(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】リール式クロージャー装置
(51)【国際特許分類】
A43C 11/00 20060101AFI20231213BHJP
A43B 5/04 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
A43C11/00
A43B5/04 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534081
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-02
(86)【国際出願番号】 US2021061861
(87)【国際公開番号】W WO2022120205
(87)【国際公開日】2022-06-09
(32)【優先日】2020-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512279729
【氏名又は名称】ボア テクノロジー,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100137969
【氏名又は名称】岡部 憲昭
(74)【代理人】
【識別番号】100104824
【氏名又は名称】穐場 仁
(72)【発明者】
【氏名】ポラック,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】クラウス,ランドン
(72)【発明者】
【氏名】アーウィン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ヒップウッド,ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】クレメンティ,マーク
(72)【発明者】
【氏名】ホスケンス,ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】スオミ,エリック
(72)【発明者】
【氏名】コルベット,チャールズ クレイ
(72)【発明者】
【氏名】グロセリ,ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェッソン,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ホエーウェル,エリック
(72)【発明者】
【氏名】ゲイ,ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ディタロ,テイラー ジェームス
(72)【発明者】
【氏名】ヘンダーソン,コーディー
(72)【発明者】
【氏名】スワンソン,エリック アンダース
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BE01
4F050BE25
(57)【要約】
スキーブーツなどのブーツは、足を収容するように構成された下部またはシェルと、下部から上向きに延び、着用者の下腿を収容するように構成された上部またはカフを含み得る。ブーツは、足の周りの下部を閉じる、および締め付けるためにブーツの下部と結合された締め付けシステムも含み得る。締め付けシステムは、リール式クロージャー装置の動作が引張部材の張力をもたらすように、リール式クロージャー装置と、リール式クロージャー装置と動作可能に結合された引張部材を含む。締め付けシステムは、経路に沿って引張部材を案内し、または導く複数のガイド部材と、引張部材と固定的に結合される端子部材も含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性外部シェルであって、
スキーバインディングと結合するように構成され、足を収容するように構成されている、下部シェルと、
前記下部シェルとピボット結合され、下腿を収容するように構成されている、上部カフとを備える、剛性外部シェルと、
前記下部シェルと結合された締め付けシステムであって、
前記上部カフに隣接して前記下部シェルと結合された単一のリール式クロージャー装置と、
前記リール式クロージャー装置の動作が前記引張部材の締め付けをもたらすように、前記リール式クロージャー装置と動作可能に結合された引張部材と、
前記下部シェルの開口部の第1の側面に配置された第1のガイドと、
前記下部シェルの前記開口部の第2の側面に配置された第2のガイドと、
靴のつま先に隣接して前記下部シェルに結合される端子部材であって、
前記第1のガイドおよび前記第2のガイドが、前記開口部を横切って前記下部シェルの周りの経路に沿って前記引張部材を端子部材へ案内し、または導き、
前記引張部材の遠位端が、前記端子部材と固定的に結合される、端子部材とを含む、締め付けシステムと、
を備える、スキーブーツ。
【請求項2】
前記第1のガイドは、横方向の幅よりも実質的に大きい長手方向の長さを有する長いガイドであり、前記長いガイドは、前記下部シェルのソール付近で前記下部シェルに取り付けられる近位端と、前記開口部の近くに配置され、前記引張部材と係合する遠位端とを有する、請求項1に記載のスキーブーツ。
【請求項3】
前記第2のガイドは、前記長いガイドの前記長手方向の長さよりも実質的に短い長手方向の長さを有する短いガイドである、請求項2に記載のスキーブーツ。
【請求項4】
前記締め付けシステムは、前記下部シェルの開口部の前記第1の側面に配置される第3のガイドをさらに備え、前記第3のガイドは、前記第1のガイドと同様の構成を有する長いガイドであり、前記第1のガイド、前記第2のガイド、および前記第3のガイドは、前記第2のガイドが前記第1のガイドと前記第3のガイドとの間に、前記経路に沿って配置されるように、前記下部シェルの周りに配置される、請求項3に記載のスキーブーツ。
【請求項5】
前記リール式クロージャー装置のハウジングは、前記引張部材用の単一の入口または開口部を含む、請求項1に記載のスキーブーツ。
【請求項6】
前記リール式クロージャー装置は、バネ部材を介して、前記スキーブーツに固定されたベース部材と取り外し可能に結合できるハウジングを備える、請求項1に記載のスキーブーツ。
【請求項7】
前記リール式クロージャー装置は、入力トルクまたは力を増幅する歯車機構を含み、前記リール式クロージャー装置は、第1の動作に基づいて前記引張部材を段階的に緩め、第2の動作に基づいて前記引張部材を完全に緩めるように構成される、請求項1に記載のスキーブーツ。
【請求項8】
前記端子部材は、前記引張部材と係合し、前記引張部材と係合解除するように構成されたロック部品を含み、前記引張部材と係合すると、前記ロック部品は、前記引張部材を前記端子部材に固定的に結合し、前記引張部材から係合解除すると、前記ロック部品は、前記引張部材を前記端子部材から取り外すことを可能にする、請求項1に記載のスキーブーツ。
【請求項9】
前記端子部材は、前記引張部材が前記ロック部品と結合されるとき、前記引張部材が結合ボルトのスルーホールを包み込むチャネル内に配置されるように構成される、請求項8に記載のスキーブーツ。
【請求項10】
物品の周りの引張部材を案内し、または導くための長いガイドであって、
横方向の幅と、
前記横方向の幅よりも実質的に大きい長手方向の長さと、
本体の遠位端に形成され、前記引張部材がチャネルを通って挿入可能であるような形および大きさになっているチャネルと、を有する、本体
を備える、長いガイド。
【請求項11】
前記本体と結合し、補強部材が、前記本体の前記遠位端に形成された前記チャネルを支持または補強する前記補強部材をさらに備える、請求項10に記載の長いガイド。
【請求項12】
前記補強部材が、前記本体の近位端から前記本体の前記遠位端に形成された前記チャネルまで延びている、請求項11に記載の長いガイド。
【請求項13】
前記チャネルが、前記補強部材のループ状の端部内に配置されたガイドセグメントに形成され、前記ガイドセグメントが、前記引張部材にアクセスできるように、前記本体の反対側の間に延びている、請求項11に記載の長いガイド。
【請求項14】
引張部材に張力をかけるためのリール式クロージャー装置であって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に回転可能に配置されたスプールと、
ダイヤルまたはノブの回転が、締め付け方向への前記スプールの回転をもたらし、それによって前記引張部材を前記スプールの周りに巻き付けるように、前記スプールと動作可能に結合されたダイヤルまたはノブと、
を備える、リール式クロージャー装置。
【請求項15】
前記ハウジングは、バネ部材を介して、物品に固定することができるベース部材と取り外し可能に結合できる、請求項14に記載のリール式クロージャー装置。
【請求項16】
前記リール式クロージャー装置は、前記ダイヤルまたはノブの入力トルクまたは力を増幅させる歯車機構を含み、前記リール式クロージャー装置は、前記ダイヤルまたはノブの第1の動作に基づいて、前記引張部材を段階的に緩め、前記ダイヤルまたはノブの第2の動作に基づいて、前記引張部材を完全に緩めるように構成される、請求項14に記載のリール式クロージャー装置。
【請求項17】
前記ハウジングは、前記引張部材用のレースポートを1つだけ含む、請求項14に記載のリール式クロージャー装置。
【請求項18】
足を収容するように構成された下部と、
前記下部から上向きに延び、下腿を収容するように構成された上部と、
前記下部と結合された締め付けシステムであって、
リール式クロージャー装置と、
前記リール式クロージャー装置の動作が前記引張部材の張力をもたらすように、前記リール式クロージャー装置と動作可能に結合された引張部材と、
前記引張部材を経路に沿って案内し、または導く複数のガイド部材と、
前記引張部材の遠位端が端子部材と固定的に結合される、端子部材と、を有する、締め付けシステム
を備える、ブーツ。
【請求項19】
前記複数のガイド部材は、前記ブーツの第1の側面に配置される第1のガイドおよび第3のガイドと、前記第1の側面と反対側の前記ブーツの第2の側面に配置される第2のガイドとを備え、前記第1のガイドおよび前記第3のガイドは、それぞれ、前記第2のガイドの長手方向の長さよりも大きい長手方向の長さを有し、前記第2のガイドが前記経路に沿って前記第1のガイドと前記第3のガイドとの間に配置されるように、前記第1のガイド、前記第2のガイド、及び前記第3のガイドが、前記ブーツの周りに配置される、請求項18に記載のブーツ。
【請求項20】
前記第2のガイドが、前記引張部材がその中に取り外し可能に配置される開口チャネルを含む、請求項19に記載のブーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
【0002】
[0001] 本出願は、2020年12月4日に出願された「リール式クロージャー装置」と題された米国仮特許出願番号63/121,732に対する優先権を主張し、その開示全体が、本明細書に完全に記載されているかのように、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
[0002] アルペンスキー、ノルディックスキーおよびテレマークスキーを含むスノースキーは、世界中で人気のある冬のレクリエーション活動またはスポーツである。スキーで使用される機器には、ブーツ、スキー、ブーツをスキーに取り付けるビンディングが含まれる。アルペンスキーブーツなどのスキーブーツは、通常、さまざまな硬質ポリマーなどの剛性材料で作られた外部シェルを有する。外部シェルは、採用されている硬質ポリマー材料のために、ユーザの脚と足の周りを閉じるのが難しいことがよくある。また、スキーブーツは剛性材料が採用されているため、快適な履き心地を実現するのが難しい場合も多い。スキーブーツでは、快適さとフィットの適切なバランスが望まれるが、剛性材料の使用や、その他の設計上の制約により、達成するのが難しい場合がある。スキーブーツを閉じるために採用された従来のクロージャー装置は、スキーブーツを比較的大きな増分または工程で締め付けることが多く、フィットと快適さの適切なバランスを達成する上である程度の複雑さをもたらし得る。本明細書に記載されているのは、スキーブーツ、他のブーツ、またはフットウェアを迅速かつ容易に閉じることを可能にする部品、システム、およびデバイスである。部品、システム、およびデバイスは、フットウェアを着用者の足の周りを締め付ける際に、快適さとフィットのバランスを取る。部品、システム、およびデバイスは、様々な他の非フットウェア関連の物を閉じるおよび締め付けるためにも使用され得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0003] 本明細書に記載されているのは、スキーブーツ、他のブーツ、またはフットウェアを迅速かつ容易に閉じることを可能にする部品、システム、およびデバイスである。部品、システム、およびデバイスは、フットウェアを着用者の足の周りに締め付ける際に、快適さとフィットのバランスを取る。部品、システム、およびデバイスは、様々な他の非フットウェア関連の物を閉じる、および締め付けるためにも使用され得る。
