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特表2023-553065無線電力システムにおけるパルス幅通信
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】無線電力システムにおけるパルス幅通信
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/12 20160101AFI20231213BHJP
   H02J 50/60 20160101ALI20231213BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20231213BHJP
【FI】
H02J50/12
H02J50/60
H02J50/80
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534590
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(85)【翻訳文提出日】2023-07-24
(86)【国際出願番号】 US2021062377
(87)【国際公開番号】W WO2022125644
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202011053481
(32)【優先日】2020-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】カナカサバイ, ヴィスワナタン
(72)【発明者】
【氏名】バサク, ルパム
(72)【発明者】
【氏名】ナラヤナ ブハット, スマ, メマナ
(72)【発明者】
【氏名】タティコンダ, スバッラオ
(57)【要約】
本開示は、無線送電装置と無線受電装置との間の新しい通信技術のためのシステム、方法、および装置を提供する。新しい通信技術は、レガシーパケットベースのデジタル通信技術と比較して、フィードバックパラメータまたは他の制御情報の通信にとってより効率的であり得る。新しい通信技術は、フィードバックパラメータまたは他の制御情報のアナログ表現としてパルス幅変調(PWM)信号を使用することができる。いくつかの実施態様では、本開示におけるPWM通信技術は、無線受電装置から無線送電装置への様々な制御またはフィードバック情報に使用することができる。更に、いくつかの実施態様では、無線送電装置から無線受電装置へのフィードフォワード情報にPWM通信技術を使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線送電装置によって実行される方法であって、
少なくとも1つの一次コイルを介して無線受電装置に無線電力を伝送することと、
前記無線受電装置から1つまたは複数のパルスを含むパルス幅変調(PWM)信号を受信することと、
前記1つまたは複数のパルスのパルス幅に基づいてフィードバックパラメータを決定することと、
前記フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記無線送電装置から前記無線受電装置への前記無線電力の伝送を管理することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記フィードバックパラメータが制御エラー値であり、前記無線電力の前記伝送を管理することが、前記制御エラー値に少なくとも部分的に基づいて、前記無線電力の前記伝送のための動作点を設定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フィードバックパラメータが負荷電力を示し、前記無線電力の前記伝送を管理することが、前記負荷電力と前記無線電力の伝送量との比較に基づいて異物が検出されたかどうかを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記フィードバックパラメータを決定することが、
前記1つまたは複数のパルスの前記パルス幅に基づいてパルス幅比を決定することと、
所定の平行移動に基づいて前記パルス幅比を前記フィードバックパラメータに変換することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記PWM信号を受信することが、それぞれのパルスタイムスロットを占有する複数のパルスを受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
各パルスタイムスロットの持続時間が、前記パルスタイムスロットが2kHzの通信クロックサイクルに相当するように0.5ミリ秒である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記PWM信号が、1つおきのパルスタイムスロットにパルスを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記1つまたは複数のパルスが、少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを含み、前記第1のパルスのパルス幅が、前記フィードバックパラメータの符号を示し、前記第2のパルスのパルス幅が、前記フィードバックパラメータの大きさを示す、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記PWM信号を受信する前に、開始アナログ制御パケットを受信することであって、前記開始アナログ制御パケットは、前記PWM信号が前記開始アナログ制御パケットに続くことを示す、受信すること
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
差分二相符号化信号として符号化された前記開始アナログ制御パケットを受信することと、
前記フィードバックパラメータの1つまたは複数のアナログ値に対応するパルス幅を有する前記1つまたは複数のパルスとして前記PWM信号を受信することと、
を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
パルス幅の所定のパターンに対応する一連の連続パルスを受信することと、
前記一連の連続パルスが前記PWM信号の終了を示すと決定することと、
を更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記PWM信号の前記終了の後に、差分二相符号化信号として符号化された終了アナログ制御パケットまたは他のパケットを受信すること
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記PWM信号を受信することが、前記一次コイルを介して前記PWM信号を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記PWM信号を受信することが、前記一次コイルとは別個の無線通信インターフェースを介して前記PWM信号を受信することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記無線通信インターフェースが、短距離無線周波数インターフェースまたは近距離無線通信インターフェースである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記PWM信号を受信することが、前記無線電力の前記伝送中の負荷変動を検出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記PWM信号を受信することが、前記フィードバックパラメータに基づいてアナログ制御のためのPWM通信技術をアクティブ化することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記PWM通信技術をアクティブ化することが、
前記無線送電装置が前記PWM通信技術に対応していることを示す第1のパケットを前記無線受電装置に送信することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記無線受電装置が前記PWM通信技術をアクティブ化中であることを示す第2のパケットを前記無線受電装置から受信すること
を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
無線受電装置によって実行される方法であって、
前記無線受電装置の少なくとも1つの二次コイルを介して無線送電装置から無線電力を受信することと、
前記無線電力に基づいてフィードバックパラメータを決定することであって、前記フィードバックパラメータは、前記無線電力の伝送を管理するための前記無線送電装置のためのものである、決定することと、
前記無線受電装置から前記無線送電装置にパルス幅変調(PWM)信号を通信することであって、前記PWM信号は1つまたは複数のパルスを含み、各パルスは、前記フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づくパルス幅を有する、通信することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記PWM信号を通信した後、無線電力を受信することであって、前記フィードバックパラメータに基づいて前記無線送電装置の動作点が調整される、受信すること
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記フィードバックパラメータが、所望の制御点と実際の制御点との比較に基づく制御エラー値である、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記PWM信号を通信することが、
前記無線受電装置の通信部を使用して前記無線電力の負荷変調を実行することであって、前記負荷変調は、各パルスの前記パルス幅に基づく、実行することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記PWM信号を通信することが、
前記無線受電装置の前記少なくとも1つの二次コイルとは別個の通信インターフェースを使用して通信変調を実行することであって、前記通信変調は、受信した通信信号または伝送された通信信号に前記1つまたは複数のパルスを持たせる、実行することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記PWM信号を伝送することが、
新しいフィードバックパラメータを定期的に決定することと、
前記無線送電装置に新しいパルスを周期的に通信することであって、各新しいパルスは前記新しいフィードバックパラメータに基づいて対応するパルス幅を有する、通信することと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記PWM信号を伝送することが、
所定の平行移動に基づいて前記フィードバックパラメータをパルス幅比に変換することと、
前記パルス幅比に基づいて前記1つまたは複数のパルスの前記パルス幅を決定することと、を含む、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
前記PWM信号を通信することが、複数のパルスを通信することを含み、各パルスはそれぞれのパルスタイムスロットを占有し、各パルスタイムスロットの持続時間が、前記パルスタイムスロットが2kHzの通信クロックサイクルに相当するように0.5ミリ秒である、請求項20に記載の方法。
【請求項28】
前記PWM信号が、1つおきのパルスタイムスロットにパルスを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記PWM信号を通信する前に、開始アナログ制御パケットを通信することであって、前記開始アナログ制御パケットは、前記PWM信号が前記開始アナログ制御パケットに続くことを示す、通信すること
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項30】
前記開始アナログ制御パケットを差分二相符号化信号として通信すること
を更に含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
パルス幅の所定のパターンに対応する一連の連続パルスを通信することであって、前記一連の連続パルスは、前記PWM信号の終了を示す、通信すること
を更に含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記PWM信号の前記終了の後に、差分二相符号化信号として符号化された終了アナログ制御パケットまたは他のパケットを通信すること
を更に含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記PWM信号を通信することが、前記二次コイルを介して前記PWM信号を通信することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項34】
前記PWM信号を通信することが、前記二次コイルとは別個の無線通信インターフェースを介して前記PWM信号を通信することを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項35】
前記無線通信インターフェースが、短距離無線周波数インターフェースまたは近距離無線通信インターフェースである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記PWM信号を通信する前に、前記フィードバックパラメータに基づいてアナログ制御のためのPWM通信技術をアクティブ化すること
を更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項37】
前記PWM通信技術をアクティブ化することが、
前記無線送電装置が前記PWM通信技術に対応していることを示す第1のパケットを前記無線送電装置から受信することを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記無線受電装置が前記PWM通信技術をアクティブ化中であることを示す第2のパケットを前記無線送電装置に通信すること
を更に含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
