(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】同時送受信(STR)マルチリンク動作
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0457 20230101AFI20231213BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20231213BHJP
H04W 88/10 20090101ALI20231213BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20231213BHJP
【FI】
H04W72/0457 110
H04W84/12
H04W88/10
H04W88/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023534901
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2020085331
(87)【国際公開番号】W WO2022122151
(87)【国際公開日】2022-06-16
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【氏名又は名称】小梶 晴美
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(72)【発明者】
【氏名】アンベッド, アビシェク
(72)【発明者】
【氏名】ウィルヘルムソン, レイフ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス, ミゲル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
同時送受信(STR)マルチリンク動作(MLO)のための装置および方法が開示される。一実施形態において、マルチリンクデバイス(MLD)は、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクのペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するように設定され、第2のMLDは、非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備え、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値は、ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含む。一実施形態において、MLDは、無線リンクのペアについての情報を送信することと、送信された情報に少なくとも部分的に基づいて少なくとも1つの通信パラメータ値を使用して、無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施することとを行なうように設定される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(14)であって、前記MLD(14)が、処理回路(24)を備え、前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
前記MLD(14)と第2のMLD(16)との間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクの前記ペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定され、前記第2のMLD(16)が、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、前記選択された少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含む、マルチリンクデバイス(MLD)(14)。
【請求項2】
前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
無線リンクの前記ペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施するために、前記選択された少なくとも1つの通信パラメータ値を使用させるようにさらに設定される、請求項1に記載のMLD(14)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項1または2に記載のMLD(14)。
【請求項4】
前記選択が、
無線リンクの前記ペアにおける、各リンクのデータ負荷、
少なくとも2つの異なる送信電力に関し、前記MLD(14)と前記第2のMLD(16)との間の送信によって生じる自己干渉(SI)の量、
リンクの前記ペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性、および
リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量
のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている、請求項1から3のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項5】
前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
無線リンクの前記ペアについての情報を取得させるようにさらに設定され、前記情報が、無線リンクの前記ペアについての前記MLDの機能および前記第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである、請求項1から4のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項6】
前記取得した情報が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するために使用される、請求項5に記載のMLD(14)。
【請求項7】
前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に
前記取得した情報に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの通信パラメータ値を修正させるようにさらに設定される、請求項5に記載のMLD(14)。
【請求項8】
前記取得した情報が、無線リンクの前記ペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む、請求項5から7のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項9】
前記処理回路(24)が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記MLDの機能に関する前記情報と前記第2のMLDの機能に関する前記情報との比較に少なくとも部分的に基づいて、前記MLD(14)に前記少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定される、請求項5から8のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項10】
前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
無線リンクの前記ペアについての前記情報を前記第2のMLD(16)に要求させるようにさらに設定される、請求項5から9のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項11】
前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値の前記選択に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクの前記ペアを非STRからSTRに再分類させるようにさらに設定される、請求項1から10のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項12】
無線リンクの前記ペアが、STR制約されたリンクのペアであるか、
無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、前記第1のセットが前記第2のセットとは異なっているか、
のいずれかである、請求項1から11のいずれか一項に記載のMLD(14)。
【請求項13】
前記処理回路(24)が、
無線リンクの前記ペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクの前記ペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、前記第1のデータ負荷が前記第2のデータ負荷よりも大きい場合、
前記第2のリンクにデータ負荷がないものとして前記第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を、前記MLD(14)に選択させるように設定されることによって、前記MLD(14)に前記少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定される、請求項1に記載のMLD(14)。
【請求項14】
非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(16)であって、前記MLD(16)が、処理回路(32)を備え、前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
無線リンクのペアについての情報を第2のMLD(14)に送信することと、
前記MLD(16)と前記第2のMLD(14)との間の無線リンクの前記ペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施することとを行なわせるように設定され、無線リンクの前記ペアが少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含む、マルチリンクデバイス(MLD)(16)。
【請求項15】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上でSTRを有効化するために、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいている、請求項14に記載のMLD(16)。
【請求項16】
前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
無線リンクの前記ペアに使用する前記少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を前記第2のMLD(14)から受信させるようにさらに設定される、請求項14または15に記載のMLD(16)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項14から16のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項18】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアにおける、各リンクのデータ負荷、
少なくとも2つの異なる送信電力に関し、前記MLD(16)と前記第2のMLD(14)との間の送信によって生じる自己干渉(SI)の量、
リンクの前記ペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性、および
リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量
のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている、請求項14から17のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項19】
無線リンクの前記ペアについて前記送信された情報が、無線リンクの前記ペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む、請求項14から18のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項20】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記MLDの機能に関する前記送信された情報と前記第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている、請求項14から19のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項21】
前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
無線リンクの前記ペアについての情報の要求を前記第2のMLD(14)から受信させるようにさらに設定され、
無線リンクの前記ペアについての前記情報の前記送信が、前記受信した要求に応答したものである、請求項14から20のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項22】
前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクの前記ペアを非STRからSTRに再分類させるようにさらに設定される、請求項14から21のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項23】
無線リンクの前記ペアが、STR制約されたリンクのペアであるか、
無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、前記第1のセットが前記第2のセットとは異なっているか、
のいずれかである、請求項14から22のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項24】
無線リンクの前記ペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクの前記ペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、前記第1のデータ負荷が前記第2のデータ負荷よりも大きい場合、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記第2のリンクにデータ負荷がないものとして前記第1のリンク用の第1の通信パラメータの値を含む、請求項14に記載のMLD(16)。
【請求項25】
アクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(14)に実装される方法であって、前記方法が、
前記MLD(14)と第2のMLD(16)との間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクの前記ペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択すること(S100)を含み、前記第2のMLD(16)が、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、前記選択された少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含む、方法。
【請求項26】
無線リンクの前記ペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施するために、前記選択された少なくとも1つの通信パラメータ値を使用すること
をさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
前記選択が、
無線リンクの前記ペアにおける、各リンクのデータ負荷、
少なくとも2つの異なる送信電力に関し、前記MLD(14)と前記第2のMLD(16)との間の送信によって生じる自己干渉(SI)の量、
リンクの前記ペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性、および
リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量
のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている、請求項25から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
無線リンクの前記ペアについての情報を取得すること
をさらに含み、前記情報が、無線リンクの前記ペアについての前記MLDの機能および前記第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである、請求項25から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記取得した情報が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するために使用される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記取得した情報に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの通信パラメータ値を修正すること
をさらに含む、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記取得した情報が、無線リンクの前記ペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む、請求項29から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
選択することが、
無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記MLDの機能に関する前記情報と前記第2のMLDの機能に関する前記情報との比較に少なくとも部分的に基づいて、前記少なくとも1つの通信パラメータ値を選択すること
を含む、請求項29から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
無線リンクの前記ペアについての前記情報を前記第2のMLD(16)に要求すること
をさらに含む、請求項29から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値の前記選択に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクの前記ペアを非STRからSTRに再分類すること
をさらに含む、請求項25から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
無線リンクの前記ペアが、STR制約されたリンクのペアであるか、
無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、前記第1のセットが前記第2のセットとは異なっているか、
のいずれかである、請求項24から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
無線リンクの前記ペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクの前記ペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、前記第1のデータ負荷が前記第2のデータ負荷よりも大きい場合、
選択することが、前記第2のリンクにデータ負荷がないものとして前記第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を選択することを含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項38】
非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(16)に実装される方法であって、前記方法が、
無線リンクのペアについての情報を第2のMLD(14)に送信すること(S102)と、
前記MLD(16)と前記第2のMLD(14)との間の無線リンクの前記ペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施すること(S104)とを含み、無線リンクの前記ペアが少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含む、方法。
【請求項39】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上でSTRを有効化するために、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいている、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
無線リンクの前記ペアに使用する前記少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を、前記第2のMLD(14)から受信すること
をさらに含む、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアにおける、各リンクのデータ負荷、
少なくとも2つの異なる送信電力に関し、前記MLD(16)と前記第2のMLD(14)との間の送信によって生じる自己干渉(SI)の量、
リンクの前記ペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性、および
リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量
のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている、請求項38から41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
無線リンクの前記ペアについて前記送信された情報が、無線リンクの前記ペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む、請求項38から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記MLDの機能に関する前記送信された情報と前記第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている、請求項38から43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
無線リンクの前記ペアについての情報の要求を前記第2のMLD(14)から受信すること
をさらに含み、無線リンクの前記ペアについての前記情報の前記送信が、前記受信した要求に応答したものである、請求項38から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクの前記ペアを非STRからSTRに再分類すること
をさらに含む、請求項38から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
無線リンクの前記ペアが、STR制約されたリンクのペアであるか、
無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、前記第1のセットが前記第2のセットとは異なっているか、
のいずれかである、請求項38から46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
無線リンクの前記ペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクの前記ペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、前記第1のデータ負荷が前記第2のデータ負荷よりも大きい場合、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記第2のリンクにデータ負荷がないものとして前記第1のリンク用の第1の通信パラメータの値を含む、請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信、特に、例えばextremely high throughput(EHT)規格にしたがう同時送受信(STR)マルチリンク動作に関する。
【背景技術】
【0002】
Institute of Electrical Engineers(IEEE)802.11無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格に対する、現在開発中の次世代規格は、IEEE802.11beである(Extremely High Throughput「EHT」とも称される)。EHTは、マルチリンク(ML)動作と呼ばれ、MLOと略される、新しい特徴を導入する。MLOでは、マルチリンクデバイス(MLD)と称されるデバイスは、複数の提携ステーション(STA)を有し、提携ステーションのそれぞれは、独立的な無線チャネル(リンク)を使用して通信することができる。MLDによる複数リンク上の通信は、マルチリンク動作(MLO)と称される。本開示の文脈では、「チャネル」および「リンク」という用語は、互換的に使用されることに留意されたい。例えば、MLDは、2つの提携STAを有することができ、1つは5GHz周波数帯のチャネルを使用して通信し、もう1つは6GHz周波数帯のチャネルを使用して通信する。代替的に、別の例として、MLDは、2つの提携STAを有することができ、それぞれ6GHz周波数帯のチャネルを使用して通信する。本開示の文脈では、アクセスポイント(AP)MLDは、2つ以上の提携アクセスポイント(AP)STAを有するMLDを表し、非AP MLDは、2つ以上の提携非AP STAを有するMLDを表す。
【0003】
MLDは、その提携STAおよび対応するサポートチャネルを使用して、同時送信(TX)MLO、同時受信(RX)MLO、または同時送受信(STR)MLOを実施することができる。このことにより、例えば単一リンク(SL)デバイスと比較して、スペクトル利用を改善しながら、さらにシステムスループットおよびレイテンシパフォーマンスを向上させることができる。同時TXおよび同時RXのMLOは、関与するリンクが、少なくともある程度同期されることを必要とするため、動作に対して少々厳しい制約を課すと考えられる場合がある。一方で、STR機能は、そのような制約を課す必要がない(非同期の同時TXおよび同時RXのMLOを可能にすることができる)。したがって、STR機能は、同期した同時TXおよび同時RXのMLOよりも著しく良好なパフォーマンスをもたらすことができる。
【0004】
STR MLOを実施することができるMLDは、STR対応MLDと称される。本開示の文脈では、STR対応MLDと提携したSTAがAP STAである場合、MLDはSTR対応AP MLDと称される。同様に、STR対応MLDと提携したSTAが非AP STAである場合、MLDはSTR対応非AP MLDと称される。
【0005】
STR MLOを実施しようと試みるMLDは、そのTXからRXチャネルへの自己干渉(SI、または漏洩)に起因する、深刻な課題に直面する場合がある。自己干渉は、例えばスケジューリングを用いることによって、同時TXおよび同時RX動作において回避される課題である。換言すれば、所望のRX信号のチャネルにおけるTX信号の漏洩電力は、所望のRX信号の電力より数桁高い場合があり、そのことにより、MLDにおけるRXチェーンの受信/感知能力に影響を及ぼす。サポートされるリンクのペア上でMLDが同時TXおよびRXを実施することができる場合、このリンクのペアは、STRと分類することができる。しかしながら、あるリンク上のTX動作によって、別のリンク上で(例えば、漏洩の問題によって)RX動作を実施できなくなった場合、このリンクのペアは、非STRと分類することができる。MLDは、サポートされるリンクのすべての適用可能なペアに関連する、そのSTR機能を報知するように構成することができる。このことは、STR MLOのセットアップおよび実行を支援することができる。
【0006】
しかしながら、サポートされるリンクのペアごとに、STR対応か非STR対応かというような変更の利かないバイナリ分類のやり方でSTR機能を分けることは、非効率的な場合がある。
【0007】
IEEE802.11beタスクグループ(TGbe)では、非AP MLDは、MLセットアップの後、非STRからSTRにリンクのペアの分類を更新することができると合意されている。しかしながら、STR対応MLDが、STR MLOのセットアップおよび/または実行のために、そのようなリンクのペアをどのように使用することができるのかは、明確ではない。
【発明の概要】
【0008】
いくつかの実施形態は、STR MLOをサポートするための方法および装置を有利に提供する。
【0009】
本開示の一態様によると、アクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)が提供される。MLDは、処理回路を備える。処理回路は、MLDに、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクのペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定され、第2のMLDは、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0010】
本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施するために、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値を使用させるように、さらに設定される。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:無線リンクのペアのうち第1のリンクの送信電力;無線リンクのペアのうち第2のリンクの送信電力;第1のリンクの変調符号化方式(MCS);第2のリンクのMCS;および第1のリンクと第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅。本態様のいくつかの実施形態では、選択は、次のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている:無線リンクのペアにおける、各リンクのデータ負荷;少なくとも2つの異なる送信電力に関し、MLDと第2のMLDとの間の送信によって生じる自己干渉の量;リンクのペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性;およびリンクのペアにおける各リンク間の周波数分離の量。
【0011】
本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、無線リンクのペアについての情報を取得させるように、さらに設定され、情報は、無線リンクのペアについてのMLDの機能および第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである。本態様のいくつかの実施形態では、取得した情報は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するために使用される。本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、取得した情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの通信パラメータ値を修正させるように、さらに設定される。本態様のいくつかの実施形態では、取得した情報は、無線リンクのペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む。
【0012】
本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、MLDの機能に関する情報と第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいて、MLDに少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定されることによって、MLDに選択させるように設定される。本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに要求させるようにさらに設定される。本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、少なくとも1つの通信パラメータ値の選択に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクのペアを非STRからSTRに再分類させるようにさらに設定される。本態様のいくつかの実施形態では、次のうちの少なくとも1つである:無線リンクのペアは、STR制約されたリンクのペアである;および無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、第1のセットは第2のセットとは異なっている。