【0005】
[0004] 一態様にしたがって、スキーブーツは、下部シェルおよび上部カフを有する硬質外部シェルを含む。下部シェルは、スキービンディングと結合し、着用者の足を収容するように構成される。上部カフは下部シェルとピボット結合され、着用者の下腿を収容するように構成される。締め付けシステムは下部シェルと結合される。締め付けシステムは、上部カフに隣接して下部シェルと結合されたリール式クロージャー装置を含む。締め付けシステムは、下部シェルに取り付けられた唯一の締め付け装置であってもよい。換言すると、下部シェルは、着用者の足の周りで下部シェルを閉じる、および締め付ける他の締め付け装置を含まなくてもよい。
【0006】
[0005] 引張部材は、リール式クロージャー装置と動作可能に結合され、リール式クロージャー装置の動作が引張部材の締め付けをもたらし、それにより、着用者の足の周りの下部シェルを閉じるおよび締め付ける。第1のガイドは、下部シェルの開口部の第1の側面に配置され、第2のガイドは、下部シェルの開口部の第2の側面に配置される。端子部材は、靴のつま先に隣接して下部シェルと結合される。第1のガイドおよび第2のガイドは、開口部を横切る下部シェルに関する経路に沿って、引張部材を端子部材へ案内または導く。引張部材の遠位端は端子部材と固定的に結合され、これにより、引張部材をスキーブーツに固定することができる。
【0007】
[0006] 第1のガイドは、ガイドの横方向の幅よりも実質的に大きい長手方向の長さを有する長いガイドであってもよい。長いガイドの近位端は、下部シェルのソール近くの下部シェルに取り付けられてもよく、長いガイドの遠位端は開口部の近くに配置される。長いガイドの遠位端は、引張部材と係合し得る。第2のガイドは、長いガイドの長手方向の長さよりも実質的に短い長手方向の長さを有する短いガイドであってもよい。そのような配置において、締め付けシステムは、下部シェルの開口部の第1の側面に配置される第3のガイドも含み得る。第3のガイドはまた、長いガイドであってもよく、第1のガイドと同様の構成を有することができる。第2のガイドが経路に沿って第1のガイドと第3のガイドとの間に位置するように、第1のガイド、第2のガイド、および第3のガイドは下部シェルの周りに配置されてもよい。
【0008】
[0007] リール式クロージャー装置のハウジングは、引張部材用の単一の入口または開口部を含んでもよい。換言すると、ハウジングは、引張部材用の単一の入口/開口部以外の他の入口または開口部を含まなくてもよい。リール式クロージャー装置のハウジングは、バネ部材を介して、スキーブーツに固定されたベース部材に取り外し可能に結合され得る。リール式クロージャー装置は、入力トルクまたは力を増幅する歯車機構を含み得る。リール式クロージャー装置はまた、リール式クロージャー装置の第1の動作に基づいて引張部材を段階的に緩め、リール式クロージャー装置の第2の動作に基づいて引張部材を完全に緩めるように構成されてもよい。リール式クロージャー装置の第2の動作は、典型的には、リール式クロージャー装置の第1の動作とは異なる。
【0009】
[0008] 端子部材は、引張部材と係合し、引張部材と係合解除するように構成されたロック部品を含む。ロック部品が引張部材と係合すると、ロック部品は引張部材を端子部材に固定的に結合する。ロック部品が引張部材から係合解除されると、ロック部品は、引張部材を端子部材から取り外すことができる。端子部材は、引張部材がロック部品と結合されるとき、端子部材をスキーブーツに固定する結合ボルトのスルーホールを包み込むチャネル内に引張部材が配置されるように構成されてもよい。
【0010】
[0009] 別の態様にしたがって、物品の周りの引張部材を案内し、または導くための長いガイドは、横幅を有する本体と、横幅よりも実質的に大きい長手方向の長さと、本体の遠位端に形成されるチャネルを含む。チャネルは、引張部材がチャネルを通って挿入可能であるような形および大きさになっている。長いガイドは、本体と結合された補強部材も含む。補強部材は、本体の遠位端に形成されたチャネルを支持または補強する。補強部材は、本体の近位端から本体の遠位端に形成されたチャネルまで延びてもよい。チャネルは、補強部材のループ状の端部内に配置されたガイドセグメント内に形成されてもよい。ガイドセグメントは、引張部材にアクセス可能であるように本体の対向する側面の間に延びてもよい。
【0011】
[0010] 別の態様にしたがって、引張部材に張力をかけるためのリール式クロージャー装置は、ハウジングと、ハウジング内に回転可能に配置されるスプールと、ダイヤルまたはノブの回転が締め付け方向へのスプールの回転をもたらし、それによって引張部材をスプールの周りに巻き付けるようにスプールと動作可能に結合されたダイヤルまたはノブを含む。ハウジングは、バネ部材を介して、物品に固定可能なベース部材と取り外し可能に結合可能であってもよい。リール式クロージャー装置は、ダイヤルまたはノブの入力トルクまたは力を増幅する歯車機構を含んでもよく、および/または、リール式クロージャー装置は、ダイヤル/ノブの第1の動作に基づいて引張部材を段階的に緩め、ダイヤル/ノブの第2の動作に基づいて引張部材を完全に緩めるように構成されてもよい。ハウジングは、引張部材用のレースポートまたは開口部を1つだけ含んでもよい。
【0012】
[0011] 別の態様にしたがって、ブーツは、足を収容するように構成された下部と、下部から上向きに延びて下腿を収容するように構成された上部を含む。ブーツは、下部と結合される締め付けシステムも含む。締め付けシステムは、リール式クロージャー装置と、リール式クロージャー装置の動作が引張部材の張力をもたらすように、リール式クロージャー装置と動作可能に結合される引張部材を含む。締め付けシステムは、経路に沿って引張部材を案内し、または導く複数のガイド部材と、引張部材の遠位端と固定的に結合された端子部材も含む。
【0013】
[0012] 複数のガイド部材は、ブーツの第1の側面に配置された第1のガイドおよび第3のガイドと、第1の側面と反対側のブーツの第2の側面に配置された第2のガイドとを含み得る。第1のガイドおよび第3のガイドは、それぞれ、第2のガイドの長手方向の長さよりも大きい長手方向の長さを有してもよい。第1のガイド、第2のガイド、および第3のガイドは、第2のガイドが経路に沿って第1のガイドと第3のガイドの間に配置されるように、ブーツの周りに配列されてもよい。第2のガイドは、引張部材が取り外し可能に配置される開口チャネルを含み得る。
【0014】
[0013] 本発明は、添付図面とともに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】リール式クロージャー装置の組み立て斜視図を示す。
【
図2】
図1のリール式クロージャー装置の分解斜視図を示す。
【
図3A】
図1のリール式クロージャー装置の断面分解図を示す。
【
図3B】
図1のリール式クロージャー装置の断面分解図を示す。
【
図4A】
図1のリール式クロージャー装置の断面組み立て図を示す。
【
図4B】
図1のリール式クロージャー装置の断面組み立て図を示す。
【
図5A】
図1のリール式クロージャー装置の断面組み立て図を示す。
【
図5B】
図1のリール式クロージャー装置の断面組み立て図を示す。
【
図6A】
図1のリール式クロージャー装置の様々な部品、より具体的には、様々な部品間の相対的な動きを示す。
【
図6B】
図1のリール式クロージャー装置の様々な部品、より具体的には、様々な部品間の相対的な動きを示す。
【
図6C】
図1のリール式クロージャー装置のハウジング内に配置されたクラッチプレートを示す。
【
図7】
図1のリール式クロージャー装置の歯車機構を示す。
【
図8】
図1のリール式クロージャー装置のハウジングおよびベース部材を示す。
【
図9A】
図8のハウジングとベース部材との取り付けを示す。
【
図9B】
図8のハウジングとベース部材との取り付けを示す。
【
図9C】
図8のハウジングとベース部材との取り付けを示す。
【
図9D】
図8のハウジングとベース部材との取り付けを示す。
【
図10A】
図1のリール式クロージャー装置のベース部材および結合部品を示す。
【
図10B】
図1のリール式クロージャー装置のベース部材および結合部品を示す。
【
図10C】
図1のリール式クロージャー装置のハウジングおよびスプールの上面断面図を示す。
【
図11A】スプールの回転の制御において、
図1のリール式クロージャー装置の様々な部品の機能を示す。
【
図11B】スプールの回転の制御において、
図1のリール式クロージャー装置の様々な部品の機能を示す。
【
図12】
図1のリール式クロージャー装置を有するスキーブーツを示す。
【
図13】
図12のスキーブーツ上で採用され得るレース経路およびガイド構成を示す。
【0016】
[0030] 添付の図において、類似部品および/または特徴は、同じ参照番号を有し得る。さらに、同タイプの様々な部品は、類似部品および/または特徴を区別する文字を参照番号の後に付けることによって区別され得る。はじめの参照番号のみが本明細書において使用されるならば、その記載は、接尾文字にかかわらず、同じはじめの参照番号を有する類似部品および/または特徴のいずれか1つに適用可能である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[0031] 後続の説明は、例示的な実施形態のみを提供し、開示の範囲、適用性または構成を限定することを意図しない。むしろ、例示的な実施形態の後続の説明は、当業者に1つまたは複数の例示的な実施形態を実施するための有効な説明を提供するであろう。添付の特許請求の範囲に記載される本発明の精神および範囲から逸脱することなく、要素の機能および配置において様々な変更がなされ得ることが理解されよう。
【0018】
[0032] 本明細書における実施形態は、物品を閉じる、および締め付けるために使用可能なリール式クロージャー装置について説明する。リール式クロージャー装置は、相当量のレース張力が必要な物品を閉じる、および締め付けることにおいて特に有用であり得る。例えば、アルペンまたはスキーブーツ(以下、スキーブーツ)は、通常、ユーザの足の周りで締め付けるために相当な閉鎖力を必要とする硬質プラスチック材料で作られている。従来のリール式クロージャー装置および他の装置は、リール式クロージャー装置が必要なトルクを出力するように設計されておらず、ユーザの足の周りのスキーブーツを締め付けるのに適していない可能性がある。さらに、スキーブーツで使用される引張部材またはレースは、必要とされる張力を処理するように設計されていない可能性がある。
【0019】
[0033] 本明細書に説明されるリール式クロージャー装置は、高いトルク出力をより良好に達成することができ、より高い張力負荷に耐えるように設計された引張部材またはレースと対になってもよい。このように、リール式クロージャー装置は、大きな閉鎖力を必要とする物品の閉鎖と締め付けに適している。スキーブーツの締め付けに加えて、リール式クロージャー装置は、スノーボードブーツ、ミリタリーブーツ、靴、箱、バッグなど、様々な他の物品を閉じる、および締め付けるためにも採用され得る。また、リール式クロージャー装置は、高いレベルの閉鎖力を必要としない様々な物品を閉じる、および締め付けるためにも使用されてよい。そのような場合、リール式クロージャー装置は、修正されずに使用されてもよく、リール式クロージャー装置の1つまたは複数の部品が、別の用途で使用可能にするために修正または変更されてもよい。本明細書の実施形態の説明を容易にするために、リール式クロージャー装置は、一般に、スキーブーツを閉じる、および/または締め付けるために使用されるものとして説明されるが、この説明は様々な他の物品にも同様に適用可能であることが認識されよう。
【0020】
[0034] リール式クロージャー装置は、典型的には、シェルなどのスキーブーツの外側に取り付けられ、ユーザの脚および/または足の周りでスキーブーツの外側を締め付けるために使用される。リール式クロージャー装置は、1つまたは複数のガイド部材を介してスキーブーツの周りに誘導されるレースまたは引張部材に張力をかけるように構成され、これは、本明細書に記載されるようなプラスチックまたは他の材料でできている剛性部品であってもよい。他の実施形態において、1つまたは複数のガイド部材は、布材料などの可撓性または軟質部品で作られてもよい。
【0021】
[0035] リール式クロージャー装置は、典型的には、ユーザによって把持および回転され得るノブまたはダイヤルを含む。ノブまたはダイヤルは、一般に、締め付け方向へのノブまたはダイヤルの回転に応答して引張部材またはレースが巻かれるスプールと結合される。リール式クロージャー装置は、典型的には、使用者により把持、回転され得るノブまたはダイヤルを含む。ノブまたはダイヤルは、一般に、ノブまたはダイヤルの締め付け方向への回転に応答して引張部材またはレースが巻かれるスプールと結合される。スプールの周りの引張部材またはレースの回転により、引張部材またはレースが緊張し、シェルおよびユーザの足の周りの内部部品(すなわち、ライナーなど)を収縮させることによって、ユーザの足の周りのスキーブーツを締め付ける。