無線受電装置に無線電力を伝送するように構成された少なくとも1つの一次コイルと、
前記無線受電装置から1つまたは複数のパルスを含むパルス幅変調(PWM)信号を受信するように構成された通信部と、
前記1つまたは複数のパルスのパルス幅に基づいてフィードバックパラメータを決定し、
前記フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記無線送電装置から前記無線受電装置への前記無線電力の伝送を管理する
ように構成された制御部と、
を備える、無線送電装置。
【請求項40】
前記フィードバックパラメータが制御エラー値であり、前記制御部が、前記制御エラー値に少なくとも部分的に基づいて、前記無線電力の前記伝送のための動作点を設定するように構成される、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項41】
前記フィードバックパラメータが負荷電力を示し、前記制御部が、前記負荷電力と前記無線電力の伝送量との比較に基づいて異物が検出されたかどうかを決定するように構成される、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項42】
前記制御部が、
前記1つまたは複数のパルスの前記パルス幅に基づいてパルス幅比を決定し、
所定の平行移動に基づいて前記パルス幅比を前記フィードバックパラメータに変換するように構成される、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項43】
前記通信部が、それぞれのパルスタイムスロットを占有する複数のパルスを受信するように構成される、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項44】
各パルスタイムスロットの持続時間が、前記パルスタイムスロットが2kHzの通信クロックサイクルに相当するように0.5ミリ秒である、請求項43に記載の無線送電装置。
【請求項45】
前記PWM信号が、1つおきのパルスタイムスロットにパルスを含む、請求項43に記載の無線送電装置。
【請求項46】
前記1つまたは複数のパルスが、少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを含み、前記第1のパルスのパルス幅が、前記フィードバックパラメータの符号を示し、前記第2のパルスのパルス幅が、前記フィードバックパラメータの大きさを示す、請求項43に記載の無線送電装置。
【請求項47】
前記通信部が、
前記PWM信号を受信する前に、開始アナログ制御パケットを受信することであって、前記開始アナログ制御パケットは、前記PWM信号が前記開始アナログ制御パケットに続くことを示す、受信することを行うように構成される、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項48】
前記通信部が、
差分二相符号化信号として符号化された前記開始アナログ制御パケットを受信し、
前記フィードバックパラメータの1つまたは複数のアナログ値に対応するパルス幅を有する前記1つまたは複数のパルスとして前記PWM信号を受信するように構成される、請求項47に記載の無線送電装置。
【請求項49】
前記通信部が、パルス幅の所定のパターンに対応する一連の連続パルスを受信するように構成され、
前記制御部が、前記一連の連続パルスが前記PWM信号の終了を示すと決定するように構成される、
請求項48に記載の無線送電装置。
【請求項50】
前記通信部が、
前記PWM信号の前記終了の後に、差分二相符号化信号として符号化された終了アナログ制御パケットまたは他のパケットを受信するように構成される、請求項49に記載の無線送電装置。
【請求項51】
前記通信部が、前記一次コイルを介して前記PWM信号を受信するように構成される、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項52】
前記一次コイルとは別個であり、前記PWM信号を受信するように構成された無線通信インターフェース
を更に含む、請求項39に記載の無線送電装置。
【請求項53】
前記無線通信インターフェースが、短距離無線周波数インターフェースまたは近距離無線通信インターフェースである、請求項52に記載の無線送電装置。
【請求項54】
無線送電装置から無線電力を受信するように構成された少なくとも1つの二次コイルと、
前記無線電力に基づいてフィードバックパラメータを決定するように構成された制御部であって、前記フィードバックパラメータは、前記無線電力の伝送を管理するための前記無線送電装置のためのものである、制御部と、
前記無線受電装置から前記無線送電装置にパルス幅変調(PWM)信号を通信するように構成された通信部であって、前記PWM信号は1つまたは複数のパルスを含み、各パルスは、前記フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づくパルス幅を有する、通信部と、
を備える、無線受電装置。
【請求項55】
前記少なくとも1つの二次コイルが、前記通信部が前記PWM信号を通信した後に無線電力を受信するように更に構成され、
前記無線送電装置の動作点が、前記フィードバックパラメータに基づいて調整される、
請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項56】
前記フィードバックパラメータが、所望の制御点と実際の制御点との比較に基づく制御エラー値である、請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項57】
前記通信部が、
各パルスの前記パルス幅に基づいて前記無線電力の負荷変調を実行するように構成される、請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項58】
前記無線受電装置の前記少なくとも1つの二次コイルとは別個の通信インターフェースを更に備え、前記通信部は、受信した通信信号または伝送された通信信号に前記1つまたは複数のパルスを持たせる通信変調を実行するように構成される、
請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項59】
前記制御部が、
所定の平行移動に基づいて前記フィードバックパラメータをパルス幅比に変換し、
前記パルス幅比に基づいて前記1つまたは複数のパルスの前記パルス幅を決定するように構成される、請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項60】
前記PWM信号を通信することが、複数のパルスを通信することを含み、各パルスはそれぞれのパルスタイムスロットを占有し、各パルスタイムスロットの持続時間が、前記パルスタイムスロットが2kHzの通信クロックサイクルに相当するように0.5ミリ秒である、請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項61】
前記PWM信号が、1つおきのパルスタイムスロットにパルスを含む、請求項60に記載の無線受電装置。
【請求項62】
前記通信部が、
前記PWM信号を通信する前に、開始アナログ制御パケットを通信することであって、前記開始アナログ制御パケットは、前記PWM信号が前記開始アナログ制御パケットに続くことを示す、通信することを行うように構成される、請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項63】
前記通信部が、前記開始アナログ制御パケットを差分二相符号化信号として通信するように構成される、請求項62に記載の無線受電装置。
【請求項64】
前記通信部が、
パルス幅の所定のパターンに対応する一連の連続パルスを通信するように構成され、前記一連の連続パルスが前記PWM信号の終了を示す、請求項63に記載の無線受電装置。
【請求項65】
前記通信部が、
前記PWM信号の前記終了の後に、差分二相符号化信号として符号化された終了アナログ制御パケットまたは他のパケットを通信するように構成される、請求項64に記載の無線受電装置。
【請求項66】
前記通信部が、前記二次コイルを介して前記PWM信号を通信するように構成される、請求項54に記載の無線受電装置。
【請求項67】
無線送電装置によって実行される方法であって、
少なくとも1つの一次コイルを介して無線受電装置に無線電力を伝送することと、
前記無線受電装置と通信するためのメッセージ値を決定することと、
前記メッセージ値に少なくとも部分的に基づいて、パルス幅変調(PWM)信号の1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定することと、
前記パルス幅に基づいて前記無線送電装置から前記無線受電装置に周波数変調信号を伝送することであって、前記周波数変調信号は、前記パルス幅のオン時間持続時間の間に第1の周波数を有し、周波数変調信号は、前記パルス幅の前記オン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有する、伝送することと、を含む、方法。
【請求項68】
前記メッセージ値が、肯定応答(ACK)、非肯定応答(NAK)、または非定義(ND)応答である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記メッセージ値が前記ACKである場合、前記パルス幅が第1の持続時間を有し、
前記メッセージ値が前記NAKである場合、前記パルス幅が第2の持続時間を有し、
前記メッセージ値が前記ND応答である場合、前記パルス幅が第3の持続時間を有する、
請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記第1の持続時間、前記第2の持続時間、および前記第3の持続時間が、標準的な技術仕様によって定義された異なる範囲内にある、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
無線受電装置によって実行される方法であって、
前記無線受電装置の少なくとも1つの二次コイルを介して無線送電装置から無線電力を受信することと、
前記無線送電装置から周波数変調信号を受信することであって、前記周波数変調信号は、パルス幅変調(PWM)信号に従って1つまたは複数のパルスを有する、受信することと、
前記周波数変調信号の第1の周波数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定することであって、前記周波数変調信号は、前記パルス幅のオン時間持続時間の間に前記第1の周波数を有し、周波数変調信号は、前記パルス幅の前記オン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有する、決定することと、
前記パルス幅に少なくとも部分的に基づいて、メッセージ値を決定することと、を含む、方法。
【請求項72】
前記メッセージ値が、肯定応答(ACK)、非肯定応答(NAK)、または非定義(ND)応答である、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記メッセージ値が前記ACKである場合、前記パルス幅が第1の持続時間を有し、
前記メッセージ値が前記NAKである場合、前記パルス幅が第2の持続時間を有し、
前記メッセージ値が前記ND応答である場合、前記パルス幅が第3の持続時間を有する、
請求項71に記載の方法。
【請求項74】
無線受電装置に無線電力を伝送するように構成された少なくとも1つの一次コイルと、
前記無線受電装置と通信するためのメッセージ値を決定し、
前記メッセージ値に少なくとも部分的に基づいて、パルス幅変調(PWM)信号の1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定する
ように構成された制御部と、
前記パルス幅に基づいて前記無線送電装置から前記無線受電装置に周波数変調信号を通信するように構成された通信部であって、前記周波数変調信号は、前記パルス幅のオン時間持続時間の間に第1の周波数を有し、前記周波数変調信号は、前記パルス幅の前記オン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有する、通信部と、
を備える、無線送電装置。
【請求項75】
無線送電装置から無線電力を受信するように構成された少なくとも1つの二次コイルと、
前記無線送電装置から周波数変調信号を受信するように構成された通信部であって、前記周波数変調信号は、パルス幅変調(PWM)信号に従って1つまたは複数のパルスを有する、通信部と、
制御部であって、
前記周波数変調信号の第1の周波数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定するように構成され、前記周波数変調信号は、前記パルス幅のオン時間持続時間の間に前記第1の周波数を有し、周波数変調信号は、前記パルス幅の前記オン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有し、
前記パルス幅に少なくとも部分的に基づいて、メッセージ値を決定するように構成された制御部と、
を備える、無線受電装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線電力に関する。より具体的には、本出願は、無線受電装置と無線送電装置との間の通信に関する。
【背景技術】
【0002】
無線送電装置から無線受電装置への電力の無線伝送を可能にするために、無線電力技術が開発されている。無線受電装置の例は、他の例の中でも、モバイルデバイス、小型電子デバイス、コンピュータ、タブレット、ガジェット、機器(いくつかのタイプのコードレスブレンダー、ケトル、ミキサーなどを含む)、およびいくつかのタイプの大型電子デバイスを含んでもよい。無線送電装置は、電磁場を発生させる一次コイルを含んでもよい。電磁場は、二次コイルが一次コイルに近接して配置されたときに、無線受電装置の二次コイルに電圧を誘導することができる。この構成では、電磁場は、二次コイルに電力を無線で伝送することができる。電力は、一次コイルと二次コイルとの間の誘導結合または共振結合を使用して伝達されてもよい。無線送電は、無接触(contactless)送電または非接触(non-contact)送電と呼ばれることもある。
