられており、
前記複数の支持ブロックは、前記複数の収容溝の少なくとも一部に結合されて流路パスを形成しており、
前記冷却パイプは前記流路パスに嵌入している、請求項8に記載のバッテリーモジュール。
【請求項10】
前記冷却パイプが前記流路パスに嵌入すると、前記複数の支持ブロックが前記冷却パイプに接触して前記冷却パイプを支持する、請求項9に記載のバッテリーモジュール。
【請求項11】
前記複数の収容溝に結合される前記複数の支持ブロックの数と位置に応じて、前記流路パスは可変的に設けられている、請求項10に記載のバッテリーモジュール。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、バッテリーパック。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載のバッテリーモジュールを含む、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年06月21日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0080409号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車に関し、より詳細には、冷却パイプの可変的な支持構造が配備されたバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
最近のモバイル機器に対する技術の開発と需要の増加には目を見張るものがあり、これに伴い、エネルギー源としての二次電池へのニーズが急激に伸びている。従来、二次電池としてニッケルカドミウム電池または水素イオン電池が用いられていたが、最近では、ニッケル系列のバッテリーに比べてメモリ効果が殆ど起きないため充放電が自在であり、自己放電率が非常に低くエネルギー密度が高いリチウム二次電池が多用されている。
【0004】
この種のリチウム二次電池は、主として、リチウム系酸化物と炭素材をそれぞれ正極活物質と負極活物質として用いる。リチウム二次電池は、このような正極活物質と負極活物質がそれぞれ塗布された正極板と負極板がセパレーターを挟んで配置された電極組立体と、電極組立体を電解液と一緒に封入する外装材、すなわち、電池ケースと、を備える。
【0005】
リチウム二次電池は、一般に、正極と、負極と、これらの間に挟持されるセパレーター及び電解質からなり、正極活物質と負極活物質としていかなるものを用いるかによって、リチウム二次電池(Lithium Ion Battery:LIB)、リチウムポリマー電池(Polymer Lithium Ion Battery:PLIB)などに分けられる。通常、これらのリチウム二次電池の電極は、アルミニウムまたは銅シート(sheet)、メッシュ(mesh)、フィルム(film)、箔(foil)などの集電体に正極または負極活物質を塗布した後に乾燥させることにより形成される。なお、多岐にわたる二次電池には、バッテリーセルを保護可能なケースが備えられ、複数のバッテリーセルが積層されてケースに引き込まれたバッテリーモジュールと、複数のバッテリーモジュールが含まれているバッテリーパックと、を含む。
【0006】
一方、バッテリーモジュールには、バッテリーセルを冷却するために水または空気が移動する冷却パイプが配設されてもよい。
【0007】
ここで、バッテリーセルは、様々な方式により積層したりケースに収容したりできるが、バッテリーセルの積層方式や収容方式によって熱が生じる部分に違いがあるため、これにより、冷却パイプの形状もまた変更される。
【0008】
従来の技術において、バッテリーセルの配列が異なってきて冷却パイプの形状が変更される場合、冷却パイプの形状に対応するようにこれを支持する構造がバッテリーセルの配列方式に応じた冷却パイプの形状ごとにいずれも個別的に設けられなければならないため、コストが高騰してしまうという問題がある。
【0009】
また、バッテリーモジュールには電気に関わる電装品が備えられていてもよく、電装品の場合、熱が生じるにも拘わらず、従来は、冷却装置が備えられていないか、あるいは、単に冷却ファンを用いて冷却を行っていたため、冷却効率が低いという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、冷却パイプの形状が変更されても冷却パイプを支持できるように可変的な支持構造を有するバッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一局面によれば、複数のバッテリーセルと、前記複数のバッテリーセルが収容されるケースと、前記ケースに結合されるカバーと、前記複数のバッテリーセルを冷却させるように前記ケースと前記カバーとの間に配置される冷却パイプと、前記冷却パイプを支持し、前記冷却パイプの形状に対応するように可変的に設けられる支持構造と、を含むバッテリーモジュールが提供され得る。
【0012】
また、前記カバーには複数の収容溝が形成され、前記支持構造は、前記複数の収容溝にそれぞれ結合されるように突出部が形成された複数の支持ブロックを含んでいてもよい。
【0013】
さらに、前記複数の収容溝は予め設定された形状に並べられ、前記複数の支持ブロックは、前記複数の収容溝の少なくとも一部に結合されて流路パスを形成し、前記冷却パイプは前記流路パスに嵌入してもよい。
【0014】
さらにまた、前記冷却パイプが前記流路パスに嵌入すれば、前記複数の支持ブロックが前記冷却パイプに接触して前記冷却パイプを支持するように設けられてもよい。