【0013】
本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、無線リンクのペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、第1のデータ負荷が第2のデータ負荷よりも大きい場合、第2のリンクにデータ負荷がないものとして第1のリンク用の第1の通信パラメータ値をMLDに選択させるように設定されることによって、MLDに少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定される。
【0014】
本開示の別の態様によると、非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)が提供される。MLDは、処理回路を備える。処理回路は、MLDに、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに送信させ、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施させるように設定され、無線リンクのペアは少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、少なくとも1つの通信パラメータ値は、送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0015】
本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、送信された情報に少なくとも部分的に基づいている。本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、無線リンクのペアに使用する少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を、第2のMLDから受信させるようにさらに設定される。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:無線リンクのペアのうち第1のリンクの送信電力;無線リンクのペアのうち第2のリンクの送信電力;第1のリンクの変調符号化方式(MCS);第2のリンクのMCS;および第1のリンクと第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅。
【0016】
本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている:無線リンクのペアにおける、各リンクのデータ負荷;少なくとも2つの異なる送信電力に関し、MLDと第2のMLDとの間の送信によって生じる自己干渉の量;リンクのペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性;およびリンクのペアにおける各リンク間の周波数分離の量。本態様のいくつかの実施形態では、無線リンクのペアについて送信された情報は、無線リンクのペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、MLDの機能に関する送信された情報と第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている。
【0017】
本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、無線リンクのペアについての情報の要求を第2のMLDから受信させるようにさらに設定され、無線リンクのペアについての情報の送信は、受信した要求に応答したものである。本態様のいくつかの実施形態では、処理回路は、MLDに、少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクのペアを非STRからSTRに再分類させるようにさらに設定される。本態様のいくつかの実施形態では、次のうちの少なくとも1つである:無線リンクのペアは、STR制約されたリンクのペアである;および無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、第1のセットは第2のセットとは異なっている。
【0018】
本態様のいくつかの実施形態では、無線リンクのペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、第1のデータ負荷が第2のデータ負荷よりも大きい場合、少なくとも1つの通信パラメータ値は、第2のリンクにデータ負荷がないものとして第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を含む。
【0019】
本開示のさらに別の態様によると、アクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)に実装される方法が提供される。方法は、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクのペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択することを含み、第2のMLDは、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値は、ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含む。
【0020】
本態様のいくつかの実施形態では、方法は、無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施するために、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値を使用することをさらに含む。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:無線リンクのペアのうち第1のリンクの送信電力;無線リンクのペアのうち第2のリンクの送信電力;第1のリンクの変調符号化方式(MCS);第2のリンクのMCS;および第1のリンクと第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅。本態様のいくつかの実施形態では、選択は、次のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている:無線リンクのペアにおける、各リンクのデータ負荷;少なくとも2つの異なる送信電力に関し、MLDと第2のMLDとの間の送信によって生じる自己干渉の量;リンクのペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性;およびリンクのペアにおける各リンク間の周波数分離の量。
【0021】
本態様のいくつかの実施形態では、方法は、無線リンクのペアについての情報を取得することをさらに含み、情報は、無線リンクのペアについてのMLDの機能および第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである。本態様のいくつかの実施形態では、取得した情報は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するために使用される。本態様のいくつかの実施形態では、方法は、取得した情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの通信パラメータ値を修正することをさらに含む。本態様のいくつかの実施形態では、取得した情報は、無線リンクのペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
本態様のいくつかの実施形態では、選択することは、少なくとも1つの通信パラメータ値を、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、MLDの機能に関する情報と第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む。本態様のいくつかの実施形態では、方法は、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに要求することをさらに含む。本態様のいくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの通信パラメータ値の選択に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクのペアを非STRからSTRに再分類することをさらに含む。本態様のいくつかの実施形態では、次のうちの少なくとも1つである:無線リンクのペアは、STR制約されたリンクのペアである;および無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、第1のセットは第2のセットは異なっている。
【0023】
本態様のいくつかの実施形態では、無線リンクのペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、第1のデータ負荷が第2のデータ負荷よりも大きい場合、選択することは、第2のリンクにデータ負荷がないものとして第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を選択することを含む。
【0024】
本開示の別の態様によると、非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)に実装される方法が提供される。方法は、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに送信することと、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施することとを含み、無線リンクのペアは少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、少なくとも1つの通信パラメータ値は、送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0025】
本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、送信された情報に少なくとも部分的に基づいている。本態様のいくつかの実施形態では、方法は、無線リンクのペアに使用する少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を、第2のMLDから受信することをさらに含む。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:無線リンクのペアのうち第1のリンクの送信電力;無線リンクのペアのうち第2のリンクの送信電力;第1のリンクの変調符号化方式(MCS);第2のリンクのMCS;および第1のリンクと第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている:無線リンクのペアにおける、各リンクのデータ負荷;少なくとも2つの異なる送信電力に関し、MLDと第2のMLDとの間の送信によって生じる自己干渉(SI)の量;リンクのペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性;およびリンクのペアにおける各リンク間の周波数分離の量。
【0026】
本態様のいくつかの実施形態では、無線リンクのペアについて送信された情報は、無線リンクのペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む。本態様のいくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、MLDの機能に関する送信された情報と第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている。本態様のいくつかの実施形態では、方法は、無線リンクのペアについての情報の要求を第2のMLDから受信することをさらに含み、無線リンクのペアについての情報の送信は、受信した要求に応答したものである。
【0027】
本態様のいくつかの実施形態では、方法は、少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクのペアを非STRからSTRに再分類することをさらに含む。本態様のいくつかの実施形態では、次のうちの少なくとも1つである:無線リンクのペアは、STR制約されたリンクのペアである;および無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、第1のセットは第2のセットは異なっている。本態様のいくつかの実施形態では、無線リンクのペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、第1のデータ負荷が第2のデータ負荷よりも大きい場合、少なくとも1つの通信パラメータ値は、第2のリンクにデータ負荷がないものとして第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を含む。
【0028】
本実施形態ならびにそれに伴う利点および特徴のより完全な理解は、添付の図面とともに考慮されるときに、以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本開示のいくつかの実施形態による、別の例示のシステムアーキテクチャを示す図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、さらに別の例示のシステムアーキテクチャ、およびシステム中のデバイスの例示のハードウェア構成を示す。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、アクセスポイント(AP)MLDにおける例示のプロセスのフローチャートである。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、非APにおける例示のプロセスのフローチャートである。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、例示のプロセスを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
上で考察したように、STR MLOのための既存のソリューションは、MLD中でサポートされるリンクのペアを、STRか(STR MLOを実施するためにリンクを使用することができることを意味する)、それとも非STRか(STR MLOを実施するためにリンクを使用することができないことを意味する)に分類することを提案する。
【0031】
しかしながら、特定のリンクのペアについてのSTR機能は、実際には、例えばTX電力、RX電力、変調符号化方式(MCS)、信号帯域幅(BW)、チャネル分離(例えば、チャネルエッジ分離、チャネル中心周波数分離など)など、複数の通信パラメータの値に依存的であり得る。MLD中でサポートされるリンクのペアは、そのようなパラメータの値のいつくかの組合せについてはSTRとして分類され、いくつかの他の組合せについては非STRとして分類される場合があり、これらは「STR制約された」、またはより具体的には「STR制約された」リンクのペアと称され得る。したがって、そのようなSTR制約されたリンクのペアは、単純に非STRとして分類されることがあり、(STR制約されたリンクのペアをSTRとして分類することができるような、パラメータの値のいくつかの組合せがあったとしても)STR MLOには使用されない見込みが高い。そのような単刀直入で変更の利かない分類手法が採られる場合、関連する通信パラメータの値の組合せの一部分についてのみ、あるリンクのペアをSTR MLOに使用することができない場合、そのリンクのペアを非STRであると宣言するのは非効率的で無駄が多い可能性がある。したがって、本開示では、基礎となるSTRの制約に起因して、または単にデバイスが非STRとして非効率的に分類されることに起因して、STR対応MLDが、利用可能なチャネルを使用してSTR MLOを実施することができないという問題に取り組む。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態は、EHT規格以降に準拠するWiーFiデバイスなどのデバイスにおいて、STR MLOの柔軟なセットアップおよび/または実行を可能にする構成を提供する。本開示のいくつかの実施形態は、STR制約されたリンクのセット(セットとは、1ペアまたは2つ以上を意味し得る)を使用してSTR MLOをセットアップおよび/または実行するために、STR対応MLDによって実施することができる、ステップおよび/またはプロセスのセットを提供する。いくつかの実施形態の基礎となる概念は、MLDがSTR MLOを実施することができるように、どの通信パラメータ値をSTR制約されたリンクのペアに選択するかを判断する際の柔軟性を可能にすることである。