【0022】
[0036] リール式クロージャー装置は、ユーザの足の周りでスキーブーツを締め付けるためにスキーブーツに現在使用されている、従来のバックルおよび/または他の締め付けシステムに取って代わり得る。いくつかの実施形態において、リール式クロージャー装置は、従来のバックルまたは他の締め付けシステムと組み合わせて使用され得る。同様に、スキーブーツは、スキーブーツの異なる領域または部分を閉じる、および締め付けるように配置された複数のリール式クロージャー装置を含み得る。
【0023】
[0037] リール式クロージャー装置は、従来のバックルおよび/または他の締め付けシステムよりも動作が著しく容易である。そのため、ユーザは、スキーブーツを締め付ける際にリール式クロージャー装置を使用することを好み得る。また、リール式クロージャー装置は、従来のバックルおよび/または他の締め付けシステムと比較して、スキーブーツの段階的な締め付けおよび緩みを提供し得る。例えば、従来のバックルおよび/またはその他の締め付けシステムには、スキーブーツの締め付けに使用される限られた数の締め付けセグメント(歯、ステップ、ラックなど)が含まれることがよくある。例えば、従来のバックルは、スキーブーツを締め付けるため、係合ピンがその内部に配置されているラックに5~10本の歯を採用することがよくある。係合ピンは、ラックに対して近位または遠位に移動され、足の周りのスキーブーツの締め付けを増減するために、近位または遠位の歯の内部に配置される。締め付けセグメント(歯など)の数が限られていることで、スキーブーツがより大きな量や度数で締め付けられたり、緩められたりするため、所望のフィットを達成することが困難であり得る。
【0024】
[0038] 対照的に、リール式クロージャー装置は、著しく小さい増分量または度数だけスキーブーツを締め付けおよび/または緩めることが可能であり得る。例えば、締め付けをわずかに増やしたい場合、リール式クロージャー装置のノブは、引張部材内の張力をわずかに増加させるために、4分の1回転、8分の1回転、またはそれ以下で回転させてもよい。引張部材の張力がわずかに増加することで、通常、ユーザの足の周りのスキーブーツのきつさまたは締め付けがわずかに増加する。このようにスキーブーツの締め付けを段階的に調整することで、スキーブーツを所望のフィットに容易に達成することが可能であり得る。
【0025】
[0039]
図1は、リール式クロージャー装置100の組み立て斜視図を示す。
図2は、リール式クロージャー装置100の分解斜視図を示す。
図3A~
図11Bは、リール式クロージャー装置100の部品の様々な図を示す。本開示を通じて、リール式クロージャー装置100を例示する様々な図への参照がなされる。
【0026】
[0040]
図1は、リール式クロージャー装置100のハウジング202に取り付けるように設計されたベース部材またはバヨネット102を示す。ベース部材102は、機械的締結、接着剤による接合、成形、または任意の他の締結技術を用いてスキーブーツシェル(図示せず)に取り付けられるように設計される。具体的な実施形態において、ベース部材102は、ボルト、リベット、スクリュー、または他の機械的締め具がベース部材102をスキーブーツのシェルに取り付けることを可能にする1つまたは複数の開口部103(
図8を参照)を含み得る。ベース部材102は、3つの開口部103を含むものとして図示されているが、より多くのまたはより少ない開口部103が採用され得る。
【0027】
[0041] ベース部材102は、一般に、破損することなく外部物体からの衝撃に耐えるように設計された剛性材料である。具体的な実施形態において、ベース部材102は、ガラス繊維入りナイロンで作られてもよいが、様々な他の剛性材料が代替的に使用され得る。ベース部材102は、ハウジング202がベース部材102から取り外されるまたは取り除かれることを可能とする方法で、ハウジング202と結合するように設計される。ハウジング202をベース部材102に取り付ける様々な方法が採用され得るが、図示の実施形態において、ハウジング202をベース部材102に締結して結合するためにバネ部材が用いられる。バネ部材は、ハウジング202と物体の衝撃時に屈曲するように設計され、ハウジングがベース部材102から取り外されることを可能にし、それによって、ベース部材102および/またはハウジング202の破損を防止する。
【0028】
[0042] いくつかの実施形態において、バネ部材は、分割リングまたはcスプリング210であり得る。ベース部材102は、ハウジング202がベース部材102に取り付けられたときに、cスプリング210がその中に配置される凹みまたは溝を画定する1つまたは複数の弓形または湾曲した軸方向延長部材104(
図9A~Dを参照)を含む。ハウジング202は、同様に、cスプリング210を収容する溝260(
図3Bおよび8参照)を含む。ハウジング202の溝260は、cスプリング210が溝260内にしっかりと収まるような形および大きさになっている。溝260は、上部環状リップまたはリング262と、1つまたは複数の半径方向突出部材264によって画定される。
図8に示されるように、ハウジング202の1つまたは複数の半径方向突出部材264は、軸方向延長部材104の対向する対の間の開口部105内に挿入可能であるような形および大きさになっている。ベース部材102は、半径方向突出部材264の形状および大きさに対応する円周縁上の凹部108を含む。ハウジング202がベース部材102と結合されると、半径方向突出部材264が凹部108内に配置され、ベース部材102の溝をハウジング202の溝260と整列させることができる。図示の実施形態において、ハウジング202は3つの半径方向突出部材264を含み、ベース部材は3つの軸方向延長部材104を含むが、より多くのまたはより少ないそのような特徴が所望に応じて採用され得る。
【0029】
[0043] ハウジング202がベース部材102と結合されたとき、半径方向突出部材264および/または環状リップ262の遠位端がベース部材102の遠位端とほぼ一致するように、半径方向突出部材264および/または環状リップ262は、ハウジング202から半径方向外側に延びる。このようにして、ハウジング202およびベース部材102は、互いにシームレスに一体化して視覚的に見え得る。cスプリング210をハウジングにさらに固定するために、ハウジング202のレースポート266は、溝260の対向端上に配置される一対の円周方向に延びる開口部(図示せず)を含み得る。一対の円周方向に延びる開口部は、cスプリングの反対側の端が開口部内に配置され得る形および大きさになっている。
【0030】
[0044] cスプリング210は、ハウジング202がベース部材102に取り付けおよび取り外されることを可能にするために、半径方向に屈曲するように設計されている。例えば、
図9A■Bに示されるように、ハウジング202をベース部材102に取り付けるために、cスプリング210は、cスプリングの直径が広くなるように屈曲され、軸方向延長部材104の上およびベース部材102の溝内に嵌合することができる。cスプリングの直径を広げることで、同様に、ハウジング202の溝260内にcスプリング210を嵌合することができる。
【0031】
[0045] ハウジング202をベース部材102から取り外すことを可能にするために、軸方向延長部材104は、cスプリング210が溝から撓み得るよう設計される。具体的には、軸方向延長部材104の上端部106の直径が軸方向延長部材の溝の直径よりも大きくなるように、軸方向延長部材104は上端部106付近で湾曲している。軸方向延長部材104のより大きな直径の上端部106は、cスプリング210を溝内に固定するのに役立ち、一方、湾曲したまたは弓形の設計により、cスプリング210を溝から容易に屈曲させることができる。ハウジング202が物体に当たったときや、ハウジング取り外し工具の適用時など、ハウジング202に上向きの力が加わると、cスプリング210はベース部材の溝内で上向きに押し上げられる。
図9C~Dに示されるように、軸方向延長部材104の湾曲した内面は傾斜路として機能し、cスプリング210およびハウジング202がベース部材102に対して軸方向上向きに移動する際に、cスプリング210を半径方向外側に屈曲させる。力が十分に強い場合、cスプリング210は十分に屈曲し、
図9Dに示されるように溝から出て、ハウジング202をベース部材102から取り外し、ハウジング202を上向きに移動させベース部材102と接触させないようにする。ハウジング202をベース部材102から解放、または取り外すのに必要とされる力は、軸方向延長部材104の内面の角度および/またはcスプリングの剛性を変更することで変化し得る。
【0032】
[0046] ハウジング202をベース部材102から取り外すために、ベース部材は、ハウジング取り外し工具で機能するように設計される。具体的には、ハウジング202は、レース出口部品160用の支持体109を含む。支持体109は、レース出口部品160を補強するために、レース出口部品160に従った形および大きさになっている。支持体109には半径方向延長溝107が形成されており、これにより、溝107に沿って小型のマイナスドライバなどのハウジング取り外し工具(図示せず)をハウジング202の下に挿入することができる。ハウジング取り外し工具を溝107内およびハウジング202の下に配置し、ハウジング202をベース部材102から取り外すため、ハウジング取り外し工具はハウジング202に上向きの力を加えてもよい。
【0033】
[0047]
図2に示されるように、結合部品または部材120は、ベース部材102とハウジング202との間に配置することができる。結合部品120は、ハウジング202の下端に取り付けるように設計されており、結合部品120の下端がベース部材102の内部領域内に配置可能な形および大きさになっている。
図10A~Bに示されるように、結合部品120の形状および大きさは、ハウジング202の下端の形および大きさに対応する。具体的には、結合部品120の下端は、ほぼ円形の形状であり、結合部品120がハウジング202の底端の円形開口部内に挿入可能な大きさになっている。結合部品120をハウジング202に取り付けるため、結合部品120は、ハウジング202の下端の前方にある対応するスロット205にスナップする上向き延長タブ128を含む。上向き延長タブ128は、対応するスロット205内の凹部にスナップまたはクリップする半径方向外側に延びるナブを含み、これは、結合部品120をハウジング202に固定する。結合部品120は、2つのタブ128を含むものとして図示されているが、所望に応じてより多くのまたはより少ないタブが採用され得る。結合部品の前面部分は、ハウジング202上の対応する特徴内に嵌合する半径方向に延びるナブを含む。ナブは、ハウジング202の周りの結合部品120の整列および固定を支援する。結合部品の下端は、ベース部材102内の開口部103に大きさおよび向きにおいて対応する1つまたは複数の開口部(ラベルなし)も含む。結合部品120内の開口部は、ベース部材102の開口部103内に挿入される機械的締め具(例えば、ボルト)上に結合部品を嵌合させることを可能にし、これにより、リール式クロージャー装置100の全体の高さが減少する。結合部品120は、1つまたは複数のレース開口部126も含み、これらは、本明細書に記載されるように引張部材とスプール130との結合を容易にするために、スプール130内のレースポート136と整列可能である。
【0034】
[0048] ボス125は、結合部品120の下端から軸方向上向きに延びている。結合部品がハウジング202に取り付けられると、ボス125はハウジング202の内部領域に軸方向上向きに突出する。ボス125は、隙間によって分離される一対のフィンガを含む。ボス125、より具体的には一対のフィンガは、ダイヤルコア230がハウジング202に対して軸方向に上下に移動することを可能にするように機能する。補強バネ122は、一対のフィンガの間の隙間に配置され、一対のフィンガを強化および補強するために用いられる。補強バネ122は、ダイヤルコア230がボス125の周りを軸方向に上下に移動する際に、一対のフィンガを弾力的に撓ませることを補助する。補強バネ122は、一対のフィンガを硬化させ、クロージャー装置100の長時間の使用によって一対のフィンガが塑性変形するのを防止し得る。補強バネ122は、一対のフィンガの内面に小さな突起と係合する開口部を含む。開口部と突起の係合により、補強バネ122の位置が一対のフィンガに対し固定、または保持される。
【0035】
