IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 任 志民の特許一覧

特表2023-553054多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード
<>
  • 特表-多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード 図1A
  • 特表-多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード 図1B
  • 特表-多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード 図1C
  • 特表-多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード 図1D
  • 特表-多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード 図1E
  • 特表-多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】多視角画像喉頭鏡及び複数の画像取得設備を配置したブレード
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/267 20060101AFI20231213BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20231213BHJP
【FI】
A61B1/267
A61B1/00 718
A61B1/00 682
A61B1/00 713
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534387
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2023-08-01
(86)【国際出願番号】 CN2020133571
(87)【国際公開番号】W WO2022116080
(87)【国際公開日】2022-06-09
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523207995
【氏名又は名称】任 志民
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】任 志民
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA13
4C161CC06
4C161FF30
4C161FF40
4C161JJ19
4C161LL02
4C161LL08
4C161UU06
(57)【要約】
【課題】従来の画像式喉頭鏡の制限を克服し、術者が切羽詰まった状況においても、有効に、速やかにかつ安全に気管挿管を完成できる。
【解決手段】本発明はハンドル(11)、ブレード(12)、第1画像取得設備(13)と第2画像取得設備(14)とを備える多視角画像喉頭鏡(1)を提供する。ブレード(12)とハンドル(11)は着脱可能に連接する。ブレード(12)は結合部(121)、側板(122)と横板(123)を含む。結合部(121)はハンドル(11)の一端に着脱可能に連接し、側板(122)は結合部(121)から外へ延伸し、横板(123)は側板(122)の一側から折り曲げて外へ延伸する。第1画像取得設備(13)は横板(123)を離れる側板(122)の一側に設置し、第1画像取得設備(13)は第1画像(P1)を取得する。第2画像取得設備(14)は横板(123)に設置して、横板(123)の中心軸線にまたはその近くに位置し、第2画像取得設備(14)は第1画像取得設備(13)よりも結合部(121)を離れ、第2画像取得設備(14)は第2画像(P2)を取得する。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと、前記ハンドルと着脱可能に連接するブレードとを含む多視角画像喉頭鏡であって、
前記ブレードは前記ハンドルの一端と着脱可能に連接する結合部と、前記結合部から外へ延伸する側板と、前記側板の一端から折り曲げて外へ延伸する横板と、前記横板を離れる前記側板の一側に設置し、第1画像を取得する第1画像取得設備と、前記横板に設置して、前記横板の中心軸線にまたはその近くに位置し、前記第1画像取得設備よりも結合部を離れ、第2画像を取得する第2画像取得設備とを備えることを特徴とする多視角画像喉頭鏡。
【請求項2】
