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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-12-20
(54)【発明の名称】病変横断衝撃波カテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20231213BHJP
【FI】
A61B17/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023535464
(86)(22)【出願日】2021-12-09
(85)【翻訳文提出日】2023-07-18
(86)【国際出願番号】 US2021062666
(87)【国際公開番号】W WO2022125807
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】63/124,639
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/537,325
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515000292
【氏名又は名称】ショックウェーブ メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ファン, フイ
(72)【発明者】
【氏名】グエン, ホア
(72)【発明者】
【氏名】ロン, チー
(72)【発明者】
【氏名】ジェンキンス, トッド
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160EE08
4C160KK70
4C160MM34
4C160MM36
(57)【要約】
本発明は、血管内の閉塞を治療するためのカテーテルを提供する。血管内の閉塞を治療するための例示的カテーテルは、流体入口ポートを画定する第1の管腔と、流体出口ポートを画定する第2の管腔とを伴う基部セグメントを含む管状内側部材を備えている。延長セグメントが、基部セグメントの遠位にある。延長セグメントは、縮小された断面を有する。エミッタアセンブリが、第2の管腔を通して延びている第1の絶縁ワイヤと、第2の絶縁ワイヤと、第1の絶縁ワイヤ、第2の絶縁ワイヤ、および延長セグメントの周囲に巻き付けられた伝導性シースとを含む。キャップまたはバルーンが、カテーテルの遠位端にシール可能に取り付けられ、エミッタアセンブリを包囲し、該キャップまたはバルーンは、伝導性流体で充填可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管内の閉塞を治療するためのカテーテルであって、前記カテーテルは、
管状内側部材であって、前記管状内側部材は、
基部セグメントであって、前記基部セグメントは、
流体入口ポートを画定する第1の管腔と、
流体出口ポートを画定する第2の管腔と
を画定する、基部セグメントと、
前記基部セグメントの遠位にある延長セグメントであって、前記延長セグメントは、前記基部セグメントより縮小された断面を有する、延長セグメントと
を備えている、管状内側部材と、
エミッタアセンブリであって、前記エミッタアセンブリは、
前記第2の管腔を通して延びている第1の絶縁ワイヤと、
第2の絶縁ワイヤと、
前記第1の絶縁ワイヤ、前記第2の絶縁ワイヤ、および前記延長セグメントの周囲で円周に巻き付けられた伝導性シースと
を備えている、エミッタアセンブリと、
前記カテーテルの遠位端にシール可能に取り付けられ、前記エミッタアセンブリを包囲しているキャップまたはバルーンと
を備え、
前記キャップまたはバルーンは、伝導性流体で充填可能である、カテーテル。
【請求項2】
前記延長セグメントは、ガイドワイヤを受け取るように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記延長セグメントは、前記基部セグメント内の第3の管腔に接続され、前記延長セグメントは、前記内側部材の遠位端において前記第1の管腔および前記第2の管腔の壁を除去することによって形成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記流体入口ポートは、前記第1の管腔から延びている管類を備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第2のワイヤは、前記第1の管腔を通して延びている、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記第1の管腔の遠位端は、前記第2のワイヤの一部および前記管類の一部のみを露出するようにシールされている、請求項5に記載のカテーテル。
【請求項7】
前記伝導性流体は、前記伝導性シースの周囲で流動し、前記伝導性シースの外側と前記第2の管腔とによって形成された亀裂を経由して退出するように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記エミッタアセンブリは、
前記伝導性シースと、前記伝導性シースから間隔を置かれた前記第1の絶縁ワイヤの伝導性遠位端とを備えている第1の電極対と、
前記伝導性シースと、前記伝導性シースから間隔を置かれた前記第2の絶縁ワイヤの伝導性遠位端とを備えている第2の電極対と
を備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記第1の電極対および前記第2の電極対は、前記伝導性シースの周囲で円周に約180度離れて位置している、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤの近位端は、パルス式電圧源に接続可能である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記内側部材シースの周囲で円周に巻き付けられた補強ワイヤシースをさらに備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記補強ワイヤシースは、ポリマー内にカプセル化された少なくとも1本の編組またはコイル状金属ワイヤを備えている、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記キャップまたはバルーンは、可撓性であり、前記伝導性流体を用いた膨張によって拡張されることができ、前記可撓性キャップまたはバルーンの最大膨張直径は、前記可撓性キャップの収縮直径より15%以下大きい、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記キャップまたはバルーンは、膨張させられた後、前記キャップまたはバルーンが収縮させられるときに薄型構成に戻るように、エラストマ特性を有する材料から作製される、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記キャップは、押し出しポリマー管を備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
バルーンが前記カテーテルの遠位端に取り付けられ、前記バルーンが収縮状態にあるとき、前記バルーンの表面積は、十分に小さく、前記カテーテルが血管の中に前進させられるとき、前記バルーンは、折り畳まれない、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記第1のワイヤおよび前記第2のワイヤは、平坦化されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記伝導性シースは、長円形である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記カテーテルの遠位端に向かって次第に細くなる軟質先端をさらに備えている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項20】
血管内の閉塞を治療するためのカテーテルであって、前記カテーテルは、
第1の直径を伴う近位部分と前記第1の直径より小さい第2の直径を有する遠位端部分とを有する管状内側部材であって、前記内側部材の近位部分は、4つの円周に位置付けられた縦溝を含み、各縦溝は、4つの管のうちの1つを受け取る、管状内側部材と、
第1の管内に位置し、前記第1の管を越えて遠位に延びている第1のワイヤと、
第2の管内に位置し、前記第2の管を越えて遠位に延びている第2のワイヤと、
伝導性流体の源に接続可能である第3の管と、