[0049] 典型的に、ハウジングの開放下端内にスプール130を挿入することによって、 スプール130をハウジング202の下端内に配置することができる。スプール130は、結合部品120のボス125が挿入される中央開口部132を含む。スプール130は、ボス125の周りを時計回りおよび反時計回りの両方向に回転するように構成され、2つの部品間の摩擦係合は最小限に抑えられる。歯車機構(140、142)、駆動部品150、およびダイヤルコア230も、典型的には、ボス125の周りを時計回りおよび反時計回りに回転するように構成される。スプール130が締め付け方向(例えば時計回り)に回転するとき、スプール130は、引張部材(図示せず)がその中に巻かれるチャネル133を含む。引張部材は、同様に、スプール130が緩め方向(例えば反時計回り)に回転するとき、中央チャネル133の周りから巻き戻される。中央チャネル133は、引張部材の幅よりもわずかに大きい幅を有し、これにより、引張部材が「単一スタック」として中央チャネル133の周りに巻かれること、つまり、巻かれた引張部材がチャネル133内で単層を形成することが保証される。引張部材を単一スタックで巻くことは、引張部材が制御されていない方法でスプールに巻かれた場合に発生する可能性のある垂直方向の力を制限し、巻線プロセス中に引張部材がそれ自体を損傷するのを防ぐ。クロージャー装置100が生成することができる実質的な張力を考えると、制御されない方法でスプール130の周りに引張部材を巻き付けると、引張部材の過度のねじれおよび/または損傷を引き起こし得る。
【0036】
[0050] 上記で簡単に述べたように、ダイヤルコア230は、ハウジング202に対して軸方向に移動可能である。ハウジング202に対するダイヤルコア230の移動は、引張部材を完全に緩めることを可能にし、これは、スプール130が比較的自由な方法で緩め方向に回転できることを意味する。「完全に緩める」機能は、クロージャー装置100のいくつかの実施形態において省略され得るオプション機能である。引張部材を完全に緩めるために、クロージャー装置100は、ダイヤルコア230がスプール130と動作可能に結合されている係合状態または位置と、ダイヤルコア230がスプール130から動作上分離されている係合解除状態または位置との間で移動または遷移するように設計されている。2つの状態間の遷移は、ハウジング202に対するダイヤルコア230の軸方向の動きを介して達成される。ハウジング202に対するダイヤルコア230の軸方向の動きは、一般に、ノブ302上で軸方向上向きに引っ張ることによって達成される。しかしながら、他の実施形態において、ダイヤルコア230は、ノブ302の逆回転を介して、またはボタン(図示せず)、レバー機構(図示せず)、クランプ(図示せず)等の動作を介して軸方向上向きに移動され得る。このような実施形態において、ダイヤルコア230を軸方向上向きに移動させるため、ノブ302が緩め方向に回転するとき、またはボタン、レバー機構などが動作するときに、ノブ302およびダイヤルコア230は、ダイヤルコア230を軸方向上向きに移動するカム、傾斜または傾斜面、または別の機構を含み得る。
【0037】
[0051]
図4A~Bに示されるように、ボス125は、ダイヤルコア230と協働して、ダイヤルコア230を係合位置または係合解除位置のいずれかで支持および維持するように設計される。具体的には、ボス125の上端は、環状突起または部材124を介して、ダイヤルコア230および/またはノブ302を係合位置および係合解除位置に支持および維持する。一実施形態において、係合位置が
図4Aに示され、一方、係合解除位置が
図4Bに示される。係合位置において、ダイヤルコア230はクラッチプレート220と係合し、これにより、本明細書に記載されるように、これら2つの部品間で力の伝達が可能になる。係合解除位置において、ダイヤルコア230がクラッチプレート220から係合解除され、これにより、スプール130がハウジング202内で「フリーホイール」または緩め方向に自由に回転することが可能になる。同様に、係合解除位置において、1つまたは複数の爪240は、ハウジング202上に形成されているか、または他の方法で結合されている歯204から係合解除され得る。他の実施形態において、1つまたは複数の爪240は、係合解除位置において歯204と係合されたままの状態であり得る。
【0038】
[0052] 環状突起124は、ダイヤルコア230の中央開口部234の直径よりも大きい直径を有し、これにより、環状突起124は、ボス125の上端の周りのダイヤルコア230の上下移動を妨害し、妨げる。環状突起124は、ダイヤルコア230の軸方向の動きを妨げるが、ボスのフィンガは半径方向内側に変位または屈曲する機能を備えるため、環状突起124が、ダイヤルコア230の軸方向の動きを防止することはない。ダイヤルコア230が環状突起124の周りを軸方向に移動すると、一対のフィンガは互いに向かって内側に屈曲し、これにより、ダイヤルコア230の中央開口部234が環状突起124の周りおよび上方を軸方向に上向きまたは下向きに移動することができる。ダイヤルコア230が環状突起124の周りを軸方向上向きまたは下向きに移動した後、一対のフィンガは弾性的に外側に屈曲し、撓みのない構成を復旧する。動作中、ダイヤルコア230の中央開口部234は、環状突起124の上または下に配置され、ダイヤルコア230および/またはノブ302を係合位置または係合解除位置のいずれかで支持および維持する。補強バネ122は、ボス125の剛性を高め、環状突起124の周りをダイヤルコア230が繰り返し動くことによるボス125の疲労を軽減する。
【0039】
[0053] ノブ302とハウジング202とを軸方向に整列させ、ノブ302をハウジング202の環状フランジまたはリブ209の上にスナップすることによって、ノブ302がハウジング202に結合される。具体的には、ノブ302が押されてハウジングに対して軸方向下向きに移動するとき、ノブ302の内壁または表面は、ハウジング202の環状リブ209上にスナップする1つまたは複数の突起304または半径方向のリップを含む。ノブ302の突起304は、環状リブ209の外径よりも小さい内径を画定する。このように、ノブ302をハウジング202と結合する際には、ノブ302の内壁がある程度外側に屈曲しなければならず、および/またはハウジング202がある程度内側に屈曲して、ノブ302が軸方向下向きに移動し、ハウジング202上でスナップすることを可能にしなければならない。ノブ302が軸方向下向きに移動した後、突起304は、ハウジング202の環状リブ209の軸方向下方に配置される。突起304と環状リブ209との間の干渉に起因して、ノブ302を軸方向上向きへ移動させ、ハウジング202からノブ302を分離させることは、防止されるか、または著しく阻害される。ノブ302がハウジング202に対して上向きに押し出されるとき、環状リブ209および/または突起304が自然に外側に偏向しないような設計をすることで、ハウジング202からのノブ302の分離をさらに妨げられ得る。ダイヤルコア230、ノブ302、およびハウジング202の結合のさらなる詳細は、2016年1月8日に出願された「一体化されたクロージャー装置部品および方法」と題される米国特許出願第14/991,788号に提供され、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0040】
[0054] ハウジング202は、内壁に配置された環状リングまたはリップ206を含む。環状リング206は仕切りとして機能し、ハウジング202を上半分と下半分に分割する。環状リング206は、ハウジング202の下半分に配置されるいくつかの部品が、環状リング206の底面に接触して係合するように、また、ハウジング202の上半分に配置されるいくつかの部品が、環状リング206の上面に接触して係合するように構成される。ハウジング202の下半分に配置される部品は、結合部品120、スプール130、歯車機構(140、142)、および駆動部品150を含む。ハウジング202の上半分に配置される部品は、クラッチプレート220、ダイヤルコア230、1つまたは複数の爪240、および爪盤250を含む。環状リング206は、これらの部品がハウジング202の残りの半分に移動するのを阻止または妨害する。
【0041】
[0055] 歯車機構(140、142)は、スプール130と動作可能に結合される。歯車機構(140、142)は、クロージャー装置100の機械的利点を増大させ、これにより、クロージャー装置100のトルク出力が増加し、クロージャー装置100が生成することができる張力が増加する。歯車機構は、太陽歯車140、複数の遊星歯車142、リング歯車208を備える。リング歯車208は、環状リング206の下方のハウジング202の内壁に形成される歯を含んでもよく、またはリング歯車208は、ハウジング202の下半分と結合される別個の部品(例えば、圧入、キー付きなど)であってもよい。
図3Aおよび
図7に示されるように、太陽歯車140はスプール130と同軸に整列してスプール130の上に置かれ、一方、それぞれの遊星歯車142は、スプール130の上面から軸方向上向きに延びるボス134上に回転可能に配置される。太陽歯車140は遊星歯車142よりも軸方向に高いため、太陽歯車140の上部は、駆動部品150の下部内筒壁に形成されたスプライン歯154と嵌合する。スプライン歯154は、駆動部品150内に形成または配置される環状リングから軸方向下向きに延びる。
【0042】
[0056] ノブ302の回転により駆動部品150が締め付け方向に回転すると、太陽歯車140とスプライン歯154の嵌合により、駆動部品150は太陽歯車140に回転力を伝達し、これにより、太陽歯車140を締め付け方向に回転させる。同様に、太陽歯車140が回転することで、遊星歯車142がスプールのボス134の周りで回転し、遊星歯車142とリング歯車208との係合により、遊星歯車142がハウジング202内の締め付け方向に移動する。遊星歯車142とスプールのボス134との係合に起因して、遊星歯車142の締め付け方向への移動が、スプール130の締め付け方向への回転をもたらす。
【0043】
[0057] いくつかの実施形態において、歯車機構(140、142)は省略されてもよい。このような実施形態において、駆動部品150は、回転力をスプール130に伝達するために、スプール130と直接インターフェースし得る。クロージャー装置100の最終用途が実質的な張力およびトルク出力を必要としない場合には、歯車機構を取り除くことが望ましい場合がある。歯車機構を取り除くことで、クロージャー装置100を軸方向に小さくすることが可能になり得、これはいくつかの実施形態において好ましい場合がある。駆動部品150は、軸方向の歯、スプライン歯などを介して、スプール130と直接インターフェースしてもよい。
【0044】
[0058] 駆動部品150は、環状リング206の上方に配置される部品(すなわち、クラッチプレート220、ノブ302など)から環状リング206の下方に配置される部品(すなわち、スプール130、歯車機構など)に力を伝達するように機能する。力の伝達を可能にするために、駆動部品150は、クラッチプレート220と動作可能に結合される。駆動部品150は、駆動部品150の上面に配置される外向きスプライン152を含む。スプライン152は、クラッチプレート220上の対応する歯224と結合する。スプライン152と歯224が係合することで、クラッチプレート220および駆動部品150を通って、歯車機構(140、142)およびスプール130にトルクを伝達することができる。
【0045】
[0059] 一実施形態において、駆動部品150およびクラッチプレート220は、スナップフィット結合を介して一緒に組み立てられる。具体的には、1つまたは複数の半径方向外側に延びるタブ(番号なし)は、駆動部品のスプライン152の一対の歯の間に配置される。クラッチプレート220が駆動部品150と結合されるとき、1つまたは複数の半径方向外側に延びるタブはクラッチプレート220の対応する歯224の上方に配置される。クラッチプレート220と駆動部品150とを同軸的に整列させ、クラッチプレート220を軸方向下向きに押し下げ、駆動部品150に押し付けることにより、クラッチプレート220は駆動部品150とスナップフィット結合される。クラッチプレート220が駆動部品150上に軸方向下向きに押し付けられ、1つまたは複数のクラッチ部品の歯224が、対応する外側に延びるタブを通り越して移動すると、2つの部品はある程度撓む。一旦組み立てられると、クラッチプレート220が駆動部品150に対して軸方向上向きに移動する際に、1つまたは複数の半径方向外側に延びるタブが対応する歯224に接触し、これにより、2つの部品の分離が防止される。
【0046】
[0060]
