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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】エアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20231213BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20231213BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/465
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534232
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 CN2021136484
(87)【国際公開番号】W WO2022121948
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202022975947.8
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517075997
【氏名又は名称】深▲せん▼市合元科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN FIRST UNION TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】Bldg C, Tangwei High-Tech Park, Fuyong Str, Baoan Dist, Shenzhen, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】李新軍
(72)【発明者】
【氏名】胡瑞龍
(72)【発明者】
【氏名】徐中立
(72)【発明者】
【氏名】李永海
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC22
4B162AC34
(57)【要約】
本出願は、エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、第1電極及び第2電極を含む電池セルと、第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタと、誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサを含むLCC発振器であって、第1コンデンサの第1端が第1電極に接続され、第2端が第2コンデンサの第1端に接続され、第2コンデンサの第2端が第2電極に接続され、誘導コイルの第1端が第1コンデンサの第2端に接続され、第2端が第1スイッチトランジスタを介して第1電極に接続され、及び第2スイッチトランジスタを介して第2電極に接続され、第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタが交互にオン・オフになって、交番電流が誘導コイルを流れて変動磁場を発生させるように導く前記LCC発振器と、変動磁場により貫通されて発熱して、キャビティ内に受け入れられたエアロゾル発生製品を加熱するように構成されたサセプタと、を含む、エアロゾル発生装置を提供する。以上のエアロゾル発生装置はLCC発振器によって逆変換を形成し、LC発振器に対して共振周波数がより低く、効率がより高くなる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生製品を加熱して喫煙用エアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
第1電極及び第2電極を含む電池セルと、
第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタと、
誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサを含むLCC発振器であって、前記第1コンデンサの第1端が前記第1電極に接続され、第2端が前記第2コンデンサの第1端に接続され、前記第2コンデンサの第2端が前記第2電極に接続され、前記誘導コイルの第1端が前記第1コンデンサの第2端に接続され、第2端が前記第1スイッチトランジスタを介して前記第1電極に接続され、及び前記第2スイッチトランジスタを介して前記第2電極に接続され、
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタが、交互にオン・オフになって、交番電流が前記誘導コイルを流れるように導いて、前記誘導コイルを駆動して変動磁場を発生させるように構成される前記LCC発振器と、