【0015】
さらにまた、前記複数の収容溝に結合される前記複数の支持ブロックの数と位置に応じて、前記流路パスは可変的に設けられてもよい。
【0016】
一方、本発明の他の局面によれば、複数のバッテリーセルと、前記複数のバッテリーセルが収容されるケースと、前記ケースに結合される電装部材と、前記電装部材を冷却させるように前記電装部材に配置される冷却パイプと、前記冷却パイプを支持し、前記冷却パイプの形状に対応するように可変的な支持構造と、を含むバッテリーモジュールが提供され得る。
【0017】
また、前記電装部材は、電装品が収容される電装ケースと、前記電装ケースに結合される電装カバーと、を含み、前記冷却パイプは、前記電装品を冷却させるように前記電装ケースと前記電装カバーとの間に配置されてもよい。
【0018】
さらに、前記電装カバーには複数の収容溝が形成され、前記支持構造は、前記複数の収容溝にそれぞれ結合されるように突出部が形成された複数の支持ブロックを含んでいてもよい。
【0019】
さらにまた、前記複数の収容溝は予め設定された形状に並べられ、前記複数の支持ブロックは、前記複数の収容溝の少なくとも一部に結合されて流路パスを形成し、前記冷却パイプは前記流路パスに嵌入してもよい。
【0020】
さらにまた、前記冷却パイプが前記流路パスに嵌入すれば、前記複数の支持ブロックが前記冷却パイプに接触して前記冷却パイプを支持するように設けられてもよい。
【0021】
さらにまた、前記複数の収容溝に結合される前記複数の支持ブロックの数と位置に応じて、前記流路パスは可変的に設けられてもよい。
【0022】
一方、本発明のさらに他の局面によれば、前述したバッテリーモジュールを含むバッテリーパックが提供され得、また、前記バッテリーモジュールを含む自動車が提供され得る。
【発明の効果】
【0023】
本発明の実施形態は、冷却パイプの形状が変更されても冷却パイプを支持できるように支持構造が可変的に設けられて様々な形状の冷却パイプを支持することができるという効果があり、これにより、コストが節減可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールの全体斜視図である。
図2図1の分解斜視図である。
図3】本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、カバーに冷却パイプが配置されて支持ブロックにより支持される様子を示す図である。
図4図3において、冷却パイプが取り外された様子である。
図5図3とは異なる形状の冷却パイプがカバーに配置された様子である。
図6】本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、様々な形状を有する支持ブロックの斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、様々な形状を有する支持ブロックの斜視図である。
図8】本発明の第2実施形態によるバッテリーモジュールに配備された電装部材の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲に使われた用語や単語は一般的な意味や辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明の最も好ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0026】
図中、各構成要素またはその構成要素をなす特定の部分の大きさは、説明のしやすさ及び明確性のためにやや誇張して表現されたり、省略されたり、概略的に示されたりしている。したがって、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。関連する公知の機能もしくは構成についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。
【0027】
本明細書中で使用される「結合」または「接続」という用語は、ある一つの部材と他の部材とが直接的に結合されたり直接的に接続されたりする場合だけではなく、ある一つの部材が継ぎ部材を介して他の部材に間接的に結合されたり間接的に接続されたりする場合も含む。
【0028】
図1は、本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールの全体斜視図であり、図2は、図1の分解斜視図であり、図3は、本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、カバーに冷却パイプが配置されて支持ブロックにより支持される様子を示す図であり、図4は、図3において、冷却パイプが取り外された様子であり、図5は、図3とは異なる形状の冷却パイプがカバーに配置された様子であり、図6及び図7は、本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュールにおいて、様々な形状を有する支持ブロックの斜視図である。
【0029】
同図を参照すると、本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュール10は、バッテリーセル100と、ケース200と、カバー300と、冷却パイプ400と、支持構造500と、を含む。
【0030】