【0033】
本開示のいくつかの実施形態は、例えばTX電力およびMCSなど、1つまたは複数の通信パラメータの値の、対応する選び方/選択/判断が、STR対応AP MLDによって判断されてもよいことを、提案する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の通信パラメータの値の選び方/選択/判断は、例えばシナリオに応じて、例えばSTR対応AP MLDと非AP STAとの間における、動的なシグナリング評価および/またはネゴシエーションベースの手法の対象となる場合がある。具体的には、いくつかの実施形態では、2つの非AP STAを伴うMLDは、これらのSTAがどのように設定されるかに応じて(例えば、通信パラメータ、例えばTX電力およびMCSの、どの値を用いて、これらのSTAが設定されるか)、STR対応であってもよいし、STR対応でなくてもよいことに留意されたい。いくつかの実施形態では、非AP STA自身の動作チャネルの、STRか、それとも非STRかの分類によってではなく、非AP STAがこのようなチャネル上でSTRを実施することが有効化されるようにAP MLDが例えば調節を行なえるように、非AP STAの通信パラメータの値のうちの1つまたは複数を、AP MLDに提供してもよいことが提案される。
【0034】
本開示のいくつかの実施形態は、サポートされるチャネルを使用してSTR MLOを実施するために、これらのチャネル/リンクのセットに対してSTR制約を有するSTR対応MLDのためのステップの柔軟なセットの構成を提供する。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、利用可能なリンクが基礎となるSTR制約に起因して非STRと宣言されているために、これらのリンクがSTR MLOに使用されないという事態を防ぐ支援をすることができる。提案されるソリューションのいくつかの実施形態は、既存の構成と比較して、より効率的なスペクトル利用を有利に提供しつつ、既存の構成と比較して、より低いレイテンシ通信を実現することもできる。
【0035】
例示的な実施形態を詳細に説明する前に、実施形態は、基本的にSTR MLOに関する装置構成要素と処理ステップとの組合せとして存在することに留意されたい。したがって、本明細書の記載の恩恵を受ける当業者にとって容易に明らかな詳細によって本開示を不明瞭にしないように、構成要素は図中で通常の記号によって適宜表現され、本実施形態を理解することに関係する特定の詳細のみを示している。
【0036】
本明細書で使用される場合、「第1」および「第2」、「上」および「下」などの関係を示す用語は、あるエンティティまたは要素を別のエンティティまたは要素から区別するためにのみ使用されることがあり、このようなエンティティまたは要素間のいかなる物理的または論理的関係または順序を必ずしも要求または含意しない。本明細書で使用される術語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、本明細書に記載される概念を限定することを意図していない。本明細書で使用される際、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上はっきりとそうではないことが分からない限り、複数形も含むつもりで使用される。また、「備える」および/または「含む」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除しないと理解される。
【0037】
本明細書に記載される実施形態では、「と通信する」などの結びつける用語は、電気的またはデータ通信を示すために使用されてもよく、これは例えば、物理的な接点、誘導、電磁放射、無線シグナリング、赤外線シグナリングまたは光シグナリングによって実現され得る。当業者には認識されるように、複数の構成要素が相互作用してもよく、電気的およびデータ通信を達成する変更および変形が可能である。
【0038】
本明細書に記載されるいくつかの実施形態では、「結合される」、「接続される」などの用語は、本明細書で使用される場合、必ずしも直接的にではないが、接続を示すために使用されてもよく、有線および/または無線の接続を含んでもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、「デバイス」という非限定的な用語は、本開示のいくつかの実施形態を実装するために使用することができる無線デバイス(WD)および/またはユーザ機器(UE)を説明するために使用される。デバイスは、同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)であってもよい。いくつかの実施形態では、STR対応MLDは、アクセスポイント(AP)ステーション(STA)であってもよく、および/またはそれらを含んでもよく、この場合、STR対応MLDは、STR対応AP MLDと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、STR対応MLDは、非アクセスポイント(AP)ステーション(STA)であってもよく、および/またはそれらを含んでもよく、この場合、STR対応MLDは、STR対応非AP MLDと呼ばれることがある。いくつかの実施形態では、デバイスは、単一リンク非AP STAなどの単一リンクデバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、デバイスは、無線信号を介してAPなどのネットワークノードと通信することができる、あらゆるタイプの無線デバイスであってもよい。デバイスは、あらゆる無線通信デバイス、ターゲットデバイス、ポータブルデバイス、デバイスツーデバイス(D2D)デバイス、マシンタイプデバイス、またはマシンツーマシン通信(M2M)が可能なデバイス、低コストおよび/または低複雑性デバイス、デバイスを装備したセンサ、コンピュータ、タブレット、移動端末、スマートフォン、ラップトップ組込み装備(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、顧客構内機器(CPE)、モノのインターネット(IoT)デバイス、あるいはナローバンドIoT(NB-IOT)デバイスなどであってもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、「アクセスポイント」または「AP」という用語は、互換的に使用され、ネットワークノードを含んでもよいか、ネットワークノードであってもよい。APは、基地局(BS)、無線基地局、無線基地局装置(BTS)、基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、gNodeB(gNB)、エボルブドノードB(eNBまたはeNodeB)、ノードB、MSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)の無線ノード、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、中継ノード、integrated access and backhaul(IAB)、ドナーノード制御中継器、無線アクセスポイント(AP)、送信ポイント、送信ノード、リモートラジオユニット(RRU)、リモート無線ヘッド(RRH)、コアネットワークノード(例えば、移動管理エンティティ(MME)、自己組織化ネットワーク(SON)ノード、協調ノード、測位ノード、MDTノードなど)、外部ノード(例えば、サードパーティノード、現在のネットワークの外部のノード)、分散アンテナシステム(DAS)におけるノード、スペクトルアクセスシステム(SAS)ノード、エレメント管理システム(EMS)などのうちのいずれかを含む。APはまた、試験機器を含んでもよい。APは、無線ルータ、無線トランシーバ、ネットワークコントローラなどを含んでもよい。
【0041】
デバイスは、ノードとして考えることができ、プロセッサ、割り当てられた処理エレメント、または他のコンピューティングハードウェア、コンピュータメモリ、通信インターフェース、および他のサポート用コンピューティングハードウェアなど、物理コンポーネントを含むことができる。ノードは、専用の物理コンポーネントを使用してもよいし、またはノードには、コンピューティングデバイスまたはデータセンタのリソースなど、別のデバイスの物理コンポーネントの使用が割り当てられる場合があり、この場合、ノードは仮想化されていると言われる。ノードには、1つの場所に配置されてもよいし複数の場所に分散されてもよい、複数の物理コンポーネントが関連付けられてもよい。
【0042】
本明細書の記載は、ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)通信のうちの一方の文脈で説明されることがあるが、開示する基本原理は、DLおよびUL通信のうちの一方の他方にも適用可能であってもよいことが理解されるべきである。本開示のいくつかの実施形態では、原理は送信機および受信機に適用可能とみなされてもよい。DL通信の場合、APステーションは送信機であり、受信機は非APステーションである。UL通信の場合、送信機は非APステーションであり、受信機はAPステーションである。
【0043】
シグナリングは、一般的に、1つまたは複数のシンボルおよび/または信号および/またはメッセージを含むことができる。信号は、1つまたは複数のビットを含むか、表現することができる。指示は、シグナリングを表現する場合があり、および/または1つの信号として、もしくは複数の信号として、実装されてもよい。1つまたは複数の信号は、メッセージに含まれてもよいし、および/またはメッセージによって表現されてもよい。シグナリング、特に制御シグナリングは、複数の信号および/またはメッセージを含んでもよく、これらは、異なるキャリアで送信されてもよい、ならびに/あるいは例えば、1つもしくは複数のかかるプロセス、および/もしくは対応する情報を表す、および/またはそれに関連する、異なるシグナリングプロセスに関連付けられてもよい。指示は、シグナリング、および/または複数の信号および/もしくはメッセージを含んでもよく、ならびに/あるいはそれに含まれてもよく、異なるキャリアで送信され、ならびに/あるいは例えば、1つもしくは複数のかかるプロセスを表す、および/またはそれに関連する、異なる確認応答シグナリングプロセスに関連付けられてもよい。チャネルに関連付けられたシグナリングは、そのチャネルに対するシグナリングおよび/または情報を表すように、ならびに/あるいはシグナリングが送信機および/または受信機によってそのチャネルに属すると解釈されるように、送信されてもよい。かかるシグナリングは、一般に、チャネルに対する送信パラメータおよび/またはフォーマットに適合してもよい。
【0044】
指示は、一般に、それが表すおよび/または示す情報を明示的および/または暗示的に示し得る。暗示的指示は、例えば、送信に使用される位置および/またはリソースに基づいてもよい。明示的指示は、例えば、情報を表す1つもしくは複数のパラメータ、および/またはテーブルに対応する1つもしくは複数のインデックス、および/または1つもしくは複数のビットパターンを用いたパラメータ化に基づいてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、本明細書において「取得する」または「取得している」という用語が使用され、例えば情報があらかじめ規定されているか、またはあらかじめ定められている場合のように、メモリ内で取得することを示す場合がある。本明細書において使用される際、「取得する」または「取得している」という用語はまた、取得された情報を示すシグナリングを受信することによって、取得することを示すことがある。
【0046】
いくつかの実施形態では、本明細書において使用される際、「セット」は、セットにおける、1つまたは複数のエレメントのセットであってもよい。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態は、Institute of Electrical Engineers(IEEE)802.11規格によってサポートされ得ることにも留意されたい。IEEE802.11は、狭域通信(例えば、数十メートルから数百メートル)用にIEEE802.11委員会によって開発された無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)通信インターフェース規格のセットを表す。いくつかの実施形態はまた、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)技術仕様で開示される規格文書によってサポートされる場合がある。つまり、本明細書のいくつかの実施形態は、上記文書によってサポートすることができる。加えて、本文書で開示されるすべての用語は、上記規格文書によって説明され得る。
【0048】
なお、例えば、IEEE802.11be、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)、Long Term Evolution(LTE)、第5世代(5G)および/または新無線(NR)などの1つの特定の無線システムからの術語が本開示では使用されることがあるが、これは上記のシステムのみに本開示の範囲を限定するものとみなされるべきでないことに留意されたい。限定なしに、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wide Band Code Division Multiple Access)、マイクロ波アクセスのための世界的相互運用性(WiMax:Worldwide Interoperability for Microwave Access)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB:Ultra Mobile Broadband)および汎欧州デジタル移動電話方式(GSM:Global System for Mobile Communications)を含む他の無線システムもまた、本開示の範囲内に含まれる考え方を活用することの利益を受けることができる。
【0049】
本明細書において、デバイス(例えば、MLD)によって実行されるものとして説明される機能は、単一の物理デバイスによる実行に限定されず、実際にはいくつかの物理デバイス間で分散され得ることに、さらに留意されたい。
【0050】
別途規定されない限り、本明細書において使用する(技術的および科学的な用語を含む)すべての用語は、本開示が属する当業者による一般的な理解と同じ意味を有する。本明細書において使用する用語は、本明細書および関連技術の文脈におけるこれらの意味と一致する意味を有するものと解釈するべきであり、本明細書でそのように明確に規定されない限り、理想化した、または過度に正式の意味で解釈しないことがさらに理解されよう。
【0051】
再度、図面を参照すると、図面では同じ要素が同じ参照符号によって参照されており、
図1には、一実施形態による、本開示の原理にしたがって構築された通信システム10の概略図が示されている。
図1の通信システム10は、非限定的な例であり、本開示の他の実施形態が、1つまたは複数の他のシステムおよび/ネットワークによって実装されてもよい。