前記伝導性流体のための帰還経路を画定するように構成された第4の管と、
前記内側部材の前記遠位部分の周囲、かつ前記第1および第2のワイヤの遠位端の半径方向内側に位置付けられた円筒形絶縁シースと、
前記第1および第2のワイヤの前記遠位端を包囲し、2つの電極対を画定する円筒形伝導性シースと、
前記内側部材の近位部分を包囲しているシースと、
前記伝導性シースおよび前記カテーテルの遠位先端を包囲している可撓性キャップと
を備えている、カテーテル。
【請求項21】
前記内側部材は、単一の押し出し物から形成されている、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項22】
前記第4の管は、吸引の源に接続可能である、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項23】
前記外側シースは、ワイヤ編組である、請求項20に記載のカテーテル。
【請求項24】
前記内側部材は、中心ガイドワイヤ管腔をさらに含む、請求項20に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
本願は、その全開示が参照することによって組み込まれる2020年12月11日に出願された米国仮特許出願第63/124,639号、および2021年11月29日に出願された米国非仮特許出願第17/537,325号の優先権を主張する。
【0002】
(開示の分野)
本開示は、概して、石灰化病変を横断するために使用され得るカテーテルデバイスに関する。カテーテルは、狭い血管構造を通した前進を可能にするために、非常に薄型で構成された遠位衝撃波発生器を含む。
【背景技術】
【0003】
多種多様なカテーテルが、動脈疾患を治療するために開発されている。例えば、経皮的冠動脈形成術または末梢血管形成術のための治療システムは、病変(例えば、石灰化病変)を広げ、動脈内の正常な血流を回復させるために、血管形成バルーンを使用する。これらのタイプの手技では、バルーンを運ぶカテーテルが、バルーンが石灰化プラークと整列させられるまで、ガイドワイヤに沿って脈管の中に前進させられる。バルーンは、次いで、加圧され、石灰化プラークを縮小し、または破壊し、それらを血管壁に押し戻す。バルーンは、なめらかな壁を有することができるか、または、血管内の病変に物理的に切れ目を入れる構造を具備することができる。アテレクトミー切除デバイスとして公知の他のカテーテルは、病変を穿孔して除くための回転部材を有する。
【0004】
より最近では、血管形成バルーンの内側に位置付けられた1つ以上の電極対を含むカテーテルが、開発されている。これらのデバイスでは、カテーテルは、それが病変の近位に来るまで、患者の脈管内でガイドワイヤの上を前進させられる。バルーンは、病変に接触するように伝導性流体を用いて膨張させられ、次いで、衝撃波発生器が、音響波を病変の中に向かわせる衝撃波を生産するために発射される。衝撃波デバイスは、音響波が、周辺脈管に害を及ぼすことなく病変を砕くことができるので、石灰化病変を治療するために特に効果的である。病変が砕かれると、バルーンは、改良された血流管腔を生成するために、血管内でさらに拡張されることができる。
【0005】
衝撃波発生器は、典型的に、高電圧パルスの印加によって励起される電極対である。電極対のサイズを縮小し、より堅く横断しにくい石灰化病変へのアクセスを可能にする試みが、行われている。そのような薄型設計の例が、米国特許第8,747,416号(特許文献1)および第10,555,744号および米国公開第2018/0360482号および第2019/0150960号(その全ては、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見つかる。
【0006】
上記に議論される薄型設計は、冠動脈および末梢血管用途の両方において展開されているが、それらの設計でさえ、脈管内の部分的または完全な閉塞を横断することに困難を有する。その問題に対処するための1つのアプローチは、遠位先端において衝撃波発生器を有するガイドワイヤを使用することである。その場合、カテーテルの近位および遠位シャフト部分は、閉塞の中へのガイドワイヤの前進を支援するために補強される。1つ以上の衝撃波が、妨害物を部分的に開放するために発生させられる。ガイドワイヤは、次いで、閉塞の中にさらに前進させられることができ、追加の衝撃波が、閉塞の中で発生させられる。このシーケンスは、閉塞を通してガイドワイヤを移動させ、バルーンカテーテルが挿入され得る十分に大きいチャネルを提供するために継続されることができる。そのような衝撃波ガイドワイヤ設計の例が、米国特許第9,730,715号(特許文献2)(参照することによって本明細書に組み込まれる)に見つかる。
【0007】
ガイドワイヤの先端に衝撃波電極を設置することは、きわめて薄型の構造につながることができるが、そのようなアプローチは、膨張可能バルーンを含む薄型設計と比較して、いくつかの不利点を有する。例えば、ガイドワイヤは、必然的に、妨害物を通して容易に押されることができない軟質の先端を有する。加えて、ガイドワイヤ設計は、単極であり、ガイドワイヤの先端における1つの電極と患者の身体に貼り付けられるパッドによって画定される第2の電極とを伴う。これは、患者が電気回路の一部であることを意味する。加えて、ガイドワイヤ設計は、先端においてバルーンを有していない。バルーンは、それが衝撃波生成中に発生させられるプラズマとの直接接触から組織を防護し得る点において有利である。バルーンは、伝導性流体が、衝撃波発生中に電極を包囲することも確実にする。
【0008】
故に、薄型キャップまたは薄型血管形成バルーンを組み込み、キャップまたはバルーンの内側に衝撃波を発生させるための二極電気回路を含み、以前のアプローチより薄型を伴うカテーテル設計を提供する必要性が、存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第8,747,416号明細書
【特許文献2】米国特許第9,730,715号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、カテーテルの遠位端における薄型キャップまたは血管形成バルーンの内側に少なくとも1つの電極対を有する血管内の閉塞を治療するためのカテーテルにおいて実現される。いくつかの設計では、電極は、共平面であり、デバイスの直径を縮小する。加えて、心血管系の中への挿入の前に折り畳まれる必要がない薄型キャップまたはバルーンが、使用される。そのようなキャップまたはバルーンは、閉塞を治療するために電極において衝撃波を発生させる前、伝導性流体中に電極を浸すために十分な比較的に少量、拡張されることができる。キャップまたはバルーンは、それが治療に続いて収縮させられるとき、それがその元の薄型構成に戻るように、エラストマ特性を有する材料から作製されることができる。
【0011】
血管内の閉塞を治療するための例示的カテーテルは、流体入口ポートを画定する第1の管腔と、流体出口ポートを画定する第2の管腔とを画定する基部セグメントと、基部セグメントの遠位にある延長セグメントであって、延長セグメントは、基部セグメントより縮小された断面を有する、延長セグメントとを備えている管状内側部材と、第2の管腔を通して延びている第1の絶縁ワイヤと、第2の絶縁ワイヤと、第1の絶縁ワイヤ、第2の絶縁ワイヤ、および延長セグメントの周囲で円周に巻き付けられた伝導性シースとを備えているエミッタアセンブリと、カテーテルの遠位端にシール可能に取り付けられ、エミッタアセンブリを包囲するキャップまたはバルーンであって、該キャップまたはバルーンは、伝導性流体で充填可能である、キャップまたはバルーンとを備えている。
【0012】
いくつかの実施形態において、延長セグメントは、ガイドワイヤを受け取るように構成されている。
【0013】
いくつかの実施形態において、延長セグメントは、基部セグメント内の第3の管腔に接続され、延長セグメントは、内側部材の遠位端において第1の管腔および第2の管腔の壁を除去することによって形成される。
【0014】
いくつかの実施形態において、流体入口ポートは、第1の管腔から延びている管類を備えている。
【0015】
いくつかの実施形態において、第2のワイヤは、第1の管腔を通して延びている。
【0016】
いくつかの実施形態において、第1の管腔の遠位端は、第2のワイヤの一部および管類の一部のみを露出するようにシールされる。
【0017】