図1及び図2を参照すると、複数のバッテリーセル100は、ケース200の内部に収容されて保護される。ここで、バッテリーセル100は、種々であり得る。例えば、バッテリーセル100は、パウチ型バッテリーセル100として設けられてもよく、あるいは、円筒型バッテリーセル100として設けられてもよい。
【0031】
バッテリーセル100には電極リードが配備され、バッテリーセル100に配備された電極リードは、外部機器に接続される一種の端子であって、伝導性材質が使用可能である。
【0032】
電極リードは、正極電極リードと負極電極リードを含んでいてもよい。正極電極リードと負極電極リードは、バッテリーセル100の長手方向に対して互いに反対の方向に配置されてもよく、あるいは、正極電極リードと負極電極リードがバッテリーセル100の長手方向に対して互いに同じ方向に位置してもよい。
【0033】
正極電極リードと負極電極リードは様々な材質から作られてもよく、例えば、正極電極リードはアルミニウム材質から作製され、負極電極リードは銅材質から作製されてもよい。
【0034】
電極リードは、バスバーに電気的に結合されてもよい。バッテリーセル100は、正極板-セパレーター-負極板の順に並べられる単位セル(Unit Cell)または正極板-セパレーター-負極板-セパレーター-正極板-セパレーター-負極板の順に並べられたバイセル(Bi-Cell)を電池の容量に合うように複数積層した構造を有していてもよい。
【0035】
複数のバッテリーセル100は、種々にケース200の内部に収容されてもよく、例えば、複数のバッテリーセル100が互いに積層されてバッテリーセル100積層体の形態で収容されてもよい。ここで、バッテリーセル100は、様々な構造を有することができ、また、複数のバッテリーセル100は、様々な方式により積層され得る。
【0036】
バッテリーセル100積層体は、それぞれのバッテリーセル100を収容するカートリッジ(図示せず)が複数で配備されてもよい。それぞれのカートリッジ(図示せず)は、プラスチックの射出成形により製造されてもよく、バッテリーセル100を収容可能な収容部が形成された複数のカートリッジ(図示せず)が積層されてもよい。
【0037】
複数のカートリッジ(図示せず)が積層されたカートリッジ組立体には、コネクター要素または端子要素が配備されてもよい。コネクター要素には、例えば、バッテリーセル100の電圧または温度に関するデータを提供可能なバッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)(図示せず)などに接続するための様々な形状の電気的な接続部品ないし接続部材が含まれ得る。
【0038】
また、端子要素は、バッテリーセル100に接続される主端子であって、正極端子と負極端子を含む。
【0039】
図1及び図2を参照すると、ケース200には、複数のバッテリーセル100、例えば、バッテリーセル100積層体またはバッテリーセル100積層体が収容されたカートリッジ組立体が収容される。
【0040】
ケース200は、種々に設けられてもよく、例えば、図2に示されるように、上ケース210と下ケース220を含むように構成されてもよい。但し、これは、一つの実施形態に過ぎず、ケース200は、より種々に設けられてもよい。
【0041】
ここで、ケース200は、バッテリーセル100によるバッテリーセル100積層体またはバッテリーセル100積層体が収容されたカートリッジ組立体を囲繞するように設けられてもよい。すなわち、ケース200は、バッテリーセル100の全体を囲繞し、これにより、外部の振動や衝撃からバッテリーセル100を保護する。
【0042】
ケース200は、バッテリーセル100、例えば、バッテリーセル100積層体またはカートリッジ組立体の形状に対応する形状に形成されてもよい。例えば、バッテリーセル100積層体またはカートリッジ組立体が六面体の形状に設けられる場合、ケース200もまたこれに対応するように六面体の形状に設けられてもよい。
【0043】
カバー300は、ケース200に結合される。図1及び図2を参照すると、カバー300は、ケース200の下側に結合されてもよい。但し、カバー300の結合部分は種々であり得る。
【0044】
カバー300には、複数の支持ブロック510(510a、510b、…)が結合される複数の収容溝310が形成される。複数の収容溝310の詳細については後述する。
【0045】
冷却パイプ400は、ケース200とカバー300との間に配置されて複数のバッテリーセル100を冷却する。冷却パイプ400は、水または空気が移動する流路であり、複数のバッテリーセル100のレイアウトの形状に応じて様々な形状を有することができる。
【0046】
支持構造500は、冷却パイプ400を支持する。また、支持構造500は、冷却パイプ400の様々な形状に対応するように可変的に設けられる。すなわち、複数のバッテリーセル100の積層方式やレイアウトの形状に応じて発熱部位が変わると、それに合うように冷却パイプ400の形状もまた変わる。なお、形状の変わった冷却パイプ400を支持するように支持構造500もまた変わることになる。
【0047】
すなわち、本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュール10は、可変的な支持構造500を介して様々な形状の冷却パイプ400に対して支持可能であるので、簡単に製作可能であり、しかも、コストが節減されるという効果がある。
【0048】
図2及び図3を参照すると、支持構造500は、複数の収容溝310にそれぞれ結合されるように突出部511(図6及び図7参照)が形成された複数の支持ブロック510(510a、510b、…)を含む。