図1を参照すると、システム10は、WLANを含むことができる。システム10内のデバイスは、例えばWi-Fi技術によって従来使用される周波数帯域を含み得る未ライセンススペクトルなど、1つまたは複数のスペクトル上で通信することができる。デバイスのうち1つまたは複数は、共有ライセンス済み周波数帯域など、他の周波数帯域で通信するようにさらに設定されてもよい。システム10は、アクセスポイント(AP)14によって規定することができるカバレッジエリア12を含むことができる。AP14は、有線または無線接続上で、コアネットワークなどの別のネットワークと接続可能であってもよいし、接続可能でなくてもよい。AP14は、同時送受信(STR)対応APステーション(STA)マルチリンクデバイス(MLD)(本明細書ではAP MLD14とも称される)であってもよい。システム10は、例えばSTR対応非AP MLD16a、16b、16c(STR対応非AP MLD16と総称されるか、より簡略に非AP MLD16)など、複数の非APデバイスを含む。非AP MLD16のそれぞれは、カバレッジエリア12内に配置することができ、AP MLD14に無線接続するように設定することができる。なお、便宜上1つのAP MLD 14および3つの非AP MLD16が示されているが、通信システムはより多くの非AP STAおよびAPを含み得ることに留意されたい。
【0052】
システム10は、
図1には示されていない、追加的なノード/デバイスを含んでもよいことを理解されたい。加えて、システム10は、
図1に示されるよりも多くの接続/インターフェースを含むことができる。
【0053】
また、非AP MLD16は、複数のAP14および複数種類のAP14と同時通信状態にあること、および/または別々に通信するように設定されることが可能であると考えられる。
【0054】
AP MLD14は、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクのペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するように設定されたセレクタ18を含むように設定され、第2のMLDは、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0055】
非AP MLD16は、MLD16に、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに送信させ、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施させるように設定されたマルチリンク(ML)オペレータ20を含むように設定され、無線リンクのペアは少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、少なくとも1つの通信パラメータ値は、送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0056】
次に、AP MLD14および非AP MLD16のいくつかの実施形態による、例示的な実装形態が、
図2を参照しながら説明される。
【0057】
AP MLD14は、通信インターフェース22、処理回路24、およびメモリ26を含む。通信インターフェース22は、本開示のいくつかの実施形態にしたがって、システム10内のノード/デバイスのいずれかと通信するように設定することができる。いくつかの実施形態では、無線インターフェース22は、例えば、1つもしくは複数の無線周波数(RF)送信機、1つもしくは複数のRF受信機、および/または1つもしくは複数のRFトランシーバとして形成されてもよく、あるいはそれらを含んでもよく、ならびに/あるいは無線インターフェースとして考えることもできる。いくつかの実施形態では、通信インターフェース22はまた、有線インターフェースを含んでもよい。
【0058】
処理回路24は、1つまたは複数のプロセッサ28、およびメモリ26などのメモリを含んでもよい。特に、従来のプロセッサおよびメモリに加えて、処理回路24は、処理および/または制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)を備えてもよい。プロセッサ28は、メモリ26にアクセス(例えば、書き込みおよび/または読み出し)するように設定されてもよく、メモリ26は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読出し専用メモリ)および/または光メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)を備えてもよい。
【0059】
したがって、AP MLD14はソフトウェアをさらに有し、ソフトウェアは、内部に、例えば、メモリ26に記憶され、または、外部接続を介してAP MLD14によってアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース)に記憶される。ソフトウェアは、処理回路24によって実行可能であってもよい。処理回路24は、本明細書に記載される方法および/もしくはプロセスのうちのいずれかを制御するように、ならびに/またはそのような方法および/もしくはプロセスを、例えばAP MLD14によって実行させるように、設定されてもよい。メモリ26は、本明細書に記載されるデータ、プログラムのソフトウェアコードおよび/または他の情報を記憶するように設定される。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、メモリ26に記憶された命令を含むことができ、命令は、プロセッサ28および/またはセレクタ18によって実行されると、処理回路24にAP MLD14に関して本明細書で説明されるプロセスを実行させる、および/またはそのようなプロセスをAP MLD14に実行させるように設定する(例えば、
図3および/または他の図面のいずれかを参照して説明されるプロセス)。
【0060】
非AP MLD16は、通信インターフェース30、処理回路32、およびメモリ34を含む。通信インターフェース30は、本開示のいくつかの実施形態にしたがって、システム10内のAP MLD14および/または他のエレメントと通信するように設定することができる。いくつかの実施形態では、無線インターフェース30は、例えば、1つもしくは複数の無線周波数(RF)送信機、1つもしくは複数のRF受信機、および/または1つもしくは複数のRFトランシーバとして形成されてもよく、あるいはそれらを含んでもよく、ならびに/あるいは無線インターフェースとして考えることもできる。いくつかの実施形態では、通信インターフェース30はまた、有線インターフェースを含んでもよい。
【0061】
処理回路32は、1つまたは複数のプロセッサ36、およびメモリ34などのメモリを含んでもよい。特に、従来のプロセッサおよびメモリに加えて、処理回路32は、処理および/または制御のための集積回路、例えば、命令を実行するように構成された1つまたは複数のプロセッサおよび/またはプロセッサコアおよび/またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)および/またはASIC(特定用途向け集積回路)を備えてもよい。プロセッサ36は、メモリ34にアクセス(例えば、書き込みおよび/または読み出し)するように設定されてもよく、メモリ34は、任意の種類の揮発性および/または不揮発性メモリ、例えば、キャッシュおよび/またはバッファメモリおよび/またはRAM(ランダムアクセスメモリ)および/またはROM(読出し専用メモリ)および/または光メモリおよび/またはEPROM(消去可能プログラマブル読出し専用メモリ)を備えてもよい。
【0062】
したがって、非AP MLD16はソフトウェアをさらに有し、ソフトウェアは、内部に、例えば、メモリ34に記憶され、または、外部接続を介して非AP MLD16によってアクセス可能な外部メモリ(例えば、データベース)に記憶される。ソフトウェアは、処理回路32によって実行可能であってもよい。処理回路32は、本明細書に記載される方法および/もしくはプロセスのうちのいずれかを制御するように、および/またはそのような方法および/もしくはプロセスを、例えば、非AP MLD16によって実行させるように、設定されてもよい。メモリ34は、本明細書に記載されるデータ、プログラムのソフトウェアコードおよび/または他の情報を記憶するように設定される。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、メモリ34に記憶された命令を含むことができ、命令は、プロセッサ36および/またはMLオペレータ20によって実行されると、処理回路32に非AP MLD16に関して本明細書で説明されるプロセスを実行させる、および/またはそのようなプロセスを非AP MLD16に実行させるように設定する(例えば、
図4および/または他の図面のいずれかを参照して説明されるプロセス)。
【0063】
図2では、デバイスAP MLD14と非AP MLD16との間の接続は、どのような中間デバイスまたは接続への明瞭な参照なしに示されている。しかしながら、明示的に示されなくても、中間デバイスおよび/または接続が、これらのデバイスの間に存在することが理解されるべきである。
【0064】
図2は、それぞれのプロセッサ内にあるものとして、セレクタ18およびMLオペレータ20を示すが、これらのエレメントは、エレメントの一部分が処理回路内の対応するメモリに記憶されるように、実装され得ることが考えられる。換言すれば、エレメントは、ハードウェアにおいて、または処理回路内のハードウェアおよびソフトウェアの組合せにおいて実装されてもよい。
【0065】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による、例えばAP MLD14のためのAPにおける例示のプロセスのフローチャートである。AP MLD14によって実施される1つまたは複数のブロックおよび/または機能および/または方法は、例示のプロセス/方法にしたがって、処理回路24内のセレクタ18、メモリ26、プロセッサ28、通信インターフェース22などによって、AP MLD14の1つまたは複数のエレメントによって実施されてもよい。AP MLD14は、少なくとも1つのアクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える、同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)である。例示のプロセスは、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクのペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択すること(ブロックS100)を含み、第2のMLDは、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0066】
いくつかの実施形態では、方法は、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施するために、選択された少なくとも1つの通信パラメータ値を使用することをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:無線リンクのペアのうち第1のリンクの送信電力;無線リンクのペアのうち第2のリンクの送信電力;第1のリンクの変調符号化方式(MCS);第2のリンクのMCS;および第1のリンクと第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅。いくつかの実施形態では、選択は、次のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている:無線リンクのペアにおける、各リンクのデータ負荷;少なくとも2つの異なる送信電力に関し、MLDと第2のMLDとの間の送信によって生じる自己干渉の量リンクのペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性;およびリンクのペアにおける各リンク間の周波数分離の量。
【0067】
いくつかの実施形態では、方法は、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、無線リンクのペアについての情報を取得することをさらに含み、情報は、無線リンクのペアについてのMLDの機能および第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである。いくつかの実施形態では、取得した情報は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、取得した情報に少なくとも部分的に基づいて、少なくとも1つの通信パラメータ値を修正することをさらに含む。いくつかの実施形態では、取得した情報は、無線リンクのペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、選択することは、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、少なくとも1つの通信パラメータ値を、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、MLDの機能に関する情報と第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいて選択することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに要求することをさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、少なくとも1つの通信パラメータ値の選択に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクのペアを非STRからSTRに再分類することをさらに含む。
【0069】
いくつかの実施形態では、次のうちの少なくとも1つである:無線リンクのペアは、STR制約されたリンクのペアである;および無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、第1のセットは第2のセットとは異なっている。いくつかの実施形態では、無線リンクのペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、第1のデータ負荷が第2のデータ負荷よりも大きい場合、選択することは、セレクタ18、処理回路24、メモリ26、プロセッサ28、および/または通信インターフェース22などを介して、第2のリンクにデータ負荷がないものとして第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を選択することを含む。
【0070】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、例えば非AP MLD16のための非AP STAにおける例示のプロセスのフローチャートである。非AP MLD16によって実施される1つまたは複数のブロックおよび/または機能および/または方法は、例示のプロセス/方法にしたがって、処理回路32内のMLオペレータ20、メモリ34、プロセッサ36、通信インターフェース30などによって、非AP MLD16の1つまたは複数のエレメントによって実施されてもよい。非AP MLD16は、非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える、同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)である。例示のプロセスは、MLオペレータ20、処理回路32、メモリ34、プロセッサ36、および/または通信インターフェース30などを介して、無線リンクのペアについての情報を第2のMLDに送信すること(ブロックS102)を含む。プロセスは、MLオペレータ20、処理回路32、メモリ34、プロセッサ36、および/または通信インターフェース30などを介して、MLDと第2のMLDとの間の無線リンクのペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施すること(ブロックS104)を含み、無線リンクのペアは少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、少なくとも1つの通信パラメータ値は、送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、およびペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータ。