変動磁場により貫通されて発熱して、前記キャビティ内に受け入れられたエアロゾル発生製品を加熱するように構成されたサセプタと、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタは前記交番電流を循環的に導くように構成され、各前記循環は、
前記第1スイッチトランジスタをオンにして前記第2スイッチトランジスタをオフにすることで、前記第1コンデンサの放電及び前記第2コンデンサの充電を同時に行った後、前記第1コンデンサを充電し、前記誘導コイルの正方向において電流を導く正の半分と、
前記第1スイッチトランジスタをオフにして前記第2スイッチトランジスタをオンにすることで、前記第1コンデンサの充電及び前記第2コンデンサの放電を同時に行った後、前記第2コンデンサを充電し、前記誘導コイルの負方向において電流を導く負の半分と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタはゼロ電流スイッチングインバータトポロジーに基づいてオン・オフされて、交番電流が前記誘導コイルを流れるように導くことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記LCC発振器は常に弱い誘導性であるように維持されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記第1スイッチトランジスタと前記第2スイッチトランジスタの切替は同時ではないことを特徴とする、請求項2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタのうち、一方がオフにされる時間は他方がオンにされる時間よりも早いことを特徴とする、請求項5に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第1コンデンサと第2コンデンサは等しい容量値を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記第1コンデンサ及び/又は第2コンデンサの最大電圧は前記電池セルの出力電圧よりも高いことを特徴とする、請求項7に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記第1コンデンサは少なくとも2つの並列に接続されたコンデンサを含み、
及び/又は、前記第2コンデンサは少なくとも2つの並列に接続されたコンデンサを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタのオン・オフをPWM方式で制御するように構成されたコントローラをさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
抵抗であって、前記第2コンデンサの第2端及び第2スイッチトランジスタの第2端が当該抵抗を介して前記電池セルの第2電極に接続される抵抗と、
前記抵抗を流れる電流を監視するための過電流監視部と、
前記抵抗を流れる電流が閾値よりも大きい場合に、前記第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタをオフに制御するように構成されたコントローラと、をさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
エアロゾル発生製品を加熱して喫煙用エアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサであって、前記第1コンデンサと前記誘導コイルが直列に接続されて第1LC発振器が構成され、前記第2コンデンサと誘導コイルが直列に接続されて第2LC発振器が構成される誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサと、
ゼロ電流スイッチングインバータトポロジーによって前記第1LC発振器及び第2LC発振器が発振するように導いて、前記誘導コイルを流れる交番電流を形成して、前記誘導コイルを駆動して変動磁場を発生させるように構成されたトランジスタスイッチと、
変動磁場により貫通されて発熱して、前記キャビティ内に受け入れられたエアロゾル発生製品を加熱するように構成されたサセプタと、を含むことを特徴とする、エアロゾル発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は2020年12月8日に中国特許局へ出願された、出願番号202022975947.8、発明名称「エアロゾル発生装置」の中国特許の優先権を主張し、その全ての内容が引用によって本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願の実施例は電磁誘導による加熱式非燃焼喫煙具の分野に関し、特にエアロゾル発生装置に関する。
【背景技術】
【0003】