【0049】
支持ブロック510(510a、510b、…)は、様々な形状を有することができる。例えば、図3及び図6に示されるように、支持ブロック510aは、四角い形状に形成されてカバー300の内側の中心部と中心部の近くに配置されてもよい。ここで、支持ブロック510aの角隅部には、丸みが付けられていてもよい。
【0050】
また、例えば、図3及び図7を参照すると、支持ブロック510bは、支持ブロック510aよりも小さな大きさを有するように設けられて、カバー300の周縁部に配置されてもよい。
【0051】
但し、支持ブロック510の大きさ及び形状は、図6及び図7に何ら限定されるものではなく、より種々であり得る。
【0052】
複数の収容溝310は、カバー300に形成される。ここで、複数の収容溝310がカバー300に形成される方式は種々であり得る。例えば、カバー300に凹刻状(intaglio shape)に収容溝310が形成されるように設けられてもよい。
【0053】
あるいは、図3に示されるように、カバー300にエンボス状(embossed)の複数の突起部320を形成し、複数の突起部320の間に収容溝310が形成されるように設けられてもよい。
【0054】
さらに、複数の収容溝310は、予め設定された形状に並べられてもよい。例えば、図3のように、複数の収容溝310は、等間隔の横溝と縦溝とが直交するように並べられてもよい。但し、複数の収容溝310の並べ方がこれに限定されることはない。
【0055】
さらにまた、複数の支持ブロック510には、図6及び図7に示されるように、突出部511が形成され、突出部511が複数の収容溝310にそれぞれ結合されるように設けられてもよい。すなわち、収容溝310の形状に対応する形状の突出部511が支持ブロック510のそれぞれに形成されて支持ブロック510の突出部511が収容溝310に嵌入する。
【0056】
図6及び図7を参照すると、支持ブロック510の突出部511は、様々な形状を有することができる。すなわち、図6に示されるように、互いに直交する直線状の突出部511が形成されてもよく、図7に示されるように、1本の直線状の突出部511が形成されてもよい。
【0057】
但し、突出部511の形状はこれに何ら限定されるものではなく、より様々な形状の突出部511が設けられ得る。
【0058】
図4を参照すると、複数の支持ブロック510(510a、510b、…)は、複数の収容溝310の少なくとも一部に結合されて流路パス600を形成する。なお、図3を参照すると、冷却パイプ400が流路パス600に嵌入する。
【0059】
ここで、冷却パイプ400が流路パス600に嵌入すれば、複数の支持ブロック510(510a、510b、…)が冷却パイプ400に接触して冷却パイプ400を支持する。
【0060】
すなわち、複数の収容溝310に結合される複数の支持ブロック510a、510bの数と位置に応じて、流路パス600は可変的に設けられ得るため、様々な形状の冷却パイプ400に対して流路パス600の形状を変形することができる。
【0061】
また、冷却パイプ400を流路パス600に嵌入させて複数の支持ブロック510(510a、510b、…)により支持されるように設けられてもよい。
【0062】
例えば、図3に示されるような形状の冷却パイプ400が複数の支持ブロック510により支持されてもよく、あるいは、図5でのように、形状が変形された冷却パイプ400もまた配列が変更された複数の支持ブロック510により支持されてもよい。
【0063】
以下、添付図面に基づいて、本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュール10の作用及び効果について説明する。
【0064】
本発明のバッテリーモジュール10に配備された複数のバッテリーセル100は、様々な方式によりケース200に配置され得る。この場合、発熱部分が異なってくることがあるが、発熱部分の変更に伴い、これを冷却させるための冷却パイプ400の形状もまた変更されなければならない。
【0065】
また、図3及び図5に示されるように、冷却パイプ400の形状が変更されると、冷却パイプ400を支持するための支持構造500もまた変更されなければならない。本発明の第1実施形態によるバッテリーモジュール10の場合、支持構造500が可変的に設けられる。
【0066】
支持構造500には、様々な形状の複数の支持ブロック510(510a、510b、…)が配備され、複数の支持ブロック510(510a、510b、…)が複数の収容溝310に結合されて冷却パイプ400が嵌入可能な流路パス600を形成する。
【0067】
ここで、複数の支持ブロック510の数と位置に応じて、流路パス600は、様々な形状を有することができるため、流路パス600に嵌入する冷却パイプ400の形状が変わっても、複数の支持ブロック510(510a、510b、…)が様々な形状の冷却パイプ400を支持することができる。
【0068】
図8は、本発明の第2実施形態によるバッテリーモジュールに配備された電装部材の分解斜視図である。
【0069】
以下、バッテリーモジュール10に配備された電装部材700の冷却について説明するが、前述した第1実施形態におけるバッテリーセル100の冷却方式と共通する部分についての説明は、前述した説明に置き換える。
【0070】
図8を参照すると、電装部材700とは、例えば、リレーとバスバーなどといったように、電気に関わる電装品730が配備された部材のことを意味し、電気により熱が生じる。したがって、電装部材700もまた冷却が必要である。