【0071】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、送信された情報に少なくとも部分的に基づいている。いくつかの実施形態では、方法は、MLオペレータ20、処理回路32、メモリ34、プロセッサ36、および/または通信インターフェース30などを介して、無線リンクのペアに使用する少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を、第2のMLDから受信することをさらに含む。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つの値を含む:無線リンクのペアのうち第1のリンクの送信電力;無線リンクのペアのうち第2のリンクの送信電力;第1のリンクの変調符号化方式(MCS);第2のリンクのMCS;および第1のリンクと第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅。
【0072】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、次のうちの少なくとも1つに部分的に基づいている:無線リンクのペアにおける、各リンクのデータ負荷;少なくとも2つの異なる送信電力に関し、MLDと第2のMLDとの間の送信によって生じる自己干渉(SI)の量;リンクのペアの信号帯域幅とSI抑制値との間の関連性;およびリンクのペアにおける各リンク間の周波数分離の量。いくつかの実施形態では、無線リンクのペアについて送信された情報は、無線リンクのペアに関連付けられる、最大送信電力値、自己干渉(SI)抑制値、および変調符号化方式(MCS)のうちの少なくとも1つを含む。
【0073】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの通信パラメータ値は、無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、MLDの機能に関する送信された情報と第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている。いくつかの実施形態では、方法は、MLオペレータ20、処理回路32、メモリ34、プロセッサ36、および/または通信インターフェース30などを介して、無線リンクのペアについての情報の要求を第2のMLDから受信することをさらに含み、無線リンクのペアについての情報の送信は、受信した要求に応答したものである。いくつかの実施形態では、方法は、MLオペレータ20、処理回路32、メモリ34、プロセッサ36、および/または通信インターフェース30などを介して、少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクのペアを非STRからSTRに再分類することをさらに含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、次のうちの少なくとも1つである:無線リンクのペアは、STR制約されたリンクのペアである;および無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクのペアは、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、第1のセットは第2のセットは異なっている。いくつかの実施形態では、無線リンクのペアのうち第1のリンクが第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクが第2のデータ負荷に関連付けられ、第1のデータ負荷が第2のデータ負荷よりも大きい場合、少なくとも1つの通信パラメータ値は、第2のリンクにデータ負荷がないものとして第1のリンク用の第1の通信パラメータ値を含む。
【0075】
例えばEHTにおける、STRマルチリンク動作についての構成を一般的に説明してきたが、実施形態の一部のさらに詳細な説明を、
図5を参照して以降に与えるが、これらはAP MLD14によって実装することができる、および/または非AP MLD16によって実装することができる。
【0076】
MLOは、以前の規格と比較すると、EHTにおける差別化的な特徴である。STR MLOをサポートすることは、同時ダウンリンク(DL)およびアップリンク(UL)送信、レイテンシ低減、とりわけスペクトル使用の全体的な改善を有するなど、複数の利点を実現ことができる。
【0077】
非AP MLD16などのSTR対応MLDは、サポートされるリンクのペアを、STRか、それとも非STRかに分類し、報知することができる。そのようなバイナリ分類手法は、STR MLOをセットアップして実行するための意思決定を簡略化することができるが、制約されたリンクのペアを非STRとして頑なに分類することによって、STR MLOを実行する機会を逃す可能性も指摘されていた。
【0078】
本開示のいくつかの実施形態は、2つの利用可能なチャネル/リンクがSTRに使用することができないという可能性を最小にすることができる。この課題を解決するよう支援すべく、本開示のいくつかの実施形態は、STR MLOのセットアップおよび/または実行の間、AP MLD14および/または非AP MLD16によって構成および実行され得る一連のステップおよび/またはプロセスを提案する。
【0079】
図5は、本開示の一実施形態による、STR MLOのセットアップおよび実行のための一連のステップの一例を示している。本開示は、
図5中のすべてのこのようなステップが実行されることに限定されないことが理解されるべきである。換言すれば、可能性として1つまたは複数のステップが実行されない場合も、またはステップが別の順序で実行される場合も、本開示の利点を享受することができよう。加えて、異なるステップがどのように実行されるかの厳密な方法もまた、他の実施形態では改変することができる。
【0080】
ステップS106:空チャネルの発見
ステップS106では、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)は、中間物をスキャンして、占有されず通信に利用可能なチャネルのセットを識別する。ステップS106は、例えばAP MLD14が既に自身に関連付けられたいくつかの非AP MLD16を有しており、そのタスクが、AP MLD14に関連付く新しい非AP MLD16がSTRを使用することができるかどうかを判断することである場合など、いくつかの状況ではスキップすることができる。
【0081】
ステップS108:シグナリングおよび評価
他のデバイスについての以前の情報に基づいて、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)は、(例えば、プローブ信号と応答のための)シグナリングプロトコルを開始して、ステップS106で利用可能として識別されたチャネルに対応する、通信対象となるすべてのSTR対応MLDについて、STR機能を評価する。ステップS108はまた、例えばAP MLD14が最初に、空チャネルをスキャンする前に、非AP STAの性質を決定することができる場合など、いくつかの実施形態では、ステップS106の前に実行されてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、シグナリングは、MLDが、STRモードで動作するために、非AP STAの(例えば、非AP MLD16に含まれた)能力/機能に関する情報を収集するAP(例えば、AP MLD14)を含むことを伴う場合がある。そのような能力は、例えば、様々なTX電力値および周波数分離に対し、どれくらいの自己干渉(SI)が抑制され得るかを含むことができる。そのような情報は、次いで空チャネルを検索する際に使用することができる(ステップS106とステップS108とがスワップされた場合)、および/またはそのような情報はまた、適切なTX電力値とMCSを使用して非AP STAをスケジュールするために使用することができる。
【0083】
ステップS110:ネゴシエーションおよびセットアップ
ステップS108におけるシグナリングと評価に基づいて、STR対応MLD(例えば、AP MLD14)は、関与するデバイス(例えば、非AP MLD16)とネゴシエートすることができる。いくつかの実施形態では、TX電力、MCSなど、異なる通信パラメータの値のうちの1つまたは複数は、デバイスすべて(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)について、決定/選択されてもよい。いくつかの実施形態では、ステップS108は、例えばAP MLD14が、アップリンク(UL)送信(すなわち、非AP MLD16からAP MLD14への送信)のためのTX電力およびMCS両方を決定することを含め、(例えば、非AP MLD16に含まれた)非AP STAをスケジュールする状況では、ある程度省略してもよい。
【0084】
ステップS112:同時送受信
ステップS112では、例えばリンクのペア上でSTRを有効化するために、サポートされるリンクのペアに1つまたは複数の通信パラメータ値が決定/選択された後、そのリンクのペア上でSTR MLOを(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16によって)実行することができる。
【0085】
異なるSTR MLOシナリオに対する上記ステップ(主にステップS108およびS110)の構成を、以下で考察する。
【0086】
いくつかの実施形態では、利用可能なリンク/チャネルを使用してSTRを実施するためのMLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)の機能は、例えばTX電力、MCS、信号帯域幅(BW)などの通信パラメータの値、ならびにTXとRXの無線周波数アイソレーション、TXフィルタリング、RXフィルタリング、SI抑制(RXチャネルに関するTX信号の打消しの量)などの実装時固有のパラメータなど、1つまたは複数の要因に、依存する場合がある。実装時固有のパラメータは、固定であることがあり、一般的には通信の各インスタンスの間に修正することはできない。STR機能に対する、このような実装時固有のパラメータのインパクトを認識しておくことは、STR MLOのセットアップフェーズ中に可変通信パラメータの値を決定する際にSTR対応MLDに有用な場合がある。本開示は、例えばSTR制約が関与し得るリンク/チャネルが使用されることになるSTR MLOセットアップフェーズ中に、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)が通信パラメータ値を適当に選択/決定するために、以下のガイドラインを提供する。
【0087】
1.MCSの選び方:
STR MLOでは、どれくらいのSIをハンドリングできるかは、受信される信号に対してどのMCSが使用されるかに、かなりの程度依存する場合がある。高次の変調および高い符号化率を用いたMCS(本開示の文脈では、高MCSと称される)は、低いMCSが信号に使用される場合よりも、ずっと困難な要件を、SI抑制に対して課す場合がある。通常、受信された信号電力に基づいて、可能な限り高いMCSが、リンク/チャネルに選択される。しかしながら、いくつかの実施形態では、STR MLOの場合、MCSは、例えば所望の信号の電力に基づくのではなく干渉レベルに基づいて、リンクのペアのうち1つまたは複数のリンクのために選択される。したがって、いくつかの実施形態では、MCSの適当な値が、例えば推定された信号対干渉比(SIR)または推定された信号対干渉プラス雑音比(SINR)に基づいて、(例えば、STR対応MLDによる同時送信の漏洩によって生じる)SI信号が存在していてもSTR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)において所望の信号を正常に受信することができるように、選択/決定され得る。
【0088】
2.TX電力/PAバックオフの選び方:
STR MLO用のTX電力を決定/選択する間、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)は、その送信用により低いTX電力を決定/選択して、SI信号の結果的なレベルを低減することができる。より低いTX電力は、STR対応MLDにより電力増幅器(PA)をバックオフすることで取得することができ、このことはTX信号における歪みの量を低減するのを助けることができる。TX漏洩におけるPA歪み成分を少なくすることは、TX漏洩によって生じるRX信号への干渉が少なくなるため、所望のRX信号の受信の観点から有益な場合がある。TX漏洩におけるPA歪みが少ないことはまた、STR対応MLDによってあらゆるSI除去アルゴリズムが使用される場合にも、SI抑制の改善にもつながる場合があり、それによってMLDの受信機能がさらに高まる。より低いTX電力が、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)にとって、それ自身が所望の信号受信の観点から有益な場合がある一方で、意図した受信機(例えば、別のSTR対応MLD)において所望の信号電力を低くすることもある。そのため、トレードオフが存在し、これは正常受信のための十分な所望信号電力を確保するために適当な意思決定(例えば、通信パラメータ値選択)アルゴリズムを実装することによって、対処することができる。ここで強調しておきたいのは、PAバックオフのインパクトは、かなり非線形であり得ることである。例えば、PAを、例えば3dBだけバックオフすることは、SIを10~20dB低減する場合がある。そのため、いくつかの実施形態では、(特定のTX電力で)どれくらいSIを抑制することができるかをシグナリングするだけでは十分ではない場合があり、SI抑制の量も、関連性のある異なるTX電力についてシグナリングされる場合がある。
【0089】
3.チャネルの選び方:
利用可能なリンク/チャネルの中で、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)は、リンクのペアにおいて、TXリンクとRXリンクとの間のチャネル分離が最大化されるように、TXリンク/チャネルを選択することができる。このことは、RXリンクの観点からTX漏洩を低減するのを支援することができる。
【0090】
4.BWの選び方:
いくつかの実施形態では、BW選択を検討することがある。信号BWの選択では、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)は、例えばその対応するTXスペクトルマスクの情報に応じて、そのTXリンク/チャネルBWを選択することができる。結果的なTXスペクトルマスクは、TX電力およびMCSなどの通信パラメータの値に依存するだけでなく、TXフィルタの振幅応答などの実装時固有の態様にも依存する場合があることに留意されたい。利用可能な選択肢のうち、検討中のRXチャネルに関してよりストリンジェントなTXスペクトルマスクを示すBWを選ぶことが良い場合がある。このことは、結果的なSIを低減するのを支援することができる。また、リンクのペアのうち、1つまたは複数のリンクについてのBWの選択は、他の潜在的なBWの選び方と比較して、リンクのペアにおけるTXおよびRXリンク/チャネル間で、リンク/チャネル分離を最大化するかどうか、またはどれくらいうまく最大化するかに基づくことができる。
【0091】
高MCSは、信号が歪みの少ない状態で送信されることを必要とするため、高MCSは一般的により大きなPAバックオフで使用される。STR制約されたリンクのセット(セットとは、1ペアまたは2つ以上を意味し得る)を使用する、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)のSTR機能は、MCSおよびそのTX用のTX電力ならびにRXリンク/信号の選び方に依存的な場合がある。したがって、これらは、特にSTR対応MLDにおけるSI抑制の情報を用いて、適当に選択するのが有用な場合がある。したがって、本開示のいくつかの実施形態は、例えばSTR MLOのセットアップフェーズの間に、通信の片側または両側のSTR機能を評価するために、ならびにMCSおよびTXのTX電力およびRXリンク/信号などの1つまたは複数の通信パラメータの値の決定/選択を行なうために、適当な情報の共有を伴うシグナリングステップがあり得ることを提案する。そのような決定/選択の目的は、低スループットリンクにおける最小遅延の制約の下、高負荷リンクにおけるスループットを最大化することを含むことができる。
【0092】
本開示は、例えばSTR制約が関与するリンク/チャネルが使用されることになるSTR MLOセットアップフェーズの間に、ならびに初期セットアップフェーズの後、STR対応MLD(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16)が、どのように通信パラメータの値を適当に選択/決定するかについての例を提供する。通信パラメータ(例えば、パラメータおよびパラメータ値)の選択/決定は、柔軟であることができる。例えば、同一通信パラメータ(例えば、送信電力)のいずれかの値は、STR制約されたペアにおいて両方のリンク用に選択されてもよい;または、ある通信パラメータ(例えば、送信電力)の値が、あるリンク用に選択されてもよい一方で、別の通信パラメータ(例えば、MCS)の値はSTR制約されたペアにおける他のリンクのために選択されてもよい。いくつかの実施形態は、一方のリンクのために調節されている1つまたは複数の通信パラメータの値、ならびに両方のリンクのために調節されている1つまたは複数の通信パラメータの値を提供することができる。