タバコ製品(例えば、紙巻タバコ、葉巻タバコ等)は使用中にタバコを燃焼させてタバコの煙を発生させるものである。タバコを燃焼させるこれらの製品の代替として、燃焼せずに化合物を放出する製品を製造する努力が試みられていた。
【0004】
そのような製品の一例は加熱装置であり、それは材料を燃焼ではなく加熱することで化合物を放出させる。例えば、該材料はタバコ又は他の非タバコ製品であり得、これらの非タバコ製品はニコチンを含有してもしなくてもよい。公知の装置では、電磁誘導によって発熱するヒータは、タバコ製品を加熱して喫煙用エアロゾルを発生させる。以上の加熱装置の1つの従来技術に係る実施例において、201580007754.2号特許には、特製シガレット製品を電磁誘導によって加熱する誘導加熱装置が提案されており、具体的には、1つの誘導コイルと1つのコンデンサを直列又は並列してLC発振を構成する方式で交流を形成し、それにより、コイルに交番磁場を発生させてサセプタを誘導して発熱させてシガレット製品を加熱する。
【発明の概要】
【0005】
本出願の一実施例は、エアロゾル発生製品を加熱して喫煙用エアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
第1電極及び第2電極を含む電池セルと、
第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタと、
誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサを含むLCC発振器であって、前記第1コンデンサの第1端が前記第1電極に接続され、第2端が前記第2コンデンサの第1端に接続され、前記第2コンデンサの第2端が前記第2電極に接続され、前記誘導コイルの第1端が前記第1コンデンサの第2端に接続され、第2端が前記第1スイッチトランジスタを介して前記第1電極に接続され、及び前記第2スイッチトランジスタを介して前記第2電極に接続され、
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタが、交互にオン・オフになって、交番電流が前記誘導コイルを流れるように導いて、前記誘導コイルを駆動して変動磁場を発生させるように構成される前記LCC発振器と、
変動磁場により貫通されて発熱して、前記キャビティ内に受け入れられたエアロゾル発生製品を加熱するように構成されたサセプタと、を含む、エアロゾル発生装置を提供する。
【0006】
上記したエアロゾル発生装置はLCC発振器によって逆変換を形成し、LC発振器に対して共振周波数がより低く、効率がより高くなる。
【0007】
好ましい実施形態において、前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタは前記交番電流を循環的に導くように構成され、各前記循環は、
前記第1スイッチトランジスタをオンにして前記第2スイッチトランジスタをオフにすることで、前記第1コンデンサの放電及び前記第2コンデンサの充電を同時に行った後、前記第1コンデンサを充電し、前記誘導コイルの正方向において電流を導く正の半分と、
前記第1スイッチトランジスタをオフにして前記第2スイッチトランジスタをオンにすることで、前記第1コンデンサの充電及び前記第2コンデンサの放電を同時に行った後、前記第2コンデンサを充電し、前記誘導コイルの負方向において電流を導く負の半分と、を含む。
【0008】
好ましい実施形態において、前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタはゼロ電流スイッチングインバータトポロジーに基づいてオン・オフされて、交番電流が前記誘導コイルを流れるように導く。
【0009】
好ましい実施形態において、前記LCC発振器は常に弱い誘導性であるように維持される。
【0010】
好ましい実施形態において、前記第1スイッチトランジスタと前記第2スイッチトランジスタの切替は同時ではない。
【0011】
好ましい実施形態において、前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタのうち、一方がオフにされる時間は他方がオンにされる時間よりも早い。
【0012】
好ましい実施形態において、前記第1コンデンサと第2コンデンサは等しい容量値を有する。
【0013】
好ましい実施形態において、前記第1コンデンサ及び/又は第2コンデンサの最大電圧は前記電池セルの出力電圧よりも高い。
【0014】
好ましい実施形態において、前記第1コンデンサは少なくとも2つの並列に接続されたコンデンサを含み、
及び/又は、前記第2コンデンサは少なくとも2つの並列に接続されたコンデンサを含む。
【0015】
好ましい実施形態において、
前記第1スイッチトランジスタと第2スイッチトランジスタのオン・オフをPWM方式で制御するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0016】
好ましい実施形態において、