前記多視角画像喉頭鏡はさらに第3画像取得設備を含み、前記第3画像取得設備は前記側板を離れる前記横板の一側に設置し、前記第1画像取得設備よりも前記結合部を離れ、前記第2画像取得設備よりも前記結合部の近くに位置し、第3画像を取得することを特徴とする請求項1に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項3】
前記ブレードはさらに底板を含み、前記側板の他側から折り曲げて外へ延伸し、前記底板と前記横板は前記側板の両側にそれぞれ設置し、前記底板と前記横板は前記側板から折り曲げて外へ延伸する方向がそれぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項4】
前記底板の幅は前記結合部の近くから前記結合部を離れる所まで徐々に小さくなることを特徴とする請求項3に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項5】
前記側板の幅は前記結合部の近くから前記結合部を離れる所まで徐々に小さくなることを特徴とする請求項1に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項6】
前記ハンドルの内部に電気供給装置を設け、前記第1画像取得設備、前記第2画像取得設備と前記第3画像取得設備は前記電気供給装置にそれぞれ電気接続することを特徴とする請求項2に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項7】
前記第1画像取得設備、前記第2画像取得設備と前記第3画像取得設備は無線伝送の方法で表示器と連結し、前記表示器に前記第1画像、前記第2画像及び/または前記第3画像を表示させることを特徴とする請求項2に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項8】
前記第1画像取得設備、前記第2画像取得設備と前記第3画像取得設備はそれぞれ光源と撮影レンズを有することを特徴とする請求項2に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項9】
前記横板の中心軸線と前記ハンドルの軸心に通過する軸線は平行線であることを特徴とする請求項1に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項10】
前記横板は前記結合部に近い一端から前期結合部を離れる一端まで湾曲状に設置され、前記横板は湾曲角度を有し、前記湾曲角度の範囲は120°から150°の間であることを特徴とする請求項1に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項11】
前記横板と前記側板の間に第1夾角を有し、前記底板と前記側板の間に第2夾角を有し、前記第1夾角と前記第2夾角は75°から105°の間であることを特徴とする請求項3に記載の多視角画像喉頭鏡。
【請求項12】
ハンドルの一端と着脱可能に連接し、複数の画像取得設備を配置したブレードであって、
前記ハンドルの一端と着脱可能に連接する結合部と、前記結合部から外へ延伸する側板と、前記側板の一端から折り曲げて外へ延伸する横板と、前記横板を離れる前記側板の一側に設置する第1画像取得設備と、前期横板に設置して、前記横板の中心軸線にまたはその近くに位置し、前記第1画像取得設備よりも前記結合部を離れる第2画像取得設備と、を備えることを特徴とするブレード。
【請求項13】
前記ブレードはさらに第3画像取得設備を含み、前記第3画像取得設備は前記側板を離れる前記横板の一側に設置し、前記第1画像取得設備よりも前記結合部を離れ、前記第2画像取得設備よりも前記結合部の近くに位置することを特徴とする請求項12に記載のブレード。
【請求項14】
前記側板の幅は前記結合部の近くから前記結合部を離れる所まで徐々に小さくなることを特徴とする請求項12に記載のブレード。
【請求項15】
前記第1画像取得設備、前記第2画像取得設備と前記第3画像取得設備はそれぞれ光源と撮影レンズを有することを特徴とする請求項13に記載のブレード。
【請求項16】
前記横板の中心軸線と前記ハンドルの軸心に通過する軸線は平行線であることを特徴とする請求項12に記載のブレード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喉頭鏡に関し、特に多視角画像喉頭鏡に関する。
【0002】
公知の喉頭鏡は台湾特許第M243171号で開示してあるように、気管挿管作業においてガイド補助器具として用いられる。喉頭鏡装置1は発光装置10とブレード20より構成され、ブレード20は舌押さえ板部21を有する三日月状であり、患者の口の中に入れて舌を押さえることで、喉頭蓋軟骨の位置を高くさせる。また、舌押さえ板部21の末端に光源棒28を設置し、発光装置10から出た光源は光源棒28による照明を利用して挿管作業をよりスムーズに行える。