いくつかの実施形態において、伝導性流体は、伝導性シースの周囲で流動し、伝導性シースの外側と第2の管腔とによって形成された亀裂を経由して退出するように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態において、エミッタアセンブリは、伝導性シースと、伝導性シースから間隔を置かれた第1の絶縁ワイヤの伝導性遠位端とを備えている第1の電極対と、伝導性シースと、伝導性シースから間隔を置かれた第2の絶縁ワイヤの伝導性遠位端とを備えている第2の電極対とを備えている。
【0019】
いくつかの実施形態において、第1の電極対および第2の電極対は、伝導性シースの周囲で円周に約180度離れて位置する。
【0020】
いくつかの実施形態において、第1のワイヤおよび第2のワイヤの近位端は、パルス式電圧源に接続可能である。
【0021】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、内側部材シースの周囲で円周に巻き付けられた補強ワイヤシースをさらに備えている。
【0022】
いくつかの実施形態において、補強ワイヤシースは、ポリマー内にカプセル化された少なくとも1本の編組またはコイル状金属ワイヤを備えている。
【0023】
いくつかの実施形態において、キャップまたはバルーンは、可撓性であり、伝導性流体を用いた膨張によって拡張されることができ、可撓性キャップまたはバルーンの最大膨張直径は、可撓性キャップの収縮直径を15%以下上回る。
【0024】
いくつかの実施形態において、キャップまたはバルーンは、膨張させられた後、キャップまたはバルーンが収縮させられると、薄型構成に戻るように、エラストマ特性を有する材料から作製される。
【0025】
いくつかの実施形態において、キャップは、押し出しポリマー管を備えている。
【0026】
いくつかの実施形態において、バルーンが、収縮状態にあるとき、バルーンの表面積は、十分に小さく、カテーテルが血管の中に前進させられるとき、バルーンは、折り畳まれない。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1のワイヤおよび第2のワイヤは、平坦化される。
【0028】
いくつかの実施形態において、第1のワイヤまたは第2のワイヤは、銅およびステンレス鋼のうちの少なくとも1つを備えている。
【0029】
いくつかの実施形態において、伝導性シースは、長円形である。
【0030】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、カテーテルの遠位端に向かって次第に細くなる軟質先端をさらに備えている。
【0031】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、第1の直径を伴う近位部分と、第1の直径より小さい第2の直径を有する遠位端部分とを有する管状内側部材であって、内側部材の近位部分は、4つの円周に位置付けられた縦溝を含み、各縦溝は、4つの管のうちの1つを受け取る、管状内側部材を含む。第1のワイヤが、第1の管内に位置し、第1の管を越えて遠位に延びている。第2のワイヤが、第2の管内に位置し、第2の管を越えて遠位に延びている。第3の管が、伝導性流体の源に接続可能であり、第4の管が、伝導性流体のための帰還経路を画定するように構成されている。円筒形絶縁シースが、内側部材の遠位部分の周囲、かつ第1および第2のワイヤの遠位端の半径方向に内側に位置付けられる。円筒形伝導性シースが、第1および第2のワイヤの遠位端を包囲し、2つの電極対を画定する。シースが、内側部材の近位部分を包囲する。可撓性キャップが、伝導性シースおよびカテーテルの遠位先端を包囲する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、本主題の発明のいくつかの実施形態による血管内の閉塞を治療するために使用されている衝撃波血管形成カテーテルの図示である。
【0033】
図2A図2Aは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0034】
図2B図2Bは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0035】
図2C図2Cは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0036】
図2D図2Dは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位区分の分解斜視図の図示である。
【0037】
図3A図3Aは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルを製造する例示的プロセスにおけるステップの図示である。
【0038】
図3B図3Bは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルを製造する例示的プロセスにおけるステップの図示である。
【0039】
図3C図3Cは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルを製造する例示的プロセスにおけるステップの図示である。
【0040】
図3D図3Dは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルを製造する例示的プロセスにおけるステップの図示である。
【0041】
図3E図3Eは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルを製造する例示的プロセスにおけるステップの図示である。
【0042】
図4A図4Aは、本主題の発明のいくつかの実施形態による別の例示的カテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0043】
図4B図4Bは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0044】
図4C図4Cは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0045】
図5A図5Aは、本主題の発明のいくつかの実施形態による別のカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0046】
図5B図5Bは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルの遠位端における構成要素の断面図示である。
【0047】
図6A図6Aは、本主題の発明のいくつかの実施形態による別のカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0048】
図6B図6Bは、製造の後の段階における図6Aのカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0049】
図6C図6Cは、製造の後の段階における図6Bのカテーテルの遠位端における構成要素の図示である。
【0050】
図6D図6Dは、図6Cに示される構成要素のうちのいくつかの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の説明は、当業者が本明細書に開示される種々の実施形態を作製および使用することを可能にするために提示される。具体的デバイス、技法、および用途の説明は、例としてのみ提供される。本明細書に説明される例の種々の修正が、当業者に容易に明白であり、本明細書に説明される一般的原理は、種々の実施形態の精神および範囲から逸脱することなく、他の例および用途に適用され得る。したがって、種々の実施形態は、本明細書に説明され、示される例に限定されることを意図しておらず、請求項と一貫する範囲を与えられるものである。
【0052】
本明細書の譲受人は、血管形成術および/または弁形成術手技における使用のために好適であり得るいくつかの薄型衝撃波電極を開発している。例えば、米国公開第2019/0150960号において、譲受人は、外側電極が、伝導性シースによって形成され、内側電極が、絶縁ワイヤの導電性部分を露出するように絶縁ワイヤの一部を除去する(例えば、ワイヤの端部の近傍の絶縁層において孔を切断する)ことによって形成される薄型電極アセンブリを開示している。内側電極は、所与の電流および電圧に関して再現可能なアークを可能にするために、伝導性シースの側縁から制御された距離だけ離れて設置される。
【0053】