【0071】
複数のバッテリーセル100と、複数のバッテリーセル100が収容されるケース200についての説明は、前述した第1実施形態の説明に置き換える。但し、第2実施形態において、バッテリーセル100を冷却する構造は、前述した第1実施形態と同じであってもよく、あるいは、前述した第1実施形態とは異なる方式によりバッテリーセル100を冷却するように設けられてもよい。
【0072】
電装部材700は、ケース200の様々な部分に結合される。例えば、電装部材700は、図1に示されるように、ケース200の外部の側面に結合されてもよい。なお、電装部材700は、図示はしないが、ケース200の内部に結合されてもよい。
【0073】
電装部材700は、電装ケース710と、電装カバー720とを含んでなり得る。電装ケース710には各種の電装品730が収容され、これにより、電装品730が外部の衝撃から保護される。なお、電装カバー720は、電装ケース710に結合される。
【0074】
電装カバー720には、複数の支持ブロック751が結合される複数の収容溝721が形成される。複数の収容溝721の詳細については後述する。
【0075】
冷却パイプ740は、電装部材700を冷却させるように電装部材700に配置される。例えば、冷却パイプ740は、電装部材700に配備された電装品730を冷却させるように電装部材700の電装ケース710と電装カバー720との間に配置されてもよい。
【0076】
第2実施形態の冷却パイプ740は、電装部材700を冷却するという点で、バッテリーセル100を冷却する第1実施形態とは相違点がある。
【0077】
但し、第1実施形態において、冷却パイプ740が複数のバッテリーセル100の様々なレイアウトの形状に応じて様々な形状を有することと同様に、第2実施形態において、冷却パイプ740は、電装部材700に配備された電装品730のレイアウトの形状に応じて様々な形状を有することができる。
【0078】
すなわち、第1実施形態において、冷却パイプ740は複数のバッテリーセル100を冷却し、第2実施形態において、冷却パイプ740は電装部材700に配備された電装品730を冷却するという点で相違点があるが、すなわち、冷却の対象において相違点があるが、その他の基本的な構成は共通している。
【0079】
支持構造750は、冷却パイプ740を支持し、冷却パイプ740の形状に対応するように可変的に設けられる。第2実施形態における支持構造750は、第1実施形態における支持構造750とは、その構成からみて基本的に共通している。
【0080】
支持構造750は、複数の収容溝721にそれぞれ結合されるように突出部755(図6及び図7参照)が形成された複数の支持ブロック751を含む。ここで、複数の収容溝721と複数の支持ブロック751、例えば、支持ブロック751a及び支持ブロック751bと、突出部755についての詳しい説明は、第1実施形態の支持ブロック510a及び支持ブロック510bと、突出部511についての説明と共通しているため、第1実施形態の説明に置き換える。
【0081】
すなわち、複数の支持ブロック751と複数の収容溝721とが結合されて流路パス760を形成し、冷却パイプ740は流路パス760に嵌入し、複数の支持ブロック751が冷却パイプ740に接触して冷却パイプ740を支持し、このとき、複数の支持ブロック751の数と位置に応じて流路パス760が可変的に設けられるという構成は、第1実施形態と共通している。
【0082】
一方、本発明の一実施形態によるバッテリーパック(図示せず)は、前述したような本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール10を1つ以上含んでいてもよい。また、前記バッテリーパック(図示せず)には、このようなバッテリーモジュール10の他に、このようなバッテリーモジュール10を収容するためのハウジング、バッテリーモジュール10の充放電を制御するための各種の装置、たとえば、バッテリー管理システム(BMS:Battery Management System)、電流センサー、ヒューズなどがさらに含まれ得る。
【0083】
一方、本発明の一実施形態による自動車(図示せず)は、前述したバッテリーモジュール10またはバッテリーパック(図示せず)を含んでいてもよく、前記バッテリーパック(図示せず)には、前記バッテリーモジュール10が含まれ得る。なお、本発明の一実施形態によるバッテリーモジュール10は、前記自動車(図示せず)、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などのように電気を使うように設けられる所定の自動車(図示せず)に適用可能である。
【0084】
以上、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、バッテリーモジュール、これを含むバッテリーパック及び自動車に関するものであって、特に、二次電池に関わる産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0086】
10 バッテリーモジュール
100 バッテリーセル
200 ケース
300 カバー
400、740 冷却パイプ
500、750 支持構造
700 電装部材
710 電装ケース(電装部材)
720 電装カバー(電装部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】