抵抗であって、前記第2コンデンサの第2端及び第2スイッチトランジスタの第2端が当該抵抗を介して前記電池セルの第2電極に接続される抵抗と、
前記抵抗を流れる電流を監視するための過電流監視部と、
前記抵抗を流れる電流が閾値よりも大きい場合に、前記第1スイッチトランジスタ及び第2スイッチトランジスタをオフに制御するように構成されたコントローラと、をさらに含む。
【0017】
本出願のさらなる実施例は、エアロゾル発生製品を加熱して喫煙用エアロゾルを発生させるように構成されたエアロゾル発生装置であって、
エアロゾル発生製品を受け入れるためのキャビティと、
誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサであって、前記第1コンデンサと前記誘導コイルが直列に接続されて第1LC発振器が構成され、前記第2コンデンサと誘導コイルが直列に接続されて第2LC発振器が構成される誘導コイル、第1コンデンサ及び第2コンデンサと、
ゼロ電流スイッチングインバータトポロジーによって前記第1LC発振器及び第2LC発振器が発振するように導いて、前記誘導コイルを流れる交番電流を形成して、前記誘導コイルを駆動して変動磁場を発生させるように構成されたトランジスタスイッチと、
変動磁場により貫通されて発熱して、前記キャビティ内に受け入れられたエアロゾル発生製品を加熱するように構成されたサセプタと、を含む、エアロゾル発生装置をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
1つ又は複数の実施例についてはそれに対応する図面中の図によって例示的に説明するが、これらの例示的説明は実施例を限定するものではなく、図面において同じ参照用数字符号を付けた素子/モジュール及び工程は類似的な素子/モジュール及び工程であることを示し、特に断らない限り、図面中の図は比例を制限するものではない。
図1】本出願の一実施例で提供されるエアロゾル発生装置の構造模式図である。
図2図1における回路の一実施例の構造ブロック図である。
図3図2における回路の一実施例の基本コンポーネントの模式図である。
図4図3におけるLCC発振器の一段階における順方向電流の模式図である。
図5図3におけるLCC発振器の一段階における逆方向電流の模式図である。
図6図3におけるLCC発振器の発振過程において誘導コイルを流れる電流の模式図である。
図7図3におけるLCC発振器の発振過程において測定された電流及び電圧変動の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本出願を容易に理解するために、以下において図面及び具体的な実施形態を参照しながら、本出願をより詳細に説明する。
【0020】
本出願の一実施例はエアロゾル発生装置を提案し、その構造は図1に示すように、
エアロゾル発生製品Aが取り除き可能に受け入れられるキャビティと、
交番電流下で変動磁場を発生させるための誘導コイルLと、
少なくとも一部がキャビティ内を延在するサセプタ30であって、誘導コイルLに誘導結合され、変動磁場により貫通されて発熱して、シガレットのようなエアロゾル発生製品Aを加熱し、エアロゾル発生製品Aの少なくとも1つの成分を揮発させ、喫煙用エアロゾルを形成するように構成されたサセプタ30と、
充電可能な直流電池セルであり、直流電流を出力可能である電池セル10と、
充電可能な電池セル10に適切に電気的に接続されることにより、電池セル10から出力された直流電流を、適切な周波数を有する交番電流に変換してから誘導コイルLに供給するための回路20と、を含む。
【0021】
製品の使用における設定に応じて、誘導コイルLは、図1に示すように、螺旋状に巻かれた円筒形誘導コイルを含んでもよい。螺旋状に巻かれた円筒形誘導コイルLは、約5mmから約10mmの範囲内にある半径rを有してもよく、そして、特に半径rは約7mmであってもよい。螺旋状に巻かれた円筒形誘導コイルLの長さは、約8mmから約14mmの範囲内であってもよく、誘導コイルLの巻き数は、約8ターンから15ターンの範囲内である。それに応じて、内体積は約0.15cmから約1.10cmの範囲内であり得る。
【0022】
より好ましい実施形態において、回路20から誘導コイルLに供給されている交番電流の周波数は80KHz~400KHzにあり、より具体的には、前記周波数は約200KHzから300KHzの範囲であってもよい。
【0023】
好ましい一実施例において、電池セル10により提供される直流給電電圧は、約2.5Vから約9.0Vの範囲内にあり、電池セル10により提供可能な直流電流のアンペア数は、約2.5Aから約20Aの範囲内である。
【0024】