【0003】
無線送電を実行する場合、無線送電装置は、無線受電装置が充電エリアから取り外されたときに送電を停止する必要がある。無線送電装置は、電力の伝送中に無線受電装置の存在を検出し、制御エラーパケットなどの制御信号に基づいて無線電力信号の動作点への変更を可能にすることができる。例えば、無線送電装置は、制御エラーパケットを所定期間(例えば、1.8秒)受信しない場合に、無線受電装置が充電エリアから除去されたことを検出することができる。更に、制御エラーパケットは、無線送電装置に電力量、電流、電圧、または他のパラメータを修正させる情報を含んでもよい。同様に、無線送電装置は、無線送電に関連する無線受電装置に情報を通信してもよい。無線受電装置と無線送電装置との間の通信のための既存の技術は、改善の恩恵を受けることができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示のシステム、方法、および装置は各々、いくつかの革新的な態様を有し、そのうちの1つだけが本明細書に開示された望ましい属性を単独で責任を負うことはない。
【0005】
本開示に記載された主題の1つの革新的な態様は、無線送電のための方法として実施することができる。いくつかの実施態様では、本方法は、無線送電装置によって実行されてもよい。本方法は、少なくとも1つの一次コイルを介して無線受電装置に無線電力を伝送することを含んでもよい。本方法は、無線受電装置からパルス幅変調(PWM)信号を受信することを含んでもよい。PWM信号は、1つまたは複数のパルスを含んでもよい。本方法は、1つまたは複数のパルスのパルス幅に基づいて、フィードバックパラメータを決定することを含んでもよい。本方法は、フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて、無線送電装置から無線受電装置への無線電力の伝送を管理することを含んでもよい。
【0006】
いくつかの実施態様では、フィードバックパラメータは、制御エラー値である。無線電力の伝送を管理することは、制御エラー値に少なくとも部分的に基づいて、無線電力の伝送のための動作点を設定することを含んでもよい。
【0007】
いくつかの実施態様では、フィードバックパラメータは、負荷電力を示す。無線電力の伝送を管理することは、負荷電力と無線電力の伝送量との比較に基づいて異物が検出されたかどうかを決定することを含む。
【0008】
いくつかの実施態様では、フィードバックパラメータを決定することは、1つまたは複数のパルスのパルス幅に基づいてパルス幅比を決定することと、所定の平行移動に基づいてパルス幅比をフィードバックパラメータに変換することと、を含む。
【0009】
いくつかの実施態様では、PWM信号を受信することは、それぞれのパルスタイムスロットを占有する複数のパルスを受信することを含む。
【0010】
いくつかの実施態様では、各パルスタイムスロットの持続時間は、パルスタイムスロットが2kHzの通信クロックサイクルに相当するように0.5ミリ秒である。
【0011】
いくつかの実施態様では、PWM信号は、1つおきのパルスタイムスロットにパルスを含む。
【0012】
いくつかの実施態様では、1つまたは複数のパルスは、少なくとも第1のパルスおよび第2のパルスを含む。第1のパルスのパルス幅は、フィードバックパラメータの符号を示すことができる。第2のパルスのパルス幅は、フィードバックパラメータの大きさを示すことができる。
【0013】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号を受信する前に、開始アナログ制御パケットを受信することであって、開始アナログ制御パケットは、PWM信号が開始アナログ制御パケットに続くことを示す、受信することを含んでもよい。
【0014】
いくつかの実施態様では、本方法は、差分二相符号化信号として符号化された開始アナログ制御パケットを受信することを含んでもよい。
【0015】
いくつかの実施態様では、本方法は、パルス幅の所定のパターンに対応する一連の連続パルスを受信することと、一連の連続パルスがPWM信号の終了を示すと決定することと、を含んでもよい。
【0016】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号の終了の後に、差分二相符号化信号として符号化された終了アナログ制御パケットまたは他のパケットを受信することを含んでもよい。
【0017】
いくつかの実施態様では、PWM信号を受信することは、一次コイルを介してPWM信号を受信することを含む。
【0018】
いくつかの実施態様では、PWM信号を受信することは、一次コイルとは別個の無線通信インターフェースを介してPWM信号を受信することを含む。
【0019】
いくつかの実施態様では、無線通信インターフェースは、短距離無線周波数インターフェースまたは近距離無線通信インターフェースである。
【0020】
いくつかの実施態様では、PWM信号を受信することは、無線電力の伝送中の負荷変動を検出することを含む。
【0021】
いくつかの実施態様では、PWM信号を受信することは、フィードバックパラメータに基づいてアナログ制御のためのPWM通信技術をアクティブ化することを含む。
【0022】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM通信技術をアクティブ化することが、無線送電装置がPWM通信技術に対応していることを示す第1のパケットを無線受電装置に送信することを含むことを含んでもよい。
【0023】
いくつかの実施態様では、本方法は、無線受電装置がPWM通信技術をアクティブ化中であることを示す第2のパケットを無線受電装置から受信することを含んでもよい。
【0024】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、無線送電のための方法として実施することができる。いくつかの実施態様では、本方法は、無線受電装置によって実行されてもよい。本方法は、無線受電装置の少なくとも1つの二次コイルを介して無線送電装置から無線電力を受信することを含んでもよい。本方法は、無線電力に基づいてフィードバックパラメータを決定することであって、フィードバックパラメータは、無線電力の伝送を管理するための無線送電装置のためのものである、決定することを含んでもよい。本方法は、無線受電装置から無線送電装置にパルス幅変調(PWM)信号を通信することを含んでもよい。PWM信号は、1つまたは複数のパルスを含んでもよい。各パルスは、フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて、パルス幅を有してもよい。
【0025】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号を通信した後、無線電力を受信することを含んでもよい。無線送電装置の動作点は、フィードバックパラメータに基づいて調整されてもよい。
【0026】
いくつかの実施態様では、フィードバックパラメータは、所望の制御点と実際の制御点との比較に基づく制御エラー値である。
【0027】
いくつかの実施態様では、PWM信号を通信することは、無線受電装置の通信部を使用して無線電力の負荷変調を実行することを含む。負荷変調は、各パルスのパルス幅に基づいてもよい。
【0028】
いくつかの実施態様では、PWM信号を通信することは、無線受電装置の少なくとも1つの二次コイルとは別個の無線通信インターフェースを使用して通信変調を実行することを含む。通信変調は、受信した通信信号または伝送された通信信号に1つまたは複数のパルスを持たせることができる。
【0029】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号を伝送することが、新しいフィードバックパラメータを定期的に決定することと、無線送電装置に新しいパルスを周期的に通信することと、を含むことを含んでもよい。各新しいパルスは、新しいフィードバックパラメータに基づいて対応するパルス幅を有してもよい。
【0030】
いくつかの実施態様では、PWM信号を伝送することは、所定の平行移動に基づいてフィードバックパラメータをパルス幅比に変換することと、パルス幅比に基づいて1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定することと、を含む。
【0031】
いくつかの実施態様では、PWM信号を通信することは、複数のパルスを通信することを含み、各パルスはそれぞれのパルスタイムスロットを占有する。各パルスタイムスロットの持続時間は、パルスタイムスロットが2kHzの通信クロックサイクルに相当するように0.5ミリ秒であってもよい。
【0032】
いくつかの実施態様では、PWM信号は、1つおきのパルスタイムスロットにパルスを含む。
【0033】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号を通信する前に、開始アナログ制御パケットを通信することであって、開始アナログ制御パケットは、PWM信号が開始アナログ制御パケットに続くことを示す、通信することを含んでもよい。
【0034】
いくつかの実施態様では、本方法は、開始アナログ制御パケットを差分二相符号化信号として通信することを含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施態様では、本方法は、パルス幅の所定のパターンに対応する一連の連続パルスを通信することを含んでもよい。一連の連続パルスは、PWM信号の終了を示すことができる。
【0036】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号の終了の後に、差分二相符号化信号として符号化された終了アナログ制御パケットまたは他のパケットを通信することを含んでもよい。
【0037】
いくつかの実施態様では、PWM信号を通信することは、二次コイルを介してPWM信号を通信することを含む。
【0038】
いくつかの実施態様では、PWM信号を通信することは、二次コイルとは別個の無線通信インターフェースを介してPWM信号を通信することを含む。
【0039】
いくつかの実施態様では、無線通信インターフェースは、短距離無線周波数インターフェースまたは近距離無線通信インターフェースである。
【0040】
いくつかの実施態様では、本方法は、PWM信号を通信する前に、フィードバックパラメータに基づいてアナログ制御のためのPWM通信技術をアクティブ化することを含んでもよい。
【0041】
いくつかの実施態様では、PWM通信技術をアクティブ化することは、無線送電装置がPWM通信技術に対応していることを示す第1のパケットを無線送電装置から受信することを含む。
【0042】
いくつかの実施態様では、本方法は、無線受電装置がPWM通信技術をアクティブ化中であることを示す第2のパケットを無線送電装置に通信することを含んでもよい。
【0043】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、無線送電のための方法として実施することができる。いくつかの実施態様では、本方法は、無線送電装置によって実行されてもよい。本方法は、少なくとも1つの一次コイルを介して無線受電装置に無線電力を伝送することを含んでもよい。本方法は、無線受電装置と通信するためのメッセージ値を決定することを含んでもよい。本方法は、メッセージ値に少なくとも部分的に基づいて、パルス幅変調(PWM)信号の1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定することを含んでもよい。本方法は、パルス幅に基づいて無線送電装置から無線受電装置に周波数変調信号を伝送することを含んでもよいが、周波数変調信号は、パルス幅のオン時間持続時間の間に第1の周波数を有する。周波数変調信号は、パルス幅のオン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有してもよい。
【0044】
いくつかの実施態様では、メッセージ値は、肯定応答(ACK)、非肯定応答(NAK)、または非定義(ND)応答である。
【0045】
いくつかの実施態様では、メッセージ値がACKである場合、パルス幅は第1の持続時間を有してもよい。メッセージ値がNAKである場合、パルス幅は第2の持続時間を有してもよい。メッセージ値がND応答である場合、パルス幅は第3の持続時間を有してもよい。
【0046】
いくつかの実施態様では、第1の持続時間、第2の持続時間、および第3の持続時間は、標準的な技術仕様によって定義された異なる範囲内にある。
【0047】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、無線送電のための方法として実施することができる。いくつかの実施態様では、本方法は、無線受電装置によって実行されてもよい。本方法は、無線受電装置の少なくとも1つの二次コイルを介して無線送電装置から無線電力を受信することを含んでもよい。本方法は、無線送電装置から周波数変調信号を受信することであって、周波数変調信号は、PWM信号に従って1つまたは複数のパルスを有する、受信することを含んでもよい。本方法は、周波数変調信号の第1の周波数に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定することを含んでもよい。周波数変調信号は、パルス幅のオン時間持続時間の間に第1の周波数を有してもよい。周波数変調信号は、パルス幅のオン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有してもよい。本方法は、パルス幅に少なくとも部分的に基づいて、メッセージ値を決定することを含んでもよい。
【0048】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、無線送電装置として実施することができる。無線送電装置は、送電コイルと、通信部と、制御部とを有してもよい。送電コイル、通信部、および制御部は、上述の方法のいずれか1つを実行するように構成されてもよい。