図3Bに示されるように、駆動部品150は環状リング206の下に配置され、一方、クラッチプレート220は環状リング206の上に配置される。これら2つの部品が互いに結合されると、環状リング206が2つの部品間に挟まれ、ハウジング202、クラッチプレート220、および駆動部品150を本質的に一緒にロックする。引張部材内の張力が張力閾値まで低下、または張力閾値を下回ると、クラッチプレート220は、スプール130が緩め方向に回転することを防止するため、環状リング206の上面に係合するように設計される。張力閾値は、一般に、引張部材に最小張力が存在するか、または張力がない点、またはその付近にある。この点は、典型的には、引張部材がスプール130の周りから完全に巻き戻された点に対応する。引張部材がゼロ張力閾値またはその付近に達し、スプール130の緩め方向への回転を防止することで、スプール130周りの引張部材の逆巻きが防止され、スプール130の周りの引張部材のねじれまたは絡み合いが防止される。
【0047】
[0061]
図3Bおよび6Cに示されるように、ハウジングの環状リング206は、環状リング206の周りに円周方向に配置され、等間隔に配置された、複数の窪みまたは歯207(以下、窪み207)を含む。窪み207は、クラッチプレート220の外縁またはリング上の周りに円周方向に配置され、等間隔に配置された、対応するナブまたは歯226(以下、ナブ226)に係合するように構成される。ナブ226が環状リング206上の窪み207に係合すると、クラッチプレート220のハウジング202および環状リング206に対する回転が防止される。ナブ226と窪み207との係合により、クラッチプレート220は環状リング206に対して所定の位置にロックされる。本明細書で記載されるように、駆動部品150とスプール130との結合、およびクラッチプレート220と駆動部品150との結合により、スプール130はハウジング202内での回転も防止される。
【0048】
[0062] 環状リング206に係合するために、クラッチプレート220は、ハウジング202の内部で軸方向下向きに移動する。引張部材内の張力が張力閾値に達したとき、または張力閾値を超えて低下した場合にのみ、クラッチプレート220は、ハウジング202内を下向きに移動するように設計される。クラッチプレート220が軸方向に上昇した位置にあるとき、ナブ226および窪み207は、係合解除され、その位置は
図4A、5A、および6Bに示される。図面に示されるように、クラッチプレート220の底面は環状リング206の上に配置され、したがって、ナブ226および窪み207が係合解除され、これにより、スプール130が締め付け方向および緩め方向の両方に回転することができる。ナブ226および窪み207が係合した後、緩めおよび締め付け方向へのスプール130のさらなる回転が防止される。
【0049】
[0063]
図5Aおよび6Bに示されるように、クラッチプレート220は、クラッチプレート220とダイヤルコア230との係合により、軸方向に上昇した位置に維持される。具体的には、クラッチプレート220は、ダイヤルコア230の軸歯232と係合する上歯222を含む。クラッチプレートの上歯222はクラッチプレート220の上面から軸方向上向きに延び、一方、ダイヤルコア230の軸歯232はダイヤルコア230の下面から下向きに延びる。クラッチプレートの上歯222およびダイヤルコアの軸歯232は、歯が係合しているとき、軸方向上向きにクラッチプレート220に付勢するわずかなテーパまたは傾斜した構成を含み得る。スプール130および駆動部品150を介して、クラッチプレートに緩み方向の回転を付勢することで、引張部材内の張力がクラッチプレートの上歯222およびダイヤルコアの軸歯232との係合を容易にする。クラッチプレートの上歯222およびダイヤルコアの軸歯232は、引張部材内の張力が張力閾値に達するかまたはそれを超えるまで係合したままであり、その後、引張部材はクラッチプレート220の緩み方向の回転に付勢しない。引張部材内の張力が張力閾値付近まで低下すると、クラッチプレートの上部歯222とダイヤルコアの軸歯232との係合が減少し始め、これにより、
図6Aに示されるように、クラッチプレート220がダイヤルコア230に対して軸方向下向きにスライドし始める。
【0050】
[0064] 張力閾値に近いある時点で、クラッチプレート220は下向きにスライドして環状リング206と係合し、これが、本明細書に記載されるクラッチプレート220、駆動部品150、およびスプール130のさらなる回転を防止する。様々な部品を説明する際の容易さのために、環状リング206は
図6Aから省略される。ただし、
図6Aにおけるクラッチプレート220、駆動部品150、およびダイヤルコア230の位置は、クラッチプレート220が環状リング206に係合する位置に対応することが理解されよう。
図4Bおよび5Bに示されるように、ダイヤルコア230が軸方向上向きに移動するとき、クラッチプレート220は、軸方向下向きに移動することもできる。ダイヤルコア230が軸方向上向きに移動すると、クラッチプレートの上歯222およびダイヤルコアの軸歯232が強制的に係合解除する。駆動部品の1つまたは複数の半径方向外側に延びるタブと、クラッチプレート220の対応する歯224との係合により、クラッチプレート220が、ダイヤルコア230と共に上方へ移動することが防止される。
図4Bおよび5Bに示されるように、クラッチプレート220とダイヤルコア230の係合解除により、スプール130がハウジング202内で「フリーホイール」または緩み方向に自由に回転することが可能になる。これは、クラッチプレート220およびダイヤルコア230が回転的にロックまたは結合されていないためである。
【0051】
[0065] いくつかの実施形態において、クラッチプレート220が軸方向下向きに移動して環状リング206と接触するとき、ナブ226および窪み207が直ちに係合しないように設計され得る。この構成は、ダイヤルコア230が軸方向上向きに移動したとき、スプール130が緩み方向に自由に回転することを可能にし得る。例えば、本明細書に記載されるように、ダイヤルコア230が軸方向上向きに移動すると、クラッチプレート220はダイヤルコア230と係合解除し、したがって、クラッチプレート220は環状リング206と接触するように軸方向下向きに移動することができる。そのような場合、クラッチプレート220は、張力が引張部材に残っている場合でも、環状リング206と接触し得る。クラッチプレート220が環状リング206と接触したとき、スプール130が緩め方向に自由に回転することを可能にするため、ナブ226および窪み207は、上述のロック方法で係合しなくてもよい。むしろ、スプール130が緩み方向に回転するとき、ナブ226が窪み207から傾斜または移動しスプール130がハウジング202に回転ロックされるのを防ぐように、ナブ226および窪み207が設計されてもよい。より具体的には、ナブ226および窪み207は、丸みを帯びたまたは角度のある形状を有することができ、これにより、ナブ226が傾斜するか、または窪み207との係合から移動することを可能にする。そのような場合、ノブ302が緩み方向に回転し、引張部材が張力閾値に近いとき、ナブ226および窪み207は依然として係合することができる。そのような場合、ダイヤルコア230は、クラッチプレート220を下向きに押すまたは押し下げ、ナブ226および窪み207を強制的にロックまたは係合させ、それによって、クラッチプレート220およびスプール130が緩め方向に回転するのを防止する。
【0052】
[0066] 駆動部品150の周りのクラッチプレート220の軸方向の動きを可能にするために、駆動部品のスプライン152およびクラッチプレートの歯224は、
図6Aおよび6Bに示されるような軸方向の動きを可能にするように構成される。具体的には、駆動部品のスプライン歯は、クラッチプレートの歯224と比較して軸方向に伸びており、これにより、短いクラッチプレートの歯224は、スプライン歯の間に形成されたチャネルまたは溝内で軸方向にスライドすることができる。
【0053】
[0067] ナブ226と窪み207が係合した後、クロージャー装置100は、スプール130の回転に影響を与えることなくノブ302が緩め方向に回転可能となるように構成される。具体的には、
図6Aに示されるように、ダイヤルコアの軸歯232の後面とクラッチプレートの上歯222の後面は、反対側に傾く、または傾斜するが、これは、ダイヤルコアが緩み方向に回転すると後面が係合し、ダイヤルコア230がクラッチプレート220を飛び越え、前述のようにクラッチプレート220を下向きに押す、または押し下げるためである。
図6Aにさらに示されるように、ダイヤルコア230が軸方向に下降した位置にあるとき、ダイヤルコア232の軸歯232およびクラッチプレートの上歯222はわずかに重なり合うが、これは、ダイヤルコア230の締め付け方向への回転(ノブ302を介して)が、ダイヤルコア230およびクラッチプレート220を再係合させ、クラッチプレート220を
図6Bに示される軸方向に上昇した位置に引っ張るまたは付勢し、スプール130を締め付け方向および緩め方向に回転させることを可能にするためである。クラッチプレート220が引張部材の張力および/またはクラッチプレートのナブ226と環状リングの窪み207との係合に起因し、締め付け方向への回転に抵抗することによって、ダイヤルコア230およびクラッチプレート220は再係合する。
【0054】
[0068] いくつかの実施形態において、クラッチプレートのナブ226および環状リングの窪み207は、ゴムタイプのガスケットまたは材料、研磨材料、粘着性材料などの他の摩擦部品によって置き換えられ得る。
図6Cに示されるように、クラッチプレートのナブ226は、クラッチプレート220の底面から軸方向に凹んでもよく、これにより、クラッチプレート220を環状リング206に対してより低く着座させることができる。例えば、ナブ226は、クラッチプレート220の底面から軸方向に凹んだ円周リングまたは縁に形成または配置され得る。いくつかの実施形態において、クラッチプレート220の底面は、環状リング206の底面とほぼ整列されてもよく、および/またはクラッチプレート220の底面は、クラッチプレートのナブ226が環状リングの窪み207と係合するときに駆動部品150の上面に接触してもよい。
【0055】
[0069] ダイヤルコア230は、典型的にはスナップフィット結合を介して、ノブ302と結合するように構成される。いくつかの実施形態において、ノブ302は、ダイヤルコア230の対応する縁またはリップ238と結合するように構成された軸方向延長タブ310を含む。タブ310はそれぞれ、ダイヤルコア230の対応する縁238の下に収まるような形および大きさになっている半径方向内側リップ312を含む(
図4A参照)。タブ310は弾力性があり、これにより、タブがダイヤルコアの縁238とスナップ係合することができる。ノブ302に与えられた軸方向上向きの力(例えば、ユーザがノブを軸方向上向きに引っ張る)がダイヤルコア230に伝達され、ダイヤルコア230をノブ302と共に軸方向上向きに移動させるように、タブ310も十分な強度を持つ。そのように、ノブ302およびダイヤルコア230は、本質的に単一の部品として移動する。
【0056】
[0070] タブの内側リップ312は、ノブ302がダイヤルコア230の周りをある程度回転することを可能にする方法で、ダイヤルコアの縁238と結合し、これにより、以下に記載されるように、ノブ302を緩め方向に回転させて張力を徐々に緩めることができる。ノブ302の相対的な動きを可能にするために、ダイヤルコアの縁238は、タブの内側リップ312よりもわずかに大きい。
図5Aに示されるように、ダイヤルコアの縁238は、ダイヤルコア230の周縁部を凹ませることで形成され、これにより、タブ310がその内部に配置されるスロットが作成される。タブ310は、対応するスロットの円周方向幅よりも小さい円周方向幅を有し、これにより、タブ310はスロット内である程度回転することができる。タブ310がダイヤルコアの縁238と結合されるとき、タブ310の外表面がダイヤルコア230の外表面とほぼ整列するように、タブ310は凹部幅に対応する半径方向幅を有し得る。一実施形態において、ノブ302は4つのタブ310を含み、ダイヤルコア230は4つの縁238を含むが、より多くのまたはより少ないタブ310および縁238が所望に応じて採用され得る。ダイヤルコアのタブ310および縁238は、典型的には、対応する爪240のすぐ隣に配置され、これにより、タブ310が爪240に係合することを可能にするが、タブ310および縁238の位置は所望に応じて変更されてもよい。ダイヤルコア230がノブ302に取り付けられた状態で、1つまたは複数の爪240、および爪盤250がノブ302とダイヤルコア230との間に挟まれる。
【0057】