【0003】
上述のような従来の喉頭鏡による気管挿管は術者が患者の唇、口腔、咽喉を通過させながら目視で気管の入り口(声門glottis)を探す。これを、直接または直視型喉頭鏡術(direct laryngoscope)と称する。術者が患者の喉奥の構造をはっきりに見えないと、短い時間で気管内チューブを患者の気管内に挿入できないため、患者が酸欠の危機に直面する恐れがある。気管挿管困難(difficult airway)とは、術者がその患者の気管の入り口(声門)をはっきりと見えないため、気管内チューブを気管に正確に挿入できないこと、または隣の食道に気管内チューブを誤って挿入してしまうことである。そういう場合は患者が酸欠になり、死に至る可能性もある。このような状況は、患者の首が短い、舌が腫れている、口腔内の感染、手術、変形、先天性異常構造、または頚部が手術または放射線治療を受けたことがある、などの患者によく起きる。挿管困難になった場合、患者の容体が短時間で悪化するため、すぐに処置できなければ、患者が酸欠または死亡してしまう。このことから、業界では気管挿管装置を改良開発することにより、このような極めて危険な状況を克服するのが目標である。よって、各種画像の取得と画像表示機能を有する画像式喉頭鏡を開発した。
【0004】
開発された映像取得/表示機能を有する喉頭鏡は、例えば台湾特許第M427913号が開示している画像式喉頭鏡セット05はハンドル部10、画像表示パネル20と円弧形の組み合わせ式ブレード部60と、を備える。画像表示パネル20はハンドル部10の第1端11に結合され、組み合わせ式ブレード部60はハンドル部10の第2端12に結合され、また組み合わせ式ブレード部60の先端に画像取得器92と発光部材93が設置される。気管挿管作業を行う時、画像取得器92が取得した画像を即時に画像表示パネル20に表示できるため、術者は組み合わせ式ブレード部60が患者の舌に対して押さえる角度位置をすぐに調整でき、気管挿管をスムーズに行える。
【0005】
しかし、上述の周知される画像式喉頭鏡セット05は以下の欠点がある。
【0006】
一つ目は、組み合わせ式ブレード部60には画像取得器92が一つだけのため、視野角度が狭く、また、それぞれの患者の口腔内構造が異なることから、組み合わせ式ブレード部60を患者の口腔に通過させて舌を押さえる時、画像器92は速やかに患者の喉の気管位置を定められない時がある。
【0007】
二つ目は、画像取得器92によって患者の喉の気管位置を定める時、状況に応じて円弧角度が異なる組み合わせ式ブレード部60を取り替える場合がある。これにより、気管挿管作業が遅延するだけでなく、再び組み合わせ式ブレード部60を挿入することは患者にとって二次傷害にもなる。
【0008】
三つ目は、画像表示パネル20はハンドル部10の第1端11に結合されるため、術者がハンドル部10を前と上へ引っ張り上げ、組み合わせ式ブレード部60で患者の舌を押さえると、画像表示パネル20の角度方向も変化する。そのため、術者が気管挿管作業する際に画像表示パネル20に表示される画像をスムーズに見ることができず、角度調整が必要になることから挿管作業の流れが影響される。更に、画像取得器の視野が狭いため、はっきり見えかつ鑑別できる画像を取得するのに時間のかかる調整を繰り返す必要があり、非常に不便である。
【0009】
このように、術者が切羽詰まった状況において、有効に、速やかに、かつ安全に気管挿管を終わらせることができる喉頭鏡を提供し、上述の公知される従来の直視型喉頭鏡と画像式喉頭鏡における制限を克服することは重要な課題である。このように、患者にとって安全、最善の治療を追求することは救急救命と重症処置において持続的かつ重要な目標である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術課題は、公知される画像式喉頭鏡における視野角度が狭いことにより患者の喉の声門位置の画像を有効に取得できない問題を克服し、異なる円弧角度の喉頭鏡ブレードを取り替える必要がなく、はっきりに見え、かつ鑑別できる画像を取得するために時間のかかる調整を繰り返す必要もない画像式喉頭鏡を提供することである。このように、複数の画像取得設備によって広視角に患者の喉の声門位置を観察できる。そして、術者が切羽詰まった状況においても速やかに気管挿管を行え、挿管作業時間を有効に短縮し、一回で適切な位置を定めて気管挿管作業をスムーズに終わらせることができる。