好ましい一実施例において、サセプタ30は、ほぼピン状又はブレード状であり、これにより、エアロゾル発生製品Aへの挿入に有利である。また、サセプタ30は、約12ミリメートルの長さ、約4ミリメートルの幅及び約0.5ミリメートルの厚さを有してもよく、且つグレード430のステンレス鋼(SS430)で製造されてもよい。代替的な実施例として、サセプタ30は、約12ミリメートルの長さ、約5ミリメートルの幅及び約0.5ミリメートルの厚さを有してもよく、且つグレード430のステンレス鋼(SS430)で製造されてもよい。他の変形実施例において、サセプタ30はさらに、円筒状又は管状に構成されてもよい。使用時に、その内部空間はエアロゾル発生製品Aを受け入れるためのキャビティを形成し、そして、エアロゾル発生製品Aの外周を加熱する方式で、喫煙用エアロゾルを発生させる。これらのサセプタはさらに、グレード420のステンレス鋼(SS420)、及び鉄ニッケル含有合金材料(例えば、パーマロイ)で製造されてもよい。
【0025】
図1に示す実施例において、エアロゾル発生装置は、誘導コイルL及びサセプタ30を配置するためのホルダ40をさらに含み、当該ホルダ40の材質は、PEEK又はセラミック等のような、高温に耐える非金属材料を含んでもよい。実施において、誘導コイルLはホルダ40の外壁に巻き付けられて固定されている。また、図1に示すように、当該ホルダ40は中空の管状形状であり、その管状の中空部分の空間は、エアロゾル発生製品Aを受け入れるための上記キャビティを形成する。
【0026】
選択的な実施形態において、サセプタ30は、以上の感受性の材質で製造されるか、又はセラミック等の耐熱性の基材の外面に電気めっき、堆積等を施すことで感受性材料コーティングを形成してなる。
【0027】
以上の回路20の好ましい一実施形態における構造及び基本コンポーネントは、図2から図3に示すように、次のLCC発振器24、ハーフブリッジ23、及びハーフブリッジドライバ22を含んでもよい。
LCC発振器24は、以上の誘導コイルL、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2からなる。LCC発振器24は、発振の過程において誘導コイルLを流れる交番電流を形成することで、誘導コイルLに交番磁場を発生させてサセプタ30を誘導して発熱させるために用いられる。
ハーフブリッジ23は、トランジスタスイッチからなるハーフブリッジ回路であり、交互にオン・オフ切り替わることでLCC発振器24を発振させるためのスイッチトランジスタQ1とスイッチトランジスタQ2を含む。
ハーフブリッジドライバ22は、MCUコントローラ21の制御信号に基づいてハーフブリッジ23のスイッチトランジスタQ1とスイッチトランジスタQ2が交互にオン・オフするように制御するために用いられる。
【0028】
以上の実施例におけるLCC発振器24の完全な接続方式及び詳細な発振過程は図3に示され、具体的には、
接続について、第1コンデンサC1は第1端が電池セル10の正極に接続され、第2端が第2コンデンサC2の第1端に接続される。第2コンデンサC2は第2端が抵抗R1を介して接地される。
ハーフブリッジ23のスイッチトランジスタQ1は第1端が電池セル10の正極に接続され、第2端がスイッチトランジスタQ2の第1端に接続され、スイッチトランジスタQ2は第2端が抵抗R1を介して接地される。当然ながら、スイッチトランジスタQ1及びスイッチトランジスタQ2の被制御端はいずれもハーフブリッジドライバ22に接続され、ハーフブリッジドライバ22の駆動によってオン・オフされる。
誘導コイルLは第1端がスイッチトランジスタQ1の第2端に接続され、第2端が第1コンデンサC1の第2端に接続される。また、LCC発振器24のハードウェアの選択について、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2の最大電圧値が電池セル10の出力電圧値を大きく上回っているものとする。例えば、通常の実施において、使用される電池セル10の出力電圧はほとんど約4Vであるが、使用される第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2の最大電圧は30~80Vである。
【0029】
上記構造のLCC発振器24では、スイッチトランジスタQ1とスイッチトランジスタQ2の切替状態において、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2と誘導コイルLとの接続状態が変化している。具体的には、図3において、スイッチトランジスタQ1がオンになって、スイッチトランジスタQ2がオフになると、第1コンデンサC1と誘導コイルLは閉じた直列LC回路を共同で形成するが、第2コンデンサC2と誘導コイルLは両端がそれぞれ電池セル10の正負極に接続された直列LC回路を形成する。一方、スイッチトランジスタQ1がオフになって、スイッチトランジスタQ2がオンになると、構成された回路は上記状態とは逆であり、第1コンデンサC1と誘導コイルLは両端がそれぞれ電池セル10の正負極に接続された直列LC回路を形成するが、第2コンデンサC2と誘導コイルLは閉じた直列LC回路を共同で形成する。それぞれの異なる状態において、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2はいずれも誘導コイルLとそれぞれのLC回路を形成することができる。しかし、それぞれのLC回路の発振過程において、発生された誘導コイルLを流れる電流の方向及び周期は同じであり、誘導コイルLを流れる交番電流を共同で形成する。