より最近では、譲受人は、衝撃波カテーテルにおける使用のためのいくつかの共平面電極アセンブリを開発している。これらの設計は、電極アセンブリの全体的厚さを限定するために、同じ横平面上にそれぞれの電極を伴う電極対の新規の構成(例えば、螺旋構造、および舌部および溝設計を有する)を提供する。これらのアセンブリは、特に、堅く通過しにくい病変または完全に塞がれた脈管内に衝撃波を発生させるために有利である。例えば、米国特許第9,993,292号および米国公開第2018/0098779号(参照することによって本明細書に組み込まれる)において、譲受人は、管状構造の周囲で円周に位置付けられた種々の間隙において衝撃波を発生させるために、螺旋状に巻かれたワイヤから電極対を形成することを開示している。米国特許第10,555,744号(同様に参照することによって本明細書に組み込まれる)において、譲受人は、舌部および溝電極アセンブリを開示し、舌部および溝電極アセンブリにおいて、電極対は、伝導性シースにおける溝形切り抜きと、その溝形切り抜きの中に延びている共平面舌形突出部とから形成されている。
【0054】
より堅く横断しにくい石灰性病変および冠動脈完全閉塞における血管内砕石(IVL)治療を可能にする薄型設計要素を組み込むカテーテルが、本明細書において説明される。本発明は、それが閉塞に衝撃波を送達するために患者の脈管の中に進入されるカテーテル上の砕石エミッタ(例えば、電極対)のアレイを備え得る点において、既存のIVLシステムに類似する。しかしながら、本発明は、内側部材をさらに含み、内側部材は、薄型遠位端を提供するために、縮小された遠位セグメントを伴う。1つ以上のエミッタアセンブリが、縮小された遠位セグメントの周囲に据え付けられることができる。
【0055】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるカテーテルは、折り畳むことなく患者の脈管内に位置付けられ得るカテーテルの遠位端に取り付けられた薄型キャップまたは血管形成バルーンを含む。非折り畳みキャップまたはバルーンの薄型は、有利なこととして、カテーテルが脈管のより堅い領域(部分的または完全に塞がれているそれら等)の中にさえ前進することを可能にする。バルーンが、位置付けられると、薄型キャップまたはバルーンのエラストマ材料特性は、バルーンの外形を増加させるために(すなわち、閉塞に接触し、伝導性流体が電極を浸すためのバルーン内の空間を提供するために)、バルーンが伝導性流体を用いて膨張することを可能にする。
【0056】
いくつかの実施形態において、本明細書に説明されるカテーテルは、カテーテルの遠位端の直径をさらに縮小する共平面電極等の追加の薄型要素を含む。加えて、または代替として、カテーテルは、カテーテルシャフトの周囲で円周に巻き付けられた補強ワイヤシースを用いて電極への電気接続を提供し得る。補強ワイヤシースは、患者の脈管内でデバイスをより容易に操縦するために、改良されたよじれ抵抗、ねじり伝達性、および押し込み性をカテーテルに提供する。
【0057】
図1は、本主題の発明のある実施形態による血管内の閉塞を治療するための例示的カテーテル10を図示する。カテーテル10は、ガイドワイヤシース内に運ばれるガイドワイヤ20の上を図1に描写される狭窄病変等の患者の脈管内の閉塞の中に前進させられる。カテーテル10の遠位端は、石灰化病変を粉砕するために、複数のエミッタ(例えば、電極対)において衝撃波を生産する衝撃波発生器16を含む。本明細書に使用されるように、複数のエミッタは、間隙によって分離された第1および第2の電極を有する電極対を含み、電極対において、電流が対の電極間の間隙を横断して流動するとき(すなわち、電圧が、第1および第2の電極を横断して印加されるとき)、衝撃波が、形成される。電極対は、カテーテル10の遠位端の直径を縮小し、堅く横断しにくい病変の治療を可能にする薄型構成において配置される。いくつかの例では、衝撃波発生器16は、1つ以上の共平面電極対を含むか、または、カテーテル10の中に少なくとも部分的に後退させられた1つ以上の電極を含む。
【0058】
薄型可撓性キャップまたはバルーン18が、カテーテル10の遠位端にシール可能に取り付けられ、カテーテルのシャフト12の周囲に環状チャネルを形成する。可撓性キャップまたはバルーン18は、衝撃波がキャップの壁によって画定される閉鎖系において生産されるように、衝撃波発生器16を包囲する。キャップまたはバルーン18は、生理食塩水等の伝導性流体で充填される。伝導性流体は、音響衝撃波が衝撃波発生器16の電極対からキャップまたはバルーン18の壁を通して、次いで、標的病変の中に伝搬することを可能にする。いくつかの実施形態において、伝導性流体は、IVL治療中にカテーテル10の蛍光透視視認を可能にするために、X線造影剤も含み得る。いくつかの実施形態において、キャップは、剛体であり、可撓性ではない。いくつかの実施形態において、伝導性流体を用いて膨張させられると、キャップの直径は、最大10~15%まで拡張する。
【0059】
さらに、カテーテル10は、治療中、患者の脈管の外側に留まる近位端またはハンドル22も含む。近位端22は、ガイドワイヤ20を受け取るための進入ポートを含む。近位端22は、治療中に可撓性キャップ18を膨張および収縮させるための伝導性流体を受け取るための流体ポート26も含む。電気接続ポート24も、遠位衝撃波発生器16と図1に示される血管内砕石(IVL)発生器等の外部パルス式高電圧源28との間の電気接続を提供するために、近位端22上に位置する。いくつかの実施形態において、ハンドルは、Yアダプタである。いくつかの実施形態において、歪み軽減体が、ハンドルの接合部に提供される。
【0060】
カテーテル10は、近位ハンドル22からカテーテルの遠位端まで延びている可撓性シャフト12も含む。シャフト12は、遠位端における要素をカテーテルのハンドル22と接続する種々の内部導管を提供する内側部材を備えている。下記に説明されるように、内側部材は、ガイドワイヤ20を受け取るためのガイドワイヤ管腔を含む。内側部材は、シャフト12を通して縦方向に延びているいくつかのさらなる管腔も画定する。例えば、1つ以上のワイヤ管腔が、パルス式電圧源28を遠位衝撃波発生器16の電極と電気的に接続する伝導性ワイヤを運ぶために含まれることができる。いくつかの実施形態において、1つ以上の流体管腔(例えば、流体入口管腔および流体出口管腔)が、流体ポート26からキャップまたはバルーン18の中に伝導性流体を搬送するために、内側部材内に提供される。いくつかの実施形態において、同じ管腔が、ワイヤおよび伝導性流体の両方を運ぶために使用されることができる。
【0061】
随意に、可撓性シャフト12は、内側部材の周囲で円周に巻き付けられた補強ワイヤシースを含む。補強ワイヤシースは、患者の血管を通したカテーテル10のねじり、押し、および操縦を促進するための機械的支持を可撓性シャフト12に提供する。いくつかの実施形態において、管状外側ジャケットまたはプラスチックライナが、ガイドワイヤシースおよび補強ワイヤシースを覆い、カテーテル10の能動要素と原位置環境との間の障壁を提供する。いくつかの実施形態において、追加の近位強化が、追加された押し込み性およびねじり伝達性のために(追加のプラスチック、金属、または他の潜在的な増強構成要素を用いて)適用されることができる。
【0062】
図2Aは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテル(例えば、カテーテル10)の遠位端における構成要素の図示である。カテーテルは、内側部材202を備えている。内側部材202は、基部セグメント202aと、薄型延長セグメント202bとを備えている。基部セグメント202aおよび延長セグメント202bの両方は、円筒形であり、延長セグメント202bの直径は、基部セグメント202aの直径より小さく、したがって、薄型遠位端を生成する。
【0063】
薄型延長セグメント202bは、ガイドワイヤ(例えば、ガイドワイヤ20)を収容するための管腔を備えている。基部セグメント202aは、2本のワイヤ206および208を運ぶ。ワイヤ206および208は、伝導性遠位端を伴う絶縁ワイヤ(例えば、ポリイミド絶縁銅ワイヤ)である。いくつかの実施形態において、ワイヤの遠位端の絶縁層は、ワイヤの内側伝導性コアを露出するために切断される。2本のワイヤは、伝導性シースと一緒に、本明細書に説明されるように、衝撃波を発生させるための2つの電極対を形成する。
【0064】
絶縁体の除去部分の場所、サイズ、および形状は、衝撃波の場所、方向、および/または大きさを制御するために、変動し得る。いくつかの実施形態において、丸形ワイヤではなく、平坦なワイヤが、電極アセンブリの横断外形をさらに縮小するために使用される。
【0065】