【0049】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、無線受電装置として実施することができる。無線受電装置は、送電コイルと、通信部と、制御部とを有してもよい。送電コイル、通信部、および制御部は、上述の方法のいずれか1つを実行するように構成されてもよい。
【0050】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに上述の方法のいずれか1つを実行させる命令を格納したコンピュータ可読媒体として実施することができる。
【0051】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、上述の方法のいずれか1つを実施するための手段を有するシステムとして実施することができる。
【0052】
本開示に記載された主題の別の革新的な態様は、上述の方法のいずれか1つからの1つまたは複数の動作を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサを有する装置として実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本開示に記載された主題の1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は、縮尺通りに描かれていない場合があることに留意されたい。
【0054】
図1】例示的な無線送電装置および例示的な無線受電装置を含む例示的な無線電力システムのブロック図を示す。
【0055】
図2】例示的な無線送電プロセスのメッセージフロー図を示す。
【0056】
図3】無線送電デバイスと無線受電装置との間で実行される電力制御プロセスの一例を示す。
【0057】
図4】例示的な制御エラーパケットを概念的に示すブロック図を示す。
【0058】
図5】バイト符号化を概念的に示すブロック図を示す。
【0059】
図6】例示的な無線受電装置を概念的に示すブロック図を示す。
【0060】
図7】デジタル信号を通信するための差分二相符号化技術を概念的に示す信号図を示す。
【0061】
図8】複数の制御エラーパケットを概念的に示すタイミング図を示す。
【0062】
図9】例示的なパルス幅変調(PWM)通信技術を概念的に示す信号図を示す。
【0063】
図10】制御エラー値とパルス幅比との間の例示的な関係を示す。
【0064】
図11A】制御エラー値を表すパルス幅を決定するための例示的な計算を示す。
【0065】
図11B】パルスに基づいて制御エラー値を決定するための例示的な計算を示す。
【0066】
図12A】複数のパルスのシグナリングを概念的に示すタイミング図を示す。
【0067】
図12B】パルスが1つおきのパルスタイムスロットで発生する複数のパルスのシグナリングを概念的に示す別のタイミング図を示す。
【0068】
図12C】フィードバックパラメータを2つのパルスに符号化することができる複数のパルスのシグナリングを概念的に示す別のタイミング図を示す。
【0069】
図13】PWM通信技術をアクティブ化または非アクティブ化するためのシグナリングを概念的に示すタイミング図を示す。
【0070】
図14】帯域外通信チャネルを介してPWM通信技術を使用することができる例示的な無線受電装置を概念的に示すブロック図を示す。
【0071】
図15】無線送電装置におけるPWM通信技術を使用するプロセスの例示的な動作を示すフロー図を示す。
【0072】
図16】無線受電装置におけるPWM通信技術を使用するプロセスの例示的な動作を示すフロー図を示す。
【0073】
図17】PWM通信技術に基づく例示的な周波数変動を概念的に示す信号図を示す。
【0074】
図18】無線送電装置におけるPWM通信技術を使用する別のプロセスの例示的な動作を示すフロー図を示す。
【0075】
図19】無線電力システムで使用するための例示的な装置のブロック図を示す。
【0076】
様々な図面における同様の参照番号および符号は、同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
以下の説明は、本開示の革新的な態様を説明する目的のための特定の実施態様に関する。しかしながら、当業者は、本明細書の教示が多数の異なる方法で適用され得ることを容易に認識するであろう。記載された実施態様は、無線電力を伝送または受信するための任意の手段、装置、システム、または方法で実施することができる。
【0078】
従来の無線電力システムは、無線送電装置および無線受電装置を含んでもよい。無線送電装置は、無線エネルギーを(無線電力信号として)無線受電装置内の1つまたは複数の対応する二次コイルに伝送する1つまたは複数の一次コイルを含んでもよい。一次コイルは、無線送電装置における無線エネルギー(電磁界を生成する誘導または磁気共鳴エネルギーなど)の供給源を指す。無線受電装置に配置された二次コイルは、電磁場を介して無線エネルギーを受信することができる。無線電力の伝送は、無線受電装置から無線送電装置への制御エラーパケット(CEP)などの信号によって制御されてもよい。無線送電装置は、所定期間内にCEPを受信したか否かを周期的に確認し、CEPに基づいて無線電力の伝送を制御または停止してもよい。CEPのための従来の技術は、低電力または低速無線電力システムに有用であった。しかしながら、無線電力システムは電力レベルを増加させ、調整間の時間を短縮しようとするので、CEPのための従来の技術は、遅延または通信の非効率性のために不十分であり得る。簡潔にするために、本開示のいくつかの例は、そうでなければCEPで通信されるであろう制御エラー値の通信を記載する。本開示の例は、無線受電装置から無線送電装置に伝送される制御エラー値の制御信号に関するものであるが、本開示の通信技術は、無線受電装置から無線送電装置への他のタイプの制御またはフィードバック情報に使用することができる。更に、いくつかの実施態様では、無線送電装置から無線受電装置へのフィードフォワード情報に通信技術を使用することができる。
【0079】
本開示は、無線電力送受信のためのシステム、方法、および装置を提供する。様々な実施態様は、一般に、無線送電装置と無線受電装置との間の通信に関する。いくつかの実装形態では、本開示における通信技術は、パケットベースのデジタル通信を使用する従来の技術と比較して、フィードバックパラメータまたはフィードフォワードパラメータのより効率的な通信として使用することができる。いくつかの実施態様では、無線受電装置は、無線受電装置の継続中の存在を示すために、または無線送電装置に無線電力の伝送のためにその動作点を調整させるために、フィードバックパラメータを通信してもよい。例えば、フィードバックパラメータは、制御エラー値であってもよい。制御エラー値は、パケットベースのデジタル通信として通信するのではなく、アナログ表現を使用してより効率的に通信されてもよい。いくつかの実施態様では、パルス幅変調(PWM)通信技術は、フィードバックパラメータを表して通信するための可変サイズのパルス幅を含んでもよい。例えば、パルス幅サイズは、フィードバックパラメータに関する大きさまたは他の情報を示すことができる。
【0080】
PWM通信技術は、所定のパルスタイムスロット内で単一パルスのパルス幅を変えることができる。各パルスは、パルスタイムスロット中に「オン時間」持続時間を有してもよく、オン時間持続時間は、パルスタイムスロット中の「オフ時間」とは異なる。パルスのオン時間は、オフ時間と区別するために、所定の振幅または所定の信号周波数を有してもよい。パルス幅(パルス持続時間、パルス長、またはパルスサイズとも呼ばれる)は、パルスタイムスロット内のパルスのオン時間持続時間を指すことができる。パルス幅比は、パルスタイムスロットの持続時間に対するパルス幅(パルスのオン時間持続時間)の割合を指す数値表現である。パルス幅比はまた、パルスタイムスロット内の単一パルスに関連するデューティサイクルまたはデューティ比と呼ばれることもある。PWM信号(パルス列とも呼ばれる)は、複数のパルスを含むことができる。
【0081】
本開示の例によれば、パルスのパルス幅(したがって、パルス幅比)は、フィードバックパラメータを示すことができる。例えば、パルス幅比は、フィードバックパラメータの大きさまたは値(制御エラー値など)を示すことができる。いくつかの実施態様では、パルス幅は、異なるパルス幅とフィードバックパラメータの対応する値との間の所定の関係に基づいてもよい。無線受電装置は、パルスタイムスロット内のパルス幅のパルス幅比がフィードバックパラメータを示すように、特定のパルス幅を有するパルスを生成するようにPWM変調器またはスイッチを制御することができる。無線送電装置は、パルスのパルス幅を感知し、パルスタイムスロットに対するパルス幅比を決定することができる。無線送電装置は、パルス幅比に基づいてフィードバックパラメータを決定することができる。フィードバックパラメータが制御エラー値である例では、単一パルスに関連するパルス幅比は制御エラー値を示すことができる。いくつかの実施態様では、PWM信号は複数のパルスを含んでもよく、各パルスに関連するパルス幅比は制御エラー値を通信してもよい。したがって、制御エラー値の変化は、頻繁かつ迅速に通信されてもよく、無線送電システムが環境または電力要件の変化に適応することを可能にする。
【0082】
従来の通信技術は、振幅シフト鍵(ASK)変調または周波数シフト鍵(FSK)変調を使用してデジタル情報を通信することができる。従来の無線送電システムは、ASK伝送またはFSK伝送のためにデジタル情報を符号化することができる。例えば、従来の無線受電装置は、ASK伝送のためにCEP内の制御エラー値を符号化することができる。CEPは、単一制御エラー値に対して少なくとも44ビットのデジタル情報を含んでもよい。典型的な無線電力システムでは、ASK伝送は、2キロヘルツ(kHz)の周波数に従ってシグナリングされ得る。したがって、デジタル情報の各ビットは、ASK変調に基づく従来の通信技術を使用して通信するために0.5ミリ秒(ms)かかる場合がある。従来の通信技術におけるASK変調として44ビットのデジタル情報を有するCEPを通信するために、無線送電システムは、単一制御エラー値を通信するために少なくとも22ms(44ビット×0.5ms/ビット)を必要とする。対照的に、本開示のPWM通信技術は、0.5msの単一パルスタイムスロット中に発生する可変サイズのパルスとして制御エラー値を通信することができる。0.5msのパルスタイムスロットは、そうでなければ従来の通信技術に使用される2kHzの周波数と整列することができる。パルスタイムスロット内のパルスの可変サイズのパルス幅は、従来の通信技術を使用して、単一ビットの情報ではなく完全なアナログ値を伝達することができる。
【0083】
いくつかの実施態様では、PWM通信技術は、アナログ制御フィードバック(またはアナログ制御)と呼ばれることがある。アナログ制御フィードバックは、制御エラー値または他のフィードバックパラメータを通信するためのPWMの効率に起因して、有線制御線の速度に近似し得る。いくつかの実施形態では、無線受電装置と無線送電装置との間の通信プロトコルは、アナログ制御の動的な有効化または無効化をサポートするように適合されてもよい。例えば、開始アナログ制御パケットは、従来のASK変調またはFSK変調を使用してシグナリングされ得る。開始アナログ制御パケットは、アナログ制御情報を通信するためにPWM通信技術の有効化をシグナリングすることができる。その後、アナログ制御情報は、ASK変調またはFSK変調の代わりにPWM通信技術を使用して通信することができる。PWMシグナリングの所定のパターンは、無線受電装置と無線送電装置との両方がデジタル通信のために従来のASK変調またはFSK変調に戻ることができるように、アナログ制御の終了を示すことができる。
【0084】
いくつかの実施態様では、PWM通信技術は、従来の無線受電装置または従来の無線送電装置の既存のハードウェアを使用して実施することができる。例えば、無線受電装置の通信部は、コントローラからのスイッチ制御線に基づいてASKを実施可能な変調スイッチを有してもよい。PWM通信技術を実施するために、コントローラは、パルスタイムスロット内の所望のパルス幅に従って変調スイッチのうちの1つまたは複数を制御することができる。したがって、いくつかの実施態様では、PWM通信技術は、既存のシステムにわずかな変更を加えて実施することができる。
【0085】
いくつかの実施態様では、PWM信号内の様々なパルスのパルス幅は、フィードバックパラメータの異なる成分または値を示すことができる。例えば、いくつかのパルス(複数の所定のパルス幅のうちの選択された1つを有する)は、制御エラー値の正または負の符号を示すことができる。他のパルス(可変パルス幅を有する)は、制御エラー値の大きさを示すことができる。いくつかの実装形態では、パルスタイムスロットのセット内の各パルスは、フィードバックパラメータの異なるアナログ成分を示すことができる。例えば、第1のパルスは粗い値を示し、第2のパルスは細かい値を示すことができる。追加的または代替的に、連続パルスのセット内の各パルスは、連続パルスのセット内の1つまたは複数の前のパルスに通信された値に対する細粒調整のためのオフセット値を示すことができる。
【0086】
本開示における例の多くは、PWM通信技術を使用して無線受電装置によって無線送電装置に通信される制御エラー値に基づく。制御エラー値は、制御シグナリングに使用されてもよく、無線送電装置は、制御シグナリングに基づいて動作点を設定してもよい。しかしながら、他のタイプのフィードバックパラメータもまた、異なるユースケースのために通信されてもよい。例えば、別の使用例は、異物検出(FOD)である。フィードバックパラメータは、負荷電力、整流電圧レベル、品質係数、品質測定値、または無線送電効率に関連する何らかのインジケータであってもよい。無線送電装置は、フィードバックパラメータを使用して、送電コイルの整列を決定するか、または異物が送電コイルの近くにあるかどうかを検出することができる。無線送電装置は、フィードバックパラメータを、ping信号または無線電力信号の開始中に伝送された無線電力の量と比較して、無線送電効率を決定することができる。無線送電効率が閾値を下回る場合、無線送電装置は、異物が検出されたと決定することができる。
【0087】