本発明は上述のような三つの従来の画像式喉頭鏡における制限を克服する。これらに加え、四つ目は、本発明の画像装置は先端角度が大きいブレード(hyperangulated)に画像取得設備を有する為に、極端な挿管困難の場合においては直接視できない声門の画像を取得できることから、挿管困難な場合において今まで克服できなかった問題を解決する。つまり、円弧角度が大きいブレードを使用すると、多視角画像喉頭鏡は慣例の気管挿管(routine endotracheal intubation)に使えるだけではなく、挿管困難(difficult airway)にも使用できる。次に、従来の直視型または画像式喉頭鏡に存在するもう一つ潜在的な危険は、気管挿管する際にブレードを口腔内に入れて声門を探す時、直接視できない、または補助画像なしの段階において口腔内または咽喉組織を傷付ける恐れがある。そこで五つ目は、本発明ではブレードの先に画像取得設備を設けているので、スタート時点からフルタイムに気管挿管過程をモニタニングでき、このようなリスクが避けられる。六つ目は、取得画像が増えることで、患部画像が血液や痰により遮られても残りの画像を利用することが出来るために、速やかに、かつ安全に気管挿管を終わらせることが出来る。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明はハンドル、ブレード、第1画像取得設備と第2画像取得設備とを備える多視角画像喉頭鏡を提供する。ブレードとハンドルは着脱可能に連接する。ブレードは結合部、側板と横板を含む。結合部はハンドルの一端に着脱可能に連接し、側板は結合部から外へ延伸し、横板は側板の一側から折り曲げて外へ延伸する。第1画像取得設備は横板を離れる側板の一側に設置し、第1画像取得設備は第1画像を取得する。第2画像取得設備は横板に設置して、横板の中心軸線にまたはその近くに位置し、第2画像取得設備は第1画像取得設備よりも結合部を離れ、第2画像取得設備は第2画像を取得する。
【0012】
一つの実施例において、多視角画像喉頭鏡はさらに第3画像取得設備を含む。第3画像取得設備は側板を離れる横板の一側に設置し、第1画像取得設備よりも結合部を離れ、第2画像取得設備よりも結合部の近くに位置する。第3画像取得設備は第3画像を取得する。
【0013】
一つの実施例において、ブレードはさらに底板を含む。側板の他側から折り曲げて外へ延伸し、底板と横板は側板の両側にそれぞれ設置し、底板と横板は側板から折り曲げて外へ延伸する方向がそれぞれ異なる。
【0014】
一つの実施例において、底板の幅は結合部の近くから結合部を離れる所まで徐々に小さくなる。
【0015】
一つの実施例において、側板の幅は結合部の近くから結合部を離れる所まで徐々に小さくなる。
【0016】
一つの実施例において、ハンドルの内部に電気供給装置を設け、第1画像取得設備、第2画像取得設備と第3画像取得設備は電気供給装置にそれぞれ電気接続する。
【0017】
一つの実施例において、第1画像取得設備、第2画像取得設備と第3画像取得設備は無線伝送の方法で表示器と連結し、表示器に第1画像、第2画像及び/または第3画像を表示させる。
【0018】
一つの実施例において、第1画像取得設備、第2画像取得設備と第3画像取得設備はそれぞれ光源と撮影レンズを有する。
【0019】
一つの実施例において、横板の中心軸線とハンドルの軸心に通過する軸線は平行線である。
【0020】
一つの実施例において、横板は結合部に近い一端から結合部を離れる一端まで湾曲状に設置され、横板は湾曲角度を有し、湾曲角度の範囲は120°から150°の間である。
【0021】
一つの実施例において、横板と側板の間に第1夾角を有し、底板と側板の間に第2夾角を有する。第1夾角と第2夾角は75°から105°の間である。
【0022】
上述の目的を達するために、本発明の複数の画像取得設備を配置したブレードはハンドルの一端に着脱可能に連接する。ブレードは結合部、側板、横板、第1画像取得設備と第2画像取得設備と、を備える。結合部はハンドルの一端に着脱可能に連接し、側板は結合部から外へ延伸し、横板は側板の一側から折り曲げて外へ延伸する。第1画像取得設備は横板を離れる側板の一側に設置し、第2画像取得設備は横板に設置して、横板の中心軸線にまたはその近くに位置する。第2画像取得設備は第1画像取得設備よりも結合部を離れる。
【発明の効果】
【0023】
上述のように、本発明の多視角画像喉頭鏡は上述の周知される従来の画像式喉頭鏡の制限を克服でき、術者が切羽詰まった状況においても、有効に、速やかにかつ安全に気管挿管を完成できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】本発明の第1実施例の多視角画像喉頭鏡を示す立体図である。