[0071] クロージャー装置100は、ハウジング202から分離され、ハウジングに組み立てられるレース出口部品160を含む。レース出口部品160をハウジング202から分離することで、低摩擦および耐摩耗性材料でレース出口部品160を形成することができる一方、高強度および耐衝撃性材料がハウジング202に使用される。例えば、ハウジング202は、耐摩耗性が低い耐衝撃性材料で作られてもよく、一方、レース出口部品160は、耐衝撃性が低い耐摩耗性材料で作られてもよい。耐摩耗性材料により、レース出口部品160が、より高い引張荷重に耐えるように設計された引張部材で機能することができる。レース出口部品160により、そのような引張部材が過度の摩耗を経験することなく、部品表面上を繰り返しスライドすることを可能にする。
図10Aに示されるように、レース出口部品160は、ハウジング202内の対応するスロット166内に収まるように設計されたキー164を含む。キー164は、レース出口部品160の本体から外側に延びるタブであってもよい。レース出口部品160をハウジングの下に配置し、キー164をハウジング202内の対応するスロット166に軸方向上向きにスライドさせることによって、レース出口部品160が、ハウジング202に取り付けられてもよい。レース出口部品160は、引張部材がハウジング202内のスプール130にアクセスできるように、引張部材がその内部に配置されるレースチャネル162を含む。レース出口部品160は、ベース部材102の支持体109に対応するような形および大きさになっている。
【0058】
[0072]
図10A~Bに示されるように、結合部品120は、スプール130内のレースポート136と整列可能な1つまたは複数のレース開口部126を含む。レース開口部126とスプールのレースポート136との整列により、引張部材とスプール130との結合を容易に行うことができる。例えば、
図10Cに示されるように、スプール130のチャネル137がレース出口部品160のレースチャネル162と整列するように、スプール130はハウジング202の内部で整列可能である。スプールのチャネル137がレース出口部品のレースチャネル162と整列されるとき、引張部材は、レース出口部品のレースチャネル162内と、およびスプールのチャネル137を通って挿入され得る。スプールのチャネル137の遠位端は開口部138を形成し、引張部材を下向きに導き、レースポート136を通るように設計されている。スプールのチャネル137を通って、およびレースポート136を通って引張部材を挿入することで、引張部材はスプール130の下端から外側へ延びる。引張部材がスプール130の下端を超えて延びている状態で、引張部材にノットが結ばれ、引張部材に別の部品が取り付けられてもよい。これは、引張部材の後退によって、引張部材の遠位端をスプールの開口部138に係合させ、引張部材が開口部138を通って後退するのを防止するためである。このようにして、引張部材はスプール130と容易に結合し得る。
【0059】
[0073] 結合部品のレース開口部126とスプールのレースポート136が整列することで、引張部材がスプール130および結合部品120を通って延びることが可能になるため、スプール130から結合部品120の取り外しを必要とせずに、引張部材にノットが結ばれ、引張部材に別の部品が取り付けられてもよい。いくつかの実施形態において、スプール130は単一のレースポート136を含み得、一方、結合部品120は一対のレース開口部126を含む。この設計により、レースポート136がスプール130の左側または右側に配置されているかどうかに関わらず、単一の結合部品120がスプール130と共に使用されることを可能にし、スプール130が時計回り、または反時計回りの締め付け方向に回転するように設計されているかどうかによってこの構成が採用され得る。
図10Cは、スプール130の上面断面図を示しており、したがって、チャネル137は、レースポート136からスプール130の反対側にあるものとして示されている。レースポート136は、スプール130の上部フランジまたは下部フランジに半円形の溝を形成することによって、またはスプール130の両方のフランジに半円形の溝を形成することによって、スプールのチャネル133内に形成され得る。引張部材がレース出口部品のレースチャネル162を通って挿入されるとき、半円形の溝が、引張部材を開口部138に向かって誘導、または導いてもよい。
【0060】
[0074] ここで
図11A~Bを参照すると、1つまたは複数の爪240、爪盤250、およびダイヤルコア230の結合が示される。スプール130の回転を制御する際の1つまたは複数の爪240、爪盤250、およびノブ302の機能も示される。1つまたは複数の爪240とダイヤルコア230との結合を容易にするために、ダイヤルコア230は、ダイヤルコア230の上面から軸方向上向きに延びる1つまたは複数の駆動ボス236を含む。それぞれの駆動ボス236は、1つまたは複数の爪240の近位端244を収容するような形および大きさの凹部237を含む。凹部237は、それぞれの爪240がダイヤルコア230の上で時計回りおよび反時計回りに回転できるよう設計されている。具体的な実施形態において、爪240の凹部237および近位端244は、それぞれ半円形の形状である。爪240に及ぼされる力または荷重が駆動ボス236に伝達されるように、爪240の近位端244は、凹部237の壁に係合または接触し得る。このようにして、それぞれの駆動ボス236は、対応する爪240を支持および補強する。
【0061】
[0075] ダイヤルコア230は、ダイヤルコア230の上面から軸方向に上向きに延びる1つまたは複数のピボットボス231も含む。それぞれのピボットボス231は、対応する爪240の近位端に配置される開口部内にピボットボス231を挿入することによって、対応する爪240と結合する。爪240とピボットボス231との結合により、爪240は、ピボットボス231の周りを旋回または回転することができる。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の爪240は、ダイヤルコア230と一体化され得る。このような実施形態において、1つまたは複数の爪240は、典型的には、ダイヤルコア230の周りを移動可能または回転可能であるように構成される。例えば、1つまたは複数の爪240は、コンプライアントメカニズムであってもよく、および/または、1つまたは複数のコンプライアント部材またはメカニズムと結合されてもよい。
【0062】
[0076] 爪盤250の凹部254をダイヤルコア230の対応するキー付き突起233と整列させることによって、爪盤250はダイヤルコア230と結合される。次いで、爪盤250は、キー付き突起233が対応する凹部254にスナップするように、ダイヤルコア230の上方に向かって押し下げられ得る。いくつかの実施形態において、爪盤250は、ダイヤルコア230および/または1つまたは複数の爪240と一体化され得る。そのような実施形態において、本明細書に記載されるように、爪盤250は1つまたは複数の爪240を外側に付勢するように構成されるべきである。1つまたは複数の爪240、爪盤250、および/またはダイヤルコア230が分離することで、それぞれの部品が異なる材料で作られることができ、これにより、部品を特定の目的のために最適化することが可能になり得る。例えば、1つまたは複数の爪240は、より高い力に耐えることができる高剛性材料で作られてもよく、一方、1つまたは複数の爪240を作動または付勢させるため、爪盤250に柔らかいバネのような材料が使用される。ダイヤルコア230は、爪盤250および1つまたは複数の爪240を支持および補強するのに適した材料で作られてもよい。
【0063】
[0077] 爪盤250は、爪盤250の本体から外側に延びる1つまたは複数のアーム252を含む。1つまたは複数のアーム252は可撓性があり、それぞれのアーム252の遠位端が対応する爪240の後面に対して配置されるように、ダイヤルコア230の上に配置される。爪240と、ハウジング202上に形成されている、または他の方法で結合されている歯204との係合に向け、アーム252は、爪240に、押しつけるまたは付勢する付勢力を提供するように構成される。より具体的には、爪がピボットボス231の周りを回転して歯204と係合するように、アーム252は爪240に付勢する。このようにして、爪盤250は、歯204との係合に向けて爪240を押し付けるまたは付勢するバネとして機能する。
【0064】
[0078] それぞれの爪240は、爪240の遠位端に配置される1つまたは複数の歯242を含む。1つまたは複数の歯242は、クロージャー装置100の歯204と係合可能になるような形および大きさになっている。より具体的には、1つまたは複数の歯242は、クロージャー装置100の1つの歯の中、または複数の歯の中に収まるような形および大きさになっている。1つまたは複数の爪の歯242とクロージャー装置の歯204が係合することで、ダイヤルコア230の緩め方向への回転が防止される(例えば、
図11Aの反時計回り)。具体的には、爪240が歯204に係合され、(引張部材およびスプール130を介して)ダイヤルコア230に緩め方向への力が加えられると、1つまたは複数の爪240は、1つまたは複数の爪240が回転できないような方法で、ダイヤルコア230に配向され結合される。このように、1つまたは複数の爪240は歯204と係合したままであり、これにより、ダイヤルコア230の締め付け方向への回転が防止される。
【0065】
[0079] 本明細書に記載されるように、ダイヤルコア230とクラッチプレート220、駆動部品150、およびスプール130との係合に起因して、スプール130の緩め方向への回転が防止される。爪盤250の付勢力に起因して、ダイヤルコア230の上向きへの移動またはノブ302の緩め方向への回転により、爪240が歯204との係合から外れるまで、爪240は、歯204と係合したままである。また、ダイヤルコア230が軸方向下向きに移動したとき、またはノブ302の緩め方向への回転が停止したときに、爪盤250の付勢力により、1つまたは複数の爪240が自動的に歯204と再係合する。
【0066】
[0080] 締め付け方向にスプール130を回転させるために、タブ310は、ダイヤルコアの駆動ボス236に係合するように構成される。具体的には、タブ310はノブ302から軸方向下向きに延び、配置される。これはノブ302が係合位置にあるハウジング202と結合されるときに、それぞれのタブ310が駆動ボス236に隣接し、それぞれのタブ310が爪240と歯204との間に配置されるためである。
図11Aに示されるように、ノブ302が締め付け方向(例えば
図11Aの時計回り)に回転すると、それぞれのタブ310の近位端が駆動ボス236の遠位面に接触する。タブ310と駆動ボス236が係合することで、ノブ302が締め付け方向に回転する際にノブ302からダイヤルコア230に回転力が伝達され、これによりダイヤルコア230が締め付け方向へ回転する。本明細書で記載されるように、ダイヤルコア230、クラッチプレート220、駆動部品150、スプール130との係合により、ダイヤルコア230が締め付け方向へ回転することでスプール130も締め付け方向へ回転する。ダイヤルコア230の上にある1つまたは複数の爪240の配向によって、ダイヤルコア230が締め付け方向に回転すると、1つまたは複数の爪240が内側に偏向し、歯204の上を飛び越える。爪盤250は、1つまたは複数の爪240が歯204の上を飛び越える際に、1つまたは複数の爪240を外側に跳ねさせる。
【0067】
[0081] タブ310は、ダイヤルコア230を緩め方向に段階的に回転できるようにさらに構成される。具体的には、それぞれのタブ310の遠位面が、対応する爪240の遠位端と接触および係合するように、ノブ302が緩め方向(例えば
図11Bの反時計回り)に回転すると、それぞれのタブ310はハウジング202の内部で回転する。ノブ302を緩め方向にさらに回転させることで、歯204との係合を解除するため、タブ310は対応する爪240を押したり、旋回させたり、回転させたりする。1つまたは複数の爪240および歯204の係合解除を行うことで、ハウジング202からダイヤルコア230を瞬間的にロック解除し、これにより、ダイヤルコア230が、スプール130および引張部材からの緩め方向の力に応答して、緩め方向に瞬間的または段階的に回転することが可能になる。より具体的には、引張部材内の張力荷重または力は、スプール130に付与され、クラッチプレート220およびダイヤルコア230とスプール130との係合により、クラッチプレート220およびダイヤルコア230に伝達される。張力荷重により、ハウジング202からダイヤルコア230のロックが解除されると、ダイヤルコア230が緩め方向に回転する。
【0068】
[0082] ダイヤルコア230が緩め方向に回転すると、それぞれのタブ310は、対応する爪240と係合解除し、爪盤250からの付勢力に起因して、歯204と係合するために旋回または後ろ回転する。ノブ302が緩め方向にさらに回転し、タブ310が爪240を押したり、旋回させたり、回転させたりして歯204との係合を再び解除するまで、1つまたは複数の爪240は歯204と係合したままである。このようにして、ダイヤルコア230およびスプール130は、引張部材内の張力を緩めるか低下させるために、緩め方向に段階的に回転されてもよい。