本開示に記載された主題の特定の実施態様は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するために実施することができる。したがって、本開示のPWM通信技術は、制御エラー値(または他のフィードバックパラメータ)をアナログ形式で伝達して、従来の通信技術と比較して制御エラー値のはるかに高速な通信を可能にすることができる。制御情報の効率的な通信は、無線送電システムのより良好なユーザ体験およびより高速な制御を可能にする。本開示における通信技術は、従来の通信技術に関連付けられたパケットまたはビット符号化オーバーヘッドを排除または低減することができる。したがって、PWM通信技術は、従来のフィードバック機構に関連する遅延を回避または低減することができる。また、無線受電装置の負荷または位置の変化に対する応答性を高めることができる。高出力無線電力システムでは、効率的な通信技術(本明細書に記載されているものなど)の使用は、そうでなければ従来の通信技術で発生するであろう障害、過熱、または充電の劣化を防止することができる。
【0088】
図1は、例示的な無線送電装置102および例示的な無線受電装置118を含む例示的な無線電力システム100のブロック図を示す。無線送電装置は、一次コイル104を含む。一次コイル104は、電力信号発生器106に関連付けられてもよい。一次コイル104は、無線電力(無線エネルギーと呼ばれることもある)を伝送するワイヤコイルであってもよい。一次コイル104は、誘導または磁気共鳴場を使用して無線エネルギーを伝送してもよい。電力信号発生器106は、一次コイル104に電力を提供して一次コイル104に無線電力信号を生成させる構成要素(図示せず)を含んでもよい。例えば、電力信号発生器106は、1つまたは複数のスイッチ、ドライバ、直列コンデンサ、整流器、または他の構成要素を含んでもよい。無線送電装置102はまた、電力信号発生器106の構成要素を制御する伝送コントローラ108を含んでもよい。例えば、伝送コントローラ108は、動作点(電圧または電流など)を決定し、動作点に従って電力信号発生器106を制御することができる。
【0089】
いくつかの実施態様では、電力信号発生器106、伝送コントローラ108、および他の構成要素(図示せず)は、まとめて送電回路110と呼ばれることがある。送電回路110の一部またはすべては、無線電力を制御して1つまたは複数の無線受電装置に伝送するための本開示の特徴を実施する集積回路(IC)として具現化されてもよい。伝送コントローラ108は、マイクロコントローラ、専用プロセッサ、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他の好適な電子デバイスとして実装されてもよい。
【0090】
電源112は、無線送電装置102内の送電回路110に電力を提供することができる。電源112は、交流(AC)電力を直流(DC)電力に変換することができる。例えば、電源112は、外部電源からAC電力を受け取り、そのAC電力を電力信号発生器106によって使用されるDC電力に変換する変換器を含んでもよい。
【0091】
第1の通信部142は、無線電力信号を介して通信を送受信するために電力信号発生器106または一次コイル104の構成要素に結合されてもよい。第1の通信部142は、無線電力信号を介して無線信号の送受信を引き起こす1つまたは複数のスイッチおよび他の構成要素を制御するための論理を含んでもよい。例えば、第1の通信部142は、情報をASKまたはFSKの変調信号に変換する変調器または復調器を含んでもよい。一例では、第1の通信部142は、無線送電装置102から無線受電装置118への通信のために、伝送コントローラ108からのデータを、無線電力信号と合成されるFSK変調信号に変換してもよい。別の例では、第1の通信部142は、電力信号発生器106または一次コイル104からの負荷変調ASK信号を感知し、ASK信号を復調して、第1の通信部142が伝送コントローラ108に提供するデータを取得してもよい。
【0092】
いくつかの実施形態では、無線送電装置102は、無線通信インターフェース114を含んでもよい。無線通信インターフェース114は、第1の通信コイル116(コイルまたはループアンテナであってもよい)に接続されてもよい。無線通信インターフェース114は、第1の通信コイル116を介して無線通信信号の送受信を引き起こす1つまたは複数のスイッチおよび他の構成要素を制御するための論理を含んでもよい。いくつかの実施態様では、無線通信インターフェース114は、短距離無線周波数通信(Bluetooth(商標)など)または近距離無線通信(NFC)をサポートすることができる。NFCは、13.56MHzのキャリア周波数でデータ転送を行う技術である。無線通信部124はまた、任意の好適な通信プロトコルをサポートすることができる。
【0093】
伝送コントローラ108は、無線受電装置118の存在または近接を検出してもよい。いくつかの実施態様では、無線受電装置118の存在または近接は、電力信号発生器106および一次コイル104によって生成された周期的な低電力信号に応答する負荷変化に基づいて検出することができる。いくつかの実施態様では、無線受電装置118の存在または近接は、無線送電装置102内の無線通信インターフェース114の周期的なpingプロセス中に起こり得る。伝送コントローラ108は、無線受電装置118から信号強度パケットを受信してもよい。信号強度パケットは、受信電圧の整流値を示すことができる。伝送コントローラ108は、この電圧値を使用して、伝送機コイルと受信コイルとの間の結合の品質をチェックし、電力提供を継続するか否かを決定することができる。
【0094】
伝送コントローラ108は、無線送電装置102が無線受電装置118に提供する無線電力の特性を制御してもよい。無線受電装置118を検出した後、伝送コントローラ108は、無線受電装置118から情報を受信してもよい。例えば、伝送コントローラ108は、無線受電装置118とのハンドシェイクプロセス中に情報を受信してもよい。情報は、無線受電装置118に関する情報(他の例の中でも、電力定格、製造業者、およびモデルなど)を含んでもよい。伝送コントローラ108は、この情報を使用して、無線受電装置118に提供する無線電力のための少なくとも1つの動作制御パラメータ(例えば、周波数、デューティサイクル、電圧など)を決定することができる。無線電力を構成するために、伝送コントローラ108は、電力信号発生器106の周波数、デューティサイクル、電圧、または任意の他の好適な特性を変更することができる。
【0095】
無線受電装置118は、二次コイル120と、整流器126と、受信機コントローラ128と、を含んでもよい。二次コイル120が一次コイル104に整列されると、二次コイル120は、一次コイル104から受信した無線電力信号に基づいて誘起電圧を生成することができる。コンデンサは、二次コイル120と整流器126との間に直列にあってもよい。整流器126は、誘起電圧を整流し、誘起電圧を負荷130に提供することができる。いくつかの実施態様では、負荷130は、無線受電装置118の外部にあり、整流器126からの電線を介して結合されてもよい。いくつかの実施態様は、負荷130を整流器126から切り離すことができる整流器126と負荷130との間の直列スイッチ(図1には図示せず)を含んでもよい。
【0096】
受信機コントローラ128は、整流器126および第2の通信部152に接続されてもよい。第2の通信部152は、無線電力信号を介して通信を送受信するために二次コイル120または整流器126の構成要素に結合されてもよい。第2の通信部152は、無線電力信号を介して通信信号の送受信を引き起こす1つまたは複数のスイッチおよび他の構成要素を制御するための論理を含んでもよい。例えば、第2の通信部152は、情報をASKまたはFSKの変調信号に変換する変調器または復調器を含んでもよい。一例では、第2の通信部152は、無線受電装置118から無線送電装置102への通信のために、受信機コントローラ128からのデータを、無線電力信号を負荷変調するために使用されるASK変調信号に変換してもよい。別の例では、第2の通信部152は、二次コイル120または整流器126で無線電力信号内のFSK信号を感知し、FSK信号を復調して、第2の通信部152が受信機コントローラ128に提供するデータを取得してもよい。
【0097】
いくつかの実施形態では、無線受電装置118は、無線通信インターフェース132を含んでもよい。無線通信インターフェース132は、第2の通信コイル134(コイルまたはループアンテナであってもよい)を介して無線通信するための変調および復調回路を含んでもよい。したがって、受信機コントローラ128は、NFC通信を使用して、無線通信インターフェース132および無線通信インターフェース114を介して、伝送コントローラ108と無線通信を行ってもよい。受信機コントローラ128および伝送コントローラ108は、通信を使用してフィードバック制御ループ(例えば、図3を参照して説明した電力制御プロセス300)を形成する。受信機コントローラ128は、(本明細書に記載の通信経路のいずれかを介して)伝送コントローラ108にフィードバックを提供することができ、伝送コントローラ108は、フィードバックに基づいて無線電力信号の動作点を調整することができる。
【0098】
いくつかの従来の無線電力システムでは、一次コイルは、無線規格によって所定の定格まで無線エネルギーを二次コイルに伝送することができる。例えば、低電力無線電力信号は、5ワット(5W)、9W、12W、または15Wを伝達することができる。低電力無線電力システムは、多くの電子デバイスに好適な最大15ワットのエネルギーを供給することができる。より多くの電力を必要とする電子デバイスへの無線送電をサポートするために、より高電力の無線システムが開発されている。例えば、中無線電力システムおよび高無線電力システムは、15Wを超える無線電力を供給することができる。無線電力システムは、無線送電システムの電力定格が増加し続けるため、改善された通信および制御から利益を得ることができる。
【0099】
図2は、例示的な無線送電プロセスのメッセージフロー図を示す。図2を参照すると、無線送電装置は、無線受電装置が待機モードで充電エリアに位置していることを検出する(S200)。無線送電装置が無線受電装置を検出する方法は様々であり、本開示における特定の方法に限定されない。一例として、無線送電装置は、無線受電装置が充電エリアに位置していることを、特定の周波数のアナログpingを周期的に発信することによって検出し、この検出電流に基づいて、共振シフトまたは静電容量変化を検出してもよい。別の例として、無線送電装置は周期的に検出信号を伝送し、無線受電装置は応答信号(例えば、制御エラーパケットまたは信号強度パケット)を伝送してもよい。無線送電装置は、検出信号に続く所定時間内に応答信号を受信することに基づいて、無線受電装置が充電エリアに位置することを検出してもよい。更に別の例として、無線受電装置は、探索信号または広告信号を無線送電装置に伝送してもよい。探索信号または広告信号は、従来、短距離無線周波数通信(Bluetooth(商標)など)を使用して伝送することができる。無線送電装置は、探索信号または広告信号の受信に基づいて、無線受電装置を検出してもよい。
【0100】
いくつかの実施態様では、無線送電の準備ステップとして、無線送電装置は、任意選択的に、無線受電装置に情報要求信号を伝送することができる(S210)。情報要求信号は、無線受電装置のIDおよび要求電力情報を要求する信号であってもよい。一例として、情報要求信号は、データパケットメッセージの形態で伝送されてもよい。別の例として、情報要求信号は、無線送電装置と無線受電装置との間で、所定の規格に従ったデジタルpingの形態で伝送されてもよい。情報要求信号に応答して、無線受電装置は、任意選択的に、IDおよび構成情報を無線送電装置に伝送してもよい(S220)。例えば、構成情報は、要求電力量または無線受電装置に提供される最大電力量を含んでもよい。いくつかの実施態様では、情報要求信号ならびにIDおよび構成情報は、NFCまたはBluetoothなどの(無線電力信号とは別個の)帯域外通信を使用して通信されてもよい。
【0101】
無線送電装置は、IDおよび構成情報に基づいて、送電のためのパラメータ(動作点と呼ばれる)を設定し、無線受電装置に対して無線送電を実行する(S230)。例えば、無線送電装置は、IDおよび構成情報に基づいて送電契約を作成し、送電契約に従って無線送電を制御してもよい。無線送電装置が無線受電装置への無線送電を開始してから終了するまでに実行するプロセスは、(無線)送電フェーズと呼ばれてもよい。無線受電装置は、受信した無線電力をバッテリなどの外部負荷に提供することができる。
【0102】
無線送電装置は、送電のためのパラメータを監視することができ、パラメータのうちのいずれか1つが規定の制限を超えた場合に無線送電を中止することができる。あるいは、無線受電装置の要求により、S230の無線送電プロセスを終了してもよい。例えば、無線受電装置は、バッテリが満充電である場合に、無線送電装置に無線送電の終了を要求する信号を伝送してもよい。
【0103】
S230の無線送電プロセス中に、無線受電装置は、無線送電装置に対して周期的または非周期的に制御エラーパケット(CEP)を送信し続ける(S240-1、S240-2、およびS240-3)。これは、無線送電装置から無線受電装置に伝送する電力量を制御するため、すなわち電力制御を実行するために実行される。ステップS240-1からステップS240-3のような電力制御プロセスは、図3の実施形態による電力制御プロセスを含んでもよい。
【0104】
図2はまた、制御エラーパケットが、前の制御エラーパケットの後の所定期間T(例えば、1.8秒)以内に受信されない場合を示す。予想される(しかし受信されない)制御エラーパケットは、S240-4として示されている。無線送電装置は、所定期間T内に制御エラーパケットを受信しないことに応じて、無線受電装置が充電エリアから除去されたと決定し、無線送電を停止してもよい(S250)。無線送電装置は、ユーザが無線受電装置を充電エリアから除去した場合、無線送電を停止することを要求されてもよい。更に、無線送電装置は、無線受電装置がバッテリ満充電状態を示す場合、無線送電を停止してもよい。
【0105】