内側部材202は、伝導性流体のための入口をさらに提供する。図2Aの描写される例では、基部セグメントは、カテーテルの遠位端に伝導性流体を導入するための入口フラッシュポートとしての管類210を収容する。管類210は、ポリイミド管類であり得る。描写される例では、管類210の遠位部分は、基部セグメントから外に突出している。いくつかの実施形態において、マンドレルが、入口ポートとして管類210の代わりに管腔内に設置されることができる。
【0066】
内側部材202はさらに、伝導性流体のための出口を提供する。図2Aの描写される例では、基部セグメントは、カテーテルの遠位端から離れるように伝導性流体を搬送するための出口フラッシュポートとして、出口管腔204を備えている。管腔204は、2つの機能を有し、すなわち、出口フラッシュポートであることに加えて、管腔204は、電極アセンブリのワイヤ206も収容し、それによって、空間を節約し、遠位端におけるカテーテルの外形をさらに縮小する。
【0067】
金属またはプラスチック等の少なくとも1つの強化ワイヤ材料から形成される管状補強ワイヤシース220が、内側部材202を包囲している。ワイヤ材料は、様々なピッチにおいて、編まれること、コイル状に巻き付けられること、または両方であることが可能である。補強ワイヤシース220は、好都合な機械的特性もカテーテルのシャフトに提供し得る。例えば、補強ワイヤシース220の材料組成は、増加したねじり伝達性、押し込み性、または増強された剛性をカテーテルシャフトに提供し、患者の脈管を通したカテーテルの操縦を促進し得る。ワイヤシース220の材料は、カテーテルの視覚的追跡を促進するために、放射線不透過性であり得る。
【0068】
補強シース220は、プラスチックライナ222を用いて積層されることができる。プラスチックライナは、押し込み性およびねじり伝達性等の改良された機械的特性を可能にするために、様々な材料または硬度であり得る。シース220および/またはプラスチックライナ222は、カテーテルの外形を縮小し、カテーテルが堅く塞がれた血管の中により容易に収まることを可能にするために、平坦化され得る。図2Bに示されるように、補強シース220およびプラスチックライナ222は、基部セグメント202aの遠位端まで延びず、したがって、基部セグメント202aの遠位セグメントは、露出される。
【0069】
図2Bを参照すると、伝導性シース212が、ワイヤ206および208およびフラッシュポート管類210の周囲に位置付けられる。伝導性シースの近位縁212bが、基部セグメント202aの遠位表面に対して傾くことができるように、伝導性シース212の外径は、基部セグメント202aのそれより小さい。いくつかの実施形態において、接着剤または熱的に接合されたプラスチックが、ワイヤ、伝導性シース、およびフラッシュ管類210を定位置に保持するために使用されることができる。いくつかの実施形態において、管類210は、随意である。
【0070】
2本のワイヤ206および208は、伝導性シース212と一緒に、電極アセンブリを形成する。電極アセンブリは、譲受人の先行出願である米国公開第2019/0150960号に説明されるような2つの電極対を備えている。例えば、第1の電極対は、ワイヤ206の伝導性部分(すなわち、第1の電極)と伝導性シース212の遠位リング縁の一部(すなわち、第2の電極)とによって形成される。第2の電極対は、伝導性シース212の遠位リング縁の一部(すなわち、第3の電極)とワイヤ206の伝導性部分(すなわち、第4の電極)とによって形成される。
【0071】
各ワイヤの遠位端と伝導性シースとは、電極対の2つの電極の間に間隙を画定するように間隔を置かれる。間隙の間隔は、電極間の伝導性流体中に再現可能な電気アークを発生させるように制御されることができる。電極の間隔は、パルス式電圧源から出力される所与の電圧および電流に関して所望の大きさを有する衝撃波を生産するために、修正され得る。ワイヤ206および208の遠位端は、伝導性シースの遠位縁から外に突出していることも、突出していないこともある。ワイヤ206および208は、経時的に短くなり、したがって、伝導性シースに対するワイヤの遠位端の場所を変化させ得る。
【0072】
電極アセンブリは、内側部材の薄型延長セグメント202bの周囲に形成され、したがって、カテーテルの遠位端の直径を縮小するための薄型構成を有する。第1の電極対および第2の電極対は、内側部材の周囲で円周に約120度離れて位置する。各対の電極は、電流が、可撓性キャップの内側の伝導性流体中に衝撃波を生産するために流動し得る間隙を画定するために、間隔を置かれる。
【0073】
基部セグメント202aの遠位端における伝導性シース212の相対的位置付けは、伝導性流体の流動を制御するように構成されることができる。描写される例では、伝導性シースは、出口管腔204を完全には遮断しない。むしろ、出口管腔の少なくとも一部(すなわち、亀裂205)は、伝導性シース212の外径の外側で遮断されていない。故に、伝導性流体は、入口管類210を経由して伝導性シース212の中に導入され、その遠位端において伝導性シース212から外に流され、次いで、伝導性シース212の外側の周囲に流動し、最後に、出口管腔204を経由して(例えば、亀裂205を経由して)退出することができる。このように、入口管類210および出口管類204は、電極対を横断する流体流動を最大化するように位置付けられ、それによって、入口および出口を経由してカテーテルの遠位端を通して流動させられる流体は、電極対のうちの少なくとも1つを横断して流動する。
【0074】
伝導性シース212の外側/周囲の伝導性流体の帰還経路は、いくつかの方法で維持されることができる。いくつかの実施形態において、伝導性シース212は、出口管腔204のより大きい部分(例えば、亀裂205)が、伝導性シース212の外側にアクセス可能であることを可能にするために、平坦化されること、または長円形であることができる。いくつかの実施形態において、伝導性シース212は、基部セグメント202aの中心軸からオフセットされることができる。いくつかの実施形態において、伝導性シース212の内側の出口管腔204の部分は、伝導性流体のみが、入口管類210を経由して進入し、出口管腔204の外側部分(例えば、亀裂205)を経由して退出するように、封鎖されることができる。
【0075】
代替実施形態において、伝導性シース212は、出口管腔204が、完全に伝導性シース内にあるように、基部セグメント202aの遠位端に位置付けられることができる。したがって、伝導性流体は、伝導性シース212内の出口管腔204を経由して退出する。なおも他の実施形態において、出口管腔204は、伝導性流体が、伝導性シースの内側または外側のいずれかで、出口管腔204を経由して退出し得るように、部分的に伝導性シース212の内側にあり、部分的にその外側にある。
【0076】
いくつかの実施形態において、伝導性シース212は、砕石を引き起こし、使用中のカテーテルの蛍光透視視認を可能にするために、少なくとも部分的に、白金、イリジウム、またはステンレス鋼等の放射線不透過性材料から形成される。
【0077】
図2Cおよび図2Dに目を向けると、カテーテルの遠位端は、非折り畳みキャップ230を備えている。非折り畳みキャップは、カテーテルの遠位端の上を覆って取り付けられ、フラッシュ経路を閉鎖し、エミッタアセンブリをカプセル化する。描写されるように、キャップの近位縁は、プラスチックライナ222の遠位縁に結合され、カテーテルの遠位端の周囲に閉鎖された環状チャネルを形成する。伝導性流体が、カテーテルの遠位端に導入されると、伝導性流体は、エミッタアセンブリを通して流動し、出口ポートを経由して退出することができる。内側部材とプラスチックライナとの間の空間は、伝導性流体が、ワイヤシース222と接触しないように、カテーテルの遠位部分から封鎖されることができる。
【0078】
さらに、キャップの遠位端は、延長セグメント202bの遠位端に結合され、閉鎖された空間を形成し、伝導性流体が遠位端において漏出することを防止することができる。延長セグメント202bによって画定される管腔は、ガイドワイヤが通過することを可能にするために、キャップによって遮断されない。キャップ230は、熱的に、または接着して定位置に接合されることができる。
【0079】
キャップ230は、それが、心血管系の中への挿入の前に折り畳まれる必要がある材料を含まないので、「非折り畳み」キャップである。代わりに、キャップは、所望の形状に引き伸ばされ、および修正され、カテーテルの遠位端に接合される押し出し管類(例えば、押し出しポリマー管類)の部品を備えている。そのようなキャップは、閉塞を治療するために電極において衝撃波を発生させる前、伝導性流体中に電極を浸すために十分な比較的に少ない量(例えば、最大10~15%まで)、拡張されることができる。その薄型形状を維持するために、キャップは、好ましくは、キャップが閉塞の治療中に最小限に膨張させられ得、次いで、治療後に収縮させられると、薄型状態に戻るような材料(例えば、半柔軟(semi-compliant)ポリマー)から形成される。代替として、薄型バルーンが、使用されることができる。薄型キャップおよびバルーンの追加の詳細が、米国出願第17/021,905号(参照することによって本明細書に組み込まれる)に見つかる。