【0069】
[0083] スプール130およびダイヤルコア230の緩め方向への回転を可能にするための爪240およびタブ310の段階的な係合および係合解除は、爪240を歯204との係合から「一掃」することと称し得る。爪240を歯204との係合から「一掃」することを容易にするために、それぞれの爪240は、爪240の表面からわずかに外側に延びるナブまたはタブ246を含み得る。それぞれのタブ310の遠位端は、角度のついた表面または傾斜面も含み得る。それぞれのタブ310の角度のついた表面または傾斜面は、それぞれの爪240のナブまたはタブ246と係合し、爪240に段階的に増加する力を加え、これにより、2つの部品に対する応力および摩耗が減少する。いくつかの実施形態において、角度のついた表面または傾斜面は、それぞれのタブ310の上部にのみ形成されてもよい。このような実施形態において、それぞれのタブ310の下部は、ダイヤルコア230の対応する縁238の下に収まるような形および大きさの半径方向内側のリップ312を含み得る。
【0070】
[0084] それぞれの緩め工程の程度または量は、所望により、それぞれの歯204の間の距離または複数の歯の間の距離と等価であり得る。本明細書に記載されるように、引張部材内の張力が張力閾値に近づくと、クラッチプレート220は下向きにスライドして環状リング206と係合し、これにより、クラッチプレート220、駆動部品150、およびスプール130のさらなる回転が防止される。ダイヤルコア230およびクラッチプレート220の構成により、クラッチプレート220が環状リング206に係合すると、ダイヤルコア230およびノブ302の緩め方向へのさらなる回転が可能となる。
【0071】
[0085] 図示の実施形態において、クロージャー装置100は、4つの爪240、4つのタブ310、および4つのアーム252を含み得る。この構成は、高いトルクを生成し、高い引張荷重を収容するのに理想的であり得る。他の実施形態において、特定の用途またはニーズに基づいて、または所望のトルク出力に基づいて、より多くのまたはより少ない部品が採用され得る。
【0072】
[0086] ここで
図12を参照すると、
図12は、上述のクロージャー装置100を含むスキーブーツ400を示す。クロージャー装置100は、高いトルクを出力し、ユーザの足の周りでスキーブーツを閉じる、および締め付けるのに典型的に必要とされる高い引張荷重を生成することができるので、スキーブーツ400に張力をかけるのに理想的であり得る。スキーブーツ400は、高い引張荷重を収容し、スキーブーツのシェルを閉じる、および締め付けるのを容易にするよう設計された独自の長いガイド410を含む。長いガイド410は、
図14A~Cにおいてより詳細に示されている。
図13は、
図12のスキーブーツ400に採用され得るレース経路およびガイド構成を示す。具体的には、ガイド構成は、複数の長いガイド410と、一対の長いガイド410の間に配置される1つまたは複数の短いガイド460とを含む。クロージャー装置100は、レース経路の上部に配置され、引張部材450は、複数の長いガイド410および1つまたは複数の短いガイド460を介して、レース経路に沿ってクロージャー装置100から導かれる。引張部材450は、端子部材または終端部品470を介してレース経路の遠位端で終端する。引張部材450の遠位端の終端は、クロージャー装置100が引張部材450においてより大きな張力を発生させることを可能にする。
【0073】
[0087] レース経路は、スキーブーツ400の2つのシェル間の開口部を横切って延びてもよい。いくつかの実施形態において、複数の長いガイド410は、1つのシェル上に配置されてもよく、一方、1つまたは複数のより短いガイド460は反対側のシェル上に配置される。1つまたは複数のより短いガイド460は、スキーブーツ400にリベットで留められるか、または機械的に固定されてもよく、一方、より長いガイド410の遠位端はスキーブーツに取り付けられる。1つまたは複数のより短いガイド460は、引張部材450が配置される開口チャネルまたは端部を有してもよく、一方、より長いガイド410は、引張部材450が配置される閉口チャネルを含む。スキーブーツ400が足の周りからより容易に取り外されることを可能にするために、引張部材は、1つまたは複数のより短いガイド460の開口チャネルから取り外されるかまたは引き抜かれてもよい。
【0074】
[0088]
図14A~Cを参照すると、より長いガイド410は、複数の部品から構成される。具体的には、より長いガイド410は、外部シェルまたは本体412と補強部品420とを含む。外部シェル412は、補強部品420を収容する。より長いガイド410は、ガイドがスキーブーツ400の側面、典型的にはスキーブーツのソールの近くに取り付けられることを可能にし、一方、引張部材450を係合する遠位端は、スキーブーツ400の開口部に閉鎖して配置される。この構成により、ガイド410がシェルを包み込むのを助け、足の周りでシェルを適切に閉じることが容易になる。
【0075】
[0089] 補強部品420は、ガイド410が破損または粗砕することなく高い引張荷重に耐えることを可能にする。補強部品420は、外部シェル412が、引張部材450に与えられる張力に耐えることができないかも知れない低摩擦材料で作られることも可能にする。外部シェル412および補強部品420は、それぞれ、ガイド410の近位端からガイド410の遠位端まで延びている。外部シェル412および補強部品420の近位端は、リベットまたは他の機械的締め具がガイド410をスキーブーツ400に取り付けることを可能にする開口部416を含む。補強部品420は、ガイド410の近位端から遠位端まで延びる材料ストリップで形成される。材料ストリップは、アルミニウムなどの金属材料、または布材料、炭素繊維材料、硬質ポリマー材料などの高い引張荷重に耐えることができる別の材料で作られてもよい。
【0076】
[0090] 材料ストリップは、ループ状端部422を形成するため折り畳まれる。折り畳まれた材料ストリップは、補強部品420となり、補強部品420は、それぞれがループ端部422からガイドの近位端まで延びる上部および下部セグメントを有する。上部および下部セグメントは、それぞれ、開口部416を含んでもよく、それぞれがスキーブーツシェルと結合されてもよい。上部および下部セグメントは、典型的には、補強部品420の近位端からループ状端部422まで互いに接触して配置されるが、いくつかの実施形態において、上部および下部セグメントは、外部シェル412または別の材料によって分離されてもよい。
【0077】
[0091] 外部シェル412は、補強部品420のループ状端部422内に配置されるガイドセグメント415を含む。ガイドセグメント415は、外部シェル412の対向する側面の間に延びる。外部シェルおよびガイドセグメント415の遠位端は、チャネル414を含み、チャネル414を通り引張部材450が配置される。ガイドセグメント415は、補強部品420よりも低い摩擦材料でできており、ガイド410と引張部材との摩擦係合を最小化する。引張部材450によってガイド410に張力が掛けられると、ガイドセグメント415は補強部品420のループ状端部422に押し付けられる。このようにして、ガイドセグメント415内の張力荷重の一部または全部が、外部シェル412から補強部品420に伝達され、これにより、クロージャー装置100から生じる高い引張荷重をより良好に処理することができる。ループ状端部422における張力は、補強部品の材料ストリップの上部および下部セグメントを介してガイド410の近位端に伝達され、長いガイド410をシェルに固定する機械的締め具により、最終的にスキーブーツ400のシェルに伝達される。張力により、対向するシェルが互いに引っ張られ、スキーブーツがユーザの足の上で閉じられる。長いガイド410も、シェルの上で下向きに押され、これにより、ユーザの足の周りのシェルをさらに閉じる、および締め付けることになる。
【0078】
[0092] 外部シェル412は、一般に、補強部品420を取り囲む。例えば、外部シェル412は、補強部品420の対向する側面を覆ってもよいが、他の実施形においては、補強部品420の片側または両側が露出されてもよい。外部シェル412は、ループ状端部422の遠位に配置される最遠位端も含んでよい。外部シェル412の最遠位端は、摩擦を最小限に抑えた方法で、引張部材450がチャネル414に出入りすることを可能にし得る。例えば、外部シェルの最遠位端の対向する側面は、弓形または湾曲していてもよく、引張部材450を損傷するか、またはガイドセグメント415および/またはループ状端部422に過度の圧力を生じさせ得る鋭い角を排除する、滑らかな遷移半径を提供する。いくつかの実施形態において、外部シェルの最遠位端の対向する側面は、引張部材450に円滑な移行を提供するために、40~50mmの間の半径を有し得る。最遠位端は、ループ状端部422を覆い、ループ状端部が周囲の物体に接触することも防止し得る。
【0079】
[0093] いくつかの実施形態において、外部シェル412は、1つまたは複数の開口部418を含み得、これにより補強部品420が見える。例えば、図示の実施形態において、外部シェル412は、2つの開き断面を含むが、これによりループ状端部422および上部セグメントが見える。上部および下部のセグメントを分離してガイドセグメント415の周囲に配置しすることで、最遠位の開口部は補強部品420が外部シェル412と容易に結合されることを可能にし得る。次いで、ループ状端部422がガイドセグメント415の周囲に配置されるまで、上部および下部セグメントは近位に移動され得る。他の実施形態において、ループ状端部422および/または上部および下部セグメントは、補強部品420が見えないように外部シェル412によって覆われてもよい。下部セグメントがスキーブーツ400のシェルに接触するように、上部および下部セグメントは外部シェル412の下端部または表面に配置されてもよい。他の実施形態において、上部および下部セグメントは、所望に応じて外部シェル412の内部に配置されまたは囲まれてもよい。
【0080】
[0094] 外部シェル412は、
図14A~Bに示されるように、材料ブリッジによって分離された一対の開口部418を含み得るか、または、外部シェル412は、
図14Cに示されるような単一の開口部418を含み得る。一対または開口部を分離する材料ブリッジは、補強部品420の上部および下部セグメントを接触させたままにするように機能し得る。いくつかの実施形態において、長いガイド410は、40~80mmの間の長さを有してもよく、より一般的には、50~70mmの間の長さを有してもよい。長いガイドも同様に、15~35mmの幅を有してもよく、より一般的には、20~30mmの幅を有してもよい。具体的な実施形態において、長いガイドは、約60mmの長さおよび約25mmの幅を有し得る。長いガイドがスキーブーツのシェル上面に係合して接触するのを助けるため、長いガイド410は、その長手方向の長さの周りを湾曲されてもよい。より短いガイド460は、長いガイドの幅に対応する幅と、より短いガイド460の幅よりも短い長さとを有してもよい。機械的締め具は引張部材450の遠位に配置されるため、より短いガイド460は補強部品を必要としなくてもよい。
【0081】
[0095]
図15A~Eを参照すると、図示は、端子部材または終端部品470(以下、端子部材470)の実施形態であって、引張部材450をスキーブーツ400または物品に固定的に結合または取り付けるために、引張部材450の遠位端に取り付け、スキーブーツ400または任意の他の物品に取り付けるように設計される。端子部材470の説明を容易にするために、スキーブーツ400に取り付ける端子部材470を参照するが、端子部材470は任意の所望の物品と結合され得ることが認識されるべきである。
【0082】
[0096] 端子部材470は、スキーブーツ400に着脱することができ、これにより、引張部材450が故障した場合、または他の何らかの理由で、端末部材470を迅速かつ容易に交換することができる。端子部材470は、内部キャビティ510およびスルーホール508を有する本体502を含む。スルーホール508は、本体502の近位端に配置され、ボルト480または他の機械的締結装置がスルーホール508を通って挿入され、スキーブーツ400に取り付けられ得るような形および大きさになっている。スルーホール508の上部は、本体502の上面から凹んでもよい。スルーホール508の凹部は、スルーホール508の残りの部分よりも広い直径を有し得る。これは、ボルト480を本体502の上面に対して凹ませ、これにより、スキーブーツ400に取り付けられたときに端子部材470の輪郭を小さくするためである。
【0083】