【0030】
具体的には、上記LCC発振器24を有する発振過程の制御ステップは、一般的な直列又は並列のLC発振器とは異なる。さらに、本出願の好ましい実施形態において、スイッチトランジスタQ1とスイッチトランジスタQ2の切替動作によってLCC発振器24の完全な発振過程を説明し、以下を含む。
【0031】
S10では、スイッチトランジスタQ1をオンにし、スイッチトランジスタQ2をオフ状態に維持し、この状態でLCC発振器24は具体的に次の2つの過程を完了する。
【0032】
S11では、図4に示すように、スイッチトランジスタQ1がオンになって、スイッチトランジスタQ2がオフになると、電池セル10は電流i1によって第2コンデンサC2を充電するとともに、第1コンデンサC1は電流i2によって放電し、当該過程において図4に示す誘導コイルLを左から右へ流れる電流が形成され、正方向の電流とすることができる。この段階S11では、第1コンデンサC1は、スイッチトランジスタQ1がオンになった時から放電を開始し、両端の電圧差が0になるまで放電を完了し、そして第2コンデンサC2は、両端の電圧が電池セル10の出力電圧と等しくなるまで増加した時に、充電を停止し、この時、誘導コイルLの電流は共振ピークが最大になる。
【0033】
S12では、段階S11が完了した後もスイッチトランジスタQ1がオンになり、スイッチトランジスタQ2がオフになった状態を維持し続け、誘導コイルLは図4における電流i2と同じ方向で放電して第1コンデンサC1を充電し、それにより、誘導コイルLを正方向に流れる電流は、誘導コイルLの放電によって電流が0になるまで、徐々に小さくなる。この段階では、段階S11において第1コンデンサC1は完全に放電したため、誘導コイルLと、スイッチトランジスタQ1を介して第1コンデンサC1と形成される回路とはインピーダンスがほとんどなく、従って、この段階S12では、誘導コイルLは主に放電して第1コンデンサC1を充電し、放電過程において誘導コイルLを流れる電流は段階S11における電流i2と同じである。第2コンデンサC2は段階S11において実質的に電池セル10と同じ出力電圧に充電されており、この段階S12では、誘導コイルLは第2コンデンサC2に対してごく僅かに補償するが、基本的には無視される程度のものである。
【0034】
段階S11及び段階S12からなる完全な過程において、誘導コイルLを流れる総電流は、0から最大まで正方向に増加してから、誘導コイルLの放電によって0まで徐々に低下し、誘導コイルLを流れる電流の方向は常に左から右への正方向である。
【0035】
S20では、ステップS10が完了した後、スイッチトランジスタQ1をオフにし、スイッチトランジスタQ2をオンにする。具体的には、次の2段階の過程を完了する。
【0036】
S21では、スイッチトランジスタQ2がオンになった時から、LCC発振器24内に図5に示す電流i3及び電流i4の回路が形成される。図5に示す電流経路によれば、電流i3は電池セル10の正極から順に第1コンデンサC1、誘導コイルL、スイッチトランジスタQ2を経てから接地によって電池セル10の負極に戻って回路を形成する。また、電流i4は、第2コンデンサC2の正端から図に示す反時計回り方向に順に誘導コイルL、スイッチトランジスタQ2を経てから第2コンデンサC2の負端に戻って回路を形成する。当該過程において、図5に示す誘導コイルLを右から左へ流れる電流が形成され、図4における電流方向とは逆であり、負方向の電流とすることができる。
【0037】
段階S21は第1コンデンサC1の充電、及び第2コンデンサC2の放電の両方をも含む。第1コンデンサC1の電圧が電池セル10の出力電圧と等しくなるまで増大した場合、及び第2コンデンサC2両端の電圧差が0になった場合に、誘導コイルLの電流は共振ピークが最大になる。
【0038】
S22では、段階S21が完了した後もスイッチトランジスタQ2のオンを維持し続け、誘導コイルLは第2コンデンサC2を逆方向に充電し、それにより、誘導コイルLを負方向に流れる電流は、誘導コイルLの放電によって電流が0になるまで、徐々に小さくなる。
【0039】
当該ステップS20の段階S21及び段階S22からなる完全な過程において、誘導コイルLを流れる総電流は同様に、0から最大まで逆方向に増加してから、誘導コイルLの放電によって0まで徐々に低下する。
【0040】