図1B図1Aの多視角画像喉頭鏡の別の角度を示す図である。
図1C図1Bの多視角画像喉頭鏡を示す分解図である。
図1D図1Aの多視角画像喉頭鏡の別の角度を示す図である。
図1E図1Dの多視角画像喉頭鏡の変化を示す図である。
図2】本発明の多視角画像喉頭鏡の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下は図面を参照して本発明の各実施例について説明する。図の中で同じ要素は同じ符号を付して説明する。
【0026】
図1Aから図1Dを参照するとともに図2も参照されたい。図1Aは本発明の第1実施例の多視角画像喉頭鏡を示す立体図である。図1B図1Aの多視角画像喉頭鏡の別の角度を示す図である。図1C図1Bの多視角画像喉頭鏡を示す分解図である。図1D図1Aの多視角画像喉頭鏡の別の角度を示す図である。図2は本発明の多視角画像喉頭鏡の使用状態図である。本実施例において、多視角画像喉頭鏡1はハンドル11、ブレード12、第1画像取得設備13と第2画像取得設備14と、を備える。ブレード12とハンドル11は着脱可能に連接する。ブレード12は結合部121、側板122と横板123を含む。結合部121はハンドル11の一端に着脱可能に連接し、側板122は結合部121から外へ延伸し、横板123は側板122の一側から折り曲げて外へ延伸する。図1Aに示すように、側板122は結合部121からほぼX軸方向に向かって延伸し、横板123は側板122の上側から折り曲げてZ軸方向に向かって外へ延伸することに例えられるが、これに制限されない。
【0027】
第1画像取得設備13は横板123を離れる側板122の一側に設置し、第1画像取得設備13は第1画像P1を取得する。第2画像取得設備14は横板123に設置して、横板123の中心軸線A1にまたはその近くに位置する。第2画像取得設備14は第1画像取得設備13よりも結合部121を離れ、第2画像取得設備14は第2画像P2を取得する。
【0028】
図1A図1Bに示すように、ハンドル11はY軸方向に沿って設置し、ブレード12の結合部121はハンドル11の一端に着脱可能に連接し、側板122は結合部121から外へ延伸する(ほぼ結合部121とハンドル11を離れる方向に向かい、つまりほぼ図1A図1BのX軸方向に向かう)。横板123は側板122から外へ延伸する(側板122を離れる方向に向かい、つまり図1AのZ軸方向に向かう)。横板123と側板122の間の第1夾角φは45°、60°、75°、90°または105°に例えられるが、これらに制限されない。好ましくは、横板123と側板122の間の第1夾角φは90°(図1Dに示すように)である。特に、図1Bに示すように、横板123は結合部121に近い一端から結合部121を離れる一端まで湾曲状に設置し、横板123は湾曲角度θを有し、湾曲角度θは120°、135°、150°に例えられるが、これらに制限されない。好ましいは、湾曲角度θは135°である。ブレード12は曲線角度が大きい設計によって、多視角画像喉頭鏡1は慣例の挿管に使えるだけでなく、挿管困難(difficult airway)にも使用できる。また、図1Aから図1Dに示すように例えられるが、これらに制限されない。第1画像取得設備13は側板122の最も底部(つまり図1Bでは側板122の最下方)に設置し、第2画像取得設備14は横板123がハンドル11を離れる一端の近くに設置し、両者は異なる角度の画像を取得するために用いられ、多視角画像を取得する効果を奏する。
【0029】
図1B図1Cに示すように、ハンドル11は継ぎ部111を含み、ブレード12は係合部124を含み、両者の構造が互いに対応して設置されるため、ブレード12とハンドル11は着脱可能に連接する。特に、ここでは継ぎ部111は枢軸、係合部124はフックを例にして説明するが、継ぎ部111と係合部124は着脱可能に連接できるものであれば、突起ブロック、凹槽または当業者にとって周知するそのほかの互いに対応できる継ぎ構造であれば良く、ここでは制限しない。また、挿管作業において、ブレード12は患者の舌を押さえるために使用され、結合部121とハンドル11を離れるブレード12の一端(第2画像取得設備14に近い位置)は喉頭蓋軟骨の位置を高くするために用いられる。
【0030】