【0080】
したがって、キャップ230は、拡張および非拡張状態の両方において非常に薄型を維持する。いくつかの実施形態において、キャップ230の外形は、1.5mmより低い。キャップ230の極端な薄型は、カテーテルの遠位端が脈管の堅く塞がれた領域にアクセスすることを可能にする。キャップが、伝導性流体を用いて膨張させられると、キャップは、拡張し、キャップの内面と電極対との間に追加の空間を提供する。いくつかの例では、内側部材の延長セグメント202bの外径は、約0.019~0.02インチであり、膨張させられたキャップの内径は、1.5mm未満であり、内側部材とキャップの内面との間に空間を提供する。空間は、電極対が衝撃波発生中に伝導性流体中に浸されること、キャップの内面が電極対から十分に遠くにあり、キャップ材料が衝撃波によって損傷されないことを確実にする。いくつかの実施形態において、キャップの直径は、0.75mm~1.5mmである。
【0081】
いくつかの実施形態において、カテーテルの遠位端は、非外傷性外形を有することができる。非外傷性外形は、接着剤または熱的手段を介した軟質非外傷性先端(描写せず)の追加であり得る。いくつかの実施形態において、軟質先端は、カテーテルの遠位先端に向かって次第に細くなる。軟質先端は、ポリマーまたは任意の他の好適な生体適合性材料から形成されることができる。好ましい実施形態において、先端は、使用中にカテーテルの蛍光透視視認を可能にするために、少なくとも部分的に、白金、イリジウム、またはステンレス鋼等の放射線不透過性材料から形成される。軟質先端を提供することは、脈管内の堅い病変との接触およびその中への進入を促進しながら、血管壁への物理的損傷を防止し得る。
【0082】
カテーテルの動作が、ここで、図1-2Cを参照して説明される。カテーテル10は、脈管内の閉塞、例えば、狭窄病変、動脈の石灰化部分、または血管内のある他の閉塞を治療するために使用されることができる。図1を参照すると、動作時、医師は、ガイドワイヤ20を患者上の進入部位(例えば、脚の鼠径部エリアにおける動脈)から血管の標的領域(例えば、粉砕される必要がある閉塞を有する領域)まで前進させる。カテーテル10は、次いで、ガイドワイヤ20の上を血管の標的領域まで前進させられる。いくつかの例では、遠位端にシールされる可撓性キャップ18は、キャップが、脈管を通して自由に前進させられ得るように、薄型を有する非折り畳みキャップである。治療の位置付け段階中、ガイドカテーテルまたはワイヤシースが、脈管内のカテーテル10の進入および操縦を補助するために使用され得る。ワイヤシースは、カテーテル10の押し込み、横断、および設置中、管状線形支持をカテーテルシャフト12に提供する。カテーテル10の遠位端の原位置の場所は、X線撮像および/または蛍光透視によって決定され得る。
【0083】
カテーテル10の遠位端は、堅い病変の内側に可能な限り前進させられる。可撓性キャップ18は、次いで、流体ポート26を経由して導入される伝導性流体(例えば、生理食塩水および/または画像造影剤と混合された生理食塩水)によって最小限に膨張させられ、キャップの外面が標的病変に接触するように、伝導性流体がキャップを拡張させることを可能にする。キャップは、約1気圧~約6気圧であるIVL圧力まで膨張させられる。膨張状態における可撓性キャップの直径は、収縮状態における可撓性キャップの直径を10~15%まで上回り得る。しかしながら、いくつかの例では、膨張状態におけるキャップの直径は、収縮状態におけるキャップの直径を10%未満、上回る。
【0084】
電圧パルスが、次いで、パルス式高電圧源28によって、1つ以上の電極対(すなわち、衝撃波発生器16のエミッタ)を横断して印加される。図2Bを参照すると、動作時、医師は、電力供給源をトリガし得、電力供給源は、同時に、ワイヤ206および208を横断して電流を供給するであろう。そのような例では、電流は、電圧源から、ワイヤ206を下り、ワイヤ206の絶縁体除去遠位部分と伝導性シース212の縁との間の第1の間隙を横断して流動し、第1の電極対において衝撃波を発生させるプラズマアークを生成するであろう。電流は、伝導性シース212を横断し、伝導性シース212の縁とワイヤ208の絶縁体除去遠位部分との間の第2の間隙を横断して流動し、第2の電極対において衝撃波を発生させる別のプラズマアークも生成する。電流帰還経路は、ワイヤ208に沿い、負の導線または接地に到達する。
【0085】
各パルスは、最初に、薄型キャップ230(図2C)内の伝導性流体をイオン化し、カテーテルの遠位端において小さいガス気泡を生成する。流体が、電極から気泡および破片を一掃するために、一定の率において治療中に入口管腔および出口管腔を経由してキャップを通して連続的に勢いよく流されることができる。流体流量は、治療全体を通して制御され得るが、概して、約1ml/分~約3ml/分の範囲内である。ある時点で、プラズマアークが、電極対を横断して形成され、電流が自由に流動する低インピーダンス経路を生成する。プラズマアークからの熱は、伝導性流体を加熱し、急速に拡張する蒸気気泡を生成する。蒸気気泡の拡張は、流体を通して、薄型キャップの壁を通して、閉塞の中に伝導される衝撃波を生成し、閉塞で、エネルギーは、硬化した病変を粉砕する。
【0086】
血管内の閉塞の治療に関して、電圧パルス発生器28によって印加される電圧パルスは、典型的に、約2,000ボルト~約3,000ボルト、好ましくは、2,300~3,000ボルトの範囲内である。印加される電圧パルスの繰り返し率または周波数は、約1Hz~約10Hzであり得る。しかしながら、好ましい電圧および繰り返し率は、例えば、病変のサイズ、石灰化の程度、血管のサイズ、患者の属性、または治療の段階に応じて変動し得る。例えば、医師は、低エネルギーの衝撃波から開始し、手技中、必要に応じてエネルギーを増加させ得る。衝撃波の大きさは、パルス式電圧源28からのパルス電圧の電圧、電流、持続時間、および繰り返し率を制御することによって制御されることができる。衝撃波発生の物理学およびそれらの制御についてのさらなる情報が、米国特許第8,956,371号、第8,728,091号、第9,522,012号、および第10,226,265号(そのそれぞれは、参照することによって組み込まれる)に見つかる。
【0087】
IVL治療中、衝撃波の1つ以上のサイクルが、より柔軟性のある(compliant)の血管を生成するために印加されることができる。例えば、狭窄が衝撃波の第1のサイクルによって十分に軟化させられると、薄型キャップ230は、収縮させられることができ、カテーテルの遠位端は、閉塞の中にさらに前進させられることができる。可撓性キャップ230は、次いで、再膨張させられ、衝撃波の別のサイクルが、印加されることができる。キャップ230のさらなる前進は、連続するサイクルの完了後、試行されることができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、血管内の完全閉塞、例えば、冠動脈完全閉塞(CTO)を治療するために使用されることができる。完全閉塞を治療するとき、ガイドワイヤが、狭窄病変の中に少なくとも部分的に前進させられる。カテーテルは、次いで、患者の脈管を通して、ガイドワイヤの上を少なくとも部分的に病変の中に前進させられる。薄型キャップは、次いで、キャップが病変に優しく接触するまで、伝導性流体を用いて膨張させられる。電圧パルスが、次いで、パルス式電圧源によって、カテーテルの先端における電極対に供給され、病変を粉砕する(または、弛緩させる)衝撃波を発生させる。ガイドワイヤおよびカテーテルは、次いで、病変の中にさらに前進させられることができ、衝撃波治療は、完全閉塞が一掃されるまで、または血管の直径がより大きいより従来の血管形成デバイスの設置を可能にするまで、繰り返されることができる。
【0089】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、狭窄病変によって部分的に妨害される小さい血管内で使用されることができる。この状況では、ガイドワイヤは、病変の中にもっと先に、ある場合、病変全体を通して前進させられることができる。ガイドワイヤを位置付けた後、カテーテルは、病変を通して段階的に前進させられる。各段階において、薄型キャップは、膨張させられ、衝撃波が、閉塞を粉砕し、血管の直径を増加させるために発生させられる。上記に記述されるように、血管の直径が、十分に大きくなると、より大きい直径のカテーテルが、治療を完了するために血管を通して前進させられ得る。