別の問題は、制御エラーパケットまたは他のフィードバックパラメータにおける歪みまたは範囲外パラメータの結果として発生する可能性がある。例えば、バッテリの充電中に、負荷変動により充電電流が不規則に変化する場合がある。パケットの通信には負荷変調が使用されるため、負荷変動によりパケットが歪む可能性がある。このような歪みが頻繁に発生すると、無線送電装置は誤ったパケットを破棄し、場合によっては無線受電装置への送電を打ち切ることがある。これは、無線送電の中断またはバッテリ充電の遅延にもつながる可能性がある制御の不必要な遅延を引き起こす可能性がある。
【0106】
図3は、無線送電装置102と無線受電装置118との間で実行される電力制御プロセス300の一例を示す。図3を参照すると、無線受電装置118は、所望の制御点を選択する(S300)。ここで、制御点は、電流および/または電圧、無線受電装置の一部の温度などを含んでもよい。無線受電装置118は、無線送電装置102の電力変換部370から受電部305が受信した無線送電380に基づいて、実際の制御点を決定する(S310)。
【0107】
無線受電装置118は、所望の制御点および実際の制御点を使用して制御エラー値を算出する(S320)。例えば、無線受電装置118は、所望の電圧(または電流)と実際の電圧(または電流)との(相対的な)差分により制御エラー値を算出してもよい。無線受電装置118は、制御エラー値に基づいて制御シグナリングを生成し、これを無線送電装置に伝送する(S330)。従来の通信技術では、制御シグナリング330は、制御エラーパケットで符号化され得る。本開示で更に説明するように、制御シグナリング330は、PWM信号として通信されてもよい。
【0108】
無線送電装置102は、必要に応じて、制御シグナリング330を受信し、制御エラー値に基づいて新しい動作点を設定してもよい(S360)。ここで、例えば、動作点は、一次コイルに印加されるAC電圧の振幅、周波数、およびデューティサイクルのうちの少なくとも1つであってもよい。新しい動作点360を決定するために、無線送電装置102は、新しいプライマリセル電流を決定することができる(S340)。新しいプライマリセル電流は、実際のプライマリセル電流(S375)および制御シグナリング330に基づくことができる。無線送電装置102は、新しいプライマリセル電流に対する制御を決定し(S350)、新しいプライマリセル電流を満たす新しい動作点を決定する(S360)ことができる。
【0109】
無線送電装置102は、新しい動作点に基づいて、無線受電装置118に対して無線送電380を実行する(S370)。この場合、無線送電装置は、無線受電装置から新しい制御シグナリングを受信するまで動作点を維持してもよい。
【0110】
図3を参照して説明した電力制御プロセス300は、従来の通信技術または本開示に記載されたPWM通信技術で使用することができる。図4図5図7、および図8の説明は、従来の通信技術を使用して図3の制御シグナリング330を通信する方法を説明する。図9図13の説明は、制御シグナリング330を通信するためのPWM通信技術の例を含む。
【0111】
図4は、例示的な制御エラーパケットを概念的に示すブロック図400を示す。制御エラー値410は、8ビットの値であってもよい。いくつかの実施態様では、制御エラー値410は、-128~+127(両端を含む)の範囲の2の補数の符号付き整数値であってもよい。示された範囲外の値は予約されており、CEPに含まれない。むしろ、この範囲外の任意の値は、範囲の境界まで飽和し得る(-128または+127など)。いくつかの実装形態では、正の制御エラー値は、無線送電装置にその一次コイルへの電流を増加させることができ、負の制御エラー値は、無線送電装置にその一次コイルへの電流を減少させることができる。代替的または追加的に、正の制御エラー値は、無線送電装置にその電圧を増加させるように指示することができる。いくつかの実施態様では、電圧は、無線電力信号の電圧を増加させる代わりに、またはそれに加えて、無線電力信号の動作周波数を減少させることによって増加させることができる。負の制御エラー値は、電圧を減少させるように無線送電装置に指示することができる。いくつかの実施態様では、電圧は、無線電力信号の電圧を減少させる代わりに、またはそれに加えて、動作周波数を増加させることによって減少させることができる。
【0112】
CEPは、プリアンブル422、ヘッダ424、メッセージ部分426、およびチェックサム428を含んでもよい。プリアンブル422は、すべてが1のビットのパターンであってもよい。ヘッダ424は、パケットのタイプを示す値を含んでもよい。メッセージ部分426には制御エラー値410が入力されてもよく、8ビットであってもよい。同様に、ヘッダ424およびチェックサム428は、それぞれ8ビット長であってもよい。プリアンブル422は、パケットの開始をシグナリングし、11~25ビット長であってもよい。本開示の目的のために、11ビットの最小プリアンブル422が記載される。
【0113】
ヘッダ424、メッセージ部分426、およびチェックサム428の各8ビット部分は、バイト符号化され得る。バイト符号化は、図5を参照して更に説明される。バイト符号化の結果、ヘッダ424、メッセージ部分426、およびチェックサム428の各8ビット部分は11ビットで符号化される。したがって、従来の通信技術を使用してシグナリングされるCEP450の全長は、44変調ビット(プリアンブル432には最小11変調ビット、ヘッダ434には11変調ビット、メッセージ部分436には11変調ビット、チェックサム438には11変調ビット)である。各変調ビットは、0.5msごとに1つの変調ビットが通信されるように、2kHzの通信周波数に従って変調される。したがって、フルCEPを変調および伝送する時間は22msである。
【0114】
図5は、バイト符号化を概念的に示すブロック図500を示す。8データビット510は、スタートビット512、パリティビット514、およびストップビット516で符号化されている。したがって、バイト符号化ビット520は、バイト当たり11ビットを含む。スタートビット512は0である。データビットの順序は、最下位ビット(LSB)からである。無線送電装置から無線受電装置への通信の場合、パリティは偶数であり、これは、データバイトが奇数の1のビットを含む場合にパリティビットが1に設定されることを意味する。そうでない場合、パリティビットは0に設定される。無線受電装置から無線送電装置への通信では、パリティビットは奇数である。これは、データバイトが偶数の1のビットを含む場合、パリティビットが1に設定されることを意味する。そうでない場合、パリティビットは0に設定される。ストップビットは1である。
【0115】
図6は、例示的な無線受電装置600を概念的に示すブロック図を示す。無線受電装置600は、図1図2、および図3を参照して説明した無線受電装置118の一例であってもよい。無線受電装置600は、二次コイル602を含む。二次コイル602は、直列コンデンサ626を介して整流器604に接続されてもよい。整流器604は、直列スイッチ(図示せず)を介して負荷608またはエネルギー貯蔵デバイス(図示せず、バッテリなど)に電気的に結合されてもよい。無線受電装置600は、通信部632も含んでもよい。いくつかの実施態様では、無線受電装置600はまた、通信コイル(図示せず)に接続された通信インターフェース(図示せず)を含んでもよい。通信部632は、受信機コントローラ624によって制御されてもよい。
【0116】
受信機コントローラ624は、通信部632を介して無線送電装置に通信するために、様々な情報を受信し、制御エラー値または他のフィードバックを決定することができる。図6において、点線は、電気回路線を表す実線と区別するための制御線または情報線を表す。制御線または情報線は、受信機コントローラ624および無線受電装置600の他の構成要素との電気的接続を含んでもよい。いくつかの実施態様では、受信機コントローラ624は、負荷608に接続された負荷コントローラまたはバッテリ管理システム(図示せず)から負荷設定および電力推定値を示す情報を受信することができる。受信機コントローラ624はまた、二次コイル602に接続された第1の電圧センサ618から第1の電圧情報を受信することができる。第1の電圧情報は、二次コイル602のピーク電圧を示すことができる。受信機コントローラ624はまた、整流器604に接続された第2の電圧センサ614から第2の電圧情報を受信することができる。第2の電圧情報は、負荷608に利用可能な電圧を示すことができる。受信機コントローラ624はまた、整流器604に接続された電流センサ612から電流に関する情報を受信することができる。電流に関する情報は、負荷608に利用可能な電流の量を示すことができる。
【0117】
受信機コントローラ624は、他の例の中でも、第1の電圧情報、第2の電圧情報、または電流に関する情報に基づいて、制御エラー値または他の情報を無線送電装置に伝送してもよい。場合によっては、受信機コントローラ624は、フィードバック機構の一部として、負荷設定、負荷の電力推定値、第1の電圧情報、第2の電圧情報、および電流に関する情報のうちの1つまたは複数に基づいて制御エラー値を決定することができる。いくつかの実施態様では、通信部632は、二次コイル602を含む通信チャネルを介して無線送電装置と通信するために負荷変調を使用するように構成される。通信チャネルは、他の例の中でも、受信機のタイプ、電力能力、二次コイルの数、二次コイルの識別情報(識別子(ID)タグなど)、負荷電圧、充電状態、および二次コイルの各々からの受信電力に関する情報を通信するために使用することができる。いくつかの実施態様では、無線受電装置600から無線送電装置までの通信経路上でASK変調を使用することができる。本出願に記載された変調のタイプは例示目的のためのものであり、本開示の範囲内で代替のタイプの変調(FSK変調など)を使用することができる。本明細書で説明するように、通信部632は、パルス幅変調を使用してアナログ値を通信することも可能であり得る。受信機コントローラ624は、通信部632内のスイッチに接続された制御線652および654を使用して通信部632を制御することができる。スイッチは、本明細書に記載の様々な変調信号を生成するために設定または設定解除することができる。
【0118】
図7は、デジタル信号を通信するための差分二相符号化技術700を概念的に示す信号図を示す。ASKまたはFSKに基づく従来の通信技術は、差分二相符号化を使用してデジタル情報を変調することができる。図7の例は、従来の通信技術におけるASK変調に基づいている。差分二相符号化方式を使用して、データビットを無線電力信号に変調することができる。この目的のために、無線受電装置は、データビットの開始がクロック信号710の立ち上がりエッジと一致するように、各データビットを(通信クロックからなどの)内部クロック信号710の全期間tCLK712に整列させることができる。内部クロック信号710は、周波数fCLK=2±4%kHzを有してもよい。無線受電装置は、第1の遷移がクロック信号の立ち上がりエッジと一致し、第2の遷移がクロック信号の立ち下がりエッジと一致するように、無線電力信号内の2つの遷移を使用して1のビットを符号化することができる。あるいは、第2の遷移は、クロック信号の立ち下がりエッジの前の期間tCLK中に発生してもよい。無線受電装置は、クロック信号の立ち上がりエッジと一致する無線電力信号の単一遷移を使用して0のビットを符号化することができる。図7は、それぞれがそれぞれの期間tCLK中に2つの遷移を有する1のビット722および726の例を示す。図7はまた、それぞれがそれぞれの期間tCLK中にただ1つの遷移を有する0のビット724および728の例を示す。各期間tCLKは、持続時間が0.5msであってもよく、デジタル情報の1のビットまたは0のビットのいずれかを含むことができる。図7の図は、電力信号の振幅を修正するために負荷変調が使用され得る振幅変調信号に基づいている。
【0119】
図8は、複数の制御エラーパケットを概念的に示すタイミング図800を示す。図8は、複数のCEP810、820、および830を介して制御エラー値を通信するための例示的なタイミングを示す。各CEPは、図7を参照して説明した差分二相符号化技術を使用して通信されてもよい。図5を参照して説明したように、各CEP810、820、および830は、44ビットのデジタル情報からなることができる。したがって、各CEP810、820、および830を通信するための通信時間は22msである。更に、無線受電装置は、各CEP810、820、および830の間に少なくとも29msの制御遅延を含んでもよい。したがって、無線受電装置は、約104msにわたって、各々が単一制御エラー値を有する3つのCEPを通信してもよい。CEPを使用して100個の制御エラー値を通信するのに必要な時間量は、約4秒である。図12および図13を参照して更に説明したように、この従来の通信技術は、本開示に記載されたPWM通信技術と比較して非常に遅い。
【0120】
図9は、例示的なパルス幅変調(PWM)通信技術900を概念的に示す信号図を示す。図9は、第1のデバイス(無線送電装置など)が第2のデバイス(無線受電装置など)からの負荷変調通信において検出することができるPWM信号920を示す。いくつかの実施態様では、無線受電装置は、制御エラー値をパルス幅比に変換することができる。パルス幅比は、パルスタイムスロット内のパルスのパルス幅(オン時間持続時間)の割合を示す。いくつかの実施態様では、パルスタイムスロットは、そうでなければ単一ASK変調ビットに使用されるのと同じ持続時間(0.5ms)である。図9は、負荷変調を使用して通信される10個の連続パルスを含むPWM信号920を示す。各パルスは、そうでなければ2kHzの通信周波数に使用されるであろう0.5msの期間と一致するパルスタイムスロット915を占有する。したがって、いくつかの実施態様では、PWM通信技術は、図7を参照して説明したのと同じ内部クロック信号710(図示せず)を使用することができる。しかしながら、差分二相符号化技術を使用するのではなく、PWM信号920は、アナログ値を通信するために可変パルス幅を使用することができる。図9の例では、負荷変調を使用して、所望のパルス幅に従って電力信号の振幅を修正することができる。例えば、第1の負荷は、パルス幅のオン時間持続時間中に第1の振幅を生成することができ、オフ時間持続時間中に第2の振幅を生成することができる。代替的または追加的に、図17を参照して説明したような周波数の変化を使用して、パルスタイムスロット915の間のパルス幅のオン時間持続時間と残りのオフ時間とを区別することができる。