さらに図1Aから図1Dと、図2を参照されたい。本実施例において、多視角画像喉頭鏡1はさらに側板122を離れる横板123の一端に設置する第3画像取得設備15を含み、第3画像取得設備15は第1画像取得設備13よりも結合部121を離れ、第2画像取得設備14よりも結合部121の近くに位置する。第3画像取得設備15は第3画像P3を取得する。図1A図1Bに示すように、第3画像取得設備15は第1画像取得設備13よりも結合部121を離れ、第2画像取得設備14よりも結合部121の近くに位置する。つまり、結合部121の近くから結合部121を離れるまで、順番に第1画像取得設備13、第3画像取得設備15と第2画像取得設備14が設置される。三つの画像取得設備13~15は結合部121との距離が異なり(X軸を参照されたい)、また三つの画像取得設備はハンドル11に対する高さも異なる(Y軸を参照されたい)。図1Dに示すように、第3画像取得設備15は側板122を離れる横板123の一側に設置し、Z軸の方向から見ると、三つの画像取得設備13~15はハンドル11との距離が異なり、手前から奥への順番は第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15である。図1Aから図1Dをまとめて見ると、多視角画像喉頭鏡1の三つの画像取得設備13~15はX、Y、Z軸方向において、設置位置がそれぞれ異なるため、異なる視角の第1画像P1、第2画像P2と第3画像P3をそれぞれ提供でき、三つの画像P1~P3の間は互いに部分的に重ねるか否かは、その後の挿管時に術者がよりはっきりに声門の位置を確認するために使用される。特に、第1画像設備13と第2画像取得設備14を含む多視角画像喉頭鏡1の横板123に比べ、多視角画像喉頭鏡1はさらに第3画像取得設備15を含む時、横板123の幅は50%増加することで、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15はZ軸方向での距離を離させるため(図1Dを参照)、互いに干渉する機会が減らされる。また、図1Dにおいて、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15はそれぞれ円形で設置位置を表すが、それはイメージだけであって、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15の形状を制限するものではない。
【0031】
さらに図1Aから図1Dを参照されたい。本実施例において、ブレード12は側板122の他側から折り曲げて外へ延伸する底板125を含む。図1Aに示すように、側板122は結合部121からX軸方向に外へ向かって延伸し、底板125は側板122の下側から-Z軸方向に折り曲げて外へ延伸することから、底板125と横板123は側板122の両側にそれぞれ設置することは例えられるが、これに制限されない。図1A図1Dに示すように、ハンドル11はY軸方向に沿って設置し、側板122は結合部121より外へ向かって延伸する(結合部121とハンドル11を離れる方向、つまり図1AのX軸方向)。横板123と底板125はそれぞれ側板122から外へ向かって延伸する(側板122を離れる方向、つまり図1DのZ軸方向)。このことにより、横板123と底板125は側板122の両端と両側にそれぞれ設置され、両者はそれぞれ側板122から異なる方向(Z軸と-Z軸方向)に向かって延伸する。横板123はハンドル11に近い側板122の一端に設置し、底板125はハンドル11を離れる側板122の一端に設置する。その後の挿管作業において、多視角画像喉頭鏡1は底板125の設置によって患者の舌をより動かしやすくする。また、底板125と側板122の間の第2夾角βは45°、60°、75°、90°または105°に例えられるが、これらに制限されない。好ましくは、底板125と側板122の間の第2夾角βは90°である(図1Dを参照されたい)。
【0032】
図1Aを参照されたい。本実施例において、底板125の幅は結合部121の近くから結合部121を離れる所まで徐々に縮小する。具体的に、底板125は結合部121の近くの幅はW1、結合部121を離れる所の幅はW2、幅W1は幅W2より大きく、幅W2は横板123の末端に近い時はゼロに縮減する。
【0033】
本実施例において、側板122の幅は結合部121の近くから結合部121を離れる所まで徐々に縮小する。具体的に、側板122は結合部121の近くの幅はW3、結合部121を離れる所の幅はW4、幅W3は幅W4より大きく、幅W4は横板123の末端に近い時はゼロに縮減する。底板125と側板122は結合部121の近くから結合部121を離れる所まで幅を徐々に縮小することで、多視角画像喉頭鏡1を挿管作業の時に患者の口腔に簡単に入れられ、患者の不快感を軽減できる。
【0034】