【0093】
故に、本開示のいくつかの実施形態の特徴は、STR機能を評価し、STR MLOの実行および有効化するための通信パラメータ値のセットアップを支援するために、柔軟な方法を提供することである。以下は、STR MLOを、例えばSTR制約されたリンクのペア上で実行および有効化/許可するために、通信パラメータ値をセットアップするための、AP MLD14および/または非AP MLD16によって実行され得る、3つの例である。
【0094】
以下で説明される例は、主に
図5に示されるステップS108およびS110に関連する場合があることに留意されたい。
【0095】
例1:STR対応非AP MLDと通信するSTR対応AP MLD
STR対応AP MLD(例えば、AP MLD14)は、STR対応非AP MLD(例えば、非AP MLD16)に、STRを使用することができるかどうかを判断することに関連性のあるパラメータをシグナリングするよう要求する。そのようなパラメータの非限定的な例は、最大TX電力、および異なる周波数分離での、その異なるTX電力に対応するSI抑制などである。SI抑制の信号帯域幅のインパクトもまた、報告される場合がある。
【0096】
いくつかの実施形態では、上述の要求は、いつでも行なうことができ、次いで特定の距離で分離された2つのリンク/チャネルが、STR MLOに使用されることになる実現可能なリンク/チャネルのペアを構成するかどうかを判断するために(例えば、AP MLD14および/または非AP MLD16によって)使用することができる。
図5を参照すると、これは例えはステップS106に相当することができ、このステップはAP MLD14によってスキップされてもよいし、他のステップのいずれかにおいて実施されてもよい。
【0097】
代替的に、または追加的に、いくつかの実施形態では、ステップS106が実施され、それによってAP MLD14が、MLOにどのリンク/チャネルを使用するか既に知っている場合、AP MLD14は、すべての可能なリンク/チャネルペアの組合せについてレポートしなければならないのではなく、STR動作についての関連パラメータを、このような特定のチャネルを使用してレポートするように、非AP MLD16に対して要求してもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、STR対応AP MLD14は、SI抑制、TX電力などについて自身の機能を知っているため、AP MLD14は、対応する情報をSTR対応非AP MLD16から受信した後、そのような情報を使用してリンクのためのTX電力ならびに対応するMCSを、STRを可能にする/有効化するようなやり方で、選択することができる。この数値的な例を以下に与える。
【0099】
STR対応AP MLD14は、利用可能と識別されるチャネルのうち、どのリンク/チャネルをTXに使用するか、またどのリンク/チャネルをRXに使用するかを選ぶために、あらゆる好適なアルゴリズムを採用することができることに留意されたい。例えば、TXおよびRXリンク/チャネルは、例えば(推定される)アップリンク/ダウンリンク(UL/DL)トラフィック負荷に応じて、(例えば、AP MLD 14によって)選択することができる。本明細書において説明される情報をシグナリングする、多くの様々な方法があるが、いくつかの選択肢を例として以下に与える。
a.すべてのMCSについて最大TX電力およびSI抑制について確認する代わりに、STR対応AP MLD14は、STR対応非AP MLD16に、利用可能なTXおよびRXリンク/チャネルについて、その最大TX電力および対応するSI抑制をシグナリングするように、要求するだけでもよい。これらの値は、最低MCSに対応し、この時、STR対応AP MLD14は、残りを独自に計算および推定することができる。
b.SI抑制値を確認する代わりに、STR対応AP MLD14は、STR対応非AP MLD16に、利用可能なTXおよびRXリンク/チャネルにおいてサポートされるMCSに関して最大TX電力に相当する残余SI信号電力値をシグナリングするように要求してもよい。
c.STR対応AP MLD14は、STR対応非AP MLD16に、利用可能なTXおよびRXリンク/チャネルに相当する、特定信号のBW組合せ、またはいくつかの可能なBW組合せ、またはすべての可能なBW組合せについての情報を、提供するように要求してもよい。これは、STR対応AP MLD14が適当な信号BWを選ぶのを支援することができる。
d.フレーム交換ごとに利用可能なTXおよびRXリンク/チャネルの特定の組合せに動的に依存して情報を要求する代替として、STR対応AP MLD14は、STR対応非AP MLD16の最初のML関連付けの間に、上述のシグナリングを1回だけ実施してもよい。対応するワンショットシグナリングは、次いでサポートするTXおよびRXリンク/チャネルの一部またはすべての可能な組合せについて、上述の情報をSTR対応非AP MLD16に要求することを伴う場合がある。
【0100】
上述のシグナリングは、STR対応AP MLD14が、STR MLOを実施すると決定しつつ、複数のSTR対応非AP MLD16と同時に通信する場合、適当に構成され得ることに留意されたい。
【0101】
例2:MLDであってもよいしMLDでなくてもよい異なるデバイスと連携された、2つの非AP STAと通信するSTR対応AP MLD
いくつかの実施形態では、STR対応AP MLD14が、潜在的なSTR MLOに利用可能なリンク/チャネルを識別し、非AP STAが異なるデバイスに存在する場合、2つの非AP STA間の干渉は問題ではないと考えることができ(例えば、非AP STAが異なる物理デバイスにあるため、上記例1のように、非AP STA側にSIがない)、したがって、STR対応AP MLD14は、このような利用可能なリンク/チャネルにおける、それ自身の最大TX電力およびそのサポートされるMCSに相当するSI抑制を認識するだけでよい。
【0102】
具体的には、いくつかの実施形態では、STR対応AP MLD14が、非常に微弱な所望の信号を受信する間、その最高TX電力で同時に送信できないように、そのようになっている場合がある。そして、AP MLD14は、他のリンクで微弱な所望の信号を受信している場合、低減されたTX電力を使用して送信することを選択してもよく、それとは反対に、AP MLD14が受信される所望の信号強度が高いと判断した場合、AP MLD14は、その最高TX電力で送信するだけであってもよい。この場合、AP MLD14は、受信される所望の信号電力がより高いSIに耐えられるような高い場合でも、非AP STAに低いMCS(ロバストな変調符号化)を使用するよう要求してもよいことにも留意されたい。
【0103】
いくつかの実施形態では、STR対応AP MLD14において制限があると考える場合、リンクのうちの少なくとも1つにおいて、また潜在的にはリンクのペアのうち両方のリンクにおいて使用されるMCSを、低くするよう判断してもよい。UL/DLトラフィック負荷およびその機能の情報に応じて、STR対応AP MLD14は、自身のためのTX電力およびMCSを選択することができ、送信側の非AP STAに、非AP STAがどのMCSおよび最小TX電力を使用するべきかをシグナリング/示すことができる。STR MLOを有効化するために、例えば、受信側の非AP STAおよび自身において正常な所望の信号の受信が存在するように、パラメータセッティングは、STR対応AP MLD14によって選択することができる。以下は、これをどのように実施することができるかの例である:
i.DL>UL:STR対応AP MLD14は、パス・ロス(PL)推定に基づいて、適当なTX電力を伴う高MCSを選択する。STR対応AP MLD14は、その所望の信号受信に関して可能なSINRを推定し、それに対応してどのMCSおよびTX電力を使用するかについて、送信側非AP STAにシグナリングする/示す。
ii.DL<UL:STR対応AP MLD14は、送信側非AP STAが、適当なTX電力を伴うより高いMCSを使用することができるように、より低いMCSかつ適当なTX電力を選択する。
iii.DL≒UL:STR対応AP MLD14は、自身にとって、および送信側非AP STA(例えば、非AP MLD16)にとって適当なTX電力を伴う類似のMCSを選択するよう判断する。
【0104】
上記シグナリングのステップは、STR対応AP MLD14が、MLDであってもよいしMLDでなくてもよい異なるデバイスと連携された、2つ以上の非AP STAと通信しつつ、STR MLOを実施すると判断すると、適当に構成され得ることに留意されたい。
【0105】
例3:日和見的なSTR
上記2つの例では、目的は、STR MLOを達成できることを確実にすることであり得る。そしてこれは、リンクのうちの1つにおいて、またはリンクのペアのうち両方のリンクにおいてサポートされるデータレートを低減することによって、効果的に実施することができる。データレートを低減することによってSTRを有効化するコストが、極めて高い状況があり得る。1つの、そのような状況は、データトラフィックが非常に非対称な場合、つまり方向のうち片方で、より多くのデータが移動する場合である。いくつかの実施形態では、日和見的なSTRと称され得る手法が説明される。一般的な考え方は、リンク、特にデータの大部分を搬送する1つのリンクを、リンクがSTRではなくてもSTRであるかのように扱うことである。故に、このリンクは日和見的に使用される。ほとんどの場合、通常は他の方向にデータがないため、これは成功する手法であり得る。実際に他の方向にデータが存在するいくつかの機会では、高データレートのリンクは障害となるが、他のリンクが機能するように設計される。例えば、高データレートのリンクがDLであり、ULが1%の時間で送信するデータしか有していない場合、これはDLの効率が約99%であることを意味する。一方で、ULのデータレートはとても低いため、ほとんどのロバストなMCSを、通信時間の点で大きな絶対コストを伴わずに、この低データレートのリンクに使用することができる。ロバストなMCSを用いて、DLに一定のデータ送信があっても、ULアクセスの遅延を最小化することを確実にできるように、このULを機能させることができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、無線リンクのペアのうち第1のリンクは第1のデータ負荷に関連付けられ、無線リンクのペアのうち第2のリンクは第2のデータ負荷に関連付けられ、この場合、第1のデータ負荷は第2のデータ負荷よりも大きい。このような実施形態またはシナリオでは、AP MLD14は、第2のリンクにはデータ負荷がないものと考えて、第1のリンク用の通信パラメータ(例えば、MCS)の値を選択することができる。一般的な考え方は、第1のリンクは、第1のリンクのデータ/トラフィック負荷用に確立され、使用されるということであってもよい(トラフィックが実際に第2のリンクで送信されると第1のリンクが機能しない場合があることを無視する)。例えば、高MCSが第1のリンクで使用されてもよいが、第2のリンクでアクティビティがあると、その高MCSは失敗する可能性があり得ることが認められる。
【0107】
いくつかの実施形態では、DLの遅延は、非常に限定的なULトラフィックのために問題とならない場合があることから、日和見的なSTR手法を伴うこの手法は、スループットの観点からリンク/チャネルの非常に効率的な使用につながる場合があり、さらに双方向で低レイテンシの適用をサポートすることができる。
【0108】
例示的な応用
本開示のいくつかの実施形態の使用の例は、STR対応AP MLD14によって開始されて駆動されるSTR MLOであり得る。STR対応AP MLD14が、利用可能と識別されたリンク/チャネルを使用してSTR対応非AP MLD16でSTR MLOをセットアップすると判断した場合、AP MLD14は、提案されたシグナリングベースの手法を使用して、このようなリンク/チャネルに対応するSTR対応非AP MLD16の機能についての情報を取得することができる。いったんSTR機能が取得され、受信され、および/または決定されてしまうと、AP MLD14は、本開示を通じて説明されるような、1つまたは複数の適当な通信パラメータの値を選択することができる。いくつかの実施形態では、AP MLD14は、例えばリンクのUL/DLトラフィックおよび/またはサービスの品質要件などに応じて、1つまたは複数の適当な通信パラメータの値を選択することができる。STR対応AP MLD14による、そのようなシグナリングおよびパラメータ選択を、一例として以下で説明する:
・STR対応SP MLD14によって潜在的なSTR MLOについて、2つの20MHzリンク/チャネルが、利用可能と識別されていると仮定する。また、STR対応AP MLD14によって計算されるPL推定が70dBであると仮定する。
・STR対応AP MLD14は、STR対応非AP MLD16に、20MHz信号BWに対応する2つの具体的なリンク/チャネルにおいて、最大TX電力およびそのサポートされるMCSに対応するSI抑制を提供するように要求する。STR対応非AP MLD16は、表1で与える以下の情報を提供する。
表1.STR対応非AP MLD16によって提供される情報。
・STR対応AP MLD14が、自身の機能について、表2で与える以下の情報を有すると仮定する。
表2.STR対応AP MLD14によって分かる情報。
・STR対応AP MLD14は、表3に示されるように、様々なMCSでの信号の正常な受信について、およそ最小の要求SINRについて以下の情報を有する。
表3.様々なMCSでの、およそ最小の要求SINR。
上記表1~表3から、自身に利用可能な情報を使用して、STR対応AP MLD14は、TX電力およびMCSについて、DL対ULトラフィックシナリオに基づいて、以下の選択を行なう:
i.DL>UL:STR対応AP MLD14は、自身用にMCS=5およびTX電力=13dBmを選択し、STR対応非AP MLD16用にはMCS=2およびTX電力=0dBmを選択する。STR対応非AP MLD16における結果的なSIR(≒SINR)は、(13-70)-(0-75)=18dBであり、STR対応AP MLD14におけるSIR(≒SINR)は、(0-70)-(13-95)=12dBである。表3に基づいて、このような結果的なSIR(≒SINR)は、両方のデバイスで正常な所望の信号受信に十分な場合があることが分かる。
ii.DL<UL:STR対応AP MLD14は、自身用にMCS=4およびTX電力=7dBmを選択し、STR対応非AP MLD16用にはMCS=8およびTX電力=10dBmを選択する。STR対応非AP MLD16におけるSIR(≒SINR)は、(7-70)-(10-84)=11dBであり、STR対応AP MLD14におけるSIR(≒SINR)は、(10-70)-(7-90)=23dBとなる。表3に基づいて、このような結果的なSIR(≒SINR)は、両方のデバイスで正常な所望の信号受信に十分な場合があることが分かる。
iii.DL≒UL:STR対応AP MLD14は、自身用にMCS=4およびTX電力=10dBmを選択し、STR対応非AP MLD16用にはMCS=4およびTX電力=7dBmを選択する。STR対応非AP MLD16におけるSIR(≒SINR)は、(10-70)-(7-78)=11dBであり、STR対応AP MLD14におけるSIR(≒SINR)は、(7-70)-(10-90)=17dBとなる。表3に基づいて、このような結果的なSIR(≒SINR)は、両方のデバイスで正常な所望の信号受信に十分な場合があることが分かる。
【0109】
STRマルチリンク動作をサポートするために、いくつかの実施形態を、開示してきた。いくつかの実施形態では、2つのデバイス間で2つの異なるリンクを使用してSTR MLOを有効化するための方法を提供した。いくつかの実施形態では、方法は、第2のデバイスが、第1のデバイスに、STRが実現可能となるために/有効化されるために第2のデバイスにおいてどのような要件が満足されるべきかについての情報を提供することと、第1のデバイスがこの情報を使用して、STRを有効化するために、例えば2つのリンク用のTX電力などの通信パラメータの値を選択することとを特徴とすることができる。