【0090】
手技の進行は、X線および/または蛍光透視によって監視され得る。衝撃波サイクルは、閉塞が一掃されるまで、またはより大きい外形を有する第2の治療デバイスを受け取るために十分な直径を有するチャネルが病変内に形成されるまで、繰り返されることができる。例えば、大きくされたチャネルは、より従来の血管形成バルーンまたは異なって向けられた衝撃波源を有する異なるカテーテルを受け取ることができる。このタイプのカテーテルは、上記に引用される米国特許第8,747,416号および米国公開第2019/0150960号に説明されている。病変が、十分に治療されると、可撓性キャップ18は、さらに膨張させられ、次いで、収縮させられ得、カテーテル10およびガイドワイヤ20は、患者から引き出されることができる。
【0091】
図3A-Eは、本主題の発明のいくつかの実施形態によるカテーテルを製造する例示的プロセスにおけるステップを図示する。図3Aは、3つの管腔(すなわち、3管腔形状)を備えている、管状内側部材202を描写する。いくつかの実施形態において、ポリイミドまたはエッチングされたPTFE管類が、管腔のうちの1つ以上において使用されることができる。例えば、管腔201(すなわち、流体入口ポートを運ぶ管腔)および管腔204(すなわち、流体出口としての機能を果たす管腔)の各々は、カテーテル内の伝導性流体の流入と流出との間のどんなクロストークも防止するために、ポリイミドライニングを含むことができる。
【0092】
図3Bを参照すると、管状補強ワイヤシース220が、内側部材の上に適用される。描写される例では、ワイヤシース220は、内側部材の上を縫うように進められた強化編組ワイヤ構造を備えている。内側部材の近位および遠位セグメントは、それらの上で編まれない。ワイヤ材料は、様々なピッチおよびサイズにおいて編まれること、コイル状に巻かれること、または両方であることが可能である。補強ワイヤシース230は、好都合な機械的特性もカテーテルのシャフトに提供し得る。例えば、補強ワイヤシース220の材料組成は、増加したねじり伝達性、押し込み性、または増強された剛性をカテーテルシャフトに提供し、患者の脈管を通したカテーテルの操縦を促進し得る。
【0093】
図3Cを参照すると、補強シース220は、1つのアセンブリを生成するために、プラスチックライナ222を用いて取り囲まれることができる。プラスチックライナは、押し込み性およびねじり伝達性等の改良された機械的特性を可能にするために、様々な材料または硬度であり得る。図3Cに示されるように、補強シース220およびプラスチックライナ222は、内側部材202の遠位端まで延びない。
【0094】
図3Dを参照すると、内側部材の遠位端は、基部セグメント202aおよび延長セグメント202bを形成するように刈り込んで整えられる。示されるように、延長セグメント202bにおいて、1つのみの管腔が、ガイドワイヤを運ぶために残っている。内側部材の遠位セグメントの縮小された外径は、図2A-Cに示されるようなエミッタアセンブリを格納するために使用される。
【0095】
図3Eを参照すると、エミッタアセンブリの2本のワイヤが、管腔201および204に沿って装填される。上記に議論されるように、2つの管腔の各々は、管腔を絶縁し、(短絡を引き起こし得る)2つの管腔間のどんな流体接続も防止するために、ポリイミドライニングを含むことができる。いくつかの実施形態において、内側部材は、追加のエミッタアセンブリを収容するために、基部セグメント202a内に追加の管腔を備え得る。加えて、または代替として、複数のワイヤ(例えば、複数のエミッタアセンブリから)が、内側部材内の1つの管腔内に収容されることができる。
【0096】
ワイヤが装填された後、管類(例えば、図2Aの管類210)が、カテーテルの遠位端に伝導性流体を導入するための入口フラッシュポートとして、管腔201内に挿入される。管腔201は、図2Aに示されるように、接着剤を用いてシールされるか、または熱的に接合される。代替として、マンドレルが、管類の代わりに管腔201内に設置され、次いで、接着剤を用いてシールされることまたは熱的に接合されることができる。
【0097】
いくつかの例では、各ワイヤは、約0.003インチ~約0.007インチの直径を有するポリイミド絶縁銅ワイヤである。ワイヤは、カテーテルの外形を縮小するために、平坦化され、平坦化ワイヤは、約0.003インチの厚さおよび約0.010インチの幅である断面を有し得る。さらに、内側部材内の管腔は、任意の所望の形状を有し得る。管腔のうちのいずれかの場所、サイズ、および形状は、カテーテルの外形を縮小するために、または、ある他の利益を提供するために、修正されることができる。さらに、種々の管腔は、本発明の範囲から逸脱することなく、組み合わせられる(例えば、同じ管腔内に2本以上の絶縁ワイヤを提供することによって)、または排除され得る。
【0098】
図4A-Cは、本主題の発明のいくつかの実施形態による別の例示的カテーテルの遠位端を図示する。カテーテルは、下記に説明されるように、薄型を達成するために、および/または、伝導性シースの外側にアクセス可能であるための流体出口ポートのより大きい部分を提供するために、長円形伝導性シースを備えている。
【0099】
図4Aを参照すると、カテーテルは、基部セグメント402aと、延長セグメント402bとを備えている内側部材402を備えている。内側部材は、図2A-3Eを参照して上で説明される類似するプロセスにおいて製造されることができ、類似する様式で動作することができる。延長セグメント402bは、ガイドワイヤ管腔としての機能を果たすマンドレル420を運ぶ。
【0100】
図4Bを参照すると、2本のワイヤと伝導性シース412とを備えているエミッタアセンブリが、内側部材の薄型延長セグメント402bの周囲に据え付けられる。描写される例では、2本のワイヤは、薄型を達成し、カテーテルの周囲により均一に衝撃波を発生させるために、延長セグメント402bの周囲で円周に約150度間隔を置かれる。さらに、伝導性シース412は、薄型を達成するために、長円形であるか、または、平坦化される。さらに、長円形形状は、伝導性シースの外側にアクセス可能であるための流体出口ポート404のより大きい部分を提供し、伝導性流体が、伝導性シースの上を流動することを可能にする。
【0101】
図4Cを参照すると、薄型キャップが、遠位端の上を覆って取り付けられ、フラッシュ経路を閉鎖し、エミッタアセンブリをカプセル化する。キャップは、内側部材に接着剤を用いて取り付けられることまたは熱的に接合されることができる。上で説明されるように、大部分の遠位先端は、熱的手段または接着剤による軟質非外傷性先端の追加によって、非外傷性外形を適用される。
【0102】
図2A-4Cに描写される実施形態において、内側部材は、3つの管腔を備えている:第1のワイヤ208を収容することおよび入口フラッシュポートとしての役割を果たすことの両方を行う第1の管腔(例えば、図3Dの201);第2のワイヤ206を収容することおよび出口フラッシュポートとしての役割を果たすことの両方を行う第2の管腔(例えば、図3Dの204);および、ガイドワイヤを収容する第3の管腔。しかしながら、内側部材の設計が、そのように限定されないことを理解されたい。例えば、内側部材は、追加の管腔を含むことができ、それによって、別個の管腔が、ワイヤを収容し、フラッシュポートとしての役割を果たすために使用され得る。
【0103】
例えば、内側部材は、4つの管腔を含むことができる:ワイヤを収容する第1の管腔;フラッシュポートとしての役割を果たす第2の管腔;他のワイヤを収容することおよび他のフラッシュポートとしての役割を果たすことの両方を行う第3の管腔;および、ガイドワイヤを収容する第4の管腔。別の例として、内側部材は、5つの管腔を含むことができる:2本のワイヤを収容するための2つの管腔;2つのフラッシュポートを収容するための2つの管腔;および、ガイドワイヤを収容するための第5の管腔。5つの管腔を有する例示的内側部材が、下記に詳細に説明されるように、図5A-5Bに描写される。
【0104】