図1Dを参照されたい。本実施例において、横板123の中心軸線A1とハンドルの軸心を通過する軸線A2は平行である。つまり、ブレード12全体がハンドルの軸心を通過する軸線A2と比べると、図1Dのやや右側に設置される。術者がベッドで仰向きになった患者の頭上の一方に立った時、このような設置は多視角画像喉頭鏡1を患者の口腔内のやや右側に沿って入れやすく、それから多視角画像喉頭鏡1を患者の口腔の中央、左側に移動させ、患者の舌を押さえる。この際、横板123と側板122の間の開放空間(気管内チューブの挿管位置)は口腔の中央に位置することで、気管挿管作業をスムーズに行える。図1Eでは、表示側板122とハンドル11の相対位置を実際の需要に合わせて変化させ、気管挿管作業をスムーズに行えるようにする。
【0035】
図1Cを参照されたい。上述の実施例の多視角画像喉頭鏡1において、ハンドル11の内部には電気供給装置112を設け、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15は電気供給装置112にそれぞれ電気接続する。電気供給装置112は一次電池または充電池に例えられるが、これらに制限されない。一次電池はマンガン電池、アルカリ電池、リチウム電池、亜鉛電池、亜鉛水銀電池、水銀電池、マグネシウム・マンガン電池または当業者にとって公知の一次電池に例えられるが、これらに制限されない。充電池は鉛蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウムイオン電池または当業者にとって公知する充電池に例えられるが、これらに制限されない。具体的に、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15は接触点Cを通じて電気供給装置112と電気接続し、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15のオンオフに用いられる。例えば、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15の回路は側板122と横板123に沿って接触点Cまで電気接続し(第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15の回路は図面に未表示)、接触点Cを通じて電気供給装置112と電気接続する。特に、電気供給装置112は充電池の場合、多視角画像喉頭鏡1は無線充電部材(未表示)を含み、或いは有線充電部材(未表示)を含むことで、電気供給装置112を充電させる。多視角画像喉頭鏡1は有線充電部材を設置する時、ハンドル11に充電孔は対応して設置され、電力会社が供給する電力と連接して電気供給装置112を充電させ、多視角画像喉頭鏡1の使用時間を延長させる。
【0036】
上述の実施例において、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15はそれぞれ光源と取得レンズ(未表示)を有する。具体的に、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15は光源と取得レンズが統合されていることから、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15は光源を提供すると同時に画像を取得するため、術者が第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15に提供された光源により、患者の口腔内を肉眼で観察できるだけでなく、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15が取得した画像も観察できる。
【0037】
図2を参照されたい。上述の実施例において、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15は無線伝送の方法で表示器Dと連結し、表示器Dに第1画像P1、第2画像P2及び/または第3画像P3を表示させる。実際の観察における需要により(拡大することに例えられるが、これに制限されない)、表示器Dに三つの画像P1~P3の中の少なくとも一つの画像を表示させる。
【0038】
以上は本発明の構造と形状についての概説であって、続いて本発明が奏する効果と使用方法について説明する。
【0039】
図2を参照されたい。本発明のブレード12の横板123で患者2の舌21を押さえる時、喉頭蓋軟骨22の位置を高くさせる。また、この時、第2画像取得設備14は患者の気管23の近くにあり、第1画像取得設備13は患者の気管23を離れて患者の舌の先24に近いため、第1画像取得設備13と第2画像取得設備14の視野角度は異なり、取得した第1画像P1と第2画像P2の画像が部分的に重なる。多視角画像喉頭鏡1を患者の口腔内に入れた後、患者の気管23の近くに位置する第2画像取得設備14は、患者にもっとも近い位置のブレード12を観察できることから、術者が患者の口腔内を良く見えないために適当に挿管して、ブレード12の先が患者の口腔またはそのほかの内部組織を傷付けることが避けられる。