【0110】
一部のさらなる実施形態では、第1のデバイスは、2つのリンク用にMCSを選択する。一部のさらなる実施形態では、2つのリンク用にMCSを選択することはまた、MCSを選択する際に2つのリンク内の負荷も考慮する。いくつかの実施形態では、提供される情報はまた、少なくとも2つの異なる送信電力について、どれくらいのSIが送信によって引き起こされるか、も含む。いくつかの実施形態では、提供される情報はまた、リンクの信号帯域幅がどのようにSI抑制に影響するかを示す。
【0111】
いくつかの実施形態は、非常に非対称なデータ負荷に対してMLOを有効化するための方法を提供することができる。いくつかの実施形態では、方法は、データ負荷の高いリンクは他のリンクで送信されるデータがない状況に最適化されたMCSを使用し、データが存在する場合、高データリンク上の受信は機能しないが、低データレートの受信は高い確率で正常に機能するように、データ負荷の小さいリンク用のTX電力およびMCSが選択されることを特徴とすることができる。
【0112】
略語 説明
AP アクセスポイント
BW 帯域幅
DL ダウンリンク
EHT Extremely High Throughput
MCS 変調符号化方式
ML マルチリンク
MLD マルチリンクデバイス
MLO マルチリンク動作
OFDMA 直交周波数分割多元接続
PL パス・ロス
RX 受信または受信機
SIR 信号対干渉比
SINR 信号対干渉プラス雑音比
STA ステーション
TGbe IEEE802.11be Task Group
TX 送信または送信機
UL アップリンク
【0113】
当業者には認識されるように、本明細書に記載される概念は、方法、データ処理システム、および/またはコンピュータプログラム製品として実施され得る。したがって、本明細書に記載する概念は、全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態、または本明細書ではすべて一般に「回路」もしくは「モジュール」と呼ばれる、ソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態を取ってもよい。さらに、本開示は、コンピュータによって実行可能な、媒体内に具現化されたコンピュータプログラムコードを有する有形のコンピュータ使用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラム製品の形態をとり得る。ハードディスク、CD-ROM、電子記憶デバイス、光記憶デバイス、または磁気記憶デバイスを含む任意の好適な有形のコンピュータ可読媒体が利用可能である。
【0114】
いくつかの実施形態が本明細書において方法、システムおよびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して記載されている。理解されるように、フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図におけるブロックの組合せが、コンピュータプログラム命令によって実装され得る。これらのプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを生成することにより、命令が、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行されて、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に指定された機能/動作を実装する手段を生成する。
【0115】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置に対して特定の方式で機能するように指令することができるコンピュータ可読メモリまたは記憶媒体内に記憶されてもよく、それにより、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に指定された機能/動作を実装する命令手段を含む製造物を生成する。
【0116】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされて、一連の動作ステップをコンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行させてコンピュータ実装されたプロセスを生成することにより、コンピュータまたは他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロック(複数可)に指定された機能/動作を実装するステップを提供することができる。理解されるように、ブロックに記載された機能/動作は、動作の図示に記載された順序以外で生起してもよい。例えば、連続して図示された2つのブロックが、関連する機能/動作に応じて、実際には実質的に並行して実行されてもよく、またはブロックはときには逆順で実行されてもよい。図のうちのいくつかは、通信の主要な方向を示すために通信経路上に矢印を含むが、理解されるように、通信は図示された矢印とは反対の方向に生起してもよい。
【0117】
本明細書に記載される概念の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)またはC++などのオブジェクト指向プログラミング言語で書かれてもよい。しかし、本開示の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードはまた、「C」プログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語で書かれてもよい。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロン型のソフトウェアパッケージとして、部分的にユーザのコンピュータ上および部分的にリモートコンピュータ上で、または完全にリモートコンピュータ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を通じてユーザのコンピュータに接続されてもよく、または接続は外部コンピュータに対して(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)なされてもよい。
【0118】
多くの異なる実施形態が、上記の説明および図面に関連して本明細書に記載されている。理解されるように、これらの実施形態のあらゆる組合せおよび下位組合せを逐語的に説明し図示することは過度に反復的で不明瞭となるであろう。したがって、すべての実施形態は任意の方法および/または組合せで結合することが可能であり、本明細書は、図面を含めて、本明細書に記載される実施形態、およびそれらを形成し使用する方式およびプロセスのすべての組合せおよび下位組合せの完全に書き下された説明を構成すると解釈されるものとし、任意のそのような組合せまたは下位組合せに対する権利をサポートするものとする。
【0119】
当業者には認識されるように、本明細書に記載される実施形態は、上記で本明細書に具体的に図示し記載されたものに限定されない。さらに、上記で別段の言及がない限り、添付図面のすべては縮尺通りでないことに留意されるべきである。以下の特許請求の範囲の記載範囲から逸脱することなく、上記の教示に照らして様々な変更形態および変形形態が可能である。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(14)であって、前記MLD(14)が、処理回路(24)を備え、前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
前記MLD(14)と第2のMLD(16)との間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクの前記ペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択させるように設定され、前記第2のMLD(16)が、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、前記選択された少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含
み、
前記選択が、リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量に少なくとも部分的に基づいている、MLD(14)。
【請求項2】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項
1に記載のMLD(14)。
【請求項3】
前記処理回路(24)が、前記MLD(14)に、
無線リンクの前記ペアについての情報を取得させるようにさらに設定され、前記情報が、無線リンクの前記ペアについての前記MLDの機能および前記第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである、請求項
1または2に記載のMLD(14)。
【請求項4】
非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(16)であって、前記MLD(16)が、処理回路(32)を備え、前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
無線リンクのペアについての情報を第2のMLD(14)に送信することと、
前記MLD(16)と前記第2のMLD(14)との間の無線リンクの前記ペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施することとを行なわせるように設定され、無線リンクの前記ペアが少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含
み、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量に少なくとも部分的に基づいている、MLD(16)。
【請求項5】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上でSTRを有効化するために、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいている、請求項
4に記載のMLD(16)。
【請求項6】
前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
無線リンクの前記ペアに使用する前記少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を前記第2のMLD(14)から受信させるようにさらに設定される、請求項
4または
5に記載のMLD(16)。
【請求項7】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項
4から
6のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記MLDの機能に関する前記送信された情報と前記第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている、請求項
4から
7のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項9】
前記処理回路(32)が、前記MLD(16)に、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクの前記ペアを非STRからSTRに再分類させるようにさらに設定される、請求項
4から
8のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項10】
無線リンクの前記ペアが、STR制約されたリンクのペアであるか、
無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、前記第1のセットが前記第2のセットとは異なっているか、
のいずれかである、請求項
4から
9のいずれか一項に記載のMLD(16)。
【請求項11】
アクセスポイント(AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(14)に実装される方法であって、前記方法が、
前記MLD(14)と第2のMLD(16)との間の無線リンクのペア上でSTRを有効化するために、無線リンクの前記ペア用に、少なくとも1つの通信パラメータ値を選択すること(S100)を含み、前記第2のMLD(16)が、非アクセスポイント(非AP)STAを備え、前記選択された少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含
み、
前記選択が、リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量に少なくとも部分的に基づいている、方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
無線リンクの前記ペアについての情報を取得すること
をさらに含み、前記情報が、無線リンクの前記ペアについての前記MLDの機能および前記第2のMLDの機能のうちの少なくとも1つに関するものである、請求項
11または12に記載の方法。
【請求項14】
非アクセスポイント(非AP)ステーション(STA)を備える同時送受信(STR)対応マルチリンクデバイス(MLD)(16)に実装される方法であって、前記方法が、
無線リンクのペアについての情報を第2のMLD(14)に送信すること(S102)と、
前記MLD(16)と前記第2のMLD(14)との間の無線リンクの前記ペア上でマルチリンク動作(MLO)を実施すること(S104)とを含み、無線リンクの前記ペアが少なくとも1つの通信パラメータ値を使用し、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいており、前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、前記ペアのうち第1のリンク用の少なくとも1つの第1の通信パラメータ、および前記ペアのうち第2のリンク用の少なくとも1つの第2の通信パラメータのうちの少なくとも1つの値を含
み、
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、リンクの前記ペアにおける各リンク間の周波数分離の量に少なくとも部分的に基づいている、方法。
【請求項15】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上でSTRを有効化するために、前記送信された情報に少なくとも部分的に基づいている、請求項
14に記載の方法。
【請求項16】
無線リンクの前記ペアに使用する前記少なくとも1つの通信パラメータ値の指示を、前記第2のMLD(14)から受信すること
をさらに含む、請求項
14または
15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、
無線リンクの前記ペアのうち前記第1のリンクの送信電力、
無線リンクの前記ペアのうち前記第2のリンクの送信電力、
前記第1のリンクの変調符号化方式(MCS)、
前記第2のリンクのMCS、および
前記第1のリンクと前記第2のリンクのうちの少なくとも1つの信号帯域幅
のうちの少なくとも1つの値を含む、請求項
14から
16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値が、無線リンクの前記ペア上で前記STRを有効化するために、前記MLDの機能に関する前記送信された情報と前記第2のMLDの機能に関する情報との比較に少なくとも部分的に基づいている、請求項
14から
17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの通信パラメータ値に少なくとも部分的に基づいて、無線リンクの前記ペアを非STRからSTRに再分類すること
をさらに含む、請求項
14から
18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
無線リンクの前記ペアが、STR制約されたリンクのペアであるか、
無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第1のセットについては非STRリンクのペアであり、無線リンクの前記ペアが、通信パラメータ値の第2のセットについてはSTRリンクのペアであり、前記第1のセットが前記第2のセットとは異なっているか、
のいずれかである、請求項
14から
19のいずれか一項に記載の方法。
【国際調査報告】