【0121】
図9に示す例では、PWM信号920には10個のパルスがある。各パルスは、制御エラー値を通信することができる。PWM信号920を通信する際に、無線受電装置は、制御エラー値をパルス幅に(例えば、図11Aを参照して説明した計算を使用して)変換してもよい。PWM信号920を受信する際に、無線送電装置は、パルス幅を検出し、そこから制御エラー値を決定してもよい(例えば、図11Bを参照して説明した計算を使用して)。更に、各パルスは制御エラー値を表すので、制御エラー値の変化を後続のパルスで迅速に伝達することができる。例えば、第1のパルスタイムスロット915内のパルス925は、第1のパルスタイムスロット915の持続時間の70パーセント(%)のパルス幅比を有する(例えば、0.5ms)。したがって、パルス925は、0.35ms(第1のパルスタイムスロット915の0.5msの持続時間の70パーセント)のパルス幅(持続時間)を有することができる。70%のパルス幅比は、特定の制御エラー値(例えば、図11Aおよび図11Bを参照して説明した計算を使用する場合、51である)に対応することができる。
【0122】
時間930に示されているように、制御エラー値は変化し得る。例えば、無線受電装置は、51の制御エラー値の代わりに、25の新しい制御エラー値を決定することができる。時間930の後、後続のパルス945は、0.30msのパルス幅(持続時間)を有してもよい。0.30msのパルス幅は、対応するパルスタイムスロット935の持続時間の60%のパルス幅比を表す。60%のパルス幅比は、新しい制御エラー値(例えば、図11Aおよび図11Bを参照して説明した計算を使用する場合、25である)に対応することができる。
【0123】
図10は、制御エラー値とパルス幅比との間の例示的な関係1110を示す。-128の制御エラー値は、0%(0.0)のパルス幅比に対応することができ、127の制御エラー値は、100%(1.0)のパルス幅比に対応することができる。50%(0.5)のパルス幅比は、0の制御エラー値に対応することができる。図10に示す例示的な翻訳は、教育目的のために提供されており、他の翻訳も可能であり得ることは明らかである。例えば、負の制御エラー値は、0.5~1.0のパルス幅比の範囲で表されてもよく、正の制御エラー値は、0.0~0.5のパルス幅比の範囲で表されてもよい。いずれにせよ、-128~127の間の制御エラー値をパルス幅比の範囲に変換することができる定義された変換が存在し得る。簡潔にするために、図10の例示的な図は、0.0~1.0のパルス幅比の範囲を示す。いくつかの実施態様では、0.0または1.0のパルス幅比は、パルス幅比の範囲が最小値(3%など)と最大値(95%など)との間の範囲になるように予約値であってもよい。
【0124】
図11Aは、制御エラー値を表すパルス幅を決定するための例示的な計算を示す。無線受電装置は、制御エラー値をパルス幅比に変換する式に基づいてパルス幅比を決定することができる。無線受電装置は、パルス幅比にパルスタイムスロットの持続時間を乗算することによってパルス幅(パルスオン時間持続時間)を決定することができる。例えば、第1の式1110は、制御エラー値をパルス幅比に変換する例示的な計算(1)を示す。
(1)
【0125】
第2の式1120は、パルス幅比をパルス幅に変換する例示的な計算(2)を示す。
(2)
【0126】
したがって、無線受電装置は、パルスのパルス幅(tON)が制御エラー値を表す所望のパルス幅比を有するように、PWMスイッチまたは変調器回路を制御することができる。
【0127】
図11Bは、パルスに基づいて制御エラー値を決定するための例示的な計算を示す。無線送電装置は、パルスを検出し、パルスタイムスロットtSLOT中のパルスのオン時間持続時間tONに基づいてパルス幅比を決定することができる。無線送電装置は、パルス幅比を制御エラー値に変換してもよい。例えば、第3の式1130は、検出されたパルスに基づいてパルス幅比を決定する例示的な計算(3)を示す。
(3)
【0128】
第4の式1140は、パルス幅比を制御エラー値に変換する例示的な計算(4)を示す。
(4)
【0129】
図10を参照して更に説明したように、パルス幅比は、制御エラー値の負の値をパルスで表すことができるように、制御エラー値のオフセットによって計算することができる。(負の128の)例示的なオフセットは一例にすぎず、制御エラー値とパルス幅比との間の他の変換も可能である。
【0130】
図12Aは、複数のパルスのシグナリングを概念的に示すタイミング図1200を示す。各パルス1210は、フィードバックパラメータ(制御エラー値など)のアナログ表現を伝達するパルス幅比を有してもよい。各パルスは、通信クロック期間tCLKに等しいパルスタイムスロット1215を占有することができる。したがって、3つのパルス(各パルスは制御エラー値に対応する)を1.5msで通信されてもよい。約100パルスは、50msの期間中に通信され得る。図8の説明から、デジタル情報として変調されたCEPを使用する従来の通信技術は、100個のCEPを通信するのに約4秒かかることを想起されたい。したがって、当業者は、本開示に記載されたPWM通信技術がはるかに高速な通信技術を提供することを容易に認識するであろう。
【0131】
図12Bは、パルスが1つおきのパルスタイムスロットで発生する複数のパルスのシグナリングを概念的に示す別のタイミング図1210を示す。図12Bに示すように、パルスは中間パルス期間によって分離されてもよい。したがって、パルスは、第1のパルス期間1215の後のパルスがない中間パルス期間1217の間に発生してもよい。中間パルス期間は、例えば、動作点の変化または制御エラー値の再計算のための時間を提供するために使用することができる。図12Bに記載された手法を使用して、異なる制御エラー値は、それぞれ1ms(パルスを有するパルスタイムスロット1215については0.5ms、中間パルス期間1217については0.5ms)のパルスによって通信されてもよい。100個の制御エラー値を通信するためのおおよその時間は100msである。
【0132】
図12Cは、フィードバックパラメータを2つのパルスに符号化することができる複数のパルスのシグナリングを概念的に示す別のタイミング図1220を示す。第1のパルスタイムスロット1225中の第1のパルスは、制御エラー値の符号(正または負)を表すパルス幅比を有してもよい。例えば、25%のパルス幅比は負のエラー値を表すことができ、75%のパルス幅比は正のエラー値を表すことができる。第2のパルスタイムスロット1227中の第2のパルスは、0と1との間のパルス幅比として符号化された制御エラー値(符号なし)の大きさを表す可変パルス幅比を有してもよい。この例は、制御エラー値を伝達するために2つのパルス(したがって、時間の2倍)を使用するが、そのような実施態様は、高出力での符号化ノイズに起因するエラーの可能性を低減することができる。
【0133】
図12Cは、2つのパルスを介して伝達される制御エラー値を示しているが、他の例も可能である。例えば、他のタイプのフィードバックパラメータの場合、一連の連続パルスは、フィードバックパラメータの異なる成分を示すことができる。構成要素は、前の例で説明したように、符号および大きさを含んでもよい。代替的または追加的に、構成要素は、他の例の中でも、異なる可変値、大きさの順序、粗粒度もしくは細粒度の調整、または指示を含んでもよい。一連の連続パルスは、2つのパルスを含んでもよく、または他の量のパルスを含んでもよい。
【0134】
図13は、PWM通信技術をアクティブ化または非アクティブ化するためのシグナリングを概念的に示すタイミング図1300を示す。PWM通信技術が起動される場合、無線送電システムは、アナログ制御を使用すると呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、無線送電システムは、アナログ制御を動的に有効または無効にすることができる。例えば、識別情報および構成情報の通信は、デジタル情報のパケットベースの変調を利用することができる。パケットベースの変調は、ビットとしてのデジタル情報の通信によく適した差分二相符号化技術を使用することができる。いくつかの実施態様では、無線受電装置および無線送電装置は、本開示に記載されたPWM通信技術を実施することができるかどうかを示す能力情報を交換することができる。両方の装置がPWM通信技術をサポートする場合、開始アナログ制御パケット1308を使用してPWM通信技術を有効にすることができる。例えば、デジタル情報のパケットベースの変調を使用したハンドシェイクおよび構成プロセスの後、無線受電装置(または無線送電装置)は、PWM通信技術に変更されていることを示すために開始アナログ制御パケット1308を通信することができる。開始アナログ制御パケット1308は、図4を参照して説明したCEPと同様に、パケットとしてフォーマットすることができる。開始アナログ制御パケット1308は、PWM通信技術への変化を示すために、パケットのヘッダまたはメッセージ部分に所定値を含んでもよい。例えば、ヘッダは、開始アナログ制御パケット1308のパケットタイプを識別するための所定の値を含んでもよい。その後、無線受電装置は、図12を参照して説明したように、制御エラー値(または他の情報)をPWMパルス1210として通信することができる。
【0135】
終了アナログ制御パターン1317は、パケットベースの通信技術への変化をシグナリングすることができる。終了アナログ制御パターン1317は、所定のパルス幅を有する連続パルスのパターンまたは所定の時間にわたるヌル信号(図13に示す)を含むことができる。連続パルスのパターンは、終了アナログ制御パケット1318または他のパケット(図示せず)に先行し得る。例えば、同じパルス幅比を有する一連のn個の連続パルスは、無線送電装置に、終了アナログ制御パケット1318のプリアンブルの検出を開始するように通知することができる。一連のn個の連続パルスは、最小値もしくは最大値(0.03もしくは0.95)または任意の他の所定の予約値などの予約パルス幅比を有してもよい。
【0136】
いくつかの実施態様では、終了アナログ制御パターン1317の後にデジタル終了アナログ制御パケット1318が続き得る。終了アナログ制御パケット1318は、プリアンブル、ヘッダ、メッセージ、およびチェックサム部分を含むデジタルパケットを含んでもよい。終了アナログ制御パケット1318は、従来のパケットベースの通信技術への変化を示すために、パケットのヘッダまたはメッセージ部分に所定値を含んでもよい。例えば、ヘッダは、終了アナログ制御パケット1318のパケットタイプを識別するための所定の値を含んでもよい。
【0137】
図14は、帯域外通信チャネルを介してPWMベースの制御シグナリングを使用することができる例示的な無線受電装置1400を概念的に示すブロック図を示す。無線受電装置1400の構成要素は、図6の無線受電装置600を参照して説明した同様の構成要素と同様である。しかしながら、無線受電装置1400は、通信インターフェース1426および通信コイル1428を更に含む。通信コイル1428は、通信アンテナであってもよい。いくつかの実施態様では、通信インターフェース1426は、他の例示的な通信プロトコルの中でも、短距離通信(NFC)またはBluetooth(商標)通信をサポートすることができる。受信機コントローラ624は、通信インターフェース1426によってサポートされる通信プロトコルに従って通信するために、通信インターフェース1426にデータを送信するように構成されてもよい。いくつかの実施態様では、通信インターフェース1426は、本明細書に記載のPWMベースの通信技術を使用してデータを通信することができる。
【0138】
図15は、無線送電装置におけるPWM通信技術を使用するプロセスの例示的な動作を示すフロー図を示す。プロセス1500の動作は、本明細書に記載の無線送電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1500は、図1図2、および図3を参照して説明した無線送電装置102によって実行することができる。いくつかの実施態様では、プロセス1500の動作は、図1図2、および図3を参照して説明した無線受電装置118、図6を参照して説明した無線受電装置600、または図14を参照して説明した無線受電装置1400などの無線受電装置によって実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス1500の動作は、図19を参照して説明した装置1900などの装置によって実施することができる。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。
【0139】
ブロック1510では、装置は、少なくとも1つの一次コイルを介して無線受電装置に無線電力を伝送してもよい。
【0140】
ブロック1520では、装置は、無線受電装置からパルス幅変調(PWM)信号を受信してもよい。PWM信号は、1つまたは複数のパルスを含んでもよい。
【0141】
ブロック1530では、装置は、1つまたは複数のパルスのパルス幅に基づいてフィードバックパラメータを決定することができる。
【0142】
ブロック1540では、装置は、フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて、無線送電装置から無線受電装置への無線電力の伝送を管理することができる。
【0143】
図16は、無線受電装置におけるPWM通信技術を使用するプロセスの例示的な動作を示すフロー図を示す。プロセス1600の動作は、本明細書に記載の無線受電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1600の動作は、図1図2、および図3を参照して説明した無線受電装置118、図6を参照して説明した無線受電装置600、または図14を参照して説明した無線受電装置1400などの無線受電装置によって実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス1600は、図1図2、および図3を参照して説明した無線送電装置102によって実行することができる。いくつかの実施態様では、プロセス1500の動作は、図19を参照して説明した装置1900などの装置によって実施することができる。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。