【0040】
本発明の表示器Dは二つの分割画面を表示でき、一つの分割画面は第1画像取得設備13が取得した第1画像P1を表示し、もう一つの分割画面は第2画像取得設備14が取得した第2画像P2を表示する。このことにより、術者が挿管作業をする時、表示器Dに表示される第1画像P1と第2画像P2を通じて、即時に患者の舌21を押さえる横板123の角度位置を調整でき、第1画像取得設備13と第2画像取得設備14で患者の声門25と気管23の位置を定めた後、術者が表示器Dに表示された画像を見ることによって、気管内チューブを横板123と側板122に経由して、患者の声門を抜けて気管23にスムーズに挿入し、挿管作業を終了する。
【0041】
本発明の多視角画像喉頭鏡1はさらに側板122を離れる横板123の一側に設置し、ハンドル11内の電気供給装置に電気接続する第3画像取得設備15を含む。本実施例において、第3画像取得設備15は第1画像取得設備13よりも結合部121を離れ、第2画像取得設備14よりも結合部121の近くに位置する。第3画像取得設備15は第3画像P3を取得し、さらに第3画像P3を無線伝送の方法で表示器Dに送信する。この時、表示器Dに三つの分割画面が表示され、それぞれ第1画像P1、第2画像P2と第3画像P3が表示される。このことにより、本発明は全体における視野角度がより広くなり、術者が即時に患者の舌21を押さえる横板123の角度位置を調節できることで、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15が速やかに患者の声門25と気管23の位置を定め、挿管作業をスムーズに行える。
【0042】
また、本発明の複数の画像取得設備を有するブレードは離間して多視角画像喉頭鏡のハンドルの一端に連接する。ブレードは結合部と、側板と、横板と、第1画像取得設備と、第2画像取得設備と、を備える。或いは、ブレードはさらに第3画像取得設備を含む。結合部、側板、横板、第1画像取得設備、第2画像取得設備と第3画像取得設備はすでに前述したため、説明は省略する。
【0043】
以上をまとめると、本発明の多視角画像喉頭鏡1のブレード12は第1画像取得設備13と第2画像取得設備14を有し、さらに第3画像取得設備15を有することから、ブレード12全体が患者の舌21を押さえる時の視野角度が広げられ、術者が挿管作業を行う時、患者ごとに口腔構造がそれぞれ違っても、本発明なら患者の喉部の声門25と気管23の位置を速やかに定められ、湾曲角度が異なるブレードを交換する必要がないため、挿管作業を遅らせることがなく、患者が酸欠に陥る状況を避けられ、慣例の挿管または挿管困難に適している。
【0044】
このほか、本発明の第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15は無線伝送の方法で遠隔の表示器Dと連結され、表示器Dに第1画像P1、第2画像P2と第3画像P3が表示される。このことにより、術者が挿管作業を行う時、表示器Dに表示される患者の喉部の声門25と気管23の位置をはっきりに見えるため、非常に便利である上、挿管作業時のスムーズさを増進させ、挿管作業がより早く完成する。さらに、第1画像取得設備13、第2画像取得設備14と第3画像取得設備15の設置は画像取得設備が同時に患者の痰、血の塊、分泌物または嘔吐物によって影響されるのを防げ、その中の一つの画像取得設備が汚されても、そのほかの画像取得設備によって患者の声門25と気管23の位置を観察できるため、挿管作業が影響されずに行える。
【0045】
以上に述べたことは例示性であり、制限するものではない。本発明の請求の範囲を逸脱しない限り、それらに対する修正または変更はすべて特許請求の範囲に属する。
【符号の説明】
【0046】
1 多視角画像喉頭鏡
11 ハンドル
111 継ぎ部
112 電気供給装置
12 ブレード
121 結合部
122 側板
123 横板
124 係合部
125 底板
13 第1画像取得設備
14 第2画像取得設備
15 第3画像取得設備
2 患者
21 舌
22 喉頭蓋軟骨
23 気管
24 舌の先
25 声門
A1 中心軸線
A2 軸線
C 接触点
D 表示器
E 方向
P1 第1画像
P2 第2画像
P3 第3画像
W1、W2、W3、W4 幅
X、Y、Z 軸
θ 湾曲角度
φ 第1夾角
β 第2夾角
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
【国際調査報告】