以上において、LCC発振器24の発振における電流切替はスイッチトランジスタQ1及びスイッチトランジスタQ2からなるハーフブリッジ23によって制御される。当然ながら、同様の実施形態に基づいて、当業者であれば、LCC発振器24の発振を駆動するために、4つのスイッチトランジスタを含むフルブリッジ回路に置き換えるか又はそれを用いることができる。
【0041】
従って、上記したLCC発振器24の発振過程において、誘導コイルLを流れる電流の変動は、図6に示すように、1つの完全な電流周期は、図6において以上の段階S11/S12/S21/S22にそれぞれ対応する4つの部分を含む。以上のステップS10及びステップ20では、スイッチトランジスタQ1とスイッチトランジスタQ2のオン・オフ状態を交互に循環的に切り替え、これにより、LCC発振器24内に以上の段階S11/S12/S21/S22の発振過程を循環的に発生させて、誘導コイルLを流れる交番電流を形成することができる。
【0042】
従って、以上の制御過程から分かるように、本出願のLCC発振器24は、従来のLC発振器のZVS(ゼロ電圧スイッチング)インバータトポロジーと異なるZCS(ゼロ電流スイッチング)インバータトポロジーによって逆変換が発生する。そして、スイッチトランジスタQ1及びスイッチトランジスタQ2は、誘導コイルLを流れる電流が0である時にオン/オフの切替が行われるように構成される。
【0043】
図3に示す好ましい実施形態において、第1コンデンサC1及び第2コンデンサC2の数はいずれも1つである。他の選択的な実施形態において、第1コンデンサC1又は第2コンデンサC2のそれぞれは、互いに並列に接続された2つや3つの相対容量値がより小さいコンデンサからなるものであってもよい。例えば、第1コンデンサC1について、本来必要とされる相対的に大きなコンデンサの代わりに複数の小さなコンデンサを使用する場合、それらの容量は同じ又はほぼ同じであるため、それぞれはLCC発振器24の発振周波数の変化に伴って、単一コンデンサの場合に比べて大幅に低下した、変化しているESR(等価抵抗値)を示すことができ、具体的には、低周波数の場合にESRは相対的に高く、高周波数の場合にESRは相対的に低く、スパイクパルスの防止に有利であり得る。また、本来必要とされる相対的に大きなコンデンサの代わりに複数の小さなコンデンサを使用すると、LCC発振器24の共振周波数の低下に有利である。
【0044】
上記LCC発振器24を用いた回路20は、実施においてZCS技術によって逆変換を形成し、従来の単一コンデンサによるLC直列/並列発振に比べてほぼ半分の共振周波数を有する。通常、LC直列/並列発振の周波数が約380Hzである場合、上記LCC発振器24の発振周波数は約190KHzであり、同期検出及びMCUコントローラ21の制御の両方にも有利である。
【0045】
また、以上の発振過程において、検出によって得られたLCC発振器24の共振電圧及び電流の変動は図7に示され、共振電圧は共振電流よりも約周期の1/4進んでおり、LCC発振器24全体は弱い誘導性を示している。「容量性」、「誘導性」は電子デバイスの直並列回路(例えば、LC発振器又は上記LCC発振器24)に関する電気用語である。直並列回路の容量性リアクタンスが誘導性リアクタンスよりも大きい場合、回路は「容量性」であり、誘導性リアクタンスが容量性リアクタンスよりも大きい場合、回路は誘導性である。「弱い誘導性」の状態は、誘導性リアクタンスと容量性リアクタンスとが実質的に近く、且つ誘導性リアクタンスが容量性リアクタンスよりもはるかに大きいのではなく僅かに大きい状態である。
【0046】
より好ましい実施形態において、以上のステップS12及びステップS22の実行中に、本来誘導コイルLの放電によって電流が0になった時にオフにする必要があるスイッチトランジスタQ1/スイッチトランジスタQ2を少し早めにオフにし、他方を同時にオンにしないようにすることができる。例えば、図6に示すように、ステップS12で誘導コイルLの放電によって電流が0に近いが0になっていない時点t2で、スイッチトランジスタQ1を早めにオフにし、その後、誘導コイルLの放電によって電流が0になった時点t3で、スイッチトランジスタQ2は依然としてオンになっているままである。実施において約0.1~0.5μs早めにオフにすることができ、誘導コイルLが未だ0まで完全に放電していないため、スイッチトランジスタQ2はフリーホイーリング状態になり、誘導コイルLに残った少量の電気エネルギーで第2コンデンサC2を充電することができる。以上の0.1~0.5μsのフリーホイーリング(いわゆるデッドタイム期間)の後、スイッチトランジスタQ2両端の電圧差は実質的に完全に0に近くなり、この時点でスイッチトランジスタQ2をオンにすると、損耗の程度が大いに低下し、安全効果が大幅に向上する。
【0047】