【0144】
ブロック1610では、装置は、無線受電装置の少なくとも1つの二次コイルを介して無線送電装置から無線電力を受信してもよい。
【0145】
ブロック1620では、装置は、無線電力に基づいてフィードバックパラメータを決定することができる。フィードバックパラメータは、無線送電装置が無線電力の伝送を管理するためのものであってもよい。
【0146】
ブロック1630では、装置は、無線受電装置から無線送電装置にパルス幅変調(PWM)信号を通信することができる。PWM信号は、1つまたは複数のパルスを含んでもよい。各パルスは、フィードバックパラメータに少なくとも部分的に基づいて、パルス幅を有してもよい。
【0147】
図17は、PWM通信技術に基づく例示的な周波数変動を概念的に示す信号図1700を示す。本開示における例のいくつかは、PWM信号1710に従って電流を変化させる負荷変調信号に関連して説明されている。しかしながら、PWM通信技術は、振幅変調信号1720または周波数変調信号1730とともに使用することもできる。簡潔にするために、図17は、2つのパルスを有するPWM信号1710を示す。各パルスは、残りのオフ時間1714と区別するために、パルスタイムスロット1711の間にオン時間持続時間1712を有するパルス幅を有してもよい。第1の例では、PWM信号1710は、第1の振幅1722がパルスのオン時間を示すように通信信号1720の振幅を変えるために使用することができる。第2の振幅1724は、オフ時間中に使用されてもよい。第2の例では、PWM信号1710は、第1の周波数1732がパルスのオン時間を示すように通信信号1730の周波数を変えるために使用することができる。第2の周波数1734は、オフ時間中に使用されてもよい。
【0148】
図18は、無線送電装置におけるPWMベースの制御シグナリングを使用する別のプロセスの例示的な動作を示すフロー図を示す。プロセス1800の動作は、本明細書に記載の無線送電装置によって実施することができる。例えば、プロセス1800は、図1図2、および図3を参照して説明した無線送電装置102によって実行することができる。いくつかの実施態様では、プロセス1800の動作は、図1図2、および図3を参照して説明した無線受電装置118、図6を参照して説明した無線受電装置600、または図14を参照して説明した無線受電装置1400などの無線受電装置によって実施することができる。いくつかの実施態様では、プロセス1500の動作は、図19を参照して説明した装置1900などの装置によって実施することができる。簡潔にするために、動作は、装置によって実行されるものとして説明される。
【0149】
これまで、本開示における例は、無線受電装置から無線送電装置への制御シグナリングのフィードバックに基づいていた。しかしながら、本開示におけるPWMベースの通信技術は、無線送電装置から無線受電装置への通信にも使用することができる。例えば、異なるパルス幅を使用して、アナログ値、所定のメッセージ、フィードフォワード情報、または無線送電装置から無線受電装置への他のシグナリングを示すことができる。無線送電装置から無線受電装置に通常通信される情報の例としては、肯定応答(ACK)メッセージ値、非肯定応答(NAK)メッセージ値、または非定義(ND)メッセージ値が挙げられ得る。これらの信号の各々は、無線電力信号または帯域外通信信号で変調することができる所定のパルス幅(PWM値)に関連付けられてもよい。他のタイプのメッセージ値は、変換関数を使用してPWM値に変換されてもよい。
【0150】
ブロック1810では、装置は、少なくとも1つの一次コイルを介して無線受電装置に無線電力を伝送してもよい。
【0151】
ブロック1820では、装置は、無線受電装置と通信するためのメッセージ値を決定することができる。
【0152】
ブロック1830では、装置は、メッセージ値に少なくとも部分的に基づいて、パルス幅変調(PWM)信号の1つまたは複数のパルスのパルス幅を決定することができる。
【0153】
ブロック1840では、装置は、パルス幅に基づいて無線送電装置から無線受電装置に周波数変調信号を伝送してもよい。周波数変調信号は、パルス幅のオン時間持続時間の間に第1の周波数を有してもよい。周波数変調信号は、パルス幅のオン時間持続時間以外の時間の間に第2の周波数を有してもよい。
【0154】
図19は、無線電力システムで使用するための例示的な装置のブロック図を示す。いくつかの実施態様では、装置1900は、本明細書に記載の無線送電装置(無線送電装置102など)であってもよい。いくつかの実施態様では、装置1900は、本明細書に記載の無線送電装置102、無線受電装置118、無線受電装置600、または無線受電装置1400のうちのいずれかの一例であってもよい。装置1900は、プロセッサ1902(場合によっては、複数のプロセッサ、複数のコア、複数のノード、またはマルチスレッディングの実装などを含む)を含むことができる。装置1900はまた、メモリ1906を含むことができる。メモリ1906は、システムメモリ、または本明細書に記載のコンピュータ可読媒体の可能な実現のうちのいずれか1つまたは複数であってもよい。装置1900はまた、バス1911(例えば、PCI、ISA、PCI-Express、HyperTransport(登録商標)、InfiniBand(登録商標)、NuBus(登録商標)、AHB、AXIなど)を含むことができる。
【0155】
装置1900は、複数の一次または二次コイル(コイルアレイ1964など)を管理するように構成された1つまたは複数のコントローラ1962を含んでもよい。いくつかの実施態様では、コントローラ1962は、プロセッサ1902、メモリ1906、およびバス1911内に分散させることができる。コントローラ1962は、本明細書に記載の動作の一部または全部を実行することができる。例えば、コントローラ1962は、図2図3図15図16図17のうちのいずれか1つ、またはそれらの任意の組み合わせを参照して説明したプロセスを実施することができる。
【0156】
メモリ1906は、図1図18を参照して説明した実施態様の機能を実施するためにプロセッサ1902によって実行可能なコンピュータ命令を含むことができる。これらの機能のいずれかは、ハードウェアまたはプロセッサ1902に部分的に(または全体的に)実装されてもよい。例えば、機能は、特定用途向け集積回路、プロセッサ1902に実装された論理、周辺デバイスまたはカード上のコプロセッサなどで実装されてもよい。更に、実現は、図19に示されていないより少ないまたは追加の構成要素を含んでもよい。プロセッサ1902、メモリ1906、およびコントローラ1962は、バス1911に結合されてもよい。バス1911に結合されているものとして示されているが、メモリ1906はプロセッサ1902に結合されてもよい。
【0157】
図1図19および本明細書に記載の動作は、例示的な実施態様の理解を助けることを意図した例であり、潜在的な実施態様を制限したり、特許請求の範囲を制限したりするために使用されるべきではない。いくつかの実施態様は、追加の動作、より少ない動作、並列または異なる順序での動作、およびいくつかの異なる動作を実行することができる。
【0158】
本明細書に記載の図、動作、および構成要素は、例示的な実施態様の理解を助けることを意図した例であり、潜在的な実施態様を制限したり、特許請求の範囲を制限したりするために使用されるべきではない。いくつかの実施態様は、追加の動作、より少ない動作、並列または異なる順序での動作、およびいくつかの異なる動作を実行することができる。
【0159】
本明細書で使用される場合、項目のリスト「~のうちの少なくとも1つ」または「~のうちの1つまたは複数」を指す語句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。例えば、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、aのみ、bのみ、cのみ、aとbとの組み合わせ、aとcとの組み合わせ、bとcとの組み合わせ、およびaとbとcとの組み合わせの可能性を網羅することを意図している。
【0160】
本明細書に開示された実施態様に関連して説明された様々な例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、回路、動作、およびアルゴリズムプロセスは、本明細書に開示された構造およびその構造的均等物を含む、電子ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはハードウェア、ファームウェア、もしくはソフトウェアの組み合わせとして実装されてもよい。ハードウェア、ファームウェア、およびソフトウェアの互換性は、機能に関して一般的に説明されており、上述の様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびプロセスに示されている。そのような機能がハードウェア、ファームウェア、またはソフトウェアのいずれで実装されるかは、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課される設計制約に依存する。
【0161】
本明細書に開示された態様に関連して記載された様々な例示的な構成要素、論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用されるハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブル論理デバイス(PLD)、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、または本明細書に記載された機能を実行するように設計されたこれら任意の組み合わせを用いて実装または実行されてもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、または任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシンであってもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装されてもよい。いくつかの実施態様では、特定のプロセス、動作、および方法は、所与の機能に固有の回路によって実行されてもよい。
【0162】
上述したように、本明細書に記載の主題のいくつかの態様は、ソフトウェアとして実装することができる。例えば、本明細書に開示された構成要素の様々な機能、または本明細書に開示された方法、動作、プロセス、もしくはアルゴリズムの様々なブロックもしくはステップは、1つまたは複数のコンピュータプログラムの1つまたは複数のモジュールとして実装することができる。そのようなコンピュータプログラムは、本明細書に記載のデバイスの構成要素を含むデータ処理装置によって実行される、またはその動作を制御するために、1つまたは複数の有形のプロセッサ可読またはコンピュータ可読記憶媒体上に符号化された非一時的なプロセッサ実行可能命令またはコンピュータ実行可能命令を含むことができる。限定ではなく例として、そのような記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、もしくは他の光ディスク記憶デバイス、磁気ディスク記憶デバイス、もしくは他の磁気記憶デバイス、または命令もしくはデータ構造の形態でプログラムコードを記憶するために使用することができる任意の他の媒体を含んでもよい。上記の組み合わせも記憶媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0163】
本開示に記載された実施態様に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義された一般的な原理は、本開示の範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示される実施態様に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される本開示、原理、および新規な特徴と一致する最も広い範囲を与えられるべきである。
【0164】
更に、別個の実施態様の文脈で本明細書に記載されている様々な特徴はまた、単一実施態様において組み合わせて実装することができる。逆に、単一実施態様の文脈で説明されている様々な特徴は、複数の実施態様において別々に、または任意の適切な部分的な組み合わせで実装することができる。このように、特徴は、特定の組み合わせで作用するものとして上述され、最初はそのように特許請求されていてもよいが、特許請求された組み合わせからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組み合わせから削除することができ、特許請求された組み合わせは、部分的な組み合わせまたは部分的な組み合わせの変形を対象とすることができる。
【0165】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序で、または連続した順序で実行されること、または示されたすべての動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。更に、図面は、フローチャートまたはフロー図の形式で1つまたは複数の例示的なプロセスを概略的に示すことができる。しかしながら、図示されていない他の動作は、概略的に示されている例示的なプロセスに組み込むことができる。例えば、1つまたは複数の追加の動作を、図示の動作のいずれかの前、後、同時に、またはその間に実行することができる。状況によっては、マルチタスク処理および並列処理が有利な場合がある。更に、上述の実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、記載されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一ソフトウェア製品に一緒に統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】