[0097] 本明細書において以下に記載されるように、本体502は、引張部材450が挿入されるレースポートまたは開口部504も含む。レース開口部504は、スルーホール508と反対側の本体502の遠位端に配置される。端子部材470がスキーブーツ400に取り付けられるとき、レース開口部504の開口部が引張部材450のレース経路に向くようにレース開口部504が配置される。本体502は、本体502のキャビティ510内に配置されるロック部品550に工具(図示せず)がアクセスできるようにする開口部506をさらに含む。ロック部品550に係合し、引張部材450にロック力を生じさせるか、または引張部材450に生じたロック力を解放するため、工具はドライバまたは他の装置であってもよく、開口部506内に挿入可能である。ロック部品550を介して、引張部材450に付与または加えられるロック力は、引張部材450を端子部材470にロックまたは固定的に取り付けるのに十分である。開口部506は、典型的には、レース開口部504に対してほぼ垂直な本体502の側面に配置される。しかし、開口部506は、所望により本体502の周りの他の位置に配置されてもよい。開口部506を、レース開口部504に対してほぼ垂直な本体502の側面に配置することが好まれ得るが、これは、端子部材470が、ボルト480を介してスキーブーツ400に固定される際に、引張部材450またはスキーブーツ400の他の部品から干渉されずに、ユーザが開口部506に容易にアクセスできるようにするためである。
【0084】
[0098]
図15Cは、端子部材470の底面図を示す。本体502に形成されたキャビティ510は、
図15Cで明らかである。いくつかの実施形態において、ロック部品550がキャビティ510内に誤った向きで挿入されるのを防止するために、キャビティ510はL字型の構成を有する。具体的には、
図15Cのように、下端から見たときにキャビティ510がL字型の輪郭を有するように、本体502は、キャビティ510の角または一部に突出するエルボ514を含む。第2のキャビティ512は、レース開口部504付近の本体502の底部にも画定される。第2のキャビティ512は、キャビティ510から延びており、本体502の遠位端に小さなポケットまたは凹部を形成する。本明細書において以下で記載されるように、引張部材が端子部材470およびロック部品550と結合されるときに、引張部材450の遠位端は、第2のキャビティ512内に配置される。
【0085】
[0099] チャネル520は、本体502の近位端に形成される。チャネル520は、キャビティ510からスルーホール508の周りに延びる。チャネル520は、引張部材450の直径に対応するような形および大きさになっている。より具体的には、チャネル520は、引張部材450の直径よりも大きい幅および深さを有し、これにより、引張部材450がチャネル520内に完全に配置され、スルーホール508を通って配置されるボルト480の周りに巻き付けられることが可能になる。いくつかの実施形態において、キャビティ510とスルーホール508との間のチャネル520の遠位部を第1および第2のセクションに分割するため、壁522は、キャビティ510からスルーホール508まで、またはスルーホール508に隣接して延びる(互いに隣接して横方向に配置される別個のチャネルとして
図15Eに示される)。壁522は、チャネル520およびロック部品550から挿入される際に、引張部材450を案内または誘導するように機能し得る。いくつかの実施形態において、矢印または他の記号はチャネル520の表面に形成され得る。図示の実施形態において、矢印は、スルーホール508の周りのチャネル520に形成される。矢印は、引張部材450がロック部品550およびチャネル520から案内される方向を視覚的に示し得る。
【0086】
[0100]
図15Cは、端子部材470のキャビティ510内に配置されるロック部品550を示す。ロック部品550は、キャビティ510のL字型の輪郭を映すL字型の輪郭を含み得る。具体的には、ロック部品550がL字型のキャビティ510内に挿入可能にするため、キャビティ510のエルボ514と一致するロック部品550内にエルボ559が形成されてもよい。ロック部品550が適切にキャビティ510に配向および整列されない限り、ロック部品550がキャビティ510内に挿入されることを防止することで、L字型のキャビティ510およびロック部品550は、ロック部品550が常にキャビティ510内に適切にまたは正しく挿入されていることを確実にする。引張部材450がねじれ、または損傷しない方法で、ロック部品550を通って引張部材450が挿入可能であることを確実にするため、ロック部材550を適切かつ正しく挿入することは重要であり得る。例えば、ロック部品550がキャビティ510内に挿入されたとき、ロック部品550は、本体502のレース開口部504と同軸に整列するレース入口開口部552を含む。ロック部品550がキャビティ510内に適切に挿入されていない場合、レース入口開口部552が本体502のレース開口部504と整列されなくてもよく、これにより、引張部材450を引っ張る、またはスキーブーツ400周りの端子部材470を組み立てする際に、引張部材450がねじれまたは損傷し得る。
【0087】
[0101] レース入口開口部552は、ロック部品550の遠位側に形成される。レース出口開口部554は、レース入口開口部552の反対側のロック部品550の近位側に形成される。チャネルまたはルーメンは、レース入口開口部552とレース出口開口部554との間に延びており、これにより、引張部材が、レース入口開口部552とレース出口開口部554との間のロック部品550を通って、完全に挿入されることが可能になる。ロック部品550がキャビティ510内に配置されると、レース出口開口部554はチャネル520の第1のセクションと整列する。
【0088】
[0102] 第2のレース入口開口部556は、ロック部品550の近位側に形成され、一方、第2のレース出口開口部558は、第2のレース入口開口部556の反対側のロック部品550の遠位側に形成される。ロック部品550がキャビティ510内に配置されると、第2のレース入口開口部556はチャネル520の第2のセクションと整列され、一方、第2のレース出口開口部558は第2のキャビティ512と整列される。チャネルまたはルーメンは、第2のレース入口開口部556と第2のレース出口開口部558との間に延びており、これにより、引張部材が、チャネル520の第2のセクションと第2のキャビティ512との間のロック部品550を通って、完全に挿入されることが可能になる。
【0089】
[0103]
図15Dは、本体502の側面図を示し、より具体的には、工具アクセス開口部506を示す。開口部506がキャビティ510から本体502の外面まで延びるように、開口部506は本体502に形成される。上記で簡単に説明したように、本体のキャビティ510内に配置されるロック部品550に係合するために、工具は開口部506から挿入されてもよい。引張部材450を端子部材470に固定的に結合するか、またはそこから引張部材450を解放するロック部品550との係合から引張部材450をロックまたはロック解除するため、工具が使用され得る。具体的な実施形態において、工具は、ロック部品550の本体にねじ込まれた止めねじ(図示せず)にアクセスし得る。工具は、止めねじを回転させて、引張部材450との摩擦係合を増加または減少させてもよい。ロック部品550の本体内に引張部材450をロックするため、止めねじは引張部材450にクランプ力または圧縮力を加えてもよく、それによって、引張部材450を端子部材470に固定的に取り付けてもよい。より具体的には、止めねじの回転により、止めねじを第2のレース入口開口部556と第2のレース出口開口部558との間のチャネルまたはルーメンに向かって、または遠ざけて移動させてもよく、このチャネルまたはルーメン内の引張部材450を圧縮してもよい。いくつかの実施形態において、止めねじから引張部材450への望ましくない損傷を最小化または排除するため、ナイロンパッチなどの部品または材料が、引張部材450と止めねじの遠位端との間に配置され得る。
【0090】
[0104] 引張部材450をロック部品550と固定的に結合または固定するため、引張部材450は、本体502のレース開口部504、およびロック部品550のレース入口開口部552を通って挿入される。次いで、引張部材450がレース出口開口部554から延びるまで、引張部材450は、レース入口開口部552とレース出口開口部554との間のチャネルを通って挿入される。次いで、引張部材450は、チャネル520の表面に形成または画定された矢印に従って、チャネル520内のスルーホール508の周りで湾曲される。いくつかの実施形態において、引張部材450がレース出口開口部554を出る際に、壁522は、引張部材450をチャネル520に向かって誘導または偏向させるのを助けるために角度付けされ得る。引張部材450が第2のレース出口開口部558から延びるまで、引張部材450は、次いで第2のレース入口開口部556を通って、およびそれぞれのチャネルを通って挿入される。第2のレース出口開口部558から出ると、引張部材450の遠位端が第2のキャビティ512内に配置される。次いで、止めねじは、工具アクセス開口部506を通って挿入された工具を介して、引張部材450をロック部品550内にロックするために係合され得る。工具アクセス開口部506を通って挿入された工具を介して止めねじにアクセスし、止めねじをロック解除位置に向かって回転させることにより、ロック部品550から引張部材450の取り外しが達成され得る。次いで、引張部材450は、ロック部品550および端子部材470から取り外されてもよい。上記の処理の全ては、端子部材470がスキーブーツ400に取り付けられている間に実行されてもよい。
【0091】
[0105] 様々な部品のいくつかの実施形態および配置が本明細書に記載されているが、様々な部品および/または様々な実施形態に記載される部品の組み合わせは、修正、再配置、変更、調整などされ得ることを理解されるべきである。例えば、記載された実施形態のいずれかにおける部品の配置は、調整または再配置されてもよく、および/または、様々な記載された部品は、それらが現在記載または採用されていない実施形態のいずれかにおいて採用され得る。そのように、様々な実施形態は、本明細書に記載される特定の配置および/または部品構造に限定されないことを認識されるべきである。
【0092】
[0106] 加えて、本明細書に開示される特徴および要素の任意の実行可能な組み合わせも開示されると考えられることを理解されたい。さらに、本開示の実施形態に関して特徴が論じられないときはいつでも、当業者は、本発明のいくつかの実施形態がそのような特徴を暗黙的かつ具体的に排除し得ることをここに通知し、それによって否定的なクレーム制限を提供する。
【0093】
[0107] いくつかの実施形態を説明したところで、本発明の精神を逸脱することなく、様々な変形、代替構成および均等物が使用され得ることが当業者には理解されよう。加えて、本発明を不必要に不明瞭化することを避けるために、いくつかの周知のプロセスおよび要素は記載されていない。したがって、上記説明は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【0094】
[0108] 数値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間に入る各値が、下限の単位の10分の1まで(そうでないことを文脈が明らかに指図しない限り)、同じく具体的に開示されるということが理解されよう。述べられた範囲内の任意の述べられた値または間に入る値と、その述べられた範囲の任意の他の述べられた値または間に入る値との間のより小さな範囲それぞれが包含される。これらのより小さな範囲の上限および下限は、独立して、その範囲に含まれてもよく、またはその範囲から除外されてもよく、範囲のいずれかもしくは両方がより小さな範囲に含まれる各範囲も、その述べられた範囲内の任意の特別に除外された限界を条件として、本発明に包含される。述べられた範囲が限界の一方または両方を含む場合、それらの含まれる限界のいずれかまたは両方を除外する範囲もまた、含まれる。
【0095】
[0109] 本明細書および特許請求の範囲の中で使用される単数形「一つの」または「その」は、文脈がそうでないことを明らかに指図しない限り、複数の指示対象をも含む。したがって、たとえば、「ある一つのプロセス」の参照は、複数のそのようなプロセスをも含み、「その装置」の参照は、一つまたは複数の装置および当業者には公知のそれらの等価物の参照をも含む、などである。
【0096】
[0110] また、本明細書および特許請求の範囲の中で使用される語「含む(comprise)」、「含む(comprising)」、「含む(include)」および「含む(includes)」は、述べられた特徴、完全体、部品または工程の存在を指定することを意図したものであるが、一つまたは複数の他の特徴、完全体、部品、工程、動作または群の存在または追加を排除するものではない。
【国際調査報告】