早めにオフにする以上の方法は、上記した図7において電圧が電流よりも進んでおり、そしてLCCが弱い誘導性であるという特徴に対応して行われるものである。電流が0の時にオフにすると、電圧が電流を超えるLCC発振器24は容量性であり、スイッチトランジスタを早めにオフにすることで保護ゾーン又は緩衝ゾーンを形成することができ、容量性や早く進むことといった好ましくない要因を排除するのに有利である。これにより、一方では、スイッチトランジスタQ1/スイッチトランジスタQ2のオン・オフの切替が同時に行われるのではなく、前者がオフになってから、後者がオンになるまでの間に上記した0.1~0.5μsの保護時間差があり、オンになる直前のスイッチトランジスタの安全を守ることが可能になり、他方では、LCC発振器24が常に弱い誘導性の状態にあり、容量性又は強い誘導性になることはなく、効率が向上する。
【0048】
さらに、LCC発振器24の発振過程及び周期等の詳細を正確に検出するために、図2及び図3に示すように、実施では、LCC発振器24の発振過程における電流、電圧又は周期等の変化する物理的パラメータを同期検出する役割を果たす同期部25をさらに含む。具体的には、図3に示す実施例において、当該同期部25は主にオペアンプU1を含み、検出の信号入力端子は誘導コイルLの第2端に接続され、ダイオード整流等の処理を経てから、オペアンプU1はここの電気信号をサンプリングして検出することができる。
【0049】
又は、選択的な実施形態において、オペアンプU1の基準信号端子を直接0と設定することで、それをLCC発振器24の発振電流が0である時点を検出するためのゼロクロスコンパレータにし、その後、MCUコントローラ21はこの検出結果に基づいて図6に示すゼロクロス時点と併せてLCC発振器24の電流、電圧又は周期等の変化する物理的パラメータを取得する。
【0050】
さらに、図3に示す実施例を参照すると、ハーフブリッジドライバ22が採用するのは、一般的な型番FD2204のスイッチトランジスタドライバであり、MCUコントローラ21によってPWM方式で制御され、PWMのパルス幅に応じてそれぞれ第3と第10のI/Oポートによってハイレベル/ローレベルを交互に出し、スイッチトランジスタQ1、スイッチトランジスタQ2のオン時間を駆動して、LCC発振器24の発振を制御する。
【0051】
以上の詳細な制御ステップから分かるように、LCC逆変換の過程は対称的なものであり、デューティサイクルは50%に近く、これに応じてMCUコントローラ21はデューティサイクル50%のPWM制御信号をハーフブリッジドライバ22に送信すれば、ハーフブリッジ23がこの方式で切り替わるように駆動することができる。
【0052】
さらに、図2及び図3に示す好適な実施例を参照すると、回路20は過電流監視部26をさらに含み、当該過電流監視部26は、電池セル10とLCC発振器24とからなる回路である主回路の電流値を監視して、電流が過大になる場合に発生する安全問題を防止するために用いられる。
【0053】
図3の実施形態において、過電流監視部26はまず抵抗R1に基づいて実施され、LCCの発振過程においては、常に抵抗R1を介して接地することによって電池セル10の負極と回路を形成し、よって、発振の過程において抵抗R1は常にLCC発振器24と導通され、さらに抵抗R1の接地電圧を検出すれば、主回路の電流を得ることができる。具体的には、
図3では、過電流監視部26はオペアンプU2及びオペアンプU3の2つのオペアンプを含む。実施において、その一方は比較演算のために用いられ、他方は出力増幅のために用いられる。図3の好ましい実施形態において、オペアンプU2は主に、R1両端の電圧値をサンプリングし、演算によって主回路の電流値の出力信号を生成するために用いられる。その後、オペアンプU2から出力された信号をオペアンプU3がさらに増幅した後、MCUコントローラ21はサンプリングして取得する。
【0054】
又は、他の変形実施例において、オペアンプU3はさらに、オペアンプU2から出力された電圧信号を閾値と比較する比較機能としても利用可能であり、閾値未満という比較結果であると、MCUコントローラ21にローレベルの電圧信号を出力し、主回路の電流が所定の安全閾値以下であることを示し、閾値を超えるという比較結果であると、MCUコントローラ21にハイレベルを出力し、主回路の電流が所定の安全閾値を超えることを示し、MCUコントローラ21は当該結果に基づいてハーフブリッジ23をオフにして発振を停止するように制御し、主回路の安全を確保する。
【0055】
さらに、図3に示す回路20は、符号を付していない抵抗、コンデンサ等も含まれるが、回路20において電流制限やフィルタリング等従来の汎用部材の機能を発揮し、当業者であれば理解しやすいため、詳記しない。
【0056】
説明すべきことは、本出願の明細書及び図面には本出願の好ましい実施例が示されたが、本出願は本明細書に説明した実施例に限定されず、さらに、当業者であれば、上記説明に基づいて改良や変換を加えることができ、これらの改良や変換は全て本出願の添付する特許請求の範囲の保護範囲に属するものとする点である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】