さらに、図2A-4Cに描写される実施形態において、ワイヤを収容することおよびフラッシュポートとしての役割を果たすことの両方を行う管腔において、2つの構成が、存在する。1つの構成は、管腔204によって図示され、管腔の遠位端は、シールされず、遠位開口部全体が、フラッシュポートとしての役割を果たす。第2の構成は、管腔201(図3Dおよび2A)によって図示され、管腔の遠位端は、シールされ、フラッシュポートとしての役割を果たす比較的に小さい開口部のみを残す。第2の構成では、随意の管類210が、ポートの精密な位置を制御するために、小さい開口部に取り付けられることができる。図2A-4Cに描写される実施形態は、第1の構成の管腔と、第2の構成の管腔とを有する内側部材を示すが、設計がそのように限定されないことを理解されたい。例えば、内側部材は、第1の構成の両方または第2の構成の両方である2つの管腔を有することができる。構成の選定が、衝撃波の量および分布に影響を及ぼし得ることをさらに理解されたい。
【0105】
図2A-4Cでは、延長セグメント(例えば、202b)は、内側部材の一体部品であり、図3C-Dに示されるように、内側部材の遠位端を刈り込み整えることによって形成されることができる。しかしながら、薄型セグメントは、下記に説明されるような他の手段によって構築されることができる。
【0106】
図5A-5Bは、本主題の発明のいくつかの実施形態による別の例示的カテーテルの構成要素を図示する。図5A-Bでは、別個のガイドワイヤ部材520が、内側部材502の遠位端に取り付けられる。具体的に、ガイドワイヤ部材520の近位端は、内側部材の遠位端に取り付けられること(例えば、接着されること)ができる。ガイドワイヤ部材520内の管腔521は、内側部材502の中心管腔と一列に並び、ガイドワイヤは、内側部材およびガイドワイヤ部材を通して延び得る。
【0107】
いくつかの実施形態において、ガイドワイヤ部材520を内側部材502に取り付けるために、ガイドワイヤ部材の近位端の小さい部分(例えば、2~3mm)が、内側部材の中心管腔の中に挿入される。熱が、挿入の場所において材料を融解させ、ガイドワイヤ部材を内側部材に接合するために加えられることができる。いくつかの実施形態において、マンドレルが、加熱中に内側部材および/またはガイドワイヤ部材の管腔内に設置され、管腔が熱によって変形させられることを防止することができる。
【0108】
図5Aおよび5Bを参照すると、ガイドワイヤ部材520の外面は、溝520aおよび520bを含む。ワイヤ506および508は、可撓性であるので、ワイヤの遠位部分は、溝内に設置され、(例えば、糊を介して)ワイヤをさらに固着させ、カテーテルの遠位外形を縮小することができる。伝導性シース512が、ワイヤおよびガイドワイヤ部材の周囲で円周に巻き付けられる。管腔504および505が、2つの独立したフラッシュポートを画定する。
【0109】
内側部材502は、5つの管腔(2本のワイヤを収容するための2つ、フラッシュポートとしての役割を果たすための2つ、およびガイドワイヤを収容するための1つ)を備えているが、それは、代わりに、上で説明されるように、3つの管腔または4つの管腔を備えていることができる。
【0110】
図6A-6Dは、本主題の発明のある実施形態による別の例示的カテーテルの構成要素を図示する。本実施形態は、下記に記述されるようないくつかの変更を伴って、図5の実施形態に類似する。
【0111】
本実施形態において、内側部材620は、4つのチャネルまたは縦溝640、642(図6Aでは、2つが可視である)と、ガイドワイヤ管腔621とを有する単一の押し出し物から形成される。部材620の遠位端は、遠位端に縮小された直径領域を提供するために、狭い部分を作られている。内側部材のより近位の部分は、より大きい直径を有し、4つのチャネルを含む。1つのポリイミド管644、646(合計4つ)が、4つのチャネルのそれぞれと整列させられる。管のうちの2つは、ワイヤを運ぶために使用される。管のうちの1つは、伝導性流体をカテーテルの遠位先端に供給するための入口を提供し、第4の管は、流体のための帰還経路を提供する。第4の管は、吸引源に接続され得る。
【0112】
図6Bに見られるように、ジャケット648が、ポリイミド管を包囲する。円筒形絶縁スリーブ650が、内側部材の一部を包囲し、ポリイミド管内の遠位開口部まで延びていることができる。スリーブ650は、一定の直径の遠位部分と、テーパ状近位部分とを含む、2つの部品から形成されることができる。代替では、スリーブは、示されるような1つの部品から形成され得る。図6Bは、2本のワイヤ606および608を示し、2本のワイヤ606および608の各々は、管から外に、絶縁スリーブの一部に沿って延びている。
【0113】
より完全なアセンブリが、図6Cに見られ、ワイヤ606および608の先端を包囲し、2つの電極対を画定する円筒形伝導性シース612を含む。電圧が、ワイヤ606および608の近位端に印加されると、電流が、ワイヤ606に沿って進行し、ワイヤの絶縁体除去遠位端の間の間隙を飛び越え、シースまで横断し、次いで、シースの周囲を進行し、ワイヤ608の絶縁体除去遠位端まで間隙を飛び越え、絶縁体除去遠位端において、それは、接地に戻るであろう。衝撃波が、上記に詳細に議論されるように、両方の間隙において発生させられる。
【0114】
図6Cに見られるように、可撓性キャップ630が、カテーテルの遠位端上に搭載される。最小限に拡張するキャップの構造が、上記に議論される。他の実施形態におけるように、カテーテルのより近位の部分は、強化ワイヤ編組によって画定されるシース654を含むことができる。
【0115】
図6Dは、ガイドワイヤシース621を画定する内側部材620を示す、断面である。ワイヤ606および608は、それら自身の管内に収まる。上記に記述されるように、管604は、伝導性流体のための入口を提供し、管605は、流体を除去するための帰還経路を提供することができる。本実施形態において、ワイヤおよび流体入口および出口は、カテーテルに沿った別個のチャネル内で分離される。
【0116】
本明細書に例証される例示的カテーテルの要素および特徴が、本発明から逸脱することなく、再配置され、再び組み合わせられ、修正され得ることに留意されたい。さらに、本主題の発明は、様々な電極構成を有するカテーテルを含むことを意図している。例えば、例示的カテーテルの衝撃波発生器は、2つの舌部および溝電極対、2つの点および円電極対、またはワイヤの遠位伝導性部分と伝導性シースとから形成される2つの電極対、または任意の他の所望の構成を含み得る。さらに、電極対の設置および間隔は、本主題の発明から逸脱することなく、修正されることができる。例えば、電極対は、カテーテルの周囲で円周により均一に衝撃波を発生させるために、一貫した増分において、例えば、180度離れて、90度離れて、または60度離れてカテーテルの周囲で円周に間隔を置かれ得る。いくつかの例では、衝撃波発生器は、カテーテルに沿って縦方向に間隔を置かれる種々の群化において位置付けられる電極対を含む。例えば、衝撃波発生器は、カテーテルに沿って縦方向に間隔を置かれる複数の伝導性シースによって画定される複数の電極対を含み得る。そのような例では、パルス式電圧源は、例えば、それぞれの対につながるワイヤまたは他の導体の異なる組を横断して電圧パルスを印加することによって、近位または遠位電極対のいずれにおいて高電圧パルスを選択的に発生させるように制御され得る。例えば、治療の第1の段階では(すなわち、堅い、または完全に閉塞する病変の初期治療中)、遠位電極対のみが、衝撃波を発生させるようにアクティブにされる。堅い病変が、修正され、キャップ18のより近位の部分が、病変を横断することが可能になった後、キャップは、再び膨張させられ、より近位の電極対が、より近位の衝撃波を発生させるようにアクティブにされる。
【0117】
ワイヤおよび流体チャネルの位置が図示される構成から変動させられ得ることも理解されたい。例えば、図6Dを考慮すると、ワイヤ608およびチャネル605の場所は、交換され得る。実際、任意の2つの管が、ワイヤを含むことができ、任意の2つのチャネルが、流体交換のために使用されることができる。さらに、要素の角度間隔は、性能を改良するために調節され得る。
【0118】
前述が、本発明の原理の例証にすぎず、種々の修正、改変、および組み合わせが、本発明の範囲および精神から逸脱することなく、当業者によって行われ得ることを理解されたい。本明細書に開示される種々の衝撃波カテーテルの変形例のうちのいずれかは、本明細書の任意の他の衝撃波カテーテルまたは衝撃波カテーテルの組み合わせによって説明される特徴を含むことができる。さらに、方法のうちのいずれかは、開示される衝撃波デバイスのうちのいずれかと共に使用されることができる。故に、添付される請求項による場合を除いて、本発明が限定されることを意図していない。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
【